説明

農作業機の無線操作システム

【課題】トラクタに装着して農作業を行う作業機が有する出力機器を携帯電話により操作可能な農作業機の無線操作システムを提供することを目的とする。
【解決手段】トラクタに装着して農作業を行う作業機3と、携帯電話2とを備え、作業機3は、作業機3のための出力機器40と、携帯電話2からの無線操作信号を受信する受信部11と、受信した操作信号に基づき出力機器40を制御する制御部12とを有し、携帯電話2は、携帯電話2が有するボタン30により出力機器40の操作が可能であり、ボタン30による操作方法は、作業機3の機種に合わせて変更可能であることにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業機の無線操作システムに関し、特に、トラクタに装着して農作業を行う作業機が有する出力機器を携帯電話により操作可能な農作業機の無線操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタに装着して農作業を行う作業機が有する出力機器は、有線により接続されてリモコンで操作することが多かった。また、無線によるものとしては、専用リモコンにて、微弱電波・特定省電力電波などを利用するものがあった。
【0003】
特許文献1には、有線により接続される遠隔操作制御部を共通で使用することができるトラクタに装着する農作業機の電動遠隔操作制御装置が記載されている。
【0004】
一方、携帯電話は広く普及し、さらに、携帯電話に様々なアプリケーションが適用できるコンピュータが搭載されている機種は広く普及している。さらに、無線通信機能を内蔵している携帯電話も広く普及している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−151919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の有線によるリモコン操作の場合、操作部と出力機器の間の配線が大変であり、トラクタに装着する作業機を交換するたびにコネクタを脱着する等の配線作業をする必要があった。一方、無線による場合でも、専用リモコンを利用すると、コストが高くなった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みて、トラクタに装着して農作業を行う作業機が有する出力機器を携帯電話により操作可能な農作業機の無線操作システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の農作業機の無線操作システムは、トラクタに装着して農作業を行う作業機と、携帯電話とを備え、前記作業機は、当該作業機のための出力機器と、前記携帯電話からの無線操作信号を受信する受信部と、受信した操作信号に基づき前記出力機器を制御する制御部とを有し、前記携帯電話は、当該携帯電話が有するボタンにより前記出力機器の操作が可能であり、前記ボタンによる操作方法は、前記作業機の機種に合わせて変更可能であることを特徴とする。
【0009】
さらに本発明の農作業機の無線操作システムは、前記携帯電話が有する表示部に、現在操作する作業機の機種の前記ボタンによる操作方法が表示されることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機の無線操作システムは、前記操作方法の表示は、前記ボタンと同様のボタン配列が表示され、表示されたボタン配列の各ボタンの部分にそのボタンによる操作内容が表示されていることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機の無線操作システムは、前記携帯電話は、インターネットを通じて前記ボタンで操作するために必要なデータをホームページから作業機の機種毎にダウンロード可能であることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機の無線操作システムは、前記携帯電話と、前記受信部との間の通信は、Bluetoothにより行われていることを特徴とする。
【0010】
さらに本発明の農作業機の無線操作システムは、前記作業機の機種として、代掻き作業部の一部が出力機器であるアクチュエータにより折りたたみ可能な代掻き機が適用可能であることを特徴とする。
さらに本発明の農作業機の無線操作システムは、前記作業機の機種として、出力機器であるアクチュエータにより畦塗り作業する作業部が移動可能な畦塗り機が適用可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、農作業機の無線操作システムにおいて、トラクタに装着して農作業を行う作業機が有する出力機器を携帯電話により操作することができ、安価で便利なシステムとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の農作業機の無線操作システムの全体構成図である。
