説明

転写装置及び画像形成装置

【課題】潜像書込位置の変動に起因する中間転写ベルト8上での各色トナー図の重ね合わせずれと、中間転写ベルト8の速度変動に起因する各色トナー像の重ね合わせずれとの両方を良好に抑えることができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】回転駆動される駆動ローラ12、及び従動回転可能な従動ローラによって張架される中間転写ベルト8と、中間転写ベルト8の表面に形成された所定のパターン像を検知する光学センサユニット150とを有し、図示しないY,C,M,K用の各色の感光体に形成されたY,C,M,Kトナー像を中間転写ベルト8の表面に重ね合わせて転写する画像形成装置において、光学センサユニット150を、中間転写ベルト8の周方向の全領域のうち、従動ローラたるエンコーダローラ14に対する駆け回し位置にある領域に対向させて配設するとともに、エンコーダローラ14の回転速度を検知するエンコーダを設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の像担持体にそれぞれ担持される可視像を、無端移動する無端状のベルト部材、あるいはそのベルト部材の表面に保持している記録部材に重ね合わせて転写する転写装置に関するものである。また、かかる転写装置を用いて画像を形成する画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の画像形成装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この画像形成装置は、ベルト部材たる無端状の紙搬送ベルトを駆動ローラ及び複数の従動ローラによって張架しながら無端移動せしめる転写ユニットを有している。そして、像担持体たる複数の感光体にそれぞれ形成した互いに異なる色のトナー像を、前述の転写ユニットによって紙搬送ベルト上の記録紙に重ね合わせて転写することでフルカラー画像を得る。複数の感光体のそれぞれに担持される各色トナー像を記録部材たる記録紙に直接重ね合わせて転写する代わりに、ベルト部材たる中間転写ベルトの表面に重ね合わせて1次転写した後、記録紙に一括2次転写するものも知られている。このように、複数の像担持体にそれぞれ形成したトナー像をベルト部材の表面あるいはベルト部材上の記録紙に重ね合わせて転写する方式は、タンデム方式と呼ばれている。
【0003】
タンデム方式の画像形成装置においては、潜像書込装置のレンズやミラーなどの光学系部品が温度変化に伴って光路を微妙に変動させると、各像担持体間で潜像書込装置による潜像書込開始位置が相対的にずれてしまう。すると、各色のトナー像が互いに位置ずれした状態でベルト部材や記録紙に重ね合わせて転写されることで、いわゆる重ね合わせずれが発生してフルカラー画像の画像が乱れてしまう。
【0004】
そこで、特許文献1に記載の画像形成装置は、各色トナー像の相対的な位置ずれ量を定期的に測定し、必要に応じて潜像書込開始タイミングや光学系部品の傾きを調整することで、各色トナー像の位置ずれを補正するようになっている。具体的には、複数の像担持体にそれぞれ形成した所定のトナー像を互いに位置をずらしてベルト部材に転写することで、ベルト部材上に位置ずれ検知用パターン像を得る。そして、この位置ずれ検知用パターン像内の各色トナー像を像検知手段としての光学センサによって検知するタイミングに基づいて、各色トナー像の相対的位置ずれを検知する。次いで、この検知結果に基づいて各像担持体に対する潜像書込開始タイミングを調整したり、レンズやミラーの傾きを調整したりすることで、各像担持体間でのトナー像の相対的な位置ずれを抑える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、各色トナー像の重ね合わせずれを引き起こす要因としては、像担持体に対する潜像書込位置の変動の他に、ベルト部材の速度変動が挙げられる。重ね合わせの転写の際にベルト部材の速度変動が起こると、たとえ各像担持体間でトナー像の相対的位置が合っていたとしても、各色のトナー像が互いにずれて転写されてしまうのである。ベルト部材の速度変動をきたす要因としては、ベルト部材の周方向における厚みムラや、ベルト部材を駆動する駆動ローラの偏心などが挙げられる。
【0006】
ベルト部材の速度変動に起因する各色トナー像の重ね合わせずれについては、上述のような潜像書込開始タイミングの調整や、光学系部品の傾きの調整によってその発生を抑えることはできない。具体的には、上述した潜像書込位置の変動に起因する各色トナー像の位置ずれは、画像全体の位置が各色間でずれるものであり、画像内の各ドットの相対位置は各色で殆ど変わらない。このため、潜像書込開始タイミングを調整したり、光学系部品の傾きを調整したりすることで、各色間で画像全体とともに各ドットの位置ずれを抑えることができる。これに対し、ベルト部材の速度変動に起因する位置ずれでは、画像内の各ドットの相対位置関係が各色間で変化する。このため、潜像書込開始タイミングやミラーの傾きを調整しても、その位置ずれを抑えることはできないのである。
【0007】
また、上述した位置ずれ検知用パターン像が光学センサによって検知されているときにベルト部材の速度変動が起こると、その位置ずれ検知用パターン像内の各色トナー像の位置ずれパターンが正しく検知されなくなる。このため、ベルト部材の速度変動が起こると、その速度変動に起因する重ね合わせずれが発生してしまうだけでなく、潜像書込位置の変動に起因する各色トナー像の位置ずれを良好に抑えることもできなくなってしまう。
【0008】
これまで、タンデム方式の画像形成装置において生ずる問題について説明してきたが、次のような画像形成装置においても、同様の問題が生じ得る。即ち、ベルト部材を複数周回に渡って移動させながら、各周回で像担持体上の可視像をベルト部材あるいはベルト部材上の記録部材に重ね合わせて転写する方式の画像形成装置である。
【0009】
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、次のような転写装置及びこれを用いる画像形成装置を提供することである。即ち、潜像書込位置の変動に起因する可視像の重ね合わせずれと、ベルト部材の速度変動に起因する可視像の重ね合わせずれとの両方を良好に抑えることができる転写装置等である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、回転駆動される駆動ローラ、及び従動回転可能な従動ローラによって張架される無端状のベルト部材と、該ベルト部材の表面に形成された可視像を検知する像検知手段とを有し、画像形成装置の像担持体に担持される可視像を、該駆動ローラの回転駆動に伴って無端移動せしめている無端状のベルト部材、あるいは該ベルト部材の表面に保持している記録部材に転写する転写装置において、上記像検知手段を、上記ベルト部材の周方向の全領域のうち、上記従動ローラに対する駆け回し位置にある領域に対向させて配設するとともに、該従動ローラの回転速度を検知する回転速度検知手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の転写装置において、上記従動ローラを基準にして、上記像検知手段を上記ベルト部材に対して位置決めしたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の転写装置において、複数の上記像検知手段を上記従動ローラの回転軸線方向に複数並べて配設したことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、可視像を担持する像担持体と、該像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、駆動ローラ及び従動ローラに張架しながら無端移動せしめている無端状のベルト部材、あるいは該ベルト部材の表面に保持している記録部材に、該像担持体に担持される可視像を転写する転写手段とを備える画像形成装置において、上記転写手段として、請求項1乃至3の何れかの転写装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