説明

通信装置

【課題】 重症な患者を優先的にできるだけ早く手当てを施すことが可能な通信装置を提供する。
【解決手段】 地震が到来することを示す緊急信号を受信すると、ディスプレイに予想震度や地震の波が到達するまでの時間が表示され、続いて怪我、病気、妊婦といった、ユーザ或いはユーザの近くにいるけが人や患者の種別が表示される。ユーザが怪我を選択すると、怪我の度合いを複数の項目で表示し、ユーザが該当する項目を選択すると、選択された項目に合った最寄の病院を自動的にサーチし、現在位置からサーチした病院までのルートを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震等の災害情報を受信可能な通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
日本は世界でも有数の地震多発地帯であり、1995年の阪神淡路大震災や2007年の能登半島地震といったマグニチュード5〜7クラスの大地震が発生している。このような地震による被害を最小限に食い止めることは大きな課題であり、国や企業等が対策に乗り出している。
【0003】
例えば、気象庁は2007年10月に緊急地震速報を開始する予定である。この緊急地震速報では、震源近くで地震の初期微動をキャッチすると、位置、規模、ゆれの強さを自動的に計算し、主要動が始まる数秒から数十秒前に地震がくることを気象庁から報道機関を介して市民へ知らせるシステムである。
【0004】
又、地震が来ることを報知する技術に関する特許出願もあり、例えば特許文献1には、地震計で算出された震度が所定値以上であると、震度を携帯電話に報知する技術が記載されている。
【特許文献1】特開2003−294849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように国や企業において様々な努力が行われているにもかかわらず、地震等の災害に対する課題は数多く残されている。その課題の一つとして、例えば、地震発生後に怪我人を病院に搬送する際、病院に収納可能な人数が限られている為に、災害時に軽い怪我であるにもかかわらず、早く病院にたどり着いた患者が病院で優先的に手当てを受けられ、一方、病院にたどり着くのが遅かったという理由で、重度の怪我であるにもかかわらず優先的に手当てを受けられない患者が発生するといった課題が残されている。
【0006】
又、重度の怪我である人が病院に運び込まれた際に、その病院が重度の怪我人を手術或いは治療する程の施設が整っていないことがあり、そのような場合には、怪我人が病院に運び込まれても診察を拒まれ、他の病院にたらいまわしにされるといった事態が生じる場合もある。
【0007】
このような問題は人命に関わる重要な課題であり、何らかの対策を施す必要がある。しかしながら、現在のところ発明者の知る限りこのような問題を解決する為の有効な手段は存在しない。
【0008】
尚、地震が来ることを報知する技術が上記特許文献1に記載されているが、特許文献1に記載の技術では、携帯電話のユーザが地震の震度を知ることが可能であるが、ユーザ或いはユーザの近くにいる人の怪我の度合いに応じた病院がどこにあるかを知ることはできない。
【0009】
仮に、ユーザ或いはユーザの近くにいる人の怪我の度合いに応じて、怪我人を運ぶべき病院の位置を自動的に計算し、その病院への行き方をユーザに知らせることが可能であれば、重度な怪我の患者を最適な病院にできるだけ早く到着させることが可能であろう。
【0010】
そこで、本願発明者は、できるだけ重度の怪我である患者は、優先的に直ちに手術といった治療を受けられる例えば総合病院や緊急病院に搬送され、軽度の怪我である患者は、簡単な手当てを受けられる個人病院等に搬送されるようにするための通信装置を発明するに到った。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はこのような課題を解決するものであり、請求項1記載の発明は、複数の項目を表示する表示手段と、当該表示手段で表示された複数の項目の内いずれかを選択する項目選択手段と、当該項目選択手段により選択された項目に応じた病院までのルートを報知する報知手段と、を有することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、怪我の度合いを示す複数の項目を表示する表示手段と、当該表示手段で表示された複数の項目の内いずれかを選択する項目選択手段と、当該項目選択手段により選択された項目に応じた病院までのルートを報知する報知手段と、を有することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、複数の項目を表示する表示手段と、当該表示手段で表示された複数の項目の内いずれかを選択する項目選択手段と、当該項目選択手段により選択された項目に応じて点数を決定する点数決定