説明

転削インサート、転削用の工具及び装置

【課題】本発明は、転削インサート、転削用の工具及び装置を提供する。
【解決手段】転削インサートの第1の切れ刃は少なくとも一つの第2の切れ刃部分(152;252)を備え、第2の切れ刃部分(152;252)は直線であるか又は第2の切れ刃部分の個々の点について少なくとも一つの第2の半径(R2)を有し、少なくとも一つの第2の半径は第1の半径よりも大きく、少なくとも一つの第2の切れ刃部分は第1の切れ刃部分と中心軸との間に配置され、少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は第1の切れ刃部分に隣接し、少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は中心軸上又は中心軸の近傍に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、チタン、鋼、アルミニウム、鋳鉄又は他の材料のセンターカット用の転削インサートに関する。転削インサートは、回転可能な主軸又はホルダに接続されるカッター本体のインサート座に配置され、カッター本体の回転軸上に位置する。転削インサートは、複数の切れ刃を備え、その内の少なくとも一つの第1の切れ刃は、転削インサートがインサート座に配置されるとき、カッター本体の回転軸と一致する転削インサートの中心軸上又は中心軸の近傍に位置し、第1の切れ刃は第1の半径を有する第1の切れ刃部分を備え、第1の半径は第1の切れ刃部分の個々の点について等しい大きさである。
また、本発明は、上記転削インサートを備えるセンターカット用の工具に関する。
また、本発明は、回転可能な主軸又はホルダに接続され、中心軸を規定するカッター本体であって、複数の切れ刃のうちの少なくとも一つの第1の切れ刃は、転削インサートがインサート座に配置されるとき、カッター本体の回転軸と一致する転削インサートの中心軸上又は中心軸の近傍に位置し、第1の切れ刃は第1の半径を有する第1の切れ刃部分を備え、第1の半径は第1の切れ刃部分の個々の点について等しい大きさであるカッター本体を備えた転削加工を実施する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、チタン、鋼、アルミニウム、鋳鉄又は他の材料のならい転削などの転削加工において、一つ又は複数の切れ刃が転削工具の中心軸まで延びる、いわゆるセンターカット転削工具を使用することは従来から知られている。転削工具は、回転可能な主軸又はホルダに接続されている。このようなセンターカット転削工具は、特に、高送り速度、高い刃当たり送り速度などの高い速度で、精密なならい切削及び仕上げ加工を行うことができる。ラジアスエンドミルなどのならい転削工具のようなセンターカット転削工具の一例は、ボールエンドミルと言われている。ボールエンドミルは、切れ刃交換可能な転削インサートを有する。また、ボールエンドミルは、切れ刃がカッター本体と一体化された無垢の構成とすることもできる。ならい転削において、転削工具は、その回転軸の周りを回転方向に回転し、同時に、被削材は送り方向に移動する。仕上げ加工では、転削工具は、被削材の面に対して、かつ面に沿って移動する。ボールエンドミルは、しばしば、エンドミルの回転軸に対して直角をなす送り方向に移動するが、他の方向に移動することも可能である。
【0003】
特許文献1は立方晶窒化硼素のソリッドエンドミルを開示する。特許文献2はソリッドボールエンドミルを開示する。特許文献3は切れ刃交換可能な転削インサートを有するラジアスエンドミルを開示する。特許文献4はラジアスエンドミル用の切れ刃交換可能な転削インサートを開示する。特許文献5及び6は交換可能な転削インサートを有するラジアスエンドミルを開示する。特許文献7はラジアスエンドミルの切れ刃交換可能な転削インサートを開示する。特許文献8はラジアスエンドミルを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0245946号明細書
【特許文献2】国際公開第00/29153号パンフレット
【特許文献3】欧州特許第0985478号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1252955号明細書
【特許文献5】米国特許第5632576号明細書
【特許文献6】特開平2005-319558号公報
【特許文献7】米国特許第7226249号明細書
【特許文献8】米国特許第6497540号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明者は、ラジアスエンドミルによるセンターカットにおいて、ラジアスエンドミルは、被削材と係合している状態において、転削工具の回転軸に最も近く、より小さい切れ刃部分のみが使用されることを認識した。発明者は、また、従来のラジアスエンドミルの転削加工において、十分に仕上げられた平坦面又は滑らかな面を形成するために、ラジアスエンドミルが何度も被削材を通過する必要があるということを認識した。これは、ラジアスエンドミルが波形状を生成し、又は尾根/波によって分離された溝/波を生成するという理由による。これらの尾根又は波高さは、十分に平坦な/滑らかな面を得る波高さより大きくなることがある。したがって、ラジアスエンドミルは、これらの波高さを加工し、加工面を平らにするために何度も被削材を通過しなければならなくなる。
本発明の目的は、チタン、鋼、アルミニウム、鋳鉄又は他の材料の改良されたより効率的な転削加工を提供することにある。また、本発明の目的は、チタン、鋼、アルミニウム、鋳鉄又は他の材料の改良されたより効率的なセンターカットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記主目的は、センターカット用転削インサートを提供することによって解決される。すなわち、転削インサートは、回転可能な主軸又はホルダに接続されるカッター本体のインサート座に配置され、カッター本体の回転軸上に位置し、複数の切れ刃を備える。複数の切れ刃の内の少なくとも一つの第1の切れ刃は、転削インサートがインサート座に配置されるとき、カッター本体の回転軸と一致する転削インサートの中心軸まで延びているか、又は中心軸の近傍に位置し、第1の切れ刃は、第1の半径を有する第1の切れ刃部分を備え、第1の半径は第1の切れ刃部分の個々の点について等しい大きさである。第1の切れ刃は少なくとも一つの第2の切れ刃部分を備え、第2の切れ刃部分は、直線であるか、又は第2の切れ刃部分の個々の点について少なくとも一つの第2の半径を有し、少なくとも一つの第2の半径は第1の半径よりも大きく、少なくとも一つの第2の切れ刃部分は、第1の切れ刃部分と中心軸との間に配置され、少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は第1の切れ刃部分に隣接し、少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は中心軸上又は中心軸の近傍に位置している。
【0007】
中心軸の近傍まで延びる少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端によって、中心軸の近くで、中心軸まで短い距離で延びる第2の切れ刃部分に基準が作られている。
【0008】
