軟骨性疾患の治療のためのインスリンの使用
【課題】リウマチを含む軟骨疾患又は傷害により損傷した軟骨を含む、軟骨の治療及び修復ための、インスリン及び/又はインスリン変異体の投与を含んでなる方法の提供。
【解決手段】徐放性又は持続放出性の形態で軟骨剤(例えば、ペプチド成長因子、異化アンタゴニスト、骨-、滑膜、抗炎症因子)と組み合わせた、あるいは、外傷又は軟骨疾患により損傷した軟骨の治療及び修復ための、インスリン及び/又は標準的な外科的技術と組み合わせたインスリンの投与を含む方法。あるいは外傷又は軟骨疾患により損傷した軟骨の治療及び修復ための、有効量のインスリン及び/又はインスリン変異体で前処理した軟骨細胞の投与を含む方法。
【解決手段】徐放性又は持続放出性の形態で軟骨剤(例えば、ペプチド成長因子、異化アンタゴニスト、骨-、滑膜、抗炎症因子)と組み合わせた、あるいは、外傷又は軟骨疾患により損傷した軟骨の治療及び修復ための、インスリン及び/又は標準的な外科的技術と組み合わせたインスリンの投与を含む方法。あるいは外傷又は軟骨疾患により損傷した軟骨の治療及び修復ための、有効量のインスリン及び/又はインスリン変異体で前処理した軟骨細胞の投与を含む方法。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟骨疾患によりダメージを受けた軟骨を治療する方法であって、有効量のインスリン又はインスリン変異体を軟骨に接触させることを含む方法。
【請求項2】
軟骨が、関節軟骨である請求項1の方法。
【請求項3】
軟骨が哺乳動物内にあり、投与される量が治療的有効量である請求項1の方法。
【請求項4】
軟骨疾患が、変性軟骨疾患である請求項1の方法。
【請求項5】
変性軟骨疾患が、リウマチ様関節炎である請求項4の方法。
【請求項6】
変性軟骨疾患が、骨関節炎である請求項4の方法。
【請求項7】
軟骨疾患が、外傷によるものである請求項1の方法。
【請求項8】
外傷の型が、微細損傷又は鈍的外傷、軟骨破壊、骨軟骨破壊、又は腱、半月板又は靱帯の損傷である、請求項7の方法。
【請求項9】
外傷が、スポーツ外傷又は肥満から生じる過度の力学的ストレス又は他の生体力学的不安定性によるものである、請求項7の方法。
【請求項10】
インスリン又はインスリン変異体が、担体、賦形剤又は安定化剤を更に含む組成物の形態である、請求項1の方法。
【請求項11】
軟骨が哺乳動物内にあり、投与される量が治療的有効量である請求項10の方法。
【請求項12】
組成物が、作用させる軟骨領域又は関節に直接注入されることにより投与される、請求項11の方法。
【請求項13】
組成物が、徐放性又は持続放出性製剤である請求項11の方法。
【請求項14】
組成物が、PLGAを更に含む請求項13の方法。
【請求項15】
組成物が、多価金属塩を更に含む請求項13の方法。
【請求項16】
多価金属塩が、酢酸亜鉛である請求項15の方法。
【請求項17】
治療が、有効量の軟骨剤を軟骨に接触させることを更に含む、請求項1の方法。
【請求項18】
軟骨が哺乳動物内にあり、インスリン又はインスリン変異体及び軟骨剤の投与される量が治療的有効量である、請求項17の方法。
【請求項19】
軟骨剤が、ペプチド成長因子、異化アンタゴニスト、骨-因子、滑膜-因子及び抗炎症因子からなる群から選択される、請求項18の方法。
【請求項20】
ペプチド成長因子が、IGF(1,2)、PDGF(AA、AB、BB)、BMPs、FGF(1−20)、TGF-β(1−3)及びEGFからなる群から選択される、請求項19の方法。
【請求項21】
異化アンタゴニストが、IL-1ra、NO阻害剤、ICE阻害剤、IL-6、IL-8、LIF、IFN-γの活性、TNFα活性を阻害する物質、テトラサイクリン及びその変異体、アポトーシスの阻害剤、MMP阻害剤、アグリカナーゼ阻害剤及びセリン及びシステインプロテイナーゼ(例えばカテプシン及びウロキナーゼ又は組織プラスミノーゲン活性化剤(uPA及びtPA))の阻害剤からなる群から選択される、請求項19の方法。
