説明

車両用電動シート

【課題】 複数の可動部で運転姿勢を調整する車両用電動シートにおいて、電源部の大型化及び製造原価上昇を抑制しつつ、目標姿勢に調整完了するまでの作動時間を短縮する。
【解決手段】 最大作動時間となった電動モータ(最大作動時間モータ)を最初に起動する。これにより、電源部11の電流容量を超えない範囲で、最大作動時間モータ以外の他の電動モータ1A等を最大作動時間モータと同時に作動させた場合、複数の電動モータ1A等を同時に作動させる時間を長くすることが可能となるので、作動完了時間の短縮を図ることが可能となる。したがって、電源部11の大型化及び製造原価上昇を抑制しつつ、作動完了時間を特許文献1に記載の発明より短縮することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗員の姿勢を保持するとともに、その姿勢を変更するための複数の姿勢調整部を有し、かつ、それら複数の姿勢調整部各々を駆動するための複数の電動モータを備える車両用電動シートに関するものである。
【0002】
なお、姿勢調整部としては、例えば、シート全体を前後方向させるためのスライド調整部、シートバックの傾斜角度を変更するためのリクライニング調整部、シート全体を上下動させるためのリフター調整部、及び座部前方側のみを上下動させるためのバーチカル調整部等がある。
【背景技術】
【0003】
通常、電動モータに電圧を印加して電動モータを起動(始動)させると、図12(a)及び図12(b)に示すように、電圧を印加した直後においては、電動モータが定常状態となって電流が安定したときの電流(以下、この電流を作動電流という。)より大きな電流(以下、この電流を突入電流又は始動電流という。)が流れる。因みに、突入電流値は、電動モータや負荷状態によっても異なるが、概ね作動電流の5〜7倍程度の大きさとなる。
【0004】
このため、複数の電動モータの作動を制御する際に、複数の電動モータを同時に起動すると、複数の電動モータに電力を供給する電源部に、非常に大きな電流を必要とし、電源事情によっては必要な電流容量が確保できず、作動できない可能性がある。
【0005】
そこで、特許文献1に記載の発明では、各電動モータの起動タイミングをずらして順次起動することにより、突入電流が発生する時間(以下、この時間を突入時間という。)が重ならないようにしている。
【特許文献1】特開2002−34463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1に記載の発明を、上記の車両用電動シートに適用すると、全ての姿勢調整部の設定が完了するまでに要する時間(以下、この時間を作動完了時間という。)が長くなってしまうおそれが高い。
【0007】
すなわち、各電動モータを作動させて各調整部を各々の目標位置に設定する場合、各電動モータの作動時間は、当然ながら目標位置によって異なる。
このため、例えば、最後に起動される電動モータ(以下、この電動モータを最終起動モータという。)の作動時間を長くせざるを得ない場合には、最終起動モータの作動時間が長いにも拘わらず、最終起動モータ以外の他の電動モータの突入時間が経過した後、又は他の電動モータが停止した後でなければ、最終起動モータを起動させることができないので、作動完了時間が長くなってしまうおそれが高い。
【0008】
これに対しては、電源部の容量を十分に大きくして、複数の電動モータを全て同時に起動可能とすれば解決することができるものの、この解決手法では、電源部の大型化及び製造原価上昇を招いてしまう。
【0009】
本発明は、上記点に鑑み、電源部の大型化及び製造原価上昇を抑制しつつ、作動完了時間の短縮を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、車両を運転操作する乗員の姿勢を保持するとともに、その姿勢を変更するための複数の姿勢調整部(1、3、5、7)を有し、かつ、複数の姿勢調整部(1、3、5、7)各々を駆動するための複数の電動モータ(1A、3A、5A、7A)を備える車両用電動シートであって、複数の電動モータ(1A、3A、5A、7A)に電力を供給する電源部(11)と、電動モータ(1A、3A、5A、7A)各々の突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度が記憶される記憶部(13)と、複数の姿勢調整部(1、3、5、7)各々の現在の状態を検出する状態検出手段(1C、3C、5C、7C)と、目標とする姿勢を読み込む読込手段(S5)と、記憶部(13)に記憶されている突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度、読込手段(S5)により読み込まれた目標姿勢状態、並びに状態検出手段(1C、3C、5C、7C)により検出された現在の状態に基づいて、突入時間も含めた現在の状態を目標姿勢状態とするために必要な作動時間を、電動モータ(1A、3A、5A、7A)毎に求める作動時間算出手段(S7)と、複数の電動モータ(1A、3A、5A、7A)の作動を制御するとともに、作動時間算出手段(S7)により求められた作動時間のうち最大作動時間となった電動モータ(1A、3A、5A、7A)を最初に作動させる制御部(9)とを備えることを特徴とする。
