説明

車両用空気調和装置

【課題】配風量制御の際、温風温度や冷風温度の変化による車室内温度の変化が抑えられ、車室内温度の変化による乗員に与える違和感を解消することができる車両用空気調和装置を提供すること。
【解決手段】空調ケース1内に上流のブロワユニット19と下流のケース吹き出し口との間に、エバポレータ2、フロント冷風ドア10R,10L及びフロント暖風ドア11R,11L、ヒータコア3、を配置し、空調ケース1内を流れる送風通路をセンター仕切り板20により第1通路と第2通路とに画成した車両用空気調和装置において、配風量制御手段(図6)は、第1通路配風量と第2通路配風量のうち少なくとも一方の配風量を増減制御する場合、配風量増減制御の実行に伴う車室内温度の変化を抑えるように吹出風温度の補正を行う吹出風温度補正手段(ステップS406〜ステップS417)を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調ケース内を流れる送風通路を隔壁により第1通路と第2通路に画成し、2つの通路について独立に吹出風温度制御と配風量制御を行う車両用空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空調ケース内の空調ケース内を流れる送風通路を隔壁により左側通路と右側通路に画成し、左側通路配風量と右側通路配風量を制御する車両用空気調和装置としては、送風機の下流位置で、エバポレータの上流位置に1枚の配風比制御用回転式ドアを設け、ドア角度位置の設定により左側通路配風量と右側通路配風量を制御するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、空調ケース内の空調ケース内を流れる送風通路を隔壁により左側通路と右側通路に画成し、左側通路配風量と右側通路配風量を制御する車両用空気調和装置としては、冷温風の混合割合を決める冷風ドアと暖風ドアを配風ドアとして利用し、冷温風の混合割合を一定に維持したままで左側通路と右側通路の通路面積を制御するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特許第2682627号公報
【特許文献2】特開2004−306936号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用空気調和装置にあっては、配風量制御時、いずれも温調ドア(エアミックスドア、冷風ドアと暖風ドア)による温風と冷風の割合を一定に維持したままで、エバポレータの上流位置に設けた配風比制御用回転式ドア(特許文献1)や冷風ドアと暖風ドア(特許文献2)を制御することにより、空調ケース内の左右通路を経過して車室内に吹き出す配風量を変化させている。
【0005】
このように、温風と冷風の割合を一定に維持したまま配風量制御が実行されるため、配風量制御により車室吹き出し口から車室内に向かって吹き出される温風温度や冷風温度が変化する。そして、この車室内に向かって吹き出される温風温度や冷風温度の変化は、車室内温度の変化としてあらわれ、例えば、冷房時に冷風温度が高くなると車室内温度が上昇するし、暖房時に温風温度が低くなると車室内温度が低下するというように、乗員に違和感を与えてしまう、という問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、配風量制御の際、温風温度や冷風温度の変化による車室内温度の変化が抑えられ、車室内温度の変化による乗員に与える違和感を解消することができる車両用空気調和装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明では、空調ケース内に上流の送風機と下流のケース吹き出し口との間に、冷房用熱交換器、エアミックスドア、暖房用熱交換器、を配置し、前記空調ケース内を流れる送風通路を隔壁により第1通路と第2通路に画成し、第1通路吹出風温度と第2通路吹出風温度を独立に制御する吹出風温度制御手段と、第1通路配風量と第2通路配風量を制御する配風量制御手段と、を備えた車両用空気調和装置において、
前記配風量制御手段は、第1通路配風量と第2通路配風量のうち少なくとも一方の配風量を増減制御する場合、配風量増減制御の実行に伴う車室内温度の変化を抑えるように吹出風温度の補正を行う吹出風温度補正手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
よって、本発明の車両用空気調和装置にあっては、配風量制御手段において、第1通路配風量と第2通路配風量のうち少なくとも一方の配風量が増減制御される場合、吹出風温度補正手段において、配風量増減制御の実行に伴う車室内温度の変化を抑えるように吹出風温度の補正が行われる。
このため、配風量制御を実行することにより車室内に向かって吹き出される温風温度や冷風温度が変化しようとしても、吹出風温度の補正により、車室吹き出し口から車室内に向かって吹き出される温風温度や冷風温度が、風量変化の前後において変わらない、あるいは、風量変化の前後において小さく抑えられたものとなる。
この結果、配風量制御の際、温風温度や冷風温度の変化による車室内温度の変化が抑えられ、車室内温度の変化による乗員に与える違和感を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の車両用空気調和装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1及び実施例2に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の左右独立温調タイプの空調ユニットA/U(車両用空気調和装置の一例)を示す縦断面図、図2は実施例1の空調ユニットA/Uの左右ベントドアと左右フットドアと左右リアモードドアを示す縦断正面図である。図3は実施例1の空調ユニットA/Uにベントダクトとフットダクトを設定した状態での吹き出し温センサの設置位置を示す図である。
【0011】
実施例1における空調ユニットA/Uは、図1及び図2に示すように、空調ケース1と、エバポレータ2(冷却用熱交換器)と、ヒータコア3(暖房用熱交換器)と、デフドア4と、ベントドア5R,5Lと、フットドア6R,6Lと、リアモードドア9R,9Lと、フロント冷風ドア10R,10L(エアミックスドア)と、フロント暖風ドア11R,11L(エアミックスドア)と、リアフット接続口13と、リアベント接続口14と、ブロワ接続口15と、インテークドア17と、ブロワモータ18と、ブロワユニット19(送風機)と、センター仕切り板20(隔壁)と、右側通路21(第1通路)と、左側通路22(第2通路)と、を備えている。
【0012】
実施例1における空調ユニットA/Uは、図1に示すように、空調ケース1内に上流のブロワユニット19側から下流のケース吹き出し口側に向かって順に、エバポレータ2、フロント冷風ドア10R,10L及びフロント暖風ドア11R,11L、ヒータコア3を配置している。
【0013】
前記エバポレータ2は、インテークドア17により選択された内気または外気をブロワユニット19により吸い込み、ブロワ接続口15を介して入口側に導かれる送風を冷却する熱交換器である。前記インテークドア17は、内外気ドアアクチュエータ16により内外気の切り替え制御が行われる。
【0014】
前記ヒータコア3は、前記エバポレータ2、前記フロント冷風ドア10R,10L及び前記フロント暖風ドア11R,11Lの下流位置に配置され、加熱媒体としてエンジン冷却水等を循環させることで、通過する風を暖める熱交換器である。
【0015】
前記デフドア4は、デフモードの選択時に開かれるドアで、図1に示すように、空調ケース1のデフ吹き出し口に配置される。このデフドア4は、デフドアアクチュエータ23によりドア開度が制御される。
【0016】
