説明

車載カメラ制御装置、車載カメラ制御システム及び車載カメラシステム

【課題】 車両の走行状況に応じて異なる処理を行うことが可能な車載カメラ制御装置、車載カメラ制御システム及び車載カメラシステム等の提供。
【解決手段】 車載カメラ制御装置100は、赤外線画像データを赤外線画像撮像部210から取得する画像取得部110と、赤外線画像データに基づく処理を行う処理部120と、外部機器300との通信処理を行う通信部140と、車両が走行状態か否かを判定する走行状態判定部130と、を含む。そして、処理部120は、車両が走行状態であると判断された場合に、赤外線画像データに基づく画像処理を行う。さらに、通信部140は、車両が非走行状態であると判断された場合に、赤外線画像データ又は赤外線画像データに基づく検出情報を、外部機器300に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載カメラ制御装置、車載カメラ制御システム及び車載カメラシステム等に関係する。
【背景技術】
【0002】
近年、犯罪の凶悪化、巧妙化に対応するために、防犯対策の強化が望まれており、各種防犯アイテムの充実が望まれている。
【0003】
例えば住居の防犯に関して言えば、住居の扉や窓への不審者による不正な開閉が検知された時に、赤外線カメラによる撮像又はブザー等の警報を行い、住居人に報知する特許文献1に記載されているような従来技術がある。
【0004】
しかしながら、単に、防犯アイテムを増加させるのでは、防犯システムの増加に伴い防犯システムに掛かる費用も高くなり、ユーザーの費用負担が増加するという問題がある。
【0005】
一方で、車載赤外線カメラにより車体前方の近赤外線画像を撮像して表示するとともに、撮像画像から歩行者を検知して、その検知結果を近赤外線画像に重ね合わせて表示する車載用の暗視装置が実用化されている。このような暗視装置に用いられる歩行者検知技術として、特許文献2に記載される従来技術がある。
【0006】
特許文献2の従来技術では、検知対象物における所定部位の形状と同一形状の部位が、該対象物中に連続して存在するか否かを探索し、同一形状の部位が連続して存在する場合には、該対象物は人工物であると判断して、該対象物を除外した残りの対象物から歩行者を認識する。
【0007】
このような状況の中で、本出願人は、住居の侵入者防止用途と道路走行中の歩行者検知用途に、車載カメラを兼用して使う手法を検討している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002−150438号公報
【特許文献2】特開2005−352974号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
道路走行中の歩行者検知と住居の侵入者防止との両方の用途に、車載カメラを用いようとする場合、それぞれの用途に対して適切な画像データ処理が異なり、車両が走行中の場合と車両が駐車中の場合に、異なる処理を実行する必要がある。
【0010】
本発明の幾つかの態様によれば、車両の走行状況に応じて異なる処理を行う車載カメラ制御装置、車載カメラ制御システム及び車載カメラシステム等を提供することができる。
【0011】
また、本発明の幾つかの態様によれば、消費電力を抑制しつつ、車両の走行状況に応じた対象物の監視をすることが可能な車載カメラ制御装置、車載カメラ制御システム及び車載カメラシステム等を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、赤外線画像データを赤外線画像撮像部から取得する画像取得部と、前記赤外線画像データに基づく処理を行う処理部と、外部機器との通信処理を行う通信部と、車両が走行状態か非走行状態かを判定する走行状態判定部と、を含み、前記処理部は、前記車両が前記走行状態であると判断された場合に、前記赤外線画像データに基づく画像処理を行い、前記通信部は、前記車両が非走行状態であると判断された場合に、前記赤外線画像データ又は前記赤外線画像データに基づく検出情報を、前記外部機器に送信する車載カメラ制御装置に関係する。
【0013】
本発明の一態様では、車両が走行状態である場合と、車両が非走行状態である場合で、異なる処理を行うことができる。これにより、消費電力を抑制しつつ、車両及び車両の周囲の状況に応じた対象物の監視をすることが可能となる。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記車両が前記走行状態であると判断された場合に、前記赤外線画像データに基づいて対象物の検出情報を含む表示用画像データを生成する処理を、前記画像処理として行ってもよい。
【0015】
これにより、車両が走行状態であると判断された場合に、例えば、歩行者や先行車の輪郭画像等を、ユーザーに提示して、対象物への注意を促すこと等が可能になる。
【0016】
また、本発明の一態様では、前記画像取得部は、可視画像データを可視画像撮像部から取得し、前記処理部は、前記表示用画像データとして、前記対象物が存在する位置に対応する前記可視画像上の位置に、アラート画像を重畳した画像データを生成する処理を、前記画像処理として行ってもよい。
【0017】
これにより、車両が走行状態である時に、ユーザーが実際に見ている景色と合致する可視画像に、アラート画像を重畳させて表示用画像を生成するため、表示用画像を用いた場合にも、ユーザーに違和感を覚えさせずに、対象物への注意を促すこと等が可能となる。
【0018】
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記車両が前記非走行状態であると判断された場合に、住居防犯処理を行い、前記住居防犯処理を実行中の場合において、前記走行状態判定部により前記車両が前記非走行状態から前記走行状態になったと判断された場合には、車両防犯処理を行ってもよい。
【0019】
これにより、住居防犯処理を行いつつ、車両が盗難にあった可能性がある時には、車両防犯処理を行うこと等が可能になる。
【0020】
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記車両が前記非走行状態であると判断された場合において、前記赤外線画像撮像部が前記住居防犯処理用の位置又は方向に設定された場合に、前記赤外線画像データに基づいて前記住居防犯処理を行い、前記通信部は、前記住居防犯処理の結果に基づいて、前記赤外線画像データ又は前記赤外線画像データに基づく前記検出情報を、前記外部機器に送信してもよい。
【0021】
これにより、実行する処理を頻繁に切り替えることによる赤外線画像撮像部210や可視画像撮像部220の不必要な起動切り替えを避け、無駄な電力を消費することを避けること等が可能となる。
【0022】
また、本発明の一態様では、前記赤外線画像データを記憶する記憶部を含み、前記処理部は、前記住居防犯処理として、所与の時間間隔で前記赤外線画像データを前記記憶部に保存し、保存された第1の赤外線画像データと、前記第1の赤外線画像データとは異なるタイミングに取得された第2の赤外線画像データとの比較処理を行い、前記通信部は、前記比較処理において、前記第1の赤外線画像データと前記第2の赤外線画像データとに差異があったと判断された場合に、前記赤外線画像データ又は前記赤外線画像データに基づく前記検出情報を、前記外部機器に送信してもよい。
【0023】
これにより、住居防犯処理を実行中の場合に、赤外線画像データのみを用いて、対象物を検出し、対象物が検出された場合には、ユーザーへ侵入者の存在を通知すること等が可能になる。
【0024】
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記赤外線画像撮像部が前記住居防犯処理用の位置又は方向に設定されている場合において、前記車両が前記走行状態であることが検出された場合には、前記車両防犯処理を行ってもよい。
