説明

車体下部構造

【課題】乗員着座用シートの下部に嵩上げ部を設けることなく、フロアパネルの低位置部において乗員着座用シートを支持する。
【解決手段】リヤシート30のシートクッション32の車幅方向外側端部32Aとフロアパネル22の傾斜部22Aとの間にはシートブラケット36が配置されており、シートブラケット36に形成した凸部42、44でリヤシート30のシートクッション32における車幅方向外側端部32Aを支持している。また、シートブラケット36はフロアパネル22の傾斜部22Aとで車体前後方向に沿った閉断面部38、40を形成しており、閉断面部38、40は、ロッカ10の閉断面部16に沿って車体前後方向に伸びている。このため、シートクッション32の下部に嵩上げ部を設けることなく、フロアパネル22の傾斜部22Aにおいてシートクッション32を支持できると共に、車両衝突時のロッカ10の折れを防止できるようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車体下部構造に関し、特に、自動車等の車両のシート取付部に適用される車体下部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両のシート取付部に適用される車体下部構造が知られている(特許文献1)。この車体下部構造は、自動車車体の車室後部の隔壁に乗員着座用シートのクッション材を直接載置し、クッション材を覆う表皮の端末を隔壁に固定ており、隔壁に形成された凹に対応する凸をクッション材に形成し、これら凹凸の嵌合でクッション材の位置決めをし、クッション材がずれて表皮端末の固定箇所に無理な力がかかることを防止している。即ち、隔壁をシートフレームとして利用し、乗員着座用シート自体にはシートフレームを設ける必要がなく、乗員着座用シートを軽量化して車重の軽量化を図れるようになっている。
【特許文献1】特開平5−69762号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記した従来技術では、乗員着座用シートを支持する部位に形成された低位置部(凹部)に対応して、乗員着座用シートにクッション材の厚さが厚くなる部位(嵩上げ部)を形成する必要があると共に、乗員着座時に発生する乗員着座用シートの嵩上げ部の沈み込みを抑制する対策を施す必要がある。このため、上記した従来技術では乗員着座用シートの構造が複雑になる。
【0004】
本発明は、上記事実を考慮して、乗員着座用シートの下部に嵩上げ部を設けることなく、フロアパネルの低位置部において乗員着座用シートを支持できる車体下部構造を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の本発明の車体下部構造は、車幅方向外側端部に車幅方向中央部に比べて車体上下方向の高さが低くなった低位置部が形成されたフロアパネルと、該フロアパネルの上方に配設され、車幅方向外側部が前記低位置部の上方に達した乗員着座用シートと、前記フロアパネルの低位置部において前記フロアパネルの上面に固定され、前記フロアパネルとで車体前後方向に沿った閉断面部を形成すると共に前記乗員着座用シートを車体下方側から支持するシートブラケットと、を有する。
【0006】
従って、フロアパネルの車幅方向外側端部に形成された低位置部においてフロアパネルの上面に固定されたシートブラケットと、フロアパネルとで車体前後方向に沿った閉断面部が形成されており、この閉断面部によって、フロアパネルの低位置部の上方に達した乗員着座用シートの車幅方向外側部を車体下方側から支持することができる。このため、乗員着座用シートの下部に嵩上げ部を設けることなく、フロアパネルの低位置部において乗員着座用シートを支持できる。また、フロアパネルの車幅方向外側端部に形成された低位置部においてフロアパネルとシートブラケットとで形成される車体前後方向に沿った閉断面部によって、フロアパネルの車幅方向外側部が補強される。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1記載の車体下部構造において、前記シートブラケットの車幅方向外側端部は、前記フロアパネルの低位置部の車幅方向外側に車体前後方向に沿って配設されたロッカに前記フロアパネルを介して固定されている。
【0008】
従って、シートブラケットの車幅方向外側端部が、フロアパネルの低位置部の車幅方向外側に車体前後方向に沿って配設されたロッカにフロアパネルを介して固定されているため、ロッカが車両後突時等に車幅方向外側等に折れるのを、シートブラケットとフロアパネルとで形成される車体前後方向に沿った閉断面部によって抑制できる。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、請求項2記載の車体下部構造において、前記シートブラケットの下方には、前記ロッカの車幅方向内側に配置され、前記フロアパネルと前記ロッカとで車体前後方向に沿った閉断面部を形成するサイドメンバが前記フロアパネルを介して配設されている。
