軸部材保持機構、感光体ドラムユニット及び画像形成装置
【課題】本発明は、ベアリングの移動を規制する規制部材の耐久性が向上された軸部材保持機構を提供することを目的とする。
【解決手段】軸部材保持機構110aは、回転軸Rを中心に回転可能に配置される第1軸部材120aと、外輪部353a及び第1軸部材120aに被嵌すると共に外輪部353aの内側に外輪部353aに対して相対回転可能に配置される内輪部352aを有する第2ベアリング350aと、第2ベアリング350aにおける外輪部353aを該外輪部353aが回転することを規制した状態で保持する第2保持部310aを有する第2保持部材300aと、第2ベアリング350aの回転軸方向Jにおける一方側に内輪部352aに当接すると共に、外輪部353aから離間して配置され、第2ベアリング350aにおける回転軸方向Jへの移動を規制する第3クリップ370aと、を備える。
【解決手段】軸部材保持機構110aは、回転軸Rを中心に回転可能に配置される第1軸部材120aと、外輪部353a及び第1軸部材120aに被嵌すると共に外輪部353aの内側に外輪部353aに対して相対回転可能に配置される内輪部352aを有する第2ベアリング350aと、第2ベアリング350aにおける外輪部353aを該外輪部353aが回転することを規制した状態で保持する第2保持部310aを有する第2保持部材300aと、第2ベアリング350aの回転軸方向Jにおける一方側に内輪部352aに当接すると共に、外輪部353aから離間して配置され、第2ベアリング350aにおける回転軸方向Jへの移動を規制する第3クリップ370aと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸部材を回転可能に保持する軸部材保持機構、該軸部材保持機構を備える感光体ドラムユニット、及び該感光体ドラムユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタやコピー機等の画像形成装置において、感光体ドラムを有するタイプが存在する。感光体ドラムは、感光体ドラム本体と、感光体ドラム本体の両端に配置される軸部材とを備える。また、感光体ドラムは、軸部材を装置本体側に形成される保持部(保持機構)により所定の回転軸を中心に回転可能に保持される。
感光体ドラムにおける軸部材を保持(支持)する機構として、例えば、感光体ドラムにおける軸部材をベアリングにより回転可能に保持(支持)する機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、特許文献1の画像形成装置において、軸部材に装着したベアリングが軸方向に移動してしまう場合があった。
これに対して、駆動ギアに当接して軸部材に取り付けられ、該駆動ギアの軸方向への移動を規制するEリングを有する駆動力伝達装置及び該駆動力伝達装置を備える画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−189751号公報
【特許文献1】特開2008− 74501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2の装置において、Eリングの摩耗等による耐久性の低下については、何ら考慮がされていなかった。特に、特許文献2に開示されたEリング(規制部材)は、駆動ギアの移動を規制する規制部材であって、ベアリングの移動を規制する規制部材ではないため、ベアリングに当接した状態で生じる摩耗等のベアリング特有の事情を考慮した工夫はなされていなかった。
【0006】
本発明は、軸部材を回転可能に保持する軸部材保持機構であって、ベアリングの移動を規制する規制部材の耐久性を向上可能な軸部材保持機構を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記軸部材保持機構を備える感光体ドラムユニットを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記感光体ドラムユニットを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、回転軸を中心に回転可能に配置される軸部材と、前記軸部材を回転可能に軸支するベアリングであって、外輪部と、前記軸部材に被嵌すると共に、前記外輪部の内側に前記外輪部に対して相対回転可能に配置される内輪部と、を有するベアリングと、前記ベアリングにおける前記外輪部を該外輪部が回転することを規制した状態で保持するベアリング保持部を有する保持部材と、前記ベアリングの前記回転軸方向における一方側に前記内輪部に当接すると共に、前記外輪部から離間して配置され、前記ベアリングにおける前記回転軸方向への移動を規制する規制部材と、を備える軸部材保持機構に関する。
【0008】
また、前記内輪部は、前記規制部材側に形成される被当接部を有し、前記規制部材は、前記ベアリング側に形成され、前記ベアリング側に突出すると共に、前記内輪部における被当接部に当接する当接部を有することが好ましい。
【0009】
また、本発明は、上記いずれか記載の軸部材保持機構と、前記軸部材における端部側と反対側に配置される感光体ドラム本体と、を備える感光体ドラムユニットに関する。
【0010】
また、本発明は、上記に記載の感光体ドラムユニットと、前記感光体ドラム本体の表面に形成されたトナー画像をシート材の被転写材に転写する転写部と、前記転写部により転写されたトナー画像を前記被転写材に定着させる定着部と、を備える画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、軸部材を回転可能に保持する軸部材保持機構であって、ベアリングの移動を規制する規制部材の耐久性を向上可能な軸部材保持機構を提供することができる。
また、本発明によれば、上記軸部材保持機構を備える感光体ドラムユニットを提供することができる。
また、本発明によれば、上記感光体ドラムユニットを備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】プリンタにおける各構成要素の配置を説明するための正面図である。
【図2】感光体ドラムが第1保持部材及び第2保持部材により回動可能に保持された状態を説明する図である。
【図3】図2における領域Aの拡大図である。
【図4】軸部材保持機構を説明するための側面図である。
【図5】軸部材保持機構を説明するための斜視図である。
【図6A】図5におけるB―B断面図である。
【図6B】図5におけるC―C断面図である。
【図7】第1クリップ(規制部材)を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態を説明する。
図1により、画像形成装置としてのプリンタ1における全体構造を説明する。図1は、プリンタ1における各構成要素の配置を説明するための正面図である。
以下の説明において、プリンタ1の前側に立ったユーザから見て、左右方向を矢印Xの方向とし、前後(奥行き)方向を矢印Yの方向とし、上下方向を矢印Zの方向とする。
【0014】
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1は、装置本体Mと、所定の画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成されている。
【0015】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8と、対向ローラ18と、定着部9と、を備える。
【0016】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、複数のローラ又はローラ対と、排紙部50と、を備える。なお、搬送路Lは、後述するように、第1搬送路L1と、第2搬送路L2と、第3搬送路L3と、手差し搬送路Laと、戻り搬送路Lbとの集合体である。
【0017】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、画像形成時に感光体ドラム2a、2b、2c、2dが回転すると順に、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対して、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対向ローラ18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0018】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の感光体ドラム本体150a、(図2参照)150b、150c、150dと、感光体ドラム本体150a、150b、150c、150dそれぞれの両端側に配置される第1軸部材120a(図2参照)、120b、120c、120d及び第2軸部材140a(図2参照)、140b、140c、140dと、を有する。ここで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれと、第2軸部材140a、140b、140c、140dそれぞれとをつなぐ第3軸部材125a(図2参照)、125b、125c、125dを有する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれと、第3軸部材125a、125b、125c、125dそれぞれと、第2軸部材140a、140b、140c、140dそれぞれとが一体的に連続して形成される1本の軸部材を有している。
感光体ドラム本体150a、150b、150c、150dそれぞれは、感光体又は像担持体として機能する。
【0019】
第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれは、第1保持部材200a(図2参照)、200b、200c、200d、及び第2保持部材300a(図2参照)、300b、300c、300dにおいて、回転可能に保持される。具体的には、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれは、第1保持部材200a(図3参照)、200b、200c、200dそれぞれに保持される第1ベアリング250a、250b、250c、250dそれぞれにより回転可能に保持される。また、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれは、第2保持部材300a、300b、300c、300dそれぞれに保持される第2ベアリング350a、350b、350c、350dそれぞれにより回転可能に保持される。
【0020】
第2軸部材140a、140b、140c、140dそれぞれは、感光体ドラム駆動ユニット500に直接又はジョイント部材を介して間接的に連結される。
第2軸部材140a、140b、140c、140dそれぞれは、感光体ドラム駆動ユニット500から回転駆動力が伝達される。
ここで、上述の通り、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれが第1ベアリング250a、250b、250c、250dや第2保持部材300a、300b、300c、300dにより回転可能に保持されるので、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、感光体ドラム駆動ユニット500から伝達された回転駆動力により回転される。
【0021】
上述より、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる回転軸を中心に、図1に示した矢印の方向に回転可能に配置されている。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
【0022】
ここで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dは、ユニット化され、感光体ドラムユニット100に一体的に配置される(図2参照)。