、回転駆動される駆動ローラ、及び従動回転可能な従動ローラによって張架される無端状のベルト部材と、該ベルト部材のおもて面を覆うように配設され、自らに設けられた開口又は光透過性部材からなる窓を通じて該ベルト部材の表面上の可視像を像検知手段に検知させる覆い部材とを有し、画像形成装置の像担持体に担持される可視像を、該駆動ローラの回転駆動に伴って無端移動せしめている無端状のベルト部材、あるいは該ベルト部材の表面に保持している記録部材に転写する転写装置において、上記覆い部材の上記開口又は上記窓を、上記ベルト部材の周方向の全領域のうち、上記従動ローラに対する駆け回し位置にある領域に対向させるとともに、該従動ローラの回転速度を検知する回転速度検知手段を設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記覆い部材として、上記開口又は上記窓を上記従動ローラの回転軸線方向に複数並べて配設したものを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、可視像を担持する像担持体と、該像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、駆動ローラ及び従動ローラに張架しながら無端移動せしめている無端状のベルト部材、あるいは該ベルト部材の表面に保持している記録部材に、該像担持体に担持される可視像を転写する転写手段と、該ベルト部材の表面に形成された可視像を検知する像検知手段とを備える画像形成装置において、上記転写手段として、請求項5又は6の転写装置を用いたことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項4又は7の画像形成装置において、上記像担持体を複数設けるとともに、それら像担持体にそれぞれ担持される可視像を上記ベルト部材あるいは上記ベルト部材上の記録部材に重ね合わせて転写するように上記転写装置を構成したことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項8の画像形成装置において、複数の上記像担持体のそれぞれについて、像担持体の表面に形成した互いに画像濃度の異なる複数の可視像からなる階調パターン像を上記ベルト部材に転写し、該ベルト部材上の該階調パターン像内における各可視像の画像濃度を上記像検知手段に検知させ、検知結果に基づいて上記可視像形成手段の作像条件を調整する作像条件調整手段と、上記回転速度検知手段による検知結果に基づいて上記駆動ローラの駆動源の駆動速度を調整する駆動速度調整手段とを設けたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項8の画像形成装置において、複数の上記像担持体にそれぞれ形成した所定の可視像を互に重ね合わさないように上記ベルト部材に転写し、該ベルト部材上のそれら可視像をそれぞれ上記像検知手段に検知させた結果に基づいてそれら可視像の相対位置ずれを把握し、その結果に基づいて上記可視像形成手段の作像条件を調整する作像条件調整手段と、上記回転速度検知手段による検知結果に基づいて上記駆動ローラの駆動源の駆動速度を調整する駆動速度調整手段とを設けたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
これらの発明においては、従動ローラの回転速度に基づいて、ベルト部材の速度変動を検知することが可能である。そして、この検知結果に基づいて、ベルト部材の速度変動を駆動ローラの回転速度の変動で打ち消すようなパターンで駆動ローラの駆動速度を調整することで、ベルト部材の速度変動を抑えることができる。このようにしてベルト部材の速度変動を抑えれば、ベルト部材上に転写した位置ずれ検知用パターン像内の各可視像が、ベルト部材の速度変動に起因する位置ずれを含まないものになるので、像検知手段に対して潜像書込位置の変動に起因する可視像の位置ずれだけを検知させることができるようになる。しかも、ベルト部材は、可視像を検知する像検知手段との対向位置にある従動ローラの回転速度の安定化によって移動速度の安定化が図られるため、ベルト部材の周方向の全領域のうち、像検知手段との対向位置にある領域のベルト移動速度が最も安定化する。よって、像検知手段との対向位置でベルト部材上の位置ずれ検知用パターン像を安定した速度で移動させて、潜像書込位置の変動に起因する可視像の位置ずれを像検知手段に正確に検知させることができる。以上の結果、潜像書込位置の変動に起因する可視像の重ね合わせずれと、ベルト部材の速度変動に起因する可視像の重ね合わせずれとの両方を良好に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係るプリンタを示す概略構成図。
【図2】同プリンタのY用のプロセスユニットと、その周囲とを示す拡大構成図。
【図3】同プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図。
【図4】同プリンタの中間転写ベルト上に形成される階調パターン像を示す斜視図。
【図5】同プリンタの感光体の電位とトナー付着量との関係をxy座標にプロットしたグラフ。
【図6】同中間転写ベルト上に形成されるパッチパターンを示す斜視図。
【図7】副走査方向における光書込開始タイミングの補正がなされる際における各種信号の発生タイミングを示すタイミングチャート。
【図8】副走査方向における光書込開始タイミングの補正がなされる際における潜像書込クロックの発生タイミングを示すタイミングチャート。
【図9】同中間転写ベルトのループ内に配設されるエンコーダローラをその一端側に配設されたエンコーダとともに示す拡大構成図。
【図10】同エンコーダのコードホイールを透過型フォトセンサとともに示す拡大斜視図。
【図11】同透過型フォトセンサからの出力電圧特性を示すグラフ。
【図12】同プリンタの転写ユニットにおけるベルト移動方向の一端部を光学センサユニットとともに示す部分拡大斜視図。
【図13】変形例に係るプリンタにおける転写ユニットのベルト幅方向一端部を示す部分拡大斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)の一実施形態について説明する。
まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、Y、M、C、Kと記す)のトナー像を生成するための4つのプロセスユニット6Y,M,C,Kを備えている。これらは、画像形成物質として、互いに異なる色のY,M,C,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット6Yを例にすると、図2に示すように、潜像担持体たるドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、除電装置(不図示)、帯電装置4Y、現像器5Y等を備えている。画像形成ユニットたるプロセスユニット6Yは、プリンタ本体に脱着可能であり、一度に消耗部品を交換できるようになっている。
【0014】
上記帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる像担持体としての感光体1Yの表面を一様帯電せしめる。一様帯電せしめられた感光体1Yの表面は、レーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。このYの静電潜像は、Yトナーと磁性キャリアとを含有するY現像剤を用いる現像器5YによってYトナー像に現像される。そして、後述する中間転写ベルト8上に中間転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、中間転写工程を経た後の感光体1Y表面に残留したトナーを除去する。また、上記除電装置は、クリーニング後の感光体1Yの残留電荷を除電する。この除電により、感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。他色のプロセスユニット(6M,C,K)においても、同様にして感光体(1M,C,K)上に(M,C,K)トナー像が形成されて、ベルト部材としての中間転写ベルト8上に中間転写される。