【図2】本発明の農作業機の無線操作システムが有する携帯電話の表示部における第1の表示例である。
【図3】本発明の農作業機の無線操作システムが有する携帯電話の表示部における第2の表示例である。
【図4】本発明の農作業機の無線操作システムが有する携帯電話の表示部における第3の表示例である。
【図5】本発明の農作業機の無線操作システムが有する携帯電話の表示部における第4の表示例である。
【図6】本発明の農作業機の無線操作システムが有する携帯電話の表示部における第5の表示例を含む携帯電話の正面図である。
【図7】実施例1の携帯電話の表示部における表示例を含む携帯電話の正面図である。
【図8】実施例1の作業機を示す正面図である。
【図9】実施例1の作業機を示す平面図である。
【図10】本発明の農作業機の無線操作システムが有する携帯電話の表示部における第6の表示例である
【図11】実施例2の携帯電話の表示部における表示例を含む携帯電話の正面図である。
【図12】実施例2の作業機における第1の状態を示す平面図である。
【図13】実施例2の作業機における第2の状態を示す平面図である。
【図14】実施例2の作業機における第3の状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0014】
図1は、本発明の農作業機の無線操作システムの全体構成図である。本発明の農作業機の無線操作システムは、携帯電話2により作業機3に設置された出力機器40を操作可能とするものである。作業機3は、トラクタに装着して農作業を行うもので、作業機のための出力機器40が設置されている。携帯電話2は、出力機器40を操作するための機能が内蔵されており、機種毎に操作内容を変更できるようになっている。
【0015】
携帯電話2で操作するために必要なデータの取得は、例えば、一般のユーザが使用するパソコン4でインターネットを通じホームページ1にアクセスし、ホームページ1からデータをパソコン4にダウンロードし、その後、SDカード等の媒体や、赤外線やBluetooth等の無線通信、有線接続等により、パソコン4にダウンロードしたデータを携帯電話2に取得できる(A)。また、携帯電話2で、ホームページに直接インターネットを通じアクセスしてデータをダウンロードしてもよい。この場合は、直接ダウンロードなので、手間はかからず、農作業する場所でも携帯電話2を使用して取得が可能となる。なお、データの内容は、操作のためのプログラムやプログラムを作動させるためのデータ等である。
【0016】
ホームページ1の情報は、任意の場所に設置されたサーバ等にその情報が格納されている。作業者はホームページ1にアクセスすることにより、操作に必要なデータをインターネットを通じて取得することができる。一方、ホームページ1の管理者は新たな作業機3の機種に対しては、その機種の操作に必要なデータをホームページ1上にアップロードしておけば作業者がホームページ1から携帯電話2にダウンロード可能となる。
【0017】
携帯電話2による、出力機器40の操作は、携帯電話2のボタン部30を押すと、操作できるようになっており、携帯電話2の表示部20にその操作ボタンによる操作の説明が表示される。これらは、ホームページ1からダウンロードしたデータをもとに携帯電話2があらかじめ有するデバイスやアプリケーションを利用して行われる。
【0018】
携帯電話2と作業機3の間(B)の通信方式は、携帯電話に搭載されている通信方式を利用する。具体的には、Bluetooth、Wi−Fi、IrDA(赤外線)、IrSimple等による通信方式が採用できる。特に、BluetoothやWi−Fiは間に障害物があっても利用することができ好適である。さらに、Bluetoothは幅広く使用されているため汎用性が高いものである。
【0019】
作業機3には、受信部11と、制御部12と、出力機器40とを有しており、携帯電話2からの操作による情報(操作信号)を受信部11が受信し、操作信号をもとに制御部12が出力機器40の制御を行う。制御部12は、例えば、必要なデバイス等をボックス内に格納して構成されてもよいし、受信部11と一体に構成してもよい。出力機器40は、作業機3のためのアクチュエータ等で構成されその具体例は後述する。
【0020】
以下の実施例1と実施例2に具体例を説明する。
【実施例1】
【0021】
実施例1について説明する。
【0022】
図2は、本発明の農作業機の無線操作システムが有する携帯電話2の表示部20における第1の表示例である。ホームページ1にアクセスして、「ID」欄22aにIDを入力し、「パスワード」欄22bにパスワードを入力し、「ログイン」表示22cを選択すると図3の画面となる。
【0023】
