説明

車両用情報提供装置、情報提供方法

【課題】予め提供開始位置の登録を必要とすることなく、複雑な計算を最小限に抑制して所定のタイミングで提供情報を提供することができる車両用情報提供装置を提供すること。
【解決手段】車両位置を検出する位置検出手段21、22と、乗員に提供する提供情報を受信する受信手段33と、予め定められた提供位置12で提供情報を出力する出力手段31,32と、を有する車両用情報提供装置100であって、所定の座標系における地球中心又は地球中心付近の原点Oと、車両位置と提供位置12とをそれぞれ結ぶ線がなす第1の角度AGiを算出する角度計算手段24と、第1の角度を記憶する角度記憶手段29と、予め定められている提供可能半径rの両端を原点Oとそれぞれ結ぶ線がなす第2の角度αを算出し、第1の角度と第2の角度を比較する角度比較手段25と、第1の角度が第2の角度以下となった場合、時系列に算出される第1の角度が減少傾向から増加傾向に転じるか否かを判定する判定手段26と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の提供開始位置で乗員に情報を提供する車両用情報提供装置及び情報提供方法に関し、特に、提供開始位置に到達しなくても適切なタイミングで情報を提供可能な車両用情報提供装置及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体である車両に対し周囲の状況に応じて適切なタイミングで乗員に情報を提供したい場合がある。例えばDSRC(Dedicated Short Range Communication)により情報を提供する路側の路側装置から車両が情報を受信した場合、予め定められた提供開始位置(例えば、急カーブの所定距離手前、交差点の所定距離手前等)で乗員に情報を提供する場合がある。路側装置は所定の範囲に電波を送信しているため、車両が電波の受信を開始した位置が提供開始位置に相当することは少なく、車両は提供開始位置と車両との位置を算出しながら、車両が提供開始位置に到達した時にすでに受信した情報を乗員に提供する。
【0003】
この点について、情報の提供が終了する位置と、その情報にかかる店舗等の位置とを比較して、情報を提供するか否かを判定する車両用情報提示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。したがって、特許文献1記載の車両用情報提示装置では、情報を表示し終わった時に車両が既に店舗等を過ぎ去っていることを防止することができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1記載に記載の車両用情報提示装置はその情報を提供するか否かを決定するものであって、提供を開始する位置については記載されていない。このため、路側装置から受信した情報を予め定めたタイミングで提供することはできない。
【0005】
また、車両の位置と目標位置(提供開始位置に対応)とを比較して、車両が提供開始位置に到達したことをトリガに制御を実行する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。特許文献1には、車両の位置と提供開始位置の比較結果が一致すると、管理情報を記憶させる移動体運行管理システムが記載されている。
【0006】
しかしながら、車両の通行軌跡によっては、提供開始位置が車両の通行軌跡にない場合がある。図5は、提供開始位置12と車両の通行軌跡の関係の一例を示す。図5に示すように、車両11の通行軌跡は提供可能半径(例えば、提供開始位置と見なせる誤差範囲)に含まれているが、提供開始位置12は通行軌跡に含まれない。したがって、特許文献1記載の移動体運行管理システムでは、そもそも提供開始位置12が検出できず提供機会を逸してしまうことになる。
【0007】
図5のように提供開始位置12が車両11の通行軌跡にない場合、車両11が提供可能半径に入った位置P1で提供することが考えられる。しかし、提供可能半径が大きい場合、位置P1で提供すると提供開始位置12から大きく離れた位置で提供することになるため好ましくない。
【0008】
そこで、提供開始位置12と車両11の距離が最短となる位置Pminで情報を提供することが考えられる。特許文献1には、車両11が提供開始位置12に最も近づいた時点を検出する旨が記載されている。
【0009】
また、所望のタイミングで情報を提供する技術として、地図データベースに例えば提供開始位置12を予め登録しておき、かつ、受信した情報を記憶しておき、提供開始位置12よりも所定距離手前になったら情報提供を開始させるナビゲーション装置が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。したがって特許文献3記載のナビゲーション装置は、タイミングが遅れることなく乗員に情報を提供することができる。