従来のボールエンドミルにおいて、個々の切れ刃は、エンドミルの前部において、エンドミルの回転軸まで延び、切れ刃に沿って一つの同じ半径を有する切れ刃を有している。回転軸に最も接近している少なくとも一つの第2の切れ刃部分を備えた本発明の転削インサートにより、直線であるか又は第1の切れ刃部分に対してより大きな半径を有する第2の切れ刃部分によって、第2の切れ刃部分は切れ刃の第1の切れ刃部分とは異なっている。従って、本発明によれば、ラジアスエンドミルの鼻又は前部は、平坦化し、又は従来のボールエンドミルに対して平坦に形成され、切れ刃は一つの同じ半径を有する。従来例と本発明とを比較すると、波の谷は従来例より浅くなり、本発明による波の谷は、より滑らかに加工された面を形成し、高さが減少した波高さによって区別される。したがって、被削材上での転削工具のより少ないパス回数によって、加工面はより平坦になり滑らかになる。これにより、被削材の仕上げ加工がより早く行われ、生産性が高まる。本発明によって、より薄い切り屑、すなわち、厚みの薄い切り屑が、本発明による転削インサートによって被削材から除去され、転削インサートの負荷及び摩耗が減少するため、転削インサート/切れ刃の工具寿命が増加する。さらに、生産性は、刃当たり送り、例えば、転削工具に対する被削材の送り速度を増加させたり、回転数を増加させることによって改良される。刃当たり速度の増加は、転削インサートの工具寿命を短くすることとなる。本発明によって、加工面の品質は、切れ刃によって形成された被削材の加工面において改良される。したがって、本発明の転削インサートによって、チタン、鋼、アルミニウム、鋳鉄又は他の材料の改良されたより効率的な転削加工、特に、改良されたより効率的なセンターカットが提供される。
【0009】
上記発明によれば、第1の切れ刃部分は、第1の切れ刃部分の個々の点について本質的に等しい大きさの第1の半径を有すると記載されている。これにより、第1の半径は第1の切れ刃部分の点に関して等しい大きさであるが、第1の切れ刃部分の点における半径の重要でない許容される偏差を生じる製造誤差を許容する。第1の切れ刃部分の個々の点に関する意図された半径が10mmであるべきとするならば、半径の許容範囲は製造誤差を考慮して9.95〜10.05mmとしてもよい。少なくとも一つの第2の半径はこのような製造誤差の範囲外にある。
【0010】
少なくとも一つの第2の切れ刃部分は、直線の形態か、又は少なくとも一つの第2の半径を有する形態とすることができる。少なくとも一つの第2の切れ刃部分は、二つ以上の第2の切れ刃部分を備え、一つ以上の第2の切れ刃部分は、直線及び/又は少なくとも一つの第2の半径を有する。少なくとも一つの第2の切れ刃部分は少なくとも一つの第2の半径を有する。複数の第2の切れ刃部分は互いに対して異なる第2の半径を有し、切れ刃は複数の異なる第2の半径を備えることもできる。少なくとも一つの第2の切れ刃部分が二つ以上の第2の切れ刃部分と、直線の第2の切れ刃部分を備えるならば、直線の第2の切れ刃部分は、中心軸及び/又は回転軸又は回転軸の近傍まで延びる第2の切れ刃部分とすることが好ましい。少なくとも一つの第2の切れ刃部分は、円の部分を形成し又は規定し、本発明による第2の切れ刃部分の第2の半径は第1の半径よりも大きく、長円部分を規定することができる。
【0011】
上述したように、転削インサートがカッター本体のインサート座に配置されたとき、転削インサートの中心軸は、カッター本体の中心軸と一致するように意図され、配置される。従って、転削インサートがカッター本体のインサート座に配置されると、転削インサートの中心軸はカッター本体の回転軸と共通線を形成する。
【0012】
複数の切れ刃に関しては、二つ以上の切れ刃が意図される。切れ刃部分は、センターカットにおける切れ刃部分は部分的に球面を形成するように、所定の半径を有して湾曲した形状である。切れ刃が有する半径は、例えば、個々の切れ刃が有する第1又は第2の半径は、切れ刃の点から切れ刃がその周囲を湾曲する軸までの距離として規定される。切れ刃の個々の点は、回転軸にある場合を除き、転削工具の回転軸まで所定の半径方向の距離を有する。その半径方向の距離は、回転軸に対して垂直である半径方向面内にある。回転軸までの半径方向距離は、特許請求の範囲で規定されているように、切れ刃又は切れ刃部分の半径に対応し、転削工具及びその切れ刃を規定するために使用される。
【0013】
第1の半径よりも”大きい”少なくとも一つの第2の半径を有する少なくとも一つの第2の切れ刃に関し、少なくとも一つの第2の半径は、第1の半径と第2の半径差が、被削材の転削加工及び加工面において、高品質で十分な効果を有するように、第1の半径よりも大きい。
【0014】
本発明は、精密なならい転削及び、例えば、約0.2mmの深さ又は他の深さを有する面の仕上げにおいて有効である。本発明は、被削材の相対的に平坦な面の加工に関して有効である。
【0015】
上述した刃当たり送りは、転削インサートの切れ刃における一刃当たりの送り速度を示す言葉又は量である。例えば、転削工具が1回転、すなわち360゜回転する間に被削材が転削工具に対して1mmで送り移動し、転削工具が同一の半径方向の平面内で10の切れ刃を有するならば、刃当たり送りは0.10mm/刃となる。通常の刃当たり送りは0.15mm/刃となる。刃当たり送りは、以下の数式で規定される。ここで、fzは刃当たり送り、vfは送り速度、nは回転速度、zはカッターの転削インサートの数である。
【0016】
z=vf/(n×z)
【0017】
本発明による転削インサートの有効な実施形態によると、転削インサートはカッター本体によって規定されるインサート座に交換可能に配置される。
【0018】
本発明による転削インサートの有効な他の実施形態によると、複数の切れ刃の第2の切れ刃は、転削インサートによって規定される中心軸又は中心軸の近傍まで延び、第2の切れ刃は第1の切れ刃部分の個々の点に関して等しい大きさである第1の半径を有する第1の切れ刃部分を備え、第2の切れ刃は、直線である少なくとも一つの第2の切れ刃部分、又は第2の切れ刃の第2の切れ刃部分の個々の点において少なくとも一つの第2の半径を有する少なくとも一つの第2の切れ刃部分を備え、第2の切れ刃の第2の切れ刃部分の少なくとも一つの第2の半径は、第2の切れ刃の第1の切れ刃部分の第1の半径よりも大きく、第2の切れ刃の少なくとも一つの第2の切れ刃部分は、第2の切れ刃の第1の切れ刃部分と中心軸との間に配置され、第2の切れ刃の少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は第1の切れ刃部分に隣接し、第2の切れ刃の少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は中心軸又は中心軸の近傍まで延びる。中心軸まで延び、少なくとも一つの第2の切れ刃部分を有する二つの切れ刃を有することによって、本発明の効果は更に高まる。
【0019】
本発明による転削インサートの有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の切れ刃部分は、少なくとも一つの第2の半径を有している。従って、この実施形態に関し、少なくとも一つの第2の切れ刃部分は、直線ではないが、上述したように湾曲している。これにより、被削材の転削加工が改善され、被削材の転削加工及び仕上げ加工がより効率的に実施され、被削材に対する転削工具の送り方向とその回転軸との間の角度が90゜ではない場合であっても、滑らかで平坦な面が実施される。転削工具は、その回転軸が正しく配置されずに主軸に装着されることがあり、他のパラメータは上記角度が90゜にならないようにする。少なくとも一つの第2の切れ刃部分と第1の切れ刃部分との間の滑らかな境界は、より小さい負荷と転削インサートの摩耗をもたらし、転削インサートのより長い寿命をもたらす。
