説明

通信操作ガイダンスシステム

【課題】 高齢者などの機械操作に慣れていない人でも簡単に携帯電話等の通信端末を使えるようにする通信操作ガイダンスシステムを提供する。
【解決手段】 端末101に設けられたヘルプボタン102を押すことでガイダンスセンター105と自動接続し、端末101の利用者とガイダンスセンター105のオペレータ106とが通信しながらガイダンスを行う。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、通信操作ガイダンスシステムに関し、特に携帯電話機等の通信端末からヘルプ操作がさなれた場合にシステムのセンター側からガイダンスするようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話等の通信端末は、多機能化が進み、分厚いマニュアルをすべて読んで頭に入れておかないと使えない、ヘルプ機能は備えられているが知りたい情報がどこにあるのか探すのがむずかしい、など、特に高齢者などの機械操作に慣れていない人たちには使いにくいものになっている。
【0003】また、パソコンのOAソフト等ではヘルプ機能が充実しているが、携帯電話の場合には画面が小さいため、丁寧な説明を表示させることはむずかしい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来の携帯電話等の通信端末では、ヘルプ機能が使いにくい、パソコンのOAソフト等のようにヘルプ機能を充実させるためには画面が小さい、等の問題があった。
【0005】本発明は、これらの問題を解決するもので、高齢者などの機械操作に慣れていない人でも簡単に携帯電話等の通信端末を使えるようにする通信操作ガイダンスシステムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載の発明は、端末に専用または兼用のヘルプボタンを有し、前記ヘルプボタンを押すことによってセンターと接続され、センター側でオペレータが相談に応じることにより、利用者が簡単に適切な端末の操作方法を知ることができる。
【0007】また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明に対し、ヘルプボタンを押す前の操作、またはガイダンス中の操作内容をセンターに送ることにより、センター側のオペレータが、より的確に利用者の状況を把握することができ、利用者はより早く、より適切な端末の操作方法を知ることができる。
【0008】また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明に対し、オペレータの音声によるガイダンスのみでなく、センターのオペレータの操作により端末側の画面表示またはボタンの発光等で操作方法をガイドすることにより、利用者はよりわかりやすく適切な端末の操作方法を知ることができる。
【0009】また請求項4に記載の発明は、請求項1または請求項2記載の発明に対し、オペレータの音声によるガイダンスのみでなく、センターのオペレータの操作により端末を実際に動かしてみせることにより、利用者はよりわかりやすく適切な端末の操作方法を知ることができる。
【0010】また請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の発明に対し、オペレータの音声によるガイダンスではなく、センターに設けられた自動応答システムにより、次の操作を判断し、端末側に画面表示またはボタンの発光等で操作方法をガイドすることにより、ガイダンス希望者が多く、オペレータが不足している場合でも、利用者は簡単に端末の操作方法を知ることができる。
【0011】また請求項6に記載の発明は、通信端末が、専用または兼用のヘルプボタンと、前記ヘルプボタンを押すことによりセンターのオペレータに接続される自動接続手段と、前記センターのオペレータによる操作ガイダンスを音声でガイドする音声ガイダンス手段とを備えるようにしたもので、利用者が簡単に適切な端末の操作方法を知ることができる。
【0012】また請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明に対し、前記ヘルプボタンを押す前の操作内容を記憶する操作前記憶手段と、前記操作ガイダンス中の端末における操作内容を前記センターに送信する操作内容送信手段を備えるようにしたものであり、利用者が簡単に適切な端末の操作方法を知ることができる。
【0013】また請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明に対し、オペレータによる音声以外の操作ガイダンスがあった場合に、操作方法を案内表示する案内表示手段を備えるようにしたものであり、利用者が簡単に適切な端末の操作方法を知ることができる。
