通信端末装置、通信端末装置の表示制御方法およびプログラム
【課題】秘匿したい人物を設定する必要をなくし、プライバシーを保護すると同時に安定的な人間関係を維持する。
【解決手段】通信端末装置は、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定ルールを記憶する人物推定ルール記憶部1と、人物推定ルールに基づき、オブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定部2と、人物推定部2によって推定された人物が見ることを前提として、オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定部3とを備えている。
【解決手段】通信端末装置は、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定ルールを記憶する人物推定ルール記憶部1と、人物推定ルールに基づき、オブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定部2と、人物推定部2によって推定された人物が見ることを前提として、オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定部3とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置、通信端末装置の表示制御方法およびプログラムに関し、特にプライバシーの保護方法の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プライバシー保護に関する通信端末装置は数多く考案されている。
特許文献1には、標準的なシークレットモードについて記載されている。特許文献1に記載されたシークレットモードを使った方式は、あらかじめ指定された秘匿対象人物に関するオブジェクトを提示されないようにフィルタリングして提示する方式である。
特許文献2には、メール数を確認する方法における標準的なシークレットモードについて記載されている。
特許文献3には、シークレット状態と通常状態を簡単に切り換えられるシークレットモードについて記載されている。このシークレット状態における構成は、基本的に、標準的なシークレットモードと同じである。
【0003】
特許文献4には、代替メールを表示するシークレットモードについて記載されている。
特許文献5には、代替メールを着信時に表示するシークレットモードについて記載されている。
特許文献6には、代替人物名を表示するシークレットモードについて記載されている。
特許文献7には、ダミー情報を表示するシークレットモードについて記載されている。特許文献7には、対象オブジェクトとして、電話帳情報、スケジュール情報、データフォルダ情報、発信履歴情報、着信履歴情報が挙げられている。また、ダミー情報には、あらかじめインストールされている情報のほかに、実情報を基にユーザが加工しておいた情報も含まれている。
【0004】
特許文献8には、秘匿対象人物を動的に指定できるシークレットモードについて記載されている。秘匿対象人物はあらかじめユーザによって設定されており、ユーザが設定したボタン手順を押すことにより、その人物を秘匿することができる。特許文献8には、人物を秘匿するためのトリガとして、ボタンを押す手順、ボタンを一定時間押す手順、形状を変更する手順、が挙げられている。
以上の関連方式を基本的な構成に従い分類すると、以下の関連方式1、関連方式2、関連方式3の3パターンに分別できる。
【0005】
[関連方式1]
特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された方式は、標準的なシークレットモードを使う方式であると分類できる。これらの特許文献1〜3に記載された方式を、関連方式1と呼ぶことにする。図15は関連方式1の通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【0006】
関連方式1の通信端末装置は、ユーザが秘匿したい対象となる人物を予め指示しておくことができる秘匿対象人物指示部100と、秘匿対象人物指示部100によって指示された秘匿対象人物を記憶しておく秘匿対象人物記憶部101と、電話帳情報やメール等のオブジェクトを記憶しておくオブジェクト記憶部102と、オブジェクト記憶部102に記憶されているオブジェクトの集合から、前記秘匿対象人物に該当する人物のオブジェクトが含まれないようにフィルタリングするオブジェクトフィルタ部103と、オブジェクトフィルタ部103によりフィルタリングされたオブジェクトを画面表示や音声読み上げ等により提示するオブジェクト提示部104とを備えている。
【0007】
[関連方式2]
特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7に記載された方式は、置換を行うシークレットモードを使う方式であると分類できる。これらの特許文献4〜7に記載された方式を、関連方式2と呼ぶことにする。図16は関連方式2の通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【0008】
関連方式2の通信端末装置は、ユーザが秘匿したい対象となる人物を予め指示しておくことができる秘匿対象人物指示部200と、秘匿対象人物指示部200によって指示された秘匿対象人物を記憶しておく秘匿対象人物記憶部201と、電話帳情報やメール等のオブジェクトを記憶しておくオブジェクト記憶部202と、偽装用電話帳情報や偽装用メール等の偽装用オブジェクトを記憶しておく偽装用オブジェクト記憶部203と、オブジェクト記憶部202に記憶されているオブジェクトの集合の中で、前記秘匿対象人物に該当する人物のオブジェクトを前記偽装用オブジェクトに置き換えるオブジェクト置換部204と、オブジェクト置換部204により置換されたオブジェクトを画面表示や音声読み上げ等により提示するオブジェクト提示部205とを備えている。
【0009】
[関連方式3]
特許文献8に記載された方式は、秘匿対象人物を動的に指定できるシークレットモードを使う方式であると分類できる。この特許文献8に記載された方式を、関連方式3と呼ぶことにする。図17は関連方式3の通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【0010】
関連方式3の通信端末装置は、ユーザがボタン操作するためのキー操作部300と、ユーザが秘匿したい対象となる人物と秘匿するトリガとなるボタン手順との対応関係を予め指示しておくことができる秘匿対象人物対応指示部301と、秘匿対象人物対応指示部301によって指示された前記対応関係を記憶しておく秘匿対象人物対応記憶部302と、キー操作部300によって入力されたボタン操作と、秘匿対象人物対応記憶部302に蓄えられている前期対応関係とが一致した人物を秘匿対象人物として決定する秘匿対象人物決定部303と、電話帳情報やメール等のオブジェクトを記憶しておくオブジェクト記憶部304と、オブジェクト記憶部304に記憶されているオブジェクトの集合から、秘匿対象人物決定部303によって決定された前記秘匿対象人物のオブジェクトが含まれないようにフィルタリングするオブジェクトフィルタ部305と、オブジェクトフィルタ部305によりフィルタリングされたオブジェクトを画面表示や音声読み上げ等により提示するオブジェクト提示部306とを備えている。
【0011】
【特許文献1】特開2003−32353号公報
【特許文献2】特開2005−57370号公報
【特許文献3】特開2005−348038号公報
【特許文献4】特開2004−178238号公報
【特許文献5】特開2004−328552号公報
【特許文献6】特開2005−20204号公報
【特許文献7】特開2007−179343号公報
【特許文献8】特開2006−173899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した関連方式の通信端末装置では、次のような問題点があった。
近年の携帯電話の情報量増大や機能向上に伴い、シークレットモードで秘匿したい対象を場面に応じて変化させたい、という要求が発生している。例えば、会社では子供のメールは他人に見られたくないが、仕事のメールは見られても構わないという要求があり、一方、自宅では仕事のメールは他人に見られたくないが、子供のメールは見られても構わないという要求がある。
【0013】
したがって、利用履歴を分析表示してくれるような携帯電話機能があったとしても、友達グループごとに秘匿したい人物が異なる女子高校生などのユーザは、自分の携帯電話機を他人に見せて楽しむことができない。また、多様な交友関係を持つユーザにとっては、自分の携帯電話機を覗かれるのが心配なため、携帯電話機を肌身から離すことができないという問題がある。
【0014】
このような問題を解決するために、携帯電話機の情報をセキュリティ機能で保護しようとすると、設定に手間がかかるという問題がある。また、セキュリティ機能で情報を保護していることが他人に知られると、大変な隠し事をしているかのような印象を与えやすい。
【0015】
以上の問題は、従来の携帯電話機におけるシークレットモードでは解決されていなかった。
第1の理由は、秘匿したい人物をあらかじめ設定しておく必要があったためである。
第2の理由は、関連方式1や関連方式2の技術では、秘匿したい人物を切り替えることができないためである。
第3の理由は、関連方式3の技術では、あらかじめ設定しておくべき項目が多く、さらに秘匿対象人物をユーザがその場で明示的に指定する必要があったためである。
【0016】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、秘匿したい人物をあらかじめ設定しなくても、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物に対して秘匿したい人物を切り替えることができ、プライバシーを保護すると同時に安定的な人間関係を維持することができる通信端末装置、通信端末装置の表示制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の通信端末装置は、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定ルールを記憶する人物推定ルール記憶手段と、前記人物推定ルールに基づき、前記オブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定手段と、前記人物推定手段によって推定された人物が見ることを前提として、前記オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容で前記オブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例において、前記オブジェクト処理方法決定手段は、前記人物推定手段によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するように前記処理内容を決定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例において、前記オブジェクト処理方法決定手段は、前記人物推定手段によって推定された人物が見ることを前提として前記オブジェクトを変換することを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、前記オブジェクトが見られようとしている時間の情報を取得する状況検知手段を備え、前記人物推定手段は、前記時間の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、前記オブジェクトが見られようとしている場所の情報を取得する状況検知手段を備え、前記人物推定手段は、前記場所の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、前記オブジェクトが見られようとしている場面を示すプレゼンス情報を取得する状況検知手段を備え、前記人物推定手段は、前記プレゼンス情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、前記オブジェクトを見ようとする人物又は見せようとする人物が認証に利用する体の部位情報を取得する認証手段を備え、前記人物推定手段は、前記体の部位情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、通信端末装置の運動又は姿勢の情報を取得する運動検知手段を備え、前記人物推定手段は、前記運動又は姿勢の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、外部無線機器からの指示内容を取得する無線指示認識手段を備え、前記人物推定手段は、前記指示内容と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、周囲の環境から集音された音声に対して音声認識を行い音声認識情報を取得する音声認識手段を備え、前記人物推定手段は、前記音声認識情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法は、予め記憶された人物推定ルールに基づき、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定手順と、前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として、前記オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容で前記オブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定手順とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例において、前記オブジェクト処理方法決定手順は、前記人物推定手順によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するように前記処理内容を決定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例において、前記オブジェクト処理方法決定手順は、前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として前記オブジェクトを変換することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている時間の情報を取得する状況検知手順を備え、前記人物推定手順は、前記時間の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている場所の情報を取得する状況検知手順を備え、前記人物推定手順は、前記場所の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている場面を示すプレゼンス情報を取得する状況検知手順を備え、前記人物推定手順は、前記プレゼンス情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトを見ようとする人物又は見せようとする人物が認証に利用する体の部位情報を取得する認証手順を備え、前記人物推定手順は、前記体の部位情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、通信端末装置の運動又は姿勢の情報を取得する運動検知手順を備え、前記人物推定手順は、前記運動又は姿勢の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、外部無線機器からの指示内容を取得する無線指示認識手順を備え、前記人物推定手順は、前記指示内容と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、周囲の環境から集音された音声に対して音声認識を行い音声認識情報を取得する音声認識手順を備え、前記人物推定手順は、前記音声認識情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の通信端末装置プログラムは、予め記憶された人物推定ルールに基づき、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定手順と、前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として、前記オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容で前記オブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定手順とを、コンピュータに実行させるようにしたものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、関連方式のようにユーザが秘匿したい人物を秘匿対象人物として予め指示しておく必要がなく、オブジェクトを見ようとする人物を人物推定手段によって推定できるため、この推定された人物が通信端末装置を見ることを前提としてオブジェクトを変換することにより、秘匿したい人物をあらかじめ設定しなくても、オブジェクトを見ようとする人物に対して秘匿したい人物を切り替えることができる。その結果、本発明では、通信端末装置のユーザがあらかじめ設定しておくべき項目を少なくすることができ、さらに秘匿対象人物をユーザがその場で明示的に指定することを最小限に抑えることができるので、プライバシーを保護すると同時に安定的な人間関係を維持できるという効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[第1の実施の形態]
