説明

逆止弁および油圧供給装置

【課題】騒音を低減することができる逆止弁、油圧供給装置を提供する。
【解決手段】オイル入口部42とオイル出口部43との間に円状通路部34が設けられ、円状通路部34の内壁は半円弧状の小径部45と半円弧状の大径部とを有する内周面となっており、大径部46の径は小径部45の径よりも大きい。円状通路部34内にワンウエイクラッチ35が配置され、ワンウエイクラッチ35の外輪38は内輪36に対して一方向へのみ回転可能である。外輪38に羽根車40が装着され、羽根車40はオイルの流れによって回転する。羽根車40にベーン44が設けられ、ベーン44は円状通路部34の内周面に沿って羽根車40の径方向に進退可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は逆止弁および油圧供給装置に関し、たとえば自動車等の車両における自動変速機の変速装置に油圧を供給する油圧供給装置に用いられる逆止弁および当該逆止弁を有する油圧供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、たとえばハイブリッド車両、アイドリングストップエンジンを備えた車両など、エンジンを一時停止させて、燃費の向上および二酸化炭素の排出抑制を図る車両が開発されている。
【0003】
このような車両に搭載される自動変速機においては、自動変速機の変速装置にオイルを供給する油圧供給装置の機械式オイルポンプがエンジンと連動しており、エンジンの停止とともに機械式オイルポンプが停止する。このため、機械式オイルポンプが停止したとしても、たとえば車両の発進時などに速度操作を正常に行なうことができるように、変速装置に補助的にオイルの供給を行なう電動式オイルポンプを有する補助油圧装置が設けられている。
【0004】
補助油圧装置を備えた油圧供給装置には、エンジンの作動時に機械式オイルポンプから供給されるオイルが電動式オイルポンプ内に逆流するのを防止するために、逆止弁が設けられている。
【0005】
従来、油圧供給装置の逆止弁としては、チェックボールを有するものが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11−287316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このような逆止弁、油圧供給装置においては、エンジンおよび機械式オイルポンプが作動したときに、逆止弁のチェックボールがストッパ部まで移動し、衝撃による異音の発生を引き起こすから、逆止弁から騒音が発生する。
【0008】
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、騒音を低減することができる逆止弁、油圧供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するため、発明の実施態様は、流体出口部から流体入口部への流体の逆流を防止する逆止弁において、上記流体入口部と上記流体出口部との間に設けられた通路部と、上記通路部内に配置され、かつ外輪が内輪に対して一方向へのみ回転可能であるワンウエイクラッチと、環状であり、上記ワンウエイクラッチにより一方向への移動のみが許容され、かつ流体の流れによって移動する羽根部材と、上記羽根部材に設けられ、上記通路部の内周面に沿って上記羽根部材の移動方向と直角な方向に進退可能なベーンとを有し、上記流体入口部より上記羽根部材の移動方向側でありかつ上記流体出口部より上記羽根部材の移動方向とは反対側において上記ベーンが突出することを特徴とするものである。
【0010】
また、発明の他の実施態様は、流体出口部から流体入口部への流体の逆流を防止する逆止弁において、上記流体入口部と上記流体出口部との間に設けられ、内壁が円弧状の小径部と当該小径部の径より大きい径を有する円弧状の大径部とを有する内周面となっている円状通路部と、上記円状通路部内に配置され、かつ外輪が内輪に対して一方向へのみ回転可能であるワンウエイクラッチと、上記外輪に装着され、かつ流体の流れによって回転する羽根車と、上記羽根車に設けられ、上記円状通路部の上記内周面に沿って上記羽根車の径方向に進退可能なベーンとを有し、上記ベーンに作用する流体の圧力により上記羽根車を一方向へ回転させることを特徴とするものである。
【0011】
また、上記小径部が半円弧状であり、上記大径部が半円弧状であることを特徴としてもよい。
【0012】
また、上記羽根車が上記外輪に一体に装着されていることを特徴としてもよい。
【0013】
また、上記羽根車が上記外輪の外周に装着されていることを特徴としてもよい。
【0014】
また、上記ワンウエイクラッチがスプラグタイプのワンウエイクラッチであることを特徴としてもよい。
