説明

通信システムにおける伝送装置および通信方法

【課題】新たな伝送系設備を必要とせず、IP通信系を利用して安定した網同期用タイミングの送受信を可能にする伝送装置および通信方法を提供する。
【解決手段】TDM信号をIP網経由で伝送する通信システムにおける伝送装置(103、203)は、TDM信号とIP信号との間で変換を行うTDM−IP変換機能部(110,111)と、TDM信号のタイミング信号に従って送信IP信号をタイミング信号が抽出可能なWDM用送信信号に変換する送信変換部(113)と、波長多重用送信信号を波長多重により対向局へ送信する波長多重分離部(115)と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は時分割多重(TDM)信号をIP(Internet Protocol)網経由で伝送する通信システムに係り、特に同期タイミングを伝送するための通信システム、伝送装置および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
時分割多重伝送(TDM伝送)されている低次群同期インタフェースをIP網経由で伝送するシステムが種々提案されている。一般的に、同期インタフェースの伝送では網同期が必要であるが、IP通信は独自タイミングでバースト的にIP信号を送受信しているため、局間のIP通信を利用して安定した網同期用タイミングの送受信は困難である。
【0003】
たとえば特許文献1に開示されているクロック同期化方法では、パケットネットワークを介した時分割多重伝送リンクにおいて、パケットネットワークを通過するパケットの伝送時間間隔の変動をモニタして送信側と受信側のクロックの同期化を図っている。しかしながら、このようなクロック同期化方法では再生クロックの周波数および位相がネットワーク状況に左右される可能性を排除することができないために安定した正確な同期を達成することが困難である。
【0004】
そこで、通常、同期インタフェース信号をIP化して送受信するための伝送系の他に、網同期用タイミングを伝送するための伝送系を別個に設けることで安定した網同期タイミングの送受信を行っている。
【0005】
たとえば、図1に示すように、局舎A、Bに網同期装置11、21がそれぞれ設置され、これらがそれぞれの局舎内の同期端末12、22および時分割多重伝送装置13、23等に網同期タイミングを供給する。同期端末12から同期端末22へTDM信号が送信される場合を例示すると、送信側TDM信号が時分割多重伝送装置13によりIPパケット化され、IPパケットがIPネットワーク装置14を通して相手側へ送信される。相手側局舎のIPネットワーク装置24で受信されたIPパケットは、時分割多重伝送装置23によってTDM信号に変換され同期端末22へ送信される。これに対して、網同期タイミングの送信はIPネットワークとは異なる専用の伝送系を通して行われる。この例では、網同期装置11、21間で同期端局装置15、25等の局間伝送を利用して網同期タイミングの送受信が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−274766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、特許文献1に開示されているような汎用のIPネットワーク装置を利用したクロック同期化方法では網同期タイミングの安定的な伝送ができない。また、図1に示すようにIPネットワークとは別に網同期用タイミングの伝送系を設けることは、基幹ネットワークのオールIP化によるシンプルで広帯域なシステムと既存の同期端局装置等の設備とが混在する状況となり、設備構成の複雑化、高コスト化を避けることができない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、新たな伝送系設備を必要とせず、IP通信系を利用して安定した網同期用タイミングの送受信を可能にする伝送装置および通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による伝送装置は、時分割多重(TDM)信号をIP(Internet Protocol)網経由で伝送する通信システムにおける伝送装置であって、TDM信号とIP信号との間で変換を行うTDM−IP変換手段と、前記TDM信号のタイミング信号に従って、送信IP信号を前記タイミング信号が抽出可能な波長多重用送信信号に変換する送信信号変換手段と、前記波長多重用送信信号を波長多重により対向局へ送信する波長多重分離手段と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明による通信システムは、時分割多重(TDM)信号をIP(Internet