【0020】
本発明による転削インサートの他の実施形態によると、第2の切れ刃部分は、中心軸又は中心軸の近傍まで延び、中心軸に対して直角を形成する。この実施形態により、一様に直線で、浅い波の溝が被削材に形成され、改良されたより効率的な転削加工が得られる。
【0021】
本発明による転削インサートの他の実施形態によると、第1の切れ刃部分は第1の軸の周りで湾曲する。ここで、第1の半径は第1の切れ刃の点から第1の軸までの距離であり、少なくとも一つの第2の切れ刃部分は少なくとも一つの第2の軸の周りで湾曲する。ここで、少なくとも一つの第2の半径は第2の切れ刃部分の点から第2の軸までの距離であり、第1の軸と少なくとも一つの第2の軸は中心軸と交差する。この実施形態によって、第2の切れ刃部分が中心軸又は中心軸の近傍まで延び、中心軸に対して直角を形成することが保証され、これにより、一様に直線で、浅い波の溝が被削材に形成され、改良されたより効率的な転削加工が得られる。
【0022】
本発明による転削インサートの他の実施形態によると、個々の切れ刃の延長部分に沿う少なくとも一つの第2の切れ刃部分の長さは第1の半径の少なくとも1/100である。本発明の発明者は、本実施形態による寸法を有する切れ刃はさらに改善され、被削材の転削加工をより効率的に行うということを認識した。
【0023】
本発明による転削インサートの他の実施形態によると、個々の切れ刃の延長部分に沿う少なくとも一つの第2の切れ刃部分の長さは第1の半径の1/5よりも小さい。本発明の発明者は、本実施形態による寸法を有する切れ刃はさらに改善され、被削材の転削加工をより効率的に行うということを認識した。
【0024】
本発明による転削インサートの有効な他の実施形態によると、個々の切れ刃の延長部分に沿う少なくとも一つの第2の切れ刃部分の長さは第1の半径の1/10よりも小さい。本発明の発明者は、本実施形態による寸法を有する切れ刃はさらに改善され、被削材の転削加工をより効率的に行うということを認識した。
【0025】
本発明による転削インサートの有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の半径は第1の半径よりも10%大きい。本発明の発明者は、本実施形態による寸法又は幾何学形状を有する切れ刃によって、転削加工がより効率的に行われ、改善されることを認識した。
【0026】
本発明による転削インサートの有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の半径は第1の半径よりも30%大きい。本発明の発明者は、本実施形態による寸法又は幾何学形状を有する切れ刃がさらに改善され、被削材の転削加工がより効率的に実施されることを認識した。
【0027】
本発明による転削インサートの有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の半径は第1の半径の1000倍より小さい。発明者は、本実施形態により、一様に直線で、浅い波の溝が被削材に形成され、改良されたより効率的な転削加工が得られることを認識した。その結果、被削材の直線でより浅い波の溝はより低い波の高さをもたらす。より直線的な波溝や、より低い波高さは被削材に滑らか面をもたらす。
【0028】
本発明による転削インサートの有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の半径は第1の半径の10倍より小さい。発明者は、本実施形態によって、一様に直線で、浅い波の溝が被削材に形成され、改良されたより効率的な転削加工が得られることを認識した。
【0029】
本発明による転削インサートの有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の半径は、第1の半径の4倍より小さい。発明者は、本実施形態によって、一様に直線で、浅い波の溝が被削材に形成され、改良されたより効率的な転削加工が得られることを認識した。
【0030】
本発明による転削インサートの有効な他の実施形態によると、切れ刃は、第1の切れ刃部分と隣接する第2の切れ刃部分との間の境界にある切れ刃の個々の点において接線を有している。第1の切れ刃部分と隣接する第2の切れ刃部分との間の滑らかな境界によって、切れ刃及び転削インサートに作用する負荷が減少し、転削インサートの寿命が延長する。特に、被削材に対する工具の送り方向と工具の回転軸との間の角度が90゜より逸れている転削加工において、上記効果が得られる。
【0031】
本発明による転削インサートの有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の切れ刃部分の個々の点において、少なくとも一つの第2の切れ刃部分は、中心軸に対して直角をなす接線、又は中心軸の周りの回転で切れ刃によって規定される回転面の外側にある中心軸と交差する接線を有する。本実施形態によって、少なくとも一つの第2の切れ刃部分の凹み、又は少なくとも一つの第2の切れ刃部分に沿う凹部が存在せず、これによって、一様に直線で、浅い波の溝が被削材に形成され、改良されたより効率的な転削加工が得られる。
【0032】
本発明による転削インサートの有効な他の実施形態によると、第1の切れ刃部分の個々の点において、第1の切れ刃部分は、中心軸に対して直角をなす接線、又は中心軸の周りの回転で第1の切れ刃によって規定される回転面の外側にある中心軸と交差する接線を有する。本実施形態によって、第1の切れ刃部分の凹み、又は第1の切れ刃部分に沿う凹部が存在せず、これによって、一様に直線で、浅い波の溝が被削材に形成され、改良されたより効率的な転削加工が得られる。
【0033】
本発明による転削インサートの有効な他の実施形態によると、転削インサートはラジアスエンドミル用のインサートの形態である。効率が良く、改良されたラジアスエンドミル用のインサートは、転削インサートの上述した実施形態に記載されている理由で、提供されている。
【0034】
本発明による転削インサートの有効な他の実施形態によると、転削インサートはボールエンドミル用のインサートの形態である。効率が良く、改良されたボールエンドミル用のインサートは、転削インサートの上述した実施形態に記載されている理由で、提供されている。
【0035】
本発明の上述した目的は、センターカット用の工具を提供することによって達成される。工具は、回転可能な主軸又はホルダに接続されるカッター本体を備え、カッター本体は、回転軸上に配置され、転削インサートのためのインサート座を備える。転削インサートは、請求項1から18に何れかに規定された特徴、及び/又は本発明の転削インサートの上述した実施形態の何れか一つの特徴を備える。本発明及び本実施形態の工具の有効な技術的効果は、本発明及び本実施形態の転削インサートの上述した技術的効果に対応する。
【0036】
本発明の上述した目的は、センターカット用の装置を提供することによって達成される。装置は、回転可能な主軸又はホルダに接続され、回転軸を規定するカッター本体を備え、カッター本体は複数の切れ刃を備え、複数の切れ刃のうちの少なくとも一つの第1の切れ刃は、カッター本体の回転軸又は回転軸の近傍まで延びる。第1の切れ刃は、第1の切れ刃部分の個々の点おいて本質的に等しい大きさである第1の半径を有する第1の切れ刃部分を備える。第1の切れ刃は、直線であるか、又は個々の第2の切れ刃部分の点において少なくとも一つの第2の半径を有する。少なくとも一つの第2の半径は第1の半径より大きく、少なくとも一つの第2の切れ刃部分は第1の切れ刃部分と回転軸との間に配置される。少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は、第1の切れ刃部分に隣接し、少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は、回転軸又は回転軸の近傍まで延びる。本発明の有効な技術的効果は、本発明の転削インサートの上述した効果に対応する。