感光体ドラムユニット100は、第1軸部材120a、120b、120c、120dや第2ベアリング350a、350b、350c、350dにより構成される軸部材保持機構110a(図2参照)、110b、110c、110dを含んで構成される。軸部材保持機構110a、110b、110c、110d及び感光体ドラムユニット100については、後に説明する。
【0023】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置されている。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に正(プラス極性)に帯電させる。
【0024】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置されている。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成されている。
【0025】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器から入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0026】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置されている。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像の帯電電荷が除去された箇所に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置された現像ローラ、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成されている。
【0027】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0028】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。
【0029】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラ35、駆動ローラとして機能する対向ローラ18、テンションローラ36等に掛け渡されている。テンションローラ36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には所定の張力が与えられる。
【0030】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置されている。
【0031】
中間転写ベルト7は、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成されている。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像が中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0032】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0033】
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置されている。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0034】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置されている。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に1次転写後に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0035】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0036】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成されている。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
【0037】
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8とは反対側には、対向ローラ18が配置されている。中間転写ベルト7は、2次転写ローラ8と対向ローラ18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間に2次転写ニップN2が形成されている。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像が用紙Tに2次転写されている。
【0038】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧をされることで用紙Tに定着される。
【0039】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する給紙カセット52が配置されている。給紙カセット52は、装置本体Mのケース体BDから水平方向に引き出し可能に構成されている。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置されている。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容されている。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52の用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されているカセット給紙部51により搬送路Lに送り出されている。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対81とからなる重送防止機構を備える。
【0040】
装置本体Mの右側面(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされている用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの右側面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置されている。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
【0041】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ニップN2までの第1搬送路L1と、2次転写ニップN2から定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から排紙部50までの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を下流側から上流側へ搬送する用紙を、表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbと、を備える。
【0042】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻し搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部である。
【0043】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ニップN2との間)には、用紙Tを検出するための用紙検出センサ(図示せず)と、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためのレジストローラ対80とが配置されている。前記用紙検出センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置されている。レジストローラ対80は、前記用紙検出センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0044】
第1搬送路L1における第1合流部P1と第2合流部P2との間には、中間ローラ対82が配置されている。中間ローラ対82は、給紙ローラ対81に関して用紙搬送方向の下流側に配置され、給紙ローラ対81より搬送されている用紙Tを挟持して、レジストローラ対80へ搬送する。
【0045】
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を中間転写ベルト7に対向させるために設けられた搬送路である。戻し搬送路Lbによって、第1分岐部Q1から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻して、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、2次転写ニップN2において未印刷面に対してトナー画像が転写されている。
【0046】
第1分岐部Q1には、整流部材58が設けられている。整流部材58は、定着部9から搬出され第3搬送路L3を上流側から下流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、排紙部50に向かう方向に整流すると共に、排紙部50から第3搬送路L3を下流側から上流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、戻し搬送路Lbに向かう方向に整流する。
【0047】
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成されている。排紙部50は、装置本体Mの上部に配置されている。排紙部50は、装置本体Mの左側面側(図1において左側)に向けて開口している。排紙部50は、用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50は、排出ローラ対53を有している。排出ローラ対53によって、第3搬送路L3を上流側から下流側に搬送されている用紙Tを装置本体Mの外部に排紙すると共に、排紙部50において用紙Tの搬送方向を反転させて用紙Tを第3搬送路L3の上流側に向けて搬送することができる。
【0048】
排紙部50の開口側には、排紙集積部M1が形成されている。排紙集積部M1は、装置本体Mの上面(外面)に形成されている。排紙集積部M1は、装置本体Mの上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mの上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され排紙部50から排紙された用紙Tが積層して集積される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサ(不図示)が配置されている。
【0049】
次に、図1を参照して、第1実施形態のプリンタ1の動作について、簡単に説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷を行う場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対81によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、中間ローラ対82により、レジストローラ対80に搬送される。
レジストローラ対80においては、用紙Tのスキュー補正や、画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とのタイミング調整が行われる。
【0050】