Protocol)網経由で伝送する通信システムであって、送信側伝送装置が、TDM信号をIP信号に変換する第1変換手段と、前記TDM信号のタイミング信号に従って、送信IP信号を前記タイミング信号が抽出可能な波長多重用送信信号に変換する送信信号変換手段と、前記波長多重用送信信号を波長多重により受信側伝送装置へ送信する第1波長多重分離手段と、を有し、前記受信側伝送装置が、前記送信側伝送装置から波長多重信号を受信する第2波長多重分離手段と、前記受信信号から受信タイミング信号および受信IP信号を取り出す受信信号変換手段と、前記受信タイミング信号に従って前記受信IP信号からTDM信号用のIP信号をTDM信号に変換する第2変換手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明による通信方法は、時分割多重(TDM)信号をIP(Internet Protocol)網経由で伝送する通信方法であって、送信側伝送装置が、TDM信号をIP信号に変換し、前記TDM信号のタイミング信号に従って、送信IP信号を前記タイミング信号が抽出可能な波長多重用送信信号に変換し、前記波長多重用送信信号を波長多重により受信側伝送装置へ送信する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、新たな伝送系設備を必要とせず、IP通信系を利用して安定した網同期用タイミングの送受信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】同期インタフェース信号をIP化して送受信するための伝送系と、網同期用タイミングを伝送するための伝送系とが別個に設けられた通信システムの一例を示す概略的システム構成図である。
【図2】本発明の一実施形態による伝送装置を用いた通信システムの機能構成を概略的に示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施例による伝送装置のより詳細な機能構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2実施例による伝送装置のより詳細な機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
1.一実施形態
1.1)システム
本発明の一実施形態によれば、時分割多重伝送(TDM伝送)されている低次群同期インタフェースをIP網経由で伝送する際に波長分割多重伝送(WDM伝送)を利用し、網同期用タイミングの送受信とIP信号の送受信とを同一の伝送路で実現する。
【0015】
以下、説明を複雑化しないために、図2に示すように、網同期装置101がマスタとして動作し、網同期装置201が網同期装置101のタイミングに従属するスレーブとして動作するものとする。また、それぞれの網同期装置が設けられた通信局が光伝送路(光ファイバ)で接続されているものとする。
【0016】
図2において、マスタである網同期装置101はクロック信号を同期端末102と伝送装置103とに供給する。伝送装置103には汎用ルータ等のIPネットワーク装置104が接続され、IPネットワーク装置104には他のIP端末装置105が接続されうる。一方、スレーブとして動作する網同期装置201は、伝送装置203から入力する網同期用タイミングに従って網同期装置101に従属したタイミング信号を同期端末202へ供給する。伝送装置203には汎用ルータ等のIPネットワーク装置204が接続され、IPネットワーク装置204には他のIP端末装置205が接続されうる。
【0017】
伝送装置103には、後述するように、TDM−IP変換機能とWDM伝送機能とが一体化されている。伝送装置103は同期端末とIPネットワーク装置104とに接続され、時分割多重分離部110およびIP変換部111を有する。時分割多重分離部110およびIP変換部111は同期端末の端末信号の多重および端末信号への分離と多重化された同期インタフェース信号のIP信号への変換および逆変換とを行う。IP変換部111はIPネットワーク装置104の端末側インタフェースと接続される。
【0018】
伝送装置103は、網同期装置101からクロック信号を入力して網同期用タイミング信号を生成するタイミング生成部112、WDM変換部(送信変換部113および受信変換部114)および波長多重分離部115を有する。
【0019】
タイミング生成部112が生成した網同期用タイミング信号は送信変換部113へ出力される。この網同期用タイミング信号に従って、送信変換部113は、IPネットワーク装置104の伝送路側インタフェースから送られてくる光IP信号を所定のWDM伝送用フレームフォーマットに変換し、所定の波長光で波長多重分離部115を通して相手側伝送装置203へ送信する。ここでWDM伝送用フレームフォーマットは網同期用タイミングを抽出可能なフォーマットである。また、受信変換部114は、波長多重分離部115で波長分離されたWDM伝送用フレームフォーマットの受信光からIP信号を分離すると共に網同期用タイミング信号を抽出し、受信IP信号をIPネットワーク装置104へ、網同期用タイミング信号をタイミング生成部112へそれぞれ出力する。
【0020】
