説明

送風ファン装置及びそれを備えた電子機器

【課題】ファンケーシングに沿って吸気口に向かって流れる空気の流速を低下し、吸気口の縁端部における空気の流速変化を緩和することで乱流の発生を抑制して、吸気騒音を低減する送風ファン装置及びそれを備えた電子機器を提供することを目的とする。
【解決手段】複数のブレード部4bを有する送風ファン4と、送風ファン4を回転自在に収容し、少なくとも1つの吸気口を有するファンケーシング2と、を備えた送風ファン装置1であって、ファンケーシング2の吸気口22aを囲繞するように、ファンケーシング2の外表面に緩衝部材9を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器筐体内部の基板に実装された超小型演算処理装置(以下、MPUと称する)などの発熱電子部品の冷却に用いる送風ファン装置で、発熱電子部品と熱的に接続された放熱部の熱を、強制的に送風冷却する送風ファン装置及びそれを備えた電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近のコンピューターにおけるデータ処理の高速化の動きはきわめて急速であり、MPUのクロック周波数は、以前と比較して格段に高いものになってきている。
【0003】
その結果、MPUの発熱量が増大し、従来のように放熱フィンを有するヒートシンクを発熱電子部品に直接接触させて放熱する方法だけでなく、そのヒートシンクに送風ファンで直接送風して冷却する方法、あるいは受熱部とヒートシンクとをヒートパイプを用いて熱接続したヒートシンクモジュールを構成して、そのヒートシンクを送風ファンにより強制的に送風して放熱することが必要不可欠となっており、今後さらにその冷却性能の向上と併せて薄型軽量化や静音化が必要とされている。
【0004】
特に、モバイル対応のノート型PCなどの薄型電子機器に搭載される送風ファン装置は、その電子機器の筐体内のスペースが高さ方向において極めて狭いため、薄型の扁平形状のファンケーシングを備え、その中に送風ファンを収容し、少なくともその一つの側面に排気口を設けたものが一般的に採用され、複数の放熱フィンを有し発熱電子部品と熱的に接続されたヒートシンクの近くにその送風ファン装置を設置し、その送風ファン装置の排気口から送り出される送風によってそのヒートシンクを直接冷却するという形態のものが多く採用されている。
【0005】
図6は、従来の技術である(特許文献1)に記載されているヒートシンク一体型の送風ファン装置の斜視図である。
【0006】
この送風ファン装置100は、ヒートシンクと一体化してモジュール化されたものであり、ファンケーシング101は熱伝導性のよいアルミダイカスト成型により偏平形状の筐体として形成されており、その内部に羽根をもつ送風ファン102をモータとともに回転自在に備え、一方の側面に排気口103を設けている。
【0007】
また、ファンケーシング101には、送風ファン102の羽根の先端付近より外側に、排気口103に連なる逆流防止用の風洞部104を形成している。
【0008】
この逆流防止用の風洞部104は、上から見ると送風ファン102の排気口103側及びその上流側の外側に沿い、かつ、連続したほぼL字形状を有しており、そして、ファンケーシング101が形成するファン室より内高さ幅を大きくしてある。
【0009】
また、ファンケーシング101には、その外側に受熱部105を連接してあり、受熱部105にはMPU等の発熱電子部品106が接触されている。そしてファンケーシング101の排気口103側には、ヒートシンクである放熱フィン部107が接合されている。
【0010】
このように構成されたヒートシンク一体型の送風ファン装置100においては、発熱電子部品106の熱が受熱部105からファンケーシング101を介して放熱フィン部107に伝達され、送風ファン102によって放熱フィン部107を強制冷却することで効果的に熱交換作用が得られる。
【0011】
従って、画像処理等のために高い周波数で駆動し高温の発熱をするMPU等の発熱電子部品106であっても、その温度を大きく下げて熱破壊を防止することができ、小型・高風量で、たとえばノート型PC等の冷却に有用な冷却を実現することができる。
【0012】
一方、図7は、従来の技術である(特許文献2)に記載されている遠心型の送風ファン装置の軸方向の部分断面図を示している。
【0013】
そして、その遠心ファン装置200のシロッコファン形状の遠心型の多翼ファン201は、回転軸200a周りに多数枚の翼(ブレード)202を有するとともに、回転軸200aの方向の他端側から吸入した空気を径外方側に向けて吹き出す遠心型のファンであり、電動モータ203は多翼ファン201を回転駆動する駆動手段である。
【0014】
また、ケーシング204は多翼ファン201を収容するとともに、その多翼ファン201から吹き出した空気の流路204aを形成する渦巻き状に形成された樹脂製のスロールケーシングであり、このケーシング204には、回転軸200a方向一端側に向けて開口した空気の吸気口205が形成されている。
