説明

車両運転支援装置

【課題】交差点に進入しようとする車両の運転者の操作を尊重し運転者による操作を妨げないようにする車両運転支援装置を提供する。
【解決手段】交差点60での一時停止見落とし等を原因とする出会い頭シーン等での事故発生シーンを想定すると、一般に、非優先車両12nは車速Vが低く、優先車両12pは車速Vが高いことが推定される。自車12が優先車両(優先側車両)12pで、車速Vが所定値(例えば、20[km])より低い場合には予圧をかけ車速Vが所定値より高い場合では予圧を少なく(ゼロを含む)することで、的確なブレーキ予圧を付与することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、交差点を走行しようとする車両の運転を支援する車両運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、路車間協調システムの一サービスとして、それぞれが検出器である、障害物センサ、路車間無線機、及び車車間無線機を搭載する車両が、例えば、交差点中央で右折待ちをしている状態で、これらの検出器を用いて、同一の周辺車両(同一の物体)を検出している前記検出器の数と、各検出器の信頼度とに基づき、同一の周辺車両を検出している検出器の数が少なくて信頼度が低い場合には、前記周辺車両の位置を情報提示部に表示するにとどめる一方、同一の周辺車両を検出している検出器の数が多く信頼度が高い場合には、自車両内に警報を発生したり自車両をブレーキアクチュエータにより停止させる運転支援サービスが提案されている(特許文献1)。
【0003】
なお、この発明の実施形態で利用される技術が、特許文献2に提案されている。この特許文献2に提案されている技術は、基準ヨーレートと実ヨーレートとの比較により算出されたヨーレート偏差に基づいて、車両の挙動を安定化する車両制御システム(車両姿勢安定化システム)、いわゆるVSA(Vehicle Stability Assist)システムに係る技術である。このVSAシステムに係る技術では、旋回走行状態でオーバーステアあるいはアンダーステアが生じたときに、ステアリング特性がニュートラルとなるように旋回外輪側あるいは内輪側のブレーキを、電子制御油圧調整器を通じて作動させることで、方向安定性の向上が図れるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−195641号公報([0048]、[0049]、[0066]、図3、図9)
【特許文献2】特開2007−276564号公報(段落[0008])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述した特許文献1に係る車両運転支援装置においては、周辺車両の存在率に応じた支援レベルで運転支援を行うようにしているため、例えば、優先道路を右折しようとする車両に対しても、ブレーキアクチュエータにより車両を停止させてしまう場合があり、その場合には、運転者による操作を妨げてしまうことになる。
【0006】
また、特許文献1には、前記ブレーキアクチュエータにより停止させる運転支援サービスの他、ブレーキ応答性を向上させるためにブレーキ予圧を与えるようにしたブレーキ予圧付与手段を設け、自車両を停止させる代わりに、ブレーキ予圧付与手段を作動させることによって前記運転支援サービスを行うようにしてもよいとも提案されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1には、ブレーキ予圧の付与をどのようなプロファイルにより与えるかについては、具体的には何も記載されていなく、改良の余地がある。
【0008】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、運転者の操作を尊重し運転者による操作を妨げないようにすることを可能とする車両運転支援装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、この発明は、交差点に進入しようとする車両のブレーキに予圧(ブレーキ予圧)を付与する際、予圧プロファイルを的確に設定することを可能とする車両運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る車両運転支援装置は、以下の特徴(1)〜(8)を有する。
【0011】
(1)交差点の手前で、自車が走行する道路に交わる他の道路に他車の存在を検出したとき、前記自車の乗員に報知する報知部と、前記自車が、前記他の道路を通行する前記他車の進行を妨害してはならない非優先車両であるか否かを判定する非優先車両判定部と、前記報知に基づいて前記自車のブレーキに予圧を付与する予圧付与部と、を備え、前記予圧付与部は、前記自車が前記非優先車両である場合には、第1の予圧を付与し、前記自車が前記非優先車両ではなく優先車両である場合には、自車速が所定値未満のとき前記第1の予圧を付与するとともに、前記自車速が前記所定値以上のとき前記第1の予圧より低い第2の予圧又はゼロ値を付与することを特徴とする。
【0012】
