説明

車両搭載用のゲーム機器搬送機器およびこれを搭載した介護予防支援車両

【課題】多くの人が一堂に集まってゲームを楽しむことのできる大型であって車両に搭載されて運搬されるゲーム機器を搬送容易にして簡便に搬送することができるようにする。
【解決手段】ラッシングレールの嵌め込み用孔に嵌め込み用部材が嵌め込まれたラッシング帯が設けられ、平面状の台座とこの台座の一方側の上面に載置されて一体とされ、内部に空間部を備えた箱状体とから台車が形成される。台座の他方側にゲーム機器の天板が載置され、箱状体の内部の空間部に天板の脚部およびゲーム機器の附属品が収納された状態で、天板が帯体によって箱状体に固定される。箱状体はラッシングレールに沿って配設されてラッシング帯によってラッシングレールに固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両搭載用のゲーム機器搬送機器およびこれを搭載した介護予防支援車両に関する。
【背景技術】
【0002】
介護予防のために各種のイベントが企画され、このイベントに使用する諸機器が介護予防支援車両に搭載され、イベント会場に搬送されることが行われている。
【0003】
特許文献1には、遊技機を移動させるための遊技機運搬台において、前記遊技機は下部に固定孔を有し、かつ1対の設置棚レール上に載置され、該設置棚レールは側部に溝を有するとともに上部に転動部材を有するものであって、キャスタと1対の基台レールとを備えた基台であって、前記基台レールは前記設置棚レールに接続可能で、かつ、上部に転動部材を有するものと、前記溝と係合可能に前記基台に支持された1対の係合部材と、前記固定孔に挿脱可能に前記基台に支持された固定棒と、前記係合部材と前記固定棒とを運動させる駆動機構であって、前記基台に支持されており、前記係合部材を前記溝と係合させる方向に運動させると同時に前記固定棒を前記固定孔から抜き外す方向に運動させ、前記係合部材を前記溝から外す方向に運動させると同時に前記固定棒を前記固定孔に挿入させる方向に運動させる動作が可能なものとを、有することを特徴とする遊技機運搬台が記載されている。
【0004】
特許文献2には、トラックの荷台上に着脱可能に取付ける断面ほぼL字形の台座端を同台座の垂直片頂部付近に枢着され、他端がプロペラ運搬時上記台座の水平片自由端部にピン結合されるプロペラ固定台、同固定台に取付けられたプロペラ固定部材及び上記プロペラ固定台の自由端部と台座水平片との間に着脱可能に介装されプロペラを上記プロペラ固定台に固定するとき同固定台をほぼ水平に保持しプロペラ固定後取外ずされる支持金具とからなることを特徴とするプロペラ運搬台が記載されている。
【0005】
特許文献3には、荷物搬送用車両の荷台等の両内側壁に略水平に延在させたラッシングレールの任意の係合孔に、ベルト端末に設けた係合金具を着脱自在に係合させることで荷台上の被搬送物を固定するラッシングベルトにおいて、本体部分に貫通口部が開設され、この貫通口部を回避した部位に設けた係合片が前記係合孔に係脱自在に係合される係合金具と、前記係合金具の貫通口部に着脱自在に挿入可能で、一端に前記ラッシングベルトの取付孔を有すると共に、他端に前記ラッシングレールの外表面に当接し得る支持片を有する係合部材とからなり、前記ラッシングベルトの使用時に、該ベルトを介して前記係合部材に伝わる荷重を、前記係合金具と支持片とにより前記ラッシングレールへ分散支持させるよう構成したことを特徴とするラッシングベルトの係合構造が記載されている。
【0006】
【特許文献1】特開平3−191978号公報
【特許文献2】特開昭56−17778号公報
【特許文献3】特開2005−247221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、介護予防支援のために各種のイベント会場にイベントに使用する諸機器が介護予防支援車両に搭載され、搬送することが行われている。