【請求項22】
骨-因子が、二リン酸エステル、オステオプロテグリンからなる群から選択される、請求項19の方法。
【請求項23】
抗炎症因子が、抗TNFα、可溶性TNFレセプター、IL1ra、可溶性IL1レセプター、IL-4、IL-10及びIL-13からなる群から選択される、請求項19の方法。
【請求項24】
治療が、標準的な外科的技術を更に含む請求項1の方法。
【請求項25】
軟骨疾患による軟骨の初期の又は連続したダメージを予防する方法であって、軟骨に有効量のインスリン又はインスリン変異体を接触させることを含む方法。
【請求項26】
軟骨が、関節軟骨である請求項25の方法。
【請求項27】
軟骨が哺乳動物内にあり、投与される量が治療的有効量である請求項25の方法。
【請求項28】
軟骨疾患が、変性軟骨疾患である請求項25の方法。
【請求項29】
変性軟骨疾患が、リウマチ様関節炎である請求項28の方法。
【請求項30】
変性軟骨疾患が、骨関節炎である請求項28の方法。
【請求項31】
軟骨疾患が、外傷によるものである請求項27の方法。
【請求項32】
外傷の型が、微細損傷又は鈍的外傷、軟骨破壊、骨軟骨破壊、又は腱、半月板又は靱帯の損傷である、請求項31の方法。
【請求項33】
外傷が、スポーツ外傷又は肥満から生じる過度の力学的ストレス又は他の生体力学的不安定性によるものである、請求項31の方法。
【請求項34】
インスリン又はインスリン変異体が、担体、賦形剤又は安定化剤を更に含む組成物の形態である、請求項25の方法。
【請求項35】
軟骨が哺乳動物内にあり、投与される量が治療的有効量である請求項34の方法。
【請求項36】
組成物が、作用させる軟骨領域又は関節に直接注入されることにより投与される、請求項35の方法。
【請求項37】
組成物が、徐放性又は持続放出性製剤である請求項36の方法。
【請求項38】
組成物が、PLGAを更に含む請求項37の方法。
【請求項39】
組成物が、多価金属塩を更に含む請求項38の方法。
【請求項40】
多価金属塩が、酢酸亜鉛である請求項39の方法。
【請求項41】
治療が、有効量の軟骨剤を軟骨に接触させることを更に含む、請求項25の方法。
【請求項42】
軟骨が哺乳動物内にあり、インスリン又はインスリン変異体及び軟骨剤の投与される量が治療的有効量である、請求項41の方法。
【請求項43】
軟骨剤が、ペプチド成長因子、異化アンタゴニスト、骨-因子、滑膜-因子及び抗炎症因子からなる群から選択される、請求項41の方法。
【請求項44】
ペプチド成長因子が、IGF(1,2)、PDGF(AA、AB、BB)、BMPs、FGF(1−20)、TGF-β(1−3)及びEGFからなる群から選択される、請求項43の方法。
【請求項45】
異化アンタゴニストが、IL-1ra、NO阻害剤、ICE阻害剤、IL-6、IL-8、LIF、IFN-γの活性、TNFα活性を阻害する物質、テトラサイクリン及びその変異体、アポトーシスの阻害剤、MMP阻害剤、アグリカナーゼ阻害剤、及びセリン及びシステインプロテイナーゼ(例えばカテプシン及びウロキナーゼ又は組織プラスミノーゲン活性化剤(uPA及びtPA))の阻害剤からなる群から選択される、請求項43の方法。
【請求項46】
骨-因子が、二リン酸エステル、オステオプロテグリンからなる群から選択される、請求項43の方法。
【請求項47】
抗炎症因子が、抗TNFα、可溶性TNFレセプター、IL1ra、可溶性IL1レセプター、IL-4、IL-10及びIL-13からなる群から選択される、請求項25の方法。
【請求項48】
治療が、軟骨に有効量の軟骨剤を接触させることを更に含む、請求項25の方法。
【請求項1】
軟骨疾患によりダメージを受けた軟骨を治療する方法であって、有効量のインスリン又はインスリン変異体を軟骨に接触させることを含む方法。
