説明

通信ユニット

【課題】従来、通信ユニットが接続された機器を制御などするためにユーザーが通信ユニットに対して送信したデータは、通信ユニットが該データに対応した機器に接続されていなければ破棄されてしまう。そのため、後になって通信ユニットを適当な対応機器に接続し直すなどしても、ユーザーが送信したデータを対応機器に出力させることができない、という課題がある。
【解決手段】以上の課題を解決するために、本発明は、無線通信により取得した複数種のデータに対応する外部機器が接続されていなければ、その取得した複数種のデータを保持する機能を備えた通信ユニットを提供する。これによって無線通信によるデータの取得時に適切な外部機器に接続されていなくても、後で通信ユニットを適切な外部機器に接続することで、保持しているデータを該外部機器に出力することなどができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、様々な外部機器に接続される通信ユニットにおいて、無線通信によって取得した複数種のデータを対応する外部機器に効率的に出力するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信機能をモジュール化した、例えばWILLCOM−SIMのような通信ユニットが提供されている。また、このような通信ユニットについて、接続規格を定めるなどして汎用性を持たせることで、家電製品をはじめとする従来は通信機能を備えていなかった機器に通信機能を付加することもできるようになる。それによって、PVR(パーソナル・ビデオレコーダ)に挿入接続された該通信ユニットに対して、例えば外出先などから録画予約メールを送信することで、PVRの録画予約処理を遠隔操作によって実現することなどが可能になる。
【0003】
そして、このような接続汎用性を有する通信ユニットに関し、特許文献1では以下のような技術が開示されている。すなわち、無線通信によって受信したデータをプリンタなどの接続機器(出力装置本体)に出力する通信ユニット(無線通信器)において、拡張子などを利用して接続機器が受信データによる処理に対応しているか否かを判断する。そして適切なデータで対応していると判断されれば、受信したデータを接続機器に対して転送出力する一方、不適切なデータで対応していないと判断された場合は受信したデータを破棄する、といった処理を行う技術である。
【特許文献1】特開2005−047256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の技術には以下のような課題がある。すなわち、接続機器を制御などするためにユーザーが携帯端末から通信ユニットに対して送信したデータは、通信ユニットが対応した接続機器に接続されていなければ破棄されてしまう。そのため、後になって通信ユニットを適当な対応機器に接続し直すなどしても、ユーザーが送信したデータを対応機器に出力させることができない、という課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以上の課題を解決するために、本発明は、無線通信により取得した複数種のデータに対応する外部機器が接続されていなければ、その取得した複数種のデータを保持する機能を備えた通信ユニットを提供する。これによって通信ユニットは、無線通信によるデータの取得時に適切な外部機器に接続されていなくても、後で通信ユニットを適切な外部機器に接続することで、保持しているデータを後で接続された外部機器に出力することなどができる。
【0006】
具体的に本発明の通信ユニットは、無線通信により取得した複数種のデータを保持可能なデータ保持部と、複数種の外部機器と接続可能な外部機器接続部と、外部機器接続部に接続される外部機器からデータ種を識別可能なデータ種識別情報を取得するデータ種識別情報取得部と、取得したデータ種識別情報にて識別可能な対応データがデータ保持部に保持されている場合には、その対応データを前記接続されている外部機器に対して出力する対応データ出力部と、を有する通信ユニットである。
【0007】
またその他に、適切な外部機器に接続されておらず、無線通信で取得したデータを保持している場合には、その保持データに対応した外部機器を示す例えばLED点滅やメッセージ表示を行う機能を、上記構成に加えて備えた通信ユニットや、取得データに出力期限が設定されている場合などにその出力期限を報知するなどの機能を上記構成に加えて備えた通信ユニットも提供する。
【発明の効果】
【0008】
以上のような構成をとる本発明によって、たとえ無線通信によるデータの受信時に適切な外部機器に接続されていなくてもデータが保持されるので、後で適切な外部機器に接続して該データを適切な外部機器に出力することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0010】
なお、実施例1は、主に請求項1、2、6について説明する。また、実施例2は、主に請求項3について説明する。また、実施例3は、主に請求項4について説明する。また、実施例4は、主に請求項5について説明する。
【0011】
≪実施例1≫
<概要>
図1は、本実施例の通信ユニットを利用した外部機器へのデータ出力の一例を表す概念図である。この図1(a)にあるように、まず、外出先からユーザーが携帯端末を利用して「録画予約メール」を自宅の通信ユニットの電子メールアドレス宛に送信する。ここで本実施例の通信ユニットは、録画予約メールを出力するのに適したPVRなどの録画予約機能を備える外部機器が接続されている場合、そのまま受信したメールデータをその外部機器へと出力する。一方、通信ユニットが録画機能を持たない外部機器に接続されている場合や、何れの外部機器にも接続されていない場合には、受信した録画予約メールを通信ユニット内部のフラッシュメモリなどに保持しておく。
【0012】
そして、図1(b)にあるように、その後に通信ユニットがPVRなどに接続された際に、保持していた録画予約メールのデータをPVRに対して出力する処理を行う、という具合である。
【0013】
このように録画予約メールなどのデータを無線通信にて取得した場合に適切な外部機器に接続されていなくても、後で通信ユニットを適切な外部機器に接続することで、保持しているデータを該外部機器に出力することができる。
【0014】
なお、本発明の通信ユニットの実施形態として、大きく以下の2種類が挙げられる。第一に、無線通信にてデータを取得した時点で通信ユニットはいずれの外部機器にも接続されていない形態である。その場合、通信ユニットは該データを全て記録、保持しておく。そして、通信ユニットは外部機器に接続されると、データと外部機器との対応関係を判断し、記録媒体に保持しているデータの出力、あるいは非出力を実行することになる。
【0015】
第二に、無線通信にてデータを取得した時点で通信ユニットは何らかの外部機器にすでに接続されている形態である。その場合、無線通信にてデータの取得が検出されると、通信ユニットは接続外部機器が取得したデータに対応した機器であるか否かの判断処理を実行する。そして、例えばデータが録画予約メールであるが接続外部機器は録画予約機能を備えていない、という具合に外部機器がデータの非対応機器であれば、該データを記録、保持する。そして、通信ユニットは別の電子機器に接続されるたびその対応関係を判断し、データの出力、あるいは非出力を実行することになる。
