説明

車載情報機器

【課題】ユーザが車両を利用する頻度に応じて、適切なタイミングで予定の報知を行うことができる車載情報機器を提供する。
【解決手段】本発明の車載情報機器1は、現在日時を取得し、ユーザが車両2に乗って所定の場所に所定の予定日時に行く予定を記憶部11の予定データベース112に記憶している。制御部10は、現在日時と予定日時との間の期間と、ユーザが車両を利用する頻度を算出し、算出した期間と頻度とに基づいて、予定を報知するか否かを判定し、報知すると判定されたときユーザに対して所定の場所に行く予定を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載情報機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地名情報と日時情報とを含むイベントの情報を取得し、そのイベントの当日にイベントについてユーザに報知するナビゲーション装置が知られている。(たとえば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−271335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
所定の場所に行く予定に関してユーザに報知を行う車載情報機器において、ユーザが毎日のように車両を利用している場合は、当日に報知するだけでもユーザに予定を伝えることができる。しかし、ユーザは毎日車両を利用するとは限らないため、当日に報知を行うだけではユーザに予定を報知できないことがあった。本発明では、ユーザが車両を利用する頻度に応じて適切なタイミングで予定の報知を行うことができる車載情報機器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の車載情報機器は、現在日時を取得する現在日時取得手段と、ユーザが車両に乗って所定の場所に所定の予定日時に行く予定を記憶する予定記憶手段と、現在日時と予定日時との間の期間を算出する期間算出手段と、ユーザが車両を利用する頻度を算出する頻度算出手段と、ユーザに対して所定の場所に行く予定を報知する報知手段と、算出した期間と頻度とに基づいて、報知手段により所定の場所に行く予定を報知するか否かを判定する報知判定手段とを備える。
本発明の別の一態様である車載情報機器は、現在日時を取得する現在日時取得手段と、
ユーザが車両に乗って所定の場所に所定の予定日時に行く予定を記憶する予定記憶手段と、現在日時と予定日時との間の期間を算出する期間算出手段と、同一の所定の場所について予定記憶手段に予定が2以上記憶されているとき、当該2以上の予定の予定日時に基づいて当該所定の場所に行く周期を算出する周期算出手段と、ユーザに対して所定の場所に行く予定を報知する報知手段と、算出した期間と周期とに基づいて、報知手段により所定の場所に行く予定を報知するか否かを判定する報知判定手段とを備える。
【発明の効果】
【0006】
ユーザが車両を利用する頻度に応じて適切なタイミングで予定の報知を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態である車載情報機器の構成の一例を説明するための図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態において、車載情報機器がユーザに対して予定を報知する処理に関するフローチャートの一例である。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、予定を報知するか否かの判定に用いる表の一例である。
【図4】本発明の第1の実施の形態において、予定を報知するか否かを判定する処理に関するフローチャートの一例である。
【図5】本発明の第2の実施の形態において、車載情報機器がユーザに対して予定を報知する処理に関するフローチャートの一例である。
【図6】本発明の第2の実施の形態において、予定を報知するか否かの判定に用いる表の一例である。
【図7】本発明の第2の実施の形態において、予定を報知するか否かを判定する処理に関するフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔第1の実施の形態〕
本発明の一実施形態による車載情報機器の構成について、図1を用いて説明する。図1の車載情報機器1は、車両2に搭載されているナビゲーション装置であって、制御部10、記憶部11、表示モニタ12、スピーカ13、GPS受信部14、ジャイロセンサ15、および入力装置16を備える。車載情報機器1は、車両2の車両センサ類に有線または無線で接続されており、車両2の状態に関する様々な信号を受信することができる。
【0009】
