説明

車体洗浄方法及びそれに用いる噴射ノズル並びに車体洗浄装置

【課題】本発明は、塗膜剥離の悪影響を回避できるのは勿論のこと、最小限の設備で車体を効率よく洗浄できる車体洗浄方法を提供することにある。
【解決手段】本発明は、洗浄液(29)を噴射して車体表面2Wの汚れを洗浄するに際し、洗浄液(29)の流速によって気体を噴射ノズル21内に自然吸引させると共に、噴射ノズル21内で衝突させて気泡洗浄液29を生成し、この気泡洗浄液29を前記車体表面2Wに向かって噴出させるようにしたのである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車体洗浄方法及びそれに用いる噴射ノズル並びに車体洗浄装置に係り、特に、微細気泡を混入した洗浄液を噴射して車体の汚れを洗浄する車体洗浄方法及びそれに用いる噴射ノズル並びに車体洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、被洗浄体である車体の塗膜剥離の悪影響を回避させるために、高圧ジェット洗浄方法に代わって、微細気泡を混入した洗浄液を噴射して車体の汚れを洗浄する車体洗浄方法が、例えば特許文献1や特許文献2に開示されているように、既に提案されている。
【0003】
特許文献1に記載の車体洗浄方法は、比較的低圧力で噴出させる洗浄水に加圧された空気を供給して車体表面に噴射させるものである。
【0004】
他方、特許文献2による車体洗浄方法は、比較的低圧力で噴出させる洗浄水に微細な凹凸に進入可能な特殊な洗浄粒子を混入すると共に、加圧された空気を供給して車体表面に噴射させるものである。
【0005】
【特許文献1】特開2000−317412号公報
【特許文献2】特開2006−61791号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1,2に開示されている車体洗浄方法によれば、車体表面の微細な凹凸に付着した汚れを低圧の噴射力によって洗浄することができるので、車体の塗膜剥離の悪影響を回避できる利点がある。
【0007】
しかしながら、上記車体洗浄方法は、いずれも空気を加圧する設備が必要になり、また特許文献2の洗浄方法では、微細な凹凸に進入可能な特殊な洗浄粒子を混入する必要があるために、専用の洗浄粒子を用意しておかなければならない問題がある。
【0008】
本発明の目的は、塗膜剥離の悪影響を回避できるのは勿論のこと、最小限の設備で車体を効率よく洗浄できる車体洗浄方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記目的を達成するために、洗浄液を噴射して車体表面の汚れを洗浄するに際し、洗浄液の液流によって気体を噴射ノズル内に自然吸引させると共に、噴射ノズル内で衝突させて気泡洗浄液を生成し、この気泡洗浄液を前記車体表面に向かって噴出させるようにしたのである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、気体を自然吸引させて気泡洗浄液を生成し、この気泡洗浄液を車体表面に噴出させることで、低圧力での気泡洗浄液を噴射しても、気泡洗浄液が車体表面に衝突したときに衝突方向に対し直角に発生する剪断力や、気泡の破壊により発生する衝撃波、さらには衝撃波に曝された気泡の収縮により部分的に高圧となって破壊することで発生する二次的な衝撃波ないし圧縮波が、車体表面及び微細な凹凸内に作用して汚れを落とすことができるのである。その結果、塗膜剥離の悪影響を回避できるのは勿論のこと、最小限の設備で車体を効率よく洗浄できる車体洗浄方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下本発明による車体洗浄装置の第1の実施の形態を、図1〜図6に示す鉄道車両の車体洗浄装置に基づいて説明する。
【0012】