【0015】
また、発明の他の実施態様は、上述の逆止弁を配置した油圧供給装置において、機械式オイルポンプから吐出されるオイルを被供給機器に供給する第1オイル通路と、電動式オイルポンプから吐出されるオイルが流れる第2オイル通路とを有し、上記第1オイル通路に上記第2オイル通路が接続され、上記逆止弁が上記第2オイル流路に配置されたことを特徴とするものである。
【0016】
また、上記被供給機器が車両の自動変速機の変速装置であることを特徴としてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る逆止弁、油圧供給装置においては、衝撃による異音の発生を引き起こすことがなく、騒音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】アイドリングストップ機構を有する車両の自動変速機および補助油圧装置の構成を示す図である。
【図2】図1に示した補助油圧装置の一部を示す図である。
【図3】図2の一部拡大図である。
【図4】図3に示したワンウエイクラッチの一部を示す図である。
【図5】図3に示した逆止弁の動作説明図である。
【図6】図3に示した逆止弁のベーン部を示す図である。
【図7】図3に示した逆止弁の動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1により、アイドリングストップ機構を備えた車両の自動変速機および補助油圧装置、すなわち本発明の実施の形態に係る逆止弁、油圧供給装置を有する自動変速機および補助油圧装置について説明する。自動変速機10はオイルパン3、オイルストレーナ7、機械式オイルポンプ6、コントロールバルブ8、変速用プーリ5を有する。また、補助油圧装置20はオイルフィルタ2、電動式オイルポンプ1、逆止弁4を有する。
【0020】
機械式オイルポンプ6はエンジン(図示せず)と連動して作動する。すなわち、エンジンが作動しているときには、機械式オイルポンプ6が作動し、エンジンが停止すると、機械式オイルポンプ6も停止する。機械式オイルポンプ6が作動すると、機械式オイルポンプ6はオイルパン3内に溜まったオイルを吸引し、吐出する。機械式オイルポンプ6がオイルを吸引するときに、オイルストレーナ7はオイル内の異物などを除去する。そして、機械式オイルポンプ6から吐出されたオイルはコントロールバルブ8に供給される。コントロールバルブ8は機械式オイルポンプ6から供給されたオイルの圧力を調整する。コントロールバルブ8により圧力を調整されたオイルがプーリ通路41を介して変速用プーリ5に供給される。そして、変速用プーリ5に供給されたオイルにより、変速用プーリ5が回転される。
【0021】
また、機械式オイルポンプ6が停止したときに、電動式オイルポンプ1が作動する。電動式オイルポンプ1が作動すると、電動式オイルポンプ1はオイルパン3内に溜まったオイルを吸引し、吐出する。電動式オイルポンプ1がオイルを吸引するときに、オイルフィルタ2はオイル内の異物などを除去する。そして、電動式オイルポンプ1の吐出通路は逆止弁4を介してプーリ通路41に接続されている。逆止弁4はコントロールバルブ8により圧力を調整されたオイルすなわち機械式オイルポンプ6から吐出されたオイルが電動式オイルポンプ1側に逆流するのを防止する。
【0022】
そして、変速用プーリ5は機械式オイルポンプ6から吐出されるオイルが供給される被供給機器を構成している。また、オイルパン3、オイルストレーナ7、機械式オイルポンプ6、コントロールバルブ8、オイルフィルタ2、電動式オイルポンプ1および逆止弁4により、自動変速機の変速装置である変速用プーリ5に油圧を供給する油圧供給装置が構成されている。また、プーリ通路41は機械式オイルポンプ6から吐出されるオイルを被供給機器に供給する第1オイル通路を構成している。さらに、電動式オイルポンプ1の吐出通路からプーリ通路41に至る通路41Aが、電動式オイルポンプ1から吐出されるオイルが流れる第2オイル通路を構成している。
【0023】
図2〜図4により、本発明の実施の形態に係る逆止弁4について説明する。補助油圧装置20のハウジング31に電動式オイルポンプ1の吸入通路32および吐出通路33が設けられている。また、ハウジング31にオイル入口部42(流体入口部)、オイル出口部43(流体出口部)が形成されている。オイル入口部42は吐出通路33に接続されており、オイル出口部43はプーリ通路41に接続されている。ハウジング31に円状通路部34が形成され、円状通路部34はオイル入口部42とオイル出口部43との間に設けられている。円状通路部34の図3紙面直角方向の寸法はオイル入口部42、オイル出口部43の図3紙面直角方向の寸法よりも大きい。円状通路部34の内壁は半円弧状の小径部45と半円弧状の大径部46とを有する内周面となっている。小径部45の半円弧の中心と大径部46の半円弧の中心とは一致しており、小径部45の径は大径部46の径よりも小さい。小径部45はオイル出口部43から図3紙面時計回り方向にオイル入口部42までの間に設けられている。大径部46はオイル入口部42から図3紙面時計回り方向にオイル出口部43までの間に設けられている。小径部45と大径部46との円周方向の端部同士は、横方向から見た形状が薄いS字状をなす滑らかな曲面によって段差が生じないように接続されている。