車両センサ類の一つであるイグニッションセンサ21は、車両2のイグニッションスイッチがオンおよびオフのいずれであるかを検出し、その検出結果に基づいた信号を車載情報機器1に出力する。車載情報機器1は、イグニッションセンサ21からの信号に基づいてイグニッションスイッチがオンになったことを検出し、ユーザが車両2の利用を開始したことを検出することができる。
【0010】
図1の制御部10は、車載情報機器1を動作させるための様々な処理や制御を実行するための部分であり、マイクロプロセッサ、各種周辺回路、RAM、ROMなどによって構成される。制御部10は、ユーザを識別するユーザ識別処理、ユーザに予定を報知する予定報知処理、予定報知処理によりユーザに報知を行うか否かを判定する報知判定処理を実行する。そのほかにも制御部10は、出発地から目的地までの推奨経路を探索する経路探索処理や、推奨経路に基づいて車両2を案内する経路案内処理、車両2がいる道路を特定するマップマッチング処理などのナビゲーション装置としての処理を実行することができる。
【0011】
図1の記憶部11は、ハードディスクなどを含む記憶媒体の集まりである。記憶部11には、ユーザの識別に用いるユーザデータベース111、ユーザの予定を記憶する予定データベース112、ユーザによる車両2の乗車履歴を記憶する乗車履歴データベース113が記憶されている。また、記憶部11には、予定の報知等に用いる画像データや音声データなどの各種データが記憶されており、経路探索処理などに用いる地図データなども記憶されている。
【0012】
ユーザデータベース111は、ユーザの識別に用いるデータであるユーザデータを記憶するデータベースである。制御部10は、ユーザ識別処理において、ユーザデータベース111に記憶しているユーザデータに基づいてユーザの識別を行う。ユーザ識別処理は、たとえばパスワード入力による方式や、ユーザの指紋や顔の画像認識などの周知な方法でよく、ユーザデータベース111には認証用のパスワードや指紋や顔の画像情報が記憶されている。
【0013】
予定データベース112は、ユーザデータベース111にユーザデータが記憶されている各ユーザの予定を、予定データとして記憶するデータベースである。予定データは、ユーザが入力装置16を介して入力してもよいし、車載情報機器1の外部にある携帯端末やICカードなどから読み込んでもよい。予定データベース112に記憶されている予定データは、予定を行うユーザを識別するユーザ情報、予定を行う予定日時、および予定が行われる予定場所の情報を含む。
【0014】
乗車履歴データベース113は、ユーザデータベース111にユーザデータが記憶されている各ユーザの車両2の利用状況を乗車履歴として記憶するデータベースである。乗車履歴データベース113が記憶する乗車履歴は、各ユーザが車両2に乗車したときに記憶されるものであって、ユーザを識別するためのユーザ情報と、ユーザが車両2に乗車したときの現在日時とを含む。
【0015】
記憶部11に記憶される地図データは、道路地図に関する情報を記憶したものである。地図データには、地図上の地点を表すノードに関するノードデータや、ノードが表す地点と地点の間を繋ぐ道路を表すリンクに関するリンクデータ、道路地図上にある各種施設に関する施設データなどが含まれる。ノードデータには、位置情報や地点名称に関する情報などが含まれる。リンクデータには、リンクが表す道路の長さであるリンク長や、道路種別、車両の通行が許可されている方向などの情報が含まれる。これらのデータに基づいて経路探索処理や、マップマッチング処理、経路案内処理などが実行される。
【0016】
図1の表示モニタ12は、制御部10で実行される各処理のために様々な文字や画像、映像などを表示するための装置であり、液晶ディスプレイ等が用いられる。制御部10が実行する予定報知処理では、表示モニタ12に所定の文字や画像、映像を表示することによりユーザに予定を報知する。
【0017】
図1のスピーカ13は、制御部10で実行される各処理のために様々な音声を出力する。スピーカ13は、制御部10の制御により、予定報知処理では予定の内容を音声で出力する。
【0018】
図1のGPS受信部14は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、車両2の現在位置と現在日時を特定するための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻が含まれている。したがって、制御部10は、所定数以上のGPS衛星からのGPS信号により、これらの情報に基づいて車両2の現在位置および現在日時を算出することができる。制御部10は、GPS信号に基づいて算出された車両2の現在位置の時間変化を算出し、車両2の現在位置の時間変化に基づいて、車両2が走行している方向と走行した距離を特定することができる。
【0019】
