説明

軸受構造

【課題】組み立て作業を煩雑化することなく、テーパローラベアリングに予圧を与え、かつ軸部材に対する歯車の軸心位置を規定した状態に維持すること。
【解決手段】トランスファギヤ21とデフ入力軸20との間にはカラー部材40を配設し、カラー部材40は、第一の端面をトランスファギヤ21の端面に当接させるとともに、第二の端面をインナーレース22bの内側端面22b1に当接させることによってこれらトランスファギヤ21の端面とインナーレース22bの内側端面22b1との間に間隙を確保し、デフ入力軸20の先端部には、テーパローラベアリング22においてインナーレース22bの外側端面22b2に当接することにより、当接端面20dとの間にトランスファギヤ21及びカラー部材40を含んだ状態で2つのインナーレース22b,23bの軸方向に沿った最大相互間距離d2を規定するホルダ50を保持させた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸受構造に関するもので、より詳細には、歯車が装着された軸部材を、2つのテーパローラベアリングを介してケースに回転可能に支持させる軸受構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
比較的大きなトルクが入力される軸部材をケースに支持させるには、通常、テーパローラベアリングが適用される。テーパローラベアリングを用いる場合には、例えばアウターレースとケースとの間にそれぞれシムプレートを介在させ、軸方向に沿って予圧を付与するのが一般的である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
シムプレートは、厚さの異なるものが複数用意してある。これらのシムプレートの中から適宜選択したものをアウターレースとケースとの間に介在させることにより、加工誤差や組み立て誤差がある場合にも、テーパローラベアリングに対して常に同じ予圧を与えることができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−185970号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、組み立て上の制約、あるいは組み立て後のメインテナンス性の向上を図るため、軸部材に対して歯車をスプライン結合させる場合がある。但し、スプライン結合した軸部材と歯車との間には、嵌め合いのための隙間が必要となる。このため、組み立て後においても軸部材に対して歯車が径方向に移動できる状態にあり、動力の伝達効率を考慮した場合、必ずしも好ましいとはいえない。また、軸部材と歯車との間の径方向の隙間は、異音の発生や摩耗異常の問題を招来する恐れもある。
【0006】
こうした問題は、歯車の内周面に形成した収容凹部と軸部材との間にカラー部材を装着することで解決することが可能である。例えば、歯車の内周面には、開口端部に同一軸心となる態様で収容凹部を形成する。カラー部材は、収容凹部の内周面に嵌合する外径を有する一方、軸部材の外周面に嵌合する内径を有した円柱状部材である。このカラー部材を収容凹部の内部に装着すれば、カラー部材を介して軸部材と歯車とが同一の軸心上に配置され、かつその状態を維持するようになり、上述した問題を解決することが可能になる。
【0007】
しかしながら、こうした軸受構造にあっては、組み立て作業時に、予圧を調整するための作業と、カラー部材による歯車の位置調整を行う作業とを個別に行う必要があり、組み立て作業を煩雑化する恐れがある。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて、組み立て作業を煩雑化することなく、テーパローラベアリングに予圧を与え、かつ軸部材に対する歯車の軸心位置を規定した状態に維持することのできる軸受構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る軸受構造は、軸部材の外周部に軸方向に沿って移動可能、かつ相対回転を規制した状態で装着した歯車と、この歯車に対して軸方向の両側となる位置にそれぞれ配設したテーパローラベアリングとを備え、これらのテーパローラベアリングを介してケースに前記軸部材を支持させることにより、前記歯車と一体に前記