説明

通信システム及びデタッチ処理制御方法

【課題】ネットワーク側にて通信端末のデタッチ状態を判別し、ネットワーク側でデタッチ処理を行う
【解決手段】通信システム1は、着信端末21への着呼時にこの着信端末21が応答しない場合に、着信端末21が通信不能な状態であるデタッチ状態となっているか否かを判別する回線交換サービス装置24のデタッチ処理制御部241と、着信端末21がデタッチ状態となっていると判別された場合、着信端末21のデタッチ処理を実行するGS−GW22のデタッチ処理部221と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム及びデタッチ処理制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話などの通信端末間の通話を制御する通信システムにおいて、通信端末が在圏しているときに、ユーザの操作または端末の電池切れによって端末の電源がオフになると、この通信端末からネットワークに対して、通信端末が通信不能状態となったことを示すデタッチ要求が送信される。ネットワーク側では、このデタッチ要求に応じてデタッチ処理を行いうことで、通信端末がデタッチ状態に遷移し、通信不能状態となっていることを認識することができる(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2002−532988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されるような従来の通信システムでは、通信不能状態となった通信端末からデタッチ要求が行われない限り、ネットワーク側が通信端末のデタッチ状態への遷移を認識することができないという問題があった。
【0005】
例えば、通信端末が、通信可能な状態であるアタッチ状態であるとネットワーク側に認識されたまま圏外に移動すると、ネットワーク側は通信端末の状態を認識することができない。つまり、通信端末が圏外においてデタッチ状態に遷移したとしても、ネットワーク側は依然として端末がアタッチ状態と認識し続けることとなる。このため、この通信端末に着信があるたびに、この着呼側の通信端末(着信端末)は応答不能であるにも係わらず、着信端末を呼び出すページング処理が実行され、無駄なページング処理が発生することになる。
【0006】
無駄なページング処理が発生すると、ネットワークへの負荷が増え、ネットワークリソースを圧迫することになる。また、ページング処理では所定時間呼び出しに応じなかった後に接続不能の旨が発信側の通信端末(発信端末)に伝えられるので、無駄なページング処理が発生すると、発信端末のユーザは無駄な待ち時間を要することとなる。
【0007】
したがって、通信端末がデタッチ要求を行わなくても、ネットワーク側が通信端末のデタッチ状態を判別し、デタッチ処理ができることが好ましい。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、デタッチ要求有無に関係なく、ネットワーク側にて通信端末のデタッチ状態を判別し、ネットワーク側でデタッチ処理を行うことができる通信システム及びデタッチ処理制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明に係る通信システムは、通信端末間の通信を行う通信システムであって、通信端末のうちの一の通信端末への着呼時にこの通信端末が応答しない場合に、この通信端末が通信不能な状態であるデタッチ状態となっているか否かを判別する判別手段と、判別手段により一の通信端末がデタッチ状態となっていると判別された場合、この通信端末のデタッチ処理を実行するデタッチ実行手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
同様に、上記課題を解決するため、本発明に係るデタッチ処理制御方法は、通信端末間の通信を行う通信システムにて行われるデタッチ処理制御方法であって、通信端末のうちの一の通信端末への着呼時にこの通信端末が応答しない場合に、この通信端末が通信不能な状態であるデタッチ状態となっているか否かを判別する判別ステップと、判別ステップにおいて一の通信端末がデタッチ状態となっていると判別された場合、この通信端末のデタッチ処理を実行するデタッチ実行ステップと、を備えることを特徴とする。
【0011】
このような通信システム及びデタッチ処理制御方法によれば、着呼時に、着信側の通信端末が応答しない場合に、当該通信端末が通信不能な状態であるデタッチ状態となっているか否かが判別され、デタッチ状態となっていると判別された場合には、通信端末のデタッチ処理が実行される。このように、デタッチ要求有無に関係なく、ネットワーク側にて通信端末のデタッチ状態を判別し、ネットワーク側でデタッチ処理を行うことができる。この結果、再度この通信端末に着呼があった場合には、ネットワーク側が当該通信端末のデタッチ状態を認識することができるので、ページング処理を実行せずに発信側の通信端末に接続不能の旨を伝えることができる。これにより、無駄なページング処理の発生を抑制することが可能となり、ネットワーク負荷を軽減すると共に、発信端末のユーザの無駄な待ち時間を無くすことができる。
【0012】
また、通信システムは、通信端末の電池残量を示す電池レベルを取得する電池レベル取得手段を備え、判別手段は、電池レベル取得手段により取得された電池レベルに基づいて、一の通信端末のデタッチ状態を判別することが好適である。
【0013】
この構成により、通信端末から取得した電池レベルに基づきネットワーク側で通信端末の電池残量を把握することができるので、着信側の通信端末が応答せずこの通信端末の現在の状態が不明である場合でも、ネットワーク側にて通信端末がデタッチ状態か否かを好適に判別することができる。
