通行検知システム
【課題】入退室データそのものに直接アクセスすることなく、通行者のカード操作を確実に把握して、共連れの有無を検知することのできる通行検知システムを得る。
【解決手段】カード操作検知部1は、カード操作が行われた場合に遮断される方向に光を照射し、照射光が遮断された場合はカード操作有りの検知出力を行う。通行有無検知部2は、人物の通行の有無を検知する。共連れ判定部3は、カード操作検知部1の検知出力と、通行有無検知部2の検知出力とに基づいて共連れ判定を行う。共連れ判定結果はデータ記録部4に記録され、データ出力要求に応じてデータ出力部5から出力される。
【解決手段】カード操作検知部1は、カード操作が行われた場合に遮断される方向に光を照射し、照射光が遮断された場合はカード操作有りの検知出力を行う。通行有無検知部2は、人物の通行の有無を検知する。共連れ判定部3は、カード操作検知部1の検知出力と、通行有無検知部2の検知出力とに基づいて共連れ判定を行う。共連れ判定結果はデータ記録部4に記録され、データ出力要求に応じてデータ出力部5から出力される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉付近の人物の通行有無を検知する通行有無検知部と、入退室管理のためのカード操作を検知するカード操作検知部の検知出力に基づいて、共連れの有無を判定する通行検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードを用いる入退室管理システムにおいて、入室しようとする扉の前に人物が立った場合にのみ、カードリーダの電源をオンにして、カードによる認証を許可するようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照)。このような入退室管理システムでは、カードによる認証を行った際に、室内側人体検知センサで人を検知した場合は扉の電気錠を解錠しないといった制御を行っていた。また、扉開閉センサにより扉が開いてから閉じるまでを監視し、非接触型カードリーダでの認証により電気錠を解錠してから扉が開いて閉まるまでの間の室外側での人物検知回数及び室内側での人物検知回数が非接触型カードリーダでの認証回数を上回った場合は、管理端末へ共連れによる入退室の疑いがあるとして警告をあげるようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−144226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムでは、カードリーダ型入退室管理システムとして一体のものであり、回路的に独立したカード操作検知部を備えてはいない。そのため、入退室データそのものに直接アクセスすることなく、カード操作を把握することができなかった。即ち、仕様が不明な既設のカードリーダ型入退室管理システムに後付けで共連れ検知が可能な通行センサを設置することはできなかった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、カードリーダ型入退室管理システムが設置されているセキュリティ扉において、入退室データそのものに直接アクセスすることなく、通行者のカード操作を確実に把握して、共連れの有無を検知することのできる通行検知システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る通行検知システムは、カード操作が行われた場合に遮断される方向に光を照射し、照射光が遮断された場合はカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部と、人物の通行の有無を検知する通行有無検知部と、カード操作検知部の検知出力と、通行有無検知部の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の通行検知システムは、カード操作が行われた場合に遮断される方向に光を照射し、照射光が遮断された場合はカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部を備えたので、入退室データそのものに直接アクセスすることなく、通行者のカード操作を確実に把握して、共連れの有無を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の通行検知システムの基本構成を説明するブロック図である。
【図2】本発明の通行検知システムの基本動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の動作として縦方向光切断でカードをかざす前の状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の動作として縦方向光切断でカードをかざした後の状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の縦方向光切断のセンサ出力の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の動作として横方向光切断で、カードをかざす前の状態を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の動作として横方向光切断でカードをかざした後の状態を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の横方向光切断のセンサ出力を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態2による通行検知システムのカード操作検知部のブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態2による通行検知システムのカード操作検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2による通行検知システムのカード操作検知部の動作としてカードをかざす前の状態を示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態2による通行検知システムのカード操作検知部の動作としてカードをかざした後の状態を示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態3による通行検知システムのカード操作検知部のブロック図である。
【図16】本発明の実施の形態3による通行検知システムのカード操作検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態3による通行検知システムのカード操作検知部の動作としてカードをかざす前の状態を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態3による通行検知システムのカード操作検知部の動作としてカードをかざした後の状態を示す説明図である。
【図19】本発明の実施の形態3による通行検知システムのカード操作検知部のカードをかざす前の状態のセンサ出力を示す説明図である。
【図20】本発明の実施の形態3による通行検知システムのカード操作検知部のカードをかざした後の状態のセンサ出力を示す説明図である。
【図21】本発明の実施の形態4による通行検知システムの通行有無検知部のブロック図である。
【図22】本発明の実施の形態4による通行検知システムの通行有無検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図23】本発明の実施の形態4による通行検知システムの通行有無検知部の動作として縦方向光切断を示す説明図である。
【図24】本発明の実施の形態4による通行検知システムの通行有無検知部の縦方向切断のセンサ出力の説明図である。
【図25】本発明の実施の形態4による通行検知システムの通行有無検知部の動作として横方向光切断を示す説明図である。
【図26】本発明の実施の形態4による通行検知システムの通行有無検知部の横方向切断のセンサ出力を示す説明図である。
【図27】本発明の実施の形態5による通行検知システムの通行有無検知部のブロック図である。
【図28】本発明の実施の形態5による通行検知システムの通行有無検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図29】本発明の実施の形態5による通行検知システムの通行有無検知部の動作を示す説明図である。
【図30】本発明の実施の形態5による通行検知システムの通行有無検知部のセンサ出力を示す説明図である。
【図31】本発明の実施の形態6による通行検知システムの通行有無検知部のブロック図である。
【図32】本発明の実施の形態6による通行検知システムの通行有無検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図33】本発明の実施の形態6による通行検知システムの通行有無検知部の動作を示す説明図である。
【図34】本発明の実施の形態6による通行検知システムの通行有無検知部のセンサ出力を示す説明図である。
【図35】本発明の実施の形態7の通行検知システムの通行有無検知部のブロック図である。
【図36】本発明の実施の形態7の通行検知システムの通行有無検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図37】本発明の実施の形態7の通行検知システムの通行有無検知部のセンサ出力を示す説明図である。
【図38】本発明の実施の形態8の通行検知システムの通行有無検知部のブロック図である。
【図39】本発明の実施の形態8の通行検知システムの通行有無検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図40】本発明の実施の形態8の通行検知システムの通行有無検知部の動作を示す説明図である。
【図41】本発明の実施の形態8の通行検知システムの通行有無検知部のセンサ出力を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による通行検知システムを示す構成図である。
