説明

車載用撮像装置

【課題】簡易な構成でありつつ入射光の光量に応じた適切な画像データを出力することができる車載用撮像装置を提供する。
【解決手段】撮影光学系11と、撮像素子12からの出力信号に基づいて画像データを生成し画像データを出力可能な画像処理手段14と、撮影光学系の光路L上に赤外光カットフィルタ18を出入させるためのフィルタ駆動部16と、フィルタ駆動部16および画像処理手段14を駆動制御する制御演算手段15とを備える車載用撮像装置10である。制御演算手段15は、搭載される車両Cの照明の切り換え操作のための照明スイッチSWに為された操作情報を取得可能とされ、照明60が点灯状態とされると赤外光カットフィルタ18を光路L上から退避させるべくフィルタ駆動部16を駆動させ、照明60が消灯状態とされると赤外光カットフィルタ18を光路上に位置させるべくフィルタ駆動部16を駆動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載され当該車両の周辺を撮像する車載用撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両では、乗員(特に運転手)による車両の周辺の視認を補助するために、周辺を撮像する車載用撮像装置が搭載されているものがある。この車載用撮像装置では、レンズ群を通して被写体像を撮像素子に結像する構成とされているものがある(例えば、特許文献1参照)。このような車載用撮像装置を搭載した車両では、車載用撮像装置の撮像素子により取得された画像データに基づく画像を車両内に設けられたモニタに表示させることにより、乗員の周辺の視認を補助することができる。
【特許文献1】特開2007−139985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、一般に撮像素子は、赤外光領域までの感度を有していることから、可視光領域に加えて赤外光領域を含む入射光を被写体像として取得することができるが、その出力信号から生成された画像データに基づく画像をモニタに表示させると、その画像は肉眼で被写体を見た際の印象とは異なるものとなってしまう。このため、上記した構成の車載用撮像装置では、モニタに表示される画像をより自然なものとするために、被写体からの入射光が撮像素子に至るまでの光路に赤外光カットフィルタが設けられている。
【0004】
ところが、赤外光カットフィルタは、可視光領域の入射光を100%透過するものではないことから、入射光の光量が少ない場面、例えば夜間等のように撮像範囲が暗い場面において、元々少ない光量が赤外光カットフィルタによりさらに低減されると、モニタに表示された画像による車両の周辺の視認が困難となってしまう。このため、入射光の光量が少ない場面では、赤外光カットフィルタを光路から取り除くことが考えられるが、入射光の光量が少ない場面であるか否かの判断を行う機構を設けなければならない。この判断機構は、例えば、入射光の光量を検知する光量センサと、この光量センサからの検出データに基づき光量を判断する判断手段とで構成することが考えられるが、簡易な構成とは言えず設置工程の煩雑化およびコストの上昇を招いてしまう。また、判断機構としては、例えば、乗員の手動により切り換えるためのスイッチを設けることも考えられるが、設置工程の煩雑化およびコストの上昇を招くとともに、運転手に運転以外の操作を要求することとなるので好ましいことではない。
【0005】
本発明は、上記の問題に鑑みて為されたもので、簡易な構成でありつつ入射光の光量に応じた適切な画像データを出力することができる車載用撮像装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、被写体像を撮像素子に結像させる撮影光学系と、前記撮像素子からの出力信号に基づいて画像データを生成し該画像データを出力可能な画像処理手段と、前記撮影光学系の光路上に赤外光カットフィルタを出入させるためのフィルタ駆動手段と、該フィルタ駆動手段および前記画像処理手段を駆動制御する制御演算手段とを備える車載用撮像装置であって、前記制御演算手段は、搭載される車両の照明の切り換え操作のための照明スイッチに為された操作情報を取得可能とされ、前記照明が点灯状態とされると前記赤外光カットフィルタを前記光路上から退避させるべく前記フィルタ駆動手段を駆動させ、前記照明が消灯状態とされると前記赤外光カットフィルタを前記光路上に位置させるべく前記フィルタ駆動手段を駆動させることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車載用撮像装置であって、前記制御演算手段は、前記照明が点灯状態であるとき、前記画像処理手段に前記画像データのうちの輝度信号のみを出力させることを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の車載用撮像装置であって、さらに、前記赤外光カットフィルタが前記光路上にあるか否かを検知するフィルタ位置検知手段を備え、前記制御演算手段は、前記フィルタ位置検知手段による検知情報を取得可能とされ、前記照明が点灯状態とされても前記赤外光カットフィルタが前記光路上にある場合には、前記画像処理手段による前記画像データのうちの輝度信号のみの出力をさせることなく、前記画像処理手段に前記赤外光カットフィルタの透過による光量の損失分を補填するように増幅した前記撮像素