図3は、本発明の農作業機の無線操作システムが有する携帯電話2の表示部20における第2の表示例である。「目的別メニュー」項目表示23aの「ソフトウェアダウンロード」表示23bを選択すると、図4の画面となる。
【0024】
図4は、本発明の農作業機の無線操作システムが有する携帯電話2の表示部20における第3の表示例である。図4の「ソフトウェアダウンロード」のページでは、「設定プログラム」項目表示24aと「リモコンプログラム」項目表示24bがなされており、このうち「リモコンプログラム」項目表示24bの「ドライブハロー・ウイングハロー」表示24cを選択すると図5の表示となる。
【0025】
図5は、本発明の農作業機の無線操作システムが有する携帯電話2の表示部20における第4の表示例である。図5では、ドライブハローやウイングハローの種類ごとに、携帯電話で使用されている各アプリケーションごとの表示がされている。例えば、「ウイングハロー(電動開閉モデル)」項目表示25aの「iアプリDownload」表示25bを選択する。すると、iアプリによるウイングハロー(電動開閉モデル)の操作のために必要なデータがホームページ1から携帯電話2へダウンロードされる。
【0026】
図6は、本発明の農作業機の無線操作システムが有する携帯電話2の表示部20における第5の表示例を含む携帯電話2の正面図である。作業者は携帯電話2において操作をするためのアプリケーションを立ち上げると、図6のように表示される。表示部20には、「型式選択」欄26a、「機番入力」欄26b、「作業機接続」表示26c等の表示がされている。「型式選択」欄26aで型式を選択し、「機番入力」欄26bに機番を入力して、「作業機接続」表示26cを選択すると、作業機3の受信部11と接続される。例えば、ダウンロードしたウイングハロー(電動開閉モデル)の型式を選択すると図7に示される表示となる。
【0027】
一方、ボタン部30は、上部に、左サイドボタン31、十字ボタン32、右サイドボタン33と横に並んでおり、その下部は、横×縦が3×5の配列ボタン34となっている。左サイドボタン31は、上下に、左サイド上ボタン31aと左サイド下ボタン31bを有する。右サイドボタン33は、上下に、右サイド上ボタン33aと右サイド下ボタン33bを有する。
【0028】
以下に、電動ウイングハローを選択して操作する場合について説明する。
【0029】
図7は、実施例1の携帯電話2の表示部20の表示例を含む携帯電話2の正面図である。図8は、実施例1の作業機を示す正面図である。図9は、実施例1の作業機を示す平面図である。
【0030】
図8と図9の作業機3は折りたたみ機構を備えた代掻き機50(ウイングハロー)であり、入力軸51側を(図示しない)トラクタに装着し、カバー52や均平板53の内側で代掻き爪が回転することにより代掻き作業を行う。
【0031】
電動油圧シリンダ56、56’は、シリンダが伸び縮みすることにより、回動機構57、57’を作用させサイド作業部55、55’を(図8の左側のように)上側に折りたたみ、代掻き機50の全幅を短くすることができる。延長レーキ開閉装置60、60’は、内部のモーターが回転することにより、制御バー62、62’やワイヤ63、63’を介して延長レーキ61、61’を回動軸61a、61a’を中心に上下に回動させ、延長レーキ61、61’を使用するか否かを選択することができる。土引きユニット66は、内部のモーターの回転により土引き部67等を介してレーキ65の上下動を制御し、土引きを調整することができる。
【0032】
また、制御BOX68は、制御部12や受信部11が内蔵されており、各出力機器40である電動油圧シリンダ56、56’や、延長レーキ開閉装置60、60’(のモーター)、土引きユニット66(のモーター)とハーネス69で接続されている。このため、操作信号を受信部11が受けると、制御部12は操作信号に基づき、電動油圧シリンダ56、56’や、延長レーキ開閉装置60、60’(のモーター)、土引きユニット66(のモーター)を制御する。
【0033】
電動ウイングハローを選択した場合、図7のように、表示部20に、ボタン部30による操作方法が表示される。表示は、ボタン部30と同様に配列されたボタン説明表示27aがされ、表示されている各ボタン表示の部分に操作内容が表示されている。そして、操作に使用するボタンの配列は、実際の出力機器40の配置となるべく相関関係を持つようにし、作業者が分かり易いように配列している。また、上部には、現在操作している機種が分かるように機種表示27bが、下部には制御BOX68と接続中であることを表示する接続表示27cがなされている。
【0034】
左サイド上ボタン31aを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX68へ送られ、左の延長レーキ開閉装置60’が作動し、サイドキットである延長レーキ61’が外側に開く。
