説明

通信装置、電話装置、ファクシミリ装置、通信装置の制御方法、制御プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】 テレビ放送を受信して、親機と分離可能な子機の表示部に表示する。
【解決手段】 ファクシミリ装置1は、ユーザが通話を行う子機3と、公衆回線等の回線に接続されて通話信号およびファクシミリ信号の送受信を行うとともに、子機3に対して通話信号の中継を行う親機2とを含むとともに、親機2および子機3の少なくともいずれか一方に、放送信号を受信するテレビ放送受信チューナ29を備え、子機3に、放送信号に基づき画像を表示する表示部45を備える。これにより、ファクシミリ装置において、テレビ放送を受信して、親機と分離可能な子機の表示部に表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、親機と子機とを備えた通信装置、電話装置、ファクシミリ装置、通信装置の制御方法、制御プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、公衆回線を使用して通話やファクシミリ送受信の通信を行うファクシミリ装置(以下、FAXと記すことがある。)が広く利用されている。また、親機と子機とを備えたコードレスファクシミリ装置も一般的になっている。また、近時、追加機能として、FAX放送を受信できるものや、さらには、テレビ、ビデオ等の機能を取り込んだファクシミリ装置もある。
【0003】
例えば、特許文献1には、ファクシミリ信号を復調し、記録することができるファクシミリ信号受信機のチューナ部とテレビジョン受信機のチューナとを切換スイッチで択一的に自動的に切り換えるようにし、補完番組の受信を自動的に行えるようにしたファクシミリ信号受信装置が記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、テレビ電話としての機能の他、テレビ放送の受像、外部テレビカメラ再生、ファクシミリ、映像信号および音声信号の記録等の機能を一体化して備えた多機能型テレビ電話装置が記載されている。
【0005】
また、特許文献3には、衛星やCATVによるデジタル放送を受信するチューナ部、デコーダ部、通信制御部(NCU)などを有するデジタル放送受信装置に、ファクシミリデータの復号化またはファクシミリデータへの符号化などを行うFAX送受信(FAXコーデック)と、受信したファクシミリ画像を表示器に表示するための表示処理部などを備え、課金情報などの通信のための電話回線を用いてファクシミリ機能を実現することが記載されている。
【0006】
また、特許文献4には、公衆電話回線を通して受信したマルチメディアデータをいったんデータ記憶手段に蓄積し、その後データ記憶手段からマルチメディアデータを読み出し、マルチメディアデータから静止画像データを抽出し、静止画像データを二値化および圧縮してファクシミリデータを生成し、ファクシミリデータをファクシミリ装置へ送出するデータ受信装置が記載されている。
【特許文献1】特開平4−313946号公報(公開日:平成4(1992)年11月5日)
【特許文献2】特開平2−39693号公報(公開日:平成2(1990)年2月8日)
【特許文献3】特開平10−294906号公報(公開日:平成10(1998)年11月4日)
【特許文献4】特開平10−304126号公報(公開日:平成10(1998)年11月13日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記のように、従来のファクシミリ装置は、通話およびファクシミリ送受信の基本機能に加えて、FAX放送やテレビ放送を受信できるものもあるが、テレビ放送を閲覧するためには、親機本体に設けられた表示部に表示するか、もしくは、外部の他の表示装置に接続して表示しなければならなかった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、テレビ放送を受信して、親機と分離可能な子機の表示部に表示できる通信装置、電話装置、ファクシミリ装置、通信装置の制御方法、制御プログラムおよびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る通信装置は、ユーザが通話を行う子機と、回線に接続されて通話信号およびファクシミリ信号の送受信を行うとともに、子機に対して通話信号の中継を行う親機とを含む通信装置であって、親機および子機の少なくともいずれか一方に、放送信号を受信する放送受信手段を備え、子機に、上記放送信号に基づき画像を表示する表示手段を備えることを特徴としている。
【0010】
上記の構成により、子機は、通話信号およびファクシミリ信号の送受信を行う親機から分離されている。よって、ユーザは通話やファクシミリの受信操作を、子機を用いることで、親機から離れた場所で気軽に行うことができる。しかも、上記通信装置では、そのような子機に、受信した放送の画像を表示する表示手段が設けられている。したがって、ユーザは、1台の子機を用いることで、通話やファクシミリの受信操作とともに、テレビ等の放送を視聴することが可能となる。
【0011】
さらに、本発明に係る通信装置は、親機に通話信号またはファクシミリ信号が着信した時、該着信を示す着信情報を上記表示手段に表示する着信報知手段を備えることを特徴としている。
【0012】
また、本発明に係る通信装置の制御方法は、ユーザが通話を行う子機と、回線に接続されて通話信号およびファクシミリ信号の送受信を行うとともに、子機に対して通話信号の中継を行う親機とを含む通信装置の制御方法であって、受信した放送信号に基づき画像を子機の表示部に表示するステップと、親機に通話信号またはファクシミリ信号が着信した時、該着信を示す着信情報を上記表示部に表示するステップと、を含むことを特徴としている。
【0013】
上記の構成により、さらに、親機に通話信号またはファクシミリ信号が着信した時、該着信を示す着信情報を子機の表示手段(表示部)に表示することができる。よって、ユーザが子機の表示手段(表示部)で、テレビ放送等を見ているときでも、通話信号またはファクシミリ信号が着信したことをユーザに確実に報知することができる。
【0014】
さらに、本発明に係る通信装置は、上記放送信号に基づく画像が上記表示手段で表示されている場合、上記着信報知手段は、上記着信情報を上記表示手段に表示しないことを特徴としている。
【0015】
上記の構成により、さらに、親機に通話信号またはファクシミリ信号が着信した時、子機の表示手段(表示部)でテレビ放送等の画像が表示されている場合には、着信情報を表示手段(表示部)に表示しないことができる。よって、例えばユーザが着信情報が表示手段(表示部)に表示されることを希望しない場合には、着信情報で煩わせることなくテレビ放送等の画像を表示することができる。
【0016】
さらに、本発明に係る通信装置は、通話信号またはファクシミリ信号とともに受信した当該通話信号またはファクシミリ信号を発信した発信装置を示す発信装置情報に応じて、受信動作を制御する受信制御手段を備えることを特徴としている。
【0017】