【0015】
そして、その吸気口205には、多翼ファン201の内径縁D1 まで延びてブレード202の吸気口205側端部を覆うベルマウス206がケーシング204に一体成形されている。
【0016】
ところで、多翼ファン201のうち吸気口205側には、ケーシング204の内壁204bと第1の隙間δ1 を有して対向した対向面207aが形成されたシュラウド207が、ブレード202と共に樹脂にて一体成形されている。
【0017】
なお、このシュラウド207の断面形状は、多翼ファン201内径側から外径側に向かうほど空気の流路断面積が縮小する(ブレードの高さが小さくなる)ように、ブレード202を流通する主流の流線に沿うような形状(略円弧状)に形成されている。
【0018】
また、シュラウド207に対応して、多翼ファン201の吸気口205側端部から回転軸200a方向一端側(図面上方側)に延びて突出する延出部207bが形成されており、ベルマウス206からケーシング204の上面(吸気口205側の壁面)に至る部位は、延出部207bとの間に、第1の隙間δ1 から連なる第2の隙間δ2が介在するように形成されている。
【0019】
そして、ベルマウス206が多翼ファン201の内径縁D1 まで延びてブレード202の一部を覆っているとともに、シュラウド207とケーシング204の内壁204bとの間に第1の隙間δ1が形成されているので、第1の隙間δ1 から第2の隙間δ2まで至る逆流空気が流通する流路の流路長を長くすることができる。
【0020】
したがって、その流路の圧力損失(通風抵抗)を大きくすることができるので、空調ケーシングの通風抵抗が大きくなっても、逆流空気が増大することを防止できる。ひいては、逆流空気と吸入空気との干渉を抑制することができるので、送風量の低下を防止しつつ騒音を低減することができる。
【0021】
さらに、図を用いた説明は省略するが、(特許文献3)には、送風ファン装置のベルマウス形状の吸気口に、風量調整用のダンパを設け、その吸気口側端面にもベルマウス形状部を形成して、その吸気口での空気の乱流を抑制して吸気騒音を低減する構成が開示されている。
【特許文献1】特開2003−69265号公報(第4頁、図1)
【特許文献2】特開平11―280697号公報(第6頁、図2)
【特許文献3】実開昭61−202698号公報(図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、(特許文献1)のような従来の送風ファン装置100においては、軸流型の送風ファン102の最大外径よりわずかに大きな直径を有し、その送風ファン102の回転中心と中心を同じくした円形形状の吸気口108がファンケーシング101の上面に配置されていて、そのファンケーシング101の上面における吸気口108を取り囲む内側縁部の形状は、その全外周域に亘って平坦な形状となっている。
【0023】
したがって、そのファンケーシング101の上面に沿って流れ吸気口108へ吸い込まれる空気は、その吸気口108を取り囲む内側縁部に沿って流れるが、その空気の流れ方向とその流速が急速に変化し、乱流も発生し易くなるので、吸気騒音が増大する原因となっていた。
【0024】
特に、ノート型PCなどのように、高さ方向のスペースが狭い電子機器に搭載され、吸気口108を有するファンケーシング101の外表面とそれに対向するように合って配置される電子機器の筐体壁、回路基板、あるいは周辺の実装部材との隙間が数ミリ程度以下となる場合には、その隙間を流れる空気の流速が速まり、吸気口108に吸い込まれる空気の大半がその内側縁部の近傍に沿って流れるが、その流れ方向がそのファンケーシング101の外表面に沿った方向から送風ファン102の回転軸109方向へと直角方向へ大きく変化し乱流が発生し易くなるので、顕著な吸気騒音が発生していた。
【0025】
一方、(特許文献2)のような従来の送風ファン装置200では、ベルマウス206を形成することに吸気口205を取り囲む内側縁部におけるゆるやかな曲面よりある程度の乱流抑制効果が見込まれるものの、(特許文献2)にも記載されているように、そのベルマウス206を全外周域に亘って拡大すると、吸気断面積が減少して送風量が低下するということもあり、搭載される電子機器内の高さ方向のスペースが狭く、吸気口205を有するケーシング204の外表面とその外表面と対向するように配置される電子機器の筐体壁、回路基板、あるいは周辺の実装部材との隙間が数ミリ程度以下となる場合に、その隙間を流れる空気の流速が速まり、吸気口205に吸い込まれる空気の大半がその内側縁部近傍において、流れ方向がそのケーシング204の外表面に沿った方向から多翼ファン201の回転軸200a方向へと直角方向に大きく変化し、乱流が発生し易くなるので、冷却性能を向上するために多翼ファン201の回転速度をさらに上昇させ高風量化しようとすると、吸気騒音の低減効果が十分でないという課題があった。
【0026】