従属側の伝送装置203も基本的な機能構成は伝送装置103と同様である。すなわち、伝送装置203は、IPネットワーク装置204と接続するためにTDM信号とIPパケット信号との変換を行う時分割多重分離部210およびIP変換部211を有し、さらにタイミング生成部212、WDM変換部(送信変換部213および受信変換部214)および波長多重分離部215を有する。
【0021】
ただし、従属側の伝送装置203の動作はマスタ側の伝送装置103と次の点で異なる。すなわち、従属側のタイミング生成部212は、受信変換部214で抽出された網同期用タイミング信号を入力すると、その網同期用タイミング信号を送信変換部213へ供給する。送信変換部213は、その網同期用タイミング信号に従ってIPネットワーク装置204から入力した光IPパケット信号を所定のWDM伝送用フレームフォーマットに変換し、マスタ側とは異なる波長光で波長多重分離部215を通してマスタ側の伝送装置103へ送信する。さらに、タイミング生成部212は、抽出された網同期用タイミングを網同期装置201へ出力し、網同期装置201はその網同期用タイミング信号に同期したタイミング信号を同期端末202へ供給する。こうして、マスタ側の網同期用タイミングがIP通信と共にWDM伝送されるので、同期端末102と同期端末202との間で安定した同期をとることができ、IP通信を介して信頼性の高いTDM通信が可能となる。
【0022】
1.2)効果
上述したように、本実施形態による伝送装置103、203では、同期インタフェースの時分割多重伝送機能、IP変換機能およびWDM伝送機能が一体化され、同期インタフェースタイミングとWDM送受信タイミングとが結合した構成となっている。このために、局間のWDM伝送により、網同期タイミングの送受信とIP信号のスルー伝送とが同一伝送路を通して可能となり、従来必要であった網同期用タイミングの伝送系および専用伝送路が不要となる。言い換えれば、離れた局間で網同期を構成するための網同期用タイミングの送受信機能とオールIP化ネットワークの局間伝送とを伝送路を分けることなく同一伝送路で実現することができる。また、WDM伝送の特徴としてクライアントインタフェースはスルー伝送であるから、オールIP化ネットワークを構成するIPネットワーク装置104、204は、同期タイミングの送受信に関連した特殊な機能を具備しない汎用のIPネットワーク製品を用いることができるという利点がある。
【0023】
2.第1実施例
以下、本発明の実施例による伝送装置の機能構成および動作について詳細に説明する。ただし、図2に示す伝送装置103、203は基本的に同じ機能構成を有するので、1つの伝送装置として説明する。
【0024】
2.1)構成
図3において、第1実施例による伝送装置303は、TDM−IP変換機能部、WDM送信変換部、WDM受信変換部、タイミング生成部312、波長多重分離部315および端末インタフェース盤320を有し、図示されていないが、装置全体の動作を制御する制御部や記憶装置も含む。タイミング生成部312は、後述するように動作モードに応じて伝送装置内の同期動作用タイミング信号を生成して各部へ供給する。また、端末インタフェース盤320は同期端末ごとに接続され、各端末インタフェース盤320は終端部321およびタイミング抽出部322を含む。
【0025】
TDM−IP変換機能部は時分割多重分離部310およびIP変換部311を有し、IP変換部311は外部のIPネットワーク装置にLAN接続されている。端末インタフェース盤320の終端部321は同期端末に接続され、タイミング抽出部322で抽出されたタイミングはタイミング生成部312へ出力される。時分割多重分離部310、IP変換部311および端末インタフェース盤320の組合せにより、時分割多重された同期インタフェース信号をIP化伝送するTDM_over_IP機能が構成される。
【0026】
なお、IPネットワーク装置はユーザネットワーク環境を構築する汎用のIPネットワーク装置であり、複数のIP端末を集線し広帯域のIPパケット通信でIPネットワークを構成する。
【0027】
WDM送信変換部は、IPネットワーク装置からの光IP送信信号を電気信号に変換するO/E変換部331と、IP送信信号を網同期用タイミング信号に従ってWDM伝送用フレームフォーマットに変換する送信信号変換部332と、WDM用送信信号を所定波長の光信号に変換し波長多重分離部315へ出力するE/O変換部333と、を有する。
【0028】
WDM受信変換部は、波長多重分離部315から受信した所定波長の光信号を電気信号に変換するO/E変換部334と、受信信号からIP信号および網同期用タイミング信号を抽出する受信信号変換部335と、IP信号を光信号に変換してIPネットワーク装置へ出力するE/O変換部336と、を有する。なお、受信信号変換部335で抽出された網同期用タイミング信号はタイミング生成部312へ出力される。
【0029】
WDM送信変換部およびWDM受信変換部はIPネットワーク装置の局間インタフェースをWDM伝送するためのトランスポンダ機能を構成する。したがって、WDM送信変換部およびWDM受信変換部を一体化したWDMトランスポンダ部として構成することもできる。
【0030】