手段と、当該点数決定手段により決定された点数に応じて最適な病院までのルートを報知する報知手段と、を有することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、怪我の度合いを示す複数の項目と、当該項目に点数を対応付けて格納する格納手段と、前記格納手段に格納された複数の項目を表示する表示手段と、当該表示手段に表示された項目のうち1以上を選択する項目選択手段と、当該項目選択手段により選択された項目に応じて点数を算出する算出手段と、当該算出手段により算出された点数に応じた病院を検索する検索手段と、当該検索手段により検索された病院に関する情報を報知する報知手段と、を有することを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の通信装置であり、更に現在位置に関する情報を取得する位置情報取得手段を有し、前記報知手段により報知される情報は、前記位置情報取得手段により取得した現在位置から前記検索手段により検索された病院までのルートであることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項4に記載の通信装置であり、前記報知手段により報知される情報は、前記検索手段により検索された病院の電話番号であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、怪我の度合いを示す複数の項目と、当該項目に点数を対応付けて格納する格納手段と、前記格納手段に格納された複数の項目を表示する表示手段と、当該表示手段に表示された項目のうち1以上を選択する項目選択手段と、当該項目選択手段により選択された項目に応じて点数を算出する算出手段と、現在位置に最寄の病院の情報を受信する受信手段と、前記算出手段により算出された点数に応じた病院を、前記受信手段により受信した病院から選択する病院選択手段と、当該病院選択手段により選択された病院に関する情報を報知する報知手段と、を有することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項7に記載の通信装置であり、更に現在位置に関する情報を取得する位置情報取得手段を有し、前記報知手段により報知される情報は、前記位置情報取得手段により取得した現在位置から前記病院選択手段により選択された病院までのルートであることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項7に記載の通信装置であり、前記報知手段により報知される情報は、前記病院選択手段により選択された病院の電話番号であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、患者の状態に応じた病院を自動的に検索し、検索した病院へのルートを表示することができる為、重症な患者は即座に手術を施せるような病院へできるだけ早く搬送することが可能である。
【0013】
請求項1〜3に記載の発明では、患者の状態に応じた病院を自動的に検索して病院までのルートを報知する為、重症な患者を即座に手術可能な病院へ送ることが可能である。
【0014】
請求項4に記載の発明では、患者の状態に応じた病院を自動的に検索して病院に関する情報を報知する為、患者の状態に適した病院へ直ちに連絡をとることが可能である。
【0015】
請求項5に記載の発明では、患者の状態に適した病院への行き方をユーザが知ることが可能である。
【0016】
請求項6に記載の発明では、患者の状態に応じた病院を自動的に検索して病院の電話番号を報知する為、患者の状態に適した病院へ直ちに連絡をとることが可能である。
【0017】
請求項7に記載の発明では、患者の状態に応じた最寄の病院の情報を受信して報知するため、患者の状態に適した病院へ直ちに連絡をとることが可能である。
【0018】
請求項8に記載の発明では、患者の状態に適した病院への行き方をユーザが知ることが可能である。
【0019】
請求項9に記載の発明では、患者の状態に応じた病院を自動的に検索して病院の電話番号を報知する為、患者の状態に適した病院へ直ちに連絡をとることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の一実施形態に係る携帯電話装置について、図面を参照して説明する。
【0021】
図1は、本実施例装置の斜視図である。図1において、携帯電話装置10は、ディスプレイ42を有する第1の筐体と、テンキー48を有する第2の筐体とがヒンジ部を介して開閉可能に接続されている。
【0022】
図2は、本実施例装置のブロック図を示している。図2に示すように、携帯電話装置10は、アンテナ16と接続された通信部12を備えている。この通信部12は、後述のベースバンド部14からの信号をアンテナ16を介して基地局へ発信し、あるいはアンテナ16を介して基地局からの電波を受信する。