【0037】
本発明による装置のカッター本体は、カッター本体の前部の外側の回転軸の周囲で、回転軸に沿って延びる通常の外周切れ刃を備える。これらの外周切れ刃は、当業者によって周知の方法で形成される。
【0038】
本発明による装置の有効な実施形態によると、複数の切れ刃の内の第2の切れ刃は、カッター本体の回転軸又は回転軸の近傍まで延び、第2の切れ刃は、第1の切れ刃部分の個々の点において本質的に等しい大きさである第1の半径を有する第1の切れ刃部分を備える。第2の切れ刃は、直線である少なくとも一つの第2の切れ刃部分、又は第2の切れ刃の第2の切れ刃部分の個々の点において少なくとも一つの第2の半径を有する少なくとも一つの第2の切れ刃部分を備える。第2の切れ刃の第2の切れ刃部分の少なくとも一つの第2の半径は、第2の切れ刃の第1の切れ刃部分の第1の半径より大きい。第2の切れ刃の第2の切れ刃部分は、第2の切れ刃の第1の切れ刃部分と回転軸との間に配置される。第2の切れ刃の少なくとも第2の切れ刃部分の一端は第1の切れ刃に隣接し、第2の切れ刃の少なくとも第2の切れ刃部分の一端は回転軸又は回転軸の近傍まで延びる。
【0039】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、カッター本体は、少なくとも4つの切れ刃を有する。
【0040】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の切れ刃部分は少なくとも一つの第2の半径を有する。
【0041】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、第2の切れ刃部分は、回転軸又は回転軸近傍まで延び、回転軸に対して本質的に直角を形成する。
【0042】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、第1の切れ刃部分は、第1の軸の周りで湾曲し、第1の半径は第1の切れ刃部分の点から第1の軸までの距離であり、少なくとも一つの第2の切れ刃部分は少なくとも一つの第2の軸の周りで湾曲する。少なくとも一つの第2の半径は、第2の切れ刃部分の点から第2の軸までの距離であり、第1の軸と少なくとも一つの第2の軸は回転軸に交差する。
【0043】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、切れ刃の延長部に沿う少なくとも一つの第2の切れ刃部分の長さは第1の半径の少なくとも1/100である。
【0044】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、切れ刃の延長部に沿う少なくとも一つの第2の切れ刃部分の長さは第1の半径の少なくとも1/5である。
【0045】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、切れ刃の延長部に沿う少なくとも一つの第2の切れ刃部分の長さは第1の半径の少なくとも1/10である。
【0046】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の半径は第1の半径より10%大きい。
【0047】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の半径は第1の半径より30%大きい。
【0048】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の半径は第1の半径の1000倍より小さい。
【0049】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の半径は第1の半径の10倍より小さい。
【0050】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の半径は第1の半径の4倍より小さい。
【0051】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、切れ刃は、第1の切れ刃部分と隣接する第2の切れ刃部分との間の境界に、切れ刃の個々の点について接線を有する。
【0052】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の切れ刃部分の個々の点において、少なくとも一つの第2の切れ刃部分は、回転軸に対して直角をなす接線、又は回転軸の周りでの回転で第1の切れ刃によって規定される回転面の外側にある回転軸と交差する接線を有する。
【0053】
本発明による装置の有効な他の実施形態によると、第1の切れ刃部分の個々の点において、第1の切れ刃部分は、回転軸に対して直角をなす接線、又は回転軸の周りでの回転で第1の切れ刃によって規定される回転面の外側にある回転軸と交差する接線を有する。
【0054】
本発明による工具又は装置の他の実施形態によると、工具又は装置はラジアスエンドミルの形態である。
【0055】
本発明による工具又は装置の他の実施形態によると、工具又は装置はボールエンドミルの形態である。
【0056】
本発明による装置の上述した実施形態の有効な技術的効果は、本発明による転削インサートの対応する実施形態に記載されている。
【0057】
転削インサート及び装置の有効な実施形態によると、個々の切れ刃の点において、切れ刃は中心軸/回転軸又は中心軸/回転軸の近傍まで延び、切れ刃は中心軸/回転軸に対して直角をなす接線、又は中心軸/回転軸の周りの回転で第1の切れ刃によって規定される回転面の外側で中心軸と交差する接線を有する。この実施形態に関して、切れ刃は凹みは有さず、切れ刃は中心軸/回転軸又は中心軸/回転軸の近傍まで延び、これにより、浅い波の溝が一様に直線的で、浅い波の溝が被削材に形成され、改良されたより効率的な転削加工が得られる。
【0058】
転削インサート及び装置の有効な実施形態によると、第1の切れ刃及び/又は第2の切れ刃は中心軸/回転軸まで延びる。転削インサート及び装置の有効な他の実施形態によると、少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は中心軸/回転軸まで延びる。
【0059】
本発明による転削インサート、工具及び装置の上記実施形態は、転削インサート、工具及び装置の有効な実施形態を構成するために、異なる可能な方法で組み合わされる。
【0060】
カッター本体又は工具本体は、転削インサート又は切れ刃の材料より軟質の材料から作られることが好ましい。転削インサート/切れ刃は、例えば、超硬合金、被覆超硬合金、セラミックスなどから作られ、カッター本体は鋼から作られる。
【0061】
本発明による転削インサート、工具及び装置の更なる実施形態、及び本発明の効果は、実施形態の詳細な説明から認識される。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の転削インサートの第1の実施形態の斜視図である。
【図2】図1の転削インサートの他の斜視図である。
【図3A】図1及び2の転削インサートを上からみたときの平面図である。
【図3B】図3Aの転削インサートの一部を拡大した拡大図である。