また、(特許文献3)も同様に狭いスペースに配置された場合の吸気騒音の課題があり、以上のような送風ファン装置の騒音は、通常(非使用時)には音が発生しないHDD、FDD、CD−RWなどの駆動騒音と比して、電子機器の使用時において連続的に発生するのに加えて耳障りな騒音でもあるので、より静音化することが課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記課題を解決するため、本発明は、複数のブレードを有する送風ファンと、送風ファンを回転自在に収容し、少なくとも1つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた送風ファン装置であって、ファンケーシングの吸気口を囲繞するように、ファンケーシングの外表面に緩衝部材を配設することを主要な特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、複数のブレードを有する送風ファンと、送風ファンを回転自在に収容し、少なくとも1つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた送風ファン装置であって、ファンケーシングの吸気口を囲繞するように、ファンケーシングの外表面に緩衝部材を配設することにより、ファンケーシングの外表面とそれに対向するように配置される電子機器の筐体壁、回路基板、あるいは周辺の実装部材との隙間において、ファンケーシングの外表面に沿いながら吸気口に向かって流れる空気の流路断面積(通風方向と直交する方向の面積)が小さくなり、圧力損失(通風抵抗)が増大し吸気口を取り囲む内側縁部に沿って流れる空気の流速変化を緩和することで乱流の発生を抑制して、吸気騒音を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
請求項1記載の発明によれば、複数のブレード部を有する送風ファンと、送風ファンを回転自在に収容し、少なくとも1つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた送風ファン装置であって、ファンケーシングの吸気口を囲繞するように、ファンケーシングの外表面に緩衝部材を配設するので、吸気口を有するケーシングの外表面とそれに対向するように配置される電子機器の筐体壁、回路基板、あるいは周辺の実装部材との隙間が数ミリ程度以下となる場合には、その隙間において、ファンケーシングの外表面に沿いながら吸気口に向かって流れる空気の流路断面積(通風方向と直交する方向の面積)が小さくなり、圧力損失(通風抵抗)が増大し吸気口を取り囲む内側縁部に沿って流れる空気の流速変化を緩和することで乱流の発生を抑制して、吸気騒音を低減できる。
【0030】
請求項2記載の発明によれば、ファンケーシングの内面であって、吸気口を取り囲む内面側縁部を平坦とするので、ファンケーシングの吸気口から吸入した空気が、その吸気口を取り囲む内面側縁部でも乱流化しにくくなり、より吸気騒音を低減できる。
【0031】
特に、遠心型の送風ファン装置においては、一旦その送風ファンの回転軸方向に沿って空気が吸入されるが、その後すぐにその送風ファンの回転運動により遠心方向へと送風方向が変えられるので、吸気口を取り囲む内面側縁部を平坦とすることにより、ブレード部とファンケーシングをより近接させても平坦な内面側縁部に沿って空気が遠心方向へ円滑に流れるので、吸気口を取り囲む内面側縁部で乱流の発生が少なくなる作用があり、吸気騒音を低減できる。
【0032】
請求項3記載の発明によれば、緩衝部材を、吸気口を取り囲む内側縁部に沿って配設するので、その吸気口の全外周域に亘って均一的に空気の流速変化を緩和することで乱流の発生を抑制する作用が増大し、吸気騒音の低減効果が向上する。
【0033】
請求項4記載の発明によれば、緩衝部材を、吸気口を取り囲む内側縁部に沿った円環形状とするので、送風ファン装置の吸気口と同じ形状となり、その吸気口の全外周域に亘って均一的に空気の流速変化を緩和する作用が働き、乱流の発生を抑制する作用が増大し、吸気騒音の低減効果が向上する。
【0034】
請求項5記載の発明によれば、緩衝部材における半径方向の断面が矩形形状であるので、その緩衝部材とそれに対向するように配置される電子機器の筐体壁、回路基板、あるいは周辺の実装部材との狭い隙間が流路方向に沿って均一的に長くなるので、ファンケーシングの外表面に沿いながら吸気口に向かって流れる空気に対する緩衝部材の圧力損失(通風抵抗)が大きくなり、より効果的に吸気口を取り囲む内側縁部に沿って流れる空気の流速変化を緩和することで乱流の発生を抑制して、吸気騒音を低減できる。
【0035】
請求項6記載の発明によれば、緩衝部材を、吸音性を有する多孔質材料とするので、吸気口を取り囲む内側縁部に沿って流れる空気の流速変化を緩和する作用とその緩衝部材の吸音効果の相乗効果によって、吸気騒音をより低減できる。
【0036】