【0016】
以下、本実施例1では、通信ユニットの第一の実施形態について主に説明する。そして、後述する実施例2において、通信ユニットの第二の実施形態について主に説明する。
【0017】
<機能的構成>
図2は、本実施例の通信ユニットにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「通信ユニット」(0200)は、「データ保持部」(0201)と、「外部機器接続部」(0202)と、「データ種識別情報取得部」(0203)と、「対応データ出力部」(0204)と、を有する。
【0018】
なお、以下に記載する本装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CD−ROMやDVD−ROMなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部やその外部周辺機器用のI/Oポート、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、情報入力に利用されるユーザーインターフェースなどが挙げられる。
【0019】
またこれらハードウェアやソフトウェアは、主メモリ上に展開したプログラムをCPUで演算処理したり、メモリやハードディスク上に保持されているデータや、インターフェースを介して入力されたデータなどを加工、蓄積、出力処理したり、あるいは各ハードウェア構成部の制御を行ったりするために利用される。また、この発明は装置として実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を記録媒体に固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0020】
「データ保持部」(0201)は、無線通信により取得した複数種のデータを保持可能に構成されている。「無線通信」とは、例えば、一般的には赤外線通信やその他の光通信、あるいはIEEEの各規格などに準拠した通信方式による通信が挙げられる。また「複数種のデータ」とは、外部機器に対して出力される様々なデータをいい、そのデータの内容やデータ形式などはどのようなものであっても構わない。複数種のデータとしては、例えば録画予約命令データや印刷命令データなどの(外部)機器制御用のデータやプログラムデータ、あるいは画像や動画、音楽、テキストなどのコンテンツデータなどが挙げられる。
【0021】
そして、このデータ保持部は、例えば変調/復調回路やその他通信ユニットを利用して取得した複数種のデータを保持するための、揮発性メモリ/不揮発性メモリやHDD(ハードディスク・ドライブ)、あるいはその他記録媒体で実現することができる。また、このデータ保持部は、実施例2にて記載するように無線通信にて取得した複数種のデータが外部機器に即出力可能である場合などには「主記憶装置(主メモリ)」などの一時的なデータ保持部であっても構わない。
【0022】
またデータ取得のための無線通信について、本件発明はブルートゥース(登録商標)や赤外線通信などの複数の規格を受信可能に構成されていても良い。
【0023】
また、データ保持部で保持されるデータは、有線通信によって取得されるデータであっても構わない。あるいは、本発明の通信ユニットが例えば携帯電話と一体に構成されるなど通信ユニットに入力デバイスが備えられているならば、その入力デバイスにて入力されたデータがデータ保持部にて保持されるよう構成されていても構わない。
【0024】
図3は、このデータ保持部を実現する記録媒体におけるデータの格納構造の一例を表す概念図である。この図にあるように、データ保持部である記録媒体は、無線通信にて取得したデータを保持するためのフォルダ(取得データ種フォルダ)の管理下に、例えば「携帯電話A用」、「携帯電話B用」、「PVR用」といった具合にその出力先となる外部機器に応じたフォルダが設けられている、という具合である。
【0025】
そして、取得したデータ種の例えばキーワードフィルタリング処理などによって、データ種が画像添付メールであればディスプレイと画像ビューワーを備える携帯電話A用のフォルダに該メールデータを格納、保持する。また、データ種がスケジュール更新を示すデータであれば、PCとの連携機能を備えスケジュール管理用ソフトウェアがインストールされている携帯電話B用のフォルダに該データを格納、保持する。また、データ種が録画予約メールのデータであれば、録画予約機能を備えるPVR用のフォルダに該データを格納、保持する、という具合である。なお、上記フォルダを利用したデータの振分け格納は、データ保持部の一態様であって、本発明の通信ユニットはそれに限定されるものではない。
【0026】
図4は、無線通信にて取得される複数種のデータの一例を表す概念図である。この図にあるように、データ種は、例えばメールデータであって、その「件名」に「録画」などの外部機器に対する制御コマンドを示す情報が示されている。また「本文」に「2ch、10:00−10:30,11月7日」などその録画に関する情報が含まれている、という具合である。あるいは、「件名」には「DV−ACV32−XXX」といった具合の録画機能を備えるPVRの型番(機器識別情報の一例)を示す情報が含まれており、それによって後述するように録画の制御コマンドとして処理されても良い。
【0027】
もちろん前述の通りデータ種の形式は図に示すメールデータには限定されず、例えば所定外部機器専用の遠隔制御用アプリケーションによって生成された制御命令を示すXMLデータなどであっても良い。
【0028】
そして、この無線通信により取得したデータの例えば「件名」から録画というデータ種である旨を通信ユニットは判断する。そしてこの録画予約コマンドを示すデータに応じて、後述するように例えば接続外部機器の機器IDなど(データ種識別情報)を利用して、接続された外部機器が録画予約機能を備えている機器か否か判断する。そしてその判断結果に応じて取得したデータを外部機器に出力したり、あるいは出力せずこのデータ保持部に保持したままにしておいたりするよう構成されている。
【0029】
「外部機器接続部」(0202)は、複数種の外部機器と接続可能に構成されており、具体的には、例えば外部機器の接続用コネクタや接続用COMポートなどで実現することができる。また、外部機器接続部は機械的な接続のみならず、例えば光通信用ポートとその受光部といった具合に、通信接続によって実現されても良い。
【0030】
そして、この外部機器接続部にて通信ユニットと接続される「外部機器」は、本発明の通信ユニットを接続可能であれば、その種類は限定されない。外部機器としては、例えばPVRやプリンタ、デジタルカメラ、ディスプレイ、パソコン、携帯電話、PDA、PHS、あるいは冷蔵庫や電子レンジなどの各種家電なども挙げられる。
【0031】
また外部機器としてホームサーバなどが通信ユニットと接続されても良い。その場合ホームサーバは、PVRやプリンタ、デジタルカメラ、ディスプレイなどホームサーバ自身に接続されている外部機器のデータ種識別情報を仲介的に保持するよう構成すると良い。そして、ホームサーバに通信ユニットが接続されると、その仲介的にホームサーバに保持されているデータ種識別情報が通信ユニットに渡されて、ホームサーバ経由での対応データの出力処理が行われても良い。あるいは、PVRにテレビジョン装置が接続されている、などのケースも想定される。その場合、上記ホームサーバのように、PVRがテレビジョン装置のデータ種識別情報を仲介的に保持しておき、PVRに通信ユニットが接続されると、PVRは自身のデータ種識別情報に加え、テレビジョン装置のデータ種識別情報を通信ユニットに渡すよう構成すると良い。