【0010】
従って、ロッカの車幅方向内側でシートブラケットの下方にフロアパネルを介して配設されるサイドメンバが、フロアパネルとロッカとで形成する車体前後方向に沿った閉断面部によってフロアパネルの車幅方向外側部を補強できる。
【0011】
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の車体下部構造において、前記シートブラケットと前記フロアパネルとで形成される閉断面部と、前記サイドメンバと前記フロアパネルと前記ロッカとで形成される閉断面部とが車体上下方向に重なる。
【0012】
従って、シートブラケットとフロアパネルとで形成される閉断面部と、サイドメンバとフロアパネルとロッカとで形成される閉断面部とが、車体上下方向に重なるため、フロアパネルの車幅方向外側部をさらに補強できる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の本発明は、乗員着座用シートの下部に嵩上げ部を設けることなく、フロアパネルの低位置部において乗員着座用シートを支持できる。
【0014】
請求項2に記載の本発明は、車両衝突時のロッカの折れを抑制できる。
【0015】
請求項3に記載の本発明は、フロアパネルの車幅方向外側部を補強できる。
【0016】
請求項4に記載の本発明は、フロアパネルの車幅方向外側部をさらに補強できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明における車体下部構造の第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車体前方側を示しており、矢印UPは車体上方側を示しており、矢印INは車幅方向内側を示している。
【0018】
図1には本実施形態に係る車体下部構造が車体斜め外側前方から見た斜視図で示されており、図2には本実施形態に係る車体下部構造が車体前方から見た正面図で示されている。また、図3には本実施形態に係る車体下部構造のシートを除いた車体上方から見た平面図が示されている。
【0019】
図1に示すように、本実施形態のロッカ10は、ロッカ10の車幅方向外側部を構成する開口部を車幅方向内側へ向けた断面ハット形状のロッカアウタ12と、ロッカ10の車幅方向内側部を構成する開口部を車幅方向外側へ向けた断面ハット形状のロッカインナ14とによって車体前後方向に沿って延びる断面略矩形状の閉断面部16を形成している。
【0020】
なお、閉断面部とは、対象とする断面の開口外周部が実質的に連続して高強度及び高剛性になっている断面構造であって、実質的にとは、対象とする断面が外周長に比べて小さな孔等が部分的に形成されていても、断面の直角方向(長手方向)の手前側又は奥側では孔等が無く、開口部周囲の部材が連続している構成も含むことを意味する。
【0021】
具体的には、ロッカアウタ12の縦壁部12Aの上端部には、車幅方向内側へ向けて上壁部12Bが形成されており、この上壁部12Bの車幅方向内側端部には上方へ向けてフランジ12Cが形成されている。また、ロッカアウタ12の縦壁部12Aの下端部には、略車幅方向内側へ向けて下壁部12Dが形成されており、この下壁部12Dの車幅方向内側端部には下方へ向けてフランジ部12Eが形成されている。
【0022】
一方、ロッカインナ14の縦壁部14Aの上端部には、車幅方向外側へ向けて上壁部14Bが形成されており、この上壁部14Bの車幅方向外側端部には上方へ向けてフランジ14Cが形成されている。このフランジ14Cがロッカアウタ12のフランジ12Cに溶着(溶接により結合)されている。また、ロッカインナ14の縦壁部14Aの下端部には、車幅方向外側へ向けて下壁部14Dが形成されており、この下壁部14Dの車幅方向外側端部には下方へ向けてフランジ14Eが形成されている。このフランジ14Eがロッカアウタ12のフランジ12Eに溶着されている。
【0023】
ロッカインナ140車幅方向内側には、略車体前後方向に沿ってサイドメンバとしてのリヤサイドメンバ20が配設されている。リヤサイドメンバ20の車体前後方向から見た断面形状は開口部を車幅方向外側と上方へ向けたL字状となっており、ロッカインナ14とフロアパネル22とで車体前後方向に沿って延びる断面略矩形状の閉断面部24を形成してている。
【0024】
