説明

車両運転支援装置

【課題】運転者の運転操作を適切に支援して利便性を向上させる。
【解決手段】車両運転支援装置10は、自車両の外界周辺領域を撮像して画像を出力する複数の各カメラ11a,…,11dと、各カメラ11a,…,11dから出力される画像と、自車両の駐車動作時の運転支援用のガイド表示とを重畳して、表示装置19に表示する表示制御部45とを備え、表示制御部45は、駐車動作の実行時の運転操作を指示するヘルプ表示を、運転操作を構成する複数の操作工程に対応したヘルプ表示の箇所のみを順次強調しつつ、表示装置19に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば運転者の駐車動作を支援するために、駐車スペースに基づき理想的な走行軌跡を算出し、この理想的な走行軌跡と、この走行軌跡に沿った理想的な操舵角と、理想的な操舵角からの実操舵角のずれ量とを、視覚的な図形により表示する駐車支援装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−283199号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記従来技術の一例に係る駐車支援装置においては、単に、理想的な操舵角と、理想的な操舵角からの実操舵角のずれ量とが、視覚的に表示されるだけであるから、
この実操舵角のずれ量を逐次確認しつつ、ずれ量をゼロにするようにして操舵をおこなう必要があり、運転操作に煩雑な手間がかかると共に、適切な運転操作には熟練を要するという問題が生じる。しかも、操舵角に係る図形の表示だけでは、運転者は駐車スペースと車両との相対位置に応じて実行されるべき所定の運転操作を具体的に認識することができず、駐車動作の実行開始から実行終了までに必要とされる一連の運転操作を把握することもできず、適切な運転操作が困難になる虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、運転者の運転操作を適切に支援して利便性を向上させることが可能な車両運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明の第1態様に係る車両運転支援装置は、自車両の外界周辺領域を撮像して画像を出力する複数の撮像装置(例えば、実施の形態での各カメラ11a,…,11d)と、車室内に配置された表示装置(例えば、実施の形態での表示装置19)と、前記複数の撮像装置から出力される前記画像と、自車両の駐車動作時の運転支援用のガイド表示とを重畳して、前記表示装置に表示する表示制御手段(例えば、実施の形態での表示制御部45)とを備え、前記表示制御手段は、前記駐車動作の実行時の運転操作を指示するヘルプ表示を、前記運転操作を構成する複数の操作工程に対応した前記ヘルプ表示の箇所のみを順次強調しつつ、前記表示装置に表示する。
【0005】
さらに、本発明の第2態様に係る車両運転支援装置では、前記表示制御手段は、前記操作工程に対応した前記ヘルプ表示の箇所を強調表示する際に、コントラストを増大させる。
【0006】
さらに、本発明の第3態様に係る車両運転支援装置では、前記表示制御手段は、前記操作工程に対応した前記ヘルプ表示の箇所を強調表示する際に、表示サイズを増大させる。
【0007】
さらに、本発明の第4態様に係る車両運転支援装置では、前記表示制御手段は、前記操作工程に対応した前記ヘルプ表示の箇所を強調表示する際に、表示色を変更する。
【0008】
さらに、本発明の第5態様に係る車両運転支援装置では、前記表示制御手段は、前記ヘルプ表示を、前記ガイド表示が重畳される前記画像の表示範囲とは干渉しない位置に表示する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の車両運転支援装置によれば、複数の撮像装置から出力される画像に重畳されるガイド表示に加えて、駐車動作の実行時の一連の運転操作を構成する複数の操作工程毎に対応した箇所のみが強調されるヘルプ表示を表示することから、運転者は、駐車スペースと車両との相対位置に応じた適切なタイミングで必要とされる運転操作を的確に認識して容易におこなうことができ、駐車動作の実行開始から実行終了までの一連の運転操作を把握することができ、運転者の運転操作に対する利便性を向上させることができる。
さらに、本発明の第5態様に係る車両運転支援装置によれば、ヘルプ表示を、ガイド表示が重畳される画像の表示範囲とは干渉しない位置に表示することにより、運転者に対してヘルプ表示と実際の外界周辺領域の画像とを容易に比較させつつ、ヘルプ表示を的確に認識させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置について添付図面を参照しながら説明する。
本実施の形態による車両運転支援装置10は、車両に搭載され、例えば図1に示すように、車両の外界を撮像可能な外界カメラ11と、近赤外線LED12と、車両状態センサ13と、ナビゲーション装置14と、操作スイッチ15と、切替スイッチ16と、格納スイッチ17と、ドアミラーアクチュエータ18と、表示装置19と、CPUなどを含む電子回路により構成された画像処理装置20とを備えて構成されている。
【0011】
外界カメラ11は、例えば図2に示すように、車両の外界として、前方の周辺領域を撮像領域とする前方カメラ11aと、後方の周辺領域を撮像領域とする後方カメラ11bと、左側方の周辺領域を撮像領域とする左側方カメラ11cと、右側方の周辺領域を撮像領域とする右側方カメラ11dとを備え、例えば可視光領域から近赤外線領域にて撮像可能とされ、各カメラ11a,…,11dの撮像により得られた画像に対して、例えばフィルタリングや二値化処理等の所定の画像処理を行い、二次元配列の画素からなる画像データを生成して画像処理装置20へ出力する。
【0012】
なお、前方カメラ11aは、例えば車両のフロントグリルなどに設置され、後方カメラ11bは、例えば車両のバックドアやテールゲートなどに設置され、左側方カメラ11cおよび右側方カメラ11dは、例えば車両の左右のドアミラーML,MRの下端などに設置されている。
【0013】
近赤外線LED12は、例えば車両の助手席側のドアミラー(例えば、左のドアミラーML)に設置され、画像処理装置20により点灯制御され、例えば夜間時などにおいて前照灯(図示略)の点灯に連動して、助手席側の所定領域(例えば、助手席側の外界カメラ11の撮像領域、つまり左側方カメラ11cの撮像領域である車両の左側方の周辺領域)を照射する。