【0032】
そして、外部機器接続部である例えば接続用コネクタと、外部機器側の接続用コネクタとを連結させて接続し、データの入出力を行うことができる。しかし、通信ユニットから外部機器に出力するデータが例えば録画予約命令を示すメールであれば、録画予約機能を備えない外部機器に対してそのデータを出力しても意味がない。そこで、次のデータ種識別情報取得部にて取得したデータ種識別情報を利用して、データを出力するかデータ保持部に保持するかの選別処理を行う。
【0033】
「データ種識別情報取得部」(0203)は、外部機器接続部(0202)に接続される外部機器からデータ種識別情報を取得する機能を有する。「データ種識別情報」とは、データ種を識別可能な情報をいい、例えば、前述のように外部機器の機能を示す情報が挙げられる。ここでデータ種識別情報として「録画機能/録画予約機能」などの外部機器の機能を示す情報を取得した場合、その情報によってデータ種を「録画/録画予約に関するデータ種」と「それ以外のデータ種」などに識別することができる、という具合である。あるいはデータ種識別情報として、その機能に加え能力情報が含まれていても良い。例えば「SD/HD画質での録画機能」や、「H264形式での録画機能」などの能力情報によって、データ種を「HD画質での録画予約命令」、「H264形式での録画予約命令」などに識別することができる。
【0034】
また、データ種識別情報として、その他にも機器識別情報なども挙げられる。「機器識別情報」とは、外部機器を識別するための情報をいい、例えば外部機器の商品名や型番、製造番号などの情報が挙げられる。この機器識別情報によっても外部機器の機能を特定することができるので、上記機能情報と同様にデータ種を「携帯電話A用のデータ種」、「PVR用のデータ種」、・・・といった具合に識別することができる。
【0035】
そして、データ種識別情報を利用した識別によってデータ保持部に保持されているデータを対応する外部機器にのみ出力したり、対応する外部機器が接続されていない場合にはデータ保持部にて該データを保持しておいたりすることができる。
【0036】
「対応データ出力部」(0204)は、例えば記録媒体に記録されているデータはデータ種識別情報から外部機器で処理可能であると判断できる、といった具合に取得したデータ種識別情報にて識別可能な対応データがデータ保持部に保持されている場合には、その対応データを前記接続されている外部機器に対して、外部機器接続部から出力する機能を有する。
【0037】
図5は、この外部機器接続部にて接続されたデータ種識別情報に応じた、対応データ出力部での対応データ出力の一例を表す概念図である。この図5(a)にあるように、本実施例の通信ユニットが例えば外部機器であるPVRに接続されると、PVRからデータ種識別情報として機器識別情報「PVR」を取得する。すると、データ保持部に保持されている「データA(録画命令メール)」と「データB(印刷命令メール)」の2つのデータのうち、対応する「データA」をPVRに対して出力する。
【0038】
一方、図5(b)にあるように、本実施例の通信ユニットがプリンタに接続されると、そのプリンタからデータ種識別情報「機能:印刷機能」を取得する。すると、今度はデータ保持部に保持されている対応データ「データB」をプリンタに対して出力する、という具合である。
【0039】
そして、対応データ出力部にてこのような出力を行うための方法として、例えば本実施例の通信ユニットは、以下のようなデータテーブルを保持しデータ出力に際して参照するよう構成されていても良い。
【0040】
図6は、対応データ出力部が参照するデータテーブルの一例を表す概念図である。この図にあるように、データテーブルには無線通信にて取得するデータに含まれる、例えば処理内容を示す「録画」などの情報と、データ種識別情報である「製造番号:000−×××」、「商品名:DV−ACV32−XXX」などの機器識別情報や、機能識別情報である「録画機能」とが関連付けられている。
【0041】
対応データ出力部では、データ保持部に保持されているデータに含まれる「録画」などの情報と、接続されている外部機器から取得したデータ種識別情報をマッチングし、このデータテーブルで示される組み合わせに応じてデータを外部機器に出力する、という具合である。
【0042】
また本実施例の通信ユニットは、上記マッチング処理の結果実行された保持データの出力/非出力を示す結果報告メールなどを、例えば「あなたの録画メールにしたがい、レコーダーの録画予約を完了しました」「別の機器に接続されている(いずれの機器にも接続されていない)ため録画メールの出力を行うことができませんでした」といった内容で、前記データの送信元に返信するよう構成しても良い。また、非出力である場合、「現在、通信ユニットはプリンタ××に接続されいるため、録画予約できませんでした」といった具合に、現在接続中の外部機器の名称などを含めてメールなどにて返信するよう構成しても良い。
【0043】
また、通信ユニットは定期的にセンターサーバにアクセスし、上記のようなデータテーブルを更新するよう構成しても良い。また、データテーブルに情報が無いため、無線通信にて取得したデータの種別が判断不能である場合などにセンターサーバに問い合わせリクエストを送信するよう構成しても良い。
【0044】
このように録画予約メールなどのデータの取得時に適切な外部機器に接続されていなくても、後で通信ユニットを適切な外部機器に接続することで、保持しているデータを該外部機器に出力することができる。
【0045】
なおこの対応データ出力部は、対応するデータを出力した場合には該出力データを破棄などすると良い。それによって、データ保持部の保持容量を確保することができる。また、出力後ルールテーブルなどを保持しておき、例えば印刷用データであれば1回の出力の後破棄、あるいは録画予約データであれば他の録画機器で録画を行う可能性があるとして保持継続、といった具合にデータ種に応じてデータ出力後の処理を決定しても良い。
【0046】
あるいは、類似データ種テーブルなどを保持しておき、SD画質での受信チューナしか持たないPVRにてHD画質での録画予約メールを受信した場合に、該録画メールの内容をSD画質での録画予約メール変換し仮出力するよう構成しても良い。またその場合には、出力後もHD画質での録画予約メールをデータ保持部にて保持しておき、仮出力をした旨の返信メールやメッセージ表示などを行うと良い。
【0047】
<別の機能的構成>
図7は、本実施例の通信ユニットにおける機能ブロックの、別の一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の別の「通信ユニット」(0700)は、前述のデータ保持部である「受信手段」(0701)、「情報記憶手段」(0702)と、外部機器接続部の一部である「機器接続検出手段」(0703)と、データ種識別情報取得部である「接続機器識別情報取得手段」(0704)、「接続機器識別情報記憶手段」(0705)と、対応データ出力部である「識別情報抽出手段」(0706)、「識別情報比較手段」(0707)、「出力手段」(0708)と、を有する。