図1に示す通行検知システムは、カード操作検知部1、通行有無検知部2、共連れ判定部3、データ記録部4、データ出力部5を備えている。カード操作検知部1は、カード操作することにより遮断される方向に光を照射し、この照射光が遮断された場合にカード操作有りの検知出力を行うものであるが、この詳細については後述する。通行有無検知部2は、人物の通行の有無を検知するものである。共連れ判定部3は、カード操作検知部1で検知したカード操作の情報と、通行有無検知部2で検知した通行の情報を照合し、その照合結果に基づいて共連れの判定を行う処理部である。データ記録部4は、共連れ判定部3の判定結果を記録する処理部であり、データ出力部5は、外部からの要求によりデータ記録部4に記録されている共連れ判定記録を出力するものである。
【0010】
次に実施の形態1の動作について説明する。図2は本発明の基本動作を説明するフローチャートである。
図2において、ステップST1で処理が開始されると、カード操作検知部1によりカード操作が行われたか否かの確認がなされる(ステップST2)。次に、通行有無検知部2により、扉を通過する人物の検知が行われ(ステップST3)、更に、共連れ判定部3でカード操作検知部1の検知出力と通行有無検知部2の検知出力の照合が行われ、共連れの有無が判定される(ステップST4)。尚、共連れの判定は、カード操作検知部1の検知回数よりも通行有無検知部2の検知人数が上回った場合に共連れあり、といったように判定する。共連れ判定部3における共連れ有無の判定結果はデータ記録部4で記録され(ステップST5)、ステップST6において外部よりデータ出力要求があった場合はデータ出力部5よりデータ出力を行う(ステップST7)。ステップST7におけるデータ出力後、またはステップST6においてデータ出力要求がなかった場合は、処理の終了要求があるか否かを判定し(ステップST8)、終了要求があった場合は処理を終了し(ステップST9)、終了要求がなければステップST2に戻って以降の処理を繰り返す。
【0011】
図3は、実施の形態1のカード操作検知部1のブロック図である。
図示のように、カード操作検知部1は、光切断検知部101、物体侵入判定部102、カード操作判定部103を備えている。光切断検知部101は、後述する図5〜図10で示すように、カード操作が行われる方向に照射された光が遮断されるか否かを検知するものである。物体侵入判定部102は、光切断検知部101からの検知出力に基づいて、検知エリア内での物体の有無を検知するものである。カード操作判定部103は、物体侵入判定部102の判定結果に基づいて、カード操作の有無を検知するものである。
【0012】
図4は、実施の形態1におけるカード操作検知部1の動作を説明するフローチャートである。
ステップST101で処理が開始されると、光切断検知部101は、光切断データを読み出し(ステップST102)、物体侵入判定部102は、光切断データに基づいて物体侵入の判定処理を行う(ステップST103)。そして、カード操作判定部103は、物体侵入判定部102の判定結果に基づいてカード操作の有無を出力する(ステップST104)。
【0013】
図5は、本発明の実施の形態1におけるカード操作検知部1の動作を説明する図である。この例では縦方向の光切断を用いており、図5はカードをかざす前の状態である。
カードリーダ111のすぐ近くにカード操作検知センサ112が設置されており、縦方向のファン状光113を照射している。操作者の手114がカード115をカードリーダ111にかざす動作をしていない段階では、縦方向のファン状光113は切断されず、全ての光線が距離無限大との結果を返している。
【0014】
図6は、本発明の実施の形態1におけるカード操作検知部1の動作を説明する図で、縦方向の光切断を用いており、この図はカードをかざした後の状態である。
操作者の手116がカード117をカードリーダ111にかざす動作を行うと、縦方向のファン状光113の一部が切断され、距離が無限大ではなくなる。このとき三次元の光切断面118が現れる。
【0015】
図7は、本発明の実施の形態1におけるカード操作検知部1のセンサ出力(光切断検知部101の検知出力)を説明する図である。縦方向のファン状光の切断面は距離データ119として出現する。切断面が現れないときは全ての光線が無限大の距離を出力しているため、カード操作を行ったことを確実に知ることが出来る。これが、物体侵入判定部102におけるステップST103の物体侵入の判定処理である。
【0016】
図8は本発明の実施の形態1におけるカード操作検知部1の動作を説明する図で、この例では、横方向の光切断を用いており、カードをかざす前の状態である。
カードリーダ121のすぐ近くにカード操作検知センサ122が設置されており、横方向のファン状光123を照射している。操作者の手124がカード125をカードリーダ121にかざす動作をしていない段階では、横方向のファン状光123は切断されず、全ての光線が距離無限大との結果を返している。
【0017】
図9は、本発明の実施の形態1におけるカード操作検知部の動作を説明する図で、横方向の光切断を用いており、カードをかざした後の状態である。
操作者の手126がカード127をカードリーダ121にかざす動作を行うと、縦方向のファン状光123の一部が切断され、距離が無限大ではなくなる。このとき三次元の光切断面128が現れる。
【0018】
図10は、本発明の実施の形態1におけるカード操作検知部のセンサ出力を説明する図である。横方向のファン状光の切断面は距離データ129として出現する。切断面が現れないときは全ての光線が無限大の距離を出力しているため、カード操作を行ったことを確実に知ることが出来る。
【0019】
以上のように、実施の形態1の通行検知システムによれば、カード操作が行われた場合に遮断される方向に光を照射し、照射光が遮断された場合はカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部1と、人物の通行の有無を検知する通行有無検知部2と、カード操作検知部1の検知出力と、通行有無検知部2の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部3とを備えたので、次のような効果がある。即ち、カード操作検知部1を構成要素として含むため、入退室データそのものに直接アクセスすることなく、通行者のカード操作を確実に把握することができる。また、通行有無検知部2を構成要素として含むため、上記効果と合わせて共連れの有無を検知することができる。この結果、例えば仕様が不明な既設の入退室管理システムに後付けで共連れ検知機能を設置することができる。
【0020】
実施の形態2.
図11は本発明の実施の形態2におけるカード操作検知部1aの構成図である。また、本実施の形態を含め、以降の実施の形態において、通行検知システムとしての図面上の構成は図1と同様であるため、以降の実施の形態では通行検知システム全体の構成についての説明は省略する。
実施の形態2におけるカード操作検知部1aは、操作音検知部201、操作音データ保持部202、操作音判定部203、カード操作判定部204を備えている。操作音検知部201は、後述するカードリーダ211等でカードの読み取りが行われた場合に送出される操作音を検知するものである。操作音データ保持部202は、操作音検知部201が検知対象とする操作音データを保持するものである。操作音判定部203は、操作音検知部201で操作音が検知された場合、その検知出力と操作音データ保持部202で保持されている操作音データとを照合して一致するか否かを判定結果として出力するものである。カード操作判定部204は、操作音判定部203での判定結果に基づいて、カード操作の有無を出力するものである。即ち、カード操作判定部204では、操作音判定部203の判定結果が一致であった場合にカード操作有りの検知出力を行うよう構成されている。
【0021】
図12は、本発明の実施の形態2におけるカード操作検知部1aの動作を説明するフローチャートである。
ステップST201で処理が開始されると、操作音判定部203は、操作音検知部201から検知された操作音を読み出すと共に、操作音データ保持部202から操作音データを読み出す(ステップST202)。次に、操作音判定部203は、操作音の判定処理を行い(ステップST203)、カード操作判定部204は、操作音判定部203の判定結果に基づき、カード操作の有無を出力する(ステップST204)。
【0022】
図13は、本発明の実施の形態2におけるカード操作検知部1aの動作を説明する図で、カードをかざす前の状態である。カードリーダ211のすぐ近くに操作音検知センサ212が設置されており、操作者の手213がカード214をカードリーダ211にかざす動作をしていない段階では、操作音は検知されない。
【0023】
図14は、本発明の実施の形態2におけるカード操作検知部1aの動作を説明する図で、カードをかざした後の状態である。
操作者の手215がカード216をカードリーダ211にかざす動作を行うと、操作音217がカードリーダ211から発せられる。このとき操作音の一部218は操作音検知センサ212にも伝わる。普段はカード操作音は発せられない、また類似の操作音が外部で発生した場合についても、操作音データ保持部202に保持されている操作音データと詳細な音声照合を行って判断が行われるため、カード操作を行ったことを確実に知ることが出来る。
【0024】
以上のように、実施の形態2の通行検知システムによれば、カード操作が行われた場合に送出される所定の操作音を検知した場合にカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部1aと、人物の通行の有無を検知する通行有無検知部2と、カード操作検知部1aの検知出力と、通行有無検知部2の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部3とを備えたので、実施の形態1と同様の効果を有する共に、カードリーダに手を近づけただけといったカード操作以外の操作で誤検知してしまうことがない。
【0025】
実施の形態3.
