説明

車載用電子機器

【課題】盗難を抑止することのできる車載用電子機器を提供する。
【解決手段】車両内に載置された装着部に対して着脱自在に装着される車載用電子機器において、認証情報が記憶された認証情報記憶部と、確認情報を入力する確認情報入力部と、入力された前記確認情報と前記認証情報とが一致するか否かを判定する判定部と、前記車載用電子機器が前記装着部から取り外されたことを検出する取り外し検出部と、前記車載用電子機器が前記装着部から取り外されたことが検出されてからの時間を計測する計測部と、前記確認情報と前記認証情報とが一致しないことが前記判定部により判定され、且つ、前記計測部により計測された計測時間が所定時間を経過すると警報を出力する警報機能起動部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に載置された装着部に対し着脱自在に装着される車載用電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両のダッシュボード等に装着されて着脱自在に構成される、PND(Portable Navigation Device)として知られるポータブルナビゲーション装置がある。ポータブルナビゲーション装置は、車両に搭載した場合には、ユーザに車両の走行経路を案内することができ、また、車両から取り外してユーザが所持する場合には、歩行者であるユーザに歩行経路を案内することができる。
【0003】
ところで、ポータブルナビゲーション装置は、車両から取り外し自在であるため、正規のユーザ以外の者によって盗難されることが懸念される。そこで、ポータブルナビゲーション装置の使用時において、ユーザにパスワードの入力を要求することにより、正規のユーザ以外の使用を禁止するようにしたものがある。
【0004】
しかしながら、パスワードが盗まれてしまうと、盗難防止の抑止効果を発揮することができなくなってしまう。また、正規のユーザであっても、常にパスワードを入力しなければならないため、非常に煩わしいものとなっている。
【0005】
そこで、このような課題を解決可能なものとして、下記特許文献1(特開2010―79929号公報)では、ポータブルナビゲーション装置である車載用電子機器に対して、通信によって接続される盗難検知装置を備え、前記盗難検知装置が、車載用電子機器から送信された車載用電子機器の固有のコード番号と、ユーザが入力したパスワードとを管理するデータベースを備え、前記盗難検知装置において車載用電子機器の盗難を監視するように構成した盗難検知装置を提案している。
【0006】
この盗難検知装置によれば、車載用電子機器自体でパスワードを管理していないため、万が一、車載用電子機器が盗難にあったとしても、パスワードが盗まれてしまう、といった不具合が生じることはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010―79929号公報(段落[0006]〜[0008])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示された発明によれば、車載用電子機器が盗難されたか否かを監視することはできるが、機器自体の盗難を根本的に回避できるものではない。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解消することを課題とするものであり、車両の装着部に対して着脱自在な車載用電子機器において、前記車載用電子機器の盗難を効果的に抑止することのできる車載用電子機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、車両内に載置された装着部に対して着脱自在に装着される車載用電子機器において、認証情報が記憶された認証情報記憶部と、確認情報を入力する確認情報入力部と、入力された前記確認情報と前記認証情報とが一致するか否かを判定する判定部と、前記車載用電子機器が前記装着部から取り外されたことを検出する取り外し検出部と、前記車載用電子機器が前記装着部から取り外されたことが検出されてからの時間を計測する計測部と、警報を出力する警報機能起動部と、を備え、前記警報機能起動部は、前記確認情報と前記認証情報とが一致しないことが前記判定部により判定され、且つ、前記計測部により計測された計測時間が所定時間を経過すると警報を出力することを備えることを特徴とする。
【0011】