【0015】
上記現像器5Yは、そのケーシングの開口から一部露出させるように配設された現像ロール51Yを有している。また、互いに平行配設された2つの搬送スクリュウ55Y、ドクターブレード52Y、トナー濃度センサ(以下、Tセンサという)56Yなども有している。
【0016】
現像器5Yのケーシング内には、磁性キャリアとYトナーとを含む図示しないY現像剤が収容されている。このY現像剤は2つの搬送スクリュウ55Yによって撹拌搬送されながら摩擦帯電せしめられた後、上記現像ロール51Yの表面に担持される。そして、ドクターブレード52Yによってその層厚が規制されてからY用の感光体1Yに対向する現像領域に搬送され、ここで感光体1Y上の静電潜像にYトナーを付着させる。この付着により、感光体1Y上にYトナー像が形成される。現像器5Yにおいて、現像によってYトナーを消費したY現像剤は、現像ロール51Yの回転に伴ってケーシング内に戻される。
【0017】
2つの搬送スクリュウ55Yの間には仕切壁が設けられている。この仕切壁により、現像ロール51Yや図中右側の搬送スクリュウ55Y等を収容する第1供給部53Yと、図中左側の搬送スクリュウ55Yを収容する第2供給部54Yとがケーシング内で分かれている。図中右側の搬送スクリュウ55Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部53Y内のY現像剤を図中手前側から奥側へと搬送しながら現像ロール51Yに供給する。図中右側の搬送スクリュウ55Yによって第1供給部53Yの端部付近まで搬送されたY現像剤は、上記仕切壁に設けられた図示しない開口部を通って第2供給部54Y内に進入する。第2供給部54Y内において、図中左側の搬送スクリュウ55Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられ、第1供給部53Yから送られてくるY現像剤を図中右側の搬送スクリュウ55Yとは逆方向に搬送する。図中左側の搬送スクリュウ55Yによって第2供給部54Yの端部付近まで搬送されたY現像剤は、上記仕切壁に設けられたもう一方の開口部(図示せず)を通って第1供給部53Y内に戻る。
【0018】
透磁率センサからなる上述のTセンサ56Yは、第2供給部54Yの底壁に設けられ、その上を通過するY現像剤の透磁率に応じた値の電圧を出力する。トナーと磁性キャリアとを含有する二成分現像剤の透磁率は、トナー濃度と良好な相関を示すため、Tセンサ56YはYトナー濃度に応じた値の電圧を出力することになる。この出力電圧の値は、図示しない制御部に送られる。この制御部は、Tセンサ56Yからの出力電圧の目標値であるY用Vtrefを格納したRAMを備えている。このRAM内には、他の現像器に搭載された図示しないTセンサからの出力電圧の目標値であるM用Vtref、C用Vtref、K用Vtrefのデータも格納されている。Y用Vtrefは、後述するY用のトナー搬送装置の駆動制御に用いられる。具体的には、上記制御部は、Tセンサ56Yからの出力電圧の値をY用Vtrefに近づけるように、図示しないY用のトナー搬送装置を駆動制御して第2供給部54Y内にYトナーを補給させる。この補給により、現像器5Y内のY現像剤中のYトナー濃度が所定の範囲内に維持される。他のプロセスユニットの現像器についても、M,C,K用のトナー搬送装置を用いた同様のトナー補給制御が実施される。
【0019】
先に示した図1において、プロセスユニット6Y,M,C,Kの図中下方には、潜像書込装置としての光書込ユニット7が配設されている。光書込ユニット7は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、プロセスユニット6Y,M,C,Kにおけるそれぞれの感光体に照射して露光する。この露光により、感光体1Y,M,C,K上にY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット7は、光源から発したレーザ光(L)を、モータによって回転駆動したポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
【0020】
光書込ユニット7の図中下側には、紙収容カセット26、これらに組み込まれた給紙ローラ27など有する紙収容手段が配設されている。紙収容カセット26は、シート状の記録体たる転写紙Pを複数枚重ねて収納しており、それぞれの一番上の転写紙Pには給紙ローラ27を当接させている。給紙ローラ27が図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられると、一番上の転写紙Pが給紙路70に向けて送り出される。
【0021】
この給紙路70の末端付近には、レジストローラ対28が配設されている。レジストローラ対28は、転写紙Pを挟み込むべく両ローラを回転させるが、挟み込んですぐに回転を一旦停止させる。そして、転写紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
【0022】
プロセスユニット6Y,M,C,Kの図中上方には、無端移動体たる中間転写ベルト8を張架しながら無端移動せしめる転写ユニット15が配設されている。転写手段であり且つ無端移動体ユニットである転写ユニット15は、中間転写ベルト8の他に、2次転写バイアスローラ19、クリーニング装置10などを備えている。また、4つの1次転写バイアスローラ9Y,M,C,K、駆動ローラ12、クリーニングバックアップローラ13、エンコーダローラ14なども備えている。中間転写ベルト8は、多層構造となっており、ベース層は例えば伸びの少ないフッ素樹脂、PVDFシート、ポリイミド系樹脂等からなる。このベース層の上に、フッ素系樹脂等のトナー離型性に優れた材料からなる表面層が被覆されている。かかる構成の中間転写ベルト8は、複数のローラに張架されながら、駆動ローラ12の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。
【0023】
1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト8を感光体1Y,M,C,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。これらは中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する方式のものである。1次転写バイアスローラ9Y,M,C,Kを除くローラは、全て電気的に接地されている。中間転写ベルト8は、その無端移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、感光体1Y,M,C,K上のY,M,C,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト8上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
【0024】
上記駆動ローラ12は、2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成している。中間転写ベルト8上に形成された可視像たる4色トナー像は、この2次転写ニップで転写紙Pに転写される。そして、転写紙Pの白色と相まって、フルカラートナー像となる。2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、クリーニング装置10によってクリーニングされる。2次転写ニップで4色トナー像が一括2次転写された転写紙Pは、転写後搬送路71を経由して定着装置20に送られる。
【0025】
定着装置20は、内部にハロゲンランプ等の発熱源を有する定着ローラ20aと、これに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ20bとによって定着ニップを形成している。定着装置20内に送り込まれた転写紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ20aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化さしめられて、フルカラー画像が定着せしめられる。