ここで、交差点の手前で、自車が走行する道路に交わる他の道路に他車の存在を検出する検出器としては、路車間通信機、車車間通信機、又は障害物センサ(カメラやレーダ等)等を用いることができる。
【0013】
なお、自車が非優先車両であるか否かを検出する非優先車両検出部としては、路車間通信機、カメラ、GPS情報、又はナビゲーション装置等を用いることができる。
【0014】
この発明によれば、交差点の手前において、自車が優先車両であっても、自車速が所定値以上の場合には、自車が非優先車両である場合に付与する第1の予圧より低い第2の予圧又はゼロ値を付与するようにしているので、通常の場合、非優先車両より車速の高い優先車両に対して、高い予圧(第1の予圧)を発生させることがなく、しかも、車速が所定値以上の優先車両がブレーキ操作をしたとしても必要以上のブレーキ力が発生しないので、運転者による操作を尊重し運転者による操作を妨げない的確な予圧プロファイルを設定することができる他、車両の商品性が向上し、予圧発生装置の耐久性を向上させることができる。
【0015】
(2)上記の特徴(1)を有する発明において、前記予圧付与部は、予圧を付与した前記非優先車両又は前記優先車両が、所定距離以上進行したとき、前記予圧の付与を解除することを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、予圧を付与した後に所定距離以上進行したときには、停止意思がないものと判断して予圧を解除するようにしたので、予圧発生装置の電力消費を抑制することができる。
【0017】
(3)上記の特徴(1)又は(2)を有する発明において、前記予圧付与部は、前記第1の予圧は、前記報知時からの経過時間に応じて前記予圧を高くすることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、報知時からブレーキを操作するまでの経過時間が長い場合には、予圧が高くなるように付与しているので、ブレーキ操作が遅れた場合であっても、経過時間に拘わらず、的確なブレーキ圧を得ることができる。
【0019】
(4)上記の特徴(1)又は(2)を有する発明において、前記予圧付与部は、前記第1の予圧は、前記報知時からの経過時間が、所定時間経過後から付与することを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、報知時の初期予圧をゼロ値にし、所定の時間経過後は第1の予圧を付与するようにしたので、報知に対する反応がさまざまなタイミングの運転者に対して、適切な予圧を付与することができる。
【0021】
(5)上記の特徴(4)を有する発明において、前記予圧付与部は、前記報知時からの経過時間が、前記所定時間経過後から前記第1の予圧を付与する際、前記所定時間経過後以降、予圧を徐々に高くして前記第1の予圧まで付与することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、一定の時間経過以降に予圧を付与する際に、低い予圧から徐々に高い予圧の第1の予圧にすることで、報知に対するブレーキ操作の反応が早い運転者と遅い運転者への事故回避効果をより適切に配分させることができ、報知に対する反応がさまざまなタイミングの運転者に対して、適切な予圧を付与することができる。
【0023】
(6)上記の特徴(3)又は(5)を有する発明において、さらに、前記交差点の手前であって、前記優先車両が走行する道路に設置される道路インフラを有し、前記道路インフラは、前記交差点の手前で、前記自車速が所定値未満で走行する前記優先車両が走行する道路に交わる他の道路における他車の存在を前記優先車両に通知する際、併せて、前記交差点から前記道路インフラまでの距離を前記優先車両に通知し、前記通知を受けた前記優先車両は、前記報知部により報知し、前記優先車両の前記予圧付与部は、前記報知に基づいて前記ブレーキに前記第1の予圧を付与する際、前記道路インフラから前記交差点までの距離に応じて、前記第1の予圧の立ち上げプロファイルを変化させることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、交差点から道路インフラの設置位置までの距離は、その設置位置に道路インフラが設置可能な否かの状況等により変化する。そこで、道路インフラが実際に設置された交差点からの距離に応じて、前記ブレーキ予圧の立ち上げプロファイルを変化させることで、優先車両の運転者に的確なブレーキ予圧を発生させることができる。
【0025】
(7)上記の特徴(6)を有する発明において、前記予圧付与部は、前記報知に基づいて前記ブレーキに第1の予圧を付与する際、さらに、前記優先車両の自車速に応じて、前記第1の予圧の立ち上げ勾配を変化させることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、交差点に進入しようとする車両の車速は、さまざまな速度であり、その自車側に応じてブレーキ予圧の立ち上げ勾配を変化させることで、優先車両の運転者にとって一層的確なブレーキ予圧を付与することができる。
【0027】
