説明

転倒防止装置・画像形成装置

【課題】装置の使用性(操作性)を低下させることなく装置の設置位置も容易に変更できる転倒防止装置を提供する。
【解決手段】転倒防止装置604は、装置本体の底面(ここでは収納ボックス600の底面)に固定される固定用ブラケット605と、この固定用ブラケット605にネジ607により固定される断面L字形の転倒防止部材606を有している。使用時は転倒防止部材606と設置面FLとの間に僅かな隙間dができるように固定される。画像形成装置の移動時には、(b)に示すように、ネジ607が緩められ、転倒防止部材606の垂直部に形成された上下方向に延びる長穴606bを利用して引き上げられ、再びネジ607で固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OA機器等の倒れを防止するための転倒防止装置、該転倒防止装置を有する複写機、プリンタ、ファクシミリ、これらのうちの少なくとも2つの機能を有する複合機、プロッタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
OA機器では占有スペースの効率的使用、コンパクト化等の観点から、水平方向のサイズよりも高さ方向のサイズが大きい、いわゆる縦型の機器が主流となっている。
画像形成装置においても、装置本体上部に位置するスキャナの下方に排紙空間を設け、用紙を略垂直方向に搬送して上記排紙空間に排出するいわゆる胴内排紙方式の縦型のフォームが汎用化されている。
このような縦型の機器では必然的に重心位置が高くなるため、装置本体に不意に外力が作用した場合、倒れやすい。
【0003】
この問題に対処すべく、従来より種々の提案がなされている。特許文献1には、画像形成装置の底面4隅に設けられているキャスターの支軸を利用して、該支軸に水平方向に回動自在に湾曲扇形の転倒防止部材を設け、該転倒防止部材を装置本体底面から水平方向に突出させて使用する転倒防止装置が記載されている。
特許文献2には、装置本体底面の前面側及び背面側において両側から突出する取付金具に弾性部材を係合して転倒防止と振動防止機能を得る構成が記載されている。
特許文献3には、装置投影面積よりも大きい面積を有する板状部材を装置本体下面に取り付けて安定性を得る転倒防止装置が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−252475号公報
【特許文献2】特開平8−18247号公報
【特許文献3】特開平10−246999号公報
【特許文献4】特開平7―36242号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の方式では、転倒防止機能を得るためには、湾曲扇形の転倒防止部材を装置本体底面の周囲から外方に突出するように設置しなければならないが、装置正面の両側で大きく突出するため、オペレータの足の移動範囲を狭くしてしまい、操作時の窮屈さを否めなかった。
特許文献2、3に記載の方式でも同様の問題があった。
また、特許文献3に記載の方式では、装置を移動するときには板材を取り外して移動後に再度取り付けなければならず、煩雑且つ面倒で移動時の作業性が極めて悪かった。
【0006】
本発明は、装置の使用性(操作性)を低下させることなく装置の設置位置も容易に変更できる転倒防止装置、該転倒防止装置を有する画像形成装置の提供を、その主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、転倒防止部材を有し、設置面に対する機器の倒れを防止するために前記機器の底面部に設けられる転倒防止装置において、前記設置面に対する前記転倒防止部材の位置を、前記機器の高さ方向に調整可能であることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の転倒防止装置において、前記底面部の前記設置面に対向する面に固定される固定用ブラケットを有し、該固定用ブラケットに対し前記転倒防止部材が前記高さ方向に位置調整可能に設けられ、所望の位置で前記固定用ブラケットと前記転倒防止部材とを締結部材により一体に固定することを有することを特徴とする。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の転倒防止装置において、前記固定用ブラケットと前記転倒防止部材のうち、少なくとも前記転倒防止部材が補強リブを有する板材を折り曲げて形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明では、請求項2又は3に記載の転倒防止装置において、前記転倒防止部材が前記固定用ブラケットに対して前記高さ方向に回動自在に設けられ、転倒防止が可能な使用位置と、前記底面から略水平方向への突出量が少なくなるかあるいは無くなる退避位置とに任意に設定可能であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明では、請求項2又は3に記載の転倒防止装置において、前記転倒防止部材が前記固定用ブラケットに対して略水平方向に回動自在に設けられ、転倒防止が可能な使用位置と、前記底面から略水平方向への突出量が少なくなるかあるいは無くなる退避位置とに任意に設定可能であることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明では、請求項2又は3に記載の転倒防止装置において、前記転倒防止部材が、前記固定用ブラケットに固定される固定部と、前記底面から略水平方向へ突出する突出部とを有し、前記突出部は、前記固定部と一体の第1の突出部と、該第1の突出部に重ね合わせ状態に設けられ、突出方向に位置調整可能な第2の突出部とを有していることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明では、画像形成装置において、請求項1〜6のいずれかに記載の転倒防止装置を有することを特徴とする。