本実施の形態による車体洗浄装置は、大きくは、洗浄敷地内に敷設されたレール1A,1B上の車両2に対向して両側に複数設置された洗浄液噴射ノズル群3A,3Bと、これら洗浄液噴射ノズル群3A,3Bよりも車両進行側に設置された仕上液噴射ノズル群4A,4Bと、この仕上液噴射ノズル群4A,4Bよりも車両進行側に設置された乾燥気体噴射ノズル群5A,5Bと、これら各ノズル群を囲むように設けられた洗浄液飛沫防護壁6A,6Bと、原水貯蔵槽7と、この原水貯蔵槽7から原水注入ポンプ8を介して原水が注入される洗浄液槽9と、この洗浄液槽9に洗剤注入ポンプ10を介して洗剤を注入する洗剤液槽11と、前記洗浄液槽9内で原水と洗剤液とを混ぜ合わせて洗浄液を作る攪拌機12と、前記洗浄液槽9内の洗浄液を前記洗浄液噴射ノズル群3A,3Bに必要な噴射圧力を付与して供給する加圧手段である洗浄液ポンプ13と、前記原水貯蔵槽7の原水を前記仕上液噴射ノズル群4A,4Bに必要な噴射圧力を付与して供給する仕上液ポンプ14と、前記乾燥気体噴射ノズル群5A,5Bへ乾燥用気体を必要な噴射圧力を付与して供給するための気体コンプレッサ15と、前記各ポンプの運転停止や回転数を制御して各ノズルの噴出順序や噴出圧力を調節する洗浄制御装置16と、前記気体コンプレッサ15の圧力を調節するコンプレッサ制御装置17とを備えている。
【0013】
上記構成において、いま、車両2が図5の矢印方向に低速で自走して入線してくると、図示しない車両検知センサが車両2を検出し、その検出信号を受けて前記洗浄制御装置16は洗浄液ポンプ13を作動させて前記洗浄液噴射ノズル群3A,3Bから洗剤液を原水で希釈した洗浄液を噴出させて車両2に吹き付ける。洗浄液の吹き付けにより、車両2の車体に付着した汚れは洗浄されて落とされる。さらに車両2が進んで、前記仕上液噴射ノズル群4A,4Bの直前に来ると、図示しない車両検知センサが車両2を検出し、その検出信号を受けて前記洗浄制御装置16は仕上液ポンプ14を作動させて前記仕上液噴射ノズル群4A,4Bから原水を噴出させて車両2に吹き付ける。原水の吹き付けにより、車両2の車体から浮き上がって付着している汚れや残存する洗浄液は流し落とされる。さらに車両2が進んで、前記乾燥気体噴射ノズル群5A,5Bの直前に来ると、図示しない車両検知センサが車両2を検出し、その検出信号を受けてコンプレッサ制御装置17は前記気体コンプレッサ15を作動させて前記乾燥気体噴射ノズル群5A,5Bから乾燥用気体を噴出させて車両2に吹き付ける。乾燥気体の吹き付けにより、車両2の車体に付着した原水は吹き飛ばされるので、車体は乾燥される。
【0014】
尚、車両2が各種ノズル群を夫々通過したことも、図示しない車両検知センサで検知することで、各ポンプの動作を順番に停止させることができる。また、車両の通過速度が予め設定された速度の場合には、タイマ等によって各種ノズルの動作及び停止を行うようにしてもよい。
【0015】
ところで、前記洗浄液噴射ノズル群3A,3Bは、図5に示すように、車両2の進行方向に複数設置されると共に、各洗浄液噴射ノズル群3A,3Bは、図3に示すように、前記洗浄液ポンプ13に接続され上下方向に沿って設置された配管ヘッダ18と、この配管ヘッダ18に接続された複数のフレキシブル配管19と、これら複数のフレキシブル配管19を前記配管ヘッダ18から隔てた位置で支持する配管支持金具20と、前記フレキシブル配管19の各先端部に設けられた噴射ノズル21とを有している。フレキシブル配管19は、配管支持金具20よりも先端側を、図4に示すように、変形させることで、車両2の車体形状に併せて各噴射ノズル21との距離を調節することができる。
【0016】
