車両搭載検査システムおよび方法
放射線源を支持する第1の車両を備える、対象物を検査するための放射線走査システムが開示される。第2の車両が検出器を支持する。線源および検出器は、車両間の貨物輸送物などの対象物を走査するために移動させることができる。第1および第2の車両は、伸張可能な長さを有することができ、線源および検出器は、長い対象物を走査するために伸張可能な長さ全域で移動することができる。放射線源は、ファンビームなどの、垂直に発散する放射ビームを放出するようになされることができる。放射線は、例えば、X線放射線とすることができる。車両は、トラックと開放可能にトラックに連結される伸張可能なトレーラを備えることができる。トレーラは、入れ子式のレールを備えることができる。第1および第2の車両は、検査場所に運転して運ぶことができ、そこで迅速に展開することができる。対象物を検査する方法も開示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線走査システムおよび、より詳しくは、車両搭載放射線走査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線は、隠された禁制品および密輸品を発見するために、荷物、バッグ、ブリーフケースなどの対象物の非侵襲性検査に広く使用される。禁制品には、例えば、銃、ナイフ、爆発装置、ならびに不法な薬品などが含まれる。密輸品は、対象物の検出された内容物を対象物の内容をリストした積荷目録と比較することによって発見することができる。犯罪者やテロリストが禁制品を隠す方法がより創造的になってきているので、より効果的な非侵襲性検査技術へのニーズが生まれてきている。飛行機への機内持ち込み用かばんおよび荷物に入れた禁制品の密輸はよく知られ、継続する問題であるが、それより公表されていないがやはり深刻な脅威は、大きな貨物コンテナに入れた禁制品の国境を越えた、および船舶による密輸である。船舶によって合衆国に運ばれる1700万個の貨物コンテナの2%〜10%のみが検査されている。「検問所の恐怖」、U.S. News and World Report, February 11, 2002, p.52。
【0003】
1つの一般的な検査システムはライン走査器であり、そこでは荷物などの検査すべき対象物が、X線放射線などの静止放射線源と静止検出器との間を通過する。放射線は、垂直なファンビームまたはペンシルビームにコリメートされ、対象物はビームの中を通り水平に移動される。対象物を透過する放射線は、対象物の内容物によって様々な程度に減衰する。放射線の減衰は、その放射ビームが通過する材料密度の関数である。減衰した放射線が検出され、対象物の内容物の放射線画像が検査のために生成される。この放射線画像は、内容物の形状、寸法、および変化する密度を明らかにする。
【0004】
標準的な貨物コンテナは通常、長さ6.1〜15.2メートル(20〜50フィート)、高さ2.4メートル(8フィート)、および幅1.8〜2.7メートル(6〜9フィート)である。航空機の本体内に収容される、複数個の手荷物または他の貨物を格納するために使用される航空貨物コンテナは、約0.89×0.53×0.53メートル(35×21×21インチ)から約6.1×3.0×2.4メートル(240×118×96インチ)までの寸法(長さ、高さ、幅)の範囲になる場合がある。海上貨物コンテナは、通常約12.2〜15.2×2.4×2.4メートル(40〜50フィート長、8フィート幅、および8フィート高)である。多数の個数の手荷物などの対象物の多数の集合は、パレット上に支持することもできる。支持側壁を有することもできるパレットは、貨物コンテナと同等の寸法である場合がある。用語「貨物輸送物」は、本明細書では(海上貨物コンテナを含む)貨物コンテナおよびパレットを包含して使用される。
【0005】
固定式検査システムが、大きなコンテナを検査するために提案されてきた。例えば、Yoshidaによる米国特許第4,430,568号は、大きな船積みコンテナを含む梱包の検査用X線システムを開示する。コンベアが、梱包またはコンテナを床に支持されるX線源と検出器列の間を水平に移動させる。同様に、Cableによる米国特許第4,599,740号は、X線源が検査すべきコンテナが沿って移動するコンベアを横切って放射線の連続ビームを送る、固定式の検査システムを開示する。このコンテナは、連続的にまたは徐々にのいずれでも移動させることができる。コンテナを透過する放射線は検査中、1つはコンテナの側面に沿って垂直に延び、もう1つはコンテナの頂部上を水平に延びる2つの垂直なアームを有する「折りたたまれた」センサスクリーンまたは装置によって検出される。この折りたたまれたセンサによって、コンテナ全体を透過する放射線を検出するために、そうでない場合に必要であるよりも低い高さを有するシステムが可能になる。
【0006】
大きなコンテナを携帯式X線画像システムで走査することも提案されてきた。例えば、Armisteadによる、米国特許第5,638,420号は、放射線走査システムの線源と検出器が移動可能フレームに固定され、画像データが順次記録される間、そのフレームがコンテナの長さに沿って水平に移動する、夾叉(straddle)検査システムを開示する。Geus他による、米国特許第5,692,028号は、移動車両に搭載されるX線源およびその車両から延びる、門形のアセンブリによって支持される検出器を開示する。別の車両の場合もある、対象物の検査中、対象物が門形のアセンブリを通過するように、移動車両は対象物のそばを通り過ぎて駆動される。
【0007】
Swift他による米国特許第6,292,533号は、車両によって輸送される貨物コンテナなどの大きな対象物用の450kVのX線源を使用する移動式X線検査システムを開示する。線源はトラック上に支持され、ペンシルビームを車両を垂直に走査するように発生させる。同様にトラック、またはトラックから延びるブーム上に支持される検出器が、対象物の内容物を透過し、かつ内容物によって散乱される放射線を検出する。使用では、検査される車両は、トラック上の走査ユニットに平行して駐車する。線源および検出器は、車両を水平に走査するように、トラック内の平行移動システムによって水平に移動する。走査は、「甚だしく遅い」(0.54〜0.27km(1/3〜1/6マイル)/時間)と言われている。
【0008】
Bjorkholmによる米国特許第5,917,880号は、貨物を輸送するトラックを走査するために垂直のファンビームにコリメートされた約8MVのX線放射線を使用する、貨物コンテナを検査するために使用することができるX線検査装置を開示する。第1の検出器列が、トラックを透過する放射線を検出するためにファンビームと整列している。第2の検出器列が、トラックによって前方に散乱される放射線を検出するために設けられる。トラックは垂直のファンビームを通って移動する。両方の検出器からのデータが、トラック内の材料内容を特定するために、トラックの減衰材料の平均原子番号を求めるために使用される。材料内容を示す画像が次いで準備される。第1の検出器列によってもたらされるデータは、トラックのX線写真を形成するためにも使用される。
【0009】
そのようなシステムは、高価で重く複雑で、かつ輸送および準備に困難になりがちである。検査は遅いであろう。組み立て、解体に数日掛かるシステムもある。他のシステムは非常に長く、かつ/または重く、高速道路を走るのに特別な走行許可が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
車両用、車両によって輸送される貨物輸送物用、および他の対象物用の改善された放射検査システムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、伸張可能な長さを有する第1の車両を備える、対象物を検査するための放射線走査システムが開示される。検査すべき対象物を照射するための放射線源は、前記第1の車両によって移動可能に支持される。このシステムは、伸張可能な長さを有する第2の車両をさらに備える。前記対象物と相互作用する放射線を検出するための検出器が、前記第2の車両によって移動可能に支持される。前記第1の車両は、第1の伸張可能な部分を備えることができ、前記線源は、前記第1の伸張可能な部分の全域で移動可能とすることができる。前記第2の車両は、第2の伸張可能な部分を備えることができ、前記検出器は、前記第2の伸張可能部分の全域で移動可能とすることができる。伸張可能な部分は、例えば、複数の対のレールを備えることができる。線源および検出器は伸張可能部分上に移動可能に支持することができる。第1および第2の伸張可能部分は、地上より上で支持される第1の位置および第2の、地上に下ろされた位置を有することができる。第1および第2の伸張可能部分は、各々入れ子式部分を備えることができる。線源および検出器は、例えば、モータによって移動可能にすることができる。
【0012】
放射線源は、対象物上に垂直に発散する放射ビームを放出するようになされることができ、検出器は、対象物と相互作用した後の垂直に発散するビームを検出するようになされることができる。この垂直に発散するビームは、例えば、垂直ファンビームとすることができる。放射線源は、例えば、X線放射線源とすることができる。
【0013】
別の実施形態によれば、第1の車両と、検査すべき対象物を照射するための前記第1の車両上を移動可能な放射線源とを備える、対象物を検査するための放射線走査システムが開示される。このシステムは、第2の車両と、対象物と相互作用した後の放射線を検出するための第2の車両上を移動可能な検出器とをさらに備える。
【0014】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの伸張可能な部分を有する少なくとも1台の車両を備える、対象物を検査するための放射線走査システムが開示される。検査すべき対象物を照射するための放射線源は、前記少なくとも1つの伸張可能な部分上を移動可能である。対象物と相互作用する放射線を検出するための検出器も、前記の伸張可能な部分上を移動可能である。
【0015】
別の実施形態によれば、第1および第2の車両を備える、対象物を検査するための放射線走査システムが開示される。第1の車両は、第1の駆動部分と、第1の入れ子式部分および検査すべき対象物を照射するための前記第1の入れ子式部分によって移動可能に支持される放射線源とを備える。第2の車両は、第2の運転部分と、第2の入れ子式部分および対象物と相互作用する放射線を検出するための前記第2の入れ子式部分によって移動可能に支持される検出器とを備える。
【0016】
別の実施形態によれば、第1のトラックと、前記第1のトラックに開放可能に連結される第1の入れ子式トレーラと、検査すべき対象物を照射するための前記第1の入れ子式トレーラの少なくとも一部分の全域で移動可能な放射線源とを備える、対象物を検査するための放射線走査システムが開示される。このシステムは、第2のトラックと、前記第2のトラックに開放可能に連結される第2の入れ子式トレーラと、対象物と相互作用する放射線を検出するための前記第2の入れ子式トレーラの少なくとも一部分の全域で移動可能な検出器とをさらに備える。
【0017】
別の実施形態によれば、検査すべき対象物を、静止する第1および第2の車両の間に配置するステップであって、前記第1の車両が放射線源を移動可能に支持し、前記第2の車両が検出器を移動可能に支持するステップを含む、対象物を検査するための方法が開示される。この方法は、前記放射線源を前記第1の車両の長さの全域で移動させ、前記線源が移動する間に前記対象物を放射線で照射するステップをさらに含む。前記第2の静止車両によって支持される検出器は、前記第2の車両の長さの全域で移動し、前記対象物と相互作用する放射線が前記移動する検出器によって検出される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による、放射線走査システム10の斜視図である。このシステム10は、線源14を支持する第1の車両12、および検出器18を支持する第2の車両16を備える。この例では、第3の車両22によって運搬される検査すべき貨物輸送物20が、第1および第2の車両12、16の間の隙間G内に示されている。線源14および検出器18は、貨物輸送物20を走査するために、第1および第2の車両12、16の全域でそれぞれ移動可能であることが好ましい。
【0019】
各車両12、16は、それぞれ前面のトラック部分24、26、後部車輪32、34を支持する後面の台車部分28、30、および前面と後面部分を接続する中央部分36、38を備える。線源14および検出器18は、それぞれ、中央部分36、38全域で移動可能である。この例では、線源14は、垂直ファンビームなどの、垂直に発散するビームを放射するようになされている。この例の検出器18は、貨物輸送物20と相互作用した後の垂直に発散する放射ビームを検出するように、垂直に延びる。
【0020】
この例ではまた、中央部分36、38は、それぞれの対のレール40、42を備える。第1のトレーラ12のレール対40は、放射線源14を支持し、第2のトレーラ16のレール対42は、検出器18を支持する。別法として、中央部分36、38のいずれかまたは両方を1本のレールとすることもできる。中央部分36、38は、レールの他に別の支持構造を備えることもできる。中央部分36、38のいずれかまたは両方は、例えば、プラットフォームとすることもできる。
【0021】
前面トラック部分24、26は、例えば、Peterbilt Motors Company,A Division of PACCAR,Inc.,Denton,Texasから入手可能な型式379または他の型式のトレーラ牽引用の従来型セミトラクタトラックとすることができる。中央部分36、38および後部台車部分28、30は、トレーラの一部とすることもできる。図2aは、前面トラック部分24から分離された、第1の車両12の一部とすることもできるトレーラ43aの側面図である。第2の車両16用の同様なトレーラ43bは、図5を参照してより詳細に論述する。レール40のうちの1本および後部台車部分28も同様に示されている。図1の第1の車両12上に示す線源14および他の構造体は、図を簡略化するために、図2aには示していない。レール40の前端部44は、前面トラック部分24をこの分野で知られている方法で解放可能に連結することができる(キングピンとして知られる)旋回軸45aを含む旋回軸支持構造体45に連結される。図2aにそのうちの1つが示されている支持脚45bは、トレーラが前面トラック部分24に連結されていないときにトレーラ43aを支持するように旋回軸構造体45から延びることができる。脚45bは、この分野で同様に知られているように、脚の高さを調整するために旋回軸支持構造体45内に後退可能である。代わりに、支持脚はレールから延びることもできる。適したトレーラ43aの一例を以下に特定する。
【0022】
図1に戻ると、レール40に沿った移動が容易になるように車輪47を有する台車46上に線源16を支持することができる。レール40の1つ又は複数の溝48内に車輪47を受けることができる。同様に、第2の車両16のレール42の溝54内を移動可能な車輪52を有する台車50上に、検出器18を支持することができる。図3は、溝48をより良く示す図2aの線3−3を通るレール40の1つの断面図である。レール42の溝52は同様である。
【0023】
台車44、50は、車輪46、52に連結される電気、直駆動モータ(図示せず)によって駆動することができる。モータは、例えば、可変速ACベクトル駆動電気モータとすることができる。適したモータは、容易に商業的に入手可能である。駆動速度は、1分間に約30.48メートル(約100フィート)とすることができる。
【0024】
線源14または線源を移動させるモータに連結された回転速度計が、それらが走査中整列するように、検出器18の移動を同期させる(または、その逆)ために使用することができる。例えば、絶対位置基準システムから得られる比例積分微分(PID)ループを検出器18の移動誤差を補正するために使用することができる。
【0025】
別法として、台車44、50を、溝48、52内を移動するモータ駆動のエンドレスベルトによって駆動することができる。別の代替として、台車は、圧縮空気によって発生する空気クッションによって支持し、移動させることもできる。
【0026】
レール40、42は、図1および2aに示すように、それぞれ、第2の部分40b、42b内に収容することができる第1の部分40a、42aを備える入れ子式レールであることが好ましい。第3のレール部分40cが、追加の長さを設けるために図2bに示すようにそれぞれ第1のレール部分40a、42a内に収容されることがさらに好ましい。図1、2aおよび2bでは、レール40、42は第1の展開位置にあり、第1のレール40a、42aは、第1および第2の車両12、16の中央部分36、38の長さを、少なくとも走査すべき貨物輸送物20の長さを越えて延びるように、第2のレール40b、42bから延びている。中央部分36、38の長さは、第3の車両22全体が走査されるように、図1に示すように貨物輸送物20を支持する第3の車両22の長さを越えて延びることがなお好ましい。
【0027】
図4は、トレーラ43bに連結される前面トラック部分26を含む、第2の車両16の斜視図である。レール42は、第2の、非展開位置にあり、第1のレール部分40aは、それらの長さの大部分に沿って第2のレール部分40b内に収容されている。それによって車両14は、検査場所へまたは検査場所からより容易に運転して運ぶことができる。第1の車両16のレール40も、運転を容易にするための同様な第2の非展開位置を有することがなお好ましい。車両12、16の縮小された長さによって、道路上の車両の運転のための特別な許可の必要性も回避することができる。
【0028】
図5は、レール40が第2の非展開位置にあるトレーラ43bの側面図である。図5(および図4)では、検出器18は、検出器18を運転中保護するために検出器が水平である好ましい非展開位置に示されている。図1では、検出器18は、貨物輸送物20aを透過する放射線の垂直に発散するファンビームを検出するために、展開位置に垂直に延びている。検出器18は、図5に最も良く示すように、旋回軸51を介して台車50に装着することができる。旋回軸51および検出器18に連結されるモータ(図示せず)が、レールが第2の、非展開位置から第1の展開位置に延びる前に、または延びる間に、または延びた後で、非展開位置から展開位置に検出器を回転させることができる。
【0029】
