説明

車両用シート装置

【課題】シートクッションが収納されるシート側の座面をより低くすることが可能で、しかも、シートクッションの幅やフロアのシート設置スペースに制約を受けにくい車両用シート装置を提供する。
【解決手段】ファーストシート12及びセカンドシート14の側方にセンターコンソールボックス17が配置され、このセンターコンソールボックス17内にセカンドシート14を前後に移動可能なシートスライド機構が設けられ、このシートスライド機構に、センターコンソールボックス17から側方に突出してセカンドシート14のシートクッション14Aを片持ち支持するスライドアーム35を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シート装置の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の車両用シート装置として、フロントシートの下方に収納空間が設けられ、この収納空間にリヤシートのシートクッションを収納するものが知られている(例えば、特許文献1(同様なものとして特許文献2、特許文献3)参照。)。
【0003】
特許文献1の図1、図2によれば、フロントシート11は、そのシート台座12に設けられた4本の脚部13を介してフロア14に固定され、シート台座12の下方にシート収納空間部16が形成されている。
【0004】
リヤシート15は、その台座15Cの下部にシート昇降機構としての4本のリンク18からなるリンク機構19が設けられ、リヤシート15のシートクッション15Aがフロア14の近傍まで下降可能である。
【0005】
リンク機構19は、フロア14に設けられた2本のスライドレール20上をスライド部21を介して前後に移動可能である。
上記構成により、リンク機構19によってリヤシート15のシートクッション15Aを下げた状態でリヤシート15を前方に移動させることで、フロントシート11下のシート収納空間部16にシートクッション15Aが収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平4−109633号公報
【特許文献2】特開平5−85238号公報
【特許文献3】特開平10−264695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
リヤシート15の下部にはリンク機構19が設けられているため、リンク機構19によってシートクッション15Aをフロア14の近傍まで下げたとしても、少なくともリンク機構19の高さ分だけシートクッション15Aの座面が高くなる。
【0008】
従って、シートクッション15Aの座面が高くなるのに伴い、フロントシート11のシート収納空間部16の高さも高くしなければならず、これによって、フロントシート11のシートクッション11Aの座面も高くなる。
【0009】
また、リヤシート15のシートクッション15Aの左右幅をフロントシート11のシートクッション11Aの左右幅と同一にしようとすると、フロントシート11の左右の脚部13,13の間隔をシートクッション15Aの左右幅よりも大きくする必要があり、フロントシート11を設置するためにフロア14に大きなスペースを確保する必要がある。
【0010】
逆に、フロントシート11の脚部13,13の左右の間隔をシートクッション11Aの幅と同一にすると、フロントシート11下のシート収納空間部16の左右幅が小さくなり、このシート収納空間部16にリヤシート15のシートクッション15Aが収納可能なようにシートクッション15Aの左右幅をフロントシート11のシートクッション11Aよりも小さくしなければならない。
以上のように、シートクッションの左右幅やフロアのシート設置スペースが制約を受ける。
【0011】
本発明の目的は、シートクッションが収納されるシート側の座面をより低くすることが可能で、しかも、シートクッションの幅やフロアのシート設置スペースに制約を受けにくい車両用シート装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
請求項1に係る発明は、第1シートと、この第1シートの後方に配置された第2シートとを備え、この第2シートを前方に移動させることにより第2シートのシートクッションを第1シートのシートクッションと車体フロアとの間に収納可能な車両用シート装置において、第1シート及び第2シートの側方に車体部材が配置され、この車体部材内に第2シートを前後に移動可能なシートスライド機構が設けられ、このシートスライド機構に、車体部材から側方に突出して第2シートのシートクッションを片持ち支持する第2シート支持アームを備えることを特徴とする。
【0013】
第1シート及び第2シートの側方に配置された車体部材から側方に、第2シートのシートクッションを片持ち支持するために車体部材内に設けられたシートスライド機構に備える第2シート支持アームを延ばす。
従って、第2シートのシートクッション下方には、従来のようなフロアに取付けられたシート支持部材が存在しない。
