説明

車載表示機器

【課題】車両のハンドル仕様に関わらず、車両走行中のドライバーへの表示を規制することができる車載表示機器を提供する。
【解決手段】車両仕様・素性情報のコードを記憶するECU2からその車両仕様・素性情報のコードを取得し、その取得した車両仕様・素性情報のコードから車両の仕向け情報を判別する。この判別した仕向け情報により、車両のハンドル仕様が把握できるため、この仕向け情報を元に車両のD席から、表示された映像を見ることのできる表示部を特定し、その特定した表示部については、所定の映像ソースの選択、あるいは、その所定の映像ソースへの切り替えを禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車などの車両に搭載された表示機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に開示されているように、複数の表示部を備えた車載用電子機器において、状態検出手段の検出するウィンカー情報、ブレーキ情報、ギヤ情報、ハンドル情報、車速情報、シートベルト情報、音情報、ガソリン量が一定以下となる情報に基づいて複数の表示部の中から少なくとも1つの表示部を選択し、その選択した表示部に対しデータソースから選択されたデータを表示させる。
【特許文献1】特開2006−71418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来技術のように、車室内に複数の表示部を備えた表示機器、または表示部が複数の表示領域に分割され、その表示領域毎に異なる映像ソースを表示させる表示機器、あるいは表示部に対してユーザが見る方向(視角方向)によって異なる映像ソースを表示させる表示機器を自動車などの車両に搭載して使用する場合、車両走行中においては、安全上、ドライバーの運転への集中力・周辺確認などを妨げるような映像ソース(例えば、TV映像やDVD映像などのエンターテーメント系の映像ソース)は、ドライバーが運転中に見ることが出来ないように、映像ソースの表示を制限する仕組みが必要となる。
【0004】
しかしながら、上記従来技術では、車両走行中のドライバーへの表示を規制するものではないため、ドライバーは運転走行中であっても、エンターテーメント系の映像ソースを見ることが出来てしまう問題があり、安全性が十分に考慮されていない。
【0005】
さらに、ドライバーの着座位置はハンドル仕様(右ハンドル仕様か、左ハンドル仕様か)によって異なるが、上記従来技術の状態検出手段の検出する各種の情報からはハンドル仕様が判別できないため(言い換えれば、ドライバーから見ることができる表示画面を判別することができないため)、この点においても、車両走行中のドライバーへの表示を規制することができない。
【0006】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたもので、車両のハンドル仕様に関わらず、車両走行中のドライバーへの表示を規制することができる車載表示機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の車載表示機器は、複数の表示部の各々の表示方向が異なるように車両の室内に配置され、表示部毎の映像ソースの切り替えを行う切り替え制御手段を備えるものにおいて、
車両の仕様情報を記憶する車載装置から仕様情報を受信する情報受信手段と、
情報受信手段の受信した仕様情報から、車両の仕向け情報を判別する仕向け情報判別手段と、
仕向け情報判別手段の判別した仕向け情報を元に、複数の表示部のうち、車両のドライバー席から、表示された映像を見ることのできる表示部を特定する表示部特定手段と、を備え、
切り替え制御手段は、表示部特定手段の特定した表示部について、所定の映像ソースへの切り替えを禁止する禁止手段を備えることを特徴とする。
【0008】
車両のハンドル仕様は仕向け地域や仕向け国によって異なるため、ドライバー席の位置も仕向け地域や仕向け国によって変わることになる。そこで、本発明の車載表示機器では、車両の仕様情報を記憶する車載装置からその仕様情報を取得し、その取得した仕様情報から車両の仕向け情報を判別する。この判別した仕向け情報により、車両のハンドル仕様が把握できるため、この仕向け情報を元に車両のドライバー席から、表示された映像を見ることのできる表示部を特定し、その特定した表示部については、所定の映像ソースへの切り替えを禁止する。
【0009】
これにより、仕向け地域毎に品種・品番・機種設定していた車載表示機器の仕様差を吸収し、仕向け地域・仕向け国を問わず、全て共通の品種・品番・機種とすることができる。その結果、車両のハンドル仕様に関わらず、車両走行中のドライバーへの表示規制を対象とした映像ソースの選択・切り替えが可能となる。
【0010】
