説明

通信システム、通信装置、通信制御方法、および通信制御プログラム

【課題】利用者が相手側のポインタの位置を誤認することを防止できる通信システム、通信装置、通信制御方法、および通信制御プログラムを提供する。
【解決手段】ネットワークに接続されている各通信装置のそれぞれのディスプレイに画像が表示されるまでの時間である第一時間が検出される(S202)。画像の変更が開始されたことが検出されると(S206:YES)、自装置とは異なる通信装置のポインタが非表示にされる(S208)。そして、画像の変更が終了されると(S209:YES)、時間の計測が開始される(S212)。計測された時間が、第一時間より大きくなると(S213:YES)、第一時間が経過した通信装置のポインタが再表示される。つまり、変更後の画像がディスプレイ28に表示された通信装置のポインタが再表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示画面にポインタを表示することが可能な通信システム、通信装置、通信制御方法、および通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、それぞれ離れた拠点に設置された複数の装置の間で、同一の画像を共有して表示し、この共有画像を参照しながら会議等を行うことができる通信システムが知られている。このような通信システムでは、共有画像が表示された画面上に、それぞれの装置の利用者が操作するポインタが表示される。そして、利用者は、ポインタで画像を指し示しながら、会議を行うことができる(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような従来の通信システムでは、画像の情報を一の装置(以下、送信側装置という。)から送信し、他の装置(以下、受信側装置という。)で受信している。また、ポインタの位置の情報は、送信側装置と受信側装置とで互いに送受信している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−157184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、送信側装置が画像を送信して、受信側装置の表示画面に画像が表示されるまでには、画像に対して圧縮処理および伸張処理が行われる。一方、ポインタに関しては、送信側装置と受信側装置との間で、ポインタの座標等の位置情報のみが互いに送受信され、送信側装置と受信側装置との画面に、相手側のポインタが表示される。画像が表示されるためには、圧縮処理および伸張処理が行われ、ポインタが表示されるためには、圧縮処理および伸張処理が行われないため、画像が表示されるまでの時間が、ポインタが表示される時間より長くなる。
【0006】
このため、送信側装置の表示画面が変更された場合、送信側装置の利用者が変更後の画面上でポインタを動かしているにもかかわらず、受信側装置では、変更前の画像が表示されたまま、送信側装置のポインタのみが先に表示される。つまり、受信側装置の表示画面には、送信側装置の利用者が意図しない位置にポインタが表示されてしまう。また、このとき、受信側装置の利用者は、変更前の画面上でポインタを動かし、送信側装置の表示画面に表示される。しかし、送信側装置の画面はすでに変更後の画面が表示されているため、送信側装置の画面には、受信側装置の利用者が意図しない位置にポインタが表示されてしまう。このように、互いに意図しない位置をポインタで指し示してしまうため、利用者が相手側のポインタの位置を誤認するおそれがあるという問題点があった。
【0007】
本発明は、利用者が相手側のポインタの位置を誤認することを防止できる通信システム、通信装置、通信制御方法、および通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様に係る発明の通信システムは、ネットワークを介して接続され、画像の情報を送受信可能な複数の通信装置において、ポインティングデバイスからの入力情報に対応して表示画面上に表示されるポインタの位置の情報であるポインタ情報を互いに送受信する通信システムであって、前記通信装置は、送受信される前記画像の情報に対応する前記画像を前記表示画面に表示し、送受信される前記ポインタ情報に基づいて前記表示画面に前記ポインタを表示する表示制御手段と、前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出する変更検出手段と、前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、自装置とは異なる通信装置から送信されるポインタ情報に基づく前記ポインタの表示を変化させる変化手段と、前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出する表示検出手段と、前記表示検出手段によって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、前記変化手段による前記ポインタの表示の変化を終了する変化終了手段とを備えている。
【0009】
この場合、画像が変更されている間は、通信装置の表示画面に表示されている自装置とは異なる通信装置のポインタを変化させることができる。この変化によって、通信装置の利用者は、自装置とは異なる通信装置の利用者が意図しない位置に、自装置とは異なる通信装置のポインタが表示されていることを認識することができる。よって、通信装置の利用者が、自装置とは異なる通信装置の利用者が操作するポインタの位置を誤認することを防止することができる。
【0010】
前記通信システムにおいて、前記通信装置は、一の前記通信装置から他の前記通信装置に前記画像の情報が送信されてから、送信された前記画像の情報に基づく前記画像が前記他の通信装置の前記表示画面に表示されるまでの時間である第一時間を検出する第一時間検出手段をさらに備え、前記変化終了手段は、前記一の通信装置から前記他の通信装置に前記画像の情報が送信されてからの経過時間が、前記第一時間より大きくなった場合に、前記変化手段による前記ポインタの表示の変化を終了してもよい。
【0011】
この場合、第一時間が経過した通信装置の利用者は、変更後の画像が表示された表示画面上で、ポインタを操作することができる。このため、変化終了手段によって、第一時間が経過した通信装置の利用者が操作するポインタの変化を終了しても、このポインタは、第一時間が経過した通信装置の利用者が意図する位置に表示されている。よって、利用者が、ポインタの位置を誤認することを防止することができる。
【0012】
前記通信システムにおいて、前記通信装置は、前記表示検出手段によって前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、変更後の前記画像が前記通信装置の前記表示画面に表示されたことを示す情報である表示情報を自装置とは異なる通信装置に送信する表示情報送信手段を備え、前記変化終了手段は、前記表示検出手段によって前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された後、自装置とは異なる前記通信装置から送信される前記表示情報を受信した場合に、前記変化手段による前記ポインタの表示の変化を終了してもよい。
【0013】
この場合、表示情報が複数の通信装置の間で送受信される。そして、変化終了手段は、自装置とは異なる通信装置から送信される表示情報を受信した場合に、ポインタの表示の変化を終了する。表示情報を送信した通信装置の表示画面には、変更後の画像が表示されている。つまり、表示情報を送信した通信装置の利用者は、変更後の画像が表示された表示画面上でポインタを操作している。このため、変化終了手段によって、ポインタの表示の変化を終了した場合、このポインタは、表示情報を送信した通信装置の利用者が意図する位置に表示されている。よって、表示情報を受信する側の利用者が、表示情報を送信した通信装置のポインタの位置を誤認することを防止することができる。
【0014】
前記通信システムにおける前記通信装置において、前記変更検出手段は、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像が変化した率が、所定の変化率である第一変化率以上となったことを検出することで、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出し、前記表示検出手段は、前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像が変化した率が、前記第一変化率より小さくなったことを検出することで、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出してもよい。
【0015】
この場合、通信装置の表示画面に表示される画像が変化した率に基づいて、画像が変更されたことと、画像の変更が終了されたこととが検出できる。
【0016】
前記通信システムにおいて、前記通信装置は、前記画像の情報を送信する前記通信装置として動作する場合において、前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、前記画像が変更されたことを示す情報である変更情報を自装置とは異なる前記通信装置に送信する変更情報送信手段を備え、前記画像の情報を受信する前記通信装置として動作する場合に、前記変更検出手段は、前記画像の情報を送信する前記通信装置の前記変更情報送信手段によって送信された前記変更情報を受信することで、前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出してもよい。
【0017】
この場合、通信装置が画像の情報を受信する通信装置として動作する場合には、画像の情報を送信する通信装置から送信された変更情報を受信することで、画像の変更が開始されたことを検出することができる。
【0018】
前記通信システムにおいて、前記通信装置は、前記変更検出手段によって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像が変更されたことが検出された場合に、自装置とは異なる前記通信装置の前記ポインタ情報を記憶装置に記憶する記憶手段をさらに備え、前記変化終了手段は、前記表示検出手段によって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された後、自装置とは異なる前記通信装置から送信される前記ポインタ情報に基づく前記ポインタの位置と、前記記憶手段によって前記記憶装置に記憶された前記ポインタ情報に基づく前記ポインタの位置とが、所定の値である第一閾値以上離れた場合に、前記変化手段による前記ポインタの表示の変化を終了してもよい。
【0019】
この場合、画像の変更が終了した後に、自装置とは異なる通信装置の利用者がポインタを動かした場合に、ポインタの変化が終了されるようにすることができる。
【0020】
本発明の第二の態様に係る通信装置は、ネットワークを介して接続され、画像の情報を自装置とは異なる通信装置に送信し、ポインティングデバイスからの入力情報に対応して表示画面上に表示されるポインタの位置の情報であるポインタ情報を自装置とは異なる通信装置との間で互いに送受信可能な通信装置であって、送信される前記画像の情報に対応する前記画像を前記表示画面に表示し、送受信される前記ポインタ情報に基づいて前記ポインタを表示する表示制御手段と、前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出する変更検出手段と、前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、自装置とは異なる通信装置から送信されるポインタ情報に基づく前記ポインタの表示を変化させる変化手段と、前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出する表示検出手段と、前記表示検出手段によって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、前記変化手段による前記ポインタの表示の変化を終了する変化終了手段とを備えている。
【0021】
この場合、画像が変更されている間は、画像の情報を送信する通信装置の表示画面に表示されている自装置とは異なる通信装置のポインタを変化させることができる。この変化によって、通信装置の利用者は、自装置とは異なる通信装置の利用者が意図しない位置に、自装置とは異なる通信装置のポインタが表示されていることを認識することができる。よって、画像の情報を送信する通信装置の利用者が、自装置とは異なる通信装置の利用者が操作するポインタの位置を誤認することを防止することができる。
【0022】
