説明

通信装置

【課題】情報提供装置との通信を優先しながら互いに通信する。
【解決手段】通信装置は、返信パケットの受信タイミングに基づいて、車車間用送信禁止期間を設定する車車間用送信禁止期間設定部14と、他端末からのデータパケットの受信タイミングに基づいて、路側機の次回以降のデータパケットの送信タイミングを、路車間送信禁止期間として設定する路車間用送信禁止期間設定部16と、他端末からのデータパケットの検出結果を示す返信パケットを生成する返信パケット生成部18と、他端末からのデータパケットの受信タイミングが路車間用送信禁止期間である場合に、生成された返信パケットの送信を禁止し、受信タイミングが路車間用送信禁止期間以外の期間である場合に、生成された返信パケットを送信し、車車間用送信禁止期間及び路車間用送信禁止期間以外の期間にデータパケットを送信する送信回路20と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基地局等の制御局なしに、個々の無線端末装置が周辺の無線端末装置に対して、同報通信(ブロードキャスト)することにより、情報を伝える技術が知られている(特許文献1を参照)。
【0003】
特許文献1に記載された無線端末装置は、フレーム単位でスロットの占有情報を監視し、自端末の送信データに加えて、スロットの占有情報を送信パケットに埋め込むことで他の端末と情報を交換する。上記フレームは例えば100msで構成され、各スロットは各々異なる端末によって占有される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−28550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術は、車車間通信のような端末間の通信のみを前提としており、情報を提供する路側機と端末とが通信する路車間通信を考慮していない。また、路車間通信と車車間通信が共存する環境下では、ドライバに対して確実に情報提供を行う必要がある。このため、路車間通信のサービス品質を高くし、車車間通信よりも優先度を上げたい、という要求がある。
【0006】
また、路車間通信と車車間通信が共存する環境下で特許文献1の技術を用いると、路車間通信のデータと車車間通信のデータが衝突してしまい、路車間通信を優先することができないという問題がある。
【0007】
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、情報提供装置との通信を優先しながら、互いに通信することができる通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明である通信装置は、他の通信装置から送信された第1のデータパケットおよび返信パケット、情報提供装置から送信された第2のデータパケットを受信する受信手段と、前記受信手段により前記返信パケットが受信された場合に、前記返信パケットの受信タイミングに基づいて、データパケットの送信禁止期間を示す第1の送信禁止期間を設定する第1の送信禁止期間設定手段と、前記受信手段により前記第2のデータパケットが受信された場合に、前記第2のデータパケットの受信タイミングに基づいて、前記情報提供装置の次回以降の第2のデータパケットの送信タイミングを、第2の送信禁止期間として設定する第2の送信禁止期間設定手段と、前記受信手段により前記第1のデータパケットが受信された場合に、前記第1のデータパケットの検出結果を示す第1の返信パケットを生成する返信パケット生成手段と、前記受信手段による前記第1のデータパケットの受信タイミングが前記第2の送信禁止期間である場合に、前記返信パケット生成手段により生成された前記第1の返信パケットの送信を禁止し、前記第1のデータパケットの受信タイミングが前記第2の送信禁止期間以外の期間である場合に、前記返信パケット生成手段により生成された前記第1の返信パケットを送信する第1の返信パケット送信手段と、前記第1及び第2の送信禁止期間以外の期間にデータパケットを送信するデータパケット送信手段と、を備えている。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の通信装置であって、前記受信手段により受信された前記第2のデータパケットの受信タイミングに基づいて、前記情報提供装置の送信タイミングを示す通信利用情報を生成し、生成した通信利用情報含む第1のデータパケットを生成するデータパケット生成手段を更に備え、前記データパケット送信手段は、前記データパケット生成手段により生成された第1のデータパケットを送信する。
【0010】
請求項3の発明は、請求項2に記載の通信装置であって、前記第2の送信禁止期間設定手段は、前記第2のデータパケットに含まれる通信利用情報に基づいて、前記第2の送信禁止期間を設定する。
【0011】
請求項4の発明は、請求項2または請求項3に記載の通信装置であって、前記データパケット生成手段は、前記通信利用情報が通信装置から他の通信装置へ転送された回数を示す転送回数が受信された第1のデータパケットに含まれていた場合、前記転送回数が前記閾値以上であれば、前記通信利用情報を含まない前記第1のデータパケットを生成し、前記転送回数が閾値以下であれば、転送回数を1つカウントアップして、新たな転送回数を含めた第1のデータパケットを生成する。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通信装置であって、前記受信手段により前記第2のデータパケットが受信された場合に、前記第2のデータパケットの受信タイミングから所定時間内に第2の返信パケットを送信する第2の返信パケット送信手段を更に備えている。