以下、添付図面を参照して、好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の通信端末装置は、図1に示すように、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定ルールを記憶する人物推定ルール記憶部1と、人物推定ルールに基づき、オブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定部2と、人物推定部2によって推定された人物が見ることを前提として、オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定部3とを備えている。
【0024】
なお、携帯電話機等の通信端末装置にとって、例えば基地局装置との間で通信を行う送受信部、スピーカ、マイク、キー操作部、表示部等の構成は周知の技術であるので、これらの構成は図1では記載を省略している。
【0025】
図2は本実施の形態の通信端末装置の動作を示すフローチャートである。通信端末装置の人物推定部2は、通信端末装置のオブジェクトを見ようとする状況が人物推定ルール記憶部1に記憶された人物推定ルールの条件に一致するかどうかを判断し(図2ステップS1)、条件が一致した人物推定ルールが存在する場合は、その人物推定ルールに基づいて、オブジェクトを見ようとする人物を推定する(ステップS2)。
【0026】
そして、オブジェクト処理方法決定部3は、人物推定部2によって推定された人物が見ることを前提として、オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを変換する(ステップS3)。
また、オブジェクト処理方法決定部3は、ステップS1において条件が一致したルールが存在しない場合や人物が推定できない場合は、オブジェクトを変換しないか又はデフォルトのオブジェクト変換を行う(ステップS4)。
【0027】
以下、通信端末装置の各構成の動作についてより詳細に説明する。
人物推定ルール記憶部1は、人物推定ルールを予め記憶している。人物推定ルールは、人物推定に利用する情報から、オブジェクトを見ようとする人物を推定するためのものである。
人物推定に利用する情報としては、オブジェクトを見ようとする時間の情報、オブジェクトを見ようとする場所の情報、オブジェクトを見ようとする場面を示すプレゼンス情報、オブジェクトを見ようとする人物が認証に利用する体の部位情報、通信端末装置の運動又は姿勢の情報、外部無線機器からの指示内容、音声認識情報、パスワード欄入力内容、ユーザの明示的設定情報、ボタンの押し方、通信端末装置の状態変形の情報などがある。
【0028】
人物推定部2は、これらのうち利用可能な情報と人物推定ルールに基づいて、オブジェクトを見ようとする人物を推定する。
オブジェクト処理方法決定部3は、通信端末装置が管理するオブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを処理する。オブジェクトの例としては、電話帳、メール、ユーザや他の人物のプロフィール、公開用ページ、スケジュール帳、写真、動画、音声、対象人物関係ファイルなどがある。オブジェクト処理方法決定部3は、人物推定部2によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するようにオブジェクトを変換する。
【0029】
以上のように、本実施の形態では、図15〜図17に示した関連方式のようにユーザが秘匿したい人物を秘匿対象人物として予め指示しておく必要がなく、オブジェクトを見ようとする人物を人物推定部2によって推定できるため、この推定された人物が通信端末装置を見ることを前提としてオブジェクトを変換することにより、秘匿したい人物をあらかじめ設定しなくても、オブジェクトを見ようとする人物に対して秘匿したい人物を切り替えることができる。その結果、本実施の形態では、通信端末装置のユーザがあらかじめ設定しておくべき項目を少なくすることができ、さらに秘匿対象人物をユーザがその場で明示的に指定することを最小限に抑えることができるので、プライバシーを保護すると同時に安定的な人間関係を維持できるという効果を得ることができる。
【0030】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態をより具体的に説明するものである。図3は本発明の第2の実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図であり、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。
【0031】
本実施の形態の通信端末装置は、図3に示すように、人物推定ルールを予め記憶する人物推定ルール記憶部1と、後述するキー操作部4、認証部5、状況検知部6、運動検知部7、音声認識部8、無線指示認識部9、変形検知部10のうち少なくとも1つからの情報を入力として、人物推定ルールに基づき人物を推定する人物推定部2と、人物推定部2によって推定された人物が見ることを前提として、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定部3と、ユーザがボタンやタッチペン等で操作するためのキー操作部4と、通信端末装置の利用者を認証するための認証部5と、オブジェクトを見ようとする時間や場所等の状況を検知する状況検知部6と、通信端末装置の運動又は姿勢を検知する運動検知部7と、周囲の環境から集音された音声に対して音声認識処理を行う音声認識部8と、外部無線機器からの指示内容を認識する無線指示認識部9と、通信端末装置の変形を検知する変形検知部10と、電話帳情報や送受信メール等のオブジェクトを記憶しておくオブジェクト記憶部11と、オブジェクト処理方法決定部3により変換されたオブジェクトを画面表示や音声読み上げ等により提示するオブジェクト提示部12とを備えている。
【0032】
なお、携帯電話機等の通信端末装置にとって、例えば基地局装置との間で通信を行う送受信部、スピーカ、マイク等の構成は周知の技術であるので、これらの構成は図3では記載を省略している。
【0033】
図4は本実施の形態の通信端末装置の動作を示すフローチャートである。通信端末装置のキー操作部4、認証部5、状況検知部6、運動検知部7、音声認識部8、無線指示認識部9、および変形検知部10は、オブジェクトを見ようとする人物の推定に利用可能な情報を取得する(図4ステップS10)。
【0034】
人物推定部2は、通信端末装置のオブジェクトを見ようとする状況が人物推定ルール記憶部1に記憶された人物推定ルールの条件に一致するかどうかを判断し(ステップS11)、条件が一致した人物推定ルールが存在する場合は、その人物推定ルールに基づいて、オブジェクトを見ようとする人物を推定する(ステップS12)。
【0035】
そして、オブジェクト処理方法決定部3は、人物推定部2によって推定された人物が見ることを前提として、オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを変換する(ステップS13)。
また、オブジェクト処理方法決定部3は、ステップS11において条件が一致したルールが存在しない場合や人物が推定できない場合は、オブジェクトを変換しないか又はデフォルトのオブジェクト変換を行う(ステップS14)。
【0036】
ステップS13又はS14の処理後、オブジェクト提示部12は、従来の携帯電話機と同様の表示方法に従い、オブジェクトを提示する(ステップS15)。
【0037】
以下、通信端末装置の各構成の動作についてより詳細に説明する。第1の実施の形態と同様に、人物推定ルール記憶部1は、人物推定ルールをあらかじめ記憶している。
図5〜図7は、場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【0038】
図5に示すテーブル20は、通信端末装置のユーザと他者との関係を示す人間関係カテゴリと、その人間関係カテゴリに属する人に遭遇しやすい場所や時間とを対応付けたものであり、オブジェクトを見ようとする場所や時間の情報からユーザとオブジェクトを見ようとする人物との人間関係を推定するためのものである。
【0039】
状況検知部6は、通信端末装置に備えられている時計機能を利用して、日時の情報を取得し人物推定部2に通知する。状況検知部6による場所の情報の取得の仕方については後述する。
【0040】
テーブル20によれば、例えばユーザの配偶者であれば自宅で遭遇しやすく、クラスメートであれば昼の時間帯に学校で遭遇しやすいことが分かる。逆に、オブジェクトを見ようとする場所が自宅であれば、オブジェクトを見ようとする人物が配偶者である確率が高く、場所が学校で時間帯が昼であれば人物がクラスメートである確率が高いことが分かる。さらに言えば、場所が自宅であれば、オブジェクトを見ようとする人物である確率が高いのは配偶者だけでなく、子供や親である確率も高いことがルールとして利用できる。なお、時間の情報については、「夕方」のように抽象的な時間帯でなく、時間を直にテーブル20に登録することも可能である。
【0041】
図6に示すテーブル21は、人物の名前と、人間関係カテゴリ又は人間関係のグループとを対応付けたものであり、ユーザとの人間関係からオブジェクトを見ようとする人物を推定するためのものである。テーブル20とテーブル21を組み合わせることにより、人物を推定することができる。例えば場所が自宅であれば、テーブル20により、オブジェクトを見ようとする人物が配偶者、子供、親のいずれかであることが分かり、テーブル21に配偶者の名前として「佐藤ゆき」が登録されているので、人物が「佐藤ゆき」である確率が高いことが分かる。また、場所が会社であれば、テーブル20により、オブジェクトを見ようとする人物が会社同僚であることが分かり、テーブル21に会社同僚の名前として「鈴木太郎」が登録されているので、人物が「鈴木太郎」である確率が高いことが分かる。
【0042】
人間関係カテゴリとしては、配偶者、子供、親、恋人、友人、会社同僚、クラスメート、サークル仲間、家族、親戚等がある。
また、性別情報もシークレット変換方法としては活用価値が高いので、人間関係カテゴリに性別情報を加えてもよい。たとえば、通信端末装置のユーザが男性で、オブジェクトを見ようとする人物が女性であれば、ユーザの女性の知り合いの名前を男性の名前に変換することで、オブジェクトを見ようとする人物に不要な心配をかけないですむように安全性を向上できるという効果がある。このように、名前と直接関連付けることによって、ユーザとその人物との親密度を実際以上に高く表示したり、その人物から来たメールやアドレス帳を変更して怪しまれることなく、他の人物のメールやアドレス帳を変更することができる。
【0043】
図5、図6に示したような人物推定ルールは、通信端末装置のメーカが予め用意しておくこともできるし、ユーザに編集させることもできる。人物推定ルールをユーザに編集させることで、ユーザならではの人物推定ルールが作成でき、人物の推定精度が向上する効果が得られる。人物推定ルールをユーザに知らせることで、ユーザに安心して使ってもらえる効果も得られる。
【0044】
図7に示すテーブル22は、場所と基地局IDとを対応付けたものであり、携帯電話基地局や無線LANスポット等の識別子である基地局IDから、オブジェクトを見ようとする場所を推定するためのものである。
【0045】
状況検知部6は、携帯電話基地局や無線LANスポット等の識別子を検索キーとしてテーブル22を検索することにより、場所を推定することができる。勿論、状況検知部6は、テーブル22を使用せずに、GPS(Global Positioning System )等による緯度経度情報のような直接的な手法によって場所を推定することも可能である。
【0046】
図8は、場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの他の例を示す図である。図8に示すテーブル23は、人物の名前と、その人物に遭遇しやすい場所や時間とを対応付けたものであり、オブジェクトを見ようとする場所や時間の情報からユーザとオブジェクトを見ようとする人物との人間関係を推定するためのものである。テーブル23によれば、場所条件として学校や自宅のような意味を持つ属性でなく、基地局IDや緯度経度情報、時間等の情報から人物を直接推定することができる。テーブル20と同様に、時間の情報については、「夕方」のように抽象的な時間帯でなく、時間を直にテーブル23に登録することも可能である。
【0047】
図9は、場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの他の例を示す図であり、ルールがテーブルのようなデータ形式でなく、プログラムに埋め込まれている例を示す図である。このように、人物推定ルールを、データファイルのような可読な形式でなく、プログラムに埋め込むことも可能である。
【0048】
図10は、通信端末装置のオブジェクトを見ようとする状況の場面を示すプレゼンス情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。図10に示すテーブル24は、人間関係カテゴリと、その人間関係カテゴリに属する人に遭遇しやすいプレゼンスとを対応付けたものであり、前記のテーブル20の代わりに用いるものである。このように、場所や時間帯から人物を直接推定するほかに、抽象的なプレゼンス情報から人物を推定することもできる。
【0049】
状況検知部6は、例えば日時の情報からプレゼンス情報を推定する。また、状況検知部6は、ユーザから指定されたプレゼンス情報を取得することも可能である。ユーザにプレゼンス情報を指定させることで、従来のセンサでは検知できなかったレベルで、状況を知ることができる。プレゼンス情報としては、「ビジネス」、「プライベート」のような言葉でなく、絵やアイコンでも構わない。また、ユーザが通信端末装置に対して指定した「マナーモード中」、「ドライブモード中」等といった情報をプレゼンス情報として取得することもできる。
【0050】
図11は、振り方や振動、加速度、角加速度、速度、角度、姿勢、磁界等の通信端末装置の加速度・姿勢関連の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。図11に示すテーブル25は、人物の名前と、その人物が行う確率が高い通信端末装置の振り方・姿勢の情報とを対応付けたものである。
【0051】
運動検知部7は、図示しない内部のセンサによって、通信端末装置の振り方や振動、加速度、角加速度、速度、角度、姿勢、通信端末装置に印加される磁界等の情報を取得し人物推定部2に通知する。
