説明

送りベクトルを自動的にまたはオペレータ直感的に調節する地盤締固め装置

振動プレートは起振装置(2)を有している。この起振装置(2)は、力作用方向が複数の位置、特に2つよりも多くの位置に調整可能となるように制御可能である。さらに、振動プレートの最大限に可能な送りが達成される位置に力作用方向が調整されるように起振装置(2)を制御するための送り調整装置が設けられている。力作用方向は、振動プレートの周辺の変化、特に接地プレート(1)によって締め固めたい路床の勾配および/または強度の変化に関連して可変である。これに対して択一的には、力作用方向が、オペレータの意思に関連して可変である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動プレートであって、駆動装置を有する上側質量体が設けられており;該上側質量体にばね装置を介して結合された、起振装置と接地プレートとを有する下側質量体が設けられており;起振装置によって、所定の合成力作用方向を備えた振動が発生可能であり;起振装置が制御可能であり、これによって、力作用方向が、複数の位置、特に2つよりも多くの位置に調整可能であり;制御命令をオペレータによって入力するための操作エレメントが設けられており;該操作エレメントが、送り調整装置に接続されており、これによって、制御命令が、送り調整装置に伝送可能であり;力作用方向が、オペレータの制御命令に関連した送り調整装置による制御によって可変である形式のものに関する。
【0002】
さらに、本発明は、振動プレートであって、駆動装置を有する上側質量体が設けられており;該上側質量体にばね装置を介して結合された、起振装置と接地プレートとを有する下側質量体が設けられており;起振装置によって、所定の合成力作用方向を備えた振動が発生可能であり;起振装置が制御可能であり、これによって、力作用方向が、複数の位置、特に2つよりも多くの位置に調整可能であり;力作用方向が、オペレータの制御命令に関連した送り調整装置による制御によって可変であり;制御命令をオペレータによって入力するための操作エレメントが設けられている形式のものに関する。
【0003】
さらに、本発明は、振動プレートであって、駆動装置を有する上側質量体が設けられており;該上側質量体にばね装置を介して結合された、起振装置と接地プレートとを有する下側質量体が設けられており;起振装置によって、所定の合成力作用方向を備えた振動が発生可能であり;起振装置が、送り調整装置によって制御可能であり、これによって、力作用方向が、複数の位置、特に2つよりも多くの位置に調整可能である形式のものに関する。
【0004】
さらに、本発明は、発生させられた振動の力作用方向が可変である起振装置を備えた振動プレートの送り速度を最大化するために方法に関する。
【0005】
地盤締固めのための振動プレートは、通常、下側質量体と、この下側質量体にばね装置を介して結合された上側質量体とを有している。下側質量体は、特に地盤を締め固める接地プレートと、この接地プレートを負荷する起振装置とを有している。上側質量体は、たとえば駆動装置に属していてよい。
【0006】
切換可能な振動プレート、すなわち、走行方向が少なくとも前進方向および後進方向に切換可能である振動プレートは、通常、いわゆる「二軸テクノロジ」で形成される。このような形式の機械は、遠隔制御装置を介して操作可能であるかまたはハンドガイド式である。このハンドガイド式の振動プレートでは、上側質量体にガイドコラムが取り付けられている。このガイドコラムのヘッドには、走行方向制御エレメントが設けられている。この走行方向制御エレメントによって、特に振動発生機を制御することができ、これによって、この振動発生機が、オペレータによって所望された方向に向けられた水平な作用方向を有する合成力を伴った振動を発生させる。さらに、走行方向制御エレメントは、たいてい、頑丈に形成されており、これによって、オペレータがマニュアル式の力導入によって振動プレートの走行方向に影響を与えることもできるし、完全に振動プレートを操舵することもできる。
【0007】
二軸テクノロジにおける振動プレートでは、下側質量体に配置された振動発生機が、逆方向に回転可能な2つのアンバランス軸を有している。両アンバランス軸は形状接続的に回転可能に互いに連結されており、これによって、前方の軸が後方に回転し、後方の軸が前方に回転する。両軸によって支持されたアンバランス体は出発位置で90゜だけ相対的に回動させられている。
【0008】
図1には、公知先行技術に基づき公知の振動プレートの側面図が概略的に示してある。接地プレート1には、前方のアンバランス軸2と後方のアンバランス軸3とから形成された振動発生機が配置されている。複数のばねから成るばね装置4を介して、上側質量体5が接地プレート1に結合されている。上側質量体5には、振動発生機のための駆動装置(図示せず)が設けられている。さらに、上側質量体5には、操作エレメント7を備えたコラム6が取り付けられている。
【0009】
振動発生機では、アンバランス軸2,3にそれぞれアンバランス体8,9が取り付けられている。このアンバランス体8,9は、図1に示した出発位置では、互いに90゜だけ回動させられている。アンバランス軸2,3の逆方向の回転によって、合成力ベクトル10が生ぜしめられる。この合成力ベクトル10は、あらゆる時点で45゜だけ地盤表面、すなわち、接地プレート1によって規定された平面に対して傾けられている。主として接地プレート1と振動発生機とによって形成された下側質量体の打撃が地盤締固めに繋がる。通常存在する全アンバランス力のうち、角度位置に基づき、その都度約70%が締固め(鉛直方向の力作用)と送り(水平方向の力作用)とのために使用される。
【0010】
両アンバランス体8,9の一方は、最大180゜だけ所属のアンバランス軸2,3で回動させられてよい。これに対して択一的には、全体的に両アンバランス軸2,3の間の位相が変化させられてもよい。これによって、前進制御および後進制御の可能性と、100%の締固め作用であるものの、水平方向運動なしの定置振動の可能性とが生ぜしめられる。
【0011】
図2には、図1に類似して概略図で振動プレートが示してある。この場合、アンバランス体9を備えたアンバランス軸3の位相が、図1に示した位置に対して180゜だけ変化させられている。これによって、合成力ベクトル10が生ぜしめられる。この合成力ベクトル10は、主として、接地プレート1に対して45゜の角度で後方に向けられていて、したがって、振動プレートの後進走行を生ぜしめる。振動発生機における位相の相応の変化は、公知の形式で操作エレメント7の操作、すなわち、後方への操作エレメント7の引張によって生ぜしめられている。
【0012】
両アンバランス体8,9もしくは両アンバランス軸2,3の間の位相を変化させるためには、通常、ねじれスリーブが使用される。このねじれスリーブは、たとえば調節したいアンバランス体が軸方向で螺旋溝に沿ってガイドされ、これによって、相応の回動角を被るように形成されている。ねじれスリーブの代わりに、別の調節部材、たとえばディファレンシャル伝動装置または遊星歯車伝動装置も知られている。この技術は数年来知られているので、詳しい説明は省略する。
【0013】
特定の使用事例(たとえばほとんど締め固めることができない材料上での走行、たとえば砂上での走行、アスファルト構造時の走行または舗装振動時の走行)では、振動プレートの締固め作用よりも、振動プレートの迅速な送りが重要となる。実際、このような事例では、時折、合成力ベクトル10がより緩傾斜に延びるように、軸2,3に設けられた両アンバランス体8,9の間の角度が変化させられれば十分である。図3には、例として、アンバランス体8,9の相対位置が示してある。この相対位置では、45゜よりも小さい力作用角を備えた合成力ベクトル10が生ぜしめられる。これに相応して、力ベクトル10は、より大きな水平方向成分を有している。この水平方向成分は、より強い送り作用を達成する。逆に、力ベクトル10の鉛直方向成分は減少させられ、これによって、締固め作用が相応により僅かとなる。
