説明

車両用の電源装置

【課題】ホルダーケースをコンパクトに軽くしながら、収納する電池モジュールの個数を変更する。
【解決手段】車両用の電源装置は、複数本の電池モジュール1を互いに平行な姿勢で、複数段で複数列に、段数よりも列数を多く配置してホルダーケース2に収納している。ホルダーケース2は、電池モジュール1の列方向に分割された複数のユニットケース3からなる。このユニットケース3は、隣接する電池モジュール1の列間に配設される仕切り壁4の周囲に側壁5と端部壁6とを設けて片面を開口する箱形として、内部には、端部壁6と平行な保持壁7を設けており、この保持壁7を貫通するように電池モジュール1を収納して、電池モジュール1を1列で複数段に収納している。電源装置は、複数のユニットケース3を、仕切り壁4を電池モジュール1の列間に位置させるように、列方向に連結してホルダーケース2としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池モジュールをホルダーケースに収納している車両用の電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車や、内燃機関とモーターの両方で走行されるハイブリッドカー等の電動車両は、走行用モーターに電力を供給する電源として、多数の電池モジュールを直列に接続してホルダーケースに収納する電源装置を搭載している。
【0003】
この種の用途に使用される電源装置は、大出力のモーターに電力を供給するために出力電圧を高くしている。このため、多数の電池モジュールを直列に接続して、これをホルダーに収納している。たとえば、現在市販されているハイブリッドカーに搭載される電源装置は、多数の電池モジュールを直列に接続して、出力電圧を数百Vと高くしている。この電源装置は、5〜6個の素電池を直列に接続して電池モジュールとし、この電池モジュールをホルダーケースに収納している。
【0004】
この構造の電源装置は、搭載される車種によって要求される出力が異なる。大きくて重い車両に搭載され、かつモーター出力を大きくする車両にあっては、直列に接続する電池モジュールの個数を多くして出力電圧を高くする必要がある。また、軽くて小さい車両にあっては、直列に接続する電池モジュールの個数を少なくして、出力電圧を低く、すなわち電源装置の出力を小さくする必要がある。
【0005】
本発明者は、ホルダーケースを複数のユニットケースに分割し、連結するユニットケースの個数を変更して、出力電圧を変化できる電源装置を開発した。(特許文献1参照)
【特許文献1】2001−256940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の電源装置は、図1に示すように、複数段で複数列に電池モジュールを収納するユニットケース93を列方向に脱着できるように連結している。この電源装置は、連結するユニットケース93の個数を調整して出力電圧を変更できる。ただ、この構造の電源装置は、閉鎖構造の箱形であるユニットケースに複数の電池モジュールを2段・2列に収納して、これを列方向に連結するので、全体の外形が大きく、また重くなる欠点がある。それは、ユニットケース93の両面に仕切り壁94を設けているので、ユニットケース93を連結する状態で、2列の電池モジュールの間に二重の仕切り壁94が配設されるからである。
【0007】
仕切り壁を薄く成形して、ユニットケースの外形を小さく、また軽くできる。しかしながら、仕切り壁を薄くすると、ユニットケースを連結する状態で、仕切り壁の間に隙間が発生する。それは、ユニットケースの仕切り壁を構成するプラスチック製の壁は、薄く成形すると歪が発生するからである。とくに、プラスチック製の仕切り壁は、外側中央部を凹部とする形状に歪むので、これを当接するようにユニットケースを連結すると、仕切り壁の間に隙間ができる。この隙間は、電池モジュールを冷却する空気の通路となって、電池モジュールの冷却効率を悪化させる。それは、ユニットケースを通過するように空気を強制送風して、電池モジュールを冷却するからである。したがって、現実の製品においては、仕切り壁を薄くは成形できず、電池モジュールの間に多数に配設される仕切り壁が厚く、重くなってホルダーケース全体の外形を大きく、また重くする欠点がある。また、仕切り壁は、内面に補強リブを一体構造に設けて、軽くて強靭な構造にできる。ただ、内面に突出する補強リブは、仕切り壁の内側に配置される電池モジュールを冷却する空気の流れを阻害する。このため、仕切り壁に補強リブを設けると、電池モジュールの冷却を著しく悪化させる弊害が発生する。
【0008】
本発明は、さらにこの欠点を解決することを目的に開発されたものである。本発明の重要な目的は、ホルダーケースをコンパクトに軽くしながら、収納する電池モジュールの個数を変更できる車両用の電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1の車両用の電源装置は、複数本の電池モジュール1を互いに平行な姿勢で、複数段で複数列に、段数よりも列数を多く配置してホルダーケース2に収納している。ホルダーケース2は、電池モジュール1の列方向に分割された複数のユニットケース3からなる。このユニットケース3は、隣接する電池モジュール1の列間に配設される仕切り壁4の周囲に側壁5と端部壁6とを設けて片面を開口する箱形として、内部には、端部壁6と平行な保持壁7を設けており、この保持壁7を貫通するように電池モジュール1を収納して、電池モジュール1を1列で複数段に収納している。電源装置は、複数のユニットケース3を、仕切り壁4を電池モジュール1の列間に位置させるように、列方向に連結してホルダーケース2としている。
【0010】