上記の構成により、さらに、発信装置情報が一緒に送信されてくる通話信号またはファクシミリ信号であれば、発信装置情報に応じて受信動作を制御することができる。具体的には、発信者が使用した装置を特定し、その結果に応じて、報知の方法(表示、音等の別)、報知の内容(メッセージ)、応答の方法(ユーザによる選択、自動受信、拒否等の別)などを選択することができる。なお、発信装置情報と受信動作との対応をデータベース(発信装置情報DB)にあらかじめ登録しておくことで、細かな制御が可能となる。また、発信者を特定する情報が利用できる場合には、発信者に応じて受信動作を制御することが可能である。
【0018】
さらに、本発明に係る通信装置は、上記放送信号に基づく画像が上記表示手段で表示されている場合、上記受信制御手段は、親機に通話信号が着信した時、親機を留守番電話モードで動作させることを特徴としている。
【0019】
上記の構成により、さらに、着信情報が表示手段(表示部)に表示されないため、着信情報で煩わせることなくテレビ放送等の画像を表示することができる。
【0020】
さらに、本発明に係る通信装置は、上記放送信号に基づく画像が上記表示手段で表示されている場合、上記受信制御手段は、親機にファクシミリ信号が着信した時、親機にファクシミリ信号を自動受信させることを特徴としている。
【0021】
上記の構成により、さらに、着信情報が表示手段(表示部)に表示されないため、着信情報で煩わせることなくテレビ放送等の画像を表示することができる。
【0022】
さらに、本発明に係る通信装置は、上記放送信号に基づき画像を表示している表示手段の画面をキャプチャしてキャプチャ画像データを生成し、該キャプチャ画像データを子機のキャプチャ画像記憶手段に格納するキャプチャ手段を備えることを特徴としている。
【0023】
上記の構成により、さらに、テレビ等の放送の受信画面の画像情報を子機のメモリに保存できる。よって、キャプチャ画像データを放送終了後等に表示することができるため、ユーザはメモをとる必要がなくなる。
【0024】
さらに、本発明に係る通信装置は、上記キャプチャ画像記憶手段からキャプチャ画像データを読み出して親機に送信し、親機の印刷手段で印刷するキャプチャ画像印刷手段を備えることを特徴としている。
【0025】
上記の構成により、さらに、キャプチャした放送受信画面を印刷することが可能となる。また、キャプチャ画像データを、子機から親機へ通信によって移動させるため、印刷のために、ユーザが親機の設置場所へ行く必要がない。
【0026】
さらに、本発明に係る通信装置は、上記キャプチャ画像印刷手段は、上記キャプチャ画像記憶手段に所定容量以上にキャプチャ画像データが格納されたとき、古いキャプチャ画像データから順に親機の印刷手段で印刷するとともに、印刷済みのキャプチャ画像データを消去するものであることを特徴としている。
【0027】
上記の構成により、さらに、子機のキャプチャ画像記憶手段が一杯になった場合でも、キャプチャ画面データを親機へ自動的に転送できるため、子機のキャプチャ画像記憶手段の空き容量を確保することができる。
【0028】
また、本発明に係る通信装置は、ユーザが通話を行う子機と、回線に接続されて通話信号の送受信を行うとともに、子機に対して通話信号の中継を行う親機とを含む電話装置であって、親機および子機の少なくともいずれか一方に、放送信号を受信する放送受信手段を備え、子機に、上記放送信号に基づき画像を表示する表示手段を備えることを特徴としている。
【0029】
上記の構成により、子機は、通話信号の送受信を行う親機から分離されている。よって、ユーザは通話を、子機を用いることで、親機から離れた場所で気軽に行うことができる。しかも、上記電話装置では、そのような子機に、受信した放送の画像を表示する表示手段が設けられている。したがって、ユーザは、1台の子機を用いることで、通話とともに、テレビ等の放送を視聴することが可能となる。
【0030】
また、本発明に係るファクシミリ装置は、回線に接続されてファクシミリ信号の送受信を行う親機と、該親機を遠隔操作する子機とを含むファクシミリ装置であって、親機および子機の少なくともいずれか一方に、放送信号を受信する放送受信手段を備え、子機に、上記放送信号に基づき画像を表示する表示手段を備えることを特徴としている。
【0031】
上記の構成により、子機は、ファクシミリ信号の送受信を行う親機から分離されている。よって、ユーザはファクシミリの受信操作を、子機を用いることで、親機から離れた場所で気軽に行うことができる。しかも、上記ファクシミリ装置では、そのような子機に、受信した放送の画像を表示する表示手段が設けられている。したがって、ユーザは、1台の子機を用いることで、ファクシミリの受信操作とともに、テレビ等の放送を視聴することが可能となる。
【0032】
なお、上記基地局、端末局、通信装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記の各装置をコンピュータにて実現させる上記の各装置の制御プログラム(通信管理プログラム)、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0033】
以上のように、本発明に係る通信装置は、親機および子機の少なくともいずれか一方に、放送信号を受信する放送受信手段を備え、子機に、上記放送信号に基づき画像を表示する表示手段を備える構成である。それゆえ、ユーザは、1台の子機を用いることで、通話やファクシミリの受信操作とともに、テレビ等の放送を視聴することが可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明の一実施の形態について図1から図17に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0035】
図2は、本実施の形態に係るファクシミリ装置1の外観を示す斜視図である。なお、図2は、子機3を親機2に取付けた状態を示す。また、図3は、ファクシミリ装置1の親機2の外観を示す斜視図である。図4は、ファクシミリ装置1の子機3の外観を示す斜視図である。
【0036】
図2に示すように、ファクシミリ装置1は、親機2と子機3よりなる、いわゆるコードレスファクシミリである。すなわち、親機2は、公衆回線等の回線に接続されて通話信号およびファクシミリ信号の送受信を行うとともに、子機3に対して通話信号の中継を行う。
【0037】
ファクシミリ装置1では、親機2において、通話、ファクシミリの送受信の操作および印刷を行うことができる。また、親機2より着脱可能な子機3を介して通話やファクシミリ送受信の操作を行うことができる。
【0038】
また、ファクシミリ装置1は、デジタル放送を含むテレビ放送を受信可能であり、親機2において受信したテレビ放送を、親機2から取り外した子機3の表示部45で表示可能である。さらに、ファクシミリ装置1は、デジタル放送の受信画面をキャプチャする機能を有する。また、ファクシミリ装置1は、キャプチャしたデジタル放送の受信画面を印刷する機能を有する。また、ファクシミリ装置1は、受信したテレビ放送の内容に対して、情報・データを送信する場合、親機2に接続している公衆回線(電話回線等)を使用して送信することができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、通話信号およびファクシミリ信号の送受信を行ういわゆる複合機について説明するが、通話信号の送受信を行ういわゆるコードレス電話にも適用可能である。また、受信する放送を映像および音声を含むテレビ放送として説明するが、映像のみからなる放送、音声のみからなる放送にも適用可能である。