(8)上記の特徴(5)〜(7)のいずれか1つを有する発明において、前記優先車両は、さらに、前記自車と先行車との間の車間距離を検出するとともに、前記先行車の有無を検出する先行車検出部を備え、前記予圧付与部は、前記報知に基づいて前記ブレーキに第1の予圧を付与する際、前記先行車検出部からの検出情報に基づいて前記第1の予圧の立ち上げプロファイルを変化させることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、報知に基づいてブレーキに予圧を付与する際、先行車検出部からの検出情報に基づいて前記ブレーキ予圧の立ち上げプロファイルを変化させるようにしたので、先行車の有無によらず、的確なブレーキ予圧を付与することができる。
【発明の効果】
【0029】
この発明によれば、交差点の手前において、自車が優先車両であっても、自車速が所定値以上の場合には、自車が非優先車両である場合に付与する第1の予圧より低い第2の予圧又はゼロ値を付与するようにしているので、通常の場合、非優先車両より車速の高い優先車両に対して、高い予圧(第1の予圧)を発生させることがなく、かつ、車速が所定値以上の優先車両がブレーキ操作をしたとしても必要以上のブレーキ力が発生しないので、運転者による操作を尊重し運転者による操作を妨げない的確な予圧プロファイルを設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の一実施形態に係る車両運転支援装置が車両運転支援ECUとして組み込まれた車両の概略構成ブロック図である。
【図2】ブレーキ予圧の付与効果の説明図である。
【図3】車両運転支援ECUの動作説明に供されるフローチャートである。
【図4】出会い頭事故防止シーンの一例の説明図である。
【図5】付与するブレーキ予圧(車速対ブレーキ予圧)の説明図である。
【図6】付与するブレーキ予圧(時間対ブレーキ予圧)の説明図である。
【図7】出会い頭事故防止シーンの他の例の説明図である。
【図8】付与するブレーキ予圧(交差点までの距離対ブレーキ予圧)の説明図である。
【図9】出会い頭事故防止シーンのさらに他の例の説明図である。
【図10】付与するブレーキ予圧の立ち上げ勾配の説明図である。
【図11】付与するブレーキ予圧の立ち上げ勾配の他の説明図である。
【図12】出会い頭事故防止シーンのさらに他の例の説明図である。
【図13】付与するブレーキ予圧の立ち上げプロファイルの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0032】
図1は、この発明の一実施形態に係る車両運転支援装置が車両運転支援ECU10として組み込まれた車両(自車ともいう。)12の概略構成を示している。
【0033】
車両運転支援ECU10は、マイクロコンピュータ等により構成され、CPUが各種入力に基づきROM等のメモリに記憶されているプログラムを実行することで各種の機能を実現する機能実現部(機能実現手段)として動作する。これらの機能は、ハードウエアにより実現することもできる。その場合には、機能実現部中、用語「〜部」は、「〜回路」、「〜器」、または「〜装置」に置換される。
【0034】
この実施形態において、車両運転支援ECU10は、報知部(警報発生部)14、非優先車両判定部(非優先車両・優先車両判定部)16、先行車検出部18、計時部20、及び予圧付与部22等として機能する。
【0035】
車両運転支援ECU10には、他車両情報・自車両情報等の入出力装置として、障害物センサ30、路車間通信機32、車車間通信機34、液晶表示器等の表示部38、「ナビゲーション装置40」スピーカあるいはブザー等として機能する警報器42、車速センサ44、及び操作量センサ56が接続され、さらに、電子制御油圧調整器46が接続される。
【0036】
障害物センサ30としては、レーダ又はステレオカメラが用いられ、自車12から自車前方の障害物までの相対距離(車間距離)及び相対速度を検出する。例えば、障害物センサ30がレーダであるとき、レーダは、自車12の前方に向けてミリ波等の電磁波を送信波として送信し、その反射波に基づいて障害物(例えば、先行車等)の大きさを検出するとともに障害物の自車12からの方向を検出し、同時に障害物と自車12との間の相対距離(障害物が先行車である場合には、車間距離)、障害物と自車12との相対速度等を検出する。
【0037】
障害物センサ30により検出された先行車の情報は、先行車検出部18に供給される。
【0038】
路車間通信機32及び車車間通信機34に係る路車間通信及び車車間通信については様々な手法が既に提案されており、具体例は当業者に明らかであるが、この実施形態において、路車間通信機32は、交差点近傍路側の支柱上あるいは跨道橋下等に設置される光ビーコン等の道路インフラ48と送受信し、該道路インフラ48から交差点までの距離情報の他、交差点に向かって進行中の他車両の位置と車速を受信するとともに、路車間通信機32から自車12の位置と車速を道路インフラ48を通じて他車両50等に送信する。
【0039】