請求項8に記載の発明では、請求項7に記載の画像形成装置において、装置本体の底面に脚部を有し、且つ、水平断面の中央部から重心位置がずれたウエイトバランスを有し、重心位置がずれている側に前記転倒防止装置が設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項9に記載の発明では、請求項8に記載の画像形成装置において、装置本体の一側に用紙を反転させる反転部が設けられ、該反転部が位置する側に前記転倒防止装置が設けられていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明では、請求項8に記載の画像形成装置において、装置本体の一側に電装部材が設けられ、該電装部材が位置する側に前記転倒防止装置が設けられていることを特徴とする。
請求項11に記載の発明では、請求項10に記載の画像形成装置において、前記一側に駆動制御対象が異なる複数の電装部材が集約されていることを特徴とする。
【0013】
請求項12に記載の発明では、請求項8に記載の画像形成装置において、装置本体の一側に用紙を反転させる反転部が設けられ、該一側と隣り合う一側に電装部材が集約され、前記反転部が位置する一側と前記電装部材が集約された一側にそれぞれ前記転倒防止装置が設けられていることを特徴とする。
請求項13に記載の発明では、請求項10〜12のいずれかに記載の画像形成装置において、前記電装部材が設けられた一側と対向する一側が装置前面であり、装置本体底面の前記装置前面側に、前記設置面に対する設置状態を調整する設置調整手段が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項14に記載の発明では、請求項9又は12に記載の画像形成装置において、前記反転部が位置する一側が装置本体の底面側の側方よりも略水平方向に突出した構成を有し、前記転倒防止装置の略水平方向への突出量は、前記反転部が位置する一側の投影面積内であることを特徴とする。
請求項15に記載の発明では、請求項10〜12のいずれかに記載の画像形成装置において、前記電装部材が設けられた一側が装置本体の底面側の側方よりも略水平方向に突出した構成を有し、前記転倒防止装置の略水平方向への突出量は、前記電装部材が設けられた一側の投影面積内であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡単な操作で転倒防止部材を設置面から離間できるので、画像形成装置等の機器の設置位置の変更を少ない労力で効率的に行うことができる。
本発明によれば、装置一側に重心が偏った画像形成装置であっても、良好な転倒防止機能を得ることができるとともに、操作性の低下を防止することができる。
本発明によれば、転倒防止装置を備えた状態で適宜壁面に直付けできるので、画像形成装置の設置レイアウト上の自由度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図19に基づいて説明する。
図1は、複写機能とファクシミリ機能とプリンタ機能を併せ持つ複合機であるカラー画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という)の外観を示している。
図中符号100は画像形成装置本体、200はその上に装置正面と隣り合う一側方(左側)を開放するように胴内排紙空間300を形成して取り付けられるスキャナを示している。
図2に示すように、スキャナ200の上には、自動原稿搬送装置(ADF)400が、装置後方(背面)の回動軸を中心として装置正面側を上下に開閉可能に取り付けられるが、図1ではそれが取り除かれて示されている。
画像形成装置本体100の右側面には、反転部としての両面ユニット500が下方に設けられた回動軸により左右に開閉可能に取り付けられている。
【0017】
両面ユニット500が取り付けられる側面と反対の側面には、胴内排紙空間300に排出された用紙を中継する中継搬送ユニット(図示しない)から排出された用紙にステープル、パンチ等を行う後処理装置(図示しない)を取り付けることもできる。
図1に示すように、画像形成装置本体100の正面(前面)には、上段に正面カバー10が下方に設けられた回動軸により前後に開閉自在に備えられ、正面カバー10を開けると、後で説明する装置正面から奥方向へ延在する作像ステーション(以下、「プロセスカートリッジ」ともいう)20c、20m、20y、20bを装置正面から引き出し可能となっている。
正面カバー10の下方には、給紙トレイ12が手前側に引き出し自在に二段に備えられている。スキャナ200の手前には、操作パネル14が設けられている。そして、この画像形成装置では、画像形成装置本体100とスキャナ200との間に胴内排紙空間300を形成することにより、設置スペースを小さくしている。また、正面カバー10や両面ユニット500を開閉することにより、部品交換や保守点検などのメンテナンスを可能としている。
【0018】
図2には、画像形成装置のスキャナ200上に自動原稿搬送装置400が取り付けられ、画像形成装置本100が給紙テーブル600上に載置して設置された状態が示されている。給紙テーブル600に代えてサプライ品等を収納する収納ボックスを装置最下位部に設置してもよい。この観点から以下、装置最下位部を収納ボックスともいう。
また、画像形成装置本体100と収納ボックス600とを合わせた全体を装置本体100という場合もある。