前記ベントドア5R,5Lは、図2に示すように、ベントモードの選択時に開かれるドアで、空調ケース1のデフ吹き出し口に左右一対配置される。このベントドア5R,5Lは、右ベントドアアクチュエータ24Rと左ベントドアアクチュエータ24Lにより左右独立にドア開度が制御される。
【0017】
前記フットドア6R,6Lは、フットモードの選択時に開かれるドアで、図2に示すように、空調ケース1のデフ吹き出し口に左右一対配置される。このフットドア6R,6Lは、右フットドアアクチュエータ25Rと左フットドアアクチュエータ25Lにより左右独立にドア開度が制御される。
【0018】
前記リアモードドア9R,9Lは、リアベントモードやリアフットモードの選択時に開かれるドアで、図2に示すように、空調ケース1のリアベント接続口14及びブロワ接続口15の上流位置に左右一対配置される。このリアモードドア9R,9Lは、右リアモードドアアクチュエータ26Rと左リアモードドアアクチュエータ26Lにより左右独立にドア開度が制御される。
【0019】
前記フロント冷風ドア10R,10Lは、前記エバポレータ2の下流位置に配置され、エバポレータ2を経過した冷風量を左右独立に制御する。このフロント冷風ドア10R,10Lは、右フロント冷風ドアアクチュエータ27Rと左フロント冷風ドアアクチュエータ27Lにより左右独立にドア開度が制御される。
【0020】
前記フロント暖風ドア11R,11Lは、前記ヒータコア3の上流位置に配置され、ヒータコア3の熱交換面に流入させる温風入口風量を左右独立に制御する。このフロント暖風ドア11R,11Lは、右フロント暖風ドアアクチュエータ28Rと左フロント暖風ドアアクチュエータ28Lにより左右独立にドア開度が制御される。
【0021】
そして、前記フロント冷風ドア10R,10L及び前記フロント暖風ドア11R,11Lにより、エバポレータ2を経過した冷風と、ヒータコア3を経過した温風と、の混合割合を各ドア開度により左右独立制御する。つまり、冷風と温風の混合割合で決まる吹出風温度を左右独立制御する。
【0022】
実施例1における空調ユニットA/Uは、図2に示すように、エバポレータ2から下流側の通路をセンター仕切り板20により右側通路21と左側通路22とに画成し、右側通路吹出風温度と左側通路吹出風温度を独立に制御する吹出風温度制御と、右側通路配風量と左側通路配風量を制御する配風量制御を行うようにしている。
実施例1での吹出風温度制御と配風量制御と吹出風温度補正は、フロント冷風ドア10R,10L及びフロント暖風ドア11R,11Lのドア開度制御により行う。
【0023】
前記右側通路21と連通するベント吹き出し口には、図3に示すように、右側フロントベントダクト7Rが接続され、前記右側通路21と連通するフット吹き出し口には、図3に示すように、右側フロントフットダクト8Rが接続される。
【0024】
前記左側通路22と連通するベント吹き出し口には、図3に示すように、左側フロントベントダクト7Lが接続され、前記左側通路22と連通するフット吹き出し口には、図3に示すように、左側フロントフットダクト8Lが接続される。
【0025】
そして、左右のフロントベントダクト7R,7Lの左右位置の前席側乗員のそれぞれに向かって2方向から温調風を吹き出すベントグリル7a,7b,7c,7dの各位置に吹き出し温センサ30が設けられる。また、左右のフロントフットダクト8R,8Lの左右位置の前席側乗員のそれぞれに向かって温調風を吹き出すフットグリル8a,8bの各位置に吹き出し温センサ30が設けられる。
【0026】
次に、空調制御系の構成について説明する。
図4は実施例1の空調ユニットA/Uにおける空調制御ブロック図である。
空調制御系の空調コントロールユニット40に入力情報をもたらす情報源として、吹き出し温センサ30と、外気温センサ31と、室内温Rセンサ32と、室内温Lセンサ33と、吸い込み温センサ34と、日射量センサ35と、コントロールパネル36と、を備えている。
【0027】
前記コントロールパネル36には、左右独立の温度設定手段として、右温度設定ダイアル36aと、左温度設定ダイアル36bと、を備えている。そして、内外気切替手段として、内外気切替スイッチ36cを備えている。そして、吹出口モード(ベントモード、バイレベルモード、フットモード、デフモード等)を選択する手段として吹出しモードスイッチ36dを備えている。そして、風量アップや風量ダウンの操作手段として、風量切替スイッチ36eを備えている。そして、左右独立の配風量設定手段として、右風量調整ダイアル36fと、左風量調整ダイアル36gと、を備えている。
【0028】
加えて、前記コントロールパネル36には、空調制御を開始するためのエアコンスイッチ36hと、吸込口,吹出口,ファンスピード及び吹出風温度を自動制御するオートスイッチ36iと、空調制御を終了するためのオフスイッチ36jと、を有する。
【0029】
前記空調コントロールユニット40により制御される出力系として、コンプレッサ制御用のコンプレッサクラッチ37と、風量制御用のブロワモータ18と、吸込口制御用の内外気ドアアクチュエータ16と、を備えている。そして、吹出口制御用として、右ベントドアアクチュエータ24Rと、左ベントドアアクチュエータ24Lと、右フットドアアクチュエータ25Rと、左フットドアアクチュエータ25Lと、を備えている。そして、左右独立の吹出風温度制御用及び配風量制御用として、右冷風ドアアクチュエータ27Rと、左冷風ドアアクチュエータ27Lと、右暖風ドアアクチュエータ28Rと、左暖風ドアアクチュエータ28Lと、を備えている。そして、後席側吹出風温度制御用として、右リアモードドアアクチュエータ26Rと、左リアモードドアアクチュエータ26Lと、を備えている。
【0030】
図5(a)は実施例1の空調コントロールユニット40により実行される空調制御処理の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、この空調制御処理は、エアコンスイッチ36hの操作により開始し、所定の制御周期により繰り返し実行され、オフスイッチ36jの操作により終了する。
【0031】
ステップS1は、各制御に必要な入力情報を読み込む。
具体的には、吹き出し温センサ30、外気温センサ31、室内温Rセンサ32、室内温Lセンサ33、吸い込み温センサ34、日射量センサ35からのセンサ情報と、コントロールパネル36からの各設定情報やスイッチ情報を読み込む。
【0032】
ステップS2は、ステップS1での入力情報の読み込みに続き、入力されたセンサ情報に基づいて入力データ処理を行う。
具体的には、外気温センサ31からの入力データは、空調制御用及び外気温度表示用に外気温度補正を行う。室内温Rセンサ32及び室内温Lセンサ33からの入力データは、運転席側空調制御用と助手席側空調制御用にそれぞれ室内温度補正を行う。吸い込み温センサ34からの入力データは、空調制御用に吸込温度補正を行う。日射量センサ35からの入力データは、運転席側空調制御用と助手席側空調制御用にそれぞれ日射量補正を行う。
【0033】
ステップS3は、ステップS2での入力データ処理に続き、図5(b)に示すフローチャートにしたがって、左右独立の吹出風温度制御を行う(吹出風温度制御手段)。
この吹出風温度制御は、空調作動時、作動状態にかかわらず、常に吹出風温度の自動制御を行っている。そして、吹出風温度の自動制御は、左右の温度設定ダイアル36a,36bに対する操作で乗員が希望する温度に設定すると、図5(b)に示すように、設定温度を読み込み(ステップS301)、外気温に応じて設定温度に対して乗員の体感温度に合わせるように設定温度の補正を行い(ステップS302)、各センサからの信号を用いて演算処理を行い、温調ドアであるフロント冷風ドア10R,10Lとフロント暖風ドア11R,11Lのドア開度値を決定する(ステップS303)。そして、目標ドア開度値と現時点のドア開度値を基に、ドアアクチュエータ27R,27L,28R,28Lの制御値を算出し(ステップS304)、算出した制御値を出力し(ステップS305)、常に最適な温調ドア開度となるように制御する。
