説明

車載装置

【課題】接続デバイスを車載装置に接続した際にも、接続デバイス側で操作をすることができる車載装置を提供する。
【解決手段】通信線22及び給電線23を介して接続デバイス20と接続され、接続デバイス20への給電と双方向の通信を行うデバイス接続手段40を備える車載装置1において、接続デバイス20は、接続デバイス20の機能を操作可能な操作部25を備え、デバイス接続手段40は、接続デバイス20が接続され、操作部25の操作により接続デバイス20の機能を操作可能にするユーザー操作が行われたとき、接続デバイス20との通信動作を停止する通信停止手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器等の外部デバイスを有線接続で接続可能な車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯音響機器などの外部接続デバイスがUSBやIEEE1394等のシリアルバス接続による有線接続可能な、例えばカーオーディオシステム等の車載装置(ホスト装置)が知られている(例えば、特許文献1参照)。この種の接続デバイスは一般的に内部に充電池を収納し、接続デバイスがシリアルバスを介してホスト装置に接続された際には、ホスト装置からシリアルバス経由で接続デバイスへ5V電源が供給され、この供給された電力が充電池に充電される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−217871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の車載装置は、USB等の外部接続デバイスが接続されたことを認識すると、接続デバイスへの給電を開始するとともに、データ通信を開始して、接続デバイスに記録された、楽曲情報等を取得し、自動再生を始める。しかしながら、データ通信が開始されると、ホスト装置側からしか接続デバイスの操作が出来なくなり、USB等の接続デバイス側からは、楽曲の選択等の操作ができなくなる。そのため、USB等の接続デバイスを接続した状態で、接続デバイス側から楽曲の選択をしたい等といったユーザーの要望にこたえることができないという問題があった。
本発明は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、接続デバイスを車載装置に接続した際にも、接続デバイス側で操作をすることができる車載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、通信線及び給電線を介して接続デバイスと接続され、当該接続デバイスへの給電と双方向の通信を行うデバイス接続手段を備える車載装置において、前記接続デバイスは、前記接続デバイスの機能を操作可能な操作部を備え、前記デバイス接続手段は、前記接続デバイスが接続され、前記操作部の操作により前記接続デバイスの機能を操作可能にするユーザー操作が行われたとき、前記接続デバイスとの通信動作を停止する通信停止手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、接続デバイスが接続され、操作部の操作により接続デバイスの機能を操作可能にするユーザー操作が行われたときには、接続デバイスとの通信動作を停止するため、専ら、操作部の操作による接続デバイスの機能操作が可能となり、車載装置に接続デバイスを通信線及び給電線で接続し、車載装置側から接続デバイスへの給電を行いながら、接続デバイスの操作は、接続デバイス側から行うことができる。そのため、接続デバイスが例えば、携帯音響機器の場合に、該携帯音響機器と車載装置を十分に長さのあるケーブルを介して接続することで、後部座席に座っている搭乗者も操作部の操作により楽曲選択等の操作を行うことが可能となり、ユーザーの操作性が向上する。また、携帯音響機器の電池残量を気にすることなく携帯音響機器に格納された音声データ等を出力させて音楽を楽しむことができる。
【0007】
この構成において、前記デバイス接続手段は、前記接続デバイスが接続された際に、前記接続デバイスの動作条件設定を自動で行う設定機能を備え、前記通信停止手段は、前記接続デバイスとの通信動作を停止する前に、前記接続デバイスの動作条件設定を初期化する構成としても良い。
この構成によれば、車載装置と接続デバイス間の通信動作を停止する事前処理として、接続時に接続デバイスに設定された動作条件が初期化されるため、通信動作が停止されると、接続デバイスはあたかも充電器に接続されているのと同じ状態となり、確実に接続デバイス側からの操作を可能とすることができる。
【0008】
また、前記デバイス接続手段は、前記接続デバイスとの通信或いは給電を制御するバスホストコントローラを備え、前記バスホストコントローラは、通信を制御する通信制御部と、給電を制御する電源制御部とを有し、前記通信停止機能は、前記通信制御部を停止させる構成としても良い。