【特許文献1】特開2005−257305号公報
【特許文献2】特開平5−62093号公報
【特許文献3】特開2007−272759号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、特許文献2に記載されているように距離が最小となる位置を決定するためには、微少時間毎に距離の算出を繰り返し、距離が最小となる位置を決定しなければならない。しかしながら、提供開始位置12及び車両11の位置は緯度・経度の座標情報として与えられているため計算が複雑であり計算の処理負荷が大きいと問題がある。例えば、2点のそれぞれの座標を(δ1、γ1)、(δ2、γ2)とした場合、cos d = (sinδ1)×(sinδ2) + (cosδ1)×(cosδ2)×cos(γ1−γ2)から2点の座標と原点をそれぞれ結ぶ線がなす角dを求め、2点間の距離を地球の半径から算出することができるが、これでは近似値が得られるのみで特に2点間の距離が近いと誤差が大きい。また、国土地理院が提供するより詳細な方法では、2つの緯度・経度から平面直角座標を求め、ついで2点間の正確な距離を求めるが、極めて計算量が多い。
【0011】
また、特許文献3記載のナビゲーション装置では、例えば位置Pminを地図データベースに登録しておけば位置Pminにて情報提供を開始できるが、そのためには一度通行軌跡を走行しなければならないという問題がある。また、位置Pminを算出する際には、特許文献1と同様の問題が生じる。
【0012】
本発明は、上記課題に鑑み、予め提供開始位置の登録を必要とすることなく、複雑な計算を最小限に抑制して所定のタイミングで提供情報を提供することができる車両用情報提供装置及び情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題に鑑み、本発明は、車両位置を検出する位置検出手段と、乗員に提供する提供情報を受信する受信手段と、予め定められた提供位置で提供情報を出力する出力手段と、を有する車両用情報提供装置であって、所定の座標系における地球中心又は地球中心付近の原点と、車両位置と提供位置とをそれぞれ結ぶ線がなす第1の角度を算出する角度計算手段と、第1の角度を記憶する角度記憶手段と、予め定められている提供可能半径rの両端を原点とそれぞれ結ぶ線がなす第2の角度を算出し、第1の角度と第2の角度を比較する角度比較手段と、第1の角度が第2の角度以下となった場合、時系列に算出される第1の角度が減少傾向から増加傾向に転じるか否かを判定する判定手段と、判定手段が第1の角度が増加傾向に転じたと判定した場合に、出力手段により提供情報を提供する情報提供制御手段と、を有することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、座標で与えられる2点の間隔を距離でなく角度で算出し、角度が減少から増加傾向に転じた時に提供情報を提供するので、座標で与えられる2点間の距離の算出という複雑な計算を回避して、予め定められた提供位置に最も近い位置で提供情報を提供することができる。
【0015】
また、日本の緯度では、100メートルが3.6秒に相当するので、
第2の角度 = 3.6秒 × 提供可能半径r ÷ 100
により提供可能半径rに相当する角度を算出することができる。
【発明の効果】
【0016】
予め提供開始位置の登録を必要とすることなく、複雑な計算を最小限に抑制して所定のタイミングで提供情報を提供することができる車両用情報提供装置及び情報提供方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための最良の形態ついて図面を参照しながら説明する。
【0018】
図1は提供情報を提供する位置の決定を模式的に示す図の一例である。車両用情報提供装置100は、路側装置13から受信した提供情報を受信した直後に乗員に提供するのでなく、指定された位置(以下、提供開始位置12という)で表示する。提供開始位置12は例えば、提供情報と共に送信される。そして、車両11が完全に提供開始位置12に到達しなくても提供情報を提供できるよう誤差等を考慮して、提供可能半径rで指定される情報提供が可能な領域を設けている。本実施形態の車両用情報提供装置100はこの提供可能半径rで指定される領域のうち、最も提供開始位置12に近い位置Pminで提供情報を乗員に提供する。
【0019】
