通信媒体、通信媒体処理装置、及び通信媒体処理システム
【課題】通信処理時間の短縮を図ることが可能な通信媒体を提供すること。
【解決手段】通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応してリードデータを送信し、また前記通信媒体処理装置からのライトコマンドに対応して送信されるライトデータを記憶する通信媒体は、データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する送信データ生成手段と、前記送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体処理装置に対して送信する通信手段とを備えている。
【解決手段】通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応してリードデータを送信し、また前記通信媒体処理装置からのライトコマンドに対応して送信されるライトデータを記憶する通信媒体は、データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する送信データ生成手段と、前記送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体処理装置に対して送信する通信手段とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば不揮発性のデータメモリおよびCPUなどの制御素子を有するIC(集積回路)チップを内蔵した、いわゆるICカードと称される通信媒体に関する。また、本発明は、このような通信媒体に対してデータを書き込んだり、通信媒体からデータを読み出したりする、いわゆるICカードリーダライタと称される通信媒体処理装置に関する。また、本発明は、これら通信媒体及び通信媒体処理装置により構成される通信媒体処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、新たな携帯可能な通信媒体として、不揮発性のデータメモリおよびCPUなどの制御素子を有するICチップを内蔵したICカードが普及している。この種のICカードは、通常、外部から入力される命令データに応じて制御素子がデータメモリをアクセスし、必要なデータの入出力を選択的に行なう。この場合、データメモリは複数のデータエリアに分割されており、選択的に対象エリアとのアクセスを行なうようになっている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2856393号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ISO/IEC14443−3 TypeBにより、非接触通信媒体の動作等が規定されている。例えば、非接触通信媒体は、ICカードリーダライタなどの端末との間で、REQB(Request Command, Type B)/WUPB(Wake-Up Command, Type B)やATTRIB(PICC selection command, Type B)コマンドなどの初期シーケンスのやり取りにより通信方式を決定し、その後、上位コマンドにより非接触通信媒体内のメモリ内容を読み書きし、各種演算を実行させるなどの処理をする。また、REQB/WUPBやATTRIBコマンドに対応する処理において、1回に送受信可能な通信データの最大値が決められ、この最大値の範囲内でのデータ転送が可能である。このため、送受信データのデータサイズが、通信データの最大値より大きい場合には、送受信データを何回かに分割して、分割された送受信データを何回かに分けて送受信しなければならなかった。これにより、コマンド/レスポンス処理に時間がかかるという問題が生じている。
【0004】
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、通信処理時間の短縮を図ることが可能な通信媒体、通信媒体処理装置、及び通信媒体処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の通信媒体、通信媒体処理装置、及び通信媒体処理システムは、以下のように構成されている。
【0006】
(1)この発明の通信媒体は、通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応してリードデータを送信し、また前記通信媒体処理装置からのライトコマンドに対応して送信されるライトデータを記憶する通信媒体であって、データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する送信データ生成手段と、前記送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体処理装置に対して送信する通信手段とを備えている。
【0007】
(2)この発明の通信媒体処理装置は、通信媒体に対するリードコマンドに対応して前記通信媒体から送信されるリードデータを受信し、また前記通信媒体に対するライトコマンドに対応して前記通信媒体に対してライトデータを送信する通信媒体処理装置であって、データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する送信データ生成手段と、前記送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体に対して送信する通信手段とを備えている。
【0008】
(3)この発明の通信媒体処理システムは、通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応してリードデータを送信し、また前記通信媒体処理装置からのライトコマンドに対応して送信されるライトデータを記憶する通信媒体と、前記通信媒体に対する前記リードコマンドに対応して前記通信媒体から送信される前記リードデータを受信し、また前記通信媒体に対する前記ライトコマンドに対応して前記通信媒体に対して前記ライトデータを送信する通信媒体処理装置とを備え、
前記通信媒体は、データを記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する第1の送信データ生成手段と、前記通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応して、前記第1の送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体処理装置に対して送信する第1の通信手段とを備え、
前記通信媒体処理装置は、データを記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する第2の送信データ生成手段と、前記通信媒体に対するライトコマンドに対応して、前記第2の送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体に対して送信する第2の通信手段とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通信処理時間の短縮を図ることが可能な通信媒体、通信媒体処理装置、及び通信媒体処理システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るICカード処理システム(通信媒体処理システム)の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、ICカード処理システムは、ICカードリーダライタ等の端末1(通信媒体処理装置)及び非接触式ICカード等の非接触通信媒体2を備えている。なお、本実施形態では、通信媒体として非接触通信媒体2を例に挙げて説明するが、接触式の通信媒体であってもよい。
【0012】
端末1は、通信部11、制御部(CPU)12、操作部13、及び記憶部14を備えている。この端末1は、非接触通信媒体2と無線通信する。通信部11は、送信信号の変調と受信信号の復調を行なう。制御部12は、復調された受信信号に基づき各部の動作を制御する。また、操作部13を介して、非接触通信媒体2に対する情報の書き込みが指示されると、通信部11は、記憶部14に記憶されたライトデータを送信信号に変調し、非接触通信媒体2にライトコマンドを送信し、さらにライトデータを送信する。また、操作部13を介して、非接触通信媒体2に対する情報の読み出しが指示されると、通信部11は、非接触通信媒体2にリードコマンドを送信し、非接触通信媒体2からのリードデータを受信する。
【0013】