画像形成装置本体100内には、作像装置16が備えられている。作像装置16には、シアン、マゼンタ、イエロ、ブラックの4つの作像ステーション20c、20m、20y、20bがタンデム式に並べて設けられる。各作像ステーション20c、20m、20y、20bには、それぞれドラム状の像担持体として、感光体21c、21m、21y、21bが備えられている。
【0019】
各感光体21c、21m、21y、21bの図中時計回り方向の回転に伴い、各作像ステーション20c、20m、20y、20bでは、まず各帯電装置でバイアス電圧を印加して表面が一様に帯電される。次いで、スキャナ200による読取信号に基づき共通の書き込み装置23から、それぞれレーザ光を照射することにより書き込みが行われ、感光体21c、21m、21y、21b上に静電潜像が形成される。
その後、各現像装置で、粉体であるトナーを付着してその静電潜像が可視像化され、感光体21c、21m、21y、21b上に各々各色単色画像が形成される。
【0020】
感光体21c、21m、21y、21bの回転とともに、それらの感光体21c、21m、21y、21bに接触して複数のローラに掛け回された無端ベルト状の中間転写体25が図中反時計回り方向に走行される。
各一次転写装置26c、26m、26y、26bにより、感光体21c、21m、21y、21b上の各色単色画像がシアンから順に中間転写体25上に一次転写され、転写画像を重ね合わせて中間転写体25上にフルカラー画像が形成される。
一方、適宜タイミングで給送ローラ28の1つが選択的に回転され、画像形成装置本体100内の、対応する給紙トレイ12から記録媒体Pが繰り出され、または給紙テーブル600の給送ローラ29の1つが選択的に回転され、給紙テーブル600内の、対応する給紙トレイ30から記録媒体Pが繰り出され、記録媒体搬送路31を搬送されて一対のレジストローラ対32間に突き当てて止められる。
【0021】
中間転写体25上のフルカラー画像にタイミングを合わせて一対のレジストローラ対32が回転され、二次転写装置33によりそのフルカラー画像が記録媒体Pに二次転写される。
その後、フルカラー画像転写後の記録媒体Pは、記録媒体搬送路31を通してそのまま上方へと搬送され、定着装置34の定着ニップを通過するとき未定着転写トナーが定着され、排出ローラ対35で排出されて画像形成装置本体100上の胴内排紙空間300にある排紙トレイ36上にスタックされる。
一次転写終了後の各感光体21c、21m、21y、21bは、各作像ステーション20c、20m、20y、20bの一次クリーニング装置でクリーニングされ、転写残トナーが除去されて初期化される。
二次転写終了後の中間転写体25は、二次クリーニング装置38でクリーニングされ、転写残トナーが除去されて初期化される。図中符号39c、39m、39y、39bは、それぞれ各色現像装置にトナーを補給する各色トナーボトルを示している。
【0022】
スキャナ200には、スキャナフレーム40と、これの上部に固定された大判の第1コンタクトガラス41、細長な第2コンタクトガラス42とで構成された筐体が備えてられている。
筐体内には、光源44や第1ミラー45を有する不図示の第1走行体と、第2ミラー47や第3ミラー48を有する第2走行体49とが、後者が前者の1/2の速度で第1コンタクトガラス41に沿って走行して第1コンタクトガラス41上の原稿面を光走査する公知の光学系が備えられている。
光源44から発せられて原稿面で反射した走査光は、第1ミラー45、第2ミラー47、第3ミラー48上で順次反射して、固定レンズ50で結像された後、固体撮像素子(CCD)51に取り込まれる。取り込まれた結像データは、デジタル信号として適宜処理され、ファクシミリ機能によって電話回線を介して遠隔地へ送られたり、作像装置16の書き込み装置23に読取信号として送られたりする。
【0023】
自動原稿搬送装置400には、第1コンタクトガラス41、第2コンタクトガラス42に向けて原稿を押さえ付ける第1圧板53、第2圧板54が備えられている。図示しない回動軸を中心に回動せしめられることで、コンタクトガラスを境にしてスキャナ200から見開かれるようになっている。
閉じられた状態では、本のような厚い原稿でも第1圧板53によって第1コンタクトガラス41に密着せしめることができる。本のように綴じられていないシート状の原稿Sについては、複数重ねた束の状態で、原稿積載部55の可動板56上に原稿面を上にしてセットすることができる。
【0024】
スキャン開始命令が操作者の操作によって入力されると、最上部のシート状原稿Sに当接している給送ローラ57が図中矢印方向に回転し、そのシート状原稿Sが原稿給送部58に送られる。このシート状原稿給送部58では、2枚以上重なった状態でシート状原稿Sが送られてきても、分離ローラ対によって確実に1枚ずつ分離されて搬送される。
搬送用ローラ対60、搬送ローラ61、62、排出ローラ対63を順次経て図中矢印方向に排出され、原稿排出トレイ64上に原稿面を下にしてスタックされる。
【0025】
また、この排出に至るまでの間に、シート状原稿Sが第2圧板54と第2コンタクトガラス42の間を通過しているとき、その裏面の画像情報もイメージセンサ65により読み取ることができる。
このとき、スキャナ200は、第1走行体、第2走行体49を移動させることなく、光走査を行うことができる。なお、第1圧板53のシート状原稿Sに接する部分には、白色シートが貼り付けてある。これは、シート状原稿Sが、裏面が透けるほどに薄い場合には、第1圧板53の色がスキャナ200により背景として読み取られてしまうからである。同じ理由で、搬送ローラ61、第2圧板54も白色にしてある。
【0026】