そして、噴射ノズル21は、図1及び図2に示すように、フレキシブル配管19の先端に接続されて原水を供給する洗浄液供給口22と、この洗浄液供給口22から供給される液流によって気体、例えば外気を自然吸引する気体(外気)供給口23と、この気体供給口23から供給された外気と前記洗浄液供給口22から供給され洗浄液とを衝突させて気泡洗浄液を生成する気泡洗浄液生成室24と、この気泡洗浄液生成室24で生成された気泡洗浄液を噴出させる噴出口25とを有する。
【0017】
尚、前記気泡洗浄液生成室24内での洗浄液と外気とを混合させて気泡洗浄液の生成を効率よく行わせるために、複数の洗浄液の噴射流を形成する複数の絞り孔26A,26Bを設けたオリフィス27を洗浄液供給口22と気泡洗浄液生成室24との間に設けている。そして、前記絞り孔26A,26Bは、前記気泡洗浄液生成室24から前記噴出くち25までの間で前記洗浄液の複数の噴射流が衝突するように傾斜して形成されている。このように構成することで、洗浄液は気泡洗浄液生成室24内で外気を引込みながら微小じょう乱を発生させ、さらに発生した圧力変動により微細な気泡を生成して洗浄液に混入させることができる。
【0018】
このように構成された噴射ノズル21に、洗浄液ポンプ13で加圧された洗浄液を供給すると、複数の絞り孔孔26A,26Bから高速で噴出される洗浄液によって、気体供給口23から外気が自然吸引されて気泡洗浄液生成室24内に導入される。そして導入された外気は、洗浄液と衝突して気泡が混じった気泡洗浄液が生成される。
【0019】
そして、図7に示すように、噴射ノズル21から気泡28を含んだ気泡洗浄液29を車両2の車体表面2Wに噴射して衝突させると、まず、方向を変えられて車体表面2Wに沿って流れる気泡洗浄液29が剪断力として作用するので、それによって汚れが削り落とされる。また、気泡28が車体表面2Wに衝突して破壊される過程において発生する剪断力によっても、同様に汚れを落とすことができる。さらにまた、気泡28の大振幅での膨張・収縮により衝撃波28Fが発生し、この衝撃波28Fに曝された別の気泡が収縮して高圧を発生させ、これによっても車体表面2Wの汚れを削ることができる。
【0020】
ところで、前記気泡洗浄液生成室24は、閉ざされた狭い空間であり、ここで絞り孔26A,26Bから流出して衝突した洗浄液の粒子は、衝突の運動エネルギーによって絞り孔26A,26Bに到達前における洗浄液の粒子の数10分の1以下に微細化される。洗浄液の表面張力の元である表面自由エネルギーは、面積あたりのエネルギーであるから、面積が小さいほどエネルギーが小さく安定する。そして微細な気泡とすることは、空気を固い殻の表面張力を持つ洗浄液の膜で覆うことになり、洗浄作用が有効に作用する噴出口25と車体表面2Wとの間の距離(スタンドオフ)を、より伸ばすことができ、したがって、衝突した際の車体表面2Wに付着している汚れ固体に対して有効な洗浄力を示す。
【0021】
尚、フラットノズルと称される通常の噴射ノズルと本実施の形態による気液二層流の噴射ノズルとは、噴射される洗浄液の粒子を比較した場合、本実施の形態による噴射ノズルの洗浄液の粒子は通常の噴射ノズルに較べて数10分の1以下に微細化された状態で噴射されるので、微細な凹凸内の汚れに対して有効な破壊力を示すことになり、洗浄効果は大きい。しかも、噴射ノズルからの洗浄液が車体表面2Wに衝突する面積、云い代えれば洗浄領域を比較すると、通常の噴射ノズルの衝撃力の分布が、噴流の中心を頂点とした急峻な山形状を示すのに対し、本実施の形態による噴射ノズルの衝撃力の分布は、洗浄領域全体に亘ってほぼ均一、厳密には、周辺が急峻に低くなる台形状となるので、洗浄斑を生じることがない。衝撃力の分布が噴流の中心を頂点とした急峻な山形状の場合には、加える噴射圧力によっては、中心部の切削力が大きくなって車体表面2Wの塗装を破壊させたり、車体や車体に実装された機器箱内に原水が侵入したりする虞がある。そのために、噴射圧力を下げると、切削力が低下するので上記問題は解消されるものの、汚れを切削する能力も低下するので、噴射圧力の設定には困難が伴う。しかしながら、本実施の形態においては、洗浄液の噴射圧力を大きくする代わりに、気泡の崩壊に伴う剪断力や衝撃波を利用することで、上述のように、洗浄効果を高めることができる。