【0013】
請求項6の発明は、請求項5に記載の通信装置であって、前記受信手段は、前記第2の返信パケットを更に受信し、前記第2の送信禁止期間は、前記受信手段により受信された第2の返信パケットの受信タイミングに基づいて、前記情報提供装置の次回以降の第2のデータパケットの送信タイミングを、第2の送信禁止期間として設定する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、情報提供装置の次回以降の送信タイミングでは第1の返信パケットの送信を禁止し、当該送信タイミング以外の期間に第1の返信パケットを送信するので、情報提供装置との通信を優先させながら他の通信装置と通信することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、情報提供装置の送信タイミングを示す通信利用情報を含んだ第1のデータパケットを送信することで、情報提供装置の送信タイミングを他の通信装置に通知することができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、通信利用情報を含む第1のデータパケットを受信し、受信された第1のデータパケットに含まれる通信利用情報に基づいて第2の送信禁止期間を設定することにより、情報提供装置と直接通信していなくても、情報提供装置の通信を優先させることができる。
【0017】
請求項4の発明によれば、通信利用情報含む第1のデータパケットの転送を制限することで、情報提供装置から遠く離れた通信装置の通信が制限されるのを防止することができる。
【0018】
請求項5の発明によれば、簡易な構成の第2の返信パケットを用いることで情報提供装置の送信タイミングを他の通信装置に通知することができる。
【0019】
請求項6の発明によれば、第2の返信パケットの受信タイミングに基づいて第2の送信禁止期間を設定することにより、簡易な構成の第2の返信パケットを受信するだけで、情報提供装置の通信を優先することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信ネットワークの通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】通信装置によって送受信される基本送信周期の構成を示す図である。
【図3】受信検出パケットと衝突検出パケットの検出情報を示す図であり、(A)は自端末で他の端末のデータパケットを受信でき、かつデータパケットの衝突がない場合、(B)は自端末でデータパケットを受信でき、かつデータパケットの衝突がある場合である。
【図4】通信装置の状態遷移図である。
【図5】「データパケット送信処理」の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】「自端末のデータに対する返信パケット受信処理」の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】車車間用送信禁止期間を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】「信号受信処理」の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図9】車車間用送信禁止期間を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】自端末が返信パケット(衝突検出パケット)を受信した場合の送信禁止期間に関するタイミングチャートである。
【図11】「返信パケット送信処理」の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図12】自端末が受信検出パケットを送信した後に設定される車車間用送信禁止期間を説明するためのタイミングチャートである。
【図13】車車間用送信禁止期間を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】路車間データパケットと車車間データパケットの衝突を説明するための図である。
【図15】本発明の実施形態に係る通信装置が車両A及びBに搭載されている場合における路側機、車両A、B及びCの通信状況を説明する図である。
【図16】路側機、車両A、B及びCが送受信するデータを示すタイミングチャートである。
【図17】路側機、車両A、B及びCが送受信するデータを示すタイミングチャートである。
【図18】車両Aに搭載された通信装置が路車間用返信パケットを送信する状態を示す図である。
【図19】車両Aに搭載された通信装置が路車間用返信パケットを送信した場合の路側機、車両A、B及びCの送受信データのタイミングチャートを示す図である。
【図20】「返信パケット送信処理」の第2の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0022】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る無線通信ネットワークの通信装置の構成を示すブロック図である。無線通信ネットワークは、各通信装置が各々パケットをブロードキャストすることによって、動的に構成される。以下、説明の対象となる通信装置を自端末といい、自端末の周辺にある通信装置を周辺端末又は他端末という。なお、通信装置は、例えば車両などの移動体に搭載された状態で周辺端末と通信(車車間通信)するだけでなく、さらに、道路に設置され様々な情報を提供する路側機とも通信(路車間通信)することができる。