【0025】
これにより、車両が盗難にあったこと、又はユーザーが住居防犯処理を実行していることを忘れて車両を動かしたことを、ユーザーに通知すること等が可能になる。
【0026】
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記住居防犯処理を行う場合には、可視画像撮像部を動作オフ状態に設定し、前記車両防犯処理を行う場合には、前記可視画像撮像部を動作オン状態に設定してもよい。
【0027】
これにより、車両防犯処理を実行中の場合に、不要な赤外線画像撮像部を動作オフ状態に設定し、消費電力を抑える一方で、可視画像撮像部を動作オン状態に設定して、ユーザーに現在車両が位置する場所を撮像すること等が可能になる。
【0028】
また、本発明の一態様では、前記画像取得部は、前記車両防犯処理として、可視画像データを前記可視画像撮像部から取得する処理を行い、前記通信部は、前記可視画像データを前記外部機器に送信してもよい。
【0029】
これにより、車両防犯処理を実行中の場合に、ユーザーに現在車両が位置する場所を撮像した可視画像を通知すること等が可能になる。
【0030】
また、本発明の一態様では、前記画像取得部は、可視画像データを可視画像撮像部から取得し、前記処理部は、前記車両が前記走行状態であると判断された場合には、前記赤外線画像撮像部と前記可視画像撮像部と前記通信部のうち、前記赤外線画像撮像部と前記可視画像撮像部とを動作オン状態に設定して、前記車両が前記非走行状態であると判断された場合には、前記赤外線画像撮像部と前記可視画像撮像部と前記通信部のうち、前記赤外線画像撮像部と前記通信部とを動作オン状態に設定してもよい。
【0031】
これにより、走行状態であると判断された場合と非走行状態であると判断された場合に、それぞれ必要な機能部のみを駆動させ、消費電力を削減すること等が可能になる。
【0032】
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記車両が前記非走行状態であると判断された場合に、前記車両が前記走行状態である時のフレームレートに比べて、前記赤外線画像撮像部のフレームレートを低く設定してもよい。
【0033】
これにより、赤外線画像撮像部210の駆動及び赤外線画像データの画像処理に用いる電力の消費を抑えること等が可能となる。
【0034】
また、本発明の他の態様では、赤外線画像データを赤外線画像撮像部から取得する画像取得部と、前記赤外線画像データに基づく処理を行う処理部と、外部機器との通信処理を行う通信部と、車両が走行状態か非走行状態かを判定する走行状態判定部と、を含み、前記処理部は、前記車両が前記走行状態であると判断された場合に、前記赤外線画像データに基づく画像処理を行い、前記通信部は、前記車両が前記非走行状態であると判断された場合に、前記赤外線画像データ又は前記赤外線画像データに基づく検出情報を、前記外部機器に送信する車載カメラ制御システムに関係する。
【0035】
また、本発明の他の態様は、前記車載カメラ制御装置と、前記赤外線画像撮像部とを含む車載カメラシステムに関係する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態のシステム構成図。
【図2】図2(A)は、赤外線画像撮像部及び可視画像撮像部の取付け位置を示す平面図であり、図2(B)は、図2(A)の側面図、図2(C)は外部機器の一例。
【図3】本実施形態の処理を説明するフローチャート。
【図4】図4(A)〜図4(D)は、車両が走行状態である時の処理の説明図。
【図5】図5(A)、図5(B)は、アラート画像の説明図。
【図6】図6(A)〜図6(C)は、住居防犯処理の説明図。
【図7】図7(A)〜図7(C)は、車両防犯処理の説明図。
【図8】本実施形態の処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本実施形態について説明する。まず、本実施形態のシステム構成例を説明し、次に本実施形態の特徴について説明する。そして最後に、フローチャートを用いて本実施形態の処理の流れについて説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0038】
1.システム構成例
まず、図1に本実施形態の車載カメラ制御装置及びこれを含む車載カメラシステムの構成例を示す。
【0039】
車載カメラ制御装置100は、画像取得部110と、処理部120と、走行状態判定部130と、通信部140と、記憶部150と、を含む。また、車載カメラ制御装置100を含む車載カメラシステム200の例としては、赤外線画像撮像部210や、可視画像撮像部220、提示部230、センサー240などを含む車載カメラシステムなどが挙げられる。なお、車載カメラ制御装置100及びこれを含む車載カメラシステム200は、図1の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。例えば、車載カメラ制御装置100の一部又は全部の機能を、赤外線画像撮像部210や、可視画像撮像部220により実現してもよい。また、本実施形態の車載カメラ制御装置100の一部又は全部の機能は、通信により接続されたサーバにより実現されてもよい。
【0040】
次に各部で行われる処理について説明する。
【0041】
まず、画像取得部110は、赤外線画像撮像部210から赤外線画像を表す赤外線画像データを取得し、可視画像撮像部220から可視画像を表す可視画像データを取得する。
【0042】
そして、処理部120は、走行状態判定部130により判定された走行状態に応じて、記憶部150から得られるデータを用いて種々の処理を行う。
【0043】
さらに、走行状態判定部130は、車両が走行状態か否かを判定する。
【0044】
なお、画像取得部110及び、処理部120、走行状態判定部130の機能は、各種プロセッサー(CPU等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0045】
また、通信部140は、車載カメラ制御装置100と外部機器300間で、情報の送受信を行う。なお、通信部140は、有線により通信を行うものであってもよく、無線により通信を行うものであってもよい。
【0046】
また、記憶部150は、データベースを記憶したり、処理部120等のワーク領域となるもので、その機能はRAM等のメモリーやHDD(ハードディスクドライブ)などにより実現できる。
【0047】
そして、赤外線画像撮像部210は、赤外線画像を撮像する。赤外線画像は、遠赤外線画像及び中赤外線画像を含む。赤外線画像撮像部210は、検出対象物に人体を含める場合には、8〜12μmの遠赤外線波長域に感度を有するものであっても良く、より遠距離(およそ200m先)の感度を得る必要がある場合には、赤外線画像撮像部210として焦電型赤外線センサーカメラを用いることが望ましい。焦電型センサーカメラを使うことにより、遠距離から近距離までの熱画像(赤外線画像)を1つのセンサー膜で取得可能であり、人体の体温と他の静止物の境界線が明確に表示可能であるため、人体抽出には最適であり、さらに他の赤外線センサーより大幅にコストが低い。
【0048】
また、本実施形態では、赤外線画像撮像部210は、住居侵入防止等の防犯目的において、使用されるが、この場合には、監視エリアは住居の窓及び扉を含むエリアとなる。したがって、この監視エリアへの侵入者を検知するためには、赤外線画像撮像部210は、前述したように8〜12μmの遠赤外線波長域に感度を有するものあることが望ましい。そのため、同一の赤外線画像撮像部を、走行時と住居防犯時に共用することもできる。さらに、車両の走行途中に歩行者を検知する場合に比べ、住居の防犯時に侵入者を検知する場合には、背景画像が時間的に変化せず、侵入者の有無だけを検知するだけで良いため、走行時に比べて画像処理が非常に簡単である。また、侵入者が撮像エリア内を通過する時間も歩行者に比べ長いため、フレームレートを低く設定して、間引き撮像を行いつつ、侵入者を検出することも可能であり、撮像時の電気消費量を抑えることが可能である。