【0048】
ここで、通信ユニットは、例えば図4に示すようなメールを複数種のデータとして「受信手段」にて受信すると、そのデータを「情報記憶手段」に記憶する。その後、この通信ユニットが外部機器の接続コネクタなどに挿入接続されると、通信ユニットは「機器接続検出手段」にてその接続を検出する。そして「接続機器識別情報取得手段」にて外部機器からデータ種識別情報である機器識別情報を取得し、「接続機器識別情報記憶手段」に記憶、保持する。
【0049】
そして、「機器接続検出手段」での例えば機器接続検出をトリガーとして、「識別情報抽出手段」にて、受信手段で受信されたデータの、例えば「録画命令」といったそのデータ種を識別することが可能な識別情報の抽出処理が行われる。そして、「識別情報比較手段」にて、例えば図6に示すようなデータテーブルを参照した識別情報の比較判断処理が実行される。その比較判断の結果「接続機器識別情報記憶手段」にて記憶保持されている機器識別情報と、「識別情報抽出手段」で受信データから抽出した識別情報と、が対応関係にあると判断された場合、その対応関係にあるデータを、「出力手段」から外部機器に対して出力する、という具合である。
【0050】
また、機器接続検出手段での識別情報抽出処理を実行するタイミングは、上記機器接続検出のタイミング以外にも、例えば、受信手段でのデータ受信タイミングや、その他所定時間周期でのタイミングなど、さまざまであって良い。
【0051】
もちろん、受信手段でのデータ受信よりも先に外部機器が接続されていれば、「受信手段」でのデータ受信をトリガーとして両識別情報の比較判断処理と対応データの出力処理が実行されると良い。
【0052】
また、本件発明の通信ユニットは、以下のような機能、構成を備えていても良い。例えば通信ユニットは、無線通信によるデータの受信日時やデータの送信元機器ID、データの種類、あるいは外部機器へのデータの出力日時や出力先外部機器IDなどのデータ受信/出力の履歴情報を保持するデータ履歴保持部を有していても良い。また、その履歴情報を、ビューワアプリケーションで閲覧可能に、あるいはプリンタにて印刷可能に構成されていても良い。
【0053】
また同一の外部機器に同一のデータを重複出力しないように、そのデータ履歴保持部に保持されている履歴情報を利用して重複出力の判断処理を行うよう構成されていても良い。
【0054】
また、無線通信によって取得したデータをデータ保持部に保持する際に、通信ユニットがデータごとにIDを割り当てるデータID割当部を有していても良い。このデータIDの割り当ては、例えばデータの受信日時やデータの送信元機器ID、データ種で示される外部機器の処理内容等に応じてデータIDを生成し割り当てる方法などが挙げられる。また、無線通信にて同時に複数のデータを取得した場合は連番や乱数などを追加などしても良い。
【0055】
また、通信ユニットが挿入などされた外部機器が電源スタンバイ(待機)状態であったならば、対応データを出力する際に外部機器の電源を復帰するよう制御する外部機器電源制御部をさらに備えていても良い。
【0056】
また、外部機器と接続され、対応データを出力中である場合にはアクセスランプの点灯や、通信ユニットが抜差不可である旨のメッセージ表示を行うなどの出力中報知部をさらに有していても良い。また、さらに対応データの出力終了をユーザーに報知するよう構成されていても良い。
【0057】
また複数種のデータに関して、録画予約時刻の早い/遅いなどや、ユーザー設定などに応じてその取得、保持の優先順位を設けるよう構成されていても良い。またデータの優先順位に応じて、例えば、受信中のデータAの受信処理を中断し、優先順位の高いデータBの割込受信を実行するよう構成されていても良い。また、その場合、データBの割込受信によって中断されたデータAの受信処理は、レジューム処理によって中断時点から再開するよう構成されていても良いし、再度始めから受信しなおすようリクエスト命令を送信するよう構成されていても良い。
【0058】
また、データ受信の成功/失敗や、受信中断などを、時間情報や失敗、中断の原因などと合わせてデータの送信元機器に対して例えばメールなどで送信する結果送信部を有していても良い。またデータを外部機器に出力した場合には、その出力に関する情報も同様に結果として送信元機器に対して送信しても良い。あるいは前述のデータ履歴保持部にて保持されている履歴情報を送信元機器に対して送信しても良い。また通信ユニットが接続されている外部機器が電源スタンバイ状態であれば、「現在○○レコーダーは電源スタンバイ中のためメールに基づく制御に失敗しました」、「○○レコーダーを電源スタンバイ状態から復帰させデータ通信、制御に成功しました」といった内容をメールなどで送信し、ユーザーに知らせるよう構成しても構わない。
【0059】
また、家庭内など一定の範囲内に複数の通信ユニットが存在している場合など、通信ユニット間で相互に情報の送受信を行うよう構成されていても構わない。その場合には、例えば所定範囲内にある通信ユニットが接続されている外部機器のデータ種識別情報のリストを相互に送信しあい共有するよう構成すると良い。それによって例えばPVRに接続されている通信ユニットが印刷命令メールなどを取得した場合でも、プリンタに接続されている他の通信ユニットに対して該印刷命令メールを転送することなどができる。また、上記のようなリストを共有していなくとも、例えば同報送信などで自身では出力不可なデータ種のデータを他の通信ユニットに対して転送するよう構成されていても良い。
【0060】
<ハードウェア的構成>
図8は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、通信ユニットにおける構成の一例を表す概略図である。この図を利用して外部機器へのデータ出力処理におけるそれぞれのハードウェア構成部の働きについて説明する。この図にあるように、通信ユニットは、各種演算処理や制御命令の出力を行う「CPU(中央演算装置)」(0801)と、「主メモリ」(0802)と、を備えている。またデータ保持部である「フラッシュメモリ」(0803)と、「無線通信ユニット/アンテナ」(0804)や、外部機器接続部である「外部機器用コネクタ」(0805)も備えている。また「CPU」や「主メモリ」、「外部機器用コネクタ」によってデータ種識別情報取得部や対応データ出力部が実現される。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0061】
また、「主メモリ」は、各種処理を行うプログラムをCPUに実行させるために読み出すと同時にそのプログラムの作業領域でもあるワーク領域を提供する。また、この「主メモリ」や「フラッシュメモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」で実行されるプログラムは、そのアドレスを特定しアクセスすることで相互にデータのやりとりを行い、処理を行うことが可能になっている。
【0062】
