説明

軽量車両の床板

【課題】車両のフレームを衝撃から保護し、かつ車両の組み立ての間に、車両の様々な部品を容易に取り付けることができる軽量多用途車両の床板を提供する。
【解決手段】多用途の車両の床板42は、床板の内側部分に形成された一対のフレーム溝62を有している。フレーム溝は、車両における一対のフレーム支柱70を支えている。さらに、床板には、フレーム溝と床板の側面部との間に、複数の荷重分散構造リブ82(LDSRs)を備えている。LDSRsは、車両のフレームに損傷を与えないように、低速での側面衝撃によって生じる床板に対する力を分散する。LDSRsは、運転手席側および助手席側のフレーム支柱に対して床板の外部から及ぼされた搭載荷重を移動することもできる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本発明は、例えば、ゴルフカート、小型作業車、移動用車両または貨物車両などの軽量でありかつ多用途に用いることができる車両(以下、軽量多用途車両と称する)に関する。また、軽量多用途車両における一体型成形の床板組立品に関する。
【0002】
〔背景〕
本項における記述は、単に本発明に開示する背景技術の情報を提供するためのものであり、従来技術を構成するものではない。
【0003】
一般的に、近年の軽量多用途車両(例えば、小型作業車、移動用車両、貨物車両およびゴルフカート)の床板は、底面床部および前面パネル部品を含む2つの部分からなる。底面床部は、一般的には金属を加工して作られており、また前面パネル部は、通常、プラスチックを加工して作られている。これらの2つの部分からなる床板は、一般的に、フレームに沿った床板部の向かい合わせ側の外縁部、または側面部を金属製(例えば、アルミニウムまたは鉄)のリベットによって留められている。このように製造された床板を備えている軽量多用途車両は、低速での側面衝撃によるフレームの損傷を非常に受け易い。すなわち、床板は、衝撃からフレームを全く保護しない。したがって、低速での側面衝撃を受けると、フレームは、直接、致命的な衝撃を被り、容易に損傷を受ける。
【0004】
さらに、多用途車両のその他の構成部品、例えば、ブレーキおよびアクセル組立品、燃料タンク、バッテリー取り付け部、ボディーパネルおよび電子制御部などを備えつけるために、底面部には、ドリルによって開けられるボルト孔および/または溶接部を設ける必要がある。このように、床板への上記部品の取り付けは、煩雑な作業であり、かつコストの増加を引き起こす。
【0005】
したがって、車両のフレームを衝撃から保護し、かつ車両の組み立ての間に車両の様々な部品を容易に取り付けることができる軽量多用途車両の床板が望まれている。
【0006】
〔発明の概略〕
一体型に成形した多用途車両の床板は、多様な態様を有している。床板は、底面パネルおよび底面パネルの前面から上部方向に伸びた前面パネルを有している。底面パネルは、運転手席側(DS)のフレーム支柱を支えるために床板の内側部分に形成されたDSのフレーム溝を有している。さらに、底面パネルは、助手席側(PS)のフレーム支柱を支えるために床板の内側部分に形成されたPSのフレーム溝も有している。例えば、いくつかの態様において、DSおよびPSのフレーム支柱は、床板の中心から1/3〜2/3程度の位置に形成されている。
【0007】
さらに、複数の荷重分散構造リブ(LDSRs)が、DSのフレーム溝と床板のDSの側面部との間の床板の底面パネルに形成されている。また、DSのフレーム溝と床板のDSの側面部との間の床板の底面パネルにも、複数のLDSRsが形成されている。LDSRsは、床板に対する低速での側面部衝撃により被る可能性のあるフレーム支柱の損傷を防ぐ。さらにとりわけ、LDSRsは、衝撃により生じた力を狭い領域または衝撃を受けた側のフレーム支柱の一部に集中させるのではなく、力を広範囲に緩和し、分散させる。すなわち、低速での衝撃により生じた力は、吸収され、そして衝撃側フレーム支柱(衝撃を受けた側のフレーム支柱)の広範囲に分散される。
【0008】
フレーム溝が床板の内側部分に形成されており、車両のフレーム支柱がフレーム溝内に設けられているため、床板における多数の部材が、各フレーム支柱から床板の各側面部まで外側方向への片持ちの状態(カンチレバー状態)または懸架された状態になっている。LDSRsは、DSおよびPSのフレーム溝と床板の各側面部との間における床板のカンチレバー部上の搭載荷重を支えるための構造強度を有している。
【0009】
本発明のさらなる適用範囲は、本明細書等における実施の形態から明白となるであろう。実施の形態および特定の実施例は、例証のみを目的として示されたものであり、本発明の範囲を限定するために示されたものでないことは理解されるべきである。また、本明細書において示した図は、例証を目的として示したのみであり、本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0010】
〔実施形態〕
以下に説明する種々の実施形態は、事実上、単なる例示に過ぎず、今回の開示、用途、または使用に限定することは全く意図されていない。本明細書を通して、同一の構成要素を表しているものには同一の符号を使用する。
【0011】
図1は、小型貨物車両、小型作業車両、移動用車両、またはゴルフカートなどの軽量であり、かつ多用途の車両10を例示しており、種々の実施形態によれば、軽量多用途車両10は、床板組立品14を備えている。車両10はまた、通常、後部ボディー部20に取り付けられたシート組立品18、前部ボディー部22、および車両10の進路を操作する一対の前輪26を備えている。さらに、車両10は、通常、車両10を進ませるための駆動輪として働く一対の後輪30、前輪26のステアリング角を調節するために用いられるステアリングホイール34、およびブレーキペダル部分組立品とアクセルペダル部分組立品とを備えたペダルボックス組立品38を備えている。
