説明

車載情報システム開発ツール

【課題】発注者側が描画図面に関するデータを作成することで、発注者側では発注者が意図する画面を作成することができ、描画図面に関して発注者側と受注者側との間で意図のずれが生じるのを減少させることができる車載情報システム開発ツールを得る。
【解決手段】図形データおよび動作記述データを含む図形関連データ、ならびに遷移制御データおよび機能制御データを含む制御データを生成する生成部と、機能制御データに基づいて所定のコマンドが送られるとコマンドに対応する車載情報システムのアプリケーションモジュールの動作を模擬する擬似アプリケーションモジュールと、図形関連データに基づいた図形を遷移制御データに基づいて表示するとともに、擬似アプリケーションモジュールが模擬した結果を表示する画面表示部とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各遷移状態に応じて画面上に図形を表示する機能を有する車載情報システムで使用される図形関連データまたは制御データを生成する車載情報システム開発ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車などに搭載されるナビゲーションシステムの開発においては、所定の指令に対応してナビゲーションシステムの表示画面上の表示をどのように変えるか、各表示状態時に画面上にどのような図形を表示させるかなどを発注者が仕様書として受注者に送付し、受注者がこれらの内容を理解して、仕様書に基づいて、画面が正しく遷移し、その遷移状態に対して描画図面が正しく描画されるプログラムを開発するようにしていた。
【0003】
この開発時には、受注者は、基本機能としての経路探索、ロケーション、経路誘導、施設探索などのアプリケーションと操作遷移データを作成するとともに、操作遷移データに基づいて表示状態の遷移を制御し、かつ所定指令に応じてアプリケーションの実行を制御する制御データを作成し、さらには、各表示状態時に表示させる図形等の制御をする表示制御データを作成しなければならない。この表示制御データは、制御データの制御に応じて動作し、しかも表示状態毎に表示させる図形の図形データも組み込まれたものとなっており、制御用のデータと図形データとが複雑に関連づけられたものになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−53177号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のナビゲーションシステムの開発では上記のようになされていたので、制御用のデータと図形データとの関係が複雑で図形データの一部、あるいは、制御用のデータの一部を修正すると、この修正部分に関連する他の図形データ、あるいは制御用のデータも修正しなければならず、習熟したものでないとその修正が困難であり、発注者自信が図形データなどを作成することが困難であった。
【0006】
そのため、発注者は仕様書ベースでしか受注者に発注をすることができず、プログラム開発している開発環境上もしくは実機上での動作でしか発注者の意図が正しく反映されているかを判断できないので、受注者側での仕様書の誤った理解などにより描画図面に関して発注者の意図とのずれが発生し、手戻りが発生するなど開発効率が悪いという問題点があった。
【0007】
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、図形の表示を制御する表示制御データの内容をほとんど変更することなく、図形関連データを容易に修正することができる車載情報システム開発ツールを提供するものである。
【0008】
また、発注者側が描画図面に関するデータを作成することで、発注者側では発注者が意図する画面を作成することができ、描画図面に関して発注者側と受注者側との間で意図のずれが生じるのを減少させることができる車載情報システム開発ツールを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明にかかる車載情報システム開発ツールは、車載情報システムに実装される実行プログラムを作成する車載情報システム開発装置に入力されるデータを生成する車載情報システム開発ツールであって、車載情報システムの画面上に図形として表示される図形オブジェクトの図形データおよび前記図形データに対応して設定され前記図形の表示の動作を変数の値に対応させて記述した動作記述データを含む図形関連データ、ならびに所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する遷移制御データおよびアプリケーション機能の実行を制御する機能制御データを含む制御データを生成する生成部と、前記機能制御データに基づいて所定のコマンドが送られると前記コマンドに対応する前記車載情報システムのアプリケーションモジュールの動作を模擬する擬似アプリケーションモジュールと、前記図形関連データに基づいた図形を前記遷移制御データに基づいて表示するとともに、前記擬似アプリケーションモジュールが模擬した結果を表示する画面表示部とを備えたものである。
【0010】
また、本発明にかかる車載情報システム開発ツールは、車載情報システムに実装される実行プログラムを作成する車載情報システム開発装置に入力されるデータを生成する車載情報システム開発ツールであって、前記車載情報システムの画面上に図形として表示される図形オブジェクトの図形データおよび前記図形データに対応して設定され前記図形の表示の動作を変数の値に対応させて記述した動作記述データを含む図形関連データ、ならびに所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する遷移制御データおよびアプリケーション機能の実行を制御する機能制御データを含む制御データを生成する生成部と、前記機能制御データに基づいて所定のコマンドが送られると前記コマンドに対応する前記車載情報システムのアプリケーションの機能を実行するアプリケーションモジュールと、前記図形関連データに基づいた図形を前記遷移制御データに基づいて表示するとともに、前記アプリケーションモジュールが実行した結果を表示する画面表示部と、前記車載情報システム開発ツール上で前記アプリケーションモジュールが動作できる開発環境用クラスライブラリとを備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明にかかる車載情報システム開発ツールは、表示制御データの内容をほとんど変更することなく図形関連データを容易に修正することができる。