具体的には、フロアパネル22の車幅方向外側部には、車幅方向内側上方から車幅方向外側下方へ傾斜した低位置部としての傾斜部22Aが形成されており、傾斜部22Aの下端縁部には車幅方向外側に向かってフランジ22Bが形成されている。このフランジ22Bはロッカインナ14の上壁部14Bの上面に溶着されている。また、リヤサイドメンバ20の縦壁部20Aの上端部には、車幅方向内側上方へ向けてフランジ20Bが形成されており、このフランジ20Bが、フロアパネル22の傾斜部22Aの下面における車幅方向中間部に溶着されている。さらに、リヤサイドメンバ20の縦壁部20Aの下端からは、車幅方向外側に向かって下壁部20Cが形成されており、この下壁部20Cの車幅方向外側部には車体下方に向かってフランジ20Dが形成されている。このフランジ20Dはロッカインナ14の縦壁部14Aの車幅方向内側面における上下方向中間部に溶着されている。
【0025】
フロアパネル22の車幅方向中央部22Cは略水平に配置されており、車幅方向中央部22Cの車幅方向両端に傾斜部22Aが連結されている。また、フロアパネル22の車幅方向中央部22Cの上面22Dには、乗員着座用シートとしてのリヤシート30のシートクッション32が配置されており、シートクッション32の車幅方向外側端部32Aは、フロアパネル22における傾斜部22Aの上方の位置に達している。
【0026】
シートクッション32の車幅方向外側端部32Aとフロアパネル22の傾斜部22Aとの間には、シートブラケット36が配置されている。このシートブラケット36は、フロアパネル22の傾斜部22Aの上面22Eに固定され、フロアパネル22の傾斜部22Aとで車体前後方向に沿った閉断面部38、40を形成しており、これらの閉断面部38、40の車体前後方向から見た形状は台形状となっている。
【0027】
具体的には、シートブラケット36は、車体前後方向に伸びる2つの凸部42、44を有する波板材で構成されており、車体上下方向の同じ高さに設定された凸部42、44の上壁部42A、44Aがシートクッション32の車幅方向外側端部32Aの下面32Bを車体下方側から支持している。また、車幅方向外側の凸部44における外側壁部44Bの下端からは、車幅方向外側に向かってフランジ44Cが形成されており、このフランジ44Cは、フロアパネル22のフランジ22Bを挟んで(介して)ロッカインナ14の上壁部14Bの上面に溶着されている。
【0028】
一方、車幅方向内側の凸部42における内側壁部42Bの下端からは、車幅方向内側斜め上方に向かってフランジ42Cが形成されており、フランジ42Cはフロアパネル22の傾斜部22Aにおける上端部の上面22Fに溶着されている。また、車幅方向外側の凸部44の内側壁部44Dの下端と、車幅方向内側の凸部42の外側壁部42Dの下端とを連結する連結壁部42Eは、フロアパネル22の傾斜部22Aにおける車幅方向中間部の上面22Gに溶着されている。さらに、連結壁部42Eはフロアパネル22の傾斜部22Aを挟んでリヤサイドメンバ20のフランジ20Bに溶着されている。
【0029】
従って、本実施形態では、シートブラケット36でリヤシート30のシートクッション32における車幅方向外側端部32Aを支持できるようになっている。このため、リヤシート30のシートクッション32における車幅方向外側端部32Aの下部に嵩上げ部を設ける従来の構成に比べて、本実施形態では、シートクッション32における車幅方向外側端部32Aの上下方向の厚さM1を小さくできるようになっている。即ち、本実施形態では、シートクッション32における車幅方向外側端部32Aの上下方向の厚さM1を他の部位(車幅方向中間部)厚さM2と同じにできるようになっている。
【0030】
なお、閉断面部38の断面積より閉断面部40の断面積が大きくなっており、閉断面部40は、リヤサイドメンバ20、フロアパネル22及びロッカインナ14で形成される閉断面部24の上側に重なっている。
【0031】
また、シートブラケット36における車幅方向外側の凸部44における上壁部44Aの前側部には、リヤシート30のシートクッション32を固定するための矩形状の取付孔50が穿設されている。
【0032】
図2に示すように、リヤシート30のシートクッション32における車幅方向外側端部32Aの下面32Bには、リヤシート30のシートクッション32をシートブラケット36に固定するための係合爪52が車体下方に向かって突出形成されている。この係合爪52は、シートブラケット36における車幅方向外側における凸部44の上壁部44Aの前側部に形成された取付孔50に係合している。従って、リヤシート30のシートクッション32は、車幅方向外側端部32Aの下面32Bが凸部42、44の上壁部42A、44Aによって車体下方側から当接支持された状態で固定されている。
