車体用開閉体構造
【課題】リヤスポイラーとトランクリッドとの連結部の破損を防止し、またシール性や設計の自由度を高めることができ、さらに製造の容易化を図ることができる車体用開閉体構造を提供する。
【解決手段】車体用開閉体構造20は、車体11のトランク開口部18を開閉可能なトランクリッド41と、トランクリッド41の外面41aに取り付けられたスポイラー42とでリッドユニット35が構成されている。この車体用開閉体構造20は、トランクリッド41をトランク開口部18に対して開閉可能に支持する左右のヒンジ機構36,37がスポイラー42に設けられている。
【解決手段】車体用開閉体構造20は、車体11のトランク開口部18を開閉可能なトランクリッド41と、トランクリッド41の外面41aに取り付けられたスポイラー42とでリッドユニット35が構成されている。この車体用開閉体構造20は、トランクリッド41をトランク開口部18に対して開閉可能に支持する左右のヒンジ機構36,37がスポイラー42に設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の開口部を開閉可能な蓋部材を備え、この蓋部材の外面に外装部材を取り付けることで開閉体が構成された車体用開閉体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の車体用開閉体構造は、車体にヒンジ機構を介して開閉自在にトランクリッドが取り付けられている。このトランクリッドの上面にリヤスポイラーを取り付ける場合、一般的にボルトなどの締結部材を用いて取り付けられている。
よって、例えば、リヤスポイラーを手で掴んでトランクリッドを開閉する際に、開閉時の操作力がリヤスポイラーを経てトランクリッドに伝わる。
このため、伝わった操作力でトランクリッドにリヤスポイラーを取り付ける取付部位や締結部材に影響を与えることが考えられる。
【0003】
また、車体用開閉体構造のなかには、トランクリッドにリヤスポイラーを一体に設け、トランクリッドがヒンジ機構を介して車体に開閉自在に取り付けられたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開平2−56789号公報 この車体用開閉体構造は、トランクリッドをプレス成形する際に、トランクリッドの後部からリヤスポイラーを一体に隆起することで、トランクリッドおよびリヤスポイラーの2部材が一体化されている。
【0004】
さらに、トランクリッドやリヤスポイラーの2部材を一体化した車体用開閉体構造のなかには、トランクリッドおよびリヤスポイラーを鋳造や射出成形で一体に形成(成形)したものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献2】実開平3−113284号公報 特許文献1、2のように、トランクリッドおよびリヤスポイラーの2部材を一体化することで、通常の車体用開閉体構造の課題を解消することが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の車体用開閉体構造は、トランクリッドの後部を上方に隆起させてリヤスポイラーを成形するため、トランクリッドの後部(すなわち、リヤスポイラーの下方部位)に開口部が形成される。
よって、この開口部を覆うためにトランクリッドの上部を外装部材で覆う必要がある。
このため、トランクリッドの開口部からトランク内に水(例えば、雨水)などが浸入することが考えられ、その対策として外装部材とトランクリッドとのシール性を高める必要がある。
【0006】
さらに、トランクリッドおよびリヤスポイラーを板金からプレス成形で一体成形するために、トランクリッドやリヤスポイラーの形状などが制限され、そのことが設計の自由度を高める妨げになっていた。
【0007】
一方、特許文献2の車体用開閉体構造のように、鋳造金型や射出成形金型を用いてトランクリッドおよびリヤスポイラーを一体に鋳造する場合には、金型を型開きする際の抜き方向でトランクリッドおよびリヤスポイラーの形状が限定され、設計の自由度を高める妨げになっていた。
また、トランクリッドのように面積の大きな部材を鋳造や射出成形で形成する場合、トランクリッドの表面に鋳巣や引けが発生しやすくなり、製造が難しいとされていた。
【0008】
本発明は、リヤスポイラーとトランクリッドとの連結部の破損を防止し、またシール性や設計の自由度を高めることができ、さらに製造の容易化を図ることができる車体用開閉体構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、車体の開口部を開閉可能な蓋部材と、前記蓋部材の外面に取り付けられた前記蓋部材とは別体の外装部材とで開閉体が構成された車体用開閉体構造において、前記蓋部材を前記開口部に対して開閉可能に支持するヒンジ機構が前記外装部材に設けられたことを特徴とする。
【0010】
請求項2は、前記外装部材は、金属製のアッパパネルと、該アッパパネルの下部に設けられたロアパネルとで閉断面構造に形成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項3は、前記外装部材は、前記アッパパネルおよび前記ロアパネルを連結する連結部材と、前記連結部材に設けられ、前記アッパパネルおよび前記ロアパネル間に介装されたブロックと、を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4は、前記ブロックは、灯光装置を取り付ける取付ブラケットを兼用することを特徴とする。
【0013】
請求項5は、前記開口部の周囲に前記車体の外装パネルを備え、前記外装パネルの外表面に対して前記外装部材が面一に設けられたことを特徴とする。
【0014】
請求項6は、前記外装部材は、車体周辺の空気の流れを変えるスポイラーであることを特徴とする。
【0015】
請求項7は、前記蓋部材は、アウタパネルと、該アウタパネルの下部に設けられたインナパネルとで閉断面構造に形成され、前記インナパネルのうち、前記外装部材に重なる部位にパネル開口部が形成されたことを特徴とする。
【0016】
請求項8は、前記開口部を閉じた閉位置に前記開閉体を保持するロック機構が前記車体または前記蓋部材に設けられ、前記ロック機構のロックを解除するロック解除操作部が、前記外装部材のうち前記蓋部材に対向する部位に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明では、蓋部材の外面に外装部材を取り付け、外装部材にヒンジ機構を設けた。そして、このヒンジ機構で蓋部材を開閉可能に支持するようにした。
よって、外装部材を手で掴んで蓋部材を開閉する際に、開閉時の操作力が蓋部材に作用することを防ぐことができる。
これにより、蓋部材に外装部材を取り付ける締結部材に、開閉時の操作力による荷重が作用することを防いで、締結部材が損傷することを防止できる。
【0018】
また、車体の開口部を開閉する蓋部材を備え、蓋部材の外面に外装部材を取り付けた。
よって、車体の開口部を蓋部材の単一部材で開閉することができる。これにより、複数の部材で形成した蓋部材と比較して、開口部と蓋部材とのシール性を容易に確保することができる。
【0019】
さらに、蓋部材の外面に外装部材を取り付けることで、蓋部材と外装部材とを別部材で形成することができる。
これにより、蓋部材や外装部材の形状などを、制約を受けることなく決めることが可能になり、車体用開閉体構造の設計の自由度を高めることができる。
【0020】
加えて、蓋部材と外装部材とを別部材とすることで、蓋部材および外装部材をそれぞれ独立させてプレス成形やブロー成形などで成形できる。
これにより、蓋部材および外装部材を成形する際に、それぞれの部品の表面に、鋳造や射出成形時の鋳巣、引けが発生することがなく製造の容易化を図ることができる。
【0021】
請求項2に係る発明では、外装部材をアッパパネルとロアパネルとで閉断面構造に形成することで、外装部材の剛性を高めることができる。
このように、外装部材の剛性を高めることで、外装部材を手で掴んで蓋部材を開閉する際の操作性が向上し、かつ外装部材が損傷することを防ぐことができる。
【0022】
また、アッパパネルを金属製とすることで、樹脂製のアッパパネルに比して温度変化(膨張や収縮)を抑えることができる。
これにより、アッパパネルに隣接する外装パネル(他部材)との隙間の増減(いわゆる、見切りの変化)を抑えることができる。
このことは、アッパパネルを外装パネル(車体外装面)に対して面一に配置した場合において、特に有用(効果的)である。
【0023】
請求項3に係る発明では、外装部材のアッパパネルおよび外装部材のロアパネルを連結部材で連結した。この連結部材にブロックを設け、このブロックをアッパパネルおよびロアパネル間に介装させた。
これにより、アッパパネルおよびロアパネルを連結部材やブロックで補強することができ、外装部材の剛性を一層高めることができる。
さらに、アッパパネルおよびロアパネル間の閉断面形状が変形する(潰れる)ことをブロックによって抑制できる。
【0024】
請求項4に係る発明では、アッパパネルおよびロアパネルを補強するブロックを、灯光装置の取付ブラケットとして兼用した。
このように、ブロックに灯光装置を取り付けることで、灯光装置を外装部材に強固に取り付けることができる。
【0025】
請求項5に係る発明では、車体の開口部の周囲に外装パネルを備えた。そして、外装パネルの外表面に対して外装部材を面一に設けた。
よって、蓋部材に外装部材を取り付ける締結部材を、外装パネルの外表面よりも車体内側に配置する(収める)ことができる。
これにより、車体外側から目視できないように締結部材を隠すことが可能になり外観性を高めることができる。
【0026】
請求項6に係る発明では、外装部材をスポイラーとすることで、スポイラーを外装パネル(例えば、リヤフェンダ)の外表面と面一に配置することができる。
これにより、蓋部材にスポイラーを取り付ける締結部材を、外装パネルの外表面よりも車体内側に隠す(収める)ことができるので、スポイラーによる空力性能の低下を抑制できる。
【0027】
請求項7に係る発明では、蓋部材のインナパネルにパネル開口部を形成し、このパネル開口部に重なるように外装部材を配置した。
これにより、インナパネルのパネル開口部を外装部材で補強することができるので、開閉体の剛性を確保した状態で蓋部材の軽量化を図ることができる。
【0028】
請求項8に係る発明では、外装部材のうち蓋部材に対向する部位にロック解除操作部を設けた。
よって、外装部材を手で掴んで蓋部材を開ける際に、ロック解除操作部に指を容易にかけることができる。
これにより、蓋部材を開ける際にロック解除操作部を容易に操作することができる。
【0029】
また、外装部材のうち蓋部材に対向する部位にロック解除操作部を設けることで、ロック解除操作部を車体外側から目視できないように隠すことが可能になり外観性を高めることができる。
【0030】
さらに、外装部材のうち蓋部材に対向する部位にロック解除操作部を設けることで、外装部材と蓋部材との間の空間を、手を差し込む空間として利用できる。
これにより、外装部材を手で掴む際に必要な専用の空間を、新たに形成する必要がないので構成の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る車体用開閉体構造のリッドユニットを閉じた状態を示す斜視図、図2は図1のリッドユニットを開いた状態を示す斜視図である。
車体後部構造10は、車体11の後部に設けられた左右のリヤピラー(外装パネル)12,13と、左右のリヤピラー12,13間に設けられた後部窓ガラス15と、後部窓ガラス15の下方に設けられたトランク17と、トランク17の開口部(以下、「トランク開口部」という)18を開閉可能な車体用開閉体構造20とを備えている。
【0032】
左リヤピラー12は、車体幅方向の左側(一方の側部)に設けられたピラー本体22と、ピラー本体22の後端内部に設けられたボックス部23とを備えている。
ピラー本体22は、車体後方に向けて下り勾配になるように延出されている。
右リヤピラー13は、左リヤピラー12と左右対称の部材であり、各構成部材に左リヤピラー12と同じ符号を付して説明を省略する。
【0033】
後部窓ガラス15は、左右のリヤピラー12,13に対して車体中心側(すなわち、左右のリヤピラー12,13間)に、車体後方に向けて下り勾配に設けられた略矩形状のガラスである。
この後部窓ガラス15は、左右のリヤピラー12,13の後端部12a,13aに対して後端部(以下、「ガラス後端部」という)15aが高さ寸法Hだけ下方に設けられている。
ガラス後端部15aは、図13に示すように、トランクリッド41の外面41aに対して面一になるように配置されている。