図15は、本発明の実施の形態3を説明するカード操作検知部1bのブロック図である。実施の形態3のカード操作検知部1bは、電場強度検知部301、背景電場強度更新部302、差分処理部303、しきい値決定部304、カード操作判定部305を備えている。電場強度検知部301は、後述するカードリーダ311付近の電場強度を検知するものである。背景電場強度更新部302は、電場強度検知部301からの電場強度に基づいて、カード非操作時における背景電場強度を更新する処理部である。差分処理部303は、電場強度検知部301の検知出力と背景電場強度更新部302で更新された背景電場強度の差分を計算する処理部である。しきい値決定部304は、差分処理部303の差分値に基づき、カード操作が行われたか否かを判定するための電場強度の上限しきい値および下限しきい値を決定する処理部である。カード操作判定部305は、差分処理部303からの差分値としきい値決定部304で決定されたしきい値とを比較することにより、カード操作の有無を判定する処理部である。
【0026】
図16は、本発明の実施の形態3におけるカード操作検知部1bの動作を説明するフローチャートである。ステップST301で処理が開始されると、電場強度検知部301が電場強度を読み出し(ステップST302)、背景電場強度更新部302が背景電場強度の更新処理を行う(ステップST303)。また、差分処理部303は、電場強度の差分計算を行う(ステップST304)と共に、しきい値決定部304で差分しきい値の更新を行う(ステップST305)。そして、カード操作判定部305は、電場強度の変動判定を行い(ステップST306)、カード操作の有無を出力する(ステップST307)。
【0027】
図17は、本発明の実施の形態3におけるカード操作検知部1bの動作を説明する図で、カードをかざす前の状態である。カードリーダ311のすぐ近くに電場強度を検知するカード操作検知センサ312が設置されている。操作者の手314がカード315をカードリーダ311にかざす動作をしていない段階では、カードリーダ311には微弱な電場が形成されており、カード操作検知部1bはカード操作が行われていないという結果を返している。
【0028】
図18は、本発明の実施の形態3におけるカード操作検知部1bの動作を説明する図で、カードをかざした後の状態である。
操作者の手316がカード317をカードリーダ311にかざす動作を行うと、カード317に電力を供給するために、カードリーダ311付近の電場強度が上昇する。このときカード操作検知センサ312ではカードリーダ311から出力された電場319が検知される。
【0029】
図19は、本発明の実施の形態3におけるカード操作検知センサ312の出力を説明する図であり、カードをかざす前の状態を示している。
電場強度321は時間的に多少の変動をしているが、概ね平均値322付近の値を示し、その平均値プラスマイナス標準偏差の2.5倍から求められる上限しきい値323、下限しきい値324を越えることはない。
【0030】
図20は、本発明の実施の形態3におけるカード操作検知センサ312の出力を説明する図であり、カードをかざした後の状態を示している。カード操作を行うと、電場強度325は瞬間的に増大し、上限しきい値を超えるため、カード操作を行ったことを確実に知ることが出来る。
【0031】
以上のように、実施の形態3の通行検知システムによれば、カード操作によって変化する電場強度の変化を検知した場合にカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部と、人物の通行の有無を検知する通行有無検知部と、カード操作検知部の検知出力と、通行有無検知部の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部とを備えたので、実施の形態1と同様の効果を有すると共に、カードリーダに手を近づけただけといったカード操作以外の操作で誤検知してしまうことがない。
【0032】
実施の形態4.
図21は、本発明の実施の形態4を説明する通行有無検知部2のブロック図である。
実施の形態4における通行有無検知部2は、光切断検知部401、時空間形状判定部402、通行判定部403を備えている。ここで、光切断検知部401は、人物が通行する方向のエリアに対して光を照射し、この照射光が遮断されたか否かの検知出力を行うものである。時空間形状判定部402は、光切断検知部401の検知出力に基づいて、時空間形状を判定する処理部である。通行判定部403は、時空間形状判定部402における判定結果に基づいて、人物の通行の有無を判定する処理部である。
【0033】
図22は、本発明の実施の形態4における通行有無検知部2の動作を説明するフローチャートである。ステップST401で処理が開始されると、光切断検知部401が、光切断データを読み出し(ステップST401)、時空間形状判定部402は時空間の形状判定処理を行う(ステップST402)。そして、通行判定部403は、時空間形状判定部402の判定結果に基づいて、人物の通行の有無を出力する(ステップST404)。
【0034】
図23は、本発明の実施の形態4における通行有無検知部2の動作を説明する図であり、縦方向の光切断を用いている。カードリーダ411を操作してドアを通過する人414は、人物が通行するエリアに対して光を照射する通行有無検知センサ412の縦方向のファン状光413を切断する。
【0035】
図24は、本発明の実施の形態4における通行有無検知部2のセンサ出力を説明する図で、縦方向の光切断を用いている。このときファン状光のライン番号、センサから得られる距離データ、それらの時間的な変化を、時空間的にとらえると、人が通過した場合、時刻415や時刻416に示すように、人の体が時空間内で高さ領域として現れるため、通行があったことを確実に知ることができる。
【0036】
図25は、本発明の実施の形態4における通行有無検知部2の動作を説明する図であり、横方向の光切断を用いている。カードリーダ421を操作してドアを通過する人424は、通行有無検知センサ422から発せられる横方向のファン状光423を切断する。
【0037】
図26は、本発明の実施の形態4における通行有無検知部2のセンサ出力を説明する図で、横方向の光切断を用いている。このときファン状光のライン番号、センサから得られる距離データ、それらの時間的な変化を、時空間的にとらえると、人が通過した場合、425のように、人の足首が時空間内で高さ領域として現れる。高さ領域のピークをライン番号と時刻からなる二次元平面に投影すると、左右の脚の交差426が現れるため、通行があったことを確実に知ることができる。
【0038】
以上のように、実施の形態4の通行検知システムによれば、通行有無検知部は、人物が通行するエリアに照射された光が遮断されたか否かに基づいて人物の通行を検知するようにしたので、実施の形態1と同様の効果を有すると共に、簡単な構成の付加で、仕様が不明な既設の入退室管理システムに後付けで共連れ検知機能を設置することができる。
【0039】
実施の形態5.
図27は、本発明の実施の形態5の通行有無検知部2aのブロック図である。実施の形態5の通行有無検知部2aは、焦電センサ出力読み出し部501、時空間形状判定部502、通行判定部503を備えている。ここで、焦電センサ出力読み出し部501は、人物が通行するエリアを検知エリアとする焦電センサ(後述する図29の焦電センサ512等)の出力を読み出すものである。時空間形状判定部502は、焦電センサ出力読み出し部501で読み出された焦電センサ出力に基づいて時空間の形状を判定する処理部である。通行判定部503は、時空間形状判定部502の判定結果に基づいて人物の通行の有無を判定する処理部である。
【0040】
図28は、本発明の実施の形態5における通行有無検知部2aの動作を説明するフローチャートである。ステップST501で処理が開始されると、焦電センサ出力読み出し部501は、焦電センサ出力を読み出し(ステップST502)、時空間形状判定部502は、焦電センサ出力に基づいて時空間の形状判定処理を行う(ステップST503)。そして、通行判定部503は、時空間形状判定部502の判定結果に基づいて、人物の通行の有無を出力する(ステップST504)。
【0041】
図29は、本発明の実施の形態5における通行有無検知部2aの動作を説明する図であり、天井付近に配置した焦電センサの情報を用いている。
カードリーダ511を操作してドアを通過する人514は、焦電センサ512の検知エリア513の中で検知される。図30は、焦電センサ512の出力を示す説明図であり、焦電センサ512が9個である場合を示している。このように、天井付近に設置した9個の焦電センサ512から得られる人の有無データを各時刻毎に並べ、それらの時間的な変化を、時空間的にとらえると、人が通過した場合、時刻521から時刻530までのように、おおよその人の分布を知ることができる。これにより、人物の通行があったことを確実に知ることができる。
【0042】
以上のように、実施の形態5の通行検知システムによれば、通行有無検知部2aは、人物が通行するエリアを検知エリアとする焦電センサからの出力に基づいて人物の通行を検知するようにしたので、実施の形態1と同様の効果を有すると共に、簡単な構成の付加で、仕様が不明な既設の入退室管理システムに後付けで共連れ検知機能を設置することができる。
【0043】
実施の形態6.