【0052】
テーブル25によれば、ユーザ以外の他の人物が通信端末装置を振る場合でも、通信端末装置のユーザが振る場合でも、両者でシークレットモード切り替えを有効にできる。例えばユーザが、通信端末装置を縦に振れば、通信端末装置は自装置を振った人物を「鈴木太郎」であると見なすので、この人物用のシークレットモード(オブジェクト処理)が起動する。これにより、ユーザは、この人物に対して通信端末装置の情報を秘匿することができる。通信端末装置を振ることとシークレットモードにすることに関連があると気付かれる可能性は低いため、気付かれずに切り替えられるという効果がある。
【0053】
図12は、認証に利用する体の部位情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。図12に示すテーブル26は、人物の名前と、その人物が認証に利用する体の部位情報とを対応付けたものである。なお、テーブル26に登録された体の部位情報は、右手人指し指や右目などといった人間にとって分かり易い形式で登録されたものであり、実際にはこれらの部位情報に対応して、指紋、虹彩パターン、静脈パターンなどの生体情報が人物推定ルール記憶部1に登録されている。また、登録する体の部位情報および生体情報は、人物のものである必要はなく、通信端末装置のユーザのものであってもよい。
【0054】
認証部5は、オブジェクトを見ようとする人物の認証時に図示しない指紋センサやカメラによって、この人物の指紋や虹彩パターン、静脈パターンの情報を取得し人物推定部2に通知する。
【0055】
テーブル26によれば、取得した指紋や虹彩パターン、静脈パターンから人物を推定することができる。また、テーブル26によれば、ユーザ以外の他の人物の体の部位を利用する場合でも、通信端末装置のユーザの体の部位を利用する場合でも、両者でシークレットモード切り替えを有効にできる。例えばユーザが右手人指し指を使って認証を行えば、通信端末装置は認証した人物を「佐藤ゆき」であると見なすので、この人物用のシークレットモードが起動する。これにより、ユーザは、この人物に対して通信端末装置の情報を秘匿することができる。認証に利用する体の部位とシークレットモードにすることに関連があると気付かれる可能性は低いため、人物に気付かれずに切り替えられるという効果がある。
【0056】
図13は、キーワードや文、センテンス等の音声認識情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。図13に示すテーブル27は、人物の名前と、その人物が発する可能性が高い音声認識語とを対応付けたものである。
音声認識部8は、図示しないマイクによって集音された音声の音声認識を行い、認識した言葉を人物推定部2に通知する。
【0057】
テーブル27によれば、音声認識部8が取得した音声認識語から人物を推定することができる。また、テーブル27によれば、ユーザが通信端末装置にパスワード的に話しかけてシークレットモードに切り替えるだけでなく、ユーザと他者との会話中の言葉によってシークレットモードに切り替えさせることも可能である。例えばユーザが「ブラスバンド」という言葉を発すると、通信端末装置は人物を「田中雄大」であると見なすので、この人物用のシークレットモードが起動する。これにより、ユーザは、この人物に対して通信端末装置の情報を秘匿することができる。人間同士で話している会話とシークレットモードにすることに関連があると気付かれる可能性は低いため、気付かれずに切り替えられるという効果がある。また、音声認識語を他の情報と組み合わせることで、推定の精度を上げることも可能と考えられる。
【0058】
なお、人物推定ルール記憶部1に、人物の名前と外部無線機器の指示内容とを対応付けたテーブルを人物推定ルールとして登録してもよい。このテーブルによれば、外部無線機器の指示内容から人物を推定することができる。
無線指示認識部9は、図示しない送受信部が受信した情報から、外部無線機器の指示内容を取得する。
【0059】
また、人物推定ルール記憶部1に、人物の名前と通信端末装置の状態変形とを対応付けたテーブルを人物推定ルールとして登録してもよい。このテーブルによれば、通信端末装置の開閉等の状態変形に応じて人物を推定することができる。
変形検知部10は、通信端末装置の開閉等の状態変形を検知して人物推定部2に通知する。
【0060】
次に、人物推定部2の動作について説明する。人物推定部2は、キー操作部4、認証部5、状況検知部6、運動検知部7、音声認識部8、無線指示認識部9、変形検知部10のうち少なくとも1つからの情報を入力として、人物推定ルールに基づきオブジェクトを見ようとする人物を推定する。
【0061】
図5〜図7を用いる場合、人物推定部2は、状況検知部6からの情報により、オブジェクトを見ようとする状況(場所)が自宅であると認識すると、テーブル20の人物推定ルールから、オブジェクトを見ようとする人物が配偶者、子供、親のいずれかであると認識し、最終的にテーブル21の人物推定ルールから人物を「佐藤ゆき」であると推定する。また、人物推定部2は、オブジェクトを見ようとする状況(時間帯)が夕方であると認識すると、テーブル20の人物推定ルールから、オブジェクトを見ようとする人物がサークル仲間であると認識し、最終的にテーブル21の人物推定ルールから人物を「田中雄大」又は「加藤りか」であると推定する。
【0062】
図8を用いる場合、人物推定部2は、状況検知部6からの情報により、オブジェクトを見ようとする状況(場所)を示す場所IDがXXX1であると認識すると、テーブル23の人物推定ルールから、オブジェクトを見ようとする人物が「佐藤ゆき」であると推定する。また、人物推定部2は、オブジェクトを見ようとする状況(時間帯)が夕方であると認識すると、テーブル23の人物推定ルールから、オブジェクトを見ようとする人物が「田中雄大」又は「加藤りか」であると推定する。
【0063】
図9を用いる場合、人物推定部2は、状況検知部6からの情報により、オブジェクトを見ようとする状況(場所)が自宅であると認識すると、オブジェクトを見ようとする人物を配偶者であると推定する。また、人物推定部2は、オブジェクトを見ようとする状況(時間帯)が夕方であると認識すると、オブジェクトを見ようとする人物をサークル仲間であると推定する。
【0064】
人物推定に利用する情報の例を以下に示す。人物推定に利用する情報としては、オブジェクトを見ようとする時間の情報、場所の情報、プレゼンス情報、認証に利用する体の部位情報、通信端末装置の運動又は姿勢の情報、外部無線機器からの指示内容、音声認識情報、パスワード欄入力内容、ユーザの明示的設定情報、ボタンの押し方、通信端末装置の状態変形の情報などがある。
【0065】
時間の情報としては、日付、時間、曜日、平日、休日、時間帯、季節等がある。例えば登校時間の情報を、クラスメート以外の親密度を相対的に下げるなどに利用することができる。これらの時間の情報は、先に述べたとおり、状況検知部6によって取得することができる。
【0066】
場所の情報としては、緯度、経度、GPSからの情報や基地局情報、無線アンテナ識別子等がある。例えば自宅という場所の情報を、配偶者以外の親密度を相対的に下げるなどに利用することができる。これらの時間の情報は、状況検知部6によって取得することができる。
【0067】
プレゼンス情報としては、プライベート、ビジネス、外出中、会議中、電車内、マナーモード中、ドライブモード中等がある。これらのプレゼンス情報は、先に述べたとおり、状況検知部6によって取得することもできるし、ユーザから指定されたプレゼンス情報を受けることもできる。
【0068】
認証に利用する体の部位情報としては、左右どちらかの手の指の指紋、左右どちらかの腕の静脈、左右どちらの目の虹彩等がある。これらの体の部位情報(実際には指紋、虹彩パターン、静脈パターン等の生体情報)は、オブジェクトを見ようとする人物の認証開始時に認証部5によって取得することができる。
【0069】
運動又は姿勢の情報としては、通信端末装置の振り方や振動、加速度、角加速度、速度、角度、姿勢、磁界等がある。これらの情報は、運動検知部7によって取得することができる。
【0070】
外部無線機器からの指示内容は、無線指示認識部9によって取得することができる。
音声認識情報としては、キーワードや文、センテンス等がある。これらの音声認識情報は、音声認識部8によって取得することができる。
パスワード欄入力内容としては、ユーザとの親密度が高くなるように偽装したい対象人物の名前等がある。このパスワード欄入力内容は、認証部5によって取得することができる。
【0071】
ユーザの明示的設定情報は、キー操作部4を操作するユーザによって設定される情報である。
ボタンの押し方の情報としては、キーのシーケンス、長押し等がある。これらの情報は、キー操作部4によって取得することができる。
通信端末装置の状態変形としては、通信端末装置の開閉等がある。この状態変形の情報は、変形検知部10によって取得することができる。
【0072】
オブジェクト記憶部11は、電話帳情報や送受信メール等のオブジェクトを記憶する。オブジェクトの例としては、電話帳、メール、ユーザや他の人物のプロフィール、公開用ページ、スケジュール帳、写真、動画、音声、対象人物関係ファイルなどがある。
【0073】
オブジェクト処理方法決定部3は、通信端末装置が管理するオブジェクト(通話着信や受信メールや電話帳項目を含む)に対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを処理する。
【0074】
本実施の形態では、オブジェクト処理方法決定部3は、人物推定部2によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するように、オブジェクト記憶部11に記憶されているオブジェクトの集合に対して、推定された人物の親密度ランキングを上げたり、推定された人物以外のメールやアドレス帳項目等のオブジェクトを削除したり、推定された人物以外のメールの特定の記号を削除したり文章を整形したり、推定された人物以外のアドレス帳のプロフィールや名前を変更したり、といったオブジェクトの変換を行う。
【0075】
オブジェクト処理方法決定部3は、以下のようにオブジェクトを変換し、例えば秘匿したい人物とユーザとの関係を相対的に低下させることにより、人物推定部2によって推定された人物とユーザとの関係を相対的に向上させることができる。
【0076】
メールの変換の例としては、絵文字や顔文字の削除、特定の記号の削除や削減、語尾の事務的表現への変更、メール内容の無機的内容への変更、メールの削除などがある。特定の記号としては、ハートマーク、音符マーク、「〜」等がある。語尾の事務的表現への変更の例としては、「まーす。」を「ます。」に変更したり、「ね。」を「と思います。」に変更したりする例が考えられる。メール内容の無機的内容への変更の例としては、「デート」を「打ち合わせ」に変更する例が考えられる。
【0077】
通信履歴の変換の例としては、メール回数・頻度の削減、通話回数・頻度の削減、場所滞在回数・頻度の削減などがある。
アドレス帳の変換の例としては、性別の変更、名前の変更、コメント・プロフィール等の削除や変更、写真・画像の削除や変更、エントリ(人物名とアドレス)の削除などがある。性別の変更の例としては、異性からユーザと同性に変更したり、性別を異性から未登録に変更したりする例が考えられる。名前の変更の例としては、異性の名前をユーザと同性の名前に変更する例が考えられる。
【0078】
親密度や親密度ランキングの変換の例としては、人物推定部2によって推定された人物以外の他者とユーザとの親密度や親密度ランキングを下げる例が考えられる。
人間関係カテゴリの変換の例としては、「恋人」を「友人」に変更したり、「友人」を「知り合い」に変更したり、「友人」を未登録に変更したりする例が考えられる。
【0079】
オブジェクト提示部12は、オブジェクト処理方法決定部3によって変換されたオブジェクトを提示する。オブジェクトの提示方法としては、画面表示(文字表示、グラフ表示、画像表示)や、音声による読み上げ等がある。
【0080】
[第3の実施の形態]
関連方式のオブジェクト処理方法決定部では、オブジェクトフィルタやオブジェクト置換しか行っていなかった。本発明で提案しているオブジェクト処理方法決定部3によれば、人物推定部2を持たずに、従来的な秘匿対象人物決定部とオブジェクト処理方法決定部3とオブジェクト提示部12という構成の通信端末装置においても、関連方式にない効果を有する。
【0081】
例えば、オブジェクト処理方法決定部3は、絵文字や顔文字の削除、特定の記号の削除や削減、語尾の事務的表現への変更などのオブジェクト変換を行うことができる。特定の記号としては、ハートマーク、音符マーク、「〜」等がある。語尾の事務的表現への変更の例としては、「まーす。」を「ます。」に変更したり、「ね。」を「と思います。」に変更したりする例が考えられる。
【0082】
関連方式であれば、メール自体を存在しないように隠蔽するか、まったく別のメールに置換することしかできなかったため、メールの存在を知っていたり、本来のメールの内容を知っていたりする人物に対しては、不信感を増大させてしまうという問題があった。しかしながら、本実施の形態においては、文章の内容を変えずに、親しすぎる表現を通常の表現に置き換えることが可能であるため、メールの存在を知っていたり、メールの内容を知っていたりする人物に対しても、不信感を増大させることなく人間関係の安全性を向上させる効果が得られる。
【0083】
[第4の実施の形態]
本発明の別の実施の形態においては、電話が着信したときに、着信したことを明示せず、代わりに留守録で通知したりメールで着信通知したり、メールが着信したときに、メール着信を通知せず、別の状況になったときに通知したり、メールが着信していても、新着メールを示すLED表示やアイコン表示をせず、別の状況になったときに表示したりする、等のタイミングや伝達手段の変更を行うようにしてもよい。
【0084】
なお、第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、キー操作部4、認証部5、状況検知部6、運動検知部7、音声認識部8、無線指示認識部9および変形検知部10が情報を取得する契機となるトリガと、人物推定部2が人物推定を開始するトリガ(図2、図4の処理が開始されるトリガ)について明記していないが、このようなトリガはあってもよいし、なくてもよい。
【0085】
例えば通信端末装置に何らかのイベント(操作や電話・メールの発着信)が発生したときに状況検知部6が状況(時間、場所、プレゼンス)を取得して、人物推定部2が人物を推定してもよい。
また、認証部5はオブジェクトを見ようとする人物の認証開始をトリガとして、体の部位情報を取得して、人物推定部2が人物を推定してもよい。
【0086】
また、運動検知部7は通信端末装置の運動又は姿勢に変化が生じたときをトリガとして、運動又は姿勢の情報を取得して、人物推定部2が人物を推定してもよい。
また、無線指示認識部9が外部無線機器から所定の指示内容を受信したときをトリガとして、人物推定部2が人物を推定してもよい。
音声認識部8は、常時音声認識を行って、音声認識語を取得すればよい。
【0087】
また、第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、変換したオブジェクトを元に戻す動作について説明していないが、例えばオブジェクト記憶部11に保存用のオブジェクトと、このオブジェクトをコピーした提示用のオブジェクトとを格納しておき、オブジェクト処理方法決定部3で変換する場合には提示用のオブジェクトのみを変換して提示するようにすればよい。そして、通信端末装置のユーザからの指示に応じてオブジェクトを元に戻す場合には、オブジェクト処理方法決定部3が提示用のオブジェクトを保存用のオブジェクトで更新すればよい。これにより、オブジェクト処理方法決定部3で変換したオブジェクトを容易に元に戻すことができる。
【0088】
[第5の実施の形態]
第1の実施の形態〜第4の実施の形態の通信端末装置のうち、送受信部、スピーカ、マイク、センサ、キー操作部および表示部等を除く構成は、CPU、メモリおよび外部とのインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。