【0023】
また、通信部12は、ベースバンド部14と接続されている。ベースバンド部14は、CDMA処理回路18と、音声コーデック20と、を有している。ここで、CDMA処理回路18は、符号分割多元接続、スクランブル、誤り制御、タイミング検出を行う。また、音声コーデック20は、音声を圧縮(符号化)、伸張(復号化)したり、アナログとデジタルの変換を行ったり、内部の増幅回路(図示省略)により受話音量やマイクロホンの感度を変更する。尚、この通信部12やCDMA処理回路18は電子メールの送受信機能も備えている。
【0024】
また、ベースバンド部14には、切替回路22が接続されている。この切替回路22には、増幅回路24を介して第1スピーカ26が接続されている。この第1スピーカ26は、増幅回路24で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第1スピーカ26は、ユーザの耳にあてて通話に使用される。
【0025】
また、切替回路22には、増幅回路28を介してマイクロホン30が接続されている。このマイクロホン30は、通話に使用され、音声を電気信号に変換する。マイクロホン30により出力された電気信号は、増幅回路28で増幅されてベースバンド部14に出力される。
【0026】
また、切替回路22には、増幅回路32を介して第2スピーカ34が接続されている。この第2スピーカ34は、増幅回路32で増幅されたベースバンド部14の電気信号を音声に変換する。この第2スピーカ34は、受話音を周囲の人にも聞かせるための拡声用のスピーカである。また、第2スピーカ34は、着信報知の鳴動や警告音の鳴動も行う。
切替回路22は、ベースバンド部14との接続を、第1スピーカ26用の増幅回路24とマイクロホン30用の増幅回路28側にするか、あるいは第2スピーカ34用の増幅回路32とマイクロホン30用の増幅回路28側にするかを切り替える。
【0027】
また、携帯電話装置10は、GPSアンテナ56と接続されたGPS通信部58を備えている。GPS通信部58では、GPSアンテナ56がとらえた現在位置情報に関する電波(GPSデータ)を電気信号に変換処理して制御回路36に出力する。この制御回路36では、GPSデータに基づいて携帯電話装置10の現在位置情報が算出される。なお、制御回路36に出力された携帯電話装置10の現在位置情報は、RAM40に記憶される。
【0028】
また、通信部12、ベースバンド部14、切替回路22及びGPS通信部58には、制御回路(制御部)36がそれぞれ接続されている。この制御回路36の制御により上述した切替回路22による切り替えが行われる。また、制御回路36によりベースバンド部14の音声コーデック20が制御され、音声コーデック20により第1スピーカ26及び第2スピーカ34の音量やマイクロホン30の感度が変更される。制御回路36は、ROM38と接続されており、ROM38に格納されているシステムプログラムに基づき各部を制御する。また、制御回路36は、制御回路36の動作に必要な所定の情報が記憶されているRAM40と接続されている。
【0029】
RAM40には、点数表と応急処置のデータが格納されている(図3参照)。具体的には、点数表とは、怪我や病気等の度合いと点数とが対応付けたものであり、例えば、意識がないか或いは出血多量の怪我の場合には100点の点数が、意識があるが外傷がひどい場合には80点が、意識があり出血が少量の場合には60点が、対応付けられている。一方、応急処置のデータは、例えば意識ない場合の応急処置方法や、出血多量の際の応急処置方法などの説明データが格納されており、各項目(怪我、病気、妊婦)の点数に対応した応急処置方法の説明データが格納されている。尚、この説明データは文章でも良いし音声データでも良いし動画や静止画等でも良い。
【0030】
又、RAM40には、地図情報と病院の位置や電話番号等の情報が格納されており、更に、病院と点数が対応付けられて格納されている。例えば、救急の患者を受け入れ即手術或いは手当て可能な救急病院は、図3に示す100点または80点に対応付けられ、直ちに手術はできないが手当てが可能な病院は、図3に示す60点に対応付けられ、あまり設備の整っておらず、簡単な診察や手当てが可能な個人病院等は図3に示す40点や20点に対応付けられている。
【0031】
制御回路36には、入力部44が接続されている。この入力部44は、電話番号等の入力を行うテンキー48と、通話の開始を操作する通話キー50と、通話の終了を操作する切キー52と、各種機能の設定を行う機能キー54と、電源キー64と、を有している。
また、制御回路36には、ディスプレイ42のバックライトである照明部46が接続されている。
【0032】
次に本実施携帯に係る携帯電話装置10の動作について説明する。
【0033】