トレーラ43a、43bは、図2aに示すように第1の展開位置にあるとき、例えば、約21.3メートル(約70フィート)の長さL1を有することができる。延長レール自体は約15.8メートル(約52フィート)の長さを有することができ、ほぼその長さの走査長さをもたらす。図2bに示すように、レール43bによって収容されるレール43cの追加のセットで、トレーラ43a、43bは、例えば、約32.6メートル(約107フィート)の長さL2を有することができる。図2bの延長レール40、42は、約26.5メートル(約87フィート)の長さを有することができ、ほぼその長さの走査長さをもたらす。図5の第2の、非展開位置にあるとき、トレーラ43a、43bは、例えば、約16.2メートル(約53フィート)の長さL3を有することができる。16.2メートル(53フィート)長のトレーラ43a、43bは、トラック24、26によって許可なしに運転することができる。レール40、42は、レールを互いに固定するロックを解放し、車両14、16のトラック部分24、26を前方に所望の距離運転して運ぶことによって、非展開位置から展開位置に延ばすことができる。入れ子式のトレーラ43はこの分野で知られている。適した入れ子式トレーラは、例えば、Talbert Manufacturing,Inc.,Rensselaer,Indiana(「Talbert」)から、商標Double Drop Trailerの下で入手可能である。Talbert Double Drop Trailerは、図2aのように、別のレール対の中に受けられる1対のレールを有している。図2bのような、入れ子式レールの追加の対も、Talbert Double Drop Trailerに容易に設けることができる。Talbert Double Drop Trailerは、不規則な地形を補償するための、任意選択の自動水平化装置を有している。
【0030】
上記で述べたように、図2および5に示す支持脚45bは、後退可能であることが好ましい。第1および第2の車両12、14の後部台車部分28、30の後部車輪32、34も後退可能であることが好ましい。使用中、車両12、14の前面トラック部分24、26は、トレーラ43a、43bのレール40、42がそれらの展開位置に延ばされた後、それぞれトレーラ43、43bから分離することが好ましい。図6に示すように、動作中支持するために、車輪32、34および脚45bを後退させ、レール40、42を地面に下す。Talbert Double Drop Trailerは同様に、後退可能脚および車輪付きで得ることができる。
【0031】
図7は、第3の車両22(第3の車両の車輪22aが示されている)の上の貨物輸送物20の走査に使用中の放射線走査システム10の線源14および検出器18の正面図である。線源14および検出器18は、それぞれ、台車44、50およびレール40、42に支持されて示されている。放射ビームは、図7に示すように、垂直に発散するビームBであることが好ましい。放射ビームは、垂直に発散するファンビームであることがより好ましい。円錐ビームも同様に使用することができる。検出器18は、貨物輸送物20と相互作用した後の放射ビームBを集めるために垂直に十分な距離延びる。ここで、用語「ファンビーム」は、本質的に垂直次元などの1次元のみ有する発散放射ビームを呼ぶ。用語「円錐ビーム」は、水平および垂直に発散する放射ビームなど、2次元に発散する放射ビームを呼ぶ。円錐ビームは数学的な円錐である必要はない。それは、例えば、四角形、正方形、円形または楕円形の外縁を持つ断面を有する任意の形状の錐体であることができる。
【0032】
垂直に発散するビーム43は、この分野で知られているように、1つ又は複数のコリメータ62によって画成することができる。コリメータ62は、線源14と一体化することができる。貨物輸送物20の面20aでの垂直に発散するビームの垂直高さは、輸送物の高さより若干高くすることができる。線源14は地面に近いので、貨物輸送物20の全垂直薄片を照射するために、コリメータ62は非対称コリメータとすることができる。放射ビームBの弧αは、例えば、約90度とすることができる。例えばそれは、垂直線Vに対して約−20度から約+70度まで延びることができる。特定の用途での弧αおよびその向きの範囲は、線源14と検出器18の間の距離、貨物輸送物20の高さおよび隙間内の貨物輸送物20の位置に依存する。別法として、線源12の中心線Rの方向を、図8の概略図に示すように回転させることもできる。例えば、中心線は、直三角柱64を線源14と台車44の間に配置することによって回転させることができる。車輪22aの少なくとも一部分を含む、車両22の少なくとも一部分も同様に、システム10の構成部品の寸法および第1および第2の車両12、16間の距離を適切にセットすることによって走査することができる。
【0033】
放射線源14は、例えば、制動放射線(Bremsstrahlung)などのX線放射線の線源とすることができる。線源14は、システム10の構成、貨物輸送物20の幅「W」(図9参照)および貨物輸送物の内容物に対して適したエネルギーを有する放射線を放出でき、これは当業者には明らかである。図1の実施形態による放射線走査システム10によって、約1.5メートル(約5フィート)より大きな幅Wを有する貨物輸送物20を検査するためには、一般にX線源14は、この分野で知られているように、輸送物の全Wを貫通するために約1MVより大きな公称エネルギーを有する放射ビームBを発生させることが望ましいであろう。輸送物の内容物の密度が非常に高くない場合は、より低いエネルギーを使用することができる。より高いエネルギーも同様に使用することができる。線源14は、複数のエネルギーで放射線を放出することもできる。
【0034】
X線源14は、1つ又は複数の公称エネルギーで放射線を放出する、例えば、Varian Medical Systems,Inc.,Palo Alto,CA(「Varian」)から入手可能な、Linatron(登録商標)Linear Accelerator(「Linatron(登録商標)」)などの、線形加速器とすることができる。例えば、6MVおよび9MVで放射線を放出することができる、超低漏洩(ultra−low leakage)のLinatron(登録商標)M9を使用することができる。例えば、3.5MVおよび6MV、または5MVおよび10MVなどの他のエネルギーで放射線を放出する線形加速器も使用することができる。他の型式のX線源、例えば、静電加速器(electrostatic accelerator)、マイクロトロンおよびベータトロンなども使用することができる。X線管も、特に約1.5メートル(約5フィート)より小さな幅Wを有する貨物輸送物および他の対象物用に使用することができる。別の考え得る放射線源には、コバルト60などの放射性同位元素がある。別法として、中性子線またはガンマ線を貨物輸送物20を走査するのに使用することもできる。中性子線およびガンマ線放射線源も同様にこの分野で知られている。
【0035】
検出器18は、検出器アレイとすることができる。放射線のファンビームを検出するために、検出器アレイ18は、この分野で知られているように、検出器要素の1つ又は複数のモジュールを備える1次元検出器アレイとすることができる。各1次元検出器モジュールは、複数の検出器要素の単一の列を備えることができる。この分野で知られているように、モジュールの背面および/または検出器アレイ18の背後に遮蔽物を設けることができる。さらなる遮蔽物が必要でないように、検出器18および関連する遮蔽物は、放射ビームの輪郭を越えて延びることが好ましい。しかしながら、所望の場合、さらなる遮蔽物を設けることもできる。
【0036】
検出器または検出器アレイ18は、展開されるとき垂直に延びることができ、例えば、図7のように高さ「Hv」を有する。検出器または検出器アレイ18は、図7の点線部で示すように、展開されるとき貨物輸送物20の上を延びるように、垂直部分18bに直角な水平部分18aも有することができる。その場合は検出器18の垂直高さは、Hvより低くすることができる。水平部分18aは、展開しないとき垂直部分に対して折りたたむことができるように、例えば、ピボット18cによって垂直部分18bに連結することができる。
【0037】
検出器要素は、この分野で知られているように、シンチレータなどの放射線感受性検出器、および光電管または光ダイオードなどの光感受性の検出器を備えることができる。カドミウムタングステン酸塩シンチレータなどの高密度シンチレータを使用することができる。このシンチレータは、例えば、立方cm当り8グラムの密度を有することができる。例えば、光ダイオードの直線配列を有する直線配列に、2mmピッチの2000個の検出器要素を設けることができる。この場合は、検出器18の垂直高さHvは、4000mmになろう。適したカドミウムタングステン酸塩シンチレータは、例えば、Saint Gobain Crystals,Solon,Ohio,U.S.AおよびSpectra−Physics Hilger Crystal,Kent,U.K.から入手可能である。放射ビームの放射スペクトルに応じて、約10%から約80%の検出効率を有する検出器モジュールを好ましく使用することができる。放射線の円錐ビームが使用される場合は、検出器アレイ18は、2次元検出器モジュールの1つ又は複数の列を備えることができる。2次元検出器モジュールは、複数の、検出器要素の行列を備えることができる。
【0038】
図1に戻ると、線源14の支援構成部品も、第1の車両12に装着することができる。例えば、源14が線形加速器である場合、線源14に電力を供給する発電機64、加速器用のマイクロウエーブ発生システムを格納するRFタブ65、線形加速器の温度を安定化させるための温度制御ユニット(「TCU」)66、および線形加速器を駆動するパルスを変調するモジュレータ68を第1の車両12に装着することができる。システム10に使用される付属品、例えば、高電圧ケーブル、迅速接続ケーブル、水冷ホース、予備品および工具などを格納するための格納庫70も第1の車両12に装着することができる。発電機64は、例えば、55KVA発電機とすることができる。RFタブ65は、線源14に装着することもできる。発電機72および信号処理システム74などの検出器18用の支援構成部品は、第2の車両16に装着することができる。発電機72は、例えば、25KVA発電機とすることができる。
【0039】
検出器アレイ18は、コンピュータなどのプロセッサー、およびアナログデジタル変換回路(図示せず)を含むことができる信号処理システム74に電気的に接続される。一例では、信号処理システム74は、検出器アレイ18によって出力されるデータをモニター76に表示することができる画像に再構築する。このモニター76は、図1の点線部で示す、車両12、16のうちの1つの運転者席の後ろの空間78に設けることができる。モニター76がトラック部分24、26のうちの1つに設けられる場合は、モニター76を検出器を支援する車両と同じ車両(第2の車両16)に設けるのが一般により実用的である。座席の後ろの空間78は、例えば、約2.08メートル(約82インチ)の高さおよび約1.78メートル(約70インチ)の幅を有し、モニター76およびオペレータを収容するのに十分すぎる。前面トラック部分26は、この分野で知られているように、オペレータを保護するために適切に遮蔽することができる。
【0040】
モニター76は、モニター基地または事務所収納コンテナなどの別の施設に配置することもできる。この別の施設は、検査場所または遠く離れた場所であることができる。事務所収納コンテナは、配備に先立ち第1および第2の車両12、16のうちの1つで運搬することができる。事務所収納コンテナは、検査場所で車両から例えばクレーンによって取り外すことができる。遠く離れた場所は、例えば中央事務所であることができる。この表示器は、画像処理回路と、例えば有線または無線周波数送信/受信システムによって接続することができる。
【0041】
1つ又は複数のコンピュータ内の、1つ又は複数のプログラム論理制御器を備える制御システム79は、モニター76、線源14および検出器18の移動を起こさせる複数のモータ、信号処理システム74、および他のシステム構成部品に、それらの動作を制御するために有線または無線接続で接続することができる。制御システム79は、図1に示すようにモニター76と同じ位置に置くことができ、または別の位置におくこともできる。他の制御構成を使用することもできる。
【0042】
信号処理システム74は、貨物輸送物20の内容物の画像を、それが取得されるときにリアルタイムで見ることができるようにすることが好ましい。オペレータがパンし(画像の特定の区域にカーソルを移動させ)、画像の選択された区域をズームし、縁部の強調を行い、ビデオを反転させ(暗い区域と明るい区域を逆にし)、画像の密度に基づいて画像に擬似的な色付けを選択し、コントラストの強調を選択し、かつ、対象の区域をマークし注釈をつけることができるようにすることも好ましい。異なるテストおよび表示条件で同じ画像を並列で比較するために、2つの表示モニターを設けることが好ましい。例えば、各モニターは、異なるエネルギーで取得されたデータによる画像を表示することができる。異なるエネルギーで取得されたデータは、同様に1つのモニターに表示させるために併合することもできる。画像処理装置は、例えば、この分野で知られている直線走査検査ソフトウエアを有するPCベースのPentium(登録商標)4画像処理装置とすることができる。この例では、信号処理システムが処理したデータを制御システム79に供給し、それがさらにモニター76に表示するためにデータを処理する。
【0043】
他のシステム構成部品には、管理データベース、ディスク記録装置(1000全走査画像以上用であることが好ましい)、カラーレーザプリンタおよび文書スキャナが含まれる。システムは、分析のために他の場所に画像を送付するために、インターネットアクセスを有することが好ましい。このインターネットアクセス手段は、無線インターネットアクセスであることがより好ましい。
【0044】
検出器アレイ18は、上記で説明した貨物輸送物20の内容物の画像用の検出器要素の代わりに、またはそれに加え核物質を検出するための検出器要素またはセンサを備えることができる。核物質によって放出される放射線を検出する検出器またはセンサは、例えば、Yahoo! Financeで入手可能な2002年6月12日のBerkeley Nucleonicsによる、「Portable system from Berkeley Nucleonics Detects'Dirty Bombs'」に説明されている。Polimaster Ltd, Minsk, Belarusから入手可能なものなどの、放射能を有する、特別な核物質の検出用のポータルモニター(Portal Monitor)も、本発明のシステムに使用するように適合させることができる。
【0045】
システム10を使用するために、適切な場所が最初に特定される。この場所は一般に平坦であることが必要である。次いで、車両12、16が検査場所に運転して運ばれる。この検査場所は、国境検問所またはその近く、突発事故の場所、道路封鎖場所、橋梁への進入路に沿って、港、または貨物輸送物などの対象物の検査が必要なその他何処でもであることができる。その場所では、図1および第1および第2の車両の上面概略図である図9に示すように、第1および第2の車両12、16が矢印Cの方向に駆動され、互いに平行に駐車する。車両12、16が停止すべき場所を示すために、マーキングM1を地面に沿って設けることができる。車両12、16の前端部は、互いに76.2mm(3インチ)以内に整列することが好ましい。システム10は、検査場所の地形の小さな偏位および第1および第2の車両12、16のずれを、システムの自動水平化および/または取得されたデータの適切な処理によって補正することができる。上述したように、第1および第2の車両12、16は、例えば、約9.14メートル(約30フィート)の隙間Gによって分離させることができる。2台の車両12、16の整列は、この分野で知られている、例えばレーザシステムによってチェックすることができる。
【0046】
適切な場所に駐車した後で、レール40、42のロックが外され、第1および第2の車両16、18の前面トラック部分24、26が、図10に示すように、レール40、42を所望の距離延ばすために矢印Dに沿って前方に運転して運ばれる。マーキングM2を、どれ位トラック部分24、26を運転して運ぶべきかを示すために地面に沿って設けることができる。第1および第2の車両12、16の整列は、再度レーザで確認することができる。
【0047】
次いで、第1および第2の車両12、16の前面、トラック部分24、26は、車両から分離することが好ましい。最初にトレーラ43a、43bの支持脚45bをトレーラ43a、43bを地上で支持するために延ばすことが好ましい。(図2bおよび5参照。)第1および第2の車両12、16の前面、トラック部分24、26は、次いでトレーラ43a、43bからそれぞれ切り離され、運転して離される。次に支持脚45bおよび車輪32、34を、図6に示すようにレール40、42を地面に下ろすために後退させる。検出器18は、レール42が延ばされる前に、または延ばされているときに、または延ばされた後で、垂直の位置に回転させることができる。図11は、前面トラック部分24、26が運転して離された後のトレーラ43a、43bを示す。図11は、図1および図7のように、展開された、垂直位置にある検出器18を示す。
【0048】
次いで、検査すべき貨物輸送物20が、同様に図11に示すように、トラック22によって矢印Eに沿ってトレーラ43a、43bの間に運転して運ばれる。マーキングM3を、トラック22が配置されるべき位置を示すために地上に設けることができる。貨物輸送物20は、貨物輸送物20の全高を包含するのに必要なファンビームの弧の寸法を減少させ、検出器18の必要高さを減少させるために、第1の車両12より第2の車両16に近い方が好ましい。トラック22は、どちらの方向からも所定の位置に駆動することができる。次いで、トラック22の運転者は、通常はトラック22を去り、その後に検査を開始することができる。
【0049】
この実施形態によれば、放射線源14および検出器18は、図12に示すように、貨物輸送物20の全長に沿って直線走査を行うために、矢印Fに沿って、レールの第1の端部80aから第2の端部80bに、それぞれレール40、42に沿って同期して移動する。貨物輸送物20は、例えば、6MVおよび9MVの2つの異なるエネルギーレベルで走査することができる。線源14は、走査中にこの2つのエネルギーレベルの間を迅速に切り替えることができる。別法として、線源14は、線源14および検出器18がレール40、42の第1の端部80aから第2の端部80bに移動するとき1つのエネルギーレベルで、線源および検出器18が第2の端部80bから第1の端部80aに移動するとき第2のエネルギーレベルで放射線を放出することができる。トラック20は、少なくとも車輪22aの部分も含めて走査することができる(図7参照)。
【0050】