子からの出力信号に基づいて前記画像データを生成させ、当該前記画像データを出力させることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車載用撮像装置であって、前記赤外光カットフィルタは、前記撮影光学系に設けられる絞りの近傍位置で前記光路上に位置されることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の車載用撮像装置であって、前記撮影光学系は、内径寸法の異なる複数の前記絞りを有し、複数の該絞りの中から所望の1つの前記絞りが選択的に前記光路上に位置される構成とされ、前記赤外光カットフィルタは、複数の前記絞りのうち、少なくとも1つを除く該絞りの内径個所を覆うように該絞りに取り付けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車載用撮像装置であって、前記制御演算手段は、前記照明スイッチにおいて手動により為された切り換え操作を取得可能であることを特徴とする。
【0012】
請求項7に係る発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車載用撮像装置であって、前記制御演算手段は、前記照明スイッチにおいて、前記車両の電装品を統括的に制御する制御部により為された切り換え操作を取得可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る車載用撮像装置では、車両の周辺の明るさに応じて切り換えられる照明の状態(消灯状態であるか点灯状態であるか)に合わせて赤外光カットフィルタを光路上に出入させるものであることから、入射光の光量に応じた適切な画像データを出力することができる。すなわち、車両の周辺が暗い場合には、可視光領域に加えて赤外光領域を含む光から生成された画像データに基づいて画像を形成することができることから、可視光領域のみの場合に比較して、入射光の光量を増加させることができるので鮮明な画像を得ることができる。
【0014】
また、一般に車両に標準装備されている照明スイッチに為された操作情報に基づいて赤外光カットフィルタを出入させるものであることから、入射光の光量が少ない場面であるか否かの判断のための新たな機構を設ける必要がないので、簡易な構成とすることができるとともに設置工程の煩雑化を防止しつつコストの上昇を抑制することができる。
【0015】
さらに、照明スイッチは、車両の周辺が暗い場合に照明を点灯状態とすべく操作されるものであることから、赤外光カットフィルタを出入させるための新たな操作を運転手に強いることを防止することができる。
【0016】
上記した構成に加えて、前記制御演算手段は、前記照明が点灯状態であるとき、前記画像処理手段に前記画像データのうちの輝度信号のみを出力させることとすると、モノクロとはなるが撮像素子への入射光に赤外光領域が含まれることに起因して画像が不自然なものとなることを防止することができる。
【0017】
上記した構成に加えて、さらに、前記赤外光カットフィルタが前記光路上にあるか否かを検知するフィルタ位置検知手段を備え、前記制御演算手段は、前記フィルタ位置検知手段による検知情報を取得可能とされ、前記照明が点灯状態とされても前記赤外光カットフィルタが前記光路上にある場合には、前記画像処理手段による前記画像データのうちの輝度信号のみの出力をさせることなく、前記画像処理手段に前記赤外光カットフィルタの透過による光量の損失分を補填するように増幅した前記撮像素子からの出力信号に基づいて前記画像データを生成させ、当該前記画像データを出力させることとすると、例えばフィルタ駆動手段に不測の事態が生じる等により赤外光カットフィルタを光路上から退避できなくなった場合であっても、当該赤外光カットフィルタの通過に起因する入射光の光量の低減を補うことができることから、モニタによる車両周辺の視認の補助の機能の消失を防止することができる、換言すると所謂フェールセーフ機能を有することとなる。
【0018】
上記した構成に加えて、前記赤外光カットフィルタは、前記撮影光学系に設けられる絞りの近傍位置で前記光路上に位置されることとすると、絞りの内径を覆うことができる大きさ寸法の赤外光カットフィルタを用いればよいことから、赤外光カットフィルタおよびそれを出入させるためのフィルタ駆動手段を小さなものとすることができる。このことは、車載用撮像装置の小型化に寄与することとなる。
【0019】
上記した構成に加えて、前記撮影光学系は、内径寸法の異なる複数の前記絞りを有し、複数の該絞りの中から所望の1つの前記絞りが選択的に前記光路上に位置される構成とされ、前記赤外光カットフィルタは、複数の前記絞りのうち、少なくとも1つを除く該絞りの内径個所を覆うように該絞りに取り付けられていることとすると、複数の中から所望の絞りを選択するための機構をフィルタ駆動手段として利用することができるので、より簡易に本願発明を実施することができる。
【0020】
上記した構成に加えて、前記制御演算手段は、前記照明スイッチにおいて手動により為された切り換え操作を取得可能であることとすると、一般に数多く流通している車両に適合させることができる。
【0021】