【0014】
図3に示した、力ベクトル10のより緩傾斜の位置は、たとえば両アンバランス軸2,3の間の1:1伝動装置に設けられた歯1つまたはそれ以上の分だけのアンバランス軸2,3の「掛回り」によって生ぜしめることができる。別の可能性は、180゜よりも大きな角度回動を生ぜしめる、より急傾斜の傾きを備えたねじれスリーブの使用にある。
【0015】
歯1つまたはそれ以上の分だけのアンバランス軸2,3の掛回り時には、力ベクトルの水平方向成分の増加を一方でのみ、有利には前進方向でのみ達成することができる。これに対して、他方では、図4に認めることができるように、水平方向成分が減少させられる。図4では、アンバランス軸2,3が、図3に示した位置から出発して、後進走行で旋回させられている。この後進走行時の力ベクトル10の大きな鉛直方向割合に基づき、振動プレートが極めて非静粛性に走行する。これによって、アスファルトまたは舗装構造での使用が不可能にされる。
【0016】
この事例では、ガイド溝のより急傾斜の傾きを備えたねじれスリーブが有利である。このねじれスリーブによって、図5に概略的に示したように、後進走行時でも、より迅速な送りが、前進方向への送りに相応して可能となる。
【0017】
両構成では、鉛直方向の締固め力成分と同時に、個々の締固め衝撃の間に地盤からの接地プレート1の持上りを生ぜしめる力成分も減少させられることが不利である。なぜならば、十分に大きな鉛直方向力成分の場合にしか、接地プレートを、締め固めたい地盤から跳ね返すことができず、所望の形式で前方に運動させることができないからである。平らな地盤では、このことは、力ベクトル10の角度調節の広域の範囲内で臨界的ではない。しかし、勾配が乗り越えられなければならなくなると、下側質量体を、前方に向けられた水平方向力作用の結果、勾配に合わせて上向きに運動させることができるように、下側質量体を地盤から持ち上げるために、しばしば、鉛直方向の力作用がもはや不十分となる。
【0018】
図6には、緩傾斜に調整された力ベクトル10(力作用角<45゜)を備えた振動プレートが勾配を登るような使用事例が示してある。この配置では、運動方向への力成分(接地プレート1に対する水平方向成分)が高められているにもかかわらず、振動プレートが停止する確率が大きい。この効果は、振動プレートのオペレータにしばしば認識され得ず、その他の点では、効果的な作用の妨げとなる。
【0019】
本発明の課題は、送り速度を周辺条件の変化またはオペレータ意思に関連して最適化することができるかもしくは最大化することができる振動プレートを提供することである。さらに、振動プレートの送り速度を最大化するための方法が提供されなければならない。
【0020】
この課題を解決するために本発明の第1の振動プレートでは、オペレータの制御命令が最大の送り速度を要望する場合に、地面での当該振動プレートの最大限に可能な送り速度が達成される位置に力作用方向が常に調整されるように、起振装置を制御するための送り調整装置が形成されており;力作用方向が、当該振動プレートの周辺の変化、特に接地プレートによって締め固めたい路床の勾配および/または強度の変化に関連した送り調整装置による制御によって可変であるようにした。
【0021】
本発明の振動プレートの有利な構成によれば、送り調整装置が、水平線に対する接地プレートの傾角を認識するための勾配認識装置を有しており;接地プレートに対する力作用方向の角度を接地プレートの傾角に関連して調整するための調整装置を有している。
【0022】
本発明の振動プレートの有利な構成によれば、力作用方向の、調整したい角度が、傾角の認識時に最大の送り速度を付与する角度である。
【0023】
さらに、前述した課題を解決するために本発明の第2の振動プレートでは、送り調整装置が、操作エレメントに対して付加的にオペレータ意思認識装置を有しており;該オペレータ意思認識装置が、オペレータによって操作エレメントにかつ/または別の操作エレメントに加えられた、少なくとも1つの空間方向への力を検出するための少なくとも1つの力測定装置を有しており;該力測定装置によって検出された力が、操作エレメントの規定通りの操作のために必要となる力よりも大きい場合に、送り調整装置が、力作用方向を、設定された調整に相応して変化させるようになっているようにした。
【0024】
本発明の振動プレートの有利な構成によれば、力測定装置によって、複数の空間方向への複数の力が別個に検出可能である。
【0025】
本発明の振動プレートの有利な構成によれば、力測定装置によって、別個に検出された力に基づき、別個に処理したい力信号が発生可能であり;送り調整装置が、制御装置を有しており、該制御装置によって、力信号が評価可能であり、これによって、各力信号を生ぜしめる力の量および/または方向に関連して、起振装置の力方向が変化させられるようになっている。
【0026】
本発明の振動プレートの有利な構成によれば、当該振動プレートが、コラムを有しており、該コラムに、オペレータによってガイドするための少なくとも1つの操作エレメントが設けられている。
【0027】
本発明の振動プレートの有利な構成によれば、操作エレメントまたは制御エレメントが、当該振動プレートの前進走行および/または後進走行を設定するために働くようになっており、起振装置による力作用方向が、相応に前進方向または後進方向への水平な力成分を備えた操作エレメントまたは制御エレメントの信号に関連して調整可能である。
【0028】
本発明の振動プレートの有利な構成によれば、オペレータによって操作エレメントに加えられた力が、設定された限界値を上回らない場合に、基準レベルと見なされる接地プレートに対する力作用方向の力作用角が、設定された標準力作用角に調整可能である。
【0029】
本発明の振動プレートの有利な構成によれば、前進走行が選択されていて、オペレータによって操作エレメントにほぼ下方に向けられて加えられた力が、設定された限界値を上回るかまたは特定の期間にわたって平均的に上昇している場合に、基準レベルと見なされる接地プレートに対する力作用方向の力作用角が、より急傾斜に、特に設定された標準力作用角よりも急傾斜に調整可能であるように、送り調整装置が形成されている。
【0030】
本発明の振動プレートの有利な構成によれば、後進走行が調整されていて、オペレータによって操作エレメントにほぼ上方に向けられて加えられた力が、設定された限界値を上回るかまたは特定の期間にわたって平均的に上昇している場合に、基準レベルと見なされる接地プレートに対する力作用方向の力作用角が、より急傾斜に、特に設定された標準力作用角よりも急傾斜に調整可能である。
【0031】
本発明の振動プレートの有利な構成によれば、前進走行が調整されていて、オペレータによって操作エレメントにほぼ前方に前進方向に向けられて加えられた力が、設定された限界値を上回るかまたは特定の期間にわたって平均的に上昇している場合に、基準レベルと見なされる接地プレートに対する力作用方向の力作用角が、より緩傾斜に、特に設定された標準力作用角よりも緩傾斜に調整可能である。
【0032】
本発明の振動プレートの有利な構成によれば、後進走行が調整されていて、オペレータによって操作エレメントにほぼ後方に後進方向に向けられて加えられた力が、設定された限界値を上回るかまたは特定の期間にわたって平均的に上昇している場合に、基準レベルと見なされる接地プレートに対する力作用方向の力作用角が、より緩傾斜に、特に設定された標準力作用角よりも緩傾斜に調整可能である。
【0033】
本発明の振動プレートの有利な構成によれば、標準力作用角よりも急傾斜であるかまたは緩傾斜である力作用角が調整されている事例において、オペレータによって操作エレメントに加えられた力が、設定された限界値をもはや上回らないかまたはもはや特定の期間にわたって平均的に上昇していない場合でも、力作用角がコンスタントに維持可能であるように、送り調整装置が形成されている。
【0034】