【0033】
図3に示すように、閉断面部38、40は、ロッカ10の閉断面部16の車幅方向内側において、閉断面部16に沿って車体前後方向に伸びている。このため、シートブラケット36によって形成された閉断面部38、40によって、ロッカ10の閉断面部16が補強されており、車両が後突した場合等に、ロッカ10が車幅外側方向(図3の矢印A方向)等へ変形しようとした場合には、シートブラケット36によって形成された閉断面部38、40によってロッカ10の折れを抑制できるようになっている。
【0034】
なお、図3に示すように、シートブラケット36は、シートブラケット36を設けない場合の構成(車体)において、車両後突時にロッカ10が屈曲する位置P1(折れポイント)を見つけ、この折れポイントP1を跨いで、車体前後方向に沿って配置する。
【0035】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0036】
本実施形態の車体下部構造では、図2に示すように、リヤシート30のシートクッション32における車幅方向外側端部32Aを、フロアパネル22の傾斜部22Aの上面に固定したシートブラケット36で車体下方側から支持している。従って、リヤシート30のシートクッション32における車幅方向外側端部32Aの下部に車体下方側に向かって嵩上げ部を設けることなく、車幅方向外側端部32Aをフロアパネル22の傾斜部22Aにおいてシートブラケット36を介して支持できる。
【0037】
このため、リヤシート30のシートクッション32における車幅方向外側端部32Aの下部に、車体下方側に向かって嵩上げ部を設ける従来の構成に比べて、本実施形態では、シートクッション32における車幅方向外側端部32Aの上下方向の厚さM1を小さくでき、シートクッション32を小型化できる。また、本実施形態では、シートクッション32の車幅方向外側端部32Aに嵩上げ部がないため、着座時に発生する嵩上げ部の沈み込みを防止するために行っていた、シートクッション32のウレタン硬さの調整等を行う必要もない。
【0038】
この結果、本実施形態では、リヤシート30のシートクッション32における車幅方向外側端部32Aの下部に嵩上げ部を設ける従来の構成に比べて、シートクッション32の構造が簡単になるため、部品点数を少なくできると共にコストダウンも可能になる。また、シートブラケット36が車体前後方向に伸びる2つの凸部42、44を有する波板材であるため、シートブラケット36の製造も容易であり、この点においてもコストダウンになる。
【0039】
また、本実施形態の車体下部構造では、図1に示すように、シートブラケット36とフロアパネル22の傾斜部22Aとで形成される閉断面部38、40が、ロッカ10の閉断面部16の車幅方向内側において、閉断面部16に沿って車体前後方向に伸びている。このため、閉断面部38、40によってフロアパネル22の車幅方向外側部を補強できる。この結果、車両が後突した場合等に、ロッカ10が車幅外側方向(図3の矢印A方向)等へ変形しようとした場合には、シートブラケット36によって形成された閉断面部38、40によってロッカ10の横折れを抑制できる。また、閉断面部38、40によって補強することで、フロアパネル22との溶接点の剪断のみでは防止することが困難な、ロッカインナ14とリヤサイドメンバ20との分離も防止できる。
【0040】
また、ロッカ10の折れを抑制するために、ロッカ10の閉断面部16の内部にパッチ、バルクヘッド等の補強部材を設ける構成に比べて、本実施形態では、シートブラケット36を兼用することで、部品点数を削減できると共にコストダウンも可能になる。
【0041】
また、本実施形態では、ロッカ10の車幅方向内側に配置されたリヤサイドメンバ20とロッカインナ14とフロアパネル22とで車体前後方向に沿って延びる閉断面部24が形成される。このため、閉断面部24によってもフロアパネル22の車幅方向外側部を補強できる。さらに、本実施形態では、閉断面部24と、シートブラケット36とフロアパネル22の傾斜部22Aとで形成される閉断面部40とが車体上下方向に重なるため、フロアパネル22の車幅方向外側部をさらに補強できる。
【0042】
以上に於いては、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかである。例えば、上記実施形態では、シートブラケット36を車体前後方向に伸びる2つの凸部42、44を有する波板材で構成したが、シートブラケット36は車体前後方向に伸びる1つの凸部や3つ以上の凸部を有する構成としてもよい。また、シートブラケット36は波板材に限定されず、例えば、前後左右に壁部を備えた箱形状等の他の形状としても良い。