この構成によれば、通信を制御する通信制御部と、給電を制御する電源制御部とを有するデバイスコントローラの通信制御部を停止させて接続デバイスとの通信動作を停止するため、通信動作を停止した後にも、接続デバイス側から要求される電力量を算出して、必要な電力量を接続デバイスへ給電することができるため、高い供給電力を必要とする接続デバイスにも給電を継続することができる。
【0009】
また、前記デバイス接続手段は、前記接続デバイスが物理的に接続される接続ポートを備え、前記接続ポートは、通信線が接続される通信ポートと、電源線が接続される電源ポートとを備え、前記通信停止機能は、前記通信ポートを無効にする構成としても良い。
この構成によれば、通信線が接続される通信ポートと、電源線が接続される電源ポートを有する接続ポートの通信ポートを無効にすることで、接続デバイスと車載装置との通信を停止させているので、通信を再開したい場合には、通信ポートを有効化するだけで良く、制御機器の再起動を待つ必要がないため、より早くデータ通信を再開することができる。
【0010】
また、前記デバイス接続手段は、前記通信停止機能の実行後も、前記接続デバイスの挿抜を監視するポート監視手段を備える構成としても良い。
この構成によれば、通信停止機能の実行後でも接続デバイスの挿抜を監視することができる。そのため、接続デバイスが接続中に通信停止機能が実行され、通信動作が停止している状態でも接続デバイスの挿抜を検出することができ、接続デバイスがポートから抜かれたことを検出した際には、該ポートに割り当てられていたポート番号を破棄することができる。また、ポート監視手段によって接続デバイスが新たにポートに接続されたことを検出した際には、接続デバイスが接続されたポートにポート番号を割り当てて、ユーザー操作によっていつでも通信が開始できるように、ポートを待機状態にすることができる。
【0011】
また、近距離無線通信が可能な無線通信部を備え、前記接続デバイスの接続時で、前記通信停止機能の実行時に、前記接続デバイスに格納されたデータを前記無線通信部を介して出力可能である構成としても良い。
この構成によれば、通信線を介した通信動作の停止中に、車載装置から給電線を介して接続デバイスへの給電を継続したままで、接続デバイス側から楽曲選択等の操作を行い、Bluetooth(登録商標)或いはFM派などの近距離無線通信を利用して、接続デバイスと車載装置のデータ通信を行い、車載のスピーカー等を利用して音声データ出力ができる。そのため、一般的に電力消費の激しいBluetooth(登録商標)等による無線通信を用いてデータ通信を行う際にも、給電線を介して接続デバイスへの給電を行いながら、接続デバイスの電池残量を気にすることなく、接続デバイスに格納された音声データ等の再生ができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、接続デバイスを通信線及び給電線を介して車載装置に接続し、接続デバイスへの給電を行いながら、接続デバイス側から例えば楽曲選択等の操作を行うことが可能となり、ユーザーの操作性が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施形態の車載装置の機能的構成を示すブロック図である。
【図2】通信停止機能の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明を適用した実施形態に係る車載装置10の機能的構成を示すブロック図である。車載装置10は、車両に搭載され、オーディオ機能を有する、例えばカーナビゲーションシステム、或いは、カーオーディオシステムである。車載装置10には、図1に示すように、外部の携帯音響機器(接続デバイス)20を、USB或いはIEEE1394といったシリアルバス経由で接続して使用することができる。車載装置10は、携帯音響機器20に記憶された音楽ファイルを、音声信号としてスピーカー30から出力することができると共に、携帯音響機器20に電源の供給を行うことができる。
【0015】
車載装置10は、携帯音響機器20などの外部接続デバイスを接続する接続部(デバイス接続手段)40と、接続部40を介して携帯音響機器20から転送される音楽データの伸張処理等を行う信号処理部13と、信号処理部13に処理された音響信号の音質・音量調整処理、デジタル/アナログ信号処理、及び信号増幅処理等を行う音声出力部14と、を備えている。
車載装置10は、更に、ユーザーからの操作入力を受けるとともに、操作内容や各種情報を表示する操作表示部12と、操作表示部12にユーザーによって入力された情報をふまえて車載装置10の各部を制御する制御部11とを備えている。
【0016】