【0034】
ステップS4は、ステップS3での左右独立の吹出風温度制御に続き、後述する図6に示すフローチャートにしたがって、左右独立の配風量制御を行う(配風量制御手段)。
なお、図6に示すフローチャートでは、風量切替スイッチ36eや左右の風量調整ダイアル36f,36gへの調整操作に基づく、手動風量制御について説明する。しかし、手動風量制御以外に、図外のデフスイッチを押した場合の自動風量制御、起動風量制御、低水温起動風量制御、車室内高温時起動風量制御、アクチュエータ作動時風量制御、音声認識時風量制御等を加えても良い。
【0035】
ステップS5は、ステップS4での左右独立の配風量制御に続き、吹出口制御(モード制御)を行う。
この吹出口制御のうち、手動制御では、吹出しモードスイッチ36dにて選択された吹出口モード(ベントモード、バイレベルモード、フットモード、デフモード等)を得るようにモードドアの開閉を制御する。オートスイッチ36iをONにしての自動制御では、目標温調ドア開度や日射量等に基づいて算出した吹出風温度に応じて、吹出口モードのいずれかを自動選択する。
【0036】
ステップS6では、ステップS5での吹出口制御に続き、外気導入か内気循環かの吸込口制御を行う。
この吹出口制御のうち、手動制御では、内外気切替スイッチ36cにて選択された外気導入/内気循環にしたがってインテークドア17のドア位置を制御する。オートスイッチ36iをONにしての自動制御では、車室内温度、外気温度、日射量等に基づいて算出した温調ドア開度に応じて、外気導入、20%〜80%外気導入、内気循環のいずれかを自動選択する。
【0037】
ステップS7では、ステップS6での吸込口制御に続き、エバポレータ2を有する冷凍サイクルに設定されたコンプレッサの作動制御を行う。
基本的には、エアコンスイッチ36hやオートスイッチ36iを押すと、コンプレッサクラッチ37を接続し、コンプレッサを作動させる。
また、コンプレッサ保護制御(圧力異常時コンプレッサ保護制御、コンプレッサオイル循環制御、エバポレータ凍結保護制御、稼働率制御等)、エンジン高負荷時のエアコンカット制御、フェイルセーフ制御等も併せて行われる。
【0038】
図6は実施例1の空調コントロールユニット40により実行される左右独立の配風量制御処理(図5(a)のステップS4)の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0039】
ステップS401は、風量切替スイッチ36eや左右の風量調整ダイアル36f,36gへの調整操作による風量情報を読み込む。
【0040】
ステップS402は、ステップS401での風量情報の読み込みに続き、右側通路21と左側通路22への風量指令が左右均等の風量指令時であるか否かを判断する。このステップS402にて、YESと判断された場合はステップS403へ移行し、NOと判断された場合はステップS406へ移行する。
【0041】
ステップS403は、ステップS402での左右均等の風量指令時であるとの判断に続き、読み込まれた風量情報に基づいて目標風量を算出する。なお、フロント冷風ドア10R,10Lとフロント暖風ドア11R,11Lのドア開度は、吹出風温度制御により決定されたドア開度とする。
【0042】
ステップS404は、ステップS403での目標風量の算出に続き、目標風量を得るブロワモータ18へのブロワ電圧制御値を算出する。
【0043】
ステップS405は、ステップS404でのブロワ電圧制御値を算出、あるいは、ステップS417での温調ドアアクチュエータ制御値の算出に続き、図6の処理にて算出されたブロワ電圧制御値、温調ドアアクチュエータ制御値の各制御値を出力する。
【0044】
ステップS406は、ステップS402での左右不均等の風量指令時であるとの判断に続き、吹き出し温センサ30からの吹き出し温度情報と、左右の風量調整ダイアル36f,36gへの調整操作による左右風量差情報を読み込む。
【0045】
ステップS407は、ステップS406での吹き出し温度・風量差の読み込みに続き、吹き出し温度と外気温の差温に基づき、暖房時(吹き出し温度−外気温≧設定温度)か中間時(|吹き出し温度−外気温|<設定温度)か冷房時(外気温−吹き出し温度≧設定温度)かの判断をする。暖房時と判断されたときはステップS408へ移行し、中間時であると判断されたときはステップS411へ移行し、冷房時であると判断されたときはステップS414へ移行する。
【0046】
ステップS408は、ステップS407での暖房時であるとの判断に続き、ステップS406にて読み込まれた風量差情報に基づき、風量減少時であるか風量増加時であるかを判断する。風量減少時であると判断されたときはステップS409へ移行し、風量増加時であると判断されたときはステップS410へ移行する。
【0047】
ステップS409は、ステップS408での暖房時における風量減少時であるとの判断に続き、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量減少側通路の冷風ドアのドア開度を風量変化率に応じて小さくし、風量減少側通路の暖風ドアのドア開度を固定とする。つまり、配風量の制御を行うと共に、冷風と温風の混合割合として、温風の混合割合を風量減少率が高いほど相対的に高くすることで、吹出風温度を高める補正を行うようにしている。
ここで、冷風ドアと暖風ドアのドア開度は、図7の基準値に対する暖風ドア&冷風ドアの変化特性に示すように、暖房時に風量変化率が100%から50%まで変化するときは、暖風ドアのドア開度は固定のままで、冷風ドアのドア開度を風量変化率が0%から50%となるように小さくする。この場合、図9の冷風ドア開度特性に示すように、例えば、冷風ドア開度10%減少させることにより、風量は15%減少させることができる。
【0048】
ステップS410は、ステップS408での暖房時における風量増加時であるとの判断に続き、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量増加側通路の冷風ドアのドア開度を固定とし、風量増加側通路の暖風ドアのドア開度を風量変化率に応じて大きくする。つまり、配風量の制御を行うと共に、冷風と温風の混合割合として、温風の混合割合を風量増加率が高いほど高くすることで、吹出風温度を高める補正を行うようにしている。
【0049】
ステップS411は、ステップS407での中間時であるとの判断に続き、ステップS406にて読み込まれた風量差情報に基づき、風量減少時であるか風量増加時であるかを判断する。風量減少時であると判断されたときはステップS412へ移行し、風量増加時であると判断されたときはステップS413へ移行する。
【0050】
ステップS412は、ステップS411での中間時における風量減少時であるとの判断に続き、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量減少側通路の冷風ドアと暖風ドアのドア開度を風量変化率に応じて共に小さくする。つまり、配風量の制御を行うと共に、中間時であることで冷風と温風の混合割合による吹出風温度の変化を抑えるようにしている。
【0051】
ステップS413は、ステップS411での中間時における風量増加時であるとの判断に続き、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量増加側通路の冷風ドアと暖風ドアのドア開度を風量変化率に応じて共に大きくする。つまり、配風量の制御を行うと共に、中間時であることで冷風と温風の混合割合による吹出風温度の変化を抑えるようにしている。
【0052】
ステップS414は、ステップS407での冷房時であるとの判断に続き、ステップS406にて読み込まれた風量差情報に基づき、風量減少時であるか風量増加時であるかを判断する。風量減少時であると判断されたときはステップS415へ移行し、風量増加時であると判断されたときはステップS416へ移行する。
