説明

農作業機

【課題】方向修正制御が容易に行えるトラクタに装着される農作業機を提供することを目的とする。
【解決手段】トラクタに装着する支持フレーム11、12と、支持フレーム11、12に対して回動可能に支持され農作業を行う作業部13と、作業部13を支持フレーム11、12に対して回動させるアクチュエータ22と、制御部26と、方向修正スイッチ27a、27bを有する操作部27と、作業部13に設置されるセンサ31とを備え、制御部26は、センサ31からの情報から作業部13の方向が基準の方向に一定になるようにアクチュエータ22を制御し、方向修正スイッチ27a、27bの操作された場合、アクチュエータ22を駆動させ、当該操作が終了したときの作業部13の方向を新たな基準の方向とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作業機に関し、特に、方向修正制御が容易に行えるトラクタに装着される農作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
トラクタに装着する農作業機の場合、農作業を行う作業部が、トラクタに装着されるフレームに対して水平方向に回動可能なものがある。この場合、作業中は、トラクタの進行方向に平行に固定されているか、もしくは、一定の方向を維持するように方向制御を行なっている。
【0003】
特許文献1には、オフセット調整機構を制御させるオフセット作業機が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4164387号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、圃場の形状が変化した場合、上述した従来の技術では、対応しきれず連続して安定した作業を行うことが困難であった。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みて、方向修正制御が容易に行えるトラクタに装着される農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の農作業機は、トラクタに装着され農作業を行う農作業機において、トラクタに装着する支持フレームと、前記支持フレームに対して回動可能に支持され農作業を行う作業部と、前記作業部を前記支持フレームに対して回動させるアクチュエータと、制御部と、方向修正スイッチを有する操作部と、前記作業部に設置されるセンサとを備え、前記制御部は、前記センサからの情報から前記作業部の方向が基準の方向に一定になるように前記アクチュエータを制御し、前記方向修正スイッチが操作された場合、前記アクチュエータを駆動させ、当該操作が終了したときの前記作業部の方向を新たな基準の方向とすることを特徴とする。
【0008】
さらに本発明の農作業機は、前記センサは、角速度センサ、又は、方位センサであること特徴とする。
さらに本発明の農作業機は、第2のセンサを有し、前記第2のセンサは、前記支持フレームの前記作業部に対する状態を検出し、前記制御部は、前記第2のセンサからの情報も加味して、前記制御を行うことを特徴とする。
さらに本発明の農作業機は、前記第2のセンサは、前記支持フレームの前記作業部に対する角度を検出する角度センサであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、トラクタに装着される農作業機において、方向修正制御が容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の農作業機の一実施形態を示す平面図である。
【図2】本発明の農作業機が有する制御操作システムのブロック図である。
【図3】本発明の農作業機の第1の状態を示す平面図である。
【図4】本発明の農作業機の第2の状態を示す平面図である。
【図5】本発明の農作業機の第3の状態を示す平面図である。
【図6】本発明の農作業機の第4の状態を示す平面図である。
【図7】本発明の農作業機の第5の状態を示す平面図である。
【図8】本発明の農作業機の他の実施形態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明を実施するための形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の農作業機の一実施形態を示す平面図である。農作業機2は畦塗り機を例に説明する。農作業機2は、トラクタ1の後部に装着され、トラクタ1の進行方向側面の畦5(6はスソ部、7は肩部を示す。)を形成する。農作業機2は、主として、装着フレーム11、オフセットフレーム12、作業部13、オフセットアクチュエータ21、方向調整アクチュエータ22、制御部26、操作部27、第1センサ31を有する。
【0013】