上記した構成に加えて、前記制御演算手段は、前記照明スイッチにおいて、前記車両の電装品を統括的に制御する制御部により為された切り換え操作を取得可能であることとすると、オートライト機能が設定された車両に適合させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下に、本発明に係る車載用撮像装置の一例の実施例を図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0023】
図1は、本発明に係る一実施例としての車載用撮像装置10が車両Cに搭載された様子を示す模式的に示す斜視図であり、図2は、車載用撮像装置10を示すブロック図である。
【0024】
車載用撮像装置10は、本実施例では、図1に示すように、車両Cの後方視認を補助すべく所望の領域を撮像できるように車両Cに取り付けられており、撮像した画像を車両Cに搭載されたナビゲーションシステム50のモニタ52(図2参照)に表示することで、乗員(特に運転手)の後方視認を補助するものである。なお、本実施例では、車載用撮像装置10は、車両Cの後方視認を補助するように車両Cに搭載されているが、車両の側方または前方の視認を補助するためのものであってもよく、本実施例に限定されるものではない。
【0025】
車載用撮像装置10は、図2に示すように、撮影光学系11と、この撮影光学系11により結像された被写体像を取得する撮像素子12と、この撮像素子12から出力された出力信号の利得調整等を行う利得調整部13と、この利得調整部13を経た出力信号に基づいて画像データを生成する画像処理機構14と、それらを統括的に制御する制御演算部15と、フィルタ駆動部16と、バッファメモリ17とを備える。
【0026】
撮影光学系11は、詳細な構成は後述するが、被写体像を撮像素子12の受光面に結像するものであり、その被写体像を撮像素子12へと導く光路L上に赤外光カットフィルタ18が出入自在とされている。この赤外光カットフィルタ18を出入させるのがフィルタ駆動部16である。このフィルタ駆動部16は、詳細な構成は後述するが、制御演算部15の制御下で光路L上に赤外光カットフィルタ18を出入させることが可能とされている。なお、ここでいう赤外光カットフィルタ18とは、赤外光領域の入射光の透過を阻みつつ可視光領域の入射光の透過を許すものである。
【0027】
また、車載用撮像装置10では、この赤外光カットフィルタ18が撮影光学系11の光路L上に位置されているか否かを検出するためのフィルタ位置検知手段としてのフィルタ位置センサ19が設けられている。このフィルタ位置センサ19は、例えば、赤外光カットフィルタ18が光路L上に位置している場合に信号を出力する等のように構成されているものであればよく、光学的な位置検知手段等のように一般的なものを利用することができる。
【0028】
この撮影光学系11により結像された被写体像を取得する撮像素子12は、本実施例では、可視光領域から赤外光領域までの感度を有するCCDイメージセンサが用いられている。なお、この撮像素子12は、被写体像の取得が可能なものであれば、例えばCMOSイメージセンサであってもよく、本実施例に限定されるものではない。撮像素子12は、取得する被写体像を出力信号(アナログRGB画像信号)として利得調整部13へ向けて出力する。
【0029】
撮像素子12から出力された出力信号(アナログRGB画像信号)は、利得調整部13により利得調整等が施されデジタル化された出力信号(RAW−RGBデータ)として画像処理機構14に出力される。この画像処理機構14は、画像処理部20とビデオエンコーダ21とを有し、バッファメモリ17に接続されている。
【0030】
画像処理部20は、利得調整部13を経た出力信号(RAW−RGBデータ)に基づいて、バッファメモリ17を利用しつつ表示や記録が可能なYUV形式の画像データを生成する。このバッファメモリ17には、画像処理部20に取り込まれた出力信号(RAW−RGBデータ)が保存されると共に、当該画像処理部20で変換処理された画像データ(YUV形式の画像データ)が保存され、さらに、図示を略すデータ圧縮部で圧縮処理されたJPEG形成などの画像データ等が保存される。なお、上述した画像データのYUVは、輝度データ(Y)と、色差(輝度データと青色(B)データの差分(U)と、輝度データと赤色(R)の差分(V))の情報で色を表現する形式である。
【0031】
この画像処理部20で生成された画像データ(YUV形式の画像データ)は、ビデオエンコーダ21を介して出力可能とされている。本実施例では、車載用撮像装置10は、ビデオエンコーダ21を介して車両Cに搭載されたナビゲーションシステム50のナビ制御部51に接続されている。このナビ制御部51は、予め定められた設定またはナビゲーションシステム50の操作スイッチ(図示せず)に為された操作に応じて、入力された画像データ(YUV形式の画像データ)に基づく画像を適宜モニタ52に表示させる。これにより、乗員は、モニタ52に表示された車両Cの後方画像により、車両Cの後方、特に乗員から死角となる位置を視認することができる。このように、車載用撮像装置10は、ナビゲーションシステム50および後述する照明スイッチSWと協働して、車両周辺視認支援システムを構成することとなる。
【0032】
この車載用撮像装置10は、上述したように画像処理機構14のビデオエンコーダ21を介してナビゲーションシステム50のナビ制御部51に電気的に接続されているとともに、制御演算部15が車両Cに設けられた照明を点灯および消灯させるための照明スイッチに為された操作情報を取得可能とされている。
