説明

速度範囲にわたって対象と光入力装置の相対移動を測定する方法

少なくとも一つの測定軸に沿って、入力装置と対象(15)の相互に対する移動を測定する方法および光学モジュールである。各測定軸に測定ビーム(13)を発生させるため、レーザ孔を有するレーザ装置(3)が提供される。測定ビーム(13)は、対象(15)の照射に使用され、対象(15)から反射された測定ビーム放射線と、レーザ孔に再進入する放射線とにより、レーザ内で自己混合効果が生じ、レーザ孔の作動が変化する。検出器(4)を用いることにより、これらの変化を表す測定信号が生じ、電子処理回路(18)は、相対移動の速度に応じて、測定信号の少なくとも2つのパラメータのうちの一つを選定し、これを用いて、相対移動の速度および方向が決定される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの測定軸に沿って、入力装置と対象の相互に対する移動を測定する方法であって、
レーザ装置のレーザ孔から放射される測定レーザビームで対象表面を照射するステップと、
各測定軸に対して、前記レーザ孔の作動の変化を測定するステップであって、前記変化は、前記レーザ孔に再進入する測定ビーム放射線と、前記レーザ孔内の光波のレーザ自己混合干渉によるものであり、前記少なくとも一つの測定軸に沿った前記移動を表している、ステップと、
前記レーザ孔の作動の前記測定された変化を示す電気信号を発生させるステップと、
を有する方法に関する。
【0002】
また本発明は、当該方法を実施するための光学モジュールを備えた入力装置、およびそのような入力装置を有する機器に関する。
【背景技術】
【0003】
そのような方法および入力装置は、米国特許第6,707,027号で知られている。入力装置は、コンピュータ構成に使用される光学式マウスであっても良く、この場合、コンピュータディスプレイまたはモニタ内をカーソルが移動し、例えば表示メニューの機能が選択される。そのような光学式マウスは、従来の機械式マウスのように、手動によりマウスパッドを横断するように移動する。また入力装置は、「反転式」の光学式マウスであっても良い。この場合、入力装置は静止しており、例えば、デスクトップコンピュータのキーボードまたはノート型コンピュータに組み込まれ、あるいは携帯電話、PDAもしくはゲーム機器のような携帯機器に組み込まれ、対象は、入力装置のハウジング内で透明窓の上部で移動するユーザの指である。後者の用途の場合、入力装置の利点、すなわち小型軽量で、低コスト、小消費電力であるという点に関して、最適な利用がなされる。
【0004】
図1には、米国特許第6,707,027号に記載の入力装置の概略的な断面図を示す。本装置は、その下側のベース板1と、例えば光ダイオードである検出器とを有し、ベース板は、示された実施例ではVCSELレーザである、ダイオードレーザを担持する。図1aには、一つのダイオードレーザ3と、関連する光ダイオード4のみが認められるが、通常ベース板上には、装置の概略平面図である図1bに示すように、少なくとも第2のダイオードレーザ5および関連する検出器6が設置される。ダイオードレーザ3、5は、それぞれ測定ビーム13および17を放射する。装置の上側には、透明窓12が設置されており、この窓を介して、対象、例えば人の指が移動する。ダイオードレーザと窓の間には、例えば平凸レンズのようなレンズ10が配置される。このレンズは、透明窓12に、または透明窓12の近傍の上部に、レーザビーム13、17を集束する。この位置に対象15がある場合、この窓は、ビーム13(および17)を散乱する。放射線ビーム13の一部は、照射ビーム13の方向に散乱され、この部分は、レンズ10により、ダイオードレーザ3の放射表面に集光され、そのレーザ孔に再度進入する。後述するように、レーザ孔に再入射した放射線は、ダイオードレーザによって放射される放射線の強度を変化させる。これらの変化は、光ダイオード4により検出され、測定された変化は、電気信号に変換され、この電気信号は、処理のため電子回路18に供給される。同様に、光ダイオード6は、ダイオードレーザ5により放射された放射線の強度の測定された変化を電気信号に変換し、この電気信号は、処理のため別の電子回路19に供給される。図1bに示すように、電子回路18、19は、相互接続されている。レーザと検出器は、各種度合いで統合することが可能であり、これにはモノリシックな統合が含まれる。
【0005】
図2には、水平放射ダイオードレーザと、該レーザの後面に配置されたモニタ光ダイオードとが使用される場合の、米国特許第6,707,027号に記載の、相対移動を測定する入力装置および方法の原理を示す。図2において、例えばダイオードレーザ3のダイオードレーザは、孔20と、その前面および後面とにより、またはそれぞれレーザミラー21および22とにより、概略的に示されている。孔は、全長がLである。対象15と前面21の間の空間は、外部孔を形成し、その長さはL0である。前面を介して放射されたレーザビームは、参照符号25で示されており、対象によって反射された前面の方向の放射線は、参照符号26で示されている。レーザ孔内で生じた放射線の一部は、後面を通過して、光ダイオード4により捕獲される。
【0006】