【0053】
ステップS415は、ステップS414での冷房時における風量減少時であるとの判断に続き、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量減少側通路の冷風ドアのドア開度を固定とし、風量減少側通路の暖風ドアのドア開度を風量変化率に応じて小さくする。つまり、配風量の制御を行うと共に、冷風と温風の混合割合として、冷風の混合割合を風量減少率が高いほど相対的に高くすることで、吹出風温度を低くする補正を行うようにしている。
ここで、冷風ドアと暖風ドアのドア開度は、図7の基準値に対する暖風ドア&冷風ドアの変化特性に示すように、冷房時に風量変化率が100%から50%まで変化するときは、冷風ドアのドア開度は固定のままで、暖風ドアのドア開度を風量変化率が0%から50%となるように小さくする。この場合、図9の暖風ドア開度特性に示すように、例えば、暖風ドア開度10%減少させることにより、風量は10%減少させることができる。
【0054】
ステップS416は、ステップS414での冷房時における風量増加時であるとの判断に続き、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量増加側通路の冷風ドアのドア開度を風量変化率に応じて大きくし、風量増加側通路の暖風ドアのドア開度を固定する。つまり、配風量の制御を行うと共に、冷風と温風の混合割合として、冷風の混合割合を風量増加率が高いほど高くすることで、吹出風温度を低くする補正を行うようにしている。
【0055】
ステップS417は、ステップS409、ステップS410、ステップS412、ステップS413、ステップS415、ステップS416の何れかのステップでの冷風ドアと暖風ドアのドア開度設定に続き、冷風ドアと暖風ドアの設定ドア開度と現在の冷風ドアと暖風ドアのドア開度に基づき、温調ドアアクチュエータ制御値を算出する。このステップS417からステップS405へ移行する。
【0056】
なお、ステップS406〜ステップS417は、実施例1の配風量増減制御手段および配風量増減制御の実行に伴う車室内温度の変化を抑えるように吹出風温度の補正を行う吹出風温度補正手段に相当する。
【0057】
次に、作用を説明する。
実施例1の左右独立温調タイプの空調ユニットA/Uでは、エアコンスイッチ36hの操作により空調制御処理が開始され、図5(a)に示すフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS5→ステップS6→ステップS7へと進む流れが、所定の制御周期により繰り返し実行される。
これによって、右側通路21の吹出風温度と左側通路22の吹出風温度を独立に制御する左右独立の吹出温度制御、右側通路21の配風量と左側通路22の配風量を独立に制御する左右独立の配風量制御、吹出口制御(モード制御)、吸込口制御、コンプレッサ制御による一連の空調制御が実行される。そして、一連の空調制御は、オフスイッチ36jの操作により終了する。
【0058】
また、実施例1の左右独立温調タイプの空調ユニットA/Uでは、左右の風量調整ダイアル36f,36gへの調整操作が無く、左右均等風量である場合、図6のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS403→ステップS404→ステップS405へと進む。つまり、風量切替スイッチ36eへのスイッチ操作に応じて目標風量を算出し、算出した目標風量を得るブロワモータ18へのブロワ電圧制御値を算出し、ブロワ電圧制御値をブロワモータ18に出力することで、風量切替スイッチ36eに対し風量を上げたり風量を下げたりするスイッチ操作が行われた場合、スイッチ操作に応じたブロワユニット19からの風量増減により、左右均等風量を保っての風量増減制御が行われる。
【0059】
以下、実施例1の左右独立温調タイプの空調ユニットA/Uにおける「吹出風温度補正を伴う配風量制御作用」について説明する。
【0060】
[吹出風温度補正を伴う配風量制御作用]
左右の風量調整ダイアル36f,36gへの調整操作により、左右不均等風量にする指令が出力された場合、暖房時の風量増減と、中間時の風量増減と、冷房時の風量増減という6つのパターンにより(図8参照)、冷暖房時に一方のドア開度を固定する吹出風温度補正を伴う配風量制御が行われる。
【0061】
・暖房時の風量減
暖房時の風量減のときは、図6のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS406→ステップS407→ステップS408→ステップS409→ステップS417→ステップS405へと進む。
すなわち、ステップS409において、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量減少側通路の冷風ドアのドア開度が風量変化率に応じて小さくされ、風量減少側通路の暖風ドアのドア開度が固定とされる(図8の最上段)。
したがって、冷風ドアと暖風ドアのトータルドア開度を小さくすることで、暖房時に配風量を減少する制御が行われると共に、冷風ドアのドア開度のみを小さくし、冷風と温風の混合割合として、温風の混合割合を風量減少率が高いほど相対的に高くすることで、吹出風温度を高める補正が行われる。
【0062】
・暖房時の風量増
暖房時の風量増のときは、図6のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS406→ステップS407→ステップS408→ステップS410→ステップS417→ステップS405へと進む。
すなわち、ステップS410において、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量増加側通路の冷風ドアのドア開度が固定とされ、風量増加側通路の暖風ドアのドア開度が風量変化率に応じて大きくされる(図8の2段目)。
したがって、冷風ドアと暖風ドアのトータルドア開度を大きくすることで、配風量を増加する制御が行われると共に、冷風と温風の混合割合として、温風の混合割合を風量増加率が高いほど高くすることで、吹出風温度を高める補正が行われる。
【0063】
・中間時の風量減
中間時の風量減のときは、図6のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS406→ステップS407→ステップS411→ステップS412→ステップS417→ステップS405へと進む。
すなわち、ステップS412において、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量減少側通路の冷風ドアと暖風ドアのドア開度が風量変化率に応じて共に小さくされる(図8の3段目)。
したがって、冷風ドアと暖風ドアのトータルドア開度を小さくすることで、配風量を減少する制御が行われると共に、体感温度や車室内温度への影響が小さい中間時であるため、風量減少分のドア開度を冷風ドアと暖風ドアにより分担することで、冷風と温風の混合割合による吹出風温度の変化が抑えられる。
【0064】
・中間時の風量増
中間時の風量増のときは、図6のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS406→ステップS407→ステップS411→ステップS413→ステップS417→ステップS405へと進む。
すなわち、ステップS413において、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量増加側通路の冷風ドアと暖風ドアのドア開度が風量変化率に応じて共に大きくされる(図8の4段目)。