【0033】
この照明スイッチとして、本実施例では、車両Cのヘッドライト60(図1参照)を点灯および消灯させるべく切り換え操作される照明スイッチSWが採用されており、制御演算部15は、照明スイッチSWに為された切り換え操作の情報、すなわちヘッドライト60が点灯状態とされているか消灯状態とされているかの情報を取得可能とされている。この切り換え操作の情報を取得可能とするためには、例えば、照明スイッチSWがヘッドライト60を点灯させる切り換え位置とされた場合に導通状態とされる電路の通電状態を判断できるように当該電路に制御演算部15を接続すればよい。このように、照明スイッチSWを採用するのは、ヘッドライト60は、車両Cの周辺が暗い場合に点灯されるものであることから、入射光の光量が少ない場面であるか否かを判断するのには好適であることによる。なお、照明スイッチSWは、ヘッドライト60が点灯状態であるか消灯状態であるかを制御演算部15が検知できればよいものであることから、運転手により手動で切り換え操作が為されるものであってもよく、車両Cに搭載された電装品を統括的に駆動制御する制御部(図示せず)により切り換え操作が為されるものであってもよい。この制御部(図示せず)が切り換え操作を行う構成の一例としては、車両Cの周辺の明るさを光センサ等により検知した当該制御部が、その検知結果に応じてヘッドライト60を点灯および消灯させるべく照明スイッチSWを切り換える所謂オートライト機能ものがあげられる。ここで、照明スイッチSWは、ヘッドライト60の点灯状態と消灯状態とのいずれかの選択のために電路の切り換えが可能なものであればよく、切り換え操作の際に物体の変位が伴うものでなくてもよい。また、本実施例では、照明スイッチSWを採用したが、車両Cの周辺が暗い場合に点灯される照明であれば、例えば、ポジションランプ等の照明スイッチであってもよく、本実施例に限定されるものではない。
【0034】
本発明に係る車載用撮像装置10では、上述したように、撮影光学系11の光路L上に赤外光カットフィルタ18が適宜出入可能な構成とされている。これについて以下で説明する。
【0035】
まず、本実施例の撮影光学系11は、図3に示すように、物体側(被写体側)から第1レンズ群30と、第2レンズ群31と、第3レンズ群32とを有し、第2レンズ群31と第3レンズ群32との間に絞り22および赤外光カットフィルタ18が配置され、第3レンズ群32と撮像素子12との間に板状フィルタ33が配置されている。
【0036】
第1レンズ群30は、物体側が凸とされ像面側(撮像素子12側)が凹とされた第1レンズ34と、物体側が平面とされ像面側が凹とされた第2レンズ35とから構成されている。第2レンズ群31は、物体側が凸とされ像面側が凸とされた第3レンズ36から構成されている。第3レンズ群32は、物体側が凸とされ像面側が凹とされた第4レンズ37から構成されている。なお、撮影光学系11は、本実施例では、車両Cの後方を広範囲に撮像することができる上記した構成の超広角のものが採用されているが、被写体像を撮像素子12の受光面に結像できるものであればよく、本実施例に限定されるものではない。
【0037】
この第3レンズ群32(第4レンズ37)の像面側に配置された板状フィルタ33は、平行平面形状の水晶板が重ねられて構成されており、光学ローパスフィルタとして機能している。本実施例の車載用撮像装置10(撮影光学系11)では、板状フィルタ33に受光面が当接されて撮像素子12が設けられている。
【0038】
この撮影光学系11では、絞り22が、内径寸法が互いに異なる4つの絞り22a、22b、22c、22d(図4参照)の中から所望の一つが適宜選択されて、第2レンズ群31と第3レンズ群32との間に配置される構成とされている。これについて図4を用いて以下で説明する。
【0039】
本実施例の車載用撮像装置10では、4つの絞り22(22a〜22d)の選択のために、絞り選択機構23が設けられている。絞り選択機構23は、図4に示すように、4つの開口(22a〜22d)が設けられた回転板24と、この回転板24を回動軸25回りに所望の回転角度回動させるための回転駆動部26とを有し、回転板24の各開口により4つの絞り22a〜22dが構成されている。本実施例では、絞り22aよりも絞り22b、この絞り22bよりも絞り22cの方が大きな内径寸法とされており、絞り22cと絞り22dとが等しい大きさの内径寸法とされている。また、絞り22a、絞り22bおよび絞り22cには、その開口部を塞ぐように赤外光カットフィルタ18が取り付けられており、絞り22dには何も設けられていない。回転駆動部26は、例えばステッピングモータが用いられ、回転姿勢(回転角度)を制御しつつ回動軸25を回動させることができる構成とされている。
【0040】
この絞り選択機構23は、上述した制御演算部15(図2参照)の制御下で回転駆動部26が回動軸25を介して回転板24を回動することにより、絞り22a〜22dの中の1つを光路L上の適切な位置に選択的に配置させる所謂ターレット式とされている。この絞り22dには、赤外光カットフィルタ18が取り付けられておらず、その他の絞り22a〜22cには、赤外光カットフィルタ18が取り付けられていることから、絞り選択機構23は、フィルタ駆動部16(図2参照)として機能することとなる。
【0041】