図31は、本発明の実施の形態6を説明する通行有無検知部2bのブロック図である。通行有無検知部2bの中に、画像信号読み出し部601、移動体検知追跡部602、通行判定部603が備えられている。ここで、画像信号読み出し部601は、後述する図33の画像センサ612のような撮像装置からの出力信号を読み出すものである。移動体検知追跡部602は、画像信号読み出し部601で読み出した画像信号に基づいて人物等の移動体を検知し、かつ、追跡処理を行う処理部である。通行判定部603は、移動体検知追跡部602の検知追跡結果に基づいて人物の通行の有無を判定する処理部である。
【0044】
図32は、本発明の実施の形態6における通行有無検知部2bの動作を説明するフローチャートである。
ステップST601で処理が開始されると、画像信号読み出し部601が画像信号を読み出し(ステップST602)、移動体検知追跡部602で移動体の検知追跡処理を行う(ステップST603)。そして、通行判定部603は、移動体検知追跡部602の検知追跡処理に基づいて人物の通行の有無を出力する(ステップST604)。
【0045】
図33は、本発明の実施の形態6における通行有無検知部2bの動作を説明する図であり、天井付近に配置した画像センサの情報を用いている。カードリーダ611を操作してドアを通過する人614は、画像センサ612の検知エリア613の中に入ると、移動体検知追跡部602で、人すなわち移動体として検知され、追跡される。
図34は、本発明の実施の形態6における通行有無検知部2bのセンサ出力を説明する図である。このとき、天井付近に設置した画像センサ612から得られる移動体の検知、追跡処理の結果615において、通行人の軌跡616を知ることができるため、通行があったことを確実に知ることができる。尚、画像中の移動体の検知及び追跡方法については公知の方法を用いることができる。
【0046】
以上のように、実施の形態6の通行検知システムによれば、通行有無検知部2bは、人物が通行するエリアを撮影した画像信号に基づいて移動体を検知すると共に追跡処理を行い、人物の通行を検知するようにしたので、実施の形態1と同様の効果を有すると共に、簡単な構成の付加で、仕様が不明な既設の入退室管理システムに後付けで共連れ検知機能を設置することができる。
【0047】
実施の形態7.
図35は、本発明の実施の形態7を説明する通行有無検知部2cのブロック図である。実施の形態7の通行有無検知部2cは、画像信号読み出し部601、高さ領域検知追跡部604、通行判定部605が備えられている。ここで、画像信号読み出し部601は、実施の形態6の画像信号読み出し部601と同様である。高さ領域検知追跡部604は、画像信号読み出し部601から出力された画像信号に基づいて高さ領域を検知し、かつ、その高さ領域を追跡する処理部である。また、通行判定部605は、高さ領域検知追跡部604の検知追跡結果に基づいて人物の通行の有無を判定する処理部である。
【0048】
図36は、本発明の実施の形態7における通行有無検知部2cの動作を説明するフローチャートである。
ステップST601で処理が開始されると、画像信号読み出し部601で画像信号を読み出し(ステップST602)、高さ領域検知追跡部604で高さ領域の検知追跡処理を行う(ステップST613)。そして、通行判定部605では、この検知追跡処理に基づいて人物の通行の有無を出力する(ステップST604)。
【0049】
実施の形態7における通行有無検知部2cの動作を説明する図は実施の形態6において通行有無検知部bの動作を説明した図33と基本的には同じである。ただし、実施の形態7では、高さ領域検出を行うために、例えば複数のカメラを用いて三角測量の原理、即ち、ステレオ視により立体情報を得る、あるいは一つのカメラとパターン投影光によって同様に三角測量を用いる、あるいは画像の各画素に対して変調光を発してその到達時間を計測することによってアクティブに距離情報を得るといった方法を用いる。
【0050】
図37は、本発明の実施の形態7における通行有無検知部2cのセンサ出力を説明する図である。このとき天井付近に設置した画像センサから得られる高さ領域の検知、追跡処理の結果617において、通行人の領域618を知ることができるため、通行があったことを確実に知ることができる。
【0051】
以上のように、実施の形態7の通行検知システムによれば、通行有無検知部2cは、人物が通行するエリアを撮影した画像信号に基づいて高さ領域を検知して高さ領域の追跡処理を行い、人物の通行を検知するようにしたので、実施の形態1と同様の効果を有すると共に、簡単な構成の付加で、仕様が不明な既設の入退室管理システムに後付けで共連れ検知機能を設置することができる。
【0052】
実施の形態8.
図38は、本発明の実施の形態8を説明する通行有無検知部2dのブロック図である。実施の形態8の通行有無検知部2dは、画像信号読み出し部601、顔領域検知追跡部606、通行判定部607を備えている。ここで、画像信号読み出し部601は、実施の形態6の画像信号読み出し部601と同様である。また、顔領域検知追跡部606は、画像信号読み出し部601から出力された画像信号に基づいて人物の顔領域を検出し、かつ、検出した顔領域の追跡処理を行う処理部である。また、通行判定部607は、高さ領域検知追跡部604の検知追跡結果に基づいて人物の通行の有無を判定する処理部である。
【0053】
図39は、本発明の実施の形態8における通行有無検知部2dの動作を説明するフローチャートである。
ステップST601で処理が開始されると、画像信号読み出し部601は、画像信号を読み出し(ステップST602)、顔領域検知追跡部606は、その画像信号に基づいて画像処理を行い、顔領域を検知すると共に、その追跡処理を行う(ステップST623)。そして、通行判定部607は、顔領域検知追跡部606の検知追跡結果に基づいて、人物の通行の有無を出力する(ステップST604)。
【0054】
図40は、本発明の実施の形態8における通行有無検知部2dの動作を説明する図であり、ドア方向に向けて、かつ、人物の顔画像を取得できるよう設置した画像センサの情報を用いている。カードリーダ621を操作してドアを通過する人624は、画像センサ622の検知エリア623の中で人、即ち顔領域が検知され、追跡される。
図41は、本発明の実施の形態8における通行有無検知部2dのセンサ出力を説明する図である。このときドア方向を向けて設置した画像センサから得られる顔領域の検知、追跡処理の結果625において、通行人の顔領域626を知ることができるため、通行があったことを確実に知ることができる。尚、画像からの顔領域626の検出方法及びその顔領域626の追跡処理については公知の方法を用いることができる。
【0055】
以上のように、実施の形態8の通行検知システムによれば、通行有無検知部2dは、人物が通行するエリアを撮影した画像信号に基づいて人物の顔領域を検知して追跡処理を行い、人物の通行を検知するようにしたので、実施の形態1と同様の効果を有すると共に、簡単な構成の付加で、仕様が不明な既設の入退室管理システムに後付けで共連れ検知機能を設置することができる。
【符号の説明】
【0056】
1,1a,1b カード操作検知部、2,2a,2b,2c,2d 通行有無検知部、3 共連れ判定部、4 データ記録部、5 データ出力部、101 光切断検知部、102 物体侵入判定部、103 カード操作判定部、201 操作音検知部、202 操作音データ保持部、203 操作音判定部、301 電場強度検知部、302 背景電場強度更新部、303 差分処理部、304 しきい値決定部、305 カード操作判定部、401 光切断検知部、402 時空間形状判定部、403 通行判定部、501 焦電センサ出力読み出し部、502 時空間形状判定部、503,603,605,607 通行判定部、601 画像信号読み出し部、602 移動体検知追跡部、604 高さ領域検知追跡部、606 顔領域検知追跡部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉付近の人物の通行有無を検知する通行有無検知部と、入退室管理のためのカード操作を検知するカード操作検知部の検知出力に基づいて、共連れの有無を判定する通行検知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カードを用いる入退室管理システムにおいて、入室しようとする扉の前に人物が立った場合にのみ、カードリーダの電源をオンにして、カードによる認証を許可するようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照)。このような入退室管理システムでは、カードによる認証を行った際に、室内側人体検知センサで人を検知した場合は扉の電気錠を解錠しないといった制御を行っていた。また、扉開閉センサにより扉が開いてから閉じるまでを監視し、非接触型カードリーダでの認証により電気錠を解錠してから扉が開いて閉まるまでの間の室外側での人物検知回数及び室内側での人物検知回数が非接触型カードリーダでの認証回数を上回った場合は、管理端末へ共連れによる入退室の疑いがあるとして警告をあげるようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−144226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来のシステムでは、カードリーダ型入退室管理システムとして一体のものであり、回路的に独立したカード操作検知部を備えてはいない。そのため、入退室データそのものに直接アクセスすることなく、カード操作を把握することができなかった。即ち、仕様が不明な既設のカードリーダ型入退室管理システムに後付けで共連れ検知が可能な通行センサを設置することはできなかった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、カードリーダ型入退室管理システムが設置されているセキュリティ扉において、入退室データそのものに直接アクセスすることなく、通行者のカード操作を確実に把握して、共連れの有無を検知することのできる通行検知システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る通行検知システムは、カード操作が行われた場合に遮断される方向に光を照射し、照射光が遮断された場合はカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部と、人物の通行の有無を検知する通行有無検知部と、カード操作検知部の検知出力と、通行有無検知部の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明の通行検知システムは、カード操作が行われた場合に遮断される方向に光を照射し、照射光が遮断された場合はカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部を備えたので、入退室データそのものに直接アクセスすることなく、通行者のカード操作を確実に把握して、共連れの有無を検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の通行検知システムの基本構成を説明するブロック図である。
【図2】本発明の通行検知システムの基本動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の動作として縦方向光切断でカードをかざす前の状態を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の動作として縦方向光切断でカードをかざした後の状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の縦方向光切断のセンサ出力の説明図である。