【図4】本発明の転削インサートの第2の実施形態の詳細図である。
【図5】図1及び2の転削インサートを正面からみたときの正面図である。
【図6】図5の部分を拡大した拡大図である。
【図7A】図1及び2に示す転削インサートを備えた本発明の工具の斜視図である。
【図7B】被削材を加工している図7Aの工具の側面図である。
【図8】本発明の装置の一実施形態を部分的に示す斜視図である。
【図9】図8の装置を正面からみたときの正面図である。
【図10】図8の装置の側面図である。
【図11】図10に示す回転軸周りで約90゜回転した装置の側面図である。
【図12】詳細が省略されている図11の装置の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1及び2、図3A及び図3B、図5及び6には、本発明のセンターカット用の転削インサート102の第1の実施形態を示す。転削インサート102は、ボールエンドミルインサートの形態であり、超硬合金又はセラミックスで全体又は部分が作られている。転削インサート102は、上面104と下面106とを備え、上面104と下面106との間で、貫通孔が転削インサート102を貫通し、取付孔108を規定している。取付孔108は、内壁110で制限されている。本実施形態では、取付孔108の断面は円であるが、他の形状であってもよい。転削インサート102は、カッター本体112(図7A参照)によって規定されるインサート座114に取付部材116で交換可能に装着される。転削インサート102は、インサートがカッター本体112に固定されるとき、カッター本体112のインサート座114の内側部分に当接する裏面118を有している。図3Aに示すように、転削インサート102は中心軸120を規定し、転削インサート102がカッター本体112のインサート座114に配置されたときに、中心軸はカッター本体112の回転軸122と同軸になる(図7A,B参照)。
【0064】
転削インサート102は、第1のすくい面126と第1の逃げ面128に隣接する第1の切れ刃124を有する。第1の逃げ面128は、転削インサートの下面106と第1のすくい面126との間で延び、第1のすくい面126に対しては鋭角をなし、下面106に対しては鈍角を形成する。転削インサート102の第1のすくい面126と上面104との間で、第1の中間面130は第1のすくい面126と共に、加工材料である被削材134から除去される切りくずの通路としての切りくず溝132を規定する。被削材134は、例えば、チタン、鋼、アルミニウム、鋳鉄、他の材料とされる。
【0065】
転削インサート102は、第2のすくい面138と第2の逃げ面140に隣接する第2の切れ刃136を有し、転削インサートの上面104と第2のすくい面138との間を延びる。第2の逃げ面140は、第2のすくい面138に対して鋭角をなし、上面104に対しては鋭角をなす。転削インサート102の第2のすくい面138と下面106との間には、第2のすくい面138と共に、切りくず溝144を規定する。本実施形態による転削インサート102は刃先交換式ではないが、転削インサート102を刃先交換式にすることもできる。図1及び2に示す転削インサートを刃先交換式とすることは、当業者によって容易に理解できる。
【0066】
転削インサート102は、転削インサートの中心軸120が交差する前部146を有する。前部146において、第1及び第2の切れ刃124,136は、転削インサート102の中心軸120まで延び、二つの切れ刃124,136は前部146において中心軸120で出会う(図5及び6参照)。
【0067】
図3A及び3Bに示すように、転削インサート102の第1の実施形態は、第1の切れ刃124に関して記載されている。しかしながら、本実施形態において、第2の切れ刃136もまた同様に形成され、以下の記載は第2の切れ刃136についても適用され得る。個々の切れ刃124は、第1の切れ刃部分148の個々の点について本質的に等しい大きさである第1の半径R1を有する第1の切れ刃部分148を備える。第1の半径R1は、第1の切れ刃部分148の個々の点から、第1の切れ刃部分148がその周りで湾曲する第1の軸150までの距離である。個々の切れ刃124は、第2の切れ刃部分152を備える(図3B及び4において、第2の切れ刃136の対応する第2の切れ刃部分は符号153で示されている)。本発明の転削インサートの他の実施形態において、切れ刃は二つ以上の第2の切れ刃部分を備えることができる。第2の切れ刃部分152は、第2の切れ刃部分152の個々の点について少なくとも一つの第2の半径R2を有し、第2の半径R2は第1の半径R1より大きい。第2の半径R2は、第2の切れ刃部分152の個々の点から、第2の切れ刃部分152がその周りで湾曲する第2の軸154までの距離である。第1の軸150及び第2の軸154は、中心軸120と交差してもよい。第2の切れ刃部分152は、第1の切れ刃部分148と転削インサート102の中心軸120との間に配置され、第1の切れ刃部分148に隣接する。第2の切れ刃部分152は、中心軸で終わり、中心軸120に対して本質的に直角を形成する。本実施形態において、第1の切れ刃部分148は、第2の切れ刃部分152から中間面130と交差する交差点156まで延びる。
【0068】
本発明の他の実施形態による切れ刃124が三つの第2の切れ刃部分を備えるならば、一つの第2の切れ刃部分は第1の切れ刃部分に隣接し、他の一つの第2の切れ刃部分は中心軸に接続し、三つ目の第2の切れ刃部分は二つの第2の切れ刃部分の間に配置される。切れ刃が三つより多い第2の切れ刃部分を備える場合も同様である。
【0069】
第1の切れ刃部分148と隣接する第2の切れ刃部分152との間の境界158で切れ刃124の個々の点において、切れ刃124は接線を有する。接線は、第1及び第2の切れ刃部分148,152との間でシャープコーナが形成されない滑らかな境界をもたらし、転削インサート102の摩耗を減少させる。
【0070】
少なくとも一つの第2の切れ刃部分152と第1の切れ刃部分148の個々の点において、個々の切れ刃部分148,152は接線を有する。接線は、中心軸120と直角をなし、又は中心軸120周りの回転で、第1の切れ刃124によって規定される回転面の外側にある中心軸120と交差する。これによって、個々の切れ刃部分148,152の延長線に沿う切れ刃部分148,152に凹凸が形成されなくなる。
【0071】
第1の半径R1は、例えば5〜32mmであるが、他の寸法にすることも可能である。切れ刃124の延長線に沿う少なくとも一つの第2の切れ刃部分152の長さは、第1の半径R1の少なくとも1/100であり、第1の半径R1の1/5より小さい。個々の切れ刃124の延長線に沿う少なくとも一つの第2の切れ刃部分152の長さは、第1の半径R1の1/10より小さくてもよい。本発明による転削インサート102の第1の実施形態において、第2の半径R2は第1の半径R1よりも約2倍大きい。R1が約10mmならば、R2は約20mmである。しかしながら、他の寸法及び関係であってもよい。好ましくは、少なくとも一つの第2の半径R2は第1の半径R1よりも30%大きい。好ましくは、少なくとも一つの第2の半径R2は第1の半径R1の4倍よりも小さい。
【0072】