【0026】
定着装置20内でフルカラー画像が定着せしめられた転写紙Pは、定着装置20を出た後、排紙路72と反転前搬送路73との分岐点にさしかかる。この分岐点には、第1切替爪75が揺動可能に配設されており、その揺動によって転写紙Pの進路を切り替える。具体的には、爪の先端を反転前送路73に近づける方向に動かすことにより、転写紙Pの進路を排紙路72に向かう方向にする。また、爪の先端を反転前搬送路73から遠ざける方向に動かすことにより、転写紙Pの進路を反転前搬送路73に向かう方向にする。
【0027】
第1切替爪75によって排紙路72に向かう進路が選択されている場合には、転写紙Pは、排紙路72から排紙ローラ対100を経由した後、機外へと配設されて、プリンタ筺体の上面に設けられたスタック50a上にスタックされる。これに対し、第1切替爪75によって反転前搬送路73に向かう進路が選択されている場合には、転写紙Pは反転前搬送路73を経て、反転ローラ対21のニップに進入する。反転ローラ対21は、ローラ間に挟み込んだ転写紙Pをスタック部50aに向けて搬送するが、転写紙Pの後端をニップに進入させる直前で、ローラを逆回転させる。この逆転により、転写紙Pがそれまでとは逆方向に搬送されるようになり、転写紙Pの後端側が反転搬送路74内に進入する。
【0028】
反転搬送路74は、鉛直方向上側から下側に向けて湾曲しながら延在する形状になっており、路内に第1反転搬送ローラ対22、第2反転搬送ローラ対23、第3反転搬送ローラ対24を有している。転写紙Pは、これらローラ対のニップを順次通過しながら搬送されることで、その上下を反転させる。上下反転後の転写紙Pは、上述の給紙路70に戻された後、再び2次転写ニップに至る。そして、今度は、画像非担持面を中間転写ベルト8に密着させながら2次転写ニップに進入して、その画像非担持面に中間転写ベルトの第2の4色トナー像が一括2次転写される。この後、転写後搬送路71、定着装置20、排紙路72、排紙ローラ対100を経由して、機外のスタック部50a上にスタックされる。このような反転搬送により、転写紙Pの両面にフルカラー画像が形成される。
【0029】
上記転写ユニット15と、これよりも上方にあるスタック部50aとの間には、ボトル支持部31が配設されている。このボトル支持部31は、Y,M,C,Kトナーを収容するトナー収容部たるトナーボトル32Y,M,C,Kを搭載している。トナーボトル32Y,M,C,Kは、互いに水平よりも少し傾斜した角度で並ぶように配設され、Y、M、C、Kという順で配設位置が高くなっている。トナーボトル32Y,M,C,K内のY,M,C,Kトナーは、それぞれ後述するトナー搬送装置により、プロセスユニット6Y,M,C,Kの現像器に適宜補給される。これらのトナーボトル32Y,M,C,Kは、プロセスユニット6Y,M,C,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
【0030】
図3は、本プリンタにおける電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、演算手段たる制御部200は、CPU201と、制御プログラムや各種データを記憶したROM202と、各種データを一時的に記憶するRAM203とを有している。この制御部200には、各周辺制御部との間で信号の授受を行うためのI/Oインターフェース204を介して光書込ユニット7、Tセンサ56Y,M,C,K、光書込ユニット7の制御を専用に司る光書込制御回路205、電源回路206、トナー補給回路207などが接続されている。また、ロータリーエンコーダ(以下、単にエンコーダという)170、中間転写ベルト(8)を駆動する駆動ローラ(12)の駆動源となっているベルト駆動モータ162、機内温度を検知する温度センサ163なども接続されている。更には、第1端部フォトセンサ151、中央フォトセンサ152、第2端部フォトセンサ153、Yフォトセンサ154Y、Mフォトセンサ154M、Cフォトセンサ154C、Kフォトセンサ154K等を有する光学センサユニット150も接続されている。なお、これらフォトセンサは、何れも図示しない発光手段から発した光を被検対象面で反射せしめ、その反射光を図示しない受光手段で検知する反射型フォトセンサである。
【0031】
光書込制御回路205は制御部200からI/Oインターフェース204を介して入力される指令に基づいて光書込ユニット7を制御する。また、電源回路206は制御部200からI/Oインターフェース204を介して入力される指令に基づいて、各プロセスユニットの帯電装置に高電圧を印加するととも、各現像装置の現像ローラにそれぞれ現像バイアスを印加する。
【0032】
トナー補給回路207は、制御部200からI/Oインターフェース204を介して入力される指令に基づいて、各色の図示しないトナー搬送装置を制御する。これにより、図示しない各色のトナーボトル(図1の32Y,M,C,K)から各現像装置内の2成分現像剤へのトナー補給を制御する。
【0033】
制御部200は各色毎のTセンサ56Y,M,C,Kの出力値に基づいて現像装置内の2成分現像剤のトナー濃度が基準レベルになるような指令をI/Oインターフェース204を介してトナー補給回路207へ出力する。
【0034】
本プリンタは、光書込ユニット(7)や各色のプロセスユニット(6Y,M,C,K)などからなる可視像形成手段としての作像装置の作像条件を調整するための作像条件調整処理を、所定時間経過毎などの所定のタイミングで実施するようになっている。そして、この作像条件調整処理において、後述するプロセスコントロール処理と、位置ずれ補正処理とを行う。そして、これらの処理では、光書込制御回路205が制御部200からI/Oインターフェース204を介して入力される指令に基づいて光書込ユニット7などを制御したり、制御部200が各プロセスユニットや転写ユニットの駆動を制御したりする。これにより、作像性能検知用の階調パターン像や、複数のトナー像からなるパッチパターンを中間転写ベルト8上に形成する。
【0035】
より詳しくは、作像条件調整処理におけるプロセスコントロール処理では、中間転写ベルト8上に作像性能検知用の階調パターン像を形成する。この作像性能検知用の階調パターン像としては、Y,M,C,K階調パターン像の4つが形成される。それぞれの階調パターン像は、予め定められた画素パターンからなる14個のY,M,C,K基準トナー像からなっている。そして、それぞれ14個のY,M,C,K基準トナー像は、互いに異なるトナー付着量になるように形成される。
【0036】
例えば、K階調パターン像SKを例にすると、これは、図4に示すように、段階的にトナー付着量が徐々に増えていくY基準トナー像SK1、SK2・・・・SK13、SK14という14個のK基準トナー像から構成されている。これらK基準トナー像は、中間転写ベルト8の進行方向に所定の間隔をおいて並ぶようにベルトおもて面に形成され、これらK基準トナー像に対する単位面積あたりのトナー付着量は、光学センサユニット150のKフォトセンサ154Kによって検知される。この検知結果は、出力値Vpi(i=1〜14)として、I/Oインターフェース204を介してRAM203に送られる。
【0037】
光学センサユニット150において、各フォトセンサ(153、154K,C、152、154M,Y、151)は、ベルト幅方向(ローラの回転軸線方向)に一直線上に並ぶように配設されている。上述したK基準トナー像は、中間転写ベルト8のおもて面のベルト幅方向において、Kフォトセンサ154Kの設置位置と同じ位置に形成されるため、Kフォトセンサ154Kによって検知される。Kと同様にして、Y,M,Cについても、それぞれ14個のY,M,C基準トナー像が、ベルト幅方向においてY,M,Cフォトセンサ154Y,M,Cの設置位置と同じ位置に形成されて、Y,M,Cフォトセンサ154Y,M,Cによって検知される。そして、Y,M,C基準トナー像に対するトナー付着量の検知結果であるY,M,Cフォトセンサ154Y,M,Cの出力値Vp1〜14がRAM203内に記憶される。
【0038】