対象15が照射ビーム13の方向に移動した場合、反射放射線26は、時間変化する位相遅延およびドップラーシフトの影響を受ける。これは、この放射線の周波数(さらには位相)が変化し、または周波数シフトが生じることを意味する。この周波数シフトは、対象が移動する速度に依存し、数kHz乃至MHzのオーダーである。レーザ孔に再進入する周波数がシフトした放射線は、光波またはこの孔内で生じた放射線と干渉し、すなわち孔内で自己混合効果が生じる。光波と孔に再進入する放射線との間の位相シフトの量に応じて、この干渉は、相乗効果または相殺効果となり、すなわち、レーザ放射線の強度は、周期的に増大または減少する。このようにして生じたレーザ放射線変調の周波数は、孔内の光波の周波数と孔に再進入するドップラーシフト放射線の周波数の間の差異に正確に一致する。周波数差は、数kHz乃至MHzのオーダーであるため、検出が容易である。自己混合効果と反射光の時間変化する位相シフトの組み合わせにより、レーザ孔の作動に変化が生じ、特に、そのゲインまたは光増幅が変化し、各ミラーでの出力電力が変化する。
【0007】
対象の移動速度vの関数としてゲイン変化Δgは、以下の式で与えられる:
【0008】
【数1】

この式において、
Kは、外部孔に対する結合係数であり、レーザ孔で結合された放射線量を示し、
νは、レーザ放射線の周波数であり、
vは、照射ビームの方向における対象の移動速度であり、
tは、時間のモーメントであり、
cは、光速である。
【0009】
対象の移動速度と、移動量、すなわち対象が移動した距離であって、時間に対する測定速度の積分により得られる移動量に加えて、さらに移動方向の検出、すなわち対象が測定軸に沿って前方または後方のいずれに移動したかを検出する必要がある。
【0010】
移動方向を判断するためのある提案された方法では、レーザ放射線の波長λが、ダイオードレーザの温度さらには電流に依存することが使用される。例えば、ダイオードレーザの温度が上昇した場合、レーザ孔の長さは増大し、増幅された放射線の波長は、増大する。図3の曲線45は、放射放射線の波長λの温度(Td)依存性を示している。
【0011】
図4に示すように、ダイオードレーザに周期的な駆動電流Id(波形50で表されている)が供給された場合、ダイオードレーザの温度Tdは、波形52に示すように周期的に上昇し低下する。この結果、レーザ孔内の永続的な光波は、周波数が周期的に変化し、従って、対象により反射され、ある時間遅延で孔に再進入する放射線に対する位相シフトは、連続的に変化する。今度の場合、駆動電流の各半周期において、連続的な時間セグメントが存在し、ダイオードレーザゲインは、孔内の波と孔に再進入する反射放射線の位相関係に応じて、上昇、低下する。この結果、図4の波形54に示すように、放射放射線の時間依存強度変化(I)が生じる。この波形は、静止状態または対象に動きがない状態を表す。第1の半周期1/2p(a)でのパルス数は、第2の半周期1/2p(b)でのパルス数に等しい。
【0012】
対象の移動により、レーザ孔再進入放射線の時間変化にシフトが生じ、すなわちこの周波数は、ドップラーシフト周波数とともに、移動方向に応じて増加または低下する。ある方向、前方方向での対象の移動により、再進入放射線の波長の低下が生じ、反対の方向の移動により、再進入放射線の波長の上昇が生じる。ドップラーシフト周波数が、レーザ孔での周波数変調と等しい符号である場合、レーザ孔内での光波の周期的な周波数変調の効果が得られ、周波数変調とドップラーシフト周波数とが反対の符号を有する場合、孔への再進入ドップラーシフト放射線の効果は、この放射線の効果とは異なる。2つの周波数シフトが同符号である場合、波と再進入放射線の間の位相差は、低速度で変化し、得られるレーザ放射線の変調周波数は、低くなる。2つの周波数シフトが反対符号を有する場合、波と放射線との間の位相差は、より高速で変化し、レーザ放射線の得られる変調周波数は、より大きくなる。駆動レーザ電流の第1の半周期1/2p(a)の間、生じたレーザ放射線の波長は、増大する。対象が後方に移動する場合も、再進入放射線の波長は、増大し、このため孔内の波の周波数とこの孔に再進入する放射線の周波数の間の差は、低下する。従って、再進入放射線の波長が発生放射線の波長と適合されている間、時間セグメントの数は、放射レーザ放射線の電気的変調のない場合に比べて、少なくなる。これは、対象が後方方向に移動した場合、第1の半周期におけるパルスの数が、変調が適用されない場合に比べて、少なくなることを意味する。第2の半周期1/2p(b)では、レーザ温度および発生放射線の波長は、低下し、再進入放射線の波長が発生放射線の波長と適合される際の、時間セグメント数は増加する。従って、対象が後方に移動する場合、第1の半周期でのパルス数は、第2の半周期でのパル数に比べて少なくなる。これは、図5において波形58で示されており、この図には、対象が後方方向に移動する場合に放射されるレーザ放射線の強度Ibが示されている。この波形を図4の波形54と比較すると、第1の半周期でのパルス数が減少し、第2の半周期でのパルス数が増大していることがわかる。
【0013】