なお、自車12の位置はナビゲーション装置40を通じて検出され、車速Vは、車速センサ44により検出される。道路インフラ48自体も自体の設置位置を記憶しているので、道路インフラ48によっても道路インフラ48下を通過する車両12の車速並びに位置を検出することができる。道路インフラ48から車両12、50に対して、道路インフラ48の交差点からの距離等の設置位置が送信される。
【0040】
非優先車両判定部16は、この道路インフラ48からの情報又はナビゲーション装置40中の地図情報から、自車12が向かう交差点の他の道路を通行する他車両(他車)50の進行を妨害してはならない非優先車両であるか否かを判定する。
【0041】
なお、非優先車両判定部16により、自車12が非優先車両と判定されたとき、自車12を非優先車両12nといい、非優先車両と判定されなかったとき、自車12を優先車両12pという。
【0042】
また、車車間通信機34によっても他車両50と自車12との間で、それぞれ位置及び車速Vを互いに送受信することができる。
【0043】
自車12の図示しない車輪には、それぞれ制動力を発生するブレーキアクチュエータ(単に、ブレーキともいう。)52が設けられ、各ブレーキアクチュエータ52の各制動力(制動油圧)は、電子制御油圧調整器46内の各圧力調整器によりそれぞれ独立に制御される。
【0044】
電子制御油圧調整器46は、操作量(踏込量)センサ56により検出されるブレーキペダル(単に、ブレーキともいう。)54の操作量(踏込量)θ(ブレーキ操作量ともいう。)に応じた制動油圧を発生するとともに、ブレーキペダル54の操作に依存しない制動力指令値、いわゆるブレーキバイワイヤによる制動力指令値に応じて前記各圧力調整器がそれぞれ制動油圧を発生し、ブレーキアクチュエータ52に出力する構成とされている。
【0045】
なお、ブレーキバイワイヤによる制動力指令値は、車両12に搭載される、上述した方向安定性の向上を図る公知の車両姿勢安定化システム、例えばVSAシステムにより発生されるが、この実施形態において、予圧付与部22は、このVSAシステムを利用して、ブレーキペダル54の操作に依存しない予圧(ブレーキ予圧)を、電子制御油圧調整器46を通じて全ブレーキアクチュエータ52に付与する。
【0046】
図2は、ブレーキ予圧を付与した際の効果(予圧効果)の説明図である。図2において、模式的な予圧付与無し特性100は、予圧付与のないブレーキ操作量θに対する制動加速度の特性であり、この予圧付与無し特性(通常特性)100では、例えば、ブレーキ操作量θがθ=θbに対して制動加速度(ブレーキG)G1を発生するようになっている。
【0047】
予圧付与無し特性100において、ブレーキ操作量θ=Δθmaxは、制動加速度のかからないブレーキペダル54によるペダル操作の無効部分、いわゆる遊びの部分である。
【0048】
予圧付与部22は、この遊びの部分をなくすか殆どなくすために所定条件下にブレーキ予圧を掛けるためのブレーキ操作量(以下、オフセットブレーキ操作量又はプリブレーキ操作量という。)Δθ(Δθは、0〜Δθmaxの間で可変設定可能)を電子制御油圧調整器46に出力する。
【0049】
オフセットブレーキ操作量Δθが電子制御油圧調整器46に入力されている状態において、ブレーキペダル54の操作に伴い操作量センサ56からブレーキ操作量θ=θbが電子制御油圧調整器46に入力されると、図2に示すように、制動加速度が制動加速度G1から制動加速度G2に上昇する。すなわち、予圧を付与しておくことにより、ブレーキ予圧効果が発生し、同じブレーキ操作量θbでも、制動力が(G2−G1)分、大きくなりかつ遊びがなくなる又は少なくなるので制動力の発生タイミングが早くなる。このように予圧を掛けておくことにより、ブレーキペダル54を踏み込んだときに、直ちにブレーキ力、すなわち制動加速度がかかることになる。
【0050】
なお、オフセットブレーキ操作量Δθmaxは、遊びがなくなるブレーキ予圧100[%]に対応する操作量であるが、上記したように、ブレーキ予圧としてブレーキ予圧100[%]より小さい値に設定することもできる。すなわちオフセットブレーキ操作量Δθとして、ブレーキ予圧の0[%]〜100[%]に対応して値0〜値Δθmaxまでを設定するようにしてもよい。
【0051】
図1の車両運転支援ECU10において、報知部14は、障害物センサ30、路車間通信機32又は車車間通信機34により自車12が走行する道路に交わる他の道路に他車両50の存在を検出したときに警報器42あるいは表示部38を通じて警報乃至警告を発生し、自車12の乗員に報知する。
【0052】
計時部20は、この報知時(警報発生時)からの時間を計時する。
【0053】
次に、上述の実施形態の動作について、図3に示すフローチャートに基づいて詳しく説明する。なお、特に断らない限り、フローチャートによる処理を実行するのは車両運転支援ECU10であるが、これをその都度参照するのは繁雑になるので、必要に応じて参照する。
【0054】