走査の後で、運転者がトラック22に戻り、走り去ることができる。次いで、第2のトラック22aおよび貨物輸送物20aを、走査されるように2台のトレーラ12,16の間に運転して運ぶことができる。線源14および検出器18の両方は、第1の貨物輸送物20の走査の後、レール40、42の第2の端部80bにあるであろう。第2の貨物輸送物20aを走査するとき、線源14および検出器18は、第1の端部80aに移動して戻ることができる。別法として、線源14および検出器18は、第1の貨物輸送物20の走査の終了後、第2の輸送物の走査前に第1の端部80aに戻ることもできる。
【0051】
走査システム10の処理能力を増加させるため、システム10は第2の検出器84を支持する、第2の車両16と同様な追加の車両81を備えることができる。図13は、第1の車両12の第1のトレーラ43aと平行な、追加の車両のトレーラ82を示す。隙間G2がトレーラ82とトレーラ43aの間に示されている。第2の貨物輸送物20aは、検査のために隙間G2内に第2のトラック22aによって運転して入れることができる。第1の車両12の放射線源14は、図14に示すように旋回軸86によって台車44に旋回可能に支持することができる。第1の貨物輸送物20の検査の後で、第2の貨物輸送物86に対面するように、線源14を軸Xの周りで回転させることができる。次いで、第2の貨物輸送物20aは、好ましくはレールの第2の端部80bから第1の端部80aに、線源14および検出器18を移動させることによって検査される。第2の貨物輸送物20aが検査されている間に、第3の貨物輸送物20bを、第3のトラック20bによって第1および第2の車両12、16の間の隙間G内に運転して入れることができる。第2の貨物輸送物20aの検査が完了したとき、線源14を第3の貨物輸送物20cと対面するように回転させることができる。次いで、第3の貨物輸送物20cは、好ましくはレール40、42の第1の端部80aから第2の端部80bに、線源14および検出器18を移動させることによって検査することができる。このプロセスは、後続の貨物輸送物について繰り返すことができ、システム10の処理能力をほとんど倍化させる。
【0052】
各隙間G、G2につき1つの、2つの貨物輸送物20、20aは、図15に示すように、同じ台車44に搭載される反対方向に面した2つの線源100によって同時に検査することができる。第1および第2のビームB1、B2が反対方向に放出して示されている。点線部で示す第2の線源14aは、同様に図15に示すように、第1の線源14とは反対方向に面する別の台車に搭載することもできる。2つの線源100が使用される場合は、各線源の動作は別々に制御することが好ましい。
【0053】
別法として、ビームB1およびB2は、放射ビームを反対方向に放出するようになされた「パノラマ式」線源100によって放出することができる。「パノラマ式」線源は、2002年7月19日出願の、本発明譲受人に譲渡されている、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第10/199781号に説明されている。図16は、パノラマ式線源100の上面、部分断面図である。パノラマ式線源100は、上記で説明したようにVarian Linatoron(登録商標)であることができる、またはこの分野で知られている他の構成を有することができる線形加速器本体102を備える。線形加速器本体102は、開口する出力端部103を有する。点線で示す電子ビーム104が、本体の長手方向軸Yに沿って線形加速器本体102を貫通する通路をたどるとき加速される。電子ビーム104は、出力端部103から加速器本体を出る。ドリフトチューブと呼ばれる、チューブ106の近位端は、線形加速器本体102の出力端部103に結合され、開口する出力端部と連通し、出力端部から延びる。このドリフトチューブ106は、例えば、約6から約10mmの直径を有する。ドリフトチューブ106は、ドリフトチューブの線形加速器本体との結合を容易にするために、線形加速器102と同じ材料とすることができる。ドリフトチューブ106および線形加速器本体102は、例えば、金属とすることができる。ドリフトチューブ106および線形加速器本体102は、他の材料とすることもできる。
【0054】
タングステンまたは他の耐火金属などの、大きい原子番号および高融点を有する金属のターゲット材108が、ドリフトチューブ106の遠位端に設けられる。タングステン、鋼または鉛などの遮蔽材料110がドリフトチューブ106の周りに設けられ、ターゲット材108は、線形加速器本体102の遠位部分を越えて延びることもできる。遮蔽材料110は、例えば、球形であることができ、ターゲット材108は、ドリフトチューブ106内で、球の中央にあることができる。遮蔽材料110は、他の形を有することもできる。ドリフトチューブ106、ターゲット材108および遮蔽材料は、「遮蔽ターゲット111」と呼ぶ。
【0055】
第1および第2のコリメーティングスロット112a、112bが、ドリフトチューブ106の端部から延び、遮蔽材料110を貫通し、線形加速器本体102の長手方向軸L1を横切る。このスロット112a、112bは、ターゲット材から放出されるX線ビームを、遮蔽されたターゲットから反対方向に、線形加速器本体102の軸Yに対して垂直に放出されるファンビームまたは円錐ビームなどの、垂直に発散するビームにコリメートするように形作られている。スロット112a、112bは、垂直に発散するビームの水平方向の幅を画成する第1の角寸法θ1を有する。スロット112a、112bは、通常同じ角寸法θ1を有するであろうが、これは要件ではない。この図で誇張して示すθ1は、一般に、垂直に発散するファンビームの小さな水平方向寸法を画成するように小さい。図17は、軸Yに沿った遮蔽ターゲット111の断面図であり、スロット112a、112bの第2の角寸法θ2を示す。この第2の角寸法θ2は、例えば、約90度であるファンビームの角度を画成する。
【0056】
線形加速器本体102の長手方向軸L1に沿って放出される電子ビーム104は、ドリフトチューブ106を通過し、材料108に衝突する。制動X線放射線が、ターゲット材108から全ての方向に放出される。コリメーティングスロット112a、112bの方向に放出された放射線が、所望の形状にコリメートされ、装置100から放出される。遮蔽材料110が、他の方向に放出される放射線を吸収する。
【0057】
図18は、台車44によって支持される遮蔽ターゲット111を有する放射線源100を示す。第1の車両12の台車44の車輪46およびレール40も示されている。貨物輸送物20および貨物輸送物20aも示されている。検出器18,84およびトレーラ43a、82などのシステムの追加の構成部品は、図を分かり易くするために示されていない。源100は、貨物輸送物20および貨物輸送物20aに向かって、それぞれ同時に2つの垂直ファンビームV1、V2を放出しているのが示されている。
【0058】
本発明の実施形態による放射線走査システム10は移動式であり、容易に輸送可能であり、安価であり、かつ、簡単迅速に展開可能である。システム10の車両12、16は、許可無しで運転できる。このシステムは、2人の人間だけで操作できる。
【0059】
上記で説明した好ましい実施形態では、トラックによって支持される1つまたは複数の貨物輸送物が検査されるが、本発明のシステムは、他の種類の車両によって、または他の方法で支持される貨物輸送物を検査するのに使用することができる。他の種類の対象物も検査することができる。例えば、トラックおよびバスなどの自動車も検査することができる。上記で説明したトレーラ43a、44bは入れ子式であるが、特により短い対象物を検査するとき、入れ子式は必要ないことに注目されたい。
【0060】
さらに、上記の実施形態では線源14および検出器18が車両12、16の入れ子式部分の長さの全域で移動可能であるが、線源14および/または検出器18は、それぞれの車両の入れ子式部分によって移動させることもできる。
【0061】
当業者は、以下の特許請求の範囲によって定義される、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、上記で説明した好ましい実施形態に変更を加えることができることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態による放射線走査システムの斜視図である。
【図2a】図2aは、図1に示すシステムの第1の車両の部分となり得る、車両の前面トラック部分から分離されたトレーラの側面図である。
【図2b】図2bは、追加の入れ子式部分を有する、図2bのトレーラと同様なトレーラの側面図である。
【図3】図2aの線3−3を通る、図2aのトレーラの入れ子式部分のレールの1つの断面図である。
【図4】非展開位置にある、トレーラに連結された前面トラック部分を含む第2の車両の斜視図である。
【図5】レールが非展開位置にある、第2の車両のトレーラの側面図である。
【図6】レールが地上に降ろされた、展開位置にあるトレーラの側面図である。
【図7】第3の車両上の貨物輸送物などの対象物の走査に使用中の、本発明の一実施形態による放射線走査システムの線源および検出器の正面図である。
【図8】放出された放射ビームの方向を回転させるために、直三角柱上に配置された線源の側面図である。
【図9】第1および第2の車両の上面概略図である。
【図10】本発明の一実施形態による、貨物輸送物などの対象物を検査する方法の様々なステップ中の、本発明の一実施形態による放射線走査システムの上面概略図である。
【図11】本発明の一実施形態による、貨物輸送物などの対象物を検査する方法の様々なステップ中の、本発明の一実施形態による放射線走査システムの上面概略図である。
【図12】本発明の一実施形態による、貨物輸送物などの対象物を検査する方法の様々なステップ中の、本発明の一実施形態による放射線走査システムの上面概略図である。
【図13】別の対象物の検査に使用中の、処理能力を増加させるための追加の検出器を支持する追加の車両のトレーラ部分を含む図1のシステムの上面概略図である。
【図14】図13のシステムと共に使用するための、基台に旋回可能に結合される線源の側面図である。
【図15】別の高処理能力システムの上面概略図である。
【図16】2つの放射ビームを同時に反対方向に放射する、図15のシステムに使用するための代替線源の、それぞれ側面および正面図である。
【図17】2つの放射ビームを同時に反対方向に放射する、図15のシステムに使用するための代替線源の、それぞれ側面および正面図である。
【図18】2つの対象物の検査に使用する、図15のシステムおよび図16および17の線源の正面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、放射線走査システムおよび、より詳しくは、車両搭載放射線走査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
放射線は、隠された禁制品および密輸品を発見するために、荷物、バッグ、ブリーフケースなどの対象物の非侵襲性検査に広く使用される。禁制品には、例えば、銃、ナイフ、爆発装置、ならびに不法な薬品などが含まれる。密輸品は、対象物の検出された内容物を対象物の内容をリストした積荷目録と比較することによって発見することができる。犯罪者やテロリストが禁制品を隠す方法がより創造的になってきているので、より効果的な非侵襲性検査技術へのニーズが生まれてきている。飛行機への機内持ち込み用かばんおよび荷物に入れた禁制品の密輸はよく知られ、継続する問題であるが、それより公表されていないがやはり深刻な脅威は、大きな貨物コンテナに入れた禁制品の国境を越えた、および船舶による密輸である。船舶によって合衆国に運ばれる1700万個の貨物コンテナの2%〜10%のみが検査されている。「検問所の恐怖」、U.S. News and World Report, February 11, 2002, p.52。
【0003】
1つの一般的な検査システムはライン走査器であり、そこでは荷物などの検査すべき対象物が、X線放射線などの静止放射線源と静止検出器との間を通過する。放射線は、垂直なファンビームまたはペンシルビームにコリメートされ、対象物はビームの中を通り水平に移動される。対象物を透過する放射線は、対象物の内容物によって様々な程度に減衰する。放射線の減衰は、その放射ビームが通過する材料密度の関数である。減衰した放射線が検出され、対象物の内容物の放射線画像が検査のために生成される。この放射線画像は、内容物の形状、寸法、および変化する密度を明らかにする。
【0004】
標準的な貨物コンテナは通常、長さ6.1〜15.2メートル(20〜50フィート)、高さ2.4メートル(8フィート)、および幅1.8〜2.7メートル(6〜9フィート)である。航空機の本体内に収容される、複数個の手荷物または他の貨物を格納するために使用される航空貨物コンテナは、約0.89×0.53×0.53メートル(35×21×21インチ)から約6.1×3.0×2.4メートル(240×118×96インチ)までの寸法(長さ、高さ、幅)の範囲になる場合がある。海上貨物コンテナは、通常約12.2〜15.2×2.4×2.4メートル(40〜50フィート長、8フィート幅、および8フィート高)である。多数の個数の手荷物などの対象物の多数の集合は、パレット上に支持することもできる。支持側壁を有することもできるパレットは、貨物コンテナと同等の寸法である場合がある。用語「貨物輸送物」は、本明細書では(海上貨物コンテナを含む)貨物コンテナおよびパレットを包含して使用される。
【0005】
固定式検査システムが、大きなコンテナを検査するために提案されてきた。例えば、Yoshidaによる米国特許第4,430,568号は、大きな船積みコンテナを含む梱包の検査用X線システムを開示する。コンベアが、梱包またはコンテナを床に支持されるX線源と検出器列の間を水平に移動させる。同様に、Cableによる米国特許第4,599,740号は、X線源が検査すべきコンテナが沿って移動するコンベアを横切って放射線の連続ビームを送る、固定式の検査システムを開示する。このコンテナは、連続的にまたは徐々にのいずれでも移動させることができる。コンテナを透過する放射線は検査中、1つはコンテナの側面に沿って垂直に延び、もう1つはコンテナの頂部上を水平に延びる2つの垂直なアームを有する「折りたたまれた」センサスクリーンまたは装置によって検出される。この折りたたまれたセンサによって、コンテナ全体を透過する放射線を検出するために、そうでない場合に必要であるよりも低い高さを有するシステムが可能になる。
【0006】
大きなコンテナを携帯式X線画像システムで走査することも提案されてきた。例えば、Armisteadによる、米国特許第5,638,420号は、放射線走査システムの線源と検出器が移動可能フレームに固定され、画像データが順次記録される間、そのフレームがコンテナの長さに沿って水平に移動する、夾叉(straddle)検査システムを開示する。Geus他による、米国特許第5,692,028号は、移動車両に搭載されるX線源およびその車両から延びる、門形のアセンブリによって支持される検出器を開示する。別の車両の場合もある、対象物の検査中、対象物が門形のアセンブリを通過するように、移動車両は対象物のそばを通り過ぎて駆動される。
【0007】
Swift他による米国特許第6,292,533号は、車両によって輸送される貨物コンテナなどの大きな対象物用の450kVのX線源を使用する移動式X線検査システムを開示する。線源はトラック上に支持され、ペンシルビームを車両を垂直に走査するように発生させる。同様にトラック、またはトラックから延びるブーム上に支持される検出器が、対象物の内容物を透過し、かつ内容物によって散乱される放射線を検出する。使用では、検査される車両は、トラック上の走査ユニットに平行して駐車する。線源および検出器は、車両を水平に走査するように、トラック内の平行移動システムによって水平に移動する。走査は、「甚だしく遅い」(0.54〜0.27km(1/3〜1/6マイル)/時間)と言われている。
【0008】
Bjorkholmによる米国特許第5,917,880号は、貨物を輸送するトラックを走査するために垂直のファンビームにコリメートされた約8MVのX線放射線を使用する、貨物コンテナを検査するために使用することができるX線検査装置を開示する。第1の検出器列が、トラックを透過する放射線を検出するためにファンビームと整列している。第2の検出器列が、トラックによって前方に散乱される放射線を検出するために設けられる。トラックは垂直のファンビームを通って移動する。両方の検出器からのデータが、トラック内の材料内容を特定するために、トラックの減衰材料の平均原子番号を求めるために使用される。材料内容を示す画像が次いで準備される。第1の検出器列によってもたらされるデータは、トラックのX線写真を形成するためにも使用される。
【0009】
そのようなシステムは、高価で重く複雑で、かつ輸送および準備に困難になりがちである。検査は遅いであろう。組み立て、解体に数日掛かるシステムもある。他のシステムは非常に長く、かつ/または重く、高速道路を走るのに特別な走行許可が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
車両用、車両によって輸送される貨物輸送物用、および他の対象物用の改善された放射検査システムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、伸張可能な長さを有する第1の車両を備える、対象物を検査するための放射線走査システムが開示される。検査すべき対象物を照射するための放射線源は、前記第1の車両によって移動可能に支持される。このシステムは、伸張可能な長さを有する第2の車両をさらに備える。前記対象物と相互作用する放射線を検出するための検出器が、前記第2の車両によって移動可能に支持される。前記第1の車両は、第1の伸張可能な部分を備えることができ、前記線源は、前記第1の伸張可能な部分の全域で移動可能とすることができる。前記第2の車両は、第2の伸張可能な部分を備えることができ、前記検出器は、前記第2の伸張可能部分の全域で移動可能とすることができる。伸張可能な部分は、例えば、複数の対のレールを備えることができる。線源および検出器は伸張可能部分上に移動可能に支持することができる。第1および第2の伸張可能部分は、地上より上で支持される第1の位置および第2の、地上に下ろされた位置を有することができる。第1および第2の伸張可能部分は、各々入れ子式部分を備えることができる。線源および検出器は、例えば、モータによって移動可能にすることができる。
【0012】
放射線源は、対象物上に垂直に発散する放射ビームを放出するようになされることができ、検出器は、対象物と相互作用した後の垂直に発散するビームを検出するようになされることができる。この垂直に発散するビームは、例えば、垂直ファンビームとすることができる。放射線源は、例えば、X線放射線源とすることができる。
【0013】
別の実施形態によれば、第1の車両と、検査すべき対象物を照射するための前記第1の車両上を移動可能な放射線源とを備える、対象物を検査するための放射線走査システムが開示される。このシステムは、第2の車両と、対象物と相互作用した後の放射線を検出するための第2の車両上を移動可能な検出器とをさらに備える。