ここで、ユーザーの携帯端末などから送信された「データA(録画命令メール)」や「データB(印刷命令メール)」が「無線通信ユニット/アンテナ」にて受信される。そしてこのデータの取得時に「外部機器用コネクタ」を介して外部機器と通信ユニットが接続されていない場合、受信データAやBはそれぞれ「フラッシュメモリ」のアドレス1,2に格納される。なお、すでに外部機器が接続されている場合は、受信データの「フラッシュメモリ」への記録処理か、「外部機器用コネクタ」を介した外部機器への出力処理かの選択判断が実行されるが、その選択判断処理についての詳細は実施例2で後述する。
【0063】
その後、この通信ユニットが「外部機器用コネクタ」を介して外部機器に挿入接続されると、外部機器からデータ種識別情報である「接続機器ID(外部機器の製品名情報):PVR」などが取得され、「主メモリ」のアドレス1に格納される。
【0064】
すると、この外部機器の接続をトリガーとして、対応データを外部機器に出力するためのプログラムが実行される。まず、フラッシュメモリの各アドレスに格納されている複数種のデータから、そのデータ内容などを識別する情報を抽出する。具体的には、例えばメールであればそのデータ内容などは予め「件名」、その他データであれば所定のタグにて記載しておくとのルールを設けておき、該件名や所定のタグで示される情報を「録画(命令)」、「印刷(命令)」といった具合に抽出する。そして、例えば図示しないEEPROMに格納されている図6に示すようなデータテーブルを参照した「CPU」の論理演算処理によって、「主メモリ」のアドレス1に格納されている接続機器IDとの対応関係がある抽出情報の有無が判断される。
【0065】
その判断の結果、接続機器IDと対応関係のある抽出情報を含むデータがあると判断された場合、そのデータ、例えば録画命令メールであるデータAが「外部機器用コネクタ」を介し、PVRである外部機器に出力される、という具合である。
【0066】
<処理の流れ>
図9は、本実施例の通信ユニットにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、無線通信により複数種のデータを取得する(ステップS0901)と、取得した複数種のデータを保持するために記録媒体に記録する(ステップS0902)。
【0067】
その後、外部機器が接続される(ステップS0903)と、接続された外部機器から、例えば機器識別情報や、機器能力情報などのデータ種識別情報を取得する(ステップS0904)。そして、例えば記録媒体に記録されているデータはデータ種識別情報から外部機器で処理可能であると判断できる、といった具合に、取得したデータ種識別情報で識別可能な対応データが記録媒体に記録されている場合(ステップS0905)、その対応データを外部機器に対して出力する(ステップS0906)。
【0068】
<処理の別の流れ>
図10は、本実施例の通信ユニットにおける処理の流れの、別の一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず通信ユニットが複数種のデータを受信する(ステップS1001)。そして例えば「PVR用出力データフォルダ」、「ディスプレイ用出力データフォルダ」といった具合に、受信したデータの所定タグにて示される機器識別情報などを利用して、取得した複数種のデータを記録媒体内の対応フォルダに保持するために記録する(ステップS1002)。
【0069】
その後、外部機器が接続されたことを検出する(ステップS1003)と、接続された外部機器から、例えば機器識別情報や機器能力情報などのデータ種識別情報を取得する(ステップS1004)。そして、取得したデータ種識別情報から、対応フォルダがあるか、あるいはその対応フォルダにデータが保持されているか判断し(ステップS1005)、対応フォルダにデータが保持されていればそのデータを外部機器に対して出力する(ステップS1006)。
【0070】
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例の通信ユニットによって、例えば録画予約メールなどのデータの取得時に適切な外部機器に接続されていなくてもデータを保持しておくことができる。したがって後で通信ユニットを適切な外部機器に接続した際にデータを該外部機器に出力することができる。
【0071】
≪実施例2≫
<概要>
本実施例は、実施例1を基本として、無線通信によるデータ受信時に、該受信データと接続されている外部機器との対応関係を判断し、対応関係にあればデータを出力し、対応関係になければデータをデータ保持部に保持するよう制御することを特徴とする通信ユニットである。
【0072】
<機能的構成>
図11は、本実施例の通信ユニットにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「通信ユニット」(1100)は、実施例1を基本として、「データ保持部」(1101)と、「外部機器接続部」(1102)と、「データ種識別情報取得部」(1103)と、「対応データ出力部」(1104)と、を有する。なお、これら「データ保持部」と「外部機器接続部」と「データ種識別情報取得部」と「対応データ出力部」と、は実施例1にすでに記載済みであるのでその説明は省略する。
【0073】
そして、本実施例の特徴点は、通信ユニットがさらに「検出部」(1105)を有する点と、その対応データ出力部がさらに「取得データ判断手段」(1106)と、「取得データ出力手段」(1107)と、を有する点である。
【0074】
「検出部」(1105)は、外部から通信によりデータの取得があったか検出する機能を有する。そしてこの検出部での複数種のデータの無線通信による取得の検出をトリガーとして、次の取得データ判断手段によってデータ受信時に接続外部機器との対応関係を判断する。そして、その判断結果に応じて、対応データ出力部では受信データをデータ保持部に保持するか、あるいは外部機器に対応データとして出力するか、の選別処理を実行する。
【0075】
「取得データ判断手段」(1106)は、検出部にて取得があったと検出され、かつ外部機器が接続中である場合には、データ保持部に保持されているその取得されたデータが例えば接続中の外部機器で処理可能であるか否かといった具合に、接続中の外部機器の前記データ種識別情報にて識別可能なデータであるかの判断をする機能を有する。この取得データ判断手段は、CPUや主メモリによって実現することができる。
【0076】
「取得データ出力手段」(1107)は、取得データ判断手段での判断結果が対応データであるとの判断結果である場合にはそのデータを前記接続中の外部機器に対して出力する機能を有する。このようにして、取得データ判断手段での判断によって、前述のように利用可能であると判断された場合には、取得したデータを対応データとして外部機器に出力することができる。また取得データ判断手段にて利用可能でないと判断された場合、取得したデータはデータ保持部にて保持されたままとなる、といった具合にデータ受信時のデータの処理内容を選別することができる。
【0077】
<ハードウェア的構成>
図12は、上記機能的な各構成要件をハードウェアとして実現した際の、通信ユニットにおける構成の一例を表す概略図である。この図にあるように、通信ユニットは、実施例1と同様に、「CPU」(1201)と、「主メモリ」(1202)と、「フラッシュメモリ」(1203)と、「無線通信ユニット/アンテナ」(1204)と、「外部機器用コネクタ」(1205)と、を備え、「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続されている。
