説明

通信装置と、通信装置からのデータ送信を中継する中継サーバと、通信装置および中継サーバを含む通信システム

【課題】ポータルサーバ経由での外部サーバへのデータ送信における、手間と、電力および時間の消費とを従来より低減できる通信装置およびポータルサーバが提供される
【解決手段】第1サーバ(300)を介して第2サーバ(400)へデータを送信可能な通信装置(100)が提供される。通信装置(100)は、第2サーバ(400)が受付可能なデータの様式を示す情報であるサーバ情報(310)を、第1サーバ(300)から取得する取得部(171)と、サーバ情報(310)に基づいて、送信すべきデータの様式を、第2サーバ(400)が受付可能な様式に変換する変換部(122)と、変換部(122)によって変換されたデータを第1サーバ(300)に送信する送信部(122)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ここに開示される技術は通信装置に関し、特に、サーバと通信する通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラなどの撮像装置で撮像された画像を多くの人に共有させることが可能な画像共有サービスが知られている。画像共有サービスはサーバ(画像共有サーバ)などで提供される。使用者はこのようなサーバにアクセスすることにより画像共有サービスを受けられる。例えば特許文献1に開示されたカメラ付き通信装置は、画像を格納する画像共有サーバのアドレスを示すコードを撮像し、撮像されたコードに従って画像共有サーバにアクセスする。
【0003】
また、通信装置が目的のサーバ(画像共有サーバなど)にポータルサーバを経由してアクセスする構成が知られている。つまり通信装置はポータルサーバにアクセスし、ポータルサーバが目的のサーバにアクセスする構成である。この構成によって通信装置は、ポータルサーバにアクセスすることにより、所望のサーバにアクセスできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−236159号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通信装置がアクセスの目的であるサーバにポータルサーバ経由でアクセスする構成によれば、通信装置は目的のサーバのアドレスを管理する必要がない。よって、例えば目的のサーバのアドレスが変更になった場合においても、通信装置は目的のサーバへアクセスするためにポータルサーバへアクセスしさえすればよい。この点で利便性が高い。
【0006】
通信装置はポータルサーバへデータを送信することにより、電力を消費する。特に、通信装置によってポータルサーバへ送信されるデータのサイズが大きくなると、消費電力が大きくなるという問題がある。また、送信されるデータのサイズが大きくなると、送信時間が多くなるという問題もある。
【0007】
また、ポータルサーバが通信装置から送信されたデータを外部サーバに送信するとき、外部サーバへ送信されたデータの様式(フォーマット、データサイズ、転送ビットレートなど)が外部サーバで受付(取り扱い)できない様式であることで、ポータルサーバがデータを外部サーバへ送信できない場合がある。このような場合、使用者は、データを外部サーバが受付可能な様式に変換してデータをポータルサーバに再び送信しなければならなかった。このような再送信は、使用者にとって大きな手間であり、電力および時間の消費を増大させる。
【0008】
以上のような問題を解決するために、ポータルサーバ経由での外部サーバへのデータ送信における、手間と、電力および時間の消費とを従来より低減できる通信装置およびポータルサーバが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様において、第1サーバを介して第2サーバへデータを送信可能な通信装置が提供される。通信装置は、第2サーバが受付可能なデータの様式を示す情報であるサーバ情報を、第1サーバから取得する取得部と、サーバ情報に基づいて、送信すべきデータの様式を、第2サーバが受付可能な様式に変換する変換部と、変換部によって変換されたデータを第1サーバに送信する送信部と、を備える。
【0010】
第2の態様において、通信装置からデータを受信し、受信したデータを目的サーバへ送信する中継サーバが提供される。中継サーバは、目的サーバが受付可能なデータの様式を示す情報であるサーバ情報を目的サーバから取得する取得部と、サーバ情報を通信装置へ送信する送信部と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
上記態様の通信装置および第1サーバ(中継サーバ)によれば、通信装置がデータを第1サーバへ送信する前に、データの様式を第2サーバ(目的サーバ)が受付可能な様式に変換できるので、データが第1サーバから第2サーバへ送信されるときのエラーを回避できる。これにより、データが第1サーバへ再送信されるときの手間、時間および消費電力を従来より低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態のデジタルカメラ、ポータルサーバおよび外部サーバを繋ぐネットワークを示す図
【図2】本実施形態のデジタルカメラの電気的構成を示すブロック図
【図3】本実施形態のポータルサーバの電気的構成を示すブロック図
【図4】本実施形態の外部サーバの電気的構成を示すブロック図
【図5】本実施形態の外部サーバ情報の構成を示す図
【図6】デジタルカメラにポータルサーバアカウント情報を入力するためのGUIを示す図
【図7】本実施形態のデジタルカメラ、ポータルサーバおよび外部サーバにおける動作の流れを説明するためのシーケンスチャート
【図8】外部サーバ選択時のGUIを示す図
【図9】画像選択時のGUIを示す図
【図10】画像送信時の画像変換を設定するためのGUIを示す図
【図11】画像送信時のGUIを示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図を参照しながら実施形態について説明する。以下では、実施形態の通信装置の一例としてデジタルカメラを挙げる。
【0014】
ただし、必要以上に詳細な説明を省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細な説明および実質的に同一の構成に対する重複した説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避けることで、当業者の理解を容易にするためである。
【0015】
なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を充分に理解できるよう以下の説明および添付の図面を開示するのであって、以下の説明および添付の図面によって特許請求の範囲の主題を限定することを意図しない。
【0016】
<1.概要>
図1を参照して、本実施形態のデジタルカメラと、ポータルサーバと、外部サーバとの関係について説明する。デジタルカメラ100と、ポータルサーバ300と、外部サーバ400とは、通信回線200によって接続される。
【0017】
デジタルカメラ100は、ポータルサーバ300と直接的に通信する。一方、デジタルカメラ100は、外部サーバ400とは直接的に通信しない。デジタルカメラ100はポータルサーバ300にアクセスし、外部サーバ400をアップロード先として指定した上で画像データをポータルサーバ300へアップロードする。画像データがポータルサーバ300へアップロードされると、ポータルサーバ300はその画像データを、デジタルカメラ100によって指定された外部サーバ400へアップロードする。このようにして、デジタルカメラ100内の画像データは、最終的に外部サーバ400へアップロードされる。
【0018】
デジタルカメラ100が画像データをポータルサーバ300へアップロードするとき、使用者は、デジタルカメラ100を操作して、最終的にアップロードしたい外部サーバ400を選択する。外部サーバ400が複数ある場合は、使用者は、複数の外部サーバ400の中からアップロードしたい外部サーバ400を選択する。また、使用者は、選択された外部サーバ400にアップロードしたい画像を選択する。
【0019】
このときデジタルカメラ100は、外部サーバ400および画像データの選択のための参考情報として、外部サーバ情報(詳細は後述)に基づく情報を使用者に対して提示する。使用者は、提示された情報を参考にして、アップロード先の外部サーバ400およびアップロードしたい画像データを選択でき、そしてデジタルカメラ100に画像データのアップロードを指示できる。また、デジタルカメラ100は画像データを、外部サーバ情報に基づいて変換できる。
【0020】
以下、外部サーバに関して、個別の外部サーバについて説明するとき符号「400A」、「400B」および「400C」を用い、個別の外部サーバを区別なく説明するときは符号「400」を用いる。
【0021】
ここで、図1で示されるように3つの外部サーバ400A、400B、400Cが存在する場合、ポータルサーバ300は複数の外部サーバ400A、400B、400Cのそれぞれに関する外部サーバ情報を保持している。デジタルカメラ100は、ポータルサーバ300へアクセスすることにより、これら3つの外部サーバ情報をポータルサーバ300から取得できる。