【0023】
通信装置は、受信アンテナ11を介して他の無線端末装置が送信したパケットを受信する受信回路12と、受信したパケットを検出し、どのスロット(どのタイミング)で送信されてきたのかを検出するパケット検出部13と、検出されたパケットのタイミング情報に基づいて車車間用送信禁止期間を設定する車車間用送信禁止期間設定部14と、検出されたパケットから送信されてきたデータを復調して受信情報を生成するパケット復調部15と、を備えている。
【0024】
更に、通信装置は、検出されたパケットのタイミング情報に基づいて路車間用送信禁止期間を設定する路車間用送信禁止期間設定部16と、送信情報に基づいてパケットを生成するパケット生成部17と、復調されたパケットに基づいて返信パケットを生成する返信パケット生成部18と、パケットの送信タイミングを制御する送信タイミング制御部19と、生成されたパケットを、アンテナ21を介して送信する送信回路20と、と、を備えている。
【0025】
なお、車車間用送信禁止期間とは、他の車両間(周辺端末同士)の通信を確保するために自端末のデータパケットの送信を禁止する期間をいう。路車間用送信禁止期間とは、路側機と車両との通信を確保するために自端末のデータパケット及び返信パケットの送信を禁止する期間をいう。
【0026】
返信パケット生成部18は、返信パケットとして、受信検出パケット及び衝突検出パケットを生成する。具体的には、返信パケット生成部18は、パケット復調部15で復調されたパケットに基づいて、パケットが正常に検出されたかを判定し、正常に検出された場合にはパケットが正常に検出されたことを示す受信検出パケットを生成する。また、返信パケット生成部18は、複数のパケットが同一のタイミング(同一のスロット)で検出された場合には、パケットが衝突していることを示す衝突検出パケットを生成する。
【0027】
送信タイミング制御部19は、送信回路20に対して、パケット生成部17で生成されたデータパケット、返信パケット生成部18で生成された返信パケットのそれぞれの送信タイミングを制御する。特に返信パケットについては、送信タイミング制御部19は、データパケットの受信が完了してから所定期間後(受信タイミングと同じスロット)に必ず送信するように送信回路20を制御する。なお、上記所定時間は各端末共通である。したがって、多数の端末が周辺に密集している場合、各端末からの返信パケットは衝突する。これは、詳しくは後述するが、返信パケットをわざと衝突させて、隠れ端末を検出すること等に利用される。
【0028】
図2は、n個の通信装置によって送受信される基本周期の構成を示す図である。データパケットと返信パケットで1つの送受信の組み合わせを示している。1基本周期は、例えば100msecに設定されており、n個のスロットに分割されている。各スロットでは、データパケットと当該データパケットに対する返信を示す返信パケットとが1組となり、図2ではn個の組み合わせがある。
【0029】
データパケットは、各通信装置が送信するデータパケット(車車間データパケット)と、路側機が送信するデータパケット(路車間データパケット)とがある。車車間データパケットは、車車間データと路車間利用情報とを有している。路車間利用情報は、例えば、路側機から提供された情報(道路情報、渋滞情報など)、路車間通信の利用時間情報(占有スロットを示す情報)を有している。なお、路側機が存在しない通信エリアでは、路車間利用情報はブランクとなる。また、返信パケットは、受信検出パケットと、衝突検出パケットと、がある。
【0030】
本実施形態では、受信検出パケットと衝突検出パケットとは、パケットの時間長が異なっている。例えば、受信検出パケットは、衝突検出パケットよりも時間長が短くなっている。
【0031】
図3は受信検出パケットと衝突検出パケットの検出情報を示す図であり、(A)は自端末で他の端末のデータパケットを受信でき、かつデータパケットの衝突がない場合、(B)は自端末でデータパケットを受信でき、かつデータパケットの衝突がある場合である。
【0032】
各端末は、1つのデータパケットのみを受信したときは受信検出パケットを返信し(同図(A))、複数のデータパケットを受信したときは衝突検出パケットを返信する(同図(B))。
【0033】
なお、各端末は、返信パケットの受信電力が継続する時間に基づいて、継続時間が所定値より短いときは受信検出パケットのみを受信し、継続時間が所定値より長いときは衝突検出パケットのみ、あるいは、受信検出パケット及び衝突検出パケットの両方を受信したと判別することができる。
【0034】
また、各端末は、使用するサブキャリアの組み合わせを変えた2つの返信パケットを用いてもよい。これにより、使用するサブキャリアの組み合わせに応じて、2種類以上の返信パケットが含まれるか否かを判別することができる。また、各端末は、複数回返信パケットを送信しても良いし、スペクトル拡散信号を返信パケットとして利用しても良い。このように、複数種類の返信パケットの形式は特に限定されるものではない。
【0035】
図4は、本通信装置の状態遷移図である。通信装置は、「受信待機状態」、「データパケット送信処理」、「自端末のデータに対する返信パケット受信処理」、「信号受信処理」、「返信パケット送信処理」の各々の状態を遷移する。
【0036】