【0014】
別の実施形態によれば、少なくとも1つの伸張可能な部分を有する少なくとも1台の車両を備える、対象物を検査するための放射線走査システムが開示される。検査すべき対象物を照射するための放射線源は、前記少なくとも1つの伸張可能な部分上を移動可能である。対象物と相互作用する放射線を検出するための検出器も、前記の伸張可能な部分上を移動可能である。
【0015】
別の実施形態によれば、第1および第2の車両を備える、対象物を検査するための放射線走査システムが開示される。第1の車両は、第1の駆動部分と、第1の入れ子式部分および検査すべき対象物を照射するための前記第1の入れ子式部分によって移動可能に支持される放射線源とを備える。第2の車両は、第2の運転部分と、第2の入れ子式部分および対象物と相互作用する放射線を検出するための前記第2の入れ子式部分によって移動可能に支持される検出器とを備える。
【0016】
別の実施形態によれば、第1のトラックと、前記第1のトラックに開放可能に連結される第1の入れ子式トレーラと、検査すべき対象物を照射するための前記第1の入れ子式トレーラの少なくとも一部分の全域で移動可能な放射線源とを備える、対象物を検査するための放射線走査システムが開示される。このシステムは、第2のトラックと、前記第2のトラックに開放可能に連結される第2の入れ子式トレーラと、対象物と相互作用する放射線を検出するための前記第2の入れ子式トレーラの少なくとも一部分の全域で移動可能な検出器とをさらに備える。
【0017】
別の実施形態によれば、検査すべき対象物を、静止する第1および第2の車両の間に配置するステップであって、前記第1の車両が放射線源を移動可能に支持し、前記第2の車両が検出器を移動可能に支持するステップを含む、対象物を検査するための方法が開示される。この方法は、前記放射線源を前記第1の車両の長さの全域で移動させ、前記線源が移動する間に前記対象物を放射線で照射するステップをさらに含む。前記第2の静止車両によって支持される検出器は、前記第2の車両の長さの全域で移動し、前記対象物と相互作用する放射線が前記移動する検出器によって検出される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施形態による、放射線走査システム10の斜視図である。このシステム10は、線源14を支持する第1の車両12、および検出器18を支持する第2の車両16を備える。この例では、第3の車両22によって運搬される検査すべき貨物輸送物20が、第1および第2の車両12、16の間の隙間G内に示されている。線源14および検出器18は、貨物輸送物20を走査するために、第1および第2の車両12、16の全域でそれぞれ移動可能であることが好ましい。
【0019】
各車両12、16は、それぞれ前面のトラック部分24、26、後部車輪32、34を支持する後面の台車部分28、30、および前面と後面部分を接続する中央部分36、38を備える。線源14および検出器18は、それぞれ、中央部分36、38全域で移動可能である。この例では、線源14は、垂直ファンビームなどの、垂直に発散するビームを放射するようになされている。この例の検出器18は、貨物輸送物20と相互作用した後の垂直に発散する放射ビームを検出するように、垂直に延びる。
【0020】
この例ではまた、中央部分36、38は、それぞれの対のレール40、42を備える。第1のトレーラ12のレール対40は、放射線源14を支持し、第2のトレーラ16のレール対42は、検出器18を支持する。別法として、中央部分36、38のいずれかまたは両方を1本のレールとすることもできる。中央部分36、38は、レールの他に別の支持構造を備えることもできる。中央部分36、38のいずれかまたは両方は、例えば、プラットフォームとすることもできる。
【0021】
前面トラック部分24、26は、例えば、Peterbilt Motors Company,A Division of PACCAR,Inc.,Denton,Texasから入手可能な型式379または他の型式のトレーラ牽引用の従来型セミトラクタトラックとすることができる。中央部分36、38および後部台車部分28、30は、トレーラの一部とすることもできる。図2aは、前面トラック部分24から分離された、第1の車両12の一部とすることもできるトレーラ43aの側面図である。第2の車両16用の同様なトレーラ43bは、図5を参照してより詳細に論述する。レール40のうちの1本および後部台車部分28も同様に示されている。図1の第1の車両12上に示す線源14および他の構造体は、図を簡略化するために、図2aには示していない。レール40の前端部44は、前面トラック部分24をこの分野で知られている方法で解放可能に連結することができる(キングピンとして知られる)旋回軸45aを含む旋回軸支持構造体45に連結される。図2aにそのうちの1つが示されている支持脚45bは、トレーラが前面トラック部分24に連結されていないときにトレーラ43aを支持するように旋回軸構造体45から延びることができる。脚45bは、この分野で同様に知られているように、脚の高さを調整するために旋回軸支持構造体45内に後退可能である。代わりに、支持脚はレールから延びることもできる。適したトレーラ43aの一例を以下に特定する。
【0022】
図1に戻ると、レール40に沿った移動が容易になるように車輪47を有する台車46上に線源16を支持することができる。レール40の1つ又は複数の溝48内に車輪47を受けることができる。同様に、第2の車両16のレール42の溝54内を移動可能な車輪52を有する台車50上に、検出器18を支持することができる。図3は、溝48をより良く示す図2aの線3−3を通るレール40の1つの断面図である。レール42の溝52は同様である。
【0023】
台車44、50は、車輪46、52に連結される電気、直駆動モータ(図示せず)によって駆動することができる。モータは、例えば、可変速ACベクトル駆動電気モータとすることができる。適したモータは、容易に商業的に入手可能である。駆動速度は、1分間に約30.48メートル(約100フィート)とすることができる。
【0024】
線源14または線源を移動させるモータに連結された回転速度計が、それらが走査中整列するように、検出器18の移動を同期させる(または、その逆)ために使用することができる。例えば、絶対位置基準システムから得られる比例積分微分(PID)ループを検出器18の移動誤差を補正するために使用することができる。
【0025】
別法として、台車44、50を、溝48、52内を移動するモータ駆動のエンドレスベルトによって駆動することができる。別の代替として、台車は、圧縮空気によって発生する空気クッションによって支持し、移動させることもできる。
【0026】
レール40、42は、図1および2aに示すように、それぞれ、第2の部分40b、42b内に収容することができる第1の部分40a、42aを備える入れ子式レールであることが好ましい。第3のレール部分40cが、追加の長さを設けるために図2bに示すようにそれぞれ第1のレール部分40a、42a内に収容されることがさらに好ましい。図1、2aおよび2bでは、レール40、42は第1の展開位置にあり、第1のレール40a、42aは、第1および第2の車両12、16の中央部分36、38の長さを、少なくとも走査すべき貨物輸送物20の長さを越えて延びるように、第2のレール40b、42bから延びている。中央部分36、38の長さは、第3の車両22全体が走査されるように、図1に示すように貨物輸送物20を支持する第3の車両22の長さを越えて延びることがなお好ましい。
【0027】
図4は、トレーラ43bに連結される前面トラック部分26を含む、第2の車両16の斜視図である。レール42は、第2の、非展開位置にあり、第1のレール部分40aは、それらの長さの大部分に沿って第2のレール部分40b内に収容されている。それによって車両14は、検査場所へまたは検査場所からより容易に運転して運ぶことができる。第1の車両16のレール40も、運転を容易にするための同様な第2の非展開位置を有することがなお好ましい。車両12、16の縮小された長さによって、道路上の車両の運転のための特別な許可の必要性も回避することができる。
【0028】
図5は、レール40が第2の非展開位置にあるトレーラ43bの側面図である。図5(および図4)では、検出器18は、検出器18を運転中保護するために検出器が水平である好ましい非展開位置に示されている。図1では、検出器18は、貨物輸送物20aを透過する放射線の垂直に発散するファンビームを検出するために、展開位置に垂直に延びている。検出器18は、図5に最も良く示すように、旋回軸51を介して台車50に装着することができる。旋回軸51および検出器18に連結されるモータ(図示せず)が、レールが第2の、非展開位置から第1の展開位置に延びる前に、または延びる間に、または延びた後で、非展開位置から展開位置に検出器を回転させることができる。
【0029】
トレーラ43a、43bは、図2aに示すように第1の展開位置にあるとき、例えば、約21.3メートル(約70フィート)の長さL1を有することができる。延長レール自体は約15.8メートル(約52フィート)の長さを有することができ、ほぼその長さの走査長さをもたらす。図2bに示すように、レール43bによって収容されるレール43cの追加のセットで、トレーラ43a、43bは、例えば、約32.6メートル(約107フィート)の長さL2を有することができる。図2bの延長レール40、42は、約26.5メートル(約87フィート)の長さを有することができ、ほぼその長さの走査長さをもたらす。図5の第2の、非展開位置にあるとき、トレーラ43a、43bは、例えば、約16.2メートル(約53フィート)の長さL3を有することができる。16.2メートル(53フィート)長のトレーラ43a、43bは、トラック24、26によって許可なしに運転することができる。レール40、42は、レールを互いに固定するロックを解放し、車両14、16のトラック部分24、26を前方に所望の距離運転して運ぶことによって、非展開位置から展開位置に延ばすことができる。入れ子式のトレーラ43はこの分野で知られている。適した入れ子式トレーラは、例えば、Talbert Manufacturing,Inc.,Rensselaer,Indiana(「Talbert」)から、商標Double Drop Trailerの下で入手可能である。Talbert Double Drop Trailerは、図2aのように、別のレール対の中に受けられる1対のレールを有している。図2bのような、入れ子式レールの追加の対も、Talbert Double Drop Trailerに容易に設けることができる。Talbert Double Drop Trailerは、不規則な地形を補償するための、任意選択の自動水平化装置を有している。
【0030】
上記で述べたように、図2および5に示す支持脚45bは、後退可能であることが好ましい。第1および第2の車両12、14の後部台車部分28、30の後部車輪32、34も後退可能であることが好ましい。使用中、車両12、14の前面トラック部分24、26は、トレーラ43a、43bのレール40、42がそれらの展開位置に延ばされた後、それぞれトレーラ43、43bから分離することが好ましい。図6に示すように、動作中支持するために、車輪32、34および脚45bを後退させ、レール40、42を地面に下す。Talbert Double Drop Trailerは同様に、後退可能脚および車輪付きで得ることができる。
【0031】
図7は、第3の車両22(第3の車両の車輪22aが示されている)の上の貨物輸送物20の走査に使用中の放射線走査システム10の線源14および検出器18の正面図である。線源14および検出器18は、それぞれ、台車44、50およびレール40、42に支持されて示されている。放射ビームは、図7に示すように、垂直に発散するビームBであることが好ましい。放射ビームは、垂直に発散するファンビームであることがより好ましい。円錐ビームも同様に使用することができる。検出器18は、貨物輸送物20と相互作用した後の放射ビームBを集めるために垂直に十分な距離延びる。ここで、用語「ファンビーム」は、本質的に垂直次元などの1次元のみ有する発散放射ビームを呼ぶ。用語「円錐ビーム」は、水平および垂直に発散する放射ビームなど、2次元に発散する放射ビームを呼ぶ。円錐ビームは数学的な円錐である必要はない。それは、例えば、四角形、正方形、円形または楕円形の外縁を持つ断面を有する任意の形状の錐体であることができる。
【0032】
垂直に発散するビーム43は、この分野で知られているように、1つ又は複数のコリメータ62によって画成することができる。コリメータ62は、線源14と一体化することができる。貨物輸送物20の面20aでの垂直に発散するビームの垂直高さは、輸送物の高さより若干高くすることができる。線源14は地面に近いので、貨物輸送物20の全垂直薄片を照射するために、コリメータ62は非対称コリメータとすることができる。放射ビームBの弧αは、例えば、約90度とすることができる。例えばそれは、垂直線Vに対して約−20度から約+70度まで延びることができる。特定の用途での弧αおよびその向きの範囲は、線源14と検出器18の間の距離、貨物輸送物20の高さおよび隙間内の貨物輸送物20の位置に依存する。別法として、線源12の中心線Rの方向を、図8の概略図に示すように回転させることもできる。例えば、中心線は、直三角柱64を線源14と台車44の間に配置することによって回転させることができる。車輪22aの少なくとも一部分を含む、車両22の少なくとも一部分も同様に、システム10の構成部品の寸法および第1および第2の車両12、16間の距離を適切にセットすることによって走査することができる。
【0033】
放射線源14は、例えば、制動放射線(Bremsstrahlung)などのX線放射線の線源とすることができる。線源14は、システム10の構成、貨物輸送物20の幅「W」(図9参照)および貨物輸送物の内容物に対して適したエネルギーを有する放射線を放出でき、これは当業者には明らかである。図1の実施形態による放射線走査システム10によって、約1.5メートル(約5フィート)より大きな幅Wを有する貨物輸送物20を検査するためには、一般にX線源14は、この分野で知られているように、輸送物の全Wを貫通するために約1MVより大きな公称エネルギーを有する放射ビームBを発生させることが望ましいであろう。輸送物の内容物の密度が非常に高くない場合は、より低いエネルギーを使用することができる。より高いエネルギーも同様に使用することができる。線源14は、複数のエネルギーで放射線を放出することもできる。
【0034】
X線源14は、1つ又は複数の公称エネルギーで放射線を放出する、例えば、Varian Medical Systems,Inc.,Palo Alto,CA(「Varian」)から入手可能な、Linatron(登録商標)Linear Accelerator(「Linatron(登録商標)」)などの、線形加速器とすることができる。例えば、6MVおよび9MVで放射線を放出することができる、超低漏洩(ultra−low leakage)のLinatron(登録商標)M9を使用することができる。例えば、3.5MVおよび6MV、または5MVおよび10MVなどの他のエネルギーで放射線を放出する線形加速器も使用することができる。他の型式のX線源、例えば、静電加速器(electrostatic accelerator)、マイクロトロンおよびベータトロンなども使用することができる。X線管も、特に約1.5メートル(約5フィート)より小さな幅Wを有する貨物輸送物および他の対象物用に使用することができる。別の考え得る放射線源には、コバルト60などの放射性同位元素がある。別法として、中性子線またはガンマ線を貨物輸送物20を走査するのに使用することもできる。中性子線およびガンマ線放射線源も同様にこの分野で知られている。
【0035】
検出器18は、検出器アレイとすることができる。放射線のファンビームを検出するために、検出器アレイ18は、この分野で知られているように、検出器要素の1つ又は複数のモジュールを備える1次元検出器アレイとすることができる。各1次元検出器モジュールは、複数の検出器要素の単一の列を備えることができる。この分野で知られているように、モジュールの背面および/または検出器アレイ18の背後に遮蔽物を設けることができる。さらなる遮蔽物が必要でないように、検出器18および関連する遮蔽物は、放射ビームの輪郭を越えて延びることが好ましい。しかしながら、所望の場合、さらなる遮蔽物を設けることもできる。
【0036】
検出器または検出器アレイ18は、展開されるとき垂直に延びることができ、例えば、図7のように高さ「Hv」を有する。検出器または検出器アレイ18は、図7の点線部で示すように、展開されるとき貨物輸送物20の上を延びるように、垂直部分18bに直角な水平部分18aも有することができる。その場合は検出器18の垂直高さは、Hvより低くすることができる。水平部分18aは、展開しないとき垂直部分に対して折りたたむことができるように、例えば、ピボット18cによって垂直部分18bに連結することができる。
【0037】
検出器要素は、この分野で知られているように、シンチレータなどの放射線感受性検出器、および光電管または光ダイオードなどの光感受性の検出器を備えることができる。カドミウムタングステン酸塩シンチレータなどの高密度シンチレータを使用することができる。このシンチレータは、例えば、立方cm当り8グラムの密度を有することができる。例えば、光ダイオードの直線配列を有する直線配列に、2mmピッチの2000個の検出器要素を設けることができる。この場合は、検出器18の垂直高さHvは、4000mmになろう。適したカドミウムタングステン酸塩シンチレータは、例えば、Saint Gobain Crystals,Solon,Ohio,U.S.AおよびSpectra−Physics Hilger Crystal,Kent,U.K.から入手可能である。放射ビームの放射スペクトルに応じて、約10%から約80%の検出効率を有する検出器モジュールを好ましく使用することができる。放射線の円錐ビームが使用される場合は、検出器アレイ18は、2次元検出器モジュールの1つ又は複数の列を備えることができる。2次元検出器モジュールは、複数の、検出器要素の行列を備えることができる。
【0038】
図1に戻ると、線源14の支援構成部品も、第1の車両12に装着することができる。例えば、源14が線形加速器である場合、線源14に電力を供給する発電機64、加速器用のマイクロウエーブ発生システムを格納するRFタブ65、線形加速器の温度を安定化させるための温度制御ユニット(「TCU」)66、および線形加速器を駆動するパルスを変調するモジュレータ68を第1の車両12に装着することができる。システム10に使用される付属品、例えば、高電圧ケーブル、迅速接続ケーブル、水冷ホース、予備品および工具などを格納するための格納庫70も第1の車両12に装着することができる。発電機64は、例えば、55KVA発電機とすることができる。RFタブ65は、線源14に装着することもできる。発電機72および信号処理システム74などの検出器18用の支援構成部品は、第2の車両16に装着することができる。発電機72は、例えば、25KVA発電機とすることができる。