【0011】
これにより、請求項1に記載の発明では、最大作動時間となった電動モータ(以下、この電動モータを最大作動時間モータという。)を最初に起動するので、電源部(11)の電流容量を超えない範囲で、最大作動時間モータ以外の他の電動モータを最大作動時間モータと同時に作動させた場合、複数の電動モータ(1A、3A、5A、7A)を同時に作動させる時間を長くすることが可能となり、作動完了時間の短縮を図ることが可能となる。
【0012】
具体的には、例えば、3機の電動モータが設けられ、第1電動モータの作動時間をT1、第2電動モータの作動時間をT2、第3電動モータの作動時間をT3とし、各電動モータの突入時間t及び作動電流iは全て同じであって、かつ、T1<T2<T3、(T1+T2)<T3、電源部の電流容量を2機分(=2i)とした場合(図13(a)参照)、請求項1に記載の発明では、作動完了時間をT3とすることが可能となるのに対して、特許文献1に記載の発明において、第1電動モータ、第2電動モータ、第3電動モータの順で電動モータが起動すると、作動完了時間はT1+T3となる。
【0013】
すなわち、請求項1に記載の発明では、図13(b)に示すように、第3電動モータと第1電動モータとを同時に作動させた後、第1電動モータの停止後、第3電動モータと第2電動モータとを同時に作動させることができるので、作動完了時間はT3となる。
【0014】
一方、特許文献1に記載の発明では、図13(c)に示すように、第1電動モータの起動後、突入時間が経過した後に第2電動モータが起動され、第1電動モータが停止した後に第3電動モータが起動されるので、作動完了時間はT1+T3となる。
【0015】
このように、請求項1に記載の発明では、電源部(11)の大型化及び製造原価上昇を抑制しつつ、作動完了時間を特許文献1に記載の発明より短縮することが可能となる。
なお、「最大作動時間モータを最初に起動する」とは、最大作動時間モータより先に起動させる電動モータが無いという意味である。したがって、例えば、最大作動時間モータである第3電動モータを起動した後に第2電動モータを起動させる場合は勿論、第3電動モータと第2電動モータとを同時に起動する場合も含まれる。
【0016】
ところで、電動モータ(1A、3A、5A、7A)や姿勢調整部(1、3、5、7)の経年変化により、突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度が変化するおそれがあるが、これらの値が変化すると、最大作動時間モータを正確に特定することができなくなるので、作動完了時間の短縮を図ることができなくなるおそれがある。
【0017】
これに対して、請求項2に記載の発明では、電動モータ(1A、3A、5A、7A)毎に、突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度を検出する突入電流等検出手段(S19)と、突入電流等検出手段(S19)の検出結果を記憶部(13)に記憶させる書込手段(S27)とを備えているので、突入電流等が経年変化により変化しても、最大作動時間モータを正確に特定することができる。
【0018】
したがって、請求項2に記載の発明では、経年変化の影響を受けることなく、安定的に作動完了時間を短縮することができる。
また、突入電流等は、電動モータ(1A、3A、5A、7A)の負荷、つまり、乗員が着座しているか否によって変化するおそれが高い。
【0019】
これに対して、請求項3に記載の発明では、電動モータ(1A、3A、5A、7A)毎に、突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度を検出する突入電流等検出手段(S59)と、乗員が着座しているか否かを検出する着座検出手段(S67)と、乗員が着座している場合の突入電流等検出手段(S59)の検出結果であるか、又は乗員が着座していない場合の突入電流等検出手段(S59)の検出結果であるかを識別可能として記憶部(13)に記憶させる書込手段とを備え、作動時間算出手段(S41)は、着座検出手段(S31)の検出結果に応じた突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度を記憶部(13)から読み込んで作動時間を求めることを特徴としているので、乗員が着座しているか否の影響を受けることなく、安定的に作動完了時間を短縮することができる。
【0020】
なお、請求項4に記載の発明では、目標とする姿勢が記憶されたポジションメモリ(13、ROM)を備えており、読込手段(S5)は、ポジションメモリ(13、ROM)に記憶された姿勢を目標姿勢状態として読み込むことを特徴とするものであり、請求項5に記載の発明では、読込手段(S5)は、無線通信を介して乗員が携帯している記憶装置に記憶された姿勢を目標姿勢状態として読み込むことを特徴とするものである。
【0021】
