説明

車両用ボード構造体およびその製造方法

【課題】車両用ボード構造体を軽量かつ高剛性に保つと共に、耐久性を有するヒンジ部を実現する。
【解決手段】熱硬化性樹脂16が充填されたハニカム体14の一部が裏側面材15側から表側面材13に向かって押し潰されて形成され、表側面材13と裏側面材15が接合されたヒンジ部11と、表側面材13の外側にヒンジ部11に跨って設けられた可撓性を有するヒンジシート12と、を備える。ヒンジシート12の厚み方向の少なくとも一部が表側面材13の内部に埋設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の室内に設けられる車両用ボード構造体に関し、特に、芯材を構成するハニカム体の内部に熱硬化性樹脂が充填されて成形され、ヒンジ部を有する車両用ボード構造体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車室内において、例えばスペアタイヤなどを収納するための収納用凹部を有する荷室フロアに配設されるデッキボードや、荷室を上下に仕切るトノボードなどの自動車用内装材としては、種々のボード構造体が知られている。この種のボード構造体としては、所要の耐荷重性が求められると共に、ボード構造体の操作性および車両の低燃費化の観点から、軽量化することが重要になっている。
【0003】
このような軽量ボードとしては、内部に区画された多数の小室(セル)を有するハニカム体が基材として用いられ、ハニカム体のセル内に発泡性熱硬化性樹脂を充填、発泡させることによって軽量化、および剛性の向上を実現した構成のボードが知られている。
【0004】
例えば特許文献1には、発泡性熱硬化性樹脂を含浸させたガラス繊維マットをハニカム体の両面にそれぞれ重合し、これを加熱成形することによって、熱硬化性樹脂をハニカム体のセル内部に発泡、充填することによって形成された自動車内装用ボード構造体が開示されている。また、特許文献2には、ハニカム層を熱溶融して形成されたインテグラルヒンジを有する、自動車のトランクルームのフロア被覆材が開示されている。
【0005】
そして、自動車室内の荷室フロアに配置されるデッキボードは、収納用凹部の開口を開閉可能とすると共に、荷室フロア面を平坦に形成することを目的としている。このようなデッキボードは、荷室の略全面を覆うように形成されているので、収容用凹部にアクセスするために、デッキボード全体を開閉する必要がある。したがって、デッキボード全体を開閉するときにデッキボード上に載置されている荷物を一旦、車外に取り出す必要があるので、操作性および利便性が乏しいものとなっている。このため、デッキボードの利便性を高めることを目的として、デッキボードにヒンジを形成して分割することによって、デッキボードの一部がヒンジを回動軸として回動可能に構成され、収容用凹部の開口の一部分のみを開閉可能とする形態が採られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第2559276号公報(特願平1−244760)
【特許文献2】特許第3237341号公報(特願平5−250938)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のようなデッキボードにヒンジを形成する方法としては、ボードを複数に分割して形成し、分割された各ボードを表皮材で覆って連結することで、この連結部分で表皮材を折曲可能に形成する方法が知られており、表皮材の一部がなす、連結部分に形成された表皮ヒンジによって、ボードが折畳み可能に構成されている。
【0008】
ところが、このように表皮材を後貼りするヒンジの形成方法では、ボードを複数に分割する必要があるので、分割されたボードを構成する芯材の剛性が必然的に低下し、ボード上に荷物を積んだときに生じる撓み量が大きくなる不都合がある。
【0009】
このため、ボードを構成する芯材の目付量を増やしたり、剛性が比較的高い金属材などの補強材を付加したりする必要があり、車両用ボード構造体の重量が増加すると共に、製造工数および製造コストが増加するので好ましくない。また、分割されたボードに表皮材を貼り付ける後工程は、表皮材に対するボードの位置決めや、ボードの寸法誤差等を考慮する必要があり、製造工数の増加、工程の煩雑化を招くので好ましくない。
【0010】
また、ボードを複数に分割して形成し、ヒンジ部品を取り付けることによって各ボード間を連結して形成することも可能であるが、この構成の場合であっても、ボードの剛性の低下や、製造工数および製造コストの増加を避けることが困難である。
【0011】
また、特許文献2の構成では、ボードを複数に分割せずにヒンジを形成することが可能であるが、ボードを構成するハニカム層のセルが中空部を有しているので、剛性が乏しいという問題がある。