制御部11は、図示しないCPU、RAM、ROM等を備え、制御部11において、CPUはROM等に記憶された各種制御プログラムに従ってRAMの一部を作業領域として各種演算を行うことにより、これらの協働の下、各種処理を実行するものである。制御部11は、ROM等に記憶された各種制御プログラムに従った処理を実行することにより、車載装置10の各部を制御する。
【0017】
また、車載装置10は、携帯音響機器20などの外部機器とBluetooth(登録商標)或いはFM派等を用いて近距離無線通信を行う無線通信部15を備え、無線通信部15は、アンテナ16を備えている。無線通信部15を介して携帯音響機器20から転送される音楽データは、信号処理部13及び音声出力部14にて処理され、スピーカー30から出力される。
信号処理部13、及び音声出力部14は、図示しない制御線を介して制御部11と接続され、制御部11の制御の下、無線通信部15或いは接続部40を介して車載装置10に接続される携帯音響機器20から入力される音声信号に各種処理を施す。
【0018】
携帯音響機器20は、操作部25を備え、操作部25を介して携帯音響機器20の楽曲選択や楽曲再生等の各種機能が操作可能である。また、携帯音響機器20は、プラグ21を介して、車載装置10に備えられた接続部40に設けられたソケット(接続ポート)41に物理的に接続される。プラグ21は、携帯音響機器20に一体に備えられている構成としても良いし、或いは、携帯音響機器20は、プラグ21を備えたシリアルバスケーブルが接続される不図示のソケットを備え、シリアルバスケーブルを介して、接続部40に接続される構成としても良い。シリアルバスケーブルで、携帯音響機器20と車載装置10を接続する場合、シリアルバスケーブルの長さはユーザーが任意で変更可能である。
また、ソケット41は、通信ポート42と、電源ポート43とを備え、それぞれデータ通信線(通信線)22と、電源供給線(給電線)23を介して、携帯音響機器20に電機的に接続される。
接続部40は、バスホストコントローラ44を備える。バスホストコントローラ44は、通信制御部45と、電源制御部46とを備え、通信制御部45及び電源制御部46のそれぞれは、データ通信線22bと、電源供給線23bで通信ポート42及び、電源ポート43にそれぞれ接続される。通信制御部45は、制御部11の制御の下、通信ポート42を介して携帯音響機器20とのデータ通信を制御する。電源制御部46は、制御部11の制御の下、携帯音響機器20から要求される電力量を算出し、電源ポート43を介して携帯音響機器20への電源の供給う。また。電源制御部46は、電源ポート43を監視し、電源ポート43に過電流が負荷されたことが検出された際には、過電流検出を制御部11に通知する。
【0019】
携帯音響機器20が接続部40を介して車載装置10に接続されると、車載装置10は、接続と同時に、バスパワーを通じて携帯音響機器20へ電源を供給する。車載装置10は、接続部40を介して車載装置10に接続される機器の動作条件設定を自動で行う設定機能を有し、制御部11は、携帯音響機器20が、車載装置10に接続されたことを検出すると、バスホストコントローラ44の通信制御部45を介して、携帯音響機器20との間に論理的な制御通信路(ディフォルトコントロールパイプ)を用意する。バスホストコントローラ44は、この制御通信路を介して携帯音響機器20との間でコントロール転送を行い、携帯音響機器20の動作条件を設定する。その後、制御部11は、バスホストコントローラ44を介して携帯音響機器20にデータ転送を要求する。
一方、携帯音響機器20は、バスホストコントローラ44の要求に従い、携帯音響機器20内に格納されたデータを車載装置10に送信する。シリアルバス経由で接続される携帯音響機器20のような一般的な接続機器は、接続時にバスホストコントローラ44からの制御信号に従うように動作条件が設定されると、携帯音響機器20側の操作部25からは、携帯音響機器20の各種機能を操作することができなくなる。
【0020】
データ通信線22bと電源供給線23bの間は、例えば不図示の抵抗器を介して接続され、データ通信線22bが電源供給線23bにプルアップ或いはプルダウンされ、通信ポート42に予め定められた一定の電圧がかかるような充電回路を備えた構成としても良い。この構成によれば、ソケット41に外部機器が接続されていない場合に、ソケット41に静電気や電気誘導による過電圧が印加され、内部回路に障害が発生するのを防止することができる。
【0021】
操作表示部12は、図示は省略したが、操作内容や各種情報を表示するディスプレイ装置と、ユーザーにより押下操作される操作キーおよびディスプレイ装置に設けられるタッチパネル等の操作手段と、ディスプレイ装置の表示制御や上記操作手段を介して入力される操作信号を制御部11に出力する表示/操作キー制御部とを備えている。
【0022】