【0014】また請求項9に記載の発明は、請求項6に記載の発明に対し、オペレータによる音声以外の操作ガイダンスがあった場合に、オペレータの操作を再現する再現手段を備えるようにしたものであり、利用者が簡単に適切な端末の操作方法を知ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について、図1〜図8を用いて説明する。
【0016】(第1の実施の形態)図1は、本発明の実施の形態に係る通信操作ガイダンスシステムの構成を示す図である。図1において、101は携帯電話等の端末、102はヘルプボタン、103は基地局、104は通信網、105はガイダンスセンター、106はオペレータ、107はオペレータ端末である。
【0017】図2は、本発明の第1の実施の形態に係る通信操作ガイダンスシステムの動作を説明するためのフロー図である。図1および図2において、本発明の第1の実施の形態に係る通信操作ガイダンスシステムでは、操作方法がわからない場合、利用者は端末101のヘルプボタン102を押す(ステップ201)。ヘルプボタン102は専用であっても、また長押し等により他のボタンと兼用であっても良い。
【0018】ヘルプボタン102を押した場合、端末101は通話中やデータ送受信中であれば(ステップ202)、“通話を終了して下さい”、“データ送受信が終了するまでお待ちください”等のメッセージを画面に出力し、再度ヘルプボタン102が押されるまで待機する(ステップ203)。
【0019】通話中でなければ(ステップ202)、利用者が行っていた操作はそのままにしてガイダンスセンター105の自動呼出しを行い(ステップ204)、基地局103、通信網104を介して回線接続する(ステップ205)。ガイダンスセンター105では、オペレータ106が応答し、ガイダンスを開始する(ステップ206)。
【0020】ガイダンスは、オペレータ106が通常の音声通話を利用して利用者から質問を聞き、操作方法を教えることにより行う(ステップ207)。利用者の疑問点が解決されたら(ステップ208)、オペレータ106または利用者が通話終了ボタンを押す(ステップ209)ことにより、回線が切断され(ステップ210)、ガイダンスを終了する。
【0021】以上に述べてきた方法により、利用者が簡単に携帯電話等の端末の適切な操作方法を知ることができる。
【0022】(第2の実施の形態)図3は、本発明の第2の実施の形態に係る通信操作ガイダンスシステムの動作を説明するためのフロー図である。なお、通信操作ガイダンスシステムの構成は、図1に示したものと同じであるので省略している。
【0023】図3に示すフローにおいてステップ301〜ステップ306に示す動作は、図2のステップ201〜ステップ206に示す動作と同様であるが、ガイダンス開始(ステップ306)後、初めにそれまでに利用者が行った操作の履歴情報を端末101からセンター105へ送信する(ステップ311)。
【0024】オペレータ106は、その情報を参考にしてガイダンスを行う(ステップ307)。なお、ガイダンス中の操作も、回線を通してセンター105に送られ、オペレータ106はアドバイスが正しく実行されているかどうかを確認する。
【0025】図2に示した第1の実施形態の場合と同様、利用者の疑問点が解決されたら(ステップ308)、オペレータ106または利用者が通話終了ボタンを押す(ステップ309)ことにより、回線が切断され(ステップ310)、ガイダンスを終了する。
【0026】以上に述べてきた方法により、利用者が簡単に携帯電話等の端末の適切な操作方法を知ることができる。
【0027】(第3の実施の形態)図4及び図5は、本発明の第3の実施の形態に係る通信操作ガイダンスシステムの動作を説明するためのフロー図である。なお、通信操作ガイダンスシステムの構成は、図1に示したものと同じであるので省略している。
【0028】図4に示すフローでは、ステップ401〜ステップ406の動作は、図2のステップ201〜ステップ206に示した第1の実施形態の動作と同様であるが、ガイダンス開始(ステップ406)後、図3に示した第2の実施形態の場合と同様、データ回線を利用して初めにそれまでに利用者が行った操作の履歴情報を端末101からセンター105へ送信する(ステップ411)。オペレータ106は、その情報を参考にして音声によるガイダンス及び図5に示す操作情報送信によるガイダンスを行う(ステップ407)。