非接触通信媒体2は、モジュールが埋め込まれたカード本体により構成されている。このモジュールは、通信部21、検波整流回路22、電源回路23、受信回路24、送信回路25、制御部26、及び記憶部27を備えている。検波整流回路22は、通信部21を介して受信した端末1からの信号を整流して出力する。受信回路24は、検波整流回路22を介して受信した端末1からの信号の所定のキャリア波を任意に復調して、制御部26に出力する。電源回路23は、検波整流回路22からの整流出力を安定化して動作電力を生成し、この動作電力を制御部26や図示しないその他の回路部へ供給する。非接触通信媒体2は、端末1からのリードコマンドに対応して記憶部27に記憶されたリードデータを送信し、また端末1からのライトコマンドに対応して送信されるライトデータを受信し記憶部27に記憶する。
【0014】
図2は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例(エラー発生時に全データを再送)を示す図である。図2に示すように、端末1がREQBコマンドを送信し、このREQBコマンドに対応して非接触通信媒体2がATQB(Answer To Request, Type B)を返信する。次に、端末1がATTRIBコマンドを送信し、このATTRIBコマンドに対応して非接触通信媒体2がAnswer to ATTRIBを返信する。ここまでの初期シーケンスのコマンド/レスポンスにより、端末1と非接触通信媒体2との間の通信方式が決定され、特に一回に送信可能なデータ量の最大値は決定されないとする。
【0015】
次に、セキュリィティを考慮した場合、端末1と非接触通信媒体2との間で認証が行われ、その後、端末1から非接触通信媒体2に対してライトコマンド及びライトデータが送信される。上記したように、一回に送信可能なデータ量の最大値は決定されていないので、ここでライトデータ量が多い場合、ノイズなどの影響により、非接触通信媒体2側で正常に受信できず、全データの再送要求が行われると、端末1と非接触通信媒体2間で全データのやり取りが再度行われることとなる。結果的に、通信処理時間の遅延を招く。
【0016】
図8は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例において送信される送信データ(ライトデータ)のデータ構造の一例を示す図である。図8に示すように、送信データ全体に対してチェックコードが付与される。つまり、大量データの最後にチェックコードが挿入される。このようなデータ構造の場合、全データのどこでエラーが発生したか検出するのが難しい。よって、エラーが発生した場合、全データを再送信しなければならなくなる。
【0017】
図3は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例(エラー発生時に一部データを再送)を示す図である。第1例と同様に、初期シーケンスで、一回に送信可能なデータ量の最大値を規定しない。端末1から非接触通信媒体2に全データを送信する際、端末1は、次のようにして送信データを生成する。端末1の制御部12は、記憶部14に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する。
【0018】
図9は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例において送信される送信データ(ライトデータ)のデータ構造の一例を示す図である。図9に示すように、送信データは、複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む。このように、あるデータ単位ごとにチェックコードが付加されるため、送信データ中のどこでエラーが発生したのかを検出することが可能となる。よって、通信エラーの発生に対して、一部のデータの再送信で対応でき、結果的に通信時間短縮が可能となる。
【0019】
端末1の通信部11は、生成された送信データ、つまりチェックコード付き分割データを複数含む送信データ(全データ)を非接触通信媒体2へ送信する。非接触通信媒体2は、端末1からの送信データを受信し、端末1に対してレスポンスを返す。このレスポンスに一部データ再送要求が含まれている場合、端末1の通信部11及び制御部12は、このレスポンスに含まれる一部データ再送要求に基づき、再送信が必要な1又は複数の分割データを再送信する。非接触通信媒体2は、端末1からの再送信データ(一部データ)を受信し、端末1に対してレスポンスを返す。このレスポンスに再送要求が含まれていなければ、端末1と非接触通信媒体2との間の通信は正常終了する。このように、あるデータ量ごとにチェックコードを付加することにより、非接触通信媒体2側で、送信データ中の正しく受信できなかったデータを検出することができるため、正しく受信できなかったデータ、つまり一部データの再送要求により通信エラーに対応できる。
【0020】
ここで、端末1による送信データの生成についてさらに詳しく説明する。端末1の制御部12は、上記した各分割データ(各ブロック)に対してアドレス(ブロック番号)を付与して、チェックコード及びアドレス付き分割データを複数含む送信データを生成するようにしてもよい。この場合、チェックコードは、分割データ及びアドレスの両者に対するチェックコードであってもよい。これにより、アドレス(アドレスを示すデータ)で発生したエラーをチェックすることもできる。
【0021】
このように分割データにアドレスを付与することにより、非接触通信媒体2はアドレス指定で再送要求を出すことができる。つまり、端末1の通信部11及び制御部12は、非接触通信媒体2からレスポンスを受信し、このレスポンスに含まれる再送信を要求する分割データのアドレスに基づき、再送信が必要な分割データを判定し、再送信必要と判定された1又は複数の分割データを再送信する。
【0022】
即ち、複数箇所(複数ブロック)でエラーが発生した場合は、どのブロックでエラーが起きたかを相手に知らせ、通信効率の向上を図ることができる。例えば、端末1が非接触通信媒体2に対してデータを書き込む場合、非接触通信媒体2が端末1にどのデータブロックでエラーが発生したかを知らせることにより、端末1は、そのブロックデータのみ再送すればよい。
【0023】
また、端末1の制御部12は、非接触通信媒体2との通信エラーの発生頻度に基づき、所定データ単位のサイズを変更する。例えば、通信エラーの発生頻度が第1のレベルを超えると(通信エラー発生頻度が高い)所定データ単位のサイズを小さくする。図11は、小さく分割された複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む送信データのデータ構造の一例を示す図である。逆に、通信エラーの発生頻度が第2のレベル(第2のレベル<第1のレベル)を下回ると(通信エラー発生頻度が低い)所定データ単位のサイズを大きくする。図10は、大きく分割された複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む送信データのデータ構造の一例を示す図である。このような分割データサイズの調整により、通信エラーの発生を抑制しつつ、通信効率を高めることができる。
【0024】
上記説明では、分割データにアドレスを付与することを前提としたが、アドレスを付与しないケースも考えられる。この場合、端末1の制御部12は、記憶部14に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して(アドレスは付与しない)、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成し、端末1の通信部11が、非接触通信媒体2に対して、送信データに含まれるチェックコード付き分割データを順に送信する。端末1の制御部12は、非接触通信媒体2からエラー発生通知を受信したタイミングに基づき、送信データに含まれる1又は複数のチェックコード付き分割データを再送信する。例えば、端末1の制御部12は、n番目の分割データを送信した直後に、非接触通信媒体2からエラー発生通知を受信した場合は、n番目の分割データ以降を再送信する。
【0025】
図6は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例におけるエラー発生時の処理時間と、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例におけるエラー発生時の処理時間とを比較した図である。図6に示すように、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例は、全てのデータを再送信しない。つまり、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例より、再送信のデータサイズを小さくできる。このため、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例より、T1の時間を短縮することが可能となる。