制御部10は、記憶部11に記憶されている地図データや上記のようにして算出した車両2の現在位置が変化した軌跡などに基づいて、車両2がどの道路の上に存在するかを特定する。このような処理をマップマッチング処理という。
【0020】
図1のジャイロセンサ15は、車両2の向きの変化に応じた角速度を検出するためのセンサである。このジャイロセンサ15により検出された角速度に基づいて、車両2の向きが求められ、車両2が走行している方向を特定できる。
【0021】
車両2がトンネル内を走行しているときや、高架下にあるサービスエリア内にあるときなど、GPS受信部14がGPS信号を受信できない場合がある。制御部10は、ジャイロセンサ15により検出される角速度、車両2の車両センサ類の一つである車速センサ(不図示)からハーネス等を介して送信される車両2の走行速度、および記憶部11に記憶される地図データに基づいて、車両2の現在位置および走行している方向に関する情報を特定することもできる。このようにして特定された車両2の現在位置の軌跡に基づいてもマップマッチング処理を実行することができる。GPS信号に基づいたマップマッチング処理と、角速度や走行速度等に基づいたマップマッチング処理とは併用することができる。
【0022】
図1の入力装置16は、車載情報機器1を動作させるためにユーザから入力される各種操作を検出するための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは、入力装置16を操作することにより、たとえば、車載情報機器1に予定を入力することや、表示モニタ12に表示された地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。入力装置16は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、入力装置16を表示モニタ12と一体化されたタッチパネルとしてもよい。
【0023】
車載情報機器1は、上記の構成を用いてユーザに対して予定データベース112に記憶された予定の報知を行う。第1の実施の形態において、車載情報機器1がユーザに対して予定の報知を行う手順について、図2のフローチャートを用いて説明する。図2のフローチャートは、車両2のイグニッションスイッチがオンになったことが検出されたとき実行を開始する処理であって、制御部10で実行される。
【0024】
図2のステップS101では、車載情報機器1の制御部10は、ユーザ識別処理を実行し、予定を報知する対象であるユーザを識別する。報知する対象であるユーザが識別されたら、図2の処理はステップS102に進む。
【0025】
図2のステップS102では、制御部10は、現在日時を取得する。現在日時は、たとえばGPS信号などに基づいて算出したものを取得すればよい。現在日時が取得されたら、図2の処理はステップS103に進む。
【0026】
図2のステップS103では、制御部10は、ステップS102で取得した現在日時と、ステップS101で識別したユーザに関する情報とを乗車履歴として記憶部11の乗車履歴データベース113へ記憶する。乗車履歴データベース113へ乗車履歴が記憶されたら、図2の処理はステップS104に進む。
【0027】
図2のステップS104では、制御部10は、ステップS101で識別したユーザに関する予定を、予定データベース112から取得する。制御部10がステップS101で識別したユーザに関する予定を取得したら、図2の処理はステップS105に進む。
【0028】
図2のステップS105では、制御部10は、ステップS104で取得した各予定について、図2のステップS106からステップS107までの処理を実行する。ステップS106からステップS107までの処理は、ステップS104で取得した各予定について、1回ずつ処理される。
【0029】
図2のステップS106では、制御部10は、ステップS104で取得した予定のうち処理中の予定について、報知判定処理を実行する。図2の処理は、報知判定処理の結果、予定を報知することになった場合はステップS107に進み、報知しないことになった場合は次の予定に対する処理を開始するためステップS105に戻る。
【0030】
図2のステップS107では、制御部10は、ステップS104で取得した予定のうち処理中の予定について予定報知処理を実行する。すなわち、当該処理中の予定の予定日時や予定に関する予定場所などを表示モニタ12やスピーカ13を介して出力する。図2の処理は、当該処理中の予定について予定報知処理を実行したら次の予定に対する処理を開始するためステップS105に戻る。なお、ステップS104で取得した予定をすべて実行した場合は、ステップS105に戻る代わりに図2の処理を終了する。
【0031】