ところで、車両11の位置と提供開始位置12の位置には、地球中心又はその付近を原点Oとする極座標から次述するような関係がある。図2は、地球の断面の概略を模式的に説明する図の一例である。地上の車両11の位置を指定する座標系として、WGS-84座標系やITRF座標系が知られている。本実施形態ではどのような座標系を用いてもよいが、GPS(Global Positioning System)ではWGS-84座標系で位置を検出するのでWGS-84座標系を用いれば、座標変換が不要になる。
【0020】
日本はおよそ北緯26度(那覇)〜北緯43度(札幌)に位置するが、北緯35〜40度の範囲では子午線上の地上の100メートルが緯度の約0.01度(3.6秒)に相当することが計算上明らかになる。また、子午線方向だけでなく緯線上の東西における100メートルも約3.6秒に相当する。したがって、提供開始位置12と車両11をそれぞれ座標系の原点Oと結んだ線がなす角度AGiが3.6秒に入れば、車両11が提供開始位置12から100メートル以内に入ったことを検出できる。
【0021】
提供可能半径rは100メートルとは限らないが、提供可能半径rと100メートルの比率に従い、3.6秒を調整すれば(後述の角度α)、簡易な判定式から車両11が提供可能半径rに入ったことを検出できる。なお、提供可能半径rに進入する前に、車両用情報提供装置100は路側装置13から提供情報を受信する。
【0022】
提供可能半径rの内側に進入すると、本実施形態の車両用情報提供装置100は、提供開始位置12に最も接近した位置Pminで受信した提供情報を乗員に提供する。車両用情報提供装置100は、提供開始位置12と車両11の座標から求められる角度(実際には、後述するように角度を二乗したもの)AGiの算出を繰り返し、角度AGiが増大傾向に転じたら位置Pminに到達したと判定する。この角度AGiは、緯度・経度を利用して後述する簡単な計算で算出されるので、緯度・経度を用いて距離を算出する場合に比べ計算量を著しく低減できる。
【0023】
図3は、車両用情報提供装置100の機能ブロック図の一例を示す。車両用情報提供装置100は制御部20により制御され、制御部20にはCAN(Controller Area Network)や専用線を介して、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信するGPS受信機21、車速センサやジャイロセンサ等の自律センサ22、液晶や有機ELなど視覚的な提供情報を表示するディスプレイ31、聴覚的に提供情報を出力するスピーカ32、及び、DSRC(Dedicated Short Range Communication)により送信される提供情報を送受信するDSRC通信装置33が接続されている。
【0024】
また、制御部20は、CPU、RAM、不揮発メモリ、入出力インターフェイス等を備えたコンピュータを実体とし、CPUがプログラムを実行するか、ASIC等のハードウェアにより実現される、位置検出部23、角度計算部24、角度比較部25、最小角度判定部26、案内制御部27を有し、不揮発メモリには地図DB28を有し、RAMには直前の角度AGiを記憶する角度記憶部29を有する。
【0025】
乗員に提供する提供情報の受信について説明する。DSRC通信装置33は、路上に敷設されている路側装置13から電波を受信するものであり、路側装置13の発する電波の強度が所定値以上の領域に進入すると、路側装置13との間で通信を行う。DSRCの周波数は例えば5.8MHz帯が用いられ、変調方式としてはASK変調方式(信号速度1Mbps)又はQPSK
変調方式(信号速度4Mbps)が用いられる。このうちASK変調はETC(Electronic Toll Collection System)で用いられ、QPSK変調はドライブスルー等で利用が計画されている。DSRC通信装置33は、アンテナで受信した受信波を高周波域の搬送波からダウンコンバートしてフィルタによるノイズ除去を行う。そして、例えばダウンコンバートされた受信波を微分、積分処理して時間的な振幅変動の有無を検出し、その検出結果に基づいてASK調とQPSK変調とを判別する。変調方式が検出されたら、DSRC通信装置33は変調方式に応じた復調方式でベースバンド波形に相当するデジタル信号を生成する。このデジタル信号にエラー訂正処理やプロトコル処理等のデータ処理を施し抽出したデータが乗員に提供する提供情報となる。なお、DSRC通信装置33は、情報にデータ処理、変調、アップコンバート、増幅等を施しアンテナから路側装置13に送信することもできる。
【0026】