本発明の請求項2の車両用の電源装置は、複数本の電池モジュール1を互いに平行な姿勢で、複数段で複数列に、段数よりも列数を多く配置してホルダーケース2に収納している。ホルダーケース2は、電池モジュール1の列方向に分割された複数のユニットケース3からなり、複数のユニットケース3を列方向に連結してホルダーケース2を構成している。このユニットケース3は、周囲に側壁5と端部壁6とを設けて両面を開口する枠形として、内部には、端部壁6と平行な保持壁7を設けている。ユニットケース3は、保持壁7を貫通するように電池モジュール1を収納して、電池モジュール1を1列で複数段に収納している。電源装置は、複数のユニットケース3を列方向に連結してホルダーケース2としている。
【0011】
本発明の車両用の電源装置は、仕切り壁4と端部壁6と保持壁7を、分割ライン8が段方向となるように分割して、分割された保持壁7で電池モジュール1を段方向に挟着してユニットケース3に収納して保持することができる。
【0012】
本発明の車両用の電源装置は、側壁5と端部壁6と保持壁7を、分割ライン8が列方向となるように分割して、分割された保持壁7で電池モジュール1を列方向に挟着してユニットケース3に収納して保持することができる。
【0013】
本発明の車両用の電源装置は、保持壁7が、電池モジュール1を挿通する保持穴7Aを貫通して設けており、この保持穴7Aに電池モジュール1を挿通して電池モジュール1をユニットケース3の定位置に配置することができる。
【0014】
本発明の請求項6の車両用の電源装置は、複数本の電池モジュール1を互いに平行な姿勢で、複数段で複数列に、段数よりも列数を多く配置してホルダーケース2に収納している。ホルダーケース2は、電池モジュール1の列方向に分割された複数のユニットケース3からなり、複数のユニットケース3を列方向に連結してホルダーケース2を構成している。さらに、ユニットケース3は、両端部に連結される端部ユニットケース3Bと、中間に連結される複数の中間ユニットケース3Aとからなる。中間ユニットケース3Aは、隣接する電池モジュール1の列間に配設される仕切り壁4の周囲に両側に突出するように側壁5と端部壁6とを設けて、仕切り壁4の両面に開口される箱形として、側壁5と端部壁6で囲まれる内部には、端部壁6と平行な保持壁7を設けている。端部ユニットケース3Bは、中間ユニットケース3Aの開口部を閉塞する閉塞プレート10の周囲に、側壁5と端部壁6を設けて、片面に開口される箱形として、内部には、端部壁6と平行な保持壁7を設けている。ホルダーケース2は、複数の中間ユニットケース3Aを、側壁5と端部壁6の端縁を互いに対向させて列方向に連結しており、隣接する中間ユニットケース3Aの保持壁7で電池モジュール1を保持して、隣接する中間ユニットケース3Aの間に1列で複数段に電池モジュール1を収納している。さらに、ホルダーケース2は、中間ユニットケース3Aと端部ユニットケース3Bを、側壁5と端部壁6の端縁を互いに対向させて列方向に連結しており、中間ユニットケース3Aと端部ユニットケース3Bの保持壁7で電池モジュール1を保持して、中間ユニットケース3Aと端部ユニットケース3Bの間に1列で複数段に電池モジュール1を収納して、中間ユニットケース3Aの開口部を端部ユニットケース3Bで閉塞している。
【0015】
本発明の請求項7の車両用の電源装置は、複数本の電池モジュール1を互いに平行な姿勢で、複数段で複数列に、段数よりも列数を多く配置してホルダーケース2に収納している。ホルダーケース2は、電池モジュール1の列方向に分割された複数のユニットケース3からなり、複数のユニットケース3を列方向に連結してホルダーケース2を構成している。さらに、ユニットケース3は、両端部に連結される端部ユニットケース3Bと、中間に連結される複数の中間ユニットケース3Aとからなる。中間ユニットケース3Aは、周囲に側壁5と端部壁6とを設けて、両面を開口する枠形として、側壁5と端部壁6で囲まれる内部には、端部壁6と平行な保持壁7を設けている。端部ユニットケース3Bは、中間ユニットケース3Aの開口部を閉塞する閉塞プレート10の周囲に、側壁5と端部壁6を設けて、片面に開口される箱形として、内部には、端部壁6と平行な保持壁7を設けている。ホルダーケース2は、複数の中間ユニットケース3Aを、側壁5と端部壁6の端縁を互いに対向させて列方向に連結しており、隣接する中間ユニットケース3Aの保持壁7で電池モジュール1を保持して、隣接する中間ユニットケース3Aの間に1列で複数段に電池モジュール1を収納している。さらに、ホルダーケース2は、中間ユニットケース3Aと端部ユニットケース3Bを、側壁5と端部壁6の端縁を互いに対向させて列方向に連結しており、中間ユニットケース3Aと端部ユニットケース3Bの保持壁7で電池モジュール1を保持して、中間ユニットケース3Aと端部ユニットケース3Bの間に1列で複数段に電池モジュール1を収納して、中間ユニットケース3Aの開口部を端部ユニットケース3Bで閉塞している。
【0016】
本発明の車両用の電源装置は、側壁5に電池モジュール1を冷却する空気を通過される送風穴を開口することができる。
【0017】
本発明の車両用の電源装置は、端部壁6に、電池モジュール1の両端部を嵌着して保持する嵌着部を設けることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の車両用の電源装置は、電池モジュールの個数を簡単に変更できるので、出力を車種に最適なように調整できる特徴がある。この特徴は、同じ構造のユニットケースを連結する個数を変更して、ホルダーケースに収納する電池モジュールの数を自由に調整できるからである。とくに、本発明の電源装置は、ホルダーケースの電池モジュールの個数を、たとえば数個の単位で細かく調整できる特徴がある。それは、ホルダーケース内に段数よりも列数が多くなるように電池モジュールを収納して、ユニットケースを列方向に分割しているからである。この構造は、ユニットケースに1列・2段に電池モジュールを収納して、電池モジュールを2個単位で自由に調整できる。このため、ユニットケースの連結個数でもって、電源装置を搭載する車種に最適な出力電圧にできる。また、同じ構造のユニットケースの連結個数で電池モジュールの総数を調整するので、搭載される車種が変わって、ユニットケースの連結個数のみを変更して出力を最適値に設定できる。しかも、出力を細かく調整して、車種に理想的な出力にできる。