【0022】
外部サーバ情報は、外部サーバ400にアップロード可能な画像データの様式を示す外部サーバ基本情報と、外部サーバ400にアップロードされる画像データの推奨される様式を示す外部サーバ推奨情報とを含む。ポータルサーバ300はあらかじめ定期的に、外部サーバ基本情報を外部サーバ400から取得し、ポータルサーバ300内の外部サーバ基本情報を最新の情報に更新する。ポータルサーバ300は、外部サーバ基本情報が更新されると、その外部サーバ基本情報に基づいて、外部サーバ推奨情報を更新する。
【0023】
なお、デジタルカメラ100およびポータルサーバ300は通信システムを構成する。また、通信システムは外部サーバ400を含んでもよい。
【0024】
また、以下、データの様式は、データのフォーマット、データのサイズ、画素数、データ転送時のビットレートなどを含む。
【0025】
また、以下、画像は、静止画(写真)および動画を含む。
【0026】
また、図1で示されるように外部サーバ400は、複数の外部サーバ(400A、400B、400C)で構成されてもよい。以下、複数の外部サーバ(400A、400B、400C)の総称として、または複数の外部サーバの中の任意の1つの外部サーバを指して、外部サーバ400という。
【0027】
<2.構成>
以下、デジタルカメラ100、ポータルサーバ300および外部サーバ400の構成について説明する。
【0028】
<2−1.デジタルカメラの構成>
図2を参照して、デジタルカメラ100の構成について説明する。デジタルカメラ100は、光学系110と、CCDイメージセンサ120と、アナログ・フロント・エンド(Analog Front End、AFE)121と、画像処理部122と、液晶モニタ123と、バッファメモリ124と、コントローラ130、カードスロット140と、メモリカード141と、フラッシュメモリ142と、操作部150とを備える。
【0029】
CCDイメージセンサ120は、光学系を通じて形成された被写体像を撮像し、その被写体像に基づいて画像データを生成する。
【0030】
AFE121および/または画像処理部122は、生成された画像データに各種処理を施す。
【0031】
フラッシュメモリ142および/またはカードスロット140に装着されたメモリカード141は、処理が施された画像データを記憶する。
【0032】
液晶モニタ123は、操作部150によって受け付けられた使用者の操作に従って、フラッシュメモリ142および/またはメモリカード141に記憶された画像データに基づく画像を、表示する。また、液晶モニタ123は、使用者にデジタルカメラ100の設定や画像データの送信先の選択などをさせるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。
【0033】
コントローラ130は、デジタルカメラ100の各部の動作を統括的に制御する。コントローラ130は、ハードワイヤードな電子回路で構成されてもよいし、マイクロコンピュータなどで構成されてもよい。また、コントローラ130は画像処理部122などと共に1つの半導体チップで構成されてもよい。
【0034】
フラッシュメモリ142は、画像データなどを記憶するための内部メモリである。また、フラッシュメモリ142は、ポータルサーバ300によって発行されたポータルサーバアカウント情報を記憶する。
【0035】
ポータルサーバアカウント情報は、デジタルカメラ100がポータルサーバ300からアクセス許可を得るための認証情報である。ポータルサーバアカウント情報は、ポータルサーバ300にログインするために必要なIDおよびパスワードを含む。デジタルカメラ100は、ポータルサーバアカウント情報を使用してポータルサーバ300にログインすることにより、ポータルサーバ300内の記憶領域にアクセスでき、作成されたコンテンツ(撮影した画像など)を記録(アップロード)したり、読み出(ダウンロード)したりすることが可能である。
【0036】
バッファメモリ124は、画像処理部122やコントローラ130のワークメモリとして機能する記憶手段である。バッファメモリ124はDRAM(Dynamic Random Access Memory)などで実現できる。
【0037】
カードスロット140は、メモリカード141を装着可能な接続手段である。カードスロット140は、メモリカード141を装着することにより、メモリカード141と機械的および電気的に接続できる。カードスロット140は、メモリカード141を制御する機能を備えてもよい。
【0038】
通信部171は、無線または有線の通信インタフェースである。コントローラ130は通信部171を通じて、インターネットなどの通信回線200に接続できる。
【0039】
例えば、通信部171は、無線LANモジュール、有線LANインタフェースなどにより実現できる。通信部171が無線LANモジュールなどを用いて無線通信を行うとき、通信部171は、外部の無線LANアクセスポイントを経由して通信回線200に接続する。
【0040】
操作部150は、デジタルカメラ100の筺体に備わる操作釦や操作レバーの総称であり、使用者の操作を受け付ける。操作部150は使用者の操作を受け付けると、受け付けられた操作に従って、コントローラ130に種々の動作を指示する信号を送信する。
【0041】
<2−2.ポータルサーバの構成>
図3を参照してポータルサーバ300の構成について説明する。ポータルサーバ300は、デジタルカメラ100から外部サーバ400へのデータ送信を中継する装置である。ポータルサーバ300は、コントローラ302と、ワークメモリ303と、HDD304と、通信部301とを備える。
【0042】
HDD304は、各種データを格納できる大容量のディスクドライブである。HDD304は、デジタルカメラ100を含む種々の機器のポータルサーバ300へのアクセスを許可するためのアカウント情報(以下、「ポータルサーバアカウント情報」という)を記憶している。ポータルサーバ300は、ポータルサーバ300へのアクセスが許可されている機器のポータルサーバアカウント情報を、ポータルサーバアカウント情報管理テーブルの形でHDD304に記録して管理する。HDD304は、ポータルサーバアカウント情報に関連付けられた記憶領域を、ポータルサーバアカウント情報毎に確保する。
【0043】
ポータルサーバアカウント情報は、デジタルカメラ100が初めてポータルサーバ300へアクセスするときに、ポータルサーバ300によってデジタルカメラ100に対して発行されることができる。発行されたポータルサーバアカウント情報は、HDD304に記憶されるとともに、デジタルカメラ100へ送信される。ポータルサーバ300は、ポータルサーバアカウント情報に関連付けられた記憶領域をHDD304上に作成する。デジタルカメラ100は、ポータルサーバアカウント情報をフラッシュメモリ142に記録する。フラッシュメモリ142に記憶されたポータルサーバアカウント情報は、デジタルカメラ100がポータルサーバ300へログインするときに使用される。
【0044】
また、HDD304は、ポータルサーバ300が外部サーバ400へアクセスするときに使用されるアカウント情報(以下、「外部サーバアカウント情報」という。詳細は後述)を記憶している。外部サーバアカウント情報は、デジタルカメラ100の使用者が直接的に外部サーバ400へアクセスするときに使用される。
【0045】
HDD304には、複数の外部サーバアカウント情報が記憶され得る。その際、1つのポータルサーバアカウント情報に複数の外部サーバアカウント情報が関連付けられて記憶される。例えば、図1に示すように3つの外部サーバ400A、400B、400Cが存在するとき、1つのポータルサーバのアカウント情報に対して、3つの外部サーバ400A、400B、400Cのそれぞれのアカウント情報が関連付けられ得る。
【0046】
また、ポータルサーバ300は、送信可否情報をポータルサーバアカウント情報に関連付けて記憶している。ここで送信可否情報は外部サーバ400へデータを送信可能か否か(すなわち、アクセスできるか否か)を示す情報である。ポータルサーバ300は、外部サーバアカウント情報の有無に従って、外部サーバ400毎に送信可否情報を設定する。つまり、外部サーバ400に対応する外部サーバアカウント情報がポータルサーバアカウント情報に関連付けられている場合、その外部サーバ400に関する送信可否情報は「可」に設定される。一方、外部サーバ400に対応する外部サーバアカウント情報がポータルサーバアカウント情報に関連付けられていない場合、その外部サーバ400に関する送信可否情報は「否」に設定される。
【0047】
ここで、ポータルサーバ300が外部サーバ400へ画像を送信するためには、その外部サーバ400に対応する外部サーバアカウント情報があらかじめポータルサーバアカウント情報に関連付けて記憶されておく必要がある。以下、外部サーバアカウント情報のポータルサーバアカウント情報への関連付けについて説明する。
【0048】