【0049】
一方、可視画像撮像部220は、可視画像を撮像する。可視画像撮像部220は、撮像素子としてCCDやCMOSを用いているカメラであっても良く、また、白黒カメラでもカラーカメラでも良い。白黒カメラを使う場合には、可視画像として濃淡画像が撮像され、カラーカメラを使う場合には、可視画像として色画像が撮像される。
【0050】
なお、赤外線画像撮像部210及び可視画像撮像部220は、画像処理用等に用いられるデバイス(プロセッサー)を含んでもよい。本実施形態においては、赤外線画像データまたは可視画像データを、そのまま車載カメラ制御装置100に出力するが、これに限定されるものではない。例えば、車載カメラ制御装置100の処理部の一部を、赤外線画像撮像部210又は可視画像撮像部220に持たせてもよい。その場合、赤外線画像又は可視画像に対して、画像処理が施された後の情報が車載カメラ制御装置100に出力されることになる。
【0051】
次に、図2(A)、図2(B)に、赤外線画像撮像部及び可視画像撮像部等の取り付け位置の一例を示す。
【0052】
赤外線画像撮像部210は、図2(A)、図2(B)に示すように、レンズの光軸の水平成分方向HLL1と車体中心線CL1がなすパン角がPA1となり、レンズの光軸の垂直成分方向PLL1と地上との水平線HL1がなすチルト角がTA1となるように、車体のバンパーまたはグリル内に取り付けられる。ここで、赤外線画像撮像部210は、赤外線画像撮像部210を上下、左右に首振り駆動させる電動モーターを備えていてもよい。この場合には、車体進行方向前方の道路又は道路側面を撮像できるように回転角度を自由に調整できる。
【0053】
可視画像撮像部220は、図2(A)、図2(B)に示すように、レンズの光軸の水平成分方向HLL2と車体中心線CL2がなすパン角がPA2となり、レンズの光軸の垂直成分方向PLL2と地上との水平線HL2がなすチルト角がTA2となるように、フロントウィンドウ上部に取り付けられる。ここで、可視画像撮像部220も赤外線画像撮像部210と同様に、可視画像撮像部220を上下、左右に首振り駆動させる電動モーターを備えていてもよい。この場合には、車体進行方向前方の道路又は道路側面を撮像できるように回転角度を自由に調整できる。
【0054】
なお、図2(A)では、分かりやすいようにPA1及びPA2は0°以上となっているが、車体進行方向前方を撮像する際には、PA1=PA2=0°、TA1=TA2とすることが望ましい。また、赤外線画像撮像部210及び可視画像撮像部220は、車体の側面に設置してもよいし、それぞれの撮像部を複数設置してもよい。
【0055】
さらに、赤外線画像撮像部210及び可視画像撮像部220には、運転者が任意に撮影方向や撮影位置を決定するために、車内にセレクタスイッチが設置されており、セレクタスイッチにより、赤外線画像撮像部210又は可視画像撮像部220の駆動のON/OFFや、赤外線画像撮像部210や可視画像撮像部220の位置や方向を変更することができる。なお、図1及び図2(A)、図2(B)においては、セレクタスイッチは省略されている。
【0056】
次に、提示部230は、車載カメラ制御装置100の処理結果をユーザーに示す。提示部230は、警報装置であってもよいし、ディスプレイであってもよい。
【0057】
提示部230が警報装置である場合には、警報装置は、処理部120から得られる出力信号に基づいて、歩行者の有無や住居屋の侵入者を検知した場合に警報(音声)を発する。警報装置として車体のクラクション及びフロントライトを用いれば、住居への侵入者を検知した場合に、クラクションを鳴らしたり、フロントライトを点滅させたりすることができ、新たな設備を設ける必要がないという利点がある。
【0058】
さらに、提示部230がディスプレイである場合には、ディスプレイは、処理部120が先行車や歩行者、又は住居への侵入者を検出した場合に、これらの位置を表す画像を表示したり、検出物の輪郭画像等を可視画像に重畳して生成された画像を、処理部120から取得し、これを表示してもよい。
【0059】
また、本実施形態では、センサー240には、ジャイロセンサーを使用する。ジャイロセンサーは、消費電力が少なく、微細な振動をも検知することが可能である。他にも、センサー240は、車両の前輪の回転速度から車速を求める車速センサーであってもよく、加速度センサーやGPSセンサーであってもよい。
【0060】
最後に、外部機器300は、図2(C)に示すような携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)、ノート型PCなどの情報端末であり、例えばプロセッサー(CPU)、メモリー、操作パネル、通信装置、或いはディスプレイ(サブディスプレイ)などを備える。なお、外部機器300は、腕時計、或いはポータブルオーディオなどとして兼用される機器であってもよい。
【0061】
また、図3に本実施形態のハードウェア構成図を示す。まず、図1の車載カメラ制御装置100は、図3のCPU450とメモリー470により実現できる。ここで、図1の画像取得部110及び処理部120、走行状態判定部130、通信部140は、図1のCPU470により実現でき、図1の記憶部150は、図3のメモリー470により実現できる。
【0062】
そして、図1の車載カメラシステム200は、図3の赤外線カメラ410と、CPU450と、メモリー470とを含んでいる。ここで、図1の赤外線画像撮像部210は、図3の赤外線カメラ410により実現され、電動モーター420を備えている。
【0063】
また、図1の可視画像撮像部220は、図3の可視カメラ430により実現され、電動モーター440を備えている。さらに、図1の提示部230は、図3のディスプレイ490により実現できる。そして、図1のセンサー240は、図3のジャイロセンサー460やGPS480等により実現できる。
【0064】
2.本実施形態の手法
以上の本実施形態では、赤外線画像データを赤外線画像撮像部210から取得する画像取得部110と、赤外線画像データに基づく処理を行う処理部120と、外部機器300との通信処理を行う通信部140と、車両が走行状態か否かを判定する走行状態判定部130と、を含む。そして、処理部120は、車両が走行状態であると判断された場合に、赤外線画像データに基づく画像処理を行う。さらに、通信部140は、車両が非走行状態であると判断された場合に、赤外線画像データ又は赤外線画像データに基づく検出情報を、外部機器300に送信する。
【0065】
これにより、車両が走行状態である場合と、車両が非走行状態である場合で、異なる処理を行うことができる。
【0066】
車両の走行状態の判定処理においては、例えば、車体に設けられたセンサー240が、1Hzないし20Hzの周波数の振動を、所定の時間連続して検出した場合に、走行状態であると判定してもよい。その他にも、ユーザーがセレクタスイッチを操作して、赤外線画像撮像部210や可視画像撮像部220の位置等を、走行用の位置等に変更したことをもって、走行状態であると判定する等、様々な方法により判定してもよい。
【0067】
そして、車両が走行状態にあると判定された場合には、対象物が歩行者や先行車となり、これらの監視に最適な処理を行う。一方、車両が非走行状態にあると判定された場合には、対象物が住居等への侵入者となり、これらの監視に最適な処理を行う。すなわち、車両が走行中であるとか駐車中であるなどの車両の状況に応じた対象物の監視をすることが可能となる。
【0068】