【0026】
図4は、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第1例(エラー発生時に全データを再送)を示す図である。図4に示すように、端末1がREQBコマンドを送信し、このREQBコマンドに対応して非接触通信媒体2がATQBを返信する。次に、端末1がATTRIBコマンドを送信し、このATTRIBコマンドに対応して非接触通信媒体2がAnswer to ATTRIBを返信する。ここまでの初期シーケンスのコマンド/レスポンスにより、端末1と非接触通信媒体2との間の通信方式が決定され、特に一回に送信可能なデータ量の最大値は決定されないとする。
【0027】
次に、セキュリィティを考慮した場合、端末1と非接触通信媒体2との間で認証が行われ、その後、端末1から非接触通信媒体2に対してリードコマンドが送信され、非接触通信媒体2から端末1に対してリードデータ(全データ)を含むレスポンスが送信される。上記したように、一回に送信可能なデータ量の最大値は決定されていないので、ここでリードデータ量が多い場合、ノイズなどの影響により、端末1側で正常に受信できず、全データの再送要求が行われると、端末1と非接触通信媒体2間で全データのやり取りが再度行われることとなる。結果的に、通信処理時間の遅延を招く。
【0028】
図8は、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第1例において送信される送信データ(リードデータ)のデータ構造の一例を示す図である。図8に示すように、送信データ全体に対してチェックコードが付与される。
【0029】
図5は、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第2例(エラー発生時に一部データを再送)を示す図である。第1例と同様に、初期シーケンスで、一回に送信可能なデータ量の最大値を規定しない。非接触通信媒体2から端末1に全データを送信する際、非接触通信媒体2は、次のようにして送信データを生成する。非接触通信媒体2の制御部26は、記憶部27に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する。
【0030】
図9は、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第2例において送信される送信データ(リードデータ)のデータ構造の一例を示す図である。図9に示すように、送信データは、複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む。非接触通信媒体2の通信部21は、生成された送信データ、つまりチェックコード付き分割データを複数含む送信データ(全データ)を端末1へ送信する。
【0031】
端末1は、非接触通信媒体2からの送信データを含むレスポンスを受信する。端末1は、送信データを全て受信できなかった場合(通信エラー発生時)に、非接触通信媒体2に対して一部再送を要求する。端末1の通信部11及び制御部12は、一部データ再送要求に基づき、再送信が必要な1又は複数の分割データを再送信する。端末1は、非接触通信媒体2からの再送信データ(一部データ)を受信し、通信を正常終了する。このように、あるデータ量ごとにチェックコードを付加することにより、端末1側で、送信データ中の正しく受信できなかったデータを検出することができるため、正しく受信できなかったデータ、つまり一部データの再送要求により通信エラーに対応できる。
【0032】
ここで、非接触通信媒体2による送信データの生成についてさらに詳しく説明する。非接触通信媒体2の制御部26は、上記した各分割データに対してアドレスを付与して、チェックコード及びアドレス付き分割データを複数含む送信データを生成するようにしてもよい。この場合、チェックコードは、分割データ及びアドレスの両者に対するチェックコードであってもよい。これにより、アドレス(アドレスを示すデータ)で発生したエラーをチェックすることもできる。
【0033】
このように分割データにアドレスを付与することにより、端末1はアドレス指定で再送要求を出すことができる。つまり、非接触通信媒体2の通信部21及び制御部26は、端末1からの再送信を要求する分割データのアドレスに基づき、再送信が必要な分割データを判定し、再送信必要と判定された1又は複数の分割データを再送信する。
【0034】
即ち、複数箇所(複数ブロック)でエラーが発生した場合は、どのブロックでエラーが起きたかを相手に知らせ、通信効率の向上を図ることができる。例えば、端末1が非接触通信媒体2からデータを読み込む場合、端末1が非接触通信媒体2にどのデータブロックでエラーが発生したかを知らせることにより、非接触通信媒体2は、そのブロックデータのみ再送すればよい。
【0035】
また、非接触通信媒体2の制御部26は、端末1との通信エラーの発生頻度に基づき、所定データ単位のサイズを変更する。例えば、通信エラーの発生頻度が第1のレベルを超えると(通信エラー発生頻度が高い)所定データ単位のサイズを小さくする。図11は、小さく分割された複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む送信データのデータ構造の一例を示す図である。逆に、通信エラーの発生頻度が第2のレベル(第2のレベル<第1のレベル)を下回ると(通信エラー発生頻度が低い)所定データ単位のサイズを大きくする。図10は、大きく分割された複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む送信データのデータ構造の一例を示す図である。このような分割データサイズの調整により、通信エラーの発生を抑制しつつ、通信効率を高めることができる。
【0036】
上記説明では、分割データにアドレスを付与することを前提としたが、アドレスを付与しないケースも考えられる。この場合、非接触通信媒体2の制御部26は、記憶部27に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して(アドレスは付与しない)、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成し、非接触通信媒体2の通信部21が、端末1に対して、送信データに含まれるチェックコード付き分割データを順に送信する。非接触通信媒体2の制御部26は、端末1からエラー発生通知を受信したタイミングに基づき、送信データに含まれる1又は複数のチェックコード付き分割データを再送信する。例えば、非接触通信媒体2の制御部26は、n番目の分割データを送信した直後に、端末1からエラー発生通知を受信した場合は、n番目の分割データ以降を再送信する。
【0037】
但し、エラーが発生した時点で非接触通信媒体2はデータの送信を止めることができず、全データを送信し続ける。そこで、全二重通信可能な非接触通信媒体2の場合、エラーが発生した時点で、端末1から非接触通信媒体2にその旨を伝える。これにより、非接触通信媒体2は、全データの通信を途中でやめ、エラーが発生した以降のデータを送信することができる。
【0038】
図7は、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第1例におけるエラー発生時の処理時間と、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第2例におけるエラー発生時の処理時間とを比較した図である。図7に示すように、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例は、全てのデータを再送信しない。つまり、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例より、再送信のデータサイズを小さくできる。このため、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例より、T2の時間を短縮することが可能となる。
【0039】
以下に本実施形態をまとめる
本実施形態の主旨は、以下の通りである。
【0040】
初期シーケンスのコマンド・レスポンス等によって、1回の送受信可能なデータ量を規定すると、送受信されるデータ量が規定されたデータ量より多い場合、分割データを複数回に分けて送受信する必要があり、通信効率が悪い。また、1回の送受信可能なデータ量を規定しないと、通信エラー発生時に全データを再送信する必要があり、やはり通信効率が悪い。そこで、本実施形態では、送受信されるデータをあるデータ量毎にブロック分割し、分割データ毎にチェックコードを挿入する。つまり、送受信されるデータは、複数の分割データ及びこれら複数の分割データに対応する複数のチェックコードを含む。これにより、通信エラーが発生しなければ送受信回数を1回にすることができ、万一、通信エラーが発生しても全データの再送信は不要で、エラーが発生した分割データのみを再送信することで通信エラーにも対応できる。その結果、通信効率の向上を図ることができる。