装着フレーム11は、トラクタ1後部の取付部3に取り付けられる。装着フレーム11は、オフセットフレーム12と水平方向に回動可能な第1支点12aによって連結されている。さらに、オフセットフレーム12は、水平方向に回動可能な第2支点12bによって作業部13と連結されている。第1支点12aと第2支点12bの間は一定の距離を有する。装着フレーム11とオフセットフレーム12は、作業部13に対する支持フレームとなっている。
【0014】
トラクタからの回転動力は、オフセットフレーム12内の伝導機構やジョイント等を介して作業部13に伝達される。作業部13は耕耘部14と整畦部15、必要に応じ上面削り部16を有しており、伝達された動力で、耕耘部14により爪の回転等で旧畦の土をかき出し、かき出した土を整畦部15によりディスクの回転等で畦形状に成形する。また、上面削り部16により爪の回転等で旧畦上面の土をいったん削ることにより強固な畦成形を可能としている。
【0015】
オフセットアクチュエータ21は、シリンダが伸縮することにより、オフセットフレーム12が装着フレーム11に対して第1支点12aを中心として回動させるためのアクチュエータである。オフセットアクチュエータ21は、装着フレーム11に有する水平方向に回動可能な支点21aとオフセットフレーム12に有する水平方向に回動可能な支点21b間に連結されている。オフセットアクチュエータ21により、装着フレーム11に対してオフセットフレーム12を回動させるため、作業部13まで含めたオフセット移動を可能とし、非作業時などは、オフセットフレーム12を回動させ、トラクタ1の後ろ側に作業部13等を配置させることが可能となる。
【0016】
方向調整アクチュエータ22は、シリンダが伸縮することにより、作業部13がオフセットフレーム12に対して第2支点12bを中心として回動させるためのアクチュエータである。方向調整アクチュエータ22は、オフセットフレーム12に有する水平方向に回動可能な支点22aと作業部13に有する水平方向に回動可能な支点22b間に連結されている。方向調整アクチュエータ22により、オフセットフレーム12に対して作業部13を回動させるため、トラクタ1の進行方向に対する作業部13の角度を調整することができる。
【0017】
図2は、本発明の農作業機が有する制御操作システムのブロック図である。制御部26は操作部27と第1センサ31からの情報をもとに方向調整アクチュエータ22(と必要に応じオフセットアクチュエータ21)を制御するものであり、この制御に必要な電子デバイス等で構成される。また、必要に応じ第2センサ32が設けられ、第2センサ32からの情報も制御に反映される。図1において、操作部27はトラクタの運転席近傍に、制御部26は装着フレーム11に、第1センサ31は作業部13に設けられている。なお、制御部26は設置の場所は図1に特定されるものではない。また、これらの情報のやりとりは有線でも無線でも可能である。
【0018】
図3は、本発明の農作業機の第1の状態を示す平面図である。図3では、農作業機2は、畦5に対して平行に直進している状態を示している。このときの作業部13は畦5に対して作業に適した的確な作業角度となっている。
【0019】
図4は、本発明の農作業機の第2の状態を示す平面図である。図5は、本発明の農作業機の第3の状態を示す平面図である。図4では、トラクタ1が旋回したため農作業機2も角度θだけ旋回した状態を示す。この状態では、作業部13は、畦5に対する的確な作業角度よりθだけずれることになり、きちんとした畦を形成できなくなる可能性がある。そこで、旋回した角度θを第1センサ31が検知し、その情報は、制御部26へ送られる。制御部26では、傾いたθ分だけ戻すために方向調整アクチュエータ22を動かし(伸ばし)、角度θ分だけ作業部13を回動させる。これにより、図5に示すように、作業部13は畦5に対する的確な作業角度に戻ることができる。このような制御を繰り返すことで、作業部13は常にまっすぐ進む直進制御により、きれいな畦を形成することが可能となる。
【0020】
図6は、本発明の農作業機の第4の状態を示す平面図である。図7は、本発明の農作業機の第5の状態を示す平面図である。図6の畦5’に示すように、元畦自体が曲がっている場合で、この曲がっている畦にそって新しい畦を形成したい場合でも、上記の直進制御では、まっすぐ進むことしかできない。そこで、操作部27に有する方向修正スイッチ27a、27bの操作より、基準の方向を修正する制御を操作部27で行う。
【0021】
制御は、方向修正スイッチ27a、27bを作業者が操作すると、方向調整アクチュエータ22が動き、作業部13の角度を変える。このとき、方向調整アクチュエータ22が停止した後の角度を第1センサ31から読み取り、この角度を基準として、上述した直進制御を新たに行うものである。
【0022】
操作部27の方向修正スイッチ27a、27bの具体例として、方向修正スイッチ(縮)27aを押している間は、方向調整アクチュエータ22が縮み、方向修正スイッチ(伸)27bを押している間は、方向調整アクチュエータ22が伸び、各スイッチを離すと動きが止まる方式があげられる。
【0023】