また、車両が走行状態にあると判定された場合には、赤外線画像データを取得するため、歩行者が多かったり、他の車両が多かったり等の車両の周囲の状況に応じた対象物の監視をすることが可能である。
【0069】
例えば、図4(A)に、車両CA1が走行している場合の様子を示す。この時、車両CA1に設けられた赤外線画像撮像部210が、車両の前方を撮像し、先行車CA2や歩行者WP1、自転車に乗っている人WP2などを撮像する。
【0070】
ここで、赤外線画像データとは、赤外線画像撮像部210により撮像される赤外線画像(熱画像)を表す情報である。赤外線画像については、前述した通りである。例えば、赤外線画像の一例として、図4(A)の車両CA1に設けられた赤外線画像撮像部210により撮像された赤外線画像IIMを、図4(C)に示す。赤外線画像IIMには、歩行者WP1や先行車CA2、自転車に乗った人WP2などが、温度が高い部分が色濃く映し出されている。赤外線画像は、風景等の識別には向かないが、温度分布等を識別することが容易であり、背景と対象物とを判別する場合に有用である。
【0071】
そして、車両が走行状態であると判断された場合には、赤外線画像データに基づく画像処理を行うが、画像処理の詳細については後述する。
【0072】
一方、車両が非走行状態にあると判定された場合には、赤外線画像撮像部210により撮像された赤外線画像の赤外線画像データ又は赤外線画像データに基づく検出情報を、外部機器300に送信する。
【0073】
ここで、検出情報とは、赤外線画像中に対象物が映っていることを示す情報である。例えば、検出情報の一例としては、赤外線画像中に対象物が映っている場合にONを示すフラグや、住居等への侵入者がいることをユーザーに知らせる文字情報や画像情報、又は外部機器300に警告音を発生させる命令などがある。
【0074】
この場合には、監視エリア内に侵入者等がいる場合にのみ、外部機器300と通信をすればよい。したがって、非走行状態において、常時、外部機器300と通信が必要な場合に比べて、車載カメラ制御装置100の消費電力の抑制が可能となる。
【0075】
なお、ここで、監視エリアとは、車載カメラシステム200の対象物を検出するために、監視することが必要なエリアのことであり、例えば、赤外線画像撮像部210又は可視画像撮像部220により、撮像される範囲のこという。後述する図6(A)の例で言えば、赤外線画像撮像部210により撮像される住居のドアDRや窓WDを含む範囲のことである。
【0076】
また、検出情報は、対象物が映っていないことを示す情報であってもよい。この場合には、車両が非走行状態にある時に、原則として常時、車載カメラ制御装置100は外部機器300と通信を行い、侵入者等を検出した場合に通信を行わない。そして、外部機器300は検出情報を受信できなくなった時に、監視エリアに異常が発生したと判断して、警告音を発する等して、ユーザーに通知してもよい。この方法は、常時通信を行うため、監視エリア内に侵入者等がいる場合にのみ外部機器300と通信をする方法と比べて、消費電力は大きくなるが、侵入者等により車載カメラ制御装置が破壊された場合でも、ユーザーに異常を通知することが可能な点において有用である。
【0077】
さらに、車両の走行状態に関わらず、可視画像撮像部220を駆動させずに、赤外線画像撮像部210のみを駆動させて、車両の進行方向の歩行者や住居への侵入者等の監視を行うため、可視画像撮像部220の駆動や、可視画像撮像部220により得られた可視画像データの画像処理に用いる電力を抑制することが可能となる。すなわち、可視画像撮像部220と赤外線画像撮像部210の両方を駆動させる場合と比較して、消費電力の削減が可能である。
【0078】
以上のように、車両が走行状態である場合と、車両が非走行状態である場合で、異なる処理を行い、消費電力を抑制しつつ、車両及び車両の周囲の状況に応じた対象物の監視をすることが可能となる。
【0079】
また、処理部120は、車両が走行状態であると判断された場合に、赤外線画像データに基づいて対象物の検出情報を含む表示用画像データを生成する処理を、画像処理として行ってもよい。
【0080】
なお、前述した例では、車両が非走行状態である場合に、赤外線画像中に対象物が映っていることを示す情報のことを、対象物の検出情報と呼んだが、車両が走行状態である場合にも同様の意味で用いる。この場合には、検出情報は、例えば、車両の前方に歩行者や先行車がいることをユーザーに知らせる文字情報や画像情報等である。
【0081】
ここで、表示用画像データとは、表示用画像を表すデータである。
【0082】
また、表示用画像とは、車両が走行状態であると判断された場合に、歩行者や先行車等の対象物の存在をユーザーに伝えるための画像であり、提示部230に表示する画像そのものをいう。例えば、表示用画像は、対象物の輪郭を表す画像や、対象物が近くにいることを通知するための記号等を表す画像、もしくは、赤外線画像に歩行者や先行車等の輪郭画像を重畳して生成した画像などである。また、表示用画像を表示すると同時に、警告音等を発しても良い。なお、表示用画像は、対象物の検出情報そのものであってもよい。また、表示用画像は、対象物の検出情報を一部とする画像であってもよく、この場合には、表示用画像における対象物の検出情報の位置は問わない。
【0083】
これにより、車両が走行状態であると判断された場合に、例えば、歩行者や先行車の輪郭画像等を、ユーザーに提示して、対象物への注意を促すこと等が可能になる。
【0084】
しかし、輪郭画像や赤外線画像に輪郭画像を重畳した画像などの表示用画像は、車両を運転中にユーザーが実際に見ている景色とは、見た目が大きく異なっており、表示用画像から取得した情報を、ユーザーがすぐに車両の運転に反映できない可能性がある。
【0085】
そこで、画像取得部110は、可視画像データを可視画像撮像部220から取得してもよい。そして、処理部120は、表示用画像データとして、対象物が存在する位置に対応する可視画像上の位置に、アラート画像を重畳した画像データを生成する処理を、画像処理として行ってもよい。
【0086】
ここで、可視画像データとは、可視画像撮像部220により撮像される可視画像を表す情報である。可視画像については、前述した通りである。例えば、可視画像の一例として、図4(A)の車両CA1に設けられた可視画像撮像部220により撮像された可視画像VIMを、図4(B)に示す。可視画像VIMにも、歩行者WP1や先行車CA2、自転車に乗った人WP2などが映し出されている。可視画像VIMは、ユーザーが見た景色とほとんど相違がないため、一見して風景を含む画像の全体像を把握しやすい。逆に、可視画像のみを用いて、風景と対象物を区別することは困難である。そこで、本実施形態では、前述したような特徴を持つ赤外線画像を用いて、対象物を区別する。
【0087】
さらに、可視画像を用いて生成した表示用画像の具体例を、図4(D)に示す。表示用画像CIMを生成する際には、例えば、図4(C)に示す赤外線画像IIMにより表される温度分布の特徴に基づいて、後述するようなテンプレートマッチング処理を行って、人(WP1とWP2)と人以外(背景や先行車CA2)を区別する。そして、可視画像上において、人が位置する部分を囲うように、後述するアラート画像(ALIM1とALIM2)等を重畳させて、表示用画像CIMを生成する。このような画像を提示することにより、歩行者に注意を払うように、ユーザーに警告する。
【0088】
ここで、アラート画像とは、ユーザーに対象物の存在を知らせるための画像であり、提示部230に表示する表示用画像の一部となる画像のことをいう。アラート画像の例としては、エクスクラメーション・マ−クや、歩行者や先行車を表す模式図、危険が迫っていることを知らせる強調文字などがある。
【0089】