【0034】
トランク17は、左右のリヤフェンダ(外装パネル)25,26、リヤパネル(図示せず)およびリヤフロア(図示せず)などで形成された空間に設けられた収納ボックスである。
トランク17は、上端にトランク開口部18が形成されている。
トランク開口部18は、左右のリヤピラー12,13の後端部12a,13aに対して車体後方に所定間隔をおいて左右の前角部18aが設けられている。
トランク開口部18の周囲にガーター部31(図13、図15も参照)が設けられ、ガーター部31の上方にカバー32(図15も参照)が設けられている。
【0035】
ガーター部31は、水(例えば、雨水)を車外に排水する排水用の部材(いわゆる、樋部)である。
トランク開口部18の周囲(すなわち、ガーター部31)前側に、左右のリヤピラー12,13が備えられている。
さらに、トランク開口部18の周囲(すなわち、ガーター部31)左右側に左右のリヤフェンダ25,26がそれぞれ備えられている。
【0036】
なお、左右のリヤフェンダ25,26の後端部25a,26a間で、かつリヤパネル(図示せず)の後方にリヤバンパー33が設けられている。
【0037】
車体用開閉体構造20は、トランク17のトランク開口部18を開閉可能なリッドユニット(開閉体)35と、リッドユニット35をトランク開口部18に対して開閉可能に支持する左右のヒンジ機構(ヒンジ機構)36,37とを備えている。
【0038】
図3は本発明に係る車体用開閉体構造のリッドユニットを示す斜視図、図4は図3のリッドユニットを示す分解斜視図である。
リッドユニット35は、図2に示すトランク開口部18を開閉可能なトランクリッド(蓋部材)41と、トランクリッド41の外面41aに取り付けられたスポイラー(外装部材)42とで構成されている。
トランクリッド41の左側外面41bにスポイラー42の左端部42aが左締結手段44で締結され、かつ、トランクリッド41の右側外面41cにスポイラー42の右端部42bが右締結手段45で締結されている。
【0039】
トランクリッド41は、平面視で略矩形状に形成された蓋部材である。
スポイラー42は、車体幅方向にクロス部66が延出され、クロス部66の左端部66aから左ウイング部67が車体前方に張り出され、クロス部66の右端部66bから右ウイング部68が車体前方に張り出されている。
このスポイラー42は、クロス部66および左右のウイング部67,68で略コ字状(あるいは、略ウイング状)に形成されている。
【0040】
左締結手段44は、締結部材としてのスタッドボルト47・ナット48、ボルト51・ナット52およびボルト54・ナット55とを備えている。
トランクリッド41は、後部41dにリヤコンビネーションランプ(灯光装置)57が取り付けられている。
リヤコンビネーションランプ57とは、ブレーキランプ、バックアップランプ、方向指示ランプなどを一体化した尾灯をいう。
【0041】
スポイラー42は、後部42cにハイマウントストップランプ(灯光装置)58が取り付けられ、左右の側部に左右のヒンジ機構36,37がそれぞれ取り付けられている。
ハイマウントストップランプ58とは、尾灯のうち制動装置と連動するライトであり、特に高い位置に装備されたライトをいう。
【0042】
トランクリッド41をスポイラー42に対して別部材で構成することで、トランクリッド41は、平面視でトランク開口部18(図2参照)に沿った形状に形成されている。
一方、スポイラー42は、左ウイング部67の前端部67cおよび右ウイング部68の前端部68cがトランクリッド41の前方にそれぞれ突出されている。
【0043】
リッドユニット35を閉じた状態において、左ウイング部67の前端部67cおよび右ウイング部68の前端部68cがカバー32(図2参照)に直接対向する。
よって、左ウイング部67の前端部67cとカバー32との空間、および右ウイング部68の前端部68cとカバー32との空間に左右のヒンジ機構36,37のヒンジアーム92を収めることが可能になる。
これにより、左右のヒンジ機構36,37を、図15、図16および図17に示すように左右のリヤピラーに収納することができる。
【0044】
図5は図4のトランクリッドを示す分解斜視図である。
トランクリッド41は、平面視で略台形状に形成された金属製のアウタパネル61と、アウタパネル61の外周辺部(下部)61aに重ね合わされた金属製のインナパネル62とで閉断面構造に形成されている。
【0045】
アウタパネル61は、平面視で略矩形状に形成され、左右の側部61b,61cが下方に折り曲げられた状態に形成され、後部61dが車体後方に向けて下り勾配に形成されている。
インナパネル62は、平面視で略矩形状に形成され、外周辺部62aがアウタパネル61の外周辺部61aにヘミング加工などで設けられている(取り付けられている)。
このインナパネル62は、中央部(スポイラー42に重なる部位)62bに左右のパネル開口部(パネル開口部)63が形成され、左右のパネル開口部63間に補強リブ64が車体前後方向に向けて延出されている。
【0046】
図6は図4のスポイラーを示す分解斜視図である。
スポイラー42は、トランクリッド41(図4参照)とは別体に形成された部材である。
このスポイラー42は、平面視で略コ字状に形成された金属製のアッパパネル71と、アッパパネル71の外周辺部(下部)71aに設けられた金属製のロアパネル72と、アッパパネル71およびロアパネル72間に介装された左右のヒンジスチフナ(補強部材)73と、アッパパネル71の後辺部71bおよびロアパネル72の後フランジ部72bに設けられた後部連結手段74とを備えている。
このスポイラー42は、アッパパネル71およびロアパネル72で閉断面構造に形成されている。
【0047】
ロアパネル72は、平面視で略コ字状に形成され、外周辺部(後フランジ部72bを除いた辺)72aがアッパパネル71の外周辺部(後辺部71bを除いた辺)71aにヘミング加工などで設けられている(取り付けられている)。
【0048】
このように、スポイラー42をアッパパネル71とロアパネル72とで閉断面構造に形成することで、スポイラー42の剛性を高めることができる。
これにより、スポイラー42(具体的には、図4に示すクロス部66)を手で掴んでトランクリッド41を開閉する際の操作性が向上し、さらにトランクリッド41を開閉する際にスポイラー42が損傷することを防ぐことができる。
【0049】
また、アッパパネル71を金属製とすることで、樹脂製のアッパパネルに比して温度変化(膨張や収縮)を抑えることができる。
これにより、アッパパネル71に隣接する左右のリヤピラー12,13(図1参照)や左右のリヤフェンダ25,26(図1参照)との隙間の増減(いわゆる、見切りの変化)を抑えることができる。
【0050】
さらに、アッパパネル71が左右のリヤピラー12,13や左右のリヤフェンダ25,26(図1参照)に対して面一に配置されている。
このように、アッパパネル71を、リヤピラー12,13やリヤフェンダ25,26に対して面一に配置した場合において、隙間の増減(いわゆる、見切りの変化)を抑えることは、特に有用(効果的)である。
【0051】
図7は図3の7−7線断面図、図8は図3の8−8線断面図である。
アッパパネル71の後辺部71bにロアパネル72の後フランジ部72bが後部連結手段74(図6も参照)で連結されている。
後部連結手段74は、アッパパネル71の後辺部71bおよびロアパネル72の後フランジ部72bを連結する連結部材75と、連結部材75に設けられた複数のブロック76とを備えている。
【0052】
連結部材75は、アッパパネル71の後辺部71bやロアパネル72の後フランジ部72bに沿って車幅方向に延出されている。
アッパパネル71の後辺部71bは、車体後方に向けて下り勾配に張り出されている。
ロアパネル72の後フランジ部72bは、車体後方に向けて略水平に張り出されている。
【0053】
連結部材75は、車体後方に向けて傾斜状に形成され、下端部75aが車体後方に向けて略水平に折り曲げられている。
この連結部材75は、上端部75bがアッパパネル71の後辺部71bにセルフピアスリベット(図示せず)で結合され(設けられ)、下端部75aがロアパネル72の後フランジ部72bにセルフピアスリベット(図示せず)で結合されている(設けられている)。
【0054】
連結部材75には複数のブロック76(図6も参照)が、車幅方向に所定間隔をおいてセルフピアスリベット(図示せず)などの締結部材で設けられている。この状態で、複数のブロック76は、アッパパネル71およびロアパネル72間に介装されている。
複数のブロック76は、ロアパネル72の後フランジ部72bの近傍にボルト77…(図6も参照)で取り付けられている。
これにより、アッパパネル71およびロアパネル72を連結部材75や複数のブロック76(すなわち、後連結手段74)で補強することができ、スポイラー42の剛性を高めることができる。
【0055】
また、複数のブロック76にはハイマウントストップランプ58がボルト78…(1個のみを図示する)で取り付けられている。すなわち、ブロック76は、ハイマウントストップランプ58を取り付ける取付ブラケットを兼用している。
このように、補強用のブロック76を、ハイマウントストップランプ58の取付ブラケットとして兼用することで、ハイマウントストップランプ58をスポイラー42に強固に取り付けることができる。
さらに、ハイマウントストップランプ58を取り付ける取付ブラケットを不要にでき、部品数の増加を抑えることができる。
【0056】
また、ハイマウントストップランプ58は、後フランジ部72bの上方に設けられている。よって、リッドユニット35(図3参照)を開閉する際に作用する荷重F1を後フランジ部72bで支えることができる。
これにより、後フランジ部72bでハイマウントストップランプ58に荷重F1が作用することを防いで、ハイマウントストップランプ58が破損することを防止できる。
【0057】
さらに、ハイマウントストップランプ58を複数のブロック76に取り付けるボルト78…は、車体後方に向けて下り勾配に設けられている。よって、トランクリッド41にスポイラー42を取り付けた状態で、ボルト78…を取り付ける空間を確保することができる。
これにより、トランクリッド41にスポイラー42を取り付けた後工程で、ハイマウントストップランプ58をスポイラー42の後部にボルト78…で取り付けることができる。
したがって、例えば、ハイマウントストップランプ58をリヤコンビネーションランプ57に対して容易に位置決めすることができる。
【0058】
図9は本発明に係るリッドユニットを下方から見た状態を示す斜視図、図10は図9の10−10線断面図、図11は図9の11−11線断面図、図12は図9の12−12線断面図である。
スポイラー42の左ウイング部67は、トランクリッド41の左側外面41b(図4参照)に左締結手段44で取り付けられている。
左締結手段44は、締結部材としてのスタッドボルト47・ナット48と、締結部材としてのボルト51・ナット52およびボルト54・ナット55とを備えている。
【0059】
すなわち、図10に示すように、トランクリッド41の左後角部41eに左ウイング部67の左後角部67aがスタッドボルト47およびナット48で取り付けられている。
具体的には、トランクリッド41のアウタパネル61およびインナパネル62に、スポイラー42のロアパネル72および左ヒンジスチフナ73がスタッドボルト47・ナット48で締結されている。
スタッドボルト47の球体部47aにオープンステイ81が連結されている。オープンステイ81は、リッドユニット35の開閉をアシスト(補助)する部材である。
【0060】
さらに、図11に示すように、トランクリッド41の左パネル開口部63の近傍部位41fに左ウイング部67がボルト51およびナット52で締結されている。
具体的には、トランクリッド41のアウタパネル61およびインナパネル62に、スポイラー42のロアパネル72および左ヒンジスチフナ73がボルト51・ナット52で締結されている。
【0061】
また、図12に示すように、トランクリッド41の左前角部41g近傍に左ウイング部67の左側部67bがボルト54およびナット55で締結されている。
具体的には、トランクリッド41のアウタパネル61およびインナパネル62に、スポイラー42のロアパネル72および左ヒンジスチフナ73がボルト54・ナット55で締結されている。
【0062】
図10〜図12に示すように、左ヒンジスチフナ73をスタッドボルト47・ナット48、ボルト51・ナット52やボルト54・ナット55で締結することで、トランクリッド41にスポイラー42を強固に取り付けることができる。
【0063】