【0039】
検出器アレイ18は、コンピュータなどのプロセッサー、およびアナログデジタル変換回路(図示せず)を含むことができる信号処理システム74に電気的に接続される。一例では、信号処理システム74は、検出器アレイ18によって出力されるデータをモニター76に表示することができる画像に再構築する。このモニター76は、図1の点線部で示す、車両12、16のうちの1つの運転者席の後ろの空間78に設けることができる。モニター76がトラック部分24、26のうちの1つに設けられる場合は、モニター76を検出器を支援する車両と同じ車両(第2の車両16)に設けるのが一般により実用的である。座席の後ろの空間78は、例えば、約2.08メートル(約82インチ)の高さおよび約1.78メートル(約70インチ)の幅を有し、モニター76およびオペレータを収容するのに十分すぎる。前面トラック部分26は、この分野で知られているように、オペレータを保護するために適切に遮蔽することができる。
【0040】
モニター76は、モニター基地または事務所収納コンテナなどの別の施設に配置することもできる。この別の施設は、検査場所または遠く離れた場所であることができる。事務所収納コンテナは、配備に先立ち第1および第2の車両12、16のうちの1つで運搬することができる。事務所収納コンテナは、検査場所で車両から例えばクレーンによって取り外すことができる。遠く離れた場所は、例えば中央事務所であることができる。この表示器は、画像処理回路と、例えば有線または無線周波数送信/受信システムによって接続することができる。
【0041】
1つ又は複数のコンピュータ内の、1つ又は複数のプログラム論理制御器を備える制御システム79は、モニター76、線源14および検出器18の移動を起こさせる複数のモータ、信号処理システム74、および他のシステム構成部品に、それらの動作を制御するために有線または無線接続で接続することができる。制御システム79は、図1に示すようにモニター76と同じ位置に置くことができ、または別の位置におくこともできる。他の制御構成を使用することもできる。
【0042】
信号処理システム74は、貨物輸送物20の内容物の画像を、それが取得されるときにリアルタイムで見ることができるようにすることが好ましい。オペレータがパンし(画像の特定の区域にカーソルを移動させ)、画像の選択された区域をズームし、縁部の強調を行い、ビデオを反転させ(暗い区域と明るい区域を逆にし)、画像の密度に基づいて画像に擬似的な色付けを選択し、コントラストの強調を選択し、かつ、対象の区域をマークし注釈をつけることができるようにすることも好ましい。異なるテストおよび表示条件で同じ画像を並列で比較するために、2つの表示モニターを設けることが好ましい。例えば、各モニターは、異なるエネルギーで取得されたデータによる画像を表示することができる。異なるエネルギーで取得されたデータは、同様に1つのモニターに表示させるために併合することもできる。画像処理装置は、例えば、この分野で知られている直線走査検査ソフトウエアを有するPCベースのPentium(登録商標)4画像処理装置とすることができる。この例では、信号処理システムが処理したデータを制御システム79に供給し、それがさらにモニター76に表示するためにデータを処理する。
【0043】
他のシステム構成部品には、管理データベース、ディスク記録装置(1000全走査画像以上用であることが好ましい)、カラーレーザプリンタおよび文書スキャナが含まれる。システムは、分析のために他の場所に画像を送付するために、インターネットアクセスを有することが好ましい。このインターネットアクセス手段は、無線インターネットアクセスであることがより好ましい。
【0044】
検出器アレイ18は、上記で説明した貨物輸送物20の内容物の画像用の検出器要素の代わりに、またはそれに加え核物質を検出するための検出器要素またはセンサを備えることができる。核物質によって放出される放射線を検出する検出器またはセンサは、例えば、Yahoo! Financeで入手可能な2002年6月12日のBerkeley Nucleonicsによる、「Portable system from Berkeley Nucleonics Detects'Dirty Bombs'」に説明されている。Polimaster Ltd, Minsk, Belarusから入手可能なものなどの、放射能を有する、特別な核物質の検出用のポータルモニター(Portal Monitor)も、本発明のシステムに使用するように適合させることができる。
【0045】
システム10を使用するために、適切な場所が最初に特定される。この場所は一般に平坦であることが必要である。次いで、車両12、16が検査場所に運転して運ばれる。この検査場所は、国境検問所またはその近く、突発事故の場所、道路封鎖場所、橋梁への進入路に沿って、港、または貨物輸送物などの対象物の検査が必要なその他何処でもであることができる。その場所では、図1および第1および第2の車両の上面概略図である図9に示すように、第1および第2の車両12、16が矢印Cの方向に駆動され、互いに平行に駐車する。車両12、16が停止すべき場所を示すために、マーキングM1を地面に沿って設けることができる。車両12、16の前端部は、互いに76.2mm(3インチ)以内に整列することが好ましい。システム10は、検査場所の地形の小さな偏位および第1および第2の車両12、16のずれを、システムの自動水平化および/または取得されたデータの適切な処理によって補正することができる。上述したように、第1および第2の車両12、16は、例えば、約9.14メートル(約30フィート)の隙間Gによって分離させることができる。2台の車両12、16の整列は、この分野で知られている、例えばレーザシステムによってチェックすることができる。
【0046】
適切な場所に駐車した後で、レール40、42のロックが外され、第1および第2の車両16、18の前面トラック部分24、26が、図10に示すように、レール40、42を所望の距離延ばすために矢印Dに沿って前方に運転して運ばれる。マーキングM2を、どれ位トラック部分24、26を運転して運ぶべきかを示すために地面に沿って設けることができる。第1および第2の車両12、16の整列は、再度レーザで確認することができる。
【0047】
次いで、第1および第2の車両12、16の前面、トラック部分24、26は、車両から分離することが好ましい。最初にトレーラ43a、43bの支持脚45bをトレーラ43a、43bを地上で支持するために延ばすことが好ましい。(図2bおよび5参照。)第1および第2の車両12、16の前面、トラック部分24、26は、次いでトレーラ43a、43bからそれぞれ切り離され、運転して離される。次に支持脚45bおよび車輪32、34を、図6に示すようにレール40、42を地面に下ろすために後退させる。検出器18は、レール42が延ばされる前に、または延ばされているときに、または延ばされた後で、垂直の位置に回転させることができる。図11は、前面トラック部分24、26が運転して離された後のトレーラ43a、43bを示す。図11は、図1および図7のように、展開された、垂直位置にある検出器18を示す。
【0048】
次いで、検査すべき貨物輸送物20が、同様に図11に示すように、トラック22によって矢印Eに沿ってトレーラ43a、43bの間に運転して運ばれる。マーキングM3を、トラック22が配置されるべき位置を示すために地上に設けることができる。貨物輸送物20は、貨物輸送物20の全高を包含するのに必要なファンビームの弧の寸法を減少させ、検出器18の必要高さを減少させるために、第1の車両12より第2の車両16に近い方が好ましい。トラック22は、どちらの方向からも所定の位置に駆動することができる。次いで、トラック22の運転者は、通常はトラック22を去り、その後に検査を開始することができる。
【0049】
この実施形態によれば、放射線源14および検出器18は、図12に示すように、貨物輸送物20の全長に沿って直線走査を行うために、矢印Fに沿って、レールの第1の端部80aから第2の端部80bに、それぞれレール40、42に沿って同期して移動する。貨物輸送物20は、例えば、6MVおよび9MVの2つの異なるエネルギーレベルで走査することができる。線源14は、走査中にこの2つのエネルギーレベルの間を迅速に切り替えることができる。別法として、線源14は、線源14および検出器18がレール40、42の第1の端部80aから第2の端部80bに移動するとき1つのエネルギーレベルで、線源および検出器18が第2の端部80bから第1の端部80aに移動するとき第2のエネルギーレベルで放射線を放出することができる。トラック20は、少なくとも車輪22aの部分も含めて走査することができる(図7参照)。
【0050】
走査の後で、運転者がトラック22に戻り、走り去ることができる。次いで、第2のトラック22aおよび貨物輸送物20aを、走査されるように2台のトレーラ12,16の間に運転して運ぶことができる。線源14および検出器18の両方は、第1の貨物輸送物20の走査の後、レール40、42の第2の端部80bにあるであろう。第2の貨物輸送物20aを走査するとき、線源14および検出器18は、第1の端部80aに移動して戻ることができる。別法として、線源14および検出器18は、第1の貨物輸送物20の走査の終了後、第2の輸送物の走査前に第1の端部80aに戻ることもできる。
【0051】
走査システム10の処理能力を増加させるため、システム10は第2の検出器84を支持する、第2の車両16と同様な追加の車両81を備えることができる。図13は、第1の車両12の第1のトレーラ43aと平行な、追加の車両のトレーラ82を示す。隙間G2がトレーラ82とトレーラ43aの間に示されている。第2の貨物輸送物20aは、検査のために隙間G2内に第2のトラック22aによって運転して入れることができる。第1の車両12の放射線源14は、図14に示すように旋回軸86によって台車44に旋回可能に支持することができる。第1の貨物輸送物20の検査の後で、第2の貨物輸送物86に対面するように、線源14を軸Xの周りで回転させることができる。次いで、第2の貨物輸送物20aは、好ましくはレールの第2の端部80bから第1の端部80aに、線源14および検出器18を移動させることによって検査される。第2の貨物輸送物20aが検査されている間に、第3の貨物輸送物20bを、第3のトラック20bによって第1および第2の車両12、16の間の隙間G内に運転して入れることができる。第2の貨物輸送物20aの検査が完了したとき、線源14を第3の貨物輸送物20cと対面するように回転させることができる。次いで、第3の貨物輸送物20cは、好ましくはレール40、42の第1の端部80aから第2の端部80bに、線源14および検出器18を移動させることによって検査することができる。このプロセスは、後続の貨物輸送物について繰り返すことができ、システム10の処理能力をほとんど倍化させる。
【0052】
各隙間G、G2につき1つの、2つの貨物輸送物20、20aは、図15に示すように、同じ台車44に搭載される反対方向に面した2つの線源100によって同時に検査することができる。第1および第2のビームB1、B2が反対方向に放出して示されている。点線部で示す第2の線源14aは、同様に図15に示すように、第1の線源14とは反対方向に面する別の台車に搭載することもできる。2つの線源100が使用される場合は、各線源の動作は別々に制御することが好ましい。
【0053】
別法として、ビームB1およびB2は、放射ビームを反対方向に放出するようになされた「パノラマ式」線源100によって放出することができる。「パノラマ式」線源は、2002年7月19日出願の、本発明譲受人に譲渡されている、参照によって本明細書に組み込まれる米国特許出願第10/199781号に説明されている。図16は、パノラマ式線源100の上面、部分断面図である。パノラマ式線源100は、上記で説明したようにVarian Linatoron(登録商標)であることができる、またはこの分野で知られている他の構成を有することができる線形加速器本体102を備える。線形加速器本体102は、開口する出力端部103を有する。点線で示す電子ビーム104が、本体の長手方向軸Yに沿って線形加速器本体102を貫通する通路をたどるとき加速される。電子ビーム104は、出力端部103から加速器本体を出る。ドリフトチューブと呼ばれる、チューブ106の近位端は、線形加速器本体102の出力端部103に結合され、開口する出力端部と連通し、出力端部から延びる。このドリフトチューブ106は、例えば、約6から約10mmの直径を有する。ドリフトチューブ106は、ドリフトチューブの線形加速器本体との結合を容易にするために、線形加速器102と同じ材料とすることができる。ドリフトチューブ106および線形加速器本体102は、例えば、金属とすることができる。ドリフトチューブ106および線形加速器本体102は、他の材料とすることもできる。
【0054】
タングステンまたは他の耐火金属などの、大きい原子番号および高融点を有する金属のターゲット材108が、ドリフトチューブ106の遠位端に設けられる。タングステン、鋼または鉛などの遮蔽材料110がドリフトチューブ106の周りに設けられ、ターゲット材108は、線形加速器本体102の遠位部分を越えて延びることもできる。遮蔽材料110は、例えば、球形であることができ、ターゲット材108は、ドリフトチューブ106内で、球の中央にあることができる。遮蔽材料110は、他の形を有することもできる。ドリフトチューブ106、ターゲット材108および遮蔽材料は、「遮蔽ターゲット111」と呼ぶ。
【0055】
第1および第2のコリメーティングスロット112a、112bが、ドリフトチューブ106の端部から延び、遮蔽材料110を貫通し、線形加速器本体102の長手方向軸L1を横切る。このスロット112a、112bは、ターゲット材から放出されるX線ビームを、遮蔽されたターゲットから反対方向に、線形加速器本体102の軸Yに対して垂直に放出されるファンビームまたは円錐ビームなどの、垂直に発散するビームにコリメートするように形作られている。スロット112a、112bは、垂直に発散するビームの水平方向の幅を画成する第1の角寸法θ1を有する。スロット112a、112bは、通常同じ角寸法θ1を有するであろうが、これは要件ではない。この図で誇張して示すθ1は、一般に、垂直に発散するファンビームの小さな水平方向寸法を画成するように小さい。図17は、軸Yに沿った遮蔽ターゲット111の断面図であり、スロット112a、112bの第2の角寸法θ2を示す。この第2の角寸法θ2は、例えば、約90度であるファンビームの角度を画成する。
【0056】
線形加速器本体102の長手方向軸L1に沿って放出される電子ビーム104は、ドリフトチューブ106を通過し、材料108に衝突する。制動X線放射線が、ターゲット材108から全ての方向に放出される。コリメーティングスロット112a、112bの方向に放出された放射線が、所望の形状にコリメートされ、装置100から放出される。遮蔽材料110が、他の方向に放出される放射線を吸収する。
【0057】
図18は、台車44によって支持される遮蔽ターゲット111を有する放射線源100を示す。第1の車両12の台車44の車輪46およびレール40も示されている。貨物輸送物20および貨物輸送物20aも示されている。検出器18,84およびトレーラ43a、82などのシステムの追加の構成部品は、図を分かり易くするために示されていない。源100は、貨物輸送物20および貨物輸送物20aに向かって、それぞれ同時に2つの垂直ファンビームV1、V2を放出しているのが示されている。
【0058】
本発明の実施形態による放射線走査システム10は移動式であり、容易に輸送可能であり、安価であり、かつ、簡単迅速に展開可能である。システム10の車両12、16は、許可無しで運転できる。このシステムは、2人の人間だけで操作できる。
【0059】
上記で説明した好ましい実施形態では、トラックによって支持される1つまたは複数の貨物輸送物が検査されるが、本発明のシステムは、他の種類の車両によって、または他の方法で支持される貨物輸送物を検査するのに使用することができる。他の種類の対象物も検査することができる。例えば、トラックおよびバスなどの自動車も検査することができる。上記で説明したトレーラ43a、44bは入れ子式であるが、特により短い対象物を検査するとき、入れ子式は必要ないことに注目されたい。
【0060】
さらに、上記の実施形態では線源14および検出器18が車両12、16の入れ子式部分の長さの全域で移動可能であるが、線源14および/または検出器18は、それぞれの車両の入れ子式部分によって移動させることもできる。
【0061】
当業者は、以下の特許請求の範囲によって定義される、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、上記で説明した好ましい実施形態に変更を加えることができることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の一実施形態による放射線走査システムの斜視図である。
【図2a】図2aは、図1に示すシステムの第1の車両の部分となり得る、車両の前面トラック部分から分離されたトレーラの側面図である。
【図2b】図2bは、追加の入れ子式部分を有する、図2bのトレーラと同様なトレーラの側面図である。
【図3】図2aの線3−3を通る、図2aのトレーラの入れ子式部分のレールの1つの断面図である。
【図4】非展開位置にある、トレーラに連結された前面トラック部分を含む第2の車両の斜視図である。
【図5】レールが非展開位置にある、第2の車両のトレーラの側面図である。
【図6】レールが地上に降ろされた、展開位置にあるトレーラの側面図である。
【図7】第3の車両上の貨物輸送物などの対象物の走査に使用中の、本発明の一実施形態による放射線走査システムの線源および検出器の正面図である。
【図8】放出された放射ビームの方向を回転させるために、直三角柱上に配置された線源の側面図である。
【図9】第1および第2の車両の上面概略図である。
【図10】本発明の一実施形態による、貨物輸送物などの対象物を検査する方法の様々なステップ中の、本発明の一実施形態による放射線走査システムの上面概略図である。
【図11】本発明の一実施形態による、貨物輸送物などの対象物を検査する方法の様々なステップ中の、本発明の一実施形態による放射線走査システムの上面概略図である。
【図12】本発明の一実施形態による、貨物輸送物などの対象物を検査する方法の様々なステップ中の、本発明の一実施形態による放射線走査システムの上面概略図である。