【0014】
請求項2に係る発明は、車体部材に、第2シート支持アームをスライド可能に支持するガイド部が設けられ、このガイド部は、車両前方側が車両後方側より低い位置に設けられることを特徴とする。
第2シート支持アームをガイド部に沿って前方に移動させると、第2シート支持アームの位置が低くなり、第2シートのシートクッション位置が低くなる。
【0015】
請求項3に係る発明は、ガイド部は、その前部が直線的に車両前方に延びていることを特徴とする。
ガイド部に支持されながら第2シートを前方に移動させると、ガイド部の前部では第2シートが水平に移動する。従って、第2シートの移動による第2シートの高さ変化が無くなる。
【0016】
請求項4に係る発明は、車体部材から側方に突出して第1シートのシートクッションを片持ち支持する第1シート支持アームを備えることを特徴とする。
第1シート及び第2シートの側方に配置された車体部材から側方に、第1シートのシートクッションを片持ち支持する第1シート支持アームを延ばす。
従って、第1シートのシートクッション下方には、従来のようなフロアに取付けられたシート支持部材が存在しない。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明では、第1シート及び第2シートの側方に車体部材が配置され、この車体部材内に第2シートを前後に移動可能なシートスライド機構が設けられ、このシートスライド機構に、車体部材から側方に突出して第2シートのシートクッションを片持ち支持する第2シート支持アームを備えるので、第2シートのシートクッション下方に従来のような脚部材が無くなって、第2シートのシートクッションをより低く配置することができる。
【0018】
従って、第2シートのシートクッションを第1シートのシートクッション下方に収納したときに第1シートのシートクッションも低く配置することができ、第1シートのシートクッションの座面をより低くすることができる。
【0019】
請求項2に係る発明では、車体部材に、第2シート支持アームをスライド可能に支持するガイド部が設けられ、このガイド部は、車両前方側が車両後方側より低い位置に設けられるので、簡単な構造で、第2シートのシートクッション高さを、通常時着座高さと収納時高さとに変更することができる。
【0020】
請求項3に係る発明では、ガイド部は、その前部が直線的に車両前方に延びているので、第1シートを前後にスライド可能としても、第1シートの前後方向の位置によらずに、第2シートのシートクッションを第1シートのシートクッションに干渉させずに第1シートの下側に案内することができる。
【0021】
請求項4に係る発明では、車体部材から側方に突出して第1シートのシートクッションを片持ち支持する第1シート支持アームを備えるので、第1シートのシートクッション下方に従来のような脚部材が無くなって、第1シートの下方に大きな収納空間を形成することができ、この収納空間に第2シートのシートクッションを移動させることができるとともに、第1シートのシートクッションの座面をより一層低くすることができる。
【0022】
また、第1シート下の収納空間に脚部材がないので、第2シートのシートクッションの左右幅やフロアのシート設置スペースが制約を受けることがなく、シート形状やフロア利用形態の自由度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係るシート装置を備える車両の室内斜視図(実施例1)である。
【図2】本発明に係るシート装置を示す室内斜視図(実施例1)である。
【図3】本発明に係るシート装置によるシート支持構造を示す室内斜視図(実施例1)である。
【図4】本発明に係るシート装置のシートスライド機構の構造及び作用を示す説明図(実施例1)である。
【図5】本発明に係るシートの移動を示す作用図(実施例1)である。
【図6】本発明に係るシートの支持構造を示す背面図(実施例1)である。
【図7】本発明に係るシートの支持構造を示す背面図(実施例2)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、説明中の左、右、前、後は車両に乗車した運転者を基準にした向きを示している。また、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0025】
本発明の実施例1を説明する。
図1に示すように、自動車10は、車室11内に、左右一対のファーストシート12,13と、これらのファーストシート12,13の後方に配置された左右一対のセカンドシート14,15(手前側の符号14のみ図示)と、ファーストシート12,13間及びセカンドシート14,15間に配置されるとともにフロア22に取付けられたセンターコンソールボックス17とを備える車両である。
図中の符号21はステアリングホイール、23はルーフ、24はフロントドア、26はリヤドア、27はバックドアである。
【0026】
