説明

通信プログラム及び通信端末

【課題】 PoCサービスにおいて、端末のユーザが互いに、発言権を獲得することなく容易に意思を伝達する。
【解決手段】 複数の通信端末がPoCサーバーを介して、パケット通信を用いた半二重通話を実現するPoCサービスにおいて、前記複数の端末間の通信の中継を制御するPoCサーバー20であって、PoCサーバー20に接続されるユーザ端末を管理する管理手段20a、各端末毎のキー操作を操作情報として取得する取得手段20b、取得した操作情報を管理手段20aが管理する端末に送信する送信手段20cを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、PoC(push to talk over cellular)サービスにおける通信プログラム及び通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
PoCなどの半二重通話では通話を開始する前に、各ユーザが発言権の獲得を行なう。この発言権は、単一ユーザのみが所有することができる。このため、複数のユーザが同時に発言権を獲得することはできない。従って、発言権のないユーザは、発言権を獲得した他のユーザが発言している最中は発言することができず、自分の意思を伝達することができない。
【0003】
図11は、PoCサービスの概略図を示す。ユーザ端末A1101、ユーザ端末B1104およびユーザ端末C1105は、呼の制御(SIP; Session Initiation Protocol)やユーザ登録を行なうIMS(IP Multimedia Subsystem)Core1102および発言権(Floor)を管理するPoCサーバー1103を介して通信を行なう。図11において、実線は音声およびFloor control(発言権制御)を表し、点線はSIP(呼の制御)を表わす。
【0004】
PoCサービスでは半二重通話を行なうため、相手との接続後は通話用ボタンを押している時間だけ相手に音声を届けることができ、通話用ボタンを押している間は相手からの声は聞こえない。したがって会話を行なうためには、お互いに短いやり取りで通話用ボタンを押したり離したりする必要がある。また、PoCサービスでは1対1のやり取りだけではなく、グループを設定して複数の相手と同時接続することも可能である。この場合は、通話用ボタンを押している端末からの音声が、残りの全端末に送信される(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
【非特許文献1】「ポック・リリース1.0(PoC Release 1.0) [3]」、[online]、p.19-21、[平成16年8月6日検索]、インターネット〈URL:http://www.ericsson.com/mobilityworld/sub/open/technologies/ims_poc/docs/poc_relase_1_0_spec〉
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、PoCは半二重通信であり、参加者の誰かが発言している最中は自分の意見を述べたりすることができない。1対1での通信時には問題はないが、多数の参加者がいる場合は意思を表明する機会が人数に比例して少なくなる。また、参加者全員に意見を求めたい場合、参加者の全てが発言権を取得し発言する必要があり手間がかかる。
【0007】
従って、従来、参加者の誰かが発言している最中に自分の意思を伝達したい場合は、通常インターネットメールなどのPoCとは別の手段でメッセージを伝達する。この場合、参加者全員に対してメッセージを送るためには全員のアドレスを設定する必要がある。また、メッセージ受信時には、メッセージを見るためにPoCとは別のソフトに切り替える必要がある。したがって、操作が煩雑になる。
【0008】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、PoCサービスにおいて、端末のユーザが互いに、発言権を獲得することなく容易に意思を伝達することができる通信プログラム及び通信端末を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の通信プログラムは、複数の端末間におけるパケット通信を用いた半二重通話を実現するPoCサービスにおいて、前記複数の端末間の通信の中継を制御する通信プログラムであって、コンピュータを、前記サーバーに接続される端末を管理する管理手段、各端末毎のキー操作を操作情報として取得する取得手段、取得した操作情報を前記管理手段が管理する端末に送信する送信手段、として機能させるための通信プログラムである。
【0010】
上記構成によれば、各端末毎のキー操作を示す操作情報を前記管理手段が管理する端末に送信することにより、自端末で、他端末のユーザが行った操作内容を把握することが可能になる為、予めキー操作と伝達情報との対応付けをユーザ間で共有しておけば、端末のユーザは、互いに、発言権を獲得することなく容易に意思を伝達することができる。
【0011】