【0012】
したがって、芯材としてハニカム体を用いる車両用ボード構造体としては、特許文献1のように、ハニカム体の両面に積層される面材に含浸させた熱硬化性樹脂を、車両用ボード構造体の加熱成形と同時に、ハニカム体のセルの中空部内に充填、発泡させることによって、軽量化、および剛性の向上を実現させたボードを用いるのが望ましい。
【0013】
このように、ハニカム体のセル内部に発泡性熱硬化性樹脂が充填、発泡されてなる車両用ボード構造体では、車両用ボード構造体の成形と同時に圧潰加工を施すことによって、芯材の一部を押し潰すと共に、芯材の両面に積層された面材同士を一体化することによって折曲可能なヒンジを形成することが考えられる。
【0014】
しかしながら、このような方法でヒンジを形成する場合、芯材の一部を圧潰加工することによって形成されたヒンジ部は、充填された熱硬化性樹脂が硬化しているので、折り曲げることが困難であり、ヒンジ特性を有していないという問題点がある。
【0015】
さらに、熱硬化性樹脂が硬化しているヒンジ部は、脆く、ヒンジ部を折り曲げることによって割れが発生する虞れがある。ヒンジ部に割れが発生した場合、成形された車両用ボード構造体はヒンジ部で破断してしまい、ヒンジ特性を発揮することができないだけでなく、車両用ボード構造体としての機能も失い、不良品となってしまう。
【0016】
そこで、本発明は、ハニカム体の中空部内に熱硬化性樹脂が発泡、充填してなるボード構造体において、軽量かつ高剛性を保つと共に、耐久性を有するヒンジ部を実現することができる車両用ボード構造体を提供することを目的とする。また、本発明は、車両用ボード構造体の成形時に、良好なヒンジ特性を有するヒンジ部を形成することができる車両用ボード構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上述した目的を達成するため、本発明に係る車両用ボード構造体は、ハニカム体からなる芯材と、芯材のハニカム体の中空部の開口を塞ぐように芯材を挟んで設けられた表側面材および裏側面材と、芯材の中空部に発泡、充填された熱硬化性樹脂と、を備える車両用ボード構造体であって、熱硬化性樹脂が充填された芯材の一部が裏側面材側から表側面材に向かって押し潰されて形成され、表側面材と裏側面材が接合されたヒンジ部と、表側面材の外側に、ヒンジ部に跨って設けられた可撓性を有するヒンジシートと、を備える。そして、ヒンジシートの厚み方向の少なくとも一部が表側面材の内部に埋設されていることを特徴とする。
【0018】
以上のように構成した本発明に係る車両用ボード構造体によれば、芯材を構成するハニカム体の中空部内に熱硬化性樹脂が発泡、充填されて成形されたことによって、軽量化が図られると共に所要の耐荷重性が車両用ボード構造体に付与される。また、車両用ボード構造体では、ヒンジシートが有するヒンジ特性がヒンジ部に付加されるので、ヒンジ部を回動軸として良好に回動させることが可能になる。ヒンジ部で折り曲げたときに、硬化している熱硬化性樹脂が割れたり、裂けたりして、各面材の、ヒンジ部を覆う部分が破損した場合であっても、可撓性を有するヒンジシートが設けられているので、良好なヒンジ特性が失われることが避けられる。
【0019】
また、ヒンジシートは、可撓性を有する基材樹脂シートと、この基材樹脂シートの表側面材とは反対側の面に設けられた断熱用不織布と、を有する構成にされてもよい。この構成によれば、車両用ボード構造体を加熱成形する際に、基材樹脂シートが溶融して、溶融した樹脂が、車両用ボード構造体の成形型に付着するといった成形不良が防止されるので好ましい。
【0020】
また、基材樹脂シートは、目付量が50g/m2以上、500g/m2以下の熱可塑性樹脂からなる構成にされてもよい。この構成によれば、ヒンジ部の機械的強度および耐久性を良好に保ちつつ、ヒンジ部に良好なヒンジ特性を付与することが可能になる。
【0021】
また、基材樹脂シートの、断熱用不織布が積層されている側とは反対の面には、表側面材に接着するための接着用不織布が設けられている構成にされてもよい。この構成によれば、基材樹脂シートと表側面材との間に接着用不織布が配置されるので、接着用不織布のアンカー効果によって基材樹脂シートと表側面材が強固に接着されるので好ましい。
【0022】
また、ヒンジ部は、裏側面材の表面に、ヒンジ部の回動軸線方向と平行に形成された切欠溝を有する構成にされてもよい。この構成によれば、裏側面材の表面に切欠溝が形成されることで、ヒンジ部に曲げ癖を付けるときに表側面材や裏側面材が裂けてしまうことを可及的に防止されるので好ましい。
【0023】
また、本発明に係る車両用ボード構造体の製造方法は、ハニカム体からなる芯材と、熱硬化性樹脂を含浸させた表側面材および裏側面材とを、一対の成形型の間に、表側面材および裏側面材によって芯材を挟んでハニカム体の中空部の開口を塞ぐように配置し、