軸部材を軸心回りに回転可能に支持させる軸受構造であって、2つのテーパローラベアリングは、アウターレースにおいて前記歯車に対向する内側端面をそれぞれ前記ケースの端面に当接させるものであり、第一のテーパローラベアリングは、インナーレースの外側端面を前記軸部材の基端部に設けた当接端面に当接させることによって前記軸部材に対する軸方向の移動が規制されるものであり、前記歯車と前記軸部材との間には、前記歯車の内周面に嵌合するとともに前記軸部材の外周面に嵌合することによって前記軸部材に対する前記歯車の軸心位置を規定するカラー部材を配設し、前記カラー部材は、第一の端面を前記歯車の端面に当接させるとともに、第二の端面を少なくとも一方のテーパローラベアリングのインナーレースの内側端面に当接させることによって、前記歯車の端面と前記インナーレースの内側端面との間に間隙を確保するものであり、前記軸部材の先端部には、前記第二のテーパローラベアリングにおけるインナーレースの外側端面に当接することにより、前記当接端面との間に、前記歯車及び前記カラー部材を含んだ状態で2つのインナーレースの軸方向に沿った最大相互間距離を規定するホルダを装着したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上述した軸受構造において、前記歯車は、前記軸部材に対してスプライン結合させたものであり、前記軸部材には基端部に前記歯車が一体に形成してあり、この歯車の端面を前記当接端面としてインナーレースの外側端面を当接させることによって第一のテーパローラベアリグの前記軸部材に対する軸方向の移動を規制し、前記ホルダは、前記軸部材の先端部外径よりも太径に形成した円形の平板状を成し、中央部に設けた挿通孔を介して取付ボルトを前記軸部材に締結することによって前記軸部材の先端部に保持させたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、軸部材にホルダを装着することにより、軸部材に対する歯車の軸心位置を規定するためのカラー部材がテーパローラベアリングに予圧を付与することができる。つまり、ホルダを装着する作業を行えば、カラー部材によって軸部材に対する歯車の軸心位置を規定することができるとともに、テーパローラベアリングに予圧が付与されることとなり、組み立て作業を煩雑化する恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1−1】図1−1は、本発明の実施の形態である軸受構造の要部を示した断面図である。
【図1−2】図1−2は、図1−1に示した軸受構造においてホルダを装着する以前の状態を示す断面図である。
【図2】図2は、図1−1に示した軸受構造を適用したトランスファ装置の平面一部破断図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る軸受構造の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0014】
図1−1及び図1−2は、本発明の実施の形態である軸受構造を示したものである。ここで例示する軸受構造は、図2に示すように、フォークリフト等の車両に適用するトランスファ装置において、油圧モータ等の動力源からメイン入力軸1に入力された動力を差動機構10のリングギヤ11に与えるデフ入力軸(軸部材)20に適用したものである。
【0015】
メイン入力軸1は、基端部にメイン入力ギヤ1aを有する一方、先端部外周にスプライン1bを有したもので、ボールベアリング2,3を介してトランスファケース30に回転可能に支持させてある。メイン入力ギヤ1aは、はす歯歯車であり、メイン入力軸1と一体に成形してある。このメイン入力軸1は、先端部のスプライン1bを介して図示せぬ動力源の出力軸にスプライン結合してある。
【0016】
差動機構10は、キャリヤ12、2つのサイドギヤ13,14、複数のピニオンギヤ15を備えて構成し、キャリヤ12が回転した場合にその回転を、ピニオンギヤ15及びそれぞれのサイドギヤ13,14を介してアクスル16,17に伝達するものである。キャリヤ12は、アクスル16,17に対して軸心回りに回転可能に配設したもので、リングギヤ11と連結してある。サイドギヤ13,14は、アクスル16,17のそれぞれに連結し、キャリヤ12の内部において互いに対向配置したかさ歯車である。ピニオンギヤ15は、アクスル16,17の軸心を中心として公転し、かつ自身の軸心回りに自転可能となるように、ピニオンシャフト18を介してキャリヤ12に配設したかさ歯車であり、対向する2つのサイドギヤ13,14のそれぞれに歯合している。
