説明

車両用灯具

【課題】従来の車両用灯具では、製造コストが高い。
【解決手段】この発明は、ランプレンズ4と、そのランプレンズ4に転写により設けられている線ヒータ5と、を備える。線ヒータ5は、ベースフィルム17と、接着剤18と、線パターンの導電性ペースト19と、レジスト20と、から構成されている。線ヒータ5は、ベースフィルム17が導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンにカットされていて、接着剤18をランプレンズ4に接着させて線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4に転写させる転写式の線ヒータである。ランプレンズ4には、光源7からの光を配光制御して外部に照射するプリズム部10と、線ヒータ5を転写させるための平面部11と、がそれぞれ設けられている。この結果、この発明は、製造コストを安価にすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、配光制御するプリズムが設けられていて、かつ、融雪(解氷、防曇)構造が設けられているランプレンズを備える車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用灯具、たとえば、リアコンビネーションランプなどの車両用信号灯は、路面積雪などを自車両で巻き上げることにより、雪や氷などがランプレンズの表面に付着する。また、ヘッドランプやフォグランプなどの車両用前照灯は、降雪や路面積雪などを先行車の巻上げなどにより、雪や氷などがランプレンズの表面に付着する。ここで、ランプレンズ表面の着雪氷が少ない場合には、光源の点灯時の発熱により、ランプレンズに付着した雪や氷を融かしたり除去したりすることができる。しかしながら、ランプレンズ表面の着雪氷が多い場合には、光源の点灯時の発熱量だけでは、ランプレンズに付着した雪や氷を融かしたり除去したりするのには不足し、ランプレンズに付着した雪や氷を融かしたり除去したりすることができない場合がある。近年、車両用灯具の光源として使用されているLEDなどの半導体型光源やHIDなどの放電灯の点灯時の発熱量は、ハロゲンバルブや白熱バルブと比較して低い。このために、これらの光源を使用する車両用灯具の場合においては、ランプレンズの温度上昇が少なく、融雪や解氷が少ないので、ランプレンズに付着した雪や氷を融かしたり除去したりすることができない傾向にある。
【0003】
そこで、車両用灯具のランプレンズにヒータからなる融雪構造を設けて、ランプレンズに付着した雪や氷を融かしたり除去したりする。すなわち、融雪構造のヒータは、ランプレンズに熱を与えて、光源の点灯時の発熱量の不足を補って融雪や解氷を行うものである。
【0004】
この種の車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用灯具について説明する。従来の車両用灯具は、導通パターンを印刷した透明シートと、その透明シートをインサート成形により接合したプリズムレンズと、ランプハウジングと、光源バルブと、を備えるものである。
【0005】
以下、従来の車両用灯具の作用について説明する。光源バルブを点灯すると、その光源バルブからの光がプリズムレンズを通して配光制御されて外部に照射される。一方、透明シートの導通パターンに給電すると、その導通パターンが発熱し、その熱により、プリズムレンズに付着した雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりする。この結果、プリズムレンズから外部に照射される光の損失を防ぐことができる。特に、光源として、ハロゲンバルブや白熱バルブと比較して、プリズムレンズから照射される光の温度が低い光源、たとえば、LEDなどの半導体型光源やHIDなどの放電灯を使用する車両用灯具においては、効果的である。
【0006】
ところが、従来の車両用灯具は、導通パターンが印刷された透明シートをプリズムレンズにインサート成形により接合するものである。このために、従来の車両用灯具に使用されるプリズムレンズは、特別な金型を必要とし、製造コストが高い。この結果、従来の車両用灯具は、製造コストが高い。
【0007】
【特許文献1】特開平10−312705号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用灯具では、製造コストが高いという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明(請求項1にかかる発明)は、ランプレンズと、そのランプレンズに転写により設けられている線ヒータと、を備え、前記線ヒータが、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの一面に設けられている接着剤と、前記ベースフィルムの他面に線パターンに形成されていて電流が供給されることにより発熱する導電性部材と、前記ベースフィルムの他面に前記導電性部材を覆うように設けられているレジストと、から構成されており、前記ベースフィルムが前記導電性部材の線パターンに倣ったパターンにカットされていて、前記接着剤を前記ランプレンズに接着させて線パターンの前記導電性部材を前記ランプレンズに転写させる転写式の線ヒータであり、前記ランプレンズには、光源からの光を配光制御して外部に照射するプリズム部と、前記線ヒータを転写させるための平面部と、がそれぞれ設けられている、ことを特徴とする。
【0010】
また、この発明(請求項2にかかる発明)は、平面部がプリズム部の頂点よりも低い位置に設けられている、ことを特徴とする。
【0011】