つまり、軟質ウレタンフォーム、ゴムスポンジ、ガラスウールなどの多孔質材料に吸気騒音があたるとその空気振動が直接材料内部の気泡部分の空気に伝わる。そして、気泡の面での空気の粘性摩擦を生じ、音のエネルギーの一部が熱エネルギーに変換され吸音作用を生じる。
【0037】
このような空気の動きに対する抵抗、つまりその空気振動を減衰するような吸音効果によって、送風ファン装置の吸気口から電子機器の筐体壁、回路基板、あるいは周辺の実装部材とのわずかな隙間を伝わって外部に放出される吸気騒音の伝達経路に、この多孔質材料で形成された緩衝部材が介在するので、前述した吸気口を取り囲む内側縁部に沿って流れる空気の流速変化を緩和する作用と併せてその緩衝部材の吸音効果が有効に働く。
【0038】
請求項7記載の発明によれば、緩衝部材とファンケーシングとを接着により固定するので、緩衝部材をファンケーシングの外表面に配設する作業が容易となるだけでなく、緩衝部材とファンケーシングとの密着性が向上して、吸気口を取り囲む内側縁部に沿って流れる空気の流速変化を緩和する作用と併せてその緩衝部材の吸音効果が有効に働く。
【0039】
請求項8記載の発明によれば、緩衝部材を、複数の緩衝部材を連接させて構成するので、その緩衝部材を構成するそれぞれの単位緩衝部材の裁断形状が、単純な直線状または円弧状となり、ロール状母材からの打ち抜き等の裁断加工時の捨て材料が減少し、母材の単位体積当たりの有効取れ数が増大してコストを軽減できる。
【0040】
請求項9記載の発明によれば、請求項1〜8いずれか1項に記載の送風ファン装置を備えたので、送風ファン装置の低騒音化により、電子機器内の高さ方向のスペースが狭くその送風ファン装置のファンケーシングの外表面とその外表面とそれに対向するように配置される電子機器の筐体壁、回路基板、あるいは周辺の実装部材との隙間が数ミリ程度以下となり十分な送風路が確保できない場合にも、十分な静穏化が図れ、電子機器の筐体内でのレイアウト設計が容易となるばかりでなく、その送風ファン装置が搭載される電子機器の薄型軽量化への対応も容易となる。
【0041】
以下、本発明の実施の形態を、ファンフレーム側を下方、ファンカバー側を上方として図面を参照しながら説明する。
【0042】
(実施の形態1)
図1(a)は本発明の実施の形態1における送風ファン装置の斜視図で、(b)は同図(a)で示した送風ファン装置のA−A矢視断面図で、図2は、図1(b)の排気口側の部分断面拡大図で、図3は本発明の実施の形態1における送風ファン装置の分解斜視図で、図4(a)は本発明の実施の形態1における送風ファン装置の平面図で、(b)〜(d)は同図(a)の変形例の平面図である。
【0043】
まず、図1(a)、(b)で示したように、送風ファン装置1の外郭部を構成しているファンケーシング2は、下部に位置するファンフレーム21と上部に位置するファンカバー22により構成されている。
【0044】
ここで、ファンフレーム21は、PPS、PBT、PETなどの樹脂材料を用いた樹脂成型、あるいはアルミニウム合金、亜鉛合金などの成型性の良好な金属材料を用いたダイカスト成型などにより底面と側面が一体的に形成されていて、その底面の中央部には略円形形状に開口した吸気口21aが配設され、一方の側面には吸入した空気を排気する排気口3が配設されており、また、ファンカバー22も、樹脂成型、あるいはアルミニウム合金、ステンレス鋼などの金属材料の打ち抜き加工によりプレート状に成型されており、その中央部にも空気を吸入する略円形形状に開口した吸気口22aが配設されている。
【0045】
さらに、そのファンフレーム21とファンカバー22とで挟まれて送風ファン4が回転自在に収容され、その送風ファン4は円筒形状の外周面を有するハブ部4aとその外周面から遠心方向へ略放射状に連続的に延びる複数のブレード部4bとから構成されている。
【0046】
ここで、送風ファン4が矢印で示した方向に高速で回転すると、送風ファン装置1の周囲の空気が、ファンカバー22の中央部に配設された吸気口22aとファンフレーム21の底面に配設された吸気口21aとの両方から回転軸5方向に沿って吸入され、さらにその吸入された空気が送風ファン4の回転運動によりファンケーシング2の内部で複数のブレード部4bの遠心方向へと風向きが変えられるので、その大部分はファンフレーム21やファンカバー22の内壁にぶつかりながら、その内壁に沿って送風ファン4の回転方向と同一の方向へそれらの空気が送られて、最終的に排気口3から排気される。
【0047】
ここで、ファンケーシング2は、送風ファン4のブレード部4bの外周部を取り囲むように覆っているので、送風ファン4が回転することによりその外周部に空気が集められ送風に必要な風量と静圧を発生させている。
【0048】
また、モータ駆動部6は回転軸5を回転駆動するための電子回路が組み込まれた駆動回路基板などで構成されており、そのモータ駆動部6はファンフレーム21の底面に配設され、吸気口21aをその吸気方向と直交する方向に横断するようにファンフレーム21から延設されたモータ保持部7を介して保持されている。
【0049】