具体的には、図4(D)に示す画像ALIM1やALIM2がアラート画像に該当する。他にも、図5(A)に示す画像CIM1上において、歩行者WP1の頭上に表示したALIM3のようなエクスクラメーション・マ−クや、図5(B)に示す画像CIM2上において、歩行者WP1の輪郭を強調する画像ALIM4や、危険が迫っていることを文字や記号を用いて強調するALIM5のような帯画像などがある。
【0090】
これにより、車両が走行状態である時に、ユーザーが実際に見ている景色と合致する可視画像に、アラート画像を重畳させて表示用画像を生成するため、表示用画像を用いた場合にも、ユーザーに違和感を覚えさせずに、対象物への注意を促すこと等が可能となる。さらに、アラート画像を用いることにより、ユーザーが背景と対象物とを簡単に区別すること等が可能となる。
【0091】
ところで、住居等を監視している際中に、車両自体が盗難にあってしまう場合も考えられる。具体的には、住居防犯処理を実行中の場合において、車両が非走行状態から走行状態になった場合には、車両が盗難にあった可能性が高い。
【0092】
そこで、処理部120は、車両が非走行状態であると判断された場合に、住居防犯処理を行い、住居防犯処理を実行中の場合において、走行状態判定部130により車両が非走行状態から走行状態になったと判断された場合には、車両防犯処理を行ってもよい。
【0093】
ここで、住居防犯処理とは、図6(A)に示されるように、車両が非走行状態である場合に、車載カメラ制御装置100によって行われる処理であり、住居や施設等への侵入者等の検出等を目的とする処理のこという。なお、住居防犯処理の詳細及び具体例については、後述する。
【0094】
一方、車両防犯処理とは、図7(A)に示されるように、車両が走行状態である場合に、車載カメラ制御装置100によって行われる処理であり、車両盗難の検出等を目的とする処理のことをいう。なお、車両防犯処理の詳細及び具体例については、後述する。
【0095】
これにより、住居防犯処理を行いつつ、車両が盗難にあった可能性がある時には、車両防犯処理を行うこと等が可能になる。
【0096】
ところで、住居防犯処理は、車両が非走行状態にある場合に行われるが、住居防犯処理は、車両が駐車場等で駐車状態にある場合に実行されることを想定しており、一時的に交差点等で車両が停車した場合に、実行する必要はない。また、住居防犯処理を行う際には、赤外線画像撮像部210を住居等のドアや窓等に向けられている必要がある。
【0097】
そこで、処理部120は、車両が非走行状態であると判断された場合において、赤外線画像撮像部210が住居防犯処理用の位置又は方向に設定された場合に、赤外線画像データに基づいて住居防犯処理を行ってもよい。そして、通信部140は、住居防犯処理の結果に基づいて、赤外線画像データ又は赤外線画像データに基づく検出情報を、外部機器300に送信してもよい。
【0098】
ここで、住居防犯処理用の位置又は方向とは、例えば、住居や施設等のドアや窓などユーザーが監視したい場所を撮像することが可能な赤外線画像撮像部210の位置又は方向である。住居防犯処理用の位置又は方向は、あらかじめ記憶部150等に複数の組み合わせが記憶されており、ユーザーがセレクタスイッチ等を操作して特定し、車載カメラ制御装置100の制御によって、自動で赤外線画像撮像部210を移動させてもよい。他にも、ユーザーが手動で赤外線画像撮像部210の位置又は方向を動かして、配置し、車載カメラ制御装置100に、配置が完了したことを入力してもよい。
【0099】
具体例を図6(A)に示す。図6(A)は、車両CAが住居の前の駐車上に駐車されている様子を表すものであり、住居防犯処理を行っている様子を示している。図6(A)では、住居等へ侵入者が侵入する可能性が高いドアDRや窓WDを赤外線画像撮像部210が撮像できるように、赤外線画像撮像部210の位置及び方向が調整されている。本例では、このような位置及び方向に赤外線画像撮像部210が移動されたことをもって、住居防犯処理に移行する。
【0100】
これにより、車両が非走行状態で、かつ赤外線画像撮像部210が住居防犯処理用の位置又は方向に設定された場合に、住居防犯処理を実行する機会を限定すること等が可能となる。したがって、実行する処理を頻繁に切り替えることによる赤外線画像撮像部210や可視画像撮像部220の不必要な起動切り替えを避け、無駄な電力を消費することを避けること等が可能となる。
【0101】
また、本実施形態では、赤外線画像データを記憶する記憶部150を含んでもよい。そして、処理部120は、住居防犯処理として、所与の時間間隔で赤外線画像データを記憶部150に保存し、保存された第1の赤外線画像データと、第1の赤外線画像データとは異なるタイミングに取得された第2の赤外線画像データとの比較処理を行ってもよい。さらに、通信部140は、比較処理において、第1の赤外線画像データと第2の赤外線画像データとに差異があったと判断された場合に、赤外線画像データ又は赤外線画像データに基づく検出情報を、外部機器300に送信してもよい。
【0102】
ここで、第1の赤外線画像データと第2の赤外線画像データは、互いに異なるタイミングにおいて撮像された赤外線画像を表す赤外線画像データのことをいう。例えば、あるタイミング1についての赤外線画像データを取得し、これを第1の赤外線画像データとし、その後の所定周期毎に取得する赤外線画像データを、第2の赤外線画像データとして、比較処理を行っても良い。他にも、第1の赤外線画像データの次のタイミングに取得する赤外線画像データが第2の赤外線画像データであり、第2の赤外線画像データの次のタイミングに取得する赤外線画像データが第1の赤外線画像データであるとして、比較処理を行っても良い。
【0103】
例えば、図6(A)の例において、あるタイミングtにおいて、赤外線画像撮像部210が撮像した赤外線画像を、図6(B)に示すIIM1とし、タイミング(t+1)に撮像した赤外線画像を図6(C)に示すIIM2とする。この場合には、まず赤外線画像IIM1を示す赤外線画像データを、第1の赤外線画像データとして記憶部に保存しておき、赤外線画像IIM2を示す赤外線画像データを取得した時点で、IIM2の赤外線画像データを第2の赤外線画像データとして、第1の赤外線画像データと比較する。その結果、本例では、赤外線画像IIM1には、対象物が何も映っていないが、赤外線画像IIM2には、侵入者IVらしき姿が確認されたとする。この場合には、図6(A)において、タイミングtでは、監視エリア外の位置P1にいた人物IVが、タイミング(t+1)までの間に、位置P2に移動して監視エリア内に侵入したとして、この人物IVを侵入者として認識する。そして、第1の赤外線画像データと第2の赤外線画像データとに差異があったと判断して、侵入者がいることを通知するメールを、ユーザーの携帯電話等に送信する。
【0104】
これにより、住居防犯処理を実行中の場合に、赤外線画像データのみを用いて、対象物を検出し、対象物が検出された場合には、ユーザーへ侵入者の存在を通知すること等が可能になる。
【0105】
また、住居防犯処理を行っている時に、車両の所有者が車両を動かそうとする場合には、通常は住居防犯処理を停止させ、赤外線画像撮像部210の位置を変更してから、車両を走行させると考えられる。したがって、赤外線画像撮像部210の位置を変更せず、車両が走行状態になった場合には、車両が盗難にあったか、もしくは車両の所有者が住居防犯処理を実行していることを忘れている可能性が高い。
【0106】
具体的には、図7(A)に示すような場合である。図7(A)には、本来P1の地点で、車両CAに搭載された車載カメラシステムが、住居防犯処理を行って、住居の周辺を監視していたが、盗難者によって車両CAが盗難され、住居防犯処理を終了させないまま、走り去っていってしまった様子を示している。このような場合には、住居防犯処理を継続する必要はなく、車両盗難への対策を講じる必要がある。
【0107】