本願の請求項2にかかる発明は、請求項1記載の車載用電子機器において、前記確認情報入力部は、生体情報が入力される生体情報入力部であり、前記判定部は、前記生体情報と前記認証情報とを比較することを特徴とする。
【0012】
本願の請求項3にかかる発明は、請求項1又は2に記載の車載用電子機器において、前記車載用電子機器の現在位置を検出する現在位置検出部と、検出された前記現在位置に従って経路案内を行うナビゲーション処理部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1にかかる発明においては、車両内に載置された装着部に対して着脱自在に装着される車載用電子機器において、認証情報が記憶された認証情報記憶部と、確認情報を入力する確認情報入力部と、入力された前記確認情報と前記認証情報とが一致するか否かを判定する判定部と、前記車載用電子機器が前記装着部から取り外されたことを検出する取り外し検出部と、前記車載用電子機器が前記装着部から取り外されたことが検出されてからの時間を計測する計測部と、警報を出力する警報機能起動部と、を備え、前記警報機能起動部は、前記確認情報と前記認証情報とが一致しないことが前記判定部により判定され、且つ、前記計測部により計測された計測時間が所定時間を経過すると警報を出力する。
【0014】
このように構成することにより、ユーザから取得した確認情報と、認証情報記憶部に記憶されている認証情報とを比較し、ユーザが正規ユーザであるか否かを判定し、車載用電子機器が車両の装着部から取り外されたことを検出した際、正規ユーザでない場合には、警報機能を起動させることで盗難を抑止し、正規ユーザの場合には通常モードで車載用電子機器を使用することができる。この結果、車載用電子機器の盗難を効果的に抑止することができる。
【0015】
請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、ユーザから取得する確認情報を、ユーザの生体情報とすることにより、車載用電子機器が車両の装着部から取り外された際、正規ユーザが確認情報を入力する手間を省き、正規ユーザであるか否かを判定することができる。
【0016】
請求項3にかかる発明においては、請求項1又は2にかかる発明において、正規ユーザは、車載用電子機器を用いて、現在位置に従った経路案内のサービスを受けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施例にかかる車両に搭載されるナビゲーション装置の説明図である。
【図2】本発明の実施例1にかかるナビゲーション装置の構成ブロック図である。
【図3】本発明の実施例1にかかるナビゲーション装置の動作フローチャートである。
【図4】本発明の実施例2にかかるナビゲーション装置の構成ブロック図である。
【図5】本発明の実施例2にかかるナビゲーション装置の動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の車載用電子機器にも等しく適応し得るものである。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明の実施例1にかかる車両に搭載されるナビゲーション装置10の説明図である。ナビゲーション装置10は、例えば、車両のダッシュボード11の上面に固定されたクレードル12(装着部)に装着され、経路案内等を行うことにより、車両の走行を支援することができる。この場合、ナビゲーション装置10の下面部には、ナビゲーション装置10がクレードル12に装着されているか否かを検出する装着検出部13が配設される。装着検出部13は、ナビゲーション装置10の下面部に設けられ、ナビゲーション装置10がクレードル12に装着/脱着されるのに伴い機械的にON、OFFされるスイッチと、スイッチのON/OFF動作に伴い発生する信号に基づきナビゲーション装置10がクレードル12に装着されているか否かを判定する装着判定部とから構成されており、装着検出部13は、本願発明における取り外し検出部として機能する。クレードル12から取り外されたナビゲーション装置10は、ユーザが所持するPND(Portable Navigation Device)として経路案内等を行うことにより、ユーザの歩行を支援することができる。
【0020】
図2は、本発明の実施例1にかかるナビゲーション装置10の構成ブロック図である。
【0021】
