説明

通信ネットワーク再構成方法および再構成管理エージェントシステム

【課題】通信ノードを通信ネットワークから離脱させる場合と追加させる場合には、ルーチングテーブルの設計、変更、通信路の閉塞などの個々の手順を手作業で実施していたので、エラー発生の虞があり、かつ、保守コストの増大の虞があった。
【解決手段】再構成管理エージェントシステム10は、各ノードの離脱または回復で状態変化する関連リンクと、その変化後の状態とを定義したレコードを有するノード離脱・回復テーブル15を記憶している。対象ノードの故障または回復を検出したとき、ノード離脱・回復テーブル15から対象ノードに係るレコードを取得し、取得したレコードが含んでいる関連リンクに接続されている対向ノードに、関連リンクをその変化後の状態に遷移させるよう指示し、対象ノードの故障を検出した場合には更に、前記対象ノードに接続されている全てのノードに、前記対象ノードを予閉塞するように指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隣接ノードのルーチングテーブルの再設定およびリンク設定を自動化する通信ネットワーク再構成方法と再構成管理エージェントシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電話の通話などである呼状態を制御する交換機が複数台接続されて構成されている通信ネットワークが普及している。この通信ネットワークは、呼状態を制御する複数の通信ノードが通信路(リンク)を介して接続された構成である。
【0003】
これら通信ノードのいずれかで罹障が発生した場合には、この罹障が発生した通信ノードを通信ネットワークから離脱させることが必要である。この罹障が発生した通信ノードを迂回する、新たなリンクを構成することが必要な場合もある。更に、離脱させた通信ノードを回復させることも必要である。
設備計画の変更の際に、所定の通信ノードを離脱させることや、所定の通信ノードを通信ネットワークに追加することが必要になる場合がある。
【0004】
通信ノードを通信ネットワークから離脱させる場合には、当該通信ノードに対する新規呼のルーチングを抑止する必要がある。すなわち、当該通信ノードにリンクで接続されている全ての通信ノードに対して、当該通信ノードへのルーチングを行わないように、ルーチングテーブルを迂回用の他の通信ノード向けに変更する。
【0005】
更に、当該通信ノードへの全ての通信路に於いて、通信中の呼がある場合には、全呼の終話状態への遷移を待ち合わせして、当該通信ノードでの処理中の呼が無くなったことを確認し、その上で、当該通信ノードを閉塞状態にする必要がある。通信中の呼を途中で切断しないためである。
【0006】
非特許文献1には、ISDN(Integrated Services Digital Network)の呼に関する接続処理に関する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】江川哲明、佐藤隆昭、「ネットワーク・ノード方式」第1版、株式会社オーム社、1994年1月25日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
通信ノードを通信ネットワークから離脱させる場合と、通信ノードを通信ネットワークに追加(回復)させる場合には、上述したルーチングテーブルの設計、変更、通信路の閉塞などの個々の手順を、全て手作業で実施する必要があった。よって、手作業によるヒューマンエラーの虞と、保守コストが増大する虞とがあった。
【0009】
そこで、本発明は、通信ノードを通信ネットワークから離脱させる際、および、回復させる際に、ヒューマンエラーを抑止し、保守コストの増大を抑止することを可能とする通信ネットワーク再構成方法および再構成管理エージェントシステムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、呼処理を行う複数のノードが、リンクを介して接続されている通信ネットワークに於いて、当該通信ネットワークを管理するコンピュータが実行する通信ネットワーク再構成方法であって、前記コンピュータは、処理部と、各ノードの離脱または各ノードの回復に伴い状態を変化させる関連リンクと当該関連リンクの変化後の状態とを定義したレコードを有する離脱・回復テーブルを記憶している記憶部とを有し、前記複数のノードのうち、いずれかの対象ノードの故障または回復を検出したとき、前記離脱・回復テーブルから当該対象ノードに係る前記レコードを取得するレコード取得ステップと、取得した前記レコードが含んでいる前記関連リンクに接続されている対向ノードに、当該関連リンクを前記変化後の状態に遷移させるよう指示するノード遷移ステップと、を実行し、前記対象ノードの故障を検出した場合には更に、前記対象ノードに接続されている全てのノードに、前記対象ノードを予閉塞するように指示する予閉塞ステップを実行することを特徴とする通信ネットワーク再構成方法とした。
【0011】
請求項5に記載の発明は、呼処理を行う複数のノードが、リンクを介して接続されている通信ネットワークに於いて、当該通信ネットワークを管理する再構成管理エージェントシステムであって、処理部と、前記リンクと相互に通信する通信部と、各ノードの離脱または各ノードの回復に伴い状態を変化させる関連リンクと当該関連リンクの変化後の状態とを定義したレコードを有する離脱・回復テーブルを記憶している記憶部とを有しており、前記処理部は、前記複数のノードのうち、いずれかの対象ノードを離脱または回復させるとき、前記離脱・回復テーブルから当該対象ノードに係る前記レコードを取得し、前記通信部は、取得した前記レコードが含んでいる前記関連リンクに接続されている対向ノードに、当該関連リンクを前記変化後の状態に遷移させるよう指示し、前記通信部は、前記対象ノードを離脱させる場合には更に、前記対象ノードに接続されている全てのノードに、前記対象ノードへの呼を予閉塞するように指示することを特徴とする再構成管理エージェントシステムとした。
【0012】