ファーストシート12は、乗員が着座する座面を有するシートクッション12Aと、このシートクッション12Aに前後リクライニング可能に取付けられた背もたれとなるシートバック12Bとからなり、前後位置及び座面高さが調整可能である。
ファーストシート13は、ファーストシート12と同じ構造であり、シートクッション13Aとシートバック13B(不図示)とからなる。
【0027】
同様に、セカンドシート14は、シートクッション14Aとシートバック14Bとからなり、前後位置及び座面高さが調整可能である。また、セカンドシート15は、セカンドシート14と同じ構造である。
【0028】
更に、セカンドシート14は、例えば、前方に移動させたときにシートクッション14Aをファーストシート12Aの下方の空間に収納することが可能である(セカンドシート15も同様。)。これにより、セカンドシート14,15の後方の荷室空間の容積を拡大することができる。
【0029】
図2に示すように、ファーストシート12,13及びセカンドシート14,15は、それぞれセンターコンソールボックス17内に設けられたシートシートスライド機構(不図示。シートシートスライド機構については後で詳述する。)で支持されている。
【0030】
この結果、ファーストシート12,13及びセカンドシート14,15とフロア22との間には、シートを支持するためにフロアに取付けられた従来のようなシート支持部材(脚部)が存在せず、これに代わって大きな前側シート下空間31,31(手前側の符号31のみ図示)、後側シート下空間32,32(手前側の符号32のみ図示)がそれぞれ形成される。
【0031】
前側シート下空間31は、セカンドシート14,15のシートクッション14A,15A(手前側の符号14Aのみ図示)を収納可能な空間であり、後側シート下空間32は、セカンドシート14,15を前後及び上下に移動させるための空間である。
【0032】
図3はファーストシート12及びセカンドシート14を斜め下方から見上げた図であり、センターコンソールボックス17の側壁17aからはファーストシート12及びセカンドシート14をそれぞれ片持ち支持するとともに前後にスライド可能なスライドアーム34,35が突出している。
【0033】
また、スライドアーム34,35に対してファーストシート12のシートクッション12A、セカンドシート14のシートクッション14Aは、図示せぬ昇降機構で昇降可能に取付けられている。
【0034】
側壁17aは、スライドアーム34,35の移動をガイドするガイド溝17b,17cが形成されている。
ガイド溝17bは水平に形成され、このガイド溝17bに沿ってファーストシート12の前後方向の位置を所望の位置に調整可能である。
図2及び図3において、ガイド溝17cは車両前方にいくにつれて低くなるように形成された後部溝部17eと、この後部溝部17eの前端から車両前方に水平に延びる前部溝部17fとからなる。
【0035】
図4(a)に示すように、セカンドシート14を移動させるシートシートスライド機構40は、前後に延びるようにセンターコンソールボックス17又はフロア22(図2参照)に取付けられた左右一対の横レール41,41(手前側の符号41のみ図示)と、これらの横レール41,41に前後移動可能に取付けられた横移動台車42と、この横移動台車42に取付けられた上下に延びる一対の縦レール43,43と、これらの縦レール43,43に上下移動可能に取付けられた縦移動台車44と、この縦移動台車44に側方に突出するように取付けられたスライドアーム35と、このスライドアーム35の付根部に回転可能に取付けられたローラ46と、このローラ46をガイドするためにセンターコンソールボックス17(輪郭が二点鎖線で示されている。)に設けられたガイド溝17c(輪郭が二点鎖線で示されている。)と、セカンドシート14を駆動させるためにセンターコンソールボックス17又はフロア22に取付けられた電動モータ47と、この電動モータ47の回転軸に一端部が取付けられるとともに中間部が横移動台車42の下部に形成されためねじ(不図示)にねじ結合された長尺ボルト48とからなる。
【0036】
センターコンソールボックス17を含む上記シートシートスライド機構40、ファーストシート12,13(一方の符号12のみ示す。)及びセカンドシート14,15(一方の符号14のみ示す。)は、シート装置50を構成するものである。
【0037】
以上に述べたシートスライド機構40の作用を次に説明する。
図4(a)の状態から電動モータ47を作動させて長尺ボルト48を軸回りに回転させると、図4(b)に示すように、長尺ボルト48がねじ結合された横移動台車42は前方へ移動するとともに、ガイド溝17cにローラ46を介してガイドされたスライドアーム35の移動に伴って縦移動台車44は下方へ移動する。
【0038】
この結果、縦移動台車44にスライドアーム35を介して取付けられたセカンドシート14は、白抜き矢印で示すように、ガイド溝17cの後部溝部17eに沿って前方斜め下方へ移動する。
【0039】