成形型を用いて、表側面材および裏側面材を加熱することで、表側面材および裏側面材に含浸させた熱硬化性樹脂を芯材の中空部に発泡、充填させると共に、
成形型を用いて、裏側面材側から表側面材に向かって、熱硬化性樹脂が充填された芯材の一部に圧潰加工することで表側面材と裏側面材を接合してヒンジ部を形成する、車両用ボード構造体の製造方法であって、
ヒンジ部を形成する位置の表側面材の外側に、可撓性を有するヒンジシートをヒンジ部に跨るように配置し、ヒンジ部を形成すると共にヒンジシートの厚み方向の少なくとも一部を表側面材の内部に埋め込むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係る車両用ボード構造体によれば、軽量かつ高剛性を保つと共に、耐久性を有するヒンジ部を実現することができる。また、本発明に係る車両用ボード構造体の製造方法によれば、車両用ボード構造体の成形時に、良好なヒンジ特性を有するヒンジ部を形成することが可能になり、製造コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】自動車後部の荷室フロア面に設けられるデッキボードに適用された、第1の実施形態の車両用ボード構造体を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態の車両用ボード構造体を示す分解断面図である。
【図3】第1の実施形態の車両用ボード構造体において、成形型で形成されたヒンジ部近傍を拡大して示す断面図である。
【図4】車両用ボード構造体を示すA−A断面図である。
【図5】車両用ボード構造体の後方ボードを、ヒンジ部を回動軸として回動させて持ち上げた状態を示す断面図である。
【図6】第2の実施形態の車両用ボード構造体を示す断面図である。
【図7】第2の実施形態の車両用ボード構造体において、ヒンジ部を回動軸として後方ボードを折り返して前方ボードに重ねられた状態を示す断面図である。
【図8】本実施形態におけるヒンジシートを示す断面図である。
【図9】本実施形態における芯材に用いられるハニカム体の構成例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の具体的な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る車両用ボード構造体が適用された、自動車後部の荷室フロア面に敷設される実施形態のデッキボード(フロアボード)を示す斜視図である。実施形態のデッキボード1は、荷室フロアの下方に設けられた収納部の開口を覆って、荷室フロア面を平坦にしてデッキボード上に荷物を載置可能とすると共に、デッキボード1の一部を回動可能に構成することによって、荷室フロアの下方の収納部にアクセス可能とされている。
【0028】
デッキボード1は、自動車における敷設位置となる荷室フロア面の形状にほぼ沿った外形形状を有している。デッキボード1の荷室内側の面には、表皮材10が積層されており、自動車の内装材として好適な意匠性や手触り感が表皮材10によって付与されている。
【0029】
表皮材10としては、目付量が100g/m2以上、300g/m2以下のポリエステル繊維からなるニードルパンチ不織布が好適に用いられるが、これに限定されるものではなく、ポリプロピレン繊維やポリエチレン繊維などの各種熱可塑性樹脂繊維からなる不織布を代わりに用いることができる。
【0030】
デッキボード1には、自動車の前後方向である図1中X方向におけるほぼ中央の位置に、ヒンジ部11が形成されている。デッキボード1は、ヒンジ部11を介して前方ボード1aおよび後方ボード1bが分割されている。また、後方ボード1bには、ハンドル部5が取付けられており、使用者がハンドル部5を掴んで後方ボード1bを持ち上げることによって、ヒンジ部11を回動軸として後方ボード1bを回動させることが可能にされている。これによって、デッキボード1全体を持ち上げることなく、後方ボード1bのみを持ち上げるだけで後方ボード1bがヒンジ部11を回動軸として回動して、荷室フロアの下方の収納部へと荷物の出し入れが可能となる。このため、デッキボード1は、使用者の負担を軽減した利便性に優れたデッキボードを実現している。
【0031】
本実施形態のデッキボード1の芯材は、内部が多数のセルに区切られたハニカム体によって構成されている。この種のハニカム体としては、ダンボール等のペーパーハニカム、ポリプロピレン等のプラスチックハニカム、およびアルミニウム等で形成された金属製ハニカムなどを適用することが可能であるが、軽量化を図る観点から、ペーパーハニカムを用いることが好ましい。
【0032】
