説明

車両案内用タグおよびその設置方法

【課題】 特定の方向に進む車両にのみ特定の情報を提供する。
【解決手段】 車両40との間で直線偏波の電波信号を送受信する第1のタグ30aおよび第2のタグ30bを塗料21で道路10に固定する。この際、第1のタグ30aに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、第2のタグ30bに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、が直交するように第1のタグ30aおよび第2のタグ30bを道路10に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両案内情報が記憶された車両案内用タグと、そのタグを道路に設置する設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、車両案内情報が書き込まれたタグが一般道路に埋設され、車両がそのタグの上を通過することでタグの情報を得ることができる車両案内システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この車両案内システムは、車両案内情報が書き込まれると共に、道路の走行ラインに沿って所望の間隔で道路に埋設される固定機としてのタグと、車両に設置されると共に、タグの情報を読み出す車載機と、を備えて構成されている。
【0003】
また、上記タグは、トラック等のタグ設置車両に搭載されたタグ設置装置により道路に埋設される。このタグ設置装置は、道路にタグ設置用のくぼみを開けるくぼみ形成機と、シール剤を注入充填するシール剤充填機と、くぼみに置かれたタグを押圧する押圧ローラと、を備えて構成されている。
【0004】
このタグ設置装置では、タグ設置車両がゆっくり走行するにつれて、くぼみ形成機にて道路上にくぼみが形成され、そのくぼみにシール剤充填機によりシール剤が充填される。そして、シール剤が充填されたくぼみにタグが配置され、押圧ローラによってくぼみ内のタグが押圧される。以上のようにして、道路上にタグが次々と設置される。この後、情報書き込み用アンテナを備えた車両がタグの上を通過することでタグに情報が書き込まれる。
【0005】
このように道路に設置されたタグ上を車載機が搭載された車両が通過すると、車載機にてタグに書き込まれた道路案内情報が読み出され、その情報がドライバの運転の補助として用いられるようになっている。
【特許文献1】特開2003−331382号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、タグを道路に固定する際、道路を破壊して埋め込まなければなければならなかった。そのため、大がかりなタグ設置装置を用意しなければならなかった。また、タグに情報が書き込まれると、その情報は永続的に保持されるようになっている。このため、タグに書き込まれた情報を道路状況等に合わせた情報に随時書き換えることができなかった。
【0007】
さらに、上記タグが交差点等に固定された場合、一方に進む車両とその直交方向に進む車両とに同じ情報を与えることになり、互いに直交方向に進む車両の進行方向に応じて道路案内情報をそれぞれ与えることができなかった。
【0008】
本発明は、上記点に鑑み、車両案内用タグおよびその設置方法、それを用いた車両案内システムにおいて、タグを容易に道路に設置することを第1の目的とし、タグの情報を容易に書き換えることを第2の目的とし、特定の方向に進む車両にのみ情報を与えることを第3の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、が互いに異なる角度で配置されるようになっていることを特徴とする。
【0010】
このように、第1のタグおよび第2のタグにおいて、それぞれ扱う直線偏波の向きが互いに異なる角度になるように第1のタグおよび第2のタグを配置する。これにより、車両が第1のタグに記憶された車両案内情報、第2のタグに記憶された車両案内情報のいずれか一方のみの情報を得るようにすることができる。したがって、第1および第2のタグをそれぞれ車両の進行方向に合わせて配置することにより、車両の進行方向に応じてそれぞれ異なる車両案内情報を提供することができる。
【0011】
本発明では、リーダライタ(70、80)が用いられて、車両案内情報および書き込みコマンドを含んだ電波信号が直線偏波としてリーダライタに備えられたアンテナ(41a、81a)から送信され、第1のタグおよび第2のタグのうち、リーダライタから送信された直線偏波と同じ向きの直線偏波が受信されるものにおいて、電波信号に含まれる書き込みコマンドによって、電波信号が受信されたタグの情報記憶部に車両案内情報が記憶されるようになっていることを特徴とする。
【0012】
このように、リーダライタにて車両案内情報を含んだ電波信号が直線偏波として送信され、第1のタグおよび第2のタグのうち、リーダライタから送信された直線偏波の電波を受信できるものでその電波信号が受信され、車両案内情報が書き込みコマンドを介して記憶される。これにより、第1のタグおよび第2のタグのうち、いずれか一方にのみ車両案内情報を書き込むことができ、各タグに異なる車両案内情報を書き込むことができる。
【0013】
また、リーダライタを用いて車両案内情報および書き込みコマンドを含んだ電波信号を各タグに送信するだけで書き込みコマンドに応じて各タグに車両案内情報が書き込まれるため、各タグに記憶させた車両案内情報をそれぞれ容易に書き換えることができる。
【0014】
本発明では、リーダライタ(70、80)が用いられて、車両案内情報および書き込みコマンドを含んだ電波信号が円偏波としてリーダライタに備えられたアンテナ(41b、81b)から送信され、第1のタグおよび第2のタグそれぞれにおいて、リーダライタから送信された円偏波に対し、第1のタグおよび第2のタグ両方で受信できる直線偏波と同じ向きの成分の円偏波がそれぞれ受信され、第1のタグおよび第2のタグの情報記憶部それぞれに車両案内情報が記憶されるようになっていることを特徴とする。
【0015】
このように、リーダライタにて車両案内情報を含んだ電波信号が円偏波として送信され、第1のタグおよび第2のタグそれぞれで受信できる直線偏波と同じ向きの円偏波の成分がそれぞれ受信され、車両案内情報が書き込みコマンドを介してそれぞれ記憶される。これにより、第1のタグおよび第2のタグ両方に同じ内容の車両案内情報を同時に書き込むことができる。
【0016】
また、リーダライタを用いて車両案内情報および書き込みコマンドを含んだ電波信号を各タグに送信するだけで書き込みコマンドに応じて各タグに車両案内情報が書き込まれるため、各タグに記憶させた車両案内情報をそれぞれ同時に容易に書き換えることができる。
【0017】
本発明では、リーダライタは、地面の上を通行する情報管理車両(41)に搭載されるようになっていることを特徴とする。
【0018】
このように、リーダライタを情報管理車両に搭載する。これにより、情報管理車両で道路を通行する際に、容易に地面の上に配置された車両案内用タグに車両案内情報を書き込むことができる。
【0019】
本発明では、リーダライタは、車両案内情報を管理する管理者(14)に保持されるハンディタイプのものとして構成されることを特徴とする。
【0020】
これにより、特定のタグに対して、特定の車両案内情報を書き込むようにすることができる。
【0021】
本発明では、固定部材は、第1のタグおよび第2のタグそれぞれに記憶された車両案内情報に応じた色とされていることを特徴とする。
【0022】
このように、固定部材の色を変える。これにより、車両に搭乗する者に対して、車両案内情報の種類をあらかじめ知らせるようにすることができる。
【0023】
本発明では、第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、は実質的に直交するようになっていることを特徴とする。
【0024】
このように、第1のタグおよび第2のタグにおいて、それぞれ扱う直線偏波の向きが互いに直交するように第1のタグおよび第2のタグを配置する。これにより、例えば道路が直交する交差点において、各方向に進む車両にそれぞれ異なる車両案内情報を提供することができる。
【0025】