図4(c)において、更にセカンドシート14が移動し、ローラ46がガイド溝17cの前部溝部17fに至ると、セカンドシート14は、白抜き矢印で示すように、ガイド溝17cの前部溝部17fに沿って水平に前方へ移動する。これにより、セカンドシート14のシートクッション14Aは、スムーズにファーストシート12のシートクッション12Aの下方の前側シート下空間31に収納される。
【0040】
図5(a)〜図5(c)は車室11内でのセカンドシート14の移動を示している。
図5(a)は通常の使用状態にあるファーストシート12及びセカンドシート14を示している。ファーストシート12のシートクッション12Aとセカンドシート14のシートクッション14Aとはほぼ同じ高さ位置にある。セカンドシート14の後方には荷室51Aが形成されている。
【0041】
図5(b)はセカンドシート14の移動が開始された直後の状態を示している。
図5(a)の状態に対してセカンドシート14はやや前方に移動するとともにやや沈み込んだ状態にある。この状態でシートスライド機構の動作をロックすれば、セカンドシート14に着座することも可能であり、例えば、背の低い人が着座するのに適している。
【0042】
図5(c)はセカンドシート14の移動が完了し、ファーストシート12下の前側シート下空間31にセカンドシート14のシートクッション14Aが収納された状態を示している。セカンドシート14の後方には荷室51A(図5(a)参照)より大きな容積の荷室51Bが出来、より大型の荷物を積むことが可能になる。
【0043】
また、例えば、セカンドシート14の後方にサードシートが設けられる場合には、セカンドシート14のシートクッション14Aを前側シート下空間31に収納することで、サードシートに対してリヤドア26からの乗降性を向上させることができる。
【0044】
図6(a)はファーストシート12,13がスライドアーム34,34に支持された状態を示し、ファーストシート12のシートクッション12A及びファーストシート13のシートクッション13Aがそれぞれ最も低い位置に高さ調整された状態を示している。
即ち、シートクッション12A,13Aは図の位置から上昇させて高さ位置を調整することが可能である。
スライドアーム34は、ファーストシート12,13のそれぞれのシートクッション12A,13Aの底面12c,13cに取付けられている。
【0045】
図6(b)はファーストシート12,13のそれぞれの下方の前側シート下空間31にセカンドシート14,15のそれぞれのシートクッション14A,15Aが収納された状態を示している。
【実施例2】
【0046】
次に本発明の実施例2を説明する。
図7(a)に示すように、スライドアーム34は、ファーストシート12,13のそれぞれのシートクッション12A,13Aの側面12d,13dに取付けられている。
【0047】
図7(b)はファーストシート12,13のそれぞれの下方の前側シート下空間31にセカンドシート14,15のシートクッション14A,15Aが収納された状態を示している。
【0048】
以上のように、スライドアーム34をシートクッション14A,15Aの側面14d,15dに取付けることで、スライドアーム34を含めたシートクッション14A,15Aの上下方向の厚さをより小さくすることができ、シートクッション14A,15Aを前側シート下空間31,31に収納したときに、シートクッション12A,13Aをより低い位置に配置することができ、シートクッション12A,13Aのそれぞれの座面高さをより低くすることができる。
換言すれば、シートクッション12A,13Aの座面高さの調整代を大きくすることができ、使い勝手を向上させることができる。
【0049】
上記の図2、図4、図6に示したように、第1シートとしてのファーストシート12,13と、これらのファーストシート12,13の後方に配置された第2シートとしてのセカンドシート14,15とを備え、これらのセカンドシート14,15を前方に移動させることによりセカンドシート14,15のシートクッション14A,15Aをファーストシート12,13のシートクッション12A,13Aとフロア22との間に収納可能な車両用シート装置50において、ファーストシート12,13及びセカンドシート14,15の側方に車体部材としてのセンターコンソールボックス17が配置され、このセンターコンソールボックス17内にセカンドシート14,15を前後及び上下に移動可能なシートスライド機構40が設けられ、このシートスライド機構40に、センターコンソールボックス17から側方に突出してセカンドシート14,15のシートクッション14A,15Aを片持ち支持する第2シート支持アームとしてのスライドアーム35を備えることを特徴とする。
【0050】
上記構成により、セカンドシート14,15のシートクッション14A,15Aの下方に従来のような脚部材が無くなって、セカンドシート14,15のシートクッション14A,15Aをより低く配置することができる。
【0051】