【図13】別の対象物の検査に使用中の、処理能力を増加させるための追加の検出器を支持する追加の車両のトレーラ部分を含む図1のシステムの上面概略図である。
【図14】図13のシステムと共に使用するための、基台に旋回可能に結合される線源の側面図である。
【図15】別の高処理能力システムの上面概略図である。
【図16】2つの放射ビームを同時に反対方向に放射する、図15のシステムに使用するための代替線源の、それぞれ側面および正面図である。
【図17】2つの放射ビームを同時に反対方向に放射する、図15のシステムに使用するための代替線源の、それぞれ側面および正面図である。
【図18】2つの対象物の検査に使用する、図15のシステムおよび図16および17の線源の正面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸張可能な長さを有する第1の車両と、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の車両によって移動可能に支持される放射線源と、
伸張可能な長さを有する第2の車両と、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の車両によって移動可能に支持される検出器とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項2】
前記第1の車両が第1の伸張可能な部分を備え、
前記線源が前記伸張可能な部分の全域で移動可能であり、
前記第2の車両が第2の伸張可能な部分を備え、かつ、
前記検出器が前記第2の伸張可能部分の全域で移動可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1および第2の伸張可能部分が地面より上で支持される第1の位置、および地面上の第2の、下げた位置を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1および第2の伸張可能部分各々が、入れ子式の部分を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の伸張可能部分が前記線源を移動可能に支持する第1の支持表面を備え、
前記第2の伸張可能部分が前記検出器を移動可能に支持する第2の支持表面を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の支持表面が第1のレール対を備え、
前記第2の支持表面が第2のレール対を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記線源が前記第1の支持表面の全域で第1のモータによって移動可能であり、
前記検出器が前記第2の支持表面の全域で第2のモータによって移動可能である、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1および第2のモータの動作が同期化される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記放射線源が、前記対象物との相互作用の後で垂直に発散する放射ビームを放出するようになされ、
前記検出器が前記垂直に発散するビームを検出するようになされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記検出器が放射線を検出するための展開位置を有し、かつ、
前記検出器が非展開の、水平位置を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記放射線源がX線放射線源である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の車両が、
伸張可能な長さを有する第1のトレーラと、
前記第1のトレーラ部分に開放可能に連結される第1のトラックとを備え、
前記第2の車両が、
伸張可能な長さを有する第2のトレーラと、
前記第2のトレーラ部分に解放可能に連結される第2のトラックとを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
伸張可能な長さを有する第3の車両と、
第2の対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第3の車両によって移動可能に支持される第2の検出器とをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の対象物を照射するための、前記第1の車両によって支持される第2の線源をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記線源を支持する基台をさらに備え、
前記線源が前記基台に旋回可能に結合され、前記線源が、前記第1および第2の対象物を選択的に照射するために、前記旋回軸周りを選択的に回転可能である、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記線源が前記第1および第2の対象物を同時に照射するようになされた、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
第1の車両と、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の車両上を移動可能な放射線源と、
第2の車両と、
前記対象物との相互作用の後で放射線を検出するための、前記第2の車両上を移動可能な検出器とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項18】
前記線源および前記検出器がそれぞれ、前記第1および第2の車両の長さの全域で移動可能である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
少なくとも1つの伸張可能な部分を有する少なくとも1台の車両と、
検査すべき対象物を照射するための、前記少なくとも1つの伸張可能部分上を移動可能な放射線源と、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記伸張可能部分上を移動可能な検出器とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項20】
前記少なくとも1台の車両が、
第1の伸張可能部分を有する第1の車両と、
第2の伸張可能部分を有する第2の車両とを備え、
前記線源が前記第1の伸張可能部分によって支持され、かつ、前記第1の伸張可能部分の全域で移動可能であり、
前記検出器が前記第2の伸張可能部分によって支持され、かつ、前記第2の伸張可能部分の全域で移動可能である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
第1の駆動部分と、
第1の入れ子式部分と、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の入れ子式部分によって移動可能に支持される放射線源とを備える、第1の車両と、
第2の駆動部分と、
第2の入れ子式部分と、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の入れ子式部分によって移動可能に支持される検出器とを備える、第2の車両とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項22】
前記第1および第2の入れ子式部分が各々、
少なくとも1つの第1のレールと、
それぞれの第1のレール内に収容される少なくとも1つの第2のレールとを備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1および第2の入れ子式部分が各々、
前記少なくとも1つの第2のレール内に収容される少なくとも1つの第3のレールを備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
第1のトラックと、
前記第1のトラックに開放可能に連結される第1の入れ子式トレーラと、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の入れ子式トレーラの少なくとも一部分の全域で移動可能な放射線源とを備える、第1の車両と、
第2のトラックと、
前記第2のトラックに開放可能に連結される第2の入れ子式トレーラと、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の入れ子式トレーラの少なくとも一部分の全域で移動可能な検出器とを備える、第2の車両とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項25】
検査すべき対象物を静止する第1および第2の車両の間に配置するステップであって、前記第1の車両が放射線源を移動可能に支持し、前記第2の車両が検出器を移動可能に支持するステップと、
前記放射線源を前記第1の車両の長さの全域で移動させるステップと、
前記対象物を前記移動する線源によって放射線で照射するステップと、
前記第2の静止車両によって支持される検出器を前記第2の車両の長さの全域で移動させるステップと、
前記対象物と相互作用する放射線を前記移動する検出器で検出するステップとを含む、対象物を検査するための方法。
【請求項26】
前記第1の車両を検査場所に運転して運ぶステップと、
前記第2の車両を検査場所に運転して運ぶステップと、
前記第1および第2の車両を整列させるステップとをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の車両の前記長さを伸張させるステップと、
前記線源を前記第1の車両の前記伸張した長さに沿って移動させるステップと、
前記第2の車両の前記長さを伸張させるステップと、
前記検出器を前記第2の車両の前記伸張した長さに沿って移動させるステップとをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記線源および前記検出器が第1の方向に移動する方法であって、
検査後、前記対象物を前記第1および第2の車両の間から移動させるステップと、
検査すべき第2の対象物を前記第1および第2の車両の間に配置するステップと、
前記第2の対象物を検査するために、前記線源および前記検出器を前記第1の方向とは逆の第2の方向に移動させるステップとをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記検出器が第1の、垂直位置および第2の水平位置を有する方法であって、
前記検出器を前記第2の車両の全域で移動させる前に、前記検出器を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記線源から前記対象物上に、垂直に発散する放射ビームを放射するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記線源から前記対象物上に、垂直な放射ファンビームを放射するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記線源から前記対象物上に、X線放射線を放射するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記線源から前記対象物上に、多重のピークエネルギーの放射線を放射するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記対象物が第3の車両によって運搬される方法であって、
前記第3の車両を運転して運ぶことによって、前記対象物を前記第1および第2の車両の間に配置するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項35】
検査すべき第2の対象物を前記第1の車両と前記第1の車両と整列する第3の静止車両との間に移動させるステップと、
前記第2の対象物を前記移動する線源による放射線で照射するステップと、
前記第3の車両によって支持される第2の検出器を、前記第3の車両の部分の全域で移動させるステップと、
前記対象物と相互作用する放射線を第2の検出器によって検出するステップとをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の対象物を前記第1の対象物の照射後に照射するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の対象物を照射する間に前記第2の対象物を照射するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
請求項27に記載の方法であって、
前記第1および第2の車両の前記伸張する長さが前記第1および第2の車両のそれぞれの部分にわたり、前記それぞれの部分を地上に降ろすステップをさらに含む方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸張可能な長さを有する第1の車両と、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の車両によって移動可能に支持される放射線源と、
伸張可能な長さを有する第2の車両と、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の車両によって移動可能に支持される検出器とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項2】
前記第1の車両が第1の伸張可能な部分を備え、
前記線源が前記伸張可能な部分の全域で移動可能であり、
前記第2の車両が第2の伸張可能な部分を備え、かつ、
前記検出器が前記第2の伸張可能部分の全域で移動可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1および第2の伸張可能部分が地面より上で支持される第1の位置、および地面上の第2の、下げた位置を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1および第2の伸張可能部分各々が、入れ子式の部分を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の伸張可能部分が前記線源を移動可能に支持する第1の支持表面を備え、
前記第2の伸張可能部分が前記検出器を移動可能に支持する第2の支持表面を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の支持表面が第1のレール対を備え、
前記第2の支持表面が第2のレール対を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記線源が前記第1の支持表面の全域で第1のモータによって移動可能であり、
前記検出器が前記第2の支持表面の全域で第2のモータによって移動可能である、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1および第2のモータの動作が同期化される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記放射線源が、前記対象物との相互作用の後で垂直に発散する放射ビームを放出するようになされ、
前記検出器が前記垂直に発散するビームを検出するようになされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記検出器が放射線を検出するための展開位置を有し、かつ、
前記検出器が非展開の、水平位置を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記放射線源がX線放射線源である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の車両が、
伸張可能な長さを有する第1のトレーラと、
前記第1のトレーラ部分に開放可能に連結される第1のトラックとを備え、
前記第2の車両が、
伸張可能な長さを有する第2のトレーラと、
前記第2のトレーラ部分に解放可能に連結される第2のトラックとを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
伸張可能な長さを有する第3の車両と、
第2の対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第3の車両によって移動可能に支持される第2の検出器とをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の対象物を照射するための、前記第1の車両によって支持される第2の線源をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記線源を支持する基台をさらに備え、
前記線源が前記基台に旋回可能に結合され、前記線源が、前記第1および第2の対象物を選択的に照射するために、前記旋回軸周りを選択的に回転可能である、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記線源が前記第1および第2の対象物を同時に照射するようになされた、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
第1の車両と、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の車両上を移動可能な放射線源と、
第2の車両と、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の車両上を移動可能な検出器とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項18】
前記線源および前記検出器がそれぞれ、前記第1および第2の車両の長さの全域で移動可能である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
第1の駆動部分と、
第1の入れ子式部分と、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の入れ子式部分によって移動可能に支持される放射線源とを備える、第1の車両と、
第2の駆動部分と、
第2の入れ子式部分と、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の入れ子式部分によって移動可能に支持される検出器とを備える、第2の車両とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項20】
前記第1および第2の入れ子式部分が各々、
少なくとも1つの第1のレールと、