両面ユニット500には、フレーム70の内部にスイッチバック路71と再給送路72が備えられ、記録媒体の搬送路に片面記録済みの記録媒体Pを戻すように、切り換えガイド73、74や反転可能なローラ75や反転可能なローラ76などが備えられている。
反転可能な駆動ローラ76には、2つのローラ77、78が当接しており、このローラ76が時計方向に回転するときは、ローラ78と協働して手差し給送トレイ79からの手差し記録媒体の搬送を行い、反時計回り方向に回転するときは、ローラ77と協働してレジストローラ32の方向に片面記録済みの記録媒体Pを再給送させる。
記録媒体Pの表裏両面に画像を記録するときには、切り換えガイド73が図示の状態から時計方向に回動され、定着装置22を通過した片面記録済みの記録媒体Pが、ローラ対80により搬送路81に案内されて両面ユニット500に送り込まれ、切り換えガイド74で切り換えられてローラ対82で搬送され、一旦スイッチバック路71に送り込まれる。
【0027】
それから、後端を挟んだ状態で、ローラ対82が逆向きに回転され、かつ切り換えガイド74が反時計回り方向に回動されることで、記録媒体Pは、スイッチバック路71でスイッチバックして表裏反転されてから再給送路72に送り込まれる。
いくつかのローラ対により順次搬送されて後、最後にローラ対76、77により再び画像形成装置本体100に入れられて搬送され、レジストローラ対32に突き当てて止められる。
その後、適宜のタイミングで再び二次転写位置へと再給紙され、別途中間転写体25上に形成した画像が転写されて裏面にも画像を記録して後、再び定着装置34で定着されて排出ローラ対35で排紙トレイ36上に排出される。
【0028】
図3は、上記画像形成装置の裏面側の背面カバーを外した状態を示す説明図である。胴内排紙型の画像形成装置において、装置背面側に電装部材を集約し、上下方向に亘って配置することで装置奥側の省スペース化を図っている。
画像形成装置の各主要構成に対する電装部材(例えば、モータ、基板等)として、スキャナ200の背面には読取系の電装部材2Aが、画像形成装置本体100の背面には左側に給紙カセットから排紙トレイまでの紙搬送系の電装部材2Bが、右側上部にはトナー補給系の電装部材2Cが、右側下部には作像系の電装部材2Dが、下側には給紙系の電装部材2Eがそれぞれ配置されている。
【0029】
画像形成装置本体100の裏面側には、トナー補給系、作像系の電装部材2C、2Dが取り付けられている範囲を覆うように、回転構造体としての電装ボックス5が画像形成装置本体100に対して図示しない回転軸を中心として開閉可能に取り付けられている。この電装ボックス5は装置背面側が開放される箱型形状を有しており、開放部から電装部品のメンテナンスをすることができる。電装ボックス5の上下面には、内部の熱をボックス外に放熱するための図示しない放熱孔が複数形成されている。
電装ボックス5には、書き込み・モータ・センサの制御を行うシステム制御基板であるBICUやコントローラ等が取り付けられている。
以下、各電装部材及び電装ボックス5をまとめて電装部材集約部700という。
【0030】
図4に示すように、装置本体100の底面には、4隅にキャスター601が設けられており、装置前面(装置正面、操作面ともいう)側には、設置面(床面)に対する設置状態(安定性)を調整するための設置調整手段としてのアジャスタ602が設けられている。
図5に示すように、画像形成装置本体100は、収納ボックス600の上面に固定されたピン603をその底面の対向位置に形成された図示しない穴に挿入して位置決めし、載置される。
図4〜図6に示すように、装置本体100の両面ユニット500が位置する一側(側方、側面ともいう)と、該一側と隣り合う電装部材集約部700が位置する一側(背面側)には、それぞれ転倒防止装置604が設けられている。図2及び図3ではキャスター601、アジャスタ602及び転倒防止装置604は省略している。
【0031】
転倒防止装置604を装置本体100の右側面側と背面側とに設けた理由を以下に説明する。
図7は、装置本体100の水平断面を模式的に示している。画像形成装置本体100内のスペースを効率的に使用するために、各電装部材を一側(背面側)に集約することが行われており、胴内排紙空間の位置と全体的な使用性の関係から、装置本体100の前面S1に向かって右側面S2に両面ユニット500が、背面S3に電装部材集約部700が位置する構成となる。
このようなレイアウトにおいては、装置全体の重心位置Gは、装置本体100の中心部から右側面及び背面側に寄った位置となる。このため、装置全体としてはウエイトバランス的に不安定な状態にあり、前面S1側又は左側面S3側からオペレータが押すなどして不意に外力Fが作用した場合、それぞれの方向に倒れる危険性がある。
【0032】
このようなウエイトバランスにおいて、図8に示すように、例えば、正面カバー10を開けて装置本体100内に収容されているプロセスカートリッジのうち、プロセスカートリッジ20cが引き出されて図のような状態に保持された場合、図9に示すように、重心位置Gは前面S1側に移動する。
さらに、図10に示すように、プロセスカートリッジ20cが装置本体100から引き離された場合には、重心位置Gは図7で示した場合よりもさらに右側面及び背面側に寄った位置となる。
図11に示すように、給紙トレイ12内の用紙が少なくなった場合にも、重心位置Gは図7で示した場合よりもさらに右側面及び背面側に寄った位置となる。
図12に示すように、両面ユニット500が開放された場合には、重心位置Gは図7で示した場合よりもさらに右側面側に寄った位置となる。
図示しないが、ADFを上方に開放した場合には、重心位置Gは図7で示した場合よりもさらに背面S3側にずれることになる。