【0014】
また、通信システムにおいて、電池レベル取得手段は、通信端末から周期的に送信される、この通信端末の電池レベルを取得する処理を実行する旨の要求を受信するのに応じて、要求を送信した通信端末から電池レベルを取得することが好適である。
【0015】
この構成により、ネットワーク側は周期的に電池レベルの情報を通信端末から取得することができるので、ネットワーク側では周期的に新たに更新される電池レベルの情報を用いて通信端末のデタッチ状態を判別することができ、この結果、ネットワーク側にて通信端末がデタッチ状態か否かを精度良く判別することができる。
【0016】
また、通信システムは、電池レベル取得手段により取得された電池レベルと、この電池レベルの取得時刻とに基づいて、一の通信端末が現在電池切れの状態か否かを判定する電池切れ判定手段を備え、判別手段は、電池切れ判定手段により一の通信端末が現在電池切れの状態であると判定された場合、この通信端末がデタッチ状態となっていると判別することが好適である。
【0017】
この構成により、通信端末から取得された電池レベルと、この電池レベルの取得された時刻に基づいて、着信側の通信端末が現在電池切れの状態か否かが判定され、電池切れ状態と判定された場合にデタッチ状態であると判定される。このため、通信端末の現在の状態(電池切れか否か)を推定し、この推定された現在の状態に基づきデタッチ状態を判定することができるので、ネットワーク側にて通信端末がデタッチ状態か否かについて、より一層精度良く判別することができる。
【0018】
また、通信システムは、通信端末のアタッチ処理を実行するアタッチ実行手段を備え、デタッチ実行手段は、通信端末のデタッチ処理を実行したときに、ネットワーク側でデタッチ処理を実行したことを示すフラグを立て、アタッチ実行手段は、通信端末が圏内に復帰したときに、フラグが立てられていた場合に、アタッチ処理を実行することが好適である。
【0019】
この構成により、ネットワーク側で通信端末のデタッチ処理が実行された後に、この通信端末が圏内に復帰したときに、デタッチ処理が行われたことを識別してアタッチ処理が実行される。このため、ネットワーク側で通信端末のデタッチ処理が実行された場合のみ、ネットワーク側でアタッチ処理を実行することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る通信システム及びデタッチ処理制御方法によれば、ネットワーク側にて通信端末のデタッチ状態を判別し、ネットワーク側でデタッチ処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る通信システムの機能ブロック図である。
【図2】電池レベル保持部のデータ構成の一例を示す図である。
【図3】残り時間導出テーブルのデータ構成の一例を示す図である。
【図4】着信端末のハードウェア構成図である。
【図5】IPサービス制御装置のハードウェア構成図である。
【図6】本実施形態の通信システムにおいて実行される電池レベル取得処理を示すシーケンス図である。
【図7】本実施形態の通信システムにおいて実行されるデタッチ判定処理を示すシーケンス図である。
【図8】本実施形態の通信システムにおいて実行される着信端末の圏内復帰後のアタッチ処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0023】
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システム1の機能ブロック図である。通信システム1は、IMS(IP Multimedia Subsystem)網を含む移動体通信網において、発呼側の通信端末(発信端末)31と着呼側の通信端末(着信端末)21との間の呼制御を実行するシステムである。着信端末21が在圏している着側IMS網2は、CS−GW(Circuit Switching Gate Way)22と、S−CSCF(Serving Call Session Control Function)23と、回線交換サービス装置24と、IP(Internet Protocol)サービス制御装置25と、MRF(MediaResource Function)26とを備えている。また、発信端末31が在圏している発側IMS網3には、説明の便宜上CS−GW32及びS−CSCF33のみが図示されているが、着側IMS網2と同様の構成をとるものである。
【0024】
特に本実施形態において、通信システム1は、発信端末31から着信端末21へ呼制御を行う際に着信端末21が呼び出しに応じない場合に、着信端末21の電池残量を示す電池レベルに基づき、着信端末21が現在電池切れとなっているか否かを判定する。そして、電池切れと判定した場合には、着信端末21がデタッチ状態に遷移したものと判断し、ネットワーク(網)側で着信端末21のデタッチ処理を実行することを特徴とするものである。ここで、「デタッチ状態」とは、通信端末が通信不能な状態を意味するものである。
【0025】
つまり、通信システム1は、着信端末21がアタッチ状態のまま圏外に移動し、その後に圏外でデタッチ状態となっている状態や、さらにデタッチ状態のまま再び在圏している状態、もしくは着信端末21がデタッチ要求せずにデタッチ状態となっている状態においても、着信端末21がデタッチ状態に遷移したことをネットワーク側で識別することできる。
【0026】