このようにすることで、本発明によれば、再構成管理エージェントシステムは、通信ノードを通信ネットワークから離脱させる際、および、回復させる際に、離脱・回復テーブルに基いて、新たなリンクの構成と既存のリンクの閉塞とを行う。これにより、手作業によるヒューマンエラーを抑止し、保守コストを抑えることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の通信ネットワーク再構成方法は更に、前記予閉塞ステップを実行したのち、前記全てのノードから、前記対象ノードを閉塞した応答を確認する閉塞確認ステップを実行することを特徴とする通信ネットワーク再構成方法とした。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記処理部は、前記対象ノードを離脱させる場合には更に、前記通信部を用いて、前記全てのノードに、前記対象ノードへの呼を予閉塞するように指示したのち、前記対象ノードへの呼が閉塞したことを前記全てのノードについて確認することを特徴とする請求項5に記載の再構成管理エージェントシステムとした。
【0015】
このようにすることで、本発明によれば、処理中の呼を切断することなく対象ノードを閉塞させるとともに、この対象ノードの閉塞を確認することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の通信ネットワーク再構成方法は更に、前記ノード遷移ステップを実行したのち、前記対向ノードから前記関連リンクが前記変化後の状態に遷移した応答を確認する応答確認ステップを実行することを特徴とする通信ネットワーク再構成方法とした。
【0017】
請求項7に記載の発明は、前記処理部は、いずれかの前記対象ノードを離脱させる場合には更に、前記通信部を用いて、前記対向ノードから前記関連リンクが前記変化後の状態に遷移した応答を確認することを特徴とする請求項6に記載の再構成管理エージェントシステムとした。
【0018】
このようにすることで、本発明によれば、関連リンクが変化後の状態に遷移したことを確認することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、前記変化後の状態とは、前記関連リンクの変化後の呼状態の配分であり、前記関連リンクの変化後の呼状態の配分が0%であるとき、前記対向ノードに、当該関連リンクを予閉塞するよう指示することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の通信ネットワーク再構成方法とした。
【0020】
請求項8に記載の発明は、前記変化後の状態とは、前記関連リンクの変化後の呼状態の配分であり、前記通信部は、前記関連リンクの変化後の呼状態の配分が0%であるとき、前記対向ノードに、当該関連リンクを予閉塞するよう指示することを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の再構成管理エージェントシステムとした。
【0021】
このようにすることで、本発明によれば、呼状態の配分の項目のみで、関連リンクの閉塞を含む変化後の状態を示すことができる。よって、離脱・回復テーブルを簡素化可能であると共に、離脱・回復テーブルの検証作業を省力化できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、通信ノードを通信ネットワークから離脱させる際、および、回復させる際に、ヒューマンエラーを抑止し、保守コストの増大を抑止することを可能とする通信ネットワーク再構成方法および再構成管理エージェントシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態に於ける再構成管理エージェントシステムを示す概略の構成図である。
【図2】第1の実施形態に於ける網状態の初期値を示す図である。
【図3】第1の実施形態に於けるノード#1のノード離脱・回復テーブルと、その動作を示す図である。
【図4】第1の実施形態に於けるノード#2のノード離脱・回復テーブルと、その動作を示す図である。
【図5】第1の実施形態に於けるノード#3のノード離脱・回復テーブルと、その動作を示す図である。
【図6】第1の実施形態に於ける再構成管理エージェントシステムの通信ネットワーク再構成動作を示すフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に於ける各ノードの動作を示すフローチャートである。
【図8】第2の実施形態に於ける再構成管理エージェントシステムを示す概略の構成図である。
【図9】第2の実施形態に於ける再構成管理エージェントシステムの通信ネットワーク再構成動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以降、本発明を実施するための形態を、図を参照して詳細に説明する。
【0025】
(第1の実施形態の構成)
図1は、第1の実施形態に於ける再構成管理エージェントシステムを示す概略の構成図である。
本実施形態の再構成管理エージェントシステム10は、通信ネットワーク20の全てのノード#1(21−1)〜ノード#5(21−5)に、通信回線を介して接続されている。
【0026】
再構成管理エージェントシステム10は、例えばサーバ(コンピュータ)であり、処理部11と、記憶部12と、通信部13とを有し、通信ネットワーク20を管理するエージェントプログラムが動作している。なお、図面に於いて、再構成管理エージェントシステム10は、単に「エージェントシステム10」と記載している。
【0027】
ここでエージェントプログラムとは、ネットワーク機器の管理や監視を行う際に、これらを管理するサーバ・コンピュータにインストールされるプログラムをいう。エージェントプログラムは、通信ネットワーク20を構成している機器に関する管理情報の収集と、これらの機器の状態管理を、サーバ・コンピュータに行わせる。
処理部11は、後述する図6に示す通信ネットワーク20の再構成処理などを行う。
【0028】
記憶部12は、例えばRAM(Random Access Memory),ROM(Read Only Memory),HDD(Hard Disk Drive)などで構成されている。記憶部12は、網状態テーブル14と、ノード離脱・回復テーブル15とを有している。