【0014】
車両状態センサ13は、自車両の車両状態量として、例えば、駆動輪の回転速度(車輪速)を検出する車輪速センサ31と、操舵角(例えば、運転者が入力した操舵角度の方向と大きさ)あるいは操舵角に応じた実舵角(転舵角)を検出する舵角センサ32と、セレクトレバー(図示略)を介して運転者により選択される変速機構(図示略)の状態に応じたシフトポジションを検出するシフトポジションセンサ33となどを備えて構成されている。
【0015】
ナビゲーション装置14は、車両の現在位置と予め記憶している地図データとによりマップマッチングの処理を実行すると共に、例えば操作者の入力操作などに応じて設定された目的地に対して経路探索や経路誘導などの処理を実行し、表示装置19およびスピーカ(図示略)の動作を指示する制御指令を出力する。
【0016】
操作スイッチ15は、運転者の操作入力に応じた各種の指令信号、例えば表示装置19の表示画面上での各種のメニュー項目の選択指示などを出力する。
切替スイッチ16は、運転者の操作入力に応じた表示装置19の表示画面上での各種の表示切替の指令信号を出力する。
格納スイッチ17は、運転者の操作入力に応じて、車両の左右のドアミラーML,MRの格納および展開、さらには、角度変更などをおこなうドアミラークチュエータ18に各種の指令信号を出力する。
【0017】
表示装置19は、画像処理装置20の制御により各種の表示をおこなう。例えば、表示装置19の表示画面上には、外界カメラ11から出力される各画像データに加えて、これらの画像データに自車両の位置および各種のガイド表示などを重畳して表示可能である。
【0018】
画像処理装置20は、例えばLED制御部41と、画像処理部42と、記憶部44と、表示制御部45とを備えて構成されている。
【0019】
LED制御部41は、例えば夜間時などにおいて前照灯(図示略)の点灯に連動して、かつ、例えば表示装置19の表示画面に後述するサイドビューSVの画像が表示される期間に連動して、近赤外線LED12を点灯制御する。
【0020】
画像処理部42は、外界カメラ11の各カメラ11a,…,11dから出力される画像データに基づき、例えば所定の変換処理などによって、予め設定された所定の視野表示に対応した変換画像を生成して出力する。
【0021】
なお、所定の視野表示は、例えば、図3(A)に示す車両の前方領域の表示(フロントビューFV)と、図3(B)に示す車両の後方領域の表示(リアビューRV)と、図3(C)に示す車両の左右の側方前方領域の表示(サイドビューSV)と、図3(D)に示す車両の側方後方領域の表示であって、左右のドアミラーML,MRに映る領域を仮想的に再現した表示(ミラービューMV)と、図3(E)に示す車両の前方領域において左右に表示領域を拡張した表示(フロントブラインドビューFBV)と、図3(F)に示す車両の周辺領域を俯瞰した表示(グランドビューGV)となどである。
【0022】
例えばグランドビューGVの画像を生成する際には、画像処理部42は、図4に示すように、各カメラ11a,…,11dの撮像領域の画像データ(例えば、図4に示す車両の後方領域の画像データRP)を、車両の鉛直方向上方の所定視点位置BPから見下ろした画像(例えば、図4に示す変換画像RCP)となるように、画像の歪みなども補正しつつ視点変換をおこなう。そして、この変換処理により得られた各変換画像から、互いの境界位置が整合するようにして各変換画像毎に設定された所定の画角範囲の画像(例えば、前方抽出画像PF,後方抽出画像PR,左側方抽出画像PSL,右側方抽出画像PSR)を抽出する。そして、例えば図5(A),(B)に示すように、これらの画像(各抽出画像PF,PR,PSL,PSR)を結合して結合画像を生成し、この結合画像をグランドビューGVの画像として出力する。なお、この結合画像においては、隣り合う抽出画像同士間の境界部に所定のマスク線MLが設けられている。
【0023】
なお、外界カメラ11のうち左側方カメラ11cおよび右側方カメラ11dが、車両の左右のドアミラーML,MRの下端に設置されている場合には、左右のドアミラーML,MRの開閉(つまり、展開または格納)に応じて、左側方カメラ11cおよび右側方カメラ11dの撮像領域が変化する。このため、画像処理部42は、左右のドアミラーML,MRの開閉に応じて、視点変換の処理内容を変更すると共に各変換画像毎に設定された所定の画角範囲(つまり、各変換画像から各抽出画像PF,PR,PSL,PSRを抽出するための抽出範囲)を変更する。さらに、結合画像を構成する各画像(つまり、各抽出画像PF,PR,PSL,PSR)同士間の境界位置を変更することで、左右のドアミラーML,MRの開閉に関わらずに、同一の所定の周辺領域を表示するグランドビューGVの画像を生成する。
【0024】
例えば図6(A)〜(D)に示すように、開状態の左右のドアミラーML,MRが、閉状態に移行する際に、ドアミラーML,MRの端部が鉛直方向上方に持ち上がるようにして、ドアミラーML,MRの水平方向に対する傾斜角度が変化すると、左右のドアミラーML,MRの開状態において車両の左側方および右側方の周辺領域のみを撮像するように設定されていた各カメラ11c,11dの撮像領域は、左右のドアミラーML,MRの閉状態において車両本体の左側部および右側部を不必要に含んでしまうと共に車両の後方側にずれることになる。
【0025】
これにより、左右のドアミラーML,MRの開状態においてグランドビューGVの画像(例えば、図7(A)に示す開状態でのグランドビューGVの画像)を生成する処理と同一の処理(つまり、同一の視点変換、および各抽出画像PSL,PSRを抽出するための抽出範囲および結合画像を構成する各抽出画像PF,PR,PSL,PSR同士間の境界位置を同一とした処理)によって、左右のドアミラーML,MRの閉状態でのグランドビューGVの画像(例えば、図7(B)に示す閉状態でのグランドビューGVの画像)を生成すると、所定視点位置BPから見下ろした適切な画像が得られなくなると共に、車両の左側方および右側方の所定の周辺領域を表示することができなくなり、さらに、結合画像を構成する他の各抽出画像PF,PRとの間の境界位置がずれてしまう。
【0026】