請求項6に記載の発明では、車両を運転操作する乗員の姿勢を保持するとともに、その姿勢を変更するための複数の姿勢調整部(1、3、5、7)を有し、かつ、複数の姿勢調整部(1、3、5、7)各々を駆動するための複数の電動モータ(1A、3A、5A、7A)を備える車両用電動シートであって、複数の電動モータ(1A、3A、5A、7A)に電力を供給する電源部(11)と、複数の姿勢調整部(1、3、5、7)各々の現在の状態を検出する状態検出手段(1C、3C、5C、7C)と、目標とする姿勢を読み込む読込手段(S5)と、複数の電動モータ(1A、3A、5A、7A)の作動を制御するとともに、複数の姿勢調整部(1、3、5、7)のうち最も調整幅が大きい姿勢調整部を駆動する電動モータ(1A、3A、5A、7A)を最初に作動させる制御部(9)とを備えることを特徴とする。
【0022】
これにより、請求項6に記載の発明では、最大作動時間を算出するための制御を廃止して、制御を簡素なロジックとしながら、電源部(11)の大型化及び製造原価上昇を抑制しつつ、作動完了時間を特許文献1に記載の発明より短縮することが可能となる。
【0023】
因みに、上記各手段等の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記各手段等の括弧内の符号に示された具体的手段に限定されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本実施形態は、車両を運転操作する運転者が着座する運転者用のシートに、本発明に係る電動シートを適用したものであり、以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
(第1実施形態)
1.図面の説明
図1は本実施形態に係る車両用電動シート(以下、シートと略す。)の概要を示すブロック図であり、図2は本実施形態に係る調整部制御を示すフローチャートであり、図3(a)〜図3(d)は駆動制御パターン例を示す図であり、図4は取得制御を示すフローチャートであり、図5は従来の技術に係る駆動制御パターンを示す図である。
【0025】
2.本実施形態に係る電動シートの構成(図1参照)
運転者用のシート(図示せず。)は、周知のごとく、運転者の運転姿勢を保持するための座部(図示せず)及びシートバック(背もたれ)等から構成されているとともに、その運転姿勢を変更するために複数の姿勢調整部1、3、5、7が設けられている。
【0026】
なお、フロントバーチカル姿勢調整部1は、座部前方側のみを上下動させるためのものであり、リフター姿勢調整部3は、シート全体を上下動させるためのものであり、リクライニング姿勢調整部5は、シートのシートバックの傾斜角度(リクライニング)を変更するためのものであり、スライド位置調整部7は、シート全体を車両前後方向にスライド(平行移動)させるものである。
【0027】
そして、各姿勢調整部1、3、5、7は、電動モータ1A、3A、5A、7Aにより駆動され、かつ、これら電動モータ1A、3A、5A、7A(以下、これらの電動モータを総称するときは、電動モータ1A等という。)の駆動用電力は、駆動回路1B、3B、5B、7B(以下、これらの駆動回路を総称するときは、駆動回路1B等という。)を介して電源部11から供給されている。
【0028】
また、駆動回路1B等の制御、つまり電動モータ1A等の作動は電子制御装置(ECU)9により制御されており、この電子制御装置9は、CPU、RAM及びROM等からなる周知のマイクロコンピュータにて構成されている。因みに、駆動回路1B等を制御するためのプログラムは、ROMに予め記憶されている。
【0029】
また、記憶部13は、各電動モータ1A、3A、5A、7Aの突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度等が記憶されるメモリであり、この記憶部13はフラッシュメモリ等の電力供給が停止したときであっても記憶内容を保持することができる不揮発性記憶装置にて構成されている。
【0030】
ここで、作動電流とは、「背景技術」の欄で説明したように、電動モータ1A等が定常状態となって電流が安定したときの電流をいい、突入電流とは、電動モータ1A等に電圧を印加した直後において流れる作動電流より大きな電流をいう。
【0031】
また、突入時間とは、突入電流が発生している時間をいい、作動速度とは、電動モータ1A等を作動電流にて駆動した場合における姿勢調整部1、3、5、7(以下、これらを総称するときは、姿勢調整部1等という。)の作動(移動)速度をいう。
【0032】
なお、作動速度は、突入電流が流れている状態と定常状態とでは異なるが、その差は僅かであるので、本実施形態では、作動電流にて電動モータ1A等を駆動したときにおける姿勢調整部1等の作動速度を作動速度としている。
【0033】
また、手動操作部15は、運転者等の乗員からの指示操作を受け付けて電動モータ1A等(駆動姿勢調整部1、3、5、7)を作動させるためのスイッチ類であり、本実施形態では、この手動操作部15によっても目標運転姿勢を設定することができる。
【0034】
ここで、目標運転姿勢とは、電動モータ1A等を用いて各姿勢調整部1、3、5、7を自動的に作動させる際に、各姿勢調整部1、3、5、7の作動目標値を決定するためシートの状態をいう。そして、本実施形態では、手動操作部15を介して運転者等により設定された目標運転姿勢は、電子制御装置9のROM又は記憶部13に記憶される。
【0035】
なお、ROM等には、目標運転姿勢を示す初期値が予め(メーカ出荷時点で)記憶されており、運転者等により目標運転姿勢が設定された場合には、目標運転姿勢が乗員により設定された姿勢に更新される。