本発明では、第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、が互いに異なる角度となるように第1のタグおよび第2のタグを地面(10〜13)に配置し、乾燥すると固まる固定部材(21)を用いて、固定部材が固まる前に第1のタグおよび第2のタグを覆い、固定部材を固まらせて第1のタグおよび第2のタグを地面に固定することを特徴とする。
【0026】
このように、地面に第1および第2のタグを配置して固定部材で覆い、固定部材が乾いて固まることを利用して第1および第2のタグを道路に固定する。これにより、道路を破壊することなく、容易に車両案内用タグを道路に固定することができる。
【0027】
本発明では、乾燥すると固まる固定部材を地面(10〜13)に配置し、第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、が互いに異なる角度となるように、固定部材が固まる前にこの固定部材の上に第1のタグおよび第2のタグを置いて、固定部材を固まらせて第1のタグおよび第2のタグを地面に固定することを特徴とする。
【0028】
このように、地面に固定部材を置いて第1および第2のタグを配置し、固定部材が乾いて固まることで第1および第2のタグを地面に固定する。これにより、道路を破壊することなく、容易に車両案内用タグを道路に固定することができる。
【0029】
本発明では、第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、は実質的に直交するようになっていることを特徴とする。
【0030】
このように、第1のタグおよび第2のタグを固定部材で道路に固定する際、それぞれ扱う直線偏波の向きが互いに直交するように第1のタグおよび第2のタグを配置する。これにより、例えば道路が直交する交差点に設置することで互いに直交方向に進む車両それぞれに異なる車両案内情報を提供することができる。
【0031】
本発明では、車両案内用タグでは、第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、が互いに異なる角度で配置されており、車載リーダは、車両案内用タグの第1のタグおよび第2のタグのうち、車両案内用タグに対して送信した電波信号の直線偏波の向きと同じ向きの直線偏波を送受信するものから車両案内情報を受信するようになっていることを特徴とする。
【0032】
このように、車載リーダは、送信した電波信号の直線偏波の向きと同じ向きの直線偏波の電波信号を送受信するタグから車両案内情報を受信する。このような情報提供システムにより、車載リーダから送信される直線偏波の電波信号を受信できるタグのみから車両案内情報を受信することができる。すなわち、車両案内用タグに備えられた2つのタグのうち特定方向に進む車両にのみ車両案内情報を提供するようにすることができる。
【0033】
本発明では、第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、は実質的に直交するようになっていることを特徴とする。
【0034】
このように、第1および第2のタグそれぞれで扱う直線偏波の向きが互いに直交するように第1のタグおよび第2のタグを配置する。これにより、例えば道路が直交する交差点に設置することで進行方向が異なる車両に対し、それぞれに異なる車両案内情報を提供することができる。
【0035】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
【0037】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図を参照して説明する。
【0038】
図1は、本発明の第1実施形態に係る車両案内用タグを交差点に設置した様子を示したものである。この図に示されるように、道路10の交差点11に道路情報等の情報が書き込まれた車両案内用タグ20が設置されている。この車両案内用タグ20は、2つのタグ30が配置されて構成される。なお、道路10および交差点11は、本発明の地面に相当する。
【0039】
本実施形態では、各タグ30には、車両40の進行方向に対してそれぞれ異なる情報が書き込まれている。したがって、車両40の進行方向A〜Dそれぞれに対して各タグ30に異なる車両案内情報が書き込まれており、車両40に搭載された車載リーダ60および車載リーダ60に備えられたアンテナ61によってそれぞれ読み取られるようになっている。なお、車両40は、車両案内用タグ20の5m手前程度から情報を読み出すことができるようになっている。
【0040】
以下、図1に示される車両案内用タグ20、車両40に搭載された車載リーダ60について説明する。
【0041】
車両案内用タグ20は、道路10上、特に交差点11に配置および固定されており、通過する車両40からのリクエストに応じて車両案内情報を送信するものである。図2は、図1に示される車両案内用タグ20として構成されるタグ30のブロック構成図である。また、図3は、図2に示されるタグ30の模式図である。図2に示されるように、タグ30は、アンテナ31と、無線部32と、情報処理部33と、情報記憶部34と、を備えて構成されている。これらのうち、無線部32、情報処理部33、そして情報記憶部34は、例えば、1つのICチップとして構成され、図3に示されるタグ30の外観をなす基板35の上に取り付けられている。このような基板35として、例えばガラスエポキシが採用される。実際には、この基板35を樹脂等で覆って使用する。
【0042】
アンテナ31は、車両40からのリクエストに応じて、タグ30が保持する車両案内情報を含んだ電波を放出するものである。このようなアンテナ31は、図3に示されるように平面的な金属箔として構成され、基板35の表面に設けられている。なお、本実施形態では、アンテナ31として例えば銅箔が採用される。
【0043】
また、アンテナ31は、電波を直線偏波として放射するようになっている。ここで、直線偏波とは、任意方向の成分のみを有する電波である。この直線偏波は、金属箔に対する給電点(金属箔に電流が供給される点)31aの位置により設定することができる。すなわち、電流の向きを図3に示されるように給電点31aから紙面右方向に流れるように設定することで、直線偏波を設定することができる。
【0044】
さらに、本実施形態では、金属箔において直線偏波に平行な方向のサイズは、用いられる電波の波長の半分に依存した長さになる。なお、この長さは、タグ30を構成する基板35の誘電率等により短くなる場合もある。また、金属箔において直線偏波に垂直な方向のサイズに規定はないが、アンテナ31の利得が落ちずに通信に支障をきたさないサイズが好ましい。
【0045】
無線部32は、車載リーダ60から送信された車両情報案内をリクエストする(読み出す)ための電波を受信して周波数変換処理や信号増幅処理を行って情報処理部33に出力すると共に、情報処理部33から入力され車両案内情報を含んだ電波信号の周波数変換処理や信号増幅処理を行ってアンテナ31に出力するものである。
【0046】
情報処理部33は、無線部32から入力された車両案内情報をリクエストするための電波信号の復調処理を行うと共に、車載リーダ60からのリクエストに応じて情報記憶部34に記憶された車両案内情報を含んだ電波信号を生成して変調処理を行い、その変調処理した電波信号を無線部32に出力するものである。
【0047】
また、情報記憶部34は、車両40に提供する車両案内情報が記憶されたものである。このような情報記憶部34には、車両案内情報として、例えば道路状況や、車両40の進行方向先の情報等が記憶されている。この情報記憶部34に記憶される車両案内情報は、タグ30が道路10に固定された時点では何も記憶されていない。したがって、タグ30が道路10に固定された後、タグ30の管理者が記憶させたい車両案内情報をこの情報記憶部34に記憶させることとなる。車両案内情報の書き込み方法については、後で詳しく述べる。
【0048】
図1に示されるように、アンテナ31の直線偏波の向きが車両40に搭載された車載リーダ60に備えられたアンテナ61の直線偏波の向きと同じになるように配置された第1のタグ30aと、第1のタグ30aの直線偏波に対して直線偏波の向きが垂直になるように配置された第2のタグ30bと、によって車両案内用タグ20が構成される。この車両案内用タグ20は、塗料21にて被覆された状態で交差点11に固定されている。この塗料21は、乾燥すると固まる性質を有している。以上が、本実施形態で用いられるタグ30の構成である。なお、塗料21は、本発明の固定部材に相当する。