本発明の振動プレートの有利な構成によれば、オペレータによって操作エレメントに加えられた、設定された限界値を上回る当初の力と逆方向に作用する力が、設定された別の限界値を上回るかまたは特定の間にわたって平均的に上昇している場合に、力作用角が、逆方向に作用する力の方向に、設定された旋回角だけ複数回のステップでまたは連続的に旋回させられるように、送り調整装置が形成されている。
【0035】
さらに、前述した課題を解決するために本発明の第3の振動プレートでは、送り調整装置が、目下の送り速度および/または送り速度の変化を検出するための速度検出装置を有しており;目下の送り速度を、最後に検出された送り速度と比較しかつ/または、当該振動プレートの送り速度の増加または減少が確認可能であるように、送り速度の変化を評価するための評価装置を有しており;送り速度の増加の確認時に、同じ旋回方向への力作用方向の更なる変化が生ぜしめられ、送り速度の減少の確認時に、逆の旋回方向への力作用方向の変化が生ぜしめられるように、力作用方向を旋回方向に変化させるための変化装置を有しているようにした。
【0036】
さらに、前述した課題を解決するために本発明の方法では、a)オペレータによって設定された方向意思に相応の水平方向の力割合を有する力作用方向を備えた方向意思に関連して振動プレートを走行させ;b)目下の送り速度および/または送り速度の変化を検出し;c)目下の送り速度を、最後に検出された送り速度と比較しかつ/または、振動プレートの送り速度の増加または減少が確認されるように、送り速度の変化を評価し;d)送り速度の増加が確認される場合に、力作用方向を小さな角度ステップでまたは連続的に先の変化と同じ旋回方向に変化させ;e)送り速度の減少が確認される場合に、力作用方向を小さな角度ステップで、先の旋回方向と逆の旋回方向に変化させ;f)ステップb)〜f)を繰り返すようにした。
【0037】
本発明による振動プレートは、オペレータの制御命令が最大の送り速度を要望する場合に、地面での振動プレートの最大限に可能な送り速度が達成される位置に力作用方向が常に調整されるように、起振装置を制御するための送り調整装置が設けられていることによって特徴付けられている。この場合、力作用方向は、振動プレートの周辺の変化、特に接地プレートによって締め固めたい路床の勾配および/または強度の変化に関連した送り調整装置による制御によって可変である。
【0038】
したがって、送り調整装置によって、起振装置に対する適切な位置を設定することが可能となり、これによって、周辺条件(地盤の勾配、締固め度、強度)により設定されたその都度の使用事例に対して最良に適していて、特にオペレータによって所望されている場合に、最大の送り速度を可能にする力作用方向が生ぜしめられる。
【0039】
驚くべきことに、振動プレートの送り速度が、それぞれ異なる強さに傾けられた区間で各力作用角に著しく関連していることが分かった。
【0040】
平らな地盤(勾配0゜)での走行時には、20゜〜30゜の間の力作用角が最大の送り速度に繋がる。これに対して、ほんの5゜の路床の勾配では、最適な力作用角が約40゜である一方、最適な力作用角は、10゜の路床の勾配では、最大の送り速度を達成するために、約60゜でなければならない。
【0041】
予期したように、勾配の増加につれて、最大限に達成したい送り速度が減少する。しかし、この場合、驚くべきことには、最大の送りを達成することができる最適な力作用角が、より大きな勾配でより高い角度に向かってシフトされる。したがって、勾配を有する現地盤では、単に不変に調整された力作用角(たとえば45゜)を備えた振動プレートを設けることが不適切となる。この場合、最良の送りが達成されないかもしくは振動プレートによって、本来まだ乗り越えることができるであろう勾配を乗り越えることができない。45゜の力作用角と、すでに10゜の勾配とでは、送り速度が0に達し得る。
【0042】
しかし、アンバランス軸の角度位置の適切な操作によって、それぞれ異なる傾角に対して、それぞれ1つの最適な力作用角を発見することができ、これによって、現地盤のある程度の限界勾配まで常に送りが可能となる。この場合、オペレータが所望し、たとえば操作エレメントを介して振動プレートに「伝達」した限り、振動プレートに格納された、「機械の長手方向勾配」もしくは「接地プレートの傾角」と、「合成力ベクトルの角度」との不変の対応関係が、最大の送り速度を達成するという目的で特に実用的な意味を有している。
【0043】
図7には、比較的大きな勾配にもかかわらず、送りを達成するために、45゜を上回る力作用角を備えた力ベクトル10を、オペレータが、操作エレメント7による供給された制御によって達成する、改善された登坂特性を備えた上述した振動プレートが示してある。
【0044】
しかし、オペレータに対して、実際には、それぞれ異なる勾配でさらに送りが発生させられるかもしくは送りがその都度最大化されるように、力ベクトルを、オペレータに提供された制御エレメントの操作によってオペレータの位置に関して適合させるかもしくは変化させることは困難である。この役割は、一般的に不適切にしか訓練されなかった、作業期間が進むにつれてますます集中しなくなるオペレータに対して過剰要求となる。
【0045】
本発明による振動プレートは、ここでは、送り調整装置が、オペレータが所望する場合に、常に振動プレートの最大限に可能な送りを達成することができるように、力作用方向をその都度調整することができることによって助成される。これに相応して、最大限に可能な送りとは、付与された条件(たとえば勾配)下で振動プレートによって最も有利な事例で達成することができる送りもしくは送り速度と解されたい。本発明による振動プレートは、オペレータが操作エレメントを介して相応の制御命令を付与し、これによって、最大限の送りに対するオペレータの意思を報知した限り、最大限に可能な送りを達成するかもしくはコンスタントに維持するための措置を自動的に講じる。
【0046】
当然ながら、オペレータには、操作エレメントを介して、振動プレートの最大の送りを要望しない制御命令を付与することも自由である。オペレータは、起振装置の構成に応じて、減少させられた送り速度、逆方向への走行または振動プレートの操舵運動を生ぜしめる力作用角を調整することもできる。この限りにおいて、オペレータは、公知先行技術に基づき公知であるように、相変わらず振動プレートの制御のためのあらゆる可能性を有している。しかし、オペレータが厳密に振動プレートの最大の送りを所望する場合には、送り調整装置が相応の措置を自動的に講じ、振動プレートの周辺の変化、すなわち、たとえば路床の勾配の変化と無関係に常に最大限に可能な送り速度を達成する。
【0047】
振動プレートに最大限に可能な送り速度を達成させたいというオペレータの意思は、たとえばオペレータが操作エレメント(たとえばレバー)を押圧点(たとえばプッシュスイッチ)に向かって押圧するかもしくは押圧点を乗り越えることによって伝達することができる。これに対して、押圧点が操作エレメントによって乗り越えられない場合には、力作用角の調整は、操作エレメントの位置と合成力作用方向との間の通常の(たとえば線形の)関係に従う。この場合、常に最大限に可能な送り速度が達成されるような力作用方向の自動的な調整は排除されている。
【0048】
この場合、力作用方向が、振動プレートの周辺の変化、特に接地プレートによって締め固めたい路床の勾配および/または強度の変化に関連した送り調整装置による制御によって可変であると特に有利である。
【0049】
これによれば、送り調整装置が、水平線に対する接地プレートの傾角を認識するための勾配認識装置を有しており、こうして、振動プレートが平面でまたは勾配で運動させられることが規定されると有利であり得る。さらに、送り調整装置は、接地プレートの傾角に関連した接地プレートに対する力作用作用の、力作用角と呼ばれる角度を調整するための調整装置を有している。この目的のためには、送り調整装置に、相応のデータを備えた表が格納されてよい。検出された傾角ひいては確認された勾配に応じて、起振装置に対する、最大限の送り作用を生ぜしめる最適な力作用角が設定される。
【0050】