【0024】
円状通路部34内にスプラグタイプのワンウエイクラッチ35が配置されている。ワンウエイクラッチ35は内輪36、スプラグ37および外輪38を有している。内輪36はハウジング31に固定されている。図4に示すように、スプラグ37は内輪36と外輪38との間に設けられている。スプラグ37は保持器39に保持されている。スプラグ37のワンウエイクラッチ35の径方向の内側部は内輪36の外周部と接触している。また、スプラグ37のワンウエイクラッチ35の径方向の外側部は外輪38の内周部と接触している。
【0025】
このワンウエイクラッチ35においては、外輪38が内輪36に対して図3紙面時計回り方向に回転しようとすると、スプラグ37が図3紙面時計回り方向に回転した状態(傾倒状態)となる。この結果、外輪38は自由に回転できる状態となる。これに対して、外輪38が内輪36に対して図3紙面反時計回り方向に回転しようとすると、スプラグ37が図3紙面反時計回り方向に回転した状態(起立状態)となり、スプラグ37の上記内側部は内輪36の外周部に押し付けられ、スプラグ37の上記外側部は外輪38の内周部に押し付けられた状態となる。この結果、外輪38は回転が阻止された状態となる。このため、ワンウエイクラッチ35は外輪38が内輪36に対して一方向すなわち図3紙面時計回り方向へのみ回転可能である。
【0026】
また、外輪38の外周に一体に羽根車40が装着されている。羽根車40は、その厚さ方向の寸法が、円状通路部34の厚さ方向の寸法よりも若干薄い歯車形状の部品である。
【0027】
そして、羽根車40の各突出部47の先端面にベーン44が設けられ、ベーン44は円状通路部34の内周面に沿って羽根車40の径方向に進退可能である。すなわち、ベーン44は、羽根車40の回転方向には薄く、羽根車40の厚み方向(羽根車40の回転軸に平行な方向)には突出部47との厚みと同じ幅を有する薄板状の部材であって、突出部47の先端面の回転方向中央部に形成された溝内に挿入されている。さらに、ベーン44の先端部分(円状通路部34の内壁に接する部分)は、蒲鉾状の滑らかな曲面となっている。また、図5、図6に示すように、突出部47に形成された溝の底部に設けられたバネ48によってベーン44にはその溝から飛び出す方向の力が常時加えられている。
【0028】
なお、円状通路部34の小径部45の内壁と羽根車40の突出部47の径方向外側部との間には、突出部47が内壁に接触しないように隙間が設けられ、突出部47が小径部45内側に位置しているときには、ベーン44は、その全体が突出部47内に収納された状態となる。円状通路部34の大径部46の内壁と羽根車40の突出部47の径方向外側部との間の距離は、突出部47の高さ(径方向の寸法)のたとえば3分の1であり、突出部47が大径部46内側に位置しているときには、ベーン44は、バネ48の付勢力によってその中央部の半分程度の部分が突出部47から突き出ることになる。
【0029】
また、羽根車40の回転に伴って、突出部47が大径部46から小径部45に移る際には、ベーン44は、大径部46と小径部45との間を滑らかに接続する曲面によってその先端が押し込まれることにより、突出部47内に速やかに入り込む動作をする。逆に、突出部47が小径部45から大径部46に移る際には、ベーン44は、バネ48の付勢力により、小径部45と大径部46とを接続する曲面に沿って速やかに突出部47内から突き出る動作をする。
【0030】
つぎに、逆止弁4の動作について説明する。オイル入口部42側では、羽根車40を図5紙面反時計回り方向に回転するように作用するオイルの圧力が、羽根車40の面Aに作用し、一方羽根車40を図5紙面時計回り方向に回転するように作用するオイルの圧力が、羽根車40の面Bおよびベーン44の羽根車40から突出した部分の面Cに作用する。このため、羽根車40を図5紙面時計回り方向に回転するように作用するオイルの圧力の圧力作用面積は、羽根車40を図5紙面反時計回り方向に回転するように作用するオイルの圧力の圧力作用面積よりも大きくなる。したがって、オイル入口部42内のオイルの圧力により、羽根車40は図5紙面時計回り方向に回転する力を受ける。