【0040】
図1は、ファクシミリ装置1の親機2および子機3の電気的構成を示すブロック図である。
【0041】
まず、図1および図3を用いて、親機2の構成を詳細に説明する。
【0042】
図3に示すように、親機2は、親機操作キー11、親機マイク12、親機受話器13、親機スピーカ14、親機アンテナ15、プリンタ16、公衆回線接続部17、テレビ放送受信アンテナ接続部18、子機載置部19を備えて構成されている。
【0043】
さらに、図1に示すように、親機2は、親機中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)21、親機操作キー入力制御部22、親機音声入力制御部23、親機音声出力制御部24、親機データ送受信制御部25、親機メモリ26、プリンタ制御部27、通信制御部28、テレビ放送受信チューナ29を含んで構成される。
【0044】
親機操作キー11は、ユーザによって操作され、例えば、通信相手の装置の電話番号、およびテレビ放送の受信チャンネルの変更等が入力される。親機操作キー11は、入力された指令を親機操作キー入力制御部22に与える。親機操作キー入力制御部22は、与えられた指令を指令情報として親機CPU21に与える。
【0045】
親機マイク12および親機受話器13のマイク(図示せず)は、音声情報が与えられ、与えられた音声情報を親機音声入力制御部23に与える。親機音声入力制御部23は、与えられた音声情報を親機CPU21に与える。
【0046】
親機音声出力制御部24は、親機CPU21から与えられた音声情報を親機スピーカ14および親機受話器13のスピーカ(図示せず)に与える。親機スピーカ14および親機受話器13のスピーカは、親機音声出力制御部24から与えられた音声情報を外部に出力する。また、親機スピーカ14および親機受話器13のスピーカは、親機報知手段であって、親機CPU21から与えられる親機情報、およびテレビ放送の音声を音声情報として外部に出力する。
【0047】
親機メモリ(親機記憶手段)26は、例えばフラッシュメモリなどの記憶装置からなり、親機CPU21の制御に用いられるプログラムなどを記憶する。また、親機メモリ26は、親機CPU21から与えられる情報、例えばキャプチャしたデジタル放送の画像情報、着信履歴、発信履歴および伝言メッセージを記憶する。
【0048】
親機データ送受信制御部(親機通信手段)25は、子機3との通信を制御し、子機3と通信するための通信路の探索、接続の確立および情報の送受信を行うためのチューナなどを含む。また、親機データ送受信制御部25は、親機CPU21から与えられる情報、例えばテレビ放送データおよび音声情報を親機アンテナ15に与える。テレビ放送データは、テレビ放送受信チューナ29によって受信したテレビ放送のデータである。また、親機データ送受信制御部25は、親機アンテナ15から与えられる情報、例えば指令情報や、テレビ放送受信画面をキャプチャした画像情報および音声情報を親機CPU21に与える。指令情報は、親機2の動作を指令する情報である。
【0049】
親機アンテナ15は、子機3と通信するために、子機アンテナ44と情報を送受信する。親機アンテナ15は、受信した情報を親機データ送受信制御部25に与える。また、親機アンテナ15は、親機データ送受信制御部25から与えられる情報を、子機アンテナ44に向けて送信する。
【0050】
プリンタ制御部27は、親機CPU21から与えられた印刷内容情報をプリンタ16に与える。プリンタ16は、プリンタ制御部27から与えられた印刷内容情報、例えば、受信したFAXや、テレビ放送をキャプチャした画像情報を印刷する。プリンタ16は、例えばカラー印刷可能なインクジェット印刷装置によって実現される。
【0051】
通信制御部28は、公衆回線接続部17を介して、公衆回線(例えば、電話回線)の状況を監視するとともに、公衆回線から与えられる情報を親機CPU21に与える。また、通信制御部28は、親機CPU21から与えられる送信情報を公衆回線を介して他の通信装置に与える。
【0052】
テレビ放送受信チューナ(放送受信手段)29は、テレビ放送の放送信号を受信する。なお、テレビ放送受信チューナ29は、親機2および子機3の少なくともいずれか一方に設けられていればよい。ただし、子機3に比べて大きさや重さに制限の少ない親機2にテレビ放送受信チューナ29を設けることにより、子機3を小型化・軽量化できる。
【0053】
親機CPU(親機制御手段)21は、親機メモリ26に記憶されるプログラムとあいまって、与えられる指令情報などに基づいて、親機2全体の動作を決定する。動作が決定すると、親機CPU21は、各部に対し指令情報を与える。親機CPU21は、親機データ送受信制御部25から与えられる指令情報に基づいて、親機2を統括的に制御する。また親機CPU21は、親機情報を子機3に送信するように、親機データ送受信制御部25を制御する。親機CPU21は、例えばマイクロコンピュータなどの処理回路によって実現される。
【0054】
次に、図1および図4を用いて、子機3の構成を詳細に説明する。
【0055】
図4に示すように、子機3は、子機操作キー41、子機マイク42、子機スピーカ43、子機アンテナ44、表示部45を備えて構成されている。なお、子機3は、さらにカメラを設けることで、テレビ電話の端末として構成することもできる。
【0056】
さらに、図1に示すように、子機3は、子機中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)51、子機操作キー入力制御部52、子機音声入力制御部53、子機音声出力制御部54、子機データ送受信制御部55、子機メモリ56、テレビ放送信号デコーダ57、表示制御部58を含んで構成される。
【0057】
子機操作キー41は、ユーザによって操作され、例えば、通信相手の装置の電話番号、およびテレビ放送の受信チャンネルの変更等が入力される。子機操作キー41は、入力された指令を子機操作キー入力制御部52に与える。子機操作キー入力制御部52は、与えられた指令を指令情報として子機CPU51に与える。
【0058】
以下、子機操作キー41の構成の一例を示す。なお、子機操作キー41の構成はこの例に限定されるものではない。
【0059】
子機操作キー41は、複数のキーを備えている。そして、各キーには、子機3にて各種の操作を行うためのメニュー画面を呼出すための「メニューキー」、メニュー画面にてメニューを選択するための「カーソルキー」、選択したメニューを実行するための「決定キー」、選択したメニューをキャンセルするための「キャンセルキー」、受信したテレビ画面をキャプチャするための「キャプチャキー」、キャプチャした画像を印刷するための「プリントキー」、子機3にて電話の発呼、着呼を行うための「通話・終話キー」がそれぞれ割り当てられている。