図4と図5は本実施例装置の動作を示すフロー図である。図4のS1ステップにおいて、制御回路36は、通信部12から緊急信号を受信したことを示す信号を検出するとS2ステップへ処理を進める。尚、ここでいう緊急信号とは、例えば、地震によるゆれが発生するまでの時間や、震度等の情報である。
【0034】
S2ステップでは、制御回路36は、ディスプレイ42に地震が来ることを示す情報を表示する。例えば、図6に示すように、予想震度(例えば、震度5弱)と揺れが到達するまでの時間(例えば、到達まであと20秒)が表示される。また、制御回路36は、ディスプレイ42に地震に関する情報を表示すると共に、予想される震度や揺れが到達するまでの予想時間を音声によりスピーカ34から報知する。この時、制御回路36はアンプ32のゲインを最大にすることにより最大音量で報知する。
【0035】
尚、予想される震度やゆれが到達する時刻を算出する方法としては、例えば特開2003−66152号公報に記載されている算出方法が挙げられる。尚、予想震度等を算出する方法はこれに限定されず、他の方法を用いても良い。
【0036】
S3ステップでは、制御回路36は、入力部44からS2ステップにおける報知を停止させる為の操作があると判定すると、S4ステップへ処理を進め、そうでなければ、S2ステップにおける報知をキー操作があるまで継続させる。
【0037】
S4ステップでは、制御回路36は、S2ステップにおける音声による報知を停止し、S5ステップへ処理を進める。
【0038】
S5ステップでは、制御回路36は、ディスプレイ42に図7に示すような画面を表示させる。具体的には、予想震度と揺れが発生するまでの予想時間の他に、複数の項目、例えば、救急、避難場所、最新情報等の項目を表示させる。これらの項目を具体的に説明すると、まず救急は、病院等の連絡先や現在位置からのルート等を表示する為の項目であり、非難場所は、現在位置から最も近い避難場所までのルートを表示する為の項目であり、最新情報は、現在の被害状況や渋滞情況等を表示する為の項目である。
【0039】
S6ステップで、制御回路36は、入力部44から救急の項目が選択されたことを示す信号を検出すると、S8ステップへ処理を進め、それ以外の項目が選択されたことを示す信号を検出すると、S7ステップへ処理を進める。
【0040】
S7ステップでは、制御回路36は、選択された項目に対応する処理を行なう。この処理に関しては後ほど具体的に説明する。
【0041】
S8ステップでは、制御回路36は、ディスプレイ42を制御することにより先ず図8(a)に示すように、救急に対応する3つの項目(怪我、病気、妊婦)を表示する。そして、入力部42からカーソル100を移動する指示入力があればカーソル100を移動するように表示させ、続いて入力部44から決定を指示する入力があればカーソル100の位置する項目が決定される。例えば、図8(a)では、カーソル100の位置する項目である「怪我」が選択される。続いて、制御回路36は、ディスプレイ42を制御することにより図8(b)に示すように、「怪我」に対応する複数の項目1〜5を表示する。尚、これら5つの項目は、図3に示す、RAM40に格納されている怪我に対応する複数の項目である。具体的に説明すると、1〜5の順に怪我の程度が低くなっており、1が最も重度の怪我であることを示している。1は、怪我人の意識がないか又は出血多量を示しており、2は、意識があるが外傷がひどいことを示しており、3は、意識があり出血少量であることを示し、4は、意識があり外傷が軽度のものであり且つ出血少量であることを示し、5は、意識があり緊急を要しないことを示している。制御回路36は、図8(b)の表示をディスプレイ42に表示している状態で、入力部42からカーソル100を移動する指示入力があればカーソル100を移動するように表示させ、続いて入力部44から決定を指示する入力があればカーソル100の位置する項目が決定される。本実施例では、例えば、図9(b)の1「意識なし又は出血多量」が選択されたとする。
【0042】
S9ステップでは、制御回路36は、S8ステップで選択された項目に対する点数をRAM40から読み出し、制御回路36の図示せぬバッファメモリに一時的に格納する。尚、本実施例では、図8(b)の1「意識なし又は出血多量」に対応する100点が格納される。
【0043】
S10ステップでは、制御回路36は、GPS通信部58を制御することにより現在位置のGPS情報を受信する。尚、本実施例では、現在位置の計算は端末側で行っているが、現在位置の計算をサーバー側で行わせ、サーバー側で計算した位置情報を受信する構成としても良い。
【0044】
続くS11ステップでは、制御回路36は、RAM40に格納されている地図情報と前記S10ステップで受信した現在位置情報を照らし合わし、まずディスプレイ42に、近辺の病院の位置と現在位置を地図表示する。又、前記S9ステップで算出し一時的にバッファメモリに格納した点数に対応する病院も表示し、ユーザの現在位置から選択された病院までのルート(例えば最短ルートであるが、現在工事中の道路等の情報をサーバーから受信可能であれば、その情報を加味したルート)を表示する。尚、その表示形態は図9に示している。