【0036】
また、検出部1C、3C、5C、7Cは、各姿勢調整部1、3、5、7(各電動モータ1A等)の現在の状態を検出する状態検出手段であり、これら各検出部1C、3C、5C、7C(以下、これらを総称するときは、検出部1C等という。)にて検出された姿勢調整部1等の状態(位置)を示す信号は、電子制御装置9に入力される。
【0037】
なお、検出部1Cは、フロントバーチカル姿勢調整部1の状態を検出する手段であり、検出部3Cは、リフター姿勢調整部3の状態を検出する手段であり、検出部5Cは、リクライニング姿勢調整部5の状態を検出する手段であり、検出部7Cは、スライド位置調整部7の状態を検出する手段である。
【0038】
3.本実施形態に係るシートの特徴的な作動制御
3.1.姿勢調整部の制御
図2は姿勢調整部1等の制御作動(以下、この制御を調整部制御という。)を示すフローチャートであり、この調整部制御は、始動許可スイッチが投入された時に起動され、電子制御装置9(CPU)にて実行される。
【0039】
なお、始動許可スイッチとは、車載に搭載された電気機器に車載バッテリからの電力供給を可能とするためのスイッチであり、例えばイグニッションスイッチやアクセサリスイッチ等をいう。
【0040】
そして、調整部制御が起動されると、各電動モータ1A等についての突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度(以下、これらの情報を突入電流等情報という。)が記憶部13から取得されるとともに(S1)、検出部1C等からの検出信号、つまり各電動モータ1A等の現在位置が取得される(S3)。
【0041】
次に、目標運転姿勢、つまり電動モータ1A等の作動完了位置が電子制御装置9のROM又は記憶部13から取得された後(S5)、S1にて取得された突入電流等情報、S5にて取得された目標運転姿勢、及びS3にて取得された現在の位置に基づいて、現在のシート状態を目標運転姿勢とするために必要な作動時間(突入時間も含む。)が、各電動モータ1A等毎に算出される(S7)。
【0042】
なお、ROM等には、前述したように、目標運転姿勢を示す初期値が予め記憶されており、運転者等により目標運転姿勢が設定・更新されていない場合には、予め設定されている初期値が目標運転姿勢として取得される。
【0043】
そして、必要な作動時間が各電動モータ1A等毎に算出されると(S7)、少なくとも、算出された作動時間のうち最大作動時間となった電動モータを最初に作動させるような駆動制御パターンが決定された後(S9)、その決定された駆動制御パターンに従って各電動モータ1A等が駆動制御される(S11)。
【0044】
なお、駆動制御パターンとは、各電動モータ1A等の駆動開始タイミング及び駆動終了タイミングを示すチャート(図3(a)等参照)をいう。
次に、各電動モータ1A等の駆動が開始されると(S11)、全ての電動モータ1A等について駆動が終了したか否かが判定され(S13)、終了していないと判定された場合には(S13:NO)、待機状態となり、終了したと判定された場合には(S13:YES)、本制御が終了する。
【0045】
3.2.突入電流等情報の取得制御
突入電流等情報は、設計値が初期値として予め記憶部13に記憶されているが、電動モータ1A等や姿勢調整部1等の経年変化により、突入電流等情報が変化するおそれがある。
【0046】
そこで、本実施形態では、調整部制御が起動されると同時に、調整部制御と独立して作動する情報取得制御を起動し、記憶部13に記憶されている突入電流等情報を実際の測定値に更新する。
【0047】
なお、図4は、突入電流等情報のうち突入電流を更新するための取得制御を示すフローチャートであり、以下、突入電流を更新する場合を例に取得制御を説明する。
そして、図4に示す情報の取得制御が電子制御装置9(CPU)にて起動されると、現在、記憶部13に記憶されている各電動モータ1A等毎の突入電流が取得された後(S15)、その取得された突入電流が電子制御装置9のRAM等に保管される(S17)。
【0048】
次に、駆動回路1B等から電動モータ1A等に供給される電力に基づいて、各電動モータ1A等毎の実際の突入電流が測定され(S19)、S19にて測定された突入電流(以下、この電流を測定電流値という。)がRAMに保管されている突入電流(以下、この電流を保管値という。)より大きいか否かが各電動モータ1A等毎に判定される(S21)。
【0049】
そして、測定電流値が保管値より大きいと判定された場合には(S21:YES)、現在の保管値が測定電流値に更新された後(S23)、突入状態が終了したか否か、つまり電動モータ1A等が定常状態となって電流が安定したか否かが判定される(S25)。
【0050】
因みに、本実施形態では、測定電流の変化率、つまり前回測定した測定電流値と今回測定した測定電流値との差の絶対値が所定値以下となったときに、電流が安定して突入状態が終了したものと判定している。
【0051】
そして、S25にて突入状態が終了していないと判定された場合には(S25:NO)、S19が再び実行され、一方、突入状態が終了したと判定された場合には(S25:YES)、保管値を突入電流として記憶部13に記憶し、突入電流を更新する(S27)。