車載装置10は、携帯音響機器20が接続された際に、携帯音響機器20との双方向のデータ通信及び電源供給を行う通信モードと、携帯音響機器20とのデータ通信は行わず、携帯音響機器20の操作部25から携帯音響機器20の各種機能を操作可能にするとともに、携帯音響機器20に電源の供給だけを行う給電モードとを備える。操作表示部12は、モード設定部17を備え、モード設定部17は、ユーザーが通信モード/給電モードの設定変更を自在に行えるように、操作可能に備えられる。モード設定部17は、操作キーであっても良いし、或いは、タッチパネルに表示されていても良い。また、通信モード/給電モードの設定は、例えば、ユーザーが通信モードのオン/オフを切り換える操作を行うことで、通信モードをオフにした場合に給電モードに切り換わる構成であっても良い。又は、通信モード/給電モードのどちらかをユーザーが選択する操作を行うような構成であっても良い。或いは、給電モードを選択する操作を行うことができるような構成とし、給電モードが選択された場合に、通信を行わないようにする構成としても良い。
【0023】
次に、図2を参照して、モード設定部17から、ユーザー操作によってデータ通信動作を停止するモードが選択された場合に、制御部11の制御の下で実行される通信停止手段(給電モード設定処理)について説明する。データ通信動作を停止するモードがユーザー操作によって一旦設定されると、制御部11にその設定が記録されるため、携帯音響機器20がモード設定後に接続された場合、或いは、車載装置10の電源がオフになった後、再びオンになった場合には、設定が反映される構成となっている。
【0024】
制御部11は、モード設定部17を介して、ユーザーが給電モードに設定する操作を行ったことを検出すると、まず、接続部40に携帯音響機器20が物理的に接続されているかを判断する(ステップS1)。接続部40に携帯音響機器20が接続されていないことを検出すると、制御部11は、後述する通信停止処理(ステップS3)を行い、その後モード設定処理を終了する。
接続部40に携帯音響機器20が接続されていることを検出すると、制御部11は、まず、通信終了事前処理を実行する(ステップS2)。具体的には、制御部11は、バスホストコントローラ44を介して、携帯音響機器20に実行中の全ての操作を完了するように制御信号を出力する。ステップS2によって、携帯音響機器20の内部処理が初期化され、バスホストコントローラ44によって接続時に設定された動作条件がリセットされる。次に、制御部11は、通信停止処理を実行する(ステップS3)。通信停止処理S3の実行が終了すると、制御部11は、給電モード設定処理を終了する。
【0025】
<第一実施形態>
次に、通信停止処理(ステップS3)について詳述する。
通信停止処理S3が開始されると、制御部11は、バスホストコントローラ44の通信制御部45を停止する。これによって、バスホストコントローラ44と、携帯音響機器20との間に用意された全てのデータ通信路が切断された状態となり、車載装置10からは、携帯音響機器20へ電源供給だけが行われる。
この構成によれば、ステップS2及びステップS3にて、携帯音響機器20にバスホストコントローラ44側から設定された動作条件は初期化され、携帯音響機器20とバスホストコントローラ44の間に確立された全ての論理的な通信路が切断される。携帯音響機器20は、車載装置10から電源の供給を受けるが、バスホストコントローラ44内の通信制御部45が停止しているため、コントロール転送が行われず、携帯音響機器20の動作条件がバスホストコントローラ44側から再設定されることがない。そのため、携帯音響機器20は、あたかも充電器に接続されたのと同じ状態となり、携帯音響機器20の操作は、携帯音響機器20側から行うことが可能となる。
【0026】
モード設定部17を介して、設定が給電モードから通信モードに変更された場合には、制御部11は、停止されていた通信制御部45を起動し、接続部40に携帯音響機器20が接続されていることを検出すると、バスホストコントローラ44が、携帯音響機器20とのコントロール転送を開始するように制御する。
【0027】
<第二実施形態>
通信停止処理(ステップS3)は、制御部11が、通信ポート42を無効にするように制御することで、携帯音響機器20との通信を行わず、電源供給だけを行う構成としても良い。この構成によれば、携帯音響機器20は、動作条件が初期化され、バスホストコントローラ44との間に確立された全ての論理的な通信路が切断された後、車載装置10から電源の供給を受けるが、ソケット41の通信ポート42が無効になっているため、コントロール転送が行われない。そのため、携帯音響機器20は、あたかも充電器に接続されたのと同じ状態となり、携帯音響機器20は、車載装置10からは電源の供給だけを受け、携帯音響機器20の操作は、携帯音響機器20側から行うことが可能となる。
【0028】
モード設定部17を介して、設定が給電モードから通信モードに変更された場合には、制御部11は、無効にされていた通信ポート42を有効化し、接続部40に携帯音響機器20が接続されていることを検出すると、バスホストコントローラ44が、携帯音響機器20とのコントロール転送を開始するように制御する。