図4には、本発明による転削インサート202の第2の実施形態が示されている。この実施形態は、転削インサート102の第1の実施形態に対応するが、デザインが異なる第2の切れ刃部分252を有する他の切れ刃224を有する。第1の転削インサート102のように、中心軸の周りで湾曲する半径を有する代わりに、転削インサート202の第2の切れ刃部分252は直線である。この第2の切れ刃部分252は、転削インサート202の中心軸220まで延び、中心軸に対して本質的に直角を形成する。第1の切れ刃部分248と隣接する第2の切れ刃部分252との間の境界で切れ刃224の個々の点において、切れ刃224は接線を有する。接線は、第1及び第2の切れ刃部分248,252との間にシャープコーナを有することなく滑らかな境界をもたらす。
【0073】
図5及び6は、第1の切れ刃124と第2の切れ刃136とが中心軸120とどのようにして交差するかを示す。二つの切れ刃124,136は、一つの同じ平面に配置されている。二つの切れ刃124,136が出会う前切れ刃部分160のデザインは、異なるデザインとしてもよく、例えば、前切れ刃部分160は、中心軸120の方向で転削インサート102の前部146の方から見たとき、突出するS字形状を有してもよい。
【0074】
図7A及び7Bには、被削材をセンターカットする本発明の転削工具が、ボールエンドミルの形態で示されている。転削工具は、図1〜6に示されている転削インサート102,202を有している。転削工具は、回転軸122を規定するカッター本体を備えている。カッター本体112は、転削インサート102を受容し、保持するインサート座114を有する前主体部162と、アタッチメントによって周知の回転可能な主軸又は工具ホルダに連結する後部164を有している。カッター本体112の前主体部162は、互いに分離している二つの脚166,168を備えており、インサート座114はカッター本体112の二つの脚166,168によって規定されたポケット114の形態である。取り付けた状態で、転削インサート102の裏面118は二つの脚166,168の間の底面170に当接するように配置される。個々の脚166,168は、転削インサートがインサート座114に装着された際に転削インサートの取付孔108に一致する貫通孔172を備える。転削インサート102を取り付けるための工具の取付部材116は、本実施形態ではねじの形態である取付要素174を備えており、脚166,168の貫通孔172とインサート座114で転削インサート102を係止するための転削インサート102の取付孔108とに係合するように配置される。図7Aに示すように、インサート座114は、カッター本体112の回転軸上に配置される。取付要素174は、少なくとも一つの雄ねじを有し、脚166,168の孔は少なくとも一つの雌ねじを有する。本発明による工具の他の態様によると、一方の脚が貫通孔を備え、他方の脚が貫通孔を備えていなくてもよく、又は他方の脚のみがねじなどの取付要素が挿入される少なくとも一つの雌ねじを有する凹み備えてもよい。しかしながら、カッター本体に転削インサートを配置するための取付部材を追加してもよく、例えば、一方の脚の孔にねじが形成されていなく、他方の脚にのみ雌ねじが形成されていてもよい。必ずしも、取付要素174にねじが形成されている必要はなく、当業者に周知である他の方法で係止することも可能である。部材を取り付けることには、インサート座114に転削インサート102を固定するためにクランプなどすることを含む。
【0075】
図7Bに示すように、カッター本体112は回転軸122の周りを回転し、被削材134は送り方向に転削工具のカッター本体112に対して送り移動する。仕上げ加工において、転削工具は、被削材134の面に沿って被削材134に対して送り移動する。ボールエンドミルは、転削工具の回転軸122に対して本質的に直角をなす送り方向で使用されるが、他の送り方向で使用してもよい。図7Bに示すように、転削インサート102はカッター本体112に取り付けられ、切れ刃124のすくい面126は回転方向176を向く。
【0076】
上述したように、カッター本体は、転削インサートの材料よりは軟質の材料で作られることが好ましい。転削インサートは、例えば、超硬合金で作られ、カッター本体は鋼から作られる。
【0077】
図8〜12には、ボールエンドミルの形態である本発明によるセンターカット用の装置が示され、図7A及び7Bと比較される。この装置は、交換可能なインサートは備えていないが、切れ刃はカッター本体と一体化されている。装置は、前主体部362を有するカッター本体312と後部364とを備えている。後部364は、当業者に知られている方法で、連結要素(図示しない)でカッター本体312に配置するために、ねじ部分などの取付部材を備えている。取付部材は、回転可能な工具ホルダに取り付けのために配置されたり、他の中間ユニットに取り付けのために配置されたり、回転可能な工具ホルダ/主軸に取り付けるために配置される。工具本体312は、連結要素と一体化されてもよい。連結要素の包絡面は、本質的には円柱形状である。図示例では、前主体部362は本質的に球形状である回転面を規定する。カッター本体312は、回転軸322及び長手方向の中心軸を規定する。カッター本体312は、カッター本体に一体化されている四つの外周切れ刃324,325,336,337を備え、個々の切れ刃は螺旋形状である。第1の切れ刃324と第2の切れ刃336はカッター本体312の回転軸322まで延びて終わる。他の二つの切れ刃325,337は回転軸322の手前で終わる。カッター本体312は四つの溝313,315,317,319を備え、個々の溝は後部364に向かってカッター本体312の前部346から螺旋形状で延びる。四つの溝313,315,317,319は、被削材から除去する切りくずの切りくず溝として機能する。個々の切れ刃324,325,336,337は二つの溝313,315,317,319の間に配置され、後部364に向かってカッター本体312の前部346から延びる。
【0078】
カッター本体312が、主軸又は他の中間ユニットと接続する連結要素と一体化されている実施形態において、個々の切れ刃324,325,336,337は、当業者に周知の方法で、それらの延長線に続き、連結要素の軸方向に沿って、例えば、連結要素の外周周りで螺旋状に延びる。連結要素の包絡面は円柱形状である。
【0079】
図1〜6の切れ刃124,136と同様に、第1の切れ刃324は、第1の切れ刃324の個々の点に関して本質的に等しい大きさである第1の半径R1を有する第1の切れ刃部分348を備え、第2の切れ刃336は、第2の切れ刃336の第1の切れ刃部分349の個々の点に関して本質的に等しい大きさである第1の半径R1を有する第1の切れ刃部分349を備える。第1の切れ刃324は、直線である少なくとも一つの第2の切れ刃部分352、又は第2の切れ刃部分352の個々の点に関して少なくとも一つの第2の半径R2を有する少なくとも一つの第2の切れ刃部分352を備える。第2の切れ刃336は、直線である少なくとも一つの第2の切れ刃部分352、又は第2の切れ刃部分352の個々の点に関して少なくとも一つの第2の半径R2を有する少なくとも一つの第2の切れ刃部分352を備える。少なくとも一つの第2の半径R2は、第1の半径R1より大きい。第1及び第2の切れ刃324,336に関して、少なくとも一つの第2の切れ刃部分352,353は、第1の切れ刃部分348,349と回転軸322との間に配置され、第2の切れ刃部分352,353は第1の切れ刃部分348,349に隣接すると共に回転軸322で終わる。回転軸322で終わる第2の切れ刃部分352,353は、回転軸322に対して本質的に直角をなす。第1の切れ刃部分348,349と隣接する第2の切れ刃部分352,353との間の境界358,359で第1及び第2の切れ刃324,336の個々の点において、切れ刃324,336は接線を有する。少なくとも一つの第2の切れ刃部分352,353と第1の切れ刃部分348,349の個々の点において、個々の切れ刃部分348,349,352,353は、回転軸322に対して直角をなす接線、又は回転軸322の周りの回転で第1の切れ刃324によって規定される回転面の外側で回転軸322と交差する接線を有する。