【0012】
次に、図2、図3、図4、および図5を参照して説明する。床板組立品14は、図5に示す表面部46と、図2、図3、および図4に示す裏面50とを有する一体型に成形した床板42を備えている。床板42は、ポリプロピレン、ポリエチレン、グラスファイバーおよび他の種々のプラスチックによって補強されたガラス、樹脂、またはそれらの組み合わせなどの、任意の好適な材料によって成形することができる。さらに、床板42は、任意の好適な成形法によって、成形することができる。例えば、種々の実施形態において、床板42は射出成形により成形される。さらに、種々の実施形態において、床板42は、プラスチックの含有量を減少させ、かつ床板42の寸法を一定にするために、発泡剤、例えば3%の発泡剤を用いて成形される。床板42は、底面パネル54と、底面パネル54の前方から通常上向きに伸びている前面パネル58とを有している。図2に示すように、底面パネル54の裏面50には、床板の底面にある運転手席側(DS)の車両フレーム支柱70を支えるために、床板の底面パネル54の裏面50の内側部分66にDSフレーム溝62が形成されている。同様に、床板底面にある助手席側(PS)の車両フレーム支柱70を支えるために、床板の底面パネル54の内側部分66にPSフレーム溝74が形成されている。
【0013】
内側部分66は、縦方向の中心線CLに隣接する床板42の縦方向部分を示していることを理解されるべきである。例えば、種々の実施形態において、内側部分66は、床板42における縦方向の中心付近の約2/3の領域であってもよく、床板42における縦方向の中心付近の約1/3の領域であってもよく、または、この間の任意の幅の領域であってもよい。種々の図を通して例示しているように、フレーム溝62および74、ならびにそれぞれに対応するフレーム支柱70および78は、床板42の後部においては、互いに離れており、それらが床板42の前方に向かって伸びていくにしたがって、中心線CLに向かって内側に狭くなっている。この場合、内側部分66は、床板42の後部において幅が広く、床板42の前部において幅が狭くなっている。例えば、内側部分66は、床板42の縦方向の中心部分を含んでおり、床板42の後部においては、床板42の中心およそ2/3の領域を含んでおり、前部においては、床板42の中心およそ1/3まで狭まっている。
【0014】
一体型の床板42の裏面50は、DSフレーム溝62と床板42のDSの側面部86との間、および、PSフレーム溝74と床板42のPSの側面部90との間に形成された、複数の荷重分散構造リブ(LDSRs)82をさらに有している。DSフレーム溝62とPSフレーム溝74との間には、LDSRs82が、さらに形成されている。通常、LDSRs82は、低速での床板42への側面衝撃により生じた力を吸収し、かつ分散または拡散させるので、DSのフレーム支柱70およびPSのフレーム支柱78は損傷を免れる。さらにとりわけ、床板の側面部86または90のどちらかから衝撃を受けた場合、LDSRs82は、衝撃を受けた側のフレーム支柱70または78の長さ方向に沿った衝撃により生じた力を、衝撃を受けた側のフレーム支柱70または78の長さ方向に沿って吸収し、分散させる。典型的な低速での衝撃とは、およそ時速1マイル(時速1.6km)から時速25マイル(時速40.2km)のスピードで、かつ組立品14のDSの側面部86またはPSの側面部90に対しておよそ5°から50°の衝突角度で衝突したときのおよそ1500ポンド(680kg)から1700ポンド(771kg)の衝撃であろう。例えば、種々の実施形態において、LDSRs82は、時速5マイル(時速8.0km)、および20°の角度で柱または木に一方の側面部86または90を衝突させたときに生じる力である1600ポンド(726kg)の衝撃を吸収し、かつ分散させることができるので、DSのフレーム支柱70およびPSのフレーム支柱78は損傷を免れることができる。
【0015】
さらに、LDSRs82は、DSフレーム溝62と床板42におけるDSの側面部86との間、およびPSフレーム溝74と床板42におけるPSの側面部90との間の搭載荷重を支えるための床板42に構造強度を与えている。すなわち、LDSRs82は、床板42に構造的な支持を及ぼす荷重を与えている。結果として、床板42は、床板42の表面に及ぼされている、例えば車両運転手および/または乗員といった、車両10を利用している一人または複数の人の荷重を支えている。さらにとりわけ、LDSRs82は、床板の側面部86および90に受ける乗員(搭載物)の荷重を、それぞれ、フレーム支柱70および78へと移動させる。
【0016】
DSサイドレール部94は、DSにおける床板の側面部86に沿って、床板42の内側に設けられている。DSサイドレール部94には、DSサイドレールの外壁98と内壁102との間に、複数の短いLDSRs86が、対角線上に密接して設けられている。それにより、DSサイドレール部94は、十分な硬さおよび剛性を、DSにおける床板の側面部86に沿って与えている。同様に、PSサイドレール部106は、PSにおける床板の側面部90に沿って設けられており、複数の短いLDSRs82が、密接して設けられている。密接した短いLDSRs82は、PSサイドレール外壁110と内壁114との間に、対角線上に設けられており、PS床板側面90に沿って、十分な硬さおよび剛性を与えている。
【0017】
特に図3を参照すれば、床板42は、任意の好適な方法により、フレーム支柱70および78と連結している。例えば、種々の形態において、フレーム支柱70および78は、取り付けフランジ118を有しており、床板42は、例えばボルトによってフランジ118に連結されている。床板42をフレーム支柱70および78にさらに固定または連結するために、後部横材122および前部横材126がフレーム支柱70および78の間に連結されてもいてよい。床板の底面パネル54の後部は、さらに後部横材122と連結され、床板の前面パネル58は、前部横材126と連結されていてもよい。