それぞれの第1のレール内に収容される少なくとも1つの第2のレールとを備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1および第2の入れ子式部分が各々、
前記少なくとも1つの第2のレール内に収容される少なくとも1つの第3のレールを備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
第1のトラックと、
前記第1のトラックに開放可能に連結される第1の入れ子式トレーラと、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の入れ子式トレーラの少なくとも一部分の全域で移動可能な放射線源とを備える、第1の車両と、
第2のトラックと、
前記第2のトラックに開放可能に連結される第2の入れ子式トレーラと、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の入れ子式トレーラの少なくとも一部分の全域で移動可能な検出器とを備える、第2の車両とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項23】
検査すべき対象物を静止する第1および第2の車両の間に配置するステップであって、前記第1の車両が放射線源を移動可能に支持し、前記第2の車両が検出器を移動可能に支持するステップと、
前記放射線源を前記第1の車両の長さの全域で移動させるステップと、
前記対象物を前記移動する線源によって放射線で照射するステップと、
前記第2の静止車両によって支持される検出器を前記第2の車両の長さの全域で移動させるステップと、
前記対象物と相互作用する放射線を前記移動する検出器で検出するステップとを含む、対象物を検査するための方法。
【請求項24】
前記第1の車両を検査場所に運転して運ぶステップと、
前記第2の車両を検査場所に運転して運ぶステップと、
前記第1および第2の車両を整列させるステップとをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の車両の前記長さを伸張させるステップと、
前記線源を前記第1の車両の前記伸張した長さに沿って移動させるステップと、
前記第2の車両の前記長さを伸張させるステップと、
前記検出器を前記第2の車両の前記伸張した長さに沿って移動させるステップとをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記線源および前記検出器が第1の方向に移動する方法であって、
検査後、前記対象物を前記第1および第2の車両の間から移動させるステップと、
検査すべき第2の対象物を前記第1および第2の車両の間に配置するステップと、
前記第2の対象物を検査するために、前記線源および前記検出器を前記第1の方向とは逆の第2の方向に移動させるステップとをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記検出器が第1の、垂直位置および第2の水平位置を有する方法であって、
前記検出器を前記第2の車両の全域で移動させる前に、前記検出器を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記線源から前記対象物上に、垂直に発散する放射ビームを放射するステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記線源から前記対象物上に、垂直な放射ファンビームを放射するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記線源から前記対象物上に、X線放射線を放射するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記線源から前記対象物上に、多重のピークエネルギーの放射線を放射するステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記対象物が第3の車両によって運搬される方法であって、
前記第3の車両を運転して運ぶことによって、前記対象物を前記第1および第2の車両の間に配置するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
検査すべき第2の対象物を前記第1の車両と前記第1の車両と整列する第3の静止車両との間に移動させるステップと、
前記第2の対象物を前記移動する線源による放射線で照射するステップと、
前記第3の車両によって支持される第2の検出器を、前記第3の車両の部分の全域で移動させるステップと、
前記対象物と相互作用する放射線を第2の検出器によって検出するステップとをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の対象物を前記第1の対象物の照射後に照射するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の対象物を照射する間に前記第2の対象物を照射するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
請求項25に記載の方法であって、
前記第1および第2の車両の前記伸張する長さが前記第1および第2の車両のそれぞれの部分にわたり、前記それぞれの部分を地上に降ろすステップをさらに含む方法。
【請求項37】
前記検出器は、動作中、前記対象物を透過した放射線を検出するために、前記車両によって移動可能に支持される、請求項1に記載のシステム。
【請求項38】
前記検出器は、動作中、前記対象物を透過した放射線を検出するために、前記第2の車両上を移動可能である、請求項17に記載のシステム。
【請求項39】
前記検出器は、動作中、前記対象物を透過した放射線を検出するために、前記第2の入れ子式部分によって移動可能に支持される、請求項19に記載のシステム。
【請求項40】
前記検出器は、動作中、前記対象物を透過した放射線を検出するために、前記第2の入れ子式部分の少なくとも一部の全域で移動可能である、請求項22に記載のシステム。
【請求項41】
前記移動する検出器によって、前記対象物を透過した放射線を検出するステップを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項42】
伸張可能部分と、
検査すべき対象物を照射するための、前記伸張可能部分上に移動可能に支持される放射線源とを備える、放射線走査システムで使用される車両。
【請求項43】
伸張可能部分と、
対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記伸張可能部分上に移動可能に支持される検出器とを備える、放射線走査システムで使用される車両。
【請求項44】
前記伸張可能部分は、前記線源を移動可能に支持するために、少なくとも1つのレールを備える、請求項42に記載の車両。
【請求項45】
前記線源は、前記伸張可能部分の全域で第1のモータによって移動可能である、請求項42に記載の車両。
【請求項46】
前記放射線源が、X線放射線源である、請求項42に記載の車両。
【請求項47】
伸張可能な長さを有するトレーラ部分と、前記トレーラに開放可能に連結されるトラックとを備える、請求項42に記載の車両。
【請求項48】
前記伸張可能な部分上に移動可能に支持される第2の放射線源をさらに備える、請求項42に記載の車両。
【請求項49】
前記線源は、第1および第2の対象物を同時に照射するようになされている、請求項42に記載の車両。
【請求項50】
前記線源を支持する基台をさらに備え、前記線源が、前記基台に旋回可能に結合され、前記線源が、前記第1および前記第2の対象物を選択的に照射するために、前記旋回軸の周りに選択的に回転可能である、請求項42に記載の車両。
【請求項51】
前記伸張可能部分が、第1および第2の入れ子式部分を備える、請求項42に記載の車両。
【請求項52】
伸張可能部分と、
対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記伸張可能部分上に移動可能に支持される検出器とを備える、放射線走査システムで使用される車両。
【請求項53】
前記伸張可能部分が、地面より上で支持される第1の位置、および地面に降ろされた第2の位置を有する、請求項52に記載の車両。
【請求項54】
前記伸張可能部分が、少なくとも1つのレールを備える、請求項52に記載の車両。
【請求項55】
前記検出器が、前記伸張可能部分の全域でモータによって移動可能である、請求項52に記載の車両。
【請求項56】
伸張可能な長さを有するトレーラと、前記第1のトレーラに開放可能なように連結されるトラックとを備える、請求項52に記載の車両。
【請求項57】
前記検出器が、放射線を検出するための、展開位置を有し、かつ、前記検出器が前記伸張可能部分に沿う、非展開の、水平位置を有する、請求項52に記載の車両。
【請求項58】
前記検出器が、X線放射線を検出するようになされている、請求項52に記載の車両。
【請求項59】
前記伸張可能部分が、第1および第2の入れ子式部分を備える、請求項52に記載の車両。
【請求項1】
伸張可能な長さを有する第1の車両と、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の車両によって移動可能に支持される放射線源と、
伸張可能な長さを有する第2の車両と、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の車両によって移動可能に支持される検出器とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項2】
前記第1の車両が第1の伸張可能な部分を備え、
前記線源が前記伸張可能な部分の全域で移動可能であり、
前記第2の車両が第2の伸張可能な部分を備え、かつ、
前記検出器が前記第2の伸張可能部分の全域で移動可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1および第2の伸張可能部分が地面より上で支持される第1の位置、および地面上の第2の、下げた位置を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1および第2の伸張可能部分各々が、入れ子式の部分を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の伸張可能部分が前記線源を移動可能に支持する第1の支持表面を備え、
前記第2の伸張可能部分が前記検出器を移動可能に支持する第2の支持表面を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の支持表面が第1のレール対を備え、
前記第2の支持表面が第2のレール対を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記線源が前記第1の支持表面の全域で第1のモータによって移動可能であり、
前記検出器が前記第2の支持表面の全域で第2のモータによって移動可能である、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1および第2のモータの動作が同期化される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記放射線源が、前記対象物との相互作用の後で垂直に発散する放射ビームを放出するようになされ、
前記検出器が前記垂直に発散するビームを検出するようになされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記検出器が放射線を検出するための展開位置を有し、かつ、
前記検出器が非展開の、水平位置を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記放射線源がX線放射線源である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の車両が、
伸張可能な長さを有する第1のトレーラと、
前記第1のトレーラ部分に開放可能に連結される第1のトラックとを備え、
前記第2の車両が、
伸張可能な長さを有する第2のトレーラと、
前記第2のトレーラ部分に解放可能に連結される第2のトラックとを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
伸張可能な長さを有する第3の車両と、
第2の対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第3の車両によって移動可能に支持される第2の検出器とをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の対象物を照射するための、前記第1の車両によって支持される第2の線源をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記線源を支持する基台をさらに備え、
前記線源が前記基台に旋回可能に結合され、前記線源が、前記第1および第2の対象物を選択的に照射するために、前記旋回軸周りを選択的に回転可能である、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記線源が前記第1および第2の対象物を同時に照射するようになされた、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
第1の車両と、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の車両上を移動可能な放射線源と、
第2の車両と、
前記対象物との相互作用の後で放射線を検出するための、前記第2の車両上を移動可能な検出器とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項18】
前記線源および前記検出器がそれぞれ、前記第1および第2の車両の長さの全域で移動可能である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
少なくとも1つの伸張可能な部分を有する少なくとも1台の車両と、
検査すべき対象物を照射するための、前記少なくとも1つの伸張可能部分上を移動可能な放射線源と、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記伸張可能部分上を移動可能な検出器とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項20】
前記少なくとも1台の車両が、
第1の伸張可能部分を有する第1の車両と、
第2の伸張可能部分を有する第2の車両とを備え、
前記線源が前記第1の伸張可能部分によって支持され、かつ、前記第1の伸張可能部分の全域で移動可能であり、
前記検出器が前記第2の伸張可能部分によって支持され、かつ、前記第2の伸張可能部分の全域で移動可能である、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
第1の駆動部分と、
第1の入れ子式部分と、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の入れ子式部分によって移動可能に支持される放射線源とを備える、第1の車両と、
第2の駆動部分と、
第2の入れ子式部分と、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の入れ子式部分によって移動可能に支持される検出器とを備える、第2の車両とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項22】
前記第1および第2の入れ子式部分が各々、
少なくとも1つの第1のレールと、
それぞれの第1のレール内に収容される少なくとも1つの第2のレールとを備える、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記第1および第2の入れ子式部分が各々、
前記少なくとも1つの第2のレール内に収容される少なくとも1つの第3のレールを備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
第1のトラックと、
前記第1のトラックに開放可能に連結される第1の入れ子式トレーラと、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の入れ子式トレーラの少なくとも一部分の全域で移動可能な放射線源とを備える、第1の車両と、
第2のトラックと、
前記第2のトラックに開放可能に連結される第2の入れ子式トレーラと、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の入れ子式トレーラの少なくとも一部分の全域で移動可能な検出器とを備える、第2の車両とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項25】
検査すべき対象物を静止する第1および第2の車両の間に配置するステップであって、前記第1の車両が放射線源を移動可能に支持し、前記第2の車両が検出器を移動可能に支持するステップと、
前記放射線源を前記第1の車両の長さの全域で移動させるステップと、
前記対象物を前記移動する線源によって放射線で照射するステップと、
前記第2の静止車両によって支持される検出器を前記第2の車両の長さの全域で移動させるステップと、
前記対象物と相互作用する放射線を前記移動する検出器で検出するステップとを含む、対象物を検査するための方法。
【請求項26】
前記第1の車両を検査場所に運転して運ぶステップと、
前記第2の車両を検査場所に運転して運ぶステップと、
前記第1および第2の車両を整列させるステップとをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1の車両の前記長さを伸張させるステップと、
前記線源を前記第1の車両の前記伸張した長さに沿って移動させるステップと、
前記第2の車両の前記長さを伸張させるステップと、
前記検出器を前記第2の車両の前記伸張した長さに沿って移動させるステップとをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記線源および前記検出器が第1の方向に移動する方法であって、
検査後、前記対象物を前記第1および第2の車両の間から移動させるステップと、
検査すべき第2の対象物を前記第1および第2の車両の間に配置するステップと、
前記第2の対象物を検査するために、前記線源および前記検出器を前記第1の方向とは逆の第2の方向に移動させるステップとをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
前記検出器が第1の、垂直位置および第2の水平位置を有する方法であって、
