説明

車両用シートの表皮固定構造

【課題】表皮の端部に設けた固定具の挿入部を被固定部材の溝部に挿入して固定するにあたり、溝部が浅くても確実に固定具を抜け止めする。
【解決手段】固定具23は、挿入部25の挿入方向先端に表皮21の張力Tにより該固定具23に付与される回転力による回転方向Aに張り出す係止部27を有するとともに、挿入部の基端に係止部27とは反対方向に張り出す回転防止部29を有し、被固定部材41は、固定具23の係止部27が係合することのできる係止爪55を溝部45の内側に有するとともに、溝部45の外側に回転防止部29の先端29aが突き当たる回転防止壁59を有している。そして、固定具23の係止部27が被固定部材41の係止爪55に係合するとともに、固定具23の回転防止部29の先端29aが被固定部材41の回転防止壁59に突き当たった状態とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートの表皮固定構造に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用シートにおける表皮の固定に関し、特許文献1には、表皮の端部に沿って長尺な固定具が縫い付けられており、該固定具の板状の脚部をシートフレームの溝に挿入して表皮を固定したものが開示されている。かかる固定方法によれば、表皮の張力により、固定具に回転させながら引き抜こうとする力が作用する。そこで、回転させながら引き抜こうとする力に対する抜け防止の措置として、引用文献1の固定具の脚部には、溝の開口付近と干渉して回転中心となる側の面とは反対の面に弾性係止片が設けられている。弾性係止片は、薄肉状で脚部の挿入方向先端から対向する溝壁に向かって張り出している。そして、基本的には、固定具に作用する回転させながら引き抜こうとする力により弾性係止片が溝壁に押し付けられることにより、すなわち弾性係止片と溝壁との摩擦力により脚部の抜けを防止が図られている。その上で、回転中心と弾性係止片との距離を大きくすれば、確実に抜け出しを防止することができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平6−82968号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、回転中心と弾性係止片との距離を大きくしようとすると、脚部が長くなり固定具が大型化しコストアップを招く。また、固定具の脚部が長くなると溝も深くする必要があるため、溝形成のために確保すべきスペースが増大し、シート設計の自由度が低下する。
【0005】
そこで、本発明の課題は、表皮の端部に設けた固定具の挿入部を被固定部材の溝部に挿入して固定するにあたり、溝部が浅くても確実に固定具を抜け止めすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明では、表皮の端部に沿って設けられた長尺な固定具の板状の挿入部を被固定部材の溝部に挿入して表皮を被固定部材に固定する車両用シートの表皮固定構造において、固定具は、挿入部の挿入方向先端に表皮の張力により該固定具に付与される回転力による回転方向に張り出す係止部を有するとともに、挿入部の挿入方向先端とは反対の基端に前記係止部とは反対方向に張り出す回転防止部を有し、被固定部材は、固定具の係止部が係合することのできる係止爪を溝部の内側に有するとともに、溝部の外側に回転防止部の先端が突き当たる回転防止壁を有している。そして、固定具の係止部が被固定部材の係止爪に係合するとともに、固定具の回転防止部の先端が被固定部材の回転防止壁に突き当たった状態とされて表皮が被固定部材に固定されている。
【0007】
かかる表皮固定構造によれば、固定具の挿入部の挿入方向先端には、表皮の張力により該固定具に付与される回転力による回転方向に張り出す係止部が形成されており、被固体部材の係止爪と係合している。そのため、挿入部の長さに関係なく、表皮の張力によって固定具の係止部と被固定部材の係止爪との係合が外れることはない。したがって、被固定部材の溝部が浅くても固定具を抜け止めすることができる。併せて、固定具には、挿入部の挿入方向先端とは反対の基端から回転防止部が張り出している。回転防止部の張り出し方向は、係止部とは逆方向であり、表皮の張力による引張り方向に指向している。そして、その先端が被固定部材の回転防止壁に突き当たった状態とされている。これによっても、表皮の張力に抗して固定具が回転するのを抑制することができる。このように、固定具は、挿入部の挿入方向先端の係止部が被固定部材に係合しているだけでなく、基端でも表皮の張力に抗して回転が抑制されることで、挿入部が溝部の開口付近で反り返るのを抑制しながら抜け止めすることができる。