制御部200は、RAM203に記憶されたこれら出力値と、ROM202内に格納されているデータテーブルとに基づいて、それぞれの出力値を単位面積当りのトナー付着量に換算し、トナー付着量データとしてRAM203に格納する。
【0039】
図5は、感光体の電位とトナー付着量との関係をxy座標にプロットしたグラフである。同図において、x軸には現像ポテンシャル(階調パターン像作像時の現像バイアス電圧と感光体1K,Y,M,Cの表面電位との差:単位V)を割り振り、y軸には単位面積当りのトナー付着量(mg/cm)を割り振っている。
【0040】
制御部200は、RAM203内に記憶されている電位データとトナー付着量データから、各色毎に、電位データとトナー付着量データとの関係(現像特性)が直線となる領域のものを選択し、これらのデータの平滑化処理を行う。そして、その平滑化処理後の電位データ及びトナー付着量データに対して最小自乗法を適用することによって各現像装置の現像特性の直線近似を行う。更に、各現像装置の現像特性の直線方程式y=ax+bを各色毎に求めた後、この直線方程式における傾きaに基づいて各プロセスユニット(6K,Y,M,C)における作像条件を調整する。作像条件を調整する方法としては、特開平9−211911号公報に記載されているように、感光体一様帯電電位や現像バイアスを調整する方法が挙げられる。また、二成分現像剤のトナー濃度を調整してもよい。
【0041】
図4に示したように、プロセスコントロール処理においては、中間転写ベルト8の移動方向(副走査方向)に所定のピッチで並ぶ14個のK基準トナー像SK1、SK2・・・SK13、SK14からなるK階調パターン像SKが形成される。また、このK階調パターン像SKに対して主走査方向(ベルト幅方向)に隣り合うように、副走査方向(ベルト進行方向)に所定のピッチで並ぶ14個のY基準トナー像SY1、SY2・・・SY13、SY14からなるY階調パターン像SYが形成される。また、このY階調パターン像SYに対して主走査方向に隣り合うように、副走査方向に所定のピッチで並ぶ14個のM基準トナー像SM1、SM2・・・SM13、SM14からなるM階調パターン像SMが形成される。また、このM階調パターン像SMに対して主走査方向に隣り合うように、副走査方向に所定のピッチで並ぶ14個のC基準トナー像SC1、SC2・・・SC13、SC14からなるM階調パターン像SCが形成される。
【0042】
また、作像条件調整処理における位置ずれ補正処理では、中間転写ベルト8における幅方向の両端付近及び中央付近に、図6に示されるような位置ずれ検知用のパッチパターンを形成する。両端付近及び中央付近にそれぞれ形成されるこれら3つのパッチパターンは、それぞれ副走査方向に所定の間隔で並ぶ4つのY,M,C,K基準トナー像Sy、Sm、Sc、Skからなり、同色の基準トナー像がそれぞれ主走査方向に並ぶように形成される。
【0043】
図中でベルト幅方向の手前側端部付近に形成されたパッチパターン内の各基準トナー像は、第1端部フォトセンサ151によって検知される。また、ベルト幅方向の中央付近に形成されたパッチパターン内の各基準トナー像は、中央フォトセンサ152によって検知される。また、ベルト幅方向の奥側端部付近に形成されたパッチパターン内の各基準トナー像は、第2端部フォトセンサ153によって検知される。各色の基準トナー像の形成タイミングが互いに適切であれば、各基準トナー像の検知間隔がそれぞれ等しくなるが、不適切であると、各色の基準トナー像の形成間隔が等しくなくなる。そして、検知間隔も等しくなくなる。また、光学系に光書込のスキューが生じていなければ、3つのパッチパターンの間において、それぞれ同色の基準トナー像が同じタイミングで検知されるが、スキューが生じていると検知タイミングが異なってくる。制御部200は、主走査方向や副走査方向における各色トナー像の検知間隔や検知タイミングのずれに基づいて、各感光体に対する光書込開始タイミングや光学系を調整して、各色トナー像の位置ずれを抑える。
【0044】
なお、上述した階調パターン像やパッチパターンを形成した際には、図1に示した2次転写バイアスローラ19を中間転写ベルト8から離間させて、階調パターン像やパッチパターンの2次転写バイアスローラ19への転位を回避するようになっている。
【0045】
スキューずれの補正については、図示しない駆動機構により、光書込ユニット7の内部にある各色のレーザー光を折り返すためのミラーの傾きを調整することによってなされる。ミラーに傾きを付勢するための駆動源としてはステッピングモータが用いられている。
【0046】
また、各色トナー像の副走査方向(ベルト移動方向)の位置ずれの補正については、各感光体に対する光書込開始タイミングを調整することによってなされる。図7は、副走査方向における光書込開始タイミングの補正がなされる際における各種信号の発生タイミングを示すタイミングチャートである。同図において、副走査方向の画像領域信号である潜像書込みenable信号のオンオフ(立ち上がり、立ち下がり)は、画像の1ドットに相当する時間単位で調整される。即ち、潜像書込enable信号の補正分解能は1ドットに相当する時間である。この潜像書込enable信号は、ポリゴンミラーの反射面上での反射によって主走査方向(感光体の回転軸線方向)に往復走査される書込レーザー光を主走査方向の走査領域の端部付近で検知したことによって発せられる同期検知信号に基づいて調整される。例えば、感光体に対する光書込開始タイミングを副走査方向の1ドット分の時間だけ早くする、図7に示すように同期検知信号1つ分だけ潜像書込enable信号の立ち下がりタイミングが早められる。
【0047】
図8は、副走査方向における光書込開始タイミングの補正がなされる際における各種信号の発生タイミングを示すタイミングチャートである。同図のタイミングチャートにおいても、各信号の補正分解能は1ドットになっている。このタイミングチャートにおいて、潜像書込クロックは上述の同期検知信号の立ち下がりエッジにより、各ラインともに正確に位相の合ったクロックが得られるように決定される。かかる潜像書込クロックに同期して光書込が開始されるが、主走査方向の潜像書込みenable信号もこのクロックに同期して生成される。上述のパッチパターン内の各基準トナー像の検知タイミングに基づいて、光書込開始タイミングが副走査方向に1ドット分の時間だけ早められる場合には、図8に示すように、1クロック分だけ書込enable信号を早めにアクティブにすれば良い。
【0048】
また、基準色であるKに対して、Y,M,Cのパッチパターン内における各基準トナー像の主走査方向の倍率がずれていたときには、信号の周波数を非常に小さいステップで変更可能なクロックジェネレータ等のデバイスによって倍率が補正される。
【0049】
図9は、中間転写ベルト(図6の8)のループ内に配設される従動ローラとしてのエンコーダローラ14をその一端側に配設されたエンコーダ170とともに示す拡大構成図である。このエンコーダローラ14は、ステンレス等からなり、中間転写ベルトの無端移動に伴って従動回転するものである。そのローラ部の両端からそれぞれ軸線濃厚に突出する軸部の一方(15a)は、図示のように、外側に向かうにしたがって3段階に細くなる構造になっている。両端の軸部はそれぞれ転写ユニットの支持板に設けられた軸受け169によって回転自在に支持されている。
【0050】
エンコーダローラ14の軸部14aを覆っているエンコーダ170は、軸部14aとともに回転するように軸部14aに固定された円盤状のコードホイール171、透過型フォトセンサ172、支持板173、カバー73等を有している。
【0051】
支持板173は、ポリアセタール等の樹脂材料からなり、エンコーダローラ14の軸部14aにおける根元側の箇所に圧入(軽圧入)されている。コードホイール171は、この支持板173の片側端面(圧入方向の反対側の端面)に対して、図示しない両面テープを介して固定されている。軸部14aの先端部も軸受けによって回転自在に支持されており、これによってコードホイール171が固設された支持板173の位置決め精度が向上している。
【0052】