したがって、冷風ドアと暖風ドアのトータルドア開度を大きくすることで、配風量を増加する制御が行われると共に、体感温度や車室内温度への影響が小さい中間時であるため、風量増加分のドア開度を冷風ドアと暖風ドアにより分担することで、冷風と温風の混合割合による吹出風温度の変化が抑えられる。
【0065】
・冷房時の風量減
冷房時の風量減のときは、図6のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS406→ステップS407→ステップS414→ステップS415→ステップS417→ステップS405へと進む。
すなわち、ステップS415において、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量減少側通路の冷風ドアのドア開度が固定とされ、風量減少側通路の暖風ドアのドア開度が風量変化率に応じて小さくされる(図8の5段目)。
したがって、冷風ドアと暖風ドアのトータルドア開度を小さくすることで、配風量を減少する制御が行われると共に、冷風と温風の混合割合として、冷風の混合割合を風量減少率が高いほど相対的に高くすることで、吹出風温度を低く抑える補正が行われる。
【0066】
・冷房時の風量増
冷房時の風量増のときは、図6のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS406→ステップS407→ステップS414→ステップS416→ステップS417→ステップS405へと進む。
すなわち、ステップS416において、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量増加側通路の冷風ドアのドア開度が風量変化率に応じて大きくされ、風量増加側通路の暖風ドアのドア開度が固定される(図8の最下段)。
したがって、冷風ドアと暖風ドアのトータルドア開度を大きくすることで、配風量を増加する制御が行われると共に、冷風と温風の混合割合として、冷風の混合割合を風量増加率が高いほど高くすることで、吹出風温度を低く抑える補正が行われる。
【0067】
上記のように冷暖房時に左右不均等の配風量制御を行う場合、吹出風温度の補正制御が必要な理由を説明する。
冷暖房時、冷風と温風の混合割合を一定に維持したまま配風量を減少する制御を行うと、配風量の減少により混合した温調風の流速が低下し、空調ケース1からフットダクト8R,8L、フット吹出口8a,8bを介して車室内に温調風を導入するのに要する時間が長くなる。このため、暖房時には温熱の損失が大きくなり、車室内温度の低下を招くし、冷房時には冷熱の損失が大きくなり、車室内温度の上昇を招く。
【0068】
一方、冷暖房時、冷風と温風の混合割合を一定に維持したまま配風量を増加する制御を行うと、配風量の増加により混合した温調風の流速が増大し、熱交換器であるエバポレータ2やヒータコア3での熱交換効率が低下する。このため、暖房時には熱交換の主体となるヒータコア3での熱交換効率の低下により車室内温度の低下を招くし、冷房時には熱交換の主体となるエバポレータ2での熱交換効率の低下により車室内温度の上昇を招く。
【0069】
ただし、中間時、冷風と温風の混合割合を一定に維持したまま配風量を減少する制御を行っても、温熱の損失や冷熱の損失が少ない。また、中間時、冷風と温風の混合割合を一定に維持したまま配風量を増加する制御を行っても、エバポレータ2やヒータコア3での熱交換効率の低下影響が少ない。
【0070】
これに対し、実施例1の左右独立温調タイプの空調ユニットA/Uでは、暖房時、冷風ドアと暖風ドアのドア開度制御により吹出風温度の高める補正を伴う配風量増減制御を行うため、暖房時に配風量の減少制御と配風量を増加制御のうち、いずれの制御を実行しても、車室内温度が低下することを防止できる。
【0071】
また、実施例1の左右独立温調タイプの空調ユニットA/Uでは、冷房時、冷風ドアと暖風ドアのドア開度により吹出風温度の低くする補正を伴う配風量増減制御を行うため、冷房時に配風量の減少制御と配風量の増加制御のうち、いずれの制御を実行しても、車室内温度が上昇することを防止できる。
【0072】
さらに、実施例1の左右独立温調タイプの空調ユニットA/Uでは、中間時、冷風ドアと暖風ドアのドア開度により冷風と温風の混合割合を一定に保ちながらの配風量増減制御を行うため、中間時に配風量の減少制御と配風量の増加制御のうち、いずれの制御を実行しても、車室内温度の変化を小さく抑えることができる。
【0073】
次に、効果を説明する。
実施例1の空調ユニットA/Uにあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
【0074】
(1) 空調ケース1内に上流のブロワユニット19と下流のケース吹き出し口との間に、エバポレータ2、エアミックスドア、ヒータコア3、を配置し、前記空調ケース1内を流れる送風通路をセンター仕切り板20により第1通路と第2通路とに画成し、第1通路吹出風温度と第2通路吹出風温度を独立に制御する吹出風温度制御手段(ステップS3)と、第1通路配風量と第2通路配風量を制御する配風量制御手段(ステップS4)と、を備えた車両用空気調和装置において、前記配風量制御手段(図6)は、第1通路配風量と第2通路配風量のうち少なくとも一方の配風量を増減制御する場合、配風量増減制御の実行に伴う車室内温度の変化を抑えるように吹出風温度の補正を行う吹出風温度補正手段(ステップS406〜ステップS417)を有するため、配風量制御の際、温風温度や冷風温度の変化による車室内温度の変化が抑えられ、車室内温度の変化による乗員に与える違和感を解消することができる。
【0075】
(2) 前記エアミックスドアは、前記第1通路での第1冷風ドアと第1暖風ドアと、前記第2通路での第2冷風ドアと第2暖風ドアを有し、前記吹出風温度制御手段(ステップS3)は、第1冷風ドアと第1暖風ドアのドア開度制御と第2冷風ドアと第2暖風ドアのドア開度制御により、冷風と温風の割合を調整して行い、前記配風量制御手段及び前記吹出風温度補正手段(図6)は、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準値とし、暖房時には、冷風ドアと暖風ドアのドア開度制御により吹出風温度の高める補正を伴う配風量増減制御を行い、冷房時には、冷風ドアと暖風ドアのドア開度により吹出風温度の低くする補正を伴う配風量増減制御を行うため、冷風ドアと暖風ドアのドア開度制御のみにより、吹出風温度制御の実行に加え、暖房時の吹出風温度の高める補正を伴う配風量増減制御と、冷房時の吹出風温度の低くする補正を伴う配風量増減制御を実行することができる。
【0076】
(3) 前記配風量制御手段及び前記吹出風温度補正手段(図6)は、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準値とし、暖房時の配風量減少指令に対し少なくとも冷風ドア開度を小さくし、暖房時の配風量増加指令に対し少なくとも暖風ドア開度を大きくし、冷房時の配風量減少指令に対し少なくとも暖風ドア開度を小さくし、冷房時の配風量増加指令に対し少なくとも冷風ドア開度を大きくするため、冷風ドアと暖風ドアのうち一方のドアに着目した制御により、暖房時に吹出風温度の高める補正を伴う配風量増減制御を行うことができると共に、冷房時に吹出風温度の低くする補正を伴う配風量増減制御を行うことができる。
【0077】
(4) 前記配風量制御手段及び前記吹出風温度補正手段は、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準値とし、冷房時と暖房時の中間時、配風量減少指令に対し冷風ドア開度と暖風ドア開度を共に小さくし、配風量増加指令に対し冷風ドア開度と暖風ドア開度を共に大きくするため、冷房時と暖房時の中間時、冷風と温風の混合割合を一定に保ちながらの配風量増減制御により、車室内温度の変化を小さく抑えることができる。
【0078】