【0008】
本発明では、被固定部材は、周囲と段差形状を形成する凹部が溝部の開口縁に設けられて前記段差形状による凹部の内壁面が回転防止壁を構成しており、被固定部材の凹部に固定具の回転防止部が収容された状態で該回転防止部の先端が被固定部材の前記回転防止壁に突き当たっており、固定部材の凹部の周囲と固定具の回転防止部とが面一とされているのが好ましい。この場合、表皮の端部におけるシートの見栄えを向上させ得る。
【発明の効果】
【0009】
本発明の車両用シートの表皮固定構造によれば、表皮の端部に設けた固定具の挿入部を被固定部材の溝部に挿入し、溝部が浅くても確実に固定具を抜け止めして表皮を固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る表皮固定構造を備えた車両用シートの斜視図である。
【図2】図1に示される車両用シートのシートバックのII−II断面図である。
【図3】図2に示されるシートバックの断面に対応して表皮を固定する過程を説明する図であり、固定具が溝部に挿入する前の段階を示す図である。
【図4】図2に示されるシートバックの断面に対応して表皮を固定する過程を説明する図であり、固定具を溝部に係合する段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
図1に示されるシート11は、自動車等の車両の座席を構成するものであり、座面を構成するシートクッション13、背凭れ面を構成するシートバック15及びヘッドレスト16を備えている。このシート11は、自動車のリアシートを構成しており、シートバック15の表皮固定構造17に特徴を有する。各図において矢印で示すF,Uは、シート11に着座した着座者を基準として定めたシート11の前方,上方を示ししている。また、各図において矢印で示すI,Oは、シートバック15の後面を形成するバックボード41の面の広がり方向で見て定めたバックボード41の中心側,外側であり、図中には表皮固定構造17の辺りでの方向として示している。
【0012】
シートバック15は、枠型のシートフレーム(図示省略)の前側にシートパッド(図示省略)が被せ付けられて背凭れ面が形成されている。そして、シートパッドの表面は表皮21で被覆されている。シートフレームの後側はバックボード41で塞がれている。表皮21は、シートバック15の前面及び側面を覆い、周縁が当該シートバック15の後ろ側に回り込んでいる。そして、図2に示されるように、表皮固定構造17により、表皮21の端部21aに設けられた固定具23を介して表皮21の周縁がバックボード41の周縁に固定されている。本実施形態のバックボード41が本発明の被固定部材に相当する。
【0013】
<表皮21について>
表皮21は、素材は特に限定されず、例えば、織物、編物等のファブリックないし皮革等を好ましく用いることができる。表皮21には、その周縁に沿って配設された長尺な固定具23が該表皮21の端部21aに縫着されている(縫合線h)。
【0014】
<固定具23について>
固定具23は、樹脂製部材であり、例えばポリプロピレン等からなる。固定具23は、長尺な部材であり、その長手方向の全長にわたって形成された板状の挿入部25を有する。挿入部25は、後で詳述するバックボード41の長溝(溝部45)に対し、該溝部45に沿うように挿入される。挿入部25の挿入方向先端には、係止部27が設けられている。係止部27は、板状の挿入部25の一面から張り出すとともに挿入方向に先細りとされた断面略直角三角形状であり、溝部45の開口側に面する係合面27aと、先細り形状により形成された斜面部27bとを備える。挿入部25の基端(挿入方向先端とは反対側)にはT字状に配された板状の張り出しがある。張り出しは、係止部27の張り出し方向とは反対方向の方がより大きく張り出しており、回転防止部29として構成されている。該回転防止部29とは逆方向の張り出しは、回転防止部29より小さく、ここでは遮蔽部31と称する。回転防止部29と遮蔽部31とは一連の概ね平らな面を構成しており、この面が固定具23が固定作業の際の操作面33とされている。