前述の記載から、対象が前方方向に移動する場合、対象によって散乱され、レーザ孔に再進入する放射線の波長が、ドップラー効果により低下することは、明らかである(対象がレーザの方に移動する、正のドップラーシフトの場合、レーザ波長の上昇のため、レーザとターゲットの間の波長フィッティングが低下し、レーザとターゲットの間の波長フィッティング数は、低下する)。第1の半周期1/2p(a)でのパルス数は、第2の半周期1/2p(b)でのパルス数よりも多くなる。これは、対象が前方に移動する場合に放射される放射線の強度Ifを示す、図5の波形56と比較することにより確認される。電子処理回路では、第2の半周期1/2p(b)の間、継続する光ダイオード信号パルスの数が、第1の半周期1/2p(a)の間、継続するパルスの数から差し引かれる。得られる信号がゼロの場合、対象は静止している。得られる信号が正の場合、対象は、前方方向に移動しており、信号が負の場合、対象は、後方方向に移動している。得られるパルス数は、それぞれ前方および後方の方向での移動速度に比例する。
【0014】
従って前述の記載を要約すると、対象および装置の測定軸に沿った相対的な移動方向を定めるため、レーザに供給される電気駆動電流は、周期的に変化する電気信号であって、例えば三角波状の周期で変化する電流である。このレーザ変調により、測定された信号は、三角波の上昇および下降に重畳された、高い周波数、いわゆる「オフセット周波数」の波形を示す。上昇勾配での周波数が下降勾配での周波数と等しい場合、対象は、装置に対して停止している。対象が移動した場合、上昇勾配でのオフセット周波数は、測定軸に沿った移動方向に依存して、下降勾配でのオフセット周波数に比べて、大きくまたは小さくなる。オフセット周波数は、レーザ電流の変調速度、および装置と対象の間の距離によって定められた値を有する。装置に対する対象の移動を測定するため、検出出力信号のオフセット周波数が決定され、すなわち所与の測定時間の間、周波数解析が実施される。オフセット周波数測定には、フーリエ解析(FFT)法、または他の周波数もしくは位相追跡方法、例えば比較カウント手段を用いた方法が利用される。
【0015】
多くの前述の用途において、特に、入力装置がゲーム機器等に使用される場合、装置は、広い速度範囲にわたって、例えば4桁の0.1mm/秒から1mm/秒までの範囲にわたって、測定を行うことが可能である必要がある。4桁のオーダの範囲内のいかなる速度をも、一つのサンプルの周波数測定により測定する必要がある場合、このサンプルにおいて、216のオーダの多数の測定点が解析され、補正される必要がある。これは、得られたデータの処理に必要な計算過程が極めて集中的で、単一のサンプルでの測定時間は、許容不可能なほど長くなることを意味する。この測定時間の長期化の結果、レーザ駆動周波数または変調速度は、極めて小さくする必要があるが、この場合、移動方向を定める際に必要な周波数のオフセットが極めて小さくなってしまう。一方、移動速度がオフセット周波数よりも大きい場合、このタイプの測定から移動の方向を定めることは不可能である。
【特許文献1】米国特許第6,707,027号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
従って、本発明の課題は、前述のタイプの方法および装置であって、広い速度範囲にわたって、実用的な測定時間内で、各測定に対して適度な計算効率で、相対移動の速度と方向の双方を定めることが可能な方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明では、少なくとも一つの測定軸に沿って、入力装置と対象の相互に対する移動を測定する方法であって、
当該方法は、
各測定軸に対して、レーザ装置のレーザ孔から放射された測定レーザビームを対象表面に照射するステップと、
前記レーザ孔の作動の変化を表す測定信号を発生させるステップであって、前記変化は、前記レーザ孔に再進入する測定ビーム放射線と、前記レーザ孔内の光波との干渉によるものであり、前記少なくとも一つの測定軸に沿った前記移動を表す、ステップと、
前記入力装置と前記対象の相互に対する移動速度に応じて、前記測定信号の少なくとも2つのパラメータの一つを選定し、前記選定されたパラメータから、前記移動の速度および方向を定めるステップと、
前記移動の速度および方向を表す電気信号を発生させるステップと、
を有する方法が提供される。
【0018】
また本発明では、少なくとも一つの測定軸に沿って、入力装置と対象の相互に対する移動を測定する方法を実施するための光学モジュールであって、
当該光学モジュールは、
各測定軸用のレーザ装置であって、測定レーザビームを発生させるレーザ孔を有するレーザ装置と、
対象表面に前記測定ビームを照射する手段と、
前記レーザ孔の作動の変化を表す測定信号を発生させる検出手段であって、前記変化は、前記レーザ孔に再進入する測定ビーム放射線と、前記レーザ孔内での光波との干渉によるものであり、前記少なくとも一つの測定軸に沿った前記移動を表す、検出手段と、
前記入力装置と前記対象の相互に対する移動速度に応じて、前記測定信号の少なくとも2つのパラメータの一つを選定し、前記選定されたパラメータから、前記移動の速度および方向を定め、前記移動の速度および方向を表す電気信号を発生させる電子処理手段と、
を有する入力モジュールが提供される。
【0019】
本発明は、前述のような光学モジュールを含む入力装置にも及ぶ。
【0020】