【0022】
以上説明したように本実施の形態によれば、空気を加圧する設備や専用の洗浄粒子を用いることなく、塗膜剥離の悪影響を回避できるのは勿論のこと、車体を効率よく洗浄することができる。
【0023】
ところで、複数の噴射ノズル21が上下方向に配列されている場合、図8に示すように、上方から洗浄を終えた汚損液30が車体表面2Wに層状となって流れ落ちるために、下方に位置する噴射ノズルからの気泡洗浄液29が、この汚損液30によってその進行を妨げられて車体表面2Wに効率よく届かない虞がある。
【0024】
このような場合には、
(1)車両2の進行方向に隣接する洗浄液噴射ノズル群3A間及び隣接する洗浄液噴射ノズル群3B間が狭い場合には、隣接する洗浄液噴射ノズル群間で噴射ノズル21の高さ方向の設置位置を変える。
【0025】
このように噴射ノズル21の設置位置の高さを変えることで、移動してきた車両2の車体表面2Wにおける汚損液30が流れ落ちる前の位置に気泡洗浄液を噴出させるのを避けることができる。
(2)同一洗浄液噴射ノズル群3A,3B内では、上下に隣接する噴射ノズル21を車両移動方向に対し変位、例えば千鳥状に設置する。
【0026】
このように噴射ノズル21を千鳥状に設置することで、汚損液30の流れ落ちる量が多くても、その流れ落ちる位置を避けて気泡洗浄液を噴出させることができる。
(3)同一洗浄液噴射ノズル群3A,3B内では、上下に隣接する噴射ノズル21の噴射角を、車両の移動方向の前側と後側とになるように、傾斜させて設置して噴射方向を変える。
【0027】
このように上下に隣接する噴射ノズル21の噴射方向を異ならせることで、上下隣接する噴射ノズル21による車体表面2Wの洗浄位置が異なるので、汚損液30の流れ落ちる位置を避けて気泡洗浄液を噴出させることができる
ところで、以上の説明は、気泡洗浄液29として、洗剤液を原水で希釈したものを使用したが、必ずしも洗剤液を用いる必要はなく、原水のみで気泡洗浄液29を生成し、その気泡の崩壊に伴う剪断力や衝撃波を利用することで、洗浄を行ってもよい。逆に、原水に洗剤液を混ぜる代わりに、界面活性剤や洗剤を単独あるいは混ぜて原水に混入させてもよい。尚、洗浄効果を向上させるために、洗浄液を20〜60℃に加熱してもよい。
【0028】
さらに、外気を自然吸引させる噴射ノズル21を、洗浄液噴射ノズル群3A,3Bのみに適用した例を説明したが、仕上液噴射ノズル群4A,4Bにおいても、上述の噴射ノズル21を使用し、仕上液として原水のみで気泡洗浄液29を生成して車体表面2Wに残存する汚損液30を洗い流すようにすれば、濯ぎ効果を向上させることができる。
【0029】
このほか、以上の説明は、車両2の両側面に対向した位置に、夫々洗浄液噴射ノズル群3A,3Bと、仕上液噴射ノズル群4A,4Bと、乾燥気体噴射ノズル群5A,5Bとを設置したものであるが、車両2の屋根を含めての洗浄を行うのには、図9及び図10に示すように、各噴射ノズル群における噴射ノズル21の配置を、車両2の断面形状に合わせて複数設置するとよい。
【0030】
さらに、先頭車両及び後尾車両は、先端部と後端部の断面形状が異なるので、断面形状に合わせて複数配置した噴射ノズル21を固定せずに、車両移動に伴う車両断面形状の変化に伴って車体表面との距離をほぼ一定に保つように、変位可能に設置することが望ましい。そして、車両断面形状の変化を検出するセンサを設けて、このセンサの出力に連動させて前記噴射ノズル21を変位させれば、車両移動に伴う車両断面形状の変化に合わせて自動的に噴射ノズル21を変位させることができる。
【0031】
図11は、本発明による車体洗浄装置の第2の実施の形態を示すもので、噴射ノズル21の形状は第1の実施の形態と同じであるので、再度詳細な説明は省略する。