着信端末21及び発信端末31は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant:個人情報端末)、パーソナルコンピュータなど、通信機能を有する装置を含むものであり、移動体通信網を介して相互に通信可能な状態で接続される。また、着信端末21及び発信端末31は、3G端末やIMS端末であり、3G端末の場合には、CS−GW22を介してS−CSCF23と信号の送受信を行うことにより在圏するIMS網を介して通信を行うことができる。
【0027】
特に本実施形態においては、着信端末21は、図1に示すように、電池レベル取得処理制御部(要求手段)211と、通信部212とを備えて構成されている。
【0028】
電池レベル取得処理制御部211は、着側IMS網2(ネットワーク)に対して、当該着信端末21の電池の残量を示す電池レベルの情報を着信端末21から取得するための電池レベル取得処理を実施させる。より詳細には、電池レベル取得処理制御部211は、着信端末21の電源が入った後にタイマを起動し、このタイマが一定周期の所定タイミングに達した場合に、通信部212を介してIPサービス制御装置25に対して、上記の電池レベル取得処理の開始させるための電池レベル取得処理開始要求を送信する。
【0029】
通信部212は、上述のように電池レベル取得処理制御部211から送出される電池レベル取得処理開始要求をIPサービス制御装置25に送信する。また、通信部212は、着信端末21の電源が入ったときに、既存の位置登録処理を実行するためのLocationUpdateRequest信号をCS−GW22に送信する。
【0030】
CS−GW22,33は、通信端末をIMS網と通信可能に接続させるための装置である。特に通信端末が3G端末である場合には、3G端末を収容するためのインターワーク装置として機能する。より詳細には、3G端末からの3G回線用プロトコル(例えばCall ControlやMobility Management)を終端し、SIP(Session Initiation Protocol)に変換し、IMSで基本呼制御機能を提供するCSCFとインターワークする。
【0031】
特に本実施形態においては、着側IMS網のCS−GW22は、図1に示すように、デタッチ処理部(デタッチ実行手段)221と、アタッチ処理部(アタッチ実行手段)222とを備えて構成されている。
【0032】
デタッチ処理部221は、網側から着信端末21のデタッチ処理を実行する。より詳細には、デタッチ処理部221は、後述するように、IPサービス制御装置25において着信端末21の電池切れが判定され、これに応じて回線交換サービス装置24において着信端末21のデタッチ処理を網側から行うべく送出されるSIP_PUBRISH(デタッチ通知)を受信すると、既存のデタッチ処理(デタッチフラグを立てる処理、およびデタッチタイマを起動する処理)を実行する。また、デタッチ処理部221は、既存のデタッチ処理を実行した際に「圏内復帰検出フラグ」を立てる。「圏内復帰検出フラグ」とは、着信端末21がネットワークと通信不能な状態にあったため、ネットワーク側による着信端末21のデタッチ処理が実行されたことを示すフラグである。この圏内復帰検出フラグは、後述する既存の報知処理が着信端末21とネットワークとの間で行われたときに、着信端末21が圏内で復帰した前に、ネットワーク側によるデタッチ処理が実行されたか否かを判断するために用いられる。
【0033】
アタッチ処理部222は、網側から着信端末21のアタッチ処理を実行する。より詳細には、アタッチ処理部222は、着信端末21との間で報知情報処理が実行された際に、圏内復帰検出フラグが立てられておりON状態である場合に、既存のアタッチ処理を実行する。また、アタッチ処理部222は、アタッチ処理を実行した際には圏内復帰検出フラグをOFFに変更する。
【0034】
S−CSCF23,33は、標準のIMSにおいて、SIPメッセージの処理を行う論理ノードであり、ユーザの登録やセッション設定の制御を行う。本実施形態では、着側IMS網2のS−CSCF23は、回線交換サービス装置24から受信するSIP_PUBRISH(デタッチ通知)をCS−GW22に転送する処理や、CS−GW22から受信するSIP200OKを回線交換サービス装置24に転送する処理を行う。
【0035】
回線交換サービス装置24は、標準のIMSにおいて着信サービス制御を行うAS(Application Server)である。本実施形態では、回線交換サービス装置24は、デタッチ処理制御部(判別手段)241を備えて構成されている。
【0036】
デタッチ処理制御部241は、網側で着信端末21のデタッチ処理の実行を制御する。より詳細には、デタッチ処理制御部241は、着信端末21へのページングがタイムアウトしたことを示すSIP_RequestTimeOutをS−CSCF23を介してCS−GW22から受信すると、IPサービス制御装置25にNWデタッチ処理判定要求を送信する。そして、IPサービス制御装置25から受信したNWデタッチ処理判定の判定結果通知に基づき、着信端末21がデタッチ状態となっているか否かを判別する。具体的には、デタッチ処理制御部241は、ネットワーク側で着信端末21のデタッチ処理を実行すべきことを示す「NWデタッチ実施要求」が判定結果通知に含まれている場合に、着信端末21がデタッチ状態となっていると判断し、デタッチ処理の実行を指示するSIP_PUBRISH(デタッチ通知)をCS−GW22に送信する。
【0037】
IPサービス制御装置25は、IMS方式におけるHSS(Home Subscriber Server)としての機能を有し、標準のIMSにおいて定義された加入者情報データベースを管理する論理ノードである。加入者情報としては、IMS在圏の端末の電話番号と関連づけてサービス設定情報が登録されている。
【0038】