また、左ヒンジスチフナ73は、スタッドボルト47・ナット48、ボルト51・ナット52やボルト54・ナット55でトランクリッド41およびロアパネル72に強固に取り付けられている。
この左ヒンジスチフナ73の補強壁部73aがスポイラー42の外側壁112に重ね合わされている。補強壁部73aおよび外側壁112にヒンジアーム92の先端部92bが複数のボルト106・ナット107で取り付けられている。
【0064】
ここで、図4に示すように、右ウイング部68は、左ウイング部67と同様に、トランクリッド41の右側外面41cに右締結手段45で取り付けられている。
よって、トランクリッド41の外面41aにスポイラー42が取り付けられている。
【0065】
図13は図1の13−13線断面図である。
トランクリッド41の外面41aにスポイラー42が取り付けられた状態で、スポイラー42のクロス部66が、トランクリッド41の外面41aに対して所定間隔S1をおいて上方に配置されている。
さらに、ハイマウントストップランプ58が、リヤコンビネーションランプ57の外面57aに対して所定間隔S2をおいて上方に配置されている。
【0066】
よって、スポイラー42およびトランクリッド41の外面41a間に空気を矢印Aの如く後方に導く空間85が形成されている。
これにより、車両走行中に、車体前方から後部窓ガラス15を経てリッドユニット35まで流れた空気が空間85を経て車体後方に矢印Aの如く導かれ、車体周辺の空気の流れを変えることができる(図3も参照)。
【0067】
図4、図5に戻って、スポイラー42のクロス部66は、トランクリッド41の外面41aに重なるように(すなわち、対向するように)配置されている。
よって、トランクリッド41の中央部41hはスポイラー42のクロス部66で補強されている。これにより、リッドユニット35の剛性を確保した状態で、インナパネル62の中央部(クロス部66に重なる部位)62bに左右のパネル開口部63を形成することができる。
このように、インナパネル62の中央部62bに左右のパネル開口部63を形成することで、リッドユニット35の剛性を確保した状態でトランクリッド41の軽量化を図ることができる。
【0068】
図7に戻って、クロス部66は、車幅方向中央において、トランクリッド41の外面41aに重なる(対向する)部位66c(図4も参照)に、ロック解除操作スイッチ(ロック解除操作部)86が設けられている。
具体的には、ロック解除操作スイッチ86は、図8に示すブロック76を介して連結部材75に取り付けられている。
ロック解除操作スイッチ86を矢印F2(図13も参照)方向に押圧してオンにすることで、車体に設けられたロック機構87(図2参照)のロックが解除される。
【0069】
このロック機構87のロックが解除されることで、ロック機構87からストライカ88(図2参照)が解放されてリッドユニット35(図2参照)を開けることができる。
なお、ストライカ88は、図2に示すように、トランクリッド41の後部中央に設けられている。
ロック解除操作スイッチ86から矢印F2方向の押圧力を解除することで、ロック解除操作スイッチ86がオフに復帰する。
【0070】
このように、クロス部66のトランクリッド41に重なる(対向する)部位66cにロック解除操作スイッチ86を設けることで、クロス部66を手で掴んでリッドユニット35(トランクリッド41)を開ける際に、ロック解除操作スイッチ86に指を容易にかけることができる。
これにより、リッドユニット35(トランクリッド41)を開ける際に、ロック解除操作スイッチ86を容易に操作することができる。
【0071】
また、クロス部66のトランクリッド41に重なる(対向する)部位66cにロック解除操作スイッチ86を設けることで、ロック解除操作スイッチ86を車体外側から目視できないように隠すことが可能になり外観性を高めることができる。
【0072】
さらに、クロス部66のトランクリッド41に重なる(対向する)部位66cにロック解除操作スイッチ86を設けることで、クロス部66とトランクリッド41との間の空間85(図13も参照)を手を差し込む空間として利用できる。
これにより、クロス部66を手で掴む際に必要な専用の空間を、新たに形成する必要がないので構成の簡素化を図ることができる。
【0073】
図14は本発明に係るヒンジ機構を示す斜視図である。
スポイラー42は、左ウイング部67の前端部67cが左ヒンジ機構36を介して左リヤピラー12に支持されている。
左ヒンジ機構36は、左リヤピラー12のボックス部23に取り付けられたベース(基部)91と、ベース91にヒンジ軸93を介して揺動自在に支持されたヒンジアーム92とを備えている。
【0074】
図4に示す右ウイング部68および右ヒンジ機構37は、左ウイング部67および左ヒンジ機構36と左右対称の部材であり、各構成部材に左ヒンジ機構36と同じ符号を付して説明を省略する。
【0075】
すなわち、スポイラー42は、左リヤピラー12のボックス部23に左ヒンジ機構36を介して揺動自在に支持され、かつ、図2に示す右リヤピラー13のボックス部23に右ヒンジ機構37を介して揺動自在に支持されている。
スポイラー42(リッドユニット35)を閉位置に配置した状態で、図1に示すように、トランクリッド41はトランク17のトランク開口部18(図2参照)を閉じる位置に配置される。
一方、スポイラー42(リッドユニット35)を開位置に配置した状態で、図2に示すように、トランクリッド41はトランク17のトランク開口部18を開ける位置に配置される。
【0076】
図2に戻って、トランクリッド41の外面41a(図4参照)にスポイラー42を取り付け、スポイラー42に左右のヒンジ機構36,37を設けた。そして、左右のヒンジ機構36,37でトランクリッド41を開閉可能に支持するようにした。
よって、スポイラー42のクロス部66(図4参照)を手で掴んでトランクリッド41を開閉する際に、開閉時の操作力がトランクリッド41に作用しない。
これにより、トランクリッド41にスポイラー42を取り付ける左右の締結手段44,45(図4参照)に、開閉時の操作力による荷重が作用しないので、左右の締結手段44,45の損傷を防ぐことができる。
【0077】
また、トランク17のトランク開口部18を開閉可能なトランクリッド41を備え、トランクリッド41の外面41a(図4参照)にスポイラー42を取り付けた。
これにより、トランク17のトランク開口部18をトランクリッド41の単一部材で開閉できるので、トランク開口部18とトランクリッド41とのシール性を容易に確保することができる。
【0078】
さらに、トランクリッド41の外面41a(図4参照)にスポイラー42を取り付けることで、トランクリッド41とスポイラー42とを別部材で形成することができる。
これにより、トランクリッド41やスポイラー42を一体に製造する場合と比較して、各部材41,42の形状などを、制約を受けることなく決めることが可能になり、設計の自由度を高めることができる。
【0079】
加えて、トランクリッド41とスポイラー42とを別部材とすることで、トランクリッド41およびスポイラー42をそれぞれプレス成形やブロー成形などで成形できる。
これにより、トランクリッド41およびスポイラー42の表面に、鋳造や射出成形時の鋳巣、引けが発生することがなく製造の容易化を図ることができる。
【0080】
図15は図1の15−15線断面図、図16は本発明に係るボックス部を示す背面図、図17は本発明に係るボックス部を示す断面図である。
左リヤピラー12のボックス部23は、左リヤピラー12の内部で、かつ左リヤピラー12の後端部12aに設けられている(図14も参照)。
このボックス部23は、前壁部95、底部96、外壁部97、内壁部98および上部99で箱状に形成され、後端部23aに後開口部(すなわち、左リヤピラー12の後開口部)101が形成されている。
ボックス部23の後開口部101は、左リヤピラー12の後開口部を兼ねている。
ここで、底部96は車体後方に向けて下り勾配に形成されている。
底部96を車体後方に向けて下り勾配に形成した理由については後述する。
【0081】
ボックス部23の前壁部95に左ヒンジ機構36のベース91が複数のボルト103・ナット104で取り付けられている。
このベース91にヒンジアーム92の基端部92aがヒンジ軸93を介して回動自在に支持されている。
ヒンジアーム92は、側面視で略L字状に形成され、基端部92aがヒンジ軸93を介してベース91に回動自在に支持され、先端部92bが左リヤピラー12の後開口部101およびカバー32の貫通スリット32aを経て車体後方に向けて左リヤピラー12の外側に延出されている。
【0082】
すなわち、左ヒンジ機構36は、左ヒンジ機構36のベース91およびヒンジアーム92の前半部92cがボックス部23の内部(すなわち、左リヤピラー12の内部)内に収納されている。
同様に、図4に示す右ヒンジ機構37は、左ヒンジ機構36と同様に、ベース91およびヒンジアーム92の前半部92cがボックス部23の内部(すなわち、右リヤピラー13(図1参照)の内部)内に収納されている。
これにより、左右のヒンジ機構36,37をトランクルーム19側に張り出さないように配置できるので、トランクルーム19に荷物を収納する際に、左右のヒンジ機構36,37が邪魔になることはない。
【0083】
また、左右のヒンジ機構36,37を左右のリヤピラー12,13内に収納して、トランクルーム19側に張り出さないようにしたので、左右のヒンジ機構36,37を伝わった水(雨水など)が貫通スリット32aを経てトランクルーム19内に浸入することを防止でき、さらに、トランクルーム19の収納容積を大きく確保することができる。
【0084】
さらに、左右のヒンジ機構36,37を左右のリヤピラー12,13内に収納したので、左右のヒンジ機構36,37のヒンジ軸93を後部窓ガラス15に対して車体外側(すなわち、車体幅方向外側)に設けることが可能になる。
よって、左右のヒンジ機構36,37のヒンジ軸93をトランクルーム19のトランク開口部18から離すことができる。
これにより、トランクルーム19のトランク開口部18を大きくすることができ、またトランク開口部18の高さも高くすることができるので、トランクルーム19の収納容積を一層大きく確保することができる。
【0085】
ここで、左右のリヤピラー12,13の内部に左右のヒンジ機構36,37を収納可能な箱状のボックス部23をそれぞれ設けた。ボックス部23を箱状に形成することで、ボックス部23の剛性を高めることができる。
これにより、ボックス部23を左右のリヤピラー12,13の内部に設けることで左右のリヤピラー12,13の剛性を高めることができる。
【0086】
また、剛性の高いボックス部23に左右のヒンジ機構36,37のベース91(右側のベース91は図4参照)を設けることで、左右のヒンジ機構36,37をボックス部23に強固に取り付けることができる。
これにより、左右のヒンジ機構36,37でリッドユニット35を安定的に支えることができるので、リッドユニット35の開閉操作性を高めることができる。
【0087】
さらに、ボックス部23に左右のヒンジ機構36,37を収納することで、左右のヒンジ機構36,37を伝わって流れ込む水(雨水など)をボックス部23内に止めることができる。
これにより、左右のヒンジ機構36,37を伝わって流れ込む水(雨水など)が左右のリヤピラー12,13の内部に浸入することを防止できる。
【0088】
ところで、左リヤピラー12の外側に延出されたヒンジアーム92の先端部92bは、スポイラー42の左ウイング部67に複数のボルト106・ナット107(ナット107は図12参照)で固定されている。
具体的には、左ウイング部67は、ロアパネル72にトランク17側に向けて膨出された膨出部111を備えている。
左ウイング部67に膨出部111を備えることで、スポイラー42(すなわち、リッドユニット35)の剛性を高めることができる。
【0089】
左ウイング部67に膨出部111を備えることで、左ウイング部67の外側辺近傍に外側壁112が形成されている。
この外側壁112に左ヒンジ機構36のヒンジアーム92(具体的には、ヒンジアーム92の先端部92b)が複数のボルト106・ナット107で取り付けられている。
このように、剛性の高い膨出部111の外側壁112にヒンジアーム92の先端部92bを設けることで先端部92bを強固に取り付けることができる。
【0090】
また、図12に示すように、左ヒンジスチフナ73の補強壁部73aがスポイラー42の外側壁112に重ね合わされている。補強壁部73aおよび外側壁112にヒンジアーム92の先端部92bが複数のボルト106・ナット107で取り付けられている。
ここで、前述したように、左ヒンジスチフナ73は、トランクリッド41およびロアパネル72に強固に取り付けられている。