また、ハニカム体の目付量としては、100g/m2以上、2000g/m2以下の範囲のものが好ましく、500g/m2以上、1500g/m2以下の範囲にあれば更に好ましい。上述した下限値以上であれば、自動車用のデッキボードとして必要とされる剛性および耐久性が確保され、上述した上限値以下であれば、従来のデッキボードに比べて著しい軽量化の効果が得られる。
【0033】
本実形態では、ハニカム体として、ダンボールからなるペーパーハニカム(新日本フェザーコア社製:「フェザーコアF-V」)を用いている。
【0034】
図9は、このようなハニカム体の一例を示す平面図である。図9(a)には、断面六角形状のセルが連なって構成された公知のハニカム体14aを示している。図9(b)には、複数の平板状仕切壁と、複数の波形状仕切壁とが交互に重ねられ、一定間隔をあけた平板状仕切壁の間で波形状仕切壁が蛇行してなる公知のハニカム体14bを示している。
【0035】
本実施形態のデッキボードの芯材を構成するハニカム体としては、図9(a)および図9(b)に示したハニカム体14a、14bに限定されるものではない。このような内部に多数のセルが形成されるように仕切られたハニカム構造を有するものであって、板状のハニカム体の両面(上面および下面)のそれぞれにおいて、セルが外部に開口している構造であれば、他の形状のハニカム体と代替可能である。
【0036】
図2は、デッキボード1の成形前の積層状態を示すために、各構成部材を離して示す図1中A−A線に沿った分解断面図である。図2に示すように、デッキボード1は、表皮材10、ヒンジシート12、表側面材13、ハニカム体14、および裏側面材15の順に積層されて構成されている。また、表皮材10、表側面材13、ハニカム体14、および裏側面材15は、面積がほぼ等しく形成されている。また、ヒンジシート12は、表皮材10、表側面材13、ハニカム体14、および裏側面材15と、車幅方向である図1中Y方向の長さ寸法がほぼ等しくされ、X方向における一部のみに配置されている。
【0037】
表側面材13および裏側面材15としては、ガラス繊維マットが、軽量かつ断熱性に優れるといった理由で、好適に用いられる。なお、表側面材13および裏側面材15としては、植物繊維マットなどの天然繊維マットである各種繊維マットが用いられてもよい。
【0038】
本実施形態における表側面材13および裏側面材15には、発泡性の熱硬化性樹脂がスプレーや浸漬などの各種方法を用いて含浸されている。熱硬化性樹脂としては、ウレタン樹脂が、揮発性有機化合物(VOC)の発生を伴わないという理由で好適に用いられるが、フェノール樹脂やメラミン樹脂、ユリア樹脂など各種の熱硬化性樹脂でも代替可能である。
【0039】
熱硬化性樹脂の含浸量は、表側面材13および裏側面材15の各重量に対して、100重量%以上、1000重量%以下の範囲にすることが好ましい。熱硬化性樹脂の含浸量が上述の下限値以上であれば、ハニカム体14の中空部内への熱硬化性樹脂の充填量が十分に確保されて、デッキボード1に所要の剛性が得られるので好ましい。また、熱硬化性樹脂の含浸量が上述の上限値以下であれば、従来のデッキボードに比べて、デッキボード1の軽量化を図ることが可能となると共に、必要以上の量の熱硬化性樹脂を使用して製造コストが増加することを防止できるので好ましい。
【0040】
本実施形態では、表側面材13および裏側面材15へのウレタン樹脂の含浸方法は、スプレーによって散布する方法を採用している。
【0041】
熱可塑性樹脂の面材への含浸方法としては、スプレー以外にも、塗布や浸漬など各種公知の含浸方法を用いることもできる。
【0042】
本実施形態のデッキボード1は、ハニカム体14の両面を表側面材13および裏側面材15で挟んでなるボード構造体であるので、ダンボール製のハニカム体14の内部に多数の中空のセルを有している。このため、デッキボード1は、従来のこの種のデッキボードに比べて極めて軽量に構成することができる。また、ハニカム体14の両面における中空部の開口を表側面材13および裏側面材15で塞ぐようにハニカム体14が挟んで設けられることによって、表側面材13および裏側面材15が、デッキボード1に負荷された力を受けると同時に、力をハニカム体14の仕切壁全体に分散させる。その結果、デッキボード1の厚み方向に対して、ダンボール製のハニカム体のみを芯材としたボード構造体では実現が困難であった高い耐圧性および高い機械的強度が得られる。
【0043】
本実施形態のデッキボード1の製造方法では、芯材として、隔壁によって多数のセルに仕切られたハニカム体14を用い、熱硬化性樹脂が含浸された表側面材13と裏側面材15とでハニカム体14の両面を挟み込んで表側面材13および裏側面材15が積層された状態で、表側面材13および裏側面材15を加熱して一体化させてなる。このとき、表側面材13と裏側面材15に含浸された熱硬化性樹脂は、デッキボード1の加圧成形と同時に加熱発泡して、ハニカム体14のセルの中空部内に充填される。これにより、軽量化、かつ高剛性が実現されたデッキボード1を形成することが可能になる。