次に、図2のステップS106で実行される報知判定処理について説明する。ステップS106で実行される報知判定処理では、制御部10は、ユーザが車両2を利用する頻度と、現在日時から予定日時までの期間とに基づいて、各予定を報知するか否かを判定する。第1の実施の形態では、制御部10は、ユーザが車両2を利用する頻度として、当該ユーザがこれまでに車両2に乗車した頻度を、当該ユーザの乗車履歴に基づいて算出する。ここでは、たとえば週4回以上、週2・3回、週1回、月1・2回のうちのいずれかの頻度を車両2に乗車する頻度として算出する。
【0032】
第1の実施の形態では、制御部10は、ユーザが車両2を利用する頻度と、現在日時から予定日時までの期間とを算出したら、図3に示す報知判定表300に従って、予定を報知するか否かを決定する。図3に示す報知判定表300は、乗車履歴に基づいた車両2を利用する頻度を縦軸のキーとし、現在日時から予定日時までの期間を横軸のキーとする表である。報知判定表300において、縦軸のキーと横軸のキーとに基づいて特定される各項目は、「報知する」および「報知しない」のいずれかとなっている。制御部10は、算出したユーザが車両2を利用する頻度と、現在日時から予定日時までの期間とで特定された報知判定表300の項目が「報知する」になっている場合に、予定報知処理により予定を報知する。報知判定表300の項目が「報知しない」になっている場合には、他の処理により報知することになった場合を除いて報知を行わない。たとえば、乗車履歴データベース113にユーザが車両2に「月1・2回」乗車しており、現在日時が当該ユーザの予定の予定日時の「2週間間前」であった場合は、その予定については報知判定表300に基づいて「報知する」と判定されるため、図2のステップS107において予定の報知が行われる。
【0033】
以上で説明した第1の実施の形態における報知判定処理について、その処理に関するフローチャートの一例を図4に示す。図4のフローチャートは、図2のステップS106におけるサブルーチンであって、ステップS106において処理中の予定の予定データを引数として実行を開始し、その予定について報知するか否かを図2の処理に返す。
【0034】
図4のステップS201では、制御部10は、現在日時を取得する。図4の処理は、現在日時を取得したらステップS202に進む。
【0035】
図4のステップS202では、制御部10は、ステップS201で取得した現在日時と、引数として入力された予定データの予定日時との間の期間を算出する。図4の処理は、現在日時と予定日時との間の期間を算出したらステップS203に進む。
【0036】
図4のステップS203では、制御部10は、引数として入力された予定データに含まれるユーザ情報に基づいて乗車履歴データベース113を検索し、当該ユーザ情報に対応したユーザの乗車履歴を取得する。図4の処理は、当該ユーザに関する乗車履歴を取得したら、ステップS204に進む。
【0037】
図4のステップS204では、制御部10は、ステップS203で取得した乗車履歴に基づいて、予定データに含まれるユーザ情報に対応したユーザが車両2を利用する頻度、すなわち、当該ユーザが車両2に乗車した頻度を算出する。たとえば、当該ユーザがこれまでに車両2に乗車した合計回数と、当該ユーザが車両2に乗車した最も古い乗車履歴の日時と、最も新しい乗車履歴の日時を取得し、車両2に乗車した回数を最も新しい乗車履歴の日時と最も古い乗車履歴の日時との間の期間で割ることにより算出する。図4の処理は、ユーザが車両2を利用する頻度を算出したら、ステップS205に進む。
【0038】
図4のステップS205では、制御部10は、ステップS202で算出した期間と、ステップS204で算出したユーザが車両2を利用する頻度とに基づいて、引数として入力された予定を報知するか否かの判定結果を報知判定表300に従って決定する。図4の処理は、予定を報知するか否かの判定結果を決定したら、その結果を図2の処理に返して終了する。
【0039】
以上で説明したように、第1の実施の形態の車載情報機器1は、ユーザが車両2に乗車した頻度に基づいて、予定の当日以外の日時であっても予定の報知を行うことができる。
【0040】
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態と報知判定処理の方法が異なる。第2の実施の形態における報知判定処理では、車両を利用して所定の場所に行く周期に基づいて報知判定処理を行う。所定の場所に行く周期は、その逆数を取ることにより所定の場所に行く頻度に変換することができる。
【0041】
第2の実施の形態における車載情報機器の構成は、第1の実施の形態と同じものが利用できるため、その説明を省略する。なお、第2の実施の形態においては、車載情報機器1の記憶部11は、乗車履歴データベース113を記憶していなくてもよい。
【0042】
第2の実施の形態において車載情報機器1がユーザに対して予定の報知を行う手順について、図5のフローチャートを用いて説明する。図5のフローチャートは、車両2のイグニッションスイッチがオンになったことが検出されたとき実行を開始する処理であって、制御部10で実行される。