なお、端末インタフェース盤320、時分割多重分離部310、IP変換部311、IPネットワーク装置および波長多重分離部315については当業者によく知られており、またそれらの詳細な説明は本発明と直接関係しないので省略する。
【0031】
2.2)動作
図3において、タイミング生成部312はシステム構成に応じて、外部従属、同期端末従属、局間従属あるいは独立動作のいずれかにより装置内で使用するタイミング信号を生成し各部に供給する。
【0032】
端末インタフェース盤320は、同期端末からの端末信号を終端して時分割多重分離部310へ出力し、あるいは時分割多重分離部310から入力した信号を端末インタフェース信号に変換して同期端末へ出力する。従属が可能なインタフェースの場合、タイミング抽出部322がインタフェース入力信号から網同期用タイミングの抽出を行い、タイミング生成部312に供給し同期端末従属動作を行うことも可能である。
【0033】
時分割多重分離部310は、それぞれの同期端末の端末インタフェース盤320から入力する複数の端末信号を時分割多重してIP変換部311へ出力する。また、IP変換部311から入力した多重化信号を同期端末毎の信号に分離し、それぞれの端末インタフェース盤320へ出力する。
【0034】
IP変換部311は、時分割多重分離部310から入力した多重化信号をIP信号に変換して外部のIPネットワーク装置に送信する。また、IP変換部311は、外部のIPネットワーク装置から受信したIP信号を多重化信号に変換し、時分割多重分離部310へ出力する。IPネットワーク装置は、IP変換部311からの同期端末のIP送信信号や他のIP端末装置からの送信IP信号を伝送装置303のWEM送信変換部へ出力する。
【0035】
WDM送信変換部の送信信号変換部332は、網同期タイミングに従って、IPネットワーク装置から入力した送信IP信号をWDM伝送用フレームフォーマットに変換して対向局へ送信する。また、WDM受信変換部の受信信号変換部335は、対向局から受信したWDM伝送用フレームフォーマット信号から網同期用タイミングの抽出およびIP信号の分離を行う。抽出された網同期用タイミングはタイミング生成部312へ出力されることで局間従属が行われ、網同期が可能となる。また、分離されたIP信号はIPネットワーク装置へ送信される。
【0036】
2.3)効果
上述したように、本発明の第1実施例によれば、時分割多重伝送機能とWDM伝送機能とを組み合わせたことにより、同期インタフェースに同期したタイミングで局間のWDM伝送が可能となり、IP信号の送受信と網同期用タイミングの送受信とを同一の伝送路で実現することができる。
【0037】
また、IPネットワーク装置はタイミング転送に関して特殊な機能を持たない汎用製品を使用することができる。
【0038】
さらに、WDM伝送で局間伝送用フレームフォーマットに変換して送受信することにより、副情報の送受信が可能となり、局間従属の相互同期回避に関するフラグ情報通信、局間のオーダワイヤ通信、および、遠隔監視制御通信を同時に実現することができる。
【0039】
3.第2実施例
上述した第1実施例では、IPネットワーク装置の接続ポートが1個であったが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、WDM伝送速度に応じて複数の接続ポートを用意することも可能である。
【0040】
図4に示すように、本発明の第2実施例による伝送装置の基本的構成は上述した第1実施例と同様であるが、IPネットワーク装置の接続ポートを2個に拡張している。すなわち、WDM伝送速度を2倍にして2個のポートを設けることで、WDM送信変換部およびWDM受信変換部にIPネットワーク装置#1および#2を収容することができる。
【0041】
図4において、WDM送信変換部は、2ポートにそれぞれ対応するO/E変換部331.1および331.2を有し、送信信号変換部332aは、それぞれのIPネットワーク装置より受信した2ポート分のIP信号を網同期用タイミング信号に従ってWDM伝送用フレームフォーマットに多重変換し対向局へ送信する。また、WDM受信変換部は、2ポートにそれぞれ対応するE/O変換部336.1および336.2を有し、受信信号変換部335aは対向局から受信したWDM伝送用フレームフォーマットの信号から網同期用タイミングの抽出およびIP信号の分離を行う。抽出された網同期用タイミングをタイミング生成部312へ出力することで局間従属が行われ網同期が可能となる。また、分離されたIP信号は、対応するIPネットワーク装置へ出力される。その他の構成および動作は、図3に示す第1実施例と同様であるから説明は省略する。
【0042】
このように、本実施例によれば、WDM伝送のシステムにおいて、IPネットワーク装置を2ポート収容しているので、IPトラフィックの増加に伴うIPネットワーク装置の増設や、IPネットワーク装置の二重化構成、および、セキュリティ対策に伴うIPネットワーク装置の分割設置などに効率的に対応できる。
【0043】
4.付記
(付記1)