ステップS1において、交差点の手前で、報知部14が、障害物センサ30、路車間通信機32又は車車間通信機34のいずれかにより、交差点に接近する他車両50の存在を検出したとき、例えば、図4の出会い頭事故防止シーンの説明図に示すように、左側通行の交差点60の手前で、道路インフラ48からの通知により路車間通信機32を通じて交差点60に進入しようとする他車両50(自車12が非優先車両12nの場合には他車両50は優先車両12pであり、自車12が優先車両12pの場合には他車両50は非優先車両12n)の存在を検出したとき、警報器42を通じて、ブレーキ操作(ブレーキペダル54の操作)を促すための警報を発生するとともに、表示部38に警告表示を行う。
【0055】
次いで、警報発生後、直ちに、例えば、0.5秒以内(ドライバーの一般的な反応時間)に、運転者のブレーキ操作(ブレーキペダル54の操作)があったかどうかを、操作量センサ56によるブレーキ操作量θが0値でないか否かにより判定し、ブレーキ操作がなかった(θ=0)場合には、ステップS3に進む。
【0056】
ステップS3において、非優先車両判定部16は、自車12が非優先車両12nか優先車両12pであるかを判定する。
【0057】
自車12が非優先車両12nであるか否かの判定は、道路インフラ48からの通知により自車12が非優先道路26を走行していないか否かにより判定するか、ナビゲーション装置40からの地図情報により自車12が非優先道路26を走行中か否か等により判定する。
【0058】
ステップS3において、非優先車両判定部16が、自車12が非優先車両12nであると判定したとき、ステップS4において、予圧付与部22は、図5に実線で示す、第1の予圧PC1(予圧付与特性102となる予圧)を、電子制御油圧調整器46を通じてブレーキアクチュエータ52に付与する。
【0059】
その一方、ステップS3において、非優先車両判定部16が、自車12が優先車両12pであると判定したとき、ステップS5において、予圧付与部22は、さらに車速センサ44を通じて自車速Vが所定値Vth1以上、例えばVth1=20[km/h]以上であるか否かを判定し、所定値Vth1未満(V<Vth1=20[km/h])である場合には、同様に、図5に実線で示す前記第1の予圧PC1を付与する(ステップS4)。
【0060】
一方、自車12が優先車両12pであって自車速Vが所定値Vth1以上(V≧Vth=20[km/m])である場合には、ステップS6で、図5に破線で示す、第1の予圧PC1より低いゼロ値を含む車速Vに応じた第2の予圧PC2aを付与する。
【0061】
あるいは、図5に一点鎖線で示す第2の予圧PC2bに示すように、ステップS3で自車12が優先車両12pであると判定したときの自車速Vが、ステップS5で所定値Vth2以上(V≧Vth2)、例えば、15[km/以上]であるか否かを判定し、15[km/以上]である場合には、30[km/h]まで、自車速Vに応じてブレーキ予圧を100[%]から0[%]の間に設定するようにしてもよい。つまり、車速15[km/h]〜30[km/h]の間でオフセットブレーキ操作量ΔθをΔθmaxからゼロ値の間で徐々に小さくなる値に設定するようにしてもよい。
【0062】
以上説明したように、ステップS1〜S6までの処理を含む第1実施例では、以下の構成を備え、以下の効果を奏する。
【0063】
[第1実施例の構成の説明]
交差点60の手前で、自車12が走行する道路24又は26に交わる他の道路26又は24上に他車50の存在を検出したとき、自車12の乗員に報知する報知部14と、自車12が、前記他の道路を通行する他車50の進行を妨害してはならない非優先車両12nであるか否かを判定する非優先車両判定部16と、前記報知に基づいて自車12のブレーキに予圧を付与する予圧付与部22と、を備え、予圧付与部22は、自車12が非優先車両12nであると判定した場合には、車速Vに拘わらず第1の予圧PC1、例えばブレーキ予圧100[%]を付与し、自車12が非優先車両12nではなく優先車両12pである場合には、自車速Vが所定値(例えば、所定値をVthとすれば、Vth1=20[km/h]又はVth2=15[km/h])未満のとき第1の予圧PC1を付与するとともに、自車速Vが所定値Vth以上のとき第1の予圧PC1より低い第2の予圧PC2a、PC2b付与する。
【0064】
[第1実施例の効果の説明]
交差点60での一時停止見落とし等を原因とする出会い頭シーン等での事故発生シーンを想定すると、一般に、非優先車両12nは車速Vが低く、優先車両12pは車速Vが高いことが推定される。
【0065】
この場合、優先車両12pにとっては事故回避処理として、ブレーキ作動に限らず、クラクションの作動、ヘッドライトの点灯、さらにはステアリング回避など選択肢の多様性もあるため、ブレーキ予圧付与が必須とは言い切れないこともある。また、優先車両12pの運転者によるブレーキ作動そのものも車速Vを少し落とすだけのいわゆる「チョンがけ」である場合もある。この状況下で、予圧が発生していると必要以上のブレーキ力が発生し、違和感が生じる。
【0066】
そこで、この第1実施例では、これらの状況を鑑み、自車12が優先車両(優先側車両)12pで、車速Vが所定値Vth2=15[km/h]又はVth1=20[km/h]より高い場合は予圧を少なく(ゼロを含む)することで、予圧発生装置(電子制御油圧調整器46とブレーキアクチュエータ52)の耐久性向上、予圧発生に伴う商品性向上(音振動、音は、警報器42からの車室内への警報、振動は例えば図示しないステアリングへの振動付与)を狙った装置が提供できる。もちろん、自車12が非優先車両12nである場合には、警報発生後、直ちに100[%]の第1の予圧PC1がかかるようになっている。