レジストローラ対80から排出された用紙Tは、第1搬送路L1を介して中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間(2次転写ニップN2)に導入される。そして、用紙Tには、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間において、トナー画像が転写される。
その後、用紙Tは、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着部9における加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間の定着ニップに導入される。そして、定着ニップにおいてトナーが溶融し、トナーが用紙Tに定着される。
【0051】
次いで、用紙Tは、第3搬送路L3を通して排紙部50に搬送され、排出ローラ対53により排紙部50から排紙集積部M1に排出される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
【0052】
手差しトレイ65に載置された用紙Tに片面印刷を行う場合には、手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給紙コロ66によって手差し搬送路Laに送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、レジストローラ対80に搬送される。それ以降の動作は、前述した、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷の動作と同様であり、説明を省略する。
【0053】
次に、両面印刷を行う場合のプリンタ1の動作について説明する。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷がされた用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷がされた用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラ対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
【0054】
詳述すると、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラ対53により排紙部50から排出されるまでは、前述した片面印刷の動作と同様である。而して、両面印刷の場合には、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラ対53により保持されている状態において、排出ローラ対53の回転を停止させ、逆方向に回転させる。このように排出ローラ対53を逆方向に回転させると、排出ローラ対53に保持されている用紙Tは、第3搬送路L3を逆方向(排紙部50から第1分岐部Q1に向かう方向)に搬送される。
【0055】
前述したように、用紙Tが、第3搬送路L3を逆方向に搬送されると、整流部材58により、用紙Tは、戻し搬送路Lbへ整流され、その後、第2合流部P2を介して、第1搬送路L1に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
【0056】
更に、用紙Tは、レジストローラ対80により前記補正又は前記調整が行われ、第1搬送路L1を介して、2次転写ニップN2に導入される。用紙Tは、戻し搬送路Lbを経由することにより、未印刷面が中間転写ベルト7に対向するので、未印刷面にトナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
【0057】
図2から図7により、軸部材保持機構及び、該軸部材保持機構を含む感光体ドラムユニットについて説明する。以下、感光体ドラム2aに対応する軸部材保持機構110aを中心に説明し、同様の構成である感光体ドラム2b、2c、2dに対応する軸部材保持機構110b、110c、110dの説明は省略する。ここで、軸部材保持機構110b、110c、110dの構成は、軸部材保持機構110aの構成と同様であり、軸部材保持機構110aについての説明を援用することができる。
【0058】
図2は、感光体ドラムが第1保持部材及び第2保持部材により回動可能に保持された状態を説明する図である。図3は、図2における領域Aの拡大図である。図4は、軸部材保持機構を説明するための側面図である。図5は、軸部材保持機構を説明するための斜視図である。図6Aは、図5におけるB―B断面図である。図6Bは、図5におけるC―C断面図である。図7は、第1クリップ(規制部材)を説明するための斜視図である。
【0059】
まず、感光体ドラムユニット100について説明する。
図2に示すように、感光体ドラムユニット100は、軸部材保持機構110aと、軸部材保持機構110aにおいて回転可能に保持される第1軸部材120aを含む感光体ドラム2aと、感光体ドラム2aにおける第2軸部材140aに連結される不図示の感光体ドラム駆動ユニット500と、を備える。
【0060】
上述の通り、感光体ドラム2aは、感光体ドラム本体150aと、回転軸方向Jにおいて感光体ドラム本体150aの一端側に配置される第1軸部材120aと、他端側に配置される第2軸部材140aとを備える。
【0061】
感光体ドラムユニット100は、感光体ドラム2aを回転軸R(図4参照)を中心に回転可能に構成される。
感光体ドラムユニット100は、感光体ドラム2aの一端側に配置される第1軸部材120aを回転可能に保持する。具体的には、感光体ドラムユニット100含まれる軸部材保持機構110aは、第1軸部材120aを回転軸を中心に回転可能に保持する。
【0062】
感光体ドラムユニット100は、感光体ドラム2aの他端側に配置される第2軸部材140aを回転駆動させる。具体的には、感光体ドラムユニット100含まれる感光体ドラム駆動ユニット500は、第2軸部材140aに回転駆動力を伝達する。
【0063】
これにより、第2軸部材140aに伝達された回転駆動力により、第1軸部材120aを回転可能に保持される感光体ドラム2a(感光体ドラム本体150a)は、回転軸Rを中心に回転される。
【0064】
ここで、感光体ドラム駆動ユニット500は、電源から供給された電力により回転駆動力を発生させると共に発生させた回転駆動力を出力可能な回転駆動部(例えば、モータ)と、回転駆動部から出力された回転駆動力を伝達する伝達部(例えば、各種ギア)と、第2軸部材140aと連結されると共に伝達部により伝達された回転駆動力を第2軸部材140aに伝達させる連結部(例えば、ジョイント)とを備える。
【0065】
続けて、軸部材保持機構110aについて説明する。
図3及び図4に示すように、軸部材保持機構110aは、第1軸部材120aと、第1軸部材120aの端部121a側に配置される第2ベアリング350aと、第2ベアリング350aを保持する第2保持部310aを有する第2保持部材300aと、第2ベアリング350aを挟むように配置される第3クリップ370a(規制部材)及び第4クリップ380a(規制部材)とを備える。
また、軸部材保持機構110aは、第1軸部材120aにおける端部121aから回転軸方向J内側に離間して配置される第1ベアリング250aと、第1ベアリング250aを保持する第1保持部210aを有する第1保持部材200aとを備える。
【0066】
図3に示すように、第1軸部材120aは、感光体ドラム2aにおける一端側に配置される。第1軸部材120aは、第1ベアリング250a及び第2ベアリング350aにより回転軸Rを中心に回転可能に保持される。
【0067】
図3及び図4に示すように、第2ベアリング350aは、第1軸部材120aの端部121a側に配置される。
第2ベアリング350aは、第1ベアリング250aとともに第1軸部材120aを回転可能に軸支(保持)する。
【0068】
図4から図6Bに示すように、第2ベアリング350aは、第1軸部材120aの直径方向K外側に配置される外輪部353aと、直径方向K内側に配置される内輪部352aと、直径方向Kにおいて内輪部352aと外輪部353aとの間に配置される複数のボール部材354aとを備える。
【0069】
内輪部352aは、第1軸部材120aに被嵌すると共に、外輪部353aの直径方向K内側に外輪部353aに対して相対回転可能に配置される。
図6A及び図6Bに示すように、内輪部352aは、回転軸方向Jに突出する突出部355a、365a(被当接部)を有する。突出部355a、365aは、内輪部352aにおける直径方向K外縁側に回転軸方向Jからみてリング状に形成される。
【0070】
内輪部352aは、後述する第3クリップ370a及び第4クリップ380aに当接される。具体的には、内輪部352aは、突出部355a(被当接部)において、第3クリップ370aの当接部375aに当接される。また、内輪部352aは、突出部365a(被当接部)において、第4クリップ380aの当接部385aに当接される。
【0071】
図6A及び図6Bに示すように、外輪部353aは、内輪部352aの直径方向K外側に内輪部352aと相対回転可能に配置される。外輪部353aは、ボール部材354aを該ボール部材354aが回転可能な状態で保持する。
外輪部353aは、第2保持部310a(図3参照)に回転が規制された状態で保持される。外輪部353aは、第2保持部310aにより保持された状態において、ボール部材354aを介して内輪部352aを相対回転可能に保持する。
【0072】
外輪部353aは、回転軸方向Jに突出する突出部356a、366aを有する。突出部356a、366aは、外輪部353aにおける直径方向K外縁側に回転軸方向Jからみてリング状に形成される。
ここで、本実施形態において、突出部356a、366aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aに当接されない。
【0073】
第2保持部材300aは、第2ベアリング350aにおける外輪部353aを該外輪部353aが回転することを規制した状態で保持する第2保持部310a(ベアリング保持部)を有する。
第2ベアリング350aは、第2保持部材300aに形成される第2保持部310aに挿入されて保持される。
【0074】
第2保持部310aは、第2保持部材300aに形成される(図3参照)。
また、第2保持部310aは、保持面と、挿入空間と、壁部(いずれも不図示)とを有する。
保持面は、挿入空間の外郭を構成する曲面であり、第2ベアリング350aの外周面に対応して形成される。保持面は、第2ベアリング350aの外周面に被嵌するように当接して、第2ベアリング350aにおける外輪部353aの回転を規制すると共に第2ベアリング350aを保持する。
挿入空間は、中空状に形成される。挿入空間は、円筒状の中空部である。挿入空間は、保持面により形成される空間である。挿入空間には、第2ベアリング350aが挿入される。
壁部は、保持面における挿入方向奥側(図3において左側)の外縁に連続して、保持面から回転軸R側に延びるように形成される部分である。壁部は、第2ベアリング350aにおける挿入方向への移動を規制する。
【0075】
図4に示すように、第2ベアリング350aの回転軸方向Jにおける両側には、第3クリップ370a(規制部材)及び第4クリップ380a(規制部材)が配置される。第3クリップ370a及び第4クリップ380aそれぞれは、第2ベアリング350aにおける内輪部352aに当接するように配置される。第3クリップ370a及び第4クリップ380aそれぞれは、内輪部352aに当接して第2ベアリング350aにおける回転軸方向Jへの移動を規制する。
【0076】
また、第3クリップ370a及び第4クリップ380aそれぞれは、第2ベアリング350aにおける外輪部353aから離間して配置される(当接しない)。第3クリップ370a及び第4クリップ380aそれぞれは、外輪部353aから離間して配置されることで、摩耗等による損傷を抑制して耐久性を向上させている。
【0077】