【0044】
ハニカム体14のセルの中空部内に発泡、充填された熱硬化性樹脂16は、引き続き、成形型3a,3bによって加熱され続けることによって硬化する。これによって、表側面材13とハニカム体14、および、裏側面材15とハニカム体14は、それぞれ接着される。ハニカム体14の中空部内に熱硬化性樹脂16が発泡、充填されることによって、デッキボード1の機械的強度、耐圧性などの特性が更に向上する。
【0045】
図4は、デッキボード1のX方向に沿った断面図である。表側面材13および裏側面材15に含浸させた熱硬化性樹脂16がハニカム体14の内部に発泡、充填されることによって、ハニカム体14の各隔壁を熱硬化性樹脂16の発泡体が覆って補強すると共に、表側面材13とハニカム体14、および、ハニカム体14と裏側面材15が強固に接着固定されている。このため、荷室フロア面に設けられるデッキボードとして、要求される機械的強度や剛性を満たすと共に、従来のデッキボードに比べて著しい軽量化を達成することができる。
【0046】
ここで、発泡、充填される熱硬化性樹脂16は、ハニカム体14のセルの中空部内を必ずしも完全に埋め尽くすまで発泡される必要は無い。すなわち、表側面材13および裏側面材15がハニカム体14に接着され、熱硬化性樹脂16がハニカム体14のセルの各隔壁を部分的に被覆するのに十分な発泡量が確保されればよく、本発明の効果が同様に得られる。
【0047】
熱硬化性樹脂16の発泡、充填量は、ハニカム体14のセル内部の容積に対して、5%以上、80%以下の割合で充填されていることが好ましく、10%以上、60%以下の範囲内であれば更に好ましい。
【0048】
熱硬化性樹脂16の発泡、充填量は、上述した下限値以上であれば、所要の剛性および耐久性が保証され、上述した上限値以下であれば、デッキボード1を軽量化する効果が十分に得られる。
【0049】
(ヒンジ部)
次に、ヒンジ部11の構造について説明する。図3は、一対の成形型3a,3bの間に配置された表皮材10、ヒンジシート12、表側面材13、ハニカム体14、裏側面材15からなる積層体をプレス加工した状態に示した断面図において、ヒンジ部11を拡大して示した断面図である。
【0050】
ヒンジ部11は、デッキボード1の加圧成形と同時に、裏側面材15側から表側面材13に向かってハニカム体14の一部を圧縮して押し潰す圧潰加工を施すと共に、裏側面材15と表側面材13とを接合することによって形成されている。
【0051】
本実施形態では、図3に示すように、表皮材10が表側面材13に積層された状態で、デッキボード1の加圧成形を行っているが、表皮材10を除く他の構成部材からなる成形体に、成形工程の後工程で、表皮材10を貼付しても良く、デッキボード1が表皮材10を備えない構成にされても良い。
【0052】
熱硬化性樹脂を使用し、この種のハニカム体を2つの面材で挟み込んだハニカムサンドイッチ構造であるボード構造体が知られている。このような従来のボード構造体では、裏側面材および表側面材に熱硬化性樹脂が含浸されており、裏側面材および表側面材を加熱して加圧成形することによって、熱硬化性樹脂がハニカム体の中空部内に充填されて、硬化されている。このため、従来のボード構造体では、ヒンジ部を形成した場合に、ヒンジ部の可撓性が乏しく、成形後にヒンジ部を回動軸として折り曲げることが困難であるか、或いは、ヒンジ部で折り曲げようとしたときにこの部分から裂けてしまうので、ヒンジ特性を付与することができなかった。
【0053】
本発明では、このような課題を克服するために本願発明者らは鋭意、試験研究を重ねた。その結果、デッキボード1のヒンジ部11における表側面材13側に、熱可塑性樹脂を基材とするヒンジシート12をヒンジ部11に跨って配置することによって、ハニカム体14内に熱硬化性樹脂16を発泡、充填させた軽量ボードにおいても、デッキボード1の加圧成形と同時にヒンジ特性が良好なヒンジ部11を形成することが可能であることを見出して本発明に至った。
【0054】
したがって、ヒンジシート12は、図2に示すように、表側面材12の外側、つまり、表側面材13と表皮材10との間に配置されている。また、ヒンジシート12は、車幅方向であるY方向において、デッキボード1の幅とほぼ同じ長さを有しており、ヒンジ部11のY方向に亘って配置される。ヒンジシート12のX方向の幅は、ヒンジ部11を構成する表側面材13と裏側面材15が接合された折り曲げ部分を跨いで配置することが可能な寸法を有する必要があり、その幅は10mm〜300mm程度が好適である。