通信部13は、例えば、IP(Internet Protocol)ネットワークである通信回線を介して、外部装置と相互に通信する機能を有している。しかし、これに限定されず、他の種類の通信回線であってもよい。
【0029】
処理部11は、記憶部12と通信部13とに接続されている。通信部13は、通信ネットワーク20の全てのノード#1(21−1)〜ノード#5(21−5)に、通信回線を介して接続されている。
【0030】
網状態テーブル14は、通信ネットワーク20に於けるノード#1(21−1)〜ノード#5(21−5)の相互の接続状態である網状態が、プロトコル種別ごとに格納されている。網状態テーブル14は、後述する図2に於いて詳細に説明する。
【0031】
ノード離脱・回復テーブル15は、各ノードが通信ネットワーク20から離脱する場合と回復する場合に於いて、変更する通信路(リンク)の情報が格納されている。ノード離脱・回復テーブル15には、変更する通信路(リンク)の対向ノードアドレスと、変更する通信路(リンク)の呼数配分と、変更する通信路(リンク)の数とが、それぞれ記載されている。ノード離脱・回復テーブル15は、後述する図3〜図5に於いて、詳細に説明する。
【0032】
通信ネットワーク20を構成する複数の通信ノード21であるノード#1(21−1)〜ノード#5(21−5)は、呼状態を有する通信信号の制御、すなわち、呼処理を行う。複数の通信ノード21は、例えば、公衆電話回線に於ける公衆電話通信を制御する電話交換機や、IP電話網に於けるIP電話通信を制御するSIP(Session Initiation Protocol)サーバなどである。
ノード#1(21−1)〜ノード#5(21−5)は、それぞれ通信路(リンク)によって接続され、これらの通信路(リンク)によって、呼状態を有する通信が行われる。本実施形態に於ける通信路(リンク)は、論理的な通信路である。物理的な通信路については、予め用意されているものとする。
【0033】
図2(a),(b)は、第1の実施形態に於ける網状態の初期値を示す図である。
【0034】
図2(a)は、網状態の初期値に於ける網状態テーブル14を示す図である。
網状態テーブル14は、プロトコル種別#1〜#nの網状態を記録している。以下、代表してプロトコル種別#1について説明する。
ノード#1(21−1)の接続ノードは、初期状態に於いて、ノード#2(21−2)、ノード#3(21−3)、ノード#4(21−4)である。
ノード#2(21−2)の接続ノードは、初期状態に於いて、ノード#1(21−1)、ノード#3(21−3)、ノード#5(21−5)である。
【0035】
ノード#3(21−3)の接続ノードは、初期状態に於いて、ノード#1(21−1)、ノード#2(21−2)、ノード#4(21−4)、ノード#5(21−5)である。
ノード#4(21−4)の接続ノードは、初期状態に於いて、ノード#1(21−1)、ノード#3(21−3)、ノード#5(21−5)である。
ノード#5(21−5)の接続ノードは、初期状態に於いて、ノード#2(21−2)、ノード#3(21−3)、ノード#4(21−4)である。
網状態テーブル14は、通信ネットワーク20の接続トポロジの変更に応じて動的に変更される。この変更は、通信ノード21が、それぞれ再構成管理エージェントシステム10に通知することによって検知される。または、再構成管理エージェントシステム10が、それぞれの通信ノード21に、接続トポロジを問い合わせることによって検知される。
【0036】
図2(b)は、網状態の初期値を示す接続図である。
再構成管理エージェントシステム10は、ノード#1(21−1)〜ノード#5(21−5)に、通信回線を介して、それぞれ接続されている。
【0037】
ノード#1(21−1)は、初期状態に於いて、ノード#2(21−2)、ノード#3(21−3)、ノード#4(21−4)に、通信路(リンク)を介して、それぞれ接続されている。
【0038】
ノード#2(21−2)は、初期状態に於いて、ノード#1(21−1)、ノード#3(21−3)、ノード#5(21−5)に、通信路(リンク)を介して、それぞれ接続されている。
【0039】
ノード#3(21−3)は、初期状態に於いて、ノード#1(21−1)、ノード#2(21−2)、ノード#4(21−4)、ノード#5(21−5)に、通信路(リンク)を介して、それぞれ接続されている。
【0040】
ノード#4(21−4)は、初期状態に於いて、ノード#1(21−1)、ノード#3(21−3)、ノード#5(21−5)に、通信路(リンク)を介して、それぞれ接続されている。
【0041】
ノード#5(21−5)は、初期状態に於いて、ノード#2(21−2)、ノード#3(21−3)、ノード#4(21−4)に、通信路(リンク)を介して、それぞれ接続されている。
【0042】
(第1の実施形態の動作)
【0043】
図3(a)〜(c)は、第1の実施形態に於けるノード#1のノード離脱・回復テーブルと、その動作を示す図である。
図3(a)は、ノード離脱・回復テーブル15のうち、ノード#1(21−1)に関わる部分を示す図である。
【0044】
第1の実施形態のノード離脱・回復テーブル15は、事前に机上シミュレーションを行い、または、シミューレションツールなどを使い、様々な局面で正常に通信ネットワーク20を再構築可能であることが確認されているものとする。
【0045】
ノード離脱・回復テーブル15の、「ノード#1離脱」には、4個のレコードが格納されている。この4個のレコードには、変更する通信路(リンク)の情報がそれぞれ格納されている。
【0046】
対向ノードアドレスの項目には、変更する通信路(リンク)に於いて対向するノードのアドレスの組合せが格納されている。呼数配分の項目には、変更する通信路(リンク)に於いて配分する呼数の割合が格納されている。
【0047】
「ノード#1離脱」の最初のレコードには、ノード#2(21−2)とノード#4(21−4)とが対向している通信路の呼数配分を、20%とすることが記載されている。
【0048】