【0018】
DSフレーム溝62およびPSフレーム溝74は、床板42の内側部分66の内部に形成されており、車両におけるDSのフレーム支柱70および78は各フレーム溝に設置されている。したがって、床板42のかなりの部分が、フレーム支柱70および78を超えて、それぞれの側面部86および90に向かって、片持ちの状態(カンチレバー状態)または懸架された状態になっている。LDSRs82は、床板42の片持ち部分にかかっている搭載荷重を支える構造強度を与えている。とりわけ、床板42がフレーム支柱70および78に取り付けられている場合、DSのカンチレバー部130(または懸架部130)は、DSフレーム溝62からDSサイドレール部94に向かう外側方向に広がっている。さらに、PSのカンチレバー部134(または懸架部134)は、PSフレーム溝74からPSサイドレール部106に向かう外側方向に広がっている。カンチレバー部130および134はそれぞれ、複数の長いLDSRs82を有しており、そのLDSRs82は、フレーム溝62とフレーム溝62側にあるサイドレール部94との間、およびフレーム溝74とフレーム溝74側にあるサイドレール部106との間に、対角線上に設けられている。低速での側面衝撃を受けた場合、長いLDSRs82は、衝撃によって生じた力を、衝撃を受けた側面のフレーム支柱70または78の長さ方向に沿って吸収し、即座に幅広く分散させる。
【0019】
対角線上に十字に交差した構成である、床板42の底面における長いLDSRs82は、側面衝撃によって生じた力を、衝撃を受けた側面におけるフレーム支柱70または78の長さ方向に沿って縦方向に、分散または拡散させ、かつ吸収する。長いLDSRs82は、図4に示しているように、例えばおよそ3mmから7mmの厚さT、例えばおよそ10cmから20cmの奥行Dとなるように形成されている。長いLDSRs82における厚さT、および奥行Dは、床板の側面部86または90のいずれかが衝撃によりある特定の力を受けたとき、フレーム支柱70および78を損傷しないように、LDSRs82がつぶれたり、曲がったり、くずれたり、あるいは壊れたりするように計算されている。例えば、およそ時速5マイル(時速8.0km)から時速25マイル(時速40.2km)のスピード、および床板組立品14のDSの側面部86またはPSの側面部90に対しておよそ5°から50°の衝突角度で衝突したときのおよそ1500ポンド(680kg)から1700ポンド(771kg)の衝撃によって、長いLDSRs82はつぶれるであろう。この場合、フレーム支柱70および78は、構造上はまったく損傷を被ってはおらず、損傷した床板組立品14は容易に取り除き、交換できる。
【0020】
逆に、厚さTおよび奥行Dを有する長いLDSRsは、ある一定の範囲内にある衝撃には、つぶれたり、曲がったり、くずれたり、または壊れたりすることはなく力を吸収し、その力に耐えるように設計されている。例えば、長いLDSRsは、およそ時速1マイル(時速1.6km)から時速10マイル(時速16.1km)のスピード、および床板組立品14のDS側面86またはPS側面90に対して5°から50°の衝突角度で衝突したときのおよそ1500ポンド(680kg)から1700ポンド(771kg)の衝撃を吸収し、耐えるであろう。さらに、長いLDSRs82は、カンチレバー部130および134の表面部46に加えられた搭載荷重をDSのフレーム支柱70およびPSのフレーム支柱78に移動するように形成されている。さらにとりわけ、長いLDSRs82の厚さTおよび奥行Dは、カンチレバー部130および134に加えられている搭載荷重を、カンチレバー部130および134のたわみを最小限に抑えつつ、フレーム支柱70および78へ伝達させ、移動させるための十分な構造的支持を与えるように計算されている。
【0021】
次に、図4および図5を参照すれば、種々の実施形態において、床板42はさらに、車両におけるペダルボックス組立品を格納するためのペダルボックスリザーバ138、またはペダルボックスキャビティ138を有しており、ペダルボックスリザーバ138は運転手席側の床板42内に形成されている。典型的なペダルボックス組立品38は、係属中の特許出願(出願番号11/163844、2005年11月1日出願)であり、発明の名称が、「モジュール式ペダルボックス組立品(Modular Pedal Box Assembly)」に記述されており、そのペダルボックス組立品は本願の譲受人に譲渡されている。ペダルボックスリザーバ138は、ペダルボックス組立品38の底面を覆っている。そしてそれは、損傷、障害、または腐食を引き起こす原因となる、地面の液体、物体、および岩屑から、アクセルペダル部分組立品およびブレーキペダル部分組立品を保護する遮蔽器具の役割を果たしている。ある実施形態においては、図5に示すように、床板42は、最前部に取り付けられているフランジ118と、例えばボルトにより連結している。またペダルボックス組立品38は、最前部のフランジ118と連結している。すなわち、ペダルボックスをフランジ118につなげることに用いられる、例えばボルトといった留め具は、フランジ118およびペダルボックスリザーバ138の底部142に通してはめ込まれ、そして、ペダルボックス組立品38に取り付けられる。それゆえ、ペダルボックスがフランジ118と連結している場合、ペダルボックスリザーバ138の底部は、ペダルボックス組立品38とフランジ118との間に保持されている。
【0022】