ナビゲーション装置10は、制御部14、認証情報記憶部15、現在位置検出部16、ジャイロスコープ17、加速度センサ18、地図情報記憶部19、装着検出部13、計時部20、入力操作部22、表示部23およびスピーカ24を含んで構成される。
【0022】
制御部14は、CPU25、ROM26およびRAM27を備えて構成されており、ROM26及び/又はRAM27に記憶された制御プログラムをCPU25が実行することにより、下記に説明する各部の動作を制御・統括する。CPU25は各種の制御プログラムを実行することで、ユーザ判定部28、警報機能起動部29、ナビゲーション処理部30および表示制御部31として機能するものである。
【0023】
認証情報記憶部15は、ナビゲーション装置10の使用を正規ユーザにのみ許可するための認証パスワードが認証情報として記憶されている記憶媒体である。なお、認証パスワードは、ナビゲーション装置10の工場出荷時に設定されるものでもよく、または、購入後に正規ユーザにより設定変更され認証情報記憶部15に記憶されるものでもよい。
【0024】
現在位置検出部16は、地球上空を周回している複数のGPS衛星からの信号を所定の時間間隔で受信し、この信号に含まれている時刻情報及び衛星位置情報を制御部14におけるナビゲーション処理部30に出力するものであり、ナビゲーション処理部30は、受信した時刻情報及び衛星位置情報に基づいてナビゲーション装置10の現在位置(ナビゲーション装置10が搭載された車両の現在位置)を算出する。
【0025】
ジャイロスコープ17は、ナビゲーション装置10の角度(方向)や角速度に関する信号をナビゲーション処理部30に出力し、加速度センサ18は、ナビゲーション装置10の加速度に関する信号をナビゲーション処理部30に出力し、ナビゲーション処理部30は、これらジャイロスコープ17及び加速度センサ18からの信号に基づき現在位置を算出することもできる。
【0026】
また、ナビゲーション処理部30は、現在位置検出部16より出力されたGPS衛星からの時刻情報及び衛星位置情報信号と、ジャイロスコープ17及び加速度センサ18から出力された信号を複合して現在位置を算出することもできる。
【0027】
地図情報記憶部19は、地図情報が記憶された記憶媒体である。地図情報記憶部19に記憶された地図情報は、道路データ、建物データ、背景データ及びテキストデータから構成される。道路データは、道路をその屈曲点、分岐点等の結節点をノードとするノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとしたリンクデータとから構成される。ノードデータは、ノード番号、ノードの位置座標、交差点情報や交差点名称を示す情報等のノード属性、接続リンク本数、接続リンク番号のデータを含んで構成される。リンクデータは、リンクの始点及び終点となるノード番号、高速道路や一般道や街路等を区別するための道路種別、それぞれの道路の本線や連結路、分岐路を区別するための道路種別、距離及び/または所要時間、国道○号線のような道路名称、進行方向のデータを含んで構成される。リンクデータには、上記に加えて、リンク属性として、橋、トンネル、踏切、料金所等のデータが付与される。建物データは、建物の位置座標、駅、ビル、民家等の建物の種別、表示色のデータを含んで構成される。背景データは、海岸線、湖沼、河川形状、山林等の背景画像データとなる位置座標、表示色のデータを含んで構成される。テキストデータは、それぞれの地名や河川名等の文字(名称)、及びその座標のデータを含んで構成される。
【0028】
装着検出部13は、ナビゲーション装置10が車両のダッシュボード11の上面に固定されたクレードル12(装着部)に装着されているか否かを検出するものであり、上述したとおり、ナビゲーション装置10の下面部に設けられ、ナビゲーション装置10がクレードル12に装着/脱着されるのに伴い機械的にON、OFFされるスイッチと、スイッチのON/OFF動作に伴い発生する信号に基づきナビゲーション装置10がクレードル12に装着されているか否かを判定する装着判定部とから構成されている。
【0029】
計時部20は、時間を計測するための手段であり、制御部14は、計時部20を制御することで、ナビゲーション装置10がクレードル12から取り外された時点からの時間を計測する。
【0030】
入力操作部22は、ナビゲーション装置10の各種操作、例えば、経路探索のための出発地、目的地、経由地等の経路探索条件の入力に用いられる手段、パスワードの入力に用いられる手段等として機能するものであり、例えば、キーやタッチパネルから構成される。