【0060】
子機マイク42は、音声情報が与えられ、与えられた音声情報を子機音声入力制御部53に与える。子機音声入力制御部53は、与えられた音声情報を子機CPU51に与える。
【0061】
子機音声出力制御部54は、子機CPU51から与えられた音声情報を子機スピーカ43に与える。子機スピーカ43は、子機音声出力制御部54から与えられた音声情報を外部に出力する。また、子機スピーカ43は、子機報知手段であって、子機CPU51から与えられる子機情報、およびテレビ放送の音声を音声情報として外部に出力する。
【0062】
子機データ送受信制御部(子機通信手段)55は、親機2との通信を制御する。子機データ送受信制御部55は、子機CPU51から与えられる指令情報を子機アンテナ44に与える。また、子機データ送受信制御部55は、子機アンテナ44から与えられる親機情報を子機CPU51に与える。これにより、子機3は、親機2との間で、制御信号、通話信号、テレビ放送信号、キャプチャ画像データなどの送受信が可能である。
【0063】
表示制御部58は、子機CPU51から与えられる情報を画像情報に変換し、画像情報を表示部45に与える。表示部45は、表示制御部58から与えられる画像情報を表示する。表示される画像情報は、例えばテレビ放送を受信した画像情報、および親機情報に基づく画像情報である。表示部45は、例えばカラー表示可能な液晶表示装置によって実現される。また、表示部45は、表面にタッチパネルが設けられており、重畳部位の表示とともにソフトキーが実現される。なお、このソフトキーの入力は、子機操作キー41と同様に、子機操作キー入力制御部52によって制御される。
【0064】
テレビ放送信号デコーダ57は、受信したテレビ放送のデータをデコードする。ここで、テレビ放送のデータは、親機2のテレビ放送受信チューナ29にて受信され、親機2の親機データ送受信制御部25を介して親機アンテナ15から子機アンテナ44へ送信される。親機アンテナ15から送信されたテレビ放送のデータは、子機アンテナ44にて受信され、子機データ送受信制御部55を介して、テレビ放送信号デコーダ57に渡される。そして、テレビ放送信号デコーダ57にて、テレビ放送信号のデータをデコードした後、表示制御部58により表示部45へテレビ放送を表示するとともに、子機音声出力制御部54部により子機スピーカ43からテレビ放送の音声を出力する。
【0065】
子機CPU(子機制御手段)51は、子機メモリ56に記憶されるプログラムとあいまって、与えられる指令情報などに基づいて、子機3全体の動作を決定する。動作が決定すると、子機CPU51は、各部に対し指令情報を与える。子機CPU51は、子機データ送受信制御部55から与えられる指令情報に基づいて、子機3を統括的に制御する。また子機CPU51は、子機情報を親機2に送信するように、子機データ送受信制御部55を制御する。子機CPU51は、例えばマイクロコンピュータなどの処理回路によって実現される。
【0066】
なお、図2に示すように、子機3は、親機2の子機載置部19に載置することにより、親機2と一体となる。この状態において、子機3の表示部45は、ファクシミリ装置1全体あるいは親機2の表示装置として機能する。そして、子機3を子機載置部19に着脱することで、表示部45に表示する内容が切り替わるようにしてもよい。すなわち、子機3が子機載置部19から取り外された状態では、表示部45は子機3の表示装置として機能し、子機3が子機載置部19に装着された状態では、表示部45はファクシミリ装置1全体の表示装置として機能するようになっていてもよい。
【0067】
つづいて、親機CPU21および子機CPU51によって実現される機能について説明する。
【0068】
(1)着信報知機能
親機CPU21および子機CPU51は、着信報知手段として、親機2に通話信号またはファクシミリ信号が着信した時、該着信を示す着信情報を子機3の表示部(表示手段)45に表示する。なお、放送信号に基づく画像が表示部(表示手段)45で表示されている場合に、着信情報を表示部(表示手段)45に表示するか否かはユーザの好みに応じて選択可能である。
【0069】
(2)受信制御機能
親機CPU21は、受信制御手段として、通話信号またはファクシミリ信号とともに受信した当該通話信号またはファクシミリ信号を発信した発信装置を示す発信装置情報(電話番号)に応じて、受信動作を制御する。そのため、発信装置情報と受信動作との対応が予め登録された発信装置情報DB(電話帳情報)が、子機メモリ56あるいは親機メモリ26に格納されている。なお、発信装置情報に応じた処理は、子機3においても行ってもよい。また、親機2と子機3とは、それぞれ独自の内容の発信装置情報DBを保持していてもよい。
【0070】
また、親機CPU(受信制御手段)21は、放送信号に基づく画像が表示部(表示手段)45で表示されている場合、親機2に通話信号が着信した時、親機2を留守番電話モードで動作させる。すなわち、留守番電話モードでの所定のメッセージを再生して、送信者のメッセージを録音する。
【0071】
また、親機CPU(受信制御手段)21は、放送信号に基づく画像が表示部(表示手段)45で表示されている場合、親機にファクシミリ信号が着信した時、親機にファクシミリ信号を自動受信させる。すなわち、ファクシミリ信号を受信して、プリンタ16で印刷、あるいは、親機メモリ26に格納する。
【0072】
(3)キャプチャ機能
子機CPU51は、キャプチャ手段として、放送信号に基づき画像を表示している表示部(表示手段)45の画面をキャプチャしてキャプチャ画像データを生成し、該キャプチャ画像データを子機3の子機メモリ(キャプチャ画像記憶手段)56に格納する。
【0073】
(4)キャプチャ画像印刷機能
親機CPU21および子機CPU51は、キャプチャ画像印刷手段として、子機メモリ(キャプチャ画像記憶手段)56からキャプチャ画像データを読み出して親機2に送信し、親機2のプリンタ(印刷手段)16で印刷する。また、子機メモリ(キャプチャ画像記憶手段)56に所定容量以上にキャプチャ画像データが格納されたとき、古いキャプチャ画像データから順に親機2のプリンタ(印刷手段)16で印刷するとともに、印刷済みのキャプチャ画像データを消去する。
【0074】
つぎに、図5に示すフローチャートを参照しながら、テレビ放送を受信中に電話の着呼が入った場合の処理について説明する。
【0075】
テレビ放送の受信時、すなわち、表示部45にてテレビ受信画面を表示するとともに、子機スピーカ43からテレビ受信音声の出力を行っている(S11)時、親機CPU21が電話の着呼の有無の判定(S12)を行う。なお、子機3の状態は、子機CPU51により、所定のタイミングで親機CPU21へ通知される。
【0076】
電話の着呼が無い場合(S12で“無し”)、テレビ放送の受信(S11)を継続する。一方、電話の着呼が有る場合(S12で“有り”)、子機CPU51が表示部45へ電話の着呼が有ることを表示する(S13)。なお、表示の具体例については後述する。
【0077】
次に、子機CPU51が、ユーザによって通話・終話のキー操作がなされたか否かを判定(S14)。すなわち、電話の着呼回線接続判定を行う。
【0078】