【0049】
車載リーダ60は、車両案内用タグ20に記憶された情報を読み出す車載機である。図4は、アンテナ61および車載リーダ60のブロック構成図を示したものである。この図に示されるように、車載リーダ60は、無線部62と、情報処理部63と、情報記憶部64と、表示出力部65と、操作入力部66と、を備えて構成されている。
【0050】
アンテナ61は、車両案内用タグ20に対して、タグ30が保持する車両案内情報をリクエストするための電波を送信すると共に、タグ30から送信される車両案内情報を含んだ電波を受信するものである。このようなアンテナ61は、上記タグ30に用いられるものと同様のものが用いられる。この車載リーダ60に備えられたアンテナ61は、図1に示されるように、アンテナ61の直線偏波の向きが車両40の進行方向に対して垂直になるように例えば車両40のフロント部分に固定される。
【0051】
無線部62は、情報処理部63から入力され、タグ30に対して車両案内情報をリクエストするための電波信号の周波数変換処理や信号増幅処理を行ってアンテナ61に出力すると共に、タグ30から送信されアンテナ61で受信された車両案内情報を含んだ電波信号の周波数変換処理や信号増幅処理を行って情報処理部63に出力するものである。
【0052】
情報処理部63は、情報をリクエストするためのコマンドを情報記憶部64から読み出し、タグ30に対して車両案内情報をリクエストする電波信号を生成して変調処理を行い、変調処理した電波信号を無線部62に出力すると共に、無線部62から入力される車両案内情報を含んだ電波信号を復調処理してその車両案内情報を表示出力部65に出力するものである。
【0053】
また、情報処理部63は、タグ30にリクエストするための電波信号を生成する際、タグ30を駆動させるためのエネルギー(電力)成分を含んだ電波信号を生成する。これにより、タグ30はリクエストのための電波信号を受信すると駆動し、その電波信号に含まれるエネルギー成分に基づいてリクエストに応じた車両案内情報を送信できるようになっている。
【0054】
情報記憶部64は、タグ30に対して車両案内情報を読む出すための読み出しコマンドが記憶されたものである。この読み出しコマンドが情報処理部63にて読み出されるようになっている。これら無線部62、情報処理部63、そして情報記憶部64は1つのICチップとして構成される。
【0055】
表示出力部65は、タグ30から受信した車両案内情報を搭乗者に報知するものであり、例えばナビゲーション装置が採用される。また、操作入力部66は、上記情報処理部63に命令を与えるものであり、表示出力部65と同様に例えばナビゲーション装置が採用される。以上が、車載リーダ60の構成である。
【0056】
次に、上記車両案内用タグ20の道路10に対する固定方法について説明する。図5は、車両案内用タグ20の固定方法を示した図である。具体的に、図5(a)、(b)は車両案内用タグ20を固定する各工程を示した図である。また、図5(c)は、図5(b)のA−A断面図である。
【0057】
まず、図5(a)に示されるように、道路10の所望の場所(例えば交差点)に、第1および第2のタグ30a、30bそれぞれにおける直線偏波の向きが垂直になると共に、第1および第2のタグ30a、30bのうちいずれか一方の直線偏波の向きが車両40に搭載された車載リーダ60に備えられたアンテナ61の直線偏波の向きと同じになるように各タグ30a、30bを道路上に配置する。
【0058】
この後、図5(b)に示されるように、各タグ30a、30b全体を覆うように塗料21を塗る。このような塗料21として、例えばペンキや車線を描くガラス塗料が採用される。そして、塗料21を乾かして固めることにより、第1および第2のタグ30a、30bを道路10上に固定する。以上のようにして、第1および第2のタグ30a、30bの道路10に対する設置が完了する。
【0059】
図5(c)に示されるように、第2のタグ30bは塗料21によって完全に被覆される。第1のタグ30aも同様に塗料によって完全に被覆される。これにより、第1および第2のタグ30a、30bを外部から保護することができる。
【0060】
次に、上記のようにして道路10に固定された第1および第2のタグ30a、30bそれぞれに所望の車両案内情報を書き込む方法について説明する。まず、第1および第2のタグ30a、30bに車両案内情報を書き込む様子を図6に示す。この図に示されるように、各タグ30a、30bへの車両案内情報の書き込みには、情報管理車両41が用いられる。この情報管理車両41には、アンテナ41a〜41dと、各タグ30a、30bに対する車両案内情報の書き込み処理を行うためのリーダライタ70と、が備えられている。
【0061】
図7に、アンテナ41a〜41dおよびリーダライタ70のブロック構成図を示す。アンテナ41a、41cは、直線偏波を送受信するものである。これらアンテナ41a、41cのうちアンテナ41aは車両前方に設置され、アンテナ41cは車両後方に設置される。また、これらアンテナ41a、41cは、図3に示されるものと同じものが採用される。なお、これらアンテナ41a、41cは単に基板35に金属箔が設けられたもので構成され、ICチップは取り付けられていない。
【0062】
アンテナ41b、41dは、円偏波を送受信するものである。図8は、円偏波を送受信するアンテナ41b、41dの模式図である。この図に示されるように、アンテナ41b、41dは、基板36に金属箔が設けられたものとして構成されている。また、本実施形態では、図8に示される金属箔のうち右上の角が面取りされており、その対角線(金属箔のうち左下)上に位置する角も同様に面取りされている。そして、金属箔において紙面下側に給電点が設けられ、このような給電点37の位置、および金属箔の面取り形状に基づいて、金属箔に電流が向きを変えて流れることで、電波が右旋回の円偏波となる。つまり、360°すべての方向に成分をもった電波を生成することができる。
【0063】
なお、図8に示される金属箔の面取り位置を左上および右下に変更すると、電流は左旋回して流れるので、左旋回の円偏波を生成することができる。円偏波の旋回の方向は左右どちらでも構わない。また、アンテナ41b、41dには、アンテナ41a、41cと同様に、基板36内にICチップは取り付けられていない。
【0064】
また、図7に示されるように、リーダライタ70は、第1無線部71と、第2無線部72と、情報処理部73と、情報記憶部74と、表示出力部75と、操作入力部76と、を備えて構成されている。
【0065】
第1無線部71は、アンテナ41aまたはアンテナ41bから各タグ30a、30bに車両案内情報を書き込むためのコマンドおよび車両案内情報を含んだ電波を送信するものである。第1無線部71は、情報処理部73からの指令によりアンテナ41a、41bのうちいずれか一方で電波を送信する。
【0066】
第2無線部72は、アンテナ41c、41dから各タグ30a、30bに車両案内情報を読み出すための読み出しコマンドを含んだ電波を送信すると共に、各タグ30a、30bから送信される車両案内情報が含まれた電波を受信するものである。この第2無線部72は、上記第1無線部71と同様に、情報処理部73からの指令によりアンテナ41c、41dのうちいずれか一方で電波を送受信する。
【0067】
情報処理部73は、情報記憶部74に記憶された車両案内情報と、その車両案内情報を各タグ30a、30bに書き込むための書き込みコマンドをそれぞれ読み出して車両情報案内および書き込みコマンドが含まれた電波信号を生成して変調処理を行い、変調処理した電波信号を第1無線部71に出力する。また、各タグ30a、30bに書き込まれた車両案内情報を確認するために情報記憶部74に記憶された読み出しコマンドを読み出して、読み出しコマンドが含まれる電波信号を生成して変調処理を行い、変調処理した電波信号を第2無線部72に出力し、第2無線部72から入力される車両案内情報を含んだ電波信号を復調処理してその車両案内情報を表示出力部75に出力するものである。
【0068】