前記少なくとも2つのパラメータの一つは、前記測定信号の連続部分における対応する事象間の位相差を有することが好ましく、前記少なくとも2つのパラメータの別の一つは、前記測定信号に重畳されたオフセット周波数を有することが好ましい。好適実施例では、当該方法は、速度範囲内で移動の速度を測定する際に使用され、前記測定信号の連続部分における対応する事象間の前記位相差は、低い速度組での移動の速度および方向を定めるために選定され、前記範囲には、最小速度が含まれることが有意である。前記オフセット周波数は、高い速度組での移動の速度および方向を定めるために選定され、前記範囲には、最高速度が含まれることが有意である。
【0021】
好適実施例では、前記レーザ装置に変調駆動電流が印加され、前記測定信号は、これに従って変調され、前記変調測定信号は、各期間に上昇部分と下降部分とを有する。前記駆動電流は、前記入力装置と前記対象の相互に対する移動速度に応じて調整されることが好ましい。前記範囲において、移動の速度が最高速度を含む第1の速度組にある場合、前記駆動電流は、第1の変調速度にパルスのバーストを有し、移動の速度および方法は、前記測定信号の上昇部分のオフセット周波数を、前記測定信号の同期間での下降部分のオフセット周波数と比較することにより定められることが好ましい。前記移動速度が、前記最高速度よりも低い第1の速度と、前記最小速度よりも大きな第2の速度の間の、第2の速度組にある場合、前記パルスのバーストの変調速度は、前記第1の変調速度よりも小さな第2の変調速度に低下することが好ましく、前記第1の変調速度に対する前記第2の変調速度の比は、前記速度の低下に依存することが好ましい。この低い変調速度により、高い変調速度に比べて、高い分解能が提供される。この場合、前記移動の速度および方向は、前記測定信号の上昇部分のオフセット周波数を、前記測定信号の同一期間での下降部分のオフセット周波数と比較することにより定められることが好ましい。
【0022】
前記移動速度が、前記最高速度よりも小さな第1の速度と、前記最小速度よりも大きな前記第2の速度の間の、第3の速度組であって、前記第2の速度組よりも小さな速度を含む、第3の速度組にある場合、前記駆動電流は、バースト内で、少なくとも2つの異なる変調速度を有するパルスのバーストを有することが好ましく、前記移動の速度および方向は、前記測定信号の一連の期間において、2つ以上の上昇部分または2つ以上の下降部分の前記オフセット周波数を比較することにより定められることが好ましい。
【0023】
前記移動の速度が、前記最高速度よりも小さな第1の速度と、第2の速度との間の、第4の速度組であって、前記第3の速度組よりも小さな速度を含む第4の速度組にある場合、前記駆動電流は、複数のパルスのバーストを有し、該複数のパルスのバーストの間には、時間インターバルがあることが好ましい。前記移動の速度および方向は、得られる測定信号の一連のバーストにおける対応する事象の位相差を定めることにより定められることが好ましく、前記事象は、前記測定信号の上昇および下降部分の周期よりも大きな周期を有することが好ましい。前記パルスのバーストの変調速度は、前記移動の速度により変化し、前記速度が前記最小速度を含む速度組にある場合、前記パルスのバーストの変調速度には、低い変調速度が含まれることが好ましい。
【0024】
本発明は、測定信号、すなわち光ダイオードのような放射線感度検出器からの信号において、長時間の事象を用いることにより、移動の速度および方向が定められ、低い速度での分解能が実質的に向上するという原理に基づくものである。低いおよび最小速度での分解能は、一連の選択事象の間の時間インターバルの増加とともに向上する。この事象は、レーザに供給される電気的駆動電流の形状および周期により生じ、上昇および下降勾配、パルスのバースト内の一連のパルス、ならびに一連のパルスのバーストを含んでも良い。
【0025】
従って、最高のおよび高い速度での周波数測定と、低いおよび最小の速度での位相測定とを利用することにより、測定され得る速度の範囲を、実質的に従来技術に対して増加させることが可能となる。
【0026】
本発明のこれらのおよび他の特徴は、以下に示す実施例を参照することにより、明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
一例に過ぎない添付図面を参照して、以下本発明の実施例を説明する。
【0028】
従って、移動の速度および方向を表す電気信号を発生させる電子処理回路は、移動の速度に応じて多くの方法のうちから選択された一つの方法により、必要な測定を実施するように配置される。
【0029】
第1の方法では、測定信号の上昇勾配のオフセット周波数を、同一の期間の下降勾配のオフセット周波数と比較する前述の処理を用いて、移動の速度と方向が定められる。この方法は、網羅される必要な所望の速度範囲内で、移動速度が最高のとき、および高い速度のときに、選定される。また、この方法を用いて提供することができる速度範囲を増加させるため、一時的に測定された移動速度に応じて、レーザ駆動電流の変調速度が適合される。従って、予想される移動速度が最大(または「最高」)の場合(例えば1m/秒)、周期的に変化するレーザ駆動電流の変調速度(例えば図5の三角波状駆動電流Id)は、例えば25kHzの最大に設定され、レーザ変調により生じた検出器波動のオフセット周波数は、範囲内で最大速度に適合される。勾配の間、多く(例えば128)のサンプルが得られ(フーリエ解析または他のいかなる適当な解析方法を用いて)解析され、上昇勾配のオフセット周波数が、同一の期間の下降勾配のオフセット周波数と比較される。