このため、画像処理部42は、先ず、左右のドアミラーML,MRの開閉に応じて、視点変換の処理内容を変更すると共に、各変換画像毎に設定された所定の画角範囲(つまり、各変換画像から各抽出画像PF,PR,PSL,PSRを抽出するための抽出範囲)を変更する。これにより、左右のドアミラーML,MRの開閉に関わらずに、所定視点位置BPから見下ろした適切な、かつ車両の左側方および右側方の同一の所定の周辺領域を表示する各抽出画像PSL,PSRを抽出する。
【0027】
さらに、左右のドアミラーML,MRの閉状態において各カメラ11c,11dの撮像領域が、左右のドアミラーML,MRの開状態に比べて、車両の後方側にずれてしまうことで、撮像不可となる領域が生じることに対応して、例えば図5(A)に示す左右のドアミラーML,MRの開状態に比べて、例えば図5(B)に示す左右のドアミラーML,MRの閉状態では、特に、前方抽出画像PFと左側方抽出画像PSLおよび右側方抽出画像PSRとの間の境界位置を車両の後方側にずらすようにして、結合画像での各抽出画像PF,PSL,PSR同士間の境界位置を変更する。この境界位置の変更に対応して、各変換画像から各抽出画像PF,PR,PSL,PSRを抽出するための抽出範囲が予め変更されることになる。
【0028】
例えば図5(A)に示す左右のドアミラーML,MRの開状態においては、前方抽出画像PFと左側方抽出画像PSLおよび右側方抽出画像PSRとの間の境界位置を示すマスク線MLは、車両の左右方向に対して所定第1角度αだけ前方側に傾斜しているのに対して、例えば図5(B)に示す左右のドアミラーML,MRの閉状態においては、前方抽出画像PFと左側方抽出画像PSLおよび右側方抽出画像PSRとの間の境界位置を示すマスク線MLは、車両の左右方向に対して所定第1角度αよりも小さな所定第2角度β(<α)だけ前方側に傾斜している。これにより、左右のドアミラーML,MRの開状態に比べて、閉状態では、前方抽出画像PFに対する抽出領域が拡張され、左側方抽出画像PSLおよび右側方抽出画像PSRに対する抽出領域が縮小されている。
【0029】
表示制御部45は、ナビゲーション装置14の各種動作に係るナビゲーション画面を表示装置19の表示画面に表示する。
また、表示制御部45は、画像処理部42から出力される各変換画像、例えば図8(A)に示すフロントビューFVと、図8(B)に示すリアビューRVと、図8(C),(D)に示す左右のサイドビューSVと、図8(E),(F)に示す左右のミラービューMVと、図8(G)に示すフロントブラインドビューFBVと、図8(H)に示すグランドビューGVとの各画像を、予め設定された、あるいは、操作スイッチ15または切替スイッチ16から出力される指令信号に応じた、あるいは、車両状態センサ13から出力される検出信号に応じた、所定の組み合わせで表示装置19の表示画面に表示する。
さらに、表示制御部45は、画像処理部42から出力される各変換画像を表示装置19の表示画面に表示する際に、記憶部44に格納されている各種のメッセージや各種画像を取得して表示装置19の表示画面に表示すると共に、運転者の運転を支援するための各種のガイド表示(例えば、図8(A)〜(F),(H)に示す車両周辺の所定位置に係る目安ガイド線DL、および、図8(A),(H)に示す車両の走行軌跡に係る予測ガイド線ELなど)を各変換画像に重畳して表示する。
【0030】
例えば、車両状態センサ13の車輪速センサ31から出力される検出信号に応じた車両の速度(車速)が所定のロー側判定閾値VthL以下であって、シフトポジションセンサ33から出力される検出信号においてシフトポジションが後退のリバース以外(例えば、前進のドライブなど)である場合には、表示制御部45は、予め設定された複数の表示形態のうちから、例えば、図9(A)に示すフロントビューFVおよびグランドビューGVの組み合わせと、図9(B)に示すフロントブラインドビューFBVと、図9(C)に示す左右のサイドビューSVの組み合わせと、図9(D)に示す左のサイドビューSVのみとによる、4つの表示形態を選択し、これらの表示形態の何れか1つを、例えば切替スイッチ16から出力される指令信号などに応じて切り替え可能に、表示装置19の表示画面に表示する。
【0031】
このとき、表示制御部45は、画像処理部42から出力される各変換画像に加えて、例えば、切り替え可能な表示形態を示す表示形態指示画像IPと、表示中の変換画像に対応した外界カメラ11の撮像領域を模式的に示す撮像領域指示画像CPと、各種のメッセージ(例えば、「直接周囲を確認しながら運転してください」など)やメニュー表示やヘルプ表示などとを、記憶部44から取得して、表示装置19の表示画面に表示する。
【0032】
例えば、表示形態指示画像IPは、フロントビューFVおよびグランドビューGVの組み合わせを示す画像(F・G)と、フロントブラインドビューFBVを示す画像(FB)と、左右のサイドビューSVの組み合わせ、あるいは左のサイドビューSVのみを示す画像(S)と、リアビューRVおよびグランドビューGVの組み合わせを示す画像(R・G)と、リアビューRVおよび左右のミラービューMVの組み合わせを示す画像(R・M)とであって、図9(A)〜(D)に示すように、表示装置19の表示画面に表示中の表示形態に対応する表示形態指示画像IPは、他の切り替え可能な表示形態に対応する表示形態指示画像IPに比べて、例えばコントラストの増大や大きさの増大や表示色の変更などによって、強調表示されている。
【0033】
なお、表示制御部45は、例えば図9(C),(D)に示すように、表示形態指示画像IPとして、左右のサイドビューSVの組み合わせ、あるいは左のサイドビューSVのみを示す画像(S)を強調表示している場合には、さらに、切り替え可能な相互の表示形態(つまり、左右のサイドビューSVの組み合わせの表示形態、または、左のサイドビューSVのみの表示形態)を指示する第1および第2補助表示形態指示画像IPa,IPbを表示する。
この第1補助表示形態指示画像IPa(長押し:左)は、例えば操作スイッチ15を長時間に亘って押下操作することによって、左右のサイドビューSVの組み合わせの表示形態から左のサイドビューSVのみの表示形態へと切り替え可能であることを示し、第2補助表示形態指示画像IPb(長押し:左右)は、例えば操作スイッチ15を長時間に亘って押下操作することによって、左のサイドビューSVのみの表示形態から左右のサイドビューSVの組み合わせの表示形態へと切り替え可能であることを示している。
【0034】