【0031】
表示部23は、CPU25を構成する表示制御部32の制御に従い、ナビゲーション装置10の現在位置、地図画像、案内経路等が表示される手段、入力操作部22を用いた作業に必要な操作画像が表示される手段であり、また、表示部23は、表面にタッチパネルセンサを設けることで、パスワードの入力指示に用いられる手段としても機能するものであり、例えば、液晶表示パネルから構成される。スピーカ24は、経路案内情報にかかる音声情報を出力する手段である。
【0032】
制御部14のCPU25を構成するユーザ判定部28は、入力操作部22もしくは表示部23(タッチセンサ)から入力された確認情報であるパスワードと、認証情報記憶部15に記憶された認証情報である認証パスワードとを比較し、前記パスワードを入力したユーザが正規ユーザであるか否かを判定する手段である。
【0033】
CPU25の制御プログラムである警報機能起動部29は、ユーザ判定部28が、前記パスワードを入力したユーザが正規ユーザでないものと判定し、且つ、計時部20による計測に基づき、制御部14が、ナビゲーション装置10がクレードル12から取り外されてから所定時間経過したと判定したとき、表示部23およびスピーカ24を制御して警報を出力させる手段である。
【0034】
ナビゲーション処理部30は、現在位置検出部16、または、ジャイロスコープ17および加速度センサ18から出力された信号と、入力操作部22を介してユーザにより入力された経路探索条件と、地図情報記憶部19に記憶されている地図情報とに基づき、最適な経路(案内経路)を探索する手段である。ナビゲーション処理部30は、出発地または現在位置に対応する道路のノードから目的地に対応するノードに至るまでのリンクをダイクストラ法等の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間を累積し、総リンク長(走行距離)または総所要時間が最短となる経路を案内経路として探索する。なお、ナビゲーション処理部30は、外部の情報提供サーバから通信手段を介して地図情報を取得し、経路探索を行うものであってもよい。また、地図情報とともにナビゲーション処理部30を外部の情報提供サーバに設置し、ナビゲーション装置10が外部から案内経路を取得するように構成することもできる。
【0035】
表示制御部31は、探索された経路を表示部23に表示する制御を行うとともに、パスワード入力画面等、作業に必要な操作画面を表示部23に表示する制御を行う。
【0036】
次に、以上のように構成されるナビゲーション装置10の動作を、図3に示すフローチャートに従って説明する。
【0037】
ナビゲーション装置10が車両のダッシュボード11の上面に固定されたクレードル12(装着部)に装着されている状態において、ユーザが車両に乗車し、例えば、エンジンの始動操作を行うことでナビゲーション装置10の電源がONになると(ステップS101:YES)、ナビゲーション装置10は、通常モードとなる(ステップS110)。この通常モードとは、制御部14が、ユーザが操作部22を介して行う種々の操作指示を受け付け可能な状態とすることであり、例えば、ユーザにより、入力操作部22を介して経路探索条件が入力された場合、ナビゲーション処理部30は、現在位置検出部16から出力された信号に基づき算出したナビゲーション装置10の現在位置、または、ジャイロスコープ17、加速度センサ18から出力された信号に基づき算出した現在位置に従い、所望の目的地までの経路を探索し、表示制御部31は、表示部23にその案内経路を表示させる。ユーザは、表示された案内経路に従い、車両を目的地まで移動させることができる。
【0038】
車両が目的地に到達し、エンジンの動作が停止されると、ナビゲーション装置10の電源もOFFとなり(ステップS111:YES)、全ての処理が終了する。
【0039】
一方、ステップS101において、ナビゲーション装置10の電源がONにならないときは、車両のエンジンが始動されていないか、またはナビゲーション装置10がクレードル12から取り外された場合である。
【0040】
装着検出部13が、ナビゲーション装置10がクレードル12から取り外されたことを検出すると(ステップS102:YES)、ナビゲーション装置10の電源がONとなり、制御部14は、計時部20を制御して、その時点(装着検出部13が、ナビゲーション装置10がクレードル12から取り外されたことを検出した時点)からの時間の計測を開始する(ステップS103)。