また、図3および図4を参照すれば、DSのフレーム支柱70は、ペダルボックスリザーバ138を横切るように設けられている、すなわち、ペダルボックスリザーバ138は、二つの部分リザーバーに分割されている。例えば、ペダルボックスリザーバ138は、アクセル部分組立品の部分リザーバー138Aと、ブレーキ部分組立品の部分リザーバー138Bとに分割することができる。種々の実施形態において、ペダルボックスリザーバの底部142には、少なくとも一つの排液孔146がある。排液孔146は、流動体および液体(例えば水)をペダルボックスリザーバの内部から抜けるように、またそれと同時に、床板42の裏面50からペダルボックスリザーバ138内に液体が浸入することを防げるように調整されている。例えば、各排液孔146は、流動体および液体をペダルボックスリザーバ138の内部から排液孔146の外側に流すように形成された遮蔽バッフル150を備えることができる。遮蔽バッフル150も、例えば泥および水といった流動体および液体がペダルボックスリザーバ138に侵入することを防ぐ、または実質的に防ぐ機能を有している。
【0023】
ペダルボックスリザーバ138をDSの側面部における低速での衝撃による損傷から保護するために、床板は、アーチレール部154を備えている。アーチレール部154は、裏面50内において、ペダルボックスリザーバ138の外側の側面部156とDSサイドレール部94との間に形成されている。アーチレール部154は、アーチレール部の内壁158と外壁162との間に、対角線上に形成されている、密接した複数の短いLDSRs82を有している。密接した短いLDSRs82が対角線上に形成された構造と、アーチレール内壁158および外壁162のカーブ構造とが、実質的に、アーチレール部154の硬さと剛性を作り出している。アーチレール部154は、DSの側面部に受けた低速での衝撃によって生じた力を、ペダルボックスリザーバ138の周辺に、またはペダルボックスリザーバから離れるように、効率よく拡散させる。それゆえ、アーチレール部154は、DSの側面部に受けた低速での衝撃により生じた力によるペダルボックスリザーバ138、および実質的には、ペダルボックスリザーバ138内に格納されたペダルボックス38の損傷を妨ぐことができる、または実質的に防ぐことができる。
【0024】
図6を参照すれば、床板の底部パネル54における表面部46は、底部パネル54におけるDSの側面部86からPSの側面部90までの幅Wにわたって、アーチ形状となるように形成されている。とりわけ、底部パネルの表面部46は、中心線CLに沿って頂部を有しており、それは、表面部46の縦方向の縁部258から上方に距離Mだけ高い頂部である。例えば、距離Mは、およそ0.5インチ(1.3cm)から1.5インチ(3.8cm)である。底部パネル54の表面をアーチ形状とすることによって、例えば水および飲料といった流動体および液体が、表面部46から流れ落ちる。すなわち、流動体および液体は、縦方向の頂部から床板外縁部258に向かって流れ、そして床板の表面部46から流れ去ることになる。流動体および液体が表面部46から流れ落ちることによって、床板42をきれいにし、表面部46が滑りやすくならないようにすることに役立っている。
【0025】
次に、図5、図7、および図8を参照すれば、床板42は、底部パネル54の後部から広がっている、DS部品プラットフォーム166、およびPS部品プラットフォーム170を有している。DS部品プラットフォーム166およびPS部品プラットフォーム170のそれぞれは、車両部品、例えば、燃料タンク、バッテリー、制御部、およびエアボックスを床板に取り付けるためのものである。種々の実施形態において、PS部品プラットフォームは、取り付け穴174を介して燃料タンク(図示せず)を床板42に、例えばボルト、リベット、スナップによって取り付けられるように設計されている。少なくとも燃料タンク部を支えるために役立つように、PS部品プラットフォーム170には、支持台178が形成されている。支持台178は、PSプラットフォーム170内に形成されているいかなる主要部あるいは付属部であってもよく、図8に例示しているように、例えば、三角形状の壁で囲まれている物体であってもよい。他の異なった実施形態では、PS部品プラットフォームは、少なくとも一つの取り付け穴174および制御部取り付け穴190を介して、車両電子制御部(図示せず)を床板42に取り付けられるように設計されている。
【0026】
PS部品プラットフォーム170は、さらに、燃料タンク台178の近傍に設置されているガイド壁182を有している。ガイド壁182は、ガイド壁182と燃料タンク台178との間に、ケーブルガイド溝186を有している。ケーブルガイド溝186は、少なくとも一本のブレーキケーブルまたはブレーキワイヤを取り付けることができるように設計されている。ケーブルガイド溝186により、ブレーキケーブル/ワイヤを保護し、ブレーキケーブル/ワイヤが、PS部品プラットフォーム上を動き回り、燃料タンクまたは車両制御部の下に入り込むのを防いでいる。さらに図3に例示したように、床板42は、PS部品プラットフォーム170に形成されているPSフレーム取り付け収納部198内のPSフレーム取り付けスロット194を介して最後尾の取り付けフランジ118に取り付けられている。床板42は、PSフレーム取り付けスロット194を通した、例えばナットとボルトといった留め具を用いて、最後尾のPS取り付けフランジ118に連結している。ある実施形態においては、PSフレーム取り付け収納部198には、排液孔202がその内部に設けられており、例えば水などの流動体を、PSフレーム取り付け収納部198内部から排出できるようになっている。
【0027】