【0029】図5において操作情報送信によるガイダンスは、ステップ407のガイダンスの際、第2の実施形態と同様に音声によるアドバイスを行うこと以外に、利用者が行うべき操作情報をオペレータ106が端末107に入力し(ステップ501)、端末101側へ送信する(ステップ502)。
【0030】端末101側では、利用者が行うべき操作が画面で表示されたり、押すべきボタンが発光したりする(ステップ503)。利用者は、それを見て端末101を操作する(ステップ504)。これを、必要なだけ繰り返す。図3に示した第2の実施形態の場合と同様、オペレータ106は利用者が行った操作を確認しながらガイダンスを行う。
【0031】図4に戻り、図2に示した第1の実施形態または図3に示した第2の実施形態の場合と同様、利用者の疑問点が解決されたら(ステップ408)、オペレータ106または利用者が通話終了ボタンを押す(ステップ409)ことにより、回線が切断され(ステップ410)、ガイダンスを終了する。
【0032】以上に述べてきた方法により、利用者が簡単に携帯電話等の端末の適切な操作方法を知ることができる。
【0033】(第4の実施の形態)図6及び図7は、本発明の第4の実施の形態に係る通信操作ガイダンスシステムの動作を説明するためのフロー図である。なお、通信操作ガイダンスシステムの構成は、図1に示したものと同じであるので省略している。
【0034】図6に示すフローでは、ステップ601〜ステップ606及びステップ611の動作は、図4のステップ401〜ステップ406及びステップ411に示す動作と同様であるが、ステップ607において、通常の会話によるガイダンス及び図7に示す端末遠隔操作によるガイダンスを行う。
【0035】図7において端末遠隔操作によるガイダンスは、ステップ607のガイダンスの際、第3の実施形態と同様に音声によるアドバイスを行う以外に、利用者が行うべき操作情報をオペレータ106が端末107に入力し(ステップ701)、端末101側へ送信する(ステップ702)。
【0036】端末101側では、オペレータ106がセンター105で入力した通りの動作が自動的に行われる(ステップ704)。利用者は、オペレータ106との会話及び遠隔操作された端末の動作を観察することで、行うべき操作を理解する。これを、必要なだけ繰り返す。
【0037】図6に戻り、図4に示されたフローの場合と同様、利用者の疑問点が解決されたら(ステップ608)、オペレータ106または利用者が通話終了ボタンを押す(ステップ609)ことにより、回線が切断され(ステップ610)、ガイダンスを終了する。
【0038】以上に述べてきた方法により、利用者が簡単に携帯電話等の端末の適切な操作方法を知ることができる。
【0039】(第5の実施の形態)図8は、本発明の第5の実施の形態に係る通信操作ガイダンスシステムの動作を説明するためのフロー図である。なお、通信操作ガイダンスシステムの構成は、図1に示したものと同じであるので省略している。
【0040】図8において、ヘルプボタン102を押すことでガイダンスセンター105に接続されても、オペレータ106全員が他の端末101からのヘルプボタン102操作に応答中で応答できなかった場合には、ガイダンスセンター105に設けた自動応答システムにより、利用者がそれまでに行った操作から、その後の操作を推定し、ガイダンスを行う。
【0041】図8のフローでは、ステップ801〜ステップ805の動作は、第4の実施形態において説明してきた動作と同様であるが、センター105でオペレータ106全員が応答中だった場合には、ガイダンスセンター105に設けた自動応答システムにより応答してガイダンスを開始する(ステップ806)。
【0042】ガイダンス開始(ステップ806)後、図6に示した第4の実施形態などの場合と同様、初めにそれまでに利用者が行った操作の履歴情報を端末101からセンター105へ送信する(ステップ811)。
【0043】ガイダンスセンター105に設けた自動応答システムは、その情報を分析して必要な操作を判断し(ステップ812)、音声または操作情報データを端末101側へ送信する(ステップ813)。
【0044】端末101側では、受信した音声をスピーカから流したり、操作情報データを画面に表示したりする(ステップ814)。
【0045】利用者は、その音声または画面表示によるアドバイスが、利用者が求めたものである場合には、その通りに端末操作を行う(ステップ816)。利用者が求めていたものと異なる場合、ヘルプボタン102を再度押すことにより、ガイダンスセンター105に設けた自動応答システムにやり直しを指示し(ステップ817)、自動応答システムは必要な操作の判断を再度行う。