さらに、この発明(請求項3にかかる発明)は、平面部がプリズム部の頂点と同等の高さの位置もしくはプリズム部の頂点よりも高い位置に設けられている、ことを特徴とする。
【0012】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)は、平面部の幅は、前記プリズム部のピッチと同等もしくはほぼ同等である、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、ベースフィルムの一面の接着剤をランプレンズの平面部に接着させて、ベースフィルムの他面の線パターンの導電性部材をランプレンズの平面部に転写させてなるものである。このために、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具に使用されるランプレンズは、前記の従来の車両用灯具に使用されるプリズムレンズと比較して、特別な金型が不要であり、その分、製造コストを安価にすることができる。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、製造コストを安価にすることができる。
【0014】
また、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、線ヒータの接着剤をランプレンズの平面部に接着させて、その線ヒータの線パターンの導電性部材をランプレンズの平面部に転写させるものである。このために、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、ランプレンズに配光制御するプリズム部が設けられていても、線ヒータの接着剤をランプレンズに確実に接着させることができ、かつ、線ヒータの線パターンの導電性部材をランプレンズに簡単に転写させることができる。すなわち、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、プリズム部が設けられているランプレンズに平面部を設けることにより、低コストの転写式の線ヒータをプリズム部付のランプレンズに確実にかつ簡単に転写して設けることができる。
【0015】
さらに、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、線パターンの導電性部材をランプレンズの平面部に転写させるものであるから、線パターンを意匠線として兼用することができ、ランプレンズの意匠上の効果を向上させることができる。
【0016】
さらにまた、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、線パターンの導電性部材をランプレンズの平面部に転写させるものであるから、透明導電膜ヒータ生成と比較して、真空蒸着機などの大型設備やタクトの長い蒸着工程が不要であり、その分、製造コストを安価にすることができる。
【0017】
さらにまた、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、ランプレンズの平面部に転写させる導電性部材、すなわち、転写式の導電性部材の線パターンの形状や寸法を汎用性のあるものとすることにより、種々様々の車種の車両用灯具に使用することができる。特に、貨物車や特装車の信号灯は、プリズム部付のランプレンズを備える灯具に流用することが多いので、有効である。
【0018】
さらにまた、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、線パターンの導電性部材をランプレンズの平面部に転写させるものであるから、ヒータ有り無しのランプレンズの製造管理において、作り分けが容易であり、製造ラインや在庫管理などを簡素化することができる。
【0019】
さらにまた、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、ベースフィルムと、接着剤と、線パターンの導電性部材と、レジストと、からなる線ヒータの製造が簡単であり、また、線ヒータを転写させてなるランプレンズ(プリズム部と平面部とが設けられているランプレンズ)の製造も簡単である。この結果、この発明(請求項1にかかる発明)の車両用灯具は、種々様々なランプレンズに転写させる種々様々な導電線部材の線パターンのニーズ(設計やデザイン)に迅速にかつ簡単に対応することができる。
【0020】
さらにまた、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、平面部をプリズム部の頂点よりも低い位置に設けるものであるから、ランプレンズの平面部の肉厚をプリズム部の肉厚よりも薄くすることができる。このために、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、肉厚が薄い平面部に線ヒータを転写して設けるものであるから、線ヒータで発生した熱を肉厚が薄い平面部を介して融雪に効率良く利用することができる。
【0021】
さらにまた、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、プリズム部の頂点よりも低い位置の平面部に線ヒータを転写して設けるものであるから、線ヒータの周囲が平面部の周囲のプリズム部によって囲まれている。このために、この発明(請求項2にかかる発明)の車両用灯具は、線ヒータが周囲のプリズム部により他のものとの接触などから保護することができるので、線ヒータが平面部から剥がれたりするのを防止することができ、線ヒータの耐久性や安全性が向上される。
【0022】