上昇および下降勾配に加えて、レーザ駆動電流のある期間(および得られる検出信号)も、一定の振幅のセグメントを有し得ることは明らかであり、すなわちこれは、勾配の間に水平な区画を有しても良い。最大未満の速度の場合、変調速度、さらにはオフセット周波数は、例えば4ステップで比例的に減少する。例えば、一時的に測定された移動速度が最大速度の半分の場合、変調速度は、最大変調速度の半分に減少し、オフセット周波数が測定速度に対して妥当な割合に維持される。その結果、最大速度と最大速度よりも約一桁小さな速度との間で、一桁の測定範囲が得られ、その範囲内で、移動の速度および方向を正確に信頼性のある方法で定めることができる。ここでは、最高速度と該最大速度よりも約一桁小さな速度との間の、この速度上限での速度を、「より高い」速度とも称する。従って、この速度と方向を定める第1の方法は、移動の最高およびより高い速度に最も適していると解され、移動速度がこの範囲にある場合、電子処理回路(または「制御器」)による使用のために選定される。
【0030】
速度と方向を定める第2の方法は、正確で信頼性のある方法で処理することができる速度範囲をさらに一桁以上大きくするため、速度の中間範囲内での使用のために提案されるものである。提案された第2の方法では、レーザ駆動電流は、パルスのバーストで構成され、バーストの範囲内で、異なる変調速度が使用される。図面の図6を参照すると、それぞれ、25kHZと12.5kHzの変調速度の2タイプのバーストが示されている。一連のセグメント(勾配)の間の位相関係は、これらのセグメントの間の時間遅延に依存し、これは、この例では、2倍のスケールである。従って、測定信号の一連の期間に、異なる波動(またはオフセット)周波数が与えられる。前述の第1の方法のように、処理の際に、同一の期間の上昇および下降勾配の変調を使用する代わりに、今度の場合、一連の上昇および下降勾配の波動が処理に使用される。これらの波動の高速フーリエ変換(FFT)の結果は、例えば、FFT結果の複素(complex)位相を関連付けることにより、相互に相関付けられる(アップアップ(up-up)位相またはダウンダウン(down-down)位相の関係)。2つの上昇勾配または2つの下降勾配の間のインターバルは、同一期間の上昇と下降の勾配のインターバルよりも大きく、測定分解能は、測定結果の間のインターバルに逆比例するため、FFT分解能は、同一の期間の一連の上昇勾配と下降勾配の周波数測定(アップダウン(up-down)測定)に基づく結果に比べて、有意に向上する。従って、変調の周波数を8倍変化させることにより、正確で信頼性のある速度範囲が得られ、速度範囲は、さらに一桁以上向上する。
【0031】
不確実性がFFT分解能の半分の積分に等しい値に達するような、生じ得るオフセット周波数を除去するため、さらにこの方法は、前述の第1の方法のように、バースト内での異なる変調速度が、一時的に測定された速度と対応するように適合されても良い。
【0032】
前述の両方の方法では、規則的なバースト作動モードが使用される。本発明のこの一実施例、および図面の図6を参照すると、バーストは、少なくとも2つのサイクルまたは期間を有する必要があり、このバーストの時間は、少なくとも200μsec(秒)(12.5kHzの変調速度において)とバーストに続く計算時間との和に等しくなるようにする必要がある。
【0033】
必要な範囲において最低速度を下回るような低い速度範囲に適した第3の方法では、一連のバーストにおける対応する事象間での位相差が定められ、この場合も、一連のバーストのFFTデータとの間に、相関があることが利用される。このデータを用いることにより、バースト間のインターバルに反比例する分解能が得られる。この分解能は、原理上、一つのバースト内での事象からの相関データから得られる結果に比べて、一桁向上する。
【0034】
この第3の方法では、第2のタイプのバースト作動が使用され、これは、一連のバーストの測定および比較を有し、これは、ここでは、相互バースト(IB)測定と称される。バースト間で拡大縮小の可能な小さな時間インターバルを得るため、通常バーストは、25kHzの変調期間の場合も、2つの期間のみを有する。従って、バースト組の間の必要な最小分離は、100乃至150μsecである。この値を、それぞれ25kHzおよび12.5kHzの場合の、40μ秒および80μsecでの位相測定のアップアップインターバルまたはダウンダウンインターバルと比較すると、IBインターバルが小さい場合、位相検出領域間に良好な重複が予想されることがわかる。しかしながら、0.1mm/secのような最小速度の測定を行うためには、相互バースト位相測定の間は、少なくとも500μsecまで、または1msecの間隔があることが好ましい。一連のバーストの間が50nmとなるような対象の配置では、約0.35ラジアン角度、20゜の位相差が生じる。
【0035】