本実施形態では、IPサービス制御装置25は、電池レベル取得部(電池レベル取得手段)251と、電池レベル保持部252と、電池切れ時刻推定部253と、電池切れ判定部(電池切れ判定手段)254とを備えて構成されている。
【0039】
電池レベル取得部251は、着信端末21の電池の充電度合いを示す電池レベルを取得する。電池レベル取得部251は、着信端末21から電池レベル取得処理開始要求を受信するのに応じて、着信端末21から電池レベルを取得する。また、電池レベル取得部251は、着信端末21の電源がオンとなったときに通常行われる位置登録処理において、CS−GW22から送信されるUserAuthenticationRequest信号を受信した際にも、着信端末21から電池レベルを取得する。なお、電池レベル取得部251は、周知のOMA標準処理を用いて着信端末21から電池レベルを取得することができる。電池レベル取得部251は、着信端末21から取得した電池レベルの情報を用いて、電池レベル保持部252を更新する。
【0040】
電池レベル保持部252は、電池レベル取得部251により取得された着信端末21の電池レベルを保持する。電池レベル保持部252のデータ構成の一例を図2に示す。図2に示すように、電池レベル保持部252は、着信端末21の識別情報(例えば電話番号)である「MSISDN」、着信端末21の製品番号である「IMEI(International Mobile Equipment Identifier:国際移動体装置識別番号)」、着信端末21の電池の充電レベルを示す「電池レベル」、この電池レベルを着信端末21から取得した時刻を示す「データ取得時刻」、及び着信端末21の電池の残りの持ち時間を示す「残り時間」を関連づけて保持している。
【0041】
「電池レベル」は、本実施形態では4段階のレベルが設定されており、レベル0(Lv.0)は電池切れ状態であり、レベル1(Lv.1)は充電レベル5%未満であり、レベル2(Lv.2)は充電レベル5〜50%であり、レベル3(Lv.3)は充電レベル50%以上の状態を表すものとする。なお、このレベル設定は、電池残量の段階を設けることができればよく、4段階以外を設定することも可能である。
【0042】
「残り時間」は、着信端末21の製品種別(この製品で用いられる電池の種類)及び電池レベルに基づき決まる値である。具体的には、例えば図3に示すように、各製品(「製品番号」)に用いられる電池の種類を示す「電池パックID」と、電池レベルに応じた「残り時間」とを対応付けた残り時間導出テーブル252aがIPサービス制御装置25内に保持されている。そして、電池レベル取得部251が、着信端末21から取得した「IMEI(製品番号)」及び「電池レベル」に基づき、残り時間導出テーブル252aを参照して「残り時間」を導出する。図3の例では、例えば製品番号“P906i”の電池レベルが“Lv2”の場合、電池の残り時間は“200分”である。
【0043】
なお、図3に示すように、電池の種類によって電池レベルに応じた残り時間は異なり、また、同じ電池でもこの電池を用いる端末の種類が異なれば、電池レベルに応じた残り時間は異なるものとなる。例えば、製品番号“P906i”及び“P905i”の端末には、共に電池パックID“P06”という同一の電池が用いられているが、電池レベルに応じた残り時間は、レベル1→レベル2→レベル3の順で、それぞれ“5分→200分→300分”及び“3分→180分→360分”である。また、図3に示す残り時間導出テーブル252aの電離レベルに応じた「残り時間」の情報は、端末の発売時期や機種の新旧に応じて、移動体通信網2を管理する通信事業者により適宜変更可能である。
【0044】
電池切れ時刻推定部253は、電池レベル保持部252に保持される着信端末21の電池レベルの情報に基づいて、着信端末21が電池切れとなる時刻を推定する。より詳細には、電池切れ時刻推定部253は、電池レベル保持部252の「データ取得時刻」に「残り時間」を加算した時刻を、「電池切れ時刻」として算出する。例えば、図2の示す電池レベル保持部252のうちIMEI“P905i”の端末の場合、電池レベルのデータ取得時刻が“2009年12月4日22時15分30秒”であり、残り時間が“3分”であるので、データ取得時刻に残り時間を加算すると、電池切れ時刻は“2009年12月4日22時18分30秒”となる。電池切れ時刻推定部253は、導出した電池切れ時刻の情報を電池切れ判定部254に送信する。
【0045】
電池切れ判定部254は、電池切れ時刻推定部253により導出された電池切れ時刻に基づき、着信端末21が現在電池切れから否かを判定する。より詳細には、電池切れ判定部254は、電池切れ時刻推定部253により導出された電池切れ時刻と、現在時刻とを比較する。電池切れ時刻が現在時刻より前の場合には、着信端末21が現在電池切れとなっているものと判定し、ネットワーク側で着信端末21のデタッチ処理を実行すべきと判断し、判定結果に「NWデタッチ実施要求」を含めて回線交換サービス装置24に送信する。一方、電池切れ時刻が現在時刻より後の場合には、着信端末21が現在電池切れではないものと判定し、着信端末21のデタッチ処理は不要と判断し、判定結果に「デタッチ不要通知」を含めて回線交換サービス装置24に送信する。
【0046】
MRF26は、標準のIMS上で音声ガイダンスを送出する論理ノードである。
【0047】