【0012】
本発明にかかる車載情報システム開発ツールは、発注者側で発注者が意図する図形を作成することができ、表示する図形に関して発注者側と受注者側との間で意図のずれが生じるのを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態1の車載情報システム開発装置の一例を示すブロック図である。
【図2】実行プログラムの動作を説明するブロック図である。
【図3】図1に示した記憶部に記憶されるデータを示す図である。
【図4】図3に示した図形関連データの一例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1の車載情報システムの開発方法を説明するフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態1の車載情報システム開発ツールの一例を示すブロック図である。
【図7】画面作成ツールの操作を説明する図である。
【図8】各アニメーション変数の変化に応じて各々表示される画面を示す図である。
【図9】各アニメーション変数の変化に応じて各々表示される画面を示す図である。
【図10】実行プログラムの動作を説明するための表示画面を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態2の車載情報システム開発装置の記憶部を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態2の車載情報システムの開発方法を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2の車載情報システム開発ツールの一例を示すブロック図である。
【図14】遷移制御データ作成ツールの表示画面の一例を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態3の車載情報システム開発装置の記憶部を示す図である。
【図16】遷移制御データ作成ツールの表示画面の一例を示す図である。
【図17】遷移制御データ作成ツールの表示画面の一例を示す図である。
【図18】遷移制御データ作成ツールの表示画面の一例を示す図である。
【図19】遷移制御データ作成ツールの表示画面の一例を示す図である。
【図20】本発明の実施の形態5の車載情報システムの開発方法を説明するフローチャートである。
【図21】各ツールを用いたデータ作成方法を説明する図である。
【図22】各ツールを用いたデータ作成方法を説明する図である。
【図23】各ツールを用いたデータ作成方法を説明する図である。
【図24】本発明の実施の形態6の車載情報システムの開発方法を説明するフローチャートである。
【図25】遷移制御データ作成ツールの表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この実施の形態では、車載情報システムであるナビゲーションシステムについて説明するが、この車載情報システムはナビゲーションシステムに限定されるものではなく、インタネットブラウザ、緊急通報機能を有するテレマチクスシステム、車内LANで接続されたオーディオを制御するアプリケーション、トリップコンピュータシステム等であってもよい。
また、この実施の形態では、車載用のナビゲーションシステムについて説明するが、本発明は車載用のナビゲーションシステムに限定するものではなく、車載用でないもの(携帯用等)であってもよい。
【0015】
実施の形態1.
図1はこの実施の形態1の車載情報システム開発装置の一例を示すブロック図である。図において、1は車載情報システム開発装置としてのナビゲーションシステム開発装置、2は画面上に表示される図形に関する図形データと、図形に対応して設定されこの図形の画面上での動作を記述した動作記述データとを含む図形関連データを外部から入力する入力部で、この入力部で入力された図形関連データは記憶部3に記憶される。
【0016】
3は所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する制御データと、各表示状態時に動作記述データに基づいて画面上に図形を表示させる表示制御データが格納された記憶部である。
【0017】
4は各種処理を行う実行部で、この実行部では、図形関連データを表示制御データに組み込み、制御データなどとともに実行ファイルを生成する変換部としての機能も有している。なお、実行部3は上記機能の他に、各プログラムやデータを読み出し編集することが可能なエディタ機能も有する。
【0018】
図2は実行プログラムの動作を説明するブロック図である。図において、11は地図表示モジュール、ロケーションモジュール、経路探索モジュール、経路誘導モジュール、施設検索モジュールなどの各アプリケーションからなるアプリケーション部、12はスイッチ(S/W)などからの所定の指令に対応して状態遷移データを検索し、対応する状態遷移データに基づく表示変更の指令を画面表示部13に送るとともに、アプリケーション部11における各アプリケーションの実行を制御する画面アプリケーション制御部(制御部)である。
【0019】
13は画面アプリケーション制御部12からの指令に基づいて画面上にメニューや図形を表示させる画面表示部で、各表示状態時に動作記述データに基づいて画面上に図形を表示させる表示制御部を有している。なお、この画面表示部には、入力部2から入力された図形関連データ14が組み込まれている。この画面表示部13は、上記指令に基づいて図形関連データ14に含まれる動作記述データを制御することで、画面上に図形を表示させる。