ユーザが電話の着呼を拒否する操作をした場合、例えば、「通話・終話キー」(子機操作キー41)を長押し操作した場合(S14で“長押し操作”)、子機CPU51が、電話の着呼回線を切断し、表示部45への電話の着呼が有ることの表示を停止(S19)した後、テレビ受信画面の表示(S11)を継続する。
【0079】
一方、ユーザが電話の着呼に応答する操作をした場合、例えば、「通話・終話キー」(子機操作キー41)を通常操作した場合(S14で“通常操作”)、子機CPU51が、子機音声出力制御部54に対して子機スピーカ43からのテレビ受信音声出力を小さくあるいは停止(ミュート)させ(S15)、通話を開始する(S16)。
【0080】
通話中は、子機CPU51が通話終了判定を行う(S17)。そして、通話が終了しない場合(S17で“通話継続”)、通話を継続し、通話終了判定(S17)を繰り返す。一方、通話が終了した場合(S17で“通話終了”)は、子機CPU51が、子機音声出力制御部54に対して子機スピーカ43からのテレビ受信音声出力を大きくあるいは開始(ミュート解除)させ(S18)、テレビ放送の受信(S11)に戻る。
【0081】
つぎに、図6に示すフローチャートを参照しながら、テレビ放送を受信中に電話またはファクシミリの着呼が入った場合のモード切替処理について説明する。なお、図7および図8は、モード切替画面の一例を示す説明図である。
【0082】
テレビ放送の受信時、すなわち、表示部45にてテレビ受信画面を表示するとともに、子機スピーカ43からテレビ受信音声の出力を行なっている(S21)時、親機CPU21が電話またはファクシミリの着呼の有無の判定(S22)を行う。
【0083】
電話またはファクシミリの着呼が無い場合(S22で“無し”)、テレビ放送の受信(S21)を継続する。一方、電話またはファクシミリの着呼が有る場合(S22で“有り”)、子機CPU51が表示部45へ電話またはファクシミリの着呼が有ることを表示する(S26)。そして、ユーザによるキー操作を検出して、モード切替を行う(S27)。
【0084】
ステップS27では、例えば、図7に示すように、テレビ画面を縮小して、表示部45の下部に「着信あり」の表示とともに「応答」「留守」「拒否」「FAX」の各モードを選択するためのソフトキーを表示する。そして、ユーザが各ソフトキーの表示領域に触れると、表示部45のタッチパネルが検出して、子機操作キー入力制御部52がモード選択指示入力として取得する。なお、ユーザの操作はソフトキーの近傍に配設されたキー47によって検出しても良い。また、図8に示すように、テレビ画面を縮小して、表示部45の右辺部に「着信あり」の表示とともに「応答」「留守」「拒否」「FAX」の各モードを選択するためのソフトキーを表示してもよい。
【0085】
そして、ステップS27でモードをファクシミリ(FAX)受信モードに切り替えた場合、テレビ画面を全画面表示に戻して、表示部45から「着信あり」の表示およびソフトキーの表示を消す(S31)。その後、親機CPU21が、回線を接続し(S32)、ファクシミリを受信し(S33)、回線を切断する(S34)。
【0086】
また、ステップS27でモードを着呼拒否モードに切り替えた場合、テレビ画面を全画面表示に戻して、表示部45から「着信あり」の表示およびソフトキーの表示を消す(S41)。その後、親機CPU21が、回線を切断する(S42)。
【0087】
また、ステップS27でモードを留守番電話モードに切り替えた場合、テレビ画面を全画面表示に戻して、表示部45から「着信あり」の表示およびソフトキーの表示を消す(S51)。その後、親機CPU21が、回線を接続し(S52)、留守番電話の動作(電話であればメッセージの録音、ファクシミリであれば自動FAX受信)を行い(S53)、回線を切断する(S54)。
【0088】
また、ステップS27でモードを着呼応答モードに切り替えた場合、テレビ画面を全画面表示に戻して、表示部45から「着信あり」の表示およびソフトキーの表示を消す(S61)とともに、子機スピーカ43からのテレビ受信音声出力を小さくあるいは停止(ミュート)させる(S62)。その後、子機CPU51が、回線を接続する(S63)。
【0089】
このとき、着呼が電話であれば(S64で“電話”)、ユーザがそのまま通話を行う(S65)。そして、通話中は、子機CPU51が通話終了判定を行い(S66)、通話が終了しない場合(S66でNO)、通話を継続し、通話終了判定(S66)を繰り返す。そして、通話が終了した時(S66でYES)、回線を切断する(S67)。
【0090】
一方、着呼がファクシミリであれば(S64で“FAX”)、ユーザが「受信開始」キーを操作する(S69)。子機CPU51がこのキー操作を検出すると、親機CPU21がFAX受信を開始する。
【0091】
その後、子機3では、子機CPU51が、子機スピーカ43からのテレビ受信音声出力を大きくあるいは開始(ミュート解除)させ(S68)、テレビ放送の受信(S21)に戻る。
【0092】
つづいて、図9に示すフローチャートを参照しながら、テレビ放送を受信中に電話またはファクシミリの着呼が入った場合のモード切替処理について説明する。図9は処理は、テレビ受信中に着呼があった場合に、あらかじめ設定された電話番号からの着呼であるか否かの判定を行い、ファクシミリ専用の電話番号からの着呼であれば、自動FAX受信する点が、図8の処理と異なる。よって、以下では、図8と相違する点のみを説明する。
【0093】
テレビ放送の受信時に、電話またはファクシミリの着呼が有った場合(S22で“有り”)、通信制御部28が発信者電話番号を受信し(S23)、それを親機CPU21は取得する。親機CPU21は、発信者電話番号が発信装置情報DB(電話帳情報)に登録されており(S24でYES)、かつ、ファクシミリ専用の電話番号である(S25でYES)場合、自動ファクシミリ受信モードに切り替える。一方、その他の場合(S24でNO、S25でNO)、子機CPU51が表示部45へ電話またはファクシミリの着呼が有ることを表示する(S26)。なお、発信装置情報DBは、着呼の予定があるファクシミリ専用の電話番号が少なくとも登録されて、親機メモリ26にあらかじめ格納されている。
【0094】
そして、ステップS25でモードをファクシミリ(FAX)自動受信モードに切り替えた場合、親機CPU21は、回線を接続し(S81)、ファクシミリを受信し(S82)、回線を切断する(S83)。
【0095】
ここで、子機3において、電話またはファクシミリの着呼が有ることをユーザに報知する方法の具体例について説明する。着呼をユーザに報知する方法としては、上述したように表示部45にテレビ方法と一緒に表示するほか、他の表示装置で表示してもよいし、音声や振動等による報知を行ってもよい。
【0096】
図10から図12は、テレビ放送受信中に着呼が入った時、表示部45に表示する表示画面例である。
【0097】
図10に示すように、「着信あり」の情報を、テレビ放送中の臨時ニュースの報知等のように、表示部45の上部にテロップを表示してもよい。この表示によれば、テレビ画面を遮ることなく大きく表示できる。
【0098】