請求項4に規定された本発明の別の構成では、公知先行技術のように、力作用方向が、オペレータの制御命令に関連した送り調整装置による制御によって可変である。この場合、制御命令はオペレータによって操作エレメントを介して入力され得る。本発明によれば、送り調整装置が操作エレメントに対して付加的に別のオペレータ意思認識装置を有している。このことは、操作エレメント(たとえばハンドグリップ、レバー、キー、ジョイスティック)の位置の慣用の評価のほかに、オペレータ意思を一層良好に認識するために、別の評価が行われることを意味している。このためには、オペレータ意思認識装置が少なくとも1つの力測定装置を有している。この力測定装置によって、オペレータから操作エレメントおよび/または別の操作エレメントに加えられた、少なくとも1つの空間方向への力を検出することができる。力測定装置によって検出された力が、操作エレメントの規定通りの操作のために必要となる力よりも大きい場合には、このことは、送り調整装置によって、オペレータが、操作エレメントの調節によって単に達成した作用でまで満足していないと解釈される。むしろ、この場合、送り調整装置は、オペレータがより強い効果を望んでいることを想定する。
【0051】
オペレータが、たとえば操作エレメントとして働く操作レバーを前方に押し進め、この操作レバーを、高められた力でさらに前進方向に押圧すると、送り調整装置はこの挙動を、オペレータが振動プレートのより迅速な送りを望んでいると解釈する。これに相応して、送り調整装置は、技術的にまだ可能である限り、送り速度を高めるための措置を講じることができる。
【0052】
力測定装置によって検出された力が、操作エレメントの規定通りの操作のために必要となる力よりも大きい場合には、送り調整装置が力作用方向を、設定された調整に相応して変化させる。これによって、オペレータから操作エレメントの操作により明確に報知されなかったオペレータ意思の解釈によって、送り速度を最大化することができる。この場合、特に障害物(勾配)の場合にオペレータに生ぜしめられる直感的な反応を検出し、ここから、振動プレートに対して相応の結論を引き出し、振動発生機における調整を行うことが可能となる。
【0053】
力測定装置は、オペレータが、制御命令を入力するために働く操作エレメントに加える力を検出するために形成されていてよい。しかし、これに対して択一的には、少なくとも2つの操作エレメント、つまり、制御命令をオペレータによって入力するための第1の操作エレメント(たとえば操作レバー)と、オペレータが把持および力の導入によって振動プレートをガイドすることができる第2の操作エレメント(たとえばハンドグリップ)とを有する振動プレートも知られている。すなわち、こうして、オペレータが、1つには、自身の制御命令を第1の操作エレメント(たとえばジョイスティック)を介して送り調整装置に伝送しかつ付加的に第2の操作エレメント(ハンドグリップ)を介して、補正して振動プレートの継続運動に影響を与えることが可能となる。この場合、力測定装置は、有利には、第2の操作エレメントに作用する力も検出しかつオペレータ意思として解釈し、これによって、引き続き、送り調整装置によって、設定された調整に相応して、振動発生機の力作用方向を変化させることができるように形成されている。
【0054】
有利には、送り調整装置が、この目的のために、オペレータ意思認識装置を有している。このオペレータ意思認識装置は、オペレータから操作エレメントに加えられた、少なくとも1つの空間方向への力を検出するために、力測定装置を有していてよい。
【0055】
有利には、力測定装置によって、オペレータにより加えられた、複数の空間方向への複数の力が別個に検出可能となる。
【0056】
オペレータが直感的に、コラムの端部またはU字形のガイド部材に取り付けられていてよい操作エレメントにおける押圧または引張りによって、振動プレートにより迅速な送りを「獲得させる」ことを試みることが分かった。したがって、オペレータは、操作エレメントにおける押圧または引張りによって送り速度に影響を与えることを試みる。振動プレートが、特に勾配の形の障害物に対峙している場合には、オペレータが操作エレメントひいてはコラム端部の押下げによって振動プレートを、上昇を容易にするために、ベビーカーに類似して、前方で持ち上げる。これに対して、後進走行時には、オペレータがコラム端部を、振動プレートが障害物をより容易に乗り越えることができるように持ち上げる。
【0057】
これに相俟って、コラムとは、「純粋」なコラムだけでなく、ガイド力を振動プレートに加えることをオペレータに可能にするU字形のガイド部材または別のガイド装置と解されたい。
【0058】
しかし、本発明は、コラムガイド式の振動プレートに限定されておらず、遠隔制御式の振動プレートにも同様に使用することができる。ここでも、オペレータは、操作エレメントの直感的な押圧または引張りによって振動プレートの制御に影響を与える可能性を有している。類似の現象は、たとえばコンピュータゲームのゲーマで観察することができる。このゲーマはジョイスティックに力を加える。この力は、ジョイスティックの規定通りの操作のために必要となるであろう力を十分に上回っている。
【0059】
有利には、力測定装置によって、別個に検出された力に基づき、別個に処理したい力信号が発生可能であり、この場合、送り調整装置が制御装置を有しており、この制御装置によって、力信号が評価可能であり、これによって、各力信号を生ぜしめる力の量および/または方向に関連して、起振装置の力方向が変化させられる。こうして、オペレータは、相応の力を操作エレメントに加えることによって送り調整装置の特定の制御反応を達成することができる。この制御反応は振動発生機の所望の調整に繋がる。
【0060】
「操作エレメント」という概念は、オペレータが、振動プレートをガイドするための力を手で導入することができる制御グリップまたはハンドグリップの代わりを成している。この場合、ハンドグリップは、通常、固く組み付けられたグリップを成している。このグリップは専らオペレータに対する把持のために働くのに対して、制御グリップは、1つには、振動発生機に対する制御命令を設定するために可動であり、もう1つには、オペレータによって完全な力使用で引っ張られるかまたは押圧されるために、十分に頑丈に形成されている。さらに、制御エレメントは設定することができる。しかし、この制御エレメントは、振動発生機に対する制御命令の設定のためにしか働かず、オペレータによる比較的大きな機械的な力の吸収のためには働かない。
【0061】
有利には、操作エレメントまたは制御エレメントが、振動プレートの前進走行および/または後進走行を設定するために働き、この場合、起振装置による力作用方向が、相応に前進方向または後進方向への水平な力成分を備えた操作エレメントまたは制御エレメントの信号に関連して調整可能である。したがって、操作エレメントまたは制御エレメントによって、振動プレートを既知の形式で前方にかつ後方に制御することが可能となる。
【0062】
本発明の特に有利な構成では、オペレータによって操作エレメントに加えられた力が、設定された限界値を上回らない場合に、力作用角が、設定された標準力作用角に調整可能である。一般的に、以下、力作用角とは、力作用方向(振動発生機によって発生させられた合成力の作用方向)と、基準レベルと見なされる接地プレートとの間の角度と解されたい。これに相応して、力作用角は最大で90゜であってよい。90゜を越える力作用方向の更なる旋回は、再びより小さな力作用角に繋がる恐れがある。
【0063】
標準力作用角は、相応に向けられた水平方向成分を備えて、オペレータが操作エレメントまたは制御エレメントを介して前進走行または後進走行に対する相応の信号を設定した場合に調整される。
【0064】