情報記憶部74は、各タグ30a、30bに書き込むための車両案内情報、各タグ30a、30bに対して車両案内情報を書き込むための書き込みコマンド、そして各タグ30a、30bに書き込まれた車両案内情報を読み出すための読み出しコマンドが記憶されたものである。これら第1、第2無線部71、72、情報処理部73、そして情報記憶部74は、例えば1つのICチップとして構成される。
【0069】
表示出力部75は、情報処理部73から入力された車両案内情報を管理者に報知するものであり、例えばナビゲーション装置やパーソナルコンピュータ等が採用される。また、操作入力部76は、上記情報処理部73に命令を与えるものであり、表示出力部75と同様に例えばナビゲーション装置やパーソナルコンピュータが採用される。以上が、情報管理車両41に備えられたアンテナ41a〜41dおよびリーダライタ70の構成である。
【0070】
次に、上記情報管理車両41を用いて道路10上の各タグ30a、30bに車両案内情報を書き込むと共に、書き込み確認を行う方法について説明する。具体的には、図9〜図13に示される各フローに従った処理を実行する。図9および図10は、各タグ30a、30bに対して車両案内情報を書き込む処理を示したフローであり、図11〜図13は、各タグ30a、30bに書き込んだ車両案内情報を読み出して確認するフローを示している。
【0071】
まず、車両案内情報を書き込む処理について、図9および図10を参照して説明する。図9は、情報管理車両41のリーダライタ70において車両案内情報を各タグ30a、30bに送信する処理内容を示したフローチャートである。
【0072】
ステップ100では、操作入力部76にて車両案内情報が入力される。すなわち、各タグ30a、30bに記憶させる車両案内情報が、管理者が操作入力部76を操作することで情報処理部73に入力される。この車両案内情報は、情報記憶部74に記憶される。また、各タグ30a、30bにおいて一方にのみ車両案内情報を書き込むのか、または両方に書き込むのかというアンテナ使用情報も入力される。
【0073】
ステップ110では、使用するアンテナが選択される。本ステップでは、上記ステップ100にて入力されたアンテナ使用情報に基づき、各タグ30a、30bにおいて一方にのみ車両案内情報を書き込むのか、または両方に同時に同じ車両案内情報を書き込むのかによって使用するアンテナが選択される。各タグ30a、30bのうち一方にのみ車両案内情報を書き込む場合、直線偏波の電波を扱うアンテナを用いれば足りるので、直線偏波を扱うアンテナ41aが選択される。一方、各タグ30a、30bのうち両方に同時に同じ車両案内情報を書き込む場合、円偏波を扱うアンテナ41bが選択される。
【0074】
ステップ120では、書き込みコマンド送信の指示が入力される。すなわち、操作入力部76から書き込みコマンドを各タグ30a、30bに送信する指示が情報処理部73に入力される。
【0075】
ステップ130では、電波信号が生成される。具体的には、各タグ30a、30bに書き込むための車両案内情報、この車両案内情報を記憶させるための書き込みコマンド、そして各タグ30a、30bを駆動させるためのエネルギー成分が含まれた電波信号が情報処理部73で生成される。こうして生成された電波信号は、情報処理部73にて変調処理されて第1無線部71に出力される。
【0076】
ステップ140では、第1無線部71に入力された電波信号の周波数変換処理が行われる。すなわち、電波信号が所望の周波数帯に周波数変換される。周波数変換された電波信号は、上記ステップ110で選択されたアンテナ41aまたはアンテナ41bのいずれか一方に出力される。
【0077】
そして、ステップ150では、選択されたアンテナを介して電波信号が送信される。具体的には、上記ステップ110にてアンテナ41aが選択された場合、アンテナ41aから直線偏波の電波が送信される。一方、ステップ110にてアンテナ41bが選択された場合、アンテナ41bから円偏波の電波が送信される。以上のようにして、車両案内情報を書き込むための電波が送信される。
【0078】
次に、上記のようにして送信された電波信号に対する各タグ30a、30bの受信処理について説明する。図10は、各タグ30a、30bに車両案内情報を記憶させる処理内容を示したフローチャートである。
【0079】
ステップ200では、アンテナにて電波が受信される。具体的には、情報管理車両41のアンテナ41aから直線偏波の電波が送信された場合、送信された直線偏波の向きと同じ直線偏波を受信するアンテナ31を備えたタグ30a、30bで電波が受信される。一方、情報管理車両41のアンテナ41bから円偏波の電波が送信された場合、各タグ30a、30bそれぞれで受信できる直線偏波と同じ向きの円偏波の成分が受信される。受信された電波信号は、無線部32に出力される。
【0080】
ステップ210では、周波数変換処理がなされる。すなわち、無線部32にて電波信号が所望の周波数帯に周波数変換され、情報処理部33に出力される。
【0081】
ステップ220では、情報処理部33にて電波信号の復調処理およびコマンドの確認がなされる。これにより、情報管理車両41から送信された車両案内情報とコマンドとが車両案内情報を記憶するためのものであることが判定される。
【0082】
ステップ230では、車両案内情報の書き込みが行われる。つまり、情報処理部33にて車両案内情報が情報記憶部34に記憶される。本ステップでは、上述のように、直線偏波の電波が送信された場合には、その直線偏波の向きと同じ偏波を受信するタグ30a、30bにのみ、車両案内情報が記憶され、円偏波の電波が送信された場合には、各タグ30a、30bに同じ車両案内情報が同時に記憶される。以上のようにして、各タグ30a、30bに車両案内情報が記憶される。
【0083】
このように、リーダライタ70に直線偏波を発するアンテナ41aを用いると、その直線偏波の向きと同じ偏波を受信できる各タグ30a、30bのうち一方にのみ車両案内情報を書き込むことができ、円偏波を発するアンテナ41bを用いると、直線偏波の向きが互いに直交して配置されている各タグ30a、30bに同時に同じ内容を書き込むことができるのである。直線偏波を用いるか、または円偏波を用いるかについては管理者が決定する。
【0084】
続いて、上記のようにして各タグ30a、30bに車両案内情報が正しく書き込まれたか否かを判定するために、各タグ30a、30bから車両案内情報を読み出す処理について説明する。図11は、リーダライタ70にて各タグ30a、30bの車両案内情報を読み出す処理内容を示したフローチャートである。このフローは、上記図9に示される処理が終了した後に実行される。
【0085】
ステップ300では、使用するアンテナが選択される。本ステップでは、上記ステップ110にてアンテナ41aが選択された場合、アンテナ41cが選択される。一方、上記ステップ110にてアンテナ41bが選択された場合、アンテナ41dが選択される。
【0086】
ステップ310では、読み出しコマンド送信の指示が入力される。すなわち、読み出しコマンドを各タグ30a、30bに送信する指示が操作入力部76から情報処理部73に入力される。
【0087】
ステップ320では、情報記憶部74に記憶された読み出しコマンドが出力される。本ステップでは、上記ステップ310にて情報処理部73に入力された指示に基づき、各タグ30a、30bに記憶された車両案内情報を読み出すための読み出しコマンドが情報記憶部74から情報処理部73に入力される。
【0088】
ステップ330では、電波信号が生成される。具体的には、各タグ30a、30bに書き込まれた車両案内情報を読み出すための読み出しコマンド、および各タグ30a、30bを駆動させるためのエネルギー成分が含まれた電波信号が情報処理部73で生成される。こうして生成された電波信号は、情報処理部73にて変調処理されて第2無線部72に出力される。
【0089】
ステップ340では、第2無線部72に入力された電波信号の周波数変換処理が行われる。すなわち、電波信号が所望の周波数帯に周波数変換される。周波数変換された電波信号は、上記ステップ300で選択されたアンテナ41cまたはアンテナ41dのいずれか一方に出力される。
【0090】