【0043】
図5のステップS301では、車載情報機器1の制御部10は、ユーザ識別処理を実行し、予定を報知する対象であるユーザを識別する。予定を報知する対象であるユーザを識別したら、図5の処理はステップS302に進む。
【0044】
図5のステップS302では、制御部10は、ステップS301で識別したユーザに関する予定を、予定データベース112から取得する。ステップS301で識別したユーザに関する予定を取得したら、図5の処理はステップS303に進む。
【0045】
図5のステップS303では、制御部10は、ステップS302で取得した各予定について、図5のステップS304からステップS305の処理を実行する。ステップS304からステップS305までの処理は、ステップS302で取得した各予定について、1回ずつ処理される。
【0046】
図5のステップS304では、制御部10は、ステップS302で取得した予定のうち処理中の予定について、報知判定処理を実行する。ステップS304で実行する報知判定処理は、第1の実施の形態の処理とは異なるものであり、その詳細については後述する。図5の処理は、報知判定処理の結果、予定を報知することになった場合はステップS305に進み、報知しないことになった場合は次の予定に対する処理を開始するためステップS303に戻る。
【0047】
図5のステップS305では、制御部10は、ステップS302で取得した予定のうち処理中の予定について予定報知処理を実行する。すなわち、当該処理中の予定の予定日時や当該処理中の予定に関する予定場所などを表示モニタ12やスピーカ13を介して出力する。図5の処理は、当該処理中の予定について予定報知処理を実行したら次の予定に対する処理を開始するためステップS303に戻る。なお、ステップS302で取得した予定をすべて実行した場合は、ステップS303に戻る代わりに図5の処理を終了する。
【0048】
次に、図5のステップS304で実行される報知判定処理について説明する。図5のステップS304で実行される報知判定処理では、ステップS304で処理中の予定データに含まれる予定場所へユーザが車両2を利用して行く周期と、現在日時から予定日時までの期間とに基づいて、予定報知処理により報知を行うか否か判定する。
【0049】
ユーザが車両2を利用して予定場所へ行く周期は、予定データベース112に記憶された予定データに基づいて算出される。制御部10は、ステップS305で処理中の予定データに含まれる予定場所について、予定データベース112を検索する。検索の結果、当該予定場所に関する予定データが複数記憶されていた場合、当該予定場所に行った回数と、当該予定場所に行く予定データの中で最も古い予定日時と、最も新しい予定日時とを取得する。そして、最も新しい予定日時と最も古い予定日時との間の期間を当該予定場所に行った回数で割ることにより当該予定場所に行く周期を算出する。ここでは、たとえば、3〜6か月、1〜3か月、1週間〜1か月、1週間以下のうちのいずれかの周期を当該予定場所に行く周期として算出する。
【0050】
第2の実施の形態では、制御部10は、上記のように予定データに基づいて算出した周期と、現在日時と予定日時までの期間とに基づき、図6に示す報知判定表600に従って、予定報知処理により報知を行うか否かを判定する。
【0051】
図6に示す報知判定表600は、車両2を利用して予定場所に行く周期を縦軸のキーとし、現在日時から予定日時までの期間を横軸のキーとする表である。報知判定表600において、縦軸のキーと横軸のキーとに基づいて特定される各項目は、「報知する」および「報知しない」のいずれかとなっている。制御部10は、両軸のキーに基づいて特定された報知判定表600の項目が「報知する」になっている場合に、予定報知処理により予定を報知する。報知判定表600の項目が「報知しない」になっている場合には、他の処理により報知することになった場合を除いて報知を行わない。たとえば、ユーザが報知判定処理の処理対象である予定において行く予定になっている場所に2か月に1回の周期で行っており、当該場所に次に行く予定の1か月前のときは、報知判定表600の「1〜3か月」の周期の行と「1か月前」の列との交わる項目「報知する」に基づいて、当該場所に次に行く予定を「報知する」と判定される。
【0052】
以上で説明した第2の実施の形態における報知判定処理について、そのフローチャートの一例を図7に示す。図7のフローチャートは、図5のステップS304におけるサブルーチンであって、ステップS304において処理中の予定の予定データを引数として実行を開始し、その予定について報知するか否かを図5の処理に返す。
【0053】
図7のステップS401では、制御部10は、現在日時を算出する。図7の処理は、現在日時を算出したらステップS402に進む。