従って、セカンドシート14,15のシートクッション14A,15Aをファーストシート12,13のシートクッション12A,13Aの下方に収納したときに、ファーストシート12,13のシートクッション12A,13Aも低く配置することができ、ファーストシート12,13のシートクッション12A,13Aの座面をより低くすることができる。
【0052】
また、ファーストシート12,13の下の前側シート下空間31に脚部材がないので、セカンドシート14,15のシートクッション14A,15Aの左右幅やフロア22のシート設置スペースが制約を受けることがなく、シート形状やフロア利用形態の自由度を向上させることができる。
【0053】
上記の図2、図3、図6に示したように、センターコンソールボックス17に、スライドアーム35をスライド可能に支持するガイド部としてのガイド溝17cが設けられ、このガイド溝17cは、車両前方側が車両後方側より低い位置に設けられるので、簡単な構造で、セカンドシート14,15のシートクッション14A,15Aの高さを、通常時着座高さと収納時高さとに変更することができる。
【0054】
また、ガイド溝17cは、その前部(即ち、前部溝部17f)が直線的に車両前方に延びているので、ファーストシート12,13を前後にスライド可能としても、ファーストシート12,13の前後方向の位置によらずに、セカンドシート14,15のシートクッション14A,15Aをファーストシート12,13のシートクッション12A,13Aに干渉させずにファーストシート12,13の下側に案内することができる。
【0055】
更に、センターコンソールボックス17から側方に突出してファーストシート12,13のシートクッション12A,13Aを片持ち支持する第1シート支持アームとしてのスライドアーム34を備えるので、ファーストシート12,13のシートクッション12A,13Aの下方に従来のような脚部材が無くなって、ファーストシート12,13の下方に大きな前側シート下空間31を形成することができ、この前側シート下空間31にセカンドシート14,15のシートクッション14A,15Aを移動させることができるとともに、ファーストシート12,13のシートクッション12A,13Aの座面をより一層低くすることができる。
【0056】
尚、実施例1(図6)及び実施例2(図7)に示したように、左右のファーストシート12,13及び左右のセカンドシート14,15のそれぞれの間に車体部材としてのセンターコンソールボックス17を配置したが、これに限らず、左側のファーストシート12及びセカンドシート14と右側のファーストシート13及びセカンドシート15とで別々の車体部材を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明のシート装置は、自動車に好適である。
【符号の説明】
【0058】
10…自動車、12,13…第1シート(ファーストシート)、12A,13A,14A,15A…シートクッション、14,15…第2シート(セカンドシート)、17…車体部材(センターコンソールボックス)、17c…ガイド部(ガイド溝)、22…車体フロア(フロア)、34…第1シート支持アーム(スライドアーム)、35…第2シート支持アーム(スライドアーム)、40…シートスライド機構、50…シート装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シートと、この第1シートの後方に配置された第2シートとを備え、この第2シートを前方に移動させることにより第2シートのシートクッションを前記第1シートのシートクッションと車体フロアとの間に収納可能な車両用シート装置において、
前記第1シート及び前記第2シートの側方に車体部材が配置され、この車体部材内に前記第2シートを前後に移動可能なシートスライド機構が設けられ、このシートスライド機構に、前記車体部材から側方に突出して前記第2シートのシートクッションを片持ち支持する第2シート支持アームを備えることを特徴とする車両用シート装置。
【請求項2】
前記車体部材に、前記第2シート支持アームをスライド可能に支持するガイド部が設けられ、このガイド部は、車両前方側が車両後方側より低い位置に設けられることを特徴とする請求項1記載の車両用シート装置。
【請求項3】
前記ガイド部は、その前部が直線的に車両前方に延びていることを特徴とする請求項2記載の車両用シート装置。
【請求項4】
前記車体部材から側方に突出して前記第1シートのシートクッションを片持ち支持する第1シート支持アームを備えることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項記載の車両用シート装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−73481(P2011−73481A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−224219(P2009−224219)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】