さらにまた、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、平面部をプリズム部の頂点と同等の高さの位置もしくはプリズム部の頂点よりも高い位置に設けるものであるから、平面部の高さをプリズム部の高さよりも高くすることができる。このために、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、線ヒータを平面部に転写する際に、平面部の周囲に線ヒータの転写の妨げとなるものが無いので、線ヒータを平面部に簡単に転写させることができ、線ヒータの転写の作業性が向上される。
【0023】
さらにまた、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、平面部の高さをプリズム部の高さよりも高くすることができるので、線ヒータを平面部に転写する際に、平面部の周囲に線ヒータの転写の妨げとなるものが無い。このために、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、平面部の幅を線ヒータを転写できる程度に極力小さくすることができるので、その分、プリズム部のうち平面部により減らされる面積をできる限り少なくすることができる。この結果、この発明(請求項3にかかる発明)の車両用灯具は、プリズム部による配光制御された光の損失をできる限り少なくすることができ、配光性能への影響が少なくて済む。
【0024】
さらにまた、この発明(請求項4にかかる発明)の車両用灯具は、平面部の幅をプリズム部のピッチと同等もしくはほぼ同等とすることにより、平面部が目立ち難くなり、しかも、平面部に設けられている線ヒータも目立ち難くなり、見栄えが損なわれない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施例のうちの2例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0026】
図1〜図6は、この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示す。以下、この実施例1にかかる車両用灯具の構成について説明する。図において、符号「1」は、この実施例1にかかる車両用灯具である。この実施例1にかかる車両用灯具は、たとえば、トラックなどの貨物車の後部の左右両側にそれぞれ装備されるリアコンビネーションランプ1である。
【0027】
前記リアコンビネーションランプ1は、テールストップランプユニット2Aと、ターンシグナルランプユニット2Bと、から組み合わせられている。前記ランプユニット2A、2Bは、ランプハウジング3と、ランプレンズ4と、線ヒータ5と、給電部6と、光源7と、を備えるものである。
【0028】
前記ランプハウジング3と前記ランプレンズ4とにより、灯室8が区画されている。前記灯室8内には、前記光源7が配置されている。前記光源7は、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例1ではLED)を使用する。このために、前記光源7自体においては熱が発生するが、前記光源7からの光には熱がほとんど発生しない。これにより、前記ランプレンズ4には、雪や氷や曇りが付着し易い。なお、前記光源7としては、前記の自発光半導体型光源以外に、同じく、光には熱がほとんど発生しないHIDなどの放電灯などを使用しても良いし、光に熱が発生する白熱バルブやハロゲンバルブなどを使用しても良い。
【0029】
前記ランプハウジング3は、一方が開口し、かつ、他方が閉塞した中空形状をなす。前記ランプハウジング3の閉塞部の内面には、前記光源7からの光を前記ランプレンズ4側に反射させる反射面9が設けられている。前記ランプハウジング3に前記光源7がソケットなどの取付機構(図示せず)により着脱可能に取り付けられている。
【0030】
前記ランプレンズ4は、この例では、たとえばPC(ポリカーボネート)などの合成樹脂から成形されている。なお、前記ランプレンズ4の材質がPCの場合、前記ランプレンズ4の耐熱温度は約130°Cである。また、前記ランプレンズ4は、断面凹形状をなしていて、前記反射面9からの光が透過する光透過部と、前記ランプハウジング3に取り付ける取付部と、から構成されている。前記ランプレンズ4の前記光透過部の少なくとも内面(前記灯室8側の面)には、プリズム部10と、平面部11と、がそれぞれ設けられている。
【0031】
前記プリズム部10は、前記光源7からの光であって、前記反射面9からの反射光を配光制御して所定の配光パターンとして前記ランプレンズ4から外部に照射するものである。前記プリズム部10は、前記灯室8側に凸形状をなすものであって、1つの曲面、もしくは、複数の曲面、もしくは、1つの平面、もしくは、複数の平面、もしくは、それらの組み合わせからなる。この例の前記プリズム部10は、格子魚眼プリズムであって、格子状に配列された多数個の魚眼プリズムからなる。各前記プリズム部10の高さやピッチは、同等もしくはほぼ同等である。
【0032】
前記平面部11は、前記線ヒータ5を転写させるためのものであって、前記灯室8側の面が平面をなす。前記平面部11は、前記ランプレンズ4のうち前記線ヒータ5を配線する箇所に設けられている。前記平面部11は、図2、図5、図6に示すように、前記プリズム部10の頂点よりも低い位置に設けられている。前記平面部11の幅W1を、図2に示すように、前記プリズム部10のピッチと同等もしくはほぼ同等とする。また、前記平面部11の幅W1を、図5、図6に示すように、前記線ヒータ5の幅W2よりも広くする。なお、前記平面部11の幅W1を、図5、図6に示すように、前記プリズム部10のピッチよりも広くしても良いし、狭くしても良い。