【0067】
次に、第2実施例について説明する。ステップS4での第1の予圧PC1又はステップS6での第2の予圧PC2の付与後に、ステップS7において、予圧付与部22は、操作量センサ56のブレーキ操作量θを監視し、運転手のブレーキ操作があるかどうかを判定する。
【0068】
ブレーキ操作がある場合、ステップS8において、ブレーキ操作量θがθ=0と、ブレーキペダル54への力の付与がなくなったことを確認した後、予圧付与部22は、予圧の付与を解除する。すなわち、予圧付与時にブレーキ操作があった場合には、そのブレーキ操作が発生した時点で予圧の付与を解除する。
【0069】
また、ステップS7において、運転者のブレーキ操作がない場合、ステップS9において、自車12が警報を発生してから所定距離以上進行したか(ナビゲーション装置40による情報あるいは車速Vと計時部20による経過時間による情報等から所定距離を算出する。)、又は自車12が交差点60を通過したかを判定し(ナビゲーション装置40による情報、道路インフラ48からの情報又は図示しないカメラによる情報等により判定する。)、ステップS9あるいはステップS7の判定が肯定的となるまで、ステップS7;NO及びステップS9;NOの判定を繰り返し、ステップS9あるいはステップS7の判定が肯定的となったとき、ステップS8にて予圧の付与を解除する。
【0070】
以上説明したように、ステップS7〜S9までの処理を含む第2実施例では、以下の構成を備え、以下の効果を奏する。
【0071】
[第2実施例の構成の説明]
予圧付与部22は、予圧を付与した非優先車両12n又は優先車両12pが、所定距離以上進行したとき、又は自車12(非優先車両12n又は優先車両12p)が交差点60を通過したとき、予圧の付与を解除する。
【0072】
[第2実施例の効果の説明]
交差点60への進入シーンで車両12が交差点60に接近する際に、ブレーキペダル54を操作せず(停止線62で停止した後にブレーキペダル54を操作しない場合も含む。)、注意を払いながら、車両12の進行を継続させる場合がある。
【0073】
このような状況下では、車両12の進行がある条件(所定距離以上進行又は交差点通過)となったときに予圧を解除するようにすることで、不要に予圧を残したまま車両12の走行を継続する必要がなくなり、エネルギー効率の良い車両運転支援装置を提供することができる。これにより、予圧発生装置として機能する電子制御油圧調整器46の耐久性を向上させることができる。
【0074】
次に、第3実施例について、図6を参照して説明する。
【0075】
[第3実施例の構成の説明]
予圧付与部22は、自車12が非優先車両12nであるときの第1の予圧PC1を、図6の第1の予圧PC1bに示すように、警報発生等の報知時T0からの経過時間Tに応じて0[%]から100[%]まで徐々に高くする。経過時間T1でブレーキ予圧を第1の予圧PC1に等しい100[%]にする。
【0076】
[第3実施例の効果の説明]
報知時からブレーキを操作するまでの経過時間が長い場合には、経過時間Tに応じて予圧が高くなるように付与しているので、ブレーキ操作が遅れた場合には予圧が高くなっているので、ブレーキ操作が遅れた場合であっても、経過時間に拘わらず、的確なブレーキ圧を得ることができる。
【0077】
次に、第4実施例について説明する。
【0078】
[第4実施例の構成の説明]
予圧付与部22は、自車12が非優先車両12nであるときの第1の予圧PC1を、図6の第1の予圧PC1cに示すように、報知時T0からの経過時間Tが、所定時間T1(T1としては、例えば、1[sec])までは0[%]とし、所定時間T1経過後から100[%]の予圧を付与する。
【0079】
[第4実施例の効果の説明]
報知時の初期予圧をゼロ値にし、所定の時間T1経過後は第1の予圧P1と同じ予圧を付与するようにしたので、報知に対する反応がさまざまなタイミングの運転者に対して、適切な予圧を付与することができる。
【0080】
次に、第5実施例について説明する。
【0081】
[第5実施例の構成の説明]
予圧付与部22は、自車12が非優先車両12nであるとき、報知時T0からの経過時間Tが、所定時間T1経過後から第1の予圧PC1を付与する際、図6の第1の予圧PC1dに示すように、概ね所定時間T1経過後以降に予圧を付与し、付与した予圧を徐々に高くして第1の予圧PC1まで付与する。
【0082】
[第5実施例の効果の説明]
一定の時間T1経過以降に予圧を付与する際に、低い予圧、例えば0[%]から徐々に高い予圧の予圧100[%]の第1の予圧PC1bにすることで、報知に対するブレーキ操作の反応が早い運転者と遅い運転者への事故回避効果をより適切に配分させることができ、報知に対する反応がさまざまなタイミングの運転者に対して、適切な予圧を付与することができる。
【0083】
次に、第6実施例について説明する。
【0084】
[第6実施例の構成の説明]