【0041】
なお、ナビゲーション装置10がOFFの状態で、ナビゲーション装置10がクレードル12から取り外されたことを検出するために、装着検出部13等ナビゲーション装置10がクレードル12から取り外されたことを検出するのに必要な構成部にはナビゲーション装置10がOFFの状態であっても常時給電されているものとする。このように車両のエンジンがOFFの状態では、ナビゲーション装置10に内蔵されたバッテリ(図示せず)から給電されるものとする。
【0042】
ステップS104において、表示制御部31は、表示部23にパスワードの入力画面を表示させるとともに、必要に応じて、スピーカ24を駆動し、例えば、「パスワードを入力してください」というアナウンスを出力する。
【0043】
ここで、ユーザがパスワードを入力すると(ステップS105:YES)、ユーザ判定部28は、入力されたパスワードと、認証情報記憶部15に記憶されている認証パスワードとを比較し、比較の結果、入力されたパスワードと認証情報記憶部15に記憶されている認証パスワードが一致した場合(ステップS108:YES)、制御部14は、ナビゲーション装置10を通常モードとする(ステップS110)。この場合、正規ユーザは、ナビゲーション装置10を使用することができる。また、正規ユーザでない場合であっても、例えば、正規ユーザからパスワードを教えてもらったユーザは、当該ナビゲーション装置10を正規ユーザと同様にして使用することができる。
【0044】
また、比較の結果、入力されたパスワードと認証情報記憶部15に記憶されている認証パスワードが一致しない場合は(ステップS108:NO)、ステップS109の処理において、パスワードの入力回数が所定回数内であるか否かを判定し、入力が所定回数内である場合は(ステップS109:NO)再びステップS108の処理へ戻り認証情報記憶部15に記憶されている認証パスワードとを比較を行う。一方、パスワードを所定回数以上(例えば、4回以上)入力しても、認証パスワードと一致しない場合(ステップS109:YES)、警報機能起動部29は、当該ユーザが、例えば、窃盗等の不適切なユーザであるものと判断し、表示部23およびスピーカ24を駆動して表示部23には警告表示を行い、スピーカ24からは警報ブザーを出力する(ステップS107)。この場合、ナビゲーション装置10は、通常モードで使用できない状態、すなわち、ナビゲーション装置10に対するあらゆる操作も受け付けない状態となるので、当該ユーザは、ナビゲーション装置10を利用することができないだけでなく、警報機能が起動されているため、発令された警報により、ナビゲーション装置10が盗難状態にあることが周囲に知られることになる。
【0045】
また、ステップS104において、表示部23にパスワード画面が表示されてから、所定時間経過しても、パスワードが入力されない場合(ステップS105:NO、ステップS106:YES)、警報機能起動部29は、ナビゲーション装置10をクレードル12から取り外した当該ユーザが、例えば、窃盗等の不適切なユーザであるものと判断し、表示部23およびスピーカ24を駆動して表示部23には警告表示を行い、スピーカ24からは警報ブザーを出力する(ステップS107)。従って、この場合においても、当該ユーザは、ナビゲーション装置10を利用することができないだけでなく、警報機能が起動されているため、発令された警報により、ナビゲーション装置10が盗難状態にあることが周囲に知られることになる。
【0046】
以上のように、本実施例のナビゲーション装置10では、不適切なユーザがナビゲーション装置10をクレードル12から取り外した場合には、警報機能が起動される一方、認証パスワードに一致するパスワードを入力した正規ユーザに対しては、ナビゲーション装置10を通常通り利用できるように設定される。これにより、ナビゲーション装置10の盗難が抑止される一方、正規ユーザは、ナビゲーション装置10をクレードル12から取り外して使用することができる。
【0047】
なお、入力されたパスワードが認証パスワードに一致しない場合、または、ナビゲーション装置10がクレードル12から取り外された後、所定時間内にパスワードが入力されない場合、外部の管理サーバに対して盗難状態にあることを示す盗難情報を送信するとともに、現在位置検出部16によって検出された位置情報、時刻情報等のログを送信する。そして、正規ユーザから管理サーバに盗難に関する問い合わせがあった際、盗難情報および位置情報を含むログを提供することにより、ナビゲーション装置10の早期発見を実現することが可能となる。