【0080】
本発明の装置に関して、第1の半径R1及び第2の半径R2の寸法と、個々の切れ刃324,326の延長線に沿う少なくとも一つの第2の切れ刃部分352,353の長さと、それらの関係は、本発明の転削インサートの上述した寸法及び関係に対応するが、他の寸法としてもよい。
【0081】
本発明の上述した実施形態において、カッター本体は切れ刃の材料より軟質の材料から作られる。例えば、切れ刃は超硬合金から作られ、カッター本体は鋼から作られる。また、カッター本体と切れ刃を異なる材料から作ってもよい。
【0082】
上述した実施形態において、個々の切れ刃が有する半径は、切れ刃の一点からその周りで切れ刃部分が湾曲する軸までの距離として規定される。切れ刃の個々の点は、カッター本体の回転軸まで所定の距離を有し、回転軸までの半径方向の距離は回転軸に垂直な半径方向の面上での距離である。回転軸までの半径方向の距離は、上述した実施形態で記載したように、切れ刃部分の半径には対応しない。
【0083】
上述した実施形態のカッター本体は、精密なならい切削用に調整されており、例えば、約0.2mmの切り込みの他、他の切り込みで仕上げ加工を行う。上述したことに加えて、転削インサート及び装置の詳細や、それらに関する角度は、当業者に知られている方法で調整可能である。
【0084】
本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、特許請求の範囲内で変更可能である。例えば、個々の実施形態は、多かれ少なかれ複数の切れ刃を備え、中心軸/回転軸又は中心軸/回転軸に隣接する個々の切れ刃は、異なる半径を有する複数の切れ刃部分を備えることができる。
【符号の説明】
【0085】
102 転削インサート
104 上面
106 下面
108 貫通孔
112,312 カッター本体
114 インサート座
118 裏面
124 第1の切れ刃
126 すくい面
128 第1の逃げ面
132 切りくず溝
134 被削材
140 第2の逃げ面
156 交差点
158 境界
160 前切れ刃部分
162 前主体部
248 第1の切れ刃部分
252,253 第2の切れ刃部分
324 第1の切れ刃
336 第2の切れ刃

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被削材(134)のセンターカット用の転削インサートであって、
転削インサートは、工具本体(112)によって規定されるインサート座(114)に配置され、回転可能な主軸又はホルダに接続するカッター本体によって規定される回転軸(122)上に位置し、
転削インサートは複数の切れ刃(124,136;224)を備え、複数の切れ刃の内の少なくとも一つの第1の切れ刃(124;224)は、転削インサートがインサート座に配置されるとき、カッター本体の回転軸と一致するように意図されると共に、転削インサートによって規定される中心軸上又は中心軸の近傍に位置し、第1の切れ刃は第1の半径(R1)を有する第1の切れ刃部分を備え、第1の半径(R1)は第1の切れ刃部分の個々の点について等しい大きさである転削インサートにおいて、
第1の切れ刃は少なくとも一つの第2の切れ刃部分(152;252)を備え、第2の切れ刃部分(152;252)は直線であるか又は第2の切れ刃部分の個々の点について少なくとも一つの第2の半径(R2)を有し、少なくとも一つの第2の半径は第1の半径よりも大きく、
少なくとも一つの第2の切れ刃部分は第1の切れ刃部分と中心軸との間に配置され、 少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は第1の切れ刃部分に隣接し、
少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は中心軸上又は中心軸の近傍に位置していることを特徴とする転削インサート。
【請求項2】
複数の切れ刃(124,136)の第2の切れ刃(136)は、転削インサートによって規定される中心軸(120)上又は中心軸(120)の近傍に位置し、
第2の切れ刃は第1の半径(R1)を有する第1の切れ刃部分を備え、第1の半径(R1)は第1の切れ刃部分の個々の点について等しい大きさであり、
第2の切れ刃は少なくとも一つの第2の切れ刃部分(153)を備え、第2の切れ刃部分は直線であるか又は第2の切れ刃部分の個々の点について少なくとも一つの第2の半径(R2)を有し、第2の切れ刃の第2の切れ刃部分の少なくとも一つの第2の半径は第2の切れ刃の第1の切れ刃部分の第1の半径よりも大きく、
第2の切れ刃の少なくとも一つの第2の切れ刃部分は第2の切れ刃の第1の切れ刃部分と中心軸との間に配置され、
第2の切れ刃の少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は第1の切れ刃部分に隣接し、
第2の切れ刃の少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は中心軸上又は中心軸の近傍に位置することを特徴とする請求項1に記載の転削インサート。
【請求項3】
中心軸(120)上又は中心軸(120)の近傍に位置する第2の切れ刃部分(152,153)は中心軸に対して直角をなすことを特徴とする請求項1又は2に記載の転削インサート。
【請求項4】
第1の切れ刃部分(148)は第1の軸(150)周りで湾曲し、第1の半径(R1)は第1の切れ刃部分の個々の点から第1の軸までの距離であり、
少なくとも一つの第2の切れ刃部分(152,153;252,253)は少なくとも一つの第2の軸(154)周りで湾曲し、少なくとも一つの第2の半径(R2)は第2の切れ刃部分の個々の点から第2の軸までの距離であり、
第1の軸と少なくとも一つの第2の軸は中心軸(120;220)と交差することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の転削インサート。
【請求項5】
個々の切れ刃(124,136)の延長線に沿う少なくとも一つの第2の切れ刃部分(152,153)の長さは第1の半径(R1)の少なくとも1/100であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の転削インサート。
【請求項6】
個々の切れ刃(124,136)の延長線に沿う少なくとも一つの第2の切れ刃部分(152,153)の長さは、第1の半径(R1)の1/5より小さく、好ましくは1/10より小さいことを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の転削インサート。
【請求項7】
少なくとも一つの第2の半径(R2)は、第1の半径(R1)より10%、好ましくは30%大きいことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の転削インサート。
【請求項8】
少なくとも一つの第2の半径(R2)は、第1の半径(R1)の1000倍より小さく、好ましくは10倍より小さく、より好ましくは4倍より小さいことを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載の転削インサート。
【請求項9】