具体的には、通信装置は、受信待機状態において、受信信号がなくかつ送信すべきデータがある場合はデータパケット送信処理に移行し、受信信号を検出した場合は信号受信処理に移行する。
【0037】
通信装置は、データパケット送信処理において、データパケットを送信できないときは受信待機状態に移行し、データパケット送信処理が完了したときは自端末のデータに対する返信パケット受信処理に移行する。そして、通信装置は、自端末のデータに対する返信パケット受信処理において、当該処理が完了したとき又は所定期間が経過したときは、受信待機状態に移行する。
【0038】
一方、通信装置は、信号受信処理において、当該処理が完了したときは受信待機状態に移行し、当該処理が完了しかつ返信パケットの送信が必要であるときは返信パケット送信処理に移行する。そして、通信装置は、返信パケット送信処理において、当該処理が完了したときは、受信待機状態に移行する。以下では、データパケット送信処理、自端末のデータパケット送信処理、信号受信処理、返信パケット送信処理についてそれぞれ説明する。
【0039】
通信装置は、受信待機状態において、受信信号がなくかつ送信すべきデータがある場合はデータパケット送信処理に移行し、次の処理を実行する。
【0040】
図5は、「データパケット送信処理」の処理ルーチンを示すフローチャートである。ステップS1では、送信タイミング制御部19は、現在のタイミングが車車間用送信禁止期間設定部14で設定された車車間用送信禁止期間、又は路車間用送信禁止期間設定部16で設定された路車間用送信禁止期間であるかを判定する。肯定判定、すなわち上記のいずれかの送信禁止期間のときは「送信すべきデータあり」の状態のままで受信待機状態へ移行し、否定判定、すなわち上記のいずれの送信禁止期間でもないときはステップS2へ移行する。
【0041】
ステップS2では、送信タイミング制御部19は、受信回路12又はパケット検出部13の検出結果に基づいて各スロットの受信感度を測定して、キャリアが検出されたか否かを判定し、肯定判定のときは「送信すべきデータあり」の状態のままで受信待機状態へ移行し、否定判定のときはステップS3へ移行する。
【0042】
ステップS3では、パケット生成部17は、車車間データなどの送信情報からデータパケットを生成する。なお、パケット生成部17は、パケット復調部15で路車間データパケットが復調され、路車間通信の利用時間情報(路車間で占有されているスロット)が分かる場合は、その利用時間情報を包含する路車間利用情報を生成し、車車間データと路車間利用情報とからデータパケットを生成する。送信タイミング制御部19は、パケット生成部17で生成されたデータパケットを送信するように送信回路20を制御して、本ルーチンを終了する。これにより、データパケットがアンテナ21を介して各端末に送信される。そして、自端末のデータに対する返信パケット受信処理へ移行する。
【0043】
なお、上記のいずれの送信禁止期間でなく(ステップS1の否定判定)かつキャリア未検出(ステップS2の否定判定)の条件が満たされない場合、「送信すべきデータあり」があるが、「受信待機状態」と「データパケット送信処理」の間を行き来することになる。この場合、次のデータパケットを送信すべき時刻になると、以前の送信すべきデータを破棄し、新しいデータを送信するための処理が行われる。
【0044】
図6は、「自端末のデータに対する返信パケット受信処理」の処理ルーチンを示すフローチャートである。ステップS11では、送信タイミング制御部19は、上述したステップS3におけるデータパケット送信後から所定期間経過したかを判定し、肯定判定のときは本ルーチンを終了して受信待機状態へ移行し、否定判定のときはステップS12へ移行する。
【0045】
ステップS12では、パケット受信部13は、自端末のデータに対する返信パケットを全ての周辺端末から受信したかを判定し、肯定判定のときはステップS13へ移行し、否定判定のときはステップS11へ戻る。なお、返信パケットのうちの受信検出パケットが、自端末のデータパケットの送信後の所定の期間以内に受信されたものであるときは自端末に対する返信パケットとみなされ、それ以外の期間に受信されたものであるときは隠れ端末に対する返信パケットとみなされる。
【0046】
ステップS13では、車車間用送信禁止期間設定部14は、パケット検出部13で検出された返信パケットの種別(受信検出パケット又は衝突検出パケット)を判定し、受信検出パケットであるときはステップS14に進み、衝突検出パケットであるときはステップS15に進む。
【0047】
ステップS14では、車車間用送信禁止期間設定部14は、次回の送信タイミングを予約すべく、車車間用送信禁止期間を設定して本ルーチンを終了し、受信待機状態へ移行する。
【0048】
また、ステップS15では、車車間用送信禁止期間設定部14は、次回の自端末の送信タイミングを変更すべく、車車間用送信禁止期間を設定する。
【0049】
図7は、車車間用送信禁止期間を説明するためのタイミングチャートである。ここでは、自端末がデータパケットを送信した後、そのデータパケットに対してすべて(又は一部)の周辺端末が返信パケット(衝突検出パケット)を送信している。
【0050】
具体的には、車車間用送信禁止期間設定部14は、自端末のデータパケットの送信タイミングから100msec後の自端末の次の送信予定タイミングを含む所定期間を、車車間用送信禁止期間として設定する。これにより、自端末の次の送信予定タイミングが前回と比べて変更されたことになる。そして、車車間用送信禁止期間が設定されると本ルーチンを終了し、受信待機状態へ移行する。