また、図11に示すように、「着信あり」の情報を、映画の字幕のように表示部45の下部に表示してもよい。この表示によれば、テレビ画面を遮ることなく大きく表示できる。
【0099】
また、図12に示すように、「着信あり」の情報を、表示部45のテレビ受信画面内に配置した子画面内に表示してもよい。この表示によれば、テレビ受信中に着呼があった場合に、確実に着呼があったことを報知することができる。
【0100】
その他、表示部45に、テレビ受信画面と着呼表示画面とを別々の独立した画面として表示してもよい。この表示によれば、テレビ受信中に着呼があった場合においても、テレビ受信画面を着呼表示画面で隠すことなく表示できる。
【0101】
なお、これらの表示方法は、ユーザが自分の使い易い方法を選択することができる。また、ユーザがナンバーディスプレイ等の発信者番号通知サービスに加入している場合は、発信者の番号や発信者名を表示させてもよい。これにより、ユーザは、発信者が誰であるかを認識し、着呼に応答したり、無視したりできる。よって、テレビを見ているときでも、特定の発信者からの電話に出ることが可能となる。
【0102】
図13は、テレビ放送受信中に着呼が入った時、子機スピーカ43から音声によって報知する例である。
【0103】
図13に示すように、テレビ放送受信中に着呼が有る場合に、子機スピーカ43から電話の着呼音等の音を出力してもよい。
【0104】
その際、子機スピーカ43からテレビ音声と着呼通知音の両方を出力してもよい。これにより、着呼があることを報知することができる。
【0105】
また、テレビの音声のボリュームを下げるか、ミュートして着呼通知音を出力してもよい。これにより、テレビの音量が大きいときに着呼があった場合でも、着呼があるとテレビ音声のボリュームを下げる、またはミュートを行った上で、着呼の音声を出力するため、着呼があることを確実に報知することができる。
【0106】
なお、音声出力による着呼報知の場合、出力する音声をユーザの好みに応じて変更することができる。また、ユーザがナンバーディスプレイ等の発信者番号通知サービスに加入している場合は、発信者ごとに、出力する音声の種類を変えてもよい。これにより、ユーザは、発信者が誰であるかを認識し、着呼に応答したり、無視したりできる。よって、テレビを見ているときでも、特定の発信者からの電話に出ることが可能となる。
【0107】
図14は、テレビ放送受信中に着呼が入った時、報知ランプ46を点灯させることによって報知する例である。
【0108】
図14に示すように、子機3に報知ランプ46を設けて、点灯や点滅によって着呼報知を行ってもよい。ここで、報知ランプ46の点灯、点滅パターン、点灯色は、ユーザの好みにより変更することができる。また、点灯、点滅パターン、点灯色は、ユーザの好みにより、任意の組み合わせに設定することができる。よって、ユーザは使用者の使い易い方法を選択することができる。また、ユーザがナンバーディスプレイ等の発信者番号通知サービスに加入している場合は、発信者ごとに、報知ランプ46の点灯、点滅パターン、点灯色を変えてもよい。これにより、ユーザは、発信者が誰であるかを認識し、着呼に応答したり、無視したりできる。よって、テレビを見ているときでも、特定の発信者からの電話に出ることが可能となる。
【0109】
さらに、着呼ありの報知の方法として、表示部45への表示、子機スピーカ43からの音声、報知ランプ46の点灯のいずれか一つ、または、任意の組み合わせを設定できる。よって、表示部45への表示、子機スピーカ43からの音声、報知ランプ46の点灯等の方法をユーザが任意の手段を単独、もしくは組み合わせて使用することにより、使い易い方法を選択することができる。
【0110】
また、子機3で着呼報知をしない設定も可能である。もちろん、着呼があった場合でも、親機2や他の子機では応答が可能である。これにより、子機3の表示部45でテレビを視聴する際に、電話やファクシミリで視聴を中断されることがない。よって、映画等の放送を落ち着いて見ることができる。
【0111】
加えて、子機3で着呼報知をしない設定の場合、自動的に留守番電話モードにしてもよい。ユーザが設定しなくとも、自動で留守番電話モードに設定されるため、ユーザの手間を省くことができる。それゆえ、電話で中断されることなく、テレビを視聴できる一方、重要な電話やファクシミリに対しても確実に対応できるため、安心である。
【0112】
つづいて、図15から図17を参照しながら、放送信号に基づき画像を表示している表示部45の画面をキャプチャする機能、および、生成したキャプチャ画像データを印刷する機能について説明する。
【0113】
図15は、放送受信画面をキャプチャした状態の子機3の外観斜視図である。
【0114】
ファクシミリ装置1では、表示制御部58の制御により、子機3の表示部45に表示される画像情報、たとえば受信したテレビ放送の任意の受信画面を画像情報(キャプチャ画像データ)として子機メモリ56に保存することができる。具体的には、ユーザがテレビ放送を閲覧中に保存したい画面を見た時に、「キャプチャキー」(子機操作キー41)を操作すると、子機CPU51は、その時に表示部45に表示している画像から画像データを生成して、子機メモリ56に保存する。
【0115】
そして、子機メモリ56に保存したキャプチャ画像データは、ユーザの操作等に応じて、表示部45に表示させることができる。これにより、ユーザは、テレビ放送終了後等にキャプチャした放送受信画像を表示部45に表示させて、確認することが可能となる。特に、子機3の子機メモリ56にキャプチャ画像データを保存するため、表示する際に瞬時に呼び出すことができる。
【0116】
図16は、放送受信画面をキャプチャしたキャプチャ画像データを印刷する様子を示すファクシミリ装置1の外観斜視図である。
【0117】
表示部45の画面をキャプチャ後に、ユーザが「プリントキー」(子機操作キー41)を操作すると、生成したキャプチャ画像データを子機3から親機2へ送信して、親機2のプリンタ16で印刷する。詳細には、子機CPU51および親機CPU21の制御により、キャプチャ画像データは、子機データ送受信制御部55、子機アンテナ44、親機アンテナ15、親機データ送受信制御部25を経て、プリンタ制御部27からプリンタ16へ送信される。
【0118】
これにより、キャプチャした放送受信画面を印刷することが可能となる。また、キャプチャ画像データを、子機3から親機2へ通信によって移動させるため、印刷のために、ユーザが親機2の設置場所へ行く必要がない。
【0119】
なお、キャプチャ画像データを子機3から親機2へ送信する際、データを圧縮してもよい。これにより、親機2〜子機3間の通信トラフィックの低減を図ることができる。
【0120】
さらに、キャプチャ画像データを親機2の親機メモリ26に保存してもよい。なお、キャプチャ画像データを一旦子機メモリ56に保存してから親機メモリ26に転送してもよいし、キャプチャを実行する際に、生成したキャプチャ画像データを直ちに親機2へ送信して、親機メモリ26に保存してもよい。一般に、親機2には大容量のメモリを搭載することが可能であるため、メモリ残量をあまり気にせずキャプチャを行うことができる。
【0121】