イベントの1つに遊技機あるいはゲーム機(以後、「ゲーム機器」として説明する。)を使用して人間に新鮮な喜びを与え、楽しく遊んでもらって介護予防の効果を達成することがある。特に、ゲーム機器にあってもゲームの内容が形成してある天板が脚体(足部)によって支持される構成の大形のゲーム機器は多くの人が一緒にゲームを楽しむことができ、介護予防にとって重要な機器である。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑み多くの人が一堂に集まってゲームを楽しむことのできる大型であって、車両に搭載されて運搬されるゲーム機器を搬送容易にして簡便構造の機器搬送機器およびこれを搭載した介護予防支援車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、トラック等の車両の荷室の内面のパネルに車両の車軸方向に取り付けられ、整列して多数の嵌込み用孔が形成されたラッシングレールを備えた車両搭載用のゲーム機器搬送機器において、
前記ラッシングレールの嵌め込み用孔に嵌め込み用部材が嵌め込まれたラッシング帯が設けられ、平面状の台座とこの台座の一方側の上面に載置されて一体とされ、内部に空間部を備えた箱状体とから台車が形成され、前記箱状体の他方側の台座上にゲーム機器の天板が載置され、前記箱状体の内部の空間部に天板の脚部およびゲーム機器の附属品が収納された状態で、前記天板が帯体によって前記箱状体に固定されており、かつ前記箱状体は前記ラッシングレールに沿って配設されて前記ラッシング帯によって前記ラッシングレールに固定されることを特徴とする車両搭載用のゲーム機器搬送機器を提供する。
【0010】
前述のゲーム機器搬送機器は、前記台座には前記帯体を貫通させる貫通孔が設けられることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は前述した車両搭載用のゲーム機器搬送機器を搭載した介護予防支援車両を提供する。
なお、ゲーム機器としては、ルーレット,ブラックジャック(登録商標),バカラ,シックボー,ビッグシックス,クラップスなどがよく知られている。
【発明の効果】
【0012】
前述のように、本発明は、車両に備えたラッシングレールを使用したゲーム機器搬送機器としていることによって、多くの人が一堂に集まってゲームを楽しむことのできる大型であって、車両に搭載されて運搬されるゲーム機器を搬送容易にして簡便構造のゲーム機器搬送機器およびこれを搭載した介護予防支援車両を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、本発明の実施例であるゲーム機器搬送機器100およびこれを搭載した介護予防支援車両200(以下、「車両」という。)を示す。図1において、ゲーム機器搬送機器100は、車両200の荷室201に搭載されて搬送される。
図1において、ゲーム機器搬送機器100は、トラック等の車両200の荷室201の内面のパネル202に車両1の車軸方向に取付けられ、整列して多数の嵌込み用孔が形成されたラッシングレール1に固定される。
【0015】
図2に、ゲーム機器搬送機器100の詳細を示す。ゲーム機器搬送機器100は、荷室201の内面のパネル202に車両1の車軸方向に取り付けられた1あるいは2個のラッシングレール1、ラッシングレール1の嵌め込み孔42に嵌め込み部材(ロック部)53が嵌め込まれるようにしたラッシング帯3および台車5から構成される。
【0016】
台車5は、平面状の台座6とこの台座6の一方側の上面に(図面にあっては右方側)に載置した箱状体7から形成され、台座6の下面には車8が取りつけてある。箱状体7は、内部に、上方に延びて開口した空間部9を備えて台座6の右側半分の領域を占めて載置され、左側半分の領域は載置部を形成する空白部11とされる。箱状体7は台座6に対して車軸方向端面およびラッシングレール側端面は面一とされて一体化してある。一体化方法は公知の各種手段を採用できる。
【0017】
台座6のラッシングレール反対側の端面近くに貫通孔13が設けられ、空間部9に面した台座6には他方の貫通孔14が設けられている。図1では目に見えないので貫通孔14を点線で示してある。
【0018】