【0052】
このため、本実施形態では、次回、調整部制御が起動されたときには、更新された新しい突入電流等情報が読み込まれて駆動制御パターンが決定される。
4.本実施形態に係るシートの特徴
本実施形態では、最大作動時間となった電動モータ(最大作動時間モータ)を最初に起動するので、電源部11の電流容量を超えない範囲で、最大作動時間モータ以外の他の電動モータ1A等を最大作動時間モータと同時に作動させた場合、複数の電動モータ1A等を同時に作動させる時間を長くすることが可能となり、作動完了時間の短縮を図ることが可能となる。
【0053】
すなわち、図5は従来の技術における駆動制御パターンを示しており、図3(a)〜図3(d)は、本実施形態における駆動制御パターンを示している。これらの図から明らかなように、本実施形態では、最大作動時間以内で全ての電動モータ1A等の作動が完了しているのに対して、図5に示す従来の技術における駆動制御パターンでは、最大作動時間以内で全ての電動モータ1A等の作動を完了させることができない。
【0054】
以上のように、本実施形態では、電源部11の大型化及び製造原価上昇を抑制しつつ、作動完了時間を特許文献1に記載の発明より短縮することが可能となる。
なお、「最大作動時間モータを最初に起動する」とは、最大作動時間モータより先に起動させる電動モータが無いという意味である。したがって、図3(a)及び図3(d)に示すように、最大作動時間モータを起動した後に他の電動モータ1A等を起動させる場合は勿論、全ての電動モータ1A等を同時に起動する場合も含まれる。
【0055】
また、本実施形態では、電動モータ1A等(姿勢調整部1等)毎に、突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度を検出して、これら突入電流等情報を更新するので、突入電流等情報が経年変化により変化しても、最大作動時間モータを正確に特定することができる。
【0056】
したがって、本実施形態では、経年変化の影響を受けることなく、安定的に作動完了時間を短縮することができる。
5.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、検出部1C等が特許請求の範囲に記載された状態検出手段に相当し、S5が特許請求の範囲に記載された読込手段に相当し、S7が特許請求の範囲に記載された作動時間算出手段に相当し、電子制御装置9が特許請求の範囲に記載された制御部に相当し、S19が特許請求の範囲に記載された突入電流等検出手段に相当し、S27が特許請求の範囲に記載された書込手段に相当する。
【0057】
(第2実施形態)
第1実施形態では、シートに運転者等が着座しているか否かを問わず、調整部制御を実行したが、本実施形態は、シートに運転者等が着座しているか否かに応じて、参照すべき突入電流等情報を選択して駆動制御パターンを算出するものである。
【0058】
このため、本実施形態に係る電動シートでは、図6に示すように、運転者等の乗員がシートに着座しているか否かを判定するための乗員判定部17が設けられているとともに、乗員が着座している場合に用いる突入電流等情報及び乗員が着座していない場合に用いる突入電流等情報が記憶部13に予め記憶されている。
【0059】
なお、本実施形態に係る乗員判定部17は、シートの座部等に設けられた圧力センサにより、乗員がシートに着座しているか否かを判定しており、乗員判定部17の出力信号は電子制御装置9に入力されている。
【0060】
1.姿勢調整部の制御
図7は本実施形態に係る調整部制御を示すフローチャートであり、この調整部制御が起動されると、先ず、乗員判定部17の出力信号に基づいて、乗員が着座しているか否かが判定される(S31)。
【0061】
そして、着座していると判定された場合には(S31:YES)、乗員が着座している場合に用いる突入電流等情報が記憶部13から取得され(S33)、一方、着座していないと判定された場合には(S31:NO)、乗員が着座していない場合に用いる突入電流等情報が記憶部13から取得される(S35)。
【0062】
次に、検出部1C等からの検出信号(各電動モータ1A等の現在位置)が取得されるとともに(S37)、目標運転姿勢(電動モータ1A等の作動完了位置)が電子制御装置9のROM又は記憶部13から取得された後(S39)、S33又はS35にて取得された突入電流等情報、S39にて取得された目標運転姿勢、及びS37にて取得された現在の位置に基づいて、現在のシート状態を目標運転姿勢とするために必要な作動時間(突入時間も含む。)が、各電動モータ1A等毎に算出される(S41)。
【0063】
そして、必要な作動時間が各電動モータ1A等毎に算出されると(S41)、少なくとも、算出された作動時間のうち最大作動時間となった電動モータを最初に作動させるような駆動制御パターンが決定された後(S43)、その決定された駆動制御パターンに従って各電動モータ1A等が駆動制御される(S45)。
【0064】
次に、各電動モータ1A等の駆動が開始されると(S45)、全ての電動モータ1A等について駆動が終了したか否かが判定され(S47)、終了していないと判定された場合には(S47:NO)、待機状態となり、終了したと判定された場合には(S47:YES)、本制御が終了する。