ステップ350では、選択されたアンテナを介して電波信号が送信される。具体的には、上記ステップ300にてアンテナ41cが選択された場合、アンテナ41cから直線偏波の電波が送信される。一方、ステップ300にてアンテナ41dが選択された場合、アンテナ41dから円偏波の電波が送信される。以上のようにして、車両案内情報を読み出すための電波が送信される。
【0091】
次に、上記のようにして送信された電波信号に対する各タグ30a、30bの受信処理について説明する。図12は、各タグ30a、30bにおいて、情報管理車両41のリクエストに応じて車両案内情報を送信する処理内容を示したフローチャートである。
【0092】
ステップ400では、アンテナにて電波が受信される。具体的には、情報管理車両41のアンテナ41cから直線偏波の電波が送信された場合、送信された直線偏波の向きと同じ直線偏波を受信するアンテナ31を備えたタグ30a、30bで電波が受信される。一方、情報管理車両41のアンテナ41dから円偏波の電波が送信された場合、各タグ30a、30b両方で直線偏波の向きと同じ成分の偏波が受信される。受信された電波信号は無線部32に出力される。
【0093】
ステップ410では、周波数変換処理がなされる。すなわち、無線部32にて電波信号が所望の周波数帯に周波数変換され、情報処理部33に出力される。
【0094】
ステップ420では、情報処理部33にて電波信号の復調処理および要求内容の確認がなされる。これにより、情報管理車両41からの車両案内情報の読み出し要求が判定される。
【0095】
ステップ430では、情報記憶部34から車両案内情報が読み出される。すなわち、情報処理部33にて読み出しコマンドを用いて情報記憶部34から車両案内情報が情報処理部33に読み出される。
【0096】
ステップ440では、読み出された車両案内情報を含んだ電波信号の生成および変調処理が情報処理部33にて行われる。本ステップにて生成および変調された電波信号は、情報処理部33から無線部32に出力される。
【0097】
ステップ450では、周波数変換処理がなされる。すなわち、無線部32にて電波信号が所望の周波数帯に変換され、アンテナ31に出力される。
【0098】
ステップ460では、電波信号がアンテナ31を介して各タグ30a、30bから情報管理車両41に送信される。このとき、情報管理車両41から直線偏波の電波が送信された場合、各タグ30a、30bのうち一方から直線偏波が送信される。また、情報管理車両41から円偏波の電波が送信された場合、各タグ30a、30bのうち両方から直線偏波が送信される。以上のようにして、情報管理車両41のリクエストに応じて各タグ30a、30bから車両案内情報が送信される。
【0099】
続いて、各タグ30a、30bから送信された電波信号に対する情報管理車両41の受信処理について説明する。図13は、各タグ30a、30bから送信された車両案内情報を含んだ電波に対するリーダライタ70の受信処理内容を示したフローチャートである。
【0100】
ステップ500では、アンテナにて電波が受信される。具体的には、情報管理車両41のアンテナ41cから直線偏波の電波が送信された場合、同じアンテナ41cで電波が受信される。一方、情報管理車両41のアンテナ41dから円偏波の電波が送信された場合、同じアンテナ41dで電波が受信される。受信された電波信号は第2無線部72に出力される。
【0101】
ステップ510では、第2無線部72に入力された電波信号の周波数変換処理が行われる。すなわち、電波信号が所望の周波数帯に周波数変換される。周波数変換された電波信号は、情報処理部73に出力される。
【0102】
ステップ520では、情報処理部73にて電波信号の復調処理がなされると共に、復調処理された電波信号が表示出力部75に出力される。これにより、各タグ30a、30bに車両案内情報が正常に書き込まれたか否かを、管理者が表示出力部75に出力された結果を見て判断する。以上のようにして、情報管理車両41を用いて各タグ30a、30bに車両案内情報を書き込む処理およびその確認処理が終了する。
【0103】
車両案内用タグ20に記憶させる車両案内情報が変更された場合、上記図9〜図13に示されるフローを実行することで、各タグ30a、30bに新しい車両案内情報を上書きすることができる。こうして、各タグ30a、30bの車両案内情報を容易に書き換えることができる。
【0104】
次に、図1に示されるように、車両40に搭載された車載リーダ60が道路10上に固定された車両案内用タグ20の車両案内情報を読み出す作動について、図14〜図16を参照して説明する。
【0105】
まず、車載リーダ60から車両案内用タグ20に車両案内情報をリクエストする作動について説明する。図14は、車載リーダ60において各タグ30a、30bの車両案内情報を読み出す処理内容を示したフローチャートである。
【0106】
図14に示されるステップ600では、読み出しコマンド送信の指示が入力される。すなわち、読み出しコマンドを車両案内用タグ20に送信する指示が、車載リーダ60に備えられた操作入力部66から情報処理部63に入力される。
【0107】
ステップ610では、情報記憶部64に記憶された読み出しコマンドが出力される。本ステップでは、上記ステップ600にて情報処理部63に入力された指示に基づき、車両案内用タグ20に記憶された車両案内情報を読み出すための読み出しコマンドが情報記憶部64から情報処理部63に入力される。
【0108】
ステップ620では、電波信号が生成される。具体的には、車両案内用タグ20に書き込まれた車両案内情報を読み出すための読み出しコマンド、および車両案内用タグ20を駆動させるためのエネルギー成分が含まれた電波信号が情報処理部63で生成される。こうして生成された電波信号は、情報処理部63にて変調処理されて無線部62に出力される。
【0109】
ステップ630では、無線部62に入力された電波信号の周波数変換処理が行われる。すなわち、電波信号が所望の周波数帯に変換される。周波数変換された電波信号は、無線部62からアンテナ61に出力される。
【0110】
ステップ640では、アンテナ61を介して電波信号が送信される。具体的には、アンテナ61から直線偏波の電波が送信される。以上のようにして、車両案内情報を読み出すための電波が車載リーダ60から送信される。
【0111】
続いて、車載リーダ60からのリクエストに対する車両案内用タグ20の作動について説明する。図15は、車両案内用タグ20に記憶された車両案内情報を車載リーダ60のリクエストに応じて送信する処理内容を示したフローチャートである。
【0112】
図15に示されるステップ700では、アンテナ31にて電波が受信される。具体的には、車載リーダ60のアンテナ61から直線偏波の電波が送信され、送信された直線偏波の向きと同じ直線偏波を受信するアンテナ31を備えたタグ30a、30bで電波が受信される。受信された電波信号は無線部32に出力される。
【0113】
ステップ710では、ステップ410と同様の処理がなされる。
【0114】
ステップ720では、情報処理部33にて電波信号の復調処理および読み出しコマンドの確認がなされる。これにより、車載リーダ60から車両案内情報の読み出し要求がなされていると判定される。
【0115】
ステップ730〜750では、上記ステップ430〜450と同様の処理がなされる。
【0116】
ステップ760では、電波信号がアンテナ31を介してタグ30a、30bから車載リーダ60に送信される。以上のようにして、車載リーダ60のリクエストに応じて車両案内情報が送信される。
【0117】
次に、各タグ30a、30bから送信された電波信号に対する車載リーダ60の受信処理について説明する。図16は、各タグ30a、30bから送信された車両案内情報を含んだ電波に対する車載リーダ60の処理内容を示したフローチャートである。
【0118】
ステップ800では、アンテナ61にて電波が受信される。具体的には、各タグ30a、30bから送信された直線偏波の電波が車載リーダ60のアンテナ61で受信される。
【0119】
ステップ810では、無線部62に入力された電波信号の周波数変換処理が行われる。すなわち、電波信号が所望の周波数帯に変換される。無線部62にて周波数変換された電波信号は、情報処理部63に出力される。
【0120】