【0019】
さらに、本発明の電源装置の特筆すべき特徴は、ホルダーケースの電池モジュールの数を自由に調整できる構造としながら、ホルダーケース全体をコンパクトにし、また軽くできるという、車両に搭載される電源装置として理想的な特徴を実現する。それは、本発明の電源装置が、ホルダーケースを独特の構造のユニットケースに分割するからである。従来のユニットケースを連結するタイプのホルダーケースは、電池モジュールの列間に二重の仕切り壁が配設されることから、仕切り壁が厚く、重くなる欠点があり、さらに、二重の仕切り壁の間に冷却用の空気が漏れて、電池モジュールを効率よく冷却できない欠点があった。本発明の電源装置は、ユニットケースを独特の構造として、電池モジュールの列間に一枚の仕切り壁を配設し、あるいは、電池モジュールの列間に仕切り壁を配設しない。このため、ホルダーケースの全長を短くしながら、ホルダーケースを軽くできる特徴がある。また、電池モジュールの列間に一枚の仕切り壁を配設する構造においては、この仕切り壁を厚く成形できるので、補強リブを設ける必要がなく、補強リブが電池モジュールの冷却を阻害する弊害を解消できる。
【0020】
さらに、本発明の電源装置は、ホルダーケースを列方向に分割して複数のユニットケースとしているので、水平姿勢で車両に搭載される状態において、耐振強度を向上できる特徴がある。それは、複数のユニットケースを連結する連結ラインが、車両の最も激しい上下の振動方向と平行となるからである。この構造のホルダーケースは、車両の振動方向が連結ラインの方向となり、振動のエネルギーはユニットケースを連結ラインでスリップさせる方向に作用する。この状態で振動されるホルダーケースは、連結ラインでスリップする摩擦抵抗として振動のエネルギーを吸収できる。また、各列の電池モジュールが、各々のユニットケースに収納されるので、ひとつのホルダーケースが全ての電池モジュールの振動に耐える必要がない。このため、本発明の電源装置は、車両の上下方向の振動に対する耐振性を向上できる特徴も実現される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための車両用の電源装置を例示するものであって、本発明は電源装置を以下のものに特定しない。
【0022】
さらに、この明細書は、特許請求の範囲を理解しやすいように、実施例に示される部材に対応する番号を、「特許請求の範囲」および「課題を解決するための手段の欄」に示される部材に付記している。ただ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に特定するものでは決してない。
【0023】
図2ないし図9に示す第1の実施例の電源装置と、図10ないし図13に示す第2の実施例の電源装置と、図14と図15に示す第3の実施例と、図16と図17に示す第4の実施例の電源装置は、車両に搭載されて、車両を走行させるモーターに電力を供給する。電源装置は、コントローラー(図示せず)を介して車両のモーターに接続されて、モーターに電力を供給する。また、ハイブリッドカーに搭載される電源装置は、コントローラーを介して発電機に接続されて、発電機で充電される。
【0024】
これ等の図に示す電源装置は、ホルダーケース2に複数本の電池モジュール1を収納している。各々の電池モジュール1は、両端をホルダーケース2の外部に表出して、両端に接続するバスバー12で直列に接続される。ただ、電池モジュールは、並列と直列に接続することもできる。複数本の電池モジュール1は、互いに平行な姿勢として、複数段で複数列に配列して、ホルダーケース2に収納される。ホルダーケース2は、段数よりも列数が多くなるように電池モジュール1を配置している。図のホルダーケース2は、2段・5列に電池モジュール1を収納している。本明細書において、電池モジュールの「段数」とは、図において上下に配設される電池モジュールの個数を、電池モジュールの「列数」とは、図において左右方向、すなわち水平方向に配設される電池モジュールの個数を意味するものとする。
【0025】
電池モジュール1は、複数の二次電池を直列に直線状に連結している。図の電池モジュール1は、二次電池を円筒型電池のニッケル水素電池としている。ただ、電池モジュールの二次電池には、リチウムイオン二次電池等の充電できる全ての電池を使用できる。図の電池モジュール1は、3個の二次電池を直列で直線状に接続している。ただ、電池モジュールは、2個以下、あるいは4個以上の二次電池を直列に接続することもできる。
【0026】
ホルダーケース2は、複数のユニットケース3を連結している。いいかえると、ホルダーケース2は、複数のユニットケース3に分割され、複数のユニットケース3を連結してホルダーケース2としている。ホルダーケース2は、電池モジュール1の列方向に、複数のユニットケース3に分割している。この構造の電源装置は、ユニットケース3の連結個数を変更して、ホルダーケース2に収納される電池モジュール1の個数を調整できる。出力電圧の高い電源装置は、連結するユニットケース3の数を多く、出力電圧の低い電源装置は、連結するユニットケース3の数を少なくする。電池モジュール1を直列に接続しているので、電源装置の出力電圧は、ホルダーケース2に収納している電池モジュール1の個数に比例する。このため、高電圧で大出力特性の要求される電源装置は、連結するユニットケース3の個数を多くして、出力電圧を高くする。図の電源装置は、各々のユニットケース3に、1列・2段に配列して2本の電池モジュール1を収納するので、連結するユニットケース3を1個増加して、電池モジュール1の数を2個増加できる。いいかえると、ホルダーケース2に収納される電池モジュール1の個数はユニットケース3の個数の2倍となる。
【0027】
ただし、本発明の電源装置は、ユニットケースに収納する電池モジュールの個数を2個には特定しない。ユニットケースに、1列・3段の電池モジュールを収納する電源装置は、連結されるユニットケースの個数の3倍の電池モジュールがホルダーケースに収納される。ユニットケースは、1〜4段に電池モジュールを収納することができる。