【0065】
2.突入電流等情報の取得制御
本実施形態では、2種類の突入電流等情報は、設計値が初期値として予め記憶部13に記憶されている。そして、本実施形態も第1実施形態と同様に、調整部制御が起動されると同時に、調整部制御と独立して作動する情報取得制御を起動し、記憶部13に記憶されている突入電流等情報を実際の測定値に更新する。
【0066】
なお、図8は、突入電流等情報のうち突入電流を更新するための取得制御を示すフローチャートであり、以下、突入電流を更新する場合を例に本実施形態に係る取得制御を説明する。
【0067】
そして、図8に示す情報の取得制御が電子制御装置9(CPU)にて起動されると、先ず、乗員判定部17の出力信号に基づいて、乗員が着座しているか否かが判定される(S51)。
【0068】
次に、着座していると判定された場合には(S51:YES)、乗員が着座している場合に用いる突入電流が記憶部13から取得され(S53)、一方、着座していないと判定された場合には(S51:NO)、乗員が着座していない場合に用いる突入電流が記憶部13から取得される(S55)。
【0069】
そして、S53又はS55にて取得された突入電流が電子制御装置9のRAM等に保管された後(S57)、駆動回路1B等から電動モータ1A等に供給される電力に基づいて、各電動モータ1A等毎の実際の突入電流が測定される(S59)。
【0070】
次に、S59にて測定された測定電流値が保管値より大きいか否かが各電動モータ1A等毎に判定され(S61)、測定電流値が保管値より大きいと判定された場合には(S61:YES)、現在の保管値が測定電流値に更新された後(S63)、突入状態が終了したか否か、つまり電動モータ1A等が定常状態となって電流が安定したか否かが判定される(S65)。
【0071】
そして、S65にて突入状態が終了していないと判定された場合には(S65:NO)、S59が再び実行され、一方、突入状態が終了したと判定された場合には(S65:YES)、乗員が着座しているか否かが判定される(S67)。
【0072】
このとき、乗員が着座していると判定された場合には(S67:YES)、乗員が着座しているときの突入電流であることを識別可能な状態として保管値を記憶部13に記憶・更新する(S69)。
【0073】
一方、乗員が着座していないと判定された場合には(S67:NO)、乗員が着座していないときの突入電流であることを識別可能な状態として保管値を記憶部13に記憶・更新する(S71)。
【0074】
なお、本実施形態では、乗員が着座しているときの突入電流を記憶する領域と乗員が着座していないときの突入電流を記憶する領域とを異なる領域とすることで、いずれの状態の突入電流であるかを識別可能としている。
【0075】
3.本実施形態に係るシートの特徴
突入電流等情報は、電動モータ1A等の負荷、つまり、乗員が着座しているか否によって変化するおそれが高い。
【0076】
しかし、本実施形態では、シートに乗員が着座しているか否かに応じて、参照すべき突入電流等情報を選択して駆動制御パターンを算出するので、乗員が着座しているか否の影響を受けることなく、安定的に作動完了時間を短縮することができる。
【0077】
4.発明特定事項と実施形態との対応関係
本実施形態では、S39が特許請求の範囲に記載された読込手段に相当し、S41が特許請求の範囲に記載された作動時間算出手段に相当し、S59が特許請求の範囲に記載された突入電流等検出手段に相当し、S69及びS71が特許請求の範囲に記載された書込手段に相当する。
【0078】
(第3実施形態)
上述の実施形態では、記憶部13や電子制御装置9のRAM等のように、車両に搭載された記憶手段に目標運転姿勢、つまり電動モータ1A等の作動完了位置が記憶されていたが、本実施形態は、図9に示すように、無線通信を介して運転者等の乗員が携帯している記憶装置19Bに記憶された目標運転姿勢を読み込むことにより、現在のシート状態を目標運転姿勢とするために必要な作動時間を算出するものである。
【0079】
なお、記憶装置19Bとは、例えば、車両のドア等を施錠・解除を無線通信にて実行する機能、又は車両エンジンの始動・イグニッションスイッチの投入等を無線通信にて実行する機能を有する遠隔操作装置に内蔵された携帯型の記憶装置、携帯電話、ICカードに内蔵された記憶装置等をいう。
【0080】
このため、電子制御装置9には、記憶装置19Bとの間で無線通信を行うための無線通信装置19Aが接続されている。
なお、図10に示す制御は、本実施形態における調整部制御又は取得制御時において実行される目標運転姿勢の取得作動、つまり図2のS5(図2参照)や図7のS39等に相当する作動の詳細を示すフローチャートである。
【0081】
そして、図10に示すように、本実施形態における調整部制御又は取得制御時において目標運転姿勢の取得作動が実行されると、無線通信可能な記憶装置19B(携帯機)が探索され(S73)、無線通信可能な記憶装置19B(携帯機)が発見されて無線通信が成立すると(S73:YES)、その無線通信が成立した記憶装置19B(携帯機)から突入電流等情報が取得される(S75)。
【0082】
(第4実施形態)