【0041】
本実施例の中には、通信手順としてISO/IEC14443TypeBを例としてあげたが、他の通信プロトコルを用いた場合も、本発明は適用可能である。
【0042】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係るICカード処理システム(通信媒体処理システム)の概略構成を示すブロック図である。
【図2】ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例(エラー発生時に全データを再送)を示す図である。
【図3】ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例(エラー発生時に一部データを再送)を示す図である。
【図4】ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第1例(エラー発生時に全データを再送)を示す図である。
【図5】ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第2例(エラー発生時に一部データを再送)を示す図である。
【図6】ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例におけるエラー発生時の処理時間と、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例におけるエラー発生時の処理時間とを比較した図である。
【図7】ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第1例におけるエラー発生時の処理時間と、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第2例におけるエラー発生時の処理時間とを比較した図である。
【図8】ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例において送信される送信データ(ライトデータ)のデータ構造の一例を示す図である。
【図9】ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例において送信される送信データ(ライトデータ)のデータ構造の一例を示す図である。
【図10】大きく分割された複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む送信データのデータ構造の一例を示す図である。
【図11】小さく分割された複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む送信データのデータ構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1…リーダライタ、2…ICカード、11…通信部、12…制御部、13…操作部、21…通信部、22…検波整流回路、23…電源回路、24…受信回路、25…送信回路、26…制御部、27…記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば不揮発性のデータメモリおよびCPUなどの制御素子を有するIC(集積回路)チップを内蔵した、いわゆるICカードと称される通信媒体に関する。また、本発明は、このような通信媒体に対してデータを書き込んだり、通信媒体からデータを読み出したりする、いわゆるICカードリーダライタと称される通信媒体処理装置に関する。また、本発明は、これら通信媒体及び通信媒体処理装置により構成される通信媒体処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、新たな携帯可能な通信媒体として、不揮発性のデータメモリおよびCPUなどの制御素子を有するICチップを内蔵したICカードが普及している。この種のICカードは、通常、外部から入力される命令データに応じて制御素子がデータメモリをアクセスし、必要なデータの入出力を選択的に行なう。この場合、データメモリは複数のデータエリアに分割されており、選択的に対象エリアとのアクセスを行なうようになっている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第2856393号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ISO/IEC14443−3 TypeBにより、非接触通信媒体の動作等が規定されている。例えば、非接触通信媒体は、ICカードリーダライタなどの端末との間で、REQB(Request Command, Type B)/WUPB(Wake-Up Command, Type B)やATTRIB(PICC selection command, Type B)コマンドなどの初期シーケンスのやり取りにより通信方式を決定し、その後、上位コマンドにより非接触通信媒体内のメモリ内容を読み書きし、各種演算を実行させるなどの処理をする。また、REQB/WUPBやATTRIBコマンドに対応する処理において、1回に送受信可能な通信データの最大値が決められ、この最大値の範囲内でのデータ転送が可能である。このため、送受信データのデータサイズが、通信データの最大値より大きい場合には、送受信データを何回かに分割して、分割された送受信データを何回かに分けて送受信しなければならなかった。これにより、コマンド/レスポンス処理に時間がかかるという問題が生じている。
【0004】
本発明の目的は、上記課題を解決するためになされたものであり、通信処理時間の短縮を図ることが可能な通信媒体、通信媒体処理装置、及び通信媒体処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の通信媒体、通信媒体処理装置、及び通信媒体処理システムは、以下のように構成されている。
【0006】
(1)この発明の通信媒体は、通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応してリードデータを送信し、また前記通信媒体処理装置からのライトコマンドに対応して送信されるライトデータを記憶する通信媒体であって、データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する送信データ生成手段と、前記送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体処理装置に対して送信する通信手段とを備えている。
【0007】
(2)この発明の通信媒体処理装置は、通信媒体に対するリードコマンドに対応して前記通信媒体から送信されるリードデータを受信し、また前記通信媒体に対するライトコマンドに対応して前記通信媒体に対してライトデータを送信する通信媒体処理装置であって、データを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する送信データ生成手段と、前記送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体に対して送信する通信手段とを備えている。
【0008】
(3)この発明の通信媒体処理システムは、通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応してリードデータを送信し、また前記通信媒体処理装置からのライトコマンドに対応して送信されるライトデータを記憶する通信媒体と、前記通信媒体に対する前記リードコマンドに対応して前記通信媒体から送信される前記リードデータを受信し、また前記通信媒体に対する前記ライトコマンドに対応して前記通信媒体に対して前記ライトデータを送信する通信媒体処理装置とを備え、
前記通信媒体は、データを記憶する第1の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する第1の送信データ生成手段と、前記通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応して、前記第1の送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体処理装置に対して送信する第1の通信手段とを備え、