本発明の第三の態様に係る通信装置は、ネットワークを介して接続され、自装置とは異なる通信装置から送信される画像の情報を受信し、ポインティングデバイスからの入力情報に対応して表示画面上に表示されるポインタの位置の情報であるポインタ情報を自装置とは異なる通信装置との間で互いに送受信可能な通信装置であって、受信される前記画像の情報に対応する前記画像を前記表示画面に表示し、送受信される前記ポインタ情報に基づいて前記ポインタを表示する表示制御手段と、前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出する変更検出手段と、前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、自装置とは異なる通信装置から送信されるポインタ情報に基づく前記ポインタの表示を変化させる変化手段と、前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出する表示検出手段と、前記表示検出手段によって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、前記変化手段による前記ポインタの表示の変化を終了する変化終了手段とを備えている。
【0023】
この場合、画像が変更されている間は、画像の情報を受信する通信装置の表示画面に表示されている自装置とは異なる通信装置のポインタを変化させることができる。この変化によって、通信装置の利用者は、自装置とは異なる通信装置の利用者が意図しない位置に、自装置とは異なる通信装置のポインタが表示されていることを認識することができる。よって、画像の情報を受信する通信装置の利用者が、自装置とは異なる通信装置の利用者が操作するポインタの位置を誤認することを防止することができる。
【0024】
本発明の第四の態様に係る通信制御方法は、ネットワークを介して接続され、画像の情報を送受信可能な複数の通信装置において、ポインティングデバイスからの入力情報に対応して表示画面上に表示されるポインタの位置の情報であるポインタ情報を互いに送受信する通信システムにおける前記通信装置において実行される通信制御方法であって、送受信される前記画像の情報に対応する前記画像を前記表示画面に表示し、送受信される前記ポインタ情報に基づいて前記表示画面に前記ポインタを表示する表示制御ステップと、前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出する変更検出ステップと、前記変更検出ステップによって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、自装置とは異なる通信装置から送信されるポインタ情報に基づく前記ポインタの表示を変化させる変化ステップと、前記変更検出ステップによって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出する表示検出ステップと、前記表示検出ステップによって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、前記変化ステップによる前記ポインタの表示の変化を終了する変化終了ステップとを備えている。
【0025】
この場合、画像が変更されている間は、通信装置の表示画面に表示されている自装置とは異なる通信装置のポインタを変化させることができる。この変化によって、通信装置の利用者は、自装置とは異なる通信装置の利用者が意図しない位置に、自装置とは異なる通信装置のポインタが表示されていることを認識することができる。よって、通信装置の利用者が、自装置とは異なる通信装置の利用者が操作するポインタの位置を誤認することを防止することができる。
【0026】
本発明の第五の態様に係る通信制御プログラムは、ネットワークを介して接続され、画像の情報を自装置とは異なる通信装置に送信し、ポインティングデバイスからの入力情報に対応して表示画面上に表示されるポインタの位置の情報であるポインタ情報を自装置とは異なる通信装置との間で互いに送受信可能な通信装置において実行される通信制御プログラムであって、通信装置のCPUに、送信される前記画像の情報に対応する前記画像を前記表示画面に表示し、送受信される前記ポインタ情報に基づいて前記ポインタを表示する表示制御ステップと、前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出する変更検出ステップと、前記変更検出ステップによって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、自装置とは異なる通信装置から送信されるポインタ情報に基づく前記ポインタの表示を変化させる変化ステップと、前記変更検出ステップによって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出する表示検出ステップと、前記表示検出ステップによって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、前記変化ステップによる前記ポインタの表示の変化を終了する変化終了ステップとを実行させる。
【0027】
この場合、画像が変更されている間は、画像の情報を送信する通信装置の表示画面に表示されている自装置とは異なる通信装置のポインタを変化させることができる。この変化によって、通信装置の利用者は、自装置とは異なる通信装置の利用者が意図しない位置に、自装置とは異なる通信装置のポインタが表示されていることを認識することができる。よって、画像を送信する通信装置の利用者が、自装置とは異なる通信装置の利用者が操作するポインタの位置を誤認することを防止することができる。
【0028】
本発明の第六の態様に係る通信制御プログラムは、ネットワークを介して接続され、自装置とは異なる通信装置から送信される画像の情報を受信し、ポインティングデバイスからの入力情報に対応して表示画面上に表示されるポインタの位置の情報であるポインタ情報を自装置とは異なる通信装置との間で互いに送受信可能な通信装置において実行される通信制御プログラムであって、通信装置のCPUに、受信される前記画像の情報に対応する前記画像を前記表示画面に表示し、送受信される前記ポインタ情報に基づいて前記ポインタを表示する表示制御ステップと、前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出する変更検出ステップと、前記変更検出ステップによって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、自装置とは異なる通信装置から送信されるポインタ情報に基づく前記ポインタの表示を変化させる変化ステップと、前記変更検出ステップによって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出する表示検出ステップと、前記表示検出ステップによって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、前記変化ステップによる前記ポインタの表示の変化を終了する変化終了ステップとを実行させる。
【0029】
この場合、画像が変更されている間は、画像の情報を受信する通信装置の表示画面に表示されている自装置とは異なる通信装置のポインタを変化させることができる。この変化によって、通信装置の利用者は、自装置とは異なる通信装置の利用者が意図しない位置に、自装置とは異なる通信装置のポインタが表示されていることを認識することができる。よって、画像を受信する通信装置の利用者が、自装置とは異なる通信装置の利用者が操作するポインタの位置を誤認することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】テレビ会議システム1の構成を示すブロック図である。
【図2】通信装置3の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】HDD31の各記憶領域を示す概念図である。
【図4】通信装置3で用いられるRAM22の各記憶領域を示す概念図である。
【図5】通信装置4,5で用いられるRAM22の各記憶領域を示す概念図である。
【図6】通信装置3および通信装置4のディスプレイ28に表示される画像の一例を示す図である。
【図7】通信装置3のCPU20による第一ポインタ表示処理を示すフローチャートである。
【図8】通信装置3のCPU20による第一メイン処理を示すフローチャートである。
【図9】通信装置3のディスプレイ28に表示される画像の一例を示す図である。
【図10】通信装置3および通信装置4のディスプレイ28に表示される画像の一例を示す図である。
【図11】通信装置4,5のCPU20による第二ポインタ表示処理を示すフローチャートである。
【図12】通信装置4,5のCPU20による第二メイン処理を示すフローチャートである。
【図13】通信装置4のディスプレイ28に表示される画像の一例を示す図である。
【図14】通信装置3のCPU20による第三メイン処理を示すフローチャートである。
【図15】通信装置4,5のCPU20による第四メイン処理を示すフローチャートである。
【図16】通信装置3のCPU20による第五メイン処理を示すフローチャートである。
【図17】通信装置4,5のCPU20による第六メイン処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る通信装置を具現化した通信装置3,4,5について、図面を参照して説明する。なお、これらの図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものであり、記載されている通信装置の構成、各種処理のフローチャートなどは、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。
【0032】
まず、第一実施形態に係る、通信装置3,4,5を構成要素とするテレビ会議システム1の構成について、図1を参照して説明する。テレビ会議システム1は、ネットワーク2と通信装置3と通信装置4と通信装置5とを備えている。通信装置3,4,5は、ネットワーク2を介して相互に接続されている。テレビ会議システム1では、通信装置3,4,5の間において、ネットワーク2を介して、画像、音声が互いに送受信されることでテレビ会議が実施される。なお、図1において、通信装置3,4,5の3台がネットワーク2に接続されているが、台数は限定されず、例えば10台がネットワーク2に接続されていてもよい。
【0033】
通信装置3,4,5は、同一の電気的構成をしており、同一のソフトウェアが設定されている。詳細は後述するが、本実施形態では、通信装置3は、通信装置4,5に画像データを送信する通信装置である。通信装置4,5は、通信装置3から送信された画像データを受信して、ディスプレイ28(図2参照、後述)に表示する通信装置である。なお、ネットワーク2に接続されているすべての通信装置3,4,5のうち、任意の一台を、画像データを送信する通信装置として機能させることができる。また、他の通信装置を、画像データを受信する通信装置として機能させることができる。
【0034】
通信装置3,4,5の電気的構成について、図2を参照して説明する。なお、通信装置3,4,5の電気的構成は同一であるので、ここでは、通信装置3の電気的構成について説明する。
【0035】
通信装置3には、通信装置3の制御を司るコントローラとしてのCPU20が設けられている。CPU20には、BIOS等を記憶したROM21と、各種データを一時的に記憶するRAM22と、データの受け渡しの仲介を行うI/Oインタフェイス30とが接続されている。I/Oインタフェイス30には、各種記憶エリアを有するハードディスクドライブ31(以下、HDD31)が接続されている。
【0036】
I/Oインタフェイス30には、ネットワーク2と通信するための通信インタフェイス25と、マウス27と、ビデオコントローラ23と、キーコントローラ24と、ユーザを撮影するためのカメラ34と、ユーザの音声を取り込むためのマイク35と、CD−ROMドライブ26とが各々接続されている。また、I/Oインタフェイス30には、画像を圧縮・符号化するためのエンコーダ36と、符号化された画像を伸張・復号するためのデコーダ37と、時間を計測するためのタイマ38とが接続されている。ビデオコントローラ23には、ディスプレイ28が接続されている。キーコントローラ24には、キーボード29が接続されている。
【0037】
なお、CD−ROMドライブ26に挿入されるCD−ROM114には、例えば、通信装置3の本実施形態のおける各種プログラム等が記憶されている。CD−ROM114の導入時には、各種プログラム等が、CD−ROM114からHDD31にセットアップされて、後述するプログラム記憶領域311(図3参照)に記憶される。
【0038】
HDD31の各種記憶領域について、図3を参照して説明する。HDD31には、プログラム記憶領域311とその他の情報記憶領域312とが少なくとも備えられている。プログラム記憶領域311には、CPU20が各種の処理等を実行するために必要なプログラムデータが記憶されている。