これにより、ヒンジアーム92の先端部92bを補強壁部73aに取り付けることで、ヒンジアーム92の先端部92bをスポイラー42の外側壁112に一層強固に取り付けることができる。
【0091】
ここで、前述したように、右ウイング部68(図4参照)および右ヒンジ機構37(図4参照)は、左ウイング部67および左ヒンジ機構36と左右対称の部材である。
よって、右ヒンジ機構37のヒンジアーム92の先端部92b(図示せず)を、右ウイング部68に強固に取り付けることができる。
これにより、左右のヒンジ機構36,37でスポイラー42(すなわち、リッドユニット35)を安定的に支えることができるので、リッドユニット35の開閉操作性を高めることができる。
【0092】
また、左右の膨出部111の外側壁112に左右のヒンジアーム92の先端部92bをそれぞれ設けることで、左右のヒンジアーム92をリッドユニット35の裏面側壁部に設ける必要がない。
これにより、リッドユニット35の車両高さ方向の寸法(厚さ寸法)を抑えることができ、トランクルーム19の収納容積を大きく確保することができる。
【0093】
さらに、左右の膨出部111の外側壁112に左右のヒンジアーム92の先端部92bをそれぞれ設けることで、リッドユニット35の両外側部を左右のヒンジアーム92でそれぞれ支えることができる。
これにより、リッドユニット35の中央寄りの部位をヒンジアームで支える場合と比較して、リッドユニット35を安定的に支えることができるので、リッドユニット35の開閉操作性を高めることができる。
【0094】
図18は本発明に係るリッドユニットと車体との位置関係を示す斜視図である。
リッドユニット35を閉じた状態において、左ウイング部67の前端部67cが左リヤピラー12の後端部12aに突き合わされ、右ウイング部68の前端部68cが右リヤピラー13の後端部13aに突き合わされている。
そして、左リヤピラー12の外表面12bのうち後端縁(下端縁)12cが、左ウイング部67の外表面67dのみに面一に連なるように形成されている。
また、右リヤピラー13の外表面13bのうち後端縁(下端縁)13cが、右ウイング部68の外表面68dのみに面一に連なるように形成されている。
【0095】
よって、左右のウイング部67,68を左右のリヤピラー12,13の近傍まで張り出すことができる。これにより、左右のウイング部67,68は、リッドユニット35を開閉するヒンジアームの一部として兼用することができる。
したがって、図4に示す左右のヒンジアーム92の全長を短くでき、左右のヒンジ機構36,37のコンパクト化を図ることができる。
【0096】
また、左リヤピラー12の後端縁12cが、左ウイング部67である一部材の外表面67dにのみ連なるようにした。さらに、右リヤピラー13の後端縁13cが、右ウイング部68である一部材の外表面68dに連なるようにした。
これにより、左右のリヤピラー12,13の後端縁12c,13cに、複数の部材の外表面を突き合わせる場合と比較して外観性を高めることができる。
【0097】
さらに、左右のリヤピラー12,13の後端縁12c,13cを左右のウイング部67,68の外表面67d,68dのみに連なるようにすることで、左右のリヤピラー12,13の内部に左右のヒンジ機構36,37を設ける際に、車幅方向に位置決めする際の自由度を高めることができる。
【0098】
ここで、前述したように、図2に示すガーター部31(すなわち、トランク開口部18の周囲)のうち、前側に左右のリヤピラー12,13が備えられ、左右側に左右のリヤフェンダ25,26が備えられている。
そして、左右のリヤピラー12,13の外表面12b,13bや左右のリヤフェンダ25,26の外表面25b,26bに対してスポイラー42の外表面42d(すなわち、左ウイング部67の外表面67d、右ウイング部68の外表面68d)が面一に設けられている。
【0099】
よって、トランクリッド41にスポイラー42を取り付けるための左右の締結手段44,45(図4参照)を、左右のリヤピラー12,13の外表面12b,13bや左右のリヤフェンダ25,26の外表面25b,26bよりも車体内側に配置する(収める)ことができる。
これにより、左右の締結手段44,45を車体外側から目視できないように隠すことが可能になり外観性を高めることができる。
加えて、車体内側に左右の締結手段44,45を収める(隠す)ことで、スポイラー42による空力性能の低下を抑制できる。
【0100】
また、左右のリヤピラー12,13の外表面12b,13bや左右のリヤフェンダ25,26の外表面25b,26bに対してスポイラー42の外表面42dを面一に設けることで、スポイラー42は車両の外面(外形)を形成している。
このスポイラー42の下方にトランクリッド41の外面41aが配置されている。
トランクリッド41の外面41aは、図13に示すように、ガラス後端部15aに対して面一になるように配置されている。
よって、後部窓ガラス15は、左右のリヤピラー12,13の後端部12a,13aに対して後端部(以下、「ガラス後端部」という)15aが高さ寸法H(図2も参照)だけ下方に設けられている。
【0101】
図15に戻って、ガーター部31は、左右のボックス部23(右ボックス部23は図示せず)に連通されている。
具体的には、ガーター部31は、左右のボックス部23の後開口部101を経て左右のボックス部23の底部96に面一に連結されている。
また、前述したように、左右のボックス部23の底部96は車体後方に向けて下り勾配に形成されている。
加えて、ガーター部31は、左右の底部96から車体後方に向けて下り勾配に形成されている。
【0102】
よって、左右のヒンジアーム92(右ヒンジアーム92は図4参照)を経て左右のボックス部23にそれぞれ浸入した水(雨水など)をガーター部31を経て車体後方から外部に矢印Bの如く排水することができる。
また、後部窓ガラス15のガラス後端部15aからガーター部31に導かれた水(雨水など)もガーター部31を経て車体後方から外部に矢印Bの如く排水することができる。
【0103】
さらに、ガーター部31は、左右のボックス部23の後部近傍にドレン穴115(左側のドレン穴115のみを示す)がそれぞれ形成されている。
これにより、例えば、車両が下り坂道を前進走行中に、車両が前方に向けて傾斜した状態において、ガーター部31の水(雨水など)をドレン穴115から排水することができる。
【0104】
なお、本発明に係る車体用開閉体構造20は、前述した実施の形態に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施の形態では、開口部としてトランク開口部18を例示し、また蓋部材としてトランクリッド41を例示し、さらに外装部材としてスポイラー42を例示したが、開口部、蓋部材や外装部材は例示した部材に限定するものではない。
さらに、スポイラー42のロアパネル72として金属製のパネルを例示したが、これに限らないで、ロアパネル72を樹脂製とすることも可能である。
【0105】
また、前記実施の形態では、車体にロック機構87を設け、ストライカ88をトランクリッド41に設けた例について説明したが、これに限らないで、車体にストライカ88を設け、ロック機構87をトランクリッド41に設けることも可能である。
【0106】
さらに、前記実施の形態では、左右のヒンジアーム92の先端部92bをボルト106・ナット107でスポイラー42に取り付ける例について説明したが、これに限らないで、セルフピアスリベットやスポット溶接などの他の手段で取り付けることも可能である。
【0107】
また、前記実施の形態では、トランク開口部18の左右の前角部18aを左右のリヤピラー12,13の後端部12a,13aに対して車体後方に所定間隔をおいて設けた例について説明したが、これに限らないで、トランク開口部18の左右の前角部18aを後端部12a,13aの近傍まで広げることも可能である。
【0108】
さらに、前記実施の形態で示した左右のリヤピラー12,13、後部窓ガラス15、トランク開口部18、左右のリヤフェンダ25,26、リッドユニット35、左右のヒンジ機構36,37、トランクリッド41、スポイラー42、アウタパネル61、インナパネル62、パネル開口部63、アッパパネル71、ロアパネル72、連結部材75、ブロック76などは、例示した形状に限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、車体開口部を開閉可能な蓋部材の外面に外装部材を取り付けることで、蓋部材および外装部材で構成された開閉体を備えた自動車への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明に係る車体用開閉体構造のリッドユニットを閉じた状態を示す斜視図である。
【図2】図1のリッドユニットを開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る車体用開閉体構造のリッドユニットを示す斜視図である。
【図4】図3のリッドユニットを示す分解斜視図である。
【図5】図4のトランクリッドを示す分解斜視図である。
【図6】図4のスポイラーを示す分解斜視図である。
【図7】図3の7−7線断面図である。
【図8】図3の8−8線断面図である。
【図9】本発明に係るリッドユニットを下方から見た状態を示す斜視図である。
【図10】図9の10−10線断面図である。
【図11】図9の11−11線断面図である。
【図12】図9の12−12線断面図である。
【図13】図1の13−13線断面図である。
【図14】本発明に係るヒンジ機構を示す斜視図である。
【図15】図1の15−15線断面図である。
【図16】本発明に係るボックス部を示す背面図である。
【図17】本発明に係るボックス部を示す断面図である。
【図18】本発明に係るリッドユニットと車体との位置関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0111】
10…車体後部構造、20…車体用開閉体構造、11…車体、12,13…左右のリヤピラー(外装パネル)、12b,13b…リヤピラーの外表面、15…後部窓ガラス、18…トランク開口部(開口部)、25,26…左右のリヤフェンダ(外装パネル)、25b,26b…リヤフェンダの外表面、35…リッドユニット(開閉体)、36,37…左右のヒンジ機構(ヒンジ機構)、41…トランクリッド(蓋部材)、41a…トランクリッドの外面、42…スポイラー(外装部材)、42d…スポイラーの外表面、61…アウタパネル、62…インナパネル、63…パネル開口部、67d…左ウイング部の外表面、68d…右ウイング部の外表面、71…アッパパネル、72…ロアパネル、74…後部連結手段、75…連結部材、76…ブロック、86…ロック解除操作スイッチ(ロック解除操作部)、87…ロック機構。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車体の開口部を開閉可能な蓋部材を備え、この蓋部材の外面に外装部材を取り付けることで開閉体が構成された車体用開閉体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
通常の車体用開閉体構造は、車体にヒンジ機構を介して開閉自在にトランクリッドが取り付けられている。このトランクリッドの上面にリヤスポイラーを取り付ける場合、一般的にボルトなどの締結部材を用いて取り付けられている。
よって、例えば、リヤスポイラーを手で掴んでトランクリッドを開閉する際に、開閉時の操作力がリヤスポイラーを経てトランクリッドに伝わる。
このため、伝わった操作力でトランクリッドにリヤスポイラーを取り付ける取付部位や締結部材に影響を与えることが考えられる。
【0003】
また、車体用開閉体構造のなかには、トランクリッドにリヤスポイラーを一体に設け、トランクリッドがヒンジ機構を介して車体に開閉自在に取り付けられたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】実開平2−56789号公報 この車体用開閉体構造は、トランクリッドをプレス成形する際に、トランクリッドの後部からリヤスポイラーを一体に隆起することで、トランクリッドおよびリヤスポイラーの2部材が一体化されている。
【0004】
さらに、トランクリッドやリヤスポイラーの2部材を一体化した車体用開閉体構造のなかには、トランクリッドおよびリヤスポイラーを鋳造や射出成形で一体に形成(成形)したものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【特許文献2】実開平3−113284号公報 特許文献1、2のように、トランクリッドおよびリヤスポイラーの2部材を一体化することで、通常の車体用開閉体構造の課題を解消することが可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の車体用開閉体構造は、トランクリッドの後部を上方に隆起させてリヤスポイラーを成形するため、トランクリッドの後部(すなわち、リヤスポイラーの下方部位)に開口部が形成される。