また、本発明の通信プログラムは、前記送信手段が、キー操作と伝達情報を対応付けた記憶手段を参照して、取得した操作情報に対応する伝達情報を前記管理手段が管理する端末に送信するものである。上記構成によれば、送信手段が、キー操作と伝達情報を対応付けた記憶手段を参照して、取得した操作情報に対応する伝達情報を前記管理手段が管理する端末に送信することにより、自端末で、他端末のユーザが行った操作に対応する伝達情報を把握することが可能になる為、端末のユーザは、他端末のユーザの意思を即座に把握することが可能になる。
【0012】
さらに、本発明の通信端末は、他端末と、本発明の通信プログラムを搭載するサーバーを介して、パケット通信を用いた半二重通話を行う通信端末であって、端末のキー操作を操作情報として前記サーバーに送信する送信手段と、前記サーバーから送信される各端末毎のキー操作を示す操作情報を受信する受信手段と、を備える。
【0013】
上記構成によれば、サーバーから送信される各端末毎のキー操作を示す操作情報を受信することにより、自端末で、他端末のユーザが行った操作内容を把握することが可能になる為、予めキー操作と伝達情報との対応付けをユーザ間で共有しておけば、発言権を獲得することなく容易に意思を伝達することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、各端末毎のキー操作を示す操作情報を前記管理手段が管理する端末に送信することにより、自端末で、他端末のユーザが行った操作内容を把握することが可能になる為、予めキー操作と伝達情報との対応付けをユーザ間で共有しておけば、端末のユーザは、互いに、発言権を獲得することなく容易に意思を伝達することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、複数の通信端末間で、PoCサーバーを介してパケット通信を用いた半二重通話を実現するPoCサービスについて説明する。PoCサービスにおいて、PoCサーバーは、PoCサーバーに接続される通信端末の識別情報を収集することにより、どの通信端末がPoCサーバーに接続されているかを示すプレゼンス情報を管理する。
【0016】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態を説明するためのPoCサービスにおけるユーザ端末の内部構成図である。図1に示すユーザ端末は、数字キー13と、表示部14と、タイマー15と、マイク11と、スピーカー12と、Floor control(発言権制御)部16と、通話用キー17と、SIP制御部19と、通信制御部18とを備える。
【0017】
数字キー13は、ユーザが入力操作を行うためのキーである。表示部14は、液晶ディスプレー等で構成される。タイマー15は、通話開始後の経過時間を計測する。マイク11は、音声入力を行うためのものである。スピーカー12は、音声出力を行なうためのものである。発言権制御部16は、発言権の要求およびその応答を管理する。通話用キー17は、発言するときに押下するためのキーである。SIP制御部19は、通話開始の制御等を行なう。通信制御部18は、送信手段18aと、受信手段18bとを備え、ネットワークを介したPoCサーバーとのパケット通信を制御する。送信手段18aは、ユーザ端末のキー操作を操作情報としてPoCサーバーに送信する。受信手段18bは、PoCサーバーから送信される各ユーザ端末毎のキー操作を示す操作情報を受信する。なお、通話用キー17は、専用のキーとしてもよいし、例えば、カメラ撮影用キーと共用することも可能であるにしてもよいし、他のいずれのキーと兼用しても構わない。
【0018】
図2は、本実施形態のPoCサービスにおけるPoCサーバーの機能を示す構成図である。図2に示すように、PoCサーバー20は、複数の通信端末間におけるパケット通信を用いた半二重通話を実現するPoCサービスにおいて、複数の端末間の通信の中継を制御する。PoCサーバー20は、管理手段20aと、取得手段20bと、送信手段20cとを備える。管理手段20aは、サーバー20に接続される通信端末を管理する。取得手段20bは、各端末毎のキー操作を操作情報として取得する。送信手段20cは、取得した操作情報を管理手段20aが管理する通信端末に送信する。
【0019】
図3は、本実施形態のPoCサービスにおけるユーザ端末の表示部14に表示される画面遷移例を示す。本実施形態において、図1に示すユーザ端末は、数字キー13の押下時に、何番の数字キー13を押下しているかという操作情報をPoCサーバに送信し、数字キー13の押下を解除した時に、数字キー13の押下を解除したという操作情報をPoCサーバに送信する。
【0020】
図3(a)に示すように、ユーザ端末「brother」、「father」、「mother」および「sister」がPoCにより通話を行なっている場合に、事前に、ある質問に対して「はい」の場合は数字キー「1」を、「いいえ」の場合は数字キー「2」を押下するように指示することにより、予めキー操作と伝達情報との対応付けをユーザ間で共有しておく。
【0021】