ここで、制御演算部15は、撮像素子12に入射される光量に応じて絞り22a〜22cの中から1つを選択して光路L上に位置させる。なお、制御演算部15は、乗員からの操作に応じて絞り22a〜22cの中から1つを選択するものであってもよいが、この場合、当該操作のための操作部を車室内に新たに設ける必要がある。
【0042】
また、制御演算部15は、図2に示すように、照明スイッチSWに為された操作情報に基づいてヘッドライト60が点灯状態とされたと判断した場合には、絞り選択機構23(フィルタ駆動部16)を介して、絞り22dを光路L上に位置させる。この絞り22dには、赤外光カットフィルタ18が取り付けられておらず、その他の絞り22a〜22cには、赤外光カットフィルタ18が取り付けられていることから、ヘッドライト60が消灯状態から点灯状態とされた場合には、赤外光カットフィルタ18が光路L上から退避されることとなる。このとき、制御演算部15は、画像処理機構14の画像処理部20が生成した画像データ(YUV形式の画像データ)のうちの輝度情報(輝度データ(Y))のみをビデオエンコーダ21を介して出力するように画像処理機構14を制御する。
【0043】
さらに、制御演算部15は、照明スイッチSWに為された操作情報に基づいてヘッドライト60が消灯状態とされたと判断した場合には、絞り選択機構23(フィルタ駆動部16)を介して、絞り22a〜22cのうちの1つを光路L上に位置させる。これにより、ヘッドライト60が点灯状態から消灯状態とされた場合には、赤外光カットフィルタ18が光路L上に位置されることとなる。このとき、制御演算部15は、画像処理機構14の画像処理部20が生成した画像データ(YUV形式の画像データ)をビデオエンコーダ21を介して出力するように、すなわち輝度情報(輝度データ(Y))のみの出力をさせることなく全ての画像データ出力するように、画像処理機構14を制御する。
【0044】
ついで、制御演算部15は、照明スイッチSWに為された操作情報に基づいてヘッドライト60が点灯状態とされたと判断した場合であって、かつ絞り選択機構23(フィルタ駆動部16)を介して絞り22dを光路L上に位置させた場合であっても、フィルタ位置センサ19からの検出信号に基づいて赤外光カットフィルタ18が光路L上に位置されたままである、すなわち絞り22a〜22cのうちの1つが光路L上に位置していると判断した場合には、画像処理機構14の画像処理部20が生成した画像データ(YUV形式の画像データ)をビデオエンコーダ21を介して出力するように、すなわち輝度情報(輝度データ(Y))のみの出力とすることなく全ての画像データを出力するように、画像処理機構14を制御するとともに、利得調整部13が撮像素子12からの出力信号(アナログRGB画像信号)を所定の大きさに増幅するように利得調整部13を制御する。ここで、所定の大きさに増幅するとは、次のことをいう。
【0045】
赤外光カットフィルタ18は、赤外光領域の入射光の透過を阻みつつ可視光領域の入射光の透過を許すものではあっても、可視光領域の入射光の透過を100%許すものではない。この赤外光カットフィルタ18の特性の一例を図5に示す。図5に示すように、この例の赤外光カットフィルタ18は、入射光において可視光領域の約80%の透過を許すものである。このため、赤外光カットフィルタ18を透過することにより入射光の可視光領域であっても光量が損失されている(この例の場合約20%)こととなるので、少なくともこの損失分を補填するように撮像素子12からの出力信号(アナログRGB画像信号)を増幅する(この例の場合1.25倍)ことを、所定の大きさに増幅するという。なお、この所定の大きさに増幅する場合、少なくとも赤外光カットフィルタ18を透過することによる入射光の光量の損失分を補填することができればよいことから、それ以上に増幅してもよい。ところが、増幅率を大きくすると、モニタ52に表示される画像の劣化が考えられることから、当該画像の劣化と光量の損失の補填による画像の向上とを勘案して適宜設定することが望ましい。
【0046】
次に、この車載用撮像装置10における動作を図6に示すフローチャートに沿って説明する。なお、図6のフローチャートでは、ヘッドライト60が消灯状態とされると終了するものとされているが、車両Cの電動機器類が動作状態(例えば、アクセサリースイッチがON状態とされている)である間は、当該フローチャートが繰り返し実行されるものである。また、図6のフローチャートでは、絞り22a〜22cのうちの1つを光路L上に位置させることを、赤外光カットフィルタ18を光路L上に位置させることとし、絞り22dを光路L上に位置させることを、赤外光カットフィルタ18を光路L上から退避させることとしている。
【0047】
制御演算部15は、照明スイッチSWに為された操作情報に基づいてヘッドライト60が点灯状態とされたか否かを判断する(ステップS1)。点灯状態とされた場合(既に点灯状態である場合も含む)にはステップS2に進み、点灯状態とされていない場合(消灯状態である場合)には図6のフローチャートを終了する。
【0048】
制御演算部15は、ヘッドライト60が点灯状態であることから、絞り選択機構23(フィルタ駆動部16)に信号を出力して赤外光カットフィルタ18を光路L上から退避させる(ステップS2)。
【0049】