なお、表示制御部45は、フロントビューFVおよびグランドビューGVの組み合わせに対しては、例えば図9(A)に示すように、フロントビューFVの画像と、グランドビューGVの画像とを、左右に並べて表示装置19の表示画面に表示する。
また、リアビューRVおよびグランドビューGVの組み合わせに対しては、リアビューRVの画像と、グランドビューGVの画像とを、左右に並べて表示装置19の表示画面に表示する。
また、左右のサイドビューSVの組み合わせに対しては、例えば図9(C)に示すように、左のサイドビューSVの画像と、右のサイドビューSVの画像とを、左右に並べて表示装置19の表示画面に表示する。
【0035】
また、例えばシフトポジションセンサ33から出力される検出信号においてシフトポジションがリバースである場合に選択されるリアビューRVおよび左右のミラービューMVの組み合わせに対しては、例えば図10(A)に示すように、上段に左のミラービューMVの画像と右のミラービューMVの画像とを左右に並べ、下段にリアビューRVを配置して、表示装置19の表示画面に表示する。この場合には、例えば図10(B)に示すように上段にリアビューRVを配置して下段に左右のミラービューMVの画像を配置する場合に比べて、運転者が表示形態に違和感を感じてしまうことを防止し、視認性を向上させることができる。
【0036】
なお、車両の前進時にフロントビューFVと組み合わされるグランドビューGVの画像と、車両の後退時にリアビューRVと組み合わされるグランドビューGVの画像とは、同一(つまり、グランドビューGVの画像を構成する各抽出画像PF,PR,PSL,PSRの画角範囲や各抽出画像同士間の境界位置などが変化しない同一の表示形態)とされている。
【0037】
表示制御部45は、例えば図11に示すように、画像処理部42から出力される各変換画像を表示装置19の表示画面に表示する際に、操作スイッチ15から出力される指令信号に応じて、運転者の運転を支援するための各種のガイド表示を各変換画像(例えば、フロントビューFVと、リアビューRVと、サイドビューSVと、ミラービューMVと、グランドビューGVとの各画像)に重畳する。
ガイド表示は、例えば、予測ガイド線ELと、目安ガイド線DLと、駐車ガイド線PLとである。
【0038】
予測ガイド線ELは、例えば舵角センサ32から出力される検出信号に応じて予測される車両の走行軌跡を示すガイド線であって、舵角センサ32により検出される操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角が所定値以上となった場合にグランドビューGVとフロントビューFVとリアビューRVとの各画像に重畳され、後述する目安ガイド線DLとは異なる表示色が設定されている。なお、予測ガイド線ELは、後述する駐車動作の実行時(例えば、操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角が最大値近傍の所定値以上となるフル転舵での後退時)には表示が禁止される。
【0039】
例えばグランドビューGVの画像に重畳される予測ガイド線ELは、車両の走行状態に応じた基準点に対して所定のマージン距離mを有する表示始点P0を有し、例えば図12(A),(B)および図13(A)に示す前進時の左旋回および右旋回の場合には、バンパー外端P1と後ろ内輪タイヤ外端P2とを基準点として表示される2本のガイド線であり、例えば図12(C),(D)および図13(B)に示す後退時の左旋回および右旋回の場合には、左右の後輪タイヤ外端P3,P4とを基準点として表示される2本のガイド線である。
【0040】
また、例えばフロントビューFVの画像に重畳される予測ガイド線ELは、図14(A),図15(A)に示すように、バンパー外端P1の基準点に対して所定のマージン距離mを有する表示始点P0から、車両先端から所定距離fmだけ前方の位置まで表示される1本のガイド線であり、例えばリアビューRVの画像に重畳される予測ガイド線ELは、図14(B),図15(B)に示すように、左右の後輪タイヤ外端P3,P4の基準点に対して所定のマージン距離mを有する各表示始点P0から、車両後端から所定距離だけ後方の位置まで表示される枠状のガイド線である。
【0041】
目安ガイド線DLは、車両の外端(例えば、前端、後端、側端)から予め設定された所定距離だけ離間した位置に表示されるガイド線であって、予測ガイド線ELとは異なる表示色が設定されている。
なお、目安ガイド線DLは、後述する駐車動作の実行時(例えば、フル転舵での後退時)には表示が禁止される。
また、シフトポジションがリバースとなって車両が後退する際に、舵角センサ32により検出される操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角が所定値以上となって予測ガイド線ELが表示される場合には、目安ガイド線DLは表示が禁止される。
【0042】
目安ガイド線DLは、例えばシフトポジションセンサ33から出力される検出信号においてシフトポジションがリバースであるか否かに応じて表示位置が切り替えられている。
例えばグランドビューGVの画像に重畳される目安ガイド線DLは、シフトポジションがリバース以外である場合には、図16(A)に示すように、車両の前方において、車両の前端から所定距離faかつ車両の両側端から所定距離saだけ離間した位置に表示される枠状のガイド線とされる。また、例えばシフトポジションがリバースである場合には、図16(B)に示すように、車両の後方において、車両の後端から所定距離raかつ車両の両側端から所定距離saだけ離間した位置に表示される枠状のガイド線とされている。
【0043】
また、例えばリアビューRVの画像に重畳される目安ガイド線DLは、図17に示すように、車両のバックドアあるいはテールゲートの開状態での最後部から所定距離r0だけ後方の位置と、車両の後端から複数の異なる所定距離r1,r2,r3だけ後方の位置とにおいて、車幅分の長さだけ表示される複数のガイド線DL0〜DL3と、車両の両側端から所定距離saだけ離間した位置において車両の後端から後方に伸びる2本のガイド線DLsとである。
また、目安ガイド線DLは、グランドビューGVとフロントビューFVとリアビューRVとに加えて、左右のサイドビューSVの各画像と、左右のミラービューMVの各画像とに重畳される。
【0044】