【0089】
図14はこのようなコンピュータの構成例を示すブロック図である。図14において、30はCPU、31はRAM(Random Access Memory)、32はROM(Read Only Memory)、33はインターフェイス装置(以下、I/Fと略する)である。
I/F33には、送受信部、スピーカ、マイク、センサ、キー操作部、表示部等が接続される。
【0090】
このようなコンピュータにおいて、本発明の表示制御方法を実現させるための通信端末装置プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供され、RAM31に格納される。あるいは、あらかじめROM32にプログラムを記憶させておいてもよい。CPU30は、RAM31あるいはROM32に格納されたプログラムに従って第1の実施の形態〜第4の実施の形態で説明した処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、携帯電話機等の通信端末装置においてプライバシーを保護する技術に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る通信端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る通信端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態において場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態において場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態において場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態において場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの他の例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態において場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの他の例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態においてプレゼンス情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態において加速度・姿勢関連の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態において認証に利用する体の部位情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態において音声認識情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態におけるコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図15】本発明に関連する方式の通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明に関連する他の方式の通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明に関連する他の方式の通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0093】
1…人物推定ルール記憶部、2…人物推定部、3…オブジェクト処理方法決定部、4…キー操作部、5…認証部、6…状況検知部、7…運動検知部、8…音声認識部、9…無線指示認識部、10…変形検知部、11…オブジェクト記憶部、12…オブジェクト提示部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信端末装置、通信端末装置の表示制御方法およびプログラムに関し、特にプライバシーの保護方法の改良に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プライバシー保護に関する通信端末装置は数多く考案されている。
特許文献1には、標準的なシークレットモードについて記載されている。特許文献1に記載されたシークレットモードを使った方式は、あらかじめ指定された秘匿対象人物に関するオブジェクトを提示されないようにフィルタリングして提示する方式である。
特許文献2には、メール数を確認する方法における標準的なシークレットモードについて記載されている。
特許文献3には、シークレット状態と通常状態を簡単に切り換えられるシークレットモードについて記載されている。このシークレット状態における構成は、基本的に、標準的なシークレットモードと同じである。
【0003】
特許文献4には、代替メールを表示するシークレットモードについて記載されている。
特許文献5には、代替メールを着信時に表示するシークレットモードについて記載されている。
特許文献6には、代替人物名を表示するシークレットモードについて記載されている。
特許文献7には、ダミー情報を表示するシークレットモードについて記載されている。特許文献7には、対象オブジェクトとして、電話帳情報、スケジュール情報、データフォルダ情報、発信履歴情報、着信履歴情報が挙げられている。また、ダミー情報には、あらかじめインストールされている情報のほかに、実情報を基にユーザが加工しておいた情報も含まれている。
【0004】
特許文献8には、秘匿対象人物を動的に指定できるシークレットモードについて記載されている。秘匿対象人物はあらかじめユーザによって設定されており、ユーザが設定したボタン手順を押すことにより、その人物を秘匿することができる。特許文献8には、人物を秘匿するためのトリガとして、ボタンを押す手順、ボタンを一定時間押す手順、形状を変更する手順、が挙げられている。
以上の関連方式を基本的な構成に従い分類すると、以下の関連方式1、関連方式2、関連方式3の3パターンに分別できる。
【0005】
[関連方式1]
特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載された方式は、標準的なシークレットモードを使う方式であると分類できる。これらの特許文献1〜3に記載された方式を、関連方式1と呼ぶことにする。図15は関連方式1の通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【0006】
関連方式1の通信端末装置は、ユーザが秘匿したい対象となる人物を予め指示しておくことができる秘匿対象人物指示部100と、秘匿対象人物指示部100によって指示された秘匿対象人物を記憶しておく秘匿対象人物記憶部101と、電話帳情報やメール等のオブジェクトを記憶しておくオブジェクト記憶部102と、オブジェクト記憶部102に記憶されているオブジェクトの集合から、前記秘匿対象人物に該当する人物のオブジェクトが含まれないようにフィルタリングするオブジェクトフィルタ部103と、オブジェクトフィルタ部103によりフィルタリングされたオブジェクトを画面表示や音声読み上げ等により提示するオブジェクト提示部104とを備えている。
【0007】
[関連方式2]
特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7に記載された方式は、置換を行うシークレットモードを使う方式であると分類できる。これらの特許文献4〜7に記載された方式を、関連方式2と呼ぶことにする。図16は関連方式2の通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【0008】
関連方式2の通信端末装置は、ユーザが秘匿したい対象となる人物を予め指示しておくことができる秘匿対象人物指示部200と、秘匿対象人物指示部200によって指示された秘匿対象人物を記憶しておく秘匿対象人物記憶部201と、電話帳情報やメール等のオブジェクトを記憶しておくオブジェクト記憶部202と、偽装用電話帳情報や偽装用メール等の偽装用オブジェクトを記憶しておく偽装用オブジェクト記憶部203と、オブジェクト記憶部202に記憶されているオブジェクトの集合の中で、前記秘匿対象人物に該当する人物のオブジェクトを前記偽装用オブジェクトに置き換えるオブジェクト置換部204と、オブジェクト置換部204により置換されたオブジェクトを画面表示や音声読み上げ等により提示するオブジェクト提示部205とを備えている。
【0009】
[関連方式3]
特許文献8に記載された方式は、秘匿対象人物を動的に指定できるシークレットモードを使う方式であると分類できる。この特許文献8に記載された方式を、関連方式3と呼ぶことにする。図17は関連方式3の通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【0010】
関連方式3の通信端末装置は、ユーザがボタン操作するためのキー操作部300と、ユーザが秘匿したい対象となる人物と秘匿するトリガとなるボタン手順との対応関係を予め指示しておくことができる秘匿対象人物対応指示部301と、秘匿対象人物対応指示部301によって指示された前記対応関係を記憶しておく秘匿対象人物対応記憶部302と、キー操作部300によって入力されたボタン操作と、秘匿対象人物対応記憶部302に蓄えられている前期対応関係とが一致した人物を秘匿対象人物として決定する秘匿対象人物決定部303と、電話帳情報やメール等のオブジェクトを記憶しておくオブジェクト記憶部304と、オブジェクト記憶部304に記憶されているオブジェクトの集合から、秘匿対象人物決定部303によって決定された前記秘匿対象人物のオブジェクトが含まれないようにフィルタリングするオブジェクトフィルタ部305と、オブジェクトフィルタ部305によりフィルタリングされたオブジェクトを画面表示や音声読み上げ等により提示するオブジェクト提示部306とを備えている。
【0011】
【特許文献1】特開2003−32353号公報
【特許文献2】特開2005−57370号公報
【特許文献3】特開2005−348038号公報
【特許文献4】特開2004−178238号公報
【特許文献5】特開2004−328552号公報
【特許文献6】特開2005−20204号公報
【特許文献7】特開2007−179343号公報
【特許文献8】特開2006−173899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述した関連方式の通信端末装置では、次のような問題点があった。
近年の携帯電話の情報量増大や機能向上に伴い、シークレットモードで秘匿したい対象を場面に応じて変化させたい、という要求が発生している。例えば、会社では子供のメールは他人に見られたくないが、仕事のメールは見られても構わないという要求があり、一方、自宅では仕事のメールは他人に見られたくないが、子供のメールは見られても構わないという要求がある。
【0013】
したがって、利用履歴を分析表示してくれるような携帯電話機能があったとしても、友達グループごとに秘匿したい人物が異なる女子高校生などのユーザは、自分の携帯電話機を他人に見せて楽しむことができない。また、多様な交友関係を持つユーザにとっては、自分の携帯電話機を覗かれるのが心配なため、携帯電話機を肌身から離すことができないという問題がある。
【0014】
このような問題を解決するために、携帯電話機の情報をセキュリティ機能で保護しようとすると、設定に手間がかかるという問題がある。また、セキュリティ機能で情報を保護していることが他人に知られると、大変な隠し事をしているかのような印象を与えやすい。
【0015】
以上の問題は、従来の携帯電話機におけるシークレットモードでは解決されていなかった。
第1の理由は、秘匿したい人物をあらかじめ設定しておく必要があったためである。
第2の理由は、関連方式1や関連方式2の技術では、秘匿したい人物を切り替えることができないためである。
第3の理由は、関連方式3の技術では、あらかじめ設定しておくべき項目が多く、さらに秘匿対象人物をユーザがその場で明示的に指定する必要があったためである。
【0016】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、秘匿したい人物をあらかじめ設定しなくても、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物に対して秘匿したい人物を切り替えることができ、プライバシーを保護すると同時に安定的な人間関係を維持することができる通信端末装置、通信端末装置の表示制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の通信端末装置は、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定ルールを記憶する人物推定ルール記憶手段と、前記人物推定ルールに基づき、前記オブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定手段と、前記人物推定手段によって推定された人物が見ることを前提として、前記オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容で前記オブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例において、前記オブジェクト処理方法決定手段は、前記人物推定手段によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するように前記処理内容を決定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例において、前記オブジェクト処理方法決定手段は、前記人物推定手段によって推定された人物が見ることを前提として前記オブジェクトを変換することを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、前記オブジェクトが見られようとしている時間の情報を取得する状況検知手段を備え、前記人物推定手段は、前記時間の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、前記オブジェクトが見られようとしている場所の情報を取得する状況検知手段を備え、前記人物推定手段は、前記場所の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、前記オブジェクトが見られようとしている場面を示すプレゼンス情報を取得する状況検知手段を備え、前記人物推定手段は、前記プレゼンス情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、前記オブジェクトを見ようとする人物又は見せようとする人物が認証に利用する体の部位情報を取得する認証手段を備え、前記人物推定手段は、前記体の部位情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、通信端末装置の運動又は姿勢の情報を取得する運動検知手段を備え、前記人物推定手段は、前記運動又は姿勢の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、外部無線機器からの指示内容を取得する無線指示認識手段を備え、前記人物推定手段は、前記指示内容と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の1構成例は、さらに、周囲の環境から集音された音声に対して音声認識を行い音声認識情報を取得する音声認識手段を備え、前記人物推定手段は、前記音声認識情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法は、予め記憶された人物推定ルールに基づき、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定手順と、前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として、前記オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容で前記オブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定手順とを備えたことを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例において、前記オブジェクト処理方法決定手順は、前記人物推定手順によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するように前記処理内容を決定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例において、前記オブジェクト処理方法決定手順は、前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として前記オブジェクトを変換することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている時間の情報を取得する状況検知手順を備え、前記人物推定手順は、前記時間の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている場所の情報を取得する状況検知手順を備え、前記人物推定手順は、前記場所の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている場面を示すプレゼンス情報を取得する状況検知手順を備え、前記人物推定手順は、前記プレゼンス情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトを見ようとする人物又は見せようとする人物が認証に利用する体の部位情報を取得する認証手順を備え、前記人物推定手順は、前記体の部位情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、通信端末装置の運動又は姿勢の情報を取得する運動検知手順を備え、前記人物推定手順は、前記運動又は姿勢の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、外部無線機器からの指示内容を取得する無線指示認識手順を備え、前記人物推定手順は、前記指示内容と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