上述の実施形態では、各電動モータ1A等毎に必要な作動時間を算出し、その算出された作動時間のうち最大作動時間となった電動モータを最初に作動させるような駆動制御パターンを演算したが、本実施形態は、姿勢調整部1等のうち最も調整幅が大きい姿勢調整部を駆動する電動モータを最初に作動させる駆動制御パターンを演算し、その演算決定された駆動制御パターンに従って、各電動モータ1A等を駆動制御するものである。
【0083】
1.調整部制御
図11は本実施形態に係る調整部制御を示すフローチャートであり、この調整部制御が起動されると、先ず、検出部1C等からの検出信号、つまり各電動モータ1A等の現在位置が取得される(S81)。
【0084】
次に、目標運転姿勢(電動モータ1A等の作動完了位置)が電子制御装置9のROMや記憶部13又は記憶装置19Bから取得された後(S83)、S83にて取得された目標運転姿勢、及びS81にて取得された現在の位置に基づいて、現在のシート状態を目標運転姿勢とするために移動量が各電動モータ1A等毎に算出される(S85)。
【0085】
そして、必要な移動量が各電動モータ1A等毎に算出されると(S85)、姿勢調整部1等のうち最も調整幅の大きい電動モータを最初に作動させる駆動制御パターンが決定された後(S87)、その決定された駆動制御パターンに従って各電動モータ1A等が駆動制御される(S89)。
【0086】
ここで、「最も調整幅が大きい姿勢調整部」とは、調整可能な範囲が最も大きい姿勢調整部を意味しており、通常、前後方向の調整幅が最も大きいので、本実施形態では、スライド位置調整部7用の電動モータ7Aが最初に駆動される駆動制御パターンが決定される。
【0087】
次に、各電動モータ1A等の駆動が開始されると(S89)、全ての電動モータ1A等について駆動が終了したか否かが判定され(S91)、終了していないと判定された場合には(S91:NO)、待機状態となり、終了したと判定された場合には(S91:YES)、本制御が終了する。
【0088】
2.本実施形態に係るシートの特徴
姿勢調整部1等の調整幅、つまり調整可能な範囲は、姿勢調整部1等の構造によって決定する固定値であり、図3(a)〜図3(d)に示すように、多くの場合は、最も調整幅が大きい姿勢調整部の作動時間が最も長くなる。
【0089】
そこで、本実施形態では、姿勢調整部1等のうち最も調整幅が大きい姿勢調整部を駆動する電動モータを最初に作動させることで、最大作動時間を算出するための制御ステップを廃止して、調整部制御を簡素なロジックとしながら、電源部11の大型化及び製造原価上昇を抑制しつつ、作動完了時間を特許文献1に記載の発明より短縮することが可能としている。
【0090】
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、突入電流等情報等を常に更新したが、本発明はこれに限定されるものではなく、取得制御を実行しない、又は突入電流等情報を実際に測定した後、その測定値と既に記憶部13に記憶されている突入電流等情報とが相違している場合には、記憶部13に記憶されている突入電流等情報を実際の測定値に更新するような取得制御としてもよい。
【0091】
ところで、作動時間が決定すると、これに対応する姿勢調整部1等の移動量(具体的な調整幅)が一義的に決定するので、姿勢調整部1等の移動量(具体的な調整幅)が最も大きい電動モータ1A等が最大作動時間モータとなる。
【0092】
したがって、第1及び第2実施形態では、直接的に作動時間を演算し、この演算された作動時間に基づいて駆動制御パターンを決定したが、本発明はこれに限られるものではなく、姿勢調整部1等の移動量を演算することにより、間接的に最大作動時間モータを特定し、姿勢調整部1等の移動量に基づいて駆動制御パターンを決定しても第1、2実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0093】
上述の実施形態では、運転者用の電動シートに本発明を適用したが、本発明の適用はこれに限定されるものではない。
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用電動シートの概要を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る調整部制御を示すフローチャートである。
【図3】(a)〜(d)は、本発明の第1実施形態に係る駆動制御パターン例を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る取得制御を示すフローチャートである。
【図5】従来の技術に係る駆動制御パターン例を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る車両用電動シートの概要を示すブロック図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る調整部制御を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る取得制御を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第3実施形態に係る車両用電動シートの概要を示すブロック図である。