【図8】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の動作として横方向光切断で、カードをかざす前の状態を示す説明図である。
【図9】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の動作として横方向光切断でカードをかざした後の状態を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1による通行検知システムのカード操作検知部の横方向光切断のセンサ出力を示す説明図である。
【図11】本発明の実施の形態2による通行検知システムのカード操作検知部のブロック図である。
【図12】本発明の実施の形態2による通行検知システムのカード操作検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態2による通行検知システムのカード操作検知部の動作としてカードをかざす前の状態を示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態2による通行検知システムのカード操作検知部の動作としてカードをかざした後の状態を示す説明図である。
【図15】本発明の実施の形態3による通行検知システムのカード操作検知部のブロック図である。
【図16】本発明の実施の形態3による通行検知システムのカード操作検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態3による通行検知システムのカード操作検知部の動作としてカードをかざす前の状態を示す説明図である。
【図18】本発明の実施の形態3による通行検知システムのカード操作検知部の動作としてカードをかざした後の状態を示す説明図である。
【図19】本発明の実施の形態3による通行検知システムのカード操作検知部のカードをかざす前の状態のセンサ出力を示す説明図である。
【図20】本発明の実施の形態3による通行検知システムのカード操作検知部のカードをかざした後の状態のセンサ出力を示す説明図である。
【図21】本発明の実施の形態4による通行検知システムの通行有無検知部のブロック図である。
【図22】本発明の実施の形態4による通行検知システムの通行有無検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図23】本発明の実施の形態4による通行検知システムの通行有無検知部の動作として縦方向光切断を示す説明図である。
【図24】本発明の実施の形態4による通行検知システムの通行有無検知部の縦方向切断のセンサ出力の説明図である。
【図25】本発明の実施の形態4による通行検知システムの通行有無検知部の動作として横方向光切断を示す説明図である。
【図26】本発明の実施の形態4による通行検知システムの通行有無検知部の横方向切断のセンサ出力を示す説明図である。
【図27】本発明の実施の形態5による通行検知システムの通行有無検知部のブロック図である。
【図28】本発明の実施の形態5による通行検知システムの通行有無検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図29】本発明の実施の形態5による通行検知システムの通行有無検知部の動作を示す説明図である。
【図30】本発明の実施の形態5による通行検知システムの通行有無検知部のセンサ出力を示す説明図である。
【図31】本発明の実施の形態6による通行検知システムの通行有無検知部のブロック図である。
【図32】本発明の実施の形態6による通行検知システムの通行有無検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図33】本発明の実施の形態6による通行検知システムの通行有無検知部の動作を示す説明図である。
【図34】本発明の実施の形態6による通行検知システムの通行有無検知部のセンサ出力を示す説明図である。
【図35】本発明の実施の形態7の通行検知システムの通行有無検知部のブロック図である。
【図36】本発明の実施の形態7の通行検知システムの通行有無検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図37】本発明の実施の形態7の通行検知システムの通行有無検知部のセンサ出力を示す説明図である。
【図38】本発明の実施の形態8の通行検知システムの通行有無検知部のブロック図である。
【図39】本発明の実施の形態8の通行検知システムの通行有無検知部の動作を説明するフローチャートである。
【図40】本発明の実施の形態8の通行検知システムの通行有無検知部の動作を示す説明図である。
【図41】本発明の実施の形態8の通行検知システムの通行有無検知部のセンサ出力を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による通行検知システムを示す構成図である。
図1に示す通行検知システムは、カード操作検知部1、通行有無検知部2、共連れ判定部3、データ記録部4、データ出力部5を備えている。カード操作検知部1は、カード操作することにより遮断される方向に光を照射し、この照射光が遮断された場合にカード操作有りの検知出力を行うものであるが、この詳細については後述する。通行有無検知部2は、人物の通行の有無を検知するものである。共連れ判定部3は、カード操作検知部1で検知したカード操作の情報と、通行有無検知部2で検知した通行の情報を照合し、その照合結果に基づいて共連れの判定を行う処理部である。データ記録部4は、共連れ判定部3の判定結果を記録する処理部であり、データ出力部5は、外部からの要求によりデータ記録部4に記録されている共連れ判定記録を出力するものである。
【0010】
次に実施の形態1の動作について説明する。図2は本発明の基本動作を説明するフローチャートである。
図2において、ステップST1で処理が開始されると、カード操作検知部1によりカード操作が行われたか否かの確認がなされる(ステップST2)。次に、通行有無検知部2により、扉を通過する人物の検知が行われ(ステップST3)、更に、共連れ判定部3でカード操作検知部1の検知出力と通行有無検知部2の検知出力の照合が行われ、共連れの有無が判定される(ステップST4)。尚、共連れの判定は、カード操作検知部1の検知回数よりも通行有無検知部2の検知人数が上回った場合に共連れあり、といったように判定する。共連れ判定部3における共連れ有無の判定結果はデータ記録部4で記録され(ステップST5)、ステップST6において外部よりデータ出力要求があった場合はデータ出力部5よりデータ出力を行う(ステップST7)。ステップST7におけるデータ出力後、またはステップST6においてデータ出力要求がなかった場合は、処理の終了要求があるか否かを判定し(ステップST8)、終了要求があった場合は処理を終了し(ステップST9)、終了要求がなければステップST2に戻って以降の処理を繰り返す。
【0011】
図3は、実施の形態1のカード操作検知部1のブロック図である。
図示のように、カード操作検知部1は、光切断検知部101、物体侵入判定部102、カード操作判定部103を備えている。光切断検知部101は、後述する図5〜図10で示すように、カード操作が行われる方向に照射された光が遮断されるか否かを検知するものである。物体侵入判定部102は、光切断検知部101からの検知出力に基づいて、検知エリア内での物体の有無を検知するものである。カード操作判定部103は、物体侵入判定部102の判定結果に基づいて、カード操作の有無を検知するものである。
【0012】
図4は、実施の形態1におけるカード操作検知部1の動作を説明するフローチャートである。
ステップST101で処理が開始されると、光切断検知部101は、光切断データを読み出し(ステップST102)、物体侵入判定部102は、光切断データに基づいて物体侵入の判定処理を行う(ステップST103)。そして、カード操作判定部103は、物体侵入判定部102の判定結果に基づいてカード操作の有無を出力する(ステップST104)。
【0013】
図5は、本発明の実施の形態1におけるカード操作検知部1の動作を説明する図である。この例では縦方向の光切断を用いており、図5はカードをかざす前の状態である。
カードリーダ111のすぐ近くにカード操作検知センサ112が設置されており、縦方向のファン状光113を照射している。操作者の手114がカード115をカードリーダ111にかざす動作をしていない段階では、縦方向のファン状光113は切断されず、全ての光線が距離無限大との結果を返している。
【0014】
図6は、本発明の実施の形態1におけるカード操作検知部1の動作を説明する図で、縦方向の光切断を用いており、この図はカードをかざした後の状態である。
操作者の手116がカード117をカードリーダ111にかざす動作を行うと、縦方向のファン状光113の一部が切断され、距離が無限大ではなくなる。このとき三次元の光切断面118が現れる。
【0015】
図7は、本発明の実施の形態1におけるカード操作検知部1のセンサ出力(光切断検知部101の検知出力)を説明する図である。縦方向のファン状光の切断面は距離データ119として出現する。切断面が現れないときは全ての光線が無限大の距離を出力しているため、カード操作を行ったことを確実に知ることが出来る。これが、物体侵入判定部102におけるステップST103の物体侵入の判定処理である。
【0016】
図8は本発明の実施の形態1におけるカード操作検知部1の動作を説明する図で、この例では、横方向の光切断を用いており、カードをかざす前の状態である。
カードリーダ121のすぐ近くにカード操作検知センサ122が設置されており、横方向のファン状光123を照射している。操作者の手124がカード125をカードリーダ121にかざす動作をしていない段階では、横方向のファン状光123は切断されず、全ての光線が距離無限大との結果を返している。
【0017】
図9は、本発明の実施の形態1におけるカード操作検知部の動作を説明する図で、横方向の光切断を用いており、カードをかざした後の状態である。
操作者の手126がカード127をカードリーダ121にかざす動作を行うと、縦方向のファン状光123の一部が切断され、距離が無限大ではなくなる。このとき三次元の光切断面128が現れる。
【0018】
図10は、本発明の実施の形態1におけるカード操作検知部のセンサ出力を説明する図である。横方向のファン状光の切断面は距離データ129として出現する。切断面が現れないときは全ての光線が無限大の距離を出力しているため、カード操作を行ったことを確実に知ることが出来る。
【0019】
以上のように、実施の形態1の通行検知システムによれば、カード操作が行われた場合に遮断される方向に光を照射し、照射光が遮断された場合はカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部1と、人物の通行の有無を検知する通行有無検知部2と、カード操作検知部1の検知出力と、通行有無検知部2の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部3とを備えたので、次のような効果がある。即ち、カード操作検知部1を構成要素として含むため、入退室データそのものに直接アクセスすることなく、通行者のカード操作を確実に把握することができる。また、通行有無検知部2を構成要素として含むため、上記効果と合わせて共連れの有無を検知することができる。この結果、例えば仕様が不明な既設の入退室管理システムに後付けで共連れ検知機能を設置することができる。
【0020】
実施の形態2.