【0028】
各々のユニットケース3は、絶縁材のプラスチックを成形して製作される。プラスチック製のユニットケース3は、電池モジュール1を絶縁状態で保持できる。図4と図5のユニットケース3は、片面(図において右面)を開口する箱形として、上下2段に電池モジュール1を収納している。このユニットケース3は、箱の底板に相当する仕切り壁4を、隣接して配設される電池モジュール1の列の間に配設する。仕切り壁4の周囲に、側壁5と端部壁6とを設けて片面を開口する箱形としている。側壁5は仕切り壁4の両側(図において上下縁)に、端部壁6は仕切り壁4の両端に連結している。
【0029】
さらに、ユニットケース3は、側壁5と端部壁6で囲まれる内部に、端部壁6と平行な保持壁7を設けている。図4のユニットケース3は、両端の端部壁6の間に2枚の保持壁7を設けている。保持壁7は、電池モジュール1を挿通する状態で保持する保持穴7Aを設けている。電池モジュール1は、保持壁7の保持穴7Aに挿通される状態で、ユニットケース3に収納される。図のユニットケース3は、2枚の保持壁7で電池モジュール1の中間を保持している。図の電池モジュール1は3個の二次電池を直線状に接続しているので、このユニットケース3は、2枚の保持壁7を二次電池の連結部分に配置して、電池モジュール1を保持している。ただ、ユニットケースは、保持壁の数を2枚に特定しない。ユニットケースは、保持壁を1枚とすることも、3枚以上とすることもできる。ユニットケースの保持壁の数は、電池モジュールを構成する二次電池の数や、ホルダーケースに送風される空気の流れ等を考慮して適宜変更することができる。ユニットケースは、たとえば、電池モジュールを構成する各二次電池に対応させて保持壁を設けることができる。この構造は、複数の二次電池で構成される電池モジュールを理想的に保持できる。ただ、保持壁の数は、電池モジュールを構成する二次電池の数より多くすることも、少なくすることもできる。複数の保持壁を備えるユニットケースは、電池モジュールをバランスよく保持できるように、複数の保持壁を配置する。
【0030】
端部壁6は、電池モジュール1の両端部を嵌着して保持する嵌着部を備える。図に示す端部壁6は、嵌着部として端子穴6Aを開口している。電池モジュール1は、両端に出力端子13を固定している。端子穴6Aは、電池モジュール1の出力端子13を案内して定位置に保持する形状としている。
【0031】
さらに、図4と図5のユニットケース3は、電池モジュール1を保持穴7Aに入れて簡単に挟んで保持できるように、段方向(図において上下方向)に3分割している。3分割されるユニットケース3は、仕切り壁4と端部壁6と保持壁7を、分割ライン8が段方向となるように分割している。ユニットケース3の分割ライン8は、電池モジュール1の中心を通過する水平面に位置する。保持壁7は、円形の保持穴7Aの中心を通過する水平の分割ライン8で上下に分割される。このユニットケース3は、分割された保持壁7の保持穴7Aに電池モジュール1を案内し、保持壁7でもって電池モジュール1を段方向、すなわち上下方向に挟着して定位置に配置する。この状態で、電池モジュール1の出力端子13は、端部壁6の端子穴6Aに挟んで定位置に保持される。電池モジュール1を保持壁7と端部壁6で挟んで保持する状態で、3分割されたユニットケース3は、脱着できるようにネジ止等の構造で連結され、あるいは分割ライン8を脱着できないように接着し、あるいは超音波溶着して固定する。この構造のユニットケース3は、電池モジュール1を上下に隙間なく挟んで定位置に保持できる。
【0032】
さらに、図6と図7のユニットケース3は、電池モジュール1を保持穴7Aに入れて簡単に挟んで保持できるように、列方向(図において左右方向)に2分割している。2分割されるユニットケース3は、側壁5と端部壁6と保持壁7を分割ライン8が列方向となるように分割しており、ユニットケース3の分割ライン8は、電池モジュール1の中心を通過する垂直面に位置している。保持壁7は、円形の保持穴7Aの中心を通過する垂直の分割ライン8で左右に分割される。このユニットケース3は、分割された保持壁7の保持穴7Aに電池モジュール1を案内し、保持壁7でもって電池モジュール1を列方向、すなわち左右方向に挟着して定位置に配置する。この状態で、電池モジュール1の出力端子13は、端部壁6の端子穴6Aに挟んで定位置に保持される。電池モジュール1を保持壁7と端部壁6で挟んで保持する状態で、2分割されたユニットケース3は、脱着できるようにネジ止等の構造で連結され、あるいは分割ライン8を脱着できないように接着し、あるいは超音波溶着して固定する。この構造のユニットケース3は、電池モジュール1を左右から隙間なく挟んで定位置に保持できる。
【0033】
さらに、図8と図9のユニットケース3は、電池モジュール1を保持穴7Aに挿通して保持できるように、全体をプラスチックで一体的に成形している。このユニットケース3は、端部壁6と保持壁7に電池モジュール1を挿通するので、端部壁6の端子穴6Aと保持壁7の保持穴7Aを、電池モジュール1を挿通して保持できる大きさとしている。このユニットケース3は、端部壁6の端子穴6Aと保持壁7の保持穴7Aに電池モジュール1を挿通し、保持穴7Aで電池モジュール1を定位置に配置する。この構造のユニットケース3は、全体をプラスチックで一体的に成形して、強靭な構造にできる。
【0034】
以上の構造のユニットケース3は、図に示すように、列方向に連結されてホルダーケース2となる。連結されたユニットケース3は、図において右端のユニットケース3の開口部を板状の蓋材11で閉塞する。ユニットケース3と蓋材11は、図5の鎖線で示すように、ユニットケース3と蓋材11を列方向に貫通する連結ロッド14で連結され、あるいは、ベースプレート(図示せず)に固定して連結される。連結ロッド14は、先端にねじ込まれるナット15と頭部14Aとで挟着して、複数のユニットケース3と蓋材11を固定する。ベーススレートは、各々のユニットケースが上面に固定される。さらに、ユニットケースの下にベースプレートを、上に上フレームを固定して、複数のユニットケースと蓋材を固定することもできる。