請求項2に記載の車載表示機器は、表示部の表示領域が複数に分割され、その分割された表示領域の各々の表示方向が異なるように車両の室内に配置され、表示領域毎の映像ソースの切り替えを行う切り替え制御手段を備えるものにおいて、
車両の仕様情報を記憶する車載装置から仕様情報を受信する情報受信手段と、
情報受信手段の受信した仕様情報から、車両の仕向け情報を判別する仕向け情報判別手段と、
仕向け情報判別手段の判別した仕向け情報を元に、複数の表示領域のうち、車両のドライバー席から、表示された映像を見ることのできる表示領域を特定する表示領域特定手段と、を備え、
切り替え制御手段は、表示領域特定手段の特定した表示領域について、所定の映像ソースへの切り替えを禁止する禁止手段を備えることを特徴とする。
【0011】
このように、仕向け判別手段の判別した仕向け情報によって、車両のハンドル仕様が把握できるため、この仕向け情報を元に車両のドライバー席から、表示された映像を見ることのできる表示領域を特定し、その特定した表示領域については、所定の映像ソースへの切り替えを禁止する。その結果、車両のハンドル仕様に関わらず、車両走行中のドライバーへの表示規制を対象とした映像ソースの選択・切り替えが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の車載表示機器は、ユーザの視角方向によって異なる映像ソースを表示させることができる表示部を車両の室内に配置し、その視角方向毎の映像ソースの切り替えを行う切り替え制御手段を備えるものにおいて、
車両の仕様情報を記憶する車載装置から仕様情報を受信する情報受信手段と、
情報受信手段の受信した仕様情報から、車両の仕向け情報を判別する仕向け情報判別手段と、
仕向け情報判別手段の判別した仕向け情報を元に、車両のドライバー席から、表示された映像を見ることのできる視角方向を特定する視角方向特定手段と、を備え、
切り替え制御手段は、視角方向特定手段の特定した視角方向について、所定の映像ソースへの切り替えを禁止する禁止手段を備えることを特徴とする。
【0013】
このように、仕向け判別手段の判別した仕向け情報によって、車両のハンドル仕様が把握できるため、この仕向け情報を元に車両のドライバー席から、表示された映像を見ることのできる視角方向を特定し、その特定した視角方向から見ることのできる映像ソースの切り替えについて、所定の映像ソースへの切り替えを禁止する。その結果、車両のハンドル仕様に関わらず、車両走行中のドライバーへの表示規制を対象とした映像ソースの選択・切り替えが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の車載表示機器によれば、車両の仕様情報は、車両が右ハンドル仕様であるのか、左ハンドル仕様であるのかを表すハンドル仕様情報、車両の仕向け地域を表す仕向け地域情報、及び車両の仕向け国を表す仕向け国情報を含むものであり、
仕向け情報判別手段は、情報受信手段による車両の仕様情報の受信状態が不安定な場合、ハンドル仕様情報、仕向け地域情報、及び仕向け国情報の各情報に対して予め設定された優先順位に従って、当該優先順位の高い情報から順次、車両の仕向け情報を判別することを特徴とする。
【0015】
車両の仕様情報を記憶する車載装置から仕様情報を受信する場合、その付近に搭載されたモータからの電磁ノイズなどの影響によって、車両の仕様情報を安定して受信することができなくなる。このような場合には、予め設定された優先順位に従って、優先順位の高いハンドル仕様情報から優先的に車両の仕向け情報を判定する。これにより、仕様情報の受信状態が不安定であっても、仕向け情報を判別することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。図1に、車載表示機器3とその周辺の構成を示す。車載表示機器3は、2つの表示部3a、3bから構成され、車両の室内のインストルメントパネル付近に配置される。表示部3a、3bは、その各々の表示方向が異なるように配置される。具体的には、表示部3aは、車両前方に対して右前席に着座する乗員から見ることができるように配置され、表示部3bは、車両前方に対して左前席に着座する乗員から見ることができるように配置される。
【0017】
図1に示す表示部3a、3bは、それぞれ、表示する映像ソースの選択(ユーザ操作による手動選択や、車両走行中に表示する映像ソースと車両停止中に表示する映像ソースを自動的に選択する自動選択)、及びその選択した映像ソースへの切り替えが可能であり、同じ映像ソースを表示したり、各々が異なる映像ソースを表示したりすることもできる。
【0018】
映像ソースの選択・切り替え制御は、車載表示機器3に内蔵された制御装置(図示せず)によってなされる。映像ソースとしては、例えば、エアコンやオーディオなどの各種車載機器の動作状態や入力操作をするための操作パネル映像、ナビゲーションシステムによる地図映像、車載カメラの撮像した車両後方映像などの映像ソースのほか、TV映像やDVD映像などのエンターテーメント系の映像ソースなどもある。