そこで、処理部120は、赤外線画像撮像部210が住居防犯処理用の位置又は方向に設定されている場合において、車両が走行状態であることが検出された場合には、車両防犯処理を行ってもよい。
【0108】
これにより、車両が盗難にあったこと、又はユーザーが住居防犯処理を実行していることを忘れて車両を動かしたことを、ユーザーに通知すること等が可能になる。
【0109】
車両が盗難にあった場合には、ユーザー等に車両の現在位置を通知する必要がある。そのためには、一見して場所の判別がつきやすい可視画像の方が、赤外線画像よりも有用である。
【0110】
そこで、処理部120は、住居防犯処理を行う場合には、可視画像撮像部220を動作オフ状態に設定し、車両防犯処理を行う場合には、可視画像撮像部220を動作オン状態に設定してもよい。
【0111】
これにより、車両防犯処理を実行中の場合に、不要な赤外線画像撮像部を動作オフ状態に設定し、消費電力を抑える一方で、可視画像撮像部220を動作オン状態に設定して、ユーザーに現在車両が位置する場所を撮像すること等が可能になる。
【0112】
また、画像取得部110は、車両防犯処理として、可視画像データを可視画像撮像部220から取得する処理を行ってもよい。そして、通信部140は、可視画像データを外部機器300に送信してもよい。
【0113】
具体的には、図7(A)の例において、まず赤外線画像撮像部210の駆動を停止させて、可視画像撮像部220を駆動させる。そして、可視画像撮像部220により、図7(B)に示すような可視画像VIMを取得する。取得した可視画像VIMに、図7(B)のような看板等が映り込んでいる場合には、車両の現在位置を特定できる可能性がある。そのために、本例では、図7(C)のように、車両が盗難にあった旨を伝えるメッセージPVIFと、図7(B)の可視画像VIMとをユーザーの携帯電話300等に送信する。
【0114】
これにより、車両防犯処理を実行中の場合に、ユーザーに現在車両が位置する場所を撮像した可視画像を通知すること等が可能になる。
【0115】
また、走行状態にある時と非走行状態にある時で実行する処理が違うため、それぞれの状態において、必要な機能部のみを駆動状態にしておけば、消費電力をさらに削減することが可能となる。
【0116】
そこで、画像取得部110は、可視画像データを可視画像撮像部220から取得してもよい。そして、処理部120は、車両が走行状態であると判断された場合には、赤外線画像撮像部210と可視画像撮像部220と通信部140のうち、赤外線画像撮像部210と可視画像撮像部220とを動作オン状態に設定して、車両が非走行状態であると判断された場合には、赤外線画像撮像部210と可視画像撮像部220と通信部140のうち、赤外線画像撮像部210と通信部140とを動作オン状態に設定してもよい。
【0117】
これにより、走行状態であると判断された場合と非走行状態であると判断された場合に、それぞれ必要な機能部のみを駆動させ、消費電力を削減すること等が可能になる。
【0118】
ところで、住居等への侵入者は、住居の様子を窺うために、一定箇所に留まることが多く、監視エリアの通過時間が歩行者等に対して長いことが分かっている。また、車両が駐車中の場合には、背景画像が時間的に変化しないため、車両が走行状態である場合に比べて画像処理が容易であり、フレームレートを高く設定する必要はない。
【0119】
そこで、処理部120は、車両が非走行状態であると判断された場合に、車両が走行状態である時のフレームレートに比べて、赤外線画像撮像部210のフレームレートを低く設定してもよい。
【0120】
これにより、赤外線画像撮像部210の駆動及び赤外線画像データの画像処理に用いる電力の消費を抑えること等が可能となる。
【0121】
なお、本実施形態の車載カメラ制御装置等の機能は、プログラムにより実現してもよい。この場合には、CPU等のプロセッサーがプログラムを実行することで、本実施形態の車載カメラ制御装置等の機能が実現される。具体的には情報記憶媒体に記憶されたプログラムが読み出され、読み出されたプログラムをCPU等のプロセッサーが実行する。ここで、情報記憶媒体(コンピューターにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(DVD、CD等)、HDD(ハードディスクドライブ)、或いはメモリー(カード型メモリー、ROM等)などにより実現できる。そしてCPU等のプロセッサーは、情報記憶媒体に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体には、本実施形態の各部としてコンピューター(操作部、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピューターに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0122】
3.処理の流れ
以下では、図3のフローチャートを用いて、本実施形態の処理の流れについて説明する。
【0123】
まず、パラメータの初期設定を行う(S0)。次に、車両の状態を把握するために、車体の振動を検出する(S1)。ステップS1において、振動を検知した場合には、車両が走行中であると判断し、振動が検知できなければ、車両が駐車中または停車中であると判断する。
【0124】
車両が走行中であると判断した場合には、赤外線画像撮像部を用いて車体進行方向前方を撮像して、熱画像(赤外線画像)を取得する(S2)。そして、可視画像撮像部により車体進行方向前方を撮像して、可視画像を取得する(S3)。なお、ステップS2及びステップS3の順序は、ステップ間の間隔が短ければ、どちらが先でも構わない。また、場合によっては両方を並列に処理してしまうことも可能である。
【0125】
ここで、車両が走行中である場合に、像振れの無い画像を取得するためには、まず車載カメラの振動を検出し、その検出値に応じて像振れ抑制を行う必要がある。一般的に、走行中の車体の振動は、特別な段差がなければ、通常1Hzないし20Hzの周波数を有している。本例では、加速度、角加速度、角速度、角変位等の変化量に基づいて、このような振動を検出する。そして、この検出情報に基づき撮影光軸を偏心させて、像振れ抑制を行う。
【0126】
次に、ステップS3で得られた熱画像から、所与の温度範囲以上の温度を有する領域を、検出対象物の候補領域として抽出する(S4)。
【0127】
例えば、検出対象物が先行車又は歩行者(人物)である場合について以下で説明する。まず、検出対象物が先行車である場合には、マフラー領域が100℃程度の高温になることを利用して、所与の温度範囲を80℃以上と設定する。そして、熱画像中から80℃以上の温度を有する領域を探索し、その領域の位置情報と温度情報を検出する。
【0128】
一方、検出対象物が歩行者である場合には、露出している顔の表面温度が30℃程度の中温になることを利用して、所与の温度範囲を28℃以上37℃未満と設定する。そして、熱画像中から28℃以上37℃未満の温度を有する領域を探索して、その領域の位置情報と温度情報を検出する。
【0129】
ここで、各領域で検出される結果のうち、位置情報は例えば候補領域の重心座標位置としてもよく、温度情報は例えば候補領域の平均温度としてもよい。
【0130】
なお、検出対象物が先行者及び歩行者以外のものを検出対象物とする場合には、その検出対象物が有すると想定される温度情報に基づいて、所与の温度範囲を設定して、上記のように検出処理を行えばよい。
【0131】
そして、ステップS4で得られた各候補領域の位置情報と温度情報を対応付けした位置及び温度リストを作成する(S5)。
【0132】
次に、ステップS5で作成したリスト内に、検出対象物に対する候補領域があるかどうかを判定する(S6)。リスト内に検出対象物の候補領域が一つも抽出されていない場合には、今回の赤外線画像撮像部により撮像された熱画像中には、検出対象物である先行車や歩行者が存在しないものと判断して、次回の処理のためにステップS3に戻る。