図11は本発明の実施の形態2におけるカード操作検知部1aの構成図である。また、本実施の形態を含め、以降の実施の形態において、通行検知システムとしての図面上の構成は図1と同様であるため、以降の実施の形態では通行検知システム全体の構成についての説明は省略する。
実施の形態2におけるカード操作検知部1aは、操作音検知部201、操作音データ保持部202、操作音判定部203、カード操作判定部204を備えている。操作音検知部201は、後述するカードリーダ211等でカードの読み取りが行われた場合に送出される操作音を検知するものである。操作音データ保持部202は、操作音検知部201が検知対象とする操作音データを保持するものである。操作音判定部203は、操作音検知部201で操作音が検知された場合、その検知出力と操作音データ保持部202で保持されている操作音データとを照合して一致するか否かを判定結果として出力するものである。カード操作判定部204は、操作音判定部203での判定結果に基づいて、カード操作の有無を出力するものである。即ち、カード操作判定部204では、操作音判定部203の判定結果が一致であった場合にカード操作有りの検知出力を行うよう構成されている。
【0021】
図12は、本発明の実施の形態2におけるカード操作検知部1aの動作を説明するフローチャートである。
ステップST201で処理が開始されると、操作音判定部203は、操作音検知部201から検知された操作音を読み出すと共に、操作音データ保持部202から操作音データを読み出す(ステップST202)。次に、操作音判定部203は、操作音の判定処理を行い(ステップST203)、カード操作判定部204は、操作音判定部203の判定結果に基づき、カード操作の有無を出力する(ステップST204)。
【0022】
図13は、本発明の実施の形態2におけるカード操作検知部1aの動作を説明する図で、カードをかざす前の状態である。カードリーダ211のすぐ近くに操作音検知センサ212が設置されており、操作者の手213がカード214をカードリーダ211にかざす動作をしていない段階では、操作音は検知されない。
【0023】
図14は、本発明の実施の形態2におけるカード操作検知部1aの動作を説明する図で、カードをかざした後の状態である。
操作者の手215がカード216をカードリーダ211にかざす動作を行うと、操作音217がカードリーダ211から発せられる。このとき操作音の一部218は操作音検知センサ212にも伝わる。普段はカード操作音は発せられない、また類似の操作音が外部で発生した場合についても、操作音データ保持部202に保持されている操作音データと詳細な音声照合を行って判断が行われるため、カード操作を行ったことを確実に知ることが出来る。
【0024】
以上のように、実施の形態2の通行検知システムによれば、カード操作が行われた場合に送出される所定の操作音を検知した場合にカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部1aと、人物の通行の有無を検知する通行有無検知部2と、カード操作検知部1aの検知出力と、通行有無検知部2の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部3とを備えたので、実施の形態1と同様の効果を有する共に、カードリーダに手を近づけただけといったカード操作以外の操作で誤検知してしまうことがない。
【0025】
実施の形態3.
図15は、本発明の実施の形態3を説明するカード操作検知部1bのブロック図である。実施の形態3のカード操作検知部1bは、電場強度検知部301、背景電場強度更新部302、差分処理部303、しきい値決定部304、カード操作判定部305を備えている。電場強度検知部301は、後述するカードリーダ311付近の電場強度を検知するものである。背景電場強度更新部302は、電場強度検知部301からの電場強度に基づいて、カード非操作時における背景電場強度を更新する処理部である。差分処理部303は、電場強度検知部301の検知出力と背景電場強度更新部302で更新された背景電場強度の差分を計算する処理部である。しきい値決定部304は、差分処理部303の差分値に基づき、カード操作が行われたか否かを判定するための電場強度の上限しきい値および下限しきい値を決定する処理部である。カード操作判定部305は、差分処理部303からの差分値としきい値決定部304で決定されたしきい値とを比較することにより、カード操作の有無を判定する処理部である。
【0026】
図16は、本発明の実施の形態3におけるカード操作検知部1bの動作を説明するフローチャートである。ステップST301で処理が開始されると、電場強度検知部301が電場強度を読み出し(ステップST302)、背景電場強度更新部302が背景電場強度の更新処理を行う(ステップST303)。また、差分処理部303は、電場強度の差分計算を行う(ステップST304)と共に、しきい値決定部304で差分しきい値の更新を行う(ステップST305)。そして、カード操作判定部305は、電場強度の変動判定を行い(ステップST306)、カード操作の有無を出力する(ステップST307)。
【0027】
図17は、本発明の実施の形態3におけるカード操作検知部1bの動作を説明する図で、カードをかざす前の状態である。カードリーダ311のすぐ近くに電場強度を検知するカード操作検知センサ312が設置されている。操作者の手314がカード315をカードリーダ311にかざす動作をしていない段階では、カードリーダ311には微弱な電場が形成されており、カード操作検知部1bはカード操作が行われていないという結果を返している。
【0028】
図18は、本発明の実施の形態3におけるカード操作検知部1bの動作を説明する図で、カードをかざした後の状態である。
操作者の手316がカード317をカードリーダ311にかざす動作を行うと、カード317に電力を供給するために、カードリーダ311付近の電場強度が上昇する。このときカード操作検知センサ312ではカードリーダ311から出力された電場319が検知される。
【0029】
図19は、本発明の実施の形態3におけるカード操作検知センサ312の出力を説明する図であり、カードをかざす前の状態を示している。
電場強度321は時間的に多少の変動をしているが、概ね平均値322付近の値を示し、その平均値プラスマイナス標準偏差の2.5倍から求められる上限しきい値323、下限しきい値324を越えることはない。
【0030】
図20は、本発明の実施の形態3におけるカード操作検知センサ312の出力を説明する図であり、カードをかざした後の状態を示している。カード操作を行うと、電場強度325は瞬間的に増大し、上限しきい値を超えるため、カード操作を行ったことを確実に知ることが出来る。
【0031】
以上のように、実施の形態3の通行検知システムによれば、カード操作によって変化する電場強度の変化を検知した場合にカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部と、人物の通行の有無を検知する通行有無検知部と、カード操作検知部の検知出力と、通行有無検知部の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部とを備えたので、実施の形態1と同様の効果を有すると共に、カードリーダに手を近づけただけといったカード操作以外の操作で誤検知してしまうことがない。
【0032】
実施の形態4.