通常、正確なまたはより感度の高い位相測定を得るため、位相結果を用いる場合、粗い位相タイプの標準偏差σは、十分に小さいことが必要となる。良好な測定のためには、これは、2から10%の間であり、3σは、6乃至30%である。これは、感度位相スケールのπよりも小さな値に対応する。これは、粗いスケールは、微細なスケールに比べて3.3倍を超えないように、粗くする必要があることを意味する。この場合、粗い位相と微細な位相の結果のそれぞれに関するインターバル時間の比が、約3.3の最大限界を示すように設定される。変調速度でのU&D(一連のアップダウンセグメント)およびUUおよび/またはDD周波数測定の結果から始まる場合、値は、約2である。1.25kHzUD/DD測定から25kHzのIB測定までの場合、3.3の比が好ましい。これは、260μsecのインターバルに相当する。1.25kHzのIB測定では、850μsecのインターバルが必要となる。
【0036】
前述の方法では、12.5kHzと25kHzの結果が組み合わされて、速度選定に使用される。その結果、相互バースト測定のため、変調速度ではなくバーストの間のインターバルのみが関連のパラメータとなり、原理的に必要な量よりも多い量の放射線エネルギーが使用される。従って、図面の図7に示すような、高い変調速度および交互変調方式を使用することが可能となる。示された方式では、相互バースト測定の第1のバーストは、単一の変調まで最小化される。これにより、相互バーストの結果の間で、最小の時間を使用することが可能となり、従って、通常の場合、同じ周波数のUD/DD結果により、短い相互バーストを高精度化することができる。次に、この相互バーストと同じ周波数の長い相互バーストを組み合わせることにより、速度結果が得られ、より低い速度で測定することが可能となる。または、相互バースト測定のバースト列は、UD/DDデータを提供する長いバーストに続く、インターバルの短い多数の短バーストで構成され、高い変調速度においても一つの測定において、最小速度を正確に高信頼性で定めることができる。速度の選択と採取の適合が必要である、このタイプの測定は、放射線エネルギーさらには電力消費の限定に使用され、これは、50kHzの変調速度での相互バースト測定により最小化される。
【0037】
以上要約すると、本発明の前述の一実施例では、レーザのバースト作動の種類の選定は、評価速度に基づく。最大速度では、位相データは、不要であり、これは、最大変調速度、例えば、25kHzで十分に変調される。高い速度の場合、高い分解能を得るため、12.5kHzのような低い変調速度での周波数測定からのデータのみが使用される。これらの双方のモード、EおよびDのモードは、通常、それぞれ、単一変調速度、バーストモードである。
【0038】
中間速度の場合、25kHzと12.5kHzの変調速度測定からのデータが組み合わされて、位相結果が得られる。25kHzと12.5kHz変調速度を有するバーストプラン(モードC)は、図8に示されている。これにより、2つのレーザは、時間多重化モードで駆動される。ブロックの各々は、完全な変調シーケンスを示している。低い速度(モードB)では、25kHzの相互バースト(IB)測定からのデータが追加され(図9のバーストプラン参照)、最低速度(モードA)の場合、同様に、12.5kHまたは6.25kHzでの相互バースト測定からのデータが加えられる(図10のバーストプラン参照)。低いおよび最小の速度では、位相情報を使用することにより、すなわち一連のバーストの位相結果を相関付けることにより、さらなる分解能向上が得られる。図10における12.5kHzのバーストの間の時間インターバルは、6.25kHzのバースト間の時間インターバルとは異なっている。最大の時間インターバルのバーストは、最良の測定分解能を提供するが、これらは、最小速度の場合にのみ使用することができる。
【0039】
従って、測定モードC、DおよびEの場合、処理には、周波数データのみが利用される。モードAおよびBの場合、位相データが使用される。位相データ(UD、UU、DDまたはIB測定)は、-π〜+πの間の値を有する位相の形態で、速度を提供し、これは、それ自身が振動され、増加する速度で反復される。これは、図12に示されている。
【0040】
前述の実施例は、25kHzと12.5kHzの変調速度で作動するが、同様の概念を、他の変調速度組に適用しても良く、例えば50kHzと60kHzに適用しても良い。バースト間のインターバルは、異なる検出モード間で、最適な重複が得られるように適合され、許容可能な計算効率で、4桁以上の範囲内の速度が定められる。
【0041】
以下の表には、前述の本発明の一実施例における、バースト種、タイミングおよびバンド幅に関するモードA、B、C、DおよびEのバースト種の定義をまとめて示す。
【0042】
【表1】

上述の各バースト種は、別の速度範囲に適している。定められる最大速度は、位相が処理される2πジャンプの数(#)により与えられ、本実施例では、これは、最大5である。定められる最小速度は、位相結果に対して少なくとも35゜の角度で与えられる。周波数判定の場合、最大32ビンのシフトが考慮される。一つのビンは、(例えば128ポイントの)高速フーリエ変換ステップ後に得られる周波数ヒストグラムでの周波数範囲である。50kHzの変調の場合、そのようなビンは125kHzであり、6.25kHzの変調の場合、これは15.6kHzである。最小周波数シフトは、非位相作動の場合、1ビンである。
【0043】
異なるモードに使用することができる測定反復速度は、図11に示されている。
【0044】
異なる速度(mm/sec単位)での作動モードは、以下の表により与えられる。