前記通信媒体処理装置は、データを記憶する第2の記憶手段と、前記第2の記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する第2の送信データ生成手段と、前記通信媒体に対するライトコマンドに対応して、前記第2の送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体に対して送信する第2の通信手段とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、通信処理時間の短縮を図ることが可能な通信媒体、通信媒体処理装置、及び通信媒体処理システムを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係るICカード処理システム(通信媒体処理システム)の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、ICカード処理システムは、ICカードリーダライタ等の端末1(通信媒体処理装置)及び非接触式ICカード等の非接触通信媒体2を備えている。なお、本実施形態では、通信媒体として非接触通信媒体2を例に挙げて説明するが、接触式の通信媒体であってもよい。
【0012】
端末1は、通信部11、制御部(CPU)12、操作部13、及び記憶部14を備えている。この端末1は、非接触通信媒体2と無線通信する。通信部11は、送信信号の変調と受信信号の復調を行なう。制御部12は、復調された受信信号に基づき各部の動作を制御する。また、操作部13を介して、非接触通信媒体2に対する情報の書き込みが指示されると、通信部11は、記憶部14に記憶されたライトデータを送信信号に変調し、非接触通信媒体2にライトコマンドを送信し、さらにライトデータを送信する。また、操作部13を介して、非接触通信媒体2に対する情報の読み出しが指示されると、通信部11は、非接触通信媒体2にリードコマンドを送信し、非接触通信媒体2からのリードデータを受信する。
【0013】
非接触通信媒体2は、モジュールが埋め込まれたカード本体により構成されている。このモジュールは、通信部21、検波整流回路22、電源回路23、受信回路24、送信回路25、制御部26、及び記憶部27を備えている。検波整流回路22は、通信部21を介して受信した端末1からの信号を整流して出力する。受信回路24は、検波整流回路22を介して受信した端末1からの信号の所定のキャリア波を任意に復調して、制御部26に出力する。電源回路23は、検波整流回路22からの整流出力を安定化して動作電力を生成し、この動作電力を制御部26や図示しないその他の回路部へ供給する。非接触通信媒体2は、端末1からのリードコマンドに対応して記憶部27に記憶されたリードデータを送信し、また端末1からのライトコマンドに対応して送信されるライトデータを受信し記憶部27に記憶する。
【0014】
図2は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例(エラー発生時に全データを再送)を示す図である。図2に示すように、端末1がREQBコマンドを送信し、このREQBコマンドに対応して非接触通信媒体2がATQB(Answer To Request, Type B)を返信する。次に、端末1がATTRIBコマンドを送信し、このATTRIBコマンドに対応して非接触通信媒体2がAnswer to ATTRIBを返信する。ここまでの初期シーケンスのコマンド/レスポンスにより、端末1と非接触通信媒体2との間の通信方式が決定され、特に一回に送信可能なデータ量の最大値は決定されないとする。
【0015】
次に、セキュリィティを考慮した場合、端末1と非接触通信媒体2との間で認証が行われ、その後、端末1から非接触通信媒体2に対してライトコマンド及びライトデータが送信される。上記したように、一回に送信可能なデータ量の最大値は決定されていないので、ここでライトデータ量が多い場合、ノイズなどの影響により、非接触通信媒体2側で正常に受信できず、全データの再送要求が行われると、端末1と非接触通信媒体2間で全データのやり取りが再度行われることとなる。結果的に、通信処理時間の遅延を招く。
【0016】
図8は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例において送信される送信データ(ライトデータ)のデータ構造の一例を示す図である。図8に示すように、送信データ全体に対してチェックコードが付与される。つまり、大量データの最後にチェックコードが挿入される。このようなデータ構造の場合、全データのどこでエラーが発生したか検出するのが難しい。よって、エラーが発生した場合、全データを再送信しなければならなくなる。
【0017】
図3は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例(エラー発生時に一部データを再送)を示す図である。第1例と同様に、初期シーケンスで、一回に送信可能なデータ量の最大値を規定しない。端末1から非接触通信媒体2に全データを送信する際、端末1は、次のようにして送信データを生成する。端末1の制御部12は、記憶部14に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する。
【0018】
図9は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例において送信される送信データ(ライトデータ)のデータ構造の一例を示す図である。図9に示すように、送信データは、複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む。このように、あるデータ単位ごとにチェックコードが付加されるため、送信データ中のどこでエラーが発生したのかを検出することが可能となる。よって、通信エラーの発生に対して、一部のデータの再送信で対応でき、結果的に通信時間短縮が可能となる。
【0019】
端末1の通信部11は、生成された送信データ、つまりチェックコード付き分割データを複数含む送信データ(全データ)を非接触通信媒体2へ送信する。非接触通信媒体2は、端末1からの送信データを受信し、端末1に対してレスポンスを返す。このレスポンスに一部データ再送要求が含まれている場合、端末1の通信部11及び制御部12は、このレスポンスに含まれる一部データ再送要求に基づき、再送信が必要な1又は複数の分割データを再送信する。非接触通信媒体2は、端末1からの再送信データ(一部データ)を受信し、端末1に対してレスポンスを返す。このレスポンスに再送要求が含まれていなければ、端末1と非接触通信媒体2との間の通信は正常終了する。このように、あるデータ量ごとにチェックコードを付加することにより、非接触通信媒体2側で、送信データ中の正しく受信できなかったデータを検出することができるため、正しく受信できなかったデータ、つまり一部データの再送要求により通信エラーに対応できる。
【0020】
ここで、端末1による送信データの生成についてさらに詳しく説明する。端末1の制御部12は、上記した各分割データ(各ブロック)に対してアドレス(ブロック番号)を付与して、チェックコード及びアドレス付き分割データを複数含む送信データを生成するようにしてもよい。この場合、チェックコードは、分割データ及びアドレスの両者に対するチェックコードであってもよい。これにより、アドレス(アドレスを示すデータ)で発生したエラーをチェックすることもできる。
【0021】
このように分割データにアドレスを付与することにより、非接触通信媒体2はアドレス指定で再送要求を出すことができる。つまり、端末1の通信部11及び制御部12は、非接触通信媒体2からレスポンスを受信し、このレスポンスに含まれる再送信を要求する分割データのアドレスに基づき、再送信が必要な分割データを判定し、再送信必要と判定された1又は複数の分割データを再送信する。
【0022】
即ち、複数箇所(複数ブロック)でエラーが発生した場合は、どのブロックでエラーが起きたかを相手に知らせ、通信効率の向上を図ることができる。例えば、端末1が非接触通信媒体2に対してデータを書き込む場合、非接触通信媒体2が端末1にどのデータブロックでエラーが発生したかを知らせることにより、端末1は、そのブロックデータのみ再送すればよい。
【0023】
また、端末1の制御部12は、非接触通信媒体2との通信エラーの発生頻度に基づき、所定データ単位のサイズを変更する。例えば、通信エラーの発生頻度が第1のレベルを超えると(通信エラー発生頻度が高い)所定データ単位のサイズを小さくする。図11は、小さく分割された複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む送信データのデータ構造の一例を示す図である。逆に、通信エラーの発生頻度が第2のレベル(第2のレベル<第1のレベル)を下回ると(通信エラー発生頻度が低い)所定データ単位のサイズを大きくする。図10は、大きく分割された複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む送信データのデータ構造の一例を示す図である。このような分割データサイズの調整により、通信エラーの発生を抑制しつつ、通信効率を高めることができる。