【0015】
固定具23は、表皮21を表面側から見たときに、表皮21の端部21aから挿入方向先端の係止部27がはみ出した状態として見えるように配されている。そして、表皮21の裏面側に挿入部25の基端を隠すようにして、表皮21の端部21aと挿入部25と板状の挿入部25が表皮21と縫合されている(縫合線h)。
【0016】
<バックボード41について>
バックボード41は、樹脂製であり、例えばポリプロピレン等からなる。バックボード41は、概ね平板状であり、図2に示されるように、平板部43と、該平板部43を取り囲む溝部45とを備えており、末端47は前方へカーブしている。平板部43はカーペット44で被覆されており、カーペット44の端部44aは溝部45に少し入っている。溝部45は、後方が開口しており、固定具23の挿入部25を挿入することのできる深さと溝幅である。
【0017】
溝部45の内部には、固定具23の挿入方向先端に設けられた係止部27が係合可能な係止爪55が設けられている。係止爪55は、溝部45の対向する壁のうち、バックボード41の中心側の壁に設けられており、溝部45の長手方向に間隔をおいて複数設けられている。係止爪55は、当該バックボード41を形成する樹脂材料の有する弾性によって撓むことができるものであって、溝部45の開口側を固定端として挿入方向先端側(溝底側)が溝部45の外側に撓むことができるものである。係止爪55の先端は、溝部45の内側に張り出している。その張り出しは先端側(溝底側)ほど大きく張り出す断面略直角三角形状であり、溝部45の底側に面する係合面55aと、溝部45の内側及び溝底側に傾斜する傾斜面55bとを備える。
【0018】
また、溝部45の開口においては、バックボード41の末端47側の開口縁に、その周囲と段差形状を形成する凹部49が設けられている。すなわち、凹部49は、バックボード41の広がり方向で見て、溝部45より外側から溝部45に向かって一段凹んだ段差形状として設けられている。そして、この段差形状による凹部49の内壁面59が回転防止壁を構成している。凹部49と溝部45とは角のない滑らかな湾曲形状部57を介して連続している。
【0019】
表皮21は、シートバック15の前側から後ろ側に回り込んでバックボード41の末端47を包んだ状態とされ、該表皮21の端部21aに設けられた固定具23の挿入部25が溝部45に挿入されてバックボード41に固定される。表皮21をバックボード41に固定する過程を説明しながら、表皮固定構造17の構成を更に詳しく説明する。
【0020】
まず、シートバック15の前側を被覆した表皮21の端部21aを後側に回り込ませ、図3に示されるように、板状の挿入部25の先端がバックボード41の中心側(溝部45側)に向くように固定具23をバックボード41の末端47に沿わせる。次いで、挿入部25を溝部45に差し込む。挿入部25を溝部45に差し込むにあたっては、固定具23をバックボード41に沿わせて外側から中心側に進行させながら回転させて差し込む。ここで、溝部45の開口には、凹部49が形成されて、外側から中心側に一段下がる段差形状となっているため、回転させやすい。そのため、図4に示されるように、挿入部25の基端から略直角に張り出す操作面33を表皮21の上から指で押す操作によって、容易に差し込むことができる。すなわち、バックボード41の末端47側においてバックボード41に沿わせた固定具23の操作面33をバックボード41の中心側に押すと、固定具23は凹部49の段差形状及び湾曲形状部57に案内され回転させられて挿入部25の先端(係止部27)が溝部45に差し込まれる。
【0021】