種々の実施形態において、DS部品プラットフォーム166は、バッテリー(図示せず)を床板42に取り付けるためのバッテリープラットフォームとして利用されている。任意の適した取り付け方法によって、バッテリーをDS部品プラットフォーム166に取り付けることができる。例えば、バッテリーを所定の位置に保持するバッテリー縛りつけ金具を、取り付け穴206を介して、例えばボルトまたはネジによって、DS部品プラットフォームに連結することができる。さらに、ある実施形態において、エアボックス(図示せず)は、例えばボルト、リベット、またはスナップによって、エアボックス取り付け穴210を介して、DS部品プラットフォーム166に取り付けられている。さらに図3で例示したように、床板42は、DS部品プラットフォーム166に形成されているDSフレーム取り付け収納部226内にあるDSフレーム取り付けスロット222を介して、最後尾の取り付けフランジ118に取り付けられている。床板42は、DSフレーム取り付けスロット222を通した、例えばナットとボルトといった留め具を用いて、最後尾のDS取り付けフランジ118に連結している。ある実施形態においては、DSフレーム取り付け収納部226には、排液孔230がその内部に設けられており、例えば水などの流動体を、DSフレーム取り付け収納部226内部から排出できるようになっている。
【0028】
図9に示すように、DS部品プラットフォーム166およびPS部品プラットフォーム170のそれぞれは、ボディー支持壁214を有している。ボディー支持壁214は、多用途車両10の後部ボディー部20の下部リップ218を支え、その位置合わせをするために設けられている。後部ボディー部20が床板42に取り付けられているとき、下部リップ218は、効率よく支持壁214に支えられている。すなわち、ボディー支持壁214は、下部リップ218を支え、位置合わせをするために役立っている。また、支持壁214は、後部ボディー部における下部リップ218の下に流れこむ流動物および液体(例えば水および飲料など)を防ぐ防壁として機能しており、場合によっては、部品プラットフォーム166および170に取り付けられている部品の損傷を防いでいる。
【0029】
図5および7を参照すれば、床板42には、第1ブレーキケーブル溝234がさらに形成されている。第1ブレーキケーブル溝234は、ペダルボックスリザーバ138(例えば、ブレーキペダル部分組立品サブリザーバ138B)からDS部品プラットフォーム166の後部の端まで伸長している。床板42に形成されている第2ブレーキケーブル溝238は、ペダルボックスリザーバ138(例えば、ブレーキペダル部分組立品サブリザーバ138B)から床板の底面パネル54における内側部分66の後端まで形成されている。第1ブレーキケーブル溝234および第2ブレーキケーブル溝238は、少なくとも1つのブレーキケーブルまたはブレーキワイヤを設置し、覆うためのものであり、かつ地上の破片および液体による損傷からブレーキケーブルまたはブレーキワイヤを保護するためのものである。アクセルケーブル溝242は、アクセルケーブルまたはアクセルワイヤを設置し、覆うために床板42に同様に形成されている。アクセルケーブル溝242は、ペダルボックスリザーバ138(例えば、アクセルペダル部分組立品サブリザーバ138A)から床板における底面パネル54の内側部分66の後端まで伸長しており、地上の破片および液体による損傷からアクセルケーブルを保護している。
【0030】
また、床体42には、車両の制御ワイヤハーネスを設置し、地上の破片または液体による損傷から制御ワイヤハーネスを保護する制御ワイヤハーネス溝246が形成されている。制御ワイヤハーネス溝246は、前面パネル58の中央の上部にほぼ近い位置から、前面パネル58に沿って下がり、そして底面パネル54を縦方向に横断して、床板の底面パネル54における内側部分66の後端まで伸長している。いくつかの実施形態において、ブレーキケーブル溝234および238、アクセルケーブル溝242および制御ワイヤハーネス溝246の少なくともいずれか1つは、各溝から流出する流体および液体を排出するために各溝の下部に排液孔を有している。
【0031】
図5および9を参照すれば、床板42における底面パネル54は、床板におけるDSおよびPSの各側面部86および90に沿って少なくとも1つのボディー取り付け凹部250を有している。具体的には、ボディー取り付け凹部250は、床板におけるDSおよびPSの側面部86および90に隣接するDSおよびPS部品プラットフォーム166および170それぞれに形成されている。各ボディー取り付け凹部250は、床板42に後部ボディー部20を連結した多用途車両における後部ボディー部20を取り付ける少なくとも1つの取り付けツメ254をはめ込むことに適している。取り付けツメ254は、ボディー取り付け凹部250において、例えば、ナットおよびボルト、リベット、自動ねじ切り留め具またはスナップにより取り付ける画鋲などの好適な留め具によって床板42に連結することができる。
【0032】
図3および10を参照すれば、床板組立品14は、床板42のDSの側面部86に連結したDSロッカーパネル部分組立品262を備えている。DSロッカーパネル部分組立品262は、底面パネル部262Aおよび前面パネル部262Bの2つの部分組立品からなる。同様に、床板組立品14は、床板42のPSの側面部90に連結したPSロッカーパネル部分組立品266を備えている。PSロッカーパネル部分組立品266もまた、底面パネル部266Aおよび前面パネル部266Bの2つの部分組立品からなる。DCロッカーパネル部分組立品262およびPSロッカーパネル部分組立品266は、例えば、ナットおよびボルト、リベット、自動ねじ切り留め具またはスナップによる取り付ける画鋲などの好適な留め具によって、それぞれの床板の側面部86および90に連結されている。DCロッカーパネル部分組立品262およびPSロッカーパネル部分組立品266は、床板組立品14に美的なアクセントを提供し、また床板14を擦り傷および引っかき傷から保護することができると共に、容易に取り外し、取り替えることができる。
【0033】