【0031】
また、オイル出口部43側では、羽根車40を図7紙面時計回り方向に回転するように作用するオイルの圧力が羽根車40の面Dに作用し、一方羽根車40を図7紙面反時計回り方向に回転するように作用するオイルの圧力が、羽根車40の面Eおよびベーン44の羽根車40から突出した部分の面Fに作用する。このため、羽根車40を図7紙面反時計回り方向に回転するように作用するオイルの圧力の圧力作用面積は、羽根車40を図7紙面時計回り方向に回転するように作用するオイルの圧力の圧力作用面積よりも大きくなる。したがって、オイル出口部43内のオイルの圧力により、羽根車40は図7紙面反時計回り方向に回転する力を受ける。
【0032】
そして、オイル入口部42内のオイルの圧力がオイル出口部43内のオイルの圧力よりも高いときには、オイル入口部42内のオイルの圧力により羽根車40を図3紙面時計回り方向に回転する力が、オイル出口部43内のオイルの圧力により羽根車40を図3紙面反時計回り方向に回転する力よりも大きくなるから、羽根車40を図3紙面時計回り方向に回転する力が発生する。そして、上述の如く、外輪38、羽根車40は図3紙面時計回り方向には自由に回転できる。このため、オイルがオイル入口部42からオイル出口部43に流れる。
【0033】
一方、オイル入口部42内のオイルの圧力がオイル出口部43内のオイルの圧力よりも低いときには、オイル出口部43内のオイルの圧力により羽根車40を図3紙面反時計回り方向に回転する力が、オイル入口部42内のオイルの圧力により羽根車40を図3紙面時計回り方向に回転する力よりも大きくなる。このため、外輪38、羽根車40を図3紙面反時計回り方向に回転する力が発生する。しかし、上述の如く、外輪38、羽根車40は内輪36に対して図3紙面反時計回り方向には回転しない。このため、オイルはオイル出口部43からオイル入口部42には流れない。
【0034】
つぎに、自動変速機10および補助油圧装置20の動作について説明する。エンジンが作動しているときには、機械式オイルポンプ6が作動している。この場合、機械式オイルポンプ6から吐出されたオイルはコントロールバルブ8により圧力を調整され、オイルは変速用プーリ5に供給される。このとき、電動式オイルポンプ1は停止しており、オイル入口部42内のオイルの圧力はオイル出口部43内のオイルの圧力よりも低い。このため、上述の如く、逆止弁4によりオイルはオイル出口部43からオイル入口部42には流れないから、コントロールバルブ8により圧力を調整されたオイルすなわち機械式オイルポンプ6から吐出されたオイルの電動式オイルポンプ1側への逆流が防止される。
【0035】
一方、エンジンが停止すると、機械式オイルポンプ6が停止し、電動式オイルポンプ1が作動する。この場合、オイル入口部42内のオイルの圧力はオイル出口部43内のオイルの圧力よりも高い。このため、上述の如く、オイルがオイル入口部42からオイル出口部43に流れるから、電動式オイルポンプ1から吐出されたオイルが逆止弁4、プーリ通路41を介して変速用プーリ5に供給される。この結果、エンジンが停止し、機械式オイルポンプ6が停止したときにも、車両の速度操作を正常に行なうことができる。
【0036】
このような逆止弁、油圧供給装置においては、チェックボールを有せず、逆止弁4の作動時にスプラグ37の傾きが変化するだけであるから、衝撃による異音の発生を引き起こすことがなく、騒音を低減することができる。また、羽根車40を外輪38と一体に形成したから、逆止弁4の構造を簡素化することができる。
【0037】
また、上述の油圧供給装置においては、エンジン、機械式オイルポンプ6が作動し、電動式オイルポンプ1が停止しているときに、機械式オイルポンプ6から吐出されたオイルの電動式オイルポンプ1側への逆流が防止されるから、電動式オイルポンプ1の機能に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0038】
なお、上述実施の形態においては、流体入口部と流体出口部との間に設けられ通路部が円状通路部である場合について説明したが、たとえば通路部が長円状、楕円状であってもよい。この場合には、環状であり、ワンウエイクラッチにより一方向への移動のみが許容され、かつ流体の流れによって移動する羽根部材を用いる。また、流体入口部より羽根部材の移動方向側でありかつ流体出口部より羽根部材の移動方向とは反対側においてベーンが突出するようにする。
【0039】
また、上述実施の形態においては、小径部45、大径部46を半円弧状としたが、小径部45、大径部46を円弧状とすればよく、必ずしも小径部45、大径部46を半円弧状とする必要はない。
【0040】