図21は、本発明の実施の形態4を説明する通行有無検知部2のブロック図である。
実施の形態4における通行有無検知部2は、光切断検知部401、時空間形状判定部402、通行判定部403を備えている。ここで、光切断検知部401は、人物が通行する方向のエリアに対して光を照射し、この照射光が遮断されたか否かの検知出力を行うものである。時空間形状判定部402は、光切断検知部401の検知出力に基づいて、時空間形状を判定する処理部である。通行判定部403は、時空間形状判定部402における判定結果に基づいて、人物の通行の有無を判定する処理部である。
【0033】
図22は、本発明の実施の形態4における通行有無検知部2の動作を説明するフローチャートである。ステップST401で処理が開始されると、光切断検知部401が、光切断データを読み出し(ステップST401)、時空間形状判定部402は時空間の形状判定処理を行う(ステップST402)。そして、通行判定部403は、時空間形状判定部402の判定結果に基づいて、人物の通行の有無を出力する(ステップST404)。
【0034】
図23は、本発明の実施の形態4における通行有無検知部2の動作を説明する図であり、縦方向の光切断を用いている。カードリーダ411を操作してドアを通過する人414は、人物が通行するエリアに対して光を照射する通行有無検知センサ412の縦方向のファン状光413を切断する。
【0035】
図24は、本発明の実施の形態4における通行有無検知部2のセンサ出力を説明する図で、縦方向の光切断を用いている。このときファン状光のライン番号、センサから得られる距離データ、それらの時間的な変化を、時空間的にとらえると、人が通過した場合、時刻415や時刻416に示すように、人の体が時空間内で高さ領域として現れるため、通行があったことを確実に知ることができる。
【0036】
図25は、本発明の実施の形態4における通行有無検知部2の動作を説明する図であり、横方向の光切断を用いている。カードリーダ421を操作してドアを通過する人424は、通行有無検知センサ422から発せられる横方向のファン状光423を切断する。
【0037】
図26は、本発明の実施の形態4における通行有無検知部2のセンサ出力を説明する図で、横方向の光切断を用いている。このときファン状光のライン番号、センサから得られる距離データ、それらの時間的な変化を、時空間的にとらえると、人が通過した場合、425のように、人の足首が時空間内で高さ領域として現れる。高さ領域のピークをライン番号と時刻からなる二次元平面に投影すると、左右の脚の交差426が現れるため、通行があったことを確実に知ることができる。
【0038】
以上のように、実施の形態4の通行検知システムによれば、通行有無検知部は、人物が通行するエリアに照射された光が遮断されたか否かに基づいて人物の通行を検知するようにしたので、実施の形態1と同様の効果を有すると共に、簡単な構成の付加で、仕様が不明な既設の入退室管理システムに後付けで共連れ検知機能を設置することができる。
【0039】
実施の形態5.
図27は、本発明の実施の形態5の通行有無検知部2aのブロック図である。実施の形態5の通行有無検知部2aは、焦電センサ出力読み出し部501、時空間形状判定部502、通行判定部503を備えている。ここで、焦電センサ出力読み出し部501は、人物が通行するエリアを検知エリアとする焦電センサ(後述する図29の焦電センサ512等)の出力を読み出すものである。時空間形状判定部502は、焦電センサ出力読み出し部501で読み出された焦電センサ出力に基づいて時空間の形状を判定する処理部である。通行判定部503は、時空間形状判定部502の判定結果に基づいて人物の通行の有無を判定する処理部である。
【0040】
図28は、本発明の実施の形態5における通行有無検知部2aの動作を説明するフローチャートである。ステップST501で処理が開始されると、焦電センサ出力読み出し部501は、焦電センサ出力を読み出し(ステップST502)、時空間形状判定部502は、焦電センサ出力に基づいて時空間の形状判定処理を行う(ステップST503)。そして、通行判定部503は、時空間形状判定部502の判定結果に基づいて、人物の通行の有無を出力する(ステップST504)。
【0041】
図29は、本発明の実施の形態5における通行有無検知部2aの動作を説明する図であり、天井付近に配置した焦電センサの情報を用いている。
カードリーダ511を操作してドアを通過する人514は、焦電センサ512の検知エリア513の中で検知される。図30は、焦電センサ512の出力を示す説明図であり、焦電センサ512が9個である場合を示している。このように、天井付近に設置した9個の焦電センサ512から得られる人の有無データを各時刻毎に並べ、それらの時間的な変化を、時空間的にとらえると、人が通過した場合、時刻521から時刻530までのように、おおよその人の分布を知ることができる。これにより、人物の通行があったことを確実に知ることができる。
【0042】
以上のように、実施の形態5の通行検知システムによれば、通行有無検知部2aは、人物が通行するエリアを検知エリアとする焦電センサからの出力に基づいて人物の通行を検知するようにしたので、実施の形態1と同様の効果を有すると共に、簡単な構成の付加で、仕様が不明な既設の入退室管理システムに後付けで共連れ検知機能を設置することができる。
【0043】
実施の形態6.
図31は、本発明の実施の形態6を説明する通行有無検知部2bのブロック図である。通行有無検知部2bの中に、画像信号読み出し部601、移動体検知追跡部602、通行判定部603が備えられている。ここで、画像信号読み出し部601は、後述する図33の画像センサ612のような撮像装置からの出力信号を読み出すものである。移動体検知追跡部602は、画像信号読み出し部601で読み出した画像信号に基づいて人物等の移動体を検知し、かつ、追跡処理を行う処理部である。通行判定部603は、移動体検知追跡部602の検知追跡結果に基づいて人物の通行の有無を判定する処理部である。
【0044】
図32は、本発明の実施の形態6における通行有無検知部2bの動作を説明するフローチャートである。
ステップST601で処理が開始されると、画像信号読み出し部601が画像信号を読み出し(ステップST602)、移動体検知追跡部602で移動体の検知追跡処理を行う(ステップST603)。そして、通行判定部603は、移動体検知追跡部602の検知追跡処理に基づいて人物の通行の有無を出力する(ステップST604)。
【0045】
図33は、本発明の実施の形態6における通行有無検知部2bの動作を説明する図であり、天井付近に配置した画像センサの情報を用いている。カードリーダ611を操作してドアを通過する人614は、画像センサ612の検知エリア613の中に入ると、移動体検知追跡部602で、人すなわち移動体として検知され、追跡される。
図34は、本発明の実施の形態6における通行有無検知部2bのセンサ出力を説明する図である。このとき、天井付近に設置した画像センサ612から得られる移動体の検知、追跡処理の結果615において、通行人の軌跡616を知ることができるため、通行があったことを確実に知ることができる。尚、画像中の移動体の検知及び追跡方法については公知の方法を用いることができる。
【0046】
以上のように、実施の形態6の通行検知システムによれば、通行有無検知部2bは、人物が通行するエリアを撮影した画像信号に基づいて移動体を検知すると共に追跡処理を行い、人物の通行を検知するようにしたので、実施の形態1と同様の効果を有すると共に、簡単な構成の付加で、仕様が不明な既設の入退室管理システムに後付けで共連れ検知機能を設置することができる。
【0047】
実施の形態7.