【0033】
このように、重心位置Gはプロセスカートリッジの引き出し操作や用紙の減少等の条件により変化し、右側面S2と背面S3は、両面ユニット500の設置と電装部材の集約化により元々外力の作用に対して弱く、特に倒れやすい状態となる。
本実施形態では、このような重心位置Gの変動及び画像形成装置のフォーム特性を考慮して、装置本体100の4側のうち、重心位置Gが偏っている右側面S2と背面S3に転倒防止装置604を配置し、前面S1には操作に邪魔にならないアジャスタ602を配置する方式としている。
すなわち、従来においては総じて、画像形成装置全体を1つの固体物とみなしてその安定化を図るために単に4隅に転倒防止部材を均等に配置する方式を採っているが、本実施形態では画像形成装置全体のウエイトバランスを考慮して重点的に転倒防止装置604を配置するとともに、操作面側における障害性を同時に解決している。
【0034】
以下、転倒防止装置604を詳細に説明する。
図13に示すように、右側面S2に取り付けられる転倒防止装置604は、装置本体100の底面としての収納ボックス600の底面に固定される固定用ブラケット605と、この固定用ブラケット605に上下方向(装置の高さ方向)の位置を調整される転倒防止部材606と、固定用ブラケット605と転倒防止部材606を一体的に固定する締結部材としてのネジ607等を有している。
固定用ブラケット605は、収納ボックス600の底面に設けられたネジ穴608にネジ609で固定される。収納ボックス600に対する固定用ブラケット605の固定は溶接等でもよい。
背面S3側に取り付けられる転倒防止装置604も同様の構成を有している。
【0035】
図14に示すように、固定用ブラケット605は金属板(鋼板)により断面L字形のいわゆるアングル材として形成されており、両端は側板605aで補強されている。
固定用ブラケット605には、裏側に突出するように、すなわち転倒防止部材606との面合わせにおいて邪魔にならないように、溝状の補強リブ605bがプレス加工等により長手方向に間隔をおいて数条形成され、剛性が高められている。ここでは予め補強リブ605bが形成された鋼板を折り曲げて形成されている。
固定用ブラケット605において、符号605cはネジ609の挿通孔を、605dはネジ607の螺合孔を示している。
【0036】
転倒防止部材606も同様に、金属板(鋼板)により断面L字形に形成されており、固定用ブラケット605に面合わせされる垂直に延びる固定部606Aと、略水平に延びる突出部606Bから構成されている。
固定部606Aには両端に固定用ブラケット605に対する位置決め片606aが裏側に折り曲げて一体に形成されているとともに、ネジ607が挿通される位置調整用の長穴606bが2箇所において上下方向に延びるように形成されている。なお、長穴606bやネジ607は図4〜図6においては省略している。
また、転倒防止部材606は、予め溝状の補強リブ606cがプレス加工等により形成された鋼板を折り曲げて形成され、転倒防止部材606の断面と同じL字方向に形成される補強リブ606cが長手方向に間隔をおいて数条存在することにより、転倒防止部材に必要な剛性が高められている。
補強リブ606cは面合わせに邪魔にならないように、固定用ブラケット605の補強リブ605bとは逆向きに突出している。
本実施形態では、溝状の補強リブ606cを形成して転倒防止部材606全体の剛性を高めているが、図15に示すように、例えば別体の補強リブ606dを固定して剛性を高めるようにしてもよい。固定用ブラケット605においても同様である。
【0037】
図16は収納ボックス600の底面側から見た図である。キャスター601は四角形の固定用プレート601aを一体に有しており、この固定用プレート601aを介して図示しないネジにより4箇所で収納ボックス600の底面に固定されている(図13では省略)。
アジャスタ602は設置面と装置本体100の底面との間の間隔を調整する機能を有しおり、同時に前面S1側の転倒防止部材としての役割も担っている。このため、設置面に接触する円錐状の設置板602aが操作領域で邪魔にならない範囲で給紙テーブル600の前面より若干突出するように配置されている。
【0038】
図17(a)に示すように、使用時は、転倒防止部材606はその突出部606Bと設置面FLとの間に僅かな隙間dが存在するように固定される。もちろん、設置面FLに接触するようにしてもよい。
画像形成装置を移動する場合には、図17(b)に示すように、装置本体右側および背面からネジ607を緩めて転倒防止部材606を上方に引き上げ、再度ネジ607を固定する。また、アジャスタ602を若干上昇させる。
隙間dの状態でも移動は可能であるが、設置面FLが平坦でない場合には引っ掛かる虞があるので、引き上げてから移動するのが確実である。
【0039】
図18に示すように、両面ユニット500側に設けられる転倒防止装置604の転倒防止部材606の略水平方向への突出量は、両面ユニット500が位置する一側(右側面S2)の投影面積内に設定されている。
したがって、画像形成装置の設置レイアウト上、両面ユニット500側を壁面Wに接触(直付け)させるような場合でも、それが転倒防止部材606により邪魔されることはない。
また、装置本体右側に立ち、両面ユニット500を開放してジャム処理等のメンテナンスをする際に、メンテナンス作業者の立ち位置に転倒防止部材606が邪魔となることはない。
このことは、図19(上方から見た図)に示すように、背面S3側においても同様で、転倒防止部材606の略水平方向への突出量は、電装部材集約部700が位置する一側(背面S3)の投影面積内に設定されている。
【0040】