箱状体7の側方面15の上方部に上述したラッシング帯3が固定されラッシング帯3はラッシングレール1側に延びるようにしてある。ラッシング帯3は、一方の端部(図では左方)には固定部52を備え、他方の端部(図では右方)には嵌め込み部材53を備える。中間に長さ調節部54を設けるようにしてもよい。このように構成されたラッシング帯3が箱状体17の他の側方面15Aにも形成してある。この図では、1つの側方面15に1つのラッシング帯3を設けることを示してあるが、ラッシングレール1を平行に2本設けてそれぞれのラッシングレール1に係合するようにラッシング帯3を設けることができる。また、図ではラッシング帯3を箱状体7に固定する形態としているが、箱状体7の外面に沿わせる形態で1本のラッシング帯を設けるようにしてもよい。この形態にあってはラッシング帯案内部を箱状体7の外面に形成しておくのがよい。
【0019】
このようにして構成された台車5は、箱状体7の一面側がラッシングレール1に沿うようにしてラッシングレール1の近くに配置され得、台座6の上面にゲーム機器20の天板21が複数個立て掛けて載置され得る。すなわち箱状体7が載置されない他側に形成される空白部11を利用して天板21が載置される。天板21は、貫通孔13,14を貫通する帯体31によって台座6上にしっかりと固定される。クロスする形で他の帯体32を設け、天板21同士をしっかりと固定するのがよい。
【0020】
次に図4−図9を使用して各部品の構成および台車5への載置方法について説明する。
図4は2種類のゲーム機器20(20A,20B)の分割方法および載置方法を示す。
ゲーム機器20Aは、天板21が2つに分割(21AA,21BB)され、ホイル21CCは取り出され、更に天板21から2つの脚体(脚部,足部)22(22A,22B,2つの脚部を連結する中間のつなぎ部材22C)が分解される。
【0021】
ゲーム機器20Bは、天板21から2つの脚体22C,22Dが分離される。また、このゲーム機器20Bにはチップおよびチップ収容ケース23が使用され、チップ収容ケース23にチップが収納される。また、附属品としてのアクセサリーがある。これらのゲーム機器21の構成は周知であり、天板21と脚部22が分離され得るようになっていることも周知である。
【0022】
図4に示すゲーム機器20は、天板21の周囲に多数の人が集まって1つのゲームに参加するものであるという特徴を有する。そして、これらのゲーム機器21は、天板21と脚部22に分解されるという構成になっている。
【0023】
図4に示すように、分解された2つの天板21(21AA,21AB)は集められて台座6上(すなわち空白部11)に載置され、帯体31,32によって箱状体7に固定される。ホイール21CCは水平にして運搬する必要があるため別の専用台車(図示せず)が載置される。
【0024】
図5は、図4に次いで、箱状体7の空間部9には分解された脚体21および22、天板21の一部あるいはチップ収容ケース、アクセサリー等のゲーム附属品が収納される。
分解された脚体21、天板21の一部あるいはゲーム附属品が空間部9に収納されると、ラッシング帯3に箱状体7、すなわち台座5はしっかりとラッシングレール1に固定される。
【0025】
図6は、ラッシングレール1の構成を示す。ラッシングレール1は、本体41、本体41上にその長手方向(すなわち組立てた時に、車軸方向)に規則正しく多数穿けられた嵌め込み孔42、両端に形成したラッシングレール固定部43,44から構成される。ラッシングレール1は、前述したように、車両1の荷室11の内面のパネル202に車両1の車軸方向にラッシングレール固定部43,44を介して固定される。
【0026】
図7は、ラッシング帯3の構成を示す。前述したように、ラッシング帯3は帯本体51の一端側に形成した固定部52、他端側に形成した嵌め込み部材53から構成される。
【0027】
図8は、ラッシングレール1に設けたフック入れ孔(嵌め込み孔)42に嵌め込み部材53を嵌め込んで結合部55を形成し、ラッシング帯3をラッシングレール1に固定する方法を示す。
これらの部品は周知であり、ラッシング帯3を結合部55を介してラッシングレール1に固定することも周知である。
【0028】
本実施例にあっては、ラッシング帯3によって箱状体7、すなわち台車5をラッシングレール1に固定するという特徴を有する。
【0029】