また、本発明の通信端末装置の表示制御方法の1構成例は、さらに、前記人物推定手順の前に、周囲の環境から集音された音声に対して音声認識を行い音声認識情報を取得する音声認識手順を備え、前記人物推定手順は、前記音声認識情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の通信端末装置プログラムは、予め記憶された人物推定ルールに基づき、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定手順と、前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として、前記オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容で前記オブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定手順とを、コンピュータに実行させるようにしたものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、関連方式のようにユーザが秘匿したい人物を秘匿対象人物として予め指示しておく必要がなく、オブジェクトを見ようとする人物を人物推定手段によって推定できるため、この推定された人物が通信端末装置を見ることを前提としてオブジェクトを変換することにより、秘匿したい人物をあらかじめ設定しなくても、オブジェクトを見ようとする人物に対して秘匿したい人物を切り替えることができる。その結果、本発明では、通信端末装置のユーザがあらかじめ設定しておくべき項目を少なくすることができ、さらに秘匿対象人物をユーザがその場で明示的に指定することを最小限に抑えることができるので、プライバシーを保護すると同時に安定的な人間関係を維持できるという効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
[第1の実施の形態]
以下、添付図面を参照して、好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の通信端末装置は、図1に示すように、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定ルールを記憶する人物推定ルール記憶部1と、人物推定ルールに基づき、オブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定部2と、人物推定部2によって推定された人物が見ることを前提として、オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定部3とを備えている。
【0024】
なお、携帯電話機等の通信端末装置にとって、例えば基地局装置との間で通信を行う送受信部、スピーカ、マイク、キー操作部、表示部等の構成は周知の技術であるので、これらの構成は図1では記載を省略している。
【0025】
図2は本実施の形態の通信端末装置の動作を示すフローチャートである。通信端末装置の人物推定部2は、通信端末装置のオブジェクトを見ようとする状況が人物推定ルール記憶部1に記憶された人物推定ルールの条件に一致するかどうかを判断し(図2ステップS1)、条件が一致した人物推定ルールが存在する場合は、その人物推定ルールに基づいて、オブジェクトを見ようとする人物を推定する(ステップS2)。
【0026】
そして、オブジェクト処理方法決定部3は、人物推定部2によって推定された人物が見ることを前提として、オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを変換する(ステップS3)。
また、オブジェクト処理方法決定部3は、ステップS1において条件が一致したルールが存在しない場合や人物が推定できない場合は、オブジェクトを変換しないか又はデフォルトのオブジェクト変換を行う(ステップS4)。
【0027】
以下、通信端末装置の各構成の動作についてより詳細に説明する。
人物推定ルール記憶部1は、人物推定ルールを予め記憶している。人物推定ルールは、人物推定に利用する情報から、オブジェクトを見ようとする人物を推定するためのものである。
人物推定に利用する情報としては、オブジェクトを見ようとする時間の情報、オブジェクトを見ようとする場所の情報、オブジェクトを見ようとする場面を示すプレゼンス情報、オブジェクトを見ようとする人物が認証に利用する体の部位情報、通信端末装置の運動又は姿勢の情報、外部無線機器からの指示内容、音声認識情報、パスワード欄入力内容、ユーザの明示的設定情報、ボタンの押し方、通信端末装置の状態変形の情報などがある。
【0028】
人物推定部2は、これらのうち利用可能な情報と人物推定ルールに基づいて、オブジェクトを見ようとする人物を推定する。
オブジェクト処理方法決定部3は、通信端末装置が管理するオブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを処理する。オブジェクトの例としては、電話帳、メール、ユーザや他の人物のプロフィール、公開用ページ、スケジュール帳、写真、動画、音声、対象人物関係ファイルなどがある。オブジェクト処理方法決定部3は、人物推定部2によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するようにオブジェクトを変換する。
【0029】
以上のように、本実施の形態では、図15〜図17に示した関連方式のようにユーザが秘匿したい人物を秘匿対象人物として予め指示しておく必要がなく、オブジェクトを見ようとする人物を人物推定部2によって推定できるため、この推定された人物が通信端末装置を見ることを前提としてオブジェクトを変換することにより、秘匿したい人物をあらかじめ設定しなくても、オブジェクトを見ようとする人物に対して秘匿したい人物を切り替えることができる。その結果、本実施の形態では、通信端末装置のユーザがあらかじめ設定しておくべき項目を少なくすることができ、さらに秘匿対象人物をユーザがその場で明示的に指定することを最小限に抑えることができるので、プライバシーを保護すると同時に安定的な人間関係を維持できるという効果を得ることができる。
【0030】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態をより具体的に説明するものである。図3は本発明の第2の実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図であり、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。
【0031】
本実施の形態の通信端末装置は、図3に示すように、人物推定ルールを予め記憶する人物推定ルール記憶部1と、後述するキー操作部4、認証部5、状況検知部6、運動検知部7、音声認識部8、無線指示認識部9、変形検知部10のうち少なくとも1つからの情報を入力として、人物推定ルールに基づき人物を推定する人物推定部2と、人物推定部2によって推定された人物が見ることを前提として、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定部3と、ユーザがボタンやタッチペン等で操作するためのキー操作部4と、通信端末装置の利用者を認証するための認証部5と、オブジェクトを見ようとする時間や場所等の状況を検知する状況検知部6と、通信端末装置の運動又は姿勢を検知する運動検知部7と、周囲の環境から集音された音声に対して音声認識処理を行う音声認識部8と、外部無線機器からの指示内容を認識する無線指示認識部9と、通信端末装置の変形を検知する変形検知部10と、電話帳情報や送受信メール等のオブジェクトを記憶しておくオブジェクト記憶部11と、オブジェクト処理方法決定部3により変換されたオブジェクトを画面表示や音声読み上げ等により提示するオブジェクト提示部12とを備えている。
【0032】
なお、携帯電話機等の通信端末装置にとって、例えば基地局装置との間で通信を行う送受信部、スピーカ、マイク等の構成は周知の技術であるので、これらの構成は図3では記載を省略している。
【0033】
図4は本実施の形態の通信端末装置の動作を示すフローチャートである。通信端末装置のキー操作部4、認証部5、状況検知部6、運動検知部7、音声認識部8、無線指示認識部9、および変形検知部10は、オブジェクトを見ようとする人物の推定に利用可能な情報を取得する(図4ステップS10)。
【0034】
人物推定部2は、通信端末装置のオブジェクトを見ようとする状況が人物推定ルール記憶部1に記憶された人物推定ルールの条件に一致するかどうかを判断し(ステップS11)、条件が一致した人物推定ルールが存在する場合は、その人物推定ルールに基づいて、オブジェクトを見ようとする人物を推定する(ステップS12)。
【0035】
そして、オブジェクト処理方法決定部3は、人物推定部2によって推定された人物が見ることを前提として、オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを変換する(ステップS13)。
また、オブジェクト処理方法決定部3は、ステップS11において条件が一致したルールが存在しない場合や人物が推定できない場合は、オブジェクトを変換しないか又はデフォルトのオブジェクト変換を行う(ステップS14)。
【0036】
ステップS13又はS14の処理後、オブジェクト提示部12は、従来の携帯電話機と同様の表示方法に従い、オブジェクトを提示する(ステップS15)。
【0037】
以下、通信端末装置の各構成の動作についてより詳細に説明する。第1の実施の形態と同様に、人物推定ルール記憶部1は、人物推定ルールをあらかじめ記憶している。
図5〜図7は、場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【0038】
図5に示すテーブル20は、通信端末装置のユーザと他者との関係を示す人間関係カテゴリと、その人間関係カテゴリに属する人に遭遇しやすい場所や時間とを対応付けたものであり、オブジェクトを見ようとする場所や時間の情報からユーザとオブジェクトを見ようとする人物との人間関係を推定するためのものである。
【0039】
状況検知部6は、通信端末装置に備えられている時計機能を利用して、日時の情報を取得し人物推定部2に通知する。状況検知部6による場所の情報の取得の仕方については後述する。
【0040】
テーブル20によれば、例えばユーザの配偶者であれば自宅で遭遇しやすく、クラスメートであれば昼の時間帯に学校で遭遇しやすいことが分かる。逆に、オブジェクトを見ようとする場所が自宅であれば、オブジェクトを見ようとする人物が配偶者である確率が高く、場所が学校で時間帯が昼であれば人物がクラスメートである確率が高いことが分かる。さらに言えば、場所が自宅であれば、オブジェクトを見ようとする人物である確率が高いのは配偶者だけでなく、子供や親である確率も高いことがルールとして利用できる。なお、時間の情報については、「夕方」のように抽象的な時間帯でなく、時間を直にテーブル20に登録することも可能である。
【0041】
図6に示すテーブル21は、人物の名前と、人間関係カテゴリ又は人間関係のグループとを対応付けたものであり、ユーザとの人間関係からオブジェクトを見ようとする人物を推定するためのものである。テーブル20とテーブル21を組み合わせることにより、人物を推定することができる。例えば場所が自宅であれば、テーブル20により、オブジェクトを見ようとする人物が配偶者、子供、親のいずれかであることが分かり、テーブル21に配偶者の名前として「佐藤ゆき」が登録されているので、人物が「佐藤ゆき」である確率が高いことが分かる。また、場所が会社であれば、テーブル20により、オブジェクトを見ようとする人物が会社同僚であることが分かり、テーブル21に会社同僚の名前として「鈴木太郎」が登録されているので、人物が「鈴木太郎」である確率が高いことが分かる。
【0042】
人間関係カテゴリとしては、配偶者、子供、親、恋人、友人、会社同僚、クラスメート、サークル仲間、家族、親戚等がある。
また、性別情報もシークレット変換方法としては活用価値が高いので、人間関係カテゴリに性別情報を加えてもよい。たとえば、通信端末装置のユーザが男性で、オブジェクトを見ようとする人物が女性であれば、ユーザの女性の知り合いの名前を男性の名前に変換することで、オブジェクトを見ようとする人物に不要な心配をかけないですむように安全性を向上できるという効果がある。このように、名前と直接関連付けることによって、ユーザとその人物との親密度を実際以上に高く表示したり、その人物から来たメールやアドレス帳を変更して怪しまれることなく、他の人物のメールやアドレス帳を変更することができる。
【0043】
図5、図6に示したような人物推定ルールは、通信端末装置のメーカが予め用意しておくこともできるし、ユーザに編集させることもできる。人物推定ルールをユーザに編集させることで、ユーザならではの人物推定ルールが作成でき、人物の推定精度が向上する効果が得られる。人物推定ルールをユーザに知らせることで、ユーザに安心して使ってもらえる効果も得られる。
【0044】
図7に示すテーブル22は、場所と基地局IDとを対応付けたものであり、携帯電話基地局や無線LANスポット等の識別子である基地局IDから、オブジェクトを見ようとする場所を推定するためのものである。
【0045】
状況検知部6は、携帯電話基地局や無線LANスポット等の識別子を検索キーとしてテーブル22を検索することにより、場所を推定することができる。勿論、状況検知部6は、テーブル22を使用せずに、GPS(Global Positioning System )等による緯度経度情報のような直接的な手法によって場所を推定することも可能である。
【0046】