【0019】
車両LAN1は、有線(無線でもよい)通信により、ECU2や車載表示装置3の通信接続を可能とする。ECU2は、例えば、エンジンの燃料噴射制御を行うエンジン制御ECUであり、車両LAN1を介して受信した車速パルス信号やエンジン回転数信号、スロットル開度信号などを元に燃料噴射制御を行う。
【0020】
このECU2は、車両のハンドル仕様(右ハンドル仕様であるか、左ハンドル仕様であるか)を表すハンドル仕様情報、仕向け地域を表す仕向け地域情報、仕向け国を表す仕向け国情報からなる車両仕様・素性情報をコードとして記憶しており、車両LAN1を介して車載表示機器3から情報要求コマンドを受信すると、この車両仕様・素性情報のコードを情報応答コマンドとして車載表示機器3に送信する。
【0021】
車両仕様・素性情報のコードは、図2に示すように、ハンドル仕様、仕向け地域、仕向け国の各々に対応したアルファベット(ASCIIコードや数値を用いてコード化してもよい)によって表される。本実施形態では、そのコードとして、”B”,”B”,”B”、ハンドル仕様情報:B(左ハンドル仕様を意味する)、仕向け地域情報:B(北米を意味する)、仕向け国:B(アメリカ合衆国を意味する)をECU2が記憶するものとして説明する。
【0022】
車載表示機器3は、図2に示す車両仕様・素性情報テーブルを記憶しており、ECU2から受信した情報応答コマンドとしての車両仕様・素性情報のコードを受信した場合には、このコードから車両の仕向け情報を判別する。具体的には、ECU2から受信したコードを車両仕様・素性情報テーブルに照合して、ハンドル仕様、仕向け地域、仕向け国を判別する。本実施形態では、コード”B”,”B”,”B”を車両仕様・素性情報テーブルに照合することで、ハンドル仕様:左ハンドル仕様、仕向け地域:北米地域、仕向け国:アメリカ合衆国、であると判別されるので、これを車両の仕向けとして確定する。
【0023】
なお、車載表示機器3が車両に取り付けられた後、仕向け情報が確定されるまでの間は、予め設定された任意のデフォルトの仕向け情報を用いればよい。また、車両LAN1を介してECU2から車両仕様・素性情報のコードを受信する際、その付近に搭載されたモータの電磁ノイズなど影響が混入すると、車両仕様・素性情報のコードを安定して受信することができなくなる。このように、車両仕様・素性情報のコードの受信状態が不安定な場合には、車両LAN1を介して受信した車両仕様・素性情報のコードを車両仕様・素性情報テーブルに照合しても、仕向け情報が判別できなくなることがある。
【0024】
そこで、このような場合には、予め設定された優先順位(例えば、図2に示すように、ハンドル仕様>仕向け地域>仕向け国の順)に従って、優先順位の高いハンドル仕様から優先的に車両の仕向け情報を判別するとよい。このようにすることで、車両仕様・素性情報のコードの受信状態が不安定であっても、仕向け情報を判別することが可能となる。なお、この優先順位に従った仕向け情報の判別が全く不可能な場合には、上記デフォルトの仕向け情報を用いるとよい。
【0025】
そして、車載表示機器3は、仕向け情報が確定すると、車両のハンドル仕様が把握できるため、この仕向け情報を元に車両のドライバー席(以下、D席)から、表示された映像を見ることのできる表示部が表示部3a、3bのどちらであるのかを特定する。そして、その特定した表示部については、所定の映像ソースの選択、あるいは、その所定の映像ソースへの切り替えを禁止するように設定する。
【0026】
具体的には、図2に示すように、本実施形態の車両は左ハンドル仕様であるので、D席は車両前方に対して左側であり、助手席(P席)は車両前方に対して右側である。従って、車両前方に対して左前席(D席)に着座する乗員(ドライバー)から見ることができるように配置された表示部3bについては、TV映像やDVD映像などのエンターテーメント系の映像ソースの選択、あるいは、そのような映像ソースへの切り替えを禁止するように設定する。
【0027】
これにより、エンターテーメント系の映像ソースについて、ドライバーが運転中に見ることが出来ないように、ドライバーへの映像ソースの表示を制限することができる。一方、車両前方に対して右前席(P席)に着座する乗員(同乗者)から見ることができるように配置された表示部3aについては、あらゆる映像ソースへの選択・切り替えを可能とする。
【0028】
なお、表示部3bについての映像ソースの選択・切り替え禁止設定は、車両走行中に限ってその設定を行い、車両停止中においては、その設定を自動又は手動で解除できるようにしてもよい。車両停止中は、ドライバーの運転への集中力・周辺確認などを妨げる可能性が低いからである。
【0029】