図6の状態では、作業者が、トラクタ1に乗ったまま、操作部27の方向修正スイッチ(縮)27aを押す。すると、方向修正スイッチ(縮)27aを押している間だけ作業部13が第2支点12bを中心に左側へ回動し方向が修正される。そして、方向修正スイッチ(縮)27aからの信号が終了すると、制御部26は、そのときの第1センサ31からの情報により新たな基準の方向(イ’)を決定する。これにより、基準の方向(イ)から新たな基準の方向(イ’)に方向が修正されたことになる。その状態が図7である。その後は、新たな基準の方向(イ’)に直進するように図3〜5で説明した直進制御を行う。
【0024】
図8は、本発明の農作業機の他の実施形態を示す平面図である。図8では、第2センサ32も追加した例である。第2センサ32を追加することで上述した制御の正確性を増すことができる。
【0025】
第1センサ31、又は、第1センサ31と第2センサ32を使用した具体的な例として以下に述べる。
【0026】
〈具体例1〉
具体例1は、第1センサ31のみ使用し、第1センサ31が角速度センサ(ジャイロスコープ)の場合である。
作業部13の回動角度はジャイロの検出した角速度出力を積分することで算出する。
図3〜5で説明した直進制御は、a)トラクタ1が直進作業状態のときの作業部13の方向を基準の方向(イ)として設定(図3)し、b)トラクタ等の旋回により作業機全体の方向が変化するとその角速度変化をジャイロにて検出し、c)検出した角速度出力に基づき、回動角度(θ:方向変化量)を算出(図4)し、d)基準の方向からの変化量を修正するように方向調整アクチュエータ22を駆動(図5)する。以後上記b→dの繰返しで自動的にイの方向を向くように作業部13の方向を制御する。
一方、図6、7で説明した方向修正制御は、上記b→dの繰返しによる自動制御中に、e)作業者が操作部27で、方向修正スイッチ27a、27bを押す。f)方向修正スイッチ27a、27bを押している間のみ、方向調整アクチュエータ22を操作通りに駆動(図6)し、g)方向修正スイッチ27a、27bが押されている間の回動角度(α:方向修正量)をジャイロで検出し算出(図7)し、h)それまでの基準の方向に対し方向修正量を加算(イ+α)して、新た基準の方向(イ´)を再設定する(図7)。以後、上記b→dの繰返しに戻り、新たな基準の方向イ´に作業部13の方向を制御する。
【0027】
〈具体例2〉
具体例2は、第1センサ31及び第2センサ32を使用し、第1センサ31が角速度センサ(ジャイロスコープ)で、第2センサ32が角度センサ(ポテンショメータ)の場合である。
図3〜5で説明した直進制御は、具体例1と同様である。
図6、7で説明した方向修正制御は、具体例1のb→dの繰返しによる自動制御中に、e)作業者が操作部27で、方向修正スイッチ27a、27bを押す。f)方向修正スイッチ27a、27bを押している間のみ、方向調整アクチュエータ22を操作通りに駆動し、g)方向修正スイッチ27a、27bが押されている間の回動角度(α:方向修正量)をポテンショで検出し、h)それまでの基準の方向に対し方向修正量を加算(イ+α)して、新た基準の方向(イ´)に再設定する。以後は、具体例1のb→dの繰返しに戻り、新たな基準の方向イ´に作業部13の方向を制御する。
【0028】
〈具体例3〉
具体例3は、第1センサ31及び第2センサ32を使用し、第1センサ31が角速度センサ(ジャイロスコープ)、第2センサ32が角度センサ(ポテンショメータ)の場合である。
図3〜5で説明した直進制御は、a)トラクタ1が直進作業状態のときの作業部13の方向を基準の方向(イ)として設定し、b)トラクタ1等の旋回により農作業機2全体の方向が変化するとその角速度変化をジャイロにて検出し、c)検出した角速度出力に基づき、回動角度(θ:方向変化量)を算出し、d)基準の方向からの変化量分をポテンショ検出値に合算し、回動目標値として方向調整アクチュエータ22を駆動する。以後は、b→dの繰返しで自動的にイの方向を向くように作業部13の方向を制御する。
図6、7で説明した方向修正制御は、上記の直進制御中に、具体例2の方向修正制御を行うものである。
【0029】
〈具体例4〉
具体例4は、第1センサ31及び第2センサ32を使用し、第1センサ31が角速度センサ(ジャイロスコープ)、第2センサ32が角度センサ(ポテンショメータ)の場合である。
図3〜5で説明した直進制御は、具体例3と同様である。
図6、7で説明した方向修正制御は、具体例3の直進制御中に、具体例1の方向修正制御を行うものである。
【0030】
〈具体例5〉
具体例5では、第1センサ31のみ使用し、第1センサ31が方位センサのみの場合である。
図3〜5で説明した直進制御は、作業部13の回動角度を方位センサの検出値より算出するもので、a)トラクタ1が直進作業状態のときの作業部13の方向を基準の方向(イ)として設定し、b)トラクタ1等の旋回により農作業機2全体の方向が変化すると変化後の方向を方位センサにて検出し、c)検出した方向と基準の方向の差から回動角度(θ:方向変化量)を算出し、d)基準の方向からの変化量を修正するように方向調整アクチュエータ22を駆動する。以後は、上記b→dの繰返しで自動的にイの方向を向くように作業部13の方向を制御する。