【0078】
ここで、「外部機器用コネクタ」にて外部機器と接続がなされると、外部機器からデータ種識別情報である「接続機器ID:PVR」などが取得され、「フラッシュメモリ」のアドレス1に格納、保持される。なお、このフラッシュメモリに保持されている外部機器から取得したデータ種識別情報については、その外部機器が「外部機器用コネクタ」から外されたり、あるいは別の外部機器へと付け替えられたりすることを検知すると、破棄、又は更新格納などの処理が行われると良い。
【0079】
そして、無線通信によって「データA(録画命令メール)」が「無線通信ユニット/アンテナ」にて受信されると、その受信信号が「CPU」に出力される。「CPU」ではその受信信号によって無線通信によるデータの取得を検知し以下のような処理を実行する。まず、「データA」の件名「録画」と、フラッシュメモリのアドレス1に格納されている「接続機器ID:PVR」との対応関係の判断処理が、例えば図6のようなデータテーブルを参照し実行される。そして、データテーブルで示される対応関係にあれば、無線通信にて取得したデータA(録画命令メール)は、外部機器であるPVRに出力される。
【0080】
一方、「無線通信ユニット/アンテナ」にて「データB(印刷命令メール)」が取得されると、上記同様の判断処理により例えばデータテーブルにて示される対応関係に無いとの判断結果が出力される。そして、その出力結果に応じてデータB(印刷命令メール)は、外部機器であるPVRには出力されず、「フラッシュメモリ」のアドレス2に格納される、という具合である。
【0081】
<処理の流れ>
図13は、本実施例の通信ユニットにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、外部機器が接続される(ステップS1301)と、その外部機器から、例えば能力情報や機器IDなどのデータ種識別情報を取得する(ステップS1302)。そして、取得したデータ種識別情報を保持するために、例えばフラッシュメモリなどの記録媒体に記録する(ステップS1303)。
【0082】
その後、無線通信により複数種のデータを取得する(ステップS1304)と、取得した複数種のデータを主メモリなどに一時的に保持する。そして、データ取得を検出した例えばCPUによって、取得データとデータ種識別情報とを利用して接続されている外部機器がデータを利用可能か否かの判断処理が行われる(ステップS1305)。
【0083】
その判断の結果、外部機器がデータを利用可能との判断結果が出力された場合、例えば主メモリに一時的に保持されている対応データが外部機器に出力される(ステップS1306A)。一方、ステップS1305での判断の結果、外部機器がデータを利用可能ではないとの判断結果が出力された場合、例えば主メモリに一時的に保持されている対応データはフラッシュメモリなどの記録媒体に記録される、という具合である。
【0084】
<処理の別の流れ>
図14は、本実施例の通信ユニットにおける処理の流れの、別の一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。ここで、まず複数種のデータの一例であるメールを受信する(ステップS1401)と、その受信を検知し、例えばメールに含まれる機器識別情報の抽出処理が実行される(ステップS1402)。そして、CPUの論理演算処理などによって、例えば予め取得保持されている外部機器の識別情報とのマッチング処理により、メールから抽出された機器識別情報で示される外部機器が接続されているか否かの判断処理が実行される(ステップS1403)。
【0085】
その判断の結果、メールから抽出された機器識別情報で示される外部機器が接続されているとの判断結果が出力された場合、外部機器に対してメールを出力する(ステップS1406)。
【0086】
一方、ステップS1403での判断の結果、メールから抽出された機器識別情報で示される外部機器が接続されていないとの判断結果が出力された場合、今度はフラッシュメモリなどの記録媒体の管理下に、例えば該機器識別情報をフォルダ名に持つフォルダがあるか否かの判断処理が実行される(ステップS1404)。
【0087】
その判断の結果、対応フォルダがあるとの判断結果が出力された場合、対応フォルダに取得したメールを保持するため記録する(ステップS1405B)。また、その判断の結果、対応フォルダが無いとの判断結果が出力された場合、非対応の旨のメールを、ステップS1401で受信したメールのアドレス宛に返信する(ステップS1405A)。あるいは、新規に対応フォルダを作成し、対応フォルダの管理下にステップS1401で受信したメールを記録する、という具合である。
【0088】
<効果の簡単な説明>
以上のように、本実施例の通信ユニットによって、複数種のデータを無線通信によって取得した際に、その取得を検知し、その検知をトリガーとしてデータ受信時のデータの処理内容を選別することができる。
【0089】
≪実施例3≫
<概要>
本実施例は、上記実施例1や2を基本として、対応外部機器が接続されずにデータ保持部にて保持されているデータについて、例えば「現在録画予約メールを保持中です」などのディスプレイ表示や音声出力によってその保持をユーザーに通知する機能を備えることを特徴とする通信ユニットである。
【0090】
図15は、本実施例の通信ユニットによるデータ保持の通知態様の一例を表す概略図である。この図15(a)にあるように、例えば、通信ユニット外部に複数のLED(発光ダイオード)a〜eが設けられている。そして、例えばPVR用のデータを受信、保持している場合にはLEDaが点滅し、携帯電話用データを受信、保持している場合にはLEDbが点滅する。このようにして、LEDの点滅位置によって、通信ユニットが取得、保持しているデータの種別などをユーザーに通知することができる。
【0091】
あるいは図15(b)に示すように、通信ユニット上部表面に電子ペーパーや液晶、有機ELなどの薄型ディスプレイαが設けられ、LEDfの点滅にてデータ着信を通知するとともに、ディスプレイαに「PVR ・・・ 録画予約 ・・・」等を表示することで、取得、保持しているデータの種別やその内容などをユーザーに通知することができる。
【0092】
また、このディスプレイにデータ出力の成功/失敗を示すメッセージやアイコンを表示しても良い。また、出力したデータに基づく外部機器の制御、例えば録画予約制御など、の成功/失敗情報を外部機器から取得する構成とすることで、その成功/失敗情報を同様にディスプレイに表示しても良い。もちろんLEDを所定間隔/回数などで点滅させて、その成功/失敗をユーザーに通知しても良い。
【0093】
また、上記データ出力やデータに基づく外部機器制御などが失敗した場合には、その失敗の原因をエラーNoやメッセージなどでディスプレイに表示しても良い。
【0094】
またディスプレイでは、さらにデータ受信のログ情報や外部機器へのデータ出力のログ情報などを表示するよう構成しても良い。
【0095】
<機能的構成>