次に、車載表示機器3による、映像ソースの選択・切り替え制御処理について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。この処理は、車載表示機器3の表示期間中に実行するのでははく、車載表示機器3の電源OFF(ACC_OFF)時、または、以下の説明のように、電源投入(ACC_ON)時に実行するものである。図3に示すように、車載表示機器3が車両に搭載され、電源線(+B)が車載表示機器3に接続された(ステップS1)後、ドライバーによって車両のイグニションキーの位置が電源投入(ACC_ON)の位置になされる(ステップS2)と、ステップS3では、情報要求コマンドを車両LAN1を介してECU2に一定時間間隔で定期的に送信する。この情報要求コマンドを受信したECU2は、情報応答コマンドとして、車両仕様・素性情報のコードを車載表示機器3に複数回(ここでは5回とする)、若しくはある一定時間の間繰り返して送信する。
【0030】
車載表示機器3は、車両仕様・素性情報のコードを受信する(ステップS3)と、ステップS4では、同一内容の情報、すなわち、同一のコードを複数回(ここでは5回)受信したかどうか判定する。このステップS4にて肯定判定した場合にはステップS6へ処理を進める。一方、否定判定した場合にはステップS9にて、5回のうち、1回でもコードを正しく受信出来ているかどうか判定する。このステップS9にて肯定判定した場合には、ステップS10にて、受信したコードを車両仕様・素性情報テーブルに照合して、仕向け情報を判別し、この判別した仕向け情報をデフォルトの仕向け情報として確定し、記憶する。一方、ステップS9にて否定判定した場合には、ステップS3へ処理を移行し、上述した処理を繰り返す。
【0031】
ステップS6では、受信したコードを車両仕様・素性情報テーブルに照合して、仕向け情報を判別する。ステップS7では、判別された仕向け情報を車両の仕向けとして確定し、ステップS8にてデフォルトの仕向けを、この確定した仕向けに書き換える。ステップ11では、ステップS7、若しくはステップS10にて確定した仕向けから、車両のハンドル仕様を把握し、その把握したハンドル仕様から、表示部3a、3bの各々の表示方向(本実施形態では、表示部3aがP席方向、表示部3bはD席方向)を確定する。
【0032】
ステップS12では、D席方向の表示部3bについて、TV映像やDVD映像などのエンターテーメント系の映像ソースの選択、あるいは、そのような映像ソースへの切り替えを禁止するように設定する。この映像ソースの選択・切り替え禁止設定がなされると、ステップS13では、表示部3a、3bの映像ソースの表示を開始する。
【0033】
以上、説明した本実施形態の車載表示機器3は、車両のハンドル仕様が仕向け地域や仕向け国によって異なり、ドライバー席の位置も仕向け地域や仕向け国によって変わることを踏まえてなされたものである。すなわち、車載表示機器3は、車両仕様・素性情報のコードを記憶するECU2からその車両仕様・素性情報のコードを取得し、その取得した車両仕様・素性情報のコードから車両の仕向け情報を判別する。この判別した仕向け情報により、車両のハンドル仕様が把握できるため、この仕向け情報を元に車両のD席から、表示された映像を見ることのできる表示部を特定し、その特定した表示部については、所定の映像ソースの選択、あるいは、その所定の映像ソースへの切り替えを禁止する。
【0034】
これにより、仕向け地域毎に品種・品番・機種設定していた車載表示機器の仕様差を吸収し、仕向け地域・仕向け国を問わず、全て共通の品種・品番・機種とすることができる。その結果、車両のハンドル仕様に関わらず、車両走行中のドライバーへの表示規制を対象とした映像ソースの選択・切り替えが可能となる。
【0035】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することができる。
【0036】
例えば、本実施形態の車載表示機器3は、各々の表示方向が異なるように、車両の室内に配置された表示部3a、3bについて説明したものあるが、表示部の表示領域が複数に分割されており、その分割れた表示領域の各々の表示方向が異なるように車両の室内に配置されたものであっても、本発明は適用可能である。すなわち、車載表示機器3は、ECU2から受信した車両仕様・素性情報のコードから判別した仕向け情報を元に、複数の表示領域のうち、車両のD席から、表示された映像を見ることのできる表示領域を特定して、その特定した表示領域について、所定の映像ソースの選択、あるいは、その所定の映像ソースへの切り替えを禁止する。これにより、複数の表示領域に分割された表示部を備える車載表示機器3において、車両のハンドル仕様に関わらず、車両走行中のドライバーへの表示規制を対象とした映像ソースの選択・切り替えが可能となる。
【0037】