【0020】
図3は、図1に示した記憶部3に記憶されるデータを示す図である。図に示すように、記憶部3には、図2のアプリケーション部11に対応するアプリケーションデータ21、同様に画面アプリケーション制御部12に対応する画面アプリケーション制御データ22、同様に画面表示部13に対応する画面表示データ23が各々格納されるとともに、クラスライブラリ25とOS・デバイスドライバ26が格納されている。
【0021】
図4は図3に示した図形関連データ(入力部2で入力される図形関連データ)の一例を示す図である。図形関連データ24には、直線、折れ線、多角形、円、楕円、所定の文字列、所定の画像などのメニューの基本的構成要素に関するデータからなる図形データ24aと、予め設定された条件を満足した際に各図形データ24aの属性値(アニメーション変数という)を動的に変更する手続きが記述された動作記述部24b、すなわち、予め設定された条件とともに、その条件が満足された際に実行される表示/非表示切替え、表示位置の変更、拡大/縮小、回転、描画色の変更などの手続きが図形の動作として記述されている。
【0022】
また、動作記述部24bを、複数の図形データ24aおよびそれに対応する動作記述部24bをリスト形式で有する集合体としてもよい。このように入れ子構造にすることにより、基本的構成要素により複雑な構成することができる。また、特に動作を記述する必要のない図形に関しては、動作記述部を設ける必要はない。
【0023】
このように、図形に対して条件に応じた動作を記述するようにしているので、図形の図形データのみを変更しても、他のデータが影響を受けることがないので、図形データのみの修正をすることができる。
【0024】
また、図形の動作記述を変更する場合には、画面表示部13が図形関連データの属性値の変更のみを制御していることを考慮すると、動作記述部を修正しても、画面表示部13の制御に影響が生じることがなく、他のデータ等に影響を与えずに、動作記述部のみを修正することができる。
【0025】
次に、この実施の形態1の車載情報システムの開発方法について説明する。図5はこの実施の形態1の車載情報システムの開発方法を説明するフローチャートである。
【0026】
まず、図5に示すように、受注者は、利用者が容易に、図形データ及び動作記述データを含む図形関連データを生成することが可能な図形作成部を有する車載情報システム開発ツール(ナビゲーションシステム開発ツール)を発注者に提供する(ST1)。なお、この車載情報システム開発ツールは、各表示状態時に動作記述データに基づいて画面上に図形を表示させる画面表示部を有している。
【0027】
受注者から車載情報システム開発ツールが提供されると、発注者は、受注者から送付される車載情報システム開発ツールを用いて図形関連データを作成する(ST11)。このときに、発注者は、実際に表示されるべき図形が視覚的に確認できるとともに、記述データに基づいて図形の動作を確認できるので、発注者の意図に沿った画面の描写を実現することができる。さらに、この車載情報システム開発ツールでは、記述データを設けることにより、図形の表示動作を独自に確認できるので、他のプログラム等に関係になく必要な描画動作の確認ならびに修正を行うことができる。
【0028】
また、受注者が発注者に車載情報システム開発ツールを提供することで、受注者が望む形式の図形関連データを発注者から得ることができる。
【0029】
このようにして、図形関連データを作成後、この図形関連データにあわせて、仕様書(遷移状態やナビゲーション機能等に関して記述したものなど)を受注者に送付する(ST12)。
【0030】
発注者から図形関連データ及び仕様書が送付されると、受注者は、車載情報システム開発装置(ナビゲーションシステム開発装置)を用いて、表示制御データに図形関連データを組み込み、コンパイルを行って実行プログラムを作成する(ST2)。そして、作成された実行プログラムを実際の車載情報システムのH/Wあるいは地図CDに実装して(ST3)、この車載情報システムを発注者に納入する(ST4)。このように車載情報システム開発ツールを発注者に提供し、図形関連データを作成してもらうので、画面デザインに関する手戻りがなく、短期間で車載情報システムを提供することができる。
【0031】
次に、ST11において使用する車載情報システム開発ツール(ナビゲーションシステム開発ツール)について説明する。図6はこの実施の形態1の車載情報システム開発ツールの一例を示すブロック図である。図において、30は車載情報システム開発ツール、31は画面上に表示される図形に関する図形データ及び上記図形に対応して設定されこの図形の上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを生成する生成部、32は生成部31で生成された動作記述データに基づいて上記画面上に図形を表示させる表示制御部を有する画面表示部で、この画面表示部は、図2に示した画面表示部13と同様の機能を有しており、図形関連データを自動的に生成できるようになっている。33は生成された図形関連データを外部に出力する出力部である。
【0032】
車載情報システム開発ツールを用いて図形関連データを作成するには、下記のようにすればよい。図7は車載情報システム開発ツールの操作を説明する図である。図において、70は画面データ名、71は画面オブジェクト選択領域、71a〜71fは画面オブジェクト、72は画面作成領域、73はオブジェクト色選択エリア、74はプロパティ選択領域である。
【0033】
発注者は、キーボードで画面データ名70を定義し、画面オブジェクト選択領域71から所望のオブジェクトをドラッグして画面作成領域72に貼り付ける。オブジェクトの色は画面作成領域72のオブジェクトをマウスでフォーカスしてオブジェクト色選択エリア73でマウス指定する。このようにして図形を作成することでこの図形に関する図形データが作成される。
【0034】