図4は、着信端末21のハードウェア構成図である。着信端末21は、物理的には、図4に示すように、CPU(CentralProcessing Unit)101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102及びROM(Read Only Memory)103、入力デバイスである入力キー等の操作部104、ディスプレイ105、無線通信部106などを有する端末装置として構成されている。図1に示した着信端末21の各機能は、CPU101、RAM102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで操作部104、ディスプレイ105、無線通信部106を動作させるとともに、RAM102やROM103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。なお、発信端末31も、着信端末21と同様のハードウェア構成をとるのが好ましい。
【0048】
図5は、IPサービス制御装置25のハードウェア構成図である。IPサービス制御装置25は、物理的には、図5に示すように、CPU201、RAM202及びROM203、ハードディスク装置等の補助記憶装置204、入力デバイスである入力キー等の入力装置205、ディスプレイ等の出力装置206、通信モジュール207などを有するコンピュータとして構成されている。図1に示すIPサービス制御装置25の各機能は、CPU201、RAM202、ROM203等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU201の制御のもとで入力装置205、出力装置206、通信モジュール207を動作させるとともに、RAM202やROM203、補助記憶装置204におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。なお、図1に示したCS−GW22、回線交換サービス装置24の各機能も、IPサービス制御装置25について説明したことと同様に、ハードウェア上で実現されるものである。
【0049】
続いて、図6〜8を参照して、本実施形態の通信システム1において実行される処理を説明すると共に、本実施形態に係るデタッチ処理制御方法について説明する。
【0050】
本実施形態に係るデタッチ処理制御方法は、その処理内容を大きく3つに区分することができる。具体的には、ネットワーク側でデタッチ処理の要否を判定し、所定の条件を満たす場合(現在電池切れの状態と推定された場合)にデタッチ処理を実行するためのデタッチ判定処理(図7)と、このデタッチ判定処理の判断基準となる着信端末の電池レベルをネットワークが事前に取得するための電池レベル取得処理(図6)と、デタッチ判定処理によるデタッチ処理後この着信端末が圏内に復帰したとき(圏内で再びネットワークと通信可能な状態となったとき)にネットワーク側で実行される着信端末のアタッチ処理(図8)と、から構成される。以下に各処理について個別に説明する。
【0051】
図6は、本実施形態の通信システム1において実行される電池レベル取得処理を示すシーケンス図である。
【0052】
まず、着信端末21において、電源オン操作が実行されると(S101)、電池レベル取得処理制御部211により、タイマが起動される(S102)。また、着信端末21による従来の位置登録処理が実施される。具体的には、着信端末21の通信部212により、LocationUpdate Request信号がCS−GW22に送信され(S103)、CS−GW22において、LocationUpdate Request信号の受信に応じてUserAuthenticationRequest信号がIPサービス制御装置25に送信される(S104)。
【0053】
次に、IPサービス制御装置25において、UserAuthenticationRequest信号の受信に応じて、電池レベル取得部251により、着信端末21の電池の充電レベルを示す「電池レベル」を着信端末21から取得する電池レベル取得処理が実行される(S105)。具体的には、電池レベル取得部251は、UserAuthenticationRequest信号の受信に応じて、周知のOMA標準処理を用いて着信端末から電池レベルを取得する。OMA標準処理とは、図6に示すように、PKG#1信号が着信端末21に送信され、PKG#2信号がIPサービス制御装置25に返送され、さらに、PKG#3信号が着信端末21に送信され、PKG#4信号がIPサービス制御装置25に返送されることで電池レベルを取得する。
【0054】
このように取得された着信端末21の電池レベルの情報を用いて、電池レベル取得部251により、電池レベル保持部252に保持される着信端末21の電池レベルの情報が更新される(S106)。具体的には、図2に示すデータ構成のうち、電池レベル取得部251により取得された着信端末21の電池レベルを用いて「電池レベル」の情報を更新し、電池レベル取得部251が着信端末21から電池レベルを取得した時刻の情報を用いて、「データ取得時刻」の情報を更新する。さらに、「製品番号」及び更新された「電池レベル」の情報に基づき、図3の残り時間導出テーブル252aを参照して、「残り時間」の情報を更新する。なお、これ以前に電池レベル保持部252に着信端末21の電池レベルが保持されていない場合には、着信端末21の電池レベルの情報が新たに記録される。
【0055】
以降は、IPサービス制御装置25及びCS−GW22を含むネットワークにおいて、従来の電源オン時に実行される既存アタッチ処理が実行される(S107)。
【0056】
一方、着信端末21において、上述のステップS102のタイマが起動された後には、電池レベル取得処理制御部211により、タイマが継続して監視され、一定周期の所定タイミングとなったか否かが確認される(S108)。所定タイミングではない場合には待ち状態となり(S108のNO)、所定タイミングとなった場合にステップS109に移行する。ステップS108において、電池レベル取得処理制御部211により、タイマが所定タイミングとなったことが確認されると、電池レベル取得処理を開始するようIPサービス制御装置25に促すための「電池レベル取得処理開始要求」が、通信部212を介してIPサービス制御装置25に送信される(109)。