【0033】
前記線ヒータ5は、転写式の線ヒータであって、前記ランプレンズ4の前記平面部11に転写により設けられている。前記ランプレンズ4の前記平面部11に転写により設けられている前記線ヒータ5は、図4、図5、図6に示すように、ベースフィルム17と、接着剤18と、導電性部材としての導電性ペースト19と、レジスト20と、から構成されている。また、前記線ヒータ5は、光透過性のものが好ましい。
【0034】
前記ベースフィルム17は、透明なたとえばPET(ポリエチレンテレフタレート)などの合成樹脂製のフィルムからなる。前記ベースフィルム17の一面には、前記接着剤18が設けられている。
【0035】
前記ベースフィルム17の他面には、前記導電性ペースト19が線パターンに形成されている。前記導電性ペースト19の線パターンは、この例では、図1に示すように、相互にほぼ平行である上下6本の横線を、左側の3本の縦線および右側の2本の縦線を介して、左右にジグザグに連続する線パターンである。最上下2本の横線の右側から2本の縦線が端末部として連続して形成されている。前記導電性ペースト19は、導電性インクであって、この例では、銀ペースト、金ペースト、銅ペースト、アルミペーストなどの金属ペーストからなる。前記導電性ペースト19は、電流が供給されることにより、前記導電性ペーストの電気抵抗により発熱するものであって、電気抵抗値が高いと発生熱量が低い、電気抵抗値が低いと発生熱量が高い。
【0036】
前記ベースフィルム17の他面には、前記レジスト20が前記導電性ペースト19を覆うように設けられている。前記レジスト20は、前記導電性ペースト19を電気的に絶縁すると共に外からの衝撃から保護するものであって、すなわち、前記導電性ペースト19の表面保護コートである。前記レジスト20は、この例では、ウレタン系やアクリル系の接着剤などからなる。
【0037】
前記ベースフィルム17もしくは前記レジスト20のうち少なくともいずれか一方が着色されている。すなわち、前記ベースフィルム17の一面またはおよび他面に着色層を設ける。あるいは、前記ベースフィルム17自体もしくは前記レジスト20自体を着色する。
【0038】
前記ベースフィルム17(この例では、前記接着剤18をも含む)は、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンにカットされている。カットされた前記ベースフィルム17の幅W2は、この例では、約0.5mmであって、前記レジスト20の幅とほぼ同等の幅である。そして、図4に示すように、前記ベースフィルム17がカットされた後において、前記レジスト20側に配置したセパレータ21を使用して、前記接着剤18を前記ランプレンズ4の前記平面部11に接着させて線パターンの前記導電性ペースト19を前記ランプレンズ4の前記平面部11に転写させる。これにより、前記線ヒータ5は、前記ランプレンズ4の前記平面部11に転写により設けられる。
【0039】
前記セパレータ21は、図4に示すように、線パターンの前記導電性ペースト19を前記ランプレンズ4の前記平面部11に転写させた後前記レジスト20側から剥がされる。前記セパレータ21は、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターン形状をなす前記線ヒータ5を載置することができ、かつ、前記ランプレンズ4の前記平面部11に転写することができる程度の大きさと形状を有しているシート形状をなすものである。また、前記セパレータ21は、前記ランプレンズ4の前記平面部11に追従し得るように、フレキシブル性の素材、この例では、ウレタンなどのゴム系の素材を使用するものである。
【0040】
前記線ヒータ5には、図3に示すように、前記給電部6が設けられている。前記給電部6は、前記線ヒータ5に電流を供給するものである。前記給電部6は、前記導電性ペースト19の2個の端末部と、表面実装タイプのコネクタ12と、ハーネス13と、グロメット14と、ランプ側のコネクタ15と、から構成されている。
【0041】
前記2個の端末部には、前記表面実装タイプのコネクタ12が電気的に接続されている。前記表面実装タイプのコネクタ12には、前記ハーネス13の一端が電気的に接続されている。前記ハーネス13は、前記ランプハウジング3に設けられている前記グロメット14を介して前記灯室8内から外部に水密に引き出されている。前記ハーネス13の他端には、前記ランプ側のコネクタ15が電気的に接続されている。前記ランプ側のコネクタ15に電源側のコネクタ(図示せず)を電気的に接続することにより、前記線ヒータ5に電流を供給することができる。前記2個の端末部は、前記線ヒータ5と同様に、前記ランプレンズ4の前記平面部11に設けられている。また、前記表面実装タイプのコネクタ12は、前記ランプレンズ4の意匠への影響が小さい箇所、すなわち、前記ランプレンズ4の前記光透過部のうち前記取付部付近に設けられている。なお、前記表面実装タイプのコネクタ12の代わりに、端子を使用しても良い。また、前記ランプレンズ4のうち前記表面実装タイプのコネクタ12が設けられている箇所には、コネクタ用の平面部24が設けられている。前記コネクタ用の平面部24は、前記平面部11と同様に、前記プリズム部10の頂点よりも低い位置に設けられている。
【0042】
前記線ヒータ5は、前記給電部6を介して、手動スイッチ(図示せず)またはおよび自動スイッチ(図示せず)に接続されている。前記手動スイッチは、手動により、前記線ヒータ5への電流供給をオンしたりオフしたりするものである。前記自動スイッチは、自動的に、前記線ヒータ5への電流供給をオンしたりオフしたりするものである。
【0043】