【0039】
次に、RAM22の各種記憶領域について説明する。前述したように、通信装置3,4,5は、同一の電気的構成をしているため、通信装置3,4,5が備えているRAM22の各記憶領域は同じである。しかし、以降の説明を容易にするために、画像を送信する送信側である通信装置3において用いられるRAM22の記憶領域と、画像を受信する受信側である通信装置4,5において用いられるRAM22の記憶領域とに分けて説明する。
【0040】
図4を参照して、通信装置3において用いられるRAM22の各種記憶領域について説明する。通信装置3のRAM22には、第一時間記憶領域221と第一測定時間記憶領域222と第一ポインタ情報記憶領域223とその他の記憶領域224とが少なくとも備えられている。第一時間記憶領域221には、後述する第一時間が記憶される。第一測定時間記憶領域222には、後述する時間T1が記憶される。第一ポインタ情報記憶領域223には、後述するポインタ情報が記憶される。
【0041】
図5を参照して、通信装置4,5において用いられるRAM22の各種記憶領域について説明する。通信装置4,5のRAM22には、第一時間記憶領域226と第二測定時間記憶領域227と画像データ記憶領域228と第二ポインタ情報記憶領域229とその他の情報記憶領域230とが少なくとも備えられている。第一時間記憶領域226には、後述する第一時間が記憶される。第二測定時間記憶領域227には、後述する時間T2が記憶される。画像データ記憶領域228には、後述する画像データが記憶される。第二ポインタ情報記憶領域229には、後述するポインタ情報が記憶される。
【0042】
本実施形態において、ディスプレイ28に表示される画像の一例について述べる。本実施形態では、通信装置3に接続されているディスプレイ28に表示される画像を、通信装置4,5と共有して、テレビ会議を行う場合について述べる。図6に示すように、通信装置3に接続されているディスプレイ28には、ドキュメントが表示されている。ドキュメントは、通信装置3の利用者がファイルを選択して起動したものである。図6に示す画像は、通信装置3から通信装置4,5に送信される。そして、通信装置4,5にそれぞれ接続されているディスプレイ28には、図6に示す画像と同様の画像が表示される。
【0043】
また、ディスプレイ28には、通信装置3,4,5の利用者がそれぞれ操作するポインタが表示されている。ポインタ51Aは、通信装置3の利用者によってマウス27を介して操作されるポインタである。ポインタ51Bは、通信装置4の利用者によってマウス27を介して操作されるポインタである。ポインタ51Cは、通信装置5の利用者によってマウス27を介して操作されるポインタである。ポインタ51A,51B,51Cの画面上の位置の情報は、通信装置3,4,5の間で、相互に送受信されている。そして、通信装置3,4,5のディスプレイ28に、ポインタ51A,51B,51Cが表示される。このようにして、通信装置3,4,5の利用者は、同じ画面の表示を参照しながらテレビ会議を行うことができる。
【0044】
第一実施形態に係るテレビ会議システム1による処理について説明する。ここでは、通信装置3のCPU20による処理、通信装置4,5のCPU20による処理に分けて順次説明する。
【0045】
まず、図7に示すフローチャートを参照して、通信装置3のCPU20による第一ポインタ表示処理について説明する。第一ポインタ表示処理は、通信装置3,4,5の利用者が操作するポインタ51A,51B,51Cを、通信装置3のディスプレイ28に表示する処理である。第一ポインタ表示処理は、後述する第一メイン処理(図8参照)が実行されている最中においても実行されている。
【0046】
図7に示すように、通信装置3において行われる第一ポインタ表示処理では、まず、自装置である通信装置3の利用者が操作するマウス27からの入力に基づいて、ディスプレイ28にポインタ51Aが表示される(S101)。次いで、通信装置4,5に対して、ポインタ51Aのポインタ情報が送信される(S102)。通信装置3が送信するポインタ情報は、ポインタ51Aの画面上の座標等の位置を示す情報である。S102の処理によって送信されたポインタ51Aのポインタ情報は、後述する通信装置4,5のS303の処理(図11参照)によって受信される。次いで、自装置とは異なる通信装置4,5のS302の処理(図11参照、後述)によって送信される通信装置4のポインタ情報もしくは通信装置5のポインタ情報が受信されたか否かが判断される(S103)。
【0047】
通信装置4のポインタ情報もしくは通信装置5のポインタ情報が受信された場合には(S103:YES)、受信されたポインタ情報に基づいて、通信装置3のディスプレイ28にそれぞれポインタ51Bまたはポインタ51Cがポインタ情報によって示される位置に表示される(S104)。
【0048】
次いで、通信装置3の利用者によって、キーボード29またはマウス27を介して、テレビ会議の終了の指示がされたか否かが判断される(S105)。なお、S103の処理において、通信装置4のポインタ情報と通信装置5のポインタ情報とが受信されていないと判断された場合にも(S103:NO)、S105の処理が行われる。
【0049】
テレビ会議の終了の指示が入力されていない場合には(S105:NO)、S101に戻り、処理が繰り返される。これによって、ディスプレイ28には、ポインタ51A,51B,51Cの最新の位置が繰り返し更新され、表示されることとなる。また、通信装置4,5に対して、最新のポインタ51Aのポインタ情報が繰り返し送信される(S102)。そして、テレビ会議の終了の指示が入力された場合には(S105:YES)、通信装置3のCPU20による第一ポインタ表示処理が終了される。
【0050】
図8に示すフローチャートを参照して、通信装置3のCPU20による第一メイン処理について説明する。なお、図7に示した第一ポインタ表示処理は、第一メイン処理が実行されている最中でも実行され、通信装置3,4,5のポインタ51A,51B,51Cがディスプレイ28に表示される。
【0051】
図8に示すように、通信装置3において行われる第一メイン処理では、まず、各種のパラメータ等の初期化が行われる(S201)。次いで、第一時間が検出され、第一時間記憶領域221に記憶される(S202)。第一時間は、通信装置3が画像データを送信してから、通信装置3,4,5のそれぞれのディスプレイ28に画像データに基づく画像が表示されるまでの時間を表している。より詳細には、通信装置3の第一時間は、画像データを送信する時点ですでに画像が表示されているため、「0秒」である。また、通信装置4,5の第一時間は、通信装置3から画像データが送信されてから、通信装置4,5のそれぞれに受信されるまでの時間と、通信装置4,5のそれぞれにおいて画像データが受信されてから、受信された画像データが伸張・復号されて通信装置4,5のそれぞれのディスプレイ28に表示されるまでの時間との和である。第一時間の検出は、通信装置4,5に画像データを送信して、その画像データが通信装置4,5に表示されるまでの時間を計測することにより行われるが、これに限定されない。例えば、第一時間の検出は、予め、通信装置4,5において画像データが復号される時間や通信速度を、HDD31に記憶しておき、それを読み出して計算してもよい。
【0052】
次いで、S202の処理において第一時間記憶領域221に記憶された通信装置3,4,5の第一時間を通信装置4,5に送信する(S203)。S203の処理によって送信された通信装置3,4,5の第一時間は、後述する通信装置4,5のS402の処理(図12参照)によって受信される。
【0053】
次いで、CPU20がビデオコントローラ23を制御し、通信装置3に接続されているディスプレイ28に画像が表示される(S204)。次いで、ディスプレイ28に表示された画像を、圧縮・符号化し、画像データとして自装置とは異なる通信装置である通信装置4,5に送信する(S205)。S205の処理によって送信された画像データは、後述する通信装置4,5のS404の処理(図12参照)によって受信される。
【0054】
次いで、通信装置3のディスプレイ28に表示されている画像の変更が開始されたか否かが判断される(S206)。S206に処理では、通信装置3の利用者が、マウス27もしくはキーボード29を操作して、ディスプレイ28に表示されている画像を変更したか否かが判断される。画像の変更とは、例えば、ドキュメントがスクロールされたり、異なったファイルが起動されたりして、画像が書き換えられることである。S206の処理では、通信装置3に接続されているディスプレイ28に表示されている画像が変化した率である変化率が計算される。そして、計算された変化率が所定の変化率である第一画像変化率以上であるか否かが判断されることによって、画像の変更が開始されたか否かが判断される。第一画像変化率は、例えば40%である。
【0055】
計算された変化率が第一画像変化率より小さい場合には、画像の変更が開始されていないと判断され(S206:NO)、通信装置3の利用者によって、キーボード29またはマウス27を介して、テレビ会議の終了の指示が入力されたか否かが判断される(S207)。テレビ会議の終了の指示が入力されていない場合には(S207:NO)、S204に戻り、処理が繰り返される。テレビ会議の終了の指示が入力された場合には(S207:YES)、通信装置3のCPU20による第一メイン処理が終了される。
【0056】
S206の処理において、計算された変化率が第一画像変化率以上である場合には、画像の変更が開始されたと判断され(S206:YES)、通信装置3のディスプレイ28に表示されている自装置とは異なる、通信装置4,5の利用者が操作するポインタ51B,51Cが非表示にされる(S208)。
【0057】
次いで、通信装置3に接続されているディスプレイ28に表示されている画像の変化率が第一画像変化率より小さいか否かが判断されることによって、画像の変更が終了されたか否かが判断される(S209)。
【0058】
画像の変化率が第一画像変化率以上である場合には、画像が変更されていると判断され(S209:NO)、ディスプレイ28に変更中の画像が表示される(S210)。次いで、ディスプレイ28に表示された画像を、圧縮・符号化し、画像データとして通信装置4,5に送信する(S211)。S211の処理によって送信された画像データは、後述する通信装置4,5のS412の処理(図12参照)によって受信される。次いで、S209に戻り、処理が繰り返される。
【0059】
S206およびS208〜S211を具体的に説明する。図6に示すドキュメントの画像が、通信装置3の利用者の操作によって、図9に示すようにスクロールされ、変化率が第一画像変化率である40%以上である80%の場合、画像の変更が開始されたと判断され(S206:YES)、図9に示すように、通信装置4,5の利用者が操作するポインタ51B,51Cが非表示にされる(S208)。通信装置3の利用者の操作によって、ディスプレイ28に表示されている画像がスクロールされ続けた場合は、画像の変化率が80%であるため、画像の変更が終了されていないと判断され(S209:NO)、変更中の画像が表示され(S210)、変更中の画像の画像データが通信装置4,5に送信される(S211)。そして、利用者による画像のスクロールが終了され、画像の変更が終了されると、画像の変化率が第一画像変化率である40%より小さく(たとえば、0%)なるため、画像の変更が終了されたと判断される(S209:YES)。
【0060】
画像の変更が終了されたと判断された場合には(S209:YES)、タイマ38によって時間T1の測定が開始される(S212)。測定された時間T1は、第一測定時間記憶領域222に記憶される。次いで、測定された時間T1が、第一時間記憶領域221に記憶されている通信装置4,5の第一時間のうち、いずれか一の第一時間より大きくなったか否かが判断される(S213)。換言すれば、S213の処理では、通信装置4,5のうち、変更後の画像が、ディスプレイ28に表示された通信装置4,5があるか否かが判断される(S213)。時間T1が、通信装置4,5の第一時間以下である場合には(S213:NO)、次いで、S213に戻り、処理が繰り返される。
【0061】
時間T1が、通信装置4,5の第一時間のうち、いずれか一の第一時間より大きい場合、すなわち、変更後の画像が表示された通信装置4,5がある場合には(S213:YES)、S213の処理によって変更後の画像が表示されたと判断された通信装置4または通信装置5のポインタが、通信装置3のディスプレイ28に再表示される(S214)。このとき、通信装置のポインタは、S103の処理(図7参照)によって受信されたポインタ情報に基づいて、最新の位置で表示される。
【0062】