【0051】
また、通信装置は、「受信待機状態」において、受信信号を検出した場合は「信号受信処理」に移行し、次の処理を実行する。
【0052】
図8は、「信号受信処理」の処理ルーチンを示すフローチャートである。ステップS21では、図1に示す受信回路12が他の端末(周辺端末)のパケットを受信し、パケット検出部13がそのパケットを検出して、ステップS22に進む。
【0053】
ステップS22では、車車間用送信禁止期間設定部14は、パケット検出部13で検出されたパケットの種別を判定し、車車間データパケットであるときはステップS23に進み、返信パケットであるときはステップS24に進み、路車間データパケットであるときはステップS27へ進む。
【0054】
ステップS23では、車車間用送信禁止期間設定部14は、所定の期間待機して本ルーチンを終了し、返信パケット送信処理へ移行する。
【0055】
ステップS24では、車車間用送信禁止期間設定部14は、パケット検出部13で検出された返信パケットの種別(受信検出パケット又は衝突検出パケット)を判定し、受信検出パケットであるときはステップS25に進み、衝突検出パケットであるときはステップS26に進む。
【0056】
また、ステップS25では、自端末のデータパケットに対する返信ではない返信パケット(受信検出パケット)が検出された状態になっているため、隠れ端末が存在することが分かる。そこで、車車間用送信禁止期間設定部14は、次のように車車間用送信禁止期間を設定する。
【0057】
図9は、車車間用送信禁止期間を説明するためのタイミングチャートである。ここでは、隠れ端末(周辺端末では検出されるが自端末では検出されない端末)の返信パケットは、基本送信周期(例えば100msec)毎に送信されるが、自端末では検出されていない。また、周辺端末の返信パケットは自端末では検出される。
【0058】
車車間用送信禁止期間設定部14は、返信パケットが検出されると、返信パケットの検出タイミングから100msec後を、次の返信パケットの受信タイミングと予測し、その予測したタイミングから所定期間前の時間までを、送信禁止期間として設定する。
【0059】
上記の返信パケットは、隠れ端末が送信したデータパケットを受けて周辺端末が送信したものである可能性がある。そこで、車車間用送信禁止期間設定部14は、返信パケットの検出タイミングに基づいて、隠れ端末が次のデータパケットを送信する可能性がある期間を送信禁止期間として設定する。そして、送信禁止期間の設定後、本ルーチンを終了して受信待機状態へ移行する。
【0060】
また、ステップS26では、車車間用送信禁止期間設定部14は、他端末の送信タイミングが変更されることを予測して、車車間用送信禁止期間を解除する。ここでは、隠れ端末(周辺端末では検出されるが自端末では検出されない端末)のデータパケットの衝突が発生しているものとし、それを検出した周辺端末が返信パケット(衝突検出パケット)を送信している。
【0061】
図10は、自端末が返信パケット(衝突検出パケット)を受信した場合の送信禁止期間に関するタイミングチャートである。
【0062】
このとき、自端末と同じように衝突検出パケットを受信した周辺端末(パケットの衝突を起こした隠れ端末)は、次のデータパケットの送信タイミングを変更すると予測できる。そこで、車車間用送信禁止期間設定部14は、返信パケット(衝突検出パケット)を受信したタイミングから100msec後を基準時とし、その基準時から所定時間前までの時間を、送信禁止期間として設定するのを禁止する。または、車車間用送信禁止期間設定部14は、既に前記期間が送信禁止期間として設定されていた場合は、その設定を解除する。そして、送信禁止期間が解除されると本ルーチンを終了して、受信待機状態へ移行する。
【0063】
また、ステップS27では、路車間用送信禁止期間設定部16は、路側機の次回の送信予定タイミングで自端末がパケットを送信しないように、路車間用送信禁止期間を設定する。具体的には、路車間用送信禁止期間設定部16は、パケット復調部15で復調された路車間通信の利用時間情報を用いて、次の送信周期において、路車間データを受信したタイミング(スロット)と同じタイミング(スロット)を路車間用送信禁止期間として設定する。これにより、次回以降の送信周期では、路側機の占有するスロットにおいて自端末がデータパケットを送信するのが回避される。そして、ステップS28へ進む。
【0064】
ステップS28では、パケット復調部15は、パケット検出部13で検出された路車間データパケットの路車間データを復調して、路車間データに基づいて路車間利用情報を生成する。この路車間利用情報は、本ルーチンが終了して「データパケット送信処理」に移行した場合(車車間通信の場合)において、パケット生成部17によって車車間データパケットに付与される。そして、本ルーチンを終了して、受信待機状態へ進む。
【0065】
図11は、「返信パケット送信処理」の処理ルーチンを示すフローチャートである。
【0066】
ステップS31では、送信タイミング制御手段19は、パケットを受信したタイミング(図8のステップS21)のスロットが路車間用送信禁止期間であるかを判定し、肯定判定、すなわち路車間用送信禁止期間である場合は処理を終了し、否定判定の場合はステップS32へ進む。これにより、車車間データパケットを受信したタイミングが路車間用送信禁止期間の場合、受信検出パケットも衝突検出パケットも送信されない。
【0067】