【0048】
なお、上記実施例におけるステップS107の処理において、表示部23およびスピーカ24を駆動して表示部23には警告表示を行い、スピーカ24からは警報ブザーを出力すると説明したが、この警告表示及び警報ブザーは、例えば、ナビゲーション装置10の内蔵バッテリが無くなるまで続けることで、よりナビゲーション装置10が盗難状態にあることを周囲に知らせることができる。
【実施例2】
【0049】
図4は、車両に搭載される本発明の実施例2にかかるナビゲーション装置50の構成ブロック図である。ナビゲーション装置50は、実施例1のナビゲーション装置10に対して、生体情報入力部21を付加したものである。その他の構成要素は、ナビゲーション装置10と同じであり、同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0050】
認証情報記憶部15は、生体情報入力部21から入力される当該ナビゲーション装置50の正規ユーザの生体情報と、入力操作部22から入力され、ナビゲーション装置50の使用を正規ユーザにのみ許可するための認証パスワードとが認証情報として記憶される記憶媒体である。なお、生体情報は、ナビゲーション装置10を購入した際に、正規ユーザから取得して認証情報記憶部15に記憶される。
【0051】
生体情報入力部21は、ナビゲーション装置50を操作し、または、ナビゲーション装置50に近接したユーザの生体情報を取得する手段である。生体情報としては、例えば、ユーザの指紋情報、声紋情報、顔情報等、ユーザを特定できる情報とすることができる。
【0052】
制御部14のCPU25を構成するユーザ判定部28は、生体情報入力部21から入力された確認情報であるユーザの生体情報、または、入力操作部22もしくは表示部23(タッチセンサ)から入力された確認情報であるパスワードと、認証情報記憶部15に記憶された認証情報である正規ユーザの生体情報または認証パスワードとを比較し、前記確認情報を入力したユーザが正規ユーザであるか否かを判定する手段である。
【0053】
CPU25の制御プログラムである警報機能起動部29は、ユーザ判定部28が、前記確認情報を入力したユーザが正規ユーザでないものと判定し、且つナビゲーション装置10がクレードル12から取り外されたことを検出してから所定時間経過したと判定したとき、表示部23およびスピーカ24を制御して警報を出力する手段である。
【0054】
次に、以上のように構成されるナビゲーション装置50の動作を、図5に示すフローチャートに従って説明する。
【0055】
ユーザが車両に乗車し、例えば、エンジンの始動操作を行うことでナビゲーション装置50の電源がONになると(ステップS201:YES)、ナビゲーション装置10は、通常モードとなる(ステップS212)。なお、通常モードが如何なるモードであるかについては上述したとおりであるためここでの説明は省略する。
【0056】
車両が目的地に到達し、エンジンの動作が停止されると、ナビゲーション装置50の電源もOFFとなり(ステップS213:YES)、全ての処理が終了する。
【0057】
一方、ステップS201において、ナビゲーション装置10の電源がOFFであり、装着検出部13が、ナビゲーション装置50がクレードル12から取り外されたことを検出すると(ステップS202:YES)、ナビゲーション装置10の電源がONとなり、制御部14は、計時部20を制御して、その時点からの時間の計測を開始する(ステップS203)。
【0058】
そこで、先ず、生体情報入力部21は、ナビゲーション装置50を取り外したユーザの生体情報を取得し、ユーザ判定部28は、取得した生体情報と、認証情報記憶部15に記憶されている正規ユーザの生体情報とを比較する生体認証を行う(ステップS204)。
【0059】