以上のように、ラッシングレール1の嵌め込み孔42に嵌め込み部材53がはめ込まれたラッシング帯3が設けられ、平面状の載置部を形成した台座6とこの台座6の一方側の上面に載置されて一体とされ、内部に空間部9の形成された箱状体7を備えて台車5が構成される。台座6の載置部にゲーム機器20の天板21が載置され、箱状体7の内部の空間部9に天板の脚部およびゲーム機器の附属品が収納された状態で、天板21は帯体31,32によって箱状体9に固定されており、かつ箱状体9のラッシングレール1に沿って配設されてラッシング帯3によってラッシングレール1に固定される。そして、台座6には貫通孔13,14が設けてあって、帯体31はこの貫通孔13,14を貫通し、天板21を寄り掛ける高さのある箱状体7に固定する。
【0030】
図9は、帯体13の一例を示す。帯体13は、本体61、本体61の両端部に設けた係合部62,63から構成されるが、この構成自体は周知である。
【0031】
以上のようにして、車両搭載用のゲーム機器搬送機器100が構成され、このゲーム機器搬送機器100がパネル202にラッシングレール1、ラッシング帯3を利用して固定されることによって、図1に示すように車両搭載用のゲーム機器搬送機器を搭載した介護予防支援車両200が構成される。
【0032】
図1には、1種類のゲーム機器20を載置する例を示しているが、複数種類のゲーム機器20を載置して同時に1台の車両で搬送することができる。
【0033】
車両200は、各種ゲーム機器20を分解した形で各地のイベント会場に搬送する。各種ゲーム機器20はイベント会場で組立てられ、多数の人が参加して楽しくゲームがなされる。ゲーム機器20自体は高価なものであるが、このようにしてイベント会場に搬送することによって高級感のあるゲームを多数の人が一緒に楽しむことができることになる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例の構成を示す図。
【図2】台車構成および台車配置を示す図。
【図3】台車をラッシングレールに固定する方法を示す図。
【図4】ゲーム機器の分解および載置方法を示す図。
【図5】台車がラッシングレールに固定された状態を示す図。
【図6】ラッシングレールの構成図。
【図7】ラッシング帯の構成図。
【図8】ラッシングレールとラッシング帯の結合を示す図。
【図9】帯体の一構成を示す図。
【符号の説明】
【0035】
1…ラッシングレール、2…嵌め込み用孔、3…ラッシング帯、4…嵌め込み用部材、5…台車、6…台座、7…箱状体、9…空間部、11…空白部、13,14…貫通孔、20…ゲーム機器、21…天板、22…脚部、23…チップス収容ケース、31,32…帯体、100…ゲーム機器搬送機器、200…介護予防支援車両(車両)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラック等の車両の荷室の内面のパネルに車両の車軸方向に取り付けられ、整列して多数の嵌込み用孔が形成されたラッシングレールを備えた車両搭載用のゲーム機器搬送機器において、
前記ラッシングレールの嵌め込み用孔に嵌め込み用部材が嵌め込まれたラッシング帯が設けられ、平面状の台座とこの台座の一方側の上面に載置されて一体とされ、内部に空間部を備えた箱状体とから台車が形成され、前記箱状体の他方側の台座上にゲーム機器の天板が載置され、前記箱状体の内部の空間部に天板の脚部およびゲーム機器の附属品が収納された状態で、前記天板が帯体によって前記箱状体に固定されており、かつ前記箱状体は前記ラッシングレールに沿って配設されて前記ラッシング帯によって前記ラッシングレールに固定されることを特徴とする車両搭載用のゲーム機器搬送機器。
【請求項2】
請求項1において、前記台座には前記帯体を貫通させる貫通孔が設けられることを特徴とする車両搭載用のゲーム機器搬送機器。
【請求項3】
請求項1または2に記載した車両搭載用のゲーム機器搬送機器を搭載した介護予防支援車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−120322(P2008−120322A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−308910(P2006−308910)
【出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(000134121)株式会社デベロ (8)
【Fターム(参考)】