よって、この開口部を覆うためにトランクリッドの上部を外装部材で覆う必要がある。
このため、トランクリッドの開口部からトランク内に水(例えば、雨水)などが浸入することが考えられ、その対策として外装部材とトランクリッドとのシール性を高める必要がある。
【0006】
さらに、トランクリッドおよびリヤスポイラーを板金からプレス成形で一体成形するために、トランクリッドやリヤスポイラーの形状などが制限され、そのことが設計の自由度を高める妨げになっていた。
【0007】
一方、特許文献2の車体用開閉体構造のように、鋳造金型や射出成形金型を用いてトランクリッドおよびリヤスポイラーを一体に鋳造する場合には、金型を型開きする際の抜き方向でトランクリッドおよびリヤスポイラーの形状が限定され、設計の自由度を高める妨げになっていた。
また、トランクリッドのように面積の大きな部材を鋳造や射出成形で形成する場合、トランクリッドの表面に鋳巣や引けが発生しやすくなり、製造が難しいとされていた。
【0008】
本発明は、リヤスポイラーとトランクリッドとの連結部の破損を防止し、またシール性や設計の自由度を高めることができ、さらに製造の容易化を図ることができる車体用開閉体構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、車体の開口部を開閉可能な蓋部材と、前記蓋部材の外面に取り付けられた前記蓋部材とは別体の外装部材とで開閉体が構成された車体用開閉体構造において、前記蓋部材を前記開口部に対して開閉可能に支持するヒンジ機構が前記外装部材に設けられたことを特徴とする。
【0010】
請求項2は、前記外装部材は、金属製のアッパパネルと、該アッパパネルの下部に設けられたロアパネルとで閉断面構造に形成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項3は、前記外装部材は、前記アッパパネルおよび前記ロアパネルを連結する連結部材と、前記連結部材に設けられ、前記アッパパネルおよび前記ロアパネル間に介装されたブロックと、を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項4は、前記ブロックは、灯光装置を取り付ける取付ブラケットを兼用することを特徴とする。
【0013】
請求項5は、前記開口部の周囲に前記車体の外装パネルを備え、前記外装パネルの外表面に対して前記外装部材が面一に設けられたことを特徴とする。
【0014】
請求項6は、前記外装部材は、車体周辺の空気の流れを変えるスポイラーであることを特徴とする。
【0015】
請求項7は、前記蓋部材は、アウタパネルと、該アウタパネルの下部に設けられたインナパネルとで閉断面構造に形成され、前記インナパネルのうち、前記外装部材に重なる部位にパネル開口部が形成されたことを特徴とする。
【0016】
請求項8は、前記開口部を閉じた閉位置に前記開閉体を保持するロック機構が前記車体または前記蓋部材に設けられ、前記ロック機構のロックを解除するロック解除操作部が、前記外装部材のうち前記蓋部材に対向する部位に設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明では、蓋部材の外面に外装部材を取り付け、外装部材にヒンジ機構を設けた。そして、このヒンジ機構で蓋部材を開閉可能に支持するようにした。
よって、外装部材を手で掴んで蓋部材を開閉する際に、開閉時の操作力が蓋部材に作用することを防ぐことができる。
これにより、蓋部材に外装部材を取り付ける締結部材に、開閉時の操作力による荷重が作用することを防いで、締結部材が損傷することを防止できる。
【0018】
また、車体の開口部を開閉する蓋部材を備え、蓋部材の外面に外装部材を取り付けた。
よって、車体の開口部を蓋部材の単一部材で開閉することができる。これにより、複数の部材で形成した蓋部材と比較して、開口部と蓋部材とのシール性を容易に確保することができる。
【0019】
さらに、蓋部材の外面に外装部材を取り付けることで、蓋部材と外装部材とを別部材で形成することができる。
これにより、蓋部材や外装部材の形状などを、制約を受けることなく決めることが可能になり、車体用開閉体構造の設計の自由度を高めることができる。
【0020】
加えて、蓋部材と外装部材とを別部材とすることで、蓋部材および外装部材をそれぞれ独立させてプレス成形やブロー成形などで成形できる。
これにより、蓋部材および外装部材を成形する際に、それぞれの部品の表面に、鋳造や射出成形時の鋳巣、引けが発生することがなく製造の容易化を図ることができる。
【0021】
請求項2に係る発明では、外装部材をアッパパネルとロアパネルとで閉断面構造に形成することで、外装部材の剛性を高めることができる。
このように、外装部材の剛性を高めることで、外装部材を手で掴んで蓋部材を開閉する際の操作性が向上し、かつ外装部材が損傷することを防ぐことができる。
【0022】
また、アッパパネルを金属製とすることで、樹脂製のアッパパネルに比して温度変化(膨張や収縮)を抑えることができる。
これにより、アッパパネルに隣接する外装パネル(他部材)との隙間の増減(いわゆる、見切りの変化)を抑えることができる。
このことは、アッパパネルを外装パネル(車体外装面)に対して面一に配置した場合において、特に有用(効果的)である。
【0023】
請求項3に係る発明では、外装部材のアッパパネルおよび外装部材のロアパネルを連結部材で連結した。この連結部材にブロックを設け、このブロックをアッパパネルおよびロアパネル間に介装させた。
これにより、アッパパネルおよびロアパネルを連結部材やブロックで補強することができ、外装部材の剛性を一層高めることができる。
さらに、アッパパネルおよびロアパネル間の閉断面形状が変形する(潰れる)ことをブロックによって抑制できる。
【0024】
請求項4に係る発明では、アッパパネルおよびロアパネルを補強するブロックを、灯光装置の取付ブラケットとして兼用した。
このように、ブロックに灯光装置を取り付けることで、灯光装置を外装部材に強固に取り付けることができる。
【0025】
請求項5に係る発明では、車体の開口部の周囲に外装パネルを備えた。そして、外装パネルの外表面に対して外装部材を面一に設けた。
よって、蓋部材に外装部材を取り付ける締結部材を、外装パネルの外表面よりも車体内側に配置する(収める)ことができる。
これにより、車体外側から目視できないように締結部材を隠すことが可能になり外観性を高めることができる。
【0026】
請求項6に係る発明では、外装部材をスポイラーとすることで、スポイラーを外装パネル(例えば、リヤフェンダ)の外表面と面一に配置することができる。
これにより、蓋部材にスポイラーを取り付ける締結部材を、外装パネルの外表面よりも車体内側に隠す(収める)ことができるので、スポイラーによる空力性能の低下を抑制できる。
【0027】
請求項7に係る発明では、蓋部材のインナパネルにパネル開口部を形成し、このパネル開口部に重なるように外装部材を配置した。
これにより、インナパネルのパネル開口部を外装部材で補強することができるので、開閉体の剛性を確保した状態で蓋部材の軽量化を図ることができる。
【0028】
請求項8に係る発明では、外装部材のうち蓋部材に対向する部位にロック解除操作部を設けた。
よって、外装部材を手で掴んで蓋部材を開ける際に、ロック解除操作部に指を容易にかけることができる。
これにより、蓋部材を開ける際にロック解除操作部を容易に操作することができる。
【0029】
また、外装部材のうち蓋部材に対向する部位にロック解除操作部を設けることで、ロック解除操作部を車体外側から目視できないように隠すことが可能になり外観性を高めることができる。
【0030】
さらに、外装部材のうち蓋部材に対向する部位にロック解除操作部を設けることで、外装部材と蓋部材との間の空間を、手を差し込む空間として利用できる。
これにより、外装部材を手で掴む際に必要な専用の空間を、新たに形成する必要がないので構成の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る車体用開閉体構造のリッドユニットを閉じた状態を示す斜視図、図2は図1のリッドユニットを開いた状態を示す斜視図である。
車体後部構造10は、車体11の後部に設けられた左右のリヤピラー(外装パネル)12,13と、左右のリヤピラー12,13間に設けられた後部窓ガラス15と、後部窓ガラス15の下方に設けられたトランク17と、トランク17の開口部(以下、「トランク開口部」という)18を開閉可能な車体用開閉体構造20とを備えている。
【0032】
左リヤピラー12は、車体幅方向の左側(一方の側部)に設けられたピラー本体22と、ピラー本体22の後端内部に設けられたボックス部23とを備えている。
ピラー本体22は、車体後方に向けて下り勾配になるように延出されている。
右リヤピラー13は、左リヤピラー12と左右対称の部材であり、各構成部材に左リヤピラー12と同じ符号を付して説明を省略する。
【0033】
後部窓ガラス15は、左右のリヤピラー12,13に対して車体中心側(すなわち、左右のリヤピラー12,13間)に、車体後方に向けて下り勾配に設けられた略矩形状のガラスである。
この後部窓ガラス15は、左右のリヤピラー12,13の後端部12a,13aに対して後端部(以下、「ガラス後端部」という)15aが高さ寸法Hだけ下方に設けられている。
ガラス後端部15aは、図13に示すように、トランクリッド41の外面41aに対して面一になるように配置されている。
【0034】
トランク17は、左右のリヤフェンダ(外装パネル)25,26、リヤパネル(図示せず)およびリヤフロア(図示せず)などで形成された空間に設けられた収納ボックスである。
トランク17は、上端にトランク開口部18が形成されている。
トランク開口部18は、左右のリヤピラー12,13の後端部12a,13aに対して車体後方に所定間隔をおいて左右の前角部18aが設けられている。
トランク開口部18の周囲にガーター部31(図13、図15も参照)が設けられ、ガーター部31の上方にカバー32(図15も参照)が設けられている。
【0035】
ガーター部31は、水(例えば、雨水)を車外に排水する排水用の部材(いわゆる、樋部)である。
トランク開口部18の周囲(すなわち、ガーター部31)前側に、左右のリヤピラー12,13が備えられている。
さらに、トランク開口部18の周囲(すなわち、ガーター部31)左右側に左右のリヤフェンダ25,26がそれぞれ備えられている。
【0036】
なお、左右のリヤフェンダ25,26の後端部25a,26a間で、かつリヤパネル(図示せず)の後方にリヤバンパー33が設けられている。
【0037】
車体用開閉体構造20は、トランク17のトランク開口部18を開閉可能なリッドユニット(開閉体)35と、リッドユニット35をトランク開口部18に対して開閉可能に支持する左右のヒンジ機構(ヒンジ機構)36,37とを備えている。
【0038】
図3は本発明に係る車体用開閉体構造のリッドユニットを示す斜視図、図4は図3のリッドユニットを示す分解斜視図である。
リッドユニット35は、図2に示すトランク開口部18を開閉可能なトランクリッド(蓋部材)41と、トランクリッド41の外面41aに取り付けられたスポイラー(外装部材)42とで構成されている。
トランクリッド41の左側外面41bにスポイラー42の左端部42aが左締結手段44で締結され、かつ、トランクリッド41の右側外面41cにスポイラー42の右端部42bが右締結手段45で締結されている。
【0039】
トランクリッド41は、平面視で略矩形状に形成された蓋部材である。
スポイラー42は、車体幅方向にクロス部66が延出され、クロス部66の左端部66aから左ウイング部67が車体前方に張り出され、クロス部66の右端部66bから右ウイング部68が車体前方に張り出されている。
このスポイラー42は、クロス部66および左右のウイング部67,68で略コ字状(あるいは、略ウイング状)に形成されている。
【0040】
左締結手段44は、締結部材としてのスタッドボルト47・ナット48、ボルト51・ナット52およびボルト54・ナット55とを備えている。
トランクリッド41は、後部41dにリヤコンビネーションランプ(灯光装置)57が取り付けられている。
リヤコンビネーションランプ57とは、ブレーキランプ、バックアップランプ、方向指示ランプなどを一体化した尾灯をいう。
【0041】