デジタルカメラ100の使用者は、スマートフォンやパソコンなどを用いて、外部サーバ400の外部サーバアカウント情報をあらかじめ取得しておく。そして使用者は、自分のポータルサーバアカウント情報を用いてスマートフォンやパソコンなどからポータルサーバ300へログインする。次に使用者は、あらかじめ取得された外部サーバアカウント情報をポータルサーバ300へ入力する。ポータルサーバ300は、入力された外部サーバアカウント情報を、ログイン時のポータルサーバアカウント情報に関連付ける。このときポータルサーバ300は、入力された外部サーバアカウント情報に対応する外部サーバ400に関する送信可否情報を「可」に設定する。このような手続きにより、ポータルサーバ300は、ポータルサーバアカウント情報と外部サーバアカウント情報とを関連付けて管理できる。
【0049】
外部サーバアカウント情報をポータルサーバアカウント情報に関連付けることは、例えば以下のことを可能にする。デジタルカメラ100が使用者の操作に従ってポータルサーバアカウント情報を用いてポータルサーバ300にログインして、外部サーバ400Aを送信先に指定してポータルサーバ300に画像データを送信する。ポータルサーバ300は、ポータルサーバアカウント情報に関連付けられた外部サーバアカウント情報を用いて外部サーバ400Aにアクセスでき、そしてデジタルカメラ100によって送信された画像データを外部サーバ400Aへ送信できる。
【0050】
コントローラ302は、ポータルサーバ300における各種処理を実行する処理部である。コントローラ302は、ワークメモリ303と、HDD304と、通信部301とに、電気的に接続される。コントローラ302は、HDD304へのデータの書き込みおよびHDD304からのデータの読み出しが可能である。コントローラ302は、新規にポータルサーバアカウント情報が発行されたとき、そのポータルサーバアカウント情報に関連付けられた記憶領域を、HDD304上に作成する。
【0051】
ワークメモリ303は、コントローラ302の各種動作に必要な情報を、一時的に格納するメモリである。
【0052】
通信部301は、通信回線200を通じて、デジタルカメラ100などの通信装置から画像データを受信できる。例えば、通信部301は有線LANインタフェースや無線LANモジュールなどで実現できる。
【0053】
コントローラ302は、通信部301を通じて、デジタルカメラ100からポータルサーバアカウント情報を取得する。コントローラ302は、デジタルカメラ100からの要求に従って、取得したポータルサーバアカウント情報に関連付けられたHDD304の記憶領域に対して、データの書き込みや読み出しなどの制御を行なうことができる。
【0054】
また、HDD304は、外部サーバ400が受付可能な(すなわち、取り扱い可能な)画像データの様式等を示す情報310(以下、「外部サーバ情報」という)を記憶している。外部サーバ情報310については後述する。
【0055】
<2−3.外部サーバの構成>
図4を参照して外部サーバ400の構成について説明する。外部サーバ400は、画像共有サービスなどを提供するサーバである。外部サーバ400は、コントローラ402と、ワークメモリ403と、HDD404と、通信部401とを備える。
【0056】
HDD404は、各種データを格納する大容量のディスクドライブである。HDD404は、外部機器からの外部サーバ400へのアクセスを許可するための外部サーバアカウント情報を記憶している。外部サーバ400は外部サーバアカウント情報を、外部サーバアカウント情報管理テーブルの形でHDD404に記録して管理する。HDD404は、外部サーバアカウント情報に関連付けられた記憶領域を、外部サーバアカウント情報毎に確保する。
【0057】
ここで、外部サーバアカウント情報は、前述の通り、デジタルカメラ100の使用者によってあらかじめ、スマートフォンやパソコンなどを用いて外部サーバ400から取得される必要がある。そして使用者は、取得した外部サーバアカウント情報を、ポータルサーバ300に設定しておく。
【0058】
コントローラ402は、外部サーバ400上の各種処理を実行する処理部である。コントローラ402は、ワークメモリ403と、HDD404と、通信部401とに、電気的に接続される。これにより、コントローラ402は、HDD404へのデータの書き込みおよびHDD404からのデータの読み出しが可能である。コントローラ402は、新規に外部サーバアカウント情報が発行されたとき、その外部サーバアカウント情報に関連付けられた記憶領域をHDD404上に作成する。
【0059】
ワークメモリ403は、コントローラ402が各種処理動作を実行するときに必要となる情報を一時的に格納するメモリである。
【0060】
通信部401は、通信回線200を通じて、ポータルサーバ300など他の機器から画像データを受信できる。例えば、通信部401は有線LANインタフェースや無線LANモジュールなどで実現できる。
【0061】
コントローラ402は、通信部401を通じて、ポータルサーバ300から外部サーバアカウント情報を取得する。そしてコントローラ402は、取得された外部サーバアカウント情報と、HDD404内の外部サーバアカウント情報とが一致したら、ポータルサーバ300の外部サーバ400へのアクセスを許可する。コントローラ402は、アクセスを許可されたポータルサーバ300からの要求に従って、外部サーバアカウント情報に関連付けられたHDD404の記憶領域に対して、データの書き込みや読み出しなどの制御を行なえる。
【0062】
また、HDD404は、外部サーバ400が受付可能な(すなわち、取り扱い可能な)画像データの様式を示す情報311(以下、「外部サーバ基本情報」という)を記憶している。外部サーバ基本情報311については後述する。
【0063】
<2−4.外部サーバ情報の構成>
図5を参照して外部サーバ情報310の構成について説明する。ポータルサーバ300は、外部サーバアカウント情報の有無に関わらず、ポータルサーバ300からの送信が想定される全ての外部サーバ400に関する外部サーバ情報310を記憶している。外部サーバ400が複数であるときは、それぞれの外部サーバ400に関する外部サーバ情報310がポータルサーバ300に記憶される。
【0064】
デジタルカメラ100は、外部サーバ情報310をポータルサーバ300から受信し、外部サーバ情報310に基づく情報を参考情報として液晶モニタ123に表示する。これにより、使用者は、送信先の外部サーバ400および送信したい画像データの選択時、外部サーバ情報310を参考にすることが可能である。
【0065】
外部サーバ情報310は、外部サーバ基本情報311および外部サーバ推奨情報312によって構成される。
【0066】
外部サーバ基本情報311は、外部サーバ400を示すロゴマーク情報と、外部サーバ400が受付可能な画像データの制約条件を示す情報とを含む。
【0067】
例えば、ポータルサーバ300によって送信された画像データのサイズが、外部サーバ400によって受付可能な画像データのサイズよりも大きい場合、エラーが発生する。このエラーにより、画像データを外部サーバ400へアップロードすることができないという問題が生じる。
【0068】
このような問題を回避するために、デジタルカメラ100は、外部サーバ基本情報311をポータルサーバ300から取得し、外部サーバ基本情報311に基づいて処理を行う。これにより画像データを外部サーバ400へアップロードすることができないという問題を回避することが可能となる。
【0069】
ポータルサーバ300は、定期的に外部サーバ400に接続して外部サーバ基本情報311を取得し、HDD304内の外部サーバ基本情報311を更新する。
【0070】
外部サーバ基本情報311は、具体的には、(1)ロゴマーク画像データ、および制約条件としての、(2)対応画像フォーマット、(3)アップロード最大サイズ、(4)アップロード最大画素数、および(5)アップロード最大ビットレートなどを含む。
【0071】
(1)ロゴマーク画像データは、外部サーバ400を視覚的に識別するためのロゴマークのデータである。なお、ロゴマークは、外部サーバ400で提供されるサービス(画像共有サービスなど)を表すマークであってもよい。デジタルカメラ100は、アップロード先の外部サーバ400が選択されるとき、液晶モニタ123に外部サーバ400のロゴマークを表示できる。
【0072】
(2)対応画像フォーマットは、外部サーバ400が受付可能な(つまり、アップロード可能な)画像データのファイルフォーマットを示す情報である。対応画像フォーマットは、静止画としてはJPEG、PNG(Portable Network Graphics)などを示し、動画としてはMPEG2、MPEG4などを示す。なお、対応画像フォーマットは、ファイルフォーマットだけでなく、画像データの符号化フォーマットを示す情報であってもよい。
【0073】
(3)アップロード最大サイズは、外部サーバ400が受付可能な(アップロード可能な)最大のファイルサイズを示す情報である。アップロード最大サイズは、静止画および動画に対してそれぞれ個別に設定してもよい。
【0074】