図6、7で説明した方向修正制御は、上記b→dの繰返しによる自動制御中に、e)作業者が操作部27で、方向修正スイッチ27a、27bを押し、f)方向修正スイッチ27a、27bを押している間のみ、方向調整アクチュエータ22を操作通りに駆動し、g)方向修正スイッチ27a、27bが押されている間の回動角度(α:方向修正量)を方位センサで検出し、h)方向修正分(α)の直進制御はキャンセルして、方位センサが検出した修正後の方向を新たな基準の方向(イ´)に再設定する。以後は、上記b→dの繰返しに戻り、新たな基準の方向イ´に作業部13の方向を制御する。
【0031】
〈具体例6〉
具体例6では、第1センサ31のみ使用し、第1センサ31が方位センサの場合である。
図3〜5で説明した直進制御は、作業部13の向いている方向を方位センサで検出するもので、a)トラクタ1が直進作業状態のときの作業部13の方向を基準の方向(イ)として設定し、b)トラクタ1等の旋回による農作業機2全体の方向変化を方位センサにて検出し、c)方位センサの検出値が基準の方向を向くように、方向調整アクチュエータ22を駆動し、以後は、上記b→cの繰返しで自動的にイの方向を向くように作業部13の方向を制御する。
図6〜8で説明した方向修正制御は、上記b→cの繰返しによる自動制御中に、e)作業者が操作部27で、方向修正スイッチ27a、27bを押す。f)方向修正スイッチ27a、27bを押している間のみ、方向調整アクチュエータを操作通りに駆動し、g)方向修正スイッチ27a、27bが離れた瞬間の方位センサが検出した修正後の方向を新たな基準の方向(イ´)に再設定する。以後は、上記b→cの繰返しに戻り、新たな基準の方向イ´に作業部13の方向を制御する。
【0032】
〈具体例7〉
具体例7では、第1センサ31のみ使用し、第1センサ31が方位センサの場合である。
図3〜5で説明した直進制御は、具体例5と同様である。
図6、7で説明した方向修正制御は、具体例5の直進制御中に、具体例6の方向修正制御を行うものである。
【0033】
〈具体例8〉
具体例8では、第1センサ31のみ使用し、第1センサ31が方位センサのみの場合である。
図3〜5で説明した直進制御は、具体例6と同様である。
図6、7で説明した方向修正制御は、具体例6の直進制御中に、具体例5の方向修正制御を行うものである。
【0034】
〈具体例9〉
具体例9は、第1センサ31及び第2センサ32を使用し、第1センサ31が方位センサで、第2センサ32が角度センサの場合(ポテンショメータ)である。作業部13の向いている方向は方位センサの検出結果から算出し、方向調整アクチュエータ22による支持フレーム11,12(オフセットフレーム12)に対する作業部13の回動角度はポテンショで検出するものである。
図3〜5で説明した直進制御は、作業部13の回動角度を方位センサの検出値より算出するもので、a)トラクタ1が直進作業状態のときの作業部13の方向を基準の方向(イ)として設定し、b)トラクタ1等の旋回により農作業機2全体の方向が変化すると変化後の方向を方位センサにて検出し、c)検出した方向と基準の方向の差から回動角度(θ:方向変化量)を算出し、d)基準の方向からの変化量分をポテンショ検出値に合算し、回動目標値として方向調整アクチュエータ22を駆動する。以後は、上記b→dの繰返しで自動的にイの方向を向くように作業部13の方向を制御する。
図6、7で説明した方向修正制御は、上記の直進制御中に、具体例2の方向修正制御を行うものである。
【0035】
〈具体例10〉
具体例10は、第1センサ31及び第2センサ32を使用し、第1センサ31が方位センサで、第2センサ32が角度センサの場合(ポテンショメータ)である。
図3〜5で説明した直進制御は、具体例9と同様である。
図6、7で説明した方向修正制御は、具体例9の直進制御中に、具体例5の方向修正制御を行うものである。
【0036】
〈具体例11〉
具体例11は、第1センサ31及び第2センサ32を使用し、第1センサ31が方位センサで、第2センサ32が角度センサの場合(ポテンショメータ)である。
図3〜5で説明した直進制御は、具体例9と同様である。
図6、7で説明した方向修正制御は、具体例9の直進制御中に、具体例6の方向修正制御を行うものである。
【0037】
〈具体例12〉
具体例12は、第1センサ31及び第2センサ32を使用し、第1センサ31が方位センサで、第2センサ32が角度センサの場合(ポテンショメータ)である。
図3〜5で説明した直進制御は、具体例5と同様である。
図6、7で説明した方向修正制御は、具体例5の直進制御中に、具体例2の方向修正制御を行うものである。
【0038】
〈具体例13〉
具体例13は、第1センサ31及び第2センサ32を使用し、第1センサ31が方位センサで、第2センサ32が角度センサの場合(ポテンショメータ)である。
図3〜5で説明した直進制御は、具体例6と同様である。