さらに、詳細には後述するが、ファンカバー22には、送風ファン4のブレード部4bの先端より外周側に位置し、排気口3から空気の上流側に向かってL字形状となるように連なる逆流防止用の風洞部8が設けられていて、この風洞部8の内高さ幅は、ブレード4bの先端より内周側に位置するファン室の内高さ幅より大きく設定しているため、その逆流防止用の風洞部8によって送風ファン4の外周部における風路が確保されるとともに、送風ファン4から遠心方向へ送り出された空気は、急激に広がった空間をもつ逆流防止用の風洞部8で吹き出しが助成されて、排気口3から送風ファン4への空気の逆流を防止し、有効に風量・静圧特性を確保できている。
【0050】
一方、ファンカバー22の風洞部8が形成されていない部分の外表面には、吸気口22aを囲繞するように、その吸気口22aを取り囲む内側縁部22bに沿って厚さが0.5〜1.5mm程度の円環形状の緩衝部材9が配置されている。
【0051】
ここで、内側縁部22bとは略円形形状の吸気口22aを取り囲んでいるファンカバー22の縁端部のことで、その内側縁部22bに沿って送風ファン装置1の内部に吸入される空気の流れが吸気騒音に影響することが分かっている。
【0052】
したがって、この緩衝部材9が吸気口22aを囲繞するように配置されることによって、この送風ファン装置1が、ノート型PCなどのように、高さ方向のスペースが狭い電子機器に搭載された場合には、吸気口21aを有するファンカバー22の外表面とそれに対向するように配置される電子機器の筐体壁、回路基板、あるいは周辺の実装部材との隙間が数ミリ程度以下となる場合には、その隙間において、ファンカバー22の外表面に沿いながら吸気口21aに向かって流れる空気の流路断面積(通風方向と直交する方向の面積)が小さくなり、圧力損失(通風抵抗)が増大し吸気口21aを取り囲む内側縁部22bに沿って流れる空気の流速変化を緩和することで乱流の発生を抑制して、吸気騒音を低減できている。
【0053】
また、この緩衝部材9は、ファンケーシング2とは別体の吸音性を有する多孔質材料、例えば軟質ウレタンフォーム、ゴムスポンジ、ガラスウールなどによって構成されており、この緩衝部材9に吸気騒音があたるとその空気振動が直接材料内部の気泡部分の空気に伝わる。
【0054】
そして、気泡の面での空気の粘性摩擦を生じ、音のエネルギーの一部が熱エネルギーに変換され吸音作用を生じる。
【0055】
このような空気の動きに対する抵抗、つまり空気振動を減衰するような吸音効果によって、送風ファン装置1の吸気口22aから電子機器内の筐体壁、回路基板、あるいは周辺の実装部材とのわずかな隙間を伝わって外部に放出される吸気騒音の伝達経路に、この多孔質材料で形成された緩衝部材9が介在するので、前述した吸気口22aを取り囲む内側縁部22bに沿って流れる空気の流速変化を緩和する作用と併せてその緩衝部材9の吸音効果が有効に働いている。
【0056】
また、緩衝部材9は、吸気口22aを取り囲む内側縁部22bに沿った円環形状となっているので、送風ファン装置1の吸気口22aと同じ形状となり、その吸気口22aの全外周域に亘って均一的に吸気口22aを取り囲む内側縁部22bに沿って流れる空気の流速変化を緩和することで乱流の発生を抑制する作用が増大し、吸気騒音の低減効果が向上する。
【0057】
さらに、図1(b)で示したように緩衝部材9における半径方向の断面が矩形形状であるので、ファンカバー22の外表面に沿いながら吸気口22aに向かって流れる空気に対する緩衝部材9の通風抵抗が大きくなり、より効果的に吸気口22aを取り囲む内側縁部22bに沿って流れる空気の流速変化を緩和することで乱流の発生を抑制して、吸気騒音を低減できる。
【0058】
また、吸気口22aを取り囲む内面側縁部22c(図2に示す)が平坦となっているので、ファンカバー22の吸気口22aから吸入した空気が、その内面側縁部22c側でも乱流化しにくくなり、より吸気騒音を低減できる。
【0059】
特に、遠心型の送風ファン装置1においては、一旦その送風ファン4の回転軸方向に沿って空気が吸入されるが、その後すぐにその送風ファン4の回転運動により遠心方向への送風方向が変えられるので、ファンカバー22の内面側縁部22cを平坦とすることにより、ブレード部4bとファンカバー22とをより近接させても平坦な内面側縁部22cに沿って空気が遠心方向へ円滑に流れるので、吸気口22aを取り囲む内面側縁部22cでも乱流の発生を抑制する作用があり、吸気騒音を低減できる。
【0060】
次に、図2は図1(b)の排気口3側の部分断面拡大図を用いて一部重複するが、さらに詳細に説明すると、ファンカバー22には、ブレード部4bの先端より外周側に位置し、排気口3から空気の上流側に向かって連なる逆流防止用の風洞部8の内高さ幅8hは、ブレード4bの先端より内周側に位置するファン室の内高さ幅22hより大きく設定しているため、その逆流防止用の風洞部8によってブレード部4bの外周部における風路が確保されるとともに、送風ファン4から遠心方向へ送り出された空気は、急激に広がった空間をもつ逆流防止用の風洞部8で吹き出しが助成され、排気口3から送風ファン4への空気の逆流を防止し、有効に風量・静圧特性を確保できている。