(4)アップロード最大画素数は、外部サーバ400が受付可能な(アップロード可能な)最大画素数を示す情報である。最大画素数は(縦の画素数)×(横の画素数)の形で表現される。外部サーバ400に送信された画像の縦の画素数および横の画素数が共に、アップロード最大画素数によって示された値以下のとき、外部サーバ400は画素数に関してはその画像を受付できると判断する。アップロード最大画素数は、特に外部サーバ400にアップロードされる画像データに縦横の画素数に関する制限が必要な場合に用いられる。
【0075】
(5)アップロード最大ビットレートは、外部サーバ400が受付可能な(アップロード可能な)動画の最大ビットレートを示す情報である。アップロード最大ビットレートについては動画のコンテンツのみに適用される。
【0076】
また、外部サーバ推奨情報312は、ポータルサーバ300が推奨する画像データの様式(フォーマットおよび/またはサイズなど)を示す情報である。外部サーバ推奨情報312は、具体的には、(a)推奨画像フォーマット、(b)アップロード推奨サイズ、(c)アップロード推奨画素数、および(d)アップロード推奨ビットレートなどを含む。
【0077】
(a)推奨画像フォーマットは、外部サーバ基本情報311の対応画像フォーマットによって示されたファイルフォーマットの中から選択されたフォーマットである。
【0078】
(b)アップロード推奨サイズは、外部サーバ基本情報311のアップロード最大サイズによって示されるファイルサイズ以下になるよう設定される。アップロード推奨サイズは、外部サーバ基本情報311のアップロード最大サイズによって示されたファイルサイズからポータルサーバ300によって所定の方法に基づいて算出される。
【0079】
(c)アップロード推奨画素数は、縦の推奨画素数が外部サーバ基本情報311の縦の最大画素数以下になるよう、横の推奨画素数が横の最大画素数以下になるよう設定される。アップロード推奨画素数は、外部サーバ基本情報311のアップロード最大画素数によって示された画素数から、ポータルサーバ300によって所定の方法に基づいて算出される。アップロード推奨画素数は、(縦の画素数)×(横の画素数)の形で表現される。
【0080】
(d)アップロード推奨ビットレートは、アップロード最大ビットレートによって示されるビットレート以下になるよう設定される。アップロード推奨ビットレートは、外部サーバ基本情報311のアップロード最大ビットレートによって示されたビットレートからポータルサーバ300によって所定の方法に基づいて算出される。
【0081】
外部サーバ推奨情報312は、デジタルカメラ100がポータルサーバ300へ画像データを送信するときの画像データの制約条件ではない点で、外部サーバ基本情報311と異なる。よって、使用者は外部サーバ推奨情報312によって規定される条件に、必ずしも従わなくてもよい。
【0082】
外部サーバ推奨情報312は例えば次のように作成される。前述の通りポータルサーバ300は所定期間毎に外部サーバ400から外部サーバ基本情報311を取得する。そしてポータルサーバ300は、外部サーバ基本情報311によって規定される条件を満たす範囲で、ポータルサーバ300がデジタルカメラ100に推奨する1つの条件を決定する。例えば、アップロード推奨サイズはアップロード最大サイズの70%に決定される。
【0083】
なお、外部サーバ推奨情報312は必ずしもポータルサーバ300によって作成されなくてもよい。例えば、ポータルサーバ300の責任者などが、外部サーバ400で提供されるサービスの利用シーンおよび外部サーバ基本情報311を考慮して、外部サーバ推奨情報312を決定してもよい。この場合、決定された外部サーバ推奨情報312は、責任者などによってポータルサーバ300のHDD304に記録される。
【0084】
外部サーバ基本情報311がデジタルカメラ100に送信されることによる利点は以下の通りである。ポータルサーバ300が外部サーバ400へ画像を送信するときに、その画像のサイズが外部サーバ400によって受付可能なサイズより大きいことで、エラーが発生する場合もある。この場合、使用者はポータルサーバ300へ画像を送りなおさねばならず、利便性が悪かった。このような利便性の悪さも、外部サーバ推奨情報312によって改善される。つまり、デジタルカメラ100が画像をポータルサーバ300へ送信するとき、外部サーバ基本情報312に基づいて画像を小さくすることで、ポータルサーバ300が外部サーバ400へ画像を送信するときのエラーを回避できる。
【0085】
また、外部サーバ推奨情報312がデジタルカメラ100に送信されることによる利点は以下の通りである。通信装置(本実施形態ではデジタルカメラ100)が携帯端末である場合、通信装置はバッテリを消耗して画像データを送信する。また、デジタルカメラ100では、撮影される画像はその実機にて撮影可能な最大画像サイズで撮影されることが多い。また、外部サーバ400に送信された後の画像データの利用シーンから想定すると、送信される画像データのサイズは、現在のデジタルカメラ100で撮影できるほどの高解像の画像サイズを必要とされないことが多い。このような事情を考慮し、本実施形態のデジタルカメラ100は、推奨情報を取得して、それを参照することで、画像データの、画像サイズ、画素数および/またはフォーマット等の様式(属性)を、利用シーンに好適な様式に変換することができる。これによりデジタルカメラ100は、送信データサイズを小さくでき、画像送信時間を抑制することが可能となる。よって、通信装置における画像送信時の省電力効果が期待できる。
【0086】
<3.デジタルカメラ、ポータルサーバおよび外部サーバの動作>
デジタルカメラ100において、ポータルサーバ300への画像アップロード動作の前に、ポータルサーバアカウント情報が、フラッシュメモリ142に記憶されている必要がある。ポータルサーバアカウント情報は、デジタルカメラ100の液晶モニタ123によって表示されるGUIを通じて入力される。デジタルカメラ100に入力されるポータルサーバアカウント情報は、例えばログインIDとパスワードとで構成される。
【0087】
図6にポータルサーバアカウント情報の入力画面の例を示す。領域A1は、デジタルカメラ100がポータルサーバ300へアクセスするときのログインIDを入力する領域である。領域A2は、デジタルカメラ100がポータルサーバ300へアクセスするときのパスワードを入力する領域である。
【0088】
またデジタルカメラ100において、ポータルサーバ300への画像アップロード動作の前に、デジタルカメラ100が画像データに施す変換の方式が設定されている
【0089】
また、アップロード先である外部サーバ400に対応する外部サーバアカウント情報は、ポータルサーバ300への画像アップロード動作の前に、ポータルサーバ300のHDD304内のポータルサーバアカウント情報に関連付けられている。
【0090】
図7を参照して、画像がポータルサーバ300経由でデジタルカメラ100から外部サーバ400へアップロードされるときの、デジタルカメラ100とポータルサーバ300と外部サーバ400との動作について説明する。
【0091】
デジタルカメラ100が、使用者によって画像共有メニューが選択されたことを受け付けると(S500)、デジタルカメラ100のコントローラ130は、画像共有アプリケーションをフラッシュメモリ142から読み出して起動する(S501)。ここで画像共有アプリケーションは、デジタルカメラ100が画像データをポータルサーバ300経由で外部サーバ400へ送信するためのアプリケーションである。画像共有アプリケーションは、画像共有に関連する各種機能を実行可能にする。
【0092】
画像共有アプリケーションの起動は、具体的には次のような手順で行なわれる。デジタルカメラ100はまず、使用者の操作に従って、機能の一覧を提示するためのメニュー画面を、液晶モニタ123に表示させる。操作部150によって受け付けられた使用者の操作に従って、メニュー画面に示された複数の機能の中から、画像共有メニューが選択される。そして画像共有メニューが選択された状態で操作部150がメニュー決定操作を受け付けると、デジタルカメラ100のコントローラ130は、フラッシュメモリ142に記憶されている画像共有アプリケーションを読み出して起動する。
【0093】
画像共有アプリケーションが起動されると、コントローラ130はフラッシュメモリ142に記憶されたポータルサーバアカウント情報を、通信部171を通じてポータルサーバ300へ送信する(S503)。
【0094】
ポータルサーバ300の通信部301は、デジタルカメラ100によって送信されたポータルサーバアカウント情報を受信する。するとポータルサーバ300のコントローラ302は、受信されたポータルサーバアカウント情報が、HDD304内のポータルサーバアカウント情報管理テーブルに存在するか否かを判定する(S504)。
【0095】
コントローラ302が、受信されたポータルサーバアカウント情報がポータルサーバアカウント情報管理テーブル内に存在しないと判断した場合(ステップS504におけるNO)、ポータルサーバ300は、受信されたポータルサーバアカウント情報がポータルサーバアカウント情報管理テーブル内に存在しないことを、デジタルカメラ100へ通知する。デジタルカメラ100がこの通知を受信すると、デジタルカメラ100は、ポータルサーバ300への接続の失敗を液晶モニタ123で使用者に提示してから、画像共有アプリケーションを終了する。この場合、使用者は、図6で示されたGUIでポータルサーバアカウント情報を設定しなおすか、ポータルサーバ300で新しいアカウントを作成することにより、ポータルサーバ300へのログインを再び試みることが可能である。