「ノード#1離脱」の2番目のレコードには、ノード#1(21−1)とノード#2(21−2)とが対向している通信路の呼数配分を0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
【0049】
「ノード#1離脱」の3番目のレコードには、ノード#1(21−1)とノード#3(21−3)とが対向している通信路の呼数配分を0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
【0050】
「ノード#1離脱」の4番目のレコードには、ノード#1(21−1)とノード#4(21−4)とが対向している通信路の呼数配分を0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
【0051】
「ノード#1離脱」の各レコードの対向ノードアドレスの項目には、ノード#1(21−1)の離脱に伴い状態を変化させる関連リンクの情報が格納されている。呼数配分の項目には、この関連リンクの変化後の状態が格納されている。他のノードの離脱に関する各レコードも同様である。
「ノード#1離脱」のリンク数の項目には、変更する通信路(リンク)の個数が格納されている。ここでは、リンク数=4が格納されている。
【0052】
ノード離脱・回復テーブル15の、「ノード#1回復」には、4個のレコードが格納されている。この4個のレコードには、変更する通信路(リンク)の情報がそれぞれ格納されている。
【0053】
「ノード#1回復」の最初のレコードには、ノード#1(21−1)とノード#2(21−2)とが対向している通信路の呼数配分を20%とすることが記載されている。
【0054】
「ノード#1回復」の2番目のレコードには、ノード#1(21−1)とノード#3(21−3)とが対向している通信路の呼数配分を10%とすることが記載されている。
【0055】
「ノード#1回復」の3番目のレコードには、ノード#1(21−1)とノード#4(21−4)とが対向している通信路の呼数配分を20%とすることが記載されている。
【0056】
「ノード#1回復」の4番目のレコードには、ノード#2(21−2)とノード#4(21−4)とが対向している通信路の呼数配分を、0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
【0057】
「ノード#1回復」の各レコードの対向ノードアドレスの項目には、ノード#1(21−1)の回復(追加)に伴い状態を変化させる関連リンクの情報が格納されている。呼数配分の項目には、この関連リンクの変化後の状態が格納されている。他のノードの回復(追加)に関する各レコードも同様である。
「ノード1回復」のリンク数の項目には、変更する通信路(リンク)の個数が格納されている。ここでは、リンク数=4が格納されている。
【0058】
図3(b)は、プロトコル種別#1に於けるノード#1(21−1)の回復後の網状態を示す図である。図2に示す網状態と同一の要素には同一の符号を付与している。
プロトコル種別#1に於けるノード#1(21−1)の回復後の網状態は、図2に示す初期状態の網状態と同一である。
【0059】
図3(c)は、プロトコル種別#1に於けるノード#1(21−1)の離脱後の網状態を示す図である。図3(b)に示す網状態と同一の要素には同一の符号を付与している。
【0060】
プロトコル種別#1に於けるノード#1(21−1)の離脱後の網状態は、図3(b)に示すノード#1(21−1)の回復後の網状態とは異なり、ノード#1(21−1)が離脱し、かつ、ノード#2(21−2)とノード#4(21−4)とを接続する通信路が新たに接続されている。この新たな通信路は、ノード#1(21−1)の離脱後に於ける迂回路として機能する。
【0061】
図4(a)〜(c)は、第1の実施形態に於けるノード#2のノード離脱・回復テーブルと、その動作を示す図である。
【0062】
図4(a)は、ノード離脱・回復テーブル15のうち、ノード#2(21−2)に関わる部分を示す図である。
ノード離脱・回復テーブル15の、「ノード#2離脱」には、4個のレコードが格納されている。この4個のレコードには、変更する通信路(リンク)の情報がそれぞれ格納されている。
【0063】
「ノード#2離脱」の最初のレコードには、ノード#1(21−1)とノード#5(21−5)とが対向している通信路の呼数配分を、20%とすることが記載されている。
【0064】
「ノード#2離脱」の2番目のレコードには、ノード#2(21−2)とノード#1(21−1)とが対向している通信路の呼数配分を0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
【0065】
「ノード#2離脱」の3番目のレコードには、ノード#2(21−2)とノード#3(21−3)とが対向している通信路の呼数配分を0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
【0066】
「ノード#2離脱」の4番目のレコードには、ノード#2(21−2)とノード#5(21−5)とが対向している通信路の呼数配分を0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
「ノード#2離脱」のリンク数の項目には、変更する通信路(リンク)の個数が格納されている。ここでは、リンク数=4が格納されている。
【0067】
ノード離脱・回復テーブル15の、「ノード#2回復」には、4個のレコードが格納されている。この4個のレコードには、変更する通信路(リンク)の情報がそれぞれ格納されている。
【0068】
「ノード#2回復」の最初のレコードには、ノード#2(21−2)とノード#1(21−1)とが対向している通信路の呼数配分を20%とすることが記載されている。
【0069】
「ノード#2回復」の2番目のレコードには、ノード#2(21−2)とノード#3(21−3)とが対向している通信路の呼数配分を10%とすることが記載されている。
【0070】
「ノード#2回復」の3番目のレコードには、ノード#1(21−1)とノード#5(21−5)とが対向している通信路の呼数配分を20%とすることが記載されている。