【0035】
左サイド下ボタン31bを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX68へ送られ、左の延長レーキ開閉装置60’が作動し、サイドキットである延長レーキ61’が内側に閉じる。
【0036】
右サイド上ボタン33aを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX68へ送られ、右の延長レーキ開閉装置60が作動し、サイドキットである延長レーキ61が外側に開く。
【0037】
右サイド下ボタン33bを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX68へ送られ、右の延長レーキ開閉装置60が作動し、サイドキットである延長レーキ61が内側に閉じる。
【0038】
十字上ボタン32aを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX68へ送られ、土引きユニット66が作動し、レーキ65が上がり、通常の作業状態となる。
【0039】
十字下ボタン32bを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX68へ送られ、土引きユニット66が作動し、レーキ65が下がり、土引きの状態となる。
【0040】
1行目左側ボタン34aを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX68へ送られ、左の電動油圧シリンダ56’が作動し、左側のサイド作業部55’が下側へ延長し開く状態となる。
【0041】
2行目左側ボタン34dを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX68へ送られ、左の電動油圧シリンダ56’が作動し、左側のサイド作業部55’が上側へ折りたたまれ閉じる状態となる。
【0042】
1行目右側ボタン34cを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX68へ送られ、右の電動油圧シリンダ56が作動し、右側のサイド作業部55が下側へ延長し開く状態となる。
【0043】
2行目右側ボタン34fを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX68へ送られ、右の電動油圧シリンダ56が作動し、右側のサイド作業部55が上側へ折りたたまれ閉じる状態となる。
【0044】
なお、電動油圧シリンダ56、56’を作動させるボタンは、上から1行目と2行目に限らず、上から任意の位置にある2行であってもよい。さらに、延長レーキ開閉装置60、60’のボタンと交代して左サイドボタン31と右サイドボタン33を利用してもよい。
【0045】
1行目中央ボタン34bを押すと操作中のアプリケーションが終了する。
【実施例2】
【0046】
実施例2について説明する。実施例1との違いは、作業機2の機種が異なる点であり、この点を説明する。同一の箇所は同一の符号を付してある。
【0047】
ホームページ1へのアクセスについて、図2と、図3は、実施例1と同様である。図4では、「リモコンプログラム」項目表示24bの「あぜぬり機・リターンあぜぬり機」表示24dを選択すると図10の表示となる。
【0048】
図10は、本発明の農作業機の無線操作システムが有する携帯電話2の表示部20における第6の表示例である。図10では、あぜぬり機の種類ごとに、携帯電話で使用されている各アプリケーションごとの表示がされている。例えば、「リターンあぜぬり機(電動モデル)」表示28aのDZRシリーズ(型式)の「iアプリDownload」表示28bを選択する。すると、iアプリによるあぜぬり機(電動オフセットモデル)の操作のために必要なデータがホームページ1から携帯電話2へダウンロードされる。
【0049】
図6の表示は、実施例1と同様であり、ここで実施例2では、ダウンロードしたリターンあぜぬり機(電動モデル)の機番を選択すると図11に示される表示となる。
【0050】
以下に、リターンあぜぬり機(電動オフセットモデル)を選択して操作する場合について説明する。
【0051】
図11は、実施例2の携帯電話2の表示部20における表示例を含む携帯電話2の正面図である。図12は、実施例2の作業機における第1の状態を示す平面図である。図13は、実施例2の作業機における第2の状態を示す平面図である。図14は、実施例2の作業機における第3の状態を示す平面図である。実施例2の作業機2は、オフセット及びリターン機構を備えた畦塗り機80である。
【0052】