【0096】
コントローラ302が、受信されたポータルサーバアカウント情報がポータルサーバアカウント情報管理テーブル内に存在すると判断した場合(ステップS504におけるYES)、コントローラ302は、ポータルサーバアカウント情報に関連付けられたHDD304上の記憶領域へのデジタルカメラ100のアクセスを許可することを、デジタルカメラ100に通知する(S505)。
【0097】
デジタルカメラ100のコントローラ130は、アクセス許可の通知をポータルサーバ300から受信すると、ポータルサーバ300に対して外部サーバ情報310を要求する(S506)。ポータルサーバ300のコントローラ302は、外部サーバ情報310の要求に対し、ポータルサーバ300に記憶されている全ての外部サーバ情報310(つまり、ポータルサーバ300が画像データを送信することが想定される全ての外部サーバ400に対応する外部サーバ情報310)を、デジタルカメラ100へ返信する(S507)。このときポータルサーバ300のコントローラ302は、デジタルカメラ100がポータルサーバ300へ実際に送信可能であるか否かを示す送信可否情報を、外部サーバ情報310と共にデジタルカメラ100へ送信する。
【0098】
デジタルカメラ100のコントローラ130は、外部サーバ情報310および送信可否情報の受信後、外部サーバ情報310からロゴマーク画像データを抜き出して、ロゴマークおよび送信可否情報に基づく画像を液晶モニタ123に表示させる(S508)。つまり液晶モニタ123は、画像共有アプリケーションが起動されて、デジタルカメラ100のポータルサーバアカウント情報がポータルサーバにあった場合、例えば図8に示されるようなGUIを表示する。コントローラ130は、外部サーバ400毎に、ロゴマークI1と送信可否情報に基づく画像I2とを、対にして表示する。送信可否情報に基づく画像I2は、対応する外部サーバ400へ画像がアップロード可能か否かを識別できる情報として、ロゴマークI1と関連付けて表示される。つまりGUIは、送信可能な外部サーバ400に対して「○」マークを表示することにより、使用者にデジタルカメラ100がその外部サーバ400へ画像をアップロードできることを提示する。
【0099】
なお、送信可否情報は、ロゴマークの色などを変化させることにより提示してもよい。例えば、送信可否情報が「可」である外部サーバのロゴマークはカラーで、送信可否情報が「否」である外部サーバのロゴマークはモノクロで表示されてもよい。
【0100】
送信可否情報が液晶モニタ123によって表示されるので、使用者はデータを送信可能な全ての外部サーバ400を確認できる。使用者は、デジタルカメラ100の操作部150を操作することにより、送信先の外部サーバ400を選択する(S509)。GUIは、選択された外部サーバ400の選択欄I3に、チェックマークを表示する。
【0101】
次に、液晶モニタ123は、フラッシュメモリ142またはメモリカード141に記憶された画像データに基づく画像を表示する(S510)。ここで、例えば、図9で示されるGUI(画像選択メニュー)が表示される。画像I4はフラッシュメモリ142またはメモリカード141に記憶された画像データに基づく画像である。液晶モニタ123に表示された画像I4が選択されることで、ポータルサーバ300へ送信される画像データが選択される。使用者は、液晶モニタ123に表示される画像に基づいて、操作部150を操作してポータルサーバ300へ送信したい画像データを選択する(S511)。
【0102】
なお、図9で示されたGUIは、画像データに基づく画像を、1枚ずつ表示してもよいし、サムネイル一覧で複数同時に表示してもよい。また、画像は、1枚のみ選択されてもよいし、複数枚選択されてもよい。また、画像は、画像データ単位で選択されてもよいし、フォルダ単位で選択されてもよい。
【0103】
また、送信画像の選択のための動作(S510〜S511)は、外部サーバ400の選択のための動作(S508〜S509)より前に行なわれてもよい。
【0104】
送信される画像データが決定されると、デジタルカメラ100のコントローラ130は、あらかじめ設定された画像データの変換方式に従って、必要に応じて、外部サーバ情報310を参照する。そしてコントローラ130は選択された画像データを、送信先の外部サーバ400に対応する外部サーバ情報310によって示される制約条件および/または推奨情報と比較する。そしてコントローラ130は、比較結果に基づいて、画像処理部122に画像データを変換するよう命令する。画像処理部122は、あらかじめ設定されたアップロード時の変換処理を、送信される画像データに対して施す(S512)。
【0105】
ここで、アップロード時の変換処理の設定について説明する。図10は、使用者にアップロード時の画像データの変換処理を設定させるために、液晶モニタ123に表示されるGUIを示す。このGUIは、「オリジナル」ボタンB1、「おすすめ」ボタンB2、「最大」ボタンB3、および変換サイズを指定するための設定領域B4を含む。
【0106】
「オリジナル」ボタンB1は、画像データを変換せず、フラッシュメモリ142および/またはメモリカード141に記憶された画像データを、その様式(属性)のまま、ポータルサーバ300へ送信するよう設定するためのボタンである。「おすすめ」ボタンB2は、画像データをポータルサーバ300から取得された推奨情報(外部サーバ推奨情報312)によって示される様式に変換して送信するよう設定するためのボタンである。「最大」ボタンB3は、画像データをポータルサーバ300から取得された制約条件(外部サーバ基本情報311)によって示される様式に変換して送信するよう設定するためのボタンである。変換サイズを指定するための設定領域B4は、画像データを使用者によって指定される様式に変換して送信するよう設定するための領域である。変換サイズを指定するための設定領域B4は、異なる画像サイズおよび画像データのサイズを設定するための複数の領域を含む。
【0107】
使用者は、これらのボタンB1〜B3および設定領域B4を用いて、アップロード時に画像データに施す変換処理を次の4つの変換処理の中から、あらかじめ設定できる。すなわち、使用者は以下の4つの選択肢の中から設定できる。
(1)画像データを変換しない。
(2)画像データを、ポータルサーバ300から取得された推奨情報(外部サーバ推奨情報312)によって示される様式に変換する。
(3)画像データを、ポータルサーバ300から取得された制約条件(外部サーバ基本情報311)によって示される様式に変換する。
(4)画像データを使用者指定サイズに変換する。
【0108】
選択肢(1)は、「オリジナル」ボタンB1を選択することにより設定される。選択肢(2)は、「おすすめ」ボタンB2を選択することにより設定される。選択肢(3)は、「最大」ボタンB3を選択することにより設定される。選択肢(4)は、変換サイズを指定するための設定領域B4を用いて設定される。ここで、選択肢(4)が設定されたときは、それに伴って、画像データの変換様式(画像サイズ、画像データサイズ等)が使用者によってさらに設定される。
【0109】
ここで、画像データの変換は、画像のフォーマット、画像のデータサイズ、画像の画素数、画像のビットレートなどの変換を含む。
【0110】
なお、変換サイズを指定するための設定領域B4は、画像データのフォーマットを指定するためのボタンを含んでもよい。また、設定領域B4が、例えば使用者が任意の数値を入力できるよう構成されてもよい。
【0111】
図10に示すGUIにおいて「オリジナル」(ボタンB1)が選択されていたとき、すなわちアップロード時の変換処理として、「(1)画像データを変換しない」の選択肢があらかじめ選択されていた場合、コントローラ130は、画像データに変換処理を施さずに、画像データをポータルサーバ300へ送信する。この場合、送信先の外部サーバ400によっては、後に画像データがポータルサーバ300から外部サーバ400へ送信されるとき、外部サーバ400がその画像データを受付できないこともある。
【0112】
なお、アップロード時の変換処理として「(1)画像データが変換されない」の選択肢があらかじめ選択されていた場合、デジタルカメラ100が送信先の外部サーバ400に対応する外部サーバ基本情報311を参照して、選択された画像データが外部サーバ基本情報311によって示される制約条件を満たしていないときは、デジタルカメラ100が、送信先の外部サーバ400が選択された画像データを受付できないことを使用者に対して通知してもよい。あるいは、ポータルサーバ300が外部サーバ400へ画像データを送信する前(または送信するとき)、ポータルサーバ300が外部サーバ基本情報311を参照して、その画像データが外部サーバ基本情報311によって示される制約条件を満たしていない場合は、ポータルサーバ300は、外部サーバ400がその画像データを受付できないことを示す情報を使用者に対して送信してもよい。そしてデジタルカメラ100は、送信された情報に基づいて、外部サーバ400が選択された画像データを受付できないことを使用者に提示してもよい。