そして、その質問の後で、「Brother」が数字キー「1」を押下し、「Father」が数字キー「2」を押下し、「Sister」が数字キー「1」を押下し、「Mother」はいずれのキーも押下しないとする。この場合、各端末毎のキー操作内容を示す操作情報がPoCサーバーに送信され、操作情報がPoCサーバーから各ユーザ端末に送信される。これにより、各端末の画面が自動で更新される。そして、図3(b)に示すように、各ユーザ端末の画面において、「Brother」には「1」が表示され、「Father」には「2」が表示され、「Sister」には「1」が表示される。「Mother」には何の表示も行なわれない。また、全員が数字キー13の押下を解除すると、操作情報がPoCサーバーを介して各端末に送信され、図3(c)に示すように、数字キー13が押下される前の画面に戻る。
【0022】
図4は、ユーザ端末31(UE#1)が数字キー13を押下してからユーザ端末33(UE#2)に操作情報が伝達されるまでのシーケンスを示す。
【0023】
ユーザ端末31は、自分の意思を伝達したい場合に、「1」〜「9」の数字キー13を押下する(Press 1-9 Button:ステップS301)。このときユーザ端末31は、いずれの数字キーを押下したかを示す操作情報(Pressing button information)をRTCP(Real-time Transport Protocol / Control Protocol)パケットに付加してPoCサーバー32に送信する(ステップS302)。
【0024】
PoCサーバー32は、ユーザ端末31からの操作情報を受信すると、PoCサーバー32が管理する各ユーザ端末31,33に対して、操作情報を含むRTCPパケットを送信する(ステップS303,S304)。各ユーザ端末31,33は、受信したRTCPパケットを解析し、操作情報を画面に反映させる(Pressing Button Notification:S305、S306)。
【0025】
図5は、上記シーケンスで使用されるRTCPのデータフォーマットを示す。このデータフォーマットはPoC Release 2.0に準拠したものである。
本実施形態では、RTCPデータフォーマットの“Subtype”ヘッダがとりうる値のうち、PoC Release 2.0で未定義のものを操作情報の送受信用に割り当てる。押下されたキーの種類、および各ユーザ端末に表示する文字列については、“application-dependent data”の中で表現できるように定義する。各ユーザ端末はその定義に従ってRTCPパケットを解析し、表示を行なう。また、PoCサーバー32がRTCPデータを書き換える必要がある場合は“application-dependent data”部分のみを書き換えることとする。
【0026】
図6は、ユーザ端末31が押下していた数字キー13の押下を解除してからユーザ端末33(UE#2)に数字キー13のリリース情報が伝達されるまでのシーケンスを示す。
【0027】
ユーザ端末31は、キー操作による情報の伝達が終了すると、「1」〜「9」の数字キー13の押下を解除(リリース)する(Release Button:ステップS501)。このときユーザ端末31は、数字キーの押下を解除したことを示す操作情報(Releasing button information)をRTCP(Real-time Transport Protocol / Control Protocol)パケットに付加してPoCサーバー32に送信する(ステップS502)。
【0028】
PoCサーバー32は、ユーザ端末31から操作情報を受信すると、PoCサーバー32が管理する各ユーザ端末31,33に対して、操作情報を含むRTCPパケットを送信する(ステップS503,S504)。各ユーザ端末31,33は、受信したRTCPパケットを解析し、操作情報を画面に反映させる(Releasing Button Notification:S505,S506)。上記シーケンスで使用されるRTCPのデータフォーマットは、図5に示すデータフォーマットと同様である。
【0029】
このように、本実施形態のPoCサービスによれば、予めキー操作と伝達情報との対応付けをユーザ間で共有しており、PoCサーバーが取得した操作情報をPoCサーバーが管理する端末に送信することにより、自端末で、他端末のユーザが行った操作内容を把握することが可能になる為、端末のユーザは、発言権を獲得することなく容易に意思を伝達することができる。
【0030】
(第2の実施形態)
本実施形態におけるユーザ端末の内部構成は図1に示す構成と略同様であるため説明を省略する。
【0031】
図7は、本実施形態のPoCサービスにおけるユーザ端末の表示部14に表示される画面遷移例を示す。本実施形態において、図1に示すユーザ端末は、キー操作と伝達情報との対応付けを内部に記憶する。
【0032】
図7(a)に示すように、事前に、ユーザ端末「Brother」において、端末内で記憶するキー操作と伝達情報との対応付けを、数字キー「1」を押下したときに「発言したい」というメッセージを送信し、数字キー「2」を押下したときにある意見に「賛成」というメッセージを送信し、数字キー「3」を押下したときにある意見に「反対」というメッセージを送信するように設定する。
【0033】