【0071】
「ノード#2回復」の4番目のレコードには、ノード#1(21−1)とノード#5(21−5)とが対向している通信路の呼数配分を、0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
「ノード#2回復」のリンク数の項目には、変更する通信路(リンク)の個数が格納されている。ここでは、リンク数=4が格納されている。
【0072】
図4(b)は、プロトコル種別#1に於けるノード#2(21−2)の回復後の網状態の例を示す図である。図2に示す網状態と同一の要素には同一の符号を付与している。
プロトコル種別#1に於けるノード#2(21−2)の回復後の網状態は、図2に示す初期状態の網状態と同一である。
【0073】
図4(c)は、プロトコル種別#1に於けるノード#2(21−2)の離脱後の網状態の例を示す図である。
【0074】
プロトコル種別#1に於けるノード#2(21−2)の離脱後の網状態は、図4(b)に示すノード#2(21−2)の回復後の網状態とは異なり、ノード#2(21−2)が離脱し、かつ、ノード#1(21−1)とノード#5(21−5)とを接続する通信路が新たに接続されている。この新たな通信路は、ノード#2(21−2)の離脱後に於ける迂回路として機能する。
【0075】
図5(a)〜(c)は、第1の実施形態に於けるノード#3のノード離脱・回復テーブルと、その動作を示す図である。
【0076】
図5(a)は、ノード離脱・回復テーブル15のうち、ノード#3(21−3)に関わる部分を示す図である。
【0077】
ノード離脱・回復テーブル15の、「ノード#3離脱」には、6個のレコードが格納されている。この6個のレコードには、変更する通信路(リンク)の情報がそれぞれ格納されている。
【0078】
「ノード#3離脱」の最初のレコードには、ノード#1(21−1)とノード#5(21−5)とが対向している通信路の呼数配分を、20%とすることが記載されている。
【0079】
「ノード#3離脱」の2番目のレコードには、ノード#2(21−2)とノード#4(21−4)とが対向している通信路の呼数配分を、20%とすることが記載されている。
【0080】
「ノード#3離脱」の3番目のレコードには、ノード#3(21−3)とノード#1(21−1)とが対向している通信路の呼数配分を0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
【0081】
「ノード#3離脱」の4番目のレコードには、ノード#3(21−3)とノード#2(21−2)とが対向している通信路の呼数配分を0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
【0082】
「ノード#3離脱」の5番目のレコードには、ノード#3(21−3)とノード#4(21−4)とが対向している通信路の呼数配分を0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
【0083】
「ノード#3離脱」の6番目のレコードには、ノード#3(21−3)とノード#5(21−5)とが対向している通信路の呼数配分を0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
【0084】
「ノード#3離脱」のリンク数の項目には、変更する通信路(リンク)の個数が格納されている。ここでは、リンク数=6が格納されている。
【0085】
ノード離脱・回復テーブル15の、「ノード#3回復」には、6個のレコードが格納されている。この6個のレコードには、変更する通信路(リンク)の情報がそれぞれ格納されている。
【0086】
「ノード#3回復」の最初のレコードには、ノード#3(21−3)とノード#1(21−1)とが対向している通信路の呼数配分を10%とすることが記載されている。
【0087】
「ノード#3回復」の2番目のレコードには、ノード#3(21−3)とノード#2(21−2)とが対向している通信路の呼数配分を10%とすることが記載されている。
【0088】
「ノード#3回復」の3番目のレコードには、ノード#3(21−3)とノード#4(21−4)とが対向している通信路の呼数配分を10%とすることが記載されている。
【0089】
「ノード#3回復」の4番目のレコードには、ノード#3(21−3)とノード#5(21−5)とが対向している通信路の呼数配分を、10%とすることが記載されている。
【0090】
「ノード#3回復」の5番目のレコードには、ノード#1(21−1)とノード#5(21−5)とが対向している通信路の呼数配分を0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
【0091】
「ノード#3回復」の5番目のレコードには、ノード#2(21−2)とノード#4(21−4)とが対向している通信路の呼数配分を0%とすること、すなわち、この通信路を閉塞することが記載されている。
「ノード#3回復」のリンク数の項目には、変更する通信路(リンク)の個数が格納されている。ここでは、リンク数=6が格納されている。
【0092】
図5(b)は、プロトコル種別#1の網状態(回復)を示す図である。図2に示す網状態と同一の要素には同一の符号を付与している。
プロトコル種別#1に於けるノード#2(21−2)の回復後の網状態は、図2に示す初期状態の網状態と同一である。
【0093】
図5(c)は、プロトコル種別#1に於けるノード#3(21−3)の離脱後の網状態の例を示す図である。
【0094】
プロトコル種別#1に於けるノード#3(21−3)の離脱後の網状態は、図5(b)に示すノード#3(21−3)の回復後の網状態とは異なり、ノード#3(21−3)が離脱し、かつ、ノード#1(21−1)とノード#5(21−5)とを接続する通信路と、ノード#2(21−2)とノード#4(21−4)とを接続する通信路とが新たに接続されている。これらの新たな通信路は、ノード#3(21−3)の離脱後に於ける迂回路として機能する。
【0095】