次いで、自装置とは異なる、通信装置4,5のポインタ51B,51Cが、通信装置3のディスプレイ28に全て再表示されたか否かが判断される(S215)。通信装置4,5のポインタ51B,51Cが通信装置3のディスプレイ28に全て再表示されていない場合には(S215:NO)、S213に戻り、通信装置4,5のポインタ51B,51Cが全て再表示されるまで、S213〜S215の処理が繰り返される。
【0063】
通信装置4,5のポインタ51B,51Cが通信装置3のディスプレイ28に再表示された場合には(S215:YES)、第一測定時間記憶領域222に記憶されている時間T1が「0」に設定される(S216)。次いで、S207に進み、処理が繰り返される。
【0064】
例えば、通信装置4の第一時間は、3秒であるとする。また、通信装置5の第一時間は、5秒であるとする。このときS212の処理によって測定が開始された時間T1が、3秒以下である場合は(S213:NO)、S213の処理が繰り返される。そして、時間T1が、通信装置4の第一時間である3秒より大きくなると(S213:YES)、図10に示すように、通信装置4の利用者が操作するポインタ51Bが、通信装置3のディスプレイ28に最新の位置で再表示される(S214)。そして、通信装置5のポインタ51Cが、再表示されていないので(S215:NO)、S213に戻り、処理が繰り返される。そして、時間T1が通信装置5の第一時間である5秒より大きくなると(S213:YES)、図10に示すように、通信装置5のポインタ51Cが、通信装置3のディスプレイ28に、最新の位置で再表示される(S214)。そして、通信装置4,5のポインタ51B,51Cが全て再表示されたので(S215:YES)、時間T1が「0」に設定され(S216)、S207に進み処理が繰り返される。そして、通信装置3の利用者によって会議の終了の指示が入力されると(S207:YES)、通信装置3のCPU20による第一メイン処理が終了される。
【0065】
図11に示すフローチャートを参照して、通信装置4,5のCPU20による第二ポインタ表示処理について説明する。通信装置4および通信装置5において行われる第二ポインタ表示処理は、略同一なので、ここでは、通信装置4の第二ポインタ表示処理について説明する。第二ポインタ表示処理は、通信装置3,4,5の利用者が操作するポインタをディスプレイ28に表示する処理である。第二ポインタ表示処理は、後述する第二メイン処理(図12参照)が実行されている最中においても実行されている。
【0066】
図11に示すように、通信装置4において行われる第二ポインタ表示処理では、まず、通信装置4の利用者が操作するマウス27からの入力に基づいて、ディスプレイ28にポインタ51Bが表示される(S301)。次いで、自装置とは異なる、通信装置3,5に対して、ポインタ51Bのポインタ情報が送信される(S302)。S302の処理によって送信されたポインタ51Bのポインタ情報は、通信装置3のS103処理(図7参照)と、通信装置5のS303の処理(後述)とによって受信される。次いで、通信装置3のS102の処理(図7参照)によって送信される通信装置3のポインタ情報、もしくは、通信装置5のS302の処理によって送信される通信装置5のポインタ情報が受信されたか否かが判断される(S303)。
【0067】
通信装置3のポインタ情報もしくは通信装置5のポインタ情報が受信された場合には(S303:YES)、受信されたポインタ情報に基づいて、通信装置3のディスプレイ28にそれぞれポインタ51Aまたはポインタ51Bが表示される(S304)。
【0068】
次いで、通信装置4の利用者によって、キーボード29またはマウス27を介して、テレビ会議の終了の指示がされたか否かが判断される(S305)。なお、S303の処理において、通信装置3のポインタ情報もしくは通信装置5のポインタ情報が受信されていないと判断された場合にも(S303:NO)、S305の処理が行われる。
【0069】
テレビ会議の終了の指示が入力されていない場合には(S305:NO)、S301に戻り、処理が繰り返される。これによって、ディスプレイ28には、ポインタ51A,51B,51Cの最新の位置が繰り返し更新され、表示されることとなる。また、通信装置3,5に対して、最新のポインタ51Bのポインタ情報が繰り返し送信される(S302)。そして、テレビ会議の終了の指示が入力された場合には(S305:YES)、通信装置4のCPU20による第一ポインタ表示処理が終了される。
【0070】
図12に示すフローチャートを参照して、通信装置4,5のCPU20による第二メイン処理について説明する。なお、図11に示した第二ポインタ表示処理は、第二メイン処理が実行されている最中でも実行され、通信装置3,4,5のポインタ51A,51B,51Cが、通信装置4,5のディスプレイ28に表示される。通信装置4および通信装置5において行われる第二メイン処理は、略同一なので、ここでは、通信装置4の第二メイン処理について説明する。
【0071】
図12に示すように、通信装置4において行われる第二メイン処理では、まず、各種のパラメータ等の初期化が行われる(S401)。次いで、通信装置3のS203の処理(図8参照)において送信された通信装置3,4,5の第一時間が受信されたか否かが判断される(S402)。通信装置3,4,5の第一時間が受信されていない場合には(S402:NO)、S402の処理が繰り返される。通信装置3,4,5の第一時間が受信された場合には(S402:YES)、受信された第一時間が、第一時間記憶領域226に記憶される(S403)。
【0072】
次いで、通信装置3のS205の処理(図8参照)によって送信された画像データが受信されたか否かが判断される(S404)。画像データが受信されていない場合には(S404:NO)、通信装置4の利用者によって、キーボード29またはマウス27を介して、テレビ会議の終了の指示がされたか否かが判断される(S405)。テレビ会議の終了の指示が入力されていない場合には(S405:NO)、S404に戻り、処理が繰り返される。テレビ会議の終了の指示が入力された場合には(S405:YES)、通信装置4のCPU20による第二メイン処理が終了される。
【0073】
S404の処理において、画像データが受信された場合には(S404:YES)、S404の処理において受信された画像データが画像データ記憶領域228(図5参照)に記憶される(S406)。S406の処理は、S404の処理において画像データが受信されたと判断される毎に行われる。そして、画像データ記憶領域228には、少なくとも、最新の画像データと、その一回前に受信された画像データとが記憶される(S406)。なお、後述するS413の処理においても、画像データが、画像データ記憶領域228に記憶される。次いで、受信された画像データが変更されたか否かが判断されることで画像の変更が開始されたか否かが判断される(S407)。S407の処理では、S406の処理および後述するS413の処理で画像データ記憶領域228に記憶された画像データが参照される。そして、最新の画像データとその一回前に受信された画像データとの間で変化した率である変化率が計算され、計算された変化率が所定の変化率である第二画像変化率以上であるか否かが判断されることによって、画像の変更が開始されたか否かが判断される。第二画像変化率は、例えば、40%である。
【0074】
計算された変化率が第二画像変化率より小さい場合には、画像の変更が開始されていないと判断され(S407:NO)、画像データが伸張・復号され、通信装置4のディスプレイ28に更新表示される(S408)。次いで、S405に進み、処理が繰り返される。
【0075】
S407の処理において、計算された変化率が第二画像変化率以上の場合には、画像の変更が開始されたと判断され(S407:YES)、自装置とは異なる、通信装置3,5のそれぞれの利用者が操作するポインタ51A,51Cが非表示にされる(S409)。
【0076】
次いで、画像データが伸張・復号され、通信装置4のディスプレイ28に更新表示される(S410)。次いで、画像の変更が終了されたか否かが判断される(S411)。S411の処理では、画像データ記憶領域228に記憶された画像データが参照される。そして、最新の画像データとその一回前に受信された画像データとの間で変化した率である変化率が計算され、計算された変化率が所定の変化率である第二画像変化率より小さいか否かが判断されることによって、画像の変更が終了されたか否かが判断される。
【0077】
画像の変化率が第二画像変化率以上である場合には、画像の変更が終了されていないと判断され(S411:NO)、通信装置3のS211の処理(図8参照)において送信された画像データが受信されたか否かが判断される(S412)。画像データが受信されていない場合には(S412:NO)、S411に戻り処理が繰り返される。
【0078】
画像データが受信された場合には(S412:YES)、S412の処理において受信された画像データが、画像データ記憶領域228(図5参照)に記憶される(S413)。次いで、S412の処理において受信された画像データが伸張・復号され、通信装置4のディスプレイ28に表示される(S414)。次いで、S411に戻り、処理が繰り返される。
【0079】
S407およびS409〜S414の処理を具体的に説明する。図6に示すドキュメントの画像が、利用者の操作によって、図9に示すように、スクロールされ、変化率が第二画像変化率である40%以上である80%の場合、画像の変更が開始されたと判断され(S407:YES)、図13に示すように、通信装置3,5の利用者が操作するポインタ51A,51Cが非表示にされる(S409)。そして、S404の処理によって受信された画像に基づいて、画像がディスプレイ28に表示される(S410)。
【0080】
通信装置3の利用者の操作によって、画像がスクロールされ続けた場合は、通信装置4において受信される画像の変化率が80%であるため、画像の変更が終了されていないと判断され(S411:NO)、変更中の画像の画像データが受信されたか否かが判断される(S412)。変更中の画像の画像データが受信された場合には(S412:YES)、変更中の画像データが画像データ記憶領域228に記憶され(S413)、図13に示すように変更中の画像がディスプレイ28に表示される(S414)。そして、通信装置3の利用者による画像のスクロールが終了され、画像の変更が終了されると、通信装置4において受信される画像データの変化率が第二画像変化率である40%より小さく(例えば、0%)なるため、画像の変更が終了されたと判断される(S411:YES)。
【0081】
画像の変更が終了されたと判断された場合には(S411:YES)、S404の処理もしくはS412の処理によって受信された最新の画像データが、通信装置3において送信されたときからの経過時間である時間T2の計測が、タイマ38によって開始される(S415)。S415の処理では、最新の画像データに含まれる、通信装置3から画像データが送信された時間を示す情報が参照され、通信装置3において画像データが送信されたときから、現在までの経過時間が計算される。そして、計算された時間から時間T2の測定が開始される。測定された時間T2は、第二測定時間記憶領域227に記憶される。
【0082】
次いで、測定された時間T2が、第一時間記憶領域226に記憶されている通信装置3,5の第一時間のうち、いずれか一の第一時間より大きくなったか否かが判断される(S416)。つまり、S416の処理では、通信装置3,5のうち、変更後の画像が、ディスプレイ28に表示された通信装置3,5があるか否かが判断される。時間T2が、通信装置4,5の第一時間以下である場合(S416:NO)、次いで、S416に戻り、処理が繰り返される。
【0083】
時間T2が、通信装置3,5の第一時間のうち、いずれか一の第一時間より大きい場合、すなわち、変更後の画像が表示された通信装置3もしくは通信装置5がある場合には(S416:YES)、S416の処理によって変更後の画像が表示されたと判断された通信装置3もしくは通信装置5のポインタが、通信装置4のディスプレイ28に再表示される(S417)。このとき、通信装置3,5のポインタ51A,51Cは、S303の処理(図11参照)によって受信されたポインタ情報に基づいて、最新の位置で表示される。
【0084】
次いで、自装置とは異なる通信装置3,5のポインタ51A,51Cが、通信装置4のディスプレイ28に全て再表示されたか否かが判断される(S418)。通信装置3,5のポインタ51A,51Cが通信装置4のディスプレイ28に再表示されていない場合には(S418:NO)、S416に戻り、通信装置3,5のポインタ51A,51Cが全て再表示されるまで、S416〜S418の処理が繰り返される。
【0085】
通信装置3,5のポインタ51A,51Cが通信装置4のディスプレイ28に全て再表示された場合には(S418:YES)、第二測定時間記憶領域227に記憶されている時間T2が「0」に設定される(S418)。次いで、S405に進み、処理が繰り返される。
【0086】