ユーザ端末「brother」、「father」、「mother」および「sister」がPoCにより通話を開始(トークセッションを開始)すると、まず、全てのユーザ端末の画面に、図7(b)に示すように、各端末を識別する文字等が表示される。
【0034】
次に、「Brother」で数字キー「2」が押下されると、数字キー「2」を押下したという操作情報及びこの操作情報に対応する伝達情報「賛成」が、PoCサーバーを介して他の全ての端末に送信される。そして、図7(c)に示すように、全端末の画面に、「賛成」という伝達情報を示す吹き出しが表示される。さらに、「Brother」で数字キー「2」の押下が解除されると、数字キー「2」の押下を解除したという操作情報が、PoCサーバーを介して他の全ての端末に送信される。そして、図7(d)に示すように、全端末の画面から吹き出しが消える。
【0035】
次に、複数のユーザ端末にキー操作と伝達情報との対応付けを共有させる方法について説明する。キー操作と伝達情報との対応付けを全ての端末で共有することにより、操作情報のみを送信して、伝達情報を他の端末に把握させることができる。
【0036】
図8は、複数のユーザ端末にキー操作と伝達情報との対応付けを共有させる方法(A)を示すシーケンスである。方法(A)では、PoCによる通話開始(トークセッション(Talk session)開始)時に送信するSIPインバイト信号(SIP INVITE)のボディ部に、キー操作と伝達情報との対応付けを記述し送信する。
【0037】
例えば、図8のユーザ端末71(UE A)でキー操作と伝達情報との対応付けを定義した場合を考える。このとき以下の手順で、キー操作と伝達情報との対応付けを示す対応情報をユーザ端末74(UE B)に伝達する。ユーザ端末71は、INVITEメッセージのボディ部に対応情報を記述し、PoCサーバー72に送信する(ステップS701)。
【0038】
PoCサーバー72は、対応情報が付加されたINVITEメッセージをPoCサーバー73(PoCSA)に送信し(ステップS702)、PoCサーバー73は対応情報が付加されたINVITEメッセージをユーザ端末74に送信する(ステップS703)。ユーザ端末74は、INVITEメッセージを受信すると受信メッセージの解析を行い、対応情報を作成する。
【0039】
以降、各ユーザ端末は、操作内容と生成した対応情報とを用いてRTCPパケットを作成し、各ユーザ端末に送信する。尚、このとき、対応情報は各ユーザ端末に保持されているので、RTCPパケットに、対応情報を参照して特定した伝達情報を付加しなくてもよい。この場合、送信する情報量を低減することができる。また、PoCにおける通話終了時に、各ユーザ端末に保持していた対応情報を破棄する。
【0040】
このように、本実施形態のPoCサービスによれば、PoCサーバーが取得した操作情報及び操作情報に対応する伝達情報をPoCサーバーが管理する端末に送信することにより、自端末で、他端末のユーザが行った操作に対応する伝達情報を把握することができる為、端末のユーザは、発言権を持っていない他のユーザの意思を即座に把握できる。
【0041】
(第3の実施形態)
本実施形態におけるユーザ端末の内部構成は図1に示す構成と略同様であるため説明を省略する。
【0042】
図9は、本実施形態のPoCサービスにおけるユーザ端末の表示部14に表示される画面遷移例を示す。本実施形態では、トークセッション(PoCサービスにおいて複数端末で行われる会議)のグループを設定する。本実施形態においては、トークセッション毎に事前に設定した、キー操作と伝達情報との対応付けを複数端末で共有する。
【0043】
図9(a)は、グループを設定したセッションオーナーの画面を示す。セッションオーナーは、そのグループで使用するキー操作と伝達情報との対応付けを設定する権限を有するユーザである。以下、事前に、数字キー「1」には「発言したい」というメッセージを対応させ、数字キー「2」には「そうそう」というメッセージを対応させ、数字キー「3」には「そんなー」というメッセージを対応させる場合の例を示す。
【0044】
ユーザ端末「brother」、「father」、「mother」および「sister」でグループを設定し、トークセッションを開始する場合、全てのユーザ端末の画面に、図9(b)に示すように、各端末を識別する文字等が表示される。また、トークセッションを開始するユーザがセッションに参加したしたときに、キー操作と伝達情報との対応付けを示す対応情報がPoCサーバーに送信される。
【0045】
「Brother」で数字キー「2」が押下されると、数字キー「2」を押下したという操作情報が、PoCサーバーを介して他のすべての端末に送信される。そして、図9(c)に示すように、全端末の画面の「Brother」の位置に、操作情報に対応する「そうそう」という伝達情報を示す吹き出しが表示される。また、「Brother」で数字キー「2」の押下を解除すると、数字キー「2」の押下を解除したという操作情報が、PoCサーバーを介して他の全ての端末に送信される。そして、図9(d)に示すように、全端末の画面から吹き出しが消える。
【0046】
図10は、トークセッションのグループにおいて、キー操作と伝達情報との対応付けを共有させる方法(B)を示す説明図である。方法(B)では、セッションオーナーは、キー操作と伝達情報との対応付けを示す対応情報を属性としてグループ(Group)情報に追加し、グループ登録時にこの対応情報をPoCサーバー32に保存する。