【0024】
上記説明では、分割データにアドレスを付与することを前提としたが、アドレスを付与しないケースも考えられる。この場合、端末1の制御部12は、記憶部14に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して(アドレスは付与しない)、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成し、端末1の通信部11が、非接触通信媒体2に対して、送信データに含まれるチェックコード付き分割データを順に送信する。端末1の制御部12は、非接触通信媒体2からエラー発生通知を受信したタイミングに基づき、送信データに含まれる1又は複数のチェックコード付き分割データを再送信する。例えば、端末1の制御部12は、n番目の分割データを送信した直後に、非接触通信媒体2からエラー発生通知を受信した場合は、n番目の分割データ以降を再送信する。
【0025】
図6は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例におけるエラー発生時の処理時間と、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例におけるエラー発生時の処理時間とを比較した図である。図6に示すように、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例は、全てのデータを再送信しない。つまり、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例より、再送信のデータサイズを小さくできる。このため、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例より、T1の時間を短縮することが可能となる。
【0026】
図4は、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第1例(エラー発生時に全データを再送)を示す図である。図4に示すように、端末1がREQBコマンドを送信し、このREQBコマンドに対応して非接触通信媒体2がATQBを返信する。次に、端末1がATTRIBコマンドを送信し、このATTRIBコマンドに対応して非接触通信媒体2がAnswer to ATTRIBを返信する。ここまでの初期シーケンスのコマンド/レスポンスにより、端末1と非接触通信媒体2との間の通信方式が決定され、特に一回に送信可能なデータ量の最大値は決定されないとする。
【0027】
次に、セキュリィティを考慮した場合、端末1と非接触通信媒体2との間で認証が行われ、その後、端末1から非接触通信媒体2に対してリードコマンドが送信され、非接触通信媒体2から端末1に対してリードデータ(全データ)を含むレスポンスが送信される。上記したように、一回に送信可能なデータ量の最大値は決定されていないので、ここでリードデータ量が多い場合、ノイズなどの影響により、端末1側で正常に受信できず、全データの再送要求が行われると、端末1と非接触通信媒体2間で全データのやり取りが再度行われることとなる。結果的に、通信処理時間の遅延を招く。
【0028】
図8は、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第1例において送信される送信データ(リードデータ)のデータ構造の一例を示す図である。図8に示すように、送信データ全体に対してチェックコードが付与される。
【0029】
図5は、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第2例(エラー発生時に一部データを再送)を示す図である。第1例と同様に、初期シーケンスで、一回に送信可能なデータ量の最大値を規定しない。非接触通信媒体2から端末1に全データを送信する際、非接触通信媒体2は、次のようにして送信データを生成する。非接触通信媒体2の制御部26は、記憶部27に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する。
【0030】
図9は、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第2例において送信される送信データ(リードデータ)のデータ構造の一例を示す図である。図9に示すように、送信データは、複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む。非接触通信媒体2の通信部21は、生成された送信データ、つまりチェックコード付き分割データを複数含む送信データ(全データ)を端末1へ送信する。
【0031】
端末1は、非接触通信媒体2からの送信データを含むレスポンスを受信する。端末1は、送信データを全て受信できなかった場合(通信エラー発生時)に、非接触通信媒体2に対して一部再送を要求する。端末1の通信部11及び制御部12は、一部データ再送要求に基づき、再送信が必要な1又は複数の分割データを再送信する。端末1は、非接触通信媒体2からの再送信データ(一部データ)を受信し、通信を正常終了する。このように、あるデータ量ごとにチェックコードを付加することにより、端末1側で、送信データ中の正しく受信できなかったデータを検出することができるため、正しく受信できなかったデータ、つまり一部データの再送要求により通信エラーに対応できる。
【0032】
ここで、非接触通信媒体2による送信データの生成についてさらに詳しく説明する。非接触通信媒体2の制御部26は、上記した各分割データに対してアドレスを付与して、チェックコード及びアドレス付き分割データを複数含む送信データを生成するようにしてもよい。この場合、チェックコードは、分割データ及びアドレスの両者に対するチェックコードであってもよい。これにより、アドレス(アドレスを示すデータ)で発生したエラーをチェックすることもできる。
【0033】
このように分割データにアドレスを付与することにより、端末1はアドレス指定で再送要求を出すことができる。つまり、非接触通信媒体2の通信部21及び制御部26は、端末1からの再送信を要求する分割データのアドレスに基づき、再送信が必要な分割データを判定し、再送信必要と判定された1又は複数の分割データを再送信する。
【0034】
即ち、複数箇所(複数ブロック)でエラーが発生した場合は、どのブロックでエラーが起きたかを相手に知らせ、通信効率の向上を図ることができる。例えば、端末1が非接触通信媒体2からデータを読み込む場合、端末1が非接触通信媒体2にどのデータブロックでエラーが発生したかを知らせることにより、非接触通信媒体2は、そのブロックデータのみ再送すればよい。
【0035】
また、非接触通信媒体2の制御部26は、端末1との通信エラーの発生頻度に基づき、所定データ単位のサイズを変更する。例えば、通信エラーの発生頻度が第1のレベルを超えると(通信エラー発生頻度が高い)所定データ単位のサイズを小さくする。図11は、小さく分割された複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む送信データのデータ構造の一例を示す図である。逆に、通信エラーの発生頻度が第2のレベル(第2のレベル<第1のレベル)を下回ると(通信エラー発生頻度が低い)所定データ単位のサイズを大きくする。図10は、大きく分割された複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む送信データのデータ構造の一例を示す図である。このような分割データサイズの調整により、通信エラーの発生を抑制しつつ、通信効率を高めることができる。
【0036】
上記説明では、分割データにアドレスを付与することを前提としたが、アドレスを付与しないケースも考えられる。この場合、非接触通信媒体2の制御部26は、記憶部27に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して(アドレスは付与しない)、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成し、非接触通信媒体2の通信部21が、端末1に対して、送信データに含まれるチェックコード付き分割データを順に送信する。非接触通信媒体2の制御部26は、端末1からエラー発生通知を受信したタイミングに基づき、送信データに含まれる1又は複数のチェックコード付き分割データを再送信する。例えば、非接触通信媒体2の制御部26は、n番目の分割データを送信した直後に、端末1からエラー発生通知を受信した場合は、n番目の分割データ以降を再送信する。
【0037】