また、本実施例では、100点に対応する直ちに手術可能な病院、即ち緊急病院が選択される。図9の地図では、ユーザー(黒丸で示す位置に存在する)から最も近い位置にある緊急病院である中央病院までのルートが表示される。
【0045】
S12ステップでは、前記S8ステップで選択された項目に対応する救急処置方法が表示される。具体的には、制御回路36は、S8ステップで選択された項目(例えば、「意識なし又は出血多量」)に対応する救急処置方法のデータをRAM40から読み込んでディスプレイ42に表示する。例えば、人口呼吸法や心臓マッサージの方法、止血方法等、選択された項目に対応する救急処置方法が、文章や画像、音声等で解説される。
【0046】
S13ステップでは、制御回路36は、入力部44から発呼操作があると判定すると、S14ステップへ処理を進める。
S14ステップでは、制御回路36は、現在表示されている最寄の病院(本実施例では、中央病院)の電話番号をRAM40から読取り、通信部12を制御することによりダイヤル発信する。
図5に示すS15ステップでは、制御回路36は、入力部44から病院の再検索指示があると判定すると、S18ステップへ処理を進め、そうでなければS16ステップへ処理を進める。
S16ステップでは、制御回路36は、入力部44から停止操作があると判定すると、S17ステップへ進み、ディスプレイ42の表示をクリアし、図4のS1ステップへ処理を戻す。一方、停止操作がないと判定すると、S22ステップで、制御回路36が、通信部12から緊急信号を受信したことを示す信号を検出すると、S23ステップへ処理を進める。
S23ステップでは、制御回路36は、S2ステップと同様に緊急報知の処理を行なう。
【0047】
S18ステップでは、制御回路36は、前記S9ステップで算出した点数に対応した病院のうち、次に近い病院を検索し、現在位置から検索した病院までのルートをディスプレイ42に表示させる。尚、現在位置から検索した病院までのルートの表示方法は、前記S11ステップと同様な方法で行われる為、説明を省略する。
【0048】
S19ステップでは、制御回路36は、S12ステップと同様に選択された項目に対応した救急処置方法を表示する。
【0049】
続くS20ステップでは、制御回路36は、現在表示されている病院への発呼操作があると判定すると、S21ステップへ処理を進め表示されている病院へ発呼動作を行う。一方、そうでなければ、S15ステップへ処理を戻す。尚、S20〜S21ステップの動作はS13〜S14ステップの動作と同様な処理である為説明を省略する。
【0050】
次に、図4のS7ステップにおける他の処理について詳細に説明する。図10は、S7ステップの処理を説明するフロー図である。先ず、S71ステップにおいて、制御回路36は、入力部44から図7に示す非難場所を選択する操作があると判定すると、S72ステップへ処理を進める。
【0051】
S72ステップでは、制御回路36は、GPS通信部58を用いて現在位置情報を取得し、取得した現在位置から最も近い避難場所の情報をROM38から読み込み、S73ステップにおいて、避難場所をディスプレイ42に表示する。
【0052】
S74ステップでは、制御回路36は、入力部44から最新情報を選択する入力があると判定すると、S75ステップへ処理を進め、そうでなければ処理を終了する。
【0053】
S75ステップでは、制御回路36は、通信部12を制御することにより、最新の被害状況や交通情況などの情報を受信し、ディスプレイ42に表示させる。
【0054】
以上説明したように、本実施例装置では、ユーザ或いはユーザの近くにいる怪我人や病人の重症度合いを点数化し、その点数に応じて最も適した病院を自動的に選択し、その病院までのルートを表示するだけでなく、その病院まで簡単な操作で発呼を行うことが可能である為、重症な怪我人にできるだけ早く手当てを受けさせることが可能である。
【0055】
又、多くのユーザがこのシステムを使用することにより、重症な患者は緊急病院や総合病院へ集中的に運び、軽度な患者は個人が経営する病院などへ集中的に運ぶことが可能である為、軽度な患者が多数緊急病院に運び込まれることにより、重症な患者を即座に手当てできないといった事態を回避することが可能である。
【0056】
尚、本実施例では携帯電話装置において実施したが、緊急信号を受信可能な装置であれば他の通信装置でも適用可能である。例えば、カーナビゲーションシステムやPHS(Personal Handyphone System)等にも適用可能である。
【0057】