【0061】
一方、ファンカバー22の風洞部8が形成されていない部分の外表面には、吸気口22aを囲繞するように、その吸気口22aを取り囲む内側縁部22bに沿って厚さが0.5〜1.5mm程度で半径方向の断面が矩形形状の緩衝部材9が配置されている。
【0062】
そして、吸気口22aを取り囲む内面側縁部22cが平坦となっているので、ファンカバー22の吸気口22aから吸入した空気が、その内面側縁部22cでも乱流化しにくくなり、より吸気騒音を低減できる。
【0063】
加えて、緩衝部材9における半径方向の断面が矩形形状であるので、ファンカバー22の外表面に沿いながら吸気口22aに向かって流れる空気に対する緩衝部材9の通風抵抗がより大きくなり、吸気口22aを取り囲む内側縁部22bに沿って破線の矢印のように流れる空気の流速変化をより効果的に緩和することで乱流の発生を抑制して、吸気騒音を低減できる。
【0064】
次に、図3で示したように、ファンフレーム21は、底壁21bと側壁21cとを有し、側壁21cは前述した排気口3を構成する側を除いて略円形形状に形成された内周面を有しており、全体が扁平形状の箱形で形成され、その内側に前述したモータ保持部7を介してハブ部4aとブレード部4bとで構成される送風ファン4が回転自在に保持されている。
【0065】
そして、ファンフレーム21の四隅に形成された円筒形状のリベット21dをファンカバー22の四隅のリベット穴22dに嵌合させながら、ファンフレーム21をファンカバー22の上に載置したのちに、それぞれのリベット21dをカシメて固定する。
【0066】
さらに、ファンカバー22の風洞部8が形成されていない部分の外表面に、吸気口22aを囲繞するようにその吸気口22aを取り囲む内側縁部22bに沿って円環形状の緩衝部材9を上方より接着するが、この緩衝部材9とファンカバー22との間は、粗い表面の緩衝部材を接着するのに適した方法、例えば不繊布基材の両側にアクリル系粘着剤が塗布され総厚みが0.1〜0.2mm程度の両面テープ9aを予め緩衝部材9の下面に貼り付けておいて、その後緩衝部材9をファンカバー22の外表面に貼り付けるという方法によって、固定する作業が容易となるだけでなく、その緩衝部材9とファンカバー22との密着性が向上して、吸気口22aを取り囲む内側縁部22bに沿って流れる空気の流速変化を緩和する作用と併せてその緩衝部材9の吸音効果が有効に働いている。
【0067】
なお、両面テープ9aを用いた方法以外には、エポキシ系接着剤、シリコン系接着剤などの接着剤を用いてもよい。
【0068】
そして、図4(a)で示したように、円環形状の緩衝部材9は、円形形状の吸気口22aを囲繞するようにその吸気口22aを取り囲む内側縁部22bに沿って配置されているが、その内側縁部22bからは全外周域に亘ってほぼ同じ距離だけ離れていて、その吸気口22aと同じ形状となり、その吸気口22aの全外周域に亘って均一的に吸気口22aを取り囲む内側縁部22bに沿って流れる空気の流速変化を緩和することで乱流の発生を抑制する作用が増大し、吸気騒音の低減効果が向上している。
【0069】
また、図4(b)では、円環形状の緩衝部材10が、円形形状の吸気口22aを囲繞するようにその吸気口22aを取り囲む内側縁部22bに沿って配置されているが、その内側縁部22bと緩衝部材10の内周側がほぼ一致するように配置されていて、同様な効果を有している。
【0070】
また、図4(c)では、角部にRが付された四角形状の緩衝部材11が、円形形状の吸気口22aを囲繞するように配置されていて、その緩衝部材11は、4つの単位緩衝部材が4箇所の連接部11aで連接されて構成されているので、その緩衝部材11を構成するそれぞれの単位緩衝部材の裁断形状が、単純な直線状となり、ロール状母材からの打ち抜き加工等の裁断加工時の捨て材料が減少し、母材の単位体積当たりの有効取れ数が増大してコストを軽減できる。
【0071】
同様に、図4(d)では、楕円形状の緩衝部材12が、円形形状の吸気口22aを囲繞するように配置されていて、この緩衝部材12は、2つの単位緩衝部材が2箇所の連接部12aで連接されて構成されているので、その緩衝部材12を構成するそれぞれの単位緩衝部材の裁断形状が、単純な円弧状となり、ロール状母材からの打ち抜き加工等の裁断加工時の捨て材料が減少し、母材の単位体積当たりの有効取れ数が増大してコストを軽減できる。
【0072】
(実施の形態2)
図5(a)は、本発明の実施の形態2における電子機器の筐体内部を示した図で、図5(b)は、同図(a)の主要部を示した断面図で、この電子機器50は、開閉型の液晶表示装置51が操作部を有する本体装置52の端部のヒンジ機構53に回動支持された構成のノート型PCである。
【0073】