図7に示すように、交差点60の手前であって、優先車両12pが走行する道路24に設置される道路インフラ(情報提供インフラであり、この例では路側インフラ)64を有し、道路インフラ64が、交差点60の手前で、自車速が所定値Vth(例えば、Vth=15[km/h])未満で走行する優先車両12pが走行する道路24に交わる他の道路26上における他車である非優先車両12nの存在を、優先車両12pに路車間通信機32を通じて通知する際、併せて、交差点60から道路インフラ64までの距離X[m]を優先車両12pに通知する。
【0085】
通知を受けた優先車両12pは、報知部14により警報を発生することで乗員に報知する。
【0086】
このとき、優先車両12pの予圧付与部22は、警報発生に基づいてブレーキアクチュエータ52に第1の予圧PC1を付与する際、道路インフラ64から交差点60までの距離Xに応じて、図8に示すように、第1の予圧PC1の立ち上げプロファイルを変化させた、第1の予圧PC1e、PC1f等を付与することを特徴とする。
【0087】
すなわち、警報発生時において、道路インフラ64から交差点60までの距離Xが比較的に長い場合は、予圧を長い距離で緩やかに立ち上げる第1の予圧PC1e側とし、道路インフラ64から交差点60までの距離Xが比較的に短い場合は、予圧を短い距離で急に立ち上げる第1の予圧PC1f側とする。予圧の立ち上げプロファイルは、交差点60までの距離Xが短い距離Xth(例えば、Xth=50[m])で、第1の予圧PC1となり、距離Xthより距離Xが長くなる(距離Xは、図8の横軸上で、原点0の位置から左側に進むほど、長くなる)につれて予圧がより緩やかに立ち上げるように付与される。
【0088】
[第6実施例の効果の説明]
交差点60から道路インフラ64の設置位置までの距離Xは、その設置位置に道路インフラ64が設置可能な否かの状況等により変化する。そこで、道路インフラ64が実際に設置された交差点60からの距離X(図7参照)に応じて、ブレーキ予圧の立ち上げプロファイルを変化させることで、優先車両12pの運転者に的確なブレーキ予圧を発生させることができる。
【0089】
次に、第6実施例の変形例について説明する。
【0090】
[第6実施例の変形例の構成の説明と効果の説明]
図7のシーンにおいて、警報発生時における道路インフラ64から交差点60までの距離Xに応じて、ブレーキ予圧の立ち上げプロファイルを変化させる際に、さらに図9に示すように、交差点60を含む道路24a、26aの交差形状(交差点60と道路インフラ64との位置関係)を考慮する。
【0091】
交差形状は、道路インフラ64等からの情報により判定し、例えば、図9、図10に示すように、道路24aの交差点までの曲率を考慮し、優先車両12pから交差点60近傍がよく見えない、いわゆるブラインド気味の場合には、予圧の立ち上げプロファイルの勾配(予圧の立ち上げ勾配)を急にし、優先車両12pから交差点60近傍がよく見える場合には、予圧の立ち上げ勾配を緩やかにするブレーキ予圧PC6とする。
【0092】
この第6実施例の変形例によれば、例えば、交差点60が見えにくい場合には、予圧の立ち上げ勾配を急にしているので、道路インフラ64から僅かな距離を進んだ位置でブレーキペダル54を操作した場合でもブレーキ予圧が大きくなっているので、大きなブレーキ力を得ることができる。
【0093】
次に、第7実施例について説明する。
【0094】
[第7実施例の構成の説明]
上述の第6実施例又はその変形例では、交差点60から道路インフラ64までの距離あるいは交差点60と道路インフラ64との位置関係に基づいて、予圧立ち上げプロファイルの勾配を変更した。
【0095】
この第7実施例では、図11に示すように、さらに、予圧付与部22が、警報発生に基づいてブレーキアクチュエータ52に第1の予圧PC1を付与する際、さらに、優先車両12pの自車速Vに応じて、第1の予圧PC1の立ち上げ勾配を変化させた第1の予圧PC1gを付与する。
【0096】
[第7実施例の効果の説明]
交差点60に進入しようとする車両12の車速Vは、さまざまな速度であり、その自車側に応じてブレーキ予圧の立ち上げ勾配を変化させることで、優先車両12pの運転者にとって一層的確なブレーキ予圧を付与することができる。
【0097】
次に、第8実施例について説明する。
【0098】
[第8実施例の構成の説明]
図12に示すように、優先車両12pは、さらに、優先車両(自車)12pと先行車12qとの間の車間距離Yを検出するとともに、先行車12qの有無を障害物センサ30を通じて検出する先行車検出部18を備え、予圧付与部22は、警報発生に基づいてブレーキアクチュエータ52に第1の予圧PC1を付与する際、図13に示すように、先行車検出部18からの検出情報に基づいて前記第1の予圧PC1の立ち上げプロファイルを変化させた第1の予圧PC1h、PC1i、PC1jとすることが好ましい。
【0099】