前記自動スイッチは、ECUなどの制御部と、温度センサや光センサなどの検出部と、から構成されている。前記検出部は、自動車Cの周囲環境、たとえば、自動車Cの外の温度や前記ランプレンズ4から照射される光などを検出してその検出信号を前記制御部に出力する。前記制御部は、前記検出部からの検出信号に基づいて前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着しているか否か、あるいは、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着する程度の温度か否かを判断する。そして、前記制御部は、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着している、あるいは、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着する程度の温度であると判断すると、前記給電部6を介して前記線ヒータ5に電流を供給する。一方、前記制御部は、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着していない、あるいは、前記ランプレンズ4に雪や氷や曇りなどが付着する程度の温度でないと判断すると、前記給電部6を介して前記線ヒータ5への電流供給を遮断する。前記線ヒータ5への電流供給は、主に前記光源7の点灯時に行う。なお、必要であれば、前記光源7の点灯時以外の場合においても、前記線ヒータ5への電流供給を行っても良い。
【0044】
前記線ヒータ5の1個の端末部には、温度制御部(図示せず)が設けられている。前記温度制御部は、前記導電性ペースト19の発熱温度を制御するものである。前記温度制御部としては、たとえば、PTCサーミスターを使用する。このPTCサーミスターは、温度が上昇すると抵抗値が高くなって所定の抵抗値に達すると電流が流れなくなる特性を有するものである。たとえば、前記ランプレンズ4の材質がPCの場合、前記ランプレンズ4の耐熱温度は約130°Cであるから、前記導電性ペースト19の発熱温度が約60°C付近に達した時点で電流が流れなくなる抵抗特性を有するPTCサーミスターを前記温度制御部として使用する。
【0045】
以下、前記ランプレンズ4に転写する前記線ヒータ5(前記給電部6)の製造工程と、前記ランプレンズ4に前記線ヒータ5を転写する転写工程を図4〜図6を参照して説明する。まず、フィルム中の前記ベースフィルム17に対応する部分の一面に前記接着剤(接着層)18を設け、かつ、前記接着剤18に剥離フィルムや剥離紙などの剥離シート22を剥離可能に接着してなるシート部材23を製造する(図4(A)参照)。なお、前記シート部材23の大きさは、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターン形状をなす前記線ヒータ5を形成することができる程度の大きさを有している。
【0046】
つぎに、前記シート部材23の前記ベースフィルム17の他面(上面)に前記導電性ペースト19を、たとえば、スクリーン印刷やホットスタンプ印刷などの工法により印刷して、線パターンに形成する(図4(B)参照)。
【0047】
つづいて、前記シート部材23の前記ベースフィルム17の他面(上面)に前記レジスト(絶縁層兼保護膜)20を、たとえば、スクリーン印刷やホットスタンプ印刷などの工法により印刷して、前記導電性ペースト19を覆うように設ける(図4(C)参照)。
【0048】
それから、前記シート部材23の前記ベースフィルム17および前記接着剤18を、たとえば、打ち抜き加工により、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンでカットする(図4(D)参照)。すなわち、カッタ(図示せず)を前記レジスト20側から前記ベースフィルム17および前記接着剤18に押し込んで前記接着剤18と前記剥離シート22との境で止めて前記ベースフィルム17および前記接着剤18をカットする。なお、図4(C)中において、実線CLで前記ベースフィルム17および前記接着剤18のカット箇所を示す。前記カッタを前記シート部材23から離すと共に、カットされた前記ベースフィルム17および前記接着剤18のうち、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンの部分以外の余分な部分を前記剥離シート22から除く。
【0049】
これにより、図4(D)に示すように、カットされなかった前記シート部材23の前記剥離シート22と、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンでカットされた前記ベースフィルム17および前記接着剤18と、線パターンの前記導電性ペースト19と、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンに設けられている前記レジスト20とが残される。前記ベースフィルム17および前記接着剤18のカット幅W2は、この例では、前記レジスト20の幅とほぼ同等の幅であって、前記レジスト20が前記導電性ペースト19を覆い得る幅、すなわち、前記レジスト20が前記導電性ペースト19を封止して電気的に絶縁し得ると共に外からの衝撃から保護し得る幅である。なお、前記ベースフィルム17のカット幅は、前記カット幅W2に限定されない。たとえば、前記導電性ペースト19の幅よりも大きく、かつ、前記レジスト20の幅よりも小さい幅でも良い。
【0050】