本発明の特に有利な構成では、オペレータによって操作エレメントにほぼ下方に向けられて加えられた力が、設定された限界値を上回り、前進走行が選択されている場合に、力作用角が、設定された標準力作用角よりも急傾斜に調整可能であるように、送り調整装置が形成されている。このことは、オペレータが障害物または勾配の出現時に、後方のコラム端部の押下げによって接地プレートの前縁の持上げを達成し、これによって、振動プレートに登坂動作を容易にするための直感的な努力を有する上述した事例に該当する。本発明による送り調整装置は、オペレータのこの苦労を認識し、ここから、勾配が乗り越えられなければならないことを推測する。これに相応して、上述した説明を考慮して、力角が、より急傾斜の角度に調整される。
【0065】
オペレータが、後進走行時に操作エレメントでほぼ上方に引っ張り、この場合、オペレータによって加えられた力が、設定された限界値を上回る別の事例では、力作用角が同じくより急傾斜に調整される。ここでも、オペレータが、後進走行の間のコラムの引上げによって、振動プレートの登坂特性を直感的に改善することを試みる。送り調整装置はこの苦労を、力作用角がより急傾斜に調整されることによってアシストする。
【0066】
送り調整装置によって設定される旋回角調整もしくは旋回角変化は、振動発生機の構成に応じて段階的にまたは連続的に行われてよい。送り調整装置が力作用角を標準力作用角に対して相対的に変化させる量は不変に設定されていてよい。この場合、機械的なまたは電子的なプリプログラミングが可能となる。また、力作用角を連続的により長い期間にわたって変化させることも可能である。さらに、力作用角が複数の段階でその都度より小さな旋回角で変化させられてもよい。主として、この可能性は振動発生機の能力にも関連している。
【0067】
これに対して、オペレータが振動プレートの前進走行時に操作エレメントを前方に前進方向に押圧する場合には、このことは送り調整装置によって、より迅速に走行するためのオペレータの意思と解釈される。これに相応して、力作用角がより緩傾斜に、特に標準力作用角よりも緩傾斜に調整される。これによって、図3に相俟って上述した力作用を達成することができる。
【0068】
相応のことが後進走行に当てはまる。オペレータが操作エレメントを後方に後進方向に引っ張る場合には、オペレータが後進方向への送りの増加を所望している。これに相応して、送り調整装置は、力作用角が、たとえば図5に示したように、より緩傾斜に調整されることを生ぜしめる。
【0069】
設定された標準力作用角よりも急傾斜であるかまたは緩傾斜である変化させられた力作用角が調整されている事例において、オペレータによって操作エレメントに加えられた力が、設定された限界値をもはや上回らない場合でも、変化させられた力作用角がコンスタントに維持されるように、送り調整装置が形成されていると特に有利である。これに相応して、オペレータが、振動プレートの、たとえば所望の迅速な前進走行の開始時にしか操作エレメントを前方に押圧せず、これによって、より緩傾斜の力作用角が生ぜしめられれば十分である。この力作用角は、オペレータが、もはや高められた力を加えない場合でも維持される。同じことが、たとえば同様により急傾斜の力作用角がもはや変化させられない勾配のより長い走行時にも当てはまる。
【0070】
オペレータによって操作エレメントに加えられた、設定された限界値を上回る当初の力と逆方向に作用する力が、設定された別の限界値を上回る場合に、力作用角が、逆方向に作用する力の方向に、設定された旋回角だけ複数回のステップでまたは連続的に旋回させられると特に有利である。このことは、オペレータが、たとえば、まず、迅速な前進走行を所望し、これに相応して、緩傾斜の力作用角が調整された事例に該当する。いまや自動的に調整されたより高い送り速度がオペレータに対して過度に迅速である場合には、オペレータがもはや制御エレメントを介して振動発生機を明確に制御しなくても、オペレータは自動的に操作エレメントで後進方向、すなわち、前進方向と逆方向に引っ張る。操作エレメントでの引張りは送り調整装置によって認識され、これによって、引き続き、再びより急傾斜の力作用角が調整され、振動プレートがその前進走行を減速する。この場合、構成に応じて、後進方向へのオペレータの引張り力がより長く持続している場合には、振動プレートを最終的に水平方向で静止させることが可能となる(力作用角90゜)。
【0071】
最終的に、本発明の改良形では、オペレータによって、相応に長く継続する力が操作エレメントに加えられる場合に、完全な走行方向変化を生ぜしめることも可能である。
【0072】
記載したように、力作用角をより急傾斜に調整するかまたは緩傾斜に調整することに対する基準として、オペレータによって相応の方向に加えられた力による設定された限界値の超過を想定することができる。これに対して択一的または補足的には、オペレータによって加えられた力の上昇時もしくは安定化時または減少時に、相応の作用を発生させるために、オペレータによって加えられた力を特定の期間にわたって平均することも可能である。こうして、特に移動平均値を適切な時間窓の助力下で規定することができ、これによって、平均的にオペレータ力の増加時にもしくは平均されたオペレータ力の維持時にまたは減少時に、上述した手段が送り調整装置によって講じられる。
【0073】
請求項16に記載した本発明の別の構成では、送り調整装置が、目下の送り速度を検出しかつ/または送り速度の変化を検出するための速度検出装置を有している。さらに、目下の送り速度を、最後に検出された送り速度と比較しかつ/または送り速度の変化を評価するための評価装置が設けられており、これによって、振動プレートの送り速度の増加または減少が確認可能となる。さらに、送り速度の増加の確認時に、同じ旋回方向への力作用方向の更なる変化が生ぜしめられるのに対して、送り速度の減少の確認時に、逆の旋回方向への力作用方向の変化が生ぜしめられるように、力作用方向を旋回方向に小さな角度ステップでまたは連続的に変化させるための変化装置が設けられている。
【0074】
こうして、送り速度の自動的な最大化が可能となる。送り調整装置は、力作用角の変化を結果的に招く影響を監視する。力作用角の変化後、送り速度の増加が確認されると、ここから、送り調整装置は、力作用角の更なる変化が同じ形式で送り速度の更なる増加を生ぜしめることを推測する。これに対して、送り速度が減少させられた場合には、送り速度の増加を達成することを見込んで、送り調整装置が力作用方向を逆の形式で旋回させる。
【0075】
送り速度を最大化するための本発明による方法では、このために必要となるステップが実施される。オペレータによって設定された方向意思に関連した振動プレートの走行の間、目下の送り速度(もしくは送り速度の変化)が検出される。この送り速度が、最後に検出された送り速度と比較され、送り速度の増加または減少が確認される。送り速度の増加が確認された場合には、力作用方向が、先の変化と同じ旋回方向に変化させられる。これに対して、送り速度の減少が確認されると、先の旋回方向と逆の旋回方向への力作用方向の変化が生ぜしめられる。これらのステップは、送り速度の最適化を可能にするために、常に繰り返される。
【0076】
最後に説明した、送り速度を最適化するための自動的な調整は、振動プレートの上述したオペレータ直感的な制御または標準的な制御と組み合わせて行われてもよい。たとえば、キーが設けられおり、このキーでオペレータが必要な場合に自動的に最大の送り速度を自動的な調整によって要望することが可能となる。この場合、オペレータは固有の手段から十分に解放される。
【0077】
本発明のこれらの特徴および別の特徴を以下に1つの例につき添付図面を用いて詳しく説明する。
【0078】
本発明による振動プレートは、多くの部分において、すでに図1〜図7に相俟って上述した、公知先行技術に基づき公知の振動プレートに相当している。この限りにおいて、上記説明が当てはまる。
【0079】