【0047】
対応情報をもつグループでPoCによる通話を行っているときに、ユーザ端末1001(UE A)からPoCサーバー32に対して操作情報が送信された場合(図4のステップS302の時点)、PoCサーバー32は内部に保持する対応情報を参照し、受信した操作情報に、対応する伝達情報を付加して各ユーザ端末1002(UE B)に送信する。
【0048】
このように、本実施形態のPoCサービスによれば、PoCサーバーが取得した操作情報及び操作情報に対応する伝達情報をPoCサーバーが管理する端末に送信することにより、自端末で、グループ内の他端末のユーザが行った操作に対応する伝達情報を把握することができる為、端末のユーザは、発言権を持っていない他のユーザの意思を即座に把握できる。また、本実施形態のPoCサービスによれば、伝達情報をセッションオーナーが事前に設定した内容に限定することができるので、不適切な発言(NGワード)等をなくすことができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、各端末毎のキー操作を示す操作情報を前記管理手段が管理する端末に送信することにより、自端末で、他端末のユーザが行った操作内容を把握することが可能になる為、予めキー操作と伝達情報との対応付けをユーザ間で共有しておけば、端末のユーザは、互いに、発言権を獲得することなく容易に意思を伝達することができる効果を有し、PoCサービスにおける通信プログラム及び通信端末等に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するためのPoCサービスにおけるユーザ端末の内部構成図
【図2】本実施形態のPoCサービスにおけるPoCサーバーの機能を示す構成図
【図3】本実施形態のPoCサービスにおけるユーザ端末の表示部14に表示される画面遷移例を示す図
【図4】ユーザ端末31(UE#1)が数字キー13を押下してからユーザ端末33(UE#2)に操作情報が伝達されるまでのシーケンスを示す図
【図5】図4のシーケンスで使用されるRTCPのデータフォーマット
【図6】ユーザ端末31が押下していた数字キー13の押下を解除してからユーザ端末33(UE#2)に数字キー13のリリース情報が伝達されるまでのシーケンスを示す図
【図7】本実施形態のPoCサービスにおけるユーザ端末の表示部14に表示される画面遷移例を示す図
【図8】複数のユーザ端末にキー操作と伝達情報との対応付けを共有させる方法(A)を示すシーケンス
【図9】本実施形態のPoCサービスにおけるユーザ端末の表示部14に表示される画面遷移例を示す図
【図10】トークセッションのグループにおいて、キー操作と伝達情報との対応付けを共有させる方法(B)を示す説明図
【図11】PoCサービスの概略図
【符号の説明】
【0051】
11 マイク
12 スピーカー
13 数字キー
14 表示部
15 タイマー
16 Floor control部
17 通話用キー
18 SIP制御部
18a 送信手段
18b 受信手段
19 通信制御部
20,32,1103 P0Cサーバー
20a 管理手段
20b 取得手段
20c 送信手段
31 ユーザ端末(UE#1)
33 ユーザ端末(UE#2)
71,1001 ユーザ端末(UE A)
72 PoCサーバーA
73 PoCサーバーB
74,1102 ユーザ端末(UE B)
1101 ユーザ端末A
1102 IMS Core
1104 ユーザ端末B
1105 ユーザ端末C

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末間におけるパケット通信を用いた半二重通話を実現するPoCサービスにおいて、前記複数の端末間の通信の中継を制御する通信プログラムであって、コンピュータを、
前記サーバーに接続される端末を管理する管理手段、
各端末毎のキー操作を操作情報として取得する取得手段、
取得した操作情報を前記管理手段が管理する端末に送信する送信手段、
として機能させるための通信プログラム。
【請求項2】
前記送信手段は、キー操作と伝達情報を対応付けた記憶手段を参照して、取得した操作情報に対応する伝達情報を前記管理手段が管理する端末に送信する請求項1記載の通信プログラム。
【請求項3】
他端末と、請求項1又は2記載の通信プログラムを搭載するサーバーを介して、パケット通信を用いた半二重通話を行う通信端末であって、
端末のキー操作を操作情報として前記サーバーに送信する送信手段と、
前記サーバーから送信される各端末毎のキー操作を示す操作情報を受信する受信手段と、
を備える通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−135511(P2006−135511A)
【公開日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−320745(P2004−320745)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】