次に、溝部45の奥に挿入部25を進行させる。操作面33を溝部45の深さ方向に押せばよい。挿入部25が進行すると、先端の係止部27が溝部45の内側に張り出す係止爪55に干渉する。更に挿入部25を進行させると、図4に二点鎖線で示されるように、係止爪55の傾斜面55bに案内されながら、係止爪55を溝部45の外方へ撓ませることで挿入部25の進行が許容される。係止部27が係止爪55を完全に通過すると、係止爪55は、それ自体の弾性により元に戻って溝部45の内部に張り出す(図2)。固定具23の係止部27よりも溝部45の開口側において係止爪55が張り出し、係止爪55の先端の係合面55aと固定具23の係止部27に形成された溝部45の開口側に面する係合面27aとが溝幅方向に重複して対面する。そして、固定具23の係止部27と溝部45の係止爪55とが係り合うことで、固定具23が溝部45から抜けるのが妨げられる。以上のように、表皮21がバックボード41に固定される。
【0022】
表皮21をバックボード41に固定するにあたっては、表皮21に弛みを生じないように表皮21に張力Tを生じさせながら固定具23が溝部45に抜け止めされる。そのため、固定状態では、表皮21の張力Tにより、固定具23には、回転させながら引き抜こうとする力が作用する。挿入部25の挿入方向先端においては、図2に矢印Aで示されるように、バックボード41の中心側に回転しようとする回転力が作用する。しかし、挿入部25の係止部27は、前記回転力の作用方向である前記中心側に向けて張り出して係止爪55と係合している。係止部27が前記中心側に回転しようとしても、溝部45の係止爪55がそれ自体の弾性力により係止部27に追従するため、係止部27の係止爪55に対する重複長さは変化しない。そのため、係止部27と係止爪55との係合が前記回転力により外れることはなく、抜け止め状態が保持される。また、固定具23の係止部27や溝部45の係止爪55の張り出し寸法に多少のばらつきがあり相互の重複長さが小さくなった場合であっても、固定具23の係止部27が前記回転力の作用方向に向けて張り出しているため、前記回転力により係合が外れにくい。
【0023】
係止部27が係止爪55を通過し、表皮21が固定状態となるとき、挿入部25の基端側では、回転防止部29がちょうどバックボード41の凹部49に収まり、凹部49の周囲と回転防止部29とが面一となる。固定状態において、表皮21は、固定具23を覆い隠し、挿入部25の基端においてバックボード41の中心側に突起する遮蔽部31に沿って折り返されて、端部21aが挿入部25の前記中心側の面に縫着されて溝部45の内部に収まっている。したがって、固定具23は表皮21に覆われてシートバック15の外側からは見えない。そして、表皮21の端部21aとバックボード41の平板部43を被覆するカーペット44の端部44aとは、それぞれ固定具23の遮蔽部31よりも溝部45の内部に入っている。遮蔽部31の張り出し寸法と溝部45の幅とは、表皮21とカーペット44との間に隙の生じない寸法となっている。より具体的には、遮蔽部31はカーペット44に干渉する程度の大きさである。そのため、表皮21とカーペット44とは、その端部21a,44aが互いに面同士で圧接した状態で溝部45に収まっており、シートバック15の外側からは見えない。また、表皮21とカーペット44との間に隙がないから溝部45の内部も見えない。ここで、表皮21におけるカーペット44と強く干渉する部位は、板状の遮蔽部31の先端を包む部位であり、カーペット44との接触面積は小さい。そのため、固定具23を溝部45の奥に進行させて固定状態とする際のカーペット44との摩擦力が小さく、作業性を損なわない。
【0024】
表皮21の張力Tは、挿入部25の基端においては、そのままバックボード41の広がり方向の外側へ向かう力として作用する。ここで、固定具23の基端に設けられた回転防止部29は、張力Tの作用方向に沿ってバックボード41の広がり方向の外側に指向して張り出し形成されてバックボード41の凹部49に収まっている。そのため、張力Tにより先端29aが凹部49の内壁面59に突き当てられた状態となり、張力Tにより固定具23が変位させられるのが抑制される。また、挿入部25が溝部45の開口付近で反り返るのを抑制することもでき、表皮21とカーペット44との間に隙が生じるのを防ぐことができる。凹部49の内壁面59が本発明の回転防止壁に相当する。
【0025】