振動プレートは、二軸テクノロジまたは三軸テクノロジまたは多軸テクノロジによる自体公知の起振装置を有している。また、アンバランス軸2,3の一方が軸方向で分割されていることも可能である。この場合、軸方向の各部分が固有のアンバランス質量体を支持している。このアンバランス質量体の相対位置は個別に制御可能である。このような形式の振動発生機の場合には、振動プレートの鉛直方向軸線を中心としたヨーモーメントを発生させることができる。このことは、操舵可能性を許容する。三軸振動発生機の場合には、二軸起振機において前方に取り付けられたアンバランス体の一方の半部が後方に移動させられている。これに相応して、力作用ベクトルが二軸起振機および三軸起振機において同一の特性を有している。したがって、本発明は、三軸起振機または多軸起振機で同様に使用することができる。しかし、以下には、便宜上、すでに図1〜図7につき上述したように、二軸振動発生機に関してしか説明しない。
【0080】
本発明による振動プレートにおける振動発生機は、合成力の方向を、一般的に通常であるように、(前進走行および後進走行に対する)両限界位置に調整することができるだけでなく、中間位置にも調整することができるように形成されている。相応に多くの力作用角を実現することができるようにするために、力作用方向が数多くの中間位置に調整可能であると理想的である。
【0081】
図8には、原理図として、本発明による振動プレートの登坂特性のオペレータ直感的な最適化が達成される調整回路が示してある。
【0082】
振動プレートの上側質量体に取り付けられたコラム16には、操作エレメント17が設けられている。この操作エレメント17を介して、オペレータは、自体公知の形式で前進走行および後進走行に対する制御命令を振動発生機に伝送する。操作エレメント17は頑丈なグリップとして形成されていてよい。このグリップは、図8に示した前進位置と、図8に破線で示した後進位置との間で旋回可能である。さらに、オペレータは操作エレメント17を介して、振動プレートをガイドしかつ操舵するための機械的な力を供給することができる。
【0083】
図示していない別の構成では、操作エレメント17が、コラム16に固く取り付けられたハンドグリップである。この場合、振動発生機に対する制御命令は、オペレータによって付加的な制御エレメントを介して入力される。
【0084】
操作エレメント17は力測定装置(図示せず)に接続されている。この力測定装置は、オペレータによって加えられた力を測定する。この場合、それぞれ異なる空間方向を識別することができる(上方、下方、前方、後方)。
【0085】
力測定装置は力信号18を発生させる。この力信号18は中央コンピュータ19に伝送される。この中央コンピュータ19では、測定された操作力から平均値が適切な時間窓の助成下で形成される(図8参照、そこでは、移動平均したい測定値の個数がN個である)。
【0086】
これにより検出された、作用方向に関して区別された力に基づき、オペレータ意思が検出され、振動発生機に対する作動量の形で規定される。振動発生機には、たとえばリニア駆動装置20が設けられていてよい。このリニア駆動装置20はアンバランス体もしくはアンバランス軸を、設定された力作用角21が生ぜしめられるように、所望の形式で制御する。
【0087】
リニア駆動装置20は、各中間角位置を達成することができるようにするために、無段式に調節可能にかつ選択された位置に保持することができることが望ましい。リニア駆動装置20は、たとえばハイドロリック的にまたは電動モータにより駆動することができる。リニア駆動装置20には、固有の迅速な調整回路を付加的に接続することができる。この調整回路は、アンバランス体の、外部から予め選択された相対位置をコンスタントに保持する役割を有している。
【0088】
力作用角21と、振動発生機によって発生させられた振動とに基づき、特にオペレータによって認識される振動プレートの特定の登坂特性が生ぜしめられる。この限りにおいて、オペレータは調整部材として働く。オペレータは自身の意思に応じて操作エレメント17を押圧するかまたは引っ張り、これによって、調整回路を介して、力作用角21ひいては振動プレートの登坂特性の変化または安定化を生ぜしめる。
【0089】
オペレータが振動プレートをより迅速に走行させたい場合には、まさにより大きなプレートの場合、大きな慣性質量に基づき、これによって、ほとんど作用を達成することができないにもかかわらず、オペレータが直感的に強力に前方に操作エレメント17を押圧する(図8参照、そこでは、力がFである)。特に設定された限界値を上回る力で押圧される場合のより強力な押圧(平均されたオペレータ力の増加)は、いま、振動発生機に設けられたアンバランス質量体をある程度の角度量だけ増分的に相対的に調節するために、中央コンピュータ19に対する命令信号として使用することができる。こうして、力作用角をより緩傾斜に調整することができ、これによって、より高い送り速度が達成される。
【0090】
操作エレメント17における操作力は、コラムヘッドに設けられたロードセルによって検出することができる。また、感圧性のハンドグリップを設けることも可能である。基本的には、オペレータの手動力を検出することができるあらゆる種類の圧力検出器もしくは力検出器が適している。ただし、それぞれ異なる作用方向もしくは空間方向における識別が可能となることが望ましい。
【0091】
中央コンピュータ19が、たとえば移動平均値の評価によって、水平方向のオペレータ力Fが操作エレメント17の直感的な後押圧によって平均的に高められたという情報を獲得すると、力作用角がより緩傾斜に調整される。これによって、平面で前進速度が高められる。この機能性は、特に平らな面でより大きな面出力をより高い速度によって獲得したい場合にオペレータをアシストする。前方への全力角の最大限に調整可能な調節は、まだ送りを可能にするために、下側質量体を地盤から持ち上げる鉛直方向の残力がまだ残されているように制限されていなければならない。さもないと、接地プレート1がもはや地盤から持ち上がらず、水平方向の往復運動しか実行しない恐れがある。
【0092】
力作用角の最大限に調整可能な有利な調節は経験的に検出することができ、中央コンピュータ19に制限情報として入力することができる。
【0093】
いま、振動プレートが粗面または勾配を走行する場合には、第2の力測定エレメントが操作力Fを測定する。この操作力Fによって、オペレータは、接地プレート1の前縁を持ち上げるために、振動プレートをコラム16で直感的に下方に押圧する。この力成分に対しても、中央コンピュータ19は適切な平均値を形成する。下方への鉛直な操作力が平均的に高められたかもしくは設定された限界値を上回っているという情報を中央コンピュータ19が獲得すると、力角がより急傾斜に調整される。全力ベクトルの戻りも、最小限に必要となる送り成分を得るために、最大限に可能な量に制限され続けなければならない。
【0094】
オペレータが力ベクトルを過度に急傾斜に調整したので、機械が斜面で動けない場合には、オペレータが直感的に機械を操作エレメント17で前方に押圧する。これによって、力作用角が再びより緩傾斜に調整される。下方に向けられた鉛直なオペレータ力が減少すると、力角も同じく再びより緩傾斜に調整される。両手段によって、機械が最終的に再び速度を増加させることができる。
【0095】
振動プレートが水平方向のまたは鉛直方向の操作力信号を獲得しない限り、振動プレートは振動発生機を、たとえば45゜の標準力角に戻す。特別使用事例(たとえば舗装振動)では、異なる標準力角が設定されてもよい。
【0096】
図9には、振動プレートの後進走行時の図8の調整回路が示してある。
【0097】
操作エレメント17がオペレータによって相応に公知の形式で後方に旋回させられており、これによって、後進方向への水平方向成分を備えた合成力ベクトルが発生させられるように振動発生機が制御される。
【0098】
ここでも、オペレータの操作力を検出するために、再び力測定装置が設けられている。
【0099】
振動プレートが後進走行で勾配を登る場合には、オペレータが、接地プレート1の後縁を持ち上げるために、直感的にコラム16の延長部で操作エレメント17を後方に引き上げる。このために使用される力Fは力測定装置によって検出され、力信号18として中央コンピュータ19に伝送される。この中央コンピュータ19は、測定された操作力が通常の操作力を上回っている場合に力作用角をより急傾斜に調整し、これによって、接地プレート1を備えた下側質量体のより強い持上げが可能となる。