ステップ820では、情報処理部63にて電波信号の復調処理がなされると共に、復調処理された電波信号が表示出力部65に出力される。これにより、表示出力部65に車両案内情報が表示される。以上のようにして、車載リーダ60を用いて車両案内用タグ20から車両案内情報を読み出す処理が終了する。
【0121】
以上説明したように、本実施形態では、第1のタグ30aおよび第2のタグ30bにおいて、それぞれ扱う直線偏波の向きが互いに異なる角度になるように第1のタグ30aおよび第2のタグ30bを配置する。これにより、車両40が第1のタグ30aに記憶された車両案内情報、第2のタグ30bに記憶された車両案内情報のいずれか一方のみの情報を得るようにすることができる。したがって、各タグ30a、30bをそれぞれ車両40に搭載された車載リーダ60に備えられたアンテナ61の直線偏波の向きと同じに合わせて配置することにより、車両40の進行方向に応じてそれぞれ異なる車両案内情報を提供することができる。
【0122】
また、それぞれ扱う直線偏波の向きが互いに直交するように各タグ30a、30bを配置する。これにより、例えば道路10が直交する交差点11において、各方向に進む車両40にそれぞれ異なる車両案内情報を提供することができる。
【0123】
さらに、本実施形態では、リーダライタ70にて車両案内情報を含んだ電波信号が直線偏波または円偏波として送信する。そして、各タグ30a、30bのうち、リーダライタ70から送信された直線偏波または円偏波の電波信号を受信できるものにおいて、車両案内情報が書き込みコマンドを介して記憶される。これにより、各タグ30a、30bのうち、いずれか一方または両方に車両案内情報を書き込むことができる。
【0124】
このとき、リーダライタ70にて直線偏波を用いるようにすると、各タグ30a、30bそれぞれに異なる情報を書き込むことができる。また、円偏波を用いるようにすると、各タグ30a、30bそれぞれに同じ情報を同時に書き込むことができる。このように、リーダライタ70を用いて車両案内情報および書き込みコマンドを含んだ電波信号を各タグ30a、30bに送信するだけで書き込みコマンドに応じて各タグ30a、30bに車両案内情報が書き込まれるため、各タグ30a、30bに記憶させた車両案内情報をそれぞれ容易に書き換えることができる。
【0125】
本実施形態では、塗料21にて各タグ30a、30bを道路10上に固定するようにしているため、各タグ30a、30bを容易に道路10に固定することができる。
【0126】
また、本実施形態のようにリーダライタ70を情報管理車両41に搭載することにより、情報管理車両41で道路10を通行する際に、容易に車両案内用タグ20に車両案内情報を書き込むことができる。
【0127】
以上のような車両案内用タグ20を用いることで、車載リーダ60から送信される直線偏波の電波信号を受信できるもののみから車両案内情報を受信することができる。すなわち、車両案内用タグ20に備えられた2つのタグ30a、30bのうち特定方向に進む車両40にのみ車両案内情報を提供する情報提供システムとして用いることができる。
【0128】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、車両案内用タグ20を道路10の交差点11に設置する場合について説明したが、車両案内用タグ20を駐車場に設置することもできる。
【0129】
図17は、本発明の第2実施形態において、車両案内用タグ20を駐車場に設置した様子を示したものである。図17に示されるように、駐車場12において、車道が交差している場所に車両案内用タグ20が配置されている。なお、駐車場12は、本発明の地面に相当する。
【0130】
例えば、駐車場12に配置されるすべての車両案内用タグ20に同じ情報が記憶されている場合、塗料21の色を全て同じにしても構わないが、車両案内用タグ20それぞれに記憶されている内容が異なる場合、塗料21の色をそれぞれ変えることで運転者や同乗者へ書き込まれている情報の種類(例えば青:駐車場案内、赤:利用者への連絡事項など)を容易に知らせることができる。これにより、運転者や同乗者へ余計な時間を使わせなくて済む。
【0131】
各車両案内用タグ20に異なる内容の車両案内情報を記憶させる場合、図17に示されるように、進行方向E〜Jの各方向に応じて例えば「出口は直進」、「出口は左折」などの情報を各車両案内用タグ20に書き込む。
【0132】
以上のように、駐車場12に車両案内用タグ20を設置し、運転者や搭乗者に情報を送信するようにすることができる。また、塗料21の色を変えることにより、車両40に搭乗する者に対して、車両案内情報の種類をあらかじめ知らせるようにすることができる。
【0133】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。上記第1実施形態では、車両案内用タグ20を道路10に固定する際、各タグ30a、30bを道路10上に置いてから塗料21を塗るようにしているが、他の方法でも各タグ30a、30bを道路10上に固定することができる。
【0134】
図18は、本実施形態に係る車両案内用タグ20の固定方法を示した図である。具体的に、図18(a)、(b)は車両案内用タグ20を固定する各工程を示した図である。また、図18(c)は、図18(b)のB−B断面図である。
【0135】
まず、図18(a)に示されるように、道路10の所望の場所(例えば交差点11や駐車場12)に塗料21を塗布する。
【0136】
この後、図18(b)に示されるように、塗料21が乾ききらないうちに、送受信できる直線偏波が互いに直交するように各タグ30a、30bを塗料21に押し付ける。そして、塗料21を乾燥させて固めることにより、各タグ30a、30bを道路10上に固定する。以上のようにして、各タグ30a、30bの設置が完了する。
【0137】
図18(c)に示されるように、第2のタグ30bは塗料21から露出した状態になっている。第1のタグ30aも同様に塗料から露出している。これにより、各タグ30a、30bにおける電波の送受信の感度を上げることができる。
【0138】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。上記第1実施形態では、車載リーダ60のアンテナ61として、図3に示される平面形状のものが用いられたが、アンテナ61として他の形態のものを用いても良い。
【0139】
図19は、本実施形態に係る車載リーダ60のアンテナの外観を示したものである。この図に示されるように、アンテナ67は、金属棒(ダイポール)によって構成されている。そして、金属棒の中央に給電点67aが設けられており、この給電点67aと同軸ケーブル68の一端とが接続されている。なお、同軸ケーブル68の他端は車載リーダ60の無線部62に接続されている。
【0140】
この金属棒の長さは、用いられる電波の波長の半分に依存した長さになる。また、金属棒として例えば銅やステンレスが採用される。そして、給電点67aから金属棒の長軸方向に電流が流れることで、金属棒の長軸方向に平行な直線偏波の電波を送受信できるようになっている。
【0141】
このアンテナ67は、例えば車両10のフロント部分に車外から見えない部分に取り付けられる。以上のように、車載リーダ60に図19に示されるアンテナ67を用いても構わない。
【0142】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。上記第1実施形態では、情報管理車両41を用いて車両案内用タグ20に車両案内情報を書き込んでいたが、他の方法によっても車両情報案内を車両案内用タグ20に書き込むことができる。
【0143】
図20は、車両案内情報の管理者が、ハンディタイプのリーダライタを用いて車両案内用タグ20に車両案内情報を書き込む様子を示したものである。この図に示されるように、地面13に設置された車両案内用タグ20にハンディタイプのリーダライタ80を所持した管理者14が近づいている。
【0144】
図21は、管理者14が所持しているリーダライタ80のブロック構成図である。この図に示されるように、リーダライタ80は、2つのアンテナ81a、81bと、無線部82と、情報処理部83と、情報記憶部84と、表示出力部85と、操作入力部86と、を備えて構成されている。
【0145】