以上の構成の表皮固定構造17によれば、以下の作用効果を奏する。固定具23の挿入方向先端では、係止部27が係止爪55に係合することにより、溝部45が浅くても固定具23が確実に抜け止めされる。それとともに、固定具23の基端では、回転防止部29が表皮21の張力Tの作用方向に張り出しており、その先端29aが回転防止壁(凹部49の内壁面59)に突き当たり、張力Tに抗する。このように、固定具23は、表皮21の張力Tに対して挿入方向先端と基端とで二重に対抗することで挿入部25が反り返るのを抑制しながら、確実に抜け止めされる。挿入部25の反り返りを抑制することで、表皮21とカーペット44とに隙ができるのを防ぎ、シートバック15の見た目を良くすることができる。
【0026】
固定具23を溝部45に抜け止めするにあたっては、表皮21に張力Tを生じさせながら固定具23を操作するが、溝部45の開口縁に湾曲形状部57が設けられているため、固定具23の基端(操作面33)を押す作業によって固定具23を回転させながらスムーズに溝部45に挿入することができる。ここで、溝部45の開口縁に、固定具23を押す方向(バックボード41の外側から中心側)に凹んで湾曲形状部57へと続く段差形状の凹部49があることによっても固定具23の回転が容易となっている。そして、更に押すことで固定具23の係止部27と溝部45の係止爪55とを弾性的に係合させることができる。押す作業のみで抜け止めできるため、作業が容易である。また、固定具23をバックボード41の外側から中心側に推進しながら回転させて固定具23を溝部45に挿入することで、表皮21を固定する際の表皮21の引っ張り量を最小限に抑えることができる。すなわち、固定に必要な分だけ表皮21を引っ張りながら固定することができる。
【0027】
また、固定状態において、回転防止部29がバックボード41の凹部49に収まって周囲と面一となっているため、シートバック15の外形を平滑にすることができる。
【0028】
なお、本発明は、シートバック15のみならず、シートクッション、オットマン、ヘッドレスト又はアームレスト等に適用することもできる。
【符号の説明】
【0029】
11 シート
15 シートバック
17 表皮固定構造
21 表皮
21a (表皮の)端部
23 固定具
25 挿入部
27 係止部
29 回転防止部
41 バックボード(被固定部材)
45 溝部
49 凹部
55 係止爪
57 湾曲形状部
59 内壁面(回転防止壁)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表皮の端部に沿って設けられた長尺な固定具の板状の挿入部を被固定部材の溝部に挿入して前記表皮を前記被固定部材に固定する車両用シートの表皮固定構造であって、
前記固定具は、前記挿入部の挿入方向先端に前記表皮の張力により該固定具に付与される回転力による回転方向に張り出す係止部を有するとともに、前記挿入部の挿入方向先端とは反対の基端に前記係止部とは反対方向に張り出す回転防止部を有し、
前記被固定部材は、前記固定具の係止部が係合することのできる係止爪を前記溝部の内側に有するとともに、前記溝部の外側に前記回転防止部の先端が突き当たる回転防止壁を有し、
前記固定具の前記係止部が前記被固定部材の前記係止爪に係合するとともに、前記固定具の前記回転防止部の先端が前記被固定部材の前記回転防止壁に突き当たった状態とされて前記表皮が前記被固定部材に固定されていることを特徴とする車両用シートの表皮固定構造。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用シートの表皮固定構造であって、
前記被固定部材は、周囲と段差形状を形成する凹部が前記溝部の開口縁に設けられて前記段差形状による前記凹部の内壁面が前記回転防止壁を構成しており、前記被固定部材の前記凹部に前記固定具の前記回転防止部が収容された状態で該回転防止部の先端が前記被固定部材の前記回転防止壁に突き当たっており、前記固定部材の前記凹部の周囲と前記固定具の前記回転防止部とが面一とされていることを特徴とする車両用シートの表皮固定構造。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2013−102855(P2013−102855A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247438(P2011−247438)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000241500)トヨタ紡織株式会社 (2,945)
【Fターム(参考)】