前記検出器を前記第2の車両の全域で移動させる前に、前記検出器を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項30】
前記線源から前記対象物上に、垂直に発散する放射ビームを放射するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項31】
前記線源から前記対象物上に、垂直な放射ファンビームを放射するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記線源から前記対象物上に、X線放射線を放射するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記線源から前記対象物上に、多重のピークエネルギーの放射線を放射するステップをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記対象物が第3の車両によって運搬される方法であって、
前記第3の車両を運転して運ぶことによって、前記対象物を前記第1および第2の車両の間に配置するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項35】
検査すべき第2の対象物を前記第1の車両と前記第1の車両と整列する第3の静止車両との間に移動させるステップと、
前記第2の対象物を前記移動する線源による放射線で照射するステップと、
前記第3の車両によって支持される第2の検出器を、前記第3の車両の部分の全域で移動させるステップと、
前記対象物と相互作用する放射線を第2の検出器によって検出するステップとをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項36】
前記第2の対象物を前記第1の対象物の照射後に照射するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1の対象物を照射する間に前記第2の対象物を照射するステップを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
請求項27に記載の方法であって、
前記第1および第2の車両の前記伸張する長さが前記第1および第2の車両のそれぞれの部分にわたり、前記それぞれの部分を地上に降ろすステップをさらに含む方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸張可能な長さを有する第1の車両と、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の車両によって移動可能に支持される放射線源と、
伸張可能な長さを有する第2の車両と、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の車両によって移動可能に支持される検出器とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項2】
前記第1の車両が第1の伸張可能な部分を備え、
前記線源が前記伸張可能な部分の全域で移動可能であり、
前記第2の車両が第2の伸張可能な部分を備え、かつ、
前記検出器が前記第2の伸張可能部分の全域で移動可能である、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1および第2の伸張可能部分が地面より上で支持される第1の位置、および地面上の第2の、下げた位置を有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1および第2の伸張可能部分各々が、入れ子式の部分を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の伸張可能部分が前記線源を移動可能に支持する第1の支持表面を備え、
前記第2の伸張可能部分が前記検出器を移動可能に支持する第2の支持表面を備える、請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の支持表面が第1のレール対を備え、
前記第2の支持表面が第2のレール対を備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記線源が前記第1の支持表面の全域で第1のモータによって移動可能であり、
前記検出器が前記第2の支持表面の全域で第2のモータによって移動可能である、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1および第2のモータの動作が同期化される、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記放射線源が、前記対象物との相互作用の後で垂直に発散する放射ビームを放出するようになされ、
前記検出器が前記垂直に発散するビームを検出するようになされる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記検出器が放射線を検出するための展開位置を有し、かつ、
前記検出器が非展開の、水平位置を有する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記放射線源がX線放射線源である、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の車両が、
伸張可能な長さを有する第1のトレーラと、
前記第1のトレーラ部分に開放可能に連結される第1のトラックとを備え、
前記第2の車両が、
伸張可能な長さを有する第2のトレーラと、
前記第2のトレーラ部分に解放可能に連結される第2のトラックとを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
伸張可能な長さを有する第3の車両と、
第2の対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第3の車両によって移動可能に支持される第2の検出器とをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の対象物を照射するための、前記第1の車両によって支持される第2の線源をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記線源を支持する基台をさらに備え、
前記線源が前記基台に旋回可能に結合され、前記線源が、前記第1および第2の対象物を選択的に照射するために、前記旋回軸周りを選択的に回転可能である、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
前記線源が前記第1および第2の対象物を同時に照射するようになされた、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
第1の車両と、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の車両上を移動可能な放射線源と、
第2の車両と、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の車両上を移動可能な検出器とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項18】
前記線源および前記検出器がそれぞれ、前記第1および第2の車両の長さの全域で移動可能である、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
第1の駆動部分と、
第1の入れ子式部分と、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の入れ子式部分によって移動可能に支持される放射線源とを備える、第1の車両と、
第2の駆動部分と、
第2の入れ子式部分と、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の入れ子式部分によって移動可能に支持される検出器とを備える、第2の車両とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項20】
前記第1および第2の入れ子式部分が各々、
少なくとも1つの第1のレールと、
それぞれの第1のレール内に収容される少なくとも1つの第2のレールとを備える、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1および第2の入れ子式部分が各々、
前記少なくとも1つの第2のレール内に収容される少なくとも1つの第3のレールを備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
第1のトラックと、
前記第1のトラックに開放可能に連結される第1の入れ子式トレーラと、
検査すべき対象物を照射するための、前記第1の入れ子式トレーラの少なくとも一部分の全域で移動可能な放射線源とを備える、第1の車両と、
第2のトラックと、
前記第2のトラックに開放可能に連結される第2の入れ子式トレーラと、
前記対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記第2の入れ子式トレーラの少なくとも一部分の全域で移動可能な検出器とを備える、第2の車両とを備える、対象物を検査するための放射線走査システム。
【請求項23】
検査すべき対象物を静止する第1および第2の車両の間に配置するステップであって、前記第1の車両が放射線源を移動可能に支持し、前記第2の車両が検出器を移動可能に支持するステップと、
前記放射線源を前記第1の車両の長さの全域で移動させるステップと、
前記対象物を前記移動する線源によって放射線で照射するステップと、
前記第2の静止車両によって支持される検出器を前記第2の車両の長さの全域で移動させるステップと、
前記対象物と相互作用する放射線を前記移動する検出器で検出するステップとを含む、対象物を検査するための方法。
【請求項24】
前記第1の車両を検査場所に運転して運ぶステップと、
前記第2の車両を検査場所に運転して運ぶステップと、
前記第1および第2の車両を整列させるステップとをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の車両の前記長さを伸張させるステップと、
前記線源を前記第1の車両の前記伸張した長さに沿って移動させるステップと、
前記第2の車両の前記長さを伸張させるステップと、
前記検出器を前記第2の車両の前記伸張した長さに沿って移動させるステップとをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記線源および前記検出器が第1の方向に移動する方法であって、
検査後、前記対象物を前記第1および第2の車両の間から移動させるステップと、
検査すべき第2の対象物を前記第1および第2の車両の間に配置するステップと、
前記第2の対象物を検査するために、前記線源および前記検出器を前記第1の方向とは逆の第2の方向に移動させるステップとをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記検出器が第1の、垂直位置および第2の水平位置を有する方法であって、
前記検出器を前記第2の車両の全域で移動させる前に、前記検出器を前記第2の位置から前記第1の位置に移動させるステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記線源から前記対象物上に、垂直に発散する放射ビームを放射するステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項29】
前記線源から前記対象物上に、垂直な放射ファンビームを放射するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記線源から前記対象物上に、X線放射線を放射するステップをさらに含む、請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記線源から前記対象物上に、多重のピークエネルギーの放射線を放射するステップをさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記対象物が第3の車両によって運搬される方法であって、
前記第3の車両を運転して運ぶことによって、前記対象物を前記第1および第2の車両の間に配置するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項33】
検査すべき第2の対象物を前記第1の車両と前記第1の車両と整列する第3の静止車両との間に移動させるステップと、
前記第2の対象物を前記移動する線源による放射線で照射するステップと、
前記第3の車両によって支持される第2の検出器を、前記第3の車両の部分の全域で移動させるステップと、
前記対象物と相互作用する放射線を第2の検出器によって検出するステップとをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項34】
前記第2の対象物を前記第1の対象物の照射後に照射するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の対象物を照射する間に前記第2の対象物を照射するステップを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
請求項25に記載の方法であって、
前記第1および第2の車両の前記伸張する長さが前記第1および第2の車両のそれぞれの部分にわたり、前記それぞれの部分を地上に降ろすステップをさらに含む方法。
【請求項37】
前記検出器は、動作中、前記対象物を透過した放射線を検出するために、前記車両によって移動可能に支持される、請求項1に記載のシステム。
【請求項38】
前記検出器は、動作中、前記対象物を透過した放射線を検出するために、前記第2の車両上を移動可能である、請求項17に記載のシステム。
【請求項39】
前記検出器は、動作中、前記対象物を透過した放射線を検出するために、前記第2の入れ子式部分によって移動可能に支持される、請求項19に記載のシステム。
【請求項40】
前記検出器は、動作中、前記対象物を透過した放射線を検出するために、前記第2の入れ子式部分の少なくとも一部の全域で移動可能である、請求項22に記載のシステム。
【請求項41】
前記移動する検出器によって、前記対象物を透過した放射線を検出するステップを含む、請求項23に記載のシステム。
【請求項42】
伸張可能部分と、
検査すべき対象物を照射するための、前記伸張可能部分上に移動可能に支持される放射線源とを備える、放射線走査システムで使用される車両。
【請求項43】
伸張可能部分と、
対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記伸張可能部分上に移動可能に支持される検出器とを備える、放射線走査システムで使用される車両。
【請求項44】
前記伸張可能部分は、前記線源を移動可能に支持するために、少なくとも1つのレールを備える、請求項42に記載の車両。
【請求項45】
前記線源は、前記伸張可能部分の全域で第1のモータによって移動可能である、請求項42に記載の車両。
【請求項46】
前記放射線源が、X線放射線源である、請求項42に記載の車両。
【請求項47】
伸張可能な長さを有するトレーラ部分と、前記トレーラに開放可能に連結されるトラックとを備える、請求項42に記載の車両。
【請求項48】
前記伸張可能な部分上に移動可能に支持される第2の放射線源をさらに備える、請求項42に記載の車両。
【請求項49】
前記線源は、第1および第2の対象物を同時に照射するようになされている、請求項42に記載の車両。
【請求項50】
前記線源を支持する基台をさらに備え、前記線源が、前記基台に旋回可能に結合され、前記線源が、前記第1および前記第2の対象物を選択的に照射するために、前記旋回軸の周りに選択的に回転可能である、請求項42に記載の車両。
【請求項51】
前記伸張可能部分が、第1および第2の入れ子式部分を備える、請求項42に記載の車両。
【請求項52】
伸張可能部分と、
対象物と相互作用する放射線を検出するための、前記伸張可能部分上に移動可能に支持される検出器とを備える、放射線走査システムで使用される車両。
【請求項53】
前記伸張可能部分が、地面より上で支持される第1の位置、および地面に降ろされた第2の位置を有する、請求項52に記載の車両。
【請求項54】
前記伸張可能部分が、少なくとも1つのレールを備える、請求項52に記載の車両。
【請求項55】
前記検出器が、前記伸張可能部分の全域でモータによって移動可能である、請求項52に記載の車両。
【請求項56】
伸張可能な長さを有するトレーラと、前記第1のトレーラに開放可能なように連結されるトラックとを備える、請求項52に記載の車両。
【請求項57】
前記検出器が、放射線を検出するための、展開位置を有し、かつ、前記検出器が前記伸張可能部分に沿う、非展開の、水平位置を有する、請求項52に記載の車両。
【請求項58】
前記検出器が、X線放射線を検出するようになされている、請求項52に記載の車両。
【請求項59】
前記伸張可能部分が、第1および第2の入れ子式部分を備える、請求項52に記載の車両。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2a】
【図2b】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2006−527368(P2006−527368A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515136(P2006−515136)
【出願日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/017532
【国際公開番号】WO2004/111625
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(303064178)ヴァリアン メディカル システムズ テクノロジーズ インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月3日(2004.6.3)
【国際出願番号】PCT/US2004/017532
【国際公開番号】WO2004/111625
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(303064178)ヴァリアン メディカル システムズ テクノロジーズ インコーポレイテッド (10)
【Fターム(参考)】
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