制御演算部15は、フィルタ位置センサ19からの検出信号に基づいて赤外光カットフィルタ18が光路L上に位置していないか否かを判断する(ステップS3)。赤外光カットフィルタ18が光路L上に位置していない場合にはステップS4に進み、赤外光カットフィルタ18が光路L上に位置している場合にはステップS8に進む。なお、ステップS3の場面において赤外光カットフィルタ18が光路L上に位置している場合というのは、制御演算部15が、赤外光カットフィルタ18を光路L上から退避させるべく絞り選択機構23(フィルタ駆動部16)を駆動した後の場面であることから、不測の事態が生じて赤外光カットフィルタ18が光路L上から退避しなかったこととなる。
【0050】
赤外光カットフィルタ18が光路L上に位置していないことから、制御演算部15は、画像処理機構14の画像処理部20が生成した画像データ(YUV形式の画像データ)のうちの輝度情報(輝度データ(Y))のみをビデオエンコーダ21を介して出力するように画像処理機構14を制御する(ステップS4)
制御演算部15は、照明スイッチSWに為された操作情報に基づいてヘッドライト60が消灯状態とされたか否かを判断する(ステップS5)。消灯状態とされた場合にはステップS6に進み、消灯状態とされていない場合(点灯状態である場合)にはステップS3に戻る。
【0051】
ヘッドライト60が消灯状態とされたことから、制御演算部15は、絞り選択機構23(フィルタ駆動部16)に信号を出力して赤外光カットフィルタ18を光路L上に位置させる(ステップS6)。
【0052】
それとともに、制御演算部15は、画像処理機構14の画像処理部20が生成した画像データ(YUV形式の画像データ)をビデオエンコーダ21を介して出力するように、すなわち輝度情報(輝度データ(Y))のみの出力を止めて全ての画像データ出力するように、画像処理機構14を制御する(ステップS7)。この後、図6のフローチャートを終了する。
【0053】
ステップS3において、赤外光カットフィルタ18が光路L上に位置している場合、制御演算部15は、利得調整部13が撮像素子12からの出力信号(アナログRGB画像信号)を所定の大きさに増幅するように利得調整部13を制御する(ステップS8)。ここで、画像処理機構14の画像処理部20が生成した画像データ(YUV形式の画像データ)のうちの輝度情報(輝度データ(Y))のみを画像処理部20が出力している場合には、制御演算部15は、画像処理機構14の画像処理部20が生成した画像データ(YUV形式の画像データ)をビデオエンコーダ21を介して出力するように、すなわち輝度情報(輝度データ(Y))のみの出力とすることなく全ての画像データ出力するように、画像処理機構14を制御する。
【0054】
制御演算部15は、照明スイッチSWに為された操作情報に基づいてヘッドライト60が消灯状態とされたか否かを判断する(ステップS9)。消灯状態とされた場合にはステップS10に進み、消灯状態とされていない場合(点灯状態である場合)にはステップS3に戻る。
【0055】
ヘッドライト60が消灯状態とされたことから、制御演算部15は、絞り選択機構23(フィルタ駆動部16)に信号を出力して赤外光カットフィルタ18を光路L上に位置させる(ステップS10)。なお、ステップS10の場面では、赤外光カットフィルタ18が既に光路L上に位置されてはいるが、不測の事態が生じて赤外光カットフィルタ18が光路L上から退避しなかった場面であることから、赤外光カットフィルタ18を光路L上に位置させるように絞り選択機構23(フィルタ駆動部16)を駆動させることが望ましいので、この工程(ステップS10)が設けられている。
【0056】
それとともに、制御演算部15は、利得調整部13が撮像素子12からの出力信号(アナログRGB画像信号)を所定の大きさに増幅することを止めるように、利得調整部13を制御する(ステップS11)。この後、図6のフローチャートを終了する。
【0057】
本発明に係る車載用撮像装置10では、車両の周辺の明るさに応じて切り換えられるヘッドライト60の状態(消灯状態であるか点灯状態であるか)に合わせて赤外光カットフィルタ18を光路L上に出入させるものであることから、入射光の光量に応じた適切な画像データを出力することができる。すなわち、入射光の光量が少ない場面では、赤外光カットフィルタ18を光路L上から退避させることから、撮像素子12への入射光を可視光領域のみならず赤外光領域も含ませることができるため、可視光領域のみの場合に比較して撮像素子12に入射する入射光の光量を増加させることができるので、撮像素子12、利得調整部13および画像処理機構14を経て生成される画像データをより鮮明なものとすることができる。
【0058】
特に、本実施例では、赤外光カットフィルタ18を光路L上から退避させた場合、生成した画像データ(YUV形式の画像データ)のうちの輝度情報(輝度データ(Y))のみを出力することから、モニタ52に表示される画像は、モノクロではあるが撮像素子12への入射光に赤外光領域が含まれることに起因して画像が不自然なものとなることを防止することができる。
【0059】
また、車載用撮像装置10では、一般に車両Cに標準装備されている照明スイッチSWに為された操作情報に基づいて赤外光カットフィルタ18を出入させるものであることから、入射光の光量が少ない場面であるか否かの判断のための新たな機構を設ける必要がないので、簡易な構成とすることができるとともに設置工程の煩雑化を防止しつつコストの上昇を抑制することができる。このことは、車載用撮像装置10が、車両Cが商品として出荷された後から取り付ける場合、設置するものを単品とすることができる等から特に有利である。