なお、生体情報を取得するために、例えば、ユーザ判定部28は、スピーカ24を駆動させ、ユーザに対して表示部23に配設したタッチセンサへの指等の接触を促す案内を出力し、この案内に基づきユーザが表示部23に配設したタッチセンサに指等を接触させることで生体情報(指紋)を取得することができる。また生体情報は指紋に限るものではなく、上述したとおり声紋情報や顔情報でもよく、声紋情報を取得するために、ユーザ判定部28は、スピーカ24を駆動させユーザに対して発声を促す案内を出力し、この案内に基づきユーザが発声した場合、ナビゲーション装置50に設けられた図示しないマイクロフォンを介して発声されたユーザの音声が入力され、入力された該音声に基づきユーザ判定部28は、正規ユーザの生体情報(声紋)であるか否かを判定する。また、顔情報を取得するためには、ナビゲーション装置50に図示しない撮影手段を設ける必要があり、ユーザ判定部28は、ユーザの顔を撮影手段で撮影するため、スピーカ24を駆動させユーザに対して撮影手段にて撮影可能な位置(撮影範囲)にユーザの顔を移動させるよう案内を出力し、この案内に基づきユーザの顔が撮影可能な位置に移動されたと判定すると撮影手段を制御して撮影を行い、これにより生体情報(顔情報)を取得することができる。なお、撮影手段による撮影は、ユーザの顔が撮影可能な位置にあると判定したときに自動的に撮影してもよく、またユーザによる撮影ボタン(図示せず)の操作を検知したとき撮影するようにしてもよい。
【0060】
また、生体情報を取得するためにユーザに対して出力する案内は表示部23への表示により案内することもでき、またスピーカ24を介して行う案内と表示部23への表示による案内の両方を行うようにしてもよい。
【0061】
生体認証の結果、当該ユーザが正規ユーザであると認証されると(ステップS205:YES)、制御部14は、ナビゲーション装置10を通常モードとする(ステップS212)。
【0062】
この場合、正規ユーザは、パスワードを入力するような煩わしさを被ることなく、クレードル12から取り外したナビゲーション装置50を操作して経路探索を行わせ、例えば、表示された経路案内に従い、所望の目的地に移動することができる。
【0063】
一方、ステップS204における生体認証の結果、当該ユーザが正規ユーザでない場合(ステップS205:NO)、表示制御部31は、表示部23にパスワードの入力画面を表示させるとともに(ステップS206)、必要に応じて、スピーカ24を駆動し、例えば、「パスワードを入力してください」というアナウンスを出力する。
【0064】
そこで、ユーザがパスワードを入力すると(ステップS207:YES)、ユーザ判定部28は、入力されたパスワードと、認証情報記憶部15に記憶されている認証パスワードとを比較する。比較の結果、入力されたパスワードと認証情報記憶部15に記憶されている認証パスワードが一致した場合(ステップS210:YES)、制御部14は、ナビゲーション装置10を通常モードとする(ステップS212)。この場合、正規ユーザは、ナビゲーション装置10を使用することができる。また、正規ユーザでない場合であっても、例えば、正規ユーザからパスワードを教えてもらったユーザは、当該ナビゲーション装置10を正規ユーザと同様にして使用することができる。
【0065】
また、比較の結果、入力されたパスワードと認証情報記憶部15に記憶されている認証パスワードが一致しない場合は(ステップS210:NO)、ステップS211の処理において、パスワードの入力回数が所定回数内であるか否かを判定し、入力が所定回数内である場合は(ステップS211:NO)再びステップS210の処理へ戻り認証情報記憶部15に記憶されている認証パスワードとを比較を行う。一方、パスワードを所定回数以上(例えば、4回以上)入力しても、認証パスワードと一致しない場合(ステップS211:YES)、警報機能起動部29は、当該ユーザが、例えば、窃盗等の不適切なユーザであるものと判断し、表示部23およびスピーカ24を駆動して表示部23には警告表示を行い、スピーカ24からは警報ブザーを出力する(ステップS209)。この場合、ナビゲーション装置10は、通常モードで使用できない状態、すなわち、ナビゲーション装置10に対するあらゆる操作も受け付けない状態とするので、当該ユーザは、ナビゲーション装置10を利用することができないだけでなく、警報機能が起動されているため、発令された警報により、ナビゲーション装置10が盗難状態にあることが周囲に知られることになる。
【0066】
また、ステップS104において、表示部23にパスワード画面が表示されてから、所定時間経過しても、パスワードが入力されない場合(ステップS207:NO、ステップS208:YES)、警報機能起動部29は、ナビゲーション装置10をクレードル12から取り外した当該ユーザが、例えば、窃盗等の不適切なユーザであるものと判断し、表示部23およびスピーカ24を駆動して表示部23には警告表示を行い、スピーカ24からは警報ブザーを出力する(ステップS209)。従って、この場合においても、当該ユーザは、ナビゲーション装置10を利用することができないだけでなく、警報機能が起動されているため、発令された警報により、ナビゲーション装置10が盗難状態にあることが周囲に知られることになる。