コードホイール171は、厚さ0.2mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)などからなり、図10に示すように、その外縁部には放射状のスリット171aが形成されている。このスリット171aは、例えばフォトレジストを用いたパターン描画技術などによって形成されたものである。
【0053】
透過型フォトセンサ172は、コードホイール171のスリット形成部を介して、自らの発光素子172aと受光素子172bとを対向させている。コードホイール171の回転に伴って、スリット形成部の各スリット171aが受光素子172aと発光素子172bとの間に位置して光を送受可能にしたり、両素子間にスリット171aが介在しなくなって光の送受がなされなくなったりが短周期で繰り返される。より詳しくは、両素子の間にスリット171a(図中の黒塗りの箇所)が介在するときには発光素子172aから射出された光が受光素子172bに受光されて、透過型フォトセンサ172からの出力電圧がHiレベルになる。これに対し、スリット171aが介在しないときには、発光素子172aからの光がスリット間の箇所に遮断されて、反射型フォトセンサ172からの出力電圧がLowレベルになる。従って、例えば、図11に示すようなエンコーダ出力信号の周波数に基づいて、エンコーダローラ14の回転角速度(以下、単に角速度という)が把握される。この把握は、図3に示した制御部200によって行われる。制御部200は、エンコーダ170からの出力に基づいて得たエンコーダローラ14の角速度の検知結果を、ベルト駆動モータ162の駆動速度にフィードバックする。
【0054】
本プリンタのようなタンデム方式においては、中間転写ベルト8を一定速度で移動させる必要がある。しかし、実際には、ベルトの周方向の厚みムラや駆動ローラ12の偏心などにより、そのベルト移動速度に変動が生じる。中間転写ベルト8のベルト移動速度が変動すると、実際のベルト移動位置が目標とするベルト移動位置からずれてしまい、感光体1Y,M,C,K上の各トナー像のベルト移動方向における先端位置が中間転写ベルト8上でずれて重ね合わせずれ(色ずれ)が発生する。また、ベルト移動速度が相対的に速い時に中間転写ベルト8上に転写されたトナー像部分は本来の形状よりもベルト周方向に引き延ばされた形状となり、逆に、ベルト移動速度が相対的に遅い時に中間転写ベルト8上に転写されたトナー像部分は本来の形状よりもベルト周方向に縮小された形状となる。この場合、最終的に記録紙上に形成された画像には、そのベルト周方向に対応する方向に周期的な画像濃度の変化(バンディング)が表れる。
【0055】
ベルトの厚みムラと速度変動との関係は次の通りである。即ち、中間転写ベルト8を駆動する駆動ローラ12上にベルト厚の比較的厚い部分が巻き付いているときにはベルト移動速度が速くなる。この逆に、ベルト厚の比較的薄い部分が巻き付いているときにはベルト移動速度が遅くなる。これにより、中間転写ベルト8が1周移動する間に速度変動を引き起こす。遠心成型法で成型されたベルト部材では、ベルトを成型するための金型の偏心に起因して、ベルト1周あたりにおいて最大厚み箇所と最小厚み箇所とが180[°]の位相差の関係になる厚みムラを引き起こし易い。かかるベルト部材では、ベルト1周あたりにおける速度変動が1周期分のサインカーブを描く特性となる。
【0056】
駆動ローラ12が偏心している場合にも、中間転写ベルト8の速度変動を引き起こす。多くの場合、駆動ローラ12の周長はベルト周長よりも小さいので、駆動ローラ12の偏心に起因するサインカーブ状の変動特性がベルト1周あたりに複数出現する。なお、駆動ローラ12の偏心は、主に表面のゴム等からなる弾性層に起因している。具体的には、金属だけからなるローラの場合、旋盤加工等により、偏心の殆どないものを製造することが比較的容易である。しかしながら、駆動ローラ12としては、その表面上でのベルトのスリップを防止する目的から、金属製の芯金の表面に弾性層を被覆したものを用いるのが一般的である。かかる駆動ローラ12では、金属製の芯金として旋盤加工等によって偏心の殆どないものを用いたとしても、弾性層の厚みムラによってどうしても偏心が生じてしまう。
【0057】
そこで、本プリンタでは、エンコーダ170からの出力に基づいて得たエンコーダローラ14の角速度の検知結果、即ち、中間転写ベルト8の速度変動を、ベルト駆動モータ162の駆動速度にフィードバックするようになっている。具体的には、角速度が制御目標値よりも遅いと判断した場合にはそれに応じてベルト駆動モータ162へのクロックパルス数を増加させてモータの回転速度を速める。この一方で、角速度が制御目標値よりも速いと判断した場合には、ベルト駆動モータ162へのクロックパルス数を減少させてモータの回転速度を遅める。このようなフィードバック制御により、中間転写ベルト8の移動速度の安定化が図られる。
【0058】
次に、本プリンタの特徴的な構成について説明する。
上述のように、本プリンタでは、エンコーダローラ14の角速度の検知結果に基づいてベルト駆動モータ162の駆動速度を制御することで、中間転写ベルト8の速度変動を抑える。これにより、各色の感光体上のトナー像を中間転写ベルト8上に重ね合わせて転写する際のベルトの速度変動に起因する重ね合わせずれを抑える。かかる構成では、各色の感光体からの転写によって中間転写ベルト8に形成された位置ずれ検知用のパッチパターンが中間転写ベルト8の速度変動に起因する位置ずれを含まないものになる。このため、光学センサユニット150に対し、光書込ユニットの光路変動に起因する各基準トナー像の位置ずれだけを検知させるようになる。
【0059】
図4や図6に示したように、本プリンタでは、像検知手段たる複数のフォトセンサを具備する光学センサユニット150を、中間転写ベルト8の周方向の全領域のうち、エンコーダローラ14に対する駆け回し位置にある領域に対向させて配設している。中間転写ベルト8は、光学センサユニット150との対向位置にあるエンコーダローラ150の回転各速度の安定化によって移動速度の安定化が図られるため、光学センサユニット150との対向位置にある領域のベルト移動速度が最も安定化する。よって、光学センサユニット150との対向位置で中間転写ベルト8上の位置ずれ検知用のパッチパターンを安定した速度で移動させる。これにより、光書込ユニットの光路変動に起因する各基準トナー像の位置ずれを光学センサユニット150に正確に検知させることができる。
【0060】
以上の結果、光書込ユニットの光路変動に起因するトナー像の重ね合わせずれと、中間転写ベルト8の速度変動に起因するトナー像の重ね合わせずれとの両方を良好に抑えることができる。
【0061】
上述した位置ずれ補正処理における位置合わせ精度は、ミクロンオーダーでの精度が要求される。このような高精度の位置合わせでは、先に図5に示したパッチパターンの光学センサユニット150による検知精度も高いものが必要になってくる。ところが、光学センサユニット150との対向位置で、中間転写ベルト8を掛け回しているローラが振れたり、撓んだり、偏心回転したりすると、光学センサユニット150の各フォトセンサの焦点が合わなくなって、所望の検知精度が得られなくなる。一般的な従動ローラにおける求められる振れの許容範囲は0.3mm以下〜0.5mm以下であるが、このような振れがあると十分な検知精度が得られなくなる。
【0062】
近年の高機能化に対応しようとすると、光学センサユニット150との対向位置に配設する従動ローラの振れの許容範囲は特に小さくなってくる。具体的には、古くは、1つのフォトセンサによって4色分の階調パターンを順次検出してプロセスコントロールを実施したり、1つのフォトセンサによってパッチパターンを検出して位置ずれ補正処理(この場合、副走査方向の位置補正だけ行う)を実施したりしていた。かかる構成では、階調パターンやパッチパターンを各色毎に順次形成したり検知したりすることで、処理に長時間を要していた。そこで、近年においては、図4に示したように、ローラ軸線方向に沿って複数のフォトセンサを並べている。これにより、各色の階調パターンやパッチパターンを並行して形成したり、並行して検知したりすることで、プロセスコントロール処理や位置ずれ補正処理の短時間化を図ることができる。しかしながら、かかる構成では、それぞれのフォトセンサの検知精度を高く維持する必要があることから、ローラ軸線方向の全領域で振れを抑えなければならず、結果として振れの許容範囲が非常に小さくなるのである。