提供情報は案内制御部27に送信され、案内制御部27は図1で説明したように、車両11が位置Pminに達したら(角度AGiが最小になったら)ディスプレイ31又はスピーカ32の少なくとも一方から提供情報を乗員に提供する。
【0027】
位置検出部23は、GPS受信機21がGPS衛星から受信した電波の到達時間に基づき車両11の位置を検出し、これに自律センサ22が検出する移動方向及び距離を累積する自律航法を利用して車両11の位置(緯度・経度)を高精度に推定する。この位置は例えば最短で数十ミリ秒〜1秒前後の間隔で検出することができる。
【0028】
角度計算部24は、原点Oから地上の2点をそれぞれ結ぶ線がなす角度AGiを算出する。提供開始位置12及び提供可能半径rは提供情報に含まれている。また、提供可能半径rは例えば数10メートル〜数100メートルである。なお、地図DB28には、位置情報に対応づけられたノード(交差点や道路を所定間隔で区切る点)と、ノード間を結ぶ道路に対応するリンクとを対応づける、道路地図情報が記憶されている。地図DB28には、位置情報と共に駅、公共施設、ガソリンスタンドなどのポイント情報が記憶されている。図DB28に、提供開始位置12及び提供可能半径rが記憶されていてもよい。
【0029】
提供開始位置12の位置(緯度・経度)を(Es,Ns)とし、車両11の位置を(Ei、Ni)とすれば(iは1、2、3…の自然数)、角度AGiは次式から算出される。
AGi= (Es−Ei)+(Ns−Ni) … (1)
緯度・経度は60進法(○度○分○秒)で表記されているので、右辺第1項及び第2項は角度の差を二乗したものである。本実施形態では、2点間の距離を算出することなく、角度の次元のまま処理する。
【0030】
角度比較部25は、角度AGiが、地球中心等の原点Oから提供可能半径rの両端をそれぞれ結ぶ線がなす角度α、よりも小さいか否かを比較する。
【0031】
上記のように、日本における地上の100メートルが緯度又は経度の3.6秒に相当することから、角度αは、次式により求めることができる。
角度α = 3.6秒 × r/100 … (2)
このままでは角度AGiとの比較が困難なので、角度αを二乗する。なお、改めて角度α=角度αと置き換える。
角度α = (3.6秒 × r/100) … (3)
すなわち、簡易な式で提供可能半径rを3.6秒の実数倍という角度の次元で取り扱うことが可能となる。角度比較部25は、このようにして算出された角度AGiと角度αを比較する。なお、式(1)でAGiの平方根を取るかわりに式(2)の二乗しない角度αを用いてもよい。この場合でも2点間の距離を算出するよりも計算量を大きく低減できるという点で変わりはない。
【0032】
最小角度判定部26は、角度計算部24が角度AGiを算出する度に算出したAGiと角度記憶部29に記憶された直前の角度AGi-1とを比較する。例えば、角度AGi≦角度αとなった時の角度AGiをAG1とすれば、時系列にAG1、AG2、AG3…を算出する。算出した角度AGiは角度記憶部29に記憶していく。角度記憶部29には直前の角度AGiのみを記憶してもよいし、時系列に複数の角度AGiを記憶してもよい。
【0033】
角度AGi<角度AGi-1の間は、車両11が提供開始位置12に接近している過程と推測できる。これに対し、角度AGi≧角度AGi-1に関係が転換した場合、遠ざかり始めたと推測できるので、角度AGi≧角度AGi-1になった時の車両11の位置が位置Pminであると推定できる。最小角度判定部26は、角度AGi≧角度AGi-1になると案内制御部27に提供情報を提供するよう要求する。
【0034】
図4は、車両用情報提供装置100が提供情報を提供する手順を示すフローチャート図の一例を示す。図4のフローチャート図はイグニッションがオンになると所定のサイクル時間毎に繰り返し実行される。
【0035】
まず、位置検出部23はGPS受信機21及び自律センサ22から車両11の位置を検出する(S10)。ついで、角度計算部24は、受信した提供情報から提供開始位置12と提供可能半径rを抽出し、式(1)により角度AGiを算出する(S20)。
【0036】
ついで、角度比較部25は、提供可能半径rから角度αを算出し、角度AGiが角度α以下か否かを判定する(S30)。角度同士を比較すればよいので計算が容易である。角度AGiが角度α以下でない場合(S30のNo)、ステップS10から繰り返す。
【0037】
角度AGiが角度α以下の場合(S30のYes)、最小角度判定部26は、角度AGiが角度AGi-1以上か否かを判定する(S40)。
【0038】