畦塗り機80は、装着部81が(図示しない)トラクタ(図12〜14の上側に位置)の後部に装着される。装着部81と中間フレーム82は、水平方向に回動可能な支点82aにより連結され、中間フレーム82と作業部88は、リンク機構83を介して接続されている。装着部81の支点71bと中間フレーム82の支点71c間には、第1電動油圧シリンダ71が接続されている。リンク機構83の支点72bと作業部88の支点72cの間には、第2電動油圧シリンダ72が接続されている。また、作業部88は、耕耘部86と、ディスク部87を有し、トラクタから伝達された動力により前方の耕耘部86で掻き出した旧畦の土を、ディスク部87の回転により畦形状に形成する。
【0053】
図12の状態から、第1電動油圧シリンダ71を縮ませると、作業部88は、内側へオフセット移動する。このとき、作業部88が中間フレーム82に対して、左側に回動しコンパクトに格納し移動等に適した姿勢となる(図13)。図13の状態から、第2電動油圧シリンダ72を伸ばすと、リンク機構83の作用もあり、作業部88が効率よく回動し、耕耘部86とディスク部87が逆の向きになる(図14)。この状態で、バックによるリターン作業が可能となり、圃場の隅を塗ることができる。また、必要に応じ、散水装置タンク91の水を、ホース92を介してノズル93からディスク部87近傍に排出し、乾いた圃場でも畦を形成することを可能とする。散水装置タンク91の下には、散水装置ポンプ77が設置される、散水装置ポンプ77の作用により水が排出される。
【0054】
また、制御BOX94は、制御部12や受信部11が内蔵されており、各出力機器40である、第1電動油圧シリンダ71や、第2電動油圧シリンダ72、散水装置ポンプ77とハーネス95で接続されている。このため、操作信号を受信部11が受けると、制御部12は操作信号に基づき、第1電動油圧シリンダ71や、第2電動油圧シリンダ72、散水装置ポンプ77を制御する。
【0055】
図11で、表示部20に、ボタン部30による操作方法が表示される。表示は、ボタン部30と同様に配列されたボタン説明表示29aがされ、表示されている各ボタン表示の部分に操作内容が表示されている。そして、操作に使用するボタンの配列は、実際の出力機器40の配置となるべく相関関係をもつようにし、作業者が分かり易いように配列している。また、上部には、現在操作している機種が分かるように機種表示29bが、下部には、操作時の注意事項である注意表示29cと、制御BOX94と接続中であることを表示する接続表示29dがなされている。
【0056】
畦塗り機80が図12の状態で左サイド上ボタン31aを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX94へ送られ、第1電動油圧シリンダ71が作動し、作業部88が外側(右側)へ移動し、前進作業幅が大きくなる。
【0057】
畦塗り機80が図12の状態で左サイド下ボタン31bを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX94へ送られ、第1電動油圧シリンダ71が作動し、作業部88が内側(左側)へ移動し、前進作業幅が小さくなる。
【0058】
十字右ボタン32dを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX94へ送られ、第1電動油圧シリンダ71又は第2電動油圧シリンダ72が作動して、図12の前進状態となる。
【0059】
十字上ボタン32aを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX94へ送られ、第1電動油圧シリンダ71が作動して、図13の格納状態となる。
【0060】
十字左ボタン32cを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX94へ送られ、第2電動油圧シリンダ72が作動して、図14の後進状態となる。
【0061】
右サイド上ボタン33aを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX94へ送られ、アクチュエータが作動し耕耘部86が上がり耕深が浅くなる(このための機構の説明は省略している。)。
【0062】
右サイド下ボタン33bを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX94へ送られ、アクチュエータが作動し耕耘部86が上がり耕深が深くなる(このための機構の説明は省略している。)。
【0063】
1行目右側ボタン34cを押すと、操作信号は無線通信を介し、制御BOX94へ送られ、散水装置ポンプ77がOFFの場合はONに、ONの場合はOFFになり、散水装置の入/切ができる。なお、このボタンは、配列ボタン34の他のボタン(1行目左側ボタン34a等)でもよい。
【0064】
1行目中央ボタン34bを押すと操作中のアプリケーションが終了する。
【0065】