また、キャプチャ画像データを子機メモリ56に保存していくと、子機メモリ56が一杯になり、キャプチャができなくなる。そこで、ファクシミリ装置1では、キャプチャする際に子機メモリ56が一杯である場合、キャプチャ画像データを親機メモリ26へ保存してもよい。
【0122】
また、子機メモリ56が一杯になった場合、子機メモリ56に保存したキャプチャ画面データを親機メモリ26へ自動的に転送して、子機メモリ56の空き容量を確保してもよい。その際、キャプチャした時刻が古いものから順に転送(送信)するなど、転送するデータに優先順位を設定してもよい。
【0123】
また、メモリ(子機メモリ56、親機メモリ26)の残量を所定のタイミングで検出して、子機3の表示部45に「キャプチャできる回数(画像枚数)」や「保存可能な画面枚数」として表示させてもよい。これにより、ユーザが、表示部45の表示からメモリ残量を把握しながらキャプチャできるので、使い勝手がよい。
【0124】
図17は、受信している放送の放送局に対して情報・データを送信する様子を示すファクシミリ装置1の外観斜視図である。
【0125】
一般に、受信中の放送の内容に対して、プレゼントの応募や意見の投書等の情報・データ(送信用データ)を送信することがある。そこで、ファクシミリ装置1では、ユーザが、子機操作キー41を操作することにより、送信用データを作成し、表示部45にて内容を確認した後、送信用データを親機2を介して公衆回線へ送信することができる。詳細には、子機CPU51および親機CPU21の制御により、送信用データは、子機データ送受信制御部55、子機アンテナ44、親機アンテナ15、親機データ送受信制御部25を経て、通信制御部28、公衆回線接続部17から公衆回線へ送信される。
【0126】
これにより、受信している放送の放送局等へ情報・データ等を容易に送信することが可能となる。
【0127】
本発明のファクシミリ装置は、テレビ放送受信チューナと表示部を備えたファクシミリ装置であって、表示部は本体(親機)から取外し可能な子機に設けられ、親機との間で通信可能なコードレス子機として使用可能である。ここで、親機は、子機との間で通信する親機通信手段と、親機通信手段によって受信される信号情報に基づいて、親機を統括的に制御する親機制御手段とを有し、子機は、親機との間で通信する子機通信手段と、子機通信手段によって受信される信号情報に基づいて、子機を統括的に制御する子機制御手段とを有する。
【0128】
これにより、表示部は、親機との間で通信することが可能であるため、コードレス子機として使用できるとともに、親機で受信したテレビ放送を表示することができる。
【0129】
よって、ユーザはファクシミリ装置の表示部にてテレビ放送を閲覧することができ、また、この表示部は着脱可能な子機としても使用できるため便利である。さらに、テレビ放送の閲覧、コードレス子機としての個別の機能だけでなく、テレビ放送受信中の電話の着呼への応答もできるため便利である。
【0130】
さらに、本発明のファクシミリ装置は、子機にメモリを備える。これにより、受信したテレビ放送の受信画面をキャプチャできる。よって、テレビ放送の受信画面をキャプチャすることができるため、テレビ放送を閲覧中にメモに取る等を行う必要がなく、キャプチャした画面を呼び出して確認することができるため便利である。
【0131】
さらに、本発明のファクシミリ装置は、子機は、キャプチャされた画面の画像データを、上記通信手段を使用して、親機に送信することができる。そして、親機は、受信した画像データを、親機に備えたメモリに蓄積し、親機に備えたファクシミリの印刷部を使用して、印刷することができる。
【0132】
これにより、キャプチャした画面を親機に備える印刷部により、印刷することができるため、上記のキャプチャと同様に、番組の内容をメモに取る等を行う必要がなく、また、画面を印刷することにより、メモのテキスト情報だけでなく、視覚的情報も紙として残せるため便利である。また、親機〜子機間は、無線にて通信できるため、キャプチャした画面を印刷する際、親機を設置しているところへ子機を持って行く必要がなく、子機の操作のみで、印刷することができるため便利である。
【0133】
さらに、本発明のファクシミリ装置は、受信したテレビ放送を閲覧中に、例えば放送者に対して、何らかの情報・データ(例えば、番組中のプレゼントの応募、番組への意見の投書等)を送信する際、上記の親機〜子機間の通信手段を使用して、子機での操作にて、親機に接続している公衆回線(電話回線等)を使用し、容易に送信することができる。すなわち、ファクシミリ装置は、公衆回線(電話回線等)に接続された通信機器であるため、接続されている公衆回線を使用すれば、容易に情報を送信することができるため便利である。
【0134】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0135】
最後に、親機2の親機CPU21で実行される機能(特に、着信報知手段、受信制御手段、キャプチャ画像印刷手段)、子機3の子機CPU51で実行される機能(特に、着信報知手段、キャプチャ手段、キャプチャ画像印刷手段)は、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現される。なお、これらの機能は、ハードウェアロジックによって構成してもよい。
【0136】
すなわち、親機2および子機3は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit )21・51、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)(親機メモリ26、子機メモリ56が相当)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである親機2および子機3の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記親機2および子機3に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0137】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0138】
また、親機2および子機3を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明に係る通信装置は、1台の子機で、通話やファクシミリの受信操作とともに、テレビ等の放送の視聴を可能とするものである。よって、本発明に係る通信装置は、コードレスの子機を有する機器に広く適用可能であるが、特に、コードレス電話、コードレスファクシミリ、および、それらの複合機に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の実施の形態に係るファクシミリ装置の親機および子機の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示したファクシミリ装置の外観を示す斜視図である。
【図3】図1に示したファクシミリ装置の親機の外観を示す斜視図である。
【図4】図1に示したファクシミリ装置の子機の外観を示す斜視図である。