角度AGiが角度AGi-1以上でない場合(S40のNo)、車両11が提供開始位置12に接近する過程なので、次に検出された位置に基づき角度AGiを算出しステップS40の判定を繰り返す。角度AGiが角度AGi-1以上の場合(S40のYes)、車両11が提供開始位置12に最も近づいたと推定し、案内制御部27は提供開始位置12から受信した提供情報をディスプレイ31又はスピーカ32に出力して乗員に提供する(S50)。
【0039】
以上説明したように、本実施形態の車両用情報提供装置100は、緯度・経度を用いた場合に必要となる2点間の距離の算出という複雑な計算を回避して、簡易な計算と最小限の計算量で提供開始位置12に最も接近した位置を検出し提供情報を提供することができる。
【0040】
なお、本実施形態では日本が占める緯度を例に説明したが、地球上の同程度の緯度(北緯及び南緯)の地域においても同様に適用できる。また、角度αを求める式(2)又は式(3)の「3.6秒」を緯度に応じて調整すれば、緯度に関係なく適用することができる。例えば、車両用情報提供装置100が、位置情報に対応づけた3.6秒に代わる定数を登録した調整のための補正マップを予め記憶しておくか、サーバから取得することで、緯度にかかわらず本実施形態を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】提供情報を提供する位置の決定を模式的に示す図の一例である。
【図2】地球の断面の概略を模式的に説明する図の一例である。
【図3】車両用情報提供装置の機能ブロック図の一例である。
【図4】車両用情報提供装置が提供情報を提供する手順を示すフローチャート図の一例である。
【図5】提供開始位置と車両の通行軌跡の関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
11 車両
12 提供開始位置
13 路側装置
23 位置検出部
24 角度計算部
25 角度比較部
26 最小角度判定部
27 案内制御部
33 DSRC通信装置





【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両位置を検出する位置検出手段と、乗員に提供する提供情報を受信する受信手段と、予め定められた提供位置で前記提供情報を出力する出力手段と、を有する車両用情報提供装置であって、
所定の座標系における地球中心の原点又は地球中心付近の原点と、車両位置と前記提供位置とをそれぞれ結ぶ線がなす第1の角度を算出する角度計算手段と、
第1の角度を記憶する角度記憶手段と、
予め定められている提供可能半径rの両端を前記原点とそれぞれ結ぶ線がなす第2の角度を算出し、第1の角度と第2の角度を比較する角度比較手段と、
第1の角度が第2の角度以下となった場合、時系列に算出される第1の角度が減少傾向から増加傾向に転じるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が第1の角度が増加傾向に転じたと判定した場合に、前記出力手段により前記提供情報を提供する情報提供制御手段と、
を有することを特徴とする車両用情報提供装置。
【請求項2】
前記角度比較手段は、
第2の角度 = 3.6秒 × 提供可能半径r ÷ 100
から第2の角度を算出する、
ことを特徴とする請求項1記載の車両用情報提供装置。
【請求項3】
車両位置を検出する位置検出手段と、乗員に提供する提供情報を受信する受信手段と、予め定められた提供位置で前記提供情報を出力する出力手段と、を有する車両用情報提供装置の情報提供方法であって、
角度計算手段が、所定の座標系における地球中心の原点又は地球中心付近の原点と、車両位置と前記提供位置とをそれぞれ結ぶ線がなす第1の角度を算出し、角度記憶手段に記憶するステップと、
角度比較手段が、予め定められている提供可能半径rの両端を前記原点とそれぞれ結ぶ線がなす第2の角度を算出し、第1の角度と第2の角度を比較するステップと、
判定手段が、第1の角度が第2の角度以下となった場合、時系列に算出される第1の角度が減少傾向から増加傾向に転じるか否かを判定するステップと、
情報提供制御手段が、前記判定手段が第1の角度が増加傾向に転じたと判定した場合に、前記出力手段により前記提供情報の提供するステップと、
を有することを特徴とする情報提供方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−250713(P2009−250713A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−97233(P2008−97233)
【出願日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】