(5) 前記第1通路は、右側モードドアを介して車両の右側車室に向かって温調風を吹き出す右側通路21であり、前記第2通路は、左側モードドアを介して車両の左側車室に向かって温調風を吹き出す左側通路22であるため、左右車室の配風量を左右席の一方の乗員からの増減要求に応じ、最適に制御することができる。
【0079】
(6) 前記配風量制御手段及び前記吹出風温度補正手段(図6)は、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準値とし、暖房時の配風量減少指令に対し暖風ドア開度を固定し冷風ドア開度のみを小さくし、暖房時の配風量増加指令に対し冷風ドア開度を固定し暖風ドア開度のみを大きくし、冷房時の配風量減少指令に対し冷風ドア開度を固定し暖風ドア開度のみを小さくし、冷房時の配風量増加指令に対し暖風ドア開度を固定し冷風ドア開度を大きくするため、冷風ドアと暖風ドアのうち一方のみのドア開度制御という簡単な制御手法により、暖房時に吹出風温度の高める補正を伴う配風量増減制御を行うことができると共に、冷房時に吹出風温度の低くする補正を伴う配風量増減制御を行うことができる。
【実施例2】
【0080】
実施例2は、冷暖房時に一方のドア開度を固定する実施例1の吹出風温度補正を伴う配風量制御に対し、冷暖房時に両方のドア開度を制御することで吹出風温度補正を伴う配風量制御とする例である。
なお、システム構成に関しては、実施例1の図1〜図4と同様であるので、図示並びに説明を省略する。また、空調コントロールユニット40により実行される空調制御処理及び左右独立の吹出風温度制御処理も実施例1の図5のフローチャートと同様であるので、図示並びに説明を省略する。
【0081】
図10は実施例2の空調コントロールユニット40により実行される左右独立の配風量制御処理(図5(a)のステップS4)の流れを示すフローチャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、ステップS409'とステップS410'とステップS415'とステップS416'を除く各ステップは、図6のフローチャートと同様の処理を行うステップであるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0082】
ステップS409'は、ステップS408での暖房時における風量減少時であるとの判断に続き、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量減少側通路の冷風ドアのドア開度を風量変化率に応じて小さくし、風量減少側通路の暖風ドアのドア開度を風量変化率に応じて少し小さくする。つまり、配風量の制御を行うと共に、冷風と温風の混合割合として、温風の混合割合を風量減少率が高いほど相対的に高くすることで、吹出風温度を高める補正を行うようにしている。
ここで、冷風ドアと暖風ドアのドア開度は、図11の基準値に対する暖風ドア&冷風ドアの変化特性に示すように、暖房時に風量変化率が100%から50%まで変化するとき、暖風ドアのドア開度を風量変化率が0%から10%となるように少し小さくし、冷風ドアのドア開度を風量変化率が0%から40%となるように小さくする。
【0083】
ステップS410'は、ステップS408での暖房時における風量増加時であるとの判断に続き、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量増加側通路の冷風ドアのドア開度を風量変化率に応じて少し大きくし、風量増加側通路の暖風ドアのドア開度を風量変化率に応じて大きくする。つまり、配風量の制御を行うと共に、冷風と温風の混合割合として、温風の混合割合を風量増加率が高いほど高くすることで、吹出風温度を高める補正を行うようにしている。
【0084】
ステップS415'は、ステップS414での冷房時における風量減少時であるとの判断に続き、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量減少側通路の冷風ドアのドア開度を風量変化率に応じて少し小さくし、風量減少側通路の暖風ドアのドア開度を風量変化率に応じて小さくする。つまり、配風量の制御を行うと共に、冷風と温風の混合割合として、冷風の混合割合を風量減少率が高いほど相対的に高くすることで、吹出風温度を低くする補正を行うようにしている。
ここで、冷風ドアと暖風ドアのドア開度は、図11の基準値に対する暖風ドア&冷風ドアの変化特性に示すように、冷房時に風量変化率が100%から50%まで変化するとき、冷風ドアのドア開度を風量変化率が0%から10%となるように少し小さくし、暖風ドアのドア開度を風量変化率が0%から40%となるように小さくする。
【0085】
ステップS416'は、ステップS414での冷房時における風量増加時であるとの判断に続き、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量増加側通路の冷風ドアのドア開度を風量変化率に応じて大きくし、風量増加側通路の暖風ドアのドア開度を風量変化率に応じて少し大きくする。つまり、配風量の制御を行うと共に、冷風と温風の混合割合として、冷風の混合割合を風量増加率が高いほど高くすることで、吹出風温度を低くする補正を行うようにしている。
【0086】
なお、ステップS406〜ステップS417は、実施例2の配風量増減制御手段および配風量増減制御の実行に伴う車室内温度の変化を抑えるように吹出風温度の補正を行う吹出風温度補正手段に相当する。
【0087】
次に、作用を説明する。
空調制御の全体作用と左右均等風量を保つ風量増減制御作用については、実施例1と同様であるので説明を省略する。
【0088】
以下、実施例1の左右独立温調タイプの空調ユニットA/Uにおける「吹出風温度補正を伴う配風量制御作用」について説明する。
【0089】
[吹出風温度補正を伴う配風量制御作用]
左右の風量調整ダイアル36f,36gへの調整操作により、左右不均等風量にする指令が出力された場合、暖房時の風量増減と、中間時の風量増減と、冷房時の風量増減という6つのパターンにより(図12参照)、冷暖房時に両ドア開度を調整する吹出風温度補正を伴う配風量制御が行われる。
【0090】
・暖房時の風量減
暖房時の風量減のときは、図10のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS406→ステップS407→ステップS408→ステップS409'→ステップS417→ステップS405へと進む。
すなわち、ステップS409'において、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量減少側通路の冷風ドアのドア開度が風量変化率に応じて小さくされ、風量減少側通路の暖風ドアのドア開度が風量変化率に応じて少し小さくされる(図12の最上段)。
したがって、冷風ドアと暖風ドアのトータルドア開度を小さくすることで、暖房時に配風量を減少する制御が行われると共に、冷風ドアのドア開度を暖風ドアのドア開度より小さくし、冷風と温風の混合割合として、温風の混合割合を風量減少率が高いほど相対的に高くすることで、吹出風温度を精度良く高める補正が行われる。
【0091】
・暖房時の風量増
暖房時の風量増のときは、図10のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS406→ステップS407→ステップS408→ステップS410'→ステップS417→ステップS405へと進む。
すなわち、ステップS410'において、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量増加側通路の冷風ドアのドア開度が風量変化率に応じて少し大きくされ、風量増加側通路の暖風ドアのドア開度が風量変化率に応じて大きくされる(図12の2段目)。