そして、前記シート部材23の前記ベースフィルム17および前記接着剤18を前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンでカットした後、前記レジスト20側に前記セパレータ21を配置させる(図4(E)参照)。これにより、カットされなかった前記シート部材23の前記剥離シート22と、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンでカットされた前記ベースフィルム17および前記接着剤18と、線パターンの前記導電性ペースト19と、前記導電性ペースト19の線パターンに倣ったパターンに設けられている前記レジスト20とが、前記セパレータ21上に前記レジスト20側を下にして載置される。
【0051】
つぎに、前記剥離シート22を剥がす(図5参照)。それから、前記レジスト20側に配置した前記セパレータ21を使用して、前記接着剤18を前記ランプレンズ4の前記平面部11に接着させて線パターンの前記導電性ペースト19を前記ランプレンズ4の前記平面部11に転写させる(図6参照)。そして、前記セパレータ21を前記レジスト20から剥がす。これにより、図2、図6に示すように、前記ランプレンズ4の前記平面部11に前記線ヒータ5が転写される。
【0052】
この実施例1にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
【0053】
テールストップランプユニット2Aの光源7またはターンシグナルランプユニット2Bの光源7を点灯する。すると、光源7からの光がランプハウジング3の反射面9でランプレンズ4側に反射される。その反射光がランプレンズ4のプリズム部10を透過して所定の配光パターンに制御されてランプレンズ4から外部に照射される。
【0054】
ここで、ランプレンズ4の平面部11に転写に設けられている線ヒータ5は、線状のパターンからなるので、反射光がランプレンズ4の光透過部を透過する際に、光の損失や配光の影響などを最小限に抑えることができる。なお、線ヒータ5が光透過性のものであれば、反射光の一部がランプレンズ4の線ヒータ5を透過して外部に照射されるので、光の損失や配光の影響などを最小限に抑えることができる。
【0055】
そして、光源7が半導体型光源の場合、この半導体型光源の光源7からの光には熱がほとんど発生しないので、ランプレンズ4には、雪や氷や曇りが付着し易い。この場合、手動スイッチまたはおよび自動スイッチにより、ランプレンズ4の平面部11に転写により設けられている線ヒータ5に電流が供給される。
【0056】
線ヒータ5に電流が供給されると、線ヒータ5の電気抵抗により、線ヒータ5が発熱する。この線ヒータ5の発熱作用により、ランプレンズ4が暖められ、ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのが防止され、あるいは、ランプレンズ4に付着している雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりする。この結果、ランプレンズ4の光透過部から照射される光の損失を防ぐことができる。
【0057】
このとき、ランプレンズ4の光透過部のうち、導電性ペースト19に対応する箇所(平面部11)の雪や氷を溶すことにより、この溶けた雪や氷がランプレンズ4の光透過部の表面上を滑って、いわゆる雪崩現象で、ランプレンズ4の光透過部のうち、導電性ペースト19に対応しない箇所に付着している雪や氷をランプレンズ4の光透過部の表面上から剥がして落とす。この結果、ランプレンズ4に付着している雪や氷や曇りを確実に除去することができる。
【0058】
線ヒータ5の発熱作用中において、この線ヒータ5の発熱温度が所定温度に達すると、温度制御部の温度制御作用により、線ヒータ5への電流供給が制御され、線ヒータ5の発熱温度が所定温度付近に保持される。この結果、耐熱温度が比較的低い樹脂製のランプレンズ4を過熱から保護することができる。
【0059】
ランプレンズ4に雪や氷や曇りが付着するのが防止され、また、ランプレンズ4に付着した雪や氷や曇りが融かされたり除去されたりしたところで、手動スイッチまたはおよび自動スイッチにより、ランプレンズ4に設けられている線ヒータ5への電流供給が遮断される。
【0060】
この実施例1にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
【0061】
この実施例1にかかる車両用灯具は、ベースフィルム17の一面の接着剤18をランプレンズ4の平面部11に接着させて、ベースフィルム17の他面の線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4の平面部11に転写させてなるものである。このために、この実施例1にかかる車両用灯具に使用されるランプレンズ4は、前記の従来の車両用灯具に使用されるプリズムレンズと比較して、特別な金型が不要であり、その分、製造コストを安価にすることができる。この結果、この実施例1にかかる車両用灯具は、製造コストを安価にすることができる。
【0062】
また、この実施例1にかかる車両用灯具は、線ヒータ5の接着剤18をランプレンズ4の平面部11に接着させて、その線ヒータ5の線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4の平面部11に転写させるものである。このために、この実施例1にかかる車両用灯具は、ランプレンズ4に配光制御するプリズム部10が設けられていても、線ヒータ5の接着剤18をランプレンズ4に確実に接着させることができ、かつ、線ヒータ5の線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4に簡単に転写させることができる。すなわち、この実施例1にかかる車両用灯具は、プリズム部10が設けられているランプレンズ4に平面部11を設けることにより、低コストの転写式の線ヒータ5をプリズム部10付のランプレンズ4に確実にかつ簡単に転写して設けることができる。