【0063】
図4や図6に示したエンコーダローラ14は、従動ローラであるが、一般的な従動ローラとは異なり、中間転写ベルト8の回転角速度を検知する役割を担っている。このようなエンコーダローラ14が撓んだり、振れたり、偏心回転したりすると、たとえ中間転写ベルト8が一定速度で移動していたとしても、エンコーダローラ14の回転角速度が変化してしまう。すると、中間転写ベルト8の回転角速度を精度良く検知することができなくなってしまう。このため、従来より、エンコーダローラ14としては、撓みや振れを引き起こさない高剛性のものであって、且つ、高精度加工によって偏心や歪みを取り除いたものが用いられている。振れ許容範囲は、0.05mm以下〜0.1mm以下に設定されるのが一般的である。
【0064】
本プリンタでは、このような高剛性で且つ偏心や歪みのないエンコーダローラ14に対して、中間転写ベルト8を介して光学センサユニット150を対向させている。これにより、エンコーダローラ14として、その回転速度を正確させる目的から従来と同様の振れ許容範囲のものを用いれば、光学センサユニット150との対向位置でのローラの振れによる位置ずれ検知精度の悪化も同時に抑えることができるようになっている。かかる構成では、エンコーダローラ14として従来と同様の高剛性で且つ偏心や歪みのないものを用いることで、ローラの回転速度の検知精度を向上させるとともに、位置ずれ検知精度を向上させることができる。
【0065】
図12は、転写ユニット15のベルト移動方向の一端部を光学センサユニット150とともに示す部分拡大斜視図である。図示のように、光学センサユニット150は、ベルト幅方向(ローラ軸線方向)に延在する姿勢をとっている長板状の支持板155に各フォトセンサを保持している。同図では、中央フォトセンサ152、第2端部フォトセンサ153、Yフォトセンサ154Y、Mフォトセンサ154M、Cフォトセンサ154C、及びKフォトセンサ154Kだけを示している。図示していない第1端部フォトセンサ(151)も図示しない領域で支持板155に保持されている。
【0066】
支持板155の長手方向における両端部には、それぞれ位置決めアングル部材156が固定されている。このアングル部材156に設けられた丸穴が、エンコーダローラ14の軸部14aを回転自在に支持している軸受け169の外周面に嵌合せしめられることで、光学センサユニット150がエンコーダローラ14に対して位置決めされている。これにより、光学センサユニット150がエンコーダローラ14を基準にして中間転写ベルト8に対して位置決めされている。かかる構成では、光学センサユニット150の各フォトセンサの焦点位置に対して、中間転写ベルト8のおもて面を高精度に位置決めすることが可能である。これにより、光学センサユニット150を他の部材を基準にして位置決めする場合に比べて、各フォトセンサの検知精度を高めることができる。
【0067】
次に、実施形態に係るプリンタの変形例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、変形例に係るプリンタの構成は実施形態と同様である。
先に図12に示したように、実施形態に係るプリンタでは、光学センサユニット150が転写ユニット15に固定されており、転写ユニット15とともにプリンタ本体に対して着脱されるようになっている。これに対し、変形例に係るプリンタでは、光学センサユニットがプリンタ本体に固定されており、転写ユニット15は光学センサユニットを有していない状態でプリンタ本体に対して着脱されるようになっている。
【0068】
図13は、変形例に係るプリンタにおける転写ユニット15のベルト幅方向一端部を示す部分拡大斜視図である。この転写ユニット15は、エンコーダローラ14との対向位置で、中間転写ベルト8をおもて面側から幅方向のほぼ全領域で覆うカバー部材180を有している。覆い部材としてのカバー部材180には、ベルト幅方向(ローラ軸線方向)に並ぶ7つの開口181が設けられている。プリンタ本体に固定された図示しない光学センサユニットの7つのフォトセンサは、それぞれ、その開口181の何れかを通じて中間転写ベルト8上の階調パターン像やパッチパターンを検知する。
【0069】
かかる構成においても、高剛性で且つ偏心や歪みのないエンコーダローラ14を、光学センサユニットとの対向位置で中間転写ベルト8を掛け回す従動ローラとして兼用することになる。これにより、エンコーダローラ14とは別の従動ローラを光学センサユニットとの対向位置に配設してその従動ローラも高剛性且つ偏心や歪みのないものを用いる場合とは異なり、低コストで高い検知精度を実現することができる。
【0070】
なお、開口181の代わりに、ガラスや透明樹脂などの光透過性材料からなる窓を、支持板180に設けてもよい。
【0071】
これまで、各感光体に形成した各色トナー像をベルト部材としての中間転写ベルト8に重ね合わせて1次転写した後、記録紙に一括2次転写するプリンタについて説明してきた。かかる構成の代わりに、各感光体に形成した各色トナー像をベルト部材としての紙搬送ベルトの表面に保持している記録紙に直接重ね合わせて転写する構成を備える画像形成装置にも、本発明の適用が可能である。
【0072】
以上、実施形態に係るプリンタにおいては、従動ローラたるエンコーダローラ14を基準にして、像検知手段たる光学センサユニット150をベルト部材たる中間転写ベルト8に対して位置決めしている。かかる構成では、既に説明したように、光学センサユニット150を他の部材を基準にして位置決めする場合に比べて、各フォトセンサの検知精度を高めることができる。
【0073】
また、実施形態に係るプリンタにおいては、像検知手段たる光学センサユニット150内のフォトセンサをエンコーダローラ14の回転軸線方向に複数並べて配設している。かかる構成では、互いに並行に形成した複数の階調パターンやパッチパターンを、それぞれ並行して複数のフォトセンサの何れかに検知させることで、1つのフォトセンサにそれらパターンを順次検知させる場合に比べて、プロセスコントロール処理や位置ずれ補正処理の短時間化を図ることができる。
【0074】
また、変形例に係るプリンタにおいては、中間転写ベルト8のおもて面を覆うように配設され、自らに設けられた開口181を通じて中間転写ベルト8の表面上の基準トナー像を光学センサユニットに検知させる覆い部材たるカバー部材180の開口181を、中間転写ベルト8の周方向の全領域のうち、エンコーダローラ14に対する駆け回し位置にある領域に対向させて配設している。かかる構成においても、エンコーダローラ14とは別の従動ローラを光学センサユニットとの対向位置に配設してその従動ローラも高剛性且つ偏心や歪みのないものを用いる場合とは異なり、低コストで高い検知精度を実現することができる。
【0075】
また、変形例に係るプリンタにおいては、カバー部材180として、開口181をエンコーダローラ14の回転軸線方向に複数並べて配設したものを用いている。かかる構成においても、実施形態に係るプリンタと同様に、互いに並行に形成した複数の階調パターンやパッチパターンを、それぞれ並行して複数のフォトセンサの何れかに検知させることで、1つのフォトセンサにそれらパターンを順次検知させる場合に比べて、プロセスコントロール処理や位置ずれ補正処理の短時間化を図ることができる。
【0076】