【図10】本発明の第3実施形態における調整部制御又は取得制御時において実行される目標位置の取得作動を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第4実施形態に係る調整部制御を示すフローチャートである。
【図12】(a)は時間と印加電圧との関係を示すタイムチャートであり、(b)は時間と電流との関係を示すタイムチャートである。
【図13】(a)、(b)、(c)は、本願発明の効果を説明するための図である。
【符号の説明】
【0095】
1…フロントバーチカル姿勢調整部、1…姿勢調整部、1B…駆動回路、
1C…検出部、3…リフター姿勢調整部、3C…検出部、
5…リクライニング姿勢調整部、5C…検出部、7…スライド位置調整部、
7A…電動モータ、7C…検出部、9…電子制御装置、11…電源部、
13…記憶部、15…手動操作部、17…乗員判定部、19A…無線通信装置、
19B…記憶装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を運転操作する乗員の姿勢を保持するとともに、その姿勢を変更するための複数の姿勢調整部を有し、かつ、前記複数の姿勢調整部各々を駆動するための複数の電動モータを備える車両用電動シートであって、
前記複数の電動モータに電力を供給する電源部と、
前記電動モータ各々の突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度が記憶される記憶部と、
前記複数の姿勢調整部各々の現在の状態を検出する状態検出手段と、
目標とする姿勢を読み込む読込手段と、
前記記憶部に記憶されている突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度、前記読込手段により読み込まれた目標姿勢状態、並びに前記状態検出手段により検出された現在の状態に基づいて、突入時間も含めた前記現在の状態を前記目標姿勢状態とするために必要な作動時間を、前記電動モータ毎に求める作動時間算出手段と、
前記複数の電動モータの作動を制御するとともに、前記作動時間算出手段により求められた作動時間のうち最大作動時間となった前記電動モータを最初に作動させる制御部と
を備えることを特徴とする車両用電動シート。
【請求項2】
前記電動モータ毎に、突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度を検出する突入電流等検出手段と、
前記突入電流等検出手段の検出結果を前記記憶部に記憶させる書込手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用電動シート。
【請求項3】
前記電動モータ毎に、突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度を検出する突入電流等検出手段と、
乗員が着座しているか否かを検出する着座検出手段と、
乗員が着座している場合の前記突入電流等検出手段の検出結果であるか、又は乗員が着座していない場合の前記突入電流等検出手段の検出結果であるかを識別可能として前記記憶部に記憶させる書込手段とを備え、
前記作動時間算出手段は、前記着座検出手段の検出結果に応じた突入電流、突入時間、作動電流及び作動速度を前記記憶部から読み込んで前記作動時間を求めることを特徴とする請求項1に記載の車両用電動シート。
【請求項4】
目標とする姿勢が記憶されたポジションメモリを備えており、
前記読込手段は、前記ポジションメモリに記憶された姿勢を前記目標姿勢状態として読み込むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用電動シート。
【請求項5】
前記読込手段は、無線通信を介して乗員が携帯している記憶装置に記憶された姿勢を前記目標姿勢状態として読み込むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用電動シート。
【請求項6】
車両を運転操作する乗員の姿勢を保持するとともに、その姿勢を変更するための複数の姿勢調整部を有し、かつ、前記複数の姿勢調整部各々を駆動するための複数の電動モータを備える車両用電動シートであって、
前記複数の電動モータに電力を供給する電源部と、
前記複数の姿勢調整部各々の現在の状態を検出する状態検出手段と、
目標とする姿勢を読み込む読込手段と、
前記複数の電動モータの作動を制御するとともに、前記複数の姿勢調整部のうち最も調整幅が大きい姿勢調整部を駆動する前記電動モータを最初に作動させる制御部と
を備えることを特徴とする車両用電動シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−18152(P2010−18152A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−180202(P2008−180202)
【出願日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(000004695)株式会社日本自動車部品総合研究所 (1,981)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】