【0100】
これに対して、力作用角が過度に急傾斜に調整され、したがって、振動プレートの送り速度が過度に僅かになる場合には、オペレータが機械を直感的に引き寄せる(力F)。この力信号も同じく中央コンピュータ19によって評価される。これに続いて、力作用角が再びより緩傾斜に調整される。
【0101】
したがって、ある程度の限界勾配が上回られない限り、後進走行方向でも振動プレートに対する最良の走行速度を達成することが可能となる。後進走行では、基本的に、操作力が量に関して逆の符号を有すること以外、前進走行と同じ調整アルゴリズムが使用される。
【0102】
振動プレートの前述した調整回路には、オペレータに対して快適な操作特性を達成するために、適切な時間定数を組み込むことができる。調整回路は、移動平均値形成のために使用したい大きな個数の測定値Nによって、人間の要求に対して十分に緩速にされ得る。この場合、オペレータは、振動プレートの登坂特性に関する測定部材の役割を引き受けることができる。この場合、オペレータの直感的な操作特性が能動的に振動プレートによってアシストされる。振動プレートの、所望されて緩速の反応は、機械の、オペレータに対して不意の挙動を阻止する。
【0103】
前述した制御機構を作動させるための操作力は、通常元々作用する操作力よりも大きくなければならない。この場合、オペレータは主観的に通常の運転範囲内で、信頼された制御の感情を有していて、付加的な制御可能性を、付加的な制御エレメントよりも強い操作力を加えることによって認識する。
【0104】
操作エレメントの直感的なまたは意図的な押圧および引張りによって、オペレータは、振動プレートが平面だけでなく斜面でも最大の送り速度に到達することを達成することができる。このことは、操作エレメント17によって、振動発生機の中間位置、すなわち、適切な力作用角も調整する付加的に存在する可能性と無関係である。オペレータには、本発明による振動プレートによって、オペレータが直感的に常に最適に制御することができる組合せ操作エレメントが提供される。
【0105】
本発明の別の構成では、オペレータに対して付加的にまたはオペレータの代わりに、測定・作動部材として、目下の前進速度もしくは速度変化を測定することができる速度センサもしくは加速度センサが設けられる。したがって、速度を、たとえば加速度測定級数の分析によって検出することもできる。これに続いて、自動的な調整部材が、力作用角を、設定された限界の範囲内で変化させ、別の速度測定との比較によって、力作用角の変化、すなわち、力作用角の旋回が適正な方向に行われているかどうかを確認することができ、これによって、送り速度が高められている。これに対して、送り速度の減少が確認される場合には、力作用角が逆の旋回方向に旋回させられてもよい。
【0106】
絶え間ない比較によって、力作用角が、その都度最適な送り速度を達成することができるように調整される。
【0107】
上述した直感的なオペレータ制御または最後に説明した全自動的な力ベクトル最適化は、互いに独立的にまたは互いに組み合わせて本発明による振動プレートに使用することができる。また、前述した両原理を送り調整装置で使用することも可能である。この送り調整装置では、振動プレートの上り坂走行または下り坂走行が、たとえば勾配認識装置によって認識され、力ベクトルの相応の調節が生ぜしめられる。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】前進走行における、公知先行技術に基づき公知の振動プレートの概略的な側面図である。
【図2】後進走行における図1の振動プレートを示す図である。
【図3】高められた前進走行を伴った振動プレートを示す図である。
【図4】後進走行の場合の図3の振動プレートを示す図である。
【図5】高められた後進走行の場合の別の構成における図3の振動プレートを示す図である。
【図6】勾配での図3の振動プレートを示す図である。
【図7】最適化された登坂特性を備えた図6の振動プレートの概略図である。
【図8】本発明による振動プレートにおいて使用される、前進走行の場合のオペレータ直感的な制御のための調整回路を示す図である。
【図9】本発明による振動プレートにおいて使用される、後進走行の場合のオペレータ直感的な制御のための調整回路を示す図である。
【符号の説明】
【0109】
1 接地プレート、 2 アンバランス軸、 3 アンバランス軸、 4 ばね装置、 5 上側質量体、 6 コラム、 7 操作エレメント、 8 アンバランス体、 9 アンバランス体、 10 力ベクトル、 16 コラム、 17 操作エレメント、 18 力信号、 19 中央コンピュータ、 20 リニア駆動装置、 21 力作用角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動プレートであって、
−駆動装置を有する上側質量体(5)が設けられており;
−該上側質量体(5)にばね装置(4)を介して結合された、起振装置(2)と接地プレート(1)とを有する下側質量体が設けられており;
−起振装置(2)によって、所定の合成力作用方向を備えた振動が発生可能であり;
−起振装置(2)が制御可能であり、これによって、力作用方向が、複数の位置、特に2つよりも多くの位置に調整可能であり;
−制御命令をオペレータによって入力するための操作エレメント(17)が設けられており;
−該操作エレメント(17)が、送り調整装置に接続されており、これによって、制御命令が、送り調整装置に伝送可能であり;
−力作用方向が、オペレータの制御命令に関連した送り調整装置による制御によって可変である形式のものにおいて、
−オペレータの制御命令が最大の送り速度を要望する場合に、地面での当該振動プレートの最大限に可能な送り速度が達成される位置に力作用方向が常に調整されるように、起振装置(2)を制御するための送り調整装置が形成されており;
−力作用方向が、当該振動プレートの周辺の変化、特に接地プレート(1)によって締め固めたい路床の勾配および/または強度の変化に関連した送り調整装置による制御によって可変であることを特徴とする、振動プレート。
【請求項2】
送り調整装置が、
−水平線に対する接地プレート(1)の傾角を認識するための勾配認識装置を有しており;
−接地プレート(1)に対する力作用方向の角度を接地プレート(1)の傾角に関連して調整するための調整装置を有している、請求項1記載の振動プレート。
【請求項3】
力作用方向の、調整したい角度が、傾角の認識時に最大の送り速度を付与する角度である、請求項2記載の振動プレート。
【請求項4】
振動プレートであって、
−駆動装置を有する上側質量体(5)が設けられており;
−該上側質量体(5)にばね装置(4)を介して結合された、起振装置(2)と接地プレート(1)とを有する下側質量体が設けられており;
−起振装置(2)によって、所定の合成力作用方向を備えた振動が発生可能であり;
−起振装置(2)が制御可能であり、これによって、力作用方向が、複数の位置、特に2つよりも多くの位置に調整可能であり;
−力作用方向が、オペレータの制御命令に関連した送り調整装置による制御によって可変であり;
−制御命令をオペレータによって入力するための操作エレメント(17)が設けられている形式のものにおいて、
−送り調整装置が、操作エレメント(17)に対して付加的にオペレータ意思認識装置を有しており;
−該オペレータ意思認識装置が、オペレータによって操作エレメント(17)にかつ/または別の操作エレメントに加えられた、少なくとも1つの空間方向への力を検出するための少なくとも1つの力測定装置を有しており;
−該力測定装置によって検出された力が、操作エレメントの規定通りの操作のために必要となる力よりも大きい場合に、送り調整装置が、力作用方向を、設定された調整に相応して変化させるようになっていることを特徴とする、振動プレート。
【請求項5】