【0113】
また、図10に示すGUIにおいて「おすすめ」(ボタンB2)が選択されていたとき、すなわち、アップロード時の変換処理として「(2)画像データを、ポータルサーバ300から取得された推奨情報によって示される様式に変換する」があらかじめ選択されていた場合、コントローラ130は、選択された外部サーバ400に対応する外部サーバ推奨情報312に従って、選択された画像データを変換するよう、画像処理部122を制御する。画像処理部122は、選択された画像データの様式を、外部サーバ推奨情報312によって示される画像データの様式に変換する。
【0114】
つまり、選択された画像データの様式は、推奨画像フォーマット、アップロード推奨サイズ、アップロード推奨画素数、アップロード推奨ビットレートのすべてを満たすように変換される。例えば、選択された画像データの縦の画素数がアップロード推奨画素数の縦の画素数以下であり、選択された画像データの横の画素数がアップロード推奨画素数の横の画素数より大きい場合を考える。この場合、選択された画像データは、画像データの縦横比が維持されたまま、画像データの横の画素数がアップロード推奨画素数の横の画素数に等しくなるよう縮小される。
【0115】
また、図10に示すGUIにおいて「最大」(ボタンB3)が選択されていたとき、すなわち、アップロード時の変換処理として、「(3)画像データを、ポータルサーバ300から取得された外部サーバ基本情報311によって示される様式に変換する」があらかじめ選択されていた場合、コントローラ130は、選択された外部サーバ400に対応する外部サーバ基本情報311に従って、選択された画像データを変換するよう、画像処理部122を制御する。画像処理部122は、選択された画像データの様式を、外部サーバ基本情報311によって示される画像データの様式に変換する。
【0116】
つまり、選択された画像データの様式は、対応画像フォーマット、アップロード最大サイズ、アップロード最大画素数、アップロード最大ビットレートのすべてを満たすように変換される。例えば、選択された画像データの縦の画素数がアップロード最大画素数の縦の画素数以下であり、選択された画像データの横の画素数がアップロード最大画素数の横の画素数より大きい場合を考える。この場合、選択された画像データは、画像データの縦横比が維持されたまま、画像データの横の画素数がアップロード最大画素数の横の画素数に等しくなるよう、縮小される。
【0117】
また、図10に示すGUIにおいて、画像データのサイズ等が設定領域B4を用いて指定されていたとき、すなわち、アップロード時の変換処理として、「(4)画像データを指定サイズに変換する」があらかじめ選択されていた場合、画像処理部122は選択された画像データを、あらかじめ使用者によって設定された指定サイズに変換する。
【0118】
指定サイズに変換された画像データは、アップロード先の外部サーバ400の制約条件によっては、アップロードできない場合もある。その場合を回避するために、画像データの変換前に、デジタルカメラ100が、設定された指定サイズを外部サーバ基本情報311によって示されるサイズと比較して、設定された指定サイズが外部サーバ基本情報311によって示されるサイズより大きい場合、デジタルカメラ100が、送信先の外部サーバ400が送信される画像データを受付できないことを使用者に通知してもよい。あるいは、ポータルサーバ300が外部サーバ400へ画像データを送信する前(または送信するとき)、ポータルサーバ300が外部サーバ基本情報311を参照して、その画像データが外部サーバ基本情報311によって示される制約条件を満たしていないと判断したとき、ポータルサーバ300は、外部サーバ400がその画像データを受付できないことを示す情報をデジタルカメラ100へ送信して使用者に提示してもよい。
【0119】
本実施形態では、アップロード時の変換処理の設定は、画像共有アプリケーションの起動より前に、選択された。しかし、送信先の外部サーバ400の選択(S508)および送信したい画像データの選択(S510)の後に、アップロード時の変換処理が設定されてもよい。その場合は、送信先の外部サーバ400の選択および送信したい画像データの選択の後に、図10で示されたGUIが液晶モニタ123に表示される。その場合、設定領域B4に示される指定サイズは、送信先の外部サーバ400に従って変更されてもよい。
【0120】
以上の変換処理のいずれかの後、デジタルカメラ100のコントローラ130は、選択された画像データを一括してポータルサーバ300へ送信する(S513)。このときコントローラ130は、送信された画像データの最終的な送信先としての外部サーバ400を示す情報を、画像データに関連付けて送信する。ここで、最終的な送信先としての外部サーバ400は、図8で示されたGUIにおいて選択された外部サーバ400である。
【0121】
液晶モニタ123は、画像データがデジタルカメラ100からポータルサーバ300へ送信されている間、画像データが送信中であることを使用者に通知するためのGUIを表示する。このGUIの例を図11に示す。このGUIにおいては、送信されるべき画像データの総数中の送信済み画像データの数N1と、全ての画像データの送信を完了するために要する残り時間N2とが示される。このGUIによって、使用者は画像データの送信動作中であることを把握することができる。
【0122】
ポータルサーバ300のコントローラ302は、画像データをデジタルカメラ100から受信すると、デジタルカメラ100からすでに受信したポータルサーバアカウント情報に関連付けられたHDD304上の記憶領域に、受信された画像データを記録する(S514)。
【0123】
このとき、コントローラ302は、受信された画像データを、デジタルカメラ100からアップロードされたときのポータルサーバアカウント情報および送信先の外部サーバ400を示す情報と関連付けて、HDD304に記録する。コントローラ302は、後に受信された画像データを外部サーバ400に送信する際に、これらの情報を参照する。
【0124】
ポータルサーバ300は、デジタルカメラ100から受信された画像データの記録が完了すると、画像データのデジタルカメラ100からの受信が完了したことを、デジタルカメラ100に通知する(S515)。
【0125】
デジタルカメラ100のコントローラ130は、受信完了の通知をポータルサーバ300から受信すると、送信する画像データを選択できるGUI(画像選択メニュー、図9を参照)を液晶モニタ123に再び表示させる(S516)。デジタルカメラ100は、画像データの送信完了後に送信画像を選択できるGUIを再び表示することにより、使用者に、フラッシュメモリ142やメモリカード141に記憶された画像をポータルサーバ300へ継続的に送信させることを可能とする。
【0126】
一方、ポータルサーバ300のコントローラ302は、画像データの記録の完了をデジタルカメラ100に通知した後、HDD304に記録された画像データを、定期的に外部サーバ400へ送信するための動作に移行する。
【0127】
ここで、外部サーバ400に送信すべき画像データは、デジタルカメラ100からのアップロード時のポータルサーバアカウント情報と、送信先の外部サーバ400を示す情報とに関連付けられて、HDD304に記憶されている。
【0128】
コントローラ302は、ポータルサーバアカウント情報に関連付けられた外部サーバアカウント情報をHDD304から読み出す。そしてコントローラ302は、読み出された外部サーバアカウント情報を用いて、画像データの送信先として指定された外部サーバ400に接続する。コントローラ302は、外部サーバ400への接続後、画像データを外部サーバ400へ送信する。コントローラ302は、外部サーバ400へまだ送信されていない全ての画像データを、同様に外部サーバ400へ送信する(S517)。
【0129】
外部サーバ400のコントローラ402は、ポータルサーバ300から受信された画像データを、ポータルサーバ300が外部サーバ400へ接続したときに用いた外部サーバアカウント情報に関連付けられたHDD404上の記憶領域に記録する(S518)。
【0130】
コントローラ402は、画像データの記録の完了後、画像データの記録の完了をポータルサーバ300へ通知する(S519)。
【0131】
ポータルサーバ300への完了通知が、画像データが送信された外部サーバ400のURLなどを含んでもよい。完了通知の受信後、ポータルサーバ300のコントローラ302は、この完了通知を、完了通知を受信した日時と、完了通知に対応する画像データを送信したデジタルカメラ100のポータルサーバアカウント情報とに関連付けて、HDD304に記録する。
【0132】
ポータルサーバ300は、使用者が別途パソコンなどからWEBブラウザを用いてポータルサーバ300へアクセスしたとき、ポータルサーバ300のHDD304に記録された完了通知に基づいて、画像データの外部サーバ400への送信が完了したことを通知することが可能である。
【0133】