ステップS32では、図1に示す返信パケット生成部18は、パケット復調部15で復調されたパケットに基づいて、データパケットの受信に成功したか否かを判定し、成功したときはステップS33に進み、成功していないときはステップS36に進む。
【0068】
ステップS33では、路車間用送信禁止期間設定部16は、パケット復調部15で復調されたパケットに路車間利用情報があるかを判定し、路車間利用情報がある場合はステップS38へ進み、それがない場合はステップS34へ進む。
【0069】
ステップS34では、返信パケット生成部18は、受信検出パケットを生成する。そして、送信タイミング制御部19は、返信パケット生成部18で生成された受信検出パケットを送信するように送信回路20を制御して、ステップS35に進む。これにより、受信検出パケットは、アンテナ21を介して、周辺端末に送信される。
【0070】
ステップS35では、車車間用送信禁止期間設定部14は、他端末の次回送信タイミングで自端末が送信しないように、車間用送信禁止期間を設定し、本ルーチンを終了する。
【0071】
図12は、自端末が受信検出パケットを送信した後に設定される車車間用送信禁止期間を説明するためのタイミングチャートである。ここでは、他端末の次回の送信予定のタイミングで自端末が送信しないようにすべく、車車間用送信禁止期間設定部14は、次回送信タイミングと予想される期間を車車間用送信禁止期間として設定する。具体的には、車車間用送信禁止期間設定部14は、自端末が返信パケットを送信した後から100msec(基本送信周期)後を終期、その終期から所定時間前までを始期とした車車間用送信禁止期間を設定する。これにより、他端末の次の送信タイミングが車車間用送信禁止期間内に含まれ、他端末の次の送信タイミングに自端末がデータパケットを送信するのを防止することができる。そして、車車間用送信禁止期間の設定が終了すると、本ルーチンを終了して受信待機状態へ移行する。
【0072】
一方、ステップS36では、返信パケット生成部18は、衝突検出パケットを生成する。送信タイミング制御部19は、返信パケット生成部18で生成された衝突検出パケットを送信するように送信回路20を制御して、ステップS37に進む。これにより、衝突検出パケットは、アンテナ21を介して、周辺端末に送信される。
【0073】
ステップS37では、車車間用送信禁止期間設定部14は、他端末の送信タイミングが変更されることを考慮して、車車間用送信禁止期間を解除し、本ルーチンを終了する。
【0074】
図13は、車車間用送信禁止期間を説明するためのタイミングチャートである。ここでは、自端末は同一タイミングで複数の他端末からの送信パケット(データパケット)を受信し、自端末が返信パケット(衝突検出パケット)を送信している。すなわち、周辺端末同士のデータが衝突している。このとき、各周辺端末は、自端末からの衝突検出パケットを検出すると、データパケットの送信タイミングを変更すると予測できる。
【0075】
そこで、車車間用送信禁止期間設定部14は、自端末の返信パケット(衝突検出パケット)の送信タイミングから100msec後を基準時とし、その基準時から所定時間前までの期間を、車車間用送信禁止期間として設定するのを禁止する。または、車車間用送信禁止期間設定部14は、既に前記期間が車車間用送信禁止期間として設定されていた場合は、その設定を解除する。そして、車車間用送信禁止期間が解除されると本ルーチンを終了して、受信待機状態へ移行する。
【0076】
また、ステップS38では、路車間用送信禁止期間設定部16は、路側機の次回の送信予定タイミングで自端末が送信しないように、路車間用送信禁止期間を設定する。具体的には、路車間用送信禁止期間設定部16は、パケット復調部15で復調されたデータパケットの路車間利用情報を用いて、次の送信周期において、路車間通信が行われているタイミング(スロット)と同じタイミング(スロット)を路車間用送信禁止期間として設定する。これにより、次回以降の送信周期では、路側機の占有するスロットにおいて自端末がデータパケットを送信するのが回避される。そして、上述したステップS34へ進む。
【0077】
通信装置は、以上のような各ルーチンを処理を実行することによって、路側機が送信する路車間データパケットと、周辺端末が送信する車車間データパケットとの衝突を回避することができる。
【0078】
図14は、路車間データパケットと車車間データパケットの衝突を説明するための図である。車両A、B、Cにはそれぞれ従来の通信装置が搭載されている。このとき、車両Aは、路側機と通信可能な路車間通信エリアで走行していると共に、車両Bと通信可能な車車間通信エリアでも走行している。車両Aは、車両Bと車車間通信している場合でも、路車間通信エリアに入ると、路側機との通信を優先したい。しかし、従来、路車間データパケットと車車間データパケットとが衝突してしまい、車両Aは路側機と通信できない問題があった。
【0079】
図15は、本発明の実施形態に係る通信装置が車両A及びBに搭載されている場合における路側機、車両A、B及びCの通信状況を説明する図である。図16及び図17は、路側機、車両A、B及びCが送受信するデータを示すタイミングチャートである。なお、各横軸より上は送信されたデータ(パケット)、各横軸より下は受信されたデータ(パケット)を示している。また、「BUSY」は、返信パケットを示している。
【0080】