また、実施形態や変形例に係るプリンタにおいては、複数の感光体のそれぞれについて、その表面に形成した互いに画像濃度の異なる複数の基準トナー像からなる階調パターン像を中間転写ベルト8に転写し、中間転写ベルト8上の階調パターン像内における各基準トナー像の画像濃度を光学センサユニット150のフォトセンサに検知させ、検知結果に基づいて光書込ユニット7や各色のプロセスユニット等からなる可視像形成手段の作像条件を調整する作像条件調整手段や、回転速度検知手段たるエンコーダ170による検知結果に基づいて駆動ローラ12の駆動源であるベルト駆動モータ162の駆動速度を調整する駆動速度調整手段として機能させるように、制御部200を構成している。かかる構成では、エンコーダ170による検知結果をベルト駆動モータ162の駆動速度にフィードバックすることでによってベルトの速度変動を抑えながら、階調パターン像を検知することで、ベルトの速度変動に起因する作像性能の検知精度の悪化を抑えて、作像条件を適切に調整することができる。具体的には、既に述べたように、感光体から中間転写ベルト8へのトナー像の転写の際にベルトの速度変動が起こると、そのトナー像が本来よりもベルト移動方向に伸縮されて転写される。そして、それに伴ってトナー像の画像濃度が転写前の状態から変化してしまう。このため、上述したプロセスコントロール処理において、階調パターン像の転写中に中間転写ベルト8の速度変動が起こると、その階調パターン像の画像濃度は転写前の状態から変化する。すると、中間転写ベルト8上の階調パターン像が光書込ユニットやプロセスユニットの作像性能(画像形成濃度)を正確に反映しなくなってしまう。これに対し、実施形態や変形例に係るプリンタでは、上述したフィードバック制御によって中間転写ベルト8の速度変動を抑えながら階調パターン像を中間転写ベルト8に転写することで、ベルトの速度変動に起因する作像性能の検知精度の悪化を抑えることができる。
【0077】
また、実施形態や変形例に係るプリンタにおいては、複数の感光体にそれぞれ形成した所定の基準トナー像を互に重ね合わさないように中間転写ベルト8に転写し、中間転写ベルト上のそれら基準トナー像をそれぞれ光学センサユニット150に検知させた結果に基づいてそれら基準トナー像の相対位置ずれを把握し、その結果に基づいて光書込ユニットや各色のプロセスユニットの作像条件を調整する作像条件調整手段や、エンコーダ170による検知結果に基づいてベルト駆動モータ162の駆動速度を調整する駆動速度調整手段として機能させるように、制御部200を構成している。かかる構成では、ベルト駆動モータ162の駆動速度の調整によってベルトの速度変動を抑えながら、パッチパターンを検知することで、ベルトの速度変動に起因する位置ずれ検知誤差を抑えて、各色トナー像の位置ずれ補正を適切に行うことができる。
【符号の説明】
【0078】
1Y,M,C,K:感光体(像担持体)
6Y,M,C,K:プロセスユニット(可視像形成手段の一部)
7:光書込ユニット(可視像形成手段の一部)
8:中間転写ベルト(ベルト部材)
12:駆動ローラ
14:エンコーダローラ(従動ローラ)
15:転写ユニット(転写装置)
150:光学センサユニット(像検知手段)
151:第1端部フォトセンサ(像検知手段)
152:中央フォトセンサ(像検知手段)
153:第2端部フォトセンサ(像検知手段)
154Y,M,C,K:Y,M,C,Kフォトセンサ(像検知手段)
170:エンコーダ(回転速度検知手段)
180:カバー部材(覆い部材)
181:開口
【先行技術文献】
【特許文献】
【0079】
【特許文献1】特開2007−079441号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される駆動ローラ、及び従動回転可能な従動ローラによって張架される無端状のベルト部材と、該ベルト部材の表面に形成された可視像を検知する像検知手段とを有し、画像形成装置の像担持体に担持される可視像を、該駆動ローラの回転駆動に伴って無端移動せしめている無端状のベルト部材、あるいは該ベルト部材の表面に保持している記録部材に転写する転写装置において、
上記像検知手段を、上記ベルト部材の周方向の全領域のうち、上記従動ローラに対する駆け回し位置にある領域に対向させて配設するとともに、該従動ローラの回転速度を検知する回転速度検知手段を設けたことを特徴とする転写装置。
【請求項2】
請求項1の転写装置において、
上記従動ローラを基準にして、上記像検知手段を上記ベルト部材に対して位置決めしたことを特徴とする転写装置。
【請求項3】
請求項1又は2の転写装置において、
複数の上記像検知手段を上記従動ローラの回転軸線方向に複数並べて配設したことを特徴とする転写装置。
【請求項4】
可視像を担持する像担持体と、該像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、駆動ローラ及び従動ローラに張架しながら無端移動せしめている無端状のベルト部材、あるいは該ベルト部材の表面に保持している記録部材に、該像担持体に担持される可視像を転写する転写手段とを備える画像形成装置において、
上記転写手段として、請求項1乃至3の何れかの転写装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
回転駆動される駆動ローラ、及び従動回転可能な従動ローラによって張架される無端状のベルト部材と、該ベルト部材のおもて面を覆うように配設され、自らに設けられた開口又は光透過性部材からなる窓を通じて該ベルト部材の表面上の可視像を像検知手段に検知させる覆い部材とを有し、画像形成装置の像担持体に担持される可視像を、該駆動ローラの回転駆動に伴って無端移動せしめている無端状のベルト部材、あるいは該ベルト部材の表面に保持している記録部材に転写する転写装置において、
上記覆い部材の上記開口又は上記窓を、上記ベルト部材の周方向の全領域のうち、上記従動ローラに対する駆け回し位置にある領域に対向させるとともに、該従動ローラの回転速度を検知する回転速度検知手段を設けたことを特徴とする転写装置。
【請求項6】
請求項5の画像形成装置において、
上記覆い部材として、上記開口又は上記窓を上記従動ローラの回転軸線方向に複数並べて配設したものを用いたことを特徴とする転写装置。
【請求項7】
可視像を担持する像担持体と、該像担持体に可視像を形成する可視像形成手段と、駆動ローラ及び従動ローラに張架しながら無端移動せしめている無端状のベルト部材、あるいは該ベルト部材の表面に保持している記録部材に、該像担持体に担持される可視像を転写する転写手段と、該ベルト部材の表面に形成された可視像を検知する像検知手段とを備える画像形成装置において、
上記転写手段として、請求項5又は6の転写装置を用いたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項4又は7の画像形成装置において、
上記像担持体を複数設けるとともに、それら像担持体にそれぞれ担持される可視像を上記ベルト部材あるいは上記ベルト部材上の記録部材に重ね合わせて転写するように上記転写装置を構成したことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8の画像形成装置において、
複数の上記像担持体のそれぞれについて、像担持体の表面に形成した互いに画像濃度の異なる複数の可視像からなる階調パターン像を上記ベルト部材に転写し、該ベルト部材上の該階調パターン像内における各可視像の画像濃度を上記像検知手段に検知させ、検知結果に基づいて上記可視像形成手段の作像条件を調整する作像条件調整手段と、
上記回転速度検知手段による検知結果に基づいて上記駆動ローラの駆動源の駆動速度を調整する駆動速度調整手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項8の画像形成装置において、
複数の上記像担持体にそれぞれ形成した所定の可視像を互に重ね合わさないように上記ベルト部材に転写し、該ベルト部材上のそれら可視像をそれぞれ上記像検知手段に検知させた結果に基づいてそれら可視像の相対位置ずれを把握し、その結果に基づいて上記可視像形成手段の作像条件を調整する作像条件調整手段と、
上記回転速度検知手段による検知結果に基づいて上記駆動ローラの駆動源の駆動速度を調整する駆動速度調整手段とを設けたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−15871(P2013−15871A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−232674(P2012−232674)
【出願日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【分割の表示】特願2007−167804(P2007−167804)の分割
【原出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】