あるいは、ポータルサーバ300がメール送信機能を有する場合、ポータルサーバ300はデジタルカメラ100の使用者のメールアドレスをポータルサーバアカウント情報
と関連付けて記憶しておくことにより、完了通知を含むメールを、登録されたメールアドレスに送信してもよい。
【0134】
または、ポータルサーバ300は、デジタルカメラ100が次にポータルサーバ300へログインするときに、HDD304に記憶された完了通知に基づいて、画像データの外部サーバ400への送信(あるいはアップロード)の完了をデジタルカメラ100へ通知してもよい。
【0135】
ポータルサーバ300のコントローラ302は、画像データの送信の完了通知を外部サーバ400から受信すると、HDD304に記憶された画像データを消去する(S520)。
【0136】
なお、本実施形態では、ポータルサーバ300は、デジタルカメラ100から受信した画像データを外部サーバ400へ送信する前に、デジタルカメラ100からの画像データの受信完了を、デジタルカメラ100へ通知した(S515)。しかし必ずしもこのような構成である必要はない。ポータルサーバ300は、外部サーバ400からの完了通知(S519)を受信したときに、デジタルカメラ100へ、画像データの受信完了を通知してもよい。これにより、デジタルカメラ100は、最終送信先となる外部サーバ400への送信が完了したことを使用者にリアルタイムに知らせることが可能となる。ただしこの場合は、ポータルサーバ300は、デジタルカメラ100から受信された画像データを、外部サーバ400へ所定周期で送信するのではなく、可能な限り短時間で送信する。これにより、デジタルカメラ100が画像データの送信の完了通知を受信するまでの待ち時間を短縮できるので、待ち時間の間に消費されるデジタルカメラ100の電力を低減できる。
【0137】
また、本実施形態では、ポータルサーバ300のコントローラ302は、画像データの送信完了の通知を外部サーバ400から受信すると、HDD304に記憶された画像データを消去した(S520)。しかし、ポータルサーバ300が画像データを消去せずに記憶しつづけてもよい。
【0138】
以上の通り、本実施形態によれば、デジタルカメラ100は、ポータルサーバ300へアクセスすることにより、外部サーバ400の制約条件および推奨情報を取得できる。
【0139】
これにより、デジタルカメラ100などの通信装置は、画像データをポータルサーバ300経由で外部サーバ400へ送信する前に、画像データを、外部サーバ400が受付可能な画像データの様式(制約条件)に変換できる。よって、画像データがポータルサーバ300から外部サーバ400へ送信されるときのエラーを回避できる。
【0140】
また、デジタルカメラ100は画像データの送信前に外部サーバ推奨情報312に従って画像データの様式を変換できるので、画像データのサイズを外部サーバ400で提供されるサービスに適切なサイズに設定することが可能である。これにより、画像データの様式を提供されるサービスで必要とされる様式としたまま、画像データ送信時のデジタルカメラ100の消費電力と送信時間とが低減できる。
【0141】
このように、本実施形態によれば、画像データがポータルサーバ300経由で外部サーバ400へ送信されるときの利便性が従来より向上する。
【0142】
また、外部サーバ400は、パソコンが画像データを有線LAN経由で送信する場合を考慮して制約条件を決定している場合がある。この場合、例えば、外部サーバ400が、非常に大きな画素数の画像データであっても送信可能としている。しかし、デジタルカメラ100などの通信装置が有線LANよりも低速な無線LAN経由で画像データを送信するような場合は、このような制約条件を満たす画像データが送信されると、データ量が多いので、有線LAN経由での送信に比べて送信時間が多くなるという問題がある。このような問題を解決するために、外部サーバ推奨情報312が、画像データが無線LAN経由で送信される場合を考慮して決定されてもよい。例えば、アップロード推奨サイズが、画像データを無線LAN経由で送信された場合でも可能な限り送信時間を少なくする値に決定されてもよい。デジタルカメラ100がこのように設定された外部サーバ推奨情報312を画像データのアップロード前に参照することで、送信される画像データのデータ量を無線LANで送信するのに好適なサイズに変換できる。これにより、変換前の大きいサイズの画像データが送信される場合に比べて、送信時間をより短くでき、よって、デジタルカメラ100の消費電力を低減できる。
【0143】
また、画像データの送信時におけるデジタルカメラ100の消費電力が低減することで、デジタルカメラ100の動作時間および撮像枚数を延ばすことが可能になる。よって、変換前の大きいサイズの画像データが送信される場合に比べてデジタルカメラ100の利便性がより向上する。
【0144】
<4.本実施形態のまとめ>
以上の通り、本実施形態のデジタルカメラ100は、ポータルサーバ300を介して外部サーバ400へデータを送信可能である。デジタルカメラ100は、外部サーバ400が受付可能なデータの様式を示す情報である外部サーバ情報310を、ポータルサーバ300から取得する通信部171と、外部サーバ情報310に基づいて、送信すべきデータの様式を、外部サーバ400が受付可能な様式に変換する画像処理部122と、画像処理部122によって変換されたデータをポータルサーバ300に送信する通信部171と、を備える。
【0145】
また、本実施形態のポータルサーバ300は、デジタルカメラ100からデータを受信し、受信したデータを外部サーバ400へ送信する。ポータルサーバ300は、外部サーバ400が受付可能なデータの様式を示す情報である外部サーバ情報310を外部サーバ400から取得する通信部301と、外部サーバ情報310をデジタルカメラ100へ送信する通信部301と、を備える。
【0146】
このような構成を有するデジタルカメラ100およびポータルサーバ300によれば、デジタルカメラ100が画像データをポータルサーバ300へ送信する前に、画像データの様式を外部サーバ400が受付可能な様式に変換できるので、画像データがポータルサーバ300から外部サーバ400へ送信されるときのエラーを回避できる。これにより、画像データがポータルサーバ300へ再送信されるときの手間、時間および消費電力を従来より低減できる。
【0147】
また、デジタルカメラ100は、画像データの様式を外部サーバ情報310に含まれる外部サーバ推奨情報312によって示される様式に変換することにより、画像データを外部サーバ400で提供されるサービスに適切なサイズに設定することが可能である。これにより、画像データをポータルサーバ300へ送信するときのデジタルカメラ100の消費電力および時間を、変換前の画像データをポータルサーバ300へ送信するときに比べて、低減できる。
【0148】
<5.他の実施形態>
前述の実施形態の思想は、以上で説明された実施形態に限定されない。前述の実施形態に適宜、変更、置換、付加および/または省略を施した実施形態にも、前述の実施形態の思想を適用できる。以下、前述の実施形態の思想を適用できる他の実施形態について説明する。
【0149】
前述の実施形態において、ポータルサーバ300とデジタルカメラ100とが接続して画像データを送信する方式を説明した。これは例えば、デジタルカメラ100が屋内のアクセスポイントを経由してポータルサーバ300と接続するような場合が考えられる。しかし、デジタルカメラ100が屋外にあるなどの理由で、デジタルカメラ100の通信部171がポータルサーバ300に接続できない状況も起こりうる。このような状況において、デジタルカメラ100は画像データを、携帯電話回線と接続可能な携帯機器(スマートフォンなど)を経由してポータルサーバ300へ送信してもよい。
【0150】
デジタルカメラ100が画像データを携帯機器経由でポータルサーバ300へ送信する場合、携帯機器は次のような動作をさらに行ってもよい。携帯機器は、デジタルカメラ100が画像データを携帯機器へ送信する前に、外部サーバ情報310をポータルサーバ300からあらかじめ取得して、外部サーバ情報310が取得された日時と関連付けて記憶しておく。そしてデジタルカメラ100は、携帯機器にアクセスしたとき、あらかじめ記憶されていた外部サーバ情報310を携帯機器から受信する。デジタルカメラ100は、携帯機器から受信された外部サーバ情報310に基づいて、画像データの送信先としての外部サーバ400および送信したい画像データを使用者に選択させる。また、デジタルカメラ100は必要に応じて、外部サーバ情報310に含まれる外部サーバ基本情報311または外部サーバ推奨情報312に従って、画像データの様式を変換する。デジタルカメラ100は、選択された画像データを携帯機器に送信する。そして、携帯機器が通信回線200に接続可能な圏域に次に入ったとき、携帯機器は、デジタルカメラ100から受信された画像データを、ポータルサーバ300へ送信する。その後、ポータルサーバ300は、前述の実施形態での動作と同様に、画像データを外部サーバ400へ送信する。
【0151】