【0035】
以上のホルダーケース2は、複数のユニットケース3の連結ライン9が電池モジュール1の列間に位置するように、ホルダーケース2を複数のユニットケース3に分割している。図10ないし図13のホルダーケース2は、複数のユニットケース3の連結ライン9が電池モジュール1の中心を通過する垂直面となるように、ホルダーケース2を複数のユニットケース3に分割する。このホルダーケース2は、分割されたユニットケース3が、列方向の両端部に連結される端部ユニットケース3Bと、中間に連結される複数の中間ユニットケース3Aとからなる。
【0036】
中間ユニットケース3Aは、両側(図12と図13においては左右の両側)に開口する箱形としている。このユニットケース3は、箱形の底板に相当する仕切り壁4を、隣接して配設される電池モジュール1の列間に配置している。この仕切り壁4の周囲には、両側に突出するように、側壁5と端部壁6とを設けて、仕切り壁4の両面に開口する箱形としている。側壁5は仕切り壁4の両側(図において上下縁)に、端部壁6は仕切り壁4の両端に連結している。さらに、中間ユニットケース3Aは、側壁5と端部壁6で囲まれる内部に、端部壁6と平行な保持壁7を設けている。図12の中間ユニットケース3Aは、両端の端部壁6の間に2枚の保持壁7を設けている。
【0037】
保持壁7は、電池モジュール1を案内する保持凹部7Bを設けている。保持凹部7Bは、電池モジュール1の表面に沿う形状としている。電池モジュール1は保持凹部7Bに嵌着されて定位置に配置される。すなわち、電池モジュール1は、保持壁7の保持凹部7Bに案内され、ここで保持凹部7Bの内面に当接する状態で、ユニットケース3に収納される。端部壁6は、電池モジュール1の両端を挟んで嵌着して保持する嵌着部を備える。図に示す端部壁6は、嵌着部として端子凹部6Bを開口している。電池モジュール1は、両端に出力端子13を固定している。端子凹部6Bは、電池モジュール1の出力端子13を両側から挟んで保持する形状としている。
【0038】
端部ユニットケース3Bは、ホルダーケース2の両端部に積層される。端部ユニットケース3Bは、中間ユニットケース3Aの開口部を閉塞すると共に、中間ユニットケース3Aとの間に、1列・2段に電池モジュール1を挟んで保持する。この端部ユニットケース3Bは、中間ユニットケース3Aの両側に中間ユニットケース3Aの開口部を閉塞する閉塞プレート10を有する。この閉塞プレート10は、その周囲に、側壁5と端部壁6を設けて、片面に開口部される箱形としている。さらに、端部ユニットケース3Bは、側壁5と端部壁6で囲まれる内側には、端部壁6と平行な保持壁7を設けている。図12の端部ユニットケース3Bは、両端の端部壁6の間に2枚の保持壁7を設けている。
【0039】
端部ユニットケース3Bの保持壁7は、中間ユニットケース3Aの保持壁7とで電池モジュール1を挟着する。したがって、電池モジュール1を案内する保持凹部7Bを設けている。この保持凹部7Bは、電池モジュール1の表面に沿う形状としている。中間ユニットケース3Aと端部ユニットケース3Bの保持壁7に設けている保持凹部7Bは、電池モジュール1の外径にほぼ等しい半円形としている。半円形の保持凹部7Bは、電池モジュール1の半分を嵌着する。ホルダーケース2の両端の列に配設される電池モジュール1は、端部ユニットケース3Bと中間ユニットケース3Aの保持壁7に設けている保持凹部7Bに嵌着されて、定位置に配置される。
【0040】
端部ユニットケース3Bの端部壁6も、電池モジュール1の両端を挟んで保持する嵌着部として、端子凹部6Bを設けている。端子凹部6Bは、電池モジュール1の両端に設けている出力端子13を案内し、これを両側から挟んで保持する形状としている。
【0041】
図に示す中間ユニットケース3Aと端部ユニットケース2Bは、両端の端部壁6の間に2枚の保持壁7を設けているが、中間ユニットケースと端部ユニットケースに設ける保持壁は2枚に特定しない。中間ユニットケースと端部ユニットケースは、前述のユニットケースのように、保持壁を1枚とすることも、3枚以上とすることもできる。中間ユニットケースと端部ユニットケースに設ける保持壁の数は、たとえば、電池モジュールを構成する二次電池の数等を考慮して適宜変更することができる。さらに、互いに隣接して配置される中間ユニットケース同士、あるいは、中間ユニットケースと端部ユニットケースに設ける保持壁は、電池モジュール1を両側から挟着できるように、互いに対向する位置に設けられる。
【0042】
以上の構造の中間ユニットケース3Aと端部ユニットケース3Bは、図に示すように、列方向に連結されてホルダーケース2となる。中間ユニットケース3Aと端部ユニットケース3Bは、図13の鎖線で示すように、ユニットケース3を列方向に貫通する連結ロッド14で連結され、あるいは、ベースプレートに固定して連結される。連結ロッド14は、先端にねじ込まれるナット15と頭部14Aとで挟着して、複数のユニットケース3を固定する。
【0043】
ユニットケース3を連結する状態で、ユニットケース3に収納している電池モジュール1の出力端子13にバスバー12が連結される。バスバー12は、これを貫通する止ネジ16を出力端子13のネジ孔(図示せず)にねじ込んで、出力端子13に固定される。
【0044】
さらに、ホルダーケース2は、内部に収納する電池モジュール1に送風して冷却する送風穴17を開口している。図のホルダーケース2は、ユニットケース3に設けた仕切り壁4で区画された区画室18に、1列・2段に電池モジュール1を収納する。各々の区画室18に空気を送風して、電池モジュール1が冷却される。区画室18に空気を送風するために、側壁5に送風穴17を開口している。図2ないし図9のホルダーケース2は、上下の側壁5の中央部に送風穴17を開口している。図10ないし図13のホルダーケース2は、上下の側壁5の連結ライン9に沿って送風穴17を設けている。送風穴17は、空気を下から上に、あるいは上から下に向かって送風して、電池モジュール1を冷却する。送風穴17は、電池モジュール1を均一に冷却するために、隣接する仕切り壁4の間であってその中央部にあって、電池モジュール1の方向に細長い形状に開口される。図のホルダーケース2は、仕切り壁4の中央に沿って1列に送風穴17を開口する。このホルダーケース2は、各々の区画室18の中央部に1列に送風穴17が開口される。区画室には、複数列に送風穴を開口することもできる。たとえば、流入側の送風穴は区画室の両側に遍在して開口し、排出側の送風穴を区画室の中央に開口して、上下の電池モジュールを均一な温度に冷却することもできる。