具体的には、図4に示すように、第3クリップ370aは、第2ベアリング350aにおける第1軸部材120aの端部121a側に配置される。詳細には、第3クリップ370aは、第1軸部材120aにおける第2ベアリング350aの端部121a側に周方向に延びるように形成される第3溝部141aに嵌合するようにして第1軸部材120aに取り付けられる。
【0078】
図7に示すように、第3クリップ370aは、一方が開口した略C字状に形成される。具体的には、図4から図7に示すように、第3クリップ370aは、つまみ部371aと、腕部372a、372aと、開口部379aとを有する。
【0079】
つまみ部371aは、開口部379aと対向した位置に配置される。つまみ部371aの両端側には、腕部372a、372aが連続して形成される。
つまみ部371aは、第3クリップ370aが第1軸部材120aに取り付けられる際においてユーザに指でつままれる(把持される)部分である。
【0080】
図7に示すように、腕部372a、372aは、つまみ部371aの両端から連続して円弧状に形成される部分である。図4及び図5に示すように、腕部372a、372aは、第1軸部材120aを挟み込むようにして取り付けられる部分である。
図4から図7に示すように、腕部372a、372aは、厚さ方向(回転軸方向J)において、中央に配置される中央部373aと、第2ベアリング350a側に配置される当接部375aと、端部121a側に配置される延出部377aとを有する。
【0081】
中央部373aは、腕部372aにおける厚さ方向(回転軸方向J)中央に配置される部分である。中央部373aの厚さ方向(回転軸方向J)における第2ベアリング350a側には当接部375aが形成され、端部121a側には延出部377aが形成される。
【0082】
当接部375aは、腕部372aの厚さ方向(回転軸方向J)における第2ベアリング350a側に形成される。当接部375aは、第2ベアリング350a側に突出する部分である。当接部375aは、突出部355a(被当接部)に対応して形成される。
当接部375aは、第2ベアリング350aの内輪部352aに形成される突出部355a(被当接部)に当接する。
当接部375aは、突出部355aに当接して、第2ベアリング350aにおける回転軸方向Jへの移動を規制する。
【0083】
延出部377aは、腕部372aの厚さ方向(回転軸方向J)における端部121a側に形成される。延出部377aは、第1軸部材120aの一部を覆うように配置される。延出部377aは、当接部375aにおける突出部355aと当接する部分を肉厚にすることができると共に、たわみ変形を抑制する部分である。
【0084】
開口部379aは、つまみ部371aに対向して形成される。開口部379aは、腕部372a、372aの端部間に形成される。
開口部379aは、第3クリップ370aを第1軸部材120aに取り付ける際において、第1軸部材120aが挿通される部分である。開口部379aは、腕部372a、372aの変形により開口幅が変更可能に構成される。
【0085】
ここで、第3クリップ370aにおいて、当接部375aのみが第2ベアリング350aに当接して配置される。つまり、第3クリップ370aは、第2ベアリング350aに対して、内輪部352aのみと当接して配置される。これにより、第1軸部材120aが回転された場合、第3クリップ370aは、第1軸部材120aと一緒に回転する内輪部352aに当接した状態で、該内輪部352aと一緒に回転する。
つまり、第3クリップ370aは、外輪部353a等には当接しないので、摩耗等の損傷が抑制され高い耐久性を有する。
【0086】
第4クリップ380aは、第2ベアリング350aにおける第3クリップ370a側と反対側に配置される。第4クリップ380aは、第2ベアリング350aの感光体ドラム本体150a側において第1軸部材120aに周方向に延びるように形成される第4溝部142aに嵌合するようにして第1軸部材120aに取り付けられる。第4クリップ380aは、第3クリップ370aと第2ベアリング350aを挟んで対向して配置される。
【0087】
第4クリップ380a(規制部材)は、第3クリップ370aと同様の構成を有する。
つまり、図4から図7に示すように、第4クリップ380aは、つまみ部381aと、腕部382a、382aと、開口部389aとを有する。
また、図4から図7に示すように、腕部382a、382aは、厚さ方向(回転軸方向J)において、中央に配置される中央部383aと、第2ベアリング350a側に配置される当接部385aと、感光体ドラム本体150a側に配置される延出部387aとを有する。
各要素の形状や作用は、上述の第3クリップ370aにおいて対応する要素と同様である。
【0088】
ここで、当接部385aは、第2ベアリング350a側に突出する部分である。当接部385aは、突出部365a(被当接部)に対応して形成される。
当接部385aは、第2ベアリング350aの内輪部352aに形成される突出部365a(被当接部)に当接する。
当接部385aは、突出部365aに当接して、第2ベアリング350aにおける回転軸方向Jへの移動を規制する。
【0089】
また、ここで、第4クリップ380aにおいて、当接部385aのみが第2ベアリング350aに当接して配置される。つまり、第4クリップ380aは、第2ベアリング350aにおいて、内輪部352aのみと当接して配置される。これにより、第1軸部材120aが回転された場合、第4クリップ380aは、第1軸部材120aと一緒に回転する内輪部352aに当接した状態で、内輪部352aと一緒に回転する。
つまり、第4クリップ380aは、外輪部353a等には当接しないので、第3クリップ370aと同様に、摩耗等の損傷が抑制され高い耐久性を有する。
【0090】
ここで、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが第2ベアリング350aにおける内輪部352aのみに当接するよう構成されるので、第2ベアリング350aは、第2保持部310aに挿入される際に傾いてしまう場合がある。
しかし、本実施形態において、第2ベアリング350aは、第1軸部材120aの端部121a側に配置されるので、容易に傾きを直すことが可能である。このため、第3クリップ370a及び第4クリップ380aは、第1軸部材120aの端部121a近傍に配置されるベアリングに対して取り付けられることが好ましい。
【0091】
また、図3に示すように、第1保持部材200aは、第1軸部材120aにおける端部121aから感光体ドラム本体150a側に所定距離だけ離間して配置される。
第1保持部材200aには、第1ベアリング250aを保持する第1保持部210aが形成される。
【0092】
第1ベアリング250aは、第1保持部材200aに形成される第1保持部210aに挿入されて保持される。
第1保持部材200aは、第1ベアリング250aにおける外輪部を該外輪部が回転することを規制した状態で保持する。第1保持部210aは、第2保持部310aと同様に構成される。
【0093】
第1ベアリング250aは、回転軸方向Jにおいて該第1ベアリング250aを挟むように配置される第1クリップ及び第2クリップにより、回転軸方向Jにおける移動が規制される。
【0094】
本実施形態によれば、軸部材保持機構110aは、第2ベアリング350aの内輪部352aに当接すると共に、外輪部353aから離間して配置される第3クリップ370a及び第4クリップ380aを備える。
これにより、軸部材保持機構110aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが内輪部352aに当接するので、第2ベアリング350aが回転軸方向J(第1軸部材120aが延びる方向)に移動することを規制可能に構成される。
また、軸部材保持機構110aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが外輪部353aから離間しているので、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが磨耗等することを抑制できる。つまり、軸部材保持機構110aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aにおける耐久性を向上可能に構成される。
【0095】
また、本実施形態によれば、軸部材保持機構110aは、内輪部352aが第3クリップ370a及び第4クリップ380a側に形成される突出部355a及び突出部365a(被当接部)を有し、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが第2ベアリング350a側に形成され、第2ベアリング350a側に突出すると共に、突出部355a及び突出部365a(被当接部)それぞれに当接する当接部375a及び当接部385aを有するよう構成される。
これにより、軸部材保持機構110aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが第2ベアリング350aの外輪部353a等に当接することをより抑制する。つまり、軸部材保持機構110aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが磨耗等することをより抑制できる。また、軸部材保持機構110aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aにおける耐久性をより向上させる。
【0096】
また、本実施形態によれば、上述の効果を奏する軸部材保持機構110aを有する感光体ドラムユニット100を提供することができる。
また、本実施形態によれば、上述の効果を奏する軸部材保持機構110aを有する感光体ドラムユニット100を備えるプリンタ1(画像形成装置)を提供することができる。
【0097】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されていることなく、種々の形態を採用することができる。
本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機等であってもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0098】
1……プリンタ(画像形成装置)、2a……感光体ドラム、5a……トナーカートリッジ、7……中間転写ベルト(転写部)、9……定着部、16a……現像器、100……感光体ドラムユニット、110a……軸部材保持機構、120a……第1軸部材(軸部材)、150a……感光体ドラム本体、200a……第1保持部材、210a……第1保持部、250a……第1ベアリング、300a……第2保持部材(保持部材)、310a……第2保持部(ベアリング保持部)、350a……第2ベアリング(ベアリング)、352a……内輪部、353a……外輪部、355a……突出部(被当接部)、365a……突出部(被当接部)、370a……第3クリップ(規制部材)、375a……当接部、380a……第4クリップ(規制部材)、385a……当接部、C……挿入方向、J……回転軸方向、K……直径方向、R……回転軸、T……用紙(被転写材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸部材を回転可能に保持する軸部材保持機構、該軸部材保持機構を備える感光体ドラムユニット、及び該感光体ドラムユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタやコピー機等の画像形成装置において、感光体ドラムを有するタイプが存在する。感光体ドラムは、感光体ドラム本体と、感光体ドラム本体の両端に配置される軸部材とを備える。また、感光体ドラムは、軸部材を装置本体側に形成される保持部(保持機構)により所定の回転軸を中心に回転可能に保持される。
感光体ドラムにおける軸部材を保持(支持)する機構として、例えば、感光体ドラムにおける軸部材をベアリングにより回転可能に保持(支持)する機構が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ここで、特許文献1の画像形成装置において、軸部材に装着したベアリングが軸方向に移動してしまう場合があった。