図35は、本発明の実施の形態7を説明する通行有無検知部2cのブロック図である。実施の形態7の通行有無検知部2cは、画像信号読み出し部601、高さ領域検知追跡部604、通行判定部605が備えられている。ここで、画像信号読み出し部601は、実施の形態6の画像信号読み出し部601と同様である。高さ領域検知追跡部604は、画像信号読み出し部601から出力された画像信号に基づいて高さ領域を検知し、かつ、その高さ領域を追跡する処理部である。また、通行判定部605は、高さ領域検知追跡部604の検知追跡結果に基づいて人物の通行の有無を判定する処理部である。
【0048】
図36は、本発明の実施の形態7における通行有無検知部2cの動作を説明するフローチャートである。
ステップST601で処理が開始されると、画像信号読み出し部601で画像信号を読み出し(ステップST602)、高さ領域検知追跡部604で高さ領域の検知追跡処理を行う(ステップST613)。そして、通行判定部605では、この検知追跡処理に基づいて人物の通行の有無を出力する(ステップST604)。
【0049】
実施の形態7における通行有無検知部2cの動作を説明する図は実施の形態6において通行有無検知部bの動作を説明した図33と基本的には同じである。ただし、実施の形態7では、高さ領域検出を行うために、例えば複数のカメラを用いて三角測量の原理、即ち、ステレオ視により立体情報を得る、あるいは一つのカメラとパターン投影光によって同様に三角測量を用いる、あるいは画像の各画素に対して変調光を発してその到達時間を計測することによってアクティブに距離情報を得るといった方法を用いる。
【0050】
図37は、本発明の実施の形態7における通行有無検知部2cのセンサ出力を説明する図である。このとき天井付近に設置した画像センサから得られる高さ領域の検知、追跡処理の結果617において、通行人の領域618を知ることができるため、通行があったことを確実に知ることができる。
【0051】
以上のように、実施の形態7の通行検知システムによれば、通行有無検知部2cは、人物が通行するエリアを撮影した画像信号に基づいて高さ領域を検知して高さ領域の追跡処理を行い、人物の通行を検知するようにしたので、実施の形態1と同様の効果を有すると共に、簡単な構成の付加で、仕様が不明な既設の入退室管理システムに後付けで共連れ検知機能を設置することができる。
【0052】
実施の形態8.
図38は、本発明の実施の形態8を説明する通行有無検知部2dのブロック図である。実施の形態8の通行有無検知部2dは、画像信号読み出し部601、顔領域検知追跡部606、通行判定部607を備えている。ここで、画像信号読み出し部601は、実施の形態6の画像信号読み出し部601と同様である。また、顔領域検知追跡部606は、画像信号読み出し部601から出力された画像信号に基づいて人物の顔領域を検出し、かつ、検出した顔領域の追跡処理を行う処理部である。また、通行判定部607は、高さ領域検知追跡部604の検知追跡結果に基づいて人物の通行の有無を判定する処理部である。
【0053】
図39は、本発明の実施の形態8における通行有無検知部2dの動作を説明するフローチャートである。
ステップST601で処理が開始されると、画像信号読み出し部601は、画像信号を読み出し(ステップST602)、顔領域検知追跡部606は、その画像信号に基づいて画像処理を行い、顔領域を検知すると共に、その追跡処理を行う(ステップST623)。そして、通行判定部607は、顔領域検知追跡部606の検知追跡結果に基づいて、人物の通行の有無を出力する(ステップST604)。
【0054】
図40は、本発明の実施の形態8における通行有無検知部2dの動作を説明する図であり、ドア方向に向けて、かつ、人物の顔画像を取得できるよう設置した画像センサの情報を用いている。カードリーダ621を操作してドアを通過する人624は、画像センサ622の検知エリア623の中で人、即ち顔領域が検知され、追跡される。
図41は、本発明の実施の形態8における通行有無検知部2dのセンサ出力を説明する図である。このときドア方向を向けて設置した画像センサから得られる顔領域の検知、追跡処理の結果625において、通行人の顔領域626を知ることができるため、通行があったことを確実に知ることができる。尚、画像からの顔領域626の検出方法及びその顔領域626の追跡処理については公知の方法を用いることができる。
【0055】
以上のように、実施の形態8の通行検知システムによれば、通行有無検知部2dは、人物が通行するエリアを撮影した画像信号に基づいて人物の顔領域を検知して追跡処理を行い、人物の通行を検知するようにしたので、実施の形態1と同様の効果を有すると共に、簡単な構成の付加で、仕様が不明な既設の入退室管理システムに後付けで共連れ検知機能を設置することができる。
【符号の説明】
【0056】
1,1a,1b カード操作検知部、2,2a,2b,2c,2d 通行有無検知部、3 共連れ判定部、4 データ記録部、5 データ出力部、101 光切断検知部、102 物体侵入判定部、103 カード操作判定部、201 操作音検知部、202 操作音データ保持部、203 操作音判定部、301 電場強度検知部、302 背景電場強度更新部、303 差分処理部、304 しきい値決定部、305 カード操作判定部、401 光切断検知部、402 時空間形状判定部、403 通行判定部、501 焦電センサ出力読み出し部、502 時空間形状判定部、503,603,605,607 通行判定部、601 画像信号読み出し部、602 移動体検知追跡部、604 高さ領域検知追跡部、606 顔領域検知追跡部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード操作が行われた場合に遮断される方向に光を照射し、当該照射光が遮断された場合はカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部と、
人物の通行の有無を検知する通行有無検知部と、
前記カード操作検知部の検知出力と、前記通行有無検知部の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部とを備えた通行検知システム。
【請求項2】
カード操作が行われた場合に送出される所定の操作音を検知した場合にカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部と、
人物の通行の有無を検知する通行有無検知部と、
前記カード操作検知部の検知出力と、前記通行有無検知部の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部とを備えた通行検知システム。
【請求項3】
カード操作によって変化する電場強度の変化を検知した場合にカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部と、
人物の通行の有無を検知する通行有無検知部と、
前記カード操作検知部の検知出力と、前記通行有無検知部の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部とを備えた通行検知システム。
【請求項4】
通行有無検知部は、人物が通行するエリアに照射された光が遮断されたか否かに基づいて人物の通行を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の通行検知システム。
【請求項5】
通行有無検知部は、人物が通行するエリアを検知エリアとする焦電センサからの出力に基づいて人物の通行を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の通行検知システム。
【請求項6】
通行有無検知部は、人物が通行するエリアを撮影した画像信号に基づいて移動体を検知すると共に追跡処理を行い、人物の通行を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の通行検知システム。
【請求項7】
通行有無検知部は、人物が通行するエリアを撮影した画像信号に基づいて高さ領域を検知して当該高さ領域の追跡処理を行い、人物の通行を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の通行検知システム。
【請求項8】
通行有無検知部は、人物が通行するエリアを撮影した画像信号に基づいて人物の顔領域を検知して追跡処理を行い、人物の通行を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の通行検知システム。
【請求項1】
カード操作が行われた場合に遮断される方向に光を照射し、当該照射光が遮断された場合はカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部と、
人物の通行の有無を検知する通行有無検知部と、
前記カード操作検知部の検知出力と、前記通行有無検知部の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部とを備えた通行検知システム。
【請求項2】
カード操作が行われた場合に送出される所定の操作音を検知した場合にカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部と、
人物の通行の有無を検知する通行有無検知部と、
前記カード操作検知部の検知出力と、前記通行有無検知部の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部とを備えた通行検知システム。
【請求項3】
カード操作によって変化する電場強度の変化を検知した場合にカード操作有りの検知出力を行うカード操作検知部と、
人物の通行の有無を検知する通行有無検知部と、
前記カード操作検知部の検知出力と、前記通行有無検知部の検知出力とに基づいて、共連れ判定を行う共連れ判定部とを備えた通行検知システム。
【請求項4】
通行有無検知部は、人物が通行するエリアに照射された光が遮断されたか否かに基づいて人物の通行を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の通行検知システム。
【請求項5】
通行有無検知部は、人物が通行するエリアを検知エリアとする焦電センサからの出力に基づいて人物の通行を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の通行検知システム。
【請求項6】
通行有無検知部は、人物が通行するエリアを撮影した画像信号に基づいて移動体を検知すると共に追跡処理を行い、人物の通行を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の通行検知システム。
【請求項7】
通行有無検知部は、人物が通行するエリアを撮影した画像信号に基づいて高さ領域を検知して当該高さ領域の追跡処理を行い、人物の通行を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の通行検知システム。
【請求項8】
通行有無検知部は、人物が通行するエリアを撮影した画像信号に基づいて人物の顔領域を検知して追跡処理を行い、人物の通行を検知することを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の通行検知システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【公開番号】特開2011−192140(P2011−192140A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−59098(P2010−59098)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]