そして、作成されたオブジェクトに対して、プロパティ設定エリア74のTEXTをクリックしてキーボードで打ち込むことで、動作記述が記述され、この動作記述に対応する属性値をアニメーション変数として設定する。例えば、アニメーション変数が1のときのオブジェクトプロパティを表示とし、アニメーション変数が2のときのオブジェクトコードを非表示と設定すると、アニメーション変数が1のときにはこの図形が表示され、逆に、2のときにはこの図形は表示されない。
【0035】
図8、図9は各アニメーション変数の変化に応じて各々表示される画面を示す図で、図8はアニメーション変数が1の場合の画面、図9はアニメーション変数が2の画面である。ここでは、アニメーション変数が1の場合には、地点登録の図形のみ色をつけ、他の図形には色をつけないように、また、アニメーション変数が2の場合には、ルート探索の図形のみ色をつけ、他の図形には色をつけないような記述がなされている場合の例である。
【0036】
次に、ST4で生成された実行プログラムの動作を説明する。図10は実行プログラムの動作を説明するための表示画面を示す図である。
まず、車載情報システムの初期化時には、画面アプリケーション制御部12が地図データベースを読み、道路データリストや現在地データを画面リストとして画面表示部13に送る。このときには、画面表示部13は図9(a)に示す画面を表示する。ここで、101は道路線、102は自車位置マークである。
【0037】
ここで、例えばENTERキーの押下などによりS/Wでイベントが発生されると、画面アプリケーション制御部12はキー入力イベントを検知し、所定の操作遷移フローに従い、画面表示部13に制御指令を送る。このとき、この制御指令に応じたメニューや図形が表示されることになるが、対応する図形がどの動作をするかその時の条件に応じて決定される。詳細には、この条件に応じてアニメーション変数の値が決定され、その変数に対応した動作がなされる。ここでは、例えば、アニメーション変数が1に設定されるものとする。このときには、アニメーション変数が1のときの動作がなされることなり、例えば、図9(b)のようになる。逆に、アニメーション変数が2に設定されると、アニメーション変数が2のときの動作がなされることになり、例えば、図9(c)のようになる。
【0038】
ここでは、画面アプリケーション制御部がキー入力イベントを検知するようにしているが、アプリケーション部がイベントを検知するようにしてもよい。
【0039】
この実施の形態では、画面上に表示される図形に関する図形データ、及び上記図形に対応して設定されこの図形の上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを外部から入力し、この図形関連データと、所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する制御データ、及び上記各表示状態時に上記動作記述データに基づいて上記画面上に図形を表示させる表示制御データに基づいて実行プログラムを生成するようにしているので、図形の表示を制御する画面表示部(表示制御データ)の内容を変更することなく、図形関連データを容易に修正することができ、外部で図形関連データの生成を行うことができる。そのため、発注者側で図形関連データを作成させることができる。
【0040】
また、この実施の形態の車載情報システム開発ツールは、画面上に表示される図形に関する図形データ及び上記図形に対応して設定されこの図形の上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを生成する生成部と、上記動作記述データに基づいて上記画面上に図形を表示させる表示制御部と、上記図形関連データを外部に出力する出力部とを備えているので、図形関連データの生成を行うことができる。そのため、受注者側のみならず発注者側でも容易に図形関連データを作成することができる。
【0041】
また、発注者側は、受注者側から提供された車載情報システム開発ツールを用いて、画面上に表示される図形に関する図形データ及び上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを作成して受注者側に提供し、受注者側は、車載情報システムに図形関連データを入力して実行プログラムを作成するので、発注者側では発注者が意図する画面を作成することができ、受注者側で表示する図形に関して発注者側との意図のずれが生じるのを減少させることができる。
【0042】
実施の形態2.
実施の形態1では、図面作成部を有する車載情報システム開発ツールにより発注者が図形関連データを作成し、この図形関連データを車載情報システム開発装置に入力するようにしているが、この実施の形態2では、車載情報システム開発ツールで図面作成部に加えて遷移制御データを作成する遷移制御データ作成部を備えるようにし、発注者が、図形関連データのみならず、遷移制御データを作成し、この遷移制御データと、先の図形関連データとを車載情報システム開発装置に入力するようにしたものである。
【0043】
図11はこの実施の形態2の車載情報システム開発装置の記憶部を示す図である。図に示すように、画面アプリケーション制御データ22が、ナビゲーション機能等のアプリケーション機能の実行を制御する機能制御データと、所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する遷移制御データとから構成され、この遷移制御データが入力部2から入力されるものであること以外は、実施の形態1と同様である。
【0044】
次に、この実施の形態2の車載情報システムの開発方法を説明する。図12はこの実施の形態2の車載情報システムの開発方法を説明するフローチャートである。
【0045】
まず、図形関連データ及び遷移制御データの作成が可能な車載情報システム開発ツールを発注者に提供する(ST21)。なお、この車載情報システム開発ツールは図形関連データ及び遷移制御データの両方を生成可能な1つのツールにしてもよいし、図形関連データの生成が可能なツール(画面作成ツール)と遷移制御データの生成が可能なツール(遷移制御データ作成ツール)との2つのツールにしてもよい。
【0046】