図11および12に示すように、床板組立品14は、床板42における前部パネル58および底面パネル54に連結した、一体型のフロアマット270をさらに備えている。フロアマット270は、擦り傷による損傷から表面部46を保護するために床板42のアーチ形状の表面部46に適合するように覆っている。フロアマット270は、例えば、ゴムまたはビニールなどのような好適な材質から作製することができる。フロアマット270は、例えば、ナットおよびボルト、リベット、自動ねじ切り留め具またはスナップによる取り付ける画鋲などの好適な留め具によって、床板の前面パネル58および底面パネル54に連結させることができる。
【0034】
以上のように、本発明は、一体型に成形された床板を備えた、軽量多用途車両の床板組立品を提供する。床板は、必要であれば床板組立品および多用途車両の様々な部品を保護し、容易に設置し、取り付け、そして取り替えるために設計した多様な形態を取る事ができる。さらに、一体型に成形した床板は、床板組立品を損傷することなく、低速での側面からの衝撃に耐えるために設計されている。すなわち、具体的には、床板は、その床板に取り付けられている多用途車両のフレーム構造に損傷を伝えることなく、低速での側面から受ける力を吸収し、分散するために設計されている。
【0035】
本明細書等における実施の形態は、単に模範的な形態を示したのみであり、本明細書等に記載した要点から逸脱していない変形例は、本発明の範囲に含まれ得る。このような変形例は、本発明における精神および範囲から逸脱しているとみなされるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の多様な実施形態に係る床板組立品を有する、軽量多用途車両の側面図である。
【図2】図1に示した床板組立品に備えられた一体型に成形した床板の下面を示す下面図である。
【図3】図1に示した軽量多用途車両のフレームに取り付けられた、図1に示した床板組立品を示す下面図である。
【図4】図2に示した床板の裏側を示す断面図である。
【図5】図2に示した床板における表面部を示す平面図である。
【図6】床板のアーチ形状の表面部を示す、図5に示した6−6線に沿った床板の後部断面図である。
【図7】図2に示した床板における運転手席側部品プラットフォームを示す断面図である。
【図8】図2に示した床板における助手席側部品プラットフォームを示す断面図である。
【図9】図2に示した床板の側面部に形成した少なくとも1つのボディー取り付け凹部を示す断面図である。
【図10】図1に示した床板組立品の備えられた、2つの部分からなる一対のロッカーパネル部分組立品を示す等角図である。
【図11】図1に示した床板組立品に備えられたフロアマットを示す等角図である。
【図12】図1に示した床板組立品に備えられた図11に示したフロアマットを示す背面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽量でありかつ多用途の車両における床板であって、
上記車両における一対のフレーム支柱を支えるために床板の内側部分に形成された一対のフレーム溝および、当該フレーム溝と床板の側面部との間に形成されており、床板への側面衝撃によって生じる力を上記車両における上記フレーム支柱に損傷を生じさせないように分散させる複数の荷重分散構造リブ(LDSRs)を備えていることを特徴とする床板。
【請求項2】
上記LDSRsは、上記床板の側面部から上記フレーム溝間へ搭載荷重を移動させるための構造的な硬さおよび構造強度を有していることを特徴とする請求項1に記載の床板。
【請求項3】
上記床板の各側面部に沿ったサイドレール部をさらに備えており、
上記サイドレール部は、当該サイドレール部の外壁と内壁との間において、対角線上に密接して形成された、複数の短い上記LDSRsを有していることを特徴とする請求項1に記載の床板。
【請求項4】
上記フレーム溝から当該フレーム溝に対応する上記サイドレール部に向かって外側方向に伸長するカンチレバー部をさらに備えており、
上記カンチレバー部は、各上記フレーム溝と各上記サイドレール部との間において対角線上に形成された、複数の長い上記LDSRsを備えていることを特徴とする請求項1に記載の床板。
【請求項5】
運転手席側の上記床板には、ペダルボックスリザーバが備えられていることを特徴とする請求項1に記載の床板。
【請求項6】
上記ペダルボックスリザーバの外側の側面部と、当該ペダルボックスリザーバに対応する上記サイドレール部との間に、アーチレール部をさらに備えており、
上記アーチレール部は、当該アーチレール部の外壁と内壁との間に、密接した複数の短い上記LDSRsを有していることを特徴とする請求項5に記載の床板。
【請求項7】
上記ペダルボックスリザーバは、少なくとも1つの排液孔を有していることを特徴とする請求項5に記載の床板。
【請求項8】
上記床板に上記車両を構成する部品を取り付ける助手席側部品プラットフォームをさらに備えており、
上記助手席側部品プラットフォームは、多用途の上記車両の後部ボディー部における下部リップを支えるための支持壁を有していることを特徴とする請求項1に記載の床板。
【請求項9】
上記助手席側部品プラットフォームは、上記床板に燃料タンクを取り付けるための燃料タンクプラットフォームを備えており、
上記燃料タンクプラットフォームは、上記燃料タンクを支えるための燃料タンク台およびガイド壁を有しており、
上記ガイド壁は、上記燃料タンク台と上記ガイド壁との間にケーブルガイド溝を形成するために、上記燃料タンク台の近傍に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の床板。
【請求項10】
上記助手席側部品プラットフォームは、上記床板に車両制御部を取り付ける車両制御プラットフォームを備えていることを特徴とする請求項8に記載の床板。
【請求項11】