又、本実施例装置では、地図情報をRAM40から読み込む構成としたが、地図情報を特定のサーバーからダウンロードする構成や、現在位置を表示する際に、現在位置とその周辺の病院を含んだ地図情報のみをサーバーからダウンロードする構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明を適用してなる実施例装置の斜視図である。
【図2】本実施例装置のブロック図である。
【図3】RAM40に格納された情報を示す図である。
【図4】本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【図5】本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【図6】ディスプレイ42の表示形態を示す図である。
【図7】ディスプレイ42の表示形態を示す図である。
【図8】ディスプレイ42の表示形態を示す図である。
【図9】ディスプレイ42の表示形態を示す図である。
【図10】本実施例装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0059】
10 携帯電話装置
12 通信部
34 第2スピーカ(ブザー)
36 制御回路
40 RAM
42 ディスプレイ
44 入力部
58 GPS通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の項目を表示する表示手段と、当該表示手段で表示された複数の項目の内いずれかを選択する項目選択手段と、当該項目選択手段により選択された項目に応じた病院までのルートを報知する報知手段と、を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
怪我の度合いを示す複数の項目を表示する表示手段と、当該表示手段で表示された複数の項目の内いずれかを選択する項目選択手段と、当該項目選択手段により選択された項目に応じた病院までのルートを報知する報知手段と、を有することを特徴とする通信装置。
【請求項3】
複数の項目を表示する表示手段と、当該表示手段で表示された複数の項目の内いずれかを選択する項目選択手段と、当該項目選択手段により選択された項目に応じて点数を決定する点数決定手段と、当該点数決定手段により決定された点数に応じて最適な病院までのルートを報知する報知手段と、を有することを特徴とする通信装置。
【請求項4】
怪我の度合いを示す複数の項目と、当該項目に点数を対応付けて格納する格納手段と、前記格納手段に格納された複数の項目を表示する表示手段と、当該表示手段に表示された項目のうち1以上を選択する項目選択手段と、当該項目選択手段により選択された項目に応じて点数を算出する算出手段と、当該算出手段により算出された点数に応じた病院を検索する検索手段と、当該検索手段により検索された病院に関する情報を報知する報知手段と、を有することを特徴とする通信装置。
【請求項5】
請求項4に記載の通信装置であり、
更に現在位置に関する情報を取得する位置情報取得手段を有し、前記報知手段により報知される情報は、前記位置情報取得手段により取得した現在位置から前記検索手段により検索された病院までのルートであることを特徴とする通信装置。
【請求項6】
請求項4に記載の通信装置であり、
前記報知手段により報知される情報は、前記検索手段により検索された病院の電話番号であることを特徴とする通信装置。
【請求項7】
怪我の度合いを示す複数の項目と、当該項目に点数を対応付けて格納する格納手段と、前記格納手段に格納された複数の項目を表示する表示手段と、当該表示手段に表示された項目のうち1以上を選択する項目選択手段と、当該項目選択手段により選択された項目に応じて点数を算出する算出手段と、現在位置に最寄の病院の情報を受信する受信手段と、前記算出手段により算出された点数に応じた病院を、前記受信手段により受信した病院から選択する病院選択手段と、当該病院選択手段により選択された病院に関する情報を報知する報知手段と、を有することを特徴とする通信装置。
【請求項8】
請求項7に記載の通信装置であり、
更に現在位置に関する情報を取得する位置情報取得手段を有し、前記報知手段により報知される情報は、前記位置情報取得手段により取得した現在位置から前記病院選択手段により選択された病院までのルートであることを特徴とする通信装置。
【請求項9】
請求項7に記載の通信装置であり、
前記報知手段により報知される情報は、前記病院選択手段により選択された病院の電話番号であることを特徴とする通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−77261(P2009−77261A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−245635(P2007−245635)
【出願日】平成19年9月21日(2007.9.21)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】