【0057】
IPサービス制御装置25において、電池レベル取得部251により、電池レベル取得処理開始要求の受信に応じて、ステップS105と同様の電池レベル取得処理が実行される(S110)。そして、このように取得された着信端末21の電池レベルの情報を用いて、電池レベル取得部251により、電池レベル保持部に保持される着信端末の電池レベルの情報が更新される(S111)。
【0058】
なお、着信端末21では、電池レベル取得処理開始要求の送信後、ステップS110の電池レベル取得処理のPKG#4信号がIPサービス制御装置25に送信される処理の後に、再びステップS108に戻り、電池レベル取得処理制御部211により再びタイマが監視される。そして、一定周期の所定タイミングとなる度に、IPサービス制御装置25により、ステップS110及びステップS111が繰り返される。
【0059】
図7は、本実施形態の通信システム1において実行されるデタッチ判定処理を示すシーケンス図である。ここで、図7のシーケンス図は、着信端末21がデタッチ要求を送信せずに、圏外に移動した状態やデタッチ状態に遷移した状態において、発信端末31から発呼が行われた場合について説明するものである。
【0060】
まず、発信端末31により、発側IMS網3のCS−GW32及びS−CSCF33、着側IMS網2のS−CSCF23などを経て、着信端末21への既存の発信処理が行われ(S201)、着信端末21がアタッチ状態と認識される場合に、CS−GW22において、着信端末21に対して既存のページング処理が実行される(S202)。
【0061】
ここで着信端末21は、圏外に移動しているか、またはデタッチ状態に遷移しているので、ネットワークと通信不能な状態であり、CS−GW22からのページング信号に応答しない。このため、CS−GW22は、ページング信号の送出後所定時間経過するとタイムアウト(T.O)を検出する(S203)。これに応じて、CS−GW22により、SIP_RequestTimeOut信号がS−CSCF23に送信され(S204)、S−CSCF23により、さらに回線交換サービス装置24に転送される(S205)。
【0062】
次に、回線交換サービス装置24において、デタッチ処理制御部241により、SIP_RequestTimeOut信号の受信に応じて、ネットワーク側から着信端末21のデタッチ処理を実施するか否かの判定を行うための「NWデタッチ処理判定要求」がIPサービス制御装置25に送信される(S206)。
【0063】
IPサービス制御装置25において、電池切れ時刻推定部253により、着信端末21の電池切れ時刻が推定される(S207)。より詳細には、電池切れ時刻推定部253は、電池レベル保持部252から、「データ取得時刻」と「残り時間」の情報を取得し、このデータ取得時刻に残り時間を加算した時刻を「電池切れ時刻」として算出する。電池切れ時刻推定部253は、導出した電池切れ時刻の情報を電池切れ判定部254に送信する。
【0064】
次に、電池切れ判定部254により、着信端末21が現在電池切れ状態か否かが判定される(S208)。電池切れ判定部254は、現在時刻と、ステップS207で算出した電池切れ時刻とを比較して、これらの前後関係で電池切れ判定を行う。電池切れ時刻が現在時刻より前の場合には、着信端末21が現在電池切れ状態であると判定しステップS209に移行する。電池切れ時刻が現在時刻より後の場合には、着信端末21の電池の持続時間がまだ残っており、電池切れ状態でないと判定しステップS214に移行する。
【0065】
ステップS208で着信端末21が現在電池切れ状態であると判定された場合には、電池切れ判定部254により、ネットワーク側から着信端末21のデタッチ処理を実施する旨を示す「NWデタッチ実施要求」が判定結果通知に格納されて回線交換サービス装置24に送信される(S209)。また、NWデタッチ実施要求には、着信端末21を識別するための「端末識別子」が付加される。
【0066】
次に、回線交換サービス装置24において、デタッチ処理制御部241により、IPサービス制御装置25からNWデタッチ実施要求を受け取ると、ネットワーク側から着信端末21のデタッチ処理が実行される。より詳細には、まず、デタッチ処理制御部241により、デタッチ処理の実行を促す「デタッチ通知」を付加したSIP_PUBRISH信号が、S−CSCF23を経由してCS−GW22に送信される(S210)。
【0067】
そして、CS−GW22において、デタッチ処理部221により、デタッチ通知の受信に応じて、既存のデタッチ処理(デタッチフラグを立てる(ONとする)処理、デタッチタイマを起動する処理)が実行される(S211:デタッチ実行ステップ)。これ以降、ネットワークは着信端末21がデタッチ状態であることが認識できるようになる。
【0068】
さらに、デタッチ処理部221により、「圏内復帰検出フラグ」が立てられる(ONに切り替えられる)(S212)。「圏内復帰検出フラグ」とは、上述したように、着信端末21がネットワークと通信不能な状態にあったため、ネットワーク側による着信端末21のデタッチ処理が実行されたことを示すフラグである。図7のシーケンスにおいて、この時点では、着信端末21がアタッチ状態のままネットワークと通信不能な状態に遷移したものと判断できるので、次に圏内に復帰したときのためにこのフラグが立てられる。そして、デタッチ処理部221により、NWデタッチ実施要求に応じたデタッチ処理が終了したことを示すSIP200OK信号がS−CSCF23を経て回線交換サービス装置24に送信される(S213)。