この図では、電子機器50の本体装置52の筐体内部に配置された回路基板54の下側面には、冷却されるべき発熱電子部品(図示せず)が実装されていて、その発熱電子部品と熱的に接続された複数の放熱フィンを備えたヒートシンク55が本体装置52の筐体側面52a側に設置されている状態を示している。
【0074】
また、送風ファン装置56は、実施の形態1で説明した構成とほぼ同一のもので、前述したヒートシンク55に隣接するように回路基板54の下方に実装されていて、ファンカバー57が下側に、ファンフレーム58が上側になるような向きとなっている。
【0075】
そして、本体装置52の下側の空気は、本体装置52の筐体底面52b側に設けられた複数の通気口59を通過してファンカバー57の吸気口57aより吸入されると同時に、本体装置52の内部の空気は、ファンフレーム58の吸気口58aより吸入され、送風ファン60の回転運動によりファンカバー57とファンフレーム58とで構成されるファンケーシングの内部でその送風ファン60の遠心方向へと風向きが変えられるので、その大部分はファンフレーム58やファンカバー57の内壁にぶつかりながら、その内壁に沿って送風ファン60の回転方向と同一の方向へそれらの空気が送られて、排気口61から排気され、さらにヒートシンク55の放熱フィン間の隙間を熱交換しながら通過して最終的に本体装置52の筐体側面52aに設けられた通気口62を通過して外部へ排出される。
【0076】
ここで、本体装置52の筐体底面52bとファンカバー57とで挟まれた隙間が1〜2mm程度以下となっているので、その隙間を流れる空気の流速が速まり、吸気口57aに吸い込まれる空気の大半がその内側縁部57bの近傍に沿って流れ、その流れ方向がそのファンカバー57の外表面に沿った方向から送風ファン60の回転軸方向へと直角方向に大きく変化し、乱流が発生し易くなるが、ファンカバー57の吸気口57aを囲繞するように、その吸気口57aを取り囲む内側縁部57bに沿って厚さが0.5〜1.5mm程度の円環形状の緩衝部材63が配置されているので、ファンカバー57の外表面に沿いながら吸気口57aに向かって流れる空気の流路断面積(通風方向と直交する方向の面積)が小さくなり、圧力損失(通風抵抗)が増大し吸気口57aを取り囲む内側縁部57bに沿って流れる空気の流速変化を緩和することで乱流の発生を抑制して、吸気騒音を低減できる。
【0077】
また、この緩衝部材63は、ファンカバー57とは別体の吸音性を有する多孔質材料、例えば軟質ウレタンフォーム、ゴムスポンジ、ガラスウールなどによって構成されており、この緩衝部材57に吸気騒音があたるとその空気振動が直接材料内部の気泡部分の空気に伝わる。
【0078】
そして、気泡の面での空気の粘性摩擦を生じ、音のエネルギーの一部が熱エネルギーに変換され吸音作用を生じる。
【0079】
このような空気の動きに対する抵抗、つまりその空気振動を減衰するような吸音効果によって、送風ファン装置56の吸気口58aから電子機器50内の筐体底面52bと回路基板54とのわずかな隙間を伝わって外部に放出される吸気騒音の伝達経路に、この多孔質材料で形成された緩衝部材63が介在するので、前述した吸気口57aを取り囲む内側縁部57bに沿って流れる空気の流速変化を緩和する作用と併せてその緩衝部材63の吸音効果が有効に働いている。
【0080】
ちなみに、実施の形態1で説明した構成を有し、送風ファン60の最大外径が46mmで吸気口57a、58aの直径が28mmの送風ファン装置56を電子機器50に搭載して、その送風ファン装置56を回転数2900rpmで駆動した際には、半径方向の断面形状が1.0mm(厚さ)×2.5mm(幅)の幅緩衝部材63を配置することにより電子機器外で測定した騒音値が約0.5dBA程度改善されることが確認できた。
【0081】
なお、以上の実施の形態の説明において、構成要素の寸法、数量、材質、形状、その相対的な配置などは、特にそれらに限定される旨の記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なるひとつの実施の形態の説明に過ぎず、様々な変形が可能である。
【0082】
例えば、本実施の形態1や本実施の形態2のいずれも、緩衝部材は、ファンカバーの吸気口のみを囲繞するように配設したが、ファンカバーだけでなくファンフレームの吸気口についても、同様の構成で緩衝部材を配置してもよい。
【0083】
また、本実施の形態2における電子機器50においては、本体装置52の筐体底面52bとファンカバー57とで挟まれた隙間が1〜2mm程度以下で、吸気口57aを取り囲む内側縁部57bに沿って厚さが0.5〜1.5mm程度の円環形状の緩衝部材63が配置されているので、その間の空気の流路は、0.5〜1.5mm程度のわずかな隙間となっているが、その隙間を通過できる空気の流路以外に吸気口57aまたは吸気口58aへ供給できる空気の流路が十分に確保できるのであれば、緩衝部材63を筐体底面52bと接触させて、その隙間の流路を閉塞しても構わないし、さらにその緩衝部材63の上側を筐体底面52bと接着させてもよい。