時分割多重(TDM)信号をIP(Internet Protocol)網経由で伝送する通信システムにおける伝送装置であって、
TDM信号とIP信号との間で変換を行うTDM−IP変換手段と、
前記TDM信号のタイミング信号に従って、送信IP信号を前記タイミング信号が抽出可能な波長多重用送信信号に変換する送信信号変換手段と、
前記波長多重用送信信号を波長多重により対向局へ送信する波長多重分離手段と、
を有することを特徴とする伝送装置。
【0044】
(付記2)
少なくとも1つのIPネットワーク装置を接続し、前記TDM−IP変換手段との間のIP通信と前記送信信号変換手段への前記送信IP信号の送信を可能にする接続ポート手段を更に有することを特徴とする付記1に記載の伝送装置。
【0045】
(付記3)
マスタ網同期装置から供給される網同期タイミング信号に従って前記タイミング信号を生成するタイミング信号生成手段を更に有することを特徴とする付記1または2に記載の伝送装置。
【0046】
(付記4)
前記波長多重分離手段を通して前記対向局から受信した受信信号から受信タイミング信号および受信IP信号を取り出す受信信号変換手段を更に有し、前記TDM−IP変換手段が前記受信タイミング信号に従って前記受信IP信号からTDM信号用のIP信号をTDM信号に変換することを特徴とする付記1または2に記載の伝送装置。
【0047】
(付記5)
前記受信タイミング信号に従って前記タイミング信号を生成するタイミング信号生成手段を更に有することを特徴とする付記4に記載の伝送装置。
【0048】
(付記6)
時分割多重(TDM)信号をIP(Internet Protocol)網経由で伝送する通信システムであって、
送信側伝送装置が、
TDM信号をIP信号に変換する第1変換手段と、
前記TDM信号のタイミング信号に従って、送信IP信号を前記タイミング信号が抽出可能な波長多重用送信信号に変換する送信信号変換手段と、
前記波長多重用送信信号を波長多重により受信側伝送装置へ送信する第1波長多重分離手段と、
を有し、
前記受信側伝送装置が、
前記送信側伝送装置から波長多重信号を受信する第2波長多重分離手段と、
前記受信信号から受信タイミング信号および受信IP信号を取り出す受信信号変換手段と、
前記受信タイミング信号に従って前記受信IP信号からTDM信号用のIP信号をTDM信号に変換する第2変換手段と、
を有することを特徴とする通信システム。
【0049】
(付記7)
前記送信側伝送装置は、少なくとも1つのIPネットワーク装置を接続し、前記第1変換手段との間のIP通信と前記送信信号変換手段への前記送信IP信号の送信を可能にする接続ポート手段を備えていることを特徴とする付記6に記載の通信システム。
【0050】
(付記8)
前記送信側伝送装置にはマスタ網同期装置が接続され、前記マスタ網同期装置から供給される網同期タイミング信号に従って前記タイミング信号を生成するタイミング信号生成手段を更に有することを特徴とする付記6または7に記載の通信システム。
【0051】
(付記9)
前記受信側伝送装置は、少なくとも1つのIPネットワーク装置を接続し、前記第2変換手段との間のIP通信と前記受信信号変換手段からの前記受信IP信号の受信を可能にする接続ポート手段を備えていることを特徴とする付記6に記載の通信システム。
【0052】
(付記10)
時分割多重(TDM)信号をIP(Internet Protocol)網経由で伝送する通信方法であって、
送信側伝送装置が、
TDM信号をIP信号に変換し、
前記TDM信号のタイミング信号に従って、送信IP信号を前記タイミング信号が抽出可能な波長多重用送信信号に変換し、
前記波長多重用送信信号を波長多重により受信側伝送装置へ送信する、
ことを特徴とする通信方法。
【0053】
(付記11)
前記受信側伝送装置が、
前記送信側伝送装置から波長多重信号を受信し、
前記受信信号から受信タイミング信号および受信IP信号を取り出し、
前記受信タイミング信号に従って前記受信IP信号からTDM信号用のIP信号をTDM信号に変換する、
ことを特徴とする付記10に記載の通信方法。
【0054】
(付記12)
前記送信側伝送装置は、少なくとも1つのIPネットワーク装置を接続し、前記第1変換手段との間のIP通信と前記送信信号変換手段への前記送信IP信号の送信を行うことを特徴とする付記10に記載の通信方法。
【0055】
(付記13)
前記送信側伝送装置にはマスタ網同期装置が接続され、前記マスタ網同期装置から供給される網同期タイミング信号に従って前記タイミング信号を生成することを特徴とする付記10に記載の通信方法。
【0056】
(付記14)
前記受信側伝送装置は、少なくとも1つのIPネットワーク装置を接続し、前記第2変換手段との間のIP通信と前記受信信号変換手段からの前記受信IP信号の受信を行うことを特徴とする付記11に記載の通信方法。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明はTDM_over_IP機能を有する伝送装置、通信システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0058】