スポイラー42は、後部42cにハイマウントストップランプ(灯光装置)58が取り付けられ、左右の側部に左右のヒンジ機構36,37がそれぞれ取り付けられている。
ハイマウントストップランプ58とは、尾灯のうち制動装置と連動するライトであり、特に高い位置に装備されたライトをいう。
【0042】
トランクリッド41をスポイラー42に対して別部材で構成することで、トランクリッド41は、平面視でトランク開口部18(図2参照)に沿った形状に形成されている。
一方、スポイラー42は、左ウイング部67の前端部67cおよび右ウイング部68の前端部68cがトランクリッド41の前方にそれぞれ突出されている。
【0043】
リッドユニット35を閉じた状態において、左ウイング部67の前端部67cおよび右ウイング部68の前端部68cがカバー32(図2参照)に直接対向する。
よって、左ウイング部67の前端部67cとカバー32との空間、および右ウイング部68の前端部68cとカバー32との空間に左右のヒンジ機構36,37のヒンジアーム92を収めることが可能になる。
これにより、左右のヒンジ機構36,37を、図15、図16および図17に示すように左右のリヤピラーに収納することができる。
【0044】
図5は図4のトランクリッドを示す分解斜視図である。
トランクリッド41は、平面視で略台形状に形成された金属製のアウタパネル61と、アウタパネル61の外周辺部(下部)61aに重ね合わされた金属製のインナパネル62とで閉断面構造に形成されている。
【0045】
アウタパネル61は、平面視で略矩形状に形成され、左右の側部61b,61cが下方に折り曲げられた状態に形成され、後部61dが車体後方に向けて下り勾配に形成されている。
インナパネル62は、平面視で略矩形状に形成され、外周辺部62aがアウタパネル61の外周辺部61aにヘミング加工などで設けられている(取り付けられている)。
このインナパネル62は、中央部(スポイラー42に重なる部位)62bに左右のパネル開口部(パネル開口部)63が形成され、左右のパネル開口部63間に補強リブ64が車体前後方向に向けて延出されている。
【0046】
図6は図4のスポイラーを示す分解斜視図である。
スポイラー42は、トランクリッド41(図4参照)とは別体に形成された部材である。
このスポイラー42は、平面視で略コ字状に形成された金属製のアッパパネル71と、アッパパネル71の外周辺部(下部)71aに設けられた金属製のロアパネル72と、アッパパネル71およびロアパネル72間に介装された左右のヒンジスチフナ(補強部材)73と、アッパパネル71の後辺部71bおよびロアパネル72の後フランジ部72bに設けられた後部連結手段74とを備えている。
このスポイラー42は、アッパパネル71およびロアパネル72で閉断面構造に形成されている。
【0047】
ロアパネル72は、平面視で略コ字状に形成され、外周辺部(後フランジ部72bを除いた辺)72aがアッパパネル71の外周辺部(後辺部71bを除いた辺)71aにヘミング加工などで設けられている(取り付けられている)。
【0048】
このように、スポイラー42をアッパパネル71とロアパネル72とで閉断面構造に形成することで、スポイラー42の剛性を高めることができる。
これにより、スポイラー42(具体的には、図4に示すクロス部66)を手で掴んでトランクリッド41を開閉する際の操作性が向上し、さらにトランクリッド41を開閉する際にスポイラー42が損傷することを防ぐことができる。
【0049】
また、アッパパネル71を金属製とすることで、樹脂製のアッパパネルに比して温度変化(膨張や収縮)を抑えることができる。
これにより、アッパパネル71に隣接する左右のリヤピラー12,13(図1参照)や左右のリヤフェンダ25,26(図1参照)との隙間の増減(いわゆる、見切りの変化)を抑えることができる。
【0050】
さらに、アッパパネル71が左右のリヤピラー12,13や左右のリヤフェンダ25,26(図1参照)に対して面一に配置されている。
このように、アッパパネル71を、リヤピラー12,13やリヤフェンダ25,26に対して面一に配置した場合において、隙間の増減(いわゆる、見切りの変化)を抑えることは、特に有用(効果的)である。
【0051】
図7は図3の7−7線断面図、図8は図3の8−8線断面図である。
アッパパネル71の後辺部71bにロアパネル72の後フランジ部72bが後部連結手段74(図6も参照)で連結されている。
後部連結手段74は、アッパパネル71の後辺部71bおよびロアパネル72の後フランジ部72bを連結する連結部材75と、連結部材75に設けられた複数のブロック76とを備えている。
【0052】
連結部材75は、アッパパネル71の後辺部71bやロアパネル72の後フランジ部72bに沿って車幅方向に延出されている。
アッパパネル71の後辺部71bは、車体後方に向けて下り勾配に張り出されている。
ロアパネル72の後フランジ部72bは、車体後方に向けて略水平に張り出されている。
【0053】
連結部材75は、車体後方に向けて傾斜状に形成され、下端部75aが車体後方に向けて略水平に折り曲げられている。
この連結部材75は、上端部75bがアッパパネル71の後辺部71bにセルフピアスリベット(図示せず)で結合され(設けられ)、下端部75aがロアパネル72の後フランジ部72bにセルフピアスリベット(図示せず)で結合されている(設けられている)。
【0054】
連結部材75には複数のブロック76(図6も参照)が、車幅方向に所定間隔をおいてセルフピアスリベット(図示せず)などの締結部材で設けられている。この状態で、複数のブロック76は、アッパパネル71およびロアパネル72間に介装されている。
複数のブロック76は、ロアパネル72の後フランジ部72bの近傍にボルト77…(図6も参照)で取り付けられている。
これにより、アッパパネル71およびロアパネル72を連結部材75や複数のブロック76(すなわち、後連結手段74)で補強することができ、スポイラー42の剛性を高めることができる。
【0055】
また、複数のブロック76にはハイマウントストップランプ58がボルト78…(1個のみを図示する)で取り付けられている。すなわち、ブロック76は、ハイマウントストップランプ58を取り付ける取付ブラケットを兼用している。
このように、補強用のブロック76を、ハイマウントストップランプ58の取付ブラケットとして兼用することで、ハイマウントストップランプ58をスポイラー42に強固に取り付けることができる。
さらに、ハイマウントストップランプ58を取り付ける取付ブラケットを不要にでき、部品数の増加を抑えることができる。
【0056】
また、ハイマウントストップランプ58は、後フランジ部72bの上方に設けられている。よって、リッドユニット35(図3参照)を開閉する際に作用する荷重F1を後フランジ部72bで支えることができる。
これにより、後フランジ部72bでハイマウントストップランプ58に荷重F1が作用することを防いで、ハイマウントストップランプ58が破損することを防止できる。
【0057】
さらに、ハイマウントストップランプ58を複数のブロック76に取り付けるボルト78…は、車体後方に向けて下り勾配に設けられている。よって、トランクリッド41にスポイラー42を取り付けた状態で、ボルト78…を取り付ける空間を確保することができる。
これにより、トランクリッド41にスポイラー42を取り付けた後工程で、ハイマウントストップランプ58をスポイラー42の後部にボルト78…で取り付けることができる。
したがって、例えば、ハイマウントストップランプ58をリヤコンビネーションランプ57に対して容易に位置決めすることができる。
【0058】
図9は本発明に係るリッドユニットを下方から見た状態を示す斜視図、図10は図9の10−10線断面図、図11は図9の11−11線断面図、図12は図9の12−12線断面図である。
スポイラー42の左ウイング部67は、トランクリッド41の左側外面41b(図4参照)に左締結手段44で取り付けられている。
左締結手段44は、締結部材としてのスタッドボルト47・ナット48と、締結部材としてのボルト51・ナット52およびボルト54・ナット55とを備えている。
【0059】
すなわち、図10に示すように、トランクリッド41の左後角部41eに左ウイング部67の左後角部67aがスタッドボルト47およびナット48で取り付けられている。
具体的には、トランクリッド41のアウタパネル61およびインナパネル62に、スポイラー42のロアパネル72および左ヒンジスチフナ73がスタッドボルト47・ナット48で締結されている。
スタッドボルト47の球体部47aにオープンステイ81が連結されている。オープンステイ81は、リッドユニット35の開閉をアシスト(補助)する部材である。
【0060】
さらに、図11に示すように、トランクリッド41の左パネル開口部63の近傍部位41fに左ウイング部67がボルト51およびナット52で締結されている。
具体的には、トランクリッド41のアウタパネル61およびインナパネル62に、スポイラー42のロアパネル72および左ヒンジスチフナ73がボルト51・ナット52で締結されている。
【0061】
また、図12に示すように、トランクリッド41の左前角部41g近傍に左ウイング部67の左側部67bがボルト54およびナット55で締結されている。
具体的には、トランクリッド41のアウタパネル61およびインナパネル62に、スポイラー42のロアパネル72および左ヒンジスチフナ73がボルト54・ナット55で締結されている。
【0062】
図10〜図12に示すように、左ヒンジスチフナ73をスタッドボルト47・ナット48、ボルト51・ナット52やボルト54・ナット55で締結することで、トランクリッド41にスポイラー42を強固に取り付けることができる。
【0063】
また、左ヒンジスチフナ73は、スタッドボルト47・ナット48、ボルト51・ナット52やボルト54・ナット55でトランクリッド41およびロアパネル72に強固に取り付けられている。
この左ヒンジスチフナ73の補強壁部73aがスポイラー42の外側壁112に重ね合わされている。補強壁部73aおよび外側壁112にヒンジアーム92の先端部92bが複数のボルト106・ナット107で取り付けられている。
【0064】
ここで、図4に示すように、右ウイング部68は、左ウイング部67と同様に、トランクリッド41の右側外面41cに右締結手段45で取り付けられている。
よって、トランクリッド41の外面41aにスポイラー42が取り付けられている。
【0065】
図13は図1の13−13線断面図である。
トランクリッド41の外面41aにスポイラー42が取り付けられた状態で、スポイラー42のクロス部66が、トランクリッド41の外面41aに対して所定間隔S1をおいて上方に配置されている。
さらに、ハイマウントストップランプ58が、リヤコンビネーションランプ57の外面57aに対して所定間隔S2をおいて上方に配置されている。
【0066】
よって、スポイラー42およびトランクリッド41の外面41a間に空気を矢印Aの如く後方に導く空間85が形成されている。
これにより、車両走行中に、車体前方から後部窓ガラス15を経てリッドユニット35まで流れた空気が空間85を経て車体後方に矢印Aの如く導かれ、車体周辺の空気の流れを変えることができる(図3も参照)。
【0067】
図4、図5に戻って、スポイラー42のクロス部66は、トランクリッド41の外面41aに重なるように(すなわち、対向するように)配置されている。
よって、トランクリッド41の中央部41hはスポイラー42のクロス部66で補強されている。これにより、リッドユニット35の剛性を確保した状態で、インナパネル62の中央部(クロス部66に重なる部位)62bに左右のパネル開口部63を形成することができる。
このように、インナパネル62の中央部62bに左右のパネル開口部63を形成することで、リッドユニット35の剛性を確保した状態でトランクリッド41の軽量化を図ることができる。
【0068】
図7に戻って、クロス部66は、車幅方向中央において、トランクリッド41の外面41aに重なる(対向する)部位66c(図4も参照)に、ロック解除操作スイッチ(ロック解除操作部)86が設けられている。
具体的には、ロック解除操作スイッチ86は、図8に示すブロック76を介して連結部材75に取り付けられている。
ロック解除操作スイッチ86を矢印F2(図13も参照)方向に押圧してオンにすることで、車体に設けられたロック機構87(図2参照)のロックが解除される。
【0069】
このロック機構87のロックが解除されることで、ロック機構87からストライカ88(図2参照)が解放されてリッドユニット35(図2参照)を開けることができる。
なお、ストライカ88は、図2に示すように、トランクリッド41の後部中央に設けられている。