【0069】
一方、ステップS208で着信端末21が現在電池切れ状態でないと判定された場合には、ネットワーク側から着信端末21のデタッチ処理が不要である旨を示す「デタッチ不要通知」が判定結果通知に格納されて、回線交換サービス装置24に送信される(S214)。
【0070】
そして、回線交換サービス装置24において、ステップS213のSIP200OK信号の受信、またはステップS214の「デタッチ不要通知」の受信に応じて、MRF26を介して既存の圏外ガイダンスが発信端末に送出される(S215)。
【0071】
なお、上記の図7に示すシーケンスでは、回線交換サービス装置24のデタッチ処理制御部241が、ステップS206において、「NWデタッチ処理判定要求」をIPサービス制御装置25に送信する。そして、この要求に応じてIPサービス制御装置25の電池切れ判定部254から、ステップS209において「NWデタッチ実施要求」が格納された判定結果通知を受信すると、着信端末21がデタッチ状態となっていると判別する。また、ステップS214において「デタッチ不要通知」が格納された判定結果通知を受信すると、着信端末21がデタッチ状態ではないものと判別する。これらの処理が、特許請求の範囲における「判別ステップ」と対応するものである。
【0072】
図8は、本実施形態の通信システム1において実行される着信端末21の圏内復帰後のアタッチ処理を示すシーケンス図である。
【0073】
まず、着信端末21が圏内にて復帰し、ネットワークと通信可能な状態となると、着信端末21とCS−GW22との間で基地局(図示せず)を経由して、着信端末21がネットワークから報知情報を取得し、位置登録処理などを行う既存の報知情報処理が実行される(S301)。
【0074】
報知情報処理が実行されると、CS−GW22において、アタッチ処理部222により、圏内復帰検出フラグが立っている(ONとなっている)か否かが確認される(S302)。圏内復帰検出フラグが立っている場合には、図7に示したデタッチ判定処理によりネットワーク側から着信端末21のデタッチ処理が実行されていることを意味するので、アタッチ処理部222により、既存のアタッチ処理(デタッチフラグをオフにする処理、デタッチタイマをリセットする処理)が実行される(S303)。これにより、ネットワークは、着信端末21がアタッチ状態に遷移したことを認識できるようになる。さらに、アタッチ処理部222により、圏内復帰検出フラグがオフにされる(S304)。
【0075】
なお、ステップS302において圏内復帰検出フラグがオフである場合には、ステップS303〜304の処理を実行せずに処理を終了する。
【0076】
このような通信システム1及びデタッチ処理制御方法によれば、回線交換サービス装置24のデタッチ処理制御部241が、着信端末21への着呼時にこの着信端末21が応答しない場合に、着信端末21が通信不能な状態であるデタッチ状態となっているか否かを判別し、GS−GW22のデタッチ処理部221が、デタッチ処理制御部241により着信端末21がデタッチ状態となっていると判別された場合、着信端末21のデタッチ処理を実行する。
【0077】
これにより、ネットワーク側にて着信端末21のデタッチ状態を判別し、ネットワーク側でデタッチ処理を行うことができる。この結果、再度この着信端末21に着呼があった場合には、ネットワーク側が着信端末21のデタッチ状態を認識することができるので、ページング処理を実行せずに発信端末31に接続不能の旨を伝えることができる。これにより、無駄なページング処理の発生を抑制することが可能となり、ネットワーク負荷を軽減すると共に、発信端末31のユーザの無駄な待ち時間を無くすことができる。
【0078】
また、通信システム1において、IPサービス制御装置25の電池レベル取得部251が、着信端末21の電池残量を示す電池レベルを取得する。回線交換サービス装置24のデタッチ処理制御部241は、電池レベル取得部251により取得された電池レベルに基づいて、着信端末21のデタッチ状態を判別する。
【0079】
この構成により、着信端末21から取得した電池レベルに基づきネットワーク側で通信端末の電池残量を把握することができるので、着信端末21が応答せずこの着信端末21の現在の状態が不明である場合でも、ネットワーク側にて着信端末21がデタッチ状態か否かを好適に判別することができる。
【0080】
また、通信システム1において、着信端末21の電池レベル取得処理制御部211が、自機の電池レベルを取得する処理を実行する電池レベル取得処理開始要求を、IPサービス制御装置25の電池レベル取得部251に周期的に送信する。電池レベル取得部251は、着信端末21から周期的に送信される電池レベル取得処理開始要求を受信するのに応じて、この要求を送信した着信端末21から電池レベルを取得する。
【0081】
この構成により、ネットワーク側は周期的に電池レベルの情報を着信端末21から取得することができるので、ネットワーク側では周期的に新たに更新される電池レベルの情報を用いて着信端末21のデタッチ状態を判別することができ、この結果、ネットワーク側にて着信端末21がデタッチ状態か否かを精度良く判別することができる。
【0082】
また、通信システム1において、IPサービス制御装置25の電池切れ判定部254が、電池レベル取得部251により取得された電池レベルと、この電池レベルの取得時刻とに基づいて、着信端末21が現在電池切れの状態か否かを判定する。回線交換サービス装置24のデタッチ処理制御部241は、電池切れ判定部254により着信端末21が現在電池切れの状態であると判定された場合、着信端末21がデタッチ状態となっていると判別する。