受注者から車載情報システム開発ツールが提供されると、発注者は、車載情報システム開発ツールにより、図形関連データ及び遷移制御データを作成し(ST31)、仕様書とともに受注者に送付する(ST32)。
【0047】
発注者から各データが送付されると、受注者は、この図形関連データ、及び遷移制御データを車載情報システム開発装置に入力する。すると、遷移制御データが画面アプリケーション制御データに組み込まれ、実施の形態1と同様に実行プログラムが作成される(ST22)。その他は実施の形態1と同様であるので説明は省略する。
【0048】
次に、ST31において使用する車載情報システム開発ツールについて説明する。図13はこの実施の形態2の車載情報システム開発ツールの一例を示すブロック図である。図において、40は車載情報システム開発ツール、41は図形関連データを生成するとともに所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する遷移制御データを生成する生成部、43は生成された図形関連データ、遷移制御データを外部に出力する出力部である。なお、その他は図6の車載情報システム開発ツールと同様であるので説明は省略する。
【0049】
車載情報システム開発ツールを用いて遷移制御データを作成するには、下記のようにすればよい。図14は車載情報システム開発ツールの表示画面の一例を示す図である。
【0050】
141は通常状態(図形が表示されない状態、図10(a)等に対応)、142〜146はメニュー画面状態(図形が表示される状態、図10(b)、図10(c)等に対応)を示すもので、これらの各状態はお絵描きの要領で作成される。
【0051】
これらの状態の記述後、キー入力に関する状態遷移を矢印で、四角内にキーイベント名を記述する。図14では、状態1でENTERイベントが発生した場合に状態142に遷移するように記述されている。このときには、状態142に関連させて、例えばdisp1(1)と記述し、画面関連データ1で、アニメーション変数1の内容を表示するように記述する。
【0052】
以下、同様に、状態142からDOWNキーを押すと画面関連データ1、アニメーション変数2の内容が表示されるように記述する。このように、お絵描きの要領で画面操作遷移を記述することで、この作成した各図形に対応したコード生成が記述され、遷移制御データが作成される。
【0053】
この実施の形態では、図形関連データだけでなく、遷移制御データをも発注者から受け取るようにしたので、実施の形態1に比べてさらに手戻りが少なくなり、開発期間を短縮することができる。
【0054】
また、この実施の形態では、車載情報システム開発ツールにより発注者が図形関連データと遷移制御データとを作成するようにしているが、発注者が遷移制御データのみを作成するようにしてもよい。
【0055】
実施の形態3.
実施の形態2では、遷移制御データを発注者が作成するようにしているが、この実施の形態3では遷移制御データに加えて、機能制御データをも発注者が作成するようにし、この遷移制御データ及び機能制御データを車載情報システム開発装置に入力するようにしたものである。
【0056】
図15はこの実施の形態3の車載情報システム開発装置の記憶部を示す図である。図に示すように、画面アプリケーション制御データ22が、ナビゲーション機能等のアプリケーション機能の実行を制御する機能制御データと、所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する遷移制御データとから構成され、この遷移制御データと機能制御データとが入力部2から入力されたものであること以外は、実施の形態1と同様である。
【0057】
また、開発方法に関しては、実施の形態2において、車載情報システム開発ツールで遷移制御データを作成する際に、機能制御データをもあわせて作成する以外は実施の形態2とほぼ同様であるので説明は省略する。
【0058】
なお、車載情報システム開発ツールを用いて機能制御データを作成するには、図16に示すように、各状態で実行される機能(アプリケーション)の実行命令を記述するようにすればよい。図16では、状態3に、経路探索命令であるsearch()が記述されている。すなわち、状態3に遷移すると、経路探索のアプリケーションが実行されるというコードが記述され機能制御データがあわせて作成されることになる。
【0059】
この実施の形態では、機能制御データも発注者から受け取るようにしたので、実施の形態2に比べてさらに手戻りが少なくなり、開発期間を短縮することができる。
【0060】
実施の形態4.
この実施の形態4では、実施の形態2、3で使用する車載情報システム開発ツールにおける図面作成部と遷移制御データ作成部とを連携し、図形関連データに基づいた図形を遷移制御データに基づいて表示するようにしたものである。
【0061】
図17〜図19は車載情報システム開発ツールで遷移制御データを作成する際の画面の一例を示す図である。図17に示すように、初期化時には、状態1が強調され(色がつけられ)、同じ画面に状態1のときの表示画面が表示される。状態1に対しては、画面作成ツールで作成した画面名を記述していないので何も画面表示されない。
【0062】
ENTERが選択されると、図18の画面表示になる。このとき、状態2−1には、disp1(1)の記述があるので、画面表示には、画面作成ツールで作成されたdisp1、アニメーション変数1の画面を表示する。
【0063】
次いで、DOWNが選択されると、図19の画面表示になる。このとき、状態2−2には、disp1(2)の記述があるので、画面表示には、画面作成ツールで作成されたdisp1、アニメーション変数2の画面を表示する。以下、イベントが発生するたびに遷移制御データ作成ツール上の画面表示が変化し、それに対応した画面が表示される。
【0064】
この実施の形態では、図形関連データに基づいた図形を遷移制御データに基づいて表示するようにしているので、利用者が操作仕様と画面との関係を確認しながら図形関連データ、遷移制御データ等を作成することができ、仕様が正確に受注者に伝わり、開発期間をより短くできる。
【0065】
実施の形態5.