【0017】
デフ入力軸20は、円柱状を成す軸部20aの基端部にデフ入力ギヤ20bを有する一方、軸部20aの中間部外周にスプライン20cを有した軸部材である。デフ入力ギヤ20bは、軸部20aよりも太径に構成したかさ歯車であり、軸部20aと一体に成形してある。デフ入力軸20における軸部20aの外周面とデフ入力ギヤ20bとの間には、デフ入力軸20の軸心に直交する当接端面20dが構成してある。デフ入力軸20のスプライン20cには、トランスファギヤ(歯車)21が円筒状のボス部21aを介してスプライン結合してある。トランスファギヤ21は、デフ入力軸20に対して軸方向に沿って移動可能、かつ相対回転が規制されたはす歯歯車であり、デフ入力軸20と一体に回転する。図1−1、図1−2からも明らかなように、トランスファギヤ21のボス部21aには、一方の端部内周面に収容凹部21bが形成してある。収容凹部21bは、スプライン20cを形成した部分よりも大きな内径を有した環状の空所であり、デフ入力軸20と同一軸心となるように形成してある。このデフ入力軸20は、図2に示すように、デフ入力ギヤ20bを差動機構10のリングギヤ11に歯合させ、かつトランスファギヤ21をメイン入力軸1のメイン入力ギヤ1aに歯合させた状態で、一対のテーパローラベアリング22,23を介してトランスファケース30に回転可能に支持させてある。
【0018】
図1−1に示すように、テーパローラベアリング22,23は、トランスファギヤ21に対して軸方向の両側となる位置にそれぞれ配設してある。個々のアウターレース22a,23aは、トランスファギヤ21に対向する内側端面22a1,23a1をそれぞれトランスファケース30の端面30a1,30a2に当接させてあり、互いの間に最小相互間距離d1が規定されている。
【0019】
一方、テーパローラベアリング22,23のインナーレース22b,23bは、互いの間にトランスファギヤ21のボス部21a及びカラー部材40を介在させた状態で、デフ入力軸20の基端部に設けた当接端面20dと、デフ入力軸20の先端面20eに設けたホルダ50との間に配設してある。ホルダ50は、デフ入力軸20の先端面20eよりも太径の外径に形成した円形の平板状を成すもので、中央部に設けた挿通孔50aを介して取付ボルト51をデフ入力軸20に締結することによってデフ入力軸20の先端部に保持させてある。カラー部材40は、デフ入力軸20の先端部に嵌合する内径を有するとともに、トランスファギヤ21のボス部21aに形成した収容凹部21bに嵌合する外径を有した円柱状部材であり、互いに軸方向に沿った長さの異なるものが複数用意してある。但し、これらのカラー部材40は、いずれもボス部21aの収容凹部21bに嵌合させ、一方の端面を収容凹部21bの端面に当接させた場合に、他方の端部がボス部21aの端面から突出するように、軸方向に沿った寸法が収容凹部21bよりも長く形成してある。トランスファギヤ21のボス部21aから軸方向に突出したカラー部材40は、デフ入力ギヤ20bの先端側に配設したテーパローラベアリング22のインナーレース22bにおいてトランスファギヤ21に対向する内側端面22b1に当接し、これらトランスファギヤ21とテーパローラベアリング22のインナーレース22bとが直接接触しないように相互間に間隙を確保している。尚、デフ入力軸20の基端側においては、テーパローラベアリング23のインナーレース23bの内側端面23b1とトランスファギヤ21のボス部21aとが直接当接した状態にある。
【0020】
図1−1に示すように、ホルダ50においてデフ入力軸20の当接端面20dに対向する端面50bは、デフ入力軸20の先端面20eから離隔し、かつデフ入力軸20の先端部側に配設したテーパローラベアリング22におけるインナーレース22bの外側端面22b2に当接しており、デフ入力軸20の当接端面20dとの間に2つのインナーレース22b,23bの最大相互間距離d2を規定している。すなわち、デフ入力軸20の当接端面20dに、インナーレース23bの外側端面23b2が当接し、ホルダ50の端面50bに、インナーレース22bの外側端面22b2が当接しており、これら当接端面20dとホルダ50の端面50bとによって2つのインナーレース22b,23bの最大相互間距離d2が規定される。