図16は、本実施例の通信ユニットにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「通信ユニット」(1600)は、実施例1を基本として、「データ保持部」(1601)と、「外部機器接続部」(1602)と、「データ種識別情報取得部」(1603)と、「対応データ出力部」(1604)と、を有する。また、実施例2を基本として、図示しない「検出部」や「取得データ判断手段」を有していても良い。なお、これら「データ保持部」と「外部機器接続部」と「データ種識別情報取得部」と「対応データ出力部」、また「検出部」や「取得データ判断手段」は上記実施例1や2にてすでに記載済みであるのでその説明は省略する。
【0096】
そして、本実施例の通信ユニットの特徴点は、さらに「データ種識別表示部」(1605)、を有する点である。
【0097】
「データ種識別表示部」は、外部機器に接続された状態で外部から視認可能な領域に、データ保持部に保持されているデータ種を識別可能に表示する機能を有する。「視認可能な領域」とは、例えば接続コネクタが相互にかみ合うよう通信ユニットを外部機器内部に挿入するなどした際に、外部機器内部に隠れず外部に露出している領域などをいう。なお「表示」とは、データ種を識別可能にユーザーに対して通知する態様であれば、その表示方式は限定されない。したがってディスプレイなどによるテキスト/アイコン表示のみならず、LEDなどによる発光や、スピーカなどによる音声出力も含まれる。
【0098】
このデータ種識別表示部は、その表示態様に応じて様々なハードウェアの構成によって実現することができる。前述のようにLEDの点滅によって表示するのであれば、このデータ種識別表示部はLEDやその点滅制御回路によって実現することができる。また、このLED点滅表示においては、その点滅回数や点滅間隔などでデータ種のみならず、例えばデータ受信時間などが識別可能に表示されるようにしても良い。
【0099】
また、その他電子ペーパーや薄型ディスプレイとその表示制御回路や、スピーカやその音声出力制御回路、などで実現することもできる。
【0100】
このように、ユーザーに対してデータを保持していることや、その保持データのデータ種などを通知することができる。したがって、ユーザーはその保持データの内容などを知ることができ、適切な外部機器に簡単に接続し直すなどをすることができるようになる。
【0101】
<処理の流れ>
図17は、本実施例の通信ユニットにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、無線通信により複数種のデータを取得する(ステップS1701)と、取得した複数種のデータを保持するために記録媒体に記録する(ステップS1702)。
【0102】
そして、視認可能領域に、前記ステップS1702で記録媒体に記録し保持しているデータを、そのデータ種が識別可能に表示する(ステップS1703)。
【0103】
その後、外部機器が接続される(ステップS1704)と、接続された外部機器から、例えば機器識別情報や、機器能力情報などのデータ種識別情報を取得する(ステップS1705)。そして、例えば記録部に記録されているデータが外部機器にて処理可能であると判断できる、といった具合に取得したデータ種識別情報で識別可能な対応データが記録媒体に記録されている場合、その対応データを外部機器に対して出力する(ステップS1706)。
【0104】
なお上記では、データを取得した後に外部機器が接続される際での処理フローを説明している。もちろん、本実施例では外部機器が接続されデータ種識別情報が取得された後にデータが取得される処理の流れにおいても、同様にデータが記録、保持された後に視認可能領域に保持しているデータ種を識別可能に表示しても良い。
【0105】
<処理の別の流れ>
図18は、本実施例の通信ユニットにおける処理の流れの、別の一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず外部機器が接続されたことを検出すると(ステップS1801)と、接続された外部機器から、例えば機器識別情報や、機器能力情報などのデータ種識別情報を取得する(ステップS1802)。そして、取得したデータ種識別情報を保持するために記録する(ステップS1803)。
【0106】
その後、無線通信により複数種のデータを取得する(ステップS1804)と、ステップS1803で記録、保持されているデータ種識別情報と取得したデータの種別とを利用して、接続されている外部機器が取得したデータを利用可能か否かの判断処理が実行される(ステップS1805)。
【0107】
その判断の結果、外部機器がデータを利用可能との判断結果が出力された場合、例えば主メモリに一時的に保持されている対応データが外部機器に出力される(ステップS1806A)。一方、ステップS1305での判断の結果、外部機器がデータを利用可能ではないとの判断結果が出力された場合、例えば主メモリに一時的に保持されている対応データはフラッシュメモリなどの記録媒体に記録される(ステップS1806B)。そして、視認可能領域にデータ種を識別可能に表示する(ステップS1807)。
【0108】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の通信ユニットは、ユーザーに対してデータを保持していることや、その保持データのデータ種などを通知することができる。したがって、ユーザーはその保持データの内容などを知ることができ、適切な外部機器に簡単に接続し直すなどをすることができるようになる。
【0109】
≪実施例4≫
<概要>
本実施例は、上記実施例を基本として、例えば保持しているデータが録画予約メールであれば「録画対象番組の開始時刻まであと10時間」、という具合に保持データの出力期限をユーザーに通知する機能を備えることを特徴とする通信ユニットである。
【0110】
このようにして、適応する外部機器に接続されておらずデータ保持部に保持されているデータの有効出力期限などをユーザーに通知することで、適応する外部機器への通信ユニットの付け替えなどを促すことができる。
【0111】
<機能的構成>
図19は、本実施例の通信ユニットにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例の「通信ユニット」(1900)は、実施例1を基本として、「データ保持部」(1901)と、「外部機器接続部」(1902)と、「データ種識別情報取得部」(1903)と、「対応データ出力部」(1904)と、を有する。また、その他の実施例を基本として、図示しない「検出部」や「取得データ判断手段」、あるいは「データ種識別表示部」などを有していても良い。なお、これら「データ保持部」と「外部機器接続部」と「データ種識別情報取得部」と「対応データ出力部」、また「検出部」や「取得データ判断手段」、「データ種識別表示部」は上記実施例にてすでに記載済みであるのでその説明は省略する。
【0112】
そして、本実施例の特徴点は、通信ユニットがさらに「出力期限情報取得部」(1905)と、「出力期限表示部」(1906)と、を有する点である。
【0113】
「出力期限情報取得部」(1905)は、データ保持部に保持されたデータに出力期限情報が含まれている場合には、その出力期限情報を取得する機能を有する。「出力期限情報」とは、データに関して出力期限を定めるための情報をいう。出力期限は、例えば、前述のようにデータが録画予約メールであれば録画予約日時を過ぎるとPVRに出力しても意味が無いので、その録画予約開始/終了時刻が出力期限となる。
【0114】
もちろん、この出力期限情報によって、データの有効期限以外にユーザーが任意に設定した出力期限が示されても構わない。