この場合、車両Aに搭載された通信装置は、路側機から路車間データパケットを受信した場合、路車間通信の利用時間情報を用いて、路側機の次回の送信予定タイミングを路車間用送信禁止期間に設定する(図8のステップS27、図16の車両Aの「路車間用送信禁止期間」)。これにより、上記通信装置は、路側機の次回の送信予定タイミングで当該通信装置のデータパケットの送信を禁止するので、路側機との通信状態を確保することができる。
【0081】
また、車両Aに搭載された通信装置は、路側機から路車間データパケットを受信した場合、路車間データパケットから路車間利用情報を生成し(図8のステップS28)、車車間データと路車間利用情報とからデータパケットを生成して送信する(図5のステップS3、図16の車両Aのデータパケット)。これにより、上記通信装置は、車両Bの通信装置に対して、路側機と車両Aとの路車間通信の時間(占有スロット)を通知することができる。
【0082】
一方、車両Bに搭載された通信装置は、路車間利用情報を含むデータパケットを受信すると、データパケットの路車間利用情報を用いて、路側機の次回以降の送信予定タイミングを路車間用送信禁止期間として設定する(図11のステップS38、図16の車両Bの「路車間用送信禁止期間」)。これにより、上記通信装置は、路側機と車両Aとの路車間通信の時間と異なる時間で、データパケットを送信することができる。
【0083】
また、車両Bに搭載された上記通信装置は、車両Cからのデータパケットを受信して「返信パケット送信処理」へ移行した場合(図8のステップS21〜S23)、その受信タイミングが路車間用送信禁止期間のときは、返信パケットを送信することなく、返信パケット送信処理を終了する(図11のステップS31の肯定判定、図16の車両Bの「×BUSY」)。一方、上記通信装置は、その受信タイミングが路車間用送信禁止期間以外であれば(図11のステップS31の否定判定)、受信検出パケット又は衝突検出パケットを送信する(図11のステップS34、S36、図17の「BUSY」)。これにより、通信装置は、路車間用送信禁止期間以外の期間で周辺端末と通信するので、路側機と車両Aとの路車間通信を妨害しないようにすることができる。
【0084】
以上のように、第1の実施形態に係る通信装置は、路側機と車両との間で路車間通信が行われているタイミングを路車間用送信禁止期間に設定し、路車間用送信禁止期間においては、当該通信装置のデータパケットを送信せず、データパケットを受信しても返信パケットを送信しない。また、上記通信装置は、データパケットの受信タイミングが、路車間用送信禁止期間以外であれば、車車間用送信禁止期間であったとしても、返信パケットを送信する。
【0085】
これにより、上記通信装置は、路車間通信が行われているタイミングにおいては、周辺端末との通信を回避するので、路車間通信のサービスの品質を向上させて、車車間通信よりも路車間通信を優先させることができる。
【0086】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で設計上の変更をされたものにも適用可能であるのは勿論である。例えば、図15において、車両Aに搭載された通信装置は、路車間利用情報及び車車間データを含むデータパケットを送信する代わりに、路車間用返信パケットを送信してもよい。
【0087】
図18は、車両Aに搭載された通信装置が路車間用返信パケットを送信する状態を示す図である。図19は、車両Aに搭載された通信装置が路車間用返信パケットを送信した場合の路側機、車両A、B及びCの送受信データのタイミングチャートを示す図である。図20は、「返信パケット送信処理」の第2の処理ルーチンを示すフローチャートである。図20のルーチンは、図11に示すステップS33、S38の代わりに、それぞれステップS33a、S38を実行する。
【0088】
具体的には、ステップS33aでは、パケット復調部15は、復調されたデータパケットの種別を判定し、車車間データパケットの場合はステップS34へ進み、路車間データパケットの場合はステップS39へ進む。
【0089】
ステップS39では、返信パケット生成部18は、路車間用返信パケットを生成する。なお、路車間用返信パケットは、受信検出パケット及び衝突検出パケットと区別できれば、特に限定されるものではない。例えば、受信検出パケット及び衝突検出パケットと比べて、路車間用返信パケットによる受信電力の継続時間、又は使用するサブキャリアの組み合わせが異なればよい。
【0090】
そして、送信タイミング制御部19は、路車間データパケットを受信してから所定時間内(受信タイミングと同じスロット)に路車間用返信パケットを送信するように、送信回路20を制御する。これにより、車両Aに搭載された通信装置は、図18及び図19に示すように、路車間用返信パケットを周辺端末(車両B)へ送信することで、路側機と車両Aとの路車間通信の時間を通知することができる。一方、車両Bの通信装置は、路車間用返信パケットを受信すると、図19に示すように、次の送信周期において、路車間通信が行われる時間(路車間通信サービスの最大期間)を路車間用送信禁止期間に設定することができる。
【0091】
ここで、通信装置は、路車間利用情報を含むデータパケットを受信した場合、その路車間利用情報を抽出して、送信すべきデータパケットにその路車間利用情報を埋め込んで、そのデータパケットを周辺端末に送信できる。すなわち、路車間利用情報は、各端末へ転送可能である。そこで、通信装置は、次のようにして、路車間利用情報の転送回数を制限してもよい。
【0092】