【図5】図1に示したファクシミリ装置における、テレビ放送を受信中に電話の着呼が入った場合の処理を示すフローチャートである。
【図6】図1に示したファクシミリ装置における、テレビ放送を受信中に電話またはファクシミリの着呼が入った場合のモード切替処理を示すフローチャートである。
【図7】図6、図9モード切替処理において子機の表示部に表示されるモード切替画面の一例を示す説明図である。
【図8】図6、図9モード切替処理において子機の表示部に表示されるモード切替画面の一例を示す説明図である。
【図9】図1に示したファクシミリ装置における、テレビ放送を受信中に電話またはファクシミリの着呼が入った場合のモード切替処理を示すフローチャートである。
【図10】図1に示したファクシミリ装置において、テレビ放送受信中に着呼が入った時に表示部に表示される画面例を示す説明図である。
【図11】図1に示したファクシミリ装置において、テレビ放送受信中に着呼が入った時に表示部に表示される画面例を示す説明図である。
【図12】図1に示したファクシミリ装置において、テレビ放送受信中に着呼が入った時に表示部に表示される画面例を示す説明図である。
【図13】図1に示したファクシミリ装置において、テレビ放送受信中に着呼が入った時に子機スピーカから音声によって報知する例を示す説明図である。
【図14】図1に示したファクシミリ装置において、テレビ放送受信中に着呼が入った時に報知ランプによって報知する例を示す説明図である。
【図15】図1に示したファクシミリ装置において、放送受信画面をキャプチャした状態の子機の外観斜視図である。
【図16】図1に示したファクシミリ装置において、放送受信画面をキャプチャしたキャプチャ画像データを印刷する様子を示すファクシミリ装置の外観斜視図である。
【図17】図1に示したファクシミリ装置において、受信している放送の放送局に対して情報・データを送信する様子を示すファクシミリ装置の外観斜視図である。
【符号の説明】
【0141】
1 ファクシミリ装置(通信装置)
2 親機
3 子機
16 プリンタ(印刷手段)
21 親機CPU(着信報知手段、受信制御手段、キャプチャ画像印刷手段)
29 テレビ放送受信チューナ(放送受信手段)
45 表示部(表示手段)
51 子機CPU(着信報知手段、キャプチャ手段、キャプチャ画像印刷手段)
56 子機メモリ(キャプチャ画像記憶手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが通話を行う子機と、回線に接続されて通話信号およびファクシミリ信号の送受信を行うとともに、子機に対して通話信号の中継を行う親機とを含む通信装置であって、
親機および子機の少なくともいずれか一方に、放送信号を受信する放送受信手段を備え、
子機に、上記放送信号に基づき画像を表示する表示手段を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
親機に通話信号またはファクシミリ信号が着信した時、該着信を示す着信情報を上記表示手段に表示する着信報知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
上記放送信号に基づく画像が上記表示手段で表示されている場合、上記着信報知手段は、上記着信情報を上記表示手段に表示しないことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
通話信号またはファクシミリ信号とともに受信した当該通話信号またはファクシミリ信号を発信した発信装置を示す発信装置情報に応じて、受信動作を制御する受信制御手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
上記放送信号に基づく画像が上記表示手段で表示されている場合、上記受信制御手段は、親機に通話信号が着信した時、親機を留守番電話モードで動作させることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
上記放送信号に基づく画像が上記表示手段で表示されている場合、上記受信制御手段は、親機にファクシミリ信号が着信した時、親機にファクシミリ信号を自動受信させることを特徴とする請求項4に記載の通信装置。
【請求項7】
上記放送信号に基づき画像を表示している表示手段の画面をキャプチャしてキャプチャ画像データを生成し、該キャプチャ画像データを子機のキャプチャ画像記憶手段に格納するキャプチャ手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項8】
上記キャプチャ画像記憶手段からキャプチャ画像データを読み出して親機に送信し、親機の印刷手段で印刷するキャプチャ画像印刷手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
上記キャプチャ画像印刷手段は、上記キャプチャ画像記憶手段に所定容量以上にキャプチャ画像データが格納されたとき、古いキャプチャ画像データから順に親機の印刷手段で印刷するとともに、印刷済みのキャプチャ画像データを消去するものであることを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
ユーザが通話を行う子機と、回線に接続されて通話信号およびファクシミリ信号の送受信を行うとともに、子機に対して通話信号の中継を行う親機とを含む通信装置の制御方法であって、
受信した放送信号に基づく画像を子機の表示部に表示するステップと、
親機に通話信号またはファクシミリ信号が着信した時、該着信を示す着信情報を上記表示部に表示するステップと、を含むことを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項11】
ユーザが通話を行う子機と、回線に接続されて通話信号の送受信を行うとともに、子機に対して通話信号の中継を行う親機とを含む電話装置であって、
親機および子機の少なくともいずれか一方に、放送信号を受信する放送受信手段を備え、
子機に、上記放送信号に基づき画像を表示する表示手段を備えることを特徴とする電話装置。
【請求項12】
回線に接続されてファクシミリ信号の送受信を行う親機と、該親機を遠隔操作する子機とを含むファクシミリ装置であって、
親機および子機の少なくともいずれか一方に、放送信号を受信する放送受信手段を備え、
子機に、上記放送信号に基づき画像を表示する表示手段を備えることを特徴とするファクシミリ装置。
【請求項13】
請求項2から9のいずれか1項に記載の通信装置を動作させる制御プログラムであって、親機の着信報知手段、受信制御手段、キャプチャ画像印刷手段、子機の着信報知手段、キャプチャ手段、キャプチャ画像印刷手段の少なくともいずれか1つとして、コンピュータを機能させるための制御プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−20250(P2006−20250A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198492(P2004−198492)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】