【0032】
本実施の形態においては、原水あるいは洗浄液や界面活性剤が混入された洗浄液が、高圧ゴムホース等の可撓性ホース(図示せず)を介して洗浄液ポンプ13(図6)から供給される圧力ヘッダ31に、複数の噴射ノズル21を備えて洗浄液噴射ノズル群を構成し、かつ、圧力ヘッダ31を揺動装置32によって揺動させるように構成したものである。
【0033】
このように揺動装置32によって圧力ヘッダ31を揺動させることで、複数の噴射ノズル21を噴射ノズル群として揺動できるので、気泡洗浄液29を揺動範囲に広範囲に噴射させて洗浄することができ、噴射ノズルの設置数を低減させることができる。この揺動方向を車体の洗浄位置や車両の移動方向によって変化させることで、効率よい洗浄を行うことができる。尚、圧力ヘッダ31を揺動させる代わりに、噴射ノズル21を個別に揺動させるようにしてもよい。このとき、各噴射ノズル21の揺動動作を、隣接する噴射ノズル間で逆向方向に揺動させたり、揺動の範囲を変えたりすることで、汚染液によって気泡洗浄液の車体表面への吹き付けが妨げられるのを防止することができる。尚、このような噴射ノズルの揺動は、仕上液噴射ノズル群4A,4Bや乾燥気体噴射ノズル群5A,5Bにも適用できるのは云うまでもない。
【0034】
尚、以上の各実施の形態は、車体洗浄装置として鉄道車両の車体洗浄装置を一例に説明したが、自動車の車体洗浄装置にも適用できるのは云うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による噴射ノズルを示す斜視図。
【図2】図1の一部縦断側面図。
【図3】図1の噴射ノズルを集合させた噴射ノズル群の詳細を示す斜視図。
【図4】図3の実用例を示す斜視図。
【図5】本発明による車体洗浄装置の第1の実施の形態である鉄道車両の車体洗浄装置を示す斜視図。
【図6】図5のブロック図。
【図7】本発明による噴射ノズルから噴射された気泡洗浄液の模式図。
【図8】噴射された気泡洗浄液と汚損液の模式図。
【図9】車両と噴射ノズルとの位置関係を示す概略側面図。
【図10】図9の断面図。
【図11】本発明による車体洗浄装置の第2の実施の形態である噴射ノズル群を示す概略図。
【符号の説明】
【0036】
1A,1B…レール1A,1B、2…車両、2W…車体表面、3A,3B…洗浄液噴射ノズル群、4A,4B…仕上液噴射ノズル群、5A,5B…乾燥気体噴射ノズル群、6A,6B…洗浄液飛沫防護壁、7…原水貯蔵槽、8…原水注入ポンプ、9…洗浄液槽、10…洗剤注入ポンプ、11…洗剤液槽、12…攪拌機、13…洗浄液ポンプ、14…仕上液ポンプ、15…気体コンプレッサ、16…洗浄制御装置、17…コンプレッサ制御装置、18…配管ヘッダ、19…フレキシブル配管、20…配管支持金具、21…噴射ノズル、22…洗浄液供給口、23…気体(外気)供給口、24…気泡洗浄液生成室、25…噴出口、26A,26B…絞り孔、27…オリフィス、28…気泡、28F…衝撃波、29…気泡洗浄液、30…汚損液、31…圧力ヘッダ、32…揺動装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
噴射ノズルから洗浄液を噴射して車体表面の汚れを洗浄するに際し、前記噴射ノズル内に洗浄液の流速を利用して気体を自然吸引させ、この吸引された気体を噴射ノズル内で洗浄液と衝突させて気泡洗浄液を生成し、この気泡洗浄液を前記車体表面に向かって噴射ノズルから噴出させるようにしたことを特徴とする車体洗浄方法。
【請求項2】
前記気体と衝突する前の洗浄液は、原水又は原水と洗剤の混合液であることを特徴とする請求項1記載の車体洗浄方法。
【請求項3】
前記噴射ノズルを揺動させながら気泡洗浄液を噴射させることを特徴とする請求項1又は2記載の洗浄方法。
【請求項4】