例えば、通信装置3の第一時間は、0秒であるとする。また、通信装置5の第一時間は、5秒であるとする。また、時間T2の測定が開始されるときの時間T2(つまり、通信装置3において画像データが送信されたときから、現在までの経過時間)が2秒であるとする。この場合において、画像の変更が終了されたと判断された場合には(S411:YES)、時間T2の計測が2秒から開始される(S415)。次いで、測定された時間T2が、第一時間記憶領域226に記憶されている通信装置3,5の第一時間のうち、いずれか一の第一時間より大きくなったか否かが判断される(S416)。通信装置3の第一時間は0秒であり、時間T2は2秒が経過している。つまり、通信装置3には、すでに変更後の画像が表示されている。このため、時間T2が、通信装置3の第一時間より大きいと判断され(S416:YES)、図10に示すように、通信装置3のポインタ51Aが、通信装置4のディスプレイ28に最新の位置で再表示される(S417)。そして、通信装置5のポインタ51Cは、まだ再表示されていないため(S418:NO)、S416に戻り、処理が繰り返される。
【0087】
そして、時間T2が、通信装置5の第一時間である5秒より大きくなると、通信装置5のディスプレイ28に変更後の画像が表示されたと判断され(S416:YES)、図10に示すように通信装置5のポインタ51Cが、通信装置4のディスプレイ28に最新の位置で再表示される(S417)。そして、自装置とは異なる通信装置3,5のポインタ51A,51Cが全て再表示されているので(S418:YES)、第二測定時間記憶領域227に記憶されている時間T2が「0」に設定される(S419)。そして、S405に進み処理が繰り返される。通信装置4の利用者によって会議の終了指示が入力されると(S405:YES)、通信装置4のCPU20による第二メイン処理が終了される。
【0088】
以上説明したように、第一実施形態における通信装置3,4,5のCPU20による処理が行われる。通信装置3が画像データを送信して、通信装置4,5のディスプレイ28画像が表示されるまでには、画像データに対して伸張・復号処理等が行われる。一方、ポインタに関しては、通信装置3、4,5の間で、ポインタ情報のみが互いに送受信され、通信装置3,4,5のディスプレイ28に表示される。このため、通信装置4,5において画像が表示されるまでの時間が、ポインタが表示される時間より長くなる。
【0089】
図8に示すように、画像データを送信する通信装置3において、通信装置3のディスプレイ28に表示される画像の変更が開始されたことが検出されると(S206:YES)、自装置とは異なる通信装置4,5のポインタ51B,51Cが非表示にされる(S208)。そして、画像の変更が終了されたことが検出され(S209:YES)、通信装置4,5のそれぞれの第一時間が経過すると(S213:YES)、ポインタ51B,51Cがそれぞれ再表示される(S214)。変更後の画像データが通信装置4,5に送信されてから(S206もしくはS211)第一時間が経過した場合には、通信装置4,5のディスプレイ28に変更後の画像が表示される。このため、通信装置4,5の利用者は、変更後の画像が表示されたディスプレイ28を確認しながら、ポインタ51B,51Cを操作している。よって、通信装置4,5のポインタ51B,51Cを再表示しても(S214)、ポインタ51B,51Cは、通信装置4,5の利用者が意図する位置に表示されていることになる。
【0090】
このように、画像が変更されてから変更後の画像が通信装置4,5のディスプレイ28に表示されるまでの間は、通信装置4,5のポインタ51B,51Cが非表示にされるので(S208〜S213)、通信装置3の利用者は、通信装置4,5では、変更後の画像が表示されていないことを認識することができる。そして、通信装置4,5のディスプレイ28に変更後の画像が表示されると、通信装置3のディスプレイ28に通信装置4,5のポインタ51B,51Cが再表示される(S214)。これによって、通信装置4,5の利用者が意図する位置に表示されているポインタ51B,51Cが、通信装置3のディスプレイ28に表示される。このようにして、通信装置3の利用者が、通信装置4,5の利用者によって操作されるポインタ51B,51Cの位置を誤認してしまうことを防止することができる。
【0091】
同様に、通信装置3から送信される画像データを受信する通信装置4において、画像が変更されたことが検出されると(S407:YES)、自装置とは異なる通信装置3,5のポインタ51A,51Cが非表示にされる(S409)。そして、画像の変更が終了されたことが検出され(S411:YES)、通信装置3,5のそれぞれの第一時間が経過すると(S416:YES)、ポインタ51A,51Cがそれぞれ再表示される(S417)。このとき、通信装置3の場合と同様に、通信装置3,5のポインタ51A,51Cを再表示しても(S417)、ポインタ51A,51Cは、通信装置3,5の利用者が意図する位置に表示されていることになる。
【0092】
このように、画像が変更されてから変更後の画像が通信装置3,5のディスプレイ28に表示されるまでの間は、通信装置3,5のポインタ51A,51Cが非表示にされるので(S409〜S416)、通信装置4の利用者は、通信装置3,5では、変更後の画像が表示されていないことを認識することができる。そして、通信装置3,5のディスプレイ28に変更後の画像が表示されると、通信装置4のディスプレイ28に通信装置3,5のポインタ51A,51Cが再表示される(S418)。これによって、通信装置3,5の利用者が意図する位置に表示されているポインタ51A,51Cが、通信装置4のディスプレイ28に表示される。このようにして、通信装置4の利用者が、通信装置3,5の利用者によって操作されるポインタ51A,51Cの位置を誤認してしまうことを防止することができる。
【0093】
通信装置5においても、通信装置4の場合と同様にして処理が行われる。このため、通信装置5の利用者が、通信装置3,4の利用者によって操作されるポインタ51A,51Bの位置を誤認してしまうことを防止することができる。
【0094】
また、第一実施形態では、画像が変化した率を計算し、第一画像変化率や第二画像変化率とそれぞれ比較することによって、画像が変更されたことと、画像の変更が終了されたことを検出することができる(図8のS206,S209および図12のS407,S411参照)。
【0095】
図14および図15を参照して第二実施形態に係る第三メイン処理および第四メイン処理について説明する。第三メイン処理および第四メイン処理は、それぞれ第一メイン処理(図8参照)および第二メイン処理(図12)の変形例である。第一実施形態では、通信装置4,5のCPU20は、画像の変化率を計算することで、画像の変更が開始されたことを検出していた(図12のS407参照)。第二実施形態では、通信装置3から送信される変更情報(後述)を受信することによって、画像の変更が開始されたことを検出する。また、第一実施形態では、通信装置3,4,5のディスプレイ28において、第一時間が経過した通信装置のポインタが再表示されていた(図8のS213〜S215および図12のS416〜S418参照)。第二実施形態では、各通信装置3,4,5から送信される表示情報(後述)が受信された場合に、ポインタが再表示される。
【0096】
まず、図14を参照して、通信装置3のCPU20による第三メイン処理について説明する。なお、図14に示す第三メイン処理において、第一メイン処理(図8参照)と略同一の処理については、同じ番号で表し、説明の詳細は省略する。
【0097】
図14に示すように、通信装置3において行われる第三メイン処理では、まず、各種のパラメータ等の初期化が行われる(S201)。次いで、通信装置3のディスプレイ28に画像が表示され(S204)、表示された画像を、圧縮・符号化し、画像データとして通信装置4,5に送信する(S205)。S205の処理によって送信された画像データは、後述する通信装置4,5のS404の処理(図15参照)によって受信される。
【0098】
次いで、通信装置3のディスプレイ28に表示されている画像の変更が開始されたか否かが判断される(S206)。画像の変更が開始されていないと判断された場合には(S206:NO)、テレビ会議の終了の指示がされたか否かが判断される(S207)。会議の終了の指示が入力されていない場合には(S207:NO)、S204に戻り、処理が繰り返される。テレビ会議の終了の指示が入力された場合には(S207:YES)、通信装置3のCPU20による第三メイン処理が終了される。
【0099】
S206の処理において、画像の変更が開始されたと判断された場合には(S206:YES)、画像が変更されたことを示す情報である変更情報が、通信装置4,5に送信される(S501)。S501の処理によって送信された変更情報は、通信装置4,5のS601の処理(図15参照)によって受信される。次いで、通信装置3のディスプレイ28に表示されている自装置とは異なる通信装置4,5の利用者が操作するポインタ51B,51Cが非表示にされる(S208)。
【0100】
次いで、画像の変更が終了されたか否かが判断される(S209)。画像が変更されていると判断された場合には(S209:NO)、ディスプレイ28に変更中の画像が表示される(S210)。次いで、ディスプレイ28に表示された画像を、圧縮・符号化し、画像データとして通信装置4,5に送信する(S211)。S211の処理によって送信された画像データは、後述する通信装置4,5のS412の処理(図15参照、後述)によって受信される。次いで、S209に戻り、処理が繰り返される。
【0101】
例えば、画像の変更が開始されると(S206:YES)、通信装置4,5に変更情報が送信される(S501)。そして、図9に示すように、通信装置4,5のポインタ51B,51Cが非表示にされる。そして、画像の変更が終了されたと判断されるまで、S209〜S211の処理が繰り返される。
【0102】
画像の変更が終了されたと判断された場合には(S209:YES)、変更後の画像がディスプレイ28の表示画面に表示されたことを示す情報である表示情報が、通信装置4,5に送信される(S502)。通信装置3のS502の処理によって送信された表示情報は、通信装置4,5のS602の処理(図15参照、後述)によって受信される。
【0103】
次いで、通信装置4,5のS603の処理(図15参照、後述)によってそれぞれ送信される表示情報のうち、いずれか一の表示情報が受信されたか否かが判断される(S503)。通信装置4,5から送信された表示情報は、通信装置3から送信された変更後の画像の情報が受信され、通信装置4,5のディスプレイ28に表示されたことを表している。つまり、S503の処理では、変更後の画像が表示された通信装置4,5があるか否かが判断されている。通信装置4,5からそれぞれ送信される表示情報が受信されていない場合には(S503:NO)、S503に戻り、処理が繰り返される。
【0104】
通信装置4,5からそれぞれ送信される表示情報のうち、いずれか一の表示情報が受信された場合には(S503:YES)、S503の処理によって変更後の画像が表示されたと判断された通信装置4,5のポインタが、通信装置3のディスプレイ28に再表示される(S504)。このとき、通信装置4,5のポインタは、S103の処理(図7参照)によって受信されたポインタ情報に基づいて、最新の位置で表示される。
【0105】
次いで、自装置とは異なる通信装置4,5のポインタ51B,51Cが、通信装置3のディスプレイ28に全て再表示されたか否かが判断される(S215)。通信装置4,5のポインタ51B,51Cが通信装置3のディスプレイ28に表示されていない場合には(S215:NO)、S503に戻り、通信装置4,5のポインタ51B,51Cが全て再表示されるまで、S503、S504、およびS215の処理が繰り返される。通信装置4,5のポインタ51B,51Cが通信装置3のディスプレイ28に全て再表示された場合には(S215:YES)、S207に進み、処理が繰り返される。
【0106】
例えば、画像の変更が終了されると(S209:YES)、通信装置3の表示情報が通信装置4,5に送信される(S502)。通信装置4において表示情報が受信されると、通信装置4において、画像の変更が終了したと判断され(図15のS602、後述)、通信装置4から、通信装置4の表示情報が送信される(図15のS603、後述)。通信装置4から送信された表示情報が、通信装置3において受信されると(S503:YES)、図10に示すように、通信装置4のポインタ51Bが、通信装置3のディスプレイ28に再表示される(S504)。このとき、通信装置5のポインタ51Cが、通信装置3のディスプレイ28に再表示されていないので(S215:NO)、S503に戻り、処理が繰り返される。そして、通信装置5において表示情報が受信されると、通信装置4の場合と同様にして、通信装置5から、通信装置5の表示情報が送信される(図15のS603、後述)。通信装置5から送信された表示情報が、通信装置3において受信されると(S503:YES)、図10に示すように、通信装置5のポインタ51Cが、通信装置3のディスプレイ28に再表示される(S504)。そして、自装置とは異なる通信装置4,5のポインタ51B,51Cが全て再表示されたので(S215:YES)、S207に進み処理が繰り返される。そして、通信装置3の利用者によって会議の終了指示が入力されると(S207:YES)、通信装置3のCPU20による第三メイン処理が終了される。