以上、説明したように、本発明は、携帯電話2で作業機3が有する出力機器40の操作ができるため、作業者は、トラクタの運転席に座ったまま、出力機器40の操作を行える。そして、既存の携帯電話を利用するため、新たに操作部を制作する必要がなく、コストが安く便利なものとなる。また、選択画面(例えば、図6)で機種を選択すれば、いろいろな作業機の出力機器の操作に対応できる。また、携帯電話2の表示部20に操作説明が表示されるので、機種が変更されても、作業者は作業の方法をすぐに理解でき、誤操作を防止し、操作方法を覚えるための時間を短縮でき作業効率を上げることができる。さらに、新たに使用する作業機の機種に対しても、ホームページ1から携帯電話2にその機種に係るデータをダウンロードすれば、操作できるようになり、素早く対応可能となる。また、操作は、携帯電話2の各種ボタンを使用する例を示したが、これに限らず、配列ボタン34だけの使用による構成としてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1 ホームページ
2 携帯電話
3 作業機
11 受信部
12 制御部
20 表示部
27a、29a ボタン説明表示
30 ボタン部
31 左サイドボタン
32 十字ボタン
33 右サイドボタン
34 配列ボタン
40 出力機器
50 代掻き機
55、55’ サイド作業部
56、56’ 電動油圧シリンダ
60、60’ 延長レーキ開閉装置
61、61’ 延長レーキ
65 レーキ
66 土引きユニット
68 制御BOX
71 第1電動油圧シリンダ
72 第2電動油圧シリンダ
77 散水装置ポンプ
80 畦塗り機
81 装着部
82 中間フレーム
83 リンク機構
86 耕耘部
87 ディスク部
88 作業部
91 散水装置タンク
94 制御BOX

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタに装着して農作業を行う作業機と、携帯電話とを備え、
前記作業機は、当該作業機のための出力機器と、前記携帯電話からの無線操作信号を受信する受信部と、受信した操作信号に基づき前記出力機器を制御する制御部とを有し、
前記携帯電話は、当該携帯電話が有するボタンにより前記出力機器の操作が可能であり、前記ボタンによる操作方法は、前記作業機の機種に合わせて変更可能であることを特徴とする農作業機の無線操作システム。
【請求項2】
請求項1に記載の農作業機の無線操作システムにおいて、
前記携帯電話が有する表示部に、現在操作する作業機の機種の前記ボタンによる操作方法が表示されることを特徴とする農作業機の無線操作システム。
【請求項3】
請求項2に記載の農作業機の無線操作システムにおいて、
前記操作方法の表示は、前記ボタンと同様のボタン配列が表示され、表示されたボタン配列の各ボタンの部分にそのボタンによる操作内容が表示されていることを特徴とする農作業機の無線操作システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の農作業機の無線操作システムにおいて、
前記携帯電話は、インターネットを通じて前記ボタンで操作するために必要なデータをホームページから作業機の機種毎にダウンロード可能であることを特徴とする農作業機の無線操作システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の農作業機の無線操作システムにおいて、
前記携帯電話と、前記受信部との間の通信は、Bluetoothにより行われていることを特徴とする農作業機の無線操作システム
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の農作業機の無線操作システムにおいて、
前記作業機の機種として、代掻き作業部の一部が出力機器であるアクチュエータにより折りたたみ可能な代掻き機が適用可能であることを特徴とする農作業機の無線操作システム。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の農作業機の無線操作システムにおいて、
前記作業機の機種として、出力機器であるアクチュエータにより畦塗り作業する作業部が移動可能な畦塗り機が適用可能であることを特徴とする農作業機の無線操作システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−120539(P2011−120539A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−282018(P2009−282018)
【出願日】平成21年12月11日(2009.12.11)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【Fターム(参考)】