【0060】
さらに、車載用撮像装置10では、照明スイッチSWが車両Cの周辺が暗い場合に照明を点灯状態とすべく操作されるものであることから、赤外光カットフィルタ18を出入させるための新たな操作を運転手に強いることを防止することができる。このことは、安全運転の観点から特に好ましいことである。
【0061】
車載用撮像装置10では、例えばフィルタ駆動部16(絞り選択機構23)に不測の事態が生じる等により赤外光カットフィルタ18を光路L上から退避できなくなった場合であっても、当該赤外光カットフィルタ18の通過に起因する入射光の光量の低減を補うことができることから、モニタ52による車両Cの周辺の視認の補助の機能の消失を防止することができる。換言すると、車載用撮像装置10は、赤外光カットフィルタ18を光路L上から退避させることができなくなった場合に対する所謂フェールセーフ機能を有することとなる。
【0062】
車載用撮像装置10では、絞りの内径を覆うことができる大きさ寸法の赤外光カットフィルタ18を用いればよいことから、赤外光カットフィルタ18およびそれを出入させるフィルタ駆動部16(絞り選択機構23)を小さなものとすることができるので、装置自体の小型化が容易な構成とされている。
【0063】
車載用撮像装置10では、フィルタ駆動部16として絞り選択機構23を利用していることから、より簡易に実施することができる。
【0064】
したがって、本発明に係る車載用撮像装置10によれば、簡易な構成でありつつ入射光の光量に応じた適切な画像データを出力することができる。
【0065】
なお、上記した実施例では、ターレット式の絞り選択機構23をフィルタ駆動部16として利用するものであったが、このフィルタ駆動手段は赤外光カットフィルタ18を光路L上に出入させることができるものであればよく、上記した実施例に限定されるものではない。例えば、絞り22が固定されているもの、もしくは複数枚の板で内径寸法が可変に構成されたものである場合、当該絞り22に赤外光カットフィルタ18を取り付けると出入自在とすることができなくなるので、図7に示すように、絞り22(図3参照)とは独立してその近傍に赤外光カットフィルタ18を設け、この赤外光カットフィルタ18の出入のためにフィルタ駆動部16´を構成してもよい。このフィルタ駆動部16´は、赤外光カットフィルタ18を保持する保持腕部27と、この保持腕部27を所望の回転角度回動させるための回転駆動部28とを有する。保持腕部27は、赤外光カットフィルタ18から偏心した個所に回動軸29が設けられており、回転駆動部28が、回動軸29回りに保持腕部27を回動させる構成とされている。なお、この例では、フィルタ駆動部16´には、保持腕部27の回動を所定の角度位置で止めるように当該保持腕部27に当接する位置決めピン30が設けられている。このフィルタ駆動部16´であっても、上記した実施例のフィルタ駆動部16(絞り選択機構23)と同様に駆動制御することで、同様の効果を得ることができる。
【0066】
また、上記した実施例では、赤外光カットフィルタ18を光路L上から退避させた場合、生成した画像データ(YUV形式の画像データ)のうちの輝度情報(輝度データ(Y))のみを出力する構成とされていたが、生成した画像データ(YUV形式の画像データ)を出力するものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。しかしながら、入射光に赤外光領域が含まれることに起因する画像の不自然さを防止する観点から、輝度情報(輝度データ(Y))のみを出力する構成とすることが望ましい。
【0067】
さらに、上記した実施例では、赤外光カットフィルタ18を光路L上から退避できなくなった場合であっても、当該赤外光カットフィルタ18の通過に起因する入射光の光量の低減を補うべく撮像素子12からの出力信号(アナログRGB画像信号)を所定の大きさに増幅する構成とされていたが、これは必須のものではなく、当該構成をなくすこともできる。
【0068】
上記した実施例では、赤外光カットフィルタ18が絞り22に取り付けられてまたは近傍に設けられていたが、被写体から撮像素子12に至るまでの光路L上に出入されるものであれば、絞り22とは離間されていてもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0069】
上記した実施例では、絞り選択機構23の回転板24に設けられた4つの絞り22a〜22dにおいて、絞り22a〜22cに赤外光カットフィルタ18が取り付けられ、かつ絞り22dに赤外光カットフィルタ18が取り付けられていない構成とされていたが、赤外光カットフィルタ18を透過した場合(絞り22a〜22c)と、赤外光カットフィルタ18を透過しなかった場合(絞り22d)とで、焦点位置が変化するようであれば、絞り22dの開口に焦点位置を調整するためのダミーフィルタを設けてもよい。
【0070】
上記した実施例において、赤外光カットフィルタ18を光路L上から退避させるべく絞り選択機構23(フィルタ駆動部16)を駆動した後の場面であって、不測の事態が生じて赤外光カットフィルタ18が光路L上から退避しなかった場合(図6のフローチャートのステップS8参照)、制御演算部15が画像処理機構14に対して不測の事態が生じたことを報知する表示をさせる構成としてもよい。
【0071】