【0054】
図7のステップS402では、制御部10は、ステップS401で算出した現在日時と、引数として入力された予定データの予定日時との間の期間を算出する。図7の処理は、現在日時と予定日時との間の期間を算出したらステップS403に進む。
【0055】
図7のステップS403では、制御部10は、引数として入力された予定データに基づいて予定情報データベース112を検索し、引数として入力された予定データに対してユーザ情報および予定場所が同一である予定データを取得する。図7の処理は、引数として入力された予定データとユーザ情報と予定場所とが同一である予定データを取得したらステップS404に進む。
【0056】
図7のステップS404では、制御部10は、ステップS403で取得した予定データの数が2個以上あるか否かを判定する。図7の処理は、ステップS403で取得した予定データが2個以上ある場合はステップS405に進み、1個以下である場合はステップS407に進む。
【0057】
図7のステップS405では、制御部10は、ステップS403で取得した予定データに基づいて、引数として入力された予定データに含まれる予定場所へユーザが行く周期を算出する。図7の処理は、その周期を算出したらステップS406に進む。
【0058】
図7のステップS406では、制御部10は、ステップS402で算出した期間とステップS405で算出した周期とに基づいて、引数として入力された予定を報知するか否かの判定結果を報知判定表600に従って決定する。図7の処理は、予定を報知するか否かの判定結果を決定したら、その結果を図5の処理に返して終了する。
【0059】
図7のステップS407では、制御部10は、ステップS402で算出した期間が「当日」である場合は判定結果を「報知する」に決定し、それ以外のときは「報知しない」に決定する。図7の処理は、これらの判定結果を図5の処理に返して終了する。
【0060】
以上説明した各実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
【0061】
本発明の第1の実施の形態における車載情報機器1は、GPS信号に基づいて現在日時を取得することができる。車載情報機器1は、ユーザが車両2に乗って所定の場所に行く予定日時を含む予定を記憶部11の予定データベース112に記憶している。車載情報機器1の制御部10は、現在日時と予定日時との間の期間を算出し(図4のステップS202)、ユーザが車両2を利用する頻度を算出し(図4のステップS204)、算出した期間とユーザが車両2を利用する頻度とに基づいて予定を報知するか否かを判定し(図4のステップS205)、ユーザに対して所定の場所に行く予定を報知する(図2のステップS107)。これにより、ユーザが車両を利用する頻度に応じて適切なタイミングで予定の報知を行うことができる。
【0062】
本発明の第2の実施の形態における車載情報機器1は、GPS信号に基づいて現在日時を取得することができる。車載情報機器1は、ユーザが車両2に乗って所定の場所に行く予定日時を含む予定を記憶部11の予定データベース112に記憶している。車載情報機器1の制御部10は、現在日時と予定日時との間の期間を算出し(図7のステップS402)、ユーザが車両2を利用して所定の場所に行く周期を算出し(図7のステップS405)、算出した期間と周期とに基づいて予定を報知するか否かを判定し(図7のステップS406)、ユーザに対して所定の場所に行く予定を報知する(図5のステップS305)。周期は頻度の逆数であるため、このようにしても、ユーザが車両を利用する頻度に基づいて適切なタイミングで予定の報知を行うことができる。
【0063】
以上の各実施の形態は、以下のように変形して実施できる。
【0064】
第2の実施の形態では、図7のステップS405で算出した周期に基づいて次に所定の場所に行く予定日時を推定し、ユーザに対してその場所に行く予定を報知することにしてもよい。たとえば、ユーザが1か月周期で所定の場所に行っていた場合、最後に所定の場所に行った予定の予定日時から1か月後にその場所に行くものと推定してもよい。このようにすることにより、ユーザが予定の入力を忘れていた場合についても予定の報知を行うことができる。
【0065】
第2の実施の形態では、図7のステップS407において、ステップS402で算出した期間が「当日」の場合に判定結果を「報知する」に決定することにしたが、「当日」以外にも報知してもよい。たとえば、ステップS403で取得した予定データが1個である場合であっても、「1週間前」の場合に判定結果を「報知する」に決定することにしてもよい。
【0066】