【0107】
図15を参照して、通信装置4,5のCPU20によって行われる第四メイン処理について説明する。通信装置4,5において行われる第四メイン処理は、略同一なので、ここでは、通信装置4の第四メイン処理について説明する。なお、図15に示す第四メイン処理において、第二メイン処理(図12参照)と略同一の処理については、同じ番号で表し、説明の詳細は省略する。
【0108】
図15に示すように、通信装置4において行われる第四メイン処理では、まず、各種のパラメータ等の初期化が行われる(S401)。次いで、通信装置3のS205の処理(図14参照)によって送信された画像データが受信されたか否かが判断される(S404)。画像データが受信されていない場合には(S404:NO)、テレビ会議の終了の指示がされたか否かが判断される(S405)。テレビ会議の終了の指示が入力されていない場合には(S405:NO)、S404に戻り、処理が繰り返される。テレビ会議の終了の指示が入力された場合には(S405:YES)、通信装置4のCPU20による第二メイン処理が終了される。
【0109】
S404の処理において、画像データが受信された場合には(S404:YES)、通信装置3のS501の処理(図14参照)によって送信された変更情報が受信されたか否かが判断されることによって、画像の変更が開始されたか否かが判断される(S601)。変更情報が受信されていない場合には、画像の変更が開始されていないと判断され(S601:NO)、S404の処理で受信された画像データが伸張・復号され、通信装置4のディスプレイ28に更新表示される(S408)。次いで、S405に進み、処理が繰り返される。
【0110】
S601の処理において、変更情報が受信された場合には、画像の変更が開始されたと判断され(S601:YES)、自装置とは異なる通信装置3,5のそれぞれの利用者が操作するポインタ51A,51Cが非表示にされる(S409)。次いで、画像データが伸張・復号され、通信装置4のディスプレイ28に更新表示される(S410)。次いで、通信装置3のS502の処理(図14参照)によって送信される表示情報が受信されたか否かが判断されることで、画像の変更が終了されたか否かが判断される(S602)。表示情報が受信されていない場合には、画像の変更が終了されていないと判断され(S602:NO)、通信装置3のS211の処理(図14参照)において送信される画像データが受信されたか否かが判断される(S412)。画像データが受信されていない場合には(S412:NO)、S602に戻り処理が繰り返される。
【0111】
画像データが受信された場合には(S412:YES)、S412の処理において受信された画像データが伸張・復号され、通信装置4のディスプレイ28に表示される(S414)。次いで、S411に戻り、処理が繰り返される。
【0112】
通信装置3のS502の処理(図14参照)によって送信された表示情報が受信された場合には、画像の変更が終了されたと判断され(S602:YES)、変更後の画像が通信装置4のディスプレイ28の表示画面に表示されたことを示す情報である表示情報が、通信装置3,5に送信される(S603)。S603の処理によって送信された通信装置4の表示情報は、通信装置3のS503の処理(図14参照)および通信装置5のS604の処理(後述)によって受信される。
【0113】
次いで、通信装置3,5からそれぞれ送信される表示情報のうち、いずれか一の表示情報が受信されたか否かが判断される(S604)。換言すれば、S604の処理では、変更後の画像が表示された通信装置3,5があるか否かが判断されている。なお、通信装置3から送信される表示情報は、前述のS602の処理によって受信されているため、通信装置3の表示情報は、受信されたと判断される(S604:YES)。通信装置3,5からそれぞれ送信される表示情報が受信されていない場合には(S604:NO)、次いで、S604に戻り、処理が繰り返される。
【0114】
通信装置4,5からそれぞれ送信される表示情報のうち、いずれか一の表示情報が受信された場合には(S604:YES)、S604の処理によって変更後の画像が表示されたと判断された通信装置3もしくは通信装置5のポインタが、通信装置4のディスプレイ28に再表示される(S605)。このとき、通信装置3、5のポインタ51A,51Cは、S303の処理(図11参照)によって受信されたポインタ情報に基づいて、最新の位置で表示される。
【0115】
次いで、自装置とは異なる通信装置3,5のポインタ51A,51Cが、通信装置4のディスプレイ28に全て再表示されたか否かが判断される(S418)。通信装置3,5のポインタ51A,51Cが通信装置4のディスプレイ28に再表示されていない場合には(S418:NO)、S604に戻り、通信装置3,5のポインタ51A,51Cが全て再表示されるまで、S604、S605、およびS418の処理が繰り返される。通信装置3,5のポインタ51A,51Cが通信装置4のディスプレイ28に全て再表示された場合には(S418:YES)、S405に進み、処理が繰り返される。
【0116】
例えば、変更情報が受信されると(S601:YES)、図13に示すように、自装置とは異なる通信装置3,5のポインタ51A,51Cが非表示にされる(S409)。そして、通信装置3のS502の処理(図14参照)によって送信された表示情報が受信されると(S602:YES)、通信装置4の表示情報が、通信装置3,5に送信される(S603)。そして、通信装置3から送信される表示情報は、S602の処理によってすでに受信されているため、通信装置3の表示情報は、受信されたと判断される(S604:YES)。このため、図10に示すように、通信装置3のポインタ51Aが、通信装置4のディスプレイ28に再表示される(S605)。
【0117】
このとき、通信装置5のポインタ51Cが、通信装置4のディスプレイ28に表示されていないので(S418:NO)、S604に戻り、処理が繰り返される。そして、通信装置5において、通信装置3の表示情報が受信され、通信装置5のS603の処理によって送信された表示情報が受信されると(S604:YES)、図10に示すように通信装置5のポインタ51Cが、通信装置4のディスプレイ28に再表示される。そして、自装置とは異なる通信装置3,5のポインタ51A,51Cが全て再表示されたので(S418:YES)、S405に進み処理が繰り返される。そして、会議の終了指示が入力されると(S405:YES)、通信装置4のCPU20による第四メイン処理が終了される。
【0118】
以上説明したように、第二実施形態における通信装置3,4,5のCPU20による処理が行われる。第二実施形態によれば、通信装置3は、画像の変更が開始された場合に(図14のS206参照)、通信装置4,5に変更情報を送信して、画像が変更されたことを通知する(図14のS501参照)。そして、通信装置4,5は、通信装置3から送信された変更情報を受信することで(図15のS602参照)、画像の変更が開始されたことを検出することができる。
【0119】
また、第二実施形態では、表示情報が通信装置3,4,5の間で送受信される(図14のS502、S503および図15のS603,S604参照)。そして、通信装置3,4,5は、自装置とは異なる通信装置の表示情報を受信した場合に、ポインタを再表示する(図14のS504および図15のS605参照)。表示情報を送信した通信装置3,4,5の表示画面には、変更後の画像が表示されている。つまり、表示情報を送信した通信装置3,4,5の利用者は、変更後の画像が表示されたディスプレイ28を確認しながらポインタを操作している。このため、表示情報を受信した通信装置3,4,5において、ポインタを再表示しても、このポインタは、表示情報を送信した通信装置3,4,5の利用者が意図する位置に表示されている。よって、表示情報を受信する通信装置3,4,5の利用者が、表示情報を送信した通信装置3,4,5のポインタの位置を誤認することを防止することができる。
【0120】
次に、図16および図17を参照して第三実施形態に係る第五メイン処理および第六メイン処理について説明する。第五メイン処理および第六メイン処理は、それぞれ第一メイン処理(図8参照)および第二メイン処理(図12参照)の変形例である。第一実施形態では、第一時間が経過した通信装置のポインタが、第一時間経過後にすぐに表示されていたが(図8のS213〜S215および図12のS416〜S418参照)、第三実施形態では、第一時間が経過した後、第一時間が経過した通信装置のポインタが移動された場合に、ポインタが再表示される。
【0121】
まず、図16を参照して、通信装置3のCPU20による第五メイン処理について説明する。なお、図16に示す第五メイン処理において、第一メイン処理(図8参照)と略同一の処理については、同じ番号で表し、詳細の説明は省略する。
【0122】
図16に示すように、第五メイン処理では、S201〜S208の処理は、全て第一メイン処理と同一である。このため、説明は省略する。S208の処理によって、自装置とは異なる通信装置4,5のポインタが非表示にされると、通信装置4,5のポインタ情報が第一ポインタ情報記憶領域223(図4参照)に記憶される(S701)。次いでS209〜S213の処理が行われる。S209〜S213の処理は、全て第一メイン処理(図8参照)と同一である。このため、説明は省略する。
【0123】
S213の処理において、時間T1が、通信装置4,5の第一時間のうち、いずれか一の第一時間より大きいと判断された場合、すなわち、変更後の画像が表示された通信装置4,5がある場合には(S213:YES)、ポインタの位置が所定の値である第一閾値以上移動したか否かが判断される(S702)。S702の処理では、S213の処理によって変更後の画像が表示されたと判断された通信装置の最新のポインタの位置と、S701の処理によって記憶されたポインタ情報に基づくポインタの位置との間の距離が所定の値である第一閾値以上離れたか否かが判断される。これによって、ポインタの位置が第一閾値以上移動したか否かが判断される(S702)。S702の処理では、例えば、S701の処理によって記憶されたポインタ情報に基づくポインタの位置の座標と、最新のポインタの位置の座標との間の直線距離が計算され、第一閾値と比較される。
【0124】
ポインタの位置が第一閾値以上移動していない場合には(S702:NO)、S213に戻り、処理が繰り返される。ポインタの位置が第一閾値以上移動した場合には(S702:YES)、第一時間が経過し(S213:YES)、第一閾値以上移動した(S702:YES)と判断された通信装置のポインタが、最新の位置で再表示される(S703)。次いで、自装置とは異なる通信装置4,5のポインタ51B,51Cが、通信装置3のディスプレイ28に全て再表示されたか否かが判断される(S215)。通信装置4,5のポインタ51B,51Cが通信装置3のディスプレイ28に再表示されていない場合には(S215:NO)、S213に戻り、通信装置4,5のポインタ51B,51Cが全て再表示されるまで、S213、S702、S703、およびS215の処理が繰り返される。なお、通信装置4,5のポインタ51B,51Cが全て再表示されるまで、S213、S702、S703、およびS215の処理が繰り返されるが、処理が繰り返されている間にも、画像データの送受信、および画像の表示は行われている(図示せず)。
【0125】
通信装置4,5のポインタ51B,51Cが通信装置3のディスプレイ28に全て再表示された場合には(S215:YES)、第一測定時間記憶領域222に記憶されている時間T1が「0」に設定され(S216)、S207に進み、処理が繰り返される。
【0126】
例えば、通信装置4および通信装置5の第一時間は、それぞれ3秒および5秒であるとする。第一閾値は「5」であるとする。S701の処理によって記憶されるポインタ情報によって表わされる通信装置4のポインタ51Bの位置は座標(0,0)とし、通信装置5のポインタ51Cの位置は座標(10,20)であるとする。このときの座標で表されるポインタ51B,51Cのポインタの位置は、図6に示す位置であるとする。なお、座標(0,0)がディスプレイ28の画面中央であるとする。
【0127】
この場合において、図6に示す画像の変更が開始されると(S206:YES)、図9に示すように通信装置4,5のポインタ51B,51Cが非表示にされる(S208)。次いで、通信装置4,5のポインタ情報が第一ポインタ情報記憶領域223に記憶される(S701)。次いで、S209〜S213の処理が行われる。