上記床板に上記車両を構成する部品を取り付ける運転手席側部品プラットフォームをさらに備えており、
上記運転手席側部品プラットフォームは、多用途の上記車両の後部ボディー部における下部リップを支えるための支持壁を有していることを特徴とする請求項1に記載の床板。
【請求項12】
上記運転手席側部品プラットフォームは、上記床板にバッテリーを取り付けるバッテリープラットフォームを備えていることを特徴とする請求項11に記載の床板。
【請求項13】
上記運転手席側部品プラットフォームは、上記床板にエアボックスを取り付けるエアボックスプラットフォームを備えていることを特徴とする請求項11に記載の床板。
【請求項14】
少なくとも1つのブレーキケーブルを設置するための少なくとも1つのブレーキケーブル溝、
アクセルケーブルを設置するためのアクセルケーブル溝、
および車両制御ワイヤハーネスを設置するための制御ワイヤハーネス溝のうちの少なくとも1つを備えていることを特徴とする請求項1に記載の床板。
【請求項15】
上記床板の各側面部は、少なくとも1つのボディー取り付け凹部を有していることを特徴とする請求項1に記載の床板。
【請求項16】
アーチ形状の表面部をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の床板。
【請求項17】
軽量であり多用途の車両における床板組立品であって、
上記床板組立品は、
運転手席側(DS)のフレーム支柱を支えるために床板の内側部分に形成された運転手席側(DS)のフレーム溝と、助手席側(PS)のフレーム支柱を支えるために床板の内側部分に形成された助手席側(PS)のフレーム溝とを有する底面パネルおよび当該底面パネルから上向きに伸長する前面パネルを有する一体型に成形した床板と、
上記DSのフレーム溝と上記床板におけるDSの側面部との間および上記PSのフレーム溝と上記床板におけるPSの側面部との間に形成されており、かつ、上記床板への側面衝撃により生じる力をDSおよびPSの上記フレーム支柱を損傷しないように分散させると共に、DSおよびPSの上記フレーム溝と上記床板の各側面部との間の搭載荷重を支えるための構造強度を有している複数の荷重分散構造リブ(LDSRs)と、
上記床板の表面部を覆い、上記前面パネルおよび上記底面パネルに連結した一体型フロアマットと、
を備えていることを特徴とする床板組立品。
【請求項18】
DSの上記側面部に沿ったDSのサイドレール部と、PSの上記側面部に沿ったPSのサイドレール部とをさらに備え、
DSおよびPSの各上記サイドレール部は、それぞれの当該サイドレール部の外壁と内壁との間において対角線上に密接して形成された、複数の短いLDSRsを有しており、
上記LDSRsは、上記床板の各側面部に沿って、十分な硬さおよび剛性を有していることを特徴とする請求項17に記載の床板組立品。
【請求項19】
DSの上記フレーム溝からDSの上記サイドレール部に向かって外側方向に伸長するDSのカンチレバー部、およびPSの上記フレーム溝からPSの上記サイドレール部に向かって外側方向に伸長するPSのカンチレバー部をさらに備え、
DSおよびPSの各上記カンチレバー部は、DSおよびPSの各上記フレーム溝と当該フレーム溝に対応する各上記サイドレールとの間に、対角線上に形成された長い複数のLDSRsを備えており、
上記LDSRsは、側面衝撃により生じる力を衝撃の生じた側の上記フレーム支柱の長さ方向に沿って広く分配し、かつDSおよびPSの各上記フレーム支柱にかかる搭載荷重を移動することを特徴とする請求項17に記載の床板組立品。
【請求項20】
上記車両のペダルボックス組立品を覆うために運転手席側の上記床板に形成され、かつ路上の破片および液体から上記ペダルボックス組立品を保護するペダルボックスリザーバをさらに備えていることを特徴とする請求項17に記載の床板組立品。
【請求項21】
上記ペダルボックスリザーバの外側の側面部とDSの上記サイドレールとの間に、DSへの側面衝撃による損傷から上記ペダルボックスリザーバを保護するためのアーチレール部をさらに備えており、
上記アーチレール部は、当該アーチレール部の外壁と内壁との間に、密接した複数の短いLDSRsを有していることを特徴とする請求項20に記載の床板組立品。
【請求項22】
上記ペダルボックスリザーバは、当該ペダルボックスリザーバの内部から排液を排出でき、かつ多用途の上記車両の下部から上記ペダルボックスリザーバ内に侵入する液体を防ぐように調整された少なくとも1つの排液孔を有していることを特徴とする請求項20に記載の床板組立品。
【請求項23】
上記底面パネルの後部から伸長する、上記床板に上記車両を構成する部品を取り付けるためのPS部品プラットフォームおよびDS部品プラットフォームをさらに備えており、
上記PS部品プラットフォームおよび上記DS部品プラットフォームは、多用途の上記車両の後部ボディー部における下部リップを支えるための支持壁を有していることを特徴とする請求項17に記載の床板組立品。
【請求項24】
上記PS部品プラットフォームは、
上記床板に燃料タンクを取り付けるための燃料タンクプラットフォームおよび上記床板に車両制御部を取り付けるための車両制御部プラットフォームのいずれかを備えており、
上記燃料タンクプラットフォームは、上記燃料タンクを支えるための燃料タンク台およびガイド壁を有しており、
上記ガイド壁は、上記燃料タンク台と上記ガイド壁との間にケーブルガイド溝を形成するために上記燃料タンク台の近傍に設けられていることを特徴とする請求項23に記載の床板組立品。
【請求項25】
上記DS部品プラットフォームは、
上記床板にバッテリーを取り付けるためのバッテリープラットフォームおよび上記床板にエアボックスを取り付けるためのエアボックスプラットフォームの少なくとも1つを備えていることを特徴とする請求項23に記載の床板組立品。
【請求項26】