【0045】
以上のホルダーケース2は、図14の断面図に示すように、ホルダーケース2の上下に空気ダクト19を設け、ファン20で空気ダクト19に送風し、各々の区画室18に送風して区画室18の電池モジュール1を冷却できる。
【0046】
以上の実施例の電源装置は、ユニットケース3が仕切り壁4を備えており、この仕切り壁4を、隣接して配設される電池モジュール1の列の間に配設する構造としている。ただ、本発明の電源装置は、必ずしもユニットケースに仕切り壁を設ける必要はない。電池モジュールの列の間に配設される仕切り壁のないユニットケースは、複数のユニットケースを連結する状態において、ホルダーケースの全長を最も短くしながら、ホルダーケースを軽くできる特徴がある。以下、仕切り壁のないユニットケースを備える電源装置について詳述する。
【0047】
図15と図16に示すホルダーケース2は、ユニットケース3に仕切り壁を設けることなく、両面を開口する枠形としている。図のユニットケース3は、周囲に側壁5と端部壁6とを設けており、側壁5と端部壁6を互いの両端で連結して、全体の形状を枠形としている。さらに、図のユニットケース3は、側壁5と端部壁6で囲まれる内部に、端部壁6と平行な保持壁7を設けている。図のユニットケース3は、両端の端部壁6の間に2枚の保持壁7を設けている。保持壁7は、電池モジュール1を挿通する状態で保持する保持穴7Aを設けている。図のユニットケース3は、電池モジュール1を保持穴7Aに挿通して保持できるように、全体をプラスチックで一体的に成形している。このユニットケース3は、端部壁6と保持壁7に電池モジュール1を挿通するので、端部壁6の端子穴6Aと保持壁7の保持穴7Aを、電池モジュール1を挿通して保持できる大きさとしている。このユニットケース3は、端部壁6の端子穴6Aと保持壁7の保持穴7Aに電池モジュール1を挿通し、保持穴7Aで電池モジュール1を定位置に配置する。この構造のユニットケース3は、全体をプラスチックで一体的に成形して、強靭な構造にできる。
【0048】
ただ、枠形のユニットケースも、図示しないが、列方向に2分割することができる。2分割される枠形のユニットケースは、分割ラインが列方向となると共に、電池モジュールの中心軸を通過するように側壁と端部壁と保持壁とを分割する。このユニットケースは、分割された保持壁の保持穴に電池モジュールを案内し、保持壁でもって電池モジュールを列方向に挟着して定位置に配置し、分割された端部壁の端子穴に電池モジュールを案内し、端部壁でもって電池モジュールの出力端子を挟着して定位置に配置する。
【0049】
以上のように、仕切り壁のない枠形のユニットケース3は、図に示すように、列方向に連結されてホルダーケース2となる。連結されたユニットケース3は、図において左右の両端のユニットケース3の開口部を板状の蓋材11で閉塞する。ユニットケース3と蓋材11は、図16の鎖線で示すように、ユニットケース3と蓋材11を列方向に貫通する連結ロッド14で連結され、あるいは、ベースプレート(図示せず)に固定して連結される。連結ロッド14は、先端にねじ込まれるナット15と頭部14Aとで挟着して、複数のユニットケース3と蓋材11を固定する。ただ、図示しないが、両端に配設されるユニットケースは、枠形の開口部を閉塞する蓋材を一体的に成形することもできる。このユニットケースは、蓋材の周囲に、側壁と端部壁を設けて、片面に開口される箱形として、内部には、端部壁と平行な保持壁を設ける。
【0050】
図15と図16のホルダーケース2は、複数のユニットケース3の連結ライン9が電池モジュール1の列間に位置するように、ホルダーケース2を複数のユニットケース3に分割している。図17と図18のホルダーケース2は、複数のユニットケース3の連結ライン9が電池モジュール1の中心を通過する垂直面となるように、ホルダーケース2を複数のユニットケース3に分割している。このホルダーケース2は、列方向の両端部に連結される端部ユニットケース3Bと、中間に連結される複数の中間ユニットケース3Aとからなる。
【0051】
中間ユニットケース3Aは、両面を開口する枠形としている。図の中間ユニットケース3Aは、周囲に側壁5と端部壁6とを設けており、側壁5と端部壁6を互いの両端で連結して、全体の形状を枠形としている。さらに、図の中間ユニットケース3Aは、側壁5と端部壁6で囲まれる内部に、端部壁6と平行な保持壁7を設けている。図のユニットケース3は、両端の端部壁6の間に2枚の保持壁7を設けている。この保持壁7は、電池モジュール1を案内する保持凹部7Bを設けている。保持凹部7Bは、電池モジュール1の表面に沿う形状としている。電池モジュール1は保持凹部7Bに嵌着されて定位置に配置される。端部壁6は、電池モジュール1の両端を挟んで嵌着して保持する嵌着部を備える。図に示す端部壁6は、嵌着部として端子凹部6Bを開口している。端子凹部6Bは、電池モジュール1の出力端子13を両側から挟んで保持する形状としている。
【0052】