したがって、冷風ドアと暖風ドアのトータルドア開度を大きくすることで、配風量を増加する制御が行われると共に、冷風と温風の混合割合として、温風の混合割合を風量増加率が高いほど高くすることで、吹出風温度を精度良く高める補正が行われる。
【0092】
・中間時の風量減
中間時の風量減のときは、図10のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS406→ステップS407→ステップS411→ステップS412→ステップS417→ステップS405へと進む。
すなわち、ステップS412において、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量減少側通路の冷風ドアと暖風ドアのドア開度が風量変化率に応じて共に小さくされる(図12の3段目)。
したがって、冷風ドアと暖風ドアのトータルドア開度を小さくすることで、配風量を減少する制御が行われると共に、体感温度や車室内温度への影響が小さい中間時であるため、風量減少分のドア開度を冷風ドアと暖風ドアにより分担することで、冷風と温風の混合割合による吹出風温度の変化が抑えられる。
【0093】
・中間時の風量増
中間時の風量増のときは、図10のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS406→ステップS407→ステップS411→ステップS413→ステップS417→ステップS405へと進む。
すなわち、ステップS413において、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量増加側通路の冷風ドアと暖風ドアのドア開度が風量変化率に応じて共に大きくされる(図12の4段目)。
したがって、冷風ドアと暖風ドアのトータルドア開度を大きくすることで、配風量を増加する制御が行われると共に、体感温度や車室内温度への影響が小さい中間時であるため、風量増加分のドア開度を冷風ドアと暖風ドアにより分担することで、冷風と温風の混合割合による吹出風温度の変化が抑えられる。
【0094】
・冷房時の風量減
冷房時の風量減のときは、図10のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS406→ステップS407→ステップS414→ステップS415'→ステップS417→ステップS405へと進む。
すなわち、ステップS415'において、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量減少側通路の冷風ドアのドア開度が風量変化率に応じて少し小さくされ、風量減少側通路の暖風ドアのドア開度が風量変化率に応じて小さくされる(図12の5段目)。
したがって、冷風ドアと暖風ドアのトータルドア開度を小さくすることで、配風量を減少する制御が行われると共に、冷風と温風の混合割合として、冷風の混合割合を風量減少率が高いほど相対的に高くすることで、吹出風温度を精度良く低く抑える補正が行われる。
【0095】
・冷房時の風量増
冷房時の風量増のときは、図10のフローチャートにおいて、ステップS401→ステップS402→ステップS406→ステップS407→ステップS414→ステップS416'→ステップS417→ステップS405へと進む。
すなわち、ステップS416'において、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準とし、風量増加側通路の冷風ドアのドア開度が風量変化率に応じて大きくされ、風量増加側通路の暖風ドアのドア開度が風量変化率に応じて少し大きくされる(図12の最下段)。
したがって、冷風ドアと暖風ドアのトータルドア開度を大きくすることで、配風量を増加する制御が行われると共に、冷風と温風の混合割合として、冷風の混合割合を風量増加率が高いほど高くすることで、吹出風温度を精度良く低く抑える補正が行われる。
【0096】
このように、実施例2の左右独立温調タイプの空調ユニットA/Uでは、暖房時、冷風ドアと暖風ドアの両ドア開度の比率を調整する制御により吹出風温度の高める補正を伴う配風量増減制御を行うため、暖房時に配風量の減少制御と配風量を増加制御のうち、いずれの制御を実行しても、精度の良い吹き出し温度補正となり、配風量増減制御の前後で車室内温度をほぼ一定に保つことができる。
【0097】
また、実施例2の左右独立温調タイプの空調ユニットA/Uでは、冷房時、冷風ドアと暖風ドアの両ドア開度の比率を調整する制御により吹出風温度の低くする補正を伴う配風量増減制御を行うため、冷房時に配風量の減少制御と配風量の増加制御のうち、いずれの制御を実行しても、精度の良い吹き出し温度補正となり、配風量増減制御の前後で車室内温度をほぼ一定に保つことができる。
【0098】
さらに、実施例2の左右独立温調タイプの空調ユニットA/Uでは、中間時、冷風ドアと暖風ドアのドア開度により冷風と温風の混合割合を一定に保ちながらの配風量増減制御を行うため、実施例1と同様に、中間時に配風量の減少制御と配風量の増加制御のうち、いずれの制御を実行しても、車室内温度の変化を小さく抑えることができる。
【0099】
次に、効果を説明する。
実施例2の空調ユニットA/Uにあっては、実施例1の(1)〜(5)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
【0100】
(7) 前記配風量制御手段及び前記吹出風温度補正手段(図10)は、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準値とし、暖房時の配風量減少指令に対し両ドア開度を小さくするが冷風ドア開度を暖風ドア開度より小さくし、暖房時の配風量増加指令に対し両ドア開度を大きくするが暖風ドア開度を冷風ドア開度より大きくし、冷房時の配風量減少指令に対し両ドア開度を小さくするが暖風ドア開度を冷風ドア開度より小さくし、冷房時の配風量増加指令に対し両ドア開度を大きくするが冷風ドア開度を暖風ドア開度より大きくするため、冷風ドアと暖風ドアの両ドア開度の比率を調整する制御手法により、暖房時に精度の良い吹出風温度の高める補正を伴う配風量増減制御を行うことができると共に、冷房時に精度の良い吹出風温度の低くする補正を伴う配風量増減制御を行うことで、配風量増減制御の前後で車室内温度の変化を最小に抑えるができる。
【0101】
以上、本発明の車両用空気調和装置を実施例1及び実施例2に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
【0102】
実施例1では、左右独立の配風量制御を、温調ドア開度制御により行う例を示したが、モードドア開度制御と総風量制御の併用による例としても良いし、従来技術に示したように、新たに設定した配風量制御用ドアによる制御としても良い。要するに、第1通路配風量と第2通路配風量のうち少なくとも一方の配風量を増減制御する場合、配風量増減制御の実行に伴う車室内温度の変化を抑えるように吹出風温度の補正を行う吹出風温度補正手段を有するものであれば本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0103】
実施例1では、車両用空気調和装置として、左右独立温調タイプの空調ユニットへの適用例を示したが、前後独立温調タイプの空調ユニットにも勿論適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】実施例1の左右独立温調タイプの空調ユニットA/U(車両用空気調和装置の一例)を示す縦断面図である。
【図2】実施例1の空調ユニットA/Uの左右ベントドアと左右フットドアと左右リアモードドアを示す縦断正面図である。
【図3】図3は実施例1の空調ユニットA/Uにベントダクトとフットダクトを設定した状態での吹き出し温センサの設置位置を示す図である。
【図4】実施例1の空調ユニットA/Uにおける空調制御ブロック図である。