図6は、第1の実施形態に於ける再構成管理エージェントシステムの通信ネットワーク再構成動作を示すフローチャートである。
処理を開始すると、ステップS10に於いて、再構成管理エージェントシステム10の処理部11は、通信ネットワーク20の網状態の初期値を取得する。すなわち、再構成管理エージェントシステム10は、通信ノード21から接続トポロジを取得する。
ステップS11に於いて、処理部11は、通信部13を用いて、通信ネットワーク20を構成する全ての通信ノード21の稼働状態を確認する。
【0096】
ステップS12に於いて、処理部11は、通信ノード21の変更を検出したか否かを判断する。通信ノード21の変更を検出したならば(Yes)、ステップS13の処理を行う。通信ノード21の変更を検出しなかったならば(No)、ステップS11の処理に戻る。
【0097】
なお、通信ノード21は、呼状態を処理できなくなった場合(罹障の場合)、または、新たに通信ネットワーク20に追加(回復)された場合には、再構成管理エージェントシステム10に変更通知する。再構成管理エージェントシステム10は、通信ノード21の罹障や、通信ノード21の回復を自動で判別可能である。通信ノード21の罹障は、例えば激甚災害や装置の故障によって発生する。
ステップS13〜S22に於いて、処理部11は、ノード離脱・回復テーブル15の全てのプロトコル種別#1〜#nについて繰り返す。
【0098】
ステップS14に於いて、処理部11は、通信ノード21の変更に対応したノード離脱・回復テーブル15の該当レコードを取得する。このステップS14は、複数のノードのうち、いずれかの対象ノードの故障または回復を検出したとき、ノード離脱・回復テーブル15から対象ノードに係るレコードを取得するレコード取得ステップである。
【0099】
ステップS15〜S19に於いて、処理部11は、該当レコードに格納された、全ての対向ノードの組合せについて繰り返す。ステップS15〜S19は、取得したレコードが含んでいる関連リンクに接続されている対向ノードに、関連リンクを変化後の状態に遷移させるよう指示するノード遷移ステップである。
【0100】
ステップS16に於いて、処理部11は、この対向ノードの組合せの呼数配分が0%を超えていたならば(Yes)、ステップS17の処理を行う。この対向ノードの組合せの呼数配分が0%であったならば(No)、ステップS18の処理を行う。
ステップS17に於いて、処理部11は、通信部13を用いて、これら対向ノードに、対向ノード間のリンク新設コマンドを送信する。
【0101】
ステップS18に於いて、処理部11は、通信部13を用いて、これら対向ノードに、対向ノード間のリンク閉塞コマンドを送信する。このステップS18は、いずれかのノードの故障を検出した場合には更に、対象ノードに接続されている全てのノードに、対象ノードを予閉塞するように指示する予閉塞ステップである。なお、ノードの予閉塞とは、当該ノードへ新規呼を経由させないようにすることをいう。
【0102】
ステップS19に於いて、処理部11は、全ての対向ノードの組合せについて繰り返していなかったならば、ステップS15の処理に戻る。全ての対向ノードの組合せについて繰り返していたならば、ステップS20の処理を行う。
【0103】
ステップS20に於いて、処理部11は、ステップS12で検出した通信ノード21の変更が、所定ノードの離脱であるか否かを判断する。所定ノードの離脱であるならば、ステップS21の処理を行う。所定ノードの離脱でないならば、ステップS22の処理を行う。
ステップS21に於いて、処理部11は、現在の網状態に基き、所定ノードに接続されている全てのノードに、所定ノードの閉塞コマンドを送信する。
【0104】
ステップS22に於いて、処理部11は、全てのプロトコル種別について繰り返していなかったならば、ステップS13の処理に戻る。全てのプロトコル種別について繰り返していたならば、ステップS11の処理に戻る。
再構成管理エージェントシステム10の処理部11は、以降、図6の処理を繰り返しながら、通信ネットワーク20の通信ノード21の変更を監視する。
【0105】
図7は、第1の実施形態に於ける各ノードの動作を示すフローチャートである。
処理を開始すると、ステップS30に於いて、通信ノード21は、再構成管理エージェントシステム10からのコマンドの受信を待つ。
ステップS31に於いて、通信ノード21は、再構成管理エージェントシステム10からのコマンドを受信したか否かを判断する。再構成管理エージェントシステム10からのコマンドを受信していないならば、ステップS30の処理に戻る。所定ノード閉塞コマンドを受信したならば、ステップS32の処理を行う。リンク閉塞コマンドを受信したならば、ステップS35の処理を行う。リンク新設コマンドを受信したならば、ステップS38の処理を行う。
《所定ノード閉塞コマンド受信時の処理》
ステップS32に於いて、通信ノード21は、指定されたプロトコル種別に於いて、所定ノードへ新規呼を経由させない予閉塞状態とする。
【0106】
ステップS33に於いて、通信ノード21は、所定ノードへの呼が全て終話したか否かを判断する。所定ノードへの呼のいずれかが終話していないならば(No)、当該ステップS33の処理を繰り返す。所定ノードへの呼が全て終話したならば(Yes)、ステップS34の処理を行う。これにより、指定プロトコル種別に於ける所定ノードへの呼を途中切断することなく、所定ノードを閉塞させることが可能である。
【0107】
ステップS34に於いて、通信ノード21は、再構成管理エージェントシステム10に、所定ノードの閉塞完了を応答する。これにより、所定ノード閉塞コマンド受信時の処理を終了して、ステップS30の処理に戻る。
《リンク閉塞コマンド受信時の処理》
【0108】
ステップS35に於いて、通信ノード21は、指定プロトコル種別に於けるリンクを予閉塞する。即ち、指定プロトコル種別に於ける新たな呼を、当該リンクで通信しないように設定する。
【0109】