【0063】
さらに、この実施例1にかかる車両用灯具は、線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4の平面部11に転写させるものであるから、線パターンを意匠線として兼用することができ、ランプレンズ4の意匠上の効果を向上させることができる。
【0064】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具は、線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4の平面部11に転写させるものであるから、透明導電膜ヒータ生成と比較して、真空蒸着機などの大型設備やタクトの長い蒸着工程が不要であり、その分、製造コストを安価にすることができる。
【0065】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具は、ランプレンズ4の平面部11に転写させる導電性ペースト19、すなわち、転写式の導電性ペースト19の線パターンの形状や寸法を汎用性のあるものとすることにより、種々様々の車種の車両用灯具に使用することができる。特に、貨物車や特装車の信号灯は、プリズム部10付のランプレンズ4を備える灯具に流用することが多いので、有効である。
【0066】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具は、線パターンの導電性ペースト19をランプレンズ4の平面部11に転写させるものであるから、ヒータ有り無しのランプレンズの製造管理において、作り分けが容易であり、製造ラインや在庫管理などを簡素化することができる。
【0067】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具は、ベースフィルム17と、接着剤18と、線パターンの導電性ペースト19と、レジスト20と、からなる線ヒータ5の製造が簡単であり、また、線ヒータ5を転写させてなるランプレンズ4(プリズム部10と平面部11とが設けられているランプレンズ4)の製造も簡単である。この結果、この実施例1にかかる車両用灯具は、種々様々なランプレンズに転写させる種々様々な導電線ペースト19の線パターンのニーズ(設計やデザイン)に迅速にかつ簡単に対応することができる。
【0068】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具は、平面部11をプリズム部10の頂点よりも低い位置に設けるものであるから、ランプレンズ4の平面部11の肉厚をプリズム部10の肉厚よりも薄くすることができる。このために、この実施例1にかかる車両用灯具は、肉厚が薄い平面部11に線ヒータ5を転写して設けるものであるから、線ヒータ5で発生した熱を肉厚が薄い平面部11を介して融雪に効率良く利用することができる。
【0069】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具は、プリズム部10の頂点よりも低い位置の平面部11に線ヒータ5を転写して設けるものであるから、線ヒータ5の周囲が平面部11の周囲のプリズム部10によって囲まれている。このために、この実施例1にかかる車両用灯具は、線ヒータ5が周囲のプリズム部10により他のものとの接触などから保護することができるので、線ヒータ5が平面部11から剥がれたりするのを防止することができ、線ヒータ5の耐久性や安全性が向上される。
【0070】
さらにまた、この実施例1にかかる車両用灯具は、平面部11の幅W1をプリズム部10のピッチと同等もしくはほぼ同等とすることにより、平面部11が目立ち難くなり、しかも、平面部11に設けられている線ヒータ5も目立ち難くなり、見栄えが損なわれない。
【実施例2】
【0071】
図7〜図10は、この発明にかかる車両用灯具の実施例2を示す。図中、図1〜図6と同符号は、同一のものを示す。以下、この実施例2にかかる車両用灯具について説明する。
【0072】
この実施例2にかかる車両用灯具は、平面部16およびコネクタ用の平面部25をプリズム部10の頂点と同等の高さの位置もしくはプリズム部10の頂点よりも高い位置に設けるものである。前記平面部16の幅W3は、前記実施例1の平面部11の幅W1よりも小さく、線ヒータ5の幅W2よりも大きく、線ヒータ5を転写できる程度の幅をなす。
【0073】
この実施例2にかかる車両用灯具は、以上のごとき構成からなるので、前記の実施例1にかかる車両用灯具とほぼ同様の作用効果を達成することができる。特に、この実施例2にかかる車両用灯具は、平面部16をプリズム部10の頂点と同等の高さの位置もしくはプリズム部10の頂点よりも高い位置に設けるものであるから、平面部16の高さをプリズム部10の高さと同等もしくはそれよりも高くすることができる。このために、この実施例2にかかる車両用灯具は、線ヒータ5を平面部16に転写する際に、平面部16の周囲に線ヒータ5の転写の妨げとなるものが無いので、線ヒータ5を平面部16に簡単に転写させることができ、線ヒータ5の転写の作業性が向上される。また、コネクタ用の平面部25の高さをプリズム部10の高さと同等もしくはそれよりも高くすることにより、コネクタ12の取付の作業性が向上する。
【0074】