【0021】
この最大相互間距離d2に対してデフ入力軸20の外周に配設するテーパローラベアリグの2つのインナーレース22b,23b、トランスファギヤ21のボス部21a及びボス部21aから突出するカラー部材40の端部の軸方向に沿った合計長さは、カラー部材40を適宜選択することにより、図1−2に示すように、予め設定した距離xだけ大きくなるように設定してある。具体的には、図1−1に示すように、上述したテーパローラベアリング22,23におけるアウターレース22a,23aの最小相互間距離d1を実際に計測し、その計測した最小相互間距離d1と、既知の値である最大相互間距離d2、テーパローラベアリング22,23の2つのインナーレース22b,23bの軸方向に沿ったそれぞれの長さ、トランスファギヤ21のボス部21aの軸方向に沿った長さとの関係から、デフ入力軸20の先端面20eにホルダ50を取り付けた場合に2つのテーパローラベアリング22,23に予め設定した予圧を加えるために必要となるカラー部材40の軸方向長さsを決定することができる。
【0022】
すなわち、図1−1に示すように、2つのテーパローラベアリング22,23に対して所望となる予圧を加えた場合のそれぞれの軸方向長さをb、テーパローラベアリング22に対して所望となる予圧を加えた場合のインナーレース22bの内側端面22b1とアウターレース22aの内側端面22a1との間の軸方向長さをe、テーパローラベアリング23に対して所望となる予圧を加えた場合のインナーレース23bの内側端面23b1とアウターレース23aの内側端面23a1との間の軸方向長さをe、トランスファギヤ21におけるボス部21aの軸方向長さをh、カラー部材40の軸方向長さをsとすると、2b+s+h−2e=d1+2bの関係からs=d1+2e−hを導出し、カバー部材40の軸方向長さsを決定することができる。従って、組み立て作業時には、予め計測したこれらの寸法に応じた軸方向長さsのカラー部材40を用意することができる。これにより、個々のトランスファ装置の加工誤差や組み立て誤差によって例えば最小相互間距離d1が変化した場合にも、カラー部材40の軸方向長さsを適宜調整することにより、2つのテーパローラベアリング22,23に対して予め設定した値の予圧を加えることができるようになる。
【0023】
上記のように構成したトランスファ装置においては、図2に示すように、図示せぬ油圧モータによってメイン入力軸1が回転されると、メイン入力ギヤ1a及びトランスファギヤ21を介してデフ入力軸20が回転する。さらに、デフ入力軸20の回転は、デフ入力ギヤ20bを介して差動機構10に伝達されることとなり、アクスル16,17が回転して車両が走行することになる。
【0024】
ここで、このトランスファ装置では、デフ入力軸20を2つのテーパローラベアリング22,23によってトランスファケース30に支持させるようにしている。このため、デフ入力軸20に対して大きなトルクが入力された場合にも強度上の問題や耐久性の問題を招来する恐れがなく、デフ入力軸20の回転をガタ付くことなく支持することが可能となる。
【0025】
しかも、デフ入力軸20をトランスファケース30に支持させる場合には、収容凹部21bを介してカラー部材40をトランスファギヤ21とデフ入力軸20との間に配設し、さらにデフ入力軸20の先端面20eにホルダ50を取り付ければ、カラー部材40によってデフ入力軸20に対するトランスファギヤ21の軸心位置を規定することができるとともに、2つのテーパローラベアリング22,23に対して予め設定した予圧を同時に付与することが可能となり、組み立て作業を煩雑化する恐れもない。
【0026】
尚、上述した実施の形態は、フォークリフト等の車両に適用するトランスファ装置のデフ入力軸を対象として軸受構造を例示したが、外周部に軸方向に沿って移動可能、かつ相対回転を規制した状態で歯車を装着し、かつこの歯車に対して軸方向の両側となる位置にそれぞれテーパローラベアリングを配設した軸部材であれば、その他の用途に適用されるものであっても適用することが可能である。