ロック解除操作スイッチ86から矢印F2方向の押圧力を解除することで、ロック解除操作スイッチ86がオフに復帰する。
【0070】
このように、クロス部66のトランクリッド41に重なる(対向する)部位66cにロック解除操作スイッチ86を設けることで、クロス部66を手で掴んでリッドユニット35(トランクリッド41)を開ける際に、ロック解除操作スイッチ86に指を容易にかけることができる。
これにより、リッドユニット35(トランクリッド41)を開ける際に、ロック解除操作スイッチ86を容易に操作することができる。
【0071】
また、クロス部66のトランクリッド41に重なる(対向する)部位66cにロック解除操作スイッチ86を設けることで、ロック解除操作スイッチ86を車体外側から目視できないように隠すことが可能になり外観性を高めることができる。
【0072】
さらに、クロス部66のトランクリッド41に重なる(対向する)部位66cにロック解除操作スイッチ86を設けることで、クロス部66とトランクリッド41との間の空間85(図13も参照)を手を差し込む空間として利用できる。
これにより、クロス部66を手で掴む際に必要な専用の空間を、新たに形成する必要がないので構成の簡素化を図ることができる。
【0073】
図14は本発明に係るヒンジ機構を示す斜視図である。
スポイラー42は、左ウイング部67の前端部67cが左ヒンジ機構36を介して左リヤピラー12に支持されている。
左ヒンジ機構36は、左リヤピラー12のボックス部23に取り付けられたベース(基部)91と、ベース91にヒンジ軸93を介して揺動自在に支持されたヒンジアーム92とを備えている。
【0074】
図4に示す右ウイング部68および右ヒンジ機構37は、左ウイング部67および左ヒンジ機構36と左右対称の部材であり、各構成部材に左ヒンジ機構36と同じ符号を付して説明を省略する。
【0075】
すなわち、スポイラー42は、左リヤピラー12のボックス部23に左ヒンジ機構36を介して揺動自在に支持され、かつ、図2に示す右リヤピラー13のボックス部23に右ヒンジ機構37を介して揺動自在に支持されている。
スポイラー42(リッドユニット35)を閉位置に配置した状態で、図1に示すように、トランクリッド41はトランク17のトランク開口部18(図2参照)を閉じる位置に配置される。
一方、スポイラー42(リッドユニット35)を開位置に配置した状態で、図2に示すように、トランクリッド41はトランク17のトランク開口部18を開ける位置に配置される。
【0076】
図2に戻って、トランクリッド41の外面41a(図4参照)にスポイラー42を取り付け、スポイラー42に左右のヒンジ機構36,37を設けた。そして、左右のヒンジ機構36,37でトランクリッド41を開閉可能に支持するようにした。
よって、スポイラー42のクロス部66(図4参照)を手で掴んでトランクリッド41を開閉する際に、開閉時の操作力がトランクリッド41に作用しない。
これにより、トランクリッド41にスポイラー42を取り付ける左右の締結手段44,45(図4参照)に、開閉時の操作力による荷重が作用しないので、左右の締結手段44,45の損傷を防ぐことができる。
【0077】
また、トランク17のトランク開口部18を開閉可能なトランクリッド41を備え、トランクリッド41の外面41a(図4参照)にスポイラー42を取り付けた。
これにより、トランク17のトランク開口部18をトランクリッド41の単一部材で開閉できるので、トランク開口部18とトランクリッド41とのシール性を容易に確保することができる。
【0078】
さらに、トランクリッド41の外面41a(図4参照)にスポイラー42を取り付けることで、トランクリッド41とスポイラー42とを別部材で形成することができる。
これにより、トランクリッド41やスポイラー42を一体に製造する場合と比較して、各部材41,42の形状などを、制約を受けることなく決めることが可能になり、設計の自由度を高めることができる。
【0079】
加えて、トランクリッド41とスポイラー42とを別部材とすることで、トランクリッド41およびスポイラー42をそれぞれプレス成形やブロー成形などで成形できる。
これにより、トランクリッド41およびスポイラー42の表面に、鋳造や射出成形時の鋳巣、引けが発生することがなく製造の容易化を図ることができる。
【0080】
図15は図1の15−15線断面図、図16は本発明に係るボックス部を示す背面図、図17は本発明に係るボックス部を示す断面図である。
左リヤピラー12のボックス部23は、左リヤピラー12の内部で、かつ左リヤピラー12の後端部12aに設けられている(図14も参照)。
このボックス部23は、前壁部95、底部96、外壁部97、内壁部98および上部99で箱状に形成され、後端部23aに後開口部(すなわち、左リヤピラー12の後開口部)101が形成されている。
ボックス部23の後開口部101は、左リヤピラー12の後開口部を兼ねている。
ここで、底部96は車体後方に向けて下り勾配に形成されている。
底部96を車体後方に向けて下り勾配に形成した理由については後述する。
【0081】
ボックス部23の前壁部95に左ヒンジ機構36のベース91が複数のボルト103・ナット104で取り付けられている。
このベース91にヒンジアーム92の基端部92aがヒンジ軸93を介して回動自在に支持されている。
ヒンジアーム92は、側面視で略L字状に形成され、基端部92aがヒンジ軸93を介してベース91に回動自在に支持され、先端部92bが左リヤピラー12の後開口部101およびカバー32の貫通スリット32aを経て車体後方に向けて左リヤピラー12の外側に延出されている。
【0082】
すなわち、左ヒンジ機構36は、左ヒンジ機構36のベース91およびヒンジアーム92の前半部92cがボックス部23の内部(すなわち、左リヤピラー12の内部)内に収納されている。
同様に、図4に示す右ヒンジ機構37は、左ヒンジ機構36と同様に、ベース91およびヒンジアーム92の前半部92cがボックス部23の内部(すなわち、右リヤピラー13(図1参照)の内部)内に収納されている。
これにより、左右のヒンジ機構36,37をトランクルーム19側に張り出さないように配置できるので、トランクルーム19に荷物を収納する際に、左右のヒンジ機構36,37が邪魔になることはない。
【0083】
また、左右のヒンジ機構36,37を左右のリヤピラー12,13内に収納して、トランクルーム19側に張り出さないようにしたので、左右のヒンジ機構36,37を伝わった水(雨水など)が貫通スリット32aを経てトランクルーム19内に浸入することを防止でき、さらに、トランクルーム19の収納容積を大きく確保することができる。
【0084】
さらに、左右のヒンジ機構36,37を左右のリヤピラー12,13内に収納したので、左右のヒンジ機構36,37のヒンジ軸93を後部窓ガラス15に対して車体外側(すなわち、車体幅方向外側)に設けることが可能になる。
よって、左右のヒンジ機構36,37のヒンジ軸93をトランクルーム19のトランク開口部18から離すことができる。
これにより、トランクルーム19のトランク開口部18を大きくすることができ、またトランク開口部18の高さも高くすることができるので、トランクルーム19の収納容積を一層大きく確保することができる。
【0085】
ここで、左右のリヤピラー12,13の内部に左右のヒンジ機構36,37を収納可能な箱状のボックス部23をそれぞれ設けた。ボックス部23を箱状に形成することで、ボックス部23の剛性を高めることができる。
これにより、ボックス部23を左右のリヤピラー12,13の内部に設けることで左右のリヤピラー12,13の剛性を高めることができる。
【0086】
また、剛性の高いボックス部23に左右のヒンジ機構36,37のベース91(右側のベース91は図4参照)を設けることで、左右のヒンジ機構36,37をボックス部23に強固に取り付けることができる。
これにより、左右のヒンジ機構36,37でリッドユニット35を安定的に支えることができるので、リッドユニット35の開閉操作性を高めることができる。
【0087】
さらに、ボックス部23に左右のヒンジ機構36,37を収納することで、左右のヒンジ機構36,37を伝わって流れ込む水(雨水など)をボックス部23内に止めることができる。
これにより、左右のヒンジ機構36,37を伝わって流れ込む水(雨水など)が左右のリヤピラー12,13の内部に浸入することを防止できる。
【0088】
ところで、左リヤピラー12の外側に延出されたヒンジアーム92の先端部92bは、スポイラー42の左ウイング部67に複数のボルト106・ナット107(ナット107は図12参照)で固定されている。
具体的には、左ウイング部67は、ロアパネル72にトランク17側に向けて膨出された膨出部111を備えている。
左ウイング部67に膨出部111を備えることで、スポイラー42(すなわち、リッドユニット35)の剛性を高めることができる。
【0089】
左ウイング部67に膨出部111を備えることで、左ウイング部67の外側辺近傍に外側壁112が形成されている。
この外側壁112に左ヒンジ機構36のヒンジアーム92(具体的には、ヒンジアーム92の先端部92b)が複数のボルト106・ナット107で取り付けられている。
このように、剛性の高い膨出部111の外側壁112にヒンジアーム92の先端部92bを設けることで先端部92bを強固に取り付けることができる。
【0090】
また、図12に示すように、左ヒンジスチフナ73の補強壁部73aがスポイラー42の外側壁112に重ね合わされている。補強壁部73aおよび外側壁112にヒンジアーム92の先端部92bが複数のボルト106・ナット107で取り付けられている。
ここで、前述したように、左ヒンジスチフナ73は、トランクリッド41およびロアパネル72に強固に取り付けられている。
これにより、ヒンジアーム92の先端部92bを補強壁部73aに取り付けることで、ヒンジアーム92の先端部92bをスポイラー42の外側壁112に一層強固に取り付けることができる。
【0091】
ここで、前述したように、右ウイング部68(図4参照)および右ヒンジ機構37(図4参照)は、左ウイング部67および左ヒンジ機構36と左右対称の部材である。
よって、右ヒンジ機構37のヒンジアーム92の先端部92b(図示せず)を、右ウイング部68に強固に取り付けることができる。
これにより、左右のヒンジ機構36,37でスポイラー42(すなわち、リッドユニット35)を安定的に支えることができるので、リッドユニット35の開閉操作性を高めることができる。
【0092】
また、左右の膨出部111の外側壁112に左右のヒンジアーム92の先端部92bをそれぞれ設けることで、左右のヒンジアーム92をリッドユニット35の裏面側壁部に設ける必要がない。
これにより、リッドユニット35の車両高さ方向の寸法(厚さ寸法)を抑えることができ、トランクルーム19の収納容積を大きく確保することができる。
【0093】
さらに、左右の膨出部111の外側壁112に左右のヒンジアーム92の先端部92bをそれぞれ設けることで、リッドユニット35の両外側部を左右のヒンジアーム92でそれぞれ支えることができる。
これにより、リッドユニット35の中央寄りの部位をヒンジアームで支える場合と比較して、リッドユニット35を安定的に支えることができるので、リッドユニット35の開閉操作性を高めることができる。
【0094】
図18は本発明に係るリッドユニットと車体との位置関係を示す斜視図である。
リッドユニット35を閉じた状態において、左ウイング部67の前端部67cが左リヤピラー12の後端部12aに突き合わされ、右ウイング部68の前端部68cが右リヤピラー13の後端部13aに突き合わされている。
そして、左リヤピラー12の外表面12bのうち後端縁(下端縁)12cが、左ウイング部67の外表面67dのみに面一に連なるように形成されている。
また、右リヤピラー13の外表面13bのうち後端縁(下端縁)13cが、右ウイング部68の外表面68dのみに面一に連なるように形成されている。
【0095】
よって、左右のウイング部67,68を左右のリヤピラー12,13の近傍まで張り出すことができる。これにより、左右のウイング部67,68は、リッドユニット35を開閉するヒンジアームの一部として兼用することができる。
したがって、図4に示す左右のヒンジアーム92の全長を短くでき、左右のヒンジ機構36,37のコンパクト化を図ることができる。
【0096】
また、左リヤピラー12の後端縁12cが、左ウイング部67である一部材の外表面67dにのみ連なるようにした。さらに、右リヤピラー13の後端縁13cが、右ウイング部68である一部材の外表面68dに連なるようにした。