これに対して、駆動ギアに当接して軸部材に取り付けられ、該駆動ギアの軸方向への移動を規制するEリングを有する駆動力伝達装置及び該駆動力伝達装置を備える画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−189751号公報
【特許文献1】特開2008− 74501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献2の装置において、Eリングの摩耗等による耐久性の低下については、何ら考慮がされていなかった。特に、特許文献2に開示されたEリング(規制部材)は、駆動ギアの移動を規制する規制部材であって、ベアリングの移動を規制する規制部材ではないため、ベアリングに当接した状態で生じる摩耗等のベアリング特有の事情を考慮した工夫はなされていなかった。
【0006】
本発明は、軸部材を回転可能に保持する軸部材保持機構であって、ベアリングの移動を規制する規制部材の耐久性を向上可能な軸部材保持機構を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記軸部材保持機構を備える感光体ドラムユニットを提供することを目的とする。
また、本発明は、上記感光体ドラムユニットを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、回転軸を中心に回転可能に配置される軸部材と、前記軸部材を回転可能に軸支するベアリングであって、外輪部と、前記軸部材に被嵌すると共に、前記外輪部の内側に前記外輪部に対して相対回転可能に配置される内輪部と、を有するベアリングと、前記ベアリングにおける前記外輪部を該外輪部が回転することを規制した状態で保持するベアリング保持部を有する保持部材と、前記ベアリングの前記回転軸方向における一方側に前記内輪部に当接すると共に、前記外輪部から離間して配置され、前記ベアリングにおける前記回転軸方向への移動を規制する規制部材と、を備える軸部材保持機構に関する。
【0008】
また、前記内輪部は、前記規制部材側に形成される被当接部を有し、前記規制部材は、前記ベアリング側に形成され、前記ベアリング側に突出すると共に、前記内輪部における被当接部に当接する当接部を有することが好ましい。
【0009】
また、本発明は、上記いずれか記載の軸部材保持機構と、前記軸部材における端部側と反対側に配置される感光体ドラム本体と、を備える感光体ドラムユニットに関する。
【0010】
また、本発明は、上記に記載の感光体ドラムユニットと、前記感光体ドラム本体の表面に形成されたトナー画像をシート材の被転写材に転写する転写部と、前記転写部により転写されたトナー画像を前記被転写材に定着させる定着部と、を備える画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、軸部材を回転可能に保持する軸部材保持機構であって、ベアリングの移動を規制する規制部材の耐久性を向上可能な軸部材保持機構を提供することができる。
また、本発明によれば、上記軸部材保持機構を備える感光体ドラムユニットを提供することができる。
また、本発明によれば、上記感光体ドラムユニットを備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】プリンタにおける各構成要素の配置を説明するための正面図である。
【図2】感光体ドラムが第1保持部材及び第2保持部材により回動可能に保持された状態を説明する図である。
【図3】図2における領域Aの拡大図である。
【図4】軸部材保持機構を説明するための側面図である。
【図5】軸部材保持機構を説明するための斜視図である。
【図6A】図5におけるB―B断面図である。
【図6B】図5におけるC―C断面図である。
【図7】第1クリップ(規制部材)を説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態を説明する。
図1により、画像形成装置としてのプリンタ1における全体構造を説明する。図1は、プリンタ1における各構成要素の配置を説明するための正面図である。
以下の説明において、プリンタ1の前側に立ったユーザから見て、左右方向を矢印Xの方向とし、前後(奥行き)方向を矢印Yの方向とし、上下方向を矢印Zの方向とする。
【0014】
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1は、装置本体Mと、所定の画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成されている。
【0015】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラ8と、対向ローラ18と、定着部9と、を備える。
【0016】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラ対80と、複数のローラ又はローラ対と、排紙部50と、を備える。なお、搬送路Lは、後述するように、第1搬送路L1と、第2搬送路L2と、第3搬送路L3と、手差し搬送路Laと、戻り搬送路Lbとの集合体である。
【0017】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、画像形成時に感光体ドラム2a、2b、2c、2dが回転すると順に、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対して、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラ37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラ8及び対向ローラ18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0018】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の感光体ドラム本体150a、(図2参照)150b、150c、150dと、感光体ドラム本体150a、150b、150c、150dそれぞれの両端側に配置される第1軸部材120a(図2参照)、120b、120c、120d及び第2軸部材140a(図2参照)、140b、140c、140dと、を有する。ここで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれと、第2軸部材140a、140b、140c、140dそれぞれとをつなぐ第3軸部材125a(図2参照)、125b、125c、125dを有する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれと、第3軸部材125a、125b、125c、125dそれぞれと、第2軸部材140a、140b、140c、140dそれぞれとが一体的に連続して形成される1本の軸部材を有している。
感光体ドラム本体150a、150b、150c、150dそれぞれは、感光体又は像担持体として機能する。
【0019】
第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれは、第1保持部材200a(図2参照)、200b、200c、200d、及び第2保持部材300a(図2参照)、300b、300c、300dにおいて、回転可能に保持される。具体的には、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれは、第1保持部材200a(図3参照)、200b、200c、200dそれぞれに保持される第1ベアリング250a、250b、250c、250dそれぞれにより回転可能に保持される。また、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれは、第2保持部材300a、300b、300c、300dそれぞれに保持される第2ベアリング350a、350b、350c、350dそれぞれにより回転可能に保持される。
【0020】
第2軸部材140a、140b、140c、140dそれぞれは、感光体ドラム駆動ユニット500に直接又はジョイント部材を介して間接的に連結される。
第2軸部材140a、140b、140c、140dそれぞれは、感光体ドラム駆動ユニット500から回転駆動力が伝達される。
ここで、上述の通り、第1軸部材120a、120b、120c、120dそれぞれが第1ベアリング250a、250b、250c、250dや第2保持部材300a、300b、300c、300dにより回転可能に保持されるので、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、感光体ドラム駆動ユニット500から伝達された回転駆動力により回転される。
【0021】
上述より、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる回転軸を中心に、図1に示した矢印の方向に回転可能に配置されている。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
【0022】
ここで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dは、ユニット化され、感光体ドラムユニット100に一体的に配置される(図2参照)。
感光体ドラムユニット100は、第1軸部材120a、120b、120c、120dや第2ベアリング350a、350b、350c、350dにより構成される軸部材保持機構110a(図2参照)、110b、110c、110dを含んで構成される。軸部材保持機構110a、110b、110c、110d及び感光体ドラムユニット100については、後に説明する。
【0023】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置されている。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に正(プラス極性)に帯電させる。
【0024】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置されている。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザ光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モータ等を有して構成されている。
【0025】
レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、PC(パーソナルコンピュータ)等の外部機器から入力された画像情報に基づいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザスキャナユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0026】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置されている。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像の帯電電荷が除去された箇所に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置された現像ローラ、トナー攪拌用の攪拌ローラ等を有して構成されている。
【0027】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0028】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。