また、例えば、上記変形例と関連して、ユーザの視角方向によって異なる映像ソースを表示させることができる表示部を車両の室内に配置したものであっても、本発明は適用可能である。すなわち、車載表示機器3は、ECU2から受信した車両仕様・素性情報のコードから判別した仕向け情報を元に、複数の表示領域のうち、車両のD席から、表示された映像を見ることのできる視角方向を特定して、その特定した視角方向について、所定の映像ソースの選択、あるいは、その所定の映像ソースへの切り替えを禁止する。これにより、ユーザの視角方向によって異なる映像ソースを表示させることができる表示部を備えた車載表示機器3において、車両のハンドル仕様に関わらず、車両走行中のドライバーへの表示規制を対象とした映像ソースの選択・切り替えが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】車載表示機器3とその周辺の構成を示すブロック図である。
【図2】車両仕様・素性情報テーブルを示した図である。
【図3】映像ソースの切り替え制御処理を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
1 車両LAN
2 ECU
3 車載表示機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示部の各々の表示方向が異なるように車両の室内に配置され、前記表示部毎の映像ソースの切り替えを行う切り替え制御手段を備える車載表示機器において、
前記車両の仕様情報を記憶する車載装置から前記仕様情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段の受信した仕様情報から、前記車両の仕向け情報を判別する仕向け情報判別手段と、
前記仕向け情報判別手段の判別した仕向け情報を元に、前記複数の表示部のうち、前記車両のドライバー席から、表示された映像を見ることのできる表示部を特定する表示部特定手段と、を備え、
前記切り替え制御手段は、前記表示部特定手段の特定した表示部について、所定の映像ソースへの切り替えを禁止する禁止手段を備えることを特徴とする車載表示機器。
【請求項2】
表示部の表示領域が複数に分割され、その分割された表示領域の各々の表示方向が異なるように車両の室内に配置され、前記表示領域毎の映像ソースの切り替えを行う切り替え制御手段を備える車載表示機器において、
前記車両の仕様情報を記憶する車載装置から前記仕様情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段の受信した仕様情報から、前記車両の仕向け情報を判別する仕向け情報判別手段と、
前記仕向け情報判別手段の判別した仕向け情報を元に、前記複数の表示領域のうち、前記車両のドライバー席から、表示された映像を見ることのできる表示領域を特定する表示領域特定手段と、を備え、
前記切り替え制御手段は、前記表示領域特定手段の特定した表示領域について、所定の映像ソースへの切り替えを禁止する禁止手段を備えることを特徴とする車載表示機器。
【請求項3】
ユーザの視角方向によって異なる映像ソースを表示させることができる表示部を車両の室内に配置し、その視角方向毎の映像ソースの切り替えを行う切り替え制御手段を備える車載表示機器において、
前記車両の仕様情報を記憶する車載装置から前記仕様情報を受信する情報受信手段と、
前記情報受信手段の受信した仕様情報から、前記車両の仕向け情報を判別する仕向け情報判別手段と、
前記仕向け情報判別手段の判別した仕向け情報を元に、前記車両のドライバー席から、表示された映像を見ることのできる視角方向を特定する視角方向特定手段と、を備え、
前記切り替え制御手段は、前記視角方向特定手段の特定した視角方向について、所定の映像ソースへの切り替えを禁止する禁止手段を備えることを特徴とする車載表示機器。
【請求項4】
前記車両の仕様情報は、前記車両が右ハンドル仕様であるのか、左ハンドル仕様であるのかを表すハンドル仕様情報、前記車両の仕向け地域を表す仕向け地域情報、及び前記車両の仕向け国を表す仕向け国情報を含むものであり、
前記仕向け情報判別手段は、前記情報受信手段による前記車両の仕様情報の受信状態が不安定な場合、前記ハンドル仕様情報、前記仕向け地域情報、及び前記仕向け国情報の各情報に対して予め設定された優先順位に従って、当該優先順位の高い情報から順次、前記車両の仕向け情報を判別することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の車載表示機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−12651(P2009−12651A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−177620(P2007−177620)
【出願日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】