【0083】
この構成により、着信端末21から取得された電池レベルと、この電池レベルの取得された時刻に基づいて、着信端末21が現在電池切れの状態か否かが判定され、電池切れ状態と判定された場合にデタッチ状態であると判定される。このため、着信端末21の現在の状態(電池切れか否か)を推定することができ、この推定された現在の状態に基づきデタッチ状態を判定することができるので、ネットワーク側にて着信端末21がデタッチ状態か否かについて、より一層精度良く判別することができる。
【0084】
また、通信システム1において、CS−GW22のデタッチ処理部221は、着信端末21のデタッチ処理を実行したときに、ネットワーク側でデタッチ処理を実行したことを示す圏内復帰検出フラグを立てる。CS−GW22のアタッチ処理部222は、着信端末21が圏内に復帰したときに、圏内復帰検出フラグが立てられていた場合に、アタッチ処理を実行する。
【0085】
この構成により、ネットワーク側で着信端末21のデタッチ処理が実行された後に、この着信端末21が圏内に復帰したときに、デタッチ処理が行われたことを識別してアタッチ処理が実行される。このため、ネットワーク側で着信端末21のデタッチ処理が実行された場合のみ、ネットワーク側でアタッチ処理を実行することができる。
【0086】
以上、本発明に係る通信システム1及びガイダンス送出方法について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記実施形態で示した各機能ブロックは、IMS網の他の装置に含まれるよう構成してもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…通信システム、21…着信端末(一の通信端末)、211…電池レベル取得処理制御部(要求手段)、22…CS−GW、221…デタッチ処理部(デタッチ実行手段)、222…アタッチ処理部(アタッチ実行手段)、24…回線交換サービス装置、241…デタッチ処理制御部(判別手段)、25…IPサービス制御装置、251…電池レベル取得部(電池レベル取得手段)、254…電池切れ判定部(電池切れ判定手段)。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末間の通信を行う通信システムであって、
前記通信端末のうちの一の通信端末への着呼時に該通信端末が応答しない場合に、該通信端末が通信不能な状態であるデタッチ状態となっているか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段により前記一の通信端末がデタッチ状態となっていると判別された場合、該通信端末のデタッチ処理を実行するデタッチ実行手段と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記通信端末の電池残量を示す電池レベルを取得する電池レベル取得手段を備え、
前記判別手段は、前記電池レベル取得手段により取得された電池レベルに基づいて、前記一の通信端末のデタッチ状態を判別することを特徴とする、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記電池レベル取得手段は、前記通信端末から周期的に送信される、該通信端末の電池レベルを取得する処理を実行する旨の要求を受信するのに応じて、前記要求を送信した通信端末から電池レベルを取得することを特徴とする、請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記電池レベル取得手段により取得された電池レベルと、該電池レベルの取得時刻とに基づいて、前記一の通信端末が現在電池切れの状態か否かを判定する電池切れ判定手段を備え、
前記判別手段は、前記電池切れ判定手段により前記一の通信端末が現在電池切れの状態であると判定された場合、該通信端末がデタッチ状態となっていると判別することを特徴とする、請求項2又は3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記通信端末のアタッチ処理を実行するアタッチ実行手段を備え、
前記デタッチ実行手段は、前記通信端末のデタッチ処理を実行したときに、ネットワーク側でデタッチ処理を実行したことを示すフラグを立て、
前記アタッチ実行手段は、前記通信端末が圏内に復帰したときに、前記フラグが立てられていた場合に、アタッチ処理を実行することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信システム。
【請求項6】
通信端末間の通信を行う通信システムにて行われるデタッチ処理制御方法であって、
前記通信端末のうちの一の通信端末への着呼時に該通信端末が応答しない場合に、該通信端末が通信不能な状態であるデタッチ状態となっているか否かを判別する判別ステップと、
前記判別ステップにおいて前記一の通信端末がデタッチ状態となっていると判別された場合、該通信端末のデタッチ処理を実行するデタッチ実行ステップと、
を備えることを特徴とするデタッチ処理制御方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−254394(P2011−254394A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128141(P2010−128141)
【出願日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】