具体的には、通信装置のパケット生成部17は、送信すべきデータパケットに、路車間利用情報が転送される回数を示す転送回数を埋め込むとよい。さらに、パケット生成部17は、以前受信したデータパケットに路車間利用情報の転送回数が埋め込まれていた場合、転送回数を1つカウントアップして、路車間利用情報とカウントアップされた転送回数とをデータパケットに埋め込んでもよい。
【0093】
一方、このようなデータパケットを受信した通信装置のパケット生成部17は、パケット復調部15で復調された受信情報(転送回数)を用いて、転送回数と所定の閾値とを比較して、転送回数が閾値未満であれば、転送回数を1つカウントアップして、路車間利用情報とカウントアップされた転送回数とをデータパケットに埋め込み、転送回数が閾値以上であれば当該路車間利用情報をデータパケットに埋め込むのを中止する。この結果、路車間利用情報の転送回数を中止することができる。
【0094】
また、上述した実施形態では、通信装置は、車両に搭載されていたが、飛行機、船舶、その他の移動体に搭載されてもよい。
【符号の説明】
【0095】
12 受信回路
13 パケット検出部
14 車車間用送信禁止期間設定部
15 パケット復調部
16 路車間用送信禁止期間設定部
17 パケット生成部
18 返信パケット生成部
19 送信タイミング制御部
20 送信回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の通信装置から送信された第1のデータパケットおよび返信パケット、情報提供装置から送信された第2のデータパケットを受信する受信手段と、
前記受信手段により前記返信パケットが受信された場合に、前記返信パケットの受信タイミングに基づいて、データパケットの送信禁止期間を示す第1の送信禁止期間を設定する第1の送信禁止期間設定手段と、
前記受信手段により前記第2のデータパケットが受信された場合に、前記第2のデータパケットの受信タイミングに基づいて、前記情報提供装置の次回以降の第2のデータパケットの送信タイミングを、第2の送信禁止期間として設定する第2の送信禁止期間設定手段と、
前記受信手段により前記第1のデータパケットが受信された場合に、前記第1のデータパケットの検出結果を示す第1の返信パケットを生成する返信パケット生成手段と、
前記受信手段による前記第1のデータパケットの受信タイミングが前記第2の送信禁止期間である場合に、前記返信パケット生成手段により生成された前記第1の返信パケットの送信を禁止し、前記第1のデータパケットの受信タイミングが前記第2の送信禁止期間以外の期間である場合に、前記返信パケット生成手段により生成された前記第1の返信パケットを送信する第1の返信パケット送信手段と、
前記第1及び第2の送信禁止期間以外の期間にデータパケットを送信するデータパケット送信手段と、
を備えた通信装置。
【請求項2】
前記受信手段により受信された前記第2のデータパケットの受信タイミングに基づいて、前記情報提供装置の送信タイミングを示す通信利用情報を生成し、生成した通信利用情報含む第1のデータパケットを生成するデータパケット生成手段を更に備え、
前記データパケット送信手段は、前記データパケット生成手段により生成された第1のデータパケットを送信する
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記受信手段は、前記通信利用情報含む第1のデータパケットを受信し、
前記第2の送信禁止期間設定手段は、前記受信手段により受信された前記第1のデータパケットに含まれる通信利用情報に基づいて、前記第2の送信禁止期間を設定する
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記データパケット生成手段は、前記通信利用情報が通信装置から他の通信装置へ転送された回数を示す転送回数が受信された第1のデータパケットに含まれていた場合、前記転送回数が前記閾値以上であれば、前記通信利用情報を含まない前記第1のデータパケットを生成し、前記転送回数が閾値以下であれば、転送回数を1つカウントアップして、新たな転送回数を含めた第1のデータパケットを生成する
請求項2または請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記受信手段により前記第2のデータパケットが受信された場合に、前記第2のデータパケットの受信タイミングから所定時間内に第2の返信パケットを送信する第2の返信パケット送信手段を更に備えた
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記受信手段は、前記第2の返信パケットを更に受信し、
前記第2の送信禁止期間は、前記受信手段により受信された第2の返信パケットの受信タイミングに基づいて、前記情報提供装置の次回以降の第2のデータパケットの送信タイミングを、第2の送信禁止期間として設定する
請求項5に記載の通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−3989(P2011−3989A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−143514(P2009−143514)
【出願日】平成21年6月16日(2009.6.16)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成20年度、総務省、安全運転を支援する車車間通信の実現に向けた周波数高度利用技術の委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】