この実施の形態では、車載情報システム開発ツールの遷移制御データ作成部と連携できる疑似アプリケーションモジュールを、車載情報システム開発ツールとともに提供するものである。
【0066】
図20はこの実施の形態5の車載情報システムの開発方法を説明するフローチャートである。図に示すように、受注者が発注者に車載情報システム開発装置の各アプリケーションを模擬した動作をする疑似アプリケーションモジュールを各モジュールとともに発注者に送付し、この模擬アプリケーションモジュールを利用して各データを作成するようにしている。以下、作成方法を説明する。
【0067】
図21〜図23は車載情報システム開発ツールを用いたデータ作成方法を説明する図である。車載情報システム開発ツールの遷移制御データ作成部の動作は実施の形態4と同様であるが、初期化時には、図21に示すように、疑似アプリケーションモジュールに初期化情報が送られ、道路地図が表示される。
【0068】
次に、実施の形態4と同様に、状態2−2からENTERが選択されると、状態3に遷移する。この状態3にはsearch()の命令が記述されているので、遷移制御データ作成部が、疑似アプリケーションモジュールに対してsearch()コマンドを送り、このモジュールにより経路探索を疑似した結果が図22に示すように表示される。
【0069】
疑似アプリケーションモジュールは経路探索の実行を終了すると、探索終了イベントを遷移制御データ作成部に送り、この結果、遷移制御データ作成部は状態1になるが、このとき、疑似アプリケーションモジュールは、図23に示すように、経路探索結果を画面上に表示することになる。
【0070】
この実施の形態では、疑似アプリケーションモジュールを提供するようにしているので、発注者が操作仕様と画面との関係を実際の車載情報システムの環境に近い環境で提供することができる。
【0071】
実施の形態6.
実施の形態5では、車載情報システム開発ツールの遷移制御データ作成部と連携できる疑似アプリケーションモジュールを提供するようにしているが、この実施の形態6では、遷移制御データ作成部の環境上で実機用のアプリケーション部が動作できる開発環境用クラスライブラリツールを提供するようにしたものである。
【0072】
図24はこの実施の形態6の車載情報システムの開発方法を説明するフローチャートである。図に示すように、遷移制御データ作成部の環境上で実機用のアプリケーション部が動作できる開発環境用クラスライブラリツールを提供する以外は実施の形態3と同様であるので説明は省略する。
【0073】
遷移制御データ作成部での動作は実施の形態2のものと同様であるが、車載情報システム開発装置において、開発環境用クラスライブラリツールを実機用クラスライブラリに置き換えてコンパイルするようにする。なお、その他は、実施の形態3と同様であるので説明は省略する。
【0074】
この実施の形態では、実機用のアプリケーション部が動作できる開発環境用クラスライブラリツールを用いているので、疑似アプリケーションモジュールを用いる場合に比し、より正確に仕様に沿ったものを作成できる。
【0075】
実施の形態7.
実施の形態5の車載情報システム開発ツールでは、キーボードのENTERなどを選択することでイベントを発生させ、このイベントの発生により状態遷移が行われるようにしているが、この実施の形態7では、図25に示すように、イベント発生画面250を表示させ、この画面上のボタンを選択することでイベントを発生させ、このイベントの発生により状態遷移をさせるようにしたものである。
【0076】
この画面は利用者が車載情報システム開発ツールの遷移制御データ作成部で画面エディタの要領で作成する。イベント発生画面250上でENETRボタンが選択されると、状態1から状態2−1に移行する。なお、その他は実施の形態5と同様である。
【0077】
この実施の形態では、イベント発生画面を設けるようにしているので、実施の形態5に比し、操作が簡略になる。
【0078】
実施の形態8.
実施の形態2〜7では、発注者が遷移制御データ作成部を有する車載情報システム開発ツールにより各データを作成するようにしているが、受注者も同様の遷移制御データ作成部を有し、受注者がこの遷移制御データ作成部を用いて作成したデータを発注者に仮納入し、発注者が遷移制御データ作成部で動作の確認、ならびに不備な個所の修正を行った後、受注者に修正後のデータを送付するようにしてもよい。
【0079】
本発明にかかる車載情報システム開発装置は、画面上に表示される図形に関する図形データ及び上記図形に対応して設定されこの図形の上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを外部から入力する入力部と、所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する制御データ及び各表示状態時に上記動作記述データに基づいて上記画面上に図形を表示させる表示制御データが格納された記憶部と、上記表示制御データに上記図形関連データを組み込み上記制御データとともに実行プログラムを生成する変換部とを備えているので、表示制御データの内容をほとんど変更することなく図形関連データを容易に修正することができ、外部で作成された図形関連データに基づいて実行プログラムを生成することができる。
【0080】
また、動作記述データには、所定条件に応じて各々設定された複数の動作記述がされており、上記所定条件を満たす場合にこの条件に対応する図形の動作がなされる場合には、記述データに基づいて図形の動作を確認できるので、利用者の意図に沿った画面の描写を実現することができる。
【0081】
さらに、記憶部に格納される制御データが、所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する遷移制御データと、アプリケーション機能の実行を制御する機能制御データとを含んでおり、上記遷移制御データが入力部を通して外部から入力される場合には、外部で作成された遷移制御データに基づいて実行プログラムを生成することができる。
【0082】
また、本発明にかかる車載情報システム開発ツールは、画面上に表示される図形に関する図形データ及び上記図形に対応して設定されこの図形の上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを生成する生成部と、上記動作記述データに基づいて上記画面上に図形を表示させる表示制御部と、上記図形関連データを外部に出力する出力部とを備えているので、図形関連データの修正が必要な場合にでも、画面上に図形を表示させる表示制御データの内容を変更することなく容易に図形関連データを修正することができ、図形関連データを容易に作成することができる。