【0046】また、アドバイス後の利用者による操作(ステップ816)により、疑問点がすべて解決した場合は、利用者は通話終了ボタンを押す(ステップ809)ことにより、回線が切断され(ステップ810)、ガイダンスを終了する。疑問点が解決していない場合は、再度ヘルプボタン102を押すことにより、ガイダンスセンター105に設けた自動応答システムに対して、新たな操作を加えた状態での必要な操作の判断を指示し(ステップ817)、これを必要なだけ繰り返す。
【0047】以上に述べてきた方法により、利用者が簡単に携帯電話等の端末の適切な操作方法を知ることができる。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、携帯電話等の通信端末の利用者が、簡単な方法で端末の操作方法を知ることができる通信操作ガイダンスシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信操作ガイダンスシステムの構成を示す図、
【図2】本発明の第1の実施形態に係る通信操作ガイダンスシステムの動作を示すフロー図、
【図3】本発明の第2の実施形態に係る通信操作ガイダンスシステムの動作を示すフロー図、
【図4】本発明の第3の実施形態に係る通信操作ガイダンスシステムの動作を示すフロー図、
【図5】本発明の第3の実施形態に係る通信操作ガイダンスシステムの動作を示すフロー図、
【図6】本発明の第4の実施形態に係る通信操作ガイダンスシステムの動作を示すフロー図、
【図7】本発明の第4の実施形態に係る通信操作ガイダンスシステムの動作を示すフロー図、
【図8】本発明の第5の実施形態に係る通信操作ガイダンスシステムの動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
101 携帯電話等の端末
102 ヘルプボタン
103 基地局
104 通信網
105 ガイダンスセンター
106 オペレータ
107 オペレータ端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】 端末に専用または兼用のヘルプボタンを有し、前記ヘルプボタンを押すことにより、センターと接続され、センターのオペレータが音声によるガイダンスを行うことを特徴とする通信操作ガイダンスシステム。
【請求項2】 ガイダンス中に、前記ヘルプボタンが押される前の操作、またはガイダンス中の操作内容をセンターに送ることができるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の通信操作ガイダンスシステム。
【請求項3】 オペレータの音声によるガイダンスのみでなく、センターのオペレータの操作により端末側の画面表示またはボタンの発光等で操作方法を案内表示することを特徴とする請求項1または2に記載の通信操作ガイダンスシステム。
【請求項4】 オペレータの音声によるガイダンスのみでなく、センターのオペレータの操作により端末を実際に動かしてみせることを特徴とする請求項1または2に記載の通信操作ガイダンスシステム。
【請求項5】 オペレータの音声によるガイダンスではなく、センターに設けられた自動応答システムにより、次の操作を判断して端末側に画面表示またはボタンの発光等で操作方法をガイドすることを特徴とする請求項1に記載の通信操作ガイダンスシステム。
【請求項6】 専用または兼用のヘルプボタンと、前記ヘルプボタンを押すことによりセンターのオペレータに接続される自動接続手段と、前記センターのオペレータによる操作ガイダンスを音声でガイドする音声ガイダンス手段とを備えた通信端末。
【請求項7】 前記ヘルプボタンを押す前の操作内容を記憶する操作前記憶手段と、前記操作ガイダンス中の端末における操作内容を前記センターに送信する操作内容送信手段を備えた請求項6に記載の通信端末。
【請求項8】 オペレータによる音声以外の操作ガイダンスがあった場合に、操作方法を案内表示する案内表示手段を備えた請求項6に記載の通信端末。
【請求項9】 オペレータによる音声以外の操作ガイダンスがあった場合に、オペレータの操作を再現する再現手段を備えた請求項6に記載の通信端末。

【図1】
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【図5】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2002−142028(P2002−142028A)
【公開日】平成14年5月17日(2002.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−336299(P2000−336299)
【出願日】平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】