これにより、左右のリヤピラー12,13の後端縁12c,13cに、複数の部材の外表面を突き合わせる場合と比較して外観性を高めることができる。
【0097】
さらに、左右のリヤピラー12,13の後端縁12c,13cを左右のウイング部67,68の外表面67d,68dのみに連なるようにすることで、左右のリヤピラー12,13の内部に左右のヒンジ機構36,37を設ける際に、車幅方向に位置決めする際の自由度を高めることができる。
【0098】
ここで、前述したように、図2に示すガーター部31(すなわち、トランク開口部18の周囲)のうち、前側に左右のリヤピラー12,13が備えられ、左右側に左右のリヤフェンダ25,26が備えられている。
そして、左右のリヤピラー12,13の外表面12b,13bや左右のリヤフェンダ25,26の外表面25b,26bに対してスポイラー42の外表面42d(すなわち、左ウイング部67の外表面67d、右ウイング部68の外表面68d)が面一に設けられている。
【0099】
よって、トランクリッド41にスポイラー42を取り付けるための左右の締結手段44,45(図4参照)を、左右のリヤピラー12,13の外表面12b,13bや左右のリヤフェンダ25,26の外表面25b,26bよりも車体内側に配置する(収める)ことができる。
これにより、左右の締結手段44,45を車体外側から目視できないように隠すことが可能になり外観性を高めることができる。
加えて、車体内側に左右の締結手段44,45を収める(隠す)ことで、スポイラー42による空力性能の低下を抑制できる。
【0100】
また、左右のリヤピラー12,13の外表面12b,13bや左右のリヤフェンダ25,26の外表面25b,26bに対してスポイラー42の外表面42dを面一に設けることで、スポイラー42は車両の外面(外形)を形成している。
このスポイラー42の下方にトランクリッド41の外面41aが配置されている。
トランクリッド41の外面41aは、図13に示すように、ガラス後端部15aに対して面一になるように配置されている。
よって、後部窓ガラス15は、左右のリヤピラー12,13の後端部12a,13aに対して後端部(以下、「ガラス後端部」という)15aが高さ寸法H(図2も参照)だけ下方に設けられている。
【0101】
図15に戻って、ガーター部31は、左右のボックス部23(右ボックス部23は図示せず)に連通されている。
具体的には、ガーター部31は、左右のボックス部23の後開口部101を経て左右のボックス部23の底部96に面一に連結されている。
また、前述したように、左右のボックス部23の底部96は車体後方に向けて下り勾配に形成されている。
加えて、ガーター部31は、左右の底部96から車体後方に向けて下り勾配に形成されている。
【0102】
よって、左右のヒンジアーム92(右ヒンジアーム92は図4参照)を経て左右のボックス部23にそれぞれ浸入した水(雨水など)をガーター部31を経て車体後方から外部に矢印Bの如く排水することができる。
また、後部窓ガラス15のガラス後端部15aからガーター部31に導かれた水(雨水など)もガーター部31を経て車体後方から外部に矢印Bの如く排水することができる。
【0103】
さらに、ガーター部31は、左右のボックス部23の後部近傍にドレン穴115(左側のドレン穴115のみを示す)がそれぞれ形成されている。
これにより、例えば、車両が下り坂道を前進走行中に、車両が前方に向けて傾斜した状態において、ガーター部31の水(雨水など)をドレン穴115から排水することができる。
【0104】
なお、本発明に係る車体用開閉体構造20は、前述した実施の形態に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。
例えば、前記実施の形態では、開口部としてトランク開口部18を例示し、また蓋部材としてトランクリッド41を例示し、さらに外装部材としてスポイラー42を例示したが、開口部、蓋部材や外装部材は例示した部材に限定するものではない。
さらに、スポイラー42のロアパネル72として金属製のパネルを例示したが、これに限らないで、ロアパネル72を樹脂製とすることも可能である。
【0105】
また、前記実施の形態では、車体にロック機構87を設け、ストライカ88をトランクリッド41に設けた例について説明したが、これに限らないで、車体にストライカ88を設け、ロック機構87をトランクリッド41に設けることも可能である。
【0106】
さらに、前記実施の形態では、左右のヒンジアーム92の先端部92bをボルト106・ナット107でスポイラー42に取り付ける例について説明したが、これに限らないで、セルフピアスリベットやスポット溶接などの他の手段で取り付けることも可能である。
【0107】
また、前記実施の形態では、トランク開口部18の左右の前角部18aを左右のリヤピラー12,13の後端部12a,13aに対して車体後方に所定間隔をおいて設けた例について説明したが、これに限らないで、トランク開口部18の左右の前角部18aを後端部12a,13aの近傍まで広げることも可能である。
【0108】
さらに、前記実施の形態で示した左右のリヤピラー12,13、後部窓ガラス15、トランク開口部18、左右のリヤフェンダ25,26、リッドユニット35、左右のヒンジ機構36,37、トランクリッド41、スポイラー42、アウタパネル61、インナパネル62、パネル開口部63、アッパパネル71、ロアパネル72、連結部材75、ブロック76などは、例示した形状に限定するものではなく適宜変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明は、車体開口部を開閉可能な蓋部材の外面に外装部材を取り付けることで、蓋部材および外装部材で構成された開閉体を備えた自動車への適用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】本発明に係る車体用開閉体構造のリッドユニットを閉じた状態を示す斜視図である。
【図2】図1のリッドユニットを開いた状態を示す斜視図である。
【図3】本発明に係る車体用開閉体構造のリッドユニットを示す斜視図である。
【図4】図3のリッドユニットを示す分解斜視図である。
【図5】図4のトランクリッドを示す分解斜視図である。
【図6】図4のスポイラーを示す分解斜視図である。
【図7】図3の7−7線断面図である。
【図8】図3の8−8線断面図である。
【図9】本発明に係るリッドユニットを下方から見た状態を示す斜視図である。
【図10】図9の10−10線断面図である。
【図11】図9の11−11線断面図である。
【図12】図9の12−12線断面図である。
【図13】図1の13−13線断面図である。
【図14】本発明に係るヒンジ機構を示す斜視図である。
【図15】図1の15−15線断面図である。
【図16】本発明に係るボックス部を示す背面図である。
【図17】本発明に係るボックス部を示す断面図である。
【図18】本発明に係るリッドユニットと車体との位置関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0111】
10…車体後部構造、20…車体用開閉体構造、11…車体、12,13…左右のリヤピラー(外装パネル)、12b,13b…リヤピラーの外表面、15…後部窓ガラス、18…トランク開口部(開口部)、25,26…左右のリヤフェンダ(外装パネル)、25b,26b…リヤフェンダの外表面、35…リッドユニット(開閉体)、36,37…左右のヒンジ機構(ヒンジ機構)、41…トランクリッド(蓋部材)、41a…トランクリッドの外面、42…スポイラー(外装部材)、42d…スポイラーの外表面、61…アウタパネル、62…インナパネル、63…パネル開口部、67d…左ウイング部の外表面、68d…右ウイング部の外表面、71…アッパパネル、72…ロアパネル、74…後部連結手段、75…連結部材、76…ブロック、86…ロック解除操作スイッチ(ロック解除操作部)、87…ロック機構。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体の開口部を開閉可能な蓋部材と、
前記蓋部材の外面に取り付けられた前記蓋部材とは別体の外装部材とで開閉体が構成された車体用開閉体構造において、
前記蓋部材を前記開口部に対して開閉可能に支持するヒンジ機構が前記外装部材に設けられたことを特徴とする車体用開閉体構造。
【請求項2】
前記外装部材は、金属製のアッパパネルと、該アッパパネルの下部に設けられたロアパネルとで閉断面構造に形成されたことを特徴とする請求項1記載の車体用開閉体構造。
【請求項3】
前記外装部材は、
前記アッパパネルおよび前記ロアパネルを連結する連結部材と、
前記連結部材に設けられ、前記アッパパネルおよび前記ロアパネル間に介装されたブロックと、
を備えたことを特徴とする請求項2記載の車体用開閉体構造。
【請求項4】
前記ブロックは、
灯光装置を取り付ける取付ブラケットを兼用することを特徴とする請求項3記載の車体用開閉体構造。
【請求項5】
前記開口部の周囲に前記車体の外装パネルを備え、
前記外装パネルの外表面に対して前記外装部材が面一に設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車体用開閉体構造。
【請求項6】
前記外装部材は、車体周辺の空気の流れを変えるスポイラーであることを特徴とする請求項5記載の車体用開閉体構造。
【請求項7】
前記蓋部材は、アウタパネルと、該アウタパネルの下部に設けられたインナパネルとで閉断面構造に形成され、
前記インナパネルのうち、前記外装部材に重なる部位にパネル開口部が形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の車体用開閉体構造。
【請求項8】
前記開口部を閉じた閉位置に前記開閉体を保持するロック機構が前記車体または前記蓋部材に設けられ、
前記ロック機構のロックを解除するロック解除操作部が、前記外装部材のうち前記蓋部材に対向する部位に設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の車体用開閉体構造。
【請求項1】
車体の開口部を開閉可能な蓋部材と、
前記蓋部材の外面に取り付けられた前記蓋部材とは別体の外装部材とで開閉体が構成された車体用開閉体構造において、
前記蓋部材を前記開口部に対して開閉可能に支持するヒンジ機構が前記外装部材に設けられたことを特徴とする車体用開閉体構造。
【請求項2】
前記外装部材は、金属製のアッパパネルと、該アッパパネルの下部に設けられたロアパネルとで閉断面構造に形成されたことを特徴とする請求項1記載の車体用開閉体構造。
【請求項3】
前記外装部材は、
前記アッパパネルおよび前記ロアパネルを連結する連結部材と、
前記連結部材に設けられ、前記アッパパネルおよび前記ロアパネル間に介装されたブロックと、
を備えたことを特徴とする請求項2記載の車体用開閉体構造。
【請求項4】
前記ブロックは、
灯光装置を取り付ける取付ブラケットを兼用することを特徴とする請求項3記載の車体用開閉体構造。
【請求項5】
前記開口部の周囲に前記車体の外装パネルを備え、
前記外装パネルの外表面に対して前記外装部材が面一に設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の車体用開閉体構造。
【請求項6】
前記外装部材は、車体周辺の空気の流れを変えるスポイラーであることを特徴とする請求項5記載の車体用開閉体構造。
【請求項7】
前記蓋部材は、アウタパネルと、該アウタパネルの下部に設けられたインナパネルとで閉断面構造に形成され、
前記インナパネルのうち、前記外装部材に重なる部位にパネル開口部が形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の車体用開閉体構造。
【請求項8】
前記開口部を閉じた閉位置に前記開閉体を保持するロック機構が前記車体または前記蓋部材に設けられ、
前記ロック機構のロックを解除するロック解除操作部が、前記外装部材のうち前記蓋部材に対向する部位に設けられたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の車体用開閉体構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−149758(P2010−149758A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331311(P2008−331311)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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