【0055】
図5に示すように、デッキボード1のY方向に亘ってヒンジシート12が設けられることによって、ヒンジシート12が有するヒンジ特性がヒンジ部11に付加される。このため、デッキボード1は、後方ボード1bを持ち上げて、ヒンジ部11を回動軸として回動させることが可能になる。ヒンジ部11で折り曲げたときに、表側面材13や裏側面材15に含浸され、硬化している熱硬化性樹脂16が割れたり、裂けたりして、各面材13、15の、ヒンジ部11を覆う部分が破損した場合であっても、可撓性を有する熱可塑性樹脂を基材とするヒンジシート12が設けられているので、良好なヒンジ特性が失われることはない。
【0056】
また、デッキボード1は、ヒンジシート12の厚み方向の少なくとも一部が、表側面材13の内部に埋設されている。この構造は、ヒンジ部11が形成される位置にヒンジシート12が積層された状態で、加圧成形(熱プレス成形)を行うことによって構成されている。ヒンジシート12の厚み方向において、ヒンジシート12の厚さ寸法の40%以上が表側面材13の内部に埋設されている構成が好ましく、ヒンジシート12の厚さ寸法の70%以上が表側面材13の内部に埋設されている構成が更に好ましい。このようにヒンジシート12の厚み方向の少なくとも一部が、表側面材13の内部に埋設されている積層体を構成することによって、表側面材13の表面に、ヒンジシート12による凹凸が現れることを可及的に防止することができる。したがって、デッキボード1のヒンジ部11の外観を良好に保つことができる。
【0057】
(ヒンジシート)
次に、ヒンジシート12の構造について説明する。図8に、ヒンジシート12の断面図を示す。ヒンジシート12は、例えばポリプロピレンやポリエチレンなどの熱可塑性樹脂からなる基材樹脂シート17と、基材樹脂シート17の表皮材10側に積層されたPETスパンボンド不織布などからなる断熱用不織布18と、基材樹脂シート17のハニカム体14側の面に積層されたPETスパンボンド不織布などからなる接着用不織布19とを有して構成されている。
【0058】
ヒンジシート12を構成する基材樹脂シート17としては、可撓性を有する熱可塑性樹脂が好適に用いられ、目付量が50g/m2以上、500g/m2以下の範囲にされることが好ましく、さらに目付量が70g/m2以上、150g/m2以下の範囲にされることが、重量の増加が抑えられると共に、ヒンジ部11の機械的強度が確保されるので好ましい。
【0059】
断熱用不織布18は、目付量が30g/m2以上にされることが好ましい。これは、デッキボード1の加熱を伴う加圧成形時に、基材樹脂シート17の温度が上昇し溶融して、溶けた樹脂が成形型3a,3bに付着したりするなどによって、ヒンジ部11の成形時に不具合が発生することが考えられるためである。断熱用不織布18を配置することによって、断熱効果が得られるので、基材樹脂シート17が溶けて成形時に不具合が発生する虞れを低減することができる。
【0060】
接着用不織布19は、目付量を30g/m2以上にすることが好ましい。熱可塑性樹脂からなる基材樹脂シート17と、熱硬化性樹脂16が含浸されている表側面材13との接着性が乏しいので、基材樹脂シート17を表側面材13に直接接着することができない。このため、本実施形態におけるヒンジシート12では、基材樹脂シート17の表側面材13側に接着用不織布19が設けられることによって、接着用不織布19によるアンカー効果を利用して十分な接着性を確保することが可能にされている。
【0061】
(実施例)
実施例のヒンジシートでは、基材樹脂シート17として目付量が100g/m2であるポリプロピレン樹脂シート、断熱用不織布18として目付量が100g/m2であるPETスパンボンド不織布、接着用不織布19として目付量が30g/m2であるPETスパンボンド不織布をそれぞれ用いた。
【0062】
(比較例)
比較例1として、目付量が200g/m2であるPETスパンボンド不織布のみからなるヒンジシートを作製し、ヒンジ部が形成される位置に対応する表側面材の表面に積層した。
【0063】
比較例2として、目付量が200g/m2であるジュート織物のみからなるヒンジシートを作製し、ヒンジ部が形成される位置に対応する表側面材の表面に積層した。
【0064】
比較例3として、目付量が100g/m2であるPETプレーンニーパン不織布からなるシートの一方の面に、目付量が30g/m2となるようにラテックス処理が施されたヒンジシートを作製し、ラテックス処理が施された面が表側面材側になるように比較例1、2と同様に積層した。
【0065】
上記比較例1〜3のヒンジシートを用いて成形されたデッキボードは、表側面材に含浸させた熱硬化性樹脂がヒンジシート全体に染み出してしまい、その状態で熱硬化性樹脂が硬化してしまった。そのため、比較例1〜3のヒンジシートは、デッキボードをヒンジ部で繰り返して折り曲げたときに、ヒンジシートごと裂けてしまった。