端部ユニットケース3Bは、ホルダーケース2の両端部に積層される。端部ユニットケース3Bは、中間ユニットケース3Aの開口部を閉塞すると共に、中間ユニットケース3Aとの間に電池モジュール1を挟んで保持する。この端部ユニットケース3Bは、中間ユニットケース3Aの両側に中間ユニットケース3Aの開口部を閉塞する閉塞プレート10を有する。この閉塞プレート10は、その周囲に、側壁5と端部壁6を設けて、片面に開口部される箱形としている。さらに、端部ユニットケース3Bは、側壁5と端部壁6で囲まれる内側に、端部壁6と平行な保持壁7を設けている。図の端部ユニットケース3Bは、両端の端部壁6の間に2枚の保持壁7を設けている。端部ユニットケース3Bの保持壁7は、中間ユニットケース3Aの保持壁7とで電池モジュール1を挟着する。したがって、電池モジュール1を案内する保持凹部7Bを設けている。この保持凹部7Bは、電池モジュール1の表面に沿う形状としている。ホルダーケース2の両端の列に配設される電池モジュール1は、端部ユニットケース3Bと中間ユニットケース3Aの保持壁7に設けている保持凹部7Bに嵌着されて、定位置に配置される。端部ユニットケース3Bの端部壁6も、電池モジュール1の両端を挟んで保持する嵌着部として、端子凹部6Bを設けている。端子凹部6Bは、電池モジュール1の両端に設けている出力端子13を案内し、これを両側から挟んで保持する形状としている。
【0053】
以上の構造の中間ユニットケース3Aと端部ユニットケース3Bは、図に示すように、列方向に連結されてホルダーケース2となる。中間ユニットケース3Aと端部ユニットケース3Bは、図18の鎖線で示すように、ユニットケース3を列方向に貫通する連結ロッド14で連結され、あるいは、ベースプレートに固定して連結される。連結ロッド14は、先端にねじ込まれるナット15と頭部14Aとで挟着して、複数のユニットケース3を固定する。
【0054】
さらに、図15ないし図18の電源装置は、ユニットケース3を連結する状態で、ユニットケース3に収納している電池モジュール1の出力端子13にバスバー(図示せず)が連結される。バスバーは、これを貫通する止ネジ(図示せず)を出力端子13のネジ孔(図示せず)にねじ込んで、出力端子13に固定される。
【0055】
図15ないし図18のホルダーケース2も、内部に収納する電池モジュール1に送風して冷却する送風穴17を開口している。図のホルダーケース2は、内部に収納された電池モジュール1に、段方向に空気を送風して、電池モジュール1を冷却する。ホルダーケース2に段方向に空気を送風するために、側壁5に送風穴17を開口している。図15と図16のホルダーケース2は、上下の側壁5の中央部に送風穴17を開口している。図17と図18のホルダーケース2は、上下の側壁5の連結ライン9に沿って送風穴17を設けている。送風穴17は、空気を下から上に、あるいは上から下に向かって送風して、電池モジュール1を冷却する。ただ、ホルダーケースは、両側に位置する蓋材または閉塞プレートに送風穴を開口することもできる。蓋材または閉塞プレートに送風穴を開口するホルダーケースは、列方向に空気を送風して電池モジュールを冷却することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本出願人が先に出願した車両用の電源装置の斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例にかかる車両用の電源装置の斜視図である。
【図3】図2に示す電源装置のホルダーケースの斜視図である。
【図4】図3に示すホルダーケースの分解斜視図である。
【図5】図2に示す電源装置の断面図である。
【図6】ユニットケースの他の一例を示す分解斜視図である。
【図7】図6に示すユニットケースを備える電源装置の断面図である。
【図8】ユニットケースの他の一例を示す分解斜視図である。
【図9】図8に示すユニットケースを備える電源装置の断面図である。
【図10】本発明の第2の実施例にかかる車両用の電源装置の斜視図である。
【図11】図10に示す電源装置のホルダーケースの斜視図である。
【図12】図11に示すホルダーケースの分解斜視図である。
【図13】図10に示す電源装置の断面図である。
【図14】図5に示す電源装置に送風する状態を示す断面図である。
【図15】本発明の第3の実施例にかかる車両用の電源装置のホルダーケースの分解斜視図である。
【図16】本発明の第3の実施例にかかる車両用の電源装置の断面図である。
【図17】本発明の第4の実施例にかかる車両用の電源装置のホルダーケースの分解斜視図である。
【図18】本発明の第4の実施例にかかる車両用の電源装置の断面図である。
【符号の説明】
【0057】
1…電池モジュール
2…ホルダーケース
3…ユニットケース 3A…中間ユニットケース
3B…端部ユニットケース
4…仕切り壁
5…側壁
6…端部壁 6A…端子穴
6B…端子凹部
7…保持壁 7A…保持穴
7B…保持凹部
8…分割ライン
9…連結ライン
10…閉塞プレート
11…蓋材
12…バスバー
13…出力端子
14…連結ロッド 14A…頭部
15…ナット
16…止ネジ
17…送風穴
18…区画室
19…空気ダクト
20…ファン
93…ユニットケース
94…仕切り壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の電池モジュール(1)を互いに平行な姿勢で、複数段で複数列にホルダーケース(2)に収納すると共に、段数よりも列数を多く配置してなる車両用の電源装置であって、
ホルダーケース(2)が、電池モジュール(1)の列方向に分割された複数のユニットケース(3)からなり、このユニットケース(3)は、隣接する電池モジュール(1)の列間に配設される仕切り壁(4)の周囲に側壁(5)と端部壁(6)とを設けて片面を開口する箱形として、内部には、端部壁(6)と平行な保持壁(7)を設けており、この保持壁(7)を貫通するように電池モジュール(1)を収納して、電池モジュール(1)を1列で複数段に収納しており、
複数のユニットケース(3)が、仕切り壁(4)を電池モジュール(1)の列間に位置させるように列方向に連結されてホルダーケース(2)としてなる車両用の電源装置。
【請求項2】
複数本の電池モジュール(1)を互いに平行な姿勢で、複数段で複数列にホルダーケース(2)に収納すると共に、段数よりも列数を多く配置してなる車両用の電源装置であって、