図6、7で説明した方向修正制御は、具体例6の直進制御中に、具体例2の方向修正制御を行うものである。
【0039】
以下に、上述した以外の他の具体例について説明する。
【0040】
〈他の具体例1〉
方向調整アクチュエータ22のストロークを検出するストロークセンサを使用し、方向調整アクチュエータ22の動作量から、作業部13の姿勢(支持フレーム11、12に対する回動角度など)を検出する。また、回動モータによって、作業部13が回動するときは、回動モータに角度センサ(ロータリエンコーダ)を使用してもよい。
【0041】
〈他の具体例2〉
距離センサを使用し、支持フレーム11、12の所定箇所と作業部13の所定箇所間の距離を検出して作業部13の回動角度を算出する。距離センサの例として、ストロークセンサ、超音波距離センサ、電磁波距離センサ、それぞれのGPS情報から距離を算出するシステム、があげられる。
【0042】
〈他の具体例3〉
作業部13の所定箇所の加速度を検出して、作業部13の回動角度を算出することができる。
【0043】
〈他の具体例4〉
トラクタ1または農作業機2の本体側の角速度をジャイロで検出し、農作業機2の回動角度を算出。作業部13の支持フレーム11、12に対する回動角度の検出も同時に行い自動で方向制御を行う。
【0044】
〈他の具体例5〉
トラクタ1または農作業機2本体にGPSシステムを搭載しその位置情報を得て農作業機2の回動角度を算出する。作業部13の支持フレーム11、12に対する回動角度の検出も同時に行い自動で方向制御を行う。
【0045】
〈他の具体例6〉
トラクタ1から得る情報(車速情報+舵角情報)から農作業機2の回動角度を算出。作業部13の支持フレーム11、12に対する回動角度の検出も同時に行い自動で方向制御を行う。
【0046】
以上説明したように、本発明は、簡単に方向修正制御をすることができるので、様々な圃場の形に合わせた対応をすることができる。なお、図6、7では内側に曲がっている畦を示したが、外側に曲がっている畦でも作業部13の回動を逆に操作することで簡単に方向修正し、その後、直進制御させることができる。また、上述した角度センサ(第2センサ32)は、支持フレーム11、12に対する作業部13の角度を直接検出するため、上述した制御の正確性をあげることができる。さらに、作業部13の姿勢の状態を検知するセンサとしても併用可能である。
【0047】
また上記の本発明を実施するための形態は、農作業機2は畦塗り機を例に示したが、これ以外に、フレームに対して農作業を行う作業部が回動する機構が適用できる農作業機であれば適用可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 トラクタ
2 農作業機
5、5’ 畦
11 装着フレーム
12 オフセットフレーム
12a 第1支点
12b 第2支点
13 作業部
14 耕耘部
15 整畦部
16 上面削り部
21 オフセットアクチュエータ
22 方向調整アクチュエータ
26 制御部
27 操作部
27a 方向修正スイッチ(縮)
27b 方向修正スイッチ(伸)
31 第1センサ
32 第2センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタに装着され農作業を行う農作業機において、
トラクタに装着する支持フレームと、前記支持フレームに対して回動可能に支持され農作業を行う作業部と、前記作業部を前記支持フレームに対して回動させるアクチュエータと、制御部と、方向修正スイッチを有する操作部と、前記作業部に設置されるセンサとを備え、
前記制御部は、前記センサからの情報から前記作業部の方向が基準の方向に一定になるように前記アクチュエータを制御し、前記方向修正スイッチが操作された場合、前記アクチュエータを駆動させ、当該操作が終了したときの前記作業部の方向を新たな基準の方向とすることを特徴とする農作業機。
【請求項2】
請求項1に記載の農作業機において、
前記センサは、角速度センサ、又は、方位センサであること特徴とする農作業機。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の農作業機において、
第2のセンサを有し、前記第2のセンサは、前記支持フレームの前記作業部に対する状態を検出し、前記制御部は、前記第2のセンサからの情報も加味して、前記制御を行うことを特徴とする農作業機。
【請求項4】
請求項3に記載の農作業機において、
前記第2のセンサは、前記支持フレームの前記作業部に対する角度を検出する角度センサであることを特徴とする農作業機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−19444(P2011−19444A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166602(P2009−166602)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【Fターム(参考)】