【図5】実施例1の空調コントロールユニット40により実行される制御処理の流れを示すフローチャートであり、(a)は空調制御処理の流れを示し、(b)は左右独立の吹出風温度制御処理の流れを示す。
【図6】実施例1の空調コントロールユニット40により実行される左右独立の配風量制御処理(図5(a)のステップS4)の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施例1の空調コントロールユニット40により実行される暖冷房時の配風量減少制御の際に用いられる基準値に対する暖風ドア&冷風ドアの変化特性の一例を示す図である。
【図8】実施例1の空調ユニットA/Uにおける吹出風温度補正を伴う配風量制御を行う際の暖房時の風量増減・中間時の風量増減・冷房時の風量増減という6つのパターンでの冷風ドアと暖風ドアのドア開度制御内容を示す表である。
【図9】温調ドア開度と風量の関係特性の一例を示す図である。
【図10】実施例2の空調コントロールユニット40により実行される左右独立の配風量制御処理(図5(a)のステップS4)の流れを示すフローチャートである。
【図11】実施例2の空調コントロールユニット40により実行される暖冷房時の配風量減少制御の際に用いられる基準値に対する暖風ドア&冷風ドアの変化特性の一例を示す図である。
【図12】実施例2の空調ユニットA/Uにおける吹出風温度補正を伴う配風量制御を行う際の暖房時の風量増減・中間時の風量増減・冷房時の風量増減という6つのパターンでの冷風ドアと暖風ドアのドア開度制御内容を示す表である。
【符号の説明】
【0105】
A/U 空調ユニット
1 空調ケース
2 エバポレータ(冷却用熱交換器)
3 ヒータコア(暖房用熱交換器)
4 デフドア
5R 右ベントドア
5L 左ベントドア
6R 右フットドア
6L 左フットドア
9R 右リアモードドア
9L 左リアモードドア
10R 右フロント冷風ドア(第1冷風ドア)
10L 左フロント冷風ドア(第2冷風ドア)
11R 右フロント暖風ドア(第1暖風ドア)
11L 左フロント暖風ドア(第2暖風ドア)
13 リアフット接続口
14 リアベント接続口
15 ブロワ接続口
16 内外気ドアアクチュエータ
17 インテークドア
18 ブロワモータ
19 ブロワユニット(送風機)
20 センター仕切り板(隔壁)
21 右側通路(第1通路)
22 左側通路(第2通路)
23 デフドアアクチュエータ
24R 右ベントドアアクチュエータ
24L 左ベントドアアクチュエータ
25R 右フットドアアクチュエータ
25L 左フットドアアクチュエータ
27R 右冷風ドアアクチュエータ
27L 左冷風ドアアクチュエータ
28R 右暖風ドアアクチュエータ
28L 左暖風ドアアクチュエータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調ケース内に上流の送風機と下流のケース吹き出し口との間に、冷房用熱交換器、エアミックスドア、暖房用熱交換器、を配置し、前記空調ケース内を流れる送風通路を隔壁により第1通路と第2通路に画成し、第1通路吹出風温度と第2通路吹出風温度を独立に制御する吹出風温度制御手段と、第1通路配風量と第2通路配風量を制御する配風量制御手段と、を備えた車両用空気調和装置において、
前記配風量制御手段は、第1通路配風量と第2通路配風量のうち少なくとも一方の配風量を増減制御する場合、配風量増減制御の実行に伴う車室内温度の変化を抑えるように吹出風温度の補正を行う吹出風温度補正手段を有することを特徴とする車両用空気調和装置。
【請求項2】
請求項1に記載された車両用空気調和装置において、
前記エアミックスドアは、前記第1通路での第1冷風ドアと第1暖風ドアと、前記第2通路での第2冷風ドアと第2暖風ドアを有し、
前記吹出風温度制御手段は、第1冷風ドアと第1暖風ドアのドア開度制御と第2冷風ドアと第2暖風ドアのドア開度制御により、冷風と温風の割合を調整して行い、
前記配風量制御手段及び前記吹出風温度補正手段は、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準値とし、暖房時には、冷風ドアと暖風ドアのドア開度制御により吹出風温度の高める補正を伴う配風量増減制御を行い、冷房時には、冷風ドアと暖風ドアのドア開度により吹出風温度の低くする補正を伴う配風量増減制御を行うことを特徴とする車両用空気調和装置。
【請求項3】
請求項2に記載された車両用空気調和装置において、
前記配風量制御手段及び前記吹出風温度補正手段は、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準値とし、暖房時の配風量減少指令に対し少なくとも冷風ドア開度を小さくし、暖房時の配風量増加指令に対し少なくとも暖風ドア開度を大きくし、冷房時の配風量減少指令に対し少なくとも暖風ドア開度を小さくし、冷房時の配風量増加指令に対し少なくとも冷風ドア開度を大きくすることを特徴とする車両用空気調和装置。
【請求項4】
請求項3に記載された車両用空気調和装置において、
前記配風量制御手段及び前記吹出風温度補正手段は、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準値とし、冷房時と暖房時の中間時、配風量減少指令に対し冷風ドア開度と暖風ドア開度を共に小さくし、配風量増加指令に対し冷風ドア開度と暖風ドア開度を共に大きくすることを特徴とする車両用空気調和装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載された車両用空気調和装置において、
前記第1通路は、右側モードドアを介して車両の右側車室に向かって温調風を吹き出す右側通路であり、
前記第2通路は、左側モードドアを介して車両の左側車室に向かって温調風を吹き出す左側通路であることを特徴とする車両用空気調和装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載された車両用空気調和装置において、
前記配風量制御手段及び前記吹出風温度補正手段は、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準値とし、暖房時の配風量減少指令に対し暖風ドア開度を固定し冷風ドア開度のみを小さくし、暖房時の配風量増加指令に対し冷風ドア開度を固定し暖風ドア開度のみを大きくし、冷房時の配風量減少指令に対し冷風ドア開度を固定し暖風ドア開度のみを小さくし、冷房時の配風量増加指令に対し暖風ドア開度を固定し冷風ドア開度を大きくすることを特徴とする車両用空気調和装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載された車両用空気調和装置において、
前記配風量制御手段及び前記吹出風温度補正手段は、吹出風温度制御で設定された冷風ドアと暖風ドアのドア開度を基準値とし、暖房時の配風量減少指令に対し両ドア開度を小さくするが冷風ドア開度を暖風ドア開度より小さくし、暖房時の配風量増加指令に対し両ドア開度を大きくするが暖風ドア開度を冷風ドア開度より大きくし、冷房時の配風量減少指令に対し両ドア開度を小さくするが暖風ドア開度を冷風ドア開度より小さくし、冷房時の配風量増加指令に対し両ドア開度を大きくするが冷風ドア開度を暖風ドア開度より大きくすることを特徴とする車両用空気調和装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−254644(P2008−254644A)
【公開日】平成20年10月23日(2008.10.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−100593(P2007−100593)
【出願日】平成19年4月6日(2007.4.6)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】