【0083】
さらに、生成部が所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する遷移制御データを生成し、表示制御部が図形関連データに基づいた図形を上記遷移制御データに基づいて表示する場合には、各遷移状態に対応した図形を画面上に表示することができる。
【0084】
また、本発明にかかる車載情報システムの開発方法は、車載情報システムの発注者からの発注に応じて、受注者が発注者の要望に応じた車載情報システムを開発する車載情報システムの開発方法であって、発注者側は、受注者側から提供された車載情報システム開発ツールを用いて、画面上に表示される図形に関する図形データ及び上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを作成して受注者側に提供し、受注者側は、上記図形関連データを入力するとともに、各表示状態時に上記動作記述データに基づいて上記画面上に表示させる表示制御データに上記図形関連データを組み込み、所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する制御データも含めて実行プログラムを作成するので、発注者側で発注者が意図する図形を作成することができ、表示する図形に関して発注者側と受注者側との間で意図のずれが生じるのを減少させることができる。
【0085】
また、本発明にかかる車載情報システムの開発方法は、車載情報システムの発注者からの発注に応じて、受注者が発注者の要望に応じた車載情報システムを開発する車載情報システムの開発方法であって、発注者側は、受注者側から提供された車載情報システム開発ツールを用いて、画面上に表示される図形に関する図形データ及び上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを作成して受注者に提供するので、発注者が意図する図形を作成することができる。
【0086】
また、本発明にかかる車載情報システムの開発方法は、車載情報システムの発注者からの発注に応じて、受注者が発注者の要望に応じた車載情報システムを開発する車載情報システムの開発方法であって、受注者側は、画面上に表示される図形に関する図形データ及び上記図形に対応して設定されこの図形の上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを生成する車載情報システム開発ツールを発注者側に提供するので、発注者側で発注者が意図する図形を作成させることができ、表示する図形に関して発注者側と受注者側との間で意図のずれが生じるのを減少させることができる。
【0087】
また、車載情報システム開発ツールが、所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する遷移制御データを生成する場合には、発注者側で発注者が意図する遷移制御データを作成させることができ、遷移状態に関して発注者側と受注者側との間で意図のずれが生じるのを減少させることができる。
【0088】
さらに、車載情報システム開発ツールが、各表示状態時に動作記述データに基づいて画面上に図形を表示する場合には、遷移状態と画面との関係を確認しながら図形関連データ、遷移制御データを作成することができる。
【0089】
また、本発明にかかる車載情報システムの開発方法は、車載情報システムの発注者からの発注に応じて、受注者が発注者の要望に応じた車載情報システムを開発する車載情報システムの開発方法であって、受注者側は、発注者側で作成され画面上に表示される図形に関する図形データ及び上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを入力し、各表示状態時に上記動作記述データに基づいて上記画面上に表示させる表示制御データに上記図形関連データを組み込み、所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する制御データとともに実行プログラムを作成するので、表示する図形に関して発注者側と受注者側との間で意図のずれが生じるのを減少させることができる。
【0090】
さらに、制御データが、所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する遷移制御データと、アプリケーション機能の実行を制御する機能制御データとを含んでおり、上記遷移制御データを発注者側で作成した場合には、遷移状態に関して発注者側と受注者側との間で意図のずれが生じるのを減少させることができる。
【0091】
また、本発明にかかるナビゲーションシステムの開発方法は、ナビゲーションシステムの発注者からの発注に応じて、受注者が発注者の要望に応じたナビゲーションシステムを開発するナビゲーションシステムの開発方法であって、発注者側は、受注者側から提供されたナビゲーションシステム開発ツールを用いて、画面上に表示される図形に関する図形データ及び上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを作成して受注者側に提供し、受注者側は、上記図形関連データを入力するとともに、各表示状態時に上記動作記述データに基づいて上記画面上に表示させる表示制御データに上記図形関連データを組み込み、所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する制御データも含めて実行プログラムを作成するので、発注者側で発注者が意図する図形を作成することができ、表示する図形に関して発注者側と受注者側との間で意図のずれが生じるのを減少させることができる。
【0092】
また、本発明にかかるナビゲーションシステムの開発方法は、ナビゲーションシステムの発注者からの発注に応じて、受注者が発注者の要望に応じたナビゲーションシステムを開発するナビゲーションシステムの開発方法であって、発注者側は、受注者側から提供されたナビゲーションシステム開発ツールを用いて、画面上に表示される図形に関する図形データ及び上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを作成して受注者に提供するので、発注者が意図する図形を作成することができる。
【0093】