また、上述実施の形態においては、逆止弁4を油圧供給装置に用いた場合について説明したが、逆止弁を他の用途に用いてもよい。また、上述実施の形態においては、被供給機器が車両の自動変速機の変速装置の場合について説明したが、被供給機器はこれに限定されない。また、上述実施の形態においては、ワンウエイクラッチとしてスプラグタイプのワンウエイクラッチ35を用いたが、ワンウエイクラッチはこれに限定されない。また、上述実施の形態においては、内輪36をハウジング31に固定したが、ワンウエイクラッチの内輪をハウジングと一体に設けてもよい。また、上述実施の形態においては、円状の内輪36を用いたが、円環状の内輪を用いてもよい。この場合、円状通路部を円環状とし、円環状の円状通路部の径方向内側の側壁の外周にワンウエイクラッチの円環状の内輪の内周部を固定する。
【0041】
さらに、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施の形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施の形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【符号の説明】
【0042】
1…電動式オイルポンプ、4…逆止弁、5…変速用プーリ、6…機械式オイルポンプ、10…自動変速機、20…補助油圧装置、34…円状通路、35…ワンウエイクラッチ、40…羽根車、42…オイル入口部、43…オイル出口部、44…ベーン、45…小径部、46…大径部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体出口部から流体入口部への流体の逆流を防止する逆止弁において、
上記流体入口部と上記流体出口部との間に設けられた通路部と、
上記通路部内に配置され、かつ外輪が内輪に対して一方向へのみ回転可能であるワンウエイクラッチと、
環状であり、上記ワンウエイクラッチにより一方向への移動のみが許容され、かつ流体の流れによって移動する羽根部材と、
上記羽根部材に設けられ、上記通路部の内周面に沿って上記羽根部材の移動方向と直角な方向に進退可能なベーンとを有し、
上記流体入口部より上記羽根部材の移動方向側でありかつ上記流体出口部より上記羽根部材の移動方向とは反対側において上記ベーンが突出する
ことを特徴とする逆止弁。
【請求項2】
流体出口部から流体入口部への流体の逆流を防止する逆止弁において、
上記流体入口部と上記流体出口部との間に設けられ、内壁が円弧状の小径部と当該小径部の径より大きい径を有する円弧状の大径部とを有する内周面となっている円状通路部と、
上記円状通路部内に配置され、かつ外輪が内輪に対して一方向へのみ回転可能であるワンウエイクラッチと、
上記外輪に装着され、かつ流体の流れによって回転する羽根車と、
上記羽根車に設けられ、上記円状通路部の上記内周面に沿って上記羽根車の径方向に進退可能なベーンとを有し、
上記ベーンに作用する流体の圧力により上記羽根車を一方向へ回転させることを特徴とする逆止弁。
【請求項3】
上記小径部が半円弧状であり、上記大径部が半円弧状であることを特徴とする請求項2に記載の逆止弁。
【請求項4】
上記羽根車が上記外輪に一体に装着されていることを特徴とする請求項2または3に記載の逆止弁。
【請求項5】
上記羽根車が上記外輪の外周に装着されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の逆止弁。
【請求項6】
上記ワンウエイクラッチがスプラグタイプのワンウ
エイクラッチであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の逆止弁。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の逆止弁を配置した油圧供給装置において、
機械式オイルポンプから吐出されるオイルを被供給機器に供給する第1オイル通路と、電動式オイルポンプから吐出されるオイルが流れる第2オイル通路とを有し、
上記第1オイル通路に上記第2オイル通路が接続され、
上記逆止弁が上記第2オイル流路に配置された
ことを特徴とする油圧供給装置。
【請求項8】
上記被供給機器が車両の自動変速機の変速装置であることを特徴とする請求項7に記載の油圧供給装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−163177(P2012−163177A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−25180(P2011−25180)
【出願日】平成23年2月8日(2011.2.8)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】