【請求項2】
軟骨が、関節軟骨である請求項1の方法。
【請求項3】
軟骨が哺乳動物内にあり、投与される量が治療的有効量である請求項1の方法。
【請求項4】
軟骨疾患が、変性軟骨疾患である請求項1の方法。
【請求項5】
変性軟骨疾患が、リウマチ様関節炎である請求項4の方法。
【請求項6】
変性軟骨疾患が、骨関節炎である請求項4の方法。
【請求項7】
軟骨疾患が、外傷によるものである請求項1の方法。
【請求項8】
外傷の型が、微細損傷又は鈍的外傷、軟骨破壊、骨軟骨破壊、又は腱、半月板又は靱帯の損傷である、請求項7の方法。
【請求項9】
外傷が、スポーツ外傷又は肥満から生じる過度の力学的ストレス又は他の生体力学的不安定性によるものである、請求項7の方法。
【請求項10】
インスリン又はインスリン変異体が、担体、賦形剤又は安定化剤を更に含む組成物の形態である、請求項1の方法。
【請求項11】
軟骨が哺乳動物内にあり、投与される量が治療的有効量である請求項10の方法。
【請求項12】
組成物が、作用させる軟骨領域又は関節に直接注入されることにより投与される、請求項11の方法。
【請求項13】
組成物が、徐放性又は持続放出性製剤である請求項11の方法。
【請求項14】
組成物が、PLGAを更に含む請求項13の方法。
【請求項15】
組成物が、多価金属塩を更に含む請求項13の方法。
【請求項16】
多価金属塩が、酢酸亜鉛である請求項15の方法。
【請求項17】
治療が、有効量の軟骨剤を軟骨に接触させることを更に含む、請求項1の方法。
【請求項18】
軟骨が哺乳動物内にあり、インスリン又はインスリン変異体及び軟骨剤の投与される量が治療的有効量である、請求項17の方法。
【請求項19】
軟骨剤が、ペプチド成長因子、異化アンタゴニスト、骨-因子、滑膜-因子及び抗炎症因子からなる群から選択される、請求項18の方法。
【請求項20】
ペプチド成長因子が、IGF(1,2)、PDGF(AA、AB、BB)、BMPs、FGF(1−20)、TGF-β(1−3)及びEGFからなる群から選択される、請求項19の方法。
【請求項21】
異化アンタゴニストが、IL-1ra、NO阻害剤、ICE阻害剤、IL-6、IL-8、LIF、IFN-γの活性、TNFα活性を阻害する物質、テトラサイクリン及びその変異体、アポトーシスの阻害剤、MMP阻害剤、アグリカナーゼ阻害剤及びセリン及びシステインプロテイナーゼ(例えばカテプシン及びウロキナーゼ又は組織プラスミノーゲン活性化剤(uPA及びtPA))の阻害剤からなる群から選択される、請求項19の方法。
【請求項22】
骨-因子が、二リン酸エステル、オステオプロテグリンからなる群から選択される、請求項19の方法。
【請求項23】
抗炎症因子が、抗TNFα、可溶性TNFレセプター、IL1ra、可溶性IL1レセプター、IL-4、IL-10及びIL-13からなる群から選択される、請求項19の方法。
【請求項24】
治療が、標準的な外科的技術を更に含む請求項1の方法。
【請求項25】
軟骨疾患による軟骨の初期の又は連続したダメージを予防する方法であって、軟骨に有効量のインスリン又はインスリン変異体を接触させることを含む方法。
【請求項26】
軟骨が、関節軟骨である請求項25の方法。
【請求項27】
軟骨が哺乳動物内にあり、投与される量が治療的有効量である請求項25の方法。
【請求項28】
軟骨疾患が、変性軟骨疾患である請求項25の方法。
【請求項29】
変性軟骨疾患が、リウマチ様関節炎である請求項28の方法。
【請求項30】
変性軟骨疾患が、骨関節炎である請求項28の方法。
【請求項31】
軟骨疾患が、外傷によるものである請求項27の方法。
【請求項32】
外傷の型が、微細損傷又は鈍的外傷、軟骨破壊、骨軟骨破壊、又は腱、半月板又は靱帯の損傷である、請求項31の方法。
【請求項33】
外傷が、スポーツ外傷又は肥満から生じる過度の力学的ストレス又は他の生体力学的不安定性によるものである、請求項31の方法。