第1の実施の形態、第2の実施の形態、および各種の変形例は、任意に組み合わせて実施してもよい。たとえば、報知判定表300および報知判定表600のいずれかで報知するとなった予定に関しては報知することにしてもよい。また、判定表300および判定表600は一例であり、各項目の条件や項目数は任意に設定可能である。さらに、これらに例示した判定表を用いずに報知判定処理を行ってもよい。たとえば、車両2を利用する頻度や、現在日時から予定日時までの期間などをそれぞれ数値化し、これらの数値を所定の関数に代入して得られた計算結果に基づいて報知判定処理を行ってもよい。
【0067】
第1の実施の形態では判定表300の縦軸を、車両2を利用する頻度としたが、その逆数である車両2を利用する周期としてもよい。たとえば、「週1回」という頻度は、「1週間」の周期で車両2を利用していると言い換えることができる。同様に第2の実施の形態の判定表600の縦軸は、予定場所へ車両2を利用して行く頻度としてもよい。たとえば、「1週間〜1か月」の周期で予定場所へ車両2を利用して行っていることは、「週1回〜月1回」の頻度で予定場所へ車両2を利用して行っていると言い換えることができる。
【0068】
以上で説明した各実施の形態および各種の変形例において、報知した予定データについて、当該予定データの予定場所が表す場所を推奨経路の目的地に設定することができてもよい。
【0069】
以上で説明した各実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【符号の説明】
【0070】
1 車載情報機器
2 車両
10 制御部
11 記憶部
12 表示モニタ
13 スピーカ
14 GPS受信部
15 ジャイロセンサ
16 入力装置
21 イグニッションセンサ
111 ユーザデータベース
112 予定データベース
113 乗車履歴データベース
300,600 報知判定表

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在日時を取得する現在日時取得手段と、
ユーザが車両に乗って所定の場所に所定の予定日時に行く予定を記憶する予定記憶手段と、
前記現在日時と前記予定日時との間の期間を算出する期間算出手段と、
前記ユーザが前記車両を利用する頻度を算出する頻度算出手段と、
前記ユーザに対して前記所定の場所に行く予定を報知する報知手段と、
前記期間と前記頻度とに基づいて、前記報知手段により前記所定の場所に行く予定を報知するか否かを判定する報知判定手段と、
を備えることを特徴とする車載情報機器。
【請求項2】
請求項1に記載の車載情報機器において、
前記ユーザが前記車両に乗車したときの現在日時を乗車履歴として記憶する乗車履歴記憶手段をさらに備え、
前記頻度算出手段は、前記乗車履歴に基づいて前記ユーザが前記車両を利用する頻度を算出することを特徴とする車載情報機器。
【請求項3】
請求項1から2のいずれか一項に記載の車載情報機器において、
同一の所定の場所について前記予定記憶手段に前記予定が2以上記憶されているとき、当該2以上の予定の予定日時に基づいて当該所定の場所に行く周期を算出する周期算出手段をさらに備え、
前記報知判定手段は、前記期間と前記周期とに基づいて、前記報知手段により前記所定の場所に行く予定を報知するか否かを判定することを特徴とする車載情報機器。
【請求項4】
請求項3に記載の車載情報機器において、
前記周期に基づいて、次に前記所定の場所に行く予定日時を推定する予定日時推定手段をさらに備え、
前記報知手段は、前記予定日時推定手段により推定された予定日時を前記ユーザに報知することを特徴とする車載情報機器。
【請求項5】
現在日時を取得する現在日時取得手段と、
ユーザが車両に乗って所定の場所に所定の予定日時に行く予定を記憶する予定記憶手段と、
前記現在日時と前記予定日時との間の期間を算出する期間算出手段と、
同一の所定の場所について前記予定記憶手段に前記予定が2以上記憶されているとき、当該2以上の予定の予定日時に基づいて当該所定の場所に行く周期を算出する周期算出手段と、
前記ユーザに対して前記所定の場所に行く予定を報知する報知手段と、
前記期間と前記周期とに基づいて、前記報知手段により前記所定の場所に行く予定を報知するか否かを判定する報知判定手段と、
を備えることを特徴とする車載情報機器。
【請求項6】
請求項5に記載の車載情報機器において、
前記周期に基づいて、次に前記所定の場所に行く予定日時を推定する予定日時推定手段をさらに備え、
前記報知手段は、前記予定日時推定手段により推定された予定日時を前記ユーザに報知することを特徴とする車載情報機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−37451(P2012−37451A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179454(P2010−179454)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】