【0045】
【表2】

モードA、B、C、D、およびEのそれぞれにおいて、バースト反復速度は、4、2、1、0.5および0.5msである。作動モードの間の切り替えは、速度の関数として実施される。従って、ヒステリシスが生じ、これは、増加速度および減少速度の場合が表に示されている。ヒステリシスは、全てのモードで等しい。速度選定が加速エラーを示す場合、有効な速度が記録されていない場合や、外挿速度がより高い速度を示さない場合であっても、常時バーストモードが立ち上がる。表には、モードが「スイッチオン」にされる速度が示されている。速度が減少する場合、切り替えモードAは、0.8mm/secの速度で実施される。速度が増大する場合、速度290mm/secでモードEへの切り替えが実行される。作動モードが立ち上がり、または増大する速度の差は、一定であり、この例の場合、2に等しい。
【0046】
前述の実施例は、本発明を限定するものではなく、当業者には、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸脱しないで、多くの代替実施例が想起されることに留意する必要がある。請求項において、括弧で示されたいかなる参照符号も、請求項を限定するものと解してはならない。如何なる請求項および明細書全体においても、「有する」という用語は、記載された素子またはステップ以外の存在を排斥するものではない。単一素子の参照は、そのような素子が複数存在することを排斥するものではなく、逆も同様である。本発明は、いくつかの個別の素子を有するハードウェアにより実施されても良く、適当にプログラム化されたコンピュータで実施されても良い。いくつかの手段が列挙された装置の請求項において、これらの手段のいくつかは、ハードウェアの同様の部品によって具現化されても良い。単にある手段が複数の異なる従属請求項に記載されていることのみから、これらの手段の組み合わせの使用が有意ではないと解してはならない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1a】入力装置の概略断面図である。
【図1b】図1aの装置の概略的な平面図である。
【図2】図1aおよび1bの入力装置の測定方法の原理を示した図である。
【図3】光学フィードバックを用いたレーザ温度の関数としてのレーザ波長の変化を示した図である。
【図4】レーザ用の周期的に変化する駆動電流を用いる効果を示した図である。
【図5】移動方向の検出方法を示した図である。
【図6】2つの異なる変調速度、25kHzと12.5kHzでのパルスのバーストを有するレーザ駆動電流を概略的に示した図である。
【図7】相互バースト作動を用いた本発明の一実施例に使用される変調方式を概略的に示した図である。
【図8】本発明の一実施例における測定モードCでのバーストプランを概略的に示した図である。
【図9】本発明の一実施例における測定モードBでのバーストプランを概略的に示した図である。
【図10】本発明の一実施例における測定モードAでのバーストプランを概略的に示した図である。
【図11】本発明の一実施例における異なる測定モードで使用され得る測定反復速度をグラフ上に概略的に示した図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの測定軸に沿って、入力装置と対象の相互に対する移動を測定する方法であって、
当該方法は、
各測定軸に対して、レーザ装置のレーザ孔から放射された測定レーザビームを対象表面に照射するステップと、
前記レーザ孔の作動の変化を表す測定信号を発生させるステップであって、前記変化は、前記レーザ孔に再進入する測定ビーム放射線と、前記レーザ孔内の光波との干渉によるものであり、前記少なくとも一つの測定軸に沿った前記移動を表す、ステップと、
前記入力装置と前記対象の相互に対する移動速度に応じて、前記測定信号の少なくとも2つのパラメータの一つを選定し、前記選定されたパラメータから、前記移動の速度および方向を定めるステップと、
前記移動の速度および方向を表す電気信号を発生させるステップと、
を有する方法。
【請求項2】
前記干渉は、レーザ自己混合干渉を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも2つのパラメータの一つは、前記測定信号の連続部分における対応する事象間の位相差を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも2つのパラメータの一つは、前記測定信号に重畳されたオフセット周波数を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
速度範囲内で移動の速度を測定する際に使用され、
前記測定信号の連続部分における対応する事象間の前記位相差は、低い速度組での移動の速度および方向を定めるために選定され、前記範囲には、最小速度が含まれることが有意であることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記測定信号に重畳される前記オフセット周波数は、高い速度組での移動の速度および方向を定めるために選定され、前記範囲には、最高速度が含まれることが有意であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記レーザ装置に変調駆動電流が印加され、