2つのアンテナ81a、81bは、それぞれ電波を送受信するものである。2つのアンテナ81a、81bのうち一方のアンテナ81aは、直線偏波のアンテナであり、図3または図19に示されるもののうち一方が採用される。本実施形態で用いられるアンテナ81aは、図7に示されるアンテナ41aに相当するものである。また、アンテナ81bは、円偏波のアンテナであり、図7に示されるアンテナ41bに相当するものである。
【0146】
無線部82は、アンテナ81aまたはアンテナ81bから各タグ30a、30bに車両案内情報を書き込むための書き込みコマンドを含んだ電波を送信すると共に、アンテナ81aまたはアンテナ81bを介して各タグ30a、30bから送信される車両案内情報が含まれた電波を受信するものである。
【0147】
情報処理部83は、図7に示される情報処理部73と同じ機能を有するものである。また、情報記憶部84は、図7に示される情報記憶部74と同じものである。これら無線部82、情報処理部83、そして情報記憶部84は、例えば1つのICチップとして構成される。
【0148】
表示出力部85は、情報処理部83から入力された車両案内情報を管理者14に報知するものであり、例えば液晶パネル等の表示機能を有するものが採用される。また、操作入力部86は、上記情報処理部83に命令を与えるものであり、例えばボタン入力が可能なものが採用される。以上が、管理者14が携帯しているリーダライタ80の構成である。
【0149】
このようなハンディタイプのリーダライタ80において、車両案内情報の書き込みおよびその確認は図9〜図13に示されるフローに従って行われる。なお、この場合、上述のように、アンテナ41aがアンテナ81aに対応し、アンテナ41bがアンテナ81bに対応する。また、第1、第2無線部71、72が無線部82に対応する。さらに、表示出力部75および操作入力部76は、ハンディタイプの表示出力部85および操作出力部86と同じ作動するものとする。
【0150】
以上のように、大型の情報管理車両41を用いなくても容易に車両案内用タグ20に車両案内情報を書き込むことができる。
【0151】
(他の実施形態)
上記実施形態では、各タグ30a、30bは車載リーダ60からのリクエストの電波信号に含まれるエネルギー成分で駆動できるようになっているが、各タグ30a、30bにそれぞれ電池を内蔵し、各タグ30a、30b単体でそれぞれ駆動できるようにしても構わない。
【0152】
上記第1、第2実施形態に対し、第3実施形態に示された固定方法により車両案内用タグ20を固定しても良い。また、第1、第2実施形態に対し、第5実施形態に示されたハンディタイプのリーダライタ80を用いるようにしても良い。このように、上記第1〜第5実施形態の各実施形態をそれぞれ組み合わせた実施形態であっても構わない。
【0153】
上記実施形態では、各タグ30a、30bを固定する際に塗料21を用いていたが、各タグ30a、30bを固定できるもの、例えば接着剤を用いても構わない。
【0154】
上記実施形態では、第1のタグ30aで扱う直線偏波の向きと第2のタグ30bで扱う直線偏波の向きとが互いに直交する配置関係となっていたが、各直線偏波の向きが直交していなくても構わない。しかしながら、車両案内用タグ20が図1に示されるような交差点11に配置される場合、互いに直交する道路が交差する場所に設置されるため、各直線偏波の向きが実質的に直交するように各タグ30a、30bが配置されることが好ましい。
【0155】
また、上記実施形態では、車両案内用タグ20にタグ30が2つ備えられているが、この数は2つでなくても良い。例えば、図1に示される車両案内用タグ20ではT字型に配置されているが、タグ30を3つ用いてコの字型に配置しても良い。また、タグ30を4つ用いて四角形状に配置しても良い。
【0156】
上記実施形態では、乗員に車両案内情報を報知する手段としてナビゲーション装置を例にあげたが、スピーカーから音を出すようにしても良い。また、テキストデータとして用いるようにしても構わない。なお、車両案内情報を使用した後は、例えばその情報をナビゲーション装置に保存しても良いし、破棄しても構わない。
【0157】
上記第1実施形態において、情報管理車両41に搭載されるものは、アンテナ41aまたはアンテナ41bおよびリーダライタ70のみであって、車両案内情報を書き込むだけのものとして構成されても構わない。すなわち、リーダライタ70が各タグ30a、30bに書き込んだ情報を確認する機能を備えていなくも構わない。同様に、管理者14が携帯するハンディタイプのリーダライタ80も、車両案内情報の書き込み確認を行う機能およびそのための構成を有しないものであっても構わない。
【0158】
なお、各図中に示したステップは、各種処理を実行する手段に対応するものである。
【図面の簡単な説明】
【0159】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両案内用タグを交差点に設置した様子を示した図である。
【図2】図1に示される車両案内用タグとして構成されるタグのブロック構成図である。
【図3】図2に示されるタグの模式図である。
【図4】車載リーダのブロック構成図である。
【図5】車両案内用タグの固定方法を示した図であり、(a)および(b)は車両案内用タグを固定する各工程を示した図、(c)は(b)のA−A断面図である。
【図6】情報管理車両にて各タグに情報を書き込む様子を示した図である。
【図7】情報管理車両に搭載されるアンテナおよびリーダライタのブロック構成図である。
【図8】円偏波を送受信するアンテナの模式図である。
【図9】リーダライタにおいて車両案内情報をタグに送信する処理内容を示したフローチャートである。
【図10】各タグに車両案内情報を記憶させる処理内容を示したフローチャートである。
【図11】リーダライタにおいてタグの車両案内情報を読み出す処理内容を示したフローチャートである。
【図12】各タグにおいて、情報管理車両のリクエストに応じて車両案内情報を送信する処理内容を示したフローチャートである。
【図13】各タグから送信された車両案内情報を含んだ電波に対するリーダライタの受信処理内容を示したフローチャートである。
【図14】車載リーダにおいてタグの車両案内情報を読み出す処理内容を示したフローチャートである。
【図15】車両案内用タグに記憶された車両案内情報を車載リーダのリクエストに応じて送信する処理内容を示したフローチャートである。
【図16】車両案内用タグから送信された車両案内情報を含んだ電波に対する車載リーダの処理内容を示したフローチャートである。
【図17】本発明の第2実施形態において、車両案内用タグを駐車場に設置した様子を示した図である。
【図18】第3実施形態に係る車両案内用タグの固定方法を示した図であり、(a)および(b)は車両案内用タグを固定する各工程を示した図、(c)は(b)のB−B断面図である。
【図19】第4実施形態に係る車載リーダのアンテナの外観を示した図である。
【図20】第5実施形態において、車両案内情報の管理者が、ハンディタイプのリーダライタを用いて車両案内用タグに車両案内情報を書き込む様子を示した図である。
【図21】図20に示される管理者が所持しているリーダライタのブロック構成図である。
【符号の説明】
【0160】
10〜13…地面、21…固定部材としての塗料、30a…第1のタグ、
30b…第2のタグ、32…無線部、33、73、83…情報処理部、
34、74、84…情報記憶部、40…車両、41…情報管理車両、
31、41a、41c、81a、81b…アンテナ、70、80…リーダライタ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面(10〜13)に配置されると共に、車両(40)からの直線偏波の電波信号によるリクエストに応じて車両案内情報を提供する車両案内用タグであって、
直線偏波の電波信号を扱うと共に、前記車両から送信された直線偏波の電波信号を受信するアンテナ(31)と、前記アンテナで受信される電波信号の周波数変換を行う無線部(32)と、前記車両案内情報が記憶された情報記憶部(34)と、前記無線部から入力され電波信号に含まれる車両案内情報のリクエストに応じて前記情報記憶部から前記車両案内情報を読み出すと共に、その車両案内情報を含んだ電波信号を生成して前記無線部を介して前記アンテナから直線偏波の電波信号を送信させる情報処理部(33)と、をそれぞれ備えた第1のタグ(30a)および第2のタグ(30b)と、