【0029】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラ35、駆動ローラとして機能する対向ローラ18、テンションローラ36等に掛け渡されている。テンションローラ36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には所定の張力が与えられる。
【0030】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置されている。
【0031】
中間転写ベルト7は、1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成されている。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像が中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0032】
1次転写ローラ37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0033】
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置されている。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0034】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置されている。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に1次転写後に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0035】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラ8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0036】
2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成されている。詳細には、2次転写ローラ8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
【0037】
中間転写ベルト7における2次転写ローラ8とは反対側には、対向ローラ18が配置されている。中間転写ベルト7は、2次転写ローラ8と対向ローラ18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間に2次転写ニップN2が形成されている。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像が用紙Tに2次転写されている。
【0038】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒータにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧をされることで用紙Tに定着される。
【0039】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する給紙カセット52が配置されている。給紙カセット52は、装置本体Mのケース体BDから水平方向に引き出し可能に構成されている。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置されている。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容されている。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52の用紙送り出し側の端部(図1において右側の端部)に配置されているカセット給紙部51により搬送路Lに送り出されている。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラ対81とからなる重送防止機構を備える。
【0040】
装置本体Mの右側面(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされている用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの右側面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍に回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置されている。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
【0041】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ニップN2までの第1搬送路L1と、2次転写ニップN2から定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から排紙部50までの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を下流側から上流側へ搬送する用紙を、表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbと、を備える。
【0042】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、戻し搬送路Lbが第3搬送路L3から分岐する分岐部である。
【0043】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ニップN2との間)には、用紙Tを検出するための用紙検出センサ(図示せず)と、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とタイミングを合わせるためのレジストローラ対80とが配置されている。前記用紙検出センサは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラ対80の直前(搬送方向における上流側)に配置されている。レジストローラ対80は、前記用紙検出センサからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する。
【0044】
第1搬送路L1における第1合流部P1と第2合流部P2との間には、中間ローラ対82が配置されている。中間ローラ対82は、給紙ローラ対81に関して用紙搬送方向の下流側に配置され、給紙ローラ対81より搬送されている用紙Tを挟持して、レジストローラ対80へ搬送する。
【0045】
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を中間転写ベルト7に対向させるために設けられた搬送路である。戻し搬送路Lbによって、第1分岐部Q1から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻して、2次転写ローラ8の上流側に配置されたレジストローラ対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、2次転写ニップN2において未印刷面に対してトナー画像が転写されている。
【0046】
第1分岐部Q1には、整流部材58が設けられている。整流部材58は、定着部9から搬出され第3搬送路L3を上流側から下流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、排紙部50に向かう方向に整流すると共に、排紙部50から第3搬送路L3を下流側から上流側に向けて搬送する用紙Tの搬送方向を、戻し搬送路Lbに向かう方向に整流する。
【0047】
第3搬送路L3における端部には、排紙部50が形成されている。排紙部50は、装置本体Mの上部に配置されている。排紙部50は、装置本体Mの左側面側(図1において左側)に向けて開口している。排紙部50は、用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。排紙部50は、排出ローラ対53を有している。排出ローラ対53によって、第3搬送路L3を上流側から下流側に搬送されている用紙Tを装置本体Mの外部に排紙すると共に、排紙部50において用紙Tの搬送方向を反転させて用紙Tを第3搬送路L3の上流側に向けて搬送することができる。
【0048】
排紙部50の開口側には、排紙集積部M1が形成されている。排紙集積部M1は、装置本体Mの上面(外面)に形成されている。排紙集積部M1は、装置本体Mの上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mの上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され排紙部50から排紙された用紙Tが積層して集積される。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサ(不図示)が配置されている。
【0049】
次に、図1を参照して、第1実施形態のプリンタ1の動作について、簡単に説明する。
まず、給紙カセット52に収容された用紙Tに片面印刷を行う場合について説明する。
給紙カセット52に収容された用紙Tは、前送りコロ61及び給紙ローラ対81によって第1搬送路L1に送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、中間ローラ対82により、レジストローラ対80に搬送される。
レジストローラ対80においては、用紙Tのスキュー補正や、画像形成部GKにおけるトナー画像の形成とのタイミング調整が行われる。
【0050】
レジストローラ対80から排出された用紙Tは、第1搬送路L1を介して中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間(2次転写ニップN2)に導入される。そして、用紙Tには、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間において、トナー画像が転写される。
その後、用紙Tは、中間転写ベルト7と2次転写ローラ8との間から排出され、第2搬送路L2を介して、定着部9における加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間の定着ニップに導入される。そして、定着ニップにおいてトナーが溶融し、トナーが用紙Tに定着される。
【0051】
次いで、用紙Tは、第3搬送路L3を通して排紙部50に搬送され、排出ローラ対53により排紙部50から排紙集積部M1に排出される。
このようにして、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷が完了する。
【0052】
手差しトレイ65に載置された用紙Tに片面印刷を行う場合には、手差しトレイ65に載置された用紙Tは、給紙コロ66によって手差し搬送路Laに送り出され、その後、第1合流部P1及び第1搬送路L1を介して、レジストローラ対80に搬送される。それ以降の動作は、前述した、給紙カセット52に収容された用紙Tの片面印刷の動作と同様であり、説明を省略する。
【0053】
次に、両面印刷を行う場合のプリンタ1の動作について説明する。
片面印刷の場合には、前述した通り、片面印刷がされた用紙Tが、排紙部50から排紙集積部M1に排出されて印刷動作が完了する。
これに対し、両面印刷を行う場合には、片面印刷がされた用紙Tが、戻し搬送路Lbを介して、片面印刷時とは表裏反転して、レジストローラ対80に再度搬送されることにより、用紙Tに両面印刷が施される。
【0054】
詳述すると、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラ対53により排紙部50から排出されるまでは、前述した片面印刷の動作と同様である。而して、両面印刷の場合には、片面印刷がされた用紙Tが排出ローラ対53により保持されている状態において、排出ローラ対53の回転を停止させ、逆方向に回転させる。このように排出ローラ対53を逆方向に回転させると、排出ローラ対53に保持されている用紙Tは、第3搬送路L3を逆方向(排紙部50から第1分岐部Q1に向かう方向)に搬送される。