【0128】
時間T1が通信装置4の第一時間である3秒より大きくなった場合には(S213:YES)、通信装置4のポインタ51Bの位置が第一閾値である「5」以上移動したか否かが判断される(S702)。このときの、ポインタ51Bの最新の位置の座標は、(1,0)であるとする。この場合、ポインタ51Bの最新の位置の座標(1,0)と、S701の処理によって記憶されたポインタ情報に基づくポインタ51Bの位置の座標(0,0)との距離は「1」となる。このため、第一閾値である「5」より小さくなるので(S702:NO)、ポインタ51Bは再表示されないまま、S213に戻り、処理が繰り返される。そして、ポインタ51Bの位置の座標が(0,10)となったとする。この場合、ポインタ51Bの最新の位置の座標(0,10)と、S701の処理によって記憶されたポインタ情報に基づくポインタ51Bの位置の座標(0,0)との距離は「10」となる。よって、第一閾値である「5」以上移動したと判断され(S702:YES)、図10に示すように、通信装置4のポインタ51Bが再表示される(S703)。そして、通信装置5のポインタ51Bが再表示されていないので(S215:NO)、S213に戻り処理が繰り返される。
【0129】
そして、時間T1が通信装置5の第一時間である5秒より大きくなると(S213:YES)、通信装置4のポインタ51Bの場合と同様にして、S702とS703との処理が行われる。つまり、通信装置5の最新のポインタの位置の座標が、S701の処理によって記憶された通信装置5のポインタ51Cの位置の座標(10,20)から第一閾値である「5」以上移動すると(S702:YES)、図10に示すように、通信装置5のポインタ51Cが再表示される(S703)。
【0130】
そして、通信装置4,5のポインタ51B,51Cが全て再表示されたので(S215:YES)、S216に進み処理が繰り返される。そして、会議の終了の指示が入力されると(S207:YES)、通信装置3のCPU20による第一メイン処理が終了される。
【0131】
次に、図17を参照して、通信装置4、5のCPU20による第六メイン処理について説明する。なお、図17に示す第六メイン処理において、第二メイン処理(図12参照)と略同一の処理については、同じ番号で表し、詳細の説明は省略する。なお、通信装置4,5において行われる第六メイン処理は、略同一なので、通信装置4のCPU20による第六メイン処理について説明する。
【0132】
図17に示すように、第六メイン処理では、S401〜S409の処理は、全て第二メイン処理(図12参照)と同一である。このため、説明は省略する。S409の処理によって、自装置とは異なる通信装置3,5のポインタが非表示にされると、通信装置3,5のポインタ情報が第二ポインタ情報記憶領域229(図5参照)に記憶される(S801)。次いでS410〜S416の処理が行われる。S410〜S416の処理は、全て第二メイン処理(図12参照)と同一である。このため、説明は省略する。
【0133】
S416の処理において、時間T2が、通信装置3,5の第一時間のうち、いずれか一の第一時間より大きいと判断された場合、すなわち、変更後の画像が表示された通信装置3,5がある場合には(S416:YES)、ポインタの位置が所定の値である第一閾値以上移動したか否かが判断される(S802)。S802の処理では、S416の処理によって変更後の画像が表示されたと判断された通信装置の最新のポインタの位置と、S801の処理によって記憶されたポインタ情報に基づくポインタの位置との距離が所定の値である第一閾値以上離れたか否かが判断される。これによって、ポインタの位置が第一閾値以上移動したか否かが判断される(S802)。
【0134】
ポインタの位置が第一閾値以上移動していない場合には(S802:NO)、S416に戻り、処理が繰り返される。ポインタの位置が第一閾値以上移動した場合には(S802:YES)、第一時間が経過し(S416:YES)、第一閾値以上移動した(S802:YES)と判断された通信装置のポインタが、最新の位置で再表示される(S803)。次いで、自装置とは異なる通信装置3,5のポインタ51A,51Cが、通信装置4のディスプレイ28に全て再表示されたか否かが判断される(S418)。通信装置3,5のポインタ51A,51Cが通信装置4のディスプレイ28に再表示されていない場合には(S418:NO)、S416に戻り、通信装置3,5のポインタ51A,51Cが全て再表示されるまで、S416、S802、S803、およびS418の処理が繰り返される。つまり、S416、S802、S803、およびS418の処理では、通信装置3のS213、S702、S703、S215(図16参照)と同様の処理が行われている。
【0135】
例えば、図6に示す画像が、変更されると(S407:YES)、図13に示すように、通信装置3,5のポインタ51A,51Cが非表示にされる。そして、このときの通信装置3,5のポインタ情報が第二ポインタ情報記憶領域229に記憶される(S801)。そして、S410〜S415の処理が行われる。続いて、S416、S802、S803、およびS418の処理において、通信装置3のS213、S702、S703、S215(図16参照)と同様の処理が行われ、図10に示すように、通信装置3,5のポインタ51A,51Bが再表示される。
【0136】
通信装置3,5のポインタ51A,51Cが通信装置4のディスプレイ28に全て再表示された場合には(S418:YES)、第二測定時間記憶領域227に記憶されている時間T2が「0」に設定され(S419)、S405に進み、処理が繰り返される。そして、会議の終了の指示が入力されると(S405:YES)、通信装置4のCPU20による第六メイン処理が終了される。
【0137】
以上説明したように、第三実施形態における通信装置3,4,5のCPU20による処理が行われる。第三実施形態によれば、自装置のディスプレイ28に表示される画像の変更が終了したことが検出された後(図16のS209および図17のS411参照)、変更後の画像が表示されたことが検出される(図16のS213および図17のS416参照)。その後、自装置とは異なる通信装置のポインタの位置が第一閾値以上移動した場合に、自装置とは異なる通信装置のポインタが再表示される(図16のS702〜S703および図17のS802〜803参照)。このため、画像の変更が終了した後に、自装置とは異なる通信装置の利用者がポインタを動かした場合に、ポインタが再表示されるようにすることができる。言い換えると、自装置とは異なる通信装置の利用者がポインタを動かさなければ、ポインタが再表示されないようにすることができる。
【0138】
例えば、自装置とは異なる通信装置の利用者が、画像が変更されたことに気づかない場合には、自装置とは異なる通信装置の利用者が操作するポインタは、利用者が意図しない位置にあるといえる。このため、自装置のディスプレイ28において、自装置とは異なる通信装置のポインタは再表示されない。また、自装置とは異なる通信装置の利用者が、画像が変更されたこと気づき、ポインタを操作した場合には、自装置とは異なる通信装置の利用者が操作するポインタは、利用者が意図する位置にあるといえる。このため、自装置のディスプレイ28において、自装置とは異なる通信装置のポインタが再表示される。これによって、通信装置の利用者が、自装置とは異なる通信装置の利用者が操作するポインタの位置を誤認することを防止することができる。
【0139】
第一〜第三実施形態において、第一画像変化率および第二画像変化率が本発明の「第一変化率」に相当する。画像データが本発明の「画像の情報」に相当し、マウス27およびキーボード29が本発明の「ポインティングデバイス」に相当する。ディスプレイ28が本発明の「表示画面」に相当し、S104の処理(図7参照)、S204とS210との処理(図8、図14、および図16参照)、S304の処理(図11参照)、S408とS414との処理(図12、図15,および図17参照)を行うCPU20が本発明の「表示制御手段」に相当する。S206の処理(図8、図14、および図15参照)、S407の処理(図12および図17参照)、およびS601の処理(図15参照)を行うCPU20が本発明の「変更検出手段」に相当する。S208の処理(図8、図14、および図16参照)およびS409の処理(図12、図15、および図17参照)を行うCPU20が本発明の「変化手段」に相当する。
【0140】
S209の処理(図8、図14、および図16参照)、S411の処理(図12および図17参照)、およびS602の処理(図15参照)を行うCPU20が本発明の「表示検出手段」に相当する。S214の処理(図8参照)、S504の処理(図14参照)、S703の処理(図16参照)、S417の処理(図12参照)、S605の処理(図15参照)、およびS803の処理(図17参照)を行うCPU20が本発明の「変化終了手段」に相当する。S202の処理(図8および図16参照)、およびS402の処理(図12および図17参照)を行うCPU20が本発明の「第一時間検出手段」に相当する。S501の処理(図14参照)を行うCPU20が本発明の「変更情報送信手段」に相当し、S502の処理(図14参照)およびS603の処理(図15参照)を行うCPU20が本発明の「変更情報送信手段」に相当する。第一ポインタ情報記憶領域223(図4参照)および第二ポインタ情報記憶領域229(図5参照)が本発明の「記憶装置」に相当し、S701の処理(図16参照)およびS801の処理(図17参照)を行うCPU20が本発明の「記憶手段」に相当する。
【0141】
S104の処理(図7参照)、S204とS210との処理(図8、図14、および図16参照)、S304の処理(図11参照)、S408とS414との処理(図12、図15,および図17参照)が本発明の「表示制御ステップ」に相当する。S206の処理(図8、図14、および図15参照)、S407の処理(図12および図17参照)、およびS601の処理(図15参照)が本発明の「変更検出ステップ」に相当する。S208の処理(図8、図14、および図16参照)およびS409の処理(図12、図15、および図17参照)が本発明の「変化ステップ」に相当する。
【0142】
S209の処理(図8、図14、および図16参照)、S411の処理(図12および図17参照)、およびS602の処理(図15参照)が本発明の「表示検出ステップ」に相当する。S214の処理(図8参照)、S504の処理(図14参照)、S703の処理(図16参照)、S417の処理(図12参照)、S605の処理(図15参照)、およびS803の処理(図17参照)が本発明の「変化終了ステップ」に相当する。
【0143】
なお、本発明は第一〜第三実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。例えば、通信装置3,4,5は、同一の電気的構成をしており、さらに同一のソフトウェアが設定されていたがこれに限定されない。例えば、通信装置3には、画像を送信する通信装置として動作するためのみに必要な電気的構成およびソフトウェアが設定されていてもよい。また、通信装置4,5には、画像を受信する通信装置として動作するためのみに必要な電気的構成およびソフトウェアが設定されていてもよい。
【0144】
また、画像が変更された場合に、自装置とは異なる通信装置のポインタが非表示にされていたが、これに限定されない。例えば、非表示ではなく、ポインタをアニメーションで表示したり、ポインタの近傍に「画像変更中」などの文字を表示したりして、ポインタに関する表示を変化させてもよい。
【0145】
また、S206の処理(図8参照)等における画像の変更の検出には、第一画像変化率が用いられていたが、これに限定されない。例えば、利用者がマウス27のスクロールボタンを操作して画像をスクロールしようとした場合に、そのマウス27からの信号を検知して、画像が変更されたことを検出してもよい。
【0146】
また、第一時間が経過した場合(図8のS213等)や、自装置とは異なる通信装置の表示情報を受信した場合(図14のS503等)によって、自装置とは異なる通信装置のディスプレイ28に変更後の画像が表示されたことを検出し、ポインタを再表示していたが、これに限定されない。その他の方法によって、自装置とは異なる通信装置のディスプレイ28に変更後の画像が表示されたことを検出してもよい。また、例えば、画像が変更された場合は、一律に10秒間ポインタを非表示にするように設定してもよい。
【符号の説明】
【0147】
1 テレビ会議システム
2 ネットワーク
3 通信装置
4 通信装置
5 通信装置
27 マウス
28 ディスプレイ
29 キーボード
51A ポインタ
51B ポインタ
51C ポインタ
223 第一ポインタ情報記憶領域
229 第二ポインタ情報記憶領域