前記第1のタグおよび前記第2のタグを前記地面に固定する固定部材(21)と、を有し、
前記第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、前記第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、が互いに異なる角度で配置されるようになっていることを特徴とする車両案内用タグ。
【請求項2】
直線偏波の電波信号を送信するアンテナ(41a、81a)と、前記第1のタグまたは前記第2のタグに書き込む車両案内情報、およびその車両案内情報を書き込むための書き込みコマンドが記憶された情報記憶部(74、84)と、を備えて構成されるリーダライタ(70、80)が用いられ、
前記車両案内情報および前記書き込みコマンドを含んだ電波信号が直線偏波として前記リーダライタに備えられたアンテナから送信されると共に、前記第1のタグおよび前記第2のタグのうち、前記リーダライタに備えられたアンテナから送信された電波信号の直線偏波と同じ向きの直線偏波が受信されるものにおいて、受信された電波信号に含まれる前記書き込みコマンドによって、前記電波信号が受信されたタグの情報記憶部に前記車両案内情報が記憶されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両案内用タグ。
【請求項3】
円偏波の電波信号を送信するアンテナ(41b、81b)と、前記第1のタグおよび前記第2のタグに書き込む車両案内情報、およびその車両案内情報を書き込むための書き込みコマンドが記憶された情報記憶部(74、84)と、を備えて構成されるリーダライタ(70、80)が用いられ、
前記車両案内情報および前記書き込みコマンドを含んだ電波信号が円偏波として前記リーダライタに備えられたアンテナから送信されると共に、直線偏波を受信する前記第1のタグおよび前記第2のタグそれぞれにおいて、前記リーダライタに備えられたアンテナから送信された電波信号の円偏波に対し、前記第1のタグおよび前記第2のタグそれぞれで受信できる直線偏波と同じ向きの円偏波の成分がそれぞれ受信され、前記書き込みコマンドによって、前記第1のタグおよび前記第2のタグの情報記憶部それぞれに前記車両案内情報が記憶されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両案内用タグ。
【請求項4】
前記リーダライタは、前記地面の上を通行する情報管理車両(41)に搭載されるようになっていることを特徴とする請求項2または3に記載の車両案内用タグ。
【請求項5】
前記リーダライタは、前記車両案内情報を管理する管理者(14)に保持されるハンディタイプのものとして構成されることを特徴とする請求項2または3に記載の車両案内用タグ。
【請求項6】
前記固定部材は、前記第1のタグおよび前記第2のタグそれぞれに記憶された車両案内情報に応じた色とされていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両案内用タグ。
【請求項7】
前記第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、前記第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、は実質的に直交するようになっていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両案内用タグ。
【請求項8】
直線偏波の電波信号を扱うアンテナ(31)を備えると共に、車両(40)からの直線偏波の電波信号によるリクエストに応じて車両案内情報を提供する第1のタグ(30a)および第2のタグ(30b)を有する車両案内用タグの設置方法であって、
前記第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、前記第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、が互いに異なる角度となるように前記第1のタグおよび前記第2のタグを地面(10〜13)に配置する工程と、
乾燥すると固まる固定部材(21)を用いて、前記固定部材が固まる前に前記第1のタグおよび前記第2のタグを覆い、前記固定部材を固まらせて前記第1のタグおよび前記第2のタグを前記地面に固定する工程と、を含んでいることを特徴とする車両案内用タグの設置方法。
【請求項9】
直線偏波の電波信号を扱うアンテナ(31)を備えると共に、車両(40)からの直線偏波の電波信号によるリクエストに応じて車両案内情報を提供する第1のタグ(30a)および第2のタグ(30b)を有する車両案内用タグの設置方法であって、
乾燥すると固まる固定部材を地面(10〜13)に配置する工程と、
前記第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、前記第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、が互いに異なる角度となるように、前記固定部材が固まる前にこの固定部材の上に前記第1のタグおよび前記第2のタグを置いて、前記固定部材を固まらせ、前記第1のタグおよび前記第2のタグを前記地面に固定する工程と、を含んでいることを特徴とする車両案内用タグの設置方法。
【請求項10】
前記第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、前記第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、は実質的に直交するようになっていることを特徴とする請求項8または9に記載の車両案内用タグの設置方法。
【請求項11】
車両(40)から送信されるリクエストに応じて、車両案内用タグ(20)が前記車両に車両案内情報を提供する情報提供システムにおいて、
直線偏波の電波信号を送受信するアンテナ(31)と、車両案内情報が記憶された情報記憶部(34)と、を備え、前記車両から送信される前記車両案内情報をリクエストする直線偏波の電波信号に応じて、前記車両に前記車両案内情報を提供する第1のタグ(30a)および第2のタグ(30b)を有する車両案内用タグ(20)と、
前記車両に搭載され、前記車両案内用タグとの間で同じ向きの直線偏波の電波信号を送受信するアンテナ(61)と、前記車両案内用タグから前記車両案内情報を読み出すための読み出しコマンドが記憶された情報記憶部(64)と、を備え、前記車両案内用タグに車両案内情報をリクエストするために前記読み出しコマンドが含まれた電波信号を生成し、前記車両案内用タグとの間で同じ向きの直線偏波の電波信号を送受信するアンテナから生成した電波信号を直線偏波として前記車両案内用タグに送信する車載リーダ(60)と、を有し、
前記車両案内用タグでは、前記第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、前記第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、が互いに異なる角度で配置されており、前記車載リーダは、前記車両案内用タグの前記第1のタグおよび前記第2のタグのうち、前記車両案内用タグに対して送信した電波信号の直線偏波の向きと同じ向きの直線偏波を送受信するものから前記車両案内情報を受信するようになっていることを特徴とする情報提供システム。
【請求項12】
前記第1のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、前記第2のタグに備えられたアンテナで扱う直線偏波の向きと、は実質的に直交するようになっていることを特徴とする請求項11に記載の情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2007−24772(P2007−24772A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−210152(P2005−210152)
【出願日】平成17年7月20日(2005.7.20)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】