【請求項34】
インスリン又はインスリン変異体が、担体、賦形剤又は安定化剤を更に含む組成物の形態である、請求項25の方法。
【請求項35】
軟骨が哺乳動物内にあり、投与される量が治療的有効量である請求項34の方法。
【請求項36】
組成物が、作用させる軟骨領域又は関節に直接注入されることにより投与される、請求項35の方法。
【請求項37】
組成物が、徐放性又は持続放出性製剤である請求項36の方法。
【請求項38】
組成物が、PLGAを更に含む請求項37の方法。
【請求項39】
組成物が、多価金属塩を更に含む請求項38の方法。
【請求項40】
多価金属塩が、酢酸亜鉛である請求項39の方法。
【請求項41】
治療が、有効量の軟骨剤を軟骨に接触させることを更に含む、請求項25の方法。
【請求項42】
軟骨が哺乳動物内にあり、インスリン又はインスリン変異体及び軟骨剤の投与される量が治療的有効量である、請求項41の方法。
【請求項43】
軟骨剤が、ペプチド成長因子、異化アンタゴニスト、骨-因子、滑膜-因子及び抗炎症因子からなる群から選択される、請求項41の方法。
【請求項44】
ペプチド成長因子が、IGF(1,2)、PDGF(AA、AB、BB)、BMPs、FGF(1−20)、TGF-β(1−3)及びEGFからなる群から選択される、請求項43の方法。
【請求項45】
異化アンタゴニストが、IL-1ra、NO阻害剤、ICE阻害剤、IL-6、IL-8、LIF、IFN-γの活性、TNFα活性を阻害する物質、テトラサイクリン及びその変異体、アポトーシスの阻害剤、MMP阻害剤、アグリカナーゼ阻害剤、及びセリン及びシステインプロテイナーゼ(例えばカテプシン及びウロキナーゼ又は組織プラスミノーゲン活性化剤(uPA及びtPA))の阻害剤からなる群から選択される、請求項43の方法。
【請求項46】
骨-因子が、二リン酸エステル、オステオプロテグリンからなる群から選択される、請求項43の方法。
【請求項47】
抗炎症因子が、抗TNFα、可溶性TNFレセプター、IL1ra、可溶性IL1レセプター、IL-4、IL-10及びIL-13からなる群から選択される、請求項25の方法。
【請求項48】
治療が、軟骨に有効量の軟骨剤を接触させることを更に含む、請求項25の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15A−B】
【図15C−D】
【図15E−F】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図15A−B】
【図15C−D】
【図15E−F】
【図16】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−121896(P2012−121896A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−15753(P2012−15753)
【出願日】平成24年1月27日(2012.1.27)
【分割の表示】特願2001−570284(P2001−570284)の分割
【原出願日】平成13年3月22日(2001.3.22)
【出願人】(509012625)ジェネンテック, インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−15753(P2012−15753)
【出願日】平成24年1月27日(2012.1.27)
【分割の表示】特願2001−570284(P2001−570284)の分割
【原出願日】平成13年3月22日(2001.3.22)
【出願人】(509012625)ジェネンテック, インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】
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