駐車ガイド線PLは、車両の駐車動作時の運転支援用のガイド線であって、例えば互いに異なる表示色が設定された、駐車動作の開始時の車両の初期位置に係る初期位置決めガイド線PLAと、切り返し動作の開始位置に係る切り返し開始位置決めガイド線PLBとを備えて構成され、グランドビューGVの画像に重畳される。そして、車両の駐車動作としては、例えば縦列駐車とバック駐車とが設定されている。
【0045】
例えば図18(A),(B)に示すように、駐車動作として左右の縦列駐車の実行時においては、車両後方の左右の所定位置に所定線分の初期位置決めガイド線PLAが表示されると共に、左右のフル転舵での後退時の後ろ外輪(あるいは後ろ外輪に対して所定のマージン距離を有する位置)の移動軌跡(つまり、左の縦列駐車に対応付けられる右のフル転舵での移動軌跡、および、右の縦列駐車に対応付けられる左のフル転舵での移動軌跡)の一部からなる切り返し開始位置決めガイド線PLBが表示される。
【0046】
縦列駐車での初期位置決めガイド線PLAは、例えば図19(A)に示すように、所定四角形状の駐車枠PWの隅部のうち車両に最も近い隅部PWaを含むように位置決めされることを要するガイド線であって、この初期位置決めガイド線PLA上の何れかの位置に駐車枠PWの車両に最も近い隅部PWaが位置する場合に、車両の位置が縦列駐車の駐車動作での初期位置となる。
【0047】
そして、縦列駐車での切り返し開始位置決めガイド線PLBは、例えば図19(B)に示すように、車両が初期位置からフル転舵(つまり、左の縦列駐車での左のフル転舵、および、右の縦列駐車での右のフル転舵)で後退した際に、所定四角形状の駐車枠PWのうち最も奥側の長辺PWbに接するように位置決めされることを要するガイド線であって、この切り返し開始位置決めガイド線PLBが駐車枠PWの最も奥側の長辺PWbに接する場合に、車両の位置が縦列駐車の駐車動作での切り返し位置となる。
これにより、例えば図19(C)に示すように、車両は、切り返し位置から切り返しによるフル転舵(つまり、左の縦列駐車での右のフル転舵、および、右の縦列駐車での左のフル転舵)で後退することによって駐車枠PW内に収容される。
【0048】
また、例えば図20(A),(B)に示すように、駐車動作として左右のバック駐車の実行時においては、車両側方の左右の所定位置に所定枠状の初期位置決めガイド線PLAが表示されると共に、左右のフル転舵での後退時の両後輪(あるいは両後輪に対して所定のマージン距離を有する位置)の移動軌跡(つまり、左のバック駐車に対応付けられる左のフル転舵での移動軌跡、および、右のバック駐車に対応付けられる右のフル転舵での移動軌跡)の一部からなる切り返し開始位置決めガイド線PLBが表示される。
なお、枠状の初期位置決めガイド線PLAは、内部が塗りつぶされていてもよい。
【0049】
このバック駐車での初期位置決めガイド線PLAは、例えば図21(A)に示すように、所定四角形状の駐車枠PWの略中央部に配置されるように位置決めされることを要するガイド線であって、この初期位置決めガイド線PLAが駐車枠PWの略中央部に配置される場合に、車両の位置がバック駐車の駐車動作での初期位置となる。
【0050】
そして、バック駐車での切り返し開始位置決めガイド線PLBは、例えば図21(B)に示すように、車両が初期位置からフル転舵(つまり、左のバック駐車での右のフル転舵、および、右のバック駐車での左のフル転舵)で前進した際に、切り返し開始位置決めガイド線PLBの後端位置PLBrが所定四角形状の駐車枠PW内に配置されるように位置決めされることを要するガイド線であって、この切り返し開始位置決めガイド線PLBの後端位置PLBrが駐車枠PW内に配置される場合に、車両の位置がバック駐車の駐車動作での切り返し位置となる。
これにより、例えば図21(C)に示すように、車両は、切り返し位置から切り返しによるフル転舵(つまり、左のバック駐車での左のフル転舵、および、右のバック駐車での右のフル転舵)で後退することによって駐車枠PW内に収容される。
【0051】
各駐車動作において、初期位置決めガイド線PLAはグランドビューGVの画像に常時重畳され、切り返し開始位置決めガイド線PLBは舵角センサ32により検出される所定方向での操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角がフル転舵近傍の所定値以上となった場合にグランドビューGVの画像に重畳される。
例えば図22(A),(B)に示す左の縦列駐車でのグランドビューGVの画像のように、駐車動作での車両の初期位置でシフトポジションがリバースに設定されている状態(図22(A)に示す状態)から、左の転舵がおこなわれて操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角がフル転舵近傍の所定値以上となった場合(図22(B)に示す状態)に、切り返し開始位置決めガイド線PLBがグランドビューGVの画像に重畳される。
また、例えば図23(A),(B)に示す左のバック駐車でのグランドビューGVの画像のように、駐車動作での車両の初期位置でシフトポジションがリバース以外に設定されている状態(図23(A)に示す状態)から、右の転舵がおこなわれて操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角がフル転舵近傍の所定値以上となった場合(図23(B)に示す状態)に、切り返し開始位置決めガイド線PLBがグランドビューGVの画像に重畳される。
なお、グランドビューGVの画像に重畳された切り返し開始位置決めガイド線PLBの表示は、駐車動作の終了時まで継続される。
【0052】
表示制御部45は、操作スイッチ15から出力される指令信号に応じて、ガイド表示の有無および表示内容を切り替える。
例えば図9(A)に示すように、表示制御部45は、通常時にグランドビューGVの画像を表示装置19の表示画面に表示する際(つまり、各種のガイド表示をグランドビューGVの画像に重畳していないとき)に、操作スイッチ15の所定操作(例えば、回転操作)によって所定の駐車ガイド線メニューの表示が可能であることを示す指示画像PP(駐車メニュー)を表示画面に表示する。そして、操作者によって操作スイッチ15の所定操作(例えば、回転操作)がおこなわれると、例えば図24に示すような所定の駐車ガイド線メニューを表示画面に表示する。
【0053】
この駐車ガイド線メニューは、例えば、予測ガイド線ELおよび目安ガイド線DLの表示を指示する選択メニュー(目安/予測ガイド線)と、左右の縦列駐車あるいは左右のバック駐車に対する駐車ガイド線PLの表示を指示する各選択メニュー(左バックガイド線、右バックガイド線、左縦列ガイド線、右縦列ガイド線)とを備えている。