以上のように、前面S1側から外力F1が作用した場合、背面S3側に取り付けられた転倒防止装置604により転倒が防止され、左側面S4側から外力F2が作用した場合、右側面S2側に取り付けられた転倒防止装置604により転倒が防止され、背面S3側から外力F3が作用した場合、前面S1側に配置されたアジャスタ602により転倒が防止される。
したがって、右側面S2に両面ユニット500を有し、背面S3側に電装部材集約部700を有する縦型の画像形成装置において、操作面側の足場を狭くすることなく転倒防止機能を効果的に得ることができ、画像形成装置の移動においてもネジ操作だけで取り外す必要がなく、作業性がよい。また、ネジ607は外部に露出しているので、容易に視認でき、操作がしやすい。
【0041】
図20及び図21に基づいて第2の実施形態を説明する。なお、上記実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略して要部のみ説明する(以下の他の実施形態において同じ)。
第1の実施形態では装置本体底面部よりも両面ユニット500及び電装部材集約部700が水平方向に突出しているため、壁面に直付けしても底面側に位置する転倒防止部材606が邪魔になることはなかったが、装置本体が上下方向に亘って略平坦な構成の場合に、画像形成装置の設置レイアウト上壁面に直付けしなければならないときは、転倒防止部材606の存在が邪魔となる。
本実施形態ではこの問題を解消することを目的としている。
【0042】
本実施形態に係る転倒防止装置610は、図20に示すように、収納ボックス600の底面に溶接等の手法により固定される円筒又は円柱状の固定用ブラケット611と、この固定用ブラケット611に対して上下方向に位置調整可能な転倒防止部材612と、固定用ブラケット611と転倒防止部材612とを一体に固定するネジ613を有している。
転倒防止部材612は、固定用ブラケット611に嵌合して上下方向(装置高さ方向)及び水平方向に摺動可能な円筒状の基体614と、基体613の底面に固定されたL字状のプレート615とから構成されている。
【0043】
固定用ブラケット611にはネジ613が螺合する図示しないネジ穴が形成されている。
基体614には、上下方向に延びる位置調整用で且つネジ613の挿通孔としての長穴614aと、この長穴614aに下端側で連なって周方向に延びる横長穴614bが形成されている。
転倒防止装置610は右側面S2の両側に各々取り付けられており、背面S3においても同様に取り付けられている。
【0044】
第1の実施形態と同様に、転倒防止部材612はプレート615と設置面との間に僅かに隙間ができる位置に固定される。画像形成装置を移動するときも同様に、ネジ613を緩めて転倒防止部材612を引き上げる。
図21(a)は転倒防止機能が得られる使用状態を示している。右側面S2を壁面に直付けする場合には、ネジ613を緩めて転倒防止部材612を引き上げた後、横長穴614bを利用して収納ボックス600の底面に入り込むように退避位置に回動させる。回動させた後、ネジ613で固定する。
回動させると、図21(b)に示すように、転倒防止部材612はその全体が収納ボックス600の底面領域内に入り(隠れ)、右側面S2から突出しない状態となる。これにより、右側面S2を壁面Wにほぼ直付けすることができる。図示しないが、背面S3側においても同様である。
【0045】
図22及び図23に基づいて第3の実施形態を説明する。本実施形態も壁面への直付けを可能とすることを目的としている。
本実施形態に係る転倒防止装置620は、第1の実施形態における固定用ブラケット605(図示を省略)と、分割構成の転倒防止部材621と、これらを一体に固定するネジ607を有している。
転倒防止部材621は、固定用ブラケット605に固定される固定部621Aと、収納ボックス600の底面から略水平方向に突出する突出部621Bを有している。符号621aは位置決め片を、621bは長穴を示している。
突出部621Bは、固定部621Aと一体の第1の突出部61B−1と、第1の突出部621B−1に重ね合わせ状態に設けられ、突出方向に位置調整可能な第2の突出部621B−2を有している。
【0046】
第2の突出部621B−2の両端部には、第1の突出部621B−1の端部に係合して摺動可能なレール部621B−2aが曲げ加工により形成されている。これに対応して固定部621Aには、レール部621B−2aの通過を許容する切欠凹部621cが形成されている。
また、突出方向に間隔をおいて、使用位置と退避位置に設定するためのネジ穴621B−2bが形成されている。
第1の突出部621B−1には、ネジ穴621B−2bに螺合して第1の突出部621B−1と第2の突出部621B−2を一体に固定するネジ622の挿通孔621B−1aが形成されている。
第1の突出部621B−1と第2の突出部621B−2の一体化はレール部621B−2aによっても確保され、このため1本のネジ622で固定する方式としている。レール部621B−2aは位置決め片も兼ねている。
【0047】
図23(a)に示すように、転倒防止部材621は第2の突出部621B−2と設置面との間に僅かに隙間ができる位置に固定される。画像形成装置を移動するときは、図23(b)に示すように、第1の実施形態と同様にネジ607を緩めて転倒防止部材621を引き上げるとともに、アジャスタ602を若干上昇させる。
また、壁面への直付けを可能とする場合には、図23(b)に示すように、ネジ622を取り外して第2の突出部621B−2を退避位置にスライドさせ、これに対応したネジ穴621B−2bにネジ622を螺合して固定する。