311 プログラム記憶領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続され、画像の情報を送受信可能な複数の通信装置において、ポインティングデバイスからの入力情報に対応して表示画面上に表示されるポインタの位置の情報であるポインタ情報を互いに送受信する通信システムであって、
前記通信装置は、
送受信される前記画像の情報に対応する前記画像を前記表示画面に表示し、送受信される前記ポインタ情報に基づいて前記表示画面に前記ポインタを表示する表示制御手段と、
前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出する変更検出手段と、
前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、自装置とは異なる通信装置から送信されるポインタ情報に基づく前記ポインタの表示を変化させる変化手段と、
前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出する表示検出手段と、
前記表示検出手段によって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、前記変化手段による前記ポインタの表示の変化を終了する変化終了手段と
を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記通信装置は、
一の前記通信装置から他の前記通信装置に前記画像の情報が送信されてから、送信された前記画像の情報に基づく前記画像が前記他の通信装置の前記表示画面に表示されるまでの時間である第一時間を検出する第一時間検出手段をさらに備え、
前記変化終了手段は、
前記一の通信装置から前記他の通信装置に前記画像の情報が送信されてからの経過時間が、前記第一時間より大きくなった場合に、前記変化手段による前記ポインタの表示の変化を終了することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記通信装置は、
前記表示検出手段によって前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、変更後の前記画像が前記通信装置の前記表示画面に表示されたことを示す情報である表示情報を自装置とは異なる通信装置に送信する表示情報送信手段を備え、
前記変化終了手段は、
前記表示検出手段によって前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された後、自装置とは異なる前記通信装置から送信される前記表示情報を受信した場合に、前記変化手段による前記ポインタの表示の変化を終了することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記通信装置において、
前記変更検出手段は、
前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像が変化した率が、所定の変化率である第一変化率以上となったことを検出することで、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出し、
前記表示検出手段は、
前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像が変化した率が、前記第一変化率より小さくなったことを検出することで、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の通信システム。
【請求項5】
前記通信装置は、
前記画像の情報を送信する前記通信装置として動作する場合において、前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、前記画像が変更されたことを示す情報である変更情報を自装置とは異なる前記通信装置に送信する変更情報送信手段を備え、
前記画像の情報を受信する前記通信装置として動作する場合に、前記変更検出手段は、
前記画像の情報を送信する前記通信装置の前記変更情報送信手段によって送信された前記変更情報を受信することで、前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出することを特徴とする請求項1から4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記通信装置は、
前記変更検出手段によって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像が変更されたことが検出された場合に、自装置とは異なる前記通信装置の前記ポインタ情報を記憶装置に記憶する記憶手段をさらに備え、
前記変化終了手段は、
前記表示検出手段によって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された後、自装置とは異なる前記通信装置から送信される前記ポインタ情報に基づく前記ポインタの位置と、前記記憶手段によって前記記憶装置に記憶された前記ポインタ情報に基づく前記ポインタの位置とが、所定の値である第一閾値以上離れた場合に、前記変化手段による前記ポインタの表示の変化を終了することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の通信システム。
【請求項7】
ネットワークを介して接続され、画像の情報を自装置とは異なる通信装置に送信し、ポインティングデバイスからの入力情報に対応して表示画面上に表示されるポインタの位置の情報であるポインタ情報を自装置とは異なる通信装置との間で互いに送受信可能な通信装置であって、
送信される前記画像の情報に対応する前記画像を前記表示画面に表示し、送受信される前記ポインタ情報に基づいて前記ポインタを表示する表示制御手段と、
前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出する変更検出手段と、
前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、自装置とは異なる通信装置から送信されるポインタ情報に基づく前記ポインタの表示を変化させる変化手段と、
前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出する表示検出手段と、
前記表示検出手段によって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、前記変化手段による前記ポインタの表示の変化を終了する変化終了手段と
を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項8】
ネットワークを介して接続され、自装置とは異なる通信装置から送信される画像の情報を受信し、ポインティングデバイスからの入力情報に対応して表示画面上に表示されるポインタの位置の情報であるポインタ情報を自装置とは異なる通信装置との間で互いに送受信可能な通信装置であって、
受信される前記画像の情報に対応する前記画像を前記表示画面に表示し、送受信される前記ポインタ情報に基づいて前記ポインタを表示する表示制御手段と、
前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出する変更検出手段と、
前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、自装置とは異なる通信装置から送信されるポインタ情報に基づく前記ポインタの表示を変化させる変化手段と、
前記変更検出手段によって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出する表示検出手段と、
前記表示検出手段によって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、前記変化手段による前記ポインタの表示の変化を終了する変化終了手段と
を備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項9】
ネットワークを介して接続され、画像の情報を送受信可能な複数の通信装置において、ポインティングデバイスからの入力情報に対応して表示画面上に表示されるポインタの位置の情報であるポインタ情報を互いに送受信する通信システムにおける前記通信装置において実行される通信制御方法であって、
送受信される前記画像の情報に対応する前記画像を前記表示画面に表示し、送受信される前記ポインタ情報に基づいて前記表示画面に前記ポインタを表示する表示制御ステップと、
前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出する変更検出ステップと、
前記変更検出ステップによって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、自装置とは異なる通信装置から送信されるポインタ情報に基づく前記ポインタの表示を変化させる変化ステップと、
前記変更検出ステップによって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出する表示検出ステップと、
前記表示検出ステップによって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、前記変化ステップによる前記ポインタの表示の変化を終了する変化終了ステップと
を備えたことを特徴とする通信制御方法。
【請求項10】
ネットワークを介して接続され、画像の情報を自装置とは異なる通信装置に送信し、ポインティングデバイスからの入力情報に対応して表示画面上に表示されるポインタの位置の情報であるポインタ情報を自装置とは異なる通信装置との間で互いに送受信可能な通信装置において実行される通信制御プログラムであって、
通信装置のCPUに、
送信される前記画像の情報に対応する前記画像を前記表示画面に表示し、送受信される前記ポインタ情報に基づいて前記ポインタを表示する表示制御ステップと、
前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出する変更検出ステップと、
前記変更検出ステップによって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、自装置とは異なる通信装置から送信されるポインタ情報に基づく前記ポインタの表示を変化させる変化ステップと、
前記変更検出ステップによって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出する表示検出ステップと、
前記表示検出ステップによって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、前記変化ステップによる前記ポインタの表示の変化を終了する変化終了ステップと
を実行させることを特徴とする通信制御プログラム。
【請求項11】
ネットワークを介して接続され、自装置とは異なる通信装置から送信される画像の情報を受信し、ポインティングデバイスからの入力情報に対応して表示画面上に表示されるポインタの位置の情報であるポインタ情報を自装置とは異なる通信装置との間で互いに送受信可能な通信装置において実行される通信制御プログラムであって、
通信装置のCPUに、
受信される前記画像の情報に対応する前記画像を前記表示画面に表示し、送受信される前記ポインタ情報に基づいて前記ポインタを表示する表示制御ステップと、
前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことを検出する変更検出ステップと、
前記変更検出ステップによって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された場合に、自装置とは異なる通信装置から送信されるポインタ情報に基づく前記ポインタの表示を変化させる変化ステップと、
前記変更検出ステップによって前記表示画面に表示される前記画像の変更が開始されたことが検出された後、前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことを検出する表示検出ステップと、
前記表示検出ステップによって、前記通信装置の前記表示画面に表示される前記画像の変更が終了したことが検出された場合に、前記変化ステップによる前記ポインタの表示の変化を終了する変化終了ステップと
を実行させることを特徴とする通信制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−160079(P2011−160079A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−18443(P2010−18443)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】