但し、エラーが発生した時点で非接触通信媒体2はデータの送信を止めることができず、全データを送信し続ける。そこで、全二重通信可能な非接触通信媒体2の場合、エラーが発生した時点で、端末1から非接触通信媒体2にその旨を伝える。これにより、非接触通信媒体2は、全データの通信を途中でやめ、エラーが発生した以降のデータを送信することができる。
【0038】
図7は、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第1例におけるエラー発生時の処理時間と、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第2例におけるエラー発生時の処理時間とを比較した図である。図7に示すように、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例は、全てのデータを再送信しない。つまり、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例より、再送信のデータサイズを小さくできる。このため、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例は、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例より、T2の時間を短縮することが可能となる。
【0039】
以下に本実施形態をまとめる
本実施形態の主旨は、以下の通りである。
【0040】
初期シーケンスのコマンド・レスポンス等によって、1回の送受信可能なデータ量を規定すると、送受信されるデータ量が規定されたデータ量より多い場合、分割データを複数回に分けて送受信する必要があり、通信効率が悪い。また、1回の送受信可能なデータ量を規定しないと、通信エラー発生時に全データを再送信する必要があり、やはり通信効率が悪い。そこで、本実施形態では、送受信されるデータをあるデータ量毎にブロック分割し、分割データ毎にチェックコードを挿入する。つまり、送受信されるデータは、複数の分割データ及びこれら複数の分割データに対応する複数のチェックコードを含む。これにより、通信エラーが発生しなければ送受信回数を1回にすることができ、万一、通信エラーが発生しても全データの再送信は不要で、エラーが発生した分割データのみを再送信することで通信エラーにも対応できる。その結果、通信効率の向上を図ることができる。
【0041】
本実施例の中には、通信手順としてISO/IEC14443TypeBを例としてあげたが、他の通信プロトコルを用いた場合も、本発明は適用可能である。
【0042】
なお、本願発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係るICカード処理システム(通信媒体処理システム)の概略構成を示すブロック図である。
【図2】ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例(エラー発生時に全データを再送)を示す図である。
【図3】ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例(エラー発生時に一部データを再送)を示す図である。
【図4】ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第1例(エラー発生時に全データを再送)を示す図である。
【図5】ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第2例(エラー発生時に一部データを再送)を示す図である。
【図6】ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例におけるエラー発生時の処理時間と、ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例におけるエラー発生時の処理時間とを比較した図である。
【図7】ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第1例におけるエラー発生時の処理時間と、ICカードの読み込み時のコマンド/レスポンスの第2例におけるエラー発生時の処理時間とを比較した図である。
【図8】ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第1例において送信される送信データ(ライトデータ)のデータ構造の一例を示す図である。
【図9】ICカードの書き込み時のコマンド/レスポンスの第2例において送信される送信データ(ライトデータ)のデータ構造の一例を示す図である。
【図10】大きく分割された複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む送信データのデータ構造の一例を示す図である。
【図11】小さく分割された複数の分割データ及びこれら複数の分割データ夫々に対応する複数のチェックコードを含む送信データのデータ構造の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1…リーダライタ、2…ICカード、11…通信部、12…制御部、13…操作部、21…通信部、22…検波整流回路、23…電源回路、24…受信回路、25…送信回路、26…制御部、27…記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応してリードデータを送信し、また前記通信媒体処理装置からのライトコマンドに対応して送信されるライトデータを記憶する通信媒体であって、
データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する送信データ生成手段と、
前記送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体処理装置に対して送信する通信手段と、
これら各手段を有するモジュールを埋め込んだカード本体と、
を備えたことを特徴とする通信媒体。
【請求項2】
前記通信手段は、前記通信媒体処理装置から前記送信データの送信結果を受信し、この送信結果に基づき判明する再送信が必要な1又は複数の分割データを再送信することを特徴とする請求項1に記載の通信媒体。
【請求項3】
前記送信データ生成手段は、各分割データに対してアドレスを付与して、チェックコード及びアドレス付き分割データを複数含む送信データを生成することを特徴とする請求項1に記載の通信媒体。
【請求項4】
前記送信データ生成手段は、分割データ及びアドレスの両者に対するチェックコードを付与することを特徴とする請求項3に記載の通信媒体。
【請求項5】
前記通信手段は、前記通信媒体処理装置から前記送信データの送信結果を受信し、この送信結果に含まれる再送信を要求する分割データのアドレスに基づき、再送信が必要な分割データを判定し、再送信必要と判定された1又は複数の分割データを再送信することを特徴とする請求項3に記載の通信媒体。
【請求項6】
前記送信データ生成手段は、前記通信媒体処理装置との通信エラーの発生頻度に基づき、前記所定データ単位のサイズを変更することを特徴とする請求項1に記載の通信媒体。
【請求項7】
前記通信手段は、前記通信媒体処理装置に対して前記送信データに含まれるチェックコード付き分割データを順に送信し、前記通信媒体処理装置からエラー発生通知を受信したタイミングに基づき、前記送信データに含まれる1又は複数のチェックコード付き分割データを再送信することを特徴とする請求項1に記載の通信媒体。
【請求項8】
通信媒体に対するリードコマンドに対応して前記通信媒体から送信されるリードデータを受信し、また前記通信媒体に対するライトコマンドに対応して前記通信媒体に対してライトデータを送信する通信媒体処理装置であって、
データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する送信データ生成手段と、
前記送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体に対して送信する通信手段と、
を備えたことを特徴とする通信媒体処理装置。
【請求項9】
前記通信手段は、前記通信媒体から前記送信データの送信結果を受信し、この送信結果に基づき判明する再送信が必要な1又は複数の分割データを再送信することを特徴とする請求項8に記載の通信媒体処理装置。
【請求項10】
前記送信データ生成手段は、各分割データに対してアドレスを付与して、チェックコード及びアドレス付き分割データを複数含む送信データを生成することを特徴とする請求項8に記載の通信媒体処理装置。
【請求項11】
前記送信データ生成手段は、分割データ及びアドレスの両者に対するチェックコードを付与することを特徴とする請求項10に記載の通信媒体処理装置。
【請求項12】