前記測定信号は、これに従って変調され、
前記変調測定信号は、各期間に上昇部分と下降部分とを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記駆動電流は、前記入力装置と前記対象の相互に対する移動速度に応じて調整されることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
速度範囲内での移動の速度の測定に使用され、
前記範囲において、移動の速度が最高速度を含む第1の速度組にある場合、前記駆動電流は、第1の変調速度にパルスのバーストを有し、
移動の速度および方法は、前記測定信号の上昇部分のオフセット周波数を、前記測定信号の同期間での下降部分のオフセット周波数と比較することにより定められることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記移動速度が、前記最高速度よりも低い第1の速度と、前記最小速度よりも大きな第2の速度の間の、第2の速度組にある場合、前記パルスのバーストの変調速度は、前記第1の変調速度よりも小さな第2の変調速度に低下することを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の変調速度に対する前記第2の変調速度の比は、前記速度の低下に依存することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記移動の速度および方向は、前記測定信号の上昇部分のオフセット周波数を、前記測定信号の同一期間での下降部分のオフセット周波数と比較することにより定められることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記移動速度が、前記最高速度よりも小さな第1の速度と、前記最小速度よりも大きな前記第2の速度の間の、第3の速度組であって、前記第2の速度組よりも小さな速度を含む、第3の速度組にある場合、前記駆動電流は、バースト内で、少なくとも2つの異なる変調速度を有するパルスのバーストを有することを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記移動の速度および方向は、前記測定信号の一連の期間において、2つ以上の上昇部分または2つ以上の下降部分の前記オフセット周波数を比較することにより定められることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記移動の速度は、前記最高速度よりも小さな第1の速度と、第2の速度との間の、第4の速度組であって、前記第3の速度組よりも小さな速度を含む第4の速度組にあり、
前記駆動電流は、複数のパルスのバーストを有し、該複数のパルスのバーストの間には、時間インターバルがあることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記移動の速度および方向は、得られる測定信号の一連のバーストにおける対応する事象の位相差を定めることにより定められることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記事象は、前記測定信号の上昇および下降部分の周期よりも大きな周期を有することを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記パルスのバーストの変調速度は、前記移動の速度により変化し、前記速度が前記最小速度を含む速度組にある場合、前記パルスのバーストの変調速度には、低い変調速度が含まれることを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも一つの測定軸に沿って、入力装置と対象の相互に対する移動を測定する方法を実施するための光学モジュールであって、
当該光学モジュールは、
各測定軸用のレーザ装置であって、測定レーザビームを発生させるレーザ孔を有するレーザ装置と、
対象表面に前記測定ビームを照射する手段と、
前記レーザ孔の作動の変化を表す測定信号を発生させる検出手段であって、前記変化は、少なくとも一つの測定軸によるものである、検出手段と、
前記入力装置と前記対象の相互に対する移動速度に応じて、前記測定信号の少なくとも2つのパラメータの一つを選定し、前記選定されたパラメータから、前記移動の速度および方向を定め、前記移動の速度および方向を表す電気信号を発生させる電子処理手段と、
を有する入力モジュール。
【請求項20】
請求項19に記載の光学モジュールを有する入力装置。


【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2009−506338(P2009−506338A)
【公表日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−528617(P2008−528617)
【出願日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052948
【国際公開番号】WO2007/026293
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】