力測定装置によって、複数の空間方向への複数の力が別個に検出可能である、請求項4記載の振動プレート。
【請求項6】
−力測定装置によって、別個に検出された力に基づき、別個に処理したい力信号(18)が発生可能であり;
−送り調整装置が、制御装置を有しており、該制御装置によって、力信号(18)が評価可能であり、これによって、各力信号(18)を生ぜしめる力の量および/または方向に関連して、起振装置の力方向が変化させられるようになっている、請求項4または5記載の振動プレート。
【請求項7】
当該振動プレートが、コラム(16)を有しており、該コラム(16)に、オペレータによってガイドするための少なくとも1つの操作エレメント(17)が設けられている、請求項1から6までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項8】
操作エレメント(17)または制御エレメントが、当該振動プレートの前進走行および/または後進走行を設定するために働くようになっており、起振装置(2)による力作用方向が、相応に前進方向または後進方向への水平な力成分を備えた操作エレメント(17)または制御エレメントの信号に関連して調整可能である、請求項7記載の振動プレート。
【請求項9】
オペレータによって操作エレメント(17)に加えられた力が、設定された限界値を上回らない場合に、基準レベルと見なされる接地プレート(1)に対する力作用方向の力作用角が、設定された標準力作用角に調整可能である、請求項7または8記載の振動プレート。
【請求項10】
前進走行が選択されていて、オペレータによって操作エレメント(17)にほぼ下方に向けられて加えられた力が、設定された限界値を上回るかまたは特定の期間にわたって平均的に上昇している場合に、基準レベルと見なされる接地プレート(1)に対する力作用方向の力作用角が、より急傾斜に、特に設定された標準力作用角よりも急傾斜に調整可能であるように、送り調整装置が形成されている、請求項7から9までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項11】
後進走行が調整されていて、オペレータによって操作エレメント(17)にほぼ上方に向けられて加えられた力が、設定された限界値を上回るかまたは特定の期間にわたって平均的に上昇している場合に、基準レベルと見なされる接地プレート(1)に対する力作用方向の力作用角が、より急傾斜に、特に設定された標準力作用角よりも急傾斜に調整可能である、請求項7から10までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項12】
前進走行が調整されていて、オペレータによって操作エレメント(17)にほぼ前方に前進方向に向けられて加えられた力が、設定された限界値を上回るかまたは特定の期間にわたって平均的に上昇している場合に、基準レベルと見なされる接地プレート(1)に対する力作用方向の力作用角が、より緩傾斜に、特に設定された標準力作用角よりも緩傾斜に調整可能である、請求項7から11までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項13】
後進走行が調整されていて、オペレータによって操作エレメント(17)にほぼ後方に後進方向に向けられて加えられた力が、設定された限界値を上回るかまたは特定の期間にわたって平均的に上昇している場合に、基準レベルと見なされる接地プレート(1)に対する力作用方向の力作用角が、より緩傾斜に、特に設定された標準力作用角よりも緩傾斜に調整可能である、請求項7から12までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項14】
標準力作用角よりも急傾斜であるかまたは緩傾斜である力作用角が調整されている事例において、オペレータによって操作エレメント(17)に加えられた力が、設定された限界値をもはや上回らないかまたはもはや特定の期間にわたって平均的に上昇していない場合でも、力作用角がコンスタントに維持可能であるように、送り調整装置が形成されている、請求項7から13までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項15】
オペレータによって操作エレメント(17)に加えられた、設定された限界値を上回る当初の力と逆方向に作用する力が、設定された別の限界値を上回るかまたは特定の間にわたって平均的に上昇している場合に、力作用角が、逆方向に作用する力の方向に、設定された旋回角だけ複数回のステップでまたは連続的に旋回させられるように、送り調整装置が形成されている、請求項7から14までのいずれか1項記載の振動プレート。
【請求項16】
振動プレートであって、
−駆動装置を有する上側質量体(5)が設けられており;
−該上側質量体(5)にばね装置(4)を介して結合された、起振装置(2)と接地プレート(1)とを有する下側質量体が設けられており;
−起振装置(2)によって、所定の合成力作用方向を備えた振動が発生可能であり;
−起振装置(2)が、送り調整装置によって制御可能であり、これによって、力作用方向が、複数の位置、特に2つよりも多くの位置に調整可能である形式のものにおいて、
送り調整装置が、
−目下の送り速度および/または送り速度の変化を検出するための速度検出装置を有しており;
−目下の送り速度を、最後に検出された送り速度と比較しかつ/または、当該振動プレートの送り速度の増加または減少が確認可能であるように、送り速度の変化を評価するための評価装置を有しており;
−送り速度の増加の確認時に、同じ旋回方向への力作用方向の更なる変化が生ぜしめられ、送り速度の減少の確認時に、逆の旋回方向への力作用方向の変化が生ぜしめられるように、力作用方向を旋回方向に変化させるための変化装置を有していることを特徴とする、振動プレート。
【請求項17】
発生させられた振動の力作用方向が可変である起振装置(2)を備えた振動プレートの送り速度を最大化するために方法において、当該方法が、以下のステップ:すなわち、
a)オペレータによって設定された方向意思に相応の水平方向の力割合を有する力作用方向を備えた方向意思に関連して振動プレートを走行させ;
b)目下の送り速度および/または送り速度の変化を検出し;
c)目下の送り速度を、最後に検出された送り速度と比較しかつ/または、振動プレートの送り速度の増加または減少が確認されるように、送り速度の変化を評価し;
d)送り速度の増加が確認される場合に、力作用方向を小さな角度ステップでまたは連続的に先の変化と同じ旋回方向に変化させ;
e)送り速度の減少が確認される場合に、力作用方向を小さな角度ステップで、先の旋回方向と逆の旋回方向に変化させ;
f)ステップb)〜f)を繰り返す:
を備えていることを特徴とする、振動プレートの送り速度を最大化するために方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−544122(P2008−544122A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517433(P2008−517433)
【出願日】平成18年6月23日(2006.6.23)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006088
【国際公開番号】WO2006/136447
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(503048268)ワツカー コンストラクション イクイップメント アクチェンゲゼルシャフト (27)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Construction Equipment AG
【住所又は居所原語表記】Preussenstrasse 41, D−80809 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】