前記通信手段は、前記通信媒体から前記送信データの送信結果を受信し、この送信結果に含まれる再送信を要求する分割データのアドレスに基づき、再送信が必要な分割データを判定し、再送信必要と判定された1又は複数の分割データを再送信することを特徴とする請求項10に記載の通信媒体処理装置。
【請求項13】
前記送信データ生成手段は、前記通信媒体との通信エラーの発生頻度に基づき、前記所定データ単位のサイズを変更することを特徴とする請求項8に記載の通信媒体処理装置。
【請求項14】
前記通信手段は、前記通信媒体に対して前記送信データに含まれるチェックコード付き分割データを順に送信し、前記通信媒体からエラー発生通知を受信したタイミングに基づき、前記送信データに含まれる1又は複数のチェックコード付き分割データを再送信することを特徴とする請求項8に記載の通信媒体処理装置。
【請求項15】
通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応してリードデータを送信し、また前記通信媒体処理装置からのライトコマンドに対応して送信されるライトデータを記憶する通信媒体と、
前記通信媒体に対する前記リードコマンドに対応して前記通信媒体から送信される前記リードデータを受信し、また前記通信媒体に対する前記ライトコマンドに対応して前記通信媒体に対して前記ライトデータを送信する通信媒体処理装置と、
を備え、
前記通信媒体は、
データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する第1の送信データ生成手段と、
前記通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応して、前記第1の送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体処理装置に対して送信する第1の通信手段と、
を備え、
前記通信媒体処理装置は、
データを記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する第2の送信データ生成手段と、
前記通信媒体に対するライトコマンドに対応して、前記第2の送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体に対して送信する第2の通信手段と、
を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項1】
通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応してリードデータを送信し、また前記通信媒体処理装置からのライトコマンドに対応して送信されるライトデータを記憶する通信媒体であって、
データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する送信データ生成手段と、
前記送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体処理装置に対して送信する通信手段と、
これら各手段を有するモジュールを埋め込んだカード本体と、
を備えたことを特徴とする通信媒体。
【請求項2】
前記通信手段は、前記通信媒体処理装置から前記送信データの送信結果を受信し、この送信結果に基づき判明する再送信が必要な1又は複数の分割データを再送信することを特徴とする請求項1に記載の通信媒体。
【請求項3】
前記送信データ生成手段は、各分割データに対してアドレスを付与して、チェックコード及びアドレス付き分割データを複数含む送信データを生成することを特徴とする請求項1に記載の通信媒体。
【請求項4】
前記送信データ生成手段は、分割データ及びアドレスの両者に対するチェックコードを付与することを特徴とする請求項3に記載の通信媒体。
【請求項5】
前記通信手段は、前記通信媒体処理装置から前記送信データの送信結果を受信し、この送信結果に含まれる再送信を要求する分割データのアドレスに基づき、再送信が必要な分割データを判定し、再送信必要と判定された1又は複数の分割データを再送信することを特徴とする請求項3に記載の通信媒体。
【請求項6】
前記送信データ生成手段は、前記通信媒体処理装置との通信エラーの発生頻度に基づき、前記所定データ単位のサイズを変更することを特徴とする請求項1に記載の通信媒体。
【請求項7】
前記通信手段は、前記通信媒体処理装置に対して前記送信データに含まれるチェックコード付き分割データを順に送信し、前記通信媒体処理装置からエラー発生通知を受信したタイミングに基づき、前記送信データに含まれる1又は複数のチェックコード付き分割データを再送信することを特徴とする請求項1に記載の通信媒体。
【請求項8】
通信媒体に対するリードコマンドに対応して前記通信媒体から送信されるリードデータを受信し、また前記通信媒体に対するライトコマンドに対応して前記通信媒体に対してライトデータを送信する通信媒体処理装置であって、
データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する送信データ生成手段と、
前記送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体に対して送信する通信手段と、
を備えたことを特徴とする通信媒体処理装置。
【請求項9】
前記通信手段は、前記通信媒体から前記送信データの送信結果を受信し、この送信結果に基づき判明する再送信が必要な1又は複数の分割データを再送信することを特徴とする請求項8に記載の通信媒体処理装置。
【請求項10】
前記送信データ生成手段は、各分割データに対してアドレスを付与して、チェックコード及びアドレス付き分割データを複数含む送信データを生成することを特徴とする請求項8に記載の通信媒体処理装置。
【請求項11】
前記送信データ生成手段は、分割データ及びアドレスの両者に対するチェックコードを付与することを特徴とする請求項10に記載の通信媒体処理装置。
【請求項12】
前記通信手段は、前記通信媒体から前記送信データの送信結果を受信し、この送信結果に含まれる再送信を要求する分割データのアドレスに基づき、再送信が必要な分割データを判定し、再送信必要と判定された1又は複数の分割データを再送信することを特徴とする請求項10に記載の通信媒体処理装置。
【請求項13】
前記送信データ生成手段は、前記通信媒体との通信エラーの発生頻度に基づき、前記所定データ単位のサイズを変更することを特徴とする請求項8に記載の通信媒体処理装置。
【請求項14】
前記通信手段は、前記通信媒体に対して前記送信データに含まれるチェックコード付き分割データを順に送信し、前記通信媒体からエラー発生通知を受信したタイミングに基づき、前記送信データに含まれる1又は複数のチェックコード付き分割データを再送信することを特徴とする請求項8に記載の通信媒体処理装置。
【請求項15】
通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応してリードデータを送信し、また前記通信媒体処理装置からのライトコマンドに対応して送信されるライトデータを記憶する通信媒体と、
前記通信媒体に対する前記リードコマンドに対応して前記通信媒体から送信される前記リードデータを受信し、また前記通信媒体に対する前記ライトコマンドに対応して前記通信媒体に対して前記ライトデータを送信する通信媒体処理装置と、
を備え、
前記通信媒体は、
データを記憶する第1の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する第1の送信データ生成手段と、
前記通信媒体処理装置からのリードコマンドに対応して、前記第1の送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体処理装置に対して送信する第1の通信手段と、
を備え、
前記通信媒体処理装置は、
データを記憶する第2の記憶手段と、
前記第2の記憶手段に記憶されたデータを所定データ単位に分割し、この分割により得られる各分割データに対してチェックコードを付与して、チェックコード付き分割データを複数含む送信データを生成する第2の送信データ生成手段と、
前記通信媒体に対するライトコマンドに対応して、前記第2の送信データ生成手段により生成された前記送信データを前記通信媒体に対して送信する第2の通信手段と、
を備えたことを特徴とする通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−280197(P2007−280197A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107710(P2006−107710)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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