【0027】
また、上述した実施の形態では、軸部材に一体に設けたデフ入力ギヤの端面を当接端面として構成しているが、当接端面が軸部材と一体である必要はなく、例えば、軸部材の外周部にCリング等のリング部材を装着することによって当接端面を構成することも可能である。
【0028】
さらに、上述した実施の形態では、ホルダとして円形の平板状を成し、テーパローラベアリングにおいてインナーレースの外側端面を軸部材の先端面と同一の平面上に位置させるようにしたものを例示しているが、当接端面との間において2つのインナーレースの軸方向に沿った相互間距離を規定できれば、軸部材の先端面に一致した位置においてインナーレースに当接する必要はない。
【0029】
またさらに、上述した実施の形態では、歯車の一方の端部と軸部材との間にのみカラー部材を設けるようにしているが、もう一方の端部にもカラー部材を設けても構わない。
【符号の説明】
【0030】
20 デフ入力軸
20d 当接端面
20e 先端面
21 トランスファギヤ
21a ボス部
21b 収容凹部
22,23 テーパローラベアリング
22a,23a アウターレース
22a1,23a1 内側端面
22b,23b インナーレース
22b1 内側端面
22b2 外側端面
23b1 内側端面
23b2 外側端面
30 トランスファケース
30a1,30a2 端面
40 カラー部材
50 ホルダ
50a 挿通孔
50b 端面
51 取付ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部材の外周部に軸方向に沿って移動可能、かつ相対回転を規制した状態で装着した歯車と、この歯車に対して軸方向の両側となる位置にそれぞれ配設したテーパローラベアリングとを備え、これらのテーパローラベアリングを介してケースに前記軸部材を支持させることにより、前記歯車と一体に前記軸部材を軸心回りに回転可能に支持させる軸受構造であって、
2つのテーパローラベアリングは、アウターレースにおいて前記歯車に対向する内側端面をそれぞれ前記ケースの端面に当接させるものであり、
第一のテーパローラベアリングは、インナーレースの外側端面を前記軸部材の基端部に設けた当接端面に当接させることによって前記軸部材に対する軸方向の移動が規制されるものであり、
前記歯車と前記軸部材との間には、前記歯車の内周面に嵌合するとともに前記軸部材の外周面に嵌合することによって前記軸部材に対する前記歯車の軸心位置を規定するカラー部材を配設し、
前記カラー部材は、第一の端面を前記歯車の端面に当接させるとともに、第二の端面を少なくとも一方のテーパローラベアリングのインナーレースの内側端面に当接させることによって、前記歯車の端面と前記インナーレースの内側端面との間に間隙を確保するものであり、
前記軸部材の先端部には、前記第二のテーパローラベアリングにおけるインナーレースの外側端面に当接することにより、前記当接端面との間に、前記歯車及び前記カラー部材を含んだ状態で2つのインナーレースの軸方向に沿った最大相互間距離を規定するホルダを装着した
ことを特徴とする軸受構造。
【請求項2】
前記歯車は、前記軸部材に対してスプライン結合させたものであり、
前記軸部材には基端部に前記歯車が一体に形成してあり、この歯車の端面を前記当接端面としてインナーレースの外側端面を当接させることによって第一のテーパローラベアリグの前記軸部材に対する軸方向の移動を規制し、
前記ホルダは、前記軸部材の先端部外径よりも太径に形成した円形の平板状を成し、中央部に設けた挿通孔を介して取付ボルトを前記軸部材に締結することによって前記軸部材の先端部に保持させた
ことを特徴とする請求項1に記載の軸受構造。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−52589(P2012−52589A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194760(P2010−194760)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【出願人】(000184643)コマツユーティリティ株式会社 (106)
【Fターム(参考)】