【0133】
一方、リスト内に検出対象物の候補領域が一つ以上ある場合には、ステップS5で作成したリストに基づいて、可視画像中に各候補領域を重ね合わせる(S7)。
【0134】
次に、ステップS7で可視画像に重畳した各候補領域について、テンプレートマッチング処理を行い、候補領域が検出対象物を表す領域であるか否かを判断する。
【0135】
テンプレートマッチング処理では、まず、ステップS5で作成したリストの温度情報に基づいて、テンプレートマッチング処理に使用するテンプレートを選択する(S8)。例えば、テンプレートにあらかじめ割り当てられた温度情報と、候補領域の平均温度との差が、所与の閾値(±ΔT)以内であるテンプレートを、使用するテンプレートとして選択する。なお、テンプレートは、検出対象物の温度分布の傾向を表すものであってもよい。
【0136】
具体例として、先行車用テンプレートに、例えば100℃の温度情報が割り当てられており、所与の閾値ΔTが±3℃である場合には、候補領域の平均温度が100±3℃である場合に、先行車用テンプレートが使用するテンプレートとして選択される。
【0137】
一方、歩行者用テンプレートに、例えば28℃の温度情報が割り当てられており、所与の閾値ΔTが±3℃である場合には、候補領域の平均温度が28±3℃である場合に、歩行者用テンプレートが使用するテンプレートとして選択される。なお、高温部分については、外気温の影響を受けること等を考えると、同一の物体でも所定の範囲で温度が変化することを考慮する必要がある。また、今回の例では中温情報を有する対象物を歩行者としているが、例えば似たような中温情報を有する対象物である動物(犬等)と区別するためには、本ステップで動物のテンプレートも使用するテンプレートとして選択され得る。
【0138】
そして、ステップS8で選択されたテンプレートと、候補領域とを比較して、候補領域が検出対象物を表す領域であるか否かを判断する(S9)。例えば、候補領域がテンプレートと温度分布の傾向が似ている場合や、テンプレートに割り当てられた検出対象物の形状の輪郭と、候補領域の輪郭との誤差が所定の閾値よりも小さい場合等に、候補領域がテンプレートと同一の検出対象物に関するものであると判断し、検出対象物の位置を取得する。
【0139】
また、テンプレートマッチング処理の他の方法として、可視画像に基づいて、可視画像に重畳された候補領域内の濃度値(濃淡値)を求め、選択されたテンプレートの濃度値(濃淡値)との相関演算によって、候補領域が検出対象物を表す領域であるか否かを判断してもよい。また、他にも、テンプレートとしてエッジ画像を準備しておき、候補領域のエッジ情報を検出し、エッジ情報の相関演算を行うことにより、候補領域が検出対象物を表す領域であるか否かを判断してもよい。
【0140】
そして、ステップS5で作成されたリストにある全ての候補領域に対して、テンプレートマッチング処理が行われたか否かを判定する(S10)。リストにある全ての候補領域に対してテンプレートマッチング処理が終了していない場合には、ステップS7に戻る。リストにある全ての候補領域に対してテンプレートマッチング処理が終了している場合には、外部機器に対して検出結果を出力する(S11)。
【0141】
例えば、検出結果の先行車や歩行者の位置を表示するために、本処理の検出結果を提示部(車内ディスプレイ)に出力してもよい。他にも、歩行者の有無や衝突の危険があることを知らせるために、警報又は画像付きメールにて通報装置に出力してもよい。
【0142】
最後に、次回以降の処理を行うためにステップS1へ戻る。
【0143】
次に、車両が住居に駐車し、住居の防犯のために、本実施形態の車載カメラ制御装置を使用する場合の処理について説明する。
【0144】
ステップS1において、振動が検知されなければ、車両が駐車中または停車中であると判断し、赤外線画像撮像部及び可視画像撮像部の駆動源を停止する(S12)。
【0145】
そして、住居防犯のために、車載カメラシステムを使用する場合には、住居の玄関や窓等を含む監視エリアを撮像可能なように、赤外線画像撮像部の撮像方向や撮像位置を変更する(S13)。赤外線画像撮像部の撮像方向や撮像位置の変更は、手動で行っても良いし、車載カメラ制御装置からの制御信号に基づいて、自動で行っても良い。
【0146】
次に、赤外線画像撮像部の位置等を変更してから一定時間が経過するのを待って(S14)、赤外線画像撮像部を駆動させる。なお、ここで一定時間経過後に赤外線画像撮像部を駆動させる理由は、赤外線画像撮像部の位置や方向の調整動作の完了を待つこと及び焦点合わせを行うことだけでなく、設置直後には防犯の必要性が乏しいという理由もある。防犯の必要性が乏しい時間については、車載カメラシステムを稼働させないことにより、消費電力の削減を図っている。
【0147】
そして、一定時間待機後に、赤外線画像撮像部に監視エリアを撮像させ、時間tにおける熱画像を取得する(S15)。この時、カウンターiを初期化しておく。なお、ここで、赤外線画像撮像部の感度は、落としても構わない。車体と対象物(窓・扉)の距離が近く、背景部と侵入者(対象物)の画像の重なりによる、輪郭ボケも少ないためである。
【0148】
次に、防犯の開始時間を把握するため、及び赤外線画像撮像部が正常に稼動している事を知らせるために、ステップS15において撮像した赤外線画像を、外部機器、例えばユーザーの携帯電話等に送信する(S16)。同時に、ステップS15において撮像した赤外線画像を記憶部にマスター画像(第1の赤外線画像データ)として保存する。
【0149】
そして、所定の時間経過後に、カウンターiを更新して、赤外線画像撮像部により前方を撮像し、新たな熱画像を取得する(S17)。
【0150】
ここで、熱画像取得途中に車体の振動を検知した場合には(S18)、車両防犯処理として、ステップS22以下の処理を行う。ステップS22以下の処理については、後述する。
【0151】
一方、熱画像取得途中に車体の振動を検知しなかった場合には(S18)、このまま住居防犯処理を継続するか否かを判断するために、赤外線画像撮像部の撮像位置又は撮像方向が変更されたか否かを判断する(S19)。
【0152】
赤外線画像撮像部の撮像位置又は撮像方向が変更された場合には、例えば、車両の所有者であるユーザーが、車両を走行させるなどの理由で、住居防犯処理を中止したと判断する。そして、S0の処理に戻る。
【0153】
一方、赤外線画像撮像部の撮像位置又は撮像方向が変更されていない場合には、ステップS15において取得した熱画像(第1の赤外線画像データ)と、ステップS17において取得した熱画像(第2の赤外線画像データ)とを比較する(S20)。この比較処理は、例えば、二つの熱画像の温度特徴量の比較などにより行う。
【0154】
二つの熱画像に差異があると判断する場合には、監視エリア内に侵入者がいる可能性が高いため、ステップS17において取得した熱画像(第2の赤外線画像データ)や、侵入者がいることを知らせる警報情報を、ユーザーの外部機器に送信する(S21)。そして、ステップS17の処理に戻る。
【0155】
一方、二つの熱画像に差異がないと判断する場合には、監視エリア内に侵入者等がなく、異常がないと判断できる。そのため、監視を続けるためにステップS17の処理に戻る。
【0156】
また、ステップS18において、熱画像取得途中に車体の振動を検知した場合には、車両防犯処理を実行する。この場合には、赤外線画像撮像部の位置や向きを住居防犯処理用のまま、車両が走行状態になったことを意味している。車両の所有者であれば、通常は住居防犯処理を停止させ、赤外線画像撮像部の位置を変更してから、車両を走行させると考えられる。よって、この場合には、車両が盗難にあったか、もしくは車両の所有者が住居防犯処理を実行していることを忘れているかのどちらかである。