そして、駐車ガイド線メニューが表示画面に表示されている状態では、操作スイッチ15の所定操作(例えば、回転操作および押下操作)によって、各選択メニューの選択および各選択メニューに応じたガイド線の表示が可能とされている。
【0054】
例えば、通常時のフロントビューFVおよびグランドビューGVの組み合わせの表示形態から切り替えられた駐車ガイド線メニュー(例えば、図24に示す駐車ガイド線メニュー)が表示画面に表示されている状態において、操作スイッチ15の所定操作によって、左の縦列駐車に対する駐車ガイド線PLの表示を指示する選択メニュー(左縦列ガイド線)が選択されると、例えば図25(A)に示すように、フロントビューFVおよびグランドビューGVの組み合わせの表示形態へと表示画面の表示が切り替えられる。このとき、操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角が所定値未満であると共にシフトポジションがリバース以外であると、フロントビューFVの画像には目安ガイド線DLが重畳され、グランドビューGVの画像には目安ガイド線DLおよび初期位置決めガイド線PLAが重畳される。このとき、表示画面には、さらに、操作スイッチ15の所定操作(例えば、押下操作)によって、駐車ガイド線PLの使い方を指示するヘルプ表示を表示可能であることを示す指示画像PHa(使い方)が表示される。
そして、操作者によって操作スイッチ15の所定操作(例えば、押下操作)がおこなわれると、例えば図26(A)に示すような所定のヘルプ表示HELPが、グランドビューGVの画像と共に、グランドビューGVの画像の表示範囲とは干渉しない位置で表示画面に表示される。このとき、表示画面には、さらに、操作スイッチ15の所定操作(例えば、押下操作)によって、ヘルプ表示HELPの表示を終了可能であることを示す指示画像PHb(使い方OFF)が表示される。
【0055】
このヘルプ表示HELPは、例えば左の縦列駐車に対する駐車動作の実行時の一連の運転操作を構成する複数の操作工程毎の指示メッセージHa(例えば、「1.ガイド線を角に合わせる」、「2.左いっぱいで路肩まで後退」、「3.右いっぱいで枠内まで後退」など)と、各指示メッセージHaに対応して駐車枠PWと車両および駐車ガイド線PLとの位置関係を模式的に示す模式画像Hbとを備えて構成されている。各指示メッセージHaおよび各模式画像Hbは、駐車動作の実行時の実際の車両の状態(例えば、シフトポジションセンサ33におより検出されるシフトポジション、および舵角センサ32により検出される操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角の大きさ)、つまり駐車動作の実行時の一連の運転操作を構成する複数の操作工程毎に応じて、順次、強調表示される。なお、強調表示は、例えばコントラストの増大、表示サイズの増大、表示色の変更などによりおこなわれる。
また、駐車動作の実行時の一連の運転操作を構成する複数の操作工程毎において、対応する各指示メッセージHaおよび各模式画像Hbは同一の表示色を有し、複数の操作工程同子間において、対応する指示メッセージHa同士および対応する模式画像Hb同士は、異なる表示色を有している。
【0056】
例えば図25(A),図26(A)に示す表示画面では、左の縦列駐車に対する駐車動作の実行時にシフトポジションがリバース以外の状態であって、操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角が所定値未満であることに対応して、グランドビューGVの画像には初期位置決めガイド線PLAのみが重畳され、ヘルプ表示HELPにおいては、車両を駐車動作での初期位置に設定することを指示する指示メッセージHa(「1.ガイド線を角に合わせる」)およびこの指示メッセージHaに対応した模式画像Hbのみが強調表示されている。この状態から、左の縦列駐車に対する駐車動作での車両の初期位置においてシフトポジションがリバースに設定され、さらに、左の転舵がおこなわれて操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角がフル転舵近傍の所定値以上となった場合には、例えば図25(B),図26(B)に示す表示画面のように、リアビューRVおよびグランドビューGVの組み合わせの表示形態においてグランドビューGVの画像に初期位置決めガイド線PLAと切り返し開始位置決めガイド線PLBとが重畳され、ヘルプ表示HELPにおいては、車両を初期位置からフル転舵で後退させ、さらに、切り返し位置から逆方向のフル転舵で後退させることを指示する指示メッセージHa(「2.左いっぱいで路肩まで後退」、「3.右いっぱいで枠内まで後退」)およびこれらの指示メッセージHaに対応した模式画像Hbのみが強調表示される状態へと切り替えられる。
【0057】
また、例えば、通常時のフロントビューFVおよびグランドビューGVの組み合わせの表示形態から切り替えられた駐車ガイド線メニュー(例えば、図24に示す駐車ガイド線メニュー)が表示画面に表示されている状態において、操作スイッチ15の所定操作によって、左のバック駐車に対する駐車ガイド線PLの表示を指示する選択メニュー(左バックガイド線)が選択されると、例えば図27(A)に示すように、フロントビューFVおよびグランドビューGVの組み合わせの表示形態へと表示画面の表示が切り替えられる。このとき、操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角が所定値以上であると共にシフトポジションがリバース以外であると、フロントビューFVの画像には目安ガイド線DLが重畳され、グランドビューGVの画像には目安ガイド線DLおよび初期位置決めガイド線PLAおよび切り返し開始位置決めガイド線PLBが重畳される。このとき、表示画面には、さらに、操作スイッチ15の所定操作(例えば、押下操作)によって、駐車ガイド線PLの使い方を指示するヘルプ表示を表示可能であることを示す指示画像PHa(使い方)が表示される。
そして、操作者によって操作スイッチ15の所定操作(例えば、押下操作)がおこなわれると、例えば図28(A)に示すような所定のヘルプ表示HELPがグランドビューGVの画像と共に表示画面に表示される。このとき、表示画面には、さらに、操作スイッチ15の所定操作(例えば、押下操作)によって、ヘルプ表示HELPの表示を終了可能であることを示す指示画像PHb(使い方OFF)が表示される。