【0055】
前述したように、用紙Tが、第3搬送路L3を逆方向に搬送されると、整流部材58により、用紙Tは、戻し搬送路Lbへ整流され、その後、第2合流部P2を介して、第1搬送路L1に合流する。ここで、用紙Tは、片面印刷時とは表裏反転している。
【0056】
更に、用紙Tは、レジストローラ対80により前記補正又は前記調整が行われ、第1搬送路L1を介して、2次転写ニップN2に導入される。用紙Tは、戻し搬送路Lbを経由することにより、未印刷面が中間転写ベルト7に対向するので、未印刷面にトナー画像が転写され、その結果、両面印刷が施される。
【0057】
図2から図7により、軸部材保持機構及び、該軸部材保持機構を含む感光体ドラムユニットについて説明する。以下、感光体ドラム2aに対応する軸部材保持機構110aを中心に説明し、同様の構成である感光体ドラム2b、2c、2dに対応する軸部材保持機構110b、110c、110dの説明は省略する。ここで、軸部材保持機構110b、110c、110dの構成は、軸部材保持機構110aの構成と同様であり、軸部材保持機構110aについての説明を援用することができる。
【0058】
図2は、感光体ドラムが第1保持部材及び第2保持部材により回動可能に保持された状態を説明する図である。図3は、図2における領域Aの拡大図である。図4は、軸部材保持機構を説明するための側面図である。図5は、軸部材保持機構を説明するための斜視図である。図6Aは、図5におけるB―B断面図である。図6Bは、図5におけるC―C断面図である。図7は、第1クリップ(規制部材)を説明するための斜視図である。
【0059】
まず、感光体ドラムユニット100について説明する。
図2に示すように、感光体ドラムユニット100は、軸部材保持機構110aと、軸部材保持機構110aにおいて回転可能に保持される第1軸部材120aを含む感光体ドラム2aと、感光体ドラム2aにおける第2軸部材140aに連結される不図示の感光体ドラム駆動ユニット500と、を備える。
【0060】
上述の通り、感光体ドラム2aは、感光体ドラム本体150aと、回転軸方向Jにおいて感光体ドラム本体150aの一端側に配置される第1軸部材120aと、他端側に配置される第2軸部材140aとを備える。
【0061】
感光体ドラムユニット100は、感光体ドラム2aを回転軸R(図4参照)を中心に回転可能に構成される。
感光体ドラムユニット100は、感光体ドラム2aの一端側に配置される第1軸部材120aを回転可能に保持する。具体的には、感光体ドラムユニット100含まれる軸部材保持機構110aは、第1軸部材120aを回転軸を中心に回転可能に保持する。
【0062】
感光体ドラムユニット100は、感光体ドラム2aの他端側に配置される第2軸部材140aを回転駆動させる。具体的には、感光体ドラムユニット100含まれる感光体ドラム駆動ユニット500は、第2軸部材140aに回転駆動力を伝達する。
【0063】
これにより、第2軸部材140aに伝達された回転駆動力により、第1軸部材120aを回転可能に保持される感光体ドラム2a(感光体ドラム本体150a)は、回転軸Rを中心に回転される。
【0064】
ここで、感光体ドラム駆動ユニット500は、電源から供給された電力により回転駆動力を発生させると共に発生させた回転駆動力を出力可能な回転駆動部(例えば、モータ)と、回転駆動部から出力された回転駆動力を伝達する伝達部(例えば、各種ギア)と、第2軸部材140aと連結されると共に伝達部により伝達された回転駆動力を第2軸部材140aに伝達させる連結部(例えば、ジョイント)とを備える。
【0065】
続けて、軸部材保持機構110aについて説明する。
図3及び図4に示すように、軸部材保持機構110aは、第1軸部材120aと、第1軸部材120aの端部121a側に配置される第2ベアリング350aと、第2ベアリング350aを保持する第2保持部310aを有する第2保持部材300aと、第2ベアリング350aを挟むように配置される第3クリップ370a(規制部材)及び第4クリップ380a(規制部材)とを備える。
また、軸部材保持機構110aは、第1軸部材120aにおける端部121aから回転軸方向J内側に離間して配置される第1ベアリング250aと、第1ベアリング250aを保持する第1保持部210aを有する第1保持部材200aとを備える。
【0066】
図3に示すように、第1軸部材120aは、感光体ドラム2aにおける一端側に配置される。第1軸部材120aは、第1ベアリング250a及び第2ベアリング350aにより回転軸Rを中心に回転可能に保持される。
【0067】
図3及び図4に示すように、第2ベアリング350aは、第1軸部材120aの端部121a側に配置される。
第2ベアリング350aは、第1ベアリング250aとともに第1軸部材120aを回転可能に軸支(保持)する。
【0068】
図4から図6Bに示すように、第2ベアリング350aは、第1軸部材120aの直径方向K外側に配置される外輪部353aと、直径方向K内側に配置される内輪部352aと、直径方向Kにおいて内輪部352aと外輪部353aとの間に配置される複数のボール部材354aとを備える。
【0069】
内輪部352aは、第1軸部材120aに被嵌すると共に、外輪部353aの直径方向K内側に外輪部353aに対して相対回転可能に配置される。
図6A及び図6Bに示すように、内輪部352aは、回転軸方向Jに突出する突出部355a、365a(被当接部)を有する。突出部355a、365aは、内輪部352aにおける直径方向K外縁側に回転軸方向Jからみてリング状に形成される。
【0070】
内輪部352aは、後述する第3クリップ370a及び第4クリップ380aに当接される。具体的には、内輪部352aは、突出部355a(被当接部)において、第3クリップ370aの当接部375aに当接される。また、内輪部352aは、突出部365a(被当接部)において、第4クリップ380aの当接部385aに当接される。
【0071】
図6A及び図6Bに示すように、外輪部353aは、内輪部352aの直径方向K外側に内輪部352aと相対回転可能に配置される。外輪部353aは、ボール部材354aを該ボール部材354aが回転可能な状態で保持する。
外輪部353aは、第2保持部310a(図3参照)に回転が規制された状態で保持される。外輪部353aは、第2保持部310aにより保持された状態において、ボール部材354aを介して内輪部352aを相対回転可能に保持する。
【0072】
外輪部353aは、回転軸方向Jに突出する突出部356a、366aを有する。突出部356a、366aは、外輪部353aにおける直径方向K外縁側に回転軸方向Jからみてリング状に形成される。
ここで、本実施形態において、突出部356a、366aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aに当接されない。
【0073】
第2保持部材300aは、第2ベアリング350aにおける外輪部353aを該外輪部353aが回転することを規制した状態で保持する第2保持部310a(ベアリング保持部)を有する。
第2ベアリング350aは、第2保持部材300aに形成される第2保持部310aに挿入されて保持される。
【0074】
第2保持部310aは、第2保持部材300aに形成される(図3参照)。
また、第2保持部310aは、保持面と、挿入空間と、壁部(いずれも不図示)とを有する。
保持面は、挿入空間の外郭を構成する曲面であり、第2ベアリング350aの外周面に対応して形成される。保持面は、第2ベアリング350aの外周面に被嵌するように当接して、第2ベアリング350aにおける外輪部353aの回転を規制すると共に第2ベアリング350aを保持する。
挿入空間は、中空状に形成される。挿入空間は、円筒状の中空部である。挿入空間は、保持面により形成される空間である。挿入空間には、第2ベアリング350aが挿入される。
壁部は、保持面における挿入方向奥側(図3において左側)の外縁に連続して、保持面から回転軸R側に延びるように形成される部分である。壁部は、第2ベアリング350aにおける挿入方向への移動を規制する。
【0075】
図4に示すように、第2ベアリング350aの回転軸方向Jにおける両側には、第3クリップ370a(規制部材)及び第4クリップ380a(規制部材)が配置される。第3クリップ370a及び第4クリップ380aそれぞれは、第2ベアリング350aにおける内輪部352aに当接するように配置される。第3クリップ370a及び第4クリップ380aそれぞれは、内輪部352aに当接して第2ベアリング350aにおける回転軸方向Jへの移動を規制する。
【0076】
また、第3クリップ370a及び第4クリップ380aそれぞれは、第2ベアリング350aにおける外輪部353aから離間して配置される(当接しない)。第3クリップ370a及び第4クリップ380aそれぞれは、外輪部353aから離間して配置されることで、摩耗等による損傷を抑制して耐久性を向上させている。
【0077】
具体的には、図4に示すように、第3クリップ370aは、第2ベアリング350aにおける第1軸部材120aの端部121a側に配置される。詳細には、第3クリップ370aは、第1軸部材120aにおける第2ベアリング350aの端部121a側に周方向に延びるように形成される第3溝部141aに嵌合するようにして第1軸部材120aに取り付けられる。
【0078】
図7に示すように、第3クリップ370aは、一方が開口した略C字状に形成される。具体的には、図4から図7に示すように、第3クリップ370aは、つまみ部371aと、腕部372a、372aと、開口部379aとを有する。
【0079】
つまみ部371aは、開口部379aと対向した位置に配置される。つまみ部371aの両端側には、腕部372a、372aが連続して形成される。
つまみ部371aは、第3クリップ370aが第1軸部材120aに取り付けられる際においてユーザに指でつままれる(把持される)部分である。
【0080】
図7に示すように、腕部372a、372aは、つまみ部371aの両端から連続して円弧状に形成される部分である。図4及び図5に示すように、腕部372a、372aは、第1軸部材120aを挟み込むようにして取り付けられる部分である。
図4から図7に示すように、腕部372a、372aは、厚さ方向(回転軸方向J)において、中央に配置される中央部373aと、第2ベアリング350a側に配置される当接部375aと、端部121a側に配置される延出部377aとを有する。
【0081】
中央部373aは、腕部372aにおける厚さ方向(回転軸方向J)中央に配置される部分である。中央部373aの厚さ方向(回転軸方向J)における第2ベアリング350a側には当接部375aが形成され、端部121a側には延出部377aが形成される。
【0082】
当接部375aは、腕部372aの厚さ方向(回転軸方向J)における第2ベアリング350a側に形成される。当接部375aは、第2ベアリング350a側に突出する部分である。当接部375aは、突出部355a(被当接部)に対応して形成される。
当接部375aは、第2ベアリング350aの内輪部352aに形成される突出部355a(被当接部)に当接する。
当接部375aは、突出部355aに当接して、第2ベアリング350aにおける回転軸方向Jへの移動を規制する。
【0083】
延出部377aは、腕部372aの厚さ方向(回転軸方向J)における端部121a側に形成される。延出部377aは、第1軸部材120aの一部を覆うように配置される。延出部377aは、当接部375aにおける突出部355aと当接する部分を肉厚にすることができると共に、たわみ変形を抑制する部分である。
【0084】
開口部379aは、つまみ部371aに対向して形成される。開口部379aは、腕部372a、372aの端部間に形成される。