【0084】
但し、その場合には、その緩衝部材63とそれに対向するように配置される電子機器50の筐体壁、回路基板、あるいは周辺の実装部材との直接的な接触が避けられないため、柔らかいクッション性のある材料を緩衝部材63として用いるのが好適である。
【0085】
また、送風ファンについても、遠心型の送風ファンを用いた場合で説明したが、それに代えて軸流型の送風ファンを用いてファンケーシングの一方の側面からのみ吸気するようにし、その吸気口を囲繞するように、ファンケーシングの外表面に緩衝部材を配設しても構わない。
【0086】
さらに、ファンケーシングの構成についても、単にファンカバーとファンフレームとからのみ構成されたものではなく、例えばそのファンフレームの一部に発熱電子部品と熱的な接続を行う受熱部を設けたり、放熱性を有するヒートシンクなどをダイカスト成型やプレス成形などによって一体的に設けたりする構成でもよいし、さらにその間の熱輸送を効率的に行うヒートパイプ、熱伝導性シートなどのような熱輸送部材を備えていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の冷却装置は、例えばノートPC、携帯電話、PDA等の薄型・軽量のモバイル型の電子機器に実装されたMPUなどの発熱電子部品の冷却装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】(a)本発明の実施の形態1における送風ファン装置の斜視図、(b)(a)で示した送風ファン装置のA−A矢視断面図
【図2】図1(b)の排気口側の部分断面拡大図
【図3】本発明の実施の形態1における送風ファン装置の分解斜視図
【図4】(a)本発明の実施の形態1における送風ファン装置の平面図、(b)〜(d)(a)の変形例の平面図
【図5】(a)本発明の実施の形態2における電子機器の筐体内部を示した図、(b)(a)の主要部を示した断面図
【図6】従来の技術である(特許文献1)に記載されているヒートシンク一体型の送風ファン装置の斜視図
【図7】従来の技術である(特許文献2)に記載されている遠心型の送風ファン装置の軸方向の部分断面図
【符号の説明】
【0089】
1 送風ファン装置
2 ファンケーシング
3 排気口
4 送風ファン
4a ハブ部
4b ブレード部
5 回転軸
6 モータ駆動部
7 モータ保持部
8 風洞部
8h 風洞部の内高さ幅
9 緩衝部材
9a 両面テープ
10 緩衝部材
11 緩衝部材
12 緩衝部材
21 ファンフレーム
21a 吸気口
21b 底壁
21c 側壁
21d リベット
22 ファンカバー
22a 吸気口
22b 内側縁部
22c 内面側縁部
22d リベット穴
22h ファン室の内高さ幅
50 電子機器
51 液晶表示装置
52 本体装置
52a 筐体側面
52b 筐体底面
53 ヒンジ機構
54 回路基板
55 ヒートシンク
56 送風ファン装置
57 ファンカバー
57a 吸気口
57b 内側縁部
58 ファンフレーム
58a 吸気口
59 通気口
60 送風ファン
61 排気口
62 通気口
63 緩衝部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のブレード部を有する送風ファンと、前記送風ファンを回転自在に収容し、少なくとも1つの吸気口を有するファンケーシングと、を備えた送風ファン装置であって、前記吸気口を囲繞するように、前記ファンケーシングの外表面に緩衝部材を配設することを特徴とする送風ファン装置。
【請求項2】
前記ファンケーシングの内面であって、前記吸気口を取り囲む内面側縁部を平坦とすることを特徴とする請求項1記載の送風ファン装置。
【請求項3】
前記緩衝部材を、前記吸気口を取り囲む内側縁部に沿って配設することを特徴とする請求項1記載の送風ファン装置。
【請求項4】
前記緩衝部材を、前記吸気口を取り囲む内側縁部に沿った円環形状とすることを特徴とする請求項1記載の送風ファン装置。
【請求項5】
前記緩衝部材における半径方向の断面を矩形形状とすることを特徴とする請求項4記載の送風ファン装置。
【請求項6】
前記緩衝部材を、吸音性を有する多孔質材料で構成することを特徴とする請求項1記載の送風ファン装置。
【請求項7】
前記緩衝部材と前記ファンケーシングとを接着により固定することを特徴とする請求項6記載の送風ファン装置。
【請求項8】
前記緩衝部材を、複数の緩衝部材を連接させて構成することを特徴とする請求項1記載の送風ファン装置。
【請求項9】
請求項1〜8いずれか1項に記載の送風ファン装置を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−247444(P2007−247444A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−68798(P2006−68798)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】