少なくとも1つのブレーキケーブルを設置すると共に、路上の破片および液体による損傷からブレーキケーブルを保護するための少なくとも1つのブレーキケーブル溝と、
アクセルケーブルを設置すると共に、路上の破片および液体による損傷からアクセルケーブルを保護するためのアクセルケーブル溝と、
上記車両を制御するワイヤハーネスを設置すると共に、路上の破片および液体から制御ワイヤハーネスを保護するための制御ワイヤハーネス溝とのうち、少なくともいずれか1つをさらに備えていることを特徴とする請求項17に記載の床板組立品。
【請求項27】
上記床板の各上記側面部は、上記床板に後部ボディー部を連結した上記車両における後部ボディー部を取りけるための少なくとも1つの取り付けツメを支える少なくとも1つのボディー取り付け凹部を有していることを特徴とする請求項17に記載の床板組立品。
【請求項28】
上記床板の縦方向の頂点から上記床板の端部に向かって液体が流れるように、上記底面パネルの表面部をアーチ形状としていることを特徴とする請求項17に記載の床板組立品。
【請求項29】
上記床板のDSの上記側面部に連結される前面パネル部および底面パネル部を有するDSロッカーパネル部分組立品と、
上記床板のPSの上記側面部に連結される前面パネル部および底面パネル部を有するPSロッカーパネル部分組立品と、をさらに備えていることを特徴とする請求項17に記載の床板組立品。
【請求項30】
低速での側面衝突による損傷から、軽量であり多用途の車両におけるフレームを保護するための方法であって、
一体型に成形した床板の内側部分に形成された運転手席側(DS)のフレーム溝と、DSの上記フレーム溝と上記床板のDSの側面部との間に形成されており、DSの上記車両フレームの支柱への損傷を防ぐためにDSの上記床板への側面衝撃により生じる力を分散し、さらにDSの上記フレーム溝と側面部との間の搭載荷重を支えるための構造強度を与える複数の荷重分散構造リブ(LDSRs)と、を備えた車両フレームにおける運転手席側(DS)のフレーム支柱を設置する工程と、
一体型に成形した床板の内側部分に形成された助手席側(PS)のフレーム溝と、PSの上記フレーム溝と上記床板のPSの側面部との間に形成されており、PSの上記車両フレームの支柱への損傷を防ぐためにPSの上記床板への側面衝撃により生じる力を分散し、さらにPSの上記フレーム溝と側面部との間の搭載荷重を支えるための構造強度を与える複数の荷重分散構造リブ(LDSRs)と、を備えた車両フレームにおける運転手席側(PS)のフレーム支柱を設置する工程と、
DSの上記フレーム支柱およびPSの上記フレーム支柱に上記床板を連結する工程と、を含むことを特徴とする方法。
【請求項31】
軽量であり多用途の車両であって、
運転手席側(DS)のフレーム支柱および助手席側(PS)のフレーム支柱を有する車両フレーム構造と、
底面パネルおよび、当該底面パネルの前面から上向きに伸長した前面パネルを有する一体型に成形した床板と、を備えており、
上記底面パネルは、DSの上記車両フレーム構造およびPSの上記車両フレーム構造をそれぞれ支えるために上記床板の内側部分に形成されたDSおよびPSのフレーム溝と、
上記床板のDSおよびPSの側面部に沿ったDSおよびPSのサイドレール部と、
DSおよびPSの上記フレーム溝からDSおよびPSの上記サイドレール部に向かって外側方向に伸長するDSおよびPSのカンチレバー部と、を有しており、
各上記フレーム溝は、上記サイドレール部の内壁と外壁との間において対角線上に密接に形成され、上記床板の各側面部に沿った十分な硬さおよび剛性を与える複数の短い荷重分散構造リブ(LDSRs)を有しており、
各上記カンチレバー部は、DSおよびPSの上記フレーム溝と各上記サイドレール部との間に形成されており、かつ側面衝撃により生じる力を上記車両におけるフレームの支柱の長さに沿って広範囲に分配すると共に、上記車両における上記DS支柱および上記PS支柱に搭載荷重を移動するための複数の長いLDSRsを備えていることを特徴とする車両。
【請求項32】
上記床板のDSに形成したペダルボックスリザーバの外側の側面部とDSのサイドレール部との間に、アーチレール部をさらに備えており、
上記アーチレール部は、DSの側面衝撃による損傷から上記ペダルボックスリザーバを保護するために当該アーチレール部の外壁と内壁との間に、密接した複数の短いLDSRsを有していることを特徴とする請求項31に記載の車両。
【請求項33】
上記床板の縦方向の頂部から上記床板の端部に向かって液体が流れるようなアーチ形状の表面部をさらに備えていることを特徴とする請求項31に記載の車両。
【請求項34】
上記床板のDSの側面部に連結される前面パネル部および底面パネル部を有するDSロッカーパネル部分組立品と、
上記床板のPSの側面部に連結される前面パネル部および底面パネル部を有するPSロッカーパネル部分組立品と、をさらに備えていることを特徴とする請求項31に記載の車両。
【請求項35】
後部ボディー部は、上記床板に上記車両の後部ボディー部を取り付けるために、上記床板のDSの側面部および上記床板のPSの側面部に形成された少なくとも1つのボディー取り付け凹部にはめ込むことができる複数の取り付けツメを有していることを特徴とする請求項31に記載の車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−297045(P2007−297045A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−122555(P2007−122555)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(391031890)テキストロン インコーポレイテッド (16)
【氏名又は名称原語表記】TEXTRON INCORPORATED
【Fターム(参考)】