さらにまた、この実施例2にかかる車両用灯具は、平面部16の高さをプリズム部10の高さよりも高くすることができるので、線ヒータ5を平面部16に転写する際に、平面部16の周囲に線ヒータ5の転写の妨げとなるものが無い。このために、この実施例2にかかる車両用灯具は、平面部16の幅W3を線ヒータ5を転写できる程度に極力小さくすることができるので、その分、プリズム部10のうち平面部16により減らされる面積をできる限り少なくすることができる。この結果、この実施例2にかかる車両用灯具は、プリズム部10による配光制御された光の損失をできる限り少なくすることができ、配光性能への影響が少なくて済む。また、コネクタ用の平面部25の幅をコネクタ12を設けることができる程度に小さくすることにより、配光制御された光の損失を少なくすることができる。
【0075】
以下、前記の実施例1、2以外の例について説明する。前記の実施例1、2においては、線ヒータ5をランプレンズ4の光透過部の内面に設けるものである。ところが、この発明においては、線ヒータ5をランプレンズ4の外面もしくは内外両面に設けても良い。
【0076】
また、前記の実施例1、2においては、線ヒータ5をランプレンズ4の光透過部の内面に設けるものである。ところが、この発明においては、線ヒータに高温発熱部と低温発熱部との少なくとも2つの発熱部を形成しても良い。
【0077】
さらに、前記の実施例1、2は、車両のリアコンビネーションランプ1のランプレンズ4に使用した例を説明するものである。ところが、この発明においては、車両のリアコンビネーションランプ1以外の車両用灯具、たとえば、ヘッドランプやフォグランプなどの車両用前照灯などのランプレンズに使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】この発明にかかる車両用灯具の実施例1を示し、車両のリアコンビネーションランプに使用されている状態の斜視図である。
【図2】同じく、図1におけるA−A線断面図である。
【図3】同じく、図1におけるB−B線断面図である。
【図4】同じく、ランプレンズに転写する線ヒータの製造工程と、ランプレンズに線ヒータを転写する転写工程を示す説明図である。
【図5】同じく、ランプレンズに線ヒータを転写する前の状態を示す一部拡大断面図である。
【図6】同じく、ランプレンズに線ヒータを転写した後の状態を示す一部拡大断面図である。
【図7】この発明にかかる車両用灯具の実施例2を示し、図1におけるA−A線断面図である。
【図8】同じく、図1におけるB−B線断面図である。
【図9】同じく、ランプレンズに線ヒータを転写する前の状態を示す一部拡大断面図である。
【図10】同じく、ランプレンズに線ヒータを転写した後の状態を示す一部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0079】
CL カット箇所
W1 平面部の幅
W2 線ヒータの幅
W3 平面部の幅
1 リアコンビネーションランプ(車両用灯具)
2A テールストップランプユニット
2B ターンシグナルランプユニット
3 ランプハウジング
4 ランプレンズ
5 線ヒータ
6 給電部
7 光源
8 灯室
9 反射面
10 プリズム部
11 平面部
12 コネクタ
13 ハーネス
14 グロメット
15 電源側のコネクタ
16 平面部
17 ベースフィルム
18 接着剤
19 導電性ペースト(導電性部材)
20 レジスト
21 セパレータ
22 剥離シート
23 シート部材
24 コネクタ用の平面部
25 コネクタ用の平面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配光制御するプリズムが設けられていて、かつ、融雪構造が設けられているランプレンズを備える車両用灯具において、
灯室を区画するランプハウジングおよび前記ランプレンズと、
前記灯室内に配置されている光源と、
前記ランプレンズに転写により設けられている線ヒータと、
前記線ヒータに電流を供給する給電部と、
を備え、
前記線ヒータは、ベースフィルムと、前記ベースフィルムの一面に設けられている接着剤と、前記ベースフィルムの他面に線パターンに形成されていて電流が供給されることにより発熱する導電性部材と、前記ベースフィルムの他面に前記導電性部材を覆うように設けられているレジストと、から構成されており、前記ベースフィルムが前記導電性部材の線パターンに倣ったパターンにカットされていて、前記接着剤を前記ランプレンズに接着させて線パターンの前記導電性部材を前記ランプレンズに転写させる転写式の線ヒータであり、
前記ランプレンズには、前記光源からの光を配光制御して外部に照射するプリズム部と、前記線ヒータを転写させるための平面部と、がそれぞれ設けられている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記平面部は、前記プリズム部の頂点よりも低い位置に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記平面部は、前記プリズム部の頂点と同等の高さの位置もしくは前記プリズム部の頂点よりも高い位置に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項4】
前記平面部の幅は、前記プリズム部のピッチと同等もしくはほぼ同等である、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−181706(P2008−181706A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−12834(P2007−12834)
【出願日】平成19年1月23日(2007.1.23)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】