図23(a)に示す使用位置で、第1の突出部621B−1と第2の突出部621B−2との重なり部分が少なくて一体的剛性が弱い場合には、第2の突出部621B−2の突出方向の幅を大きくし、使用位置でも第1の突出部621B−1全体に重なるようにしてもよい。
【0048】
図24及び図25に基づいて第4の実施形態を説明する。本実施形態も壁面への直付けを可能とすることを目的としている。
本実施形態に係る転倒防止装置625は、収納ボックス600の底面に固定される固定用ブラケット626と、この固定用ブラケット626内に下側から挿入されて後述するピンで支持される断面L字状の転倒防止部材627と、これらを一体に固定するネジ607を有している。
転倒防止部材627は両端に支持部627aを有しており、この支持部627aには上下方向に間隔をおいてピン627bが各々水平方向に突出するように固定されている。転倒防止部材627において、符号627cは調整用の長穴を示している。
固定用ブラケット626の側板626aには、上方のピン627bを支持するとともにその回動変位をガイドするスリット628が形成されているとともに、下方のピン627bを支持するとともにその回動変位をガイドするスリット629が形成されている。
スリット628とスリット629は、それぞれ垂直部628a、629aと、円弧部628b、629bと、水平部628c、629cから構成されている。固定用ブラケット626において、符号626bはネジ607が螺合するネジ穴を示している。
【0049】
図25(a)に示すように、使用状態(使用位置)では、転倒防止部材627は設置面との間に僅かに隙間ができる位置に固定される。
転倒防止部材627の上下方向の位置は、スリット628、スリット629の垂直部628a、629aにおけるピン627bの移動により可能であり、画像形成装置を移動する場合にはネジ607を緩めて上方に引き上げられる。
退避位置に設定する場合には、図25(b)に示すように、ネジ607を取り外して転倒防止部材627を上下方向に回動させ、最終的に図25(c)に示すように、各ピン627bがスリット628、スリット629の水平部628c、629cに入り込むようにし、回動しないようにする。これにより壁面への直付けが可能となる。
【0050】
図26に基づいて第5の実施形態を説明する。
画像形成装置が設置される設置面は一律に平面ではなく、例えば図26に示すように、段差部630を有する場合もある。このようなケースで画像形成装置を段差部630に直付けして使用しなければならない場合には、上述した下面取付タイプの転倒防止装置では転倒防止部材が突出して段差部630に当たるため、使用位置に設定することができない。
本実施形態ではこの問題に対処することを目的としている。
本実施形態に係る転倒防止装置635は、第1の実施形態における転倒防止部材606と、この転倒防止部材606を収納ボックス600の底面部の外側面に固定するネジ607を有している。
収納ボックス600の外側面には、ネジ607が螺合するネジ穴が形成されている。すなわち、本実施形態では収納ボックス600の側面自体を固定用ブラケットとして利用している。
画像形成装置を移動させる場合には、第1の実施形態で説明したのと同様に、ネジ607を緩めて転倒防止部材606を引き上げる。
このような構成を採ることにより、段差部630に直付けしながら転倒防止機能を良好に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置の一部を省略した斜視図である。
【図2】画像形成装置全体の概要縦断面図である。
【図3】背面側から見た概要斜視図である。
【図4】画像形成装置全体の右側面側から見た斜視図である。
【図5】画像形成装置本体と収納ボックスとを分離した状態の斜視図である。
【図6】収納ボックスを背面側斜めから見た斜視図である。
【図7】画像形成装置全体の重心位置を示す水平断面の模式図である。
【図8】画像形成装置本体から1つのプロセスカートリッジを引き出した状態を示す斜視図である。
【図9】1つのプロセスカートリッジを引き出した状態における画像形成装置全体の重心位置を示す水平断面の模式図である。
【図10】図9に示すプロセスカートリッジを取り出した状態における重心位置を示す水平断面の模式図である。
【図11】給紙トレイの用紙が少なくなったときの重心位置を示す水平断面の模式図である。
【図12】両面ユニットを開放したときの重心位置を示す水平断面の模式図である。
【図13】収納ボックスの底面における転倒防止装置等の分解斜視図である。
【図14】転倒防止装置の拡大斜視図である。
【図15】転倒防止部材の変形例を示す斜視図である。
【図16】収納ボックスを底面側から見た図である。
【図17】転倒防止装置の使用動作を示す要部断面図で、(a)は使用状態を示す図、(b)は画像形成装置を移動可能に転倒防止部材を上方に引き上げた状態を示す図である。
【図18】両面ユニット側を壁面に直付けした状態を示す概要正面図である。
【図19】各側面における転倒防止機能を示す水平断面である。
【図20】第2の実施形態に係る転倒防止装置の斜視図である。
【図21】第2の実施形態における使用動作を示す概要平面図で、(a)は使用状態を示す図、(b)は退避状態を示す図である。
【図22】第3の実施形態に係る転倒防止装置の要部分解斜視図である。
【図23】第3の実施形態における使用動作を示す概要断面図で、(a)は使用状態を示す図、(b)は画像形成装置を移動可能に転倒防止部材を上方に引き上げた状態及び退避状態を示す図である。
【図24】第4の実施形態に係る転倒防止装置の分解斜視図である。
【図25】第4の実施形態における使用動作を示す概要断面図で、(a)は使用状態を示す図、(b)は転倒防止部材が回動している状態を示す図、(c)は転倒防止部材を退避位置にセットした状態を示す図である。