図8は、場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの他の例を示す図である。図8に示すテーブル23は、人物の名前と、その人物に遭遇しやすい場所や時間とを対応付けたものであり、オブジェクトを見ようとする場所や時間の情報からユーザとオブジェクトを見ようとする人物との人間関係を推定するためのものである。テーブル23によれば、場所条件として学校や自宅のような意味を持つ属性でなく、基地局IDや緯度経度情報、時間等の情報から人物を直接推定することができる。テーブル20と同様に、時間の情報については、「夕方」のように抽象的な時間帯でなく、時間を直にテーブル23に登録することも可能である。
【0047】
図9は、場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの他の例を示す図であり、ルールがテーブルのようなデータ形式でなく、プログラムに埋め込まれている例を示す図である。このように、人物推定ルールを、データファイルのような可読な形式でなく、プログラムに埋め込むことも可能である。
【0048】
図10は、通信端末装置のオブジェクトを見ようとする状況の場面を示すプレゼンス情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。図10に示すテーブル24は、人間関係カテゴリと、その人間関係カテゴリに属する人に遭遇しやすいプレゼンスとを対応付けたものであり、前記のテーブル20の代わりに用いるものである。このように、場所や時間帯から人物を直接推定するほかに、抽象的なプレゼンス情報から人物を推定することもできる。
【0049】
状況検知部6は、例えば日時の情報からプレゼンス情報を推定する。また、状況検知部6は、ユーザから指定されたプレゼンス情報を取得することも可能である。ユーザにプレゼンス情報を指定させることで、従来のセンサでは検知できなかったレベルで、状況を知ることができる。プレゼンス情報としては、「ビジネス」、「プライベート」のような言葉でなく、絵やアイコンでも構わない。また、ユーザが通信端末装置に対して指定した「マナーモード中」、「ドライブモード中」等といった情報をプレゼンス情報として取得することもできる。
【0050】
図11は、振り方や振動、加速度、角加速度、速度、角度、姿勢、磁界等の通信端末装置の加速度・姿勢関連の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。図11に示すテーブル25は、人物の名前と、その人物が行う確率が高い通信端末装置の振り方・姿勢の情報とを対応付けたものである。
【0051】
運動検知部7は、図示しない内部のセンサによって、通信端末装置の振り方や振動、加速度、角加速度、速度、角度、姿勢、通信端末装置に印加される磁界等の情報を取得し人物推定部2に通知する。
【0052】
テーブル25によれば、ユーザ以外の他の人物が通信端末装置を振る場合でも、通信端末装置のユーザが振る場合でも、両者でシークレットモード切り替えを有効にできる。例えばユーザが、通信端末装置を縦に振れば、通信端末装置は自装置を振った人物を「鈴木太郎」であると見なすので、この人物用のシークレットモード(オブジェクト処理)が起動する。これにより、ユーザは、この人物に対して通信端末装置の情報を秘匿することができる。通信端末装置を振ることとシークレットモードにすることに関連があると気付かれる可能性は低いため、気付かれずに切り替えられるという効果がある。
【0053】
図12は、認証に利用する体の部位情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。図12に示すテーブル26は、人物の名前と、その人物が認証に利用する体の部位情報とを対応付けたものである。なお、テーブル26に登録された体の部位情報は、右手人指し指や右目などといった人間にとって分かり易い形式で登録されたものであり、実際にはこれらの部位情報に対応して、指紋、虹彩パターン、静脈パターンなどの生体情報が人物推定ルール記憶部1に登録されている。また、登録する体の部位情報および生体情報は、人物のものである必要はなく、通信端末装置のユーザのものであってもよい。
【0054】
認証部5は、オブジェクトを見ようとする人物の認証時に図示しない指紋センサやカメラによって、この人物の指紋や虹彩パターン、静脈パターンの情報を取得し人物推定部2に通知する。
【0055】
テーブル26によれば、取得した指紋や虹彩パターン、静脈パターンから人物を推定することができる。また、テーブル26によれば、ユーザ以外の他の人物の体の部位を利用する場合でも、通信端末装置のユーザの体の部位を利用する場合でも、両者でシークレットモード切り替えを有効にできる。例えばユーザが右手人指し指を使って認証を行えば、通信端末装置は認証した人物を「佐藤ゆき」であると見なすので、この人物用のシークレットモードが起動する。これにより、ユーザは、この人物に対して通信端末装置の情報を秘匿することができる。認証に利用する体の部位とシークレットモードにすることに関連があると気付かれる可能性は低いため、人物に気付かれずに切り替えられるという効果がある。
【0056】
図13は、キーワードや文、センテンス等の音声認識情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。図13に示すテーブル27は、人物の名前と、その人物が発する可能性が高い音声認識語とを対応付けたものである。
音声認識部8は、図示しないマイクによって集音された音声の音声認識を行い、認識した言葉を人物推定部2に通知する。
【0057】
テーブル27によれば、音声認識部8が取得した音声認識語から人物を推定することができる。また、テーブル27によれば、ユーザが通信端末装置にパスワード的に話しかけてシークレットモードに切り替えるだけでなく、ユーザと他者との会話中の言葉によってシークレットモードに切り替えさせることも可能である。例えばユーザが「ブラスバンド」という言葉を発すると、通信端末装置は人物を「田中雄大」であると見なすので、この人物用のシークレットモードが起動する。これにより、ユーザは、この人物に対して通信端末装置の情報を秘匿することができる。人間同士で話している会話とシークレットモードにすることに関連があると気付かれる可能性は低いため、気付かれずに切り替えられるという効果がある。また、音声認識語を他の情報と組み合わせることで、推定の精度を上げることも可能と考えられる。
【0058】
なお、人物推定ルール記憶部1に、人物の名前と外部無線機器の指示内容とを対応付けたテーブルを人物推定ルールとして登録してもよい。このテーブルによれば、外部無線機器の指示内容から人物を推定することができる。
無線指示認識部9は、図示しない送受信部が受信した情報から、外部無線機器の指示内容を取得する。
【0059】
また、人物推定ルール記憶部1に、人物の名前と通信端末装置の状態変形とを対応付けたテーブルを人物推定ルールとして登録してもよい。このテーブルによれば、通信端末装置の開閉等の状態変形に応じて人物を推定することができる。
変形検知部10は、通信端末装置の開閉等の状態変形を検知して人物推定部2に通知する。
【0060】
次に、人物推定部2の動作について説明する。人物推定部2は、キー操作部4、認証部5、状況検知部6、運動検知部7、音声認識部8、無線指示認識部9、変形検知部10のうち少なくとも1つからの情報を入力として、人物推定ルールに基づきオブジェクトを見ようとする人物を推定する。
【0061】
図5〜図7を用いる場合、人物推定部2は、状況検知部6からの情報により、オブジェクトを見ようとする状況(場所)が自宅であると認識すると、テーブル20の人物推定ルールから、オブジェクトを見ようとする人物が配偶者、子供、親のいずれかであると認識し、最終的にテーブル21の人物推定ルールから人物を「佐藤ゆき」であると推定する。また、人物推定部2は、オブジェクトを見ようとする状況(時間帯)が夕方であると認識すると、テーブル20の人物推定ルールから、オブジェクトを見ようとする人物がサークル仲間であると認識し、最終的にテーブル21の人物推定ルールから人物を「田中雄大」又は「加藤りか」であると推定する。
【0062】
図8を用いる場合、人物推定部2は、状況検知部6からの情報により、オブジェクトを見ようとする状況(場所)を示す場所IDがXXX1であると認識すると、テーブル23の人物推定ルールから、オブジェクトを見ようとする人物が「佐藤ゆき」であると推定する。また、人物推定部2は、オブジェクトを見ようとする状況(時間帯)が夕方であると認識すると、テーブル23の人物推定ルールから、オブジェクトを見ようとする人物が「田中雄大」又は「加藤りか」であると推定する。
【0063】
図9を用いる場合、人物推定部2は、状況検知部6からの情報により、オブジェクトを見ようとする状況(場所)が自宅であると認識すると、オブジェクトを見ようとする人物を配偶者であると推定する。また、人物推定部2は、オブジェクトを見ようとする状況(時間帯)が夕方であると認識すると、オブジェクトを見ようとする人物をサークル仲間であると推定する。
【0064】
人物推定に利用する情報の例を以下に示す。人物推定に利用する情報としては、オブジェクトを見ようとする時間の情報、場所の情報、プレゼンス情報、認証に利用する体の部位情報、通信端末装置の運動又は姿勢の情報、外部無線機器からの指示内容、音声認識情報、パスワード欄入力内容、ユーザの明示的設定情報、ボタンの押し方、通信端末装置の状態変形の情報などがある。
【0065】
時間の情報としては、日付、時間、曜日、平日、休日、時間帯、季節等がある。例えば登校時間の情報を、クラスメート以外の親密度を相対的に下げるなどに利用することができる。これらの時間の情報は、先に述べたとおり、状況検知部6によって取得することができる。
【0066】
場所の情報としては、緯度、経度、GPSからの情報や基地局情報、無線アンテナ識別子等がある。例えば自宅という場所の情報を、配偶者以外の親密度を相対的に下げるなどに利用することができる。これらの時間の情報は、状況検知部6によって取得することができる。
【0067】
プレゼンス情報としては、プライベート、ビジネス、外出中、会議中、電車内、マナーモード中、ドライブモード中等がある。これらのプレゼンス情報は、先に述べたとおり、状況検知部6によって取得することもできるし、ユーザから指定されたプレゼンス情報を受けることもできる。
【0068】
認証に利用する体の部位情報としては、左右どちらかの手の指の指紋、左右どちらかの腕の静脈、左右どちらの目の虹彩等がある。これらの体の部位情報(実際には指紋、虹彩パターン、静脈パターン等の生体情報)は、オブジェクトを見ようとする人物の認証開始時に認証部5によって取得することができる。
【0069】
運動又は姿勢の情報としては、通信端末装置の振り方や振動、加速度、角加速度、速度、角度、姿勢、磁界等がある。これらの情報は、運動検知部7によって取得することができる。
【0070】
外部無線機器からの指示内容は、無線指示認識部9によって取得することができる。
音声認識情報としては、キーワードや文、センテンス等がある。これらの音声認識情報は、音声認識部8によって取得することができる。
パスワード欄入力内容としては、ユーザとの親密度が高くなるように偽装したい対象人物の名前等がある。このパスワード欄入力内容は、認証部5によって取得することができる。
【0071】
ユーザの明示的設定情報は、キー操作部4を操作するユーザによって設定される情報である。
ボタンの押し方の情報としては、キーのシーケンス、長押し等がある。これらの情報は、キー操作部4によって取得することができる。
通信端末装置の状態変形としては、通信端末装置の開閉等がある。この状態変形の情報は、変形検知部10によって取得することができる。
【0072】
オブジェクト記憶部11は、電話帳情報や送受信メール等のオブジェクトを記憶する。オブジェクトの例としては、電話帳、メール、ユーザや他の人物のプロフィール、公開用ページ、スケジュール帳、写真、動画、音声、対象人物関係ファイルなどがある。
【0073】
オブジェクト処理方法決定部3は、通信端末装置が管理するオブジェクト(通話着信や受信メールや電話帳項目を含む)に対する処理内容を決定し、決定した処理内容でオブジェクトを処理する。
【0074】
本実施の形態では、オブジェクト処理方法決定部3は、人物推定部2によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するように、オブジェクト記憶部11に記憶されているオブジェクトの集合に対して、推定された人物の親密度ランキングを上げたり、推定された人物以外のメールやアドレス帳項目等のオブジェクトを削除したり、推定された人物以外のメールの特定の記号を削除したり文章を整形したり、推定された人物以外のアドレス帳のプロフィールや名前を変更したり、といったオブジェクトの変換を行う。
【0075】
オブジェクト処理方法決定部3は、以下のようにオブジェクトを変換し、例えば秘匿したい人物とユーザとの関係を相対的に低下させることにより、人物推定部2によって推定された人物とユーザとの関係を相対的に向上させることができる。
【0076】
メールの変換の例としては、絵文字や顔文字の削除、特定の記号の削除や削減、語尾の事務的表現への変更、メール内容の無機的内容への変更、メールの削除などがある。特定の記号としては、ハートマーク、音符マーク、「〜」等がある。語尾の事務的表現への変更の例としては、「まーす。」を「ます。」に変更したり、「ね。」を「と思います。」に変更したりする例が考えられる。メール内容の無機的内容への変更の例としては、「デート」を「打ち合わせ」に変更する例が考えられる。
【0077】
通信履歴の変換の例としては、メール回数・頻度の削減、通話回数・頻度の削減、場所滞在回数・頻度の削減などがある。
アドレス帳の変換の例としては、性別の変更、名前の変更、コメント・プロフィール等の削除や変更、写真・画像の削除や変更、エントリ(人物名とアドレス)の削除などがある。性別の変更の例としては、異性からユーザと同性に変更したり、性別を異性から未登録に変更したりする例が考えられる。名前の変更の例としては、異性の名前をユーザと同性の名前に変更する例が考えられる。
【0078】
親密度や親密度ランキングの変換の例としては、人物推定部2によって推定された人物以外の他者とユーザとの親密度や親密度ランキングを下げる例が考えられる。
人間関係カテゴリの変換の例としては、「恋人」を「友人」に変更したり、「友人」を「知り合い」に変更したり、「友人」を未登録に変更したりする例が考えられる。
【0079】
オブジェクト提示部12は、オブジェクト処理方法決定部3によって変換されたオブジェクトを提示する。オブジェクトの提示方法としては、画面表示(文字表示、グラフ表示、画像表示)や、音声による読み上げ等がある。
【0080】
[第3の実施の形態]
関連方式のオブジェクト処理方法決定部では、オブジェクトフィルタやオブジェクト置換しか行っていなかった。本発明で提案しているオブジェクト処理方法決定部3によれば、人物推定部2を持たずに、従来的な秘匿対象人物決定部とオブジェクト処理方法決定部3とオブジェクト提示部12という構成の通信端末装置においても、関連方式にない効果を有する。
【0081】
例えば、オブジェクト処理方法決定部3は、絵文字や顔文字の削除、特定の記号の削除や削減、語尾の事務的表現への変更などのオブジェクト変換を行うことができる。特定の記号としては、ハートマーク、音符マーク、「〜」等がある。語尾の事務的表現への変更の例としては、「まーす。」を「ます。」に変更したり、「ね。」を「と思います。」に変更したりする例が考えられる。
【0082】
関連方式であれば、メール自体を存在しないように隠蔽するか、まったく別のメールに置換することしかできなかったため、メールの存在を知っていたり、本来のメールの内容を知っていたりする人物に対しては、不信感を増大させてしまうという問題があった。しかしながら、本実施の形態においては、文章の内容を変えずに、親しすぎる表現を通常の表現に置き換えることが可能であるため、メールの存在を知っていたり、メールの内容を知っていたりする人物に対しても、不信感を増大させることなく人間関係の安全性を向上させる効果が得られる。
【0083】
[第4の実施の形態]