また、本発明にかかるナビゲーションシステムの開発方法は、ナビゲーションシステムの発注者からの発注に応じて、受注者が発注者の要望に応じたナビゲーションシステムを開発するナビゲーションシステムの開発方法であって、受注者側は、画面上に表示される図形に関する図形データ及び上記図形に対応して設定されこの図形の上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを生成するナビゲーションシステム開発ツールを発注者側に提供するので、発注者側で発注者が意図する図形を作成させることができ、表示する図形に関して発注者側と受注者側との間で意図のずれが生じるのを減少させることができる。
【0094】
また、本発明にかかるナビゲーションシステムの開発方法は、ナビゲーションシステムの発注者からの発注に応じて、受注者が発注者の要望に応じたナビゲーションシステムを開発するナビゲーションシステムの開発方法であって、受注者側は、発注者側で作成され画面上に表示される図形に関する図形データ及び上記画面上での動作を記述した動作記述データを含む図形関連データを入力し、各表示状態時に上記動作記述データに基づいて上記画面上に表示させる表示制御データに上記図形関連データを組み込み、所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する制御データとともに実行プログラムを作成するので、表示する図形に関して発注者側と受注者側との間で意図のずれが生じるのを減少させることができる。
【符号の説明】
【0095】
1 車載情報システム開発装置
2 入力部 3 記憶部
4 処理部
11 アプリケーション部 12 画面アプリケーション制御部
13 画面表示部 14 画面関連データ
21 アプリケーションデータ
22 画面アプリケーション制御データ
23 画面表示データ 24 画面関連データ
24a 図形データ 24b 動作記述
25 クラスライブラリ 26 OS・デバイスドライバ
30、40 車載情報システム開発ツール 31、41 生成部
32 画面表示部 33、43 出力部
70 画面データ名 71 画面オブジェクト選択領域
72 画面作成領域 73 オブジェクト色選択エリア
74 プロパティ選択領域
101 道路線 102 自車位置マーク
141 通常状態 142〜146 メニュー画面状態
250 イベント発生画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載情報システムに実装される実行プログラムを作成する車載情報システム開発装置に入力されるデータを生成する車載情報システム開発ツールであって、
車載情報システムの画面上に図形として表示される図形オブジェクトの図形データおよび前記図形データに対応して設定され前記図形の表示の動作を変数の値に対応させて記述した動作記述データを含む図形関連データ、ならびに所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する遷移制御データおよびアプリケーション機能の実行を制御する機能制御データを含む制御データを生成する生成部と、
前記機能制御データに基づいて所定のコマンドが送られると前記コマンドに対応する前記車載情報システムのアプリケーションモジュールの動作を模擬する擬似アプリケーションモジュールと、
前記図形関連データに基づいた図形を前記遷移制御データに基づいて表示するとともに、前記擬似アプリケーションモジュールが模擬した結果を表示する画面表示部と
を備えたことを特徴とする車載情報システム開発ツール。
【請求項2】
画面表示部は、擬似アプリケーションモジュールに、所定のコマンドが送られると前記コマンドに対応するアプリケーションの機能を実行中であることを示す画面を表示することを特徴とする請求項1に記載の車載情報システム開発ツール。
【請求項3】
擬似アプリケーションモジュールは、アプリケーションの機能が終了したことを示す終了イベントを生成部に送ることを特徴とする請求項1または2に記載の車載情報システム開発ツール。
【請求項4】
擬似アプリケーションモジュールは、地図表示モジュール、ロケーションモジュール、経路探索モジュール、経路誘導モジュールまたは施設検索モジュールを模擬することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の車載情報システム開発ツール。
【請求項5】
車載情報システムに実装される実行プログラムを作成する車載情報システム開発装置に入力されるデータを生成する車載情報システム開発ツールであって、
前記車載情報システムの画面上に図形として表示される図形オブジェクトの図形データおよび前記図形データに対応して設定され前記図形の表示の動作を変数の値に対応させて記述した動作記述データを含む図形関連データ、ならびに所定の指令に対応して表示状態の遷移を制御する遷移制御データおよびアプリケーション機能の実行を制御する機能制御データを含む制御データを生成する生成部と、
前記機能制御データに基づいて所定のコマンドが送られると前記コマンドに対応する前記車載情報システムのアプリケーションの機能を実行するアプリケーションモジュールと、
前記図形関連データに基づいた図形を前記遷移制御データに基づいて表示するとともに、前記アプリケーションモジュールが実行した結果を表示する画面表示部と、
前記車載情報システム開発ツール上で前記アプリケーションモジュールが動作できる開発環境用クラスライブラリと
を備えたことを特徴とする車載情報システム開発ツール。
【請求項6】
アプリケーションモジュールは、地図表示モジュール、ロケーションモジュール、経路探索モジュール、経路誘導モジュールまたは施設検索モジュールであることを特徴とする請求項5に記載の車載情報システム開発ツール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2011−23022(P2011−23022A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187288(P2010−187288)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【分割の表示】特願2000−291739(P2000−291739)の分割
【原出願日】平成12年9月26日(2000.9.26)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】