少なくとも一つの第2の切れ刃部分(152;252)の個々の点において、少なくとも一つの第2の切れ刃部分は、中心軸(120;220)に対して直角をなす接線、又は中心軸の周りの回転で第1の切れ刃(124;224)によって規定される回転面の外側の中心軸と交差する接線を有することを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載の転削インサート。
【請求項10】
第1の切れ刃部分(148;248)の個々の点において、第1の切れ刃部分は中心軸(120;220)に対して直角をなす接線、又は中心軸の周りの回転で第1の切れ刃(124;224)によって規定される回転面の外側の中心軸と交差する接線を有することを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の転削インサート。
【請求項11】
転削インサート(102;202)はラジアスエンドミルインサートの形態であることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の転削インサート。
【請求項12】
転削インサート(102;202)はボールエンドミルインサートの形態であることを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の転削インサート。
【請求項13】
材料(134)のセンターカット用の工具であって、
回転可能な主軸又はホルダに接続し、回転軸(122)を規定するするカッター本体(312)を備え、カッター本体は、回転軸上に配置され、転削インサート(102;202)が装着されるインサート座(114)を備え、さらに、インサート座に配置される転削インサートを備えた工具において、
転削インサートが請求項1〜12の何れか一項に記載の特徴を有する工具。
【請求項14】
材料のセンターカット用の装置であって、
回転可能な主軸又はホルダに接続し、回転軸(122)を規定するするカッター本体(312)であって、複数の切れ刃(324,325,336,337)を有するカッター本体を備え、複数の切れ刃の内の少なくとも一つの第1の切れ刃(324)はカッター本体の中心軸上又は中心軸の近傍に位置し、第1の切れ刃は第1の切れ刃部分の個々の点に関して等しい大きさである第1の半径を有する第1の切れ刃部分(348)を備えた装置において、
第1の切れ刃は、直線である少なくとも一つの第2の切れ刃部分(352)、又は第2の切れ刃部分の個々の点について第1の半径よりも大きい少なくとも一つの第2の半径(R2)を有する少なくとも一つの第2の切れ刃部分(352)を備え、
少なくとも一つの第2の切れ刃部分は、第1の切れ刃部分と回転軸との間に配置されると共に、第1の切れ刃部分に隣接し、
少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端が回転軸上又は回転軸の近傍に位置することを特徴とする装置。
【請求項15】
複数の切れ刃(324,325,336,337)の内の第2の切れ刃(336)は、カッター本体(312)の回転軸(322)上又は回転軸(322)の近傍に位置し、
第2の切れ刃は第1の切れ刃部分の個々の点について等しい大きさである第1の半径(R1)を有する第1の切れ刃部分(349)を備え、
また、第2の切れ刃は、直線である少なくとも一つの第2の切れ刃部分(353)、又は第2の切れ刃の第2の切れ刃部分の個々の点について少なくとも一つの第2の半径(R2)を有する少なくとも一つの第2の切れ刃部分(353)を備え、第2の切れ刃の第2の切れ刃部分の少なくとも一つの第2の半径は、第2の切れ刃の第1の切れ刃部分の第1の半径よりも大きく、
第2の切れ刃の少なくとも一つの第2の切れ刃部分は第2の切れ刃の第1の切れ刃部分と回転軸との間に配置され、
第2の切れ刃の少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は第1の切れ刃部分に隣接し、
第2の切れ刃の少なくとも一つの第2の切れ刃部分の一端は回転軸上又は回転軸の近傍に位置することを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
回転軸上(322)又は回転軸(322)の近傍に位置する第2の切れ刃部分(352,353)は、回転軸に対して直角を成すことを特徴とする請求項14又は15に記載の装置。
【請求項17】
第1の切れ刃部分(348,349)は第1の軸周りで湾曲し、第1の半径(R1)は第1の切れ刃部分の個々の点から第1の軸までの距離であり、
少なくとも一つの第2の切れ刃部分(352,353)は少なくとも一つの第2の軸周りで湾曲し、少なくとも一つの第2の半径(R2)は第2の切れ刃部分の個々の点から第2の軸までの距離であり、
第1の軸と少なくとも一つの第2の軸は回転軸(322)に交差することを特徴とする請求項14〜16の何れか一項に記載の装置。
【請求項18】
切れ刃(324,336)の延長線に沿う少なくとも一つの第2の切れ刃部分(352,353)の長さは、第1の半径(R1)の少なくとも1/100であることを特徴とする請求項14〜17の何れか一項に記載の装置。
【請求項19】
切れ刃(324,336)の延長線に沿う少なくとも一つの第2の切れ刃部分(352,353)の長さは、第1の半径(R1)の1/5より小さく、好ましくは1/10より小さいことを特徴とする請求項14〜18の何れか一項に記載の装置。
【請求項20】
少なくとも一つの第2の半径(R2)は、第1の半径(R1)の10%、好ましくは30%より大きいことを特徴とする請求項14〜19の何れか一項に記載の装置。
【請求項21】
少なくとも一つの第2の半径(R2)は、第1の半径(R1)の1000倍、好ましくは10倍、より好ましくは4倍より小さいことを特徴とする請求項14〜20の何れか一項に記載の装置。
【請求項22】
第1の切れ刃部分(348,349)と隣接する第2の切れ刃部分(352,353)との間の境界にある切れ刃の個々の点において、切れ刃が接線を有することを特徴とする請求項14〜21の何れか一項に記載の装置。
【請求項23】
少なくとも一つの第2の切れ刃部分(352,353)の個々の点において、少なくとも一つの第2の切れ刃部分は、回転軸(322)に対して直角をなす接線、又は回転軸周りの回転で第1の切れ刃(324)によって規定される回転面の外側にある回転軸と交差する接線を有することを特徴とする請求項14〜22の何れか一項に記載の装置。
【請求項24】
第1の切れ刃部分(348,349)の個々の点において、第1の切れ刃部分は、回転軸(322)に対して直角をなす接線、又は回転軸周りの回転で第1の切れ刃(324)によって規定される回転面の外側にある回転軸と交差する接線を有することを特徴とする請求項20〜23の何れか一項に記載の装置。
【請求項25】
工具又は装置がラジアスエンドミルの形態であることを特徴とする請求項13〜24の何れか一項に記載の装置。
【請求項26】
工具又は装置がボールエンドミルの形態であることを特徴とする請求項13〜24の何れか一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−45705(P2012−45705A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−184626(P2011−184626)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(505277521)サンドビック インテレクチュアル プロパティー アクティエボラーグ (284)
【Fターム(参考)】