ステップS36に於いて、通信ノード21は、指定プロトコル種別に於ける当該リンクの呼が全て終話したか否かを判断する。指定プロトコル種別に於ける当該リンクの呼のいずれかが終話していないならば(No)、当該ステップS36の処理を繰り返す。指定プロトコル種別に於ける当該リンクの呼が全て終話していたならば(Yes)、ステップS37の処理を行う。これにより、指定プロトコル種別に於ける当該リンクの呼を途中切断することなく、当該リンクを閉塞させることが可能である。
【0110】
ステップS37に於いて、通信ノード21は、再構成管理エージェントシステム10に、当該リンクの閉塞完了を応答する。これにより、リンク閉塞コマンド受信時の処理を終了して、ステップS30の処理に戻る。
《リンク新設コマンド受信時の処理》
ステップS38に於いて、通信ノード21は、指定プロトコル種別に於けるリンクを新設する。
ステップS39に於いて、通信ノード21は、当該リンクを開通試験する。
【0111】
ステップS40に於いて、通信ノード21は、再構成管理エージェントシステム10に、開通試験の結果を応答する。これにより、リンク新設コマンド受信時の処理を終了して、ステップS30の処理に戻る。
通信ノード21は、以降、図7の処理を繰り返す。
【0112】
(第1の実施形態の効果)
以上説明した第1の実施形態では、次の(A)〜(D)のような効果がある。
【0113】
(A) 再構成管理エージェントシステム10は、ノードの離脱またはノードの回復(追加)を検出したとき、予め設定されているノード離脱・回復テーブル15に基いて、通信ネットワーク20を再構成している。これにより、手作業によることなく、通信ネットワーク20を再構成可能となり、ヒューマンエラーを抑止して保守コストの増大を抑止する。
【0114】
(B) 通信ノード21は、指定プロトコル種別に於ける当該リンクの呼が全て終話したかを判断したのちに、閉塞した旨を応答する。これにより、指定プロトコル種別に於ける当該リンクの呼を途中切断することなく、当該リンクを閉塞させることが可能である。
【0115】
(C) 通信ノード21は、指定プロトコル種別に於ける所定ノードの呼が全て終話したかを判断したのちに、閉塞した旨を応答する。これにより、指定プロトコル種別に於ける所定ノードを経由する呼を途中切断することなく、所定リンクを閉塞させることが可能である。
【0116】
(D) 再構成管理エージェントシステム10のノード離脱・回復テーブル15は、呼数配分が0%であるか否かによって、リンクの閉塞であるかリンクの新設であるかを切替えている。これにより、リンクを示す対向ノードアドレスと、そのリンクの呼数配分の2項目によって、リンクの新設および閉塞と、その新設したリンクの呼数配分とを設定可能である。
(第2の実施形態の構成)
【0117】
図8は、第2の実施形態に於ける再構成管理エージェントシステムを示す概略の構成図である。図1に示す第1の実施形態に於ける再構成管理エージェントシステム10と同一の要素には同一の符号を付与している。
【0118】
第2の実施形態の再構成管理エージェントシステム10は、ネットワーク100を介して保守者端末30が接続されている他は、第1の実施形態の再構成管理エージェントシステム10と同様の構成を有している。
【0119】
保守者端末30は、例えばコンピュータであり、処理部31と、記憶部32と、通信部33とを有している。保守者端末30には、再構成管理エージェントシステム10のエージェントプログラムと通信するソフトウェアプログラムが動作しており、当該ソフトウェアプログラムは、再構成管理エージェントシステム10のエージェントプログラムを制御している。処理部31は、記憶部32と通信部33とに接続されている。
処理部31は、再構成管理エージェントシステム10のエージェントプログラムを制御する処理などを行う。
記憶部32は、例えばRAM,ROM,HDDなどで構成されている。
通信部33は、通信回線を介して再構成管理エージェントシステム10と相互に通信する機能を有している。
【0120】
(第2の実施形態の動作)
【0121】
図9は、第2の実施形態に於ける再構成管理エージェントシステムの通信ネットワーク再構成動作を示すフローチャートである。図6に示す第1の実施形態に於けるフローチャートと同一の要素には同一の符号を付与している。
【0122】
処理を開始すると、ステップS50に於いて、再構成管理エージェントシステム10の処理部11は、通信部13を用いて、保守者端末30から、保守コマンドであるノード離脱またはノード回復の受信を待つ。
【0123】
ステップS51に於いて、処理部11は、保守コマンドを受信したか否かを判断する。保守コマンドを受信していなかったならば(No)、ステップS50の処理に戻る。保守コマンドを受信していたならば(Yes)、ステップS13の処理を行う。
ステップS13〜S22の処理は、受信した保守コマンドの実行である。そのうち、ステップS13〜S21の処理は、図6に示すフローチャートのステップS13〜S21の処理と同様である。
ステップS21Aに於いて、処理部11は、所定ノードからの閉塞完了の応答を待つ。
【0124】
ステップS23に於いて、処理部11は、保守者端末30に、保守コマンドの完了を応答し、ステップS50の処理に戻る。保守者端末30は、図示しない表示部に、保守コマンドが正常に完了したことを表示する。
再構成管理エージェントシステム10の処理部11は、以降、図9の処理を繰り返しながら、保守コマンドの受信を監視して実行する。
【0125】
(第2の実施形態の効果)
以上説明した第2の実施形態では、次の(E)のような効果がある。
【0126】
(E) 設備計画の変更によって、通信ノード21の離脱や追加(回復)を行う場合であっても、保守者端末30からの1コマンドによって、通話中の呼の途中切断を回避しつつ通信ネットワーク20を再構築することが可能である。
【0127】
(変形例)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a),(b)のようなものがある。
【0128】