ホルダーケース(2)が、電池モジュール(1)の列方向に分割された複数のユニットケース(3)からなり、複数のユニットケース(3)が列方向に連結されてホルダーケース(2)を構成しており、このユニットケース(3)は、周囲に側壁(5)と端部壁(6)とを設けて両面を開口する枠形として、内部には、端部壁(6)と平行な保持壁(7)を設けており、この保持壁(7)を貫通するように電池モジュール(1)を収納して、電池モジュール(1)を1列で複数段に収納しており、
複数のユニットケース(3)が列方向に連結されてホルダーケース(2)としてなる車両用の電源装置。
【請求項3】
仕切り壁(4)と端部壁(6)と保持壁(7)を、分割ライン(8)が段方向となるように分割しており、分割された保持壁(7)で電池モジュール(1)を段方向に挟着してユニットケース(3)に収納して保持する請求項1に記載される車両用の電源装置。
【請求項4】
側壁(5)と端部壁(6)と保持壁(7)を、分割ライン(8)が列方向となるように分割しており、分割された保持壁(7)で電池モジュール(1)を列方向に挟着してユニットケース(3)に収納して保持する請求項1または2に記載される車両用の電源装置。
【請求項5】
保持壁(7)が、電池モジュール(1)を挿通する保持穴(7A)を貫通して設けており、この保持穴(7A)に電池モジュール(1)を挿通して電池モジュール(1)をユニットケース(3)の定位置に配置している請求項1または2に記載される車両用の電源装置。
【請求項6】
複数本の電池モジュール(1)を互いに平行な姿勢で、複数段で複数列にホルダーケース(2)に収納すると共に、段数よりも列数を多く配置してなる車両用の電源装置であって、
ホルダーケース(2)が、電池モジュール(1)の列方向に分割された複数のユニットケース(3)からなり、複数のユニットケース(3)が列方向に連結されてホルダーケース(2)を構成しており、さらにユニットケース(3)は、両端部に連結される端部ユニットケース(3B)と、中間に連結される複数の中間ユニットケース(3A)とからなり、
中間ユニットケース(3A)は、隣接する電池モジュール(1)の列間に配設される仕切り壁(4)の周囲に両側に突出するように側壁(5)と端部壁(6)とを設けて、仕切り壁(4)の両面に開口される箱形として、側壁(5)と端部壁(6)で囲まれる内部には、端部壁(6)と平行な保持壁(7)を設けており、
端部ユニットケース(3B)は、中間ユニットケース(3A)の開口部を閉塞する閉塞プレート(10)の周囲に、側壁(5)と端部壁(6)を設けて、片面に開口される箱形として、内部には、端部壁(6)と平行な保持壁(7)を設けており、
複数の中間ユニットケース(3A)が、側壁(5)と端部壁(6)の端縁を互いに対向させて列方向に連結されると共に、隣接する中間ユニットケース(3A)が保持壁(7)で電池モジュール(1)を保持して、隣接する中間ユニットケース(3A)の間に1列で複数段に電池モジュール(1)を収納しており、
さらに、中間ユニットケース(3A)と端部ユニットケース(3B)が、側壁(5)と端部壁(6)の端縁を互いに対向させて列方向に連結されると共に、中間ユニットケース(3A)と端部ユニットケース(3B)が保持壁(7)で電池モジュール(1)を保持して、中間ユニットケース(3A)と端部ユニットケース(3B)の間に1列で複数段に電池モジュール(1)を収納して、中間ユニットケース(3A)の開口部を端部ユニットケース(3B)で閉塞してなる車両用の電源装置。
【請求項7】
複数本の電池モジュール(1)を互いに平行な姿勢で、複数段で複数列にホルダーケース(2)に収納すると共に、段数よりも列数を多く配置してなる車両用の電源装置であって、
ホルダーケース(2)が、電池モジュール(1)の列方向に分割された複数のユニットケース(3)からなり、複数のユニットケース(3)が列方向に連結されてホルダーケース(2)を構成しており、このユニットケース(3)は、両端部に連結される端部ユニットケース(3B)と、中間に連結される複数の中間ユニットケース(3A)とからなり、
中間ユニットケース(3A)は、周囲に側壁(5)と端部壁(6)とを設けて、両面を開口する枠形として、側壁(5)と端部壁(6)で囲まれる内部には、端部壁(6)と平行な保持壁(7)を設けており、
端部ユニットケース(3B)は、中間ユニットケース(3A)の開口部を閉塞する閉塞プレート(10)の周囲に、側壁(5)と端部壁(6)を設けて、片面に開口される箱形として、内部には、端部壁(6)と平行な保持壁(7)を設けており、
複数の中間ユニットケース(3A)が、側壁(5)と端部壁(6)の端縁を互いに対向させて列方向に連結されると共に、隣接する中間ユニットケース(3A)が保持壁(7)で電池モジュール(1)を保持して、隣接する中間ユニットケース(3A)の間に1列で複数段に電池モジュール(1)を収納しており、
さらに、中間ユニットケース(3A)と端部ユニットケース(3B)が、側壁(5)と端部壁(6)の端縁を互いに対向させて列方向に連結されると共に、中間ユニットケース(3A)と端部ユニットケース(3B)が保持壁(7)で電池モジュール(1)を保持して、中間ユニットケース(3A)と端部ユニットケース(3B)の間に1列で複数段に電池モジュール(1)を収納して、中間ユニットケース(3A)の開口部を端部ユニットケース(3B)で閉塞してなる車両用の電源装置。
【請求項8】
側壁(5)に電池モジュール(1)を冷却する空気を通過させる送風穴(17)を開口している請求項1ないし7のいずれかに記載される車両用の電源装置。
【請求項9】
端部壁(6)が電池モジュール(1)の両端部を嵌着して保持する嵌着部を有する請求項1ないし7いずれかに記載される車両用の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2007−273181(P2007−273181A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−95602(P2006−95602)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】