【0066】
一方、実施例のヒンジシートでは、基材樹脂シートとして、熱可塑性樹脂であるポリプロピレン樹脂シートが用いられているので、表側面材13に含浸された熱硬化性樹脂がポリプロピレン樹脂シートに染み出すことがなく、成形後のデッキボード1のヒンジ部11に良好なヒンジ特性を付与することができた。
【0067】
(デッキボードの製造方法)
表側面材13および裏側面材15は、予めスプレー等を用いて熱硬化性樹脂16が均一に散布されて、含浸されている。表側面材13および裏側面材15を、ハニカム体14の中空部の開口を塞ぐようにハニカム体14の両面側から挟み込んで積層する。さらに、表側面材13の上面にヒンジシート12を載置し、この状態で、一対の成形型3a,3bの間にセットする。そして、成形型3a,3bの型表面温度を、熱硬化性樹脂16が発泡、硬化するのに十分な温度である130℃〜150℃程度に加熱した状態で、ハニカム体14、表側面材13、裏側面材15、ヒンジシート12が積層されてなる積層体を成形型3a,3bによって熱プレス成形する。これによって、ヒンジ部11を有するデッキボード1が形成される。
【0068】
上述したように、実施形態のデッキボード1によれば、表側面材13の外側にヒンジシート12が設けられたヒンジ部11を備えることで、デッキボード1の軽量かつ高剛性という機械的特性を保ちつつ、耐久性に優れたヒンジ部11を形成することができる。
【0069】
また、デッキボード1の製造方法によれば、デッキボードの成形後に表皮材を貼付する工程や、デッキボードにヒンジ部品を取り付ける工程などを必要とすることなく、デッキボード1の成形時に圧潰加工することによって良好なヒンジ特性を有するヒンジ部11を形成することができる。したがって、この製造方法によれば、製造コストの低減を図ることができる。
【0070】
また、デッキボード1は、ヒンジシート12の厚み方向の一部が表側面材13に埋め込まれていることで、ヒンジシート12による凹凸が表側面材13の表面に生じることが抑えられ、ヒンジ部11の外観を良好に保つことができる。
【0071】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態のデッキボードについて図面を参照して説明する。第2の実施形態のデッキボードは、ヒンジ部の構成のみが、第1の実施形態と異なっている。第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部材に、第1の実施形態と同一の符号を付して、説明を省略する。
【0072】
図6に、第2の実施形態のデッキボード2のX方向に沿った断面図を示す。また、図7に、第2の実施形態のデッキボード2の後方ボード1bをヒンジ部で折り返して、前方ボード1a上に重ねた状態の断面図を示す。
【0073】
図6に示すように、デッキボード2のヒンジ部20は、表側面材12と裏側面材15が接合されてなる帯状のヒンジ基部21を有している。ヒンジ基部21のX方向の両端に、ヒンジ基部21の回動軸線方向である長手方向(Y方向)と平行に一対の切欠溝22a、22bがそれぞれ形成されている。これら切欠溝22a、22bは、裏側面材15の外側の表面に、裏側面材15側から表側面材12に向かって切り込まれて形成されている。また、ヒンジシート12は、2つの切欠溝22a,22bに跨って配置されており、厚み方向の少なくとも一部が表側面材12の内部に埋設されている。
【0074】
デッキボード2は、ヒンジ部20の切欠溝22a,22bをそれぞれ回動軸として、後方ボード1bが前方ボード1bに対して回動される。そして、後方ボード1bを前方ボード1a上に折り返したときに、重ね合わされる前方ボード1aと後方ボード1bの各表皮材10の厚み寸法分がヒンジ基部21の幅によって確保される。このため、デッキボード2は、ヒンジ部20で折り曲げたときに、後方ボード1bを前方ボード1aに接触させた状態を良好に保つことが可能になる。
【0075】
切欠溝22a、22bは、デッキボード2の加圧成形と同時に、成形型3bに設けられた刃形状突起(不図示)によって、ヒンジ基部21の両端に断面V字状に形成されている。これらの切欠溝22a、22bを有することによって、デッキボード2の成形後、ヒンジ部20で折り曲げて、ヒンジ部20に曲げ癖を付ける際に、表側面材12および裏側面材15が裂けてデッキボード2が破損するような不具合を可及的に防止することができる。
【0076】
本実施形態における切欠溝22a、22bは、断面形状がV字状に形成されているが、切欠溝は、この断面形状に限定されるものではなく、例えば断面U字状、断面凹形状など任意の断面形状に形成されてもよい。