【0115】
また、データ保持部に保持されているデータが出力期限情報を含んでいるか否かの判断は、例えばデータに出力期限情報を示すタグを含ませたり、出力期限情報が記述されるデータ領域を設けたりすることで判断する方法が挙げられる。
【0116】
「出力期限表示部」(1906)は、出力期限情報取得部(1905)にて取得した出力期限情報に基づいて出力期限を表示するための機能を有する。この出力期限表示部は、具体的には前述のデータ種識別表示部同様に、LEDや薄型ディスプレイ、スピーカなどの出力装置やそれら出力装置の制御回路によって実現することができる。また、その出力期限の表示態様も、やはり同様にLEDの点滅やディスプレイへのテキスト/アイコン表示、スピーカからの音声出力など様々な出力態様が挙げられる。
【0117】
このようにして、通信ユニットによって出力期限が表示されることで、ユーザーは例えば録画予約メールの録画期日などを知ることができる。したがって、ユーザーはデータの出力期限までに通信ユニットを適応する外部機器へ付け替えることができる。
【0118】
<処理の流れ>
図20は、本実施例の通信ユニットにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。この図にあるように、まず、無線通信により複数種のデータを取得する(ステップS2001)と、取得した複数種のデータを保持するために記録媒体に記録する(ステップS2002)。
【0119】
続いて、取得したデータに出力期限情報が含まれるか否かの判断を行い(ステップS2003)、含まれているとの判断結果が出力された場合、そのデータに含まれる出力期限情報を取得する(ステップS2004)。そして、取得した出力期限情報を、例えばディスプレイなどに表示する(ステップS2005)。
【0120】
その後、外部機器が接続される(ステップS2006)。なお、ステップS2006の外部機器接続につづく処理に関しては、上記実施例にて既に記載済みであるのでその説明は省略する。
【0121】
<効果の簡単な説明>
以上のように本実施例の通信ユニットによって、適応する外部機器に接続されておらずデータ保持部に保持されているデータの有効出力期限などをユーザーに通知することで、適応する外部機器への通信ユニットの付け替えなどを促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】実施例1の通信ユニットを利用した外部機器へのデータ出力の一例を表す概念図
【図2】実施例1の通信ユニットにおける機能ブロックの一例を表す図
【図3】実施例1の通信ユニットのデータ保持部におけるデータの格納構造の一例を表す概念図
【図4】実施例1の通信ユニットにて無線通信にて取得される複数種のデータの一例を表す概念図
【図5】実施例1の通信ユニットの対応データ出力部での対応データ出力の一例を表す概念図
【図6】実施例1の通信ユニットの対応データ出力部が参照するデータテーブルの一例を表す概念図
【図7】実施例1の通信ユニットにおける機能ブロックの、別の一例を表す図
【図8】実施例1の通信ユニットにおけるハードウェア構成の一例を表す図
【図9】実施例1の通信ユニットにおける処理の流れの一例を表すフローチャート
【図10】実施例1の通信ユニットにおける処理の流れの、別の一例を表すフローチャート
【図11】実施例2の通信ユニットにおける機能ブロックの一例を表す図
【図12】実施例2の通信ユニットにおけるハードウェア構成の一例を表す図
【図13】実施例2の通信ユニットにおける処理の流れの一例を表すフローチャート
【図14】実施例2の通信ユニットにおける処理の流れの、別の一例を表すフローチャート
【図15】実施例3の通信ユニットによるデータ保持の通知態様の一例を表す概略図
【図16】実施例3の通信ユニットにおける機能ブロックの一例を表す図
【図17】実施例3の通信ユニットにおける処理の流れの一例を表すフローチャート
【図18】実施例3の通信ユニットにおける処理の流れの、別の一例を表すフローチャート
【図19】実施例4の通信ユニットにおける機能ブロックの一例を表す図
【図20】実施例4の通信ユニットにおける処理の流れの一例を表すフローチャート
【符号の説明】
【0123】
0200 通信ユニット
0201 データ保持部
0202 外部機器接続部
0203 データ種識別情報取得部
0204 対応データ出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信により取得した複数種のデータを保持可能なデータ保持部と、
複数種の外部機器と接続可能な外部機器接続部と、
外部機器接続部に接続される外部機器からデータ種を識別可能なデータ種識別情報を取得するデータ種識別情報取得部と、
取得したデータ種識別情報にて識別可能な対応データがデータ保持部に保持されている場合には、その対応データを前記接続されている外部機器に対して出力する対応データ出力部と、
を有する通信ユニット。
【請求項2】
前記データ種識別情報は、外部機器を識別するための機器識別情報である請求項1に記載の通信ユニット。
【請求項3】
外部から通信によりデータの取得があったか検出する検出部をさらに有し、
対応データ出力部は、
検出部にて取得があったと検出され、かつ外部機器が接続中である場合には、データ保持部に保持されているその取得されたデータが、接続中の外部機器の前記データ種識別情報にて識別可能なデータであるかの判断をする取得データ判断手段と、
取得データ判断手段での判断結果が対応データであるとの判断結果である場合にはそのデータを前記接続中の外部機器に対して出力する取得データ出力手段と、
を有する請求項1又は2に記載の通信ユニット。
【請求項4】
外部機器に接続された状態で外部から視認可能な領域に、データ保持部に保持されているデータ種を識別可能に表示するためのデータ種識別表示部を有する請求項1から3のいずれか一に記載の通信ユニット。
【請求項5】
データ保持部に保持されたデータに出力期限を定めるための情報が含まれている場合にはその出力期限を定めるための情報である出力期限情報を取得する出力期限情報取得部と、
取得した出力期限情報に基づいて出力期限を表示するための出力期限表示部を有する請求項1から4のいずれか一に記載の通信ユニット。
【請求項6】
無線通信により取得した複数種のデータを保持可能なデータ保持部と複数種の外部機器と接続可能な外部機器接続部とを有する通信ユニットの動作方法であって、
外部機器接続部に接続される外部機器からデータ種を識別可能なデータ種識別情報を取得するデータ種識別情報取得ステップと、
取得したデータ種識別情報にて識別可能な対応データがデータ保持部に保持されている場合には、その対応データを前記接続されている外部機器に対して出力する対応データ出力ステップと、
を含む通信ユニットの動作方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2008−199182(P2008−199182A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−30515(P2007−30515)
【出願日】平成19年2月9日(2007.2.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】