上記した実施例では、車両の周辺が暗い場合に点灯される照明のための照明スイッチ(照明スイッチSW)の例を示していたが、ナビゲーションシステム50において、車両の周辺の明るさに応じてモニタ52の表示の明るさを切り換えるための信号に応じて制御演算部15が赤外光カットフィルタ18を出入させるものであってもよく、上記した実施例に限定されるものではない。
【0072】
以上、本発明を実施例に基づき詳述してきたが、この具体的な構成に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明の技術的範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明に係る車載用撮像装置の一実施形態を模式的に示す説明図である。
【図2】車載用撮像装置の構成を示すブロック図である。
【図3】車載用撮像装置の撮影光学系の構成を示す模式的な説明図である。
【図4】フィルタ駆動手段としての絞り選択機構を説明するための模式的な説明図である。
【図5】赤外線カットフィルタの特性の一例を示すグラフである。
【図6】車載用撮像装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【図7】フィルタ駆動手段の他の一例を説明するための模式的な説明図である。
【符号の説明】
【0074】
10 車載用撮像装置
11 撮影光学系
12 撮像素子
14 (画像処理手段としての)画像処理機構
15 (制御演算手段としての)制御演算部
16 (フィルタ駆動手段としての)フィルタ駆動部
18 赤外光カットフィルタ
19 (フィルタ位置検知手段としての)フィルタ位置センサ
22 絞り
60 (照明としての)ヘッドライト
C 車両
L 光路
SW 照明スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像素子に結像させる撮影光学系と、前記撮像素子からの出力信号に基づいて画像データを生成し該画像データを出力可能な画像処理手段と、前記撮影光学系の光路上に赤外光カットフィルタを出入させるためのフィルタ駆動手段と、該フィルタ駆動手段および前記画像処理手段を駆動制御する制御演算手段とを備える車載用撮像装置であって、
前記制御演算手段は、搭載される車両の照明の切り換え操作のための照明スイッチに為された操作情報を取得可能とされ、前記照明が点灯状態とされると前記赤外光カットフィルタを前記光路上から退避させるべく前記フィルタ駆動手段を駆動させ、前記照明が消灯状態とされると前記赤外光カットフィルタを前記光路上に位置させるべく前記フィルタ駆動手段を駆動させることを特徴とする車載用撮像装置。
【請求項2】
前記制御演算手段は、前記照明が点灯状態であるとき、前記画像処理手段に前記画像データのうちの輝度信号のみを出力させることを特徴とする請求項1に記載の車載用撮像装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載用撮像装置であって、
さらに、前記赤外光カットフィルタが前記光路上にあるか否かを検知するフィルタ位置検知手段を備え、
前記制御演算手段は、前記フィルタ位置検知手段による検知情報を取得可能とされ、前記照明が点灯状態とされても前記赤外光カットフィルタが前記光路上にある場合には、前記画像処理手段による前記画像データのうちの輝度信号のみの出力をさせることなく、前記画像処理手段に前記赤外光カットフィルタの透過による光量の損失分を補填するように増幅した前記撮像素子からの出力信号に基づいて前記画像データを生成させ、当該前記画像データを出力させることを特徴とする車載用撮像装置。
【請求項4】
前記赤外光カットフィルタは、前記撮影光学系に設けられる絞りの近傍位置で前記光路上に位置されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の車載用撮像装置。
【請求項5】
前記撮影光学系は、内径寸法の異なる複数の前記絞りを有し、複数の該絞りの中から所望の1つの前記絞りが選択的に前記光路上に位置される構成とされ、
前記赤外光カットフィルタは、複数の前記絞りのうち、少なくとも1つを除く該絞りの内径個所を覆うように該絞りに取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の車載用撮像装置。
【請求項6】
前記制御演算手段は、前記照明スイッチにおいて手動により為された切り換え操作を取得可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車載用撮像装置。
【請求項7】
前記制御演算手段は、前記照明スイッチにおいて、前記車両の電装品を統括的に制御する制御部により為された切り換え操作を取得可能であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の車載用撮像装置。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−164683(P2009−164683A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−339263(P2007−339263)
【出願日】平成19年12月28日(2007.12.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】