洗浄液を噴射して車体表面の汚れを洗浄する噴射ノズルは、洗浄液を供給する洗浄液供給口と、この洗浄液供給口から供給される洗浄液の液流によって気体を自然吸引する気体供給口と、この気体供給口から吸引された気体と前記洗浄液供給口から供給され液体とを衝突させて気泡洗浄液を生成する気泡洗浄液生成室と、この気泡洗浄液生成室で生成された気泡洗浄液を噴出させる噴出口とを有することを特徴とする噴射ノズル。
【請求項5】
前記洗浄液供給口と前記気泡洗浄液生成室との間に、洗浄液の複数の噴射流を形成する絞り孔を有するオリフィスを設けたことを特徴とする請求項4記載の噴射ノズル。
【請求項6】
前記複数の絞り孔は、前記気泡洗浄液生成室から前記噴出口までの間に、洗浄液の複数の噴射流が衝突するように傾斜して形成されていることを特徴とする請求項5記載の噴射ノズル。
【請求項7】
加圧手段で噴射圧力を付与された洗浄液を噴射ノズルから噴射して車体表面の汚れを洗浄する車体洗浄装置において、洗浄液を噴射する噴射ノズルを複数備えた洗浄液噴射ノズル群と、仕上液を噴射する噴射ノズルを複数備えた仕上液噴射ノズル群と、乾燥気体を噴射する噴射ノズルを複数備えた乾燥気体噴射ノズル群とを有し、前記洗浄液噴射ノズル群と前記仕上液噴射ノズルのうち少なくとも前記洗浄液噴射ノズル群の噴射ノズルは、前記加圧手段からの洗浄液を供給する洗浄液供給口と、この洗浄液供給口から供給される洗浄液の液流によって気体を自然吸引する気体供給口と、この気体供給口から吸引された気体と前記洗浄液供給口から供給され洗浄液とを衝突させて気泡洗浄液を生成する気泡洗浄液生成室と、この気泡洗浄液生成室で生成された気泡洗浄液を噴出させる噴出口とを備えたことを特徴とする車体洗浄装置。
【請求項8】
加圧手段で噴射圧力を付与された洗浄液を噴射ノズルから噴射して車体表面の汚れを洗浄する車体洗浄装置において、洗浄液を噴射する噴射ノズルを複数備えた洗浄液噴射ノズル群と、仕上液を噴射する噴射ノズルを複数備えた仕上液噴射ノズル群と、乾燥気体を噴射する噴射ノズルを複数備えた乾燥気体噴射ノズル群とを有し、前記洗浄液噴射ノズル群と前記仕上液噴射ノズルのうち少なくとも前記洗浄液噴射ノズル群の噴射ノズルは、前記加圧手段からの洗浄液を供給する洗浄液供給口と、この洗浄液供給口から供給される洗浄液の液流によって気体を自然吸引する気体供給口と、この気体供給口から吸引された気体と前記洗浄液供給口から供給され洗浄液とを衝突させて気泡洗浄液を生成する気泡洗浄液生成室と、この気泡洗浄液生成室で生成された気泡洗浄液を噴出させる噴出口とを備え、かつ、前記噴射ノズルからの噴射方向を揺動させる揺動装置を設けたことを特徴とする車体洗浄装置。
【請求項9】
前記揺動装置は、前記洗浄液噴射ノズル群の噴射ノズルを揺動させるものであることを特徴とする請求項8記載の車体洗浄装置。
【請求項10】
前記揺動装置は、前記洗浄液噴射ノズル群を揺動させるものであることを特徴とする請求項8記載の車体洗浄装置。
【請求項11】
前記洗浄液噴射ノズル群の上下方向に配列された噴射ノズルは、車両の移動方向に対して千鳥状に配列されていることを特徴とする請求項7,8,9及び10記載の車体洗浄装置。
【請求項12】
前記洗浄液噴射ノズル群の上下方向に配列された噴射ノズルは、車体表面に対して傾斜して配列されていることを特徴とする請求項7,8,9及び10記載の車体洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−149984(P2008−149984A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−342420(P2006−342420)
【出願日】平成18年12月20日(2006.12.20)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】