(a) 第1の実施形態および第2の実施形態に於けるノード#1(21−1)〜ノード#5(21−5)は、公衆電話回線に於ける公衆電話通信を制御する電話交換機や、IP電話網に於けるIP電話通信を制御するSIPサーバなどである。しかし、これに限られず、ルータ、Layer 2 Switch、Layer 3 Switch、WDM(Wavelength Division Multiplexing)装置、SONET(Synchronous Optical Network)装置やSDH(Synchronous Digital Hierarchy)装置などの時分割スイッチ、OXC(Optical Cross-Connect)装置やPXC(Photonic Cross-Connect)装置などの波長または波長群スイッチなどを通信ノード21とするシステムに適用してもよい。
【0129】
(b) 第2の実施形態に於ける再構成管理エージェントシステム10は、対象ノードを離脱させる場合には更に、ステップS21A(図9)のように、全てのノードから、対象ノードを閉塞した応答(閉塞完了の応答)を確認している。しかし、これに限られず、再構成管理エージェントシステム10は、ステップS15〜S18に於けるノード遷移ステップを実行したのち、更に、対向ノードからリンクが変化後の状態に遷移した応答を確認する応答確認ステップを実行してもよい。これにより、個々のリンクを、閉塞状態に遷移させることが可能である。
【符号の説明】
【0130】
10 再構成管理エージェントシステム
11 処理部
12 記憶部
13 通信部
14 網状態テーブル
15 ノード離脱・回復テーブル
20 通信ネットワーク
21−1〜5 ノード#1〜#5(通信ノード)
30 保守者端末
31 処理部
32 記憶部
33 通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼処理を行う複数のノードが、リンクを介して接続されている通信ネットワークに於いて、当該通信ネットワークを管理するコンピュータが実行する通信ネットワーク再構成方法であって、
前記コンピュータは、処理部と、各ノードと相互に通信する通信部と、各ノードの離脱または各ノードの回復に伴い状態を変化させる関連リンクと当該関連リンクの変化後の状態とを定義したレコードを有する離脱・回復テーブルを記憶している記憶部とを有しており、
前記処理部は、前記複数のノードのうち、いずれかの対象ノードの故障または回復を検出したとき、前記離脱・回復テーブルから当該対象ノードに係る前記レコードを取得するレコード取得ステップを実行し、
前記通信部は、取得した前記レコードが含んでいる前記関連リンクに接続されている対向ノードに、当該関連リンクを前記変化後の状態に遷移させるよう指示するノード遷移ステップと、を実行し、
前記通信部は、前記対象ノードの故障を検出した場合には更に、前記対象ノードに接続されている全てのノードに、前記対象ノードを予閉塞するように指示する予閉塞ステップを実行する
ことを特徴とする通信ネットワーク再構成方法。
【請求項2】
請求項1に記載の通信ネットワーク再構成方法は更に、
前記処理部が、前記予閉塞ステップを実行したのち、前記全てのノードから、前記対象ノードを閉塞した応答を確認する閉塞確認ステップを実行する
ことを特徴とする通信ネットワーク再構成方法。
【請求項3】
請求項2に記載の通信ネットワーク再構成方法は更に、
前記処理部が、前記ノード遷移ステップを実行したのち、前記対向ノードから前記関連リンクが前記変化後の状態に遷移した応答を確認する応答確認ステップを実行する
ことを特徴とする通信ネットワーク再構成方法。
【請求項4】
前記変化後の状態とは、前記関連リンクの変化後の呼状態の配分であり、
前記関連リンクの変化後の呼状態の配分が0%であるとき、前記対向ノードに、当該関連リンクを予閉塞するよう指示する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の通信ネットワーク再構成方法。
【請求項5】
呼処理を行う複数のノードが、リンクを介して接続されている通信ネットワークに於いて、当該通信ネットワークを管理する再構成管理エージェントシステムであって、
処理部と、各ノードと相互に通信する通信部と、各ノードの離脱または各ノードの回復に伴い状態を変化させる関連リンクと当該関連リンクの変化後の状態とを定義したレコードを有する離脱・回復テーブルを記憶している記憶部とを有しており、
前記処理部は、前記複数のノードのうち、いずれかの対象ノードを離脱または回復させるとき、前記離脱・回復テーブルから当該対象ノードに係る前記レコードを取得し、
前記通信部は、取得した前記レコードが含んでいる前記関連リンクに接続されている対向ノードに、当該関連リンクを前記変化後の状態に遷移させるよう指示し、
前記通信部は、前記対象ノードを離脱させる場合には更に、前記対象ノードに接続されている全てのノードに、前記対象ノードへの呼を予閉塞するように指示する
ことを特徴とする再構成管理エージェントシステム。
【請求項6】
前記処理部は、前記対象ノードを離脱させる場合には更に、前記通信部を用いて、前記全てのノードに、前記対象ノードへの呼を予閉塞するように指示したのち、前記対象ノードへの呼が閉塞したことを前記全てのノードについて確認する
ことを特徴とする請求項5に記載の再構成管理エージェントシステム。
【請求項7】
前記処理部は、いずれかの前記対象ノードを離脱させる場合には更に、前記通信部を用いて、前記対向ノードから前記関連リンクが前記変化後の状態に遷移した応答を確認する
ことを特徴とする請求項6に記載の再構成管理エージェントシステム。
【請求項8】
前記変化後の状態とは、前記関連リンクの変化後の呼状態の配分であり、
前記通信部は、前記関連リンクの変化後の呼状態の配分が0%であるとき、前記対向ノードに、当該関連リンクを予閉塞するよう指示する
ことを特徴とする請求項5ないし請求項7のいずれか1項に記載の再構成管理エージェントシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−21447(P2013−21447A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151886(P2011−151886)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】