【0058】
このヘルプ表示HELPは、例えば左のバック駐車に対する駐車動作の実行時の一連の運転操作を構成する複数の操作工程毎の指示メッセージHa(例えば、「1.(初期位置決めガイド線PLAの)マークを中央に合わせる」、「2.左いっぱいでガイド線が収まる様に前進」、「3.左いっぱいで枠内まで後退」など)と、各指示メッセージHaに対応して駐車枠PWと車両および駐車ガイド線PLとの位置関係を模式的に示す模式画像Hbとを備えて構成されている。各指示メッセージHaおよび各模式画像Hbは、駐車動作の実行時の実際の車両の状態(例えば、シフトポジションセンサ33におより検出されるシフトポジション、および舵角センサ32により検出される操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角の大きさ)、つまり駐車動作の実行時の一連の運転操作を構成する複数の操作工程毎に応じて、順次、強調表示される。なお、強調表示は、例えばコントラストの増大、表示サイズの増大、表示色の変更などによりおこなわれる。
【0059】
例えば図27(A),図28(A)に示す表示画面では、左のバック駐車に対する駐車動作の実行時にシフトポジションがリバース以外の状態であって、操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角が所定値未満であることに対応して、グランドビューGVの画像には目安ガイド線DLおよび初期位置決めガイド線PLAおよび切り返し開始位置決めガイド線PLBが重畳され、ヘルプ表示HELPにおいては、車両を駐車動作での初期位置に設定すること、さらに、初期位置からフル転舵で後退させて切り返し位置に設定することを指示する指示メッセージHa(「1.(初期位置決めガイド線PLAの)マークを中央に合わせる」、「2.左いっぱいでガイド線が収まる様に前進」)およびこれらの指示メッセージHaに対応した模式画像Hbのみが強調表示されている。この状態から、左のバック駐車に対する駐車動作での車両の切り返し位置においてシフトポジションがリバースに設定され、さらに、左の転舵がおこなわれて操舵角あるいは操舵角に応じた実舵角がフル転舵近傍の所定値以上となった場合には、例えば図27(B),図28(B)に示すように、リアビューRVおよびグランドビューGVの組み合わせの表示形態においてグランドビューGVの画像に初期位置決めガイド線PLAと切り返し開始位置決めガイド線PLBとが重畳され、ヘルプ表示HELPにおいては、車両を切り返し位置から逆方向のフル転舵で後退させることを指示する指示メッセージHa(「3.左いっぱいで枠内まで後退」)およびこの指示メッセージHaに対応した模式画像Hbのみが強調表示される状態へと切り替えられる。
【0060】
上述したように、本実施の形態による車両運転支援装置10によれば、各カメラ11a,…,11dから出力される画像データに基づく変換画像に重畳されるガイド表示に加えて、駐車動作の実行時の一連の運転操作を構成する複数の操作工程毎に対応した箇所のみが強調されるヘルプ表示HELPを表示することから、運転者は、駐車枠PWと車両との相対位置に応じた適切なタイミングで必要とされる運転操作を的確に認識して容易におこなうことができ、駐車動作の実行開始から実行終了までの一連の運転操作を把握することができ、運転者の運転操作に対する利便性を向上させることができる。
しかも、ヘルプ表示HELPを、ガイド表示が重畳される変換画像の表示範囲とは干渉しない位置に表示することにより、運転者に対してヘルプ表示HELPと実際の外界周辺領域の変換画像とを容易に比較させつつ、ヘルプ表示HELPを的確に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の外界カメラの配置を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の視野表示に対応した所定の外界領域を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の後方カメラの撮像により得られる画像データRPと、画像データRPに対する視点変換により得られる変換画像RCPとの一例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の左右のドアミラーML,MRの開閉に応じたグランドビューGVの画像を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の左右のドアミラーML,MRの開閉状態を示す図である。
【図7】図7(A)は本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の左右のドアミラーML,MRの開状態でのグランドビューGVの画像であり、図7(B)は本発明の一実施形態の比較例に係る車両運転支援装置の左右のドアミラーML,MRの閉状態でのグランドビューGVの画像である。
【図8】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の画像処理部から出力される各変換画像の例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面の例を示す図である。
【図10】図10(A)は本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面の例を示す図であり、図10(B)は本発明の一実施形態の比較例に係る車両運転支援装置の表示画面の例を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面に表示されるガイド表示の例を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のグランドビューGVの画像に重畳される予測ガイド線ELの例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のグランドビューGVの画像に重畳される予測ガイド線ELの例を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のフロントビューFVおよびリアビューRVの各画像に重畳される予測ガイド線ELの例を示す図である。