【0067】
以上のように、本実施例のナビゲーション装置50では、不適切なユーザがナビゲーション装置10をクレードル12から取り外した場合には、警報機能が起動される一方、正規ユーザに対しては、ナビゲーション装置50を通常モードで利用できるように設定される。しかも、生体認証を用いて正規ユーザであるか否かを判断することにより、正規ユーザがパスワードを入力する煩わしさがなく、ナビゲーション装置50をクレードル12から取り外すだけで使用することができる。
【0068】
なお、実施例1と同様に、入力された確認情報が正規ユーザの生体情報または認証パスワードと一致しない場合、または、ナビゲーション装置50がクレードル12から取り外された後、所定時間内にパスワードが入力されない場合、外部の管理サーバに対して盗難状態にあることを示す盗難情報を送信するとともに、現在位置検出部16によって検出された位置情報、時刻情報等のログを送信する。そして、正規ユーザから管理サーバに盗難に関する問い合わせがあった際、盗難情報および位置情報を含むログを提供することにより、ナビゲーション装置50の早期発見を実現することが可能となる。
【0069】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。
【0070】
例えば、ナビゲーション装置10、50がクレードル12から取り外されたことを検出する取り外し検出部としては、機械的にON、OFFされるスイッチを有する装着検出部13に限られるものではなく、近接スイッチ等の非接触型のスイッチを有する装着検出部13としてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10、50・・・ナビゲーション装置
11・・・ダッシュボード
12・・・クレードル
13・・・装着検出部
14・・・制御部
15・・・認証情報記憶部
16・・・現在位置検出部
17・・・ジャイロスコープ
18・・・加速度センサ
19・・・地図情報記憶部
20・・・計時部
21・・・生体情報入力部
22・・・入力操作部
23・・・表示部
24・・・スピーカ
25・・・CPU
26・・・ROM
27・・・RAM
28・・・ユーザ判定部
29・・・警報機能起動部
30・・・ナビゲーション処理部
31・・・表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両内に載置された装着部に対して着脱自在に装着される車載用電子機器において、
認証情報が記憶された認証情報記憶部と、
確認情報を入力する確認情報入力部と、
入力された前記確認情報と前記認証情報とが一致するか否かを判定する判定部と、
前記車載用電子機器が前記装着部から取り外されたことを検出する取り外し検出部と、
前記車載用電子機器が前記装着部から取り外されたことが検出されてからの時間を計測する計測部と、
警報を出力する警報機能起動部と、
を備え、
前記警報機能起動部は、前記確認情報と前記認証情報とが一致しないことが前記判定部により判定され、且つ、前記計測部により計測された計測時間が所定時間を経過すると警報を出力することを備えることを特徴とする車載用電子機器。
【請求項2】
前記確認情報入力部は、生体情報が入力される生体情報入力部であり、前記判定部は、前記生体情報と前記認証情報とを比較することを特徴とする請求項1記載の車載用電子機器。
【請求項3】
現在位置を検出する現在位置検出部と、
検出された前記現在位置に従って経路案内を行うナビゲーション処理部と、
を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車載用電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−236501(P2012−236501A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106791(P2011−106791)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】