【0077】
デッキボード2は、切欠溝22a、22bの深さ方向の先端(底)から表側面材12の表面までの厚さが、1.5mm以下にされることが好ましく、この厚さが1.0mm以下であれば更に好ましい。デッキボード2の厚さが上述の上限値以下であれば、ヒンジ部20で折り曲げた際に、表側面材12および裏側面材15が有するガラス繊維の一部が露出して、デッキボード2の外観を損なう虞れを可及的に抑えられるので好ましい。
【0078】
上述したように、本実施形態のデッキボード2によれば、ヒンジ基部21および切欠溝22a,22bを有するヒンジ部20が形成されることで、ヒンジ部20で折り曲げて後方ボード1bを前方ボード1aに接触させた状態を良好に保つことができる。また、このデッキボード2によれば、ヒンジ部20が切欠溝22a,22bを有することで、ヒンジ部20に曲げ癖を付けるときにデッキボード2が破損することを防止できる。
【0079】
なお、本発明に係る車両用ボード構造体は、上述した実施形態のデッキボード1,2に限定されるものではなく、ヒンジ部を有するボード構造体であれば、トノボードを含む他の構成部材に適用されて好適である。
【符号の説明】
【0080】
1 デッキボード(車両用ボード構造体)
1a 前方ボード
1b 後方ボード
3a、3b 成形型
10 表皮材
11 ヒンジ部
12 ヒンジシート
13 表側面材
14(14a、14b) ハニカム体
15 裏側面材
16 熱硬化性樹脂
17 基材樹脂シート
18 断熱用不織布
19 接着用不織布
20 ヒンジ部
22a、22b 切欠溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハニカム体からなる芯材と、前記芯材の前記ハニカム体の中空部の開口を塞ぐように前記芯材を挟んで設けられた表側面材および裏側面材と、前記芯材の前記中空部に発泡、充填された熱硬化性樹脂と、を備える車両用ボード構造体であって、
前記熱硬化性樹脂が充填された前記芯材の一部が前記裏側面材側から前記表側面材に向かって押し潰されて形成され、前記表側面材と前記裏側面材が接合されたヒンジ部と、
前記表側面材の外側に、前記ヒンジ部に跨って設けられた可撓性を有するヒンジシートと、を備え、
前記ヒンジシートの厚み方向の少なくとも一部が前記表側面材の内部に埋設されていることを特徴とする車両用ボード構造体。
【請求項2】
前記ヒンジシートは、可撓性を有する基材樹脂シートと、該基材樹脂シートの前記表側面材とは反対側の面に設けられた断熱用不織布と、を有する、請求項1に記載の車両用ボード構造体。
【請求項3】
前記基材樹脂シートは、目付量が50g/m2以上、500g/m2以下の熱可塑性樹脂からなる、請求項2に記載の車両用ボード構造体。
【請求項4】
前記基材樹脂シートの、前記断熱用不織布が積層されている側とは反対の面には、前記表側面材に接着するための接着用不織布が設けられている、請求項2または3に記載の車両用ボード構造体。
【請求項5】
前記ヒンジ部は、前記裏側面材の表面に、前記ヒンジ部の回動軸線方向と平行に形成された切欠溝を有する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の車両用ボード構造体。
【請求項6】
ハニカム体からなる芯材と、熱硬化性樹脂を含浸させた表側面材および裏側面材とを、一対の成形型の間に、前記表側面材および前記裏側面材によって前記芯材を挟んで前記ハニカム体の中空部の開口を塞ぐように配置し、
前記成形型を用いて、前記表側面材および前記裏側面材を加熱することで、前記表側面材および前記裏側面材に含浸させた前記熱硬化性樹脂を前記芯材の前記中空部に発泡、充填させると共に、
前記成形型を用いて、前記裏側面材側から前記表側面材に向かって、前記熱硬化性樹脂が充填された前記芯材の一部に圧潰加工することで前記表側面材と前記裏側面材を接合してヒンジ部を形成する、車両用ボード構造体の製造方法であって、
前記ヒンジ部を形成する位置の前記表側面材の外側に、可撓性を有するヒンジシートを前記ヒンジ部に跨るように配置し、前記ヒンジ部を形成すると共に前記ヒンジシートの厚み方向の少なくとも一部を前記表側面材の内部に埋め込むことを特徴とする車両用ボード構造体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−11615(P2011−11615A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156835(P2009−156835)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(390031451)株式会社林技術研究所 (83)
【Fターム(参考)】