【0157】
そのため、まず、赤外線画像撮像部の駆動を停止させ、住居防犯処理を停止する(S22)。次に、車両が盗難にあっている場合に、車両の現在位置を知るために、可視画像撮像部を駆動させ、可視画像を取得する(S23)。そして、ユーザーが持つ外部端末に、ステップS23において撮像した可視画像を送信して、異常が発生したことをユーザーに通知する(S24)。また、この際に送信する情報は、可視画像であってもよいし、車載カメラ制御装置が車両防犯処理を開始したことを通知する情報であってもよい。
【0158】
以上のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、車載カメラ制御装置、車載カメラ制御システム及び車載カメラシステムの構成、動作も本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0159】
100 車載カメラ制御装置、110 画像取得部、120 処理部、
130 走行状態判定部、140 通信部、150 記憶部、
200 車載カメラシステム、210 赤外線画像撮像部、220 可視画像撮像部、
230 提示部、240 センサー、300 外部機器、
410 赤外線カメラ、420 電動モーター、430 可視カメラ、
440 電動モーター、450 CPU、460 ジャイロセンサー、
470 メモリー、480 GPS、490 ディスプレイ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線画像データを赤外線画像撮像部から取得する画像取得部と、
前記赤外線画像データに基づく処理を行う処理部と、
外部機器との通信処理を行う通信部と、
車両が走行状態か非走行状態かを判定する走行状態判定部と、
を含み、
前記処理部は、
前記車両が前記走行状態であると判断された場合に、前記赤外線画像データに基づく画像処理を行い、
前記通信部は、
前記車両が前記非走行状態であると判断された場合に、前記赤外線画像データ又は前記赤外線画像データに基づく検出情報を、前記外部機器に送信することを特徴とする車載カメラ制御装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記処理部は、
前記車両が前記走行状態であると判断された場合に、前記赤外線画像データに基づいて対象物の検出情報を含む表示用画像データを生成する処理を、前記画像処理として行うことを特徴とする車載カメラ制御装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記画像取得部は、
可視画像データを可視画像撮像部から取得し、
前記処理部は、
前記表示用画像データとして、前記対象物が存在する位置に対応する前記可視画像上の位置に、アラート画像を重畳した画像データを生成する処理を、前記画像処理として行うことを特徴とする車載カメラ制御装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記処理部は、
前記車両が前記非走行状態であると判断された場合に、住居防犯処理を行い、
前記住居防犯処理を実行中の場合において、前記走行状態判定部により前記車両が前記非走行状態から前記走行状態になったと判断された場合には、車両防犯処理を行うことを特徴とする車載カメラ制御装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記処理部は、
前記車両が前記非走行状態であると判断された場合において、前記赤外線画像撮像部が前記住居防犯処理用の位置又は方向に設定された場合に、前記赤外線画像データに基づいて前記住居防犯処理を行い、
前記通信部は、
前記住居防犯処理の結果に基づいて、前記赤外線画像データ又は前記赤外線画像データに基づく前記検出情報を、前記外部機器に送信することを特徴とする車載カメラ制御装置。
【請求項6】
請求項4又は5において、
前記赤外線画像データを記憶する記憶部を含み、
前記処理部は、
前記住居防犯処理として、所与の時間間隔で前記赤外線画像データを前記記憶部に保存し、保存された第1の赤外線画像データと、前記第1の赤外線画像データとは異なるタイミングに取得された第2の赤外線画像データとの比較処理を行い、
前記通信部は、
前記比較処理において、前記第1の赤外線画像データと前記第2の赤外線画像データとに差異があったと判断された場合に、前記赤外線画像データ又は前記赤外線画像データに基づく前記検出情報を、前記外部機器に送信することを特徴とする車載カメラ制御装置。
【請求項7】
請求項4乃至6のいずれかにおいて、
前記処理部は、
前記赤外線画像撮像部が前記住居防犯処理用の位置又は方向に設定されている場合において、前記車両が前記走行状態であることが検出された場合には、前記車両防犯処理を行うことを特徴とする車載カメラ制御装置。
【請求項8】
請求項4乃至7のいずれかにおいて、
前記処理部は、
前記住居防犯処理を行う場合には、可視画像撮像部を動作オフ状態に設定し、
前記車両防犯処理を行う場合には、前記可視画像撮像部を動作オン状態に設定することを特徴とする車載カメラ制御装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記画像取得部は、
前記車両防犯処理として、可視画像データを前記可視画像撮像部から取得する処理を行い、
前記通信部は、
前記可視画像データを前記外部機器に送信することを特徴とする車載カメラ制御装置。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかにおいて、
前記画像取得部は、
可視画像データを可視画像撮像部から取得し、
前記処理部は、
前記車両が前記走行状態であると判断された場合には、前記赤外線画像撮像部と前記可視画像撮像部と前記通信部のうち、前記赤外線画像撮像部と前記可視画像撮像部とを動作オン状態に設定して、
前記車両が前記非走行状態であると判断された場合には、前記赤外線画像撮像部と前記可視画像撮像部と前記通信部のうち、前記赤外線画像撮像部と前記通信部とを動作オン状態に設定することを特徴とする車載カメラ制御装置。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれかにおいて、
前記処理部は、
前記車両が前記非走行状態であると判断された場合に、前記車両が前記走行状態である時のフレームレートに比べて、前記赤外線画像撮像部のフレームレートを低く設定することを特徴とする車載カメラ制御装置。
【請求項12】
赤外線画像データを赤外線画像撮像部から取得する画像取得部と、
前記赤外線画像データに基づく処理を行う処理部と、
外部機器との通信処理を行う通信部と、
車両が走行状態か非走行状態かを判定する走行状態判定部と、
を含み、
前記処理部は、
前記車両が前記走行状態であると判断された場合に、前記赤外線画像データに基づく画像処理を行い、
前記通信部は、
前記車両が前記非走行状態であると判断された場合に、前記赤外線画像データ又は前記赤外線画像データに基づく検出情報を、前記外部機器に送信することを特徴とする車載カメラ制御システム。
【請求項13】
請求項1乃至11のいずれかに記載の車載カメラ制御装置と、
前記赤外線画像撮像部と、
を含むことを特徴とする車載カメラシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−41489(P2013−41489A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178786(P2011−178786)
【出願日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】