【図15】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のフロントビューFVおよびリアビューRVの各画像に重畳される予測ガイド線ELの例を示す図である。
【図16】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のグランドビューGVの画像に重畳される目安ガイド線DLの例を示す図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のリアビューRVの画像に重畳される目安ガイド線DLの例を示す図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のグランドビューGVの画像に重畳される縦列駐車の初期位置決めガイド線PLAおよび切り返し開始位置決めガイド線PLBの例を示す図である。
【図19】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のグランドビューGVの画像に重畳される縦列駐車の初期位置決めガイド線PLAおよび切り返し開始位置決めガイド線PLBの例を示す図である。
【図20】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のグランドビューGVの画像に重畳されるバック駐車の初期位置決めガイド線PLAおよび切り返し開始位置決めガイド線PLBの例を示す図である。
【図21】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のグランドビューGVの画像に重畳されるバック駐車の初期位置決めガイド線PLAおよび切り返し開始位置決めガイド線PLBの例を示す図である。
【図22】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のグランドビューGVの画像に重畳される縦列駐車の初期位置決めガイド線PLAおよび切り返し開始位置決めガイド線PLBの例を示す図である。
【図23】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のグランドビューGVの画像に重畳されるバック駐車の初期位置決めガイド線PLAおよび切り返し開始位置決めガイド線PLBの例を示す図である。
【図24】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面に表示される駐車ガイド線メニューの例を示す図である。
【図25】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のグランドビューGVの画像に重畳される縦列駐車の初期位置決めガイド線PLAおよび切り返し開始位置決めガイド線PLBの例を示す図である。
【図26】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のグランドビューGVの画像と共に表示されるヘルプ表示HELPの例を示す図である。
【図27】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のグランドビューGVの画像に重畳されるバック駐車の初期位置決めガイド線PLAおよび切り返し開始位置決めガイド線PLBの例を示す図である。
【図28】本発明の一実施形態に係る車両運転支援装置の表示画面のグランドビューGVの画像と共に表示されるヘルプ表示HELPの例を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
10 車両運転支援装置
11 外界カメラ
11a 前方カメラ(撮像装置)
11b 後方カメラ(撮像装置)
11c 左側方カメラ(撮像装置)
11d 右側方カメラ(撮像装置)
13 車両状態センサ
19 表示装置
20 画像処理装置
45 表示制御部(表示制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の外界周辺領域を撮像して画像を出力する複数の撮像装置と、
車室内に配置された表示装置と、
前記複数の撮像装置から出力される前記画像と、自車両の駐車動作時の運転支援用のガイド表示とを重畳して、前記表示装置に表示する表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記駐車動作の実行時の運転操作を指示するヘルプ表示を、前記運転操作を構成する複数の操作工程に対応した前記ヘルプ表示の箇所のみを順次強調しつつ、前記表示装置に表示することを特徴とする車両運転支援装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記操作工程に対応した前記ヘルプ表示の箇所を強調表示する際に、コントラストを増大させることを特徴とする請求項1に記載の車両運転支援装置。
【請求項3】
前記表示制御手段は、前記操作工程に対応した前記ヘルプ表示の箇所を強調表示する際に、表示サイズを増大させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両運転支援装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記操作工程に対応した前記ヘルプ表示の箇所を強調表示する際に、表示色を変更することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1つに記載の車両運転支援装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記ヘルプ表示を、前記ガイド表示が重畳される前記画像の表示範囲とは干渉しない位置に表示することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1つに記載の車両運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2010−72702(P2010−72702A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−236524(P2008−236524)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】