本発明の別の実施の形態においては、電話が着信したときに、着信したことを明示せず、代わりに留守録で通知したりメールで着信通知したり、メールが着信したときに、メール着信を通知せず、別の状況になったときに通知したり、メールが着信していても、新着メールを示すLED表示やアイコン表示をせず、別の状況になったときに表示したりする、等のタイミングや伝達手段の変更を行うようにしてもよい。
【0084】
なお、第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、キー操作部4、認証部5、状況検知部6、運動検知部7、音声認識部8、無線指示認識部9および変形検知部10が情報を取得する契機となるトリガと、人物推定部2が人物推定を開始するトリガ(図2、図4の処理が開始されるトリガ)について明記していないが、このようなトリガはあってもよいし、なくてもよい。
【0085】
例えば通信端末装置に何らかのイベント(操作や電話・メールの発着信)が発生したときに状況検知部6が状況(時間、場所、プレゼンス)を取得して、人物推定部2が人物を推定してもよい。
また、認証部5はオブジェクトを見ようとする人物の認証開始をトリガとして、体の部位情報を取得して、人物推定部2が人物を推定してもよい。
【0086】
また、運動検知部7は通信端末装置の運動又は姿勢に変化が生じたときをトリガとして、運動又は姿勢の情報を取得して、人物推定部2が人物を推定してもよい。
また、無線指示認識部9が外部無線機器から所定の指示内容を受信したときをトリガとして、人物推定部2が人物を推定してもよい。
音声認識部8は、常時音声認識を行って、音声認識語を取得すればよい。
【0087】
また、第1の実施の形態〜第4の実施の形態では、変換したオブジェクトを元に戻す動作について説明していないが、例えばオブジェクト記憶部11に保存用のオブジェクトと、このオブジェクトをコピーした提示用のオブジェクトとを格納しておき、オブジェクト処理方法決定部3で変換する場合には提示用のオブジェクトのみを変換して提示するようにすればよい。そして、通信端末装置のユーザからの指示に応じてオブジェクトを元に戻す場合には、オブジェクト処理方法決定部3が提示用のオブジェクトを保存用のオブジェクトで更新すればよい。これにより、オブジェクト処理方法決定部3で変換したオブジェクトを容易に元に戻すことができる。
【0088】
[第5の実施の形態]
第1の実施の形態〜第4の実施の形態の通信端末装置のうち、送受信部、スピーカ、マイク、センサ、キー操作部および表示部等を除く構成は、CPU、メモリおよび外部とのインタフェースを備えたコンピュータとこれらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。
【0089】
図14はこのようなコンピュータの構成例を示すブロック図である。図14において、30はCPU、31はRAM(Random Access Memory)、32はROM(Read Only Memory)、33はインターフェイス装置(以下、I/Fと略する)である。
I/F33には、送受信部、スピーカ、マイク、センサ、キー操作部、表示部等が接続される。
【0090】
このようなコンピュータにおいて、本発明の表示制御方法を実現させるための通信端末装置プログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、メモリカードなどの記録媒体に記録された状態で提供され、RAM31に格納される。あるいは、あらかじめROM32にプログラムを記憶させておいてもよい。CPU30は、RAM31あるいはROM32に格納されたプログラムに従って第1の実施の形態〜第4の実施の形態で説明した処理を実行する。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、携帯電話機等の通信端末装置においてプライバシーを保護する技術に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る通信端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る通信端末装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態において場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態において場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態において場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態において場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの他の例を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態において場所や時間の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの他の例を示す図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態においてプレゼンス情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態において加速度・姿勢関連の情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態において認証に利用する体の部位情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態において音声認識情報を活用して人物を推定する人物推定ルールの例を示す図である。
【図14】本発明の第5の実施の形態におけるコンピュータの構成を示すブロック図である。
【図15】本発明に関連する方式の通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明に関連する他の方式の通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明に関連する他の方式の通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0093】
1…人物推定ルール記憶部、2…人物推定部、3…オブジェクト処理方法決定部、4…キー操作部、5…認証部、6…状況検知部、7…運動検知部、8…音声認識部、9…無線指示認識部、10…変形検知部、11…オブジェクト記憶部、12…オブジェクト提示部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定ルールを記憶する人物推定ルール記憶手段と、
前記人物推定ルールに基づき、前記オブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定手段と、
前記人物推定手段によって推定された人物が見ることを前提として、前記オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容で前記オブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定手段とを備えたことを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信端末装置において、
前記オブジェクト処理方法決定手段は、前記人物推定手段によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するように前記処理内容を決定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の通信端末装置において、
前記オブジェクト処理方法決定手段は、前記人物推定手段によって推定された人物が見ることを前提として前記オブジェクトを変換することを特徴とする通信端末装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、前記オブジェクトが見られようとしている時間の情報を取得する状況検知手段を備え、
前記人物推定手段は、前記時間の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、前記オブジェクトが見られようとしている場所の情報を取得する状況検知手段を備え、
前記人物推定手段は、前記場所の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、前記オブジェクトが見られようとしている場面を示すプレゼンス情報を取得する状況検知手段を備え、
前記人物推定手段は、前記プレゼンス情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、前記オブジェクトを見ようとする人物又は見せようとする人物が認証に利用する体の部位情報を取得する認証手段を備え、
前記人物推定手段は、前記体の部位情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項8】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、通信端末装置の運動又は姿勢の情報を取得する運動検知手段を備え、
前記人物推定手段は、前記運動又は姿勢の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項9】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、外部無線機器からの指示内容を取得する無線指示認識手段を備え、
前記人物推定手段は、前記指示内容と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項10】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、周囲の環境から集音された音声に対して音声認識を行い音声認識情報を取得する音声認識手段を備え、
前記人物推定手段は、前記音声認識情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項11】
予め記憶された人物推定ルールに基づき、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定手順と、
前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として、前記オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容で前記オブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定手順とを備えたことを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
前記オブジェクト処理方法決定手順は、前記人物推定手順によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するように前記処理内容を決定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項13】
請求項12に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
前記オブジェクト処理方法決定手順は、前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として前記オブジェクトを変換することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている時間の情報を取得する状況検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記時間の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項15】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている場所の情報を取得する状況検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記場所の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項16】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている場面を示すプレゼンス情報を取得する状況検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記プレゼンス情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項17】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトを見ようとする人物又は見せようとする人物が認証に利用する体の部位情報を取得する認証手順を備え、
前記人物推定手順は、前記体の部位情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項18】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、通信端末装置の運動又は姿勢の情報を取得する運動検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記運動又は姿勢の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項19】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、外部無線機器からの指示内容を取得する無線指示認識手順を備え、
前記人物推定手順は、前記指示内容と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項20】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、周囲の環境から集音された音声に対して音声認識を行い音声認識情報を取得する音声認識手順を備え、
前記人物推定手順は、前記音声認識情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項21】
通信端末装置としてコンピュータを動作させる通信端末装置プログラムであって、
予め記憶された人物推定ルールに基づき、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定手順と、
前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として、前記オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容で前記オブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定手順とを、コンピュータに実行させることを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項22】
請求項21に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
前記オブジェクト処理方法決定手順は、前記人物推定手順によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するように前記処理内容を決定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項23】
請求項22に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