携帯機器が仲介する構成によれば、携帯機器が携帯電話回線の圏外に存在することでデジタルカメラ100がポータルサーバ300へ直接的に接続できない場合でも、所望のタイミングで、画像データをポータルサーバ300へ送信するよう携帯機器に設定することが可能である。つまり、携帯機器は、前述の実施形態でのポータルサーバ300の代理である。
【0152】
しかし、携帯機器がポータルサーバ300の代理として使用される場合、携帯機器は、携帯電話回線の圏外に存在する場合もあるので、最新の外部サーバ情報310をポータルサーバ300から常に取得できるわけではない。よって、この場合、携帯機器内の外部サーバ情報310が、ポータルサーバ300内の外部サーバ情報310より古い情報である可能性があるという問題がある。
【0153】
この問題に対処するため、デジタルカメラ100は、デジタルカメラ100が前回ポータルサーバ300に接続したときに取得した外部サーバ情報310を、外部サーバ情報310が取得された日時と関連付けて、フラッシュメモリ142などに記録しておく。そしてデジタルカメラ100は、携帯機器経由でポータルサーバ300へ画像データを送信するとき、フラッシュメモリ142内の外部サーバ情報310と携帯機器内の外部サーバ情報310とを比較して、新しい方の外部サーバ情報310を参照する。これにより、デジタルカメラ100は、デジタルカメラ100内および携帯機器内の外部サーバ情報310のいずれか一方のみを参照する場合に比べて、より新しい外部サーバ情報310に基づいて動作できる。
【0154】
また、前述の実施形態のポータルサーバ300は、外部サーバ基本情報311および外部サーバ推奨情報312を外部サーバ情報310に含め、同時に、デジタルカメラ100へ送信した。しかしこれ以外の実施形態でもよい。例えば、外部サーバ基本情報311および外部サーバ推奨情報312が個別にポータルサーバ300からデジタルカメラ100へ送信されてもよい。
【0155】
また、前述の実施形態では、通信装置としてデジタルカメラを例示した。しかし、前述の実施形態の思想はこれに限定されない。ポータルサーバ300へデータを送信できる機器であればよい。例えば音声データ、文字データおよび/またはコンテンツデータ等をポータルサーバ300へ送信できる通信機器にも、前述の実施形態の思想を適用できる。
【0156】
以上、本開示における技術の例示として、実施形態を説明した。そのために、詳細な説明および添付の図面を開示した。よって、詳細な説明および添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が、詳細な説明および添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0157】
また、上記実施形態は、本開示における技術を例示するためのものである。よって、上記実施形態は、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置換、付加および/または省略等を行なわれてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0158】
本実施形態の思想は、中継サーバを経由して目的サーバへデータを送信する機器(ムービーカメラ、スマートフォンなど)または通信システムに適用できる。
【符号の説明】
【0159】
100:デジタルカメラ
110:光学系
120:CCDイメージセンサ
121:アナログ・フロント・エンド
122:画像処理部
123:液晶モニタ
124:バッファメモリ
130:コントローラ
140:カードスロット
141:メモリカード
142:フラッシュメモリ
150:操作部
171:通信部
200:通信回線
300:ポータルサーバ
301:通信部
302:コントローラ
303:ワークメモリ
304:HDD
310:外部サーバ情報
311:外部サーバ基本情報
312:外部サーバ推奨情報
400:ポータルサーバ
401:通信部
402:コントローラ
403:ワークメモリ
404:HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1サーバを介して第2サーバへデータを送信可能な通信装置であって、
前記第2サーバが受付可能なデータの様式を示す情報であるサーバ情報を、前記第1サーバから取得する取得部と、
前記サーバ情報に基づいて、送信すべきデータの様式を、前記第2サーバが受付可能な様式に変換する変換部と、
前記変換部によって変換されたデータを前記第1サーバに送信する送信部と、
を備える
通信装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記サーバ情報が示す様式の中から推奨される様式を示す情報であるサーバ推奨情報を前記第1サーバからさらに取得し、
前記変換部は、送信すべきデータの様式を、前記サーバ推奨情報が示す様式に変換し、
前記送信部は、前記サーバ推奨情報が示す様式に変換されたデータを前記第1サーバに送信する、
請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記サーバ情報に基づく画像を表示する表示部をさらに備える、
請求項1記載の通信装置。
【請求項4】
前記データの様式は、画像データのフォーマット、画像データのサイズ、画像データの画素数及び画像データのデータ転送時のビットレートのうちの少なくとも1つを含む、
請求項1記載の通信装置。
【請求項5】
通信装置からデータを受信し、前記受信したデータを目的サーバへ送信する中継サーバであって、
前記目的サーバが受付可能なデータの様式を示す情報であるサーバ情報を前記目的サーバから取得する取得部と、
前記サーバ情報を前記通信装置へ送信する送信部と、
を備える、
中継サーバ。
【請求項6】
前記サーバ情報に基づいて、前記目的サーバが受付可能なデータの様式の中から推奨される様式を示す情報であるサーバ推奨情報を生成し、前記サーバ推奨情報を前記サーバ情報に付加する生成部をさらに備える、
請求項5記載の中継サーバ。
【請求項7】
前記データの様式は、画像データのフォーマット、画像データのサイズ、画像データの画素数及び画像データのデータ転送時のビットレートのうちの少なくとも1つを含む、
請求項5記載の中継サーバ。
【請求項8】
目的サーバへデータを送信できる通信システムであって、
前記通信システムは、
中継サーバと
通信装置と
を備え、
前記中継サーバは、
前記目的サーバが受付可能なデータの様式を示す情報であるサーバ情報を前記目的サーバから取得する情報取得部と、
前記サーバ情報を前記通信装置へ送信する情報送信部と
を有し、
前記通信装置は、
前記サーバ情報を、前記中継サーバから取得する通信取得部と、
前記サーバ情報に基づいて、送信すべきデータの様式を、前記目的サーバが受付可能な様式に変換する変換部と、
前記変換部によって変換されたデータを前記中継サーバに送信する通信送信部と、
を有する
通信システム。
【請求項9】
前記通信装置は、
前記サーバ情報に基づく画像を表示する表示部をさらに備える、
請求項8記載の通信システム。
【請求項10】
前記中継サーバは、
前記サーバ情報に基づいて、前記目的サーバが受付可能なデータの様式の中から推奨される様式を示す情報であるサーバ推奨情報を生成し、前記サーバ推奨情報を前記サーバ情報に付加する生成部を
さらに備え、
前記通信装置の前記通信取得部は、前記サーバ推奨情報を付加された前記サーバ情報を前記中継サーバから取得する、
請求項8記載の通信システム。
【請求項11】
前記データの様式は、画像データのフォーマット、画像データのサイズ、画像データの画素数及び画像データのデータ転送時のビットレートのうちの少なくとも1つを含む、
請求項8記載の通信システム。
【請求項12】
第1サーバとの間で情報を送受信する通信部と、
前記通信部に接続された制御部と、
前記制御部に接続された表示部と、
前記制御部を制御するための命令を格納する格納部と
を備え、
前記制御部は、前記命令に従って、
データを格納する1以上の第2サーバに関する情報を取得するために、前記第1サーバに送信される要求を生成し、
前記表示部において、前記要求に対して前記第1サーバから受信した応答に基づいて、前記1以上の第2サーバが受付可能な前記データの様式を含む、前記1以上の第2サーバに関する情報の表示を生成し、
前記データが、前記1以上の第2サーバのうち指定された1つの第2サーバが受付可能な様式と一致しない場合、前記データを前記指定された第2サーバが受付可能な様式に変換し、
前記通信部は、
前記データが、前記指定された第2サーバが受付可能な様式と一致しない場合、前記変換された様式の前記データを、前記指定された第2サーバへ送信し、
前記データが、前記指定された第2サーバが受付可能な様式と一致する場合、前記データを、前記指定された第2サーバへ送信する、
通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−77299(P2013−77299A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−200660(P2012−200660)
【出願日】平成24年9月12日(2012.9.12)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】