具体的には、優先車両12pが先行車12qを検出していない場合には、もっとも緩やかな勾配を持つ第1の予圧PC1hに設定し、先行車12qを検出しているが車間距離Y[m]が相対的に長い場合には急な勾配を持つ第1の予圧PC1iに設定し、検出した先行車12qとの車間距離Yが相対的に短い場合にはより急な勾配を持つ第1の予圧PC1jに設定する。第1の予圧PC1iと第1の予圧PC1jとの間では、勾配を、車間距離Yに反比例するように変化させてもよい。
【0100】
[第8実施例の効果の説明]
警報発生等の報知に基づいてブレーキアクチュエータ52に予圧を付与する際、先行車検出部18からの検出情報に基づいてブレーキ予圧の立ち上げプロファイルを変化させるようにしたので、先行車12qの有無によらず、的確なブレーキ予圧を付与することができる。
【0101】
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0102】
10…車両運転支援ECU 12…車両(自車)
12n…非優先車両 12p…優先車両
14…報知部 16…非優先車両判定部
18…先行車検出部 20…計時部
22…予圧付与部 30…障害物センサ
32…路車間通信機 34…車車間通信機
38…表示部 42…警報器
44…車速センサ 46…電子制御油圧調整器
50…他車両(他車) 52…ブレーキアクチュエータ
54…ブレーキペダル 56…操作量センサ
100…予圧付与無し特性 102…予圧付与特性

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交差点の手前で、自車が走行する道路に交わる他の道路に他車の存在を検出したとき、前記自車の乗員に報知する報知部と、
前記自車が、前記他の道路を通行する前記他車の進行を妨害してはならない非優先車両であるか否かを判定する非優先車両判定部と、
前記報知に基づいて前記自車のブレーキに予圧を付与する予圧付与部と、を備え、
前記予圧付与部は、
前記自車が前記非優先車両である場合には、第1の予圧を付与し、
前記自車が前記非優先車両ではなく優先車両である場合には、自車速が所定値未満のとき前記第1の予圧を付与するとともに、前記自車速が前記所定値以上のとき前記第1の予圧より低い第2の予圧又はゼロ値を付与する
ことを特徴とする車両運転支援装置。
【請求項2】
請求項1記載の車両運転支援装置において、
前記予圧付与部は、
予圧を付与した前記非優先車両又は前記優先車両が、所定距離以上進行したとき、前記予圧の付与を解除する
ことを特徴とする車両運転支援装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の車両運転支援装置において、
前記予圧付与部は、
前記第1の予圧は、前記報知時からの経過時間に応じて前記予圧を高くする
ことを特徴とする車両運転支援装置。
【請求項4】
請求項1又は2記載の車両運転支援装置において、
前記予圧付与部は、
前記第1の予圧は、前記報知時からの経過時間が、所定時間経過後から付与する
ことを特徴とする車両運転支援装置。
【請求項5】
請求項4記載の車両運転支援装置において、
前記予圧付与部は、
前記報知時からの経過時間が、前記所定時間経過後から前記第1の予圧を付与する際、
前記所定時間経過後以降、予圧を徐々に高くして前記第1の予圧まで付与する
ことを特徴とする車両運転支援装置。
【請求項6】
請求項3又は5記載の車両運転支援装置において、
さらに、前記交差点の手前であって、前記優先車両が走行する道路に設置される道路インフラを有し、
前記道路インフラは、前記交差点の手前で、前記自車速が所定値未満で走行する前記優先車両が走行する道路に交わる他の道路における他車の存在を前記優先車両に通知する際、併せて、前記交差点から前記道路インフラまでの距離を前記優先車両に通知し、
前記通知を受けた前記優先車両は、前記報知部により報知し、
前記優先車両の前記予圧付与部は、前記報知に基づいて前記ブレーキに前記第1の予圧を付与する際、前記道路インフラから前記交差点までの距離に応じて、前記第1の予圧の立ち上げプロファイルを変化させる
ことを特徴とする車両運転支援装置。
【請求項7】
請求項6記載の車両運転支援装置において、
前記予圧付与部は、
前記報知に基づいて前記ブレーキに第1の予圧を付与する際、さらに、前記優先車両の自車速に応じて、前記第1の予圧の立ち上げ勾配を変化させる
ことを特徴とする車両運転支援装置。
【請求項8】
請求項5〜7のいずれか1項に記載の車両運転支援装置において、
前記優先車両は、さらに、前記自車と先行車との間の車間距離を検出するとともに、前記先行車の有無を検出する先行車検出部を備え、
前記予圧付与部は、
前記報知に基づいて前記ブレーキに第1の予圧を付与する際、前記先行車検出部からの検出情報に基づいて前記第1の予圧の立ち上げプロファイルを変化させる
ことを特徴とする車両運転支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−11940(P2012−11940A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−152043(P2010−152043)
【出願日】平成22年7月2日(2010.7.2)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】