【0043】
また、上記実施形態では、閉断面部38、40の車体前後方向から見た形状を台形状としたが、閉断面部38、40の車体前後方向から見た形状は矩形状、半円状等の他の形状としてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、フロアパネル22の車幅方向外側部に、低位置部としての車幅方向内側上方から車幅方向外側下方へ傾斜した傾斜部22Aを形成したが、傾斜部22Aに代えて、段差部等の他の低位置部をフロアパネル22の車幅方向外側部に形成した構成としてもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、フロアパネル22の傾斜部22Aの車幅方向外側にロッカ10を配置したが、フロアパネル22の傾斜部22Aの車幅方向外側にロッカ10を配置しない構成としてもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、フロアパネル22の傾斜部22Aの下側にリヤサイドメンバ20を配置したが、フロアパネル22の傾斜部22Aの下側にリヤサイドメンバ20を配置しない構成としてもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、リヤサイドメンバ20の車体前後方向から見た断面形状を開口部を車幅方向外側と上方へ向けたL字状としたが、リヤサイドメンバ20の車体前後方向から見た断面形状は開口部を車体上方へ向けたハット形状等の他の形状としてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、リヤシート30のシートクッション32をシートブラケット36に係合爪52によって固定したが、シートクッション32のシートブラケット36への固定は、締結部材等の他の固定手段による固定でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施形態に係る車体下部構造を示す車体斜め前方外側から見た斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車体下部構造を示す車体前方から見た正面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る車体下部構造を示すシートを除いた車体上方から見た平面図である。
【符号の説明】
【0050】
10 ロッカ
14 ロッカインナ
16 閉断面部
20 リヤサイドメンバ
22 フロアパネル
22A フロアパネルの傾斜部(低位置部)
24 閉断面部
30 リヤシート(乗員着座用シート)
32 シートクッション
36 シートブラケット
38 閉断面部
40 閉断面部
42 凸部
44 凸部
50 取付孔
52 係合爪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車幅方向外側端部に車幅方向中央部に比べて車体上下方向の高さが低くなった低位置部が形成されたフロアパネルと、
該フロアパネルの上方に配設され、車幅方向外側部が前記低位置部の上方に達した乗員着座用シートと、
前記フロアパネルの低位置部において前記フロアパネルの上面に固定され、前記フロアパネルとで車体前後方向に沿った閉断面部を形成すると共に前記乗員着座用シートを車体下方側から支持するシートブラケットと、
を有することを特徴とする車体下部構造。
【請求項2】
前記シートブラケットの車幅方向外側端部は、前記フロアパネルの低位置部の車幅方向外側に車体前後方向に沿って配設されたロッカに前記フロアパネルを介して固定されていることを特徴とする請求項1に記載の車体下部構造。
【請求項3】
前記シートブラケットの下方には、前記ロッカの車幅方向内側に配置され、前記フロアパネルと前記ロッカとで車体前後方向に沿った閉断面部を形成するサイドメンバが前記フロアパネルを介して配設されていることを特徴とする請求項2に記載の車体下部構造。
【請求項4】
前記シートブラケットと前記フロアパネルとで形成される閉断面部と、前記サイドメンバと前記フロアパネルと前記ロッカとで形成される閉断面部とが車体上下方向に重なることを特徴とする請求項3に記載の車体下部構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−255707(P2009−255707A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−106538(P2008−106538)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】