開口部379aは、第3クリップ370aを第1軸部材120aに取り付ける際において、第1軸部材120aが挿通される部分である。開口部379aは、腕部372a、372aの変形により開口幅が変更可能に構成される。
【0085】
ここで、第3クリップ370aにおいて、当接部375aのみが第2ベアリング350aに当接して配置される。つまり、第3クリップ370aは、第2ベアリング350aに対して、内輪部352aのみと当接して配置される。これにより、第1軸部材120aが回転された場合、第3クリップ370aは、第1軸部材120aと一緒に回転する内輪部352aに当接した状態で、該内輪部352aと一緒に回転する。
つまり、第3クリップ370aは、外輪部353a等には当接しないので、摩耗等の損傷が抑制され高い耐久性を有する。
【0086】
第4クリップ380aは、第2ベアリング350aにおける第3クリップ370a側と反対側に配置される。第4クリップ380aは、第2ベアリング350aの感光体ドラム本体150a側において第1軸部材120aに周方向に延びるように形成される第4溝部142aに嵌合するようにして第1軸部材120aに取り付けられる。第4クリップ380aは、第3クリップ370aと第2ベアリング350aを挟んで対向して配置される。
【0087】
第4クリップ380a(規制部材)は、第3クリップ370aと同様の構成を有する。
つまり、図4から図7に示すように、第4クリップ380aは、つまみ部381aと、腕部382a、382aと、開口部389aとを有する。
また、図4から図7に示すように、腕部382a、382aは、厚さ方向(回転軸方向J)において、中央に配置される中央部383aと、第2ベアリング350a側に配置される当接部385aと、感光体ドラム本体150a側に配置される延出部387aとを有する。
各要素の形状や作用は、上述の第3クリップ370aにおいて対応する要素と同様である。
【0088】
ここで、当接部385aは、第2ベアリング350a側に突出する部分である。当接部385aは、突出部365a(被当接部)に対応して形成される。
当接部385aは、第2ベアリング350aの内輪部352aに形成される突出部365a(被当接部)に当接する。
当接部385aは、突出部365aに当接して、第2ベアリング350aにおける回転軸方向Jへの移動を規制する。
【0089】
また、ここで、第4クリップ380aにおいて、当接部385aのみが第2ベアリング350aに当接して配置される。つまり、第4クリップ380aは、第2ベアリング350aにおいて、内輪部352aのみと当接して配置される。これにより、第1軸部材120aが回転された場合、第4クリップ380aは、第1軸部材120aと一緒に回転する内輪部352aに当接した状態で、内輪部352aと一緒に回転する。
つまり、第4クリップ380aは、外輪部353a等には当接しないので、第3クリップ370aと同様に、摩耗等の損傷が抑制され高い耐久性を有する。
【0090】
ここで、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが第2ベアリング350aにおける内輪部352aのみに当接するよう構成されるので、第2ベアリング350aは、第2保持部310aに挿入される際に傾いてしまう場合がある。
しかし、本実施形態において、第2ベアリング350aは、第1軸部材120aの端部121a側に配置されるので、容易に傾きを直すことが可能である。このため、第3クリップ370a及び第4クリップ380aは、第1軸部材120aの端部121a近傍に配置されるベアリングに対して取り付けられることが好ましい。
【0091】
また、図3に示すように、第1保持部材200aは、第1軸部材120aにおける端部121aから感光体ドラム本体150a側に所定距離だけ離間して配置される。
第1保持部材200aには、第1ベアリング250aを保持する第1保持部210aが形成される。
【0092】
第1ベアリング250aは、第1保持部材200aに形成される第1保持部210aに挿入されて保持される。
第1保持部材200aは、第1ベアリング250aにおける外輪部を該外輪部が回転することを規制した状態で保持する。第1保持部210aは、第2保持部310aと同様に構成される。
【0093】
第1ベアリング250aは、回転軸方向Jにおいて該第1ベアリング250aを挟むように配置される第1クリップ及び第2クリップにより、回転軸方向Jにおける移動が規制される。
【0094】
本実施形態によれば、軸部材保持機構110aは、第2ベアリング350aの内輪部352aに当接すると共に、外輪部353aから離間して配置される第3クリップ370a及び第4クリップ380aを備える。
これにより、軸部材保持機構110aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが内輪部352aに当接するので、第2ベアリング350aが回転軸方向J(第1軸部材120aが延びる方向)に移動することを規制可能に構成される。
また、軸部材保持機構110aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが外輪部353aから離間しているので、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが磨耗等することを抑制できる。つまり、軸部材保持機構110aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aにおける耐久性を向上可能に構成される。
【0095】
また、本実施形態によれば、軸部材保持機構110aは、内輪部352aが第3クリップ370a及び第4クリップ380a側に形成される突出部355a及び突出部365a(被当接部)を有し、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが第2ベアリング350a側に形成され、第2ベアリング350a側に突出すると共に、突出部355a及び突出部365a(被当接部)それぞれに当接する当接部375a及び当接部385aを有するよう構成される。
これにより、軸部材保持機構110aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが第2ベアリング350aの外輪部353a等に当接することをより抑制する。つまり、軸部材保持機構110aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aが磨耗等することをより抑制できる。また、軸部材保持機構110aは、第3クリップ370a及び第4クリップ380aにおける耐久性をより向上させる。
【0096】
また、本実施形態によれば、上述の効果を奏する軸部材保持機構110aを有する感光体ドラムユニット100を提供することができる。
また、本実施形態によれば、上述の効果を奏する軸部材保持機構110aを有する感光体ドラムユニット100を備えるプリンタ1(画像形成装置)を提供することができる。
【0097】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されていることなく、種々の形態を採用することができる。
本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、コピー機、プリンタ、ファクシミリ、又はこれらの複合機等であってもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0098】
1……プリンタ(画像形成装置)、2a……感光体ドラム、5a……トナーカートリッジ、7……中間転写ベルト(転写部)、9……定着部、16a……現像器、100……感光体ドラムユニット、110a……軸部材保持機構、120a……第1軸部材(軸部材)、150a……感光体ドラム本体、200a……第1保持部材、210a……第1保持部、250a……第1ベアリング、300a……第2保持部材(保持部材)、310a……第2保持部(ベアリング保持部)、350a……第2ベアリング(ベアリング)、352a……内輪部、353a……外輪部、355a……突出部(被当接部)、365a……突出部(被当接部)、370a……第3クリップ(規制部材)、375a……当接部、380a……第4クリップ(規制部材)、385a……当接部、C……挿入方向、J……回転軸方向、K……直径方向、R……回転軸、T……用紙(被転写材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を中心に回転可能に配置される軸部材と、
前記軸部材を回転可能に軸支するベアリングであって、
外輪部と、
前記軸部材に被嵌すると共に、前記外輪部の内側に前記外輪部に対して相対回転可能に配置される内輪部と、を有するベアリングと、
前記ベアリングにおける前記外輪部を該外輪部が回転することを規制した状態で保持するベアリング保持部を有する保持部材と、
前記ベアリングの前記回転軸方向における一方側に前記内輪部に当接すると共に、前記外輪部から離間して配置され、前記ベアリングにおける前記回転軸方向への移動を規制する規制部材と、を備える
軸部材保持機構。
【請求項2】
前記内輪部は、前記規制部材側に形成される被当接部を有し、
前記規制部材は、前記ベアリング側に形成され、前記ベアリング側に突出すると共に、前記内輪部における被当接部に当接する当接部を有する
請求項1に記載の軸部材保持機構。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の軸部材保持機構と、
前記軸部材における端部側と反対側に配置される感光体ドラム本体と、を備える
感光体ドラムユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の感光体ドラムユニットと、
前記感光体ドラム本体の表面に形成されたトナー画像をシート材の被転写材に転写する転写部と、
前記転写部により転写されたトナー画像を前記被転写材に定着させる定着部と、を備える
画像形成装置。
【請求項1】
回転軸を中心に回転可能に配置される軸部材と、
前記軸部材を回転可能に軸支するベアリングであって、
外輪部と、
前記軸部材に被嵌すると共に、前記外輪部の内側に前記外輪部に対して相対回転可能に配置される内輪部と、を有するベアリングと、
前記ベアリングにおける前記外輪部を該外輪部が回転することを規制した状態で保持するベアリング保持部を有する保持部材と、
前記ベアリングの前記回転軸方向における一方側に前記内輪部に当接すると共に、前記外輪部から離間して配置され、前記ベアリングにおける前記回転軸方向への移動を規制する規制部材と、を備える
軸部材保持機構。
【請求項2】
前記内輪部は、前記規制部材側に形成される被当接部を有し、
前記規制部材は、前記ベアリング側に形成され、前記ベアリング側に突出すると共に、前記内輪部における被当接部に当接する当接部を有する
請求項1に記載の軸部材保持機構。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の軸部材保持機構と、
前記軸部材における端部側と反対側に配置される感光体ドラム本体と、を備える
感光体ドラムユニット。
【請求項4】
請求項3に記載の感光体ドラムユニットと、
前記感光体ドラム本体の表面に形成されたトナー画像をシート材の被転写材に転写する転写部と、
前記転写部により転写されたトナー画像を前記被転写材に定着させる定着部と、を備える
画像形成装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【公開番号】特開2011−203667(P2011−203667A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−73312(P2010−73312)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】
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