【0029】
<第三実施形態>
通信停止処理(ステップS3)において、制御部11は、通信制御部45が、通信ポート42の監視のみを行い、携帯音響機器20とのデータ通信を行わないように通信制御部45を制御することで、携帯音響機器20に電源供給だけを行う構成としても良い。
この構成によれば、バスホストコントローラ44は、通信ポート42にかかる電圧を監視し、電圧の変化から携帯音響機器20の挿抜を検出することができる。また、携帯音響機器20は、車載装置10から電源の供給を受けるが、バスホストコントローラ44からコントロール転送が開始されないため、あたかも充電器に接続されたのと同じ状態となり、携帯音響機器20は、車載装置10からは電源の供給だけを受け、携帯音響機器20の操作は、携帯音響機器20側から行うことが可能となる。
【0030】
モード設定部17を介して、設定が給電モードから通信モードに変更された場合には、制御部11は、接続部40に携帯音響機器20が接続されていることを検出し、バスホストコントローラ44が、携帯音響機器20とのコントロール転送を開始するように制御する。
【0031】
以上、実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態では、外部接続デバイス20は、携帯音響機器である構成としたが、これに限らず、携帯電話やスマートフォン、或いはタブレット型コンピューター等を接続する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0032】
S2 通信終了事前処理
S3 通信停止処理
10 車載装置
11 制御部
12 操作表示部
15 無線通信部
17 モード設定部
20 携帯音響機器(接続デバイス)
22、22b データ通信線(通信線)
23、23b 電源供給線(給電線)
40 接続部(デバイス接続手段)
42 通信ポート
43 電源ポート
44 バスホストコントローラ
45 通信制御部
46 電源制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信線及び給電線を介して接続デバイスと接続され、当該接続デバイスへの給電と双方向の通信を行うデバイス接続手段を備える車載装置において、
前記接続デバイスは、前記接続デバイスの機能を操作可能な操作部を備え、
前記デバイス接続手段は、前記接続デバイスが接続され、前記操作部の操作により前記接続デバイスの機能を操作可能にするユーザー操作が行われたとき、前記接続デバイスとの通信動作を停止する通信停止手段を備えたことを特徴とする車載装置。
【請求項2】
前記デバイス接続手段は、前記接続デバイスが接続された際に、前記接続デバイスの動作条件設定を自動で行う設定機能を備え、
前記通信停止手段は、前記接続デバイスとの通信動作を停止する前に、前記接続デバイスの動作条件設定を初期化することを特徴とする請求項1に記載の車載装置。
【請求項3】
前記デバイス接続手段は、前記接続デバイスとの通信或いは給電を制御するバスホストコントローラを備え、前記バスホストコントローラは、通信を制御する通信制御部と、給電を制御する電源制御部とを有し、前記通信停止機能は、前記通信制御部を停止させること特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項4】
前記デバイス接続手段は、前記接続デバイスが物理的に接続される接続ポートを備え、前記接続ポートは、通信線が接続される通信ポートと、電源線が接続される電源ポートとを備え、前記通信停止機能は、前記通信ポートを無効にすることを特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項5】
前記デバイス接続手段は、前記通信停止機能の実行後も、前記接続デバイスの挿抜を監視するポート監視手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車載装置。
【請求項6】
近距離無線通信が可能な無線通信部を備え、前記接続デバイスの接続時で、前記通信停止機能の実行時に、前記接続デバイスに格納されたデータを前記無線通信部を介して出力可能であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の車載装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−35779(P2012−35779A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−178494(P2010−178494)
【出願日】平成22年8月9日(2010.8.9)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】