101 網同期装置(主)
102 同期端末
103 伝送装置
104 IPネットワーク装置
105 他のIP端末装置
110 時分割多重分離部
111 IP変換部
112 タイミング生成部
113 送信変換部
114 受信変換部
115 波長多重分離部
201 網同期装置(従)
202 同期端末
203 伝送装置
204 IPネットワーク装置
205 他のIP端末装置
210 時分割多重分離部
211 IP変換部
212 タイミング生成部
213 送信変換部
214 受信変換部
215 波長多重分離部
310 時分割多重分離部
311 IP変換部
312 タイミング生成部
315 波長多重分離部
320 端末インタフェース盤
321 出端部
322 タイミング抽出部
331 O/E変換部
332 送信信号変換部
333 E/O変換部
334 O/E変換部
335 受信信号変換部
336 E/O変換部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時分割多重(TDM)信号をIP(Internet Protocol)網経由で伝送する通信システムにおける伝送装置であって、
TDM信号とIP信号との間で変換を行うTDM−IP変換手段と、
前記TDM信号のタイミング信号に従って、送信IP信号を前記タイミング信号が抽出可能な波長多重用送信信号に変換する送信変換手段と、
前記波長多重用送信信号を波長多重により対向局へ送信する波長多重分離手段と、
を有することを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
少なくとも1つのIPネットワーク装置を接続し、前記TDM−IP変換手段との間のIP通信と前記送信信号変換手段への前記送信IP信号の送信を可能にする接続ポート手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
【請求項3】
マスタ網同期装置から供給される網同期タイミング信号に従って前記タイミング信号を生成するタイミング信号生成手段を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の伝送装置。
【請求項4】
前記波長多重分離手段を通して前記対向局から受信した受信信号から受信タイミング信号および受信IP信号を取り出す受信変換手段を更に有し、前記TDM−IP変換手段が前記受信タイミング信号に従って前記受信IP信号からTDM信号用のIP信号をTDM信号に変換することを特徴とする請求項1または2に記載の伝送装置。
【請求項5】
前記受信タイミング信号に従って前記タイミング信号を生成するタイミング信号生成手段を更に有することを特徴とする請求項4に記載の伝送装置。
【請求項6】
時分割多重(TDM)信号をIP(Internet Protocol)網経由で伝送する通信システムであって、
送信側伝送装置が、
TDM信号をIP信号に変換する第1変換手段と、
前記TDM信号のタイミング信号に従って、送信IP信号を前記タイミング信号が抽出可能な波長多重用送信信号に変換する送信変換手段と、
前記波長多重用送信信号を波長多重により受信側伝送装置へ送信する第1波長多重分離手段と、
を有し、
前記受信側伝送装置が、
前記送信側伝送装置から波長多重信号を受信する第2波長多重分離手段と、
前記受信信号から受信タイミング信号および受信IP信号を取り出す受信変換手段と、
前記受信タイミング信号に従って前記受信IP信号からTDM信号用のIP信号をTDM信号に変換する第2変換手段と、
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項7】
時分割多重(TDM)信号をIP(Internet Protocol)網経由で伝送する通信方法であって、
送信側伝送装置が、
TDM信号をIP信号に変換し、
前記TDM信号のタイミング信号に従って、送信IP信号を前記タイミング信号が抽出可能な波長多重用送信信号に変換し、
前記波長多重用送信信号を波長多重により受信側伝送装置へ送信する、
ことを特徴とする通信方法。
【請求項8】
前記受信側伝送装置が、
前記送信側伝送装置から波長多重信号を受信し、
前記受信信号から受信タイミング信号および受信IP信号を取り出し、
前記受信タイミング信号に従って前記受信IP信号からTDM信号用のIP信号をTDM信号に変換する、
ことを特徴とする請求項7に記載の通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−130311(P2011−130311A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288627(P2009−288627)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【出願人】(000232254)日本電気通信システム株式会社 (586)
【Fターム(参考)】