【図26】第5の実施形態に係る転倒防止装置の要部断面図である。
【符号の説明】
【0052】
2A、2B、2C、2D、2E 電装部材
100 装置本体
500 反転部としての両面ユニット
602 設置調整手段としてのアジャスタ
604、610、620、625、635 転倒防止装置
605、611、626 固定用ブラケット
606、612、621、627 転倒防止部材
606c 補強リブ
607 締結部材としてのネジ
G 重心位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
転倒防止部材を有し、設置面に対する機器の倒れを防止するために前記機器の底面部に設けられる転倒防止装置において、
前記設置面に対する前記転倒防止部材の位置を、前記機器の高さ方向に調整可能であることを特徴とする転倒防止装置。
【請求項2】
請求項1に記載の転倒防止装置において、
前記底面部の前記設置面に対向する面に固定される固定用ブラケットを有し、該固定用ブラケットに対し前記転倒防止部材が前記高さ方向に位置調整可能に設けられ、所望の位置で前記固定用ブラケットと前記転倒防止部材とを締結部材により一体に固定することを有することを特徴とする転倒防止装置。
【請求項3】
請求項1に記載の転倒防止装置において、
前記固定用ブラケットと前記転倒防止部材のうち、少なくとも前記転倒防止部材が補強リブを有する板材を折り曲げて形成されていることを特徴とする転倒防止装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の転倒防止装置において、
前記転倒防止部材が前記固定用ブラケットに対して前記高さ方向に回動自在に設けられ、転倒防止が可能な使用位置と、前記底面から略水平方向への突出量が少なくなるかあるいは無くなる退避位置とに任意に設定可能であることを特徴とする転倒防止装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の転倒防止装置において、
前記転倒防止部材が前記固定用ブラケットに対して略水平方向に回動自在に設けられ、転倒防止が可能な使用位置と、前記底面から略水平方向への突出量が少なくなるかあるいは無くなる退避位置とに任意に設定可能であることを特徴とする転倒防止装置。
【請求項6】
請求項2又は3に記載の転倒防止装置において、
前記転倒防止部材が、前記固定用ブラケットに固定される固定部と、前記底面から略水平方向へ突出する突出部とを有し、前記突出部は、前記固定部と一体の第1の突出部と、該第1の突出部に重ね合わせ状態に設けられ、突出方向に位置調整可能な第2の突出部とを有していることを特徴とする転倒防止装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の転倒防止装置を有する画像形成装置。
【請求項8】
請求項7に記載の画像形成装置において、
装置本体の底面に脚部を有し、且つ、水平断面の中央部から重心位置がずれたウエイトバランスを有し、重心位置がずれている側に前記転倒防止装置が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8に記載の画像形成装置において、
装置本体の一側に用紙を反転させる反転部が設けられ、該反転部が位置する側に前記転倒防止装置が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項8に記載の画像形成装置において、
装置本体の一側に電装部材が設けられ、該電装部材が位置する側に前記転倒防止装置が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
請求項10に記載の画像形成装置において、
前記一側に駆動制御対象が異なる複数の電装部材が集約されていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
請求項8に記載の画像形成装置において、
装置本体の一側に用紙を反転させる反転部が設けられ、該一側と隣り合う一側に電装部材が集約され、前記反転部が位置する一側と前記電装部材が集約された一側にそれぞれ前記転倒防止装置が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記電装部材が設けられた一側と対向する一側が装置前面であり、装置本体底面の前記装置前面側に、前記設置面に対する設置状態を調整する設置調整手段が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項14】
請求項9又は12に記載の画像形成装置において、
前記反転部が位置する一側が装置本体の底面側の側方よりも略水平方向に突出した構成を有し、前記転倒防止装置の略水平方向への突出量は、前記反転部が位置する一側の投影面積内であることを特徴とする画像形成装置。
【請求項15】
請求項10〜12のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記電装部材が設けられた一側が装置本体の底面側の側方よりも略水平方向に突出した構成を有し、前記転倒防止装置の略水平方向への突出量は、前記電装部材が設けられた一側の投影面積内であることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2007−310292(P2007−310292A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141599(P2006−141599)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】