前記オブジェクト処理方法決定手順は、前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として前記オブジェクトを変換することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項24】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている時間の情報を取得する状況検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記時間の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項25】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている場所の情報を取得する状況検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記場所の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項26】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている場面を示すプレゼンス情報を取得する状況検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記プレゼンス情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項27】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトを見ようとする人物又は見せようとする人物が認証に利用する体の部位情報を取得する認証手順を備え、
前記人物推定手順は、前記体の部位情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項28】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、通信端末装置の運動又は姿勢の情報を取得する運動検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記運動又は姿勢の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項29】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、外部無線機器からの指示内容を取得する無線指示認識手順を備え、
前記人物推定手順は、前記指示内容と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項30】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、周囲の環境から集音された音声に対して音声認識を行い音声認識情報を取得する音声認識手順を備え、
前記人物推定手順は、前記音声認識情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項1】
通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定ルールを記憶する人物推定ルール記憶手段と、
前記人物推定ルールに基づき、前記オブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定手段と、
前記人物推定手段によって推定された人物が見ることを前提として、前記オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容で前記オブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定手段とを備えたことを特徴とする通信端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信端末装置において、
前記オブジェクト処理方法決定手段は、前記人物推定手段によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するように前記処理内容を決定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の通信端末装置において、
前記オブジェクト処理方法決定手段は、前記人物推定手段によって推定された人物が見ることを前提として前記オブジェクトを変換することを特徴とする通信端末装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、前記オブジェクトが見られようとしている時間の情報を取得する状況検知手段を備え、
前記人物推定手段は、前記時間の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、前記オブジェクトが見られようとしている場所の情報を取得する状況検知手段を備え、
前記人物推定手段は、前記場所の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、前記オブジェクトが見られようとしている場面を示すプレゼンス情報を取得する状況検知手段を備え、
前記人物推定手段は、前記プレゼンス情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項7】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、前記オブジェクトを見ようとする人物又は見せようとする人物が認証に利用する体の部位情報を取得する認証手段を備え、
前記人物推定手段は、前記体の部位情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項8】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、通信端末装置の運動又は姿勢の情報を取得する運動検知手段を備え、
前記人物推定手段は、前記運動又は姿勢の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項9】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、外部無線機器からの指示内容を取得する無線指示認識手段を備え、
前記人物推定手段は、前記指示内容と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項10】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信端末装置において、
さらに、周囲の環境から集音された音声に対して音声認識を行い音声認識情報を取得する音声認識手段を備え、
前記人物推定手段は、前記音声認識情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置。
【請求項11】
予め記憶された人物推定ルールに基づき、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定手順と、
前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として、前記オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容で前記オブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定手順とを備えたことを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
前記オブジェクト処理方法決定手順は、前記人物推定手順によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するように前記処理内容を決定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項13】
請求項12に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
前記オブジェクト処理方法決定手順は、前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として前記オブジェクトを変換することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項14】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている時間の情報を取得する状況検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記時間の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項15】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている場所の情報を取得する状況検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記場所の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項16】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている場面を示すプレゼンス情報を取得する状況検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記プレゼンス情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項17】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトを見ようとする人物又は見せようとする人物が認証に利用する体の部位情報を取得する認証手順を備え、
前記人物推定手順は、前記体の部位情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項18】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、通信端末装置の運動又は姿勢の情報を取得する運動検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記運動又は姿勢の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項19】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、外部無線機器からの指示内容を取得する無線指示認識手順を備え、
前記人物推定手順は、前記指示内容と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項20】
請求項11乃至13のいずれか1項に記載の通信端末装置の表示制御方法において、
さらに、前記人物推定手順の前に、周囲の環境から集音された音声に対して音声認識を行い音声認識情報を取得する音声認識手順を備え、
前記人物推定手順は、前記音声認識情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置の表示制御方法。
【請求項21】
通信端末装置としてコンピュータを動作させる通信端末装置プログラムであって、
予め記憶された人物推定ルールに基づき、通信端末装置が管理する情報であるオブジェクトを見ようとする人物を推定する人物推定手順と、
前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として、前記オブジェクトに対する処理内容を決定し、決定した処理内容で前記オブジェクトを処理するオブジェクト処理方法決定手順とを、コンピュータに実行させることを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項22】
請求項21に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
前記オブジェクト処理方法決定手順は、前記人物推定手順によって推定された人物と通信端末装置のユーザとの関係が相対的に向上するように前記処理内容を決定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項23】
請求項22に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
前記オブジェクト処理方法決定手順は、前記人物推定手順によって推定された人物が見ることを前提として前記オブジェクトを変換することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項24】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている時間の情報を取得する状況検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記時間の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項25】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている場所の情報を取得する状況検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記場所の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項26】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトが見られようとしている場面を示すプレゼンス情報を取得する状況検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記プレゼンス情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項27】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、前記オブジェクトを見ようとする人物又は見せようとする人物が認証に利用する体の部位情報を取得する認証手順を備え、
前記人物推定手順は、前記体の部位情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項28】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、通信端末装置の運動又は姿勢の情報を取得する運動検知手順を備え、
前記人物推定手順は、前記運動又は姿勢の情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項29】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、外部無線機器からの指示内容を取得する無線指示認識手順を備え、
前記人物推定手順は、前記指示内容と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【請求項30】
請求項21乃至23のいずれか1項に記載の通信端末装置プログラムにおいて、
さらに、前記人物推定手順の前に、周囲の環境から集音された音声に対して音声認識を行い音声認識情報を取得する音声認識手順を備え、
前記人物推定手順は、前記音声認識情報と前記人物推定ルールに基づいて前記人物を推定することを